地球温暖化防止行動計画
第二 地球温暖化対策の推進に当たり配慮すべき基本的事項

第二 地球温暖化対策の推進に当たり配慮すべき基本的事項

1 環境保全型社会の形成
 地球温暖化の防止のためには、社会のあらゆる分野において広範かつ長期的に各般の対策を実施していくことが必要であり、この点についての国民の理解と積極的な協力が不可欠である。こうした国民の理解と協力に基づき、国内の都市機能、経済機能の過度の集中を防止する際に、国土全体での環境と人間活動の適切なバランスを図るとともに、温室効果ガスが排出されにくい都市構造や交通体系の形成等社会経済システムを幅広く見直し、環境倫理の確立を図りつつ、国民のライフスタイルを環境に配慮したものへと改めていくことにより、地球環境への負荷の少ない社会を形成していくことが必要である。

2 経済の安定的発展との両立
 地球温暖化は、我々の生活や経済活動のあらゆる局面に関わる問題であり、その対策は、相互依存関係が深化した世界経済に様々な影響を及ぼす。従って、地球温暖化問題の解決に当たっては、経済政策と環境政策の連携の強化や技術によるブレークスルー等を通じ、持続可能な開発の考えに沿って経済の安定的発展との両立を図っていくことが必要である。

3 国際的協調
 地球温暖化は、その原因と影響が地球規模で生じることから、各国の努力のみならず、国際的協調による取組が不可欠である。
 特に、二酸化炭素の排出は、今後の世界的な人口増加と経済発展に伴い、急激に増加することが予想されることから、我が国は、優れた技術力と環境保全の豊かな経験を背景に、国際協力を通じて世界の取組の先導的役割を果たしていく必要がある。
 また、かかる立場から、長期的視点に立って、世界各国が協調して科学的基盤の整備、省エネルギー・省資源の推進、クリーンエネルギーの導入、革新的な環境技術の開発、温室効果ガス吸収源の拡大、次世代エネルギー技術の開発等に取り組む総合的かつ長期的ビジョン(地球再生計画)づくりの共同作業の必要性の国際的合意形成に努めてきたが、今後、行動計画を踏まえ、その具体化の促進に努めていく必要がある。