1. |
日時 |
平成16年7月5日(月)14:00~16:00
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2. |
場所 |
経済産業省別館 1028号会議室
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3. |
出席者 |
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(小委員長) |
岩槻 邦男 |
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(委員) |
阿部 永 |
加藤 順子 |
鷲谷いづみ |
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(専門委員) |
青木 満 |
太田 英利 |
大矢 秀臣 |
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岡 敏弘 |
北田 修一 |
小林 達明 |
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糠谷 明 |
細谷 和海 |
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(環境省) |
野生生物課長、国立公園課長、生物多様性企画官、
動物愛護管理室長、鳥獣保護業務室他 |
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(農林水産省) |
大臣官房参事官、植物防疫課長、農産振興課課長補佐、
野菜課課長補佐、水産庁生態系保全室長 |
4. |
議事概要 |
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○ |
事務局より、特定外来生物被害防止基本方針(案)について資料1により説明。 |
○ |
主な質疑、意見は下記のとおり。 |
(1)選定に関する基本的な事項
- 選定に係る意見聴取に、便益や社会・経済的観点からの専門家からも意見を聴くことを記述しておくべき。生態系に係る被害と便益・社会的影響の両面を国民が理解し納得できるようなバランスを配慮してもらいたい。
→ 法律上は生物の性質に関する学識経験者の意見を聴くこととなっており、基本方針の策定ではその観点から記述する。一方、実際の選定過程では、利用者側の関係者の意見を聴取することも検討。その旨は(オ)で記述。
- 種の選定と便益との調整の観点は、正に国民の理解が必要なことであり、普及啓発を進めるにあたって特に配慮すべき点と考える。
- 被害判定の考え方では、植生破壊だけが問題なわけでなく、生態系の変質を介した生態系基盤の損壊も問題。
- 「目視による種類の判別が可能な~」とあるが、ルーペ等の簡単な器具を使う場合もある。
- 外来生物から影響を受ける側の生態系の専門家も入れ込むべき。
- 意見を聴取する学識経験者に、分類学者を例示した方が良いのではないか。
- 最初から全ての外来種を特定種と未判定種に分けることは難しく、実際は、徐々に指定種を増やしていくことになると思われる。その場合、どちらにも判定しづらいグレーゾーンにあるものについても考えておく必要がある。
→ 全てを一度に指定することは困難であると認識しており、実際は、知見 の蓄積や状況の整備を待ちながら、随時、指定していくことになろう。
- 種の選定に際して、経済的・社会的観点に考慮することは重要と認識。理想的には、生態系等への被害のおそれのある種を選定した上で、適正な管理や利用方法を如何に調整していくかにあるが、本法の大変厳しい規定から、生態系等への被害の恐れがあるのに、経済的・社会的にもたないとの理由から選定されない場合もあり得るのではないか。その場合に重要なのは、仮に選定されなかった場合でも、その検討過程や評価判定の結果を記録として残し、公表する仕組みが必要。
(2)取扱いに関する基本的な事項
- 放つこと、植えること又はまくことの禁止において、「~捕獲又は採取した直後に放つ等の取扱いをしても本法第9条の違反とはならないが~、」の記述では、ブラックバスのキャッチ&リリースを奨励するように捉えられかねない。
→ 文言について工夫したい。
- 愛玩目的であっても、指定前より飼養されていた特定外来生物の個体に限り、適正な飼養施設で適切な飼い方をすれば飼養等を許可するとの方針だが、個人の立場から言えば、そんなめんどくさいことをするなら放してしまえと考える傾向にある現実を認識してもらいたい。
(3)防除に関する基本的な事項
- 前文の部分に、「科学的知見に基づき適切に防除を実施する」旨の記述を追加してもらいたい。
(4)その他、生態系等に係る被害防止に関する重要事項
- 科学的知見の充実について、1行目「何よりも生物の特性~」の後に、「及び侵入を受ける生態系に関する科学的知見」の文言を追加してもらいたい。
- 非意図的な「導入」に関しては規制の対象にならない点を明確にするよう書きぶりに工夫を求めたい。
- 基本方針(案)をパブリックコメントに掛けるときに、一般向けの説明用に、分かりやすい解説みたいなものを付けたらどうか。
→ パブリックコメントに出すのはあくまで案文そのものだけ。一方、前回の指摘事項を含め、小委員会としての問題意識を何らかの形で記録に残す工夫の中で考えていったらどうか。
(5)その他、関連事項
- 本法の規制対象外である地域的個体群の取扱いについて。緑化植物を例に取った場合、在来種といわれているものでも、現実的にはその多くが海外から輸入されている現状にある。今回の法律で、逆に海外由来の在来種の利用を促進することにならないか懸念。少なくとも公共事業等の関係省庁においては、別の枠組みでしっかり対処する施策を同時並行的に進めてもらいたい。例えば、事業の実施に当たって使用を限定するゾーニングをするなど、具体的な何らかの対処が可能と考える。
(文責:環境省自然環境局野生生物課 速報のため事後修正の可能性あり)