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[B−51 CH4、N2Oのインベントリーの精緻化と開発中核技術の内外への普及]

(1)固定燃焼装置におけるN2O対策技術および産業活動起源のCH4、N2Oインベントリー推定に関する研究


経済産業省 産業技術総合研究所

 エネルギー利用研究部門

燃焼反応制御研究グループ

宮寺達雄

 エネルギー利用研究部門

クリーン燃料研究グループ

鈴木善三

 環境管理研究部門

浄化触媒研究グループ

小渕 存・内澤潤子・難波哲哉

 ライフサイクルアセスメント研究センター

匂坂正幸


[合計予算額]

 平成12〜14年度合計予算額 13,407千円
 (うち、平成14年度予算額 4,469千円)

[要旨]

 N2O分解触媒については、調製方法や担体の種類、共存ガス成分の影響について調べた。種々のRh/MOx触媒の中で、Al2O3、ZrO2担持触媒は水蒸気とNO2が共存しても比較的高い活性を示すことがわかった。また、種々の鉄−ゼオライト触媒について検討し、酸素共存下におけるN2O分解には鉄−フェリエライトが適することを明らかにした。N2O選択還元触媒については、鉄−ゼオライトが炭化水素によるN2Oの還元に有効であること、中でもFe-BEAはメタンによる還元に高活性を示すことを明らかにした。NOx選択還元触媒については、Ag/Al2O3一エタノール系についてN2Oの副生状況を調べた。またメタノールによるNOx還元では、フェリエライト系触媒がNOx除去率が高く、N2Oその他の含窒素化合物の副生が少ないことを明らかにした。N2Oインペントリーについては、流動層形式の下水汚泥焼却炉6基のN2O排出濃度を1〜2週間連続測定し、N2O排出係数を求めた。N2O濃度は炉の運転状態で変化し、短時問のサンプリングで決定したN2O排出係数は必ずしも炉のN2O排出量を示さないことがわかった。得られたN2O排出係数は湿汚泥基準で350〜1,416(平均792)g-N2O/t-WS、乾燥汚泥基準で1,672〜6,643(平均3755)g-N2O/t-DSであり、IPCCの推奨値に比べかなり大きな値となった。また、N2O排出濃度は焼却炉のフリーボード温度でほぼ決定されることが確認された。この知見を基に、全国17基の下水汚泥焼却炉の運転データを解析し、フリーボード最高温度からN2O排出濃度を推定し、排出係数を計算した。その平均値(容量勘案値)は733g-N2O/t-WSで、実地調査した焼却炉の平均値とほぼ一致した。メタンインベントリーについては、石炭の採掘段階で放出されるメタン量の推定を行った。露天炭鉱ではメタンフラックスの測定を行ったが、測定限界に達せず、剥土作業前後には既にメタン放出が行われていることが推察された。坑内採掘の場合、平均切羽深度別の単位出炭当りのメタン量を求めた。その結果、深度を増すとメタン量も増えることが確認され、一定の関係を導くことが出来た。


[キーワード]

 亜酸化窒素、メタン、対策技術、触媒、インベントリー