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独立行政法人国立環境研究所 |
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社会環境システム研究領域 環境経済研究室 |
亀山康子 |
平成ll〜13年度合計予算額 3,198千円
(うち、平成13年度予算額 0千円)
近年、地球温暖化問題など、国に対して直接的、間接的に影響を与える環境問題が注目されるに至り、このような問題を安全保障の枠内で分析しようとする動きが急速に高まってきた。しかし、この議論の妥当性およびその効用については、評価が分かれているのが現状である。本研究では、本課題に関する今までの研究をレビューし、その定義を3っに分類した。また、その分類をもとに、IPCCの報告書における気候変動影響を分類し、「環境安全保障」という概念を取り入れることにより新たに見いだされる気候変動のリスクと対策を導出した。
この結果、以下のことが明らかとなった。(1)環境安全保障研究は、3つに分類できる。第1は、環境汚染・破壊を新たな国家への危機としてとらえたもの、第2は環境と紛争との関連性に注目したもの、第3は、マラリアやデング熱の広がりなど、国家という枠を超えて個人レベルで危機が生じる部分に注目したもの。(2)気候変動問題においては、第1,3のタイプに関する安全保障は、気候変動への「適応」という言葉によりすでに多くが議論されているが、第2のタイプが示唆するリスクについては、実際の交渉においては危倶されているにもかかわらず、IPCCではほとんど議論されていない。
以上の分析の結果、結論として、気候変動が食糧不足や海面上昇などにより端を発する紛争の発生を予防するための措置という視点に関して、現在のIPCCでは全く扱われていないが、今後は重要な課題となりうることが判明した。
地球環境、安全保障、気候変動、紛争、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)