冷却塔充填材は、冷凍機で使用し、温度上昇した冷却水を外気で冷やすための装置の一部であり、冷却水と外気との接触面積を増やす役割を果たす。
保守管理が適正に行われない場合は、スケールやスライム(生物膜)が堆積し、熱交換効率の低下とそれに伴う電力消費量が増加する。さらに材質の腐食、水質の悪化やレジオネラ菌の増殖などの問題が発生するおそれがある。
こうした熱交換効率の低下や衛生面などの問題を抑制するために、定期的に冷却塔充填材の清掃を行う
定期的(概ね1回/3ヶ月)に目視でスケールやスライム等の付着状況を確認し、これらが堆積している場合は、以下のような物理的な清掃や薬品洗浄などを行い、スケールやスライム等を除去する。
冷却塔の物理的な清掃の一般的な方法は、次のとおりである。
冷却水の循環を停止した後、冷却塔下部水槽の水を排出する。
冷却塔内部の汚れは、デッキブラシ等を用いて洗い流す。
充填材の汚れは、高圧ジェット洗浄で落とす。
洗浄により、下部水槽に溜まった汚れは冷却塔の排水口から排出する。
冷却塔内部をよくすすいだ後、清水を張り運転を再開する。
清掃に際しては、作業員の安全確保のため、保護マスク、保護メガネ、ゴム手袋等を着用する。
薬品洗浄の際には、事前にサンプル液などを取り寄せて、その材質テスト、汚れの溶解テストを実施するなどしてから利用する。
○:概ね5年以内
【参考資料・文献】
「建築物における維持管理マニュアル」建築物環境衛生維持管理要領等検討委員会 (H20年1月)