産業部門(製造業)の指針(対策メニュー)

産業部門(製造業)

工場で温室効果ガス排出削減をする際、参考となる対策メニューを掲載しています。

適正な配置・配電圧・容量での受変電設備及び配電設備の導入

対策の概要

【目的】

  • 変圧器の損失には無負荷損(負荷に関係なく発生する損失)と負荷損(流れた電流に応じた損失)がある。無負荷損は周波数が一定の場合は変圧器の鉄心で電流に関係なく一定量発生する。負荷損は主に変圧器の鉄心の銅巻線で発生する抵抗損(ジュール熱損)で電流の2乗に比例する。全体の損失はこの合計になり、この量を負荷電力で割ると変圧器の効率となる。

  • 低負荷時は無負荷損の影響が大きく、効率は低くなるが、負荷の上昇とともに次第に効率は上昇して、40~50%で最高効率となる。これより負荷が大きくなると負荷損の影響が大きくなり効率が低下する。変圧器の負荷は夜間、休日は軽く、平日昼間は高いのが一般的である。このため、負荷率を監視し、系統の並列、解列により無負荷損の削減と負荷率が向上するように変圧器の台数を制御すれば受変電のエネルギー損失の低減につながる。

【概要】

  • 二次側電圧側に同じ変圧器が複数ある場合、軽負担変圧器の負荷を他の変圧器に移行し。軽負担変圧器を停止する方が総損失を低減できる場合がある。

  • 変圧器は、損失比(全負荷における負荷損と鉄損の比)に応じて最も効率の良い負荷率で複数の変圧器が並列運転をしている。負荷が変動する場合には、各変圧器の効率特性を把握した上で負荷変動に応じた変圧器の台数や組合せを自動的に制御し損失を抑制する。

    適用例
    (1)夜間休日に軽負荷となる変圧器の停止
    (2)操業条件で一定期間間欠的に稼働率(負荷率)が変わるような工場
    (3)ピーク負荷があるために複数台の変圧器を有し常時は軽負荷の場合

  • 負荷設備容量の増加に対して、変圧器を増容量するために複数台の変圧器の並行運転を行う、または負荷の変化に対して効率良く運転をするために変圧器の台数制御を行う方法がある。

  • 変圧器の並列運転

  • 変圧器の台数制御(並列/解列運転時の台数制御)

  • 稼働状況などにより変圧器の負荷は変化している。変圧器の需要率を調査し、負荷を適正配分することで余剰の変圧器を削減できる場合がある。また、平日、休日で負荷パターンも変化することから年間の損失電力量を計算し、負荷統合することにより損失分を縮小することができる。

対策の特徴や実施手順

【その他の施策】

変圧器の需要率管理という意味では、台数制御(稼働台数の調整)の他にも以下のような対策も有効である。

  • 管理基準値の設定および計測、記録

  • 適正な負荷の配分

  • 長期の不使用変圧器の停止

  • 季節別等の負荷変化に応じた変圧器の運転台数の見直し

実施上の留意点

負荷に応じて変圧器の入切を頻繁に行うとその都度突入電流(大電流)が流れ、変圧器本体や開閉器(VCB)に過負荷がかかり、また過電流リレー(OCR)が作動する恐れもある。このため、既設の変圧器に台数制御装置を組み込む場合は、既設備の余裕度などを見極める必要がある。

出典

事業者のためのCO2削減対策Navi
変圧器の台数制御装置の導入

環境省

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