沿岸域
日本の美しい砂浜がなくなる?
都道府県別・海面上昇による 海岸侵食面積の割合 |
砂浜は、日本の海岸の約24%しかありません。しかもその約43%が近年侵食されつつあります。過去70年間に、すでに約120km2の国土が侵食により失われましたが、30cmの海面上昇により、これとほぼ同面積の砂浜が侵食されることになります。現在の美しい砂浜の景勝地や海水浴場は、海面上昇により失われてしまうのです。
東京の満潮水位以下の低地の分布 |
日本の首都東京は、世界でも類をみないほど人口や資産が集積した巨大都市です。加えて、23区の東半分は下町低地と呼ばれており、土地が満潮位より低いために、昔から災害に弱い面があります。地球温暖化により海面が上昇し、さらに台風の勢力が増大すると、高潮などの災害に対してさらに弱くなることが予想されます。
この図は、現在の満潮面以下の区域と、1mの海面上昇によりあらたに満潮面以下になる区域を示しています。
海面上昇の影響を受ける日本の低地の 面積、人口、資産 |
地球温暖化により海面が上昇すると、たとえ30cmの上昇でも満潮位以下の低い土地は4割増え、そこに住む人口は5割も増えます。1m上昇すれば、さらに多大な面積、人口、資産が危険にさらされます。堤防などを築いてこれを守ろうとすれば、大変な資金がかかることになります。