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[A−5 紫外線増加が生物に与える影響の評価]

(2)紫外線増加による海洋生物における紫外線吸収物質と遺伝子損傷の評価方法に関する研究

�∋膤粟�増加が植物プランクトンの遺伝子損傷に与える影響の評価に関する研究


水産総合研究センター北海道区水産研究所亜寒帯海洋環境部

(平成11年度)

創価大学工学部(平成12年度〜)

田口 哲


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成11〜13年度合計予算額 7,800千円
 (うち、平成13年度予算額 2,000千円)

[要旨]

当研究では、植物プランクトンに対する紫外線増加の影響を評価するために、DNA損傷と紫外線吸収物質の誘発を用いる方法の確立を図った。ハプト藻Pleurochrysis carteraeを用いて、細胞DNA含量と細胞周期との関係を明らかにする12:12時間明暗周期の実験を行った。UV-B照射を除いた実験で細胞密度は変化しないが、細胞体積と細胞内DNA含量は増加した明記後半が細胞周期のS期あるいはG2期に相当し、UV-B照射によるチミンダイマーの形成は細胞周期のG1期に生じていることが示唆された。このことから、細胞密度、細胞体質、及び細胞内DNA含量の変化を測定することにより、UV-Bの影響の有無を評価できることが明らかとなった。紫外線吸収物質のマイコスポリン様アミノ酸の含量が多いとされる渦鞭毛藻Scrippsiella sweeneyaeを用いて、人工紫外線照射実験を行った。当実験では、紫外線相対強度[UVB/(UVA+PAR)]及び紫外線組成によって成長速度には大きな差異が見られなかった。しかし、細胞体積は、紫外線相対強度が大きくなるほど、そして短波長の紫外線を多く含むほど、増加した。同種からシノリン、パリシン、ポルファイラ-334のマイコスポリン様アミノ酸が同定されたが、310nmと360nmに吸収極大を持ったマイコスポリン様アミノ酸が検出され、それぞれM-310とM-360と命名した。シノリンとパリシンとポルファイラ-334の細胞内合計含量は、紫外線波長組成に関係なく、紫外線相対強度の増加ととも増加した。しかし、それぞれの相対出現頻度は、紫外線相対強度によって異なった。この5種類の中でM-360の誘発量が紫外線相対強度の増加に対して最も高くなる応答を示し、ポルファイラ-334の誘発量が最も小さくなる応答を示した。これらの結果からこの種では、細胞内でそれぞれ5種類のマイコスポリン様アミノ酸の相互変換により、それぞれの相対含量を変化させ、紫外線照射から細胞を防御していることが示唆された。


[キーワード]

 植物プランクトン、マイコスポリン様アミノ酸、DNA含量、紫外線相対強度、紫外線波長組成