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独立行政法人 国立環境研究所 |
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流域圏環境管理研究プロジェクト |
海域環境管理研究チーム |
越川 海、牧 秀明、木幡邦男 |
流域環境管理研究チーム |
村上正吾 |
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生物圏環境研究領域 |
系統・多様性研究室 |
広木幹也、河地正伸 |
水土壌圏環境領域長 |
渡辺正孝 |
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水環境質研究室 |
内山裕夫 |
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土壌環境研究室 |
高松武次郎、越川昌美 |
平成11年度〜13年度合計予算額 23,191千円
(うち、平成13年度予算額 7,250千円)
長江河口から沖合における汚染・汚濁物質の輸送と生態系の把握を目的として、長江河口域における調査を実施した。河口では粒子態有機炭素濃度(POC)が高く、C/N比からみるとそのほとんどは陸上植物起源であると考えられた。河口で観測される高濃度の懸濁粒子(SS)が減少する東経122°30´付近(B2地点)から沖合に向かって、POCは大きく減少するが、SSに占めるPOCの割合は大きく増加し、かつC/N比が植物プランクトン由来の値に近づいた。そして、Chl.a濃度および植物プランクトン現存量も、B2地点付近で急激な増加を示した。植物プランクトン現存量は東経123°付近(C1地点)において最大となっていた。長江から供給された栄養塩は海水との混合によって希釈をうけていたが、C1地点では希釈以上の栄養塩減少が認められ、生物による摂取が活発であることが示された。C1地点では、粒子態のC・N・Pだけでなく、粒子態のCd・Pb・Znの濃度も増加し、プランクトンによる重金属の取り込みが示唆された。また、有光層深度は、河口〜B2地点では1m未満であるのに対して、C1地点では10m以上になっていたことから、C1地点付近において光制限から解放され、その結果、植物プランクトンが増殖したと考えられた。植物プランクトンの種組成分析の結果、河口からB2地点にかけては淡水起源と考えられる羽状目珪藻や汽水性のクリプト藻、C1地点では沿岸性の珪藻Cheatocheros tenuissimus、さらにC1地点よりも沖合のC3地点では外洋性のSynechococcusといったピコ植物プランクトンがそれぞれ優占しており、こうした植物プランクトンの優占種の相違と不連続性は、水塊が淡水・汽水・外洋水へと変化していく状態を生物学的に示すと同時に、植物プランクトンが、環境の変化に対応して、異なる生態的地位(niche)を有していることを示唆した。今回の観測結果は、長江から供給された栄養塩・重金属が沖合(東経123°付近)で生態系へ取り込まれること、河口域の生態系が環境の変化に応じて大きく異なることを示した。
長江河口域、栄養塩、重金属、植物プランクトン、微生物