フロン排出抑制法の概要

■ 平成25年改正について概要

従来のフロン回収・破壊法よりも、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体を見据えた包括的な内容となっており、フロン製造業者、機器製造業者、フロン機器等管理者、充塡回収業者、再生・破壊業者、それぞれの業種の方々が遵守する必要がある判断の基準等を定めています。 各業種の方々に求められる取組内容を以下に示します。

■ 改正後のフロン排出抑制法の概要


1. フロン製造業者等の取組

フロン類を製造・輸入する事業者の方々は、国が定める「フロン類の製造業者等の判断の基準となるべき事項」に従い、

  • ① 製造・輸入するフロン類のGWP(地球温暖化係数)の低減
  • ② フロン類からの代替物質の製造に必要な設備の整備及び技術の向上

等のフロン類の使用の合理化への取組が求められます。(法律9条-11条)

2. 指定製品製造業者等の取組

国は、我が国において大量に使用され、かつ、相当量のフロン類が使用されているものであって、その使用等に際してのフロン類の排出の抑制が技術的に可能な製品を「指定製品」として指定します。

指定製品を製造・輸入する事業者は、国が定める「指定製品の製造業者等の判断の基準となるべき事項」に従い、

  • ① 指定製品に使用されるフロン類のGWPの低減
  • ② 製品の設計・製造等におけるフロン類の充塡量の低減
  • ③ 使用するフロン類などに関する表示の充実

によるフロン類の使用の合理化への取組が求められます。(法律12条-15条)

3. 第一種特定製品の管理者の取組

第一種特定製品(業務用冷凍空調機器)の管理者の方々には、

  • ① 以下の事項を定めた国が定める「第一種特定製品の管理者の判断の基準」の遵守を通じて、使用時におけるフロン類の漏えい防止に取り組むことが求められます。
    • 管理する第一種特定製品の設置環境・使用環境の維持保全
    • 簡易点検・定期点検
    • 漏えいや故障等が確認された場合の修理を行うまでのフロン類の充塡の原則禁止
    • 点検・整備の記録作成・保存
  • ② 一定量以上フロン類を漏えいさせた者は、算定漏えい量等を国に報告することが求められます。また、国はその算定漏えい量等を公表します。
  • ③ 機器にフロン類を充塡又は回収する必要がある場合、整備者は充塡又は回収を「第一種フロン類充塡回収業者」に委託しなければなりません。第一種特定製品の管理者は、整備者に対して、整備発注時に管理者名を確実に伝達する必要があります。
  • ④ 機器の廃棄等を実施する者は、フロン類を「第一種フロン類充塡回収業者」に引き渡すか、フロン類の引き渡しを設備業者等に委託し「第一種フロン類充塡回収業者」に引き渡す必要があります。また、その際、行程管理制度に従って、回収依頼書の交付等が必要です。

4. 第一種フロン類充塡回収業者の取組

第一種特定製品へフロン類を充塡し、又は第一種特定製品からフロン類を回収することを業として行おうとする者は、「第一種フロン類充塡回収業者」として、都道府県の登録を受ける必要があります。

「第一種フロン類充塡回収業者」は、フロン類の充塡、回収を行う際には、それぞれ充塡に関する基準、回収に関する基準に従う必要があります。

「第一種フロン類充塡回収業者」は、回収したフロン類について、自ら再生する場合等を除き、「第一種フロン類再生業者」又は「フロン類破壊業者」に引き渡す必要があります。(法律27条-49条)

5. 再生・破壊業者の取組

フロン類の再生業又は破壊業を行おうとする者は、それぞれ「第一種フロン類再生業者」、「フロン類破壊業者」として、国(環境大臣及び経済産業大臣)の許可を受ける必要があります。

「第一種フロン類再生業者」及び「フロン類破壊業者」は、引き取ったフロン類について、それぞれフロン類の再生に関する基準又はフロン類の破壊に関する基準に従って、再生又は破壊を行う必要があります。(法律50条-62条(フロン類再生)、法律63条-73条(フロン類破壊))


この他にも、「フロン類のみだりな放出の禁止」などの義務があります。