共通ナビゲーションを飛ばす
TOP

政策対話・地域協力の促進

地域協力メカニズムの促進

第9回 環日本海環境協力会議(NEAC)

2000年7月26~28日 ウランバートル・モンゴル

  1. 第9回環日本海環境協力会議(NEAC)は、2000年7月26日から28日までモンゴル ウランバートルにおいて、日本政府の支援により、モンゴルの自然環境省が主催し開催された。本会議には、中華人民共和国、大韓民国、日本、モンゴル、ロシア連邦の代表が参加した。参加者には、中央及び地方政府の行政官及び専門家、並びに、研究機関、NGOを含む。さらに、国連アジア太平洋経済社会委員会(UN/ESCAP)、国連環境計画(UNEP)、国連開発計画(UNDP)の代表が出席した。
  2. 会議はモンゴル自然環境省Banzragch次官の歓迎挨拶により始まり、引き続き、各国参加者、UNESCAP、並びに、UNEPの代表が基調講演を行った。
  3. 第9回NEACの議題は以下の通りである:
    1. 森林保護及び植林
    2. 水質汚濁と浄化
    3. 特別保護区ネットワークの拡大と保護区管理の改善
    4. 北東アジアの環境協力のレビューと将来像
  4. 分科会1「森林保護及び植林」では、各国代表が発表を行った。森林保護及び植林に関する国の戦略と対策、アジア地域の森林保護のための政府及びNGOの責任、森林火災の影響と森林再生に関する研究、森林再生活動、森林保護及び植林の傾向、優先区域並びに問題点など、様々な課題に関する発表と議論が行われた。参加者は、各国が森林保護及び植林を非常に重要なものとしてとらえ、一層の対策を取る為に多大な努力を払っていることに注目した。問題の世界的及び地域的な規模を考慮すると、北東アジア地域における森林伐採及び砂漠化に対する取り組みに一層の注意と努力を払うべきことが強調された。参加者の多くは、生態系の問題を、UNEP、UN/ESCAP、UNDP、ADB(アジア開発銀行)、世界銀行といった国際的組織と協力して、一体化した長期的観点から取り扱うべきであると強調した。
  5. 「水質汚濁と浄化」に関する分科会2では、参加国の水環境の現状、政策及び展望に関する報告が行われた。報告では、行政的手法による水質汚染防止の向上、都市における水質改善システム、生物・生物工学を利用した水環境の回復、水質浄化のための国際協力等が取り上げられた。さらに、関連する政策や情報を共有するための、参加国間の水質汚濁の防止と専門的知見に関する専門家ネットワークを創設し、大気モニタリングデータとトレーニングに関するNEASPEC(北東アジア地域環境協力プログラム)のプロジェクト及びNOWPAP(北西太平洋地域海行動計画)等の現在進行中の活動を支援できるようにすることが提案された。UNEPの代表は、参加者に対し、UNEPが現在進めている「世界的な国際水質アセスメント(GIWA)」プロジェクトを説明し、NEAC参加国の協力を求めた。
  6. 分科会3は、「特別保護区ネットワークの拡大と保護区管理の改善」に関するもので、各国の代表団が発表を行った。会議では地域レベルでの協力の必要性、特に地域内での人材養成、参加国間に跨る保護区設立の可能性、並びに、更なる議論のための専門家会合の開催に関して意見交換が行われた。
  7. 分科会4は、「北東アジアの環境協力のレビューと将来像」であった。参加国による発表に基づき、会議ではNEACの成果、役割と目的、並びに、将来の展望に関して意見交換が行われた。主な成果として、地域内の政策対話の提唱、様々な組織間の対話促進、新たに生じた問題を含む幅広い環境問題に関する情報交換、さらに、異なる形態の新しい協力イニシアティブ促進の触媒としての機能といったことが挙げられた。
  8. 会議では、北東アジア地域における現在の環境協力イニシアティブとの互恵的結びつきを作り出す必要性を考慮し、NEACの新たな方向/原則の展開に合意した。会議では、大韓民国の環境省から提出された「NEACの枠組み」案を歓迎し、今後の推敲のため議長総括に添付した。参加国におけるNEACの担当者には、次回のNEAC会議における基本原則合意の採択の可能性を求めて、特にインターネットを活用し、現在の文章を見直し、調整を継続することが要請された。大韓民国環境省及びモンゴル自然環境省は、この過程において、合同で事務局の役割を果たす。
  9. 参加者は、NEACが地方政府、NGO、研究機関といった様々な利害関係者の幅広い参加を伴う、自由で開放的な政策対話の場としての現在の機能を維持すべきであるという見解で一致した。
  10. 参加者は、モンゴル自然環境省による歓待と、第9回NEACを成功裏に主催したことに対し、深い感謝の意を表明した。
  11. 参加者は、韓国代表団からの大韓民国の仁川で2001年10月に実施される第10回NEAC開催の申し出を歓迎した。日付、期間、会議の議題については、主催国が他の参加国と協力して、少なくとも会議の3ヶ月前までには決定される。