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独立行政法人国立環境研究所 |
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成層圏オゾン層変動研究プロジェクト |
オゾン層モデリング研究チーム |
今村隆史・秋吉英治 |
大気圏環境研究領域 大気反応研究室 |
畠山史郎・猪俣敏 |
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東京大学気候システム研究センター |
高橋正明 |
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京都大学大学院理学研究科 |
鷲田伸明 |
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広島市立大学工学部 |
石渡孝 |
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姫路工業大学理学部 |
本間健二 |
平成11-13年度合計予算額 121,079千円
(平成13年度予算額 40,880千円)
1)極域オゾン破壊と極域−中緯度間の輸送過程のモデル化:3次元化学輸送モデル(CTM)への臭素光化学反応系の導入を行い、そのオゾン破壊への影響を見積もった結果、硫酸エアロゾルが増大した条件下の北極域において、臭素系反応が不均一反応によるオゾン破壊全体の40%を占めるケースも見出された。N2Oを極渦内の空気塊のトレーサーとして、極渦崩壊時の中緯度空気との混合過程を化学輸送モデルでシミュレーション実験を行った。その結果、極域空気の特性は低濃度N2O領域を極域空気塊の指標にした場合、渦位の消失から考えられるよりも長く存在する(約2ヶ月間)事が予想され、ILASデータと良い一致が得られた。2)CO2増加に伴う成層圏化学・放射過程の変化:一次元光化学−放射結合モデルを用いたCO2倍増実験を行い、CO2の増大が上部成層圏での気温低下→オゾン濃度の増大→下部成層圏への紫外線到達量の低下→NOx生成量の減少→NOxサイクルの効率の低下→オゾン濃度の増大、を引き起こす事が明らかとなった。3)火山噴火などによる成層圏エアロゾル変動のモデル化:大気大循環化学モデルを用い、火山噴火を想定しない平穏時およびピナツボ火山噴火を想定した数値実験を行った。その結果、火山噴火直後の成層圏への大量のSO2の流入はSO2→H2SO4変換時間の増加を招く事、エアロゾル生成に伴う放射強制力への影響が平穏時と比べて約1桁増加する事、エアロゾルの輸送過程の再現が観測結果と良い対応を示している事、噴火後の気象場への影響はエアロゾルの長波吸収が主として引き起こしている事、不均一反応を介したオゾン破壊の加速が認められる事、などが明らかになった。4)エアロゾル反応を考慮にしたメタン増加の影響評価:メタンの増加→ホルムアルデヒドの増加→H2COを介した不均一反応によるHOx,NOx,C10xの活性化→オゾン分解の加速、を評価するためにH2CO+HNO3→HC(O)OH+HONO反応を中心とした不均一反応データを決定した。
大気大循環化学モデル、三次元化学輸送モデル、成層圏オゾン、二酸化炭素、成層圏硫酸エアロゾル