夏期、日中日射によるビルコンクリート躯体への蓄熱や人体、OA機器などの発熱によりビル内に熱気が溜まることから、始業時における冷房設備の立ち上り負荷が増加し、空調エネルギー消費の増加につながっている。
このため、冷房負荷の大きい夏期に、夜間や早朝の冷たい外気を積極的に取入れ、室内に蓄積された熱気や悪臭を排出するとともに、床・壁など建物の大きな熱容量を利用して排熱とあわせて冷熱を蓄え、ビル内の温熱環境を整えることで、空調設備のエネルギー消費量やCO2排出量の削減を図る。
さらに、外気と室内の温度・湿度差が大きくない春季や秋季の中間期に、外気を取入れることも、空調設備のエネルギー消費量やCO2排出量の削減につながる。
冷房立ち上げ時の室温が管理温度よりかなり高い場合や、外気温度との差が大きい場合など、ナイトパージ実施の効果が大きい。
【実施手順】
①ナイトパージの可能性、 CO2排出量削減の可否の確認
※外気及び室内温度の自動計測による外気取入れ(換気)等の条件を確認
②ナイトパージの実施
※計測データから系統(区画)、時間帯、時間を決定し、ナイトパージを実施
都市部では、ヒートアイランドにより夜間に気温が下がらない場合もあるため、実施するにあたっては、ビルの周辺環境や立地条件、将来の開発動向などに留意する必要がある。
24時間利用や深夜まで使用されるビルの場合は採用が難しい。
全熱交換機は、換気モードの運転が可能なことを確認する。
図2-1-15:ダイキン工業 ホームページより
「新版 省エネチューニングマニュアル」
経済産業省委託事業/(財)省エネルギーセンター(H20年3月)