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[環境省国立環境研究所] |
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地球環境研究グループ 温暖化現象解明研究チーム |
●向井人史、町田敏暢 |
大気圏環境部 大気動態研究室 |
●高橋善幸 |
化学環境部 計測技術研究室 |
●横内陽子 |
地球環境研究センター |
●井上元 |
東北大学理学研究科 |
●中澤高清、青木周二 |
13,228千円
(うち、平成12年度予算額 13,228千円)
大気中の二酸化炭素の同位体比測定はその変動が少ないため、高精度なデータが要求されるものであるが、これまでの各研究機関間の同位体比のデータは系統的なギャップがある事が知られている。世界のデータを統合していくためには、データの系統的なずれやその時間変化などの原因やそれを取り除くための手段を開発しなければならない。本研究では、オーストラリアを含むアジア太平洋域8カ国の同位体比を測定している研究者によるワークショップを開催し同位体比測定に関する現状や今後の相互比較実験を行なうための議論などを行なった。この中で、同位体比標準の問題とともに二酸化炭素抽出の問題さらには、質量分析計の標準と試料の相互汚染の問題、17O の補正の計算のスキームの問題などが指摘された。標準の問題を解決するためには、ガスの二酸化炭素の標準が必要であるため、本研究で、借りの標準試料を作成し、各研究機関に配布し相互比較実験を行なった。この結果、炭素同位体比では、0.1 パーミルの範囲で結果がそろっていることがわかったが、酸素同位体比では 0.3 パーミル以上のずれが見られた。これらのことから、現状では、標準の問題はまだかなりあり、特に酸素同位体比を合わせるために、大気中二酸化炭素同様の値を持つ国際標準が必要であることが明確となった。
二酸化炭素、炭素同位体比標準、酸素同位体比標準、クロスコンタミネーション、17O補正