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独立行政法人 国立環境研究所 |
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生物生物多様性研究プロジェクト |
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分子生態影響評価研究チーム |
中嶋信美・玉置雅紀 |
生物圏環境領域 |
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分子生態毒性研究室 |
佐治 光・久保明弘・青野光子 |
北海道東海大学工学部 |
竹内裕一 |
平成11〜13年度合計予算額 12,235千円
(うち、平成13年度予算額 3,304千円)
オゾン層破壊による太陽光紫外線の増加が植物の遺伝子に与える影響を評価するためのマーカー遺伝子の探索を行い、大腸菌のCytosine deaminase(codA)遺伝子が有効であることを確認した。この遺伝子を植物体内で発現するように改変し、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana L.cv.Columbia)に導入した。5-Fluorocytocine(5-FC)感受性の形質転換体を得た。形質転換体400個体に2ヶ月UV-B照射したものと、照射しなかった個体から、採取した種子を採取し、5-FC抵抗性の個体数を調べたところ、非照射区の種子から10,000個体あたり1.7個体、O.2W/m2照射区から10,O00個体あたり2個体の5-FC抵抗性系統が選抜された。現在これらの個体のoodAに変異が入っているか検討中である。
キュウリ子葉に紫外線UV-C(254nm)およびUV-B(280〜320nm)を時間別(O〜24時間)、強度別に照射し、活性酸素種の一種である過酸化水素の蓄積と酸化的DNA損傷産物である8-Hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)形成の関連性について検討を行った。その結果、UV-B及びUV-Cのどちらを照射しても、キュウリ子葉に過酸化水素と8-OHdGの蓄積が見られた。これらの蓄積は照射量に依存することが明らかとなった。以上の結果から、植物はUV-B照射を受けると細胞内で過酸化水素が生成し、その作用でDNAが酸化されて損傷を受けるものと考えられる。
オゾン層、遺伝子組換え、突然変異、8-Hydroxy-2'-deoxyguanosine、過酸化水素