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[A−2 オゾン層破壊物質及び代替物質の排出抑制システムに関する研究]

(5)検疫用臭化メチルの代替技術システムに関する研究


独立行政法人食品総合研究所

流通安全部食品害虫研究室

高橋敬一・池長裕史・宗田奈保子・
今村太郎・宮ノ下明大


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成11〜13年度合計予算額 12,215千円
 (うち、平成13年度予算額 3,765千円)

[要旨]

 モントリオール議定書に基づいて臭化メチルはオゾン層破壊物質に指定され、先進国は2005年までに臭化メチルの使用が全廃されることとなった。規制対象外であった検疫用使途に対しても規制強化に向けて調査が開始されたことを受け、その代替技術として、高圧二酸化炭素と各種ガスによる貯蔵食品害虫に対する殺虫法を検討した。
 まず、二酸化炭素を高圧で処理し、貯穀害虫の完全駆除に要する圧力と時間条件を決定すると共に、高圧二酸化炭素処理が穀類の品質におよぼす影響を調査した。内麦を加害中のコナナガシンクイ幼虫に対しては30kg×5分の処理で完全に殺虫できた。外麦、トウモロコシでも同様であり、特にトウモロコシの場合は15,20,25,30kgいずれの圧力でも10分以上の処理で完全に幼虫を殺虫できた。コクゾウムシでは内麦に産卵された卵に対しては30kg×5分の処理で完全に殺すことができた。内麦を加害中の幼虫に対しては20kg×lO分、25kg×5分、30kg×5分の処理で完全に殺すことができた。また、処理コムギおよび無処理コムギについて品質の違いを調査したが、内麦、外麦ともに差は認められなかった。
 次に、常圧および高圧(15kg/c�岼議�度)において、ホスフィンおよびフッ化スルフリルの単独および混合使用の殺虫効果を調査した。常圧においてはグラナリアコクゾウムシおよびコクゾウムシ卵に対して、ホスフィンPH3(2mg/l)とフッ化スルフリルSO2F2(30mg/l)の混合ガスは完全な殺虫効果を示し、コクゾウムシ幼虫においても、ホスフィンとフッ化スルフリルおよび両者の混合ガスは完全な殺虫効果を示すことが判明した。さらに、ヨウ化メチルCH3Iは低濃度(5mg/l以下)でコクゾウムシの卵・幼虫・蛹を完全に殺虫した。また15kg/c�岼気砲�いて、グラナリアコクゾウムシの蛹に対する従来の炭酸ガス単独処理の殺虫効果が不完全だったのに比較して、ホスフィン(O.lmg/l)、フッ化スルフリル(5mg/l)それぞれ単独、および両者を混合した場合、短時間、低濃度で完全な殺虫効果を示すことが判明した。


[キーワード]

 貯蔵害虫、高圧二酸化炭素、ホスフィン、フッ化スルフリル、ヨウ化メチル