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独立行政法人森林総合研究所 |
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森林動物科長 |
北原英治 |
森林生物部 鳥獣生態研究室 |
山田文雄・堀野眞一 |
北海道支所 |
石橋靖幸 |
東北支所 |
中村充博 |
多摩森林科学園 |
林 典子 |
平成11〜13年度合計予算額 41,098千円
(平成13年度予算額 ll,097千円)
野生鳥獣の保護管理手法を確立するため,生息地のランドスケープ構造と野生鳥獣のメタ個体群動態やその維持機構の研究を行った。メタ個体群の構造解析と保護管理研究では、森林の孤立化や環境変化が、生息に大きな影響を与えている現状がニホンリスで明らかになった。その至近要因として、メスの生残率低下や移動分散の阻害や遺伝的多様性減少が明らかになった。また、分断化の進んだ個体群間で遺伝的分離と多様性低下がツキノワグマ西日本個体群で明らかになり、保護的管理が求められる。遺伝的マーカー開発と適用研究では、DNAによるクマゲラと他種の判定と、糞から得られたDNAの利用が可能になり、生息の確認に適用可能になった。また、日本産ノウサギの固有性が遺伝的に検証され、遺伝的多様性が分化維持されてきたことが明らかになった。希少野生動物保全研究にとって、生態学的、遺伝学的手法及び絶滅リスク評価手法などを用いることによって、メタ個体群構造や生息実態が把握され、今後の必要な保全施策立案のための多くの知見が得られることが明らかになった。
希少野生鳥獣、個体群存続可能性評価、シミュレーションモデル、遺伝学的多様性