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事務局より、パブリックコメントの結果について、資料1-1、資料1-2、資料1-3-1、資料1-3-2により説明。
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事務局より、特定外来生物被害防止基本方針(案)について、資料2により説明。
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委員より指摘のあった意見に基づき修正した基本方針(案)を小委員会の決議とすることで、各委員の了承を得た。
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主な質疑や意見は下記のとおり。 |
(1)第2 特定外来生物の選定に関する基本的な事項
<2 被害の判定の考え方、(1)被害の判定、アについて>
- 「地域に固有の生態系」という表現では、種の選定に際して固有か固有でないか議論が分かれるだけでなく、「地域に固有」と選定対象の範囲が限定されてしまうことを懸念。外来生物は、地域に固有のところから侵入するとは限らず、アメリカシロヒトリのように街路樹から侵入した例もある。
- 「固有」は英語では「endemic」であり狭い範囲で定義されている。生物学用語の定義の観点から、「固有」という言葉は使わない方がよい。
- 生態系の進化的背景を十分に読み取れるような一般的な表現であるべき。
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前の部分で「在来生物の種の存続又は~」と限定的に表現していることから、生態系について、あえて地域で限定した表現とする必然性はなく、例えば、「我が国の生態系」と大きく捉える表現が良いのではないか。
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国内移動の外来生物の問題を重視するならば「地域に固有」という表現を意識すべきであるが、本法では国内移動の外来生物は規制の対象外であるので、あえて「地域」を区切った表現の意味は薄いのではないか。
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選定の過程を公開した際、「我が国の生態系」では被害を判定する対象が広くなり過ぎ、選定根拠を説明することが難しくならないか。選定基準をどうするのかということと国民に対するアカウンタビリティーはセットで考えていく必要があり、「地域に特有の」という、選定の判断範囲を一定程度明確にした表現の方が良いのではないか。
- [1]~[4]で生態系への被害を判断する具体的な点が例示されており、「我が国の生態系」という表現で特段問題ないと考える。
※上記のような各委員からの意見を踏まえ、「地域に特有の生態系」という表現と「我が国の生態系」という表現が選択肢としてあるが、委員長から「我が国の生態系」という表現でどうかとの提案があり、委員の了承を得た。
<3 選定の際の考慮事項について>
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「なお~」以下の文章について、 前段で「可能な限り」と、正当な理由で明らかにできない場合についても対応できる表現となっており、特に問題がなければ、「~よう努めるものとする」とするより、「~するものとする。」と明確な表現の方が良い。
→指摘の表現に修正するよう対応する。
(2)第3 特定外来生物の取扱いに関する基本的な事項
<1 飼養等の許可の考え方、(6)その他について>
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特定外来生物に指定された場合、現に飼っているものについても、一切飼えなくなるとの噂が流れている。7ページ3行目の「~飼養等の許可の対象とする」という表現を、「~許可を発効する」といった踏み込んだ表現にできないものか。
→実際の運用段階での対応の話であるので、基本方針の記述としては原案の表現とさせていただきたい。
(3)その他
<外来生物問題に関する総合的な取組について(委員長談話)について>
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法律の枠組みで直接的に対応できない外来生物問題の留意点について、よくとりまとまったものと評価するが、今後、どの様な具体的な動きにつながるのか。
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何ら法的拘束力があるものでないが、あえて言えば、努力目標のような位置づけ。
→環境省としては、指摘のあった点について、外来生物法による対応とは別ではあるが、予算措置やその他の方法を含め実現に向けて検討を進めていく所存。
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2ページ(1)1~2行目で、(明治より前に我が国に導入された生物を含む)の記述があるが、この表現では在来生物の定義に含まれてしまう誤解が生じるので、括弧を取り、「在来生物や明治より前に~」と並列的に記述すべき。
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2ページ(1)7行目で、「在来生物の移動に伴う」の表現は、在来生物が自力で自然に移動することまで問題とするよう読めるので、「在来生物の他地域への導入に伴う」へ修正した方が良い。
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2ページ(2)第1パラグラフの表現は、一律的に外来生物というくくりで述べられているのが気になる。生物多様性条約では、侵略的な外来生物へ対処することが求められている。
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それならば、「これらは、国土保全やアメニティ確保等の観点から国民にとって必要であり、」の一文を削除することで、外来生物を一律で括る表現ではなくなるがどうか(各委員了承)。
- 1ページ前文2行目で、里地里山に関する原案の表現では一般に分かりにくいため、「人間の維持管理の減少による里地里山の荒廃」としたらどうか。
- 3ページ(2)5行目の「原因となる外来生物」を、国内移動の外来生物についても含まれることが分かる表現に変える。
(文責:環境省自然環境局野生生物課 速報のため事後修正の可能性あり)