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独立行政法人産業技術総合研究所 |
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エネルギー利用研究部門 |
バイオマスグループ |
小木知子 |
計測標準研究部門 |
中西正和 |
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宮崎大学工学部 |
土手 裕 |
平成12〜14年度合計予算額 16,624千円
(うち、平成14年度予算額 5,939千円)
再生可能で大気中のCO2を固定するため、温暖化軽減に寄与すると期待されるバイオマスからエネルギーを製造・導入した場合の、温暖化軽減効果を試算した。
1)エネルギー変換プロセスとして、木質系バイオマスから糖化−発酵によりエタノールを製造、これをデイーゼル燃料代替として発電に用いた場合のCO2削減効果を試算、その結果をこれまでに検証の終わった燃焼発電、ガス化発電、熱分解と比較した。その結果、原料の産地や変換地の事情によりCO2削減量は変動するが、4種のプロセスで最も削減効果が大きかったのはガス化発電であった。
2)日本国内のバイオマスを用いて燃焼orガス化発電を行う場合について、モデル地域を想定し、地域特性に応じた適正規模の発電技術とシステムの検討を行った。その結果、日本の東北地方の小都市(人口3万人相当)では、マイクロガスタービンコジェネ(300kW,複数基)による小型分散発電システムが適していること、300kWのマイクロガスタービンゴジェネ発電に必要な木材量は、約25AD-t(1基)であり、この地域の調達可能木質系バイオマス量に適合することが判った。
3)日本における小型燃焼発電の調査とコスト試算、エタノール発酵のコスト試算を行った。日本における木質系バイオマスの発電コストは6〜189円/kWhとばらつきが大きく、現状では石炭火力との経済的競合は困難であるが、炭素税等の温暖化対策措置を考慮すれば、競合可能となり、その場合、原料バイオマスのコストの圧縮が重要であることがわかった。エタノール発酵に関しては、木質系バイオマスから製造したエタノールのコストは平均約84円/Lで、粗留アルコール(44円/L)には及ばないが、発酵エタノール(86円/L)と競合可能、原料費を大幅に下げれば合成アルコール(74円/L)とも競合できることが示唆された。
木質系バイオマス、バイオエネルギー、CO2削減、マイクロタービンコジェネ、エタノール発酵