インバータがない空調熱源機器は、熱負荷運転にCOP(冷凍効率)が低下する傾向がある。容量の異なる冷凍機が複数設置されている場合、冷暖房負荷の大小に関係なく同じ順位で年間運転していると、低い効率の制御となる。
○ 運転発停順位等を制御できる台数制御システムを導入することで、気象条件や曜日、時間帯によるビルの冷暖房負荷に応じて適切に熱源運転台数が増減するよう調整し、高効率運転とすることで、熱源設備のエネルギー消費量やCO2排出量の削減を図る。
運転発停順位は月ごとに見直しを行い、特に冷温水負荷が減少する中間期には調整を実施する。
先発大容量機のみの運転が大半となっている場合で、配管系統が2ポンプシステムの場合に採用が可能である。
月ごとや時間ごとの熱負荷、熱源機器の運転時間、外気温湿度などの運転状況からビルのピーク負荷を確認する。
負荷が減少し先発大容量機の運転のみとなり、ピーク負荷が小容量機出力以下の日が続く場合に、大容量熱源機先発から小容量機先発に運転設定を変更する。
台数制御をつかさどる動作隙間を適切に設定し、無駄な増段やハンチング運転を避ける。
機器効率(COP)が高い熱源機を優先的に運転する。
【実施手順】
①ビルのピーク熱負荷を確認
※熱源機器の運転記録等より日ピーク熱負荷各熱源機の運転時間と確認
※各熱源機が運転指示を受ける熱負荷値を確認
②運転順位の変更
先発大容量機のみの運転が大半となっている場合で、配管系統が2ポンプシステムの場合に採用が可能である。
配管系統が1ポンプの場合、熱量計(センサー)や熱源台数制御装置等が設置されていない場合や、1次側(熱源機側)と2次側(空調機器側)の流量調整が適切に行われていない場合は採用できない。
【出典】
図1:「省エネチューニングガイドブック」(財)省エネルギーセンター(H19年1月)
【参考資料・文献】
「省エネチューニングガイドブック」(財)省エネルギーセンター(H19年1月)
「新版 省エネチューニングマニュアル」 経済産業省委託事業/(財)省エネルギーセンター(H20年3月)