業務部門の指針(対策メニュー)

業務部門

オフィスで温室効果ガス排出削減をする際、参考となる対策メニューを掲載しています。

換気運転時間の短縮等の換気運転の適正化

対策の目的

(1)空調・換気運転時間の短縮

  • 土曜日や休日、テナントの創立記念日等の特定休業日や夏休み、年末年始の休暇などの長期休暇期間に無駄に空調運転している場合がある。

  • さらに、夏期や冬期などは、就業時間に適切温度になるように空調機等の予冷・予熱運転を行うことが多いが、春や秋にも夏期等と同じ時間から予冷・予熱運転している場合があり、空調エネルギーが浪費されている。

  • このため、春や秋には予冷・予熱運転時間を短縮するなど、季節に応じて空調開始時期をこまめに変更するとともに、不在時の空調運転を停止することにより、空調運転時間を短縮し、空調設備のエネルギー消費量やCO2排出量の削減を図る。

(2)間欠運転・換気回数の適正化

  • 建物内の各系統や各室の換気量、換気時間は、竣工引渡し時の設定時のままで運転され続けている場合が少なくない。特に電気室やエレベーター機械室などの共用部の管理諸室における換気運転が過剰となっている場合が多く、こうした過剰換気や無駄な換気運転がエネルギー消費の増加につながっている。

  • このため、送・排風機の運転時間の短縮や間欠運転により、換気設備のエネルギー消費量の削減を図る。

対策の概要

(1)空調・換気運転時間の短縮

  • 休日や長期休暇期間の情報を、ビルオーナー並びに建物管理者とテナントが共有し、無駄な空調運転をなくす。

  • さらに、残業時の非使用室の空調停止や早めの空調停止等を実施する。

  • 自然な流れのある廊下等の機械換気を停止する。

  • 空調運転はいったん定時で停止し、申込み制で時間外運転を行う。

  • ファンコイルが設けられている時はファンを停止し、弁、ダンパを閉止する。可能であればファン連動の2方電動弁を連動停止する。

(2)間欠運転・換気回数の適正化

  • 居室系統空調機・換気設備で時間帯によって必要換気量が大きく異なる場合や、管理諸室関係の換気設備で、季節や系統、換気目的によって運転の要否が大きく変化する場合に容易に適用できる。
    ※間欠運転による省エネ効果は換気運転時間に比例するため、換気量が少ない時間帯は換気運転を停止することで効果が得られる。

  • 各室の必要換気量は、季節、曜日、時間帯、室の利用状況によって変化するため、外気条件や室内環境を定期的に確認しながら、換気設備の間欠運転を行う。

  • 併せて、建築基準法、駐車場法、ビル管法、健康増進法等に基づく必要最少量の設定を確認するとともに、室内の使用実態を把握し、その実態に対応した適正な換気回数を設定する。

  • また、運用実態の把握を行った上で、不必要な換気は停止し、電気室や機械室など常時人がいない場所については、タイマーとサーモを組み合わせた換気設備制御システムの導入を検討する。

【実施手順】
①換気系統、各室の換気量、CO2濃度、換気設備の運転状況を確認
※換気量の過不足を確認。換気量が不足又は適正量な系統、室であれば、間欠運転(現状より換気量を削減)することは困難
②間欠運転の対象系統・室・時間を検討
※単純に運転間隔を決定するのではなく、換気対象の使用状況に合わせて設定すれば大きな省エネ、CO2排出量の削減効果が得られる。
③間欠運転の実施

実施上の留意点

(1)空調・換気運転時間の短縮

  • 空調方式が各階ユニット方式やパッケージ方式などの場合は、各階や非使用室等のユニット毎の制御は可能であるが、セントラル方式の場合はモータダンパー並びに変風量システムがない場合は対応ができない。

(2)間欠運転・換気回数の適正化

  • CO2又はCO濃度センサー等の設備が導入されていない場合は、適切な換気管理をするための状況把握が必要となる。

  • 空調機や換気ファンの発停が手動で行える場合は、必要に応じて手動対応する、又はタイマー機能を追加する必要がある。

  • 都市部では外気の CO2濃度が増加傾向にあるため、間欠運転した場合に建築物衛生法の室内空気環境基準を下回らないように注意する必要がある。

費用回収年数

◎:限りなく0年

導入効果

(2)間欠運転・換気回数の適正化

試算の前提※「エネルギー消費原単位管理ツール」を活用

倉庫や機械室の換気運転時間を、24時間連続運転から間欠運転(12時間/日)に変更すると仮定。
①電気消費量の削減量:135.67〔千kWh〕
②CO2排出量の削減量:75.3〔t〕

出典・参考文献

【参考資料・文献】

  • 「ビル・建築設備の省エネルギー」中原信生著 (財)省エネルギーセンター

  • 「テナントビルの省エネルギー対策」東京都地球温暖化対策推進ネットワーク(H8年2月)

  • 「新版 省エネチューニングマニュアル」  経済産業省委託事業/(財)省エネルギーセンター(H20年3月)

  • 「東京都地球温暖化対策 削減対策メニュー」東京都環境局

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