
|
|
(780Kb)
|
|
独立行政法人国立環境研究所 |
|
地球温暖化プロジェクト 炭素吸収源評価研究チーム |
山形与志樹 |
平成11〜13度合計予算額 3,198千円
(うち、平成13年度予算額 0千円)
現時点の地球温暖化のモデル研究では、気候システムの変化や社会的反応の微妙な相互作用を完全にシミュレーションすることは不可能である。社会的、生物学的、物理的プロセスの相互作用によって形成されるこのような複雑系では、予測することのできない気候変動リスク(サプライズ)が発生する可能性がある。また、不確実性やリスクの定量を複雑にしているもう一つの要因は、自然・社会システムがたどる経路によって不確実性の性質が変化することにある。このジレンマから脱却する一っの方法が、適応的なリスク管理レジームの形成による問題への対処である。リスクに関わる多様な情報を総合的に判断するため、過去(バックワードルッキング)と未来(フォワードルッキング)に関する推定モデルを統合的に用いるリスク管理アプローチである。このような適応的リスク管理アプローチにおいては、過去の研究報告や将来予測などから得られた新たな情報によって、リスク管理モデルに付随する現時点での不確実性の評価がコンスタントに更新されていくことになる。この場合のリスク評価は、IPCCにおける政策決定者向けの科学的知見にとどまらず、最新の自然科学・社会科学・気候観測研究の知見の総合的な分析(に基づいて機動的になされる必要がある。本研究の結果、今後の地球環境リスク管理に向けた適応的なアプローチについての検討が今後の重要な課題であることが判明した。
温暖化リスク、予防原則、適応的管理、不確実性、オプション