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■議事録一覧■

中央環境審議会 野生生物部会
会議録


1.日時

平成22年10月4日(月)10:00~12:00

2.場所

中央合同庁舎5号館 環境省共用第8会議室

3.出席者

(野生生物部会長) 山岸 哲
(委員) 加藤 順子
(臨時委員) 石井 信夫 石坂 匡身 磯崎 博司
磯部 力 小菅 正夫 是末 準
齋藤 勝 土屋 誠 福田 珠子
三浦 慎悟 山極 壽一
(環境省) 鈴木自然環境局長
渡邊審議官
亀澤野生生物課長
宮澤鳥獣保護業務室長

4.議事

【事務局】 皆さん、おはようございます。予定の時刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会野生生物部会を開催させていただきます。
 本日の出席者数でございますが、委員20名中、13名のご出席をいただいておりますので、「中央環境審議会令」により、定足数を満たしております。
 本日のお手元にお配りした資料の確認をさせていただきます。
 資料は、議事次第を返していただきますと、そこに一覧表が載ってございます。非常に本日もたくさんの資料を配付させていただいておりますが、資料の1-1から順次ございます。細かな読み上げは省略させていただきますが、どこか不足がございましたら、すぐお申し出いただければ係の者がお届けいたしますので、よろしくお願いいたします。
 それから、今回野生生物部会の委員の先生に異動がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
 7月27日付で小菅正夫委員が中央環境審議会臨時委員として任命されまして、当野生生物部会においてご審議に加わっていただくということになりましたので、小菅先生から一言ごあいさつをお願いいたします。

【小菅臨時委員】 皆さん、おはようございます。私は旭川の旭山動物園で37年ずっと動物園の仕事をしてまいりました。その間、環境省の皆さんとは、私どもの種の保存委員会というのがありまして、そこで私は猛禽類を担当していました。九州でイヌワシが絶滅しそうだということで、具体的な対策はどうやるかというようなことで、我々の猛禽類部会も、要するに動物園の中でしっかり繁殖させて、それをどうやって自立させて九州のイヌワシをそのまま保存できるかということをずっと一所懸命やってきました。
 それから、もちろん北海道ですので、オジロワシ、オオワシ、それからシマフクロウについても、保護するということでやってまいりました。そのほか、これまでの動物園というと、多くの人に動物を見ていただくというイメージがあるかもしれませんけれども、最近の動物園は野生動物の現状、特に日本産の野生動物の現状がどうなっているのかということをしっかりと伝えていこうということを我々動物園の中では意思統一をして、そういうことを各地の動物園がやっているところです。
 そんな中で、環境省の目指している方向と我々動物園の目指している方向は、もちろん同じところにあるわけですので、そういう席に私がいられるということ自体は、非常に光栄であります。今後ともよろしくお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございました。
 それから、事務局にも異動がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
 8月10日付で野生生物課長が塚本から亀澤に異動いたしました。

【亀澤野生生物課長】 亀澤でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 それでは、山岸部会長、議事をよろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 皆さん、おはようございます。
 それでは、ただいまから、平成22年度の第2回野生生物部会を開催いたしたいと思います。
 本日の審議に先立ち、鈴木自然環境局長よりごあいさつをお願いいたします。

【鈴木自然環境局長】 おはようございます。皆様にはご多用中のところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。また、日頃から野生生物の保護を初め自然環境保護の観点につきましては、様々なご協力、ご理解をいただいておりますことを改めて御礼申し上げます。
 早いもので、COP10、名古屋で開かれます生物多様性条約の締約国会議の開催まであと2週間というところまでまいりました。生物多様性条約の中身というのは申すまでもありませんけれども、野生生物の保護等と密接に関連しておりまして、皆様方にも大変いろいろな場所でお世話になっているのではないかなと思っております。何とか成果が上がるように頑張っていきたいと思っておりますので、この点につきましても、またご理解、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 なお、あと2週間というところに来たこともありますし、また国会も始まったということで、ちょっと事務局の者が出たり入ったりということで大変見苦しい場面もあろうかと思いますけれども、よろしくご理解いただければと思っております。
 本日は審議いただく諮問の案件が、オガサワラオオコウモリの保護増殖事業計画を初め3件、それからトキとラムサール条約の関係のご報告が2件ということで、大変盛りだくさんになっております。限られた時間ではございますが、ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 それでは、これより本日の議事に早速入らせていただきます。
 まず、9月27日に環境大臣より中央環境審議会に対して、ただいま局長のお話にもあったようなオガサワラオオコウモリ保護増殖事業計画の策定について、及び国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定について、並びに鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針について、の諮問がなされたこと、これを受けまして、同日付で中央環境審議会長より本件を当野生生物部会に付議されましたことをご報告いたします。
 それでは、初めに第一の議題であるオガサワラオオコウモリ保護増殖事業計画の策定について、事務局からご説明いただきます。

【事務局(浪花)】 野生生物課保護増殖係の浪花と申します。私からオガサワラオオコウモリの保護増殖事業計画の策定について、ご説明いたします。
 諮問の内容の詳細をご説明する前に、種の保存法に基づきます国内希少野生動植物種の指定及び保護増殖事業計画の策定までの手順を簡単にご説明した後に、オガサワラオオコウモリの計画の詳細についてご説明いたしたいと思います。
 なお、スライドは小さい部分もございますので、資料にスライドのペーパーを添付しております。あわせてご参照いただければと思います。
 まず、種の保存法の国内希少野生動植物種ですが、第4条に、その個体が本邦に生息し又は生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるものと規定されております。その政令の制定又は改廃に当たってその立案をするときは、中央環境審議会の意見を聴かなければならないこととなっており、この国内希少野生動植物に指定されると法的規制がかかるということになります。具体的にどういった規制がかかるかといいますと、下にありますとおり、捕獲の禁止、譲渡し等の禁止、輸出入の禁止等の規制がかかります。
 昨年10月にこの野生生物部会で、本日保護増殖事業計画の諮問をしておりますオガサワラオオコウモリについて、国内希少野生動植物種に、ここで審議いただき、指定をしております。
 指定に当たっての方針ですが、種の保存法が平成4年に制定されておりますが、それと同時に基本方針というものも閣議決定されております。その中に、人為の影響により存続に支障を来す事情が生じていると判断される種で、以下のいずれかということで4つ要件がございますが、その4つのいずれかに該当するものを選定するということで、4つにつきましては個体数の減少という観点、2つ目が生息地又は生育地の消滅という観点、3つ目が生息環境悪化、4つ目が捕獲・採取と、4つの観点からの要件のいずれかに該当するものを選定するとされております。
 国内希少野生動植物種の指定までの手順ですが、環境省で国内の絶滅のある種につきまして、科学的知見に基づいて選定をしていますレッドリストというのがございます。最新は平成18年と19年で全10分類群でレッドリストを出しておりまして、黄色い枠で囲まれている箇所が絶滅危惧種といわれているところです。これに現在3,155種、掲載されております。
 この中から特に法律による規制の必要が認められる種について、環境省による生息状況等の把握のための調査を実施しております。その調査結果をもとに、先ほどの選定要件の合致、そして指定後の保護施策の見込みについて、確認・検討いたしまして、国内希少野生動植物種の指定作業に入るということになっております。
 国内希少野生動植物種につきましては、指定されることにより捕獲等の規制がかかると先ほどご説明いたしましたが、さらに生息地の保護のために、生息地等保護区という制度がございます。この生息地等保護区を指定することによって、その区域内の工作物の設置等が要許可行為になるほか、立入制限地区の指定も可能となっております。さらには、人為的な繁殖であるとか、生息環境の整備などの取り組みが必要だと判断される種につきましては、保護増殖事業計画を策定いたしまして、保護増殖事業を実施いたします。今回お諮りする件につきましては、この黄色い部分になります。
 保護増殖事業の対象要件ですが、先ほど同じく基本方針に保護増殖事業に関する指針がございまして、その個体数の維持・回復を図るためには、その種を圧迫している要因を除去又は軽減するだけでなく、生物学的知見に基づき、その個体の繁殖の促進、その生息地等の整備等の事業を推進することが必要な種を対象にして実施するという要件が定められております。
 保護増殖事業計画の法律上の規定につきましては、環境大臣及び保護増殖事業計画を行おうとする国の行政機関の長は、中央環境審議会の意見を聴いて保護増殖事業計画を定めるものとする、ということで、今回この部会にお諮りしている次第でございます。
 2番目、計画の概要につきましては、対象とすべき種ごとに、保護増殖事業の目標、区域及び内容その他必要な事項について定めるものとすると規定されております。
 現在、保護増殖事業対象種ということで、今ここに出ている種につきましては、国内希少野生動植物82種全部の一覧になります。赤い部分につきましては、現在保護増殖事業計画が策定されている種になります。それが全部で47種あります。
 ここから、オガサワラオオコウモリの事業計画の詳細についてご説明いたします。
 オガサワラオオコウモリにつきましては、環境省のランクが絶滅危惧<1>A類ということで、一番絶滅の危険度が高いランクに指定されております。また、国の天然記念物として指定されております。分布状況につきましては、小笠原諸島の父島、母島、そして硫黄列島になります北硫黄島、硫黄島、南硫黄島に生息します。小笠原諸島の固有種であり、唯一の小笠原の固有ほ乳類でもあります。生態等につきましては、樹林地に生息し、主に植物の果実や花蜜、葉を採食するということから、別名フルーツバットとも呼ばれております。また本種に特異なことですが、特に父島では、この写真にございますとおり、集団でねぐらを形成するということがございまして、一部の論文の中には、集団ねぐらが繁殖に深くかかわっているのではないかということが報告がされております。
 オガサワラオオコウモリの生息個体数につきましては、父島が最大の生息地となっておりまして、100~160個体となっております。母島は数個体となっております。硫黄列島につきましては、調査回数は少ないですが、ご覧のとおりの数と推定されております。生息を脅かす要因ですが、先ほどフルーツバットと申しましたが、農家とか家庭菜園でパッションフルーツであるとかレモンとか、果実を栽培しているんですが、それをオガサワラオオコウモリだけではなくて鳥も含めてなんですが、ネットを張って守ると。そうしたネットにオオコウモリが絡まって死んでしまうという事故が多発しております。また、ねぐら形成地周辺の開発ということで、先ほど申しましたとおり、ねぐらは繁殖と深くかかわりがあるのではないかということで、その周辺が開発されることによってねぐらの攪乱が起こっているということがございます。さらに、小笠原諸島のエコツーリズムを中心として、オガサワラオオコウモリは観光資源として注目されておりますので、観光客がエコツーリズムの一環でねぐらに接近することによって、ねぐらが攪乱されているという現状がございます。
 先ほど説明いたしました防鳥ネットへの絡まり事故の様子です。写真のとおり、このように絡まってしまうことになるんですが、表は絡まり事故の推移となっておりまして、全体死亡個体数が一番上です。そのうちの農業関連死亡個体数ということで、例えば平成8年でいえば2個体で全個体が年間で死亡しているんですが、そのうち2個体がまさに農業関連によるネットの絡まりによる死亡となっております。参考として、農業関連事故個体数ということで、死んでしまう個体も含めて事故に遭った個体数ということになります。ですので、2、2ということは2個体事故に遭って、2個体死亡しているというふうに見ることができます。この平成8年に28個体が絡まっているんですが、これにつきましては同一マンゴー農家に3日間で延べ28個体がひっかかっておりまして、早期発見ができましたので、何とか2個体の死亡で済んだんですが、先ほど申しましたように父島の個体は100個体程度ですので、3日間でこのぐらいひっかかってしまうとなると、やはり防鳥ネットの絡まりというものは大きな脅威になると考えております。
 オガサワラオオコウモリの採食頻度につきましては調査がございまして、やはり栽培植物に嗜好がシフトしており、全体の約6割が栽培植物に依存しているということになっております。農業関連の被害につきましては、東京都の調査で年間数百万円と推定されております。
 ねぐらの環境につきましては、ガジュマル等、常緑樹の鬱蒼とした森林環境の中にねぐらを形成しておりまして、こういうところに形成する理由としましては、天敵であるオガサワラノスリからの回避であるとか、雨や直射日光を回避するためだといわれております。
 続きまして、オガサワラオオコウモリの保護増殖事業計画の全体概要について、ご説明いたします。
 今回、共同策定省庁といたしまして、環境省、文部科学省、農林水産省、国土交通省の4省で策定いたします。事業の目標につきましては、自然状態で安定的に存続できる状態とすることを目標といたします。事業区域につきましては小笠原諸島としております。第3、事業の内容につきましては、1~6の項目がございますが、これにつきまして1項目ずつご説明いたします。
 まず1つ目が、生息状況の把握ということで、まだオガサワラオオコウモリについては生態等、不明な点が多くございますので、それらについて基礎情報を集める必要がございます。例えば繁殖生態等の調査、あるいはなぜ冬季にそこのねぐらに集まるのかという環境条件等、基礎情報を収集いたしまして、それを保護の施策に生かすための基礎調査となっております。
 2つ目が、生息地における生息環境の維持及び改善ということで、実際に事業を行う部分になります。1番目が在来の森林植生の再生等による餌資源の確保ということで、オガサワラオオコウモリの在来の餌である植物につきましてはタコノキとか、そういったものを在来植生として食しております。そういった植物が外来植物の被圧によって減少している現状がございますので、外来植物を除去して本来の餌資源を確保しましょうということを記載しております。2番目、集団ねぐらの保全につきまして、先ほど申しましたとおり、冬季に集団ねぐらを形成しまして、重要な地区となっております。これにつきましては、平成21年10月にこの審議会にかけさせていただきまして、鳥獣保護区の特別保護地区を指定させていただいております。3つ目が外来動物による影響の軽減ということで、ノネコにつきましては捕食の危険性、ネズミ類につきましては餌資源の競合という現状がございまして、例えば台風の後に餌が不足したときには、ネズミ類との餌資源の競合が発生して、本種の生態に影響を与えるおそれがあるということが報告されております。そのための状況を把握いたしまして、防除手法の検討、そして実施を行いたいと考えております。4つ目が重要な生息地ということで、ねぐらであるとか餌資源が豊富な箇所につきまして巡視を行う、また制札を設置する等、実施したいと考えております。
 3つ目、農業等人間活動との両立でございますが、先ほどご説明いたしたとおり、フルーツバットということで、防鳥ネットに絡まる事故がございますので、適切な防除ネット、または果樹栽培方法の開発・普及を行いたいと考えております。また、観光利用のあり方ということで、例えば利用のルールであるとか、そういった形でねぐらの撹乱を防ぐ方策を検討してまいりたいと考えております。
 4つ目が、傷病個体の救護等ということで、ネットに絡まった個体を早期に発見して収容体制をつくるということを目標としております。また、野生復帰が困難な個体につきましては、その生体を使って保全に資するよう活用してまいりたいと考えております。5つ目が、普及啓発の推進ということで、特にその農業従事者、あるいは観光客には、オガサワラオオコウモリの生態等を理解していただいて、その保護の必要性等を普及啓発をしてまいりたいと考えております。6つ目が、効果的な事業の推進のための連携の確保ということで、具体的には専門家等、地元関係者等を含めた検討会を設けまして連携して実行してまいりたいと考えております。
 最後になりますが、この計画策定後に想定しております各省の事業の内容ですが、環境省につきましては、まずはオガサワラオオコウモリの基礎調査、普及啓発、またこの事業の全体の取りまとめ。農林水産省、林野庁になりますが、国有林内の生息状況調査、外来植物の除去、植栽や餌場の設置等の検討を想定しております。文部科学省につきましては、適切な防除ネットの設置方法、また果樹栽培方法を検討していくと。国土交通省につきましては、オガサワラオオコウモリの保全に配慮した、ちょっと離島振興法は、すみません、間違っておりまして修正をお願いしたいんですが、小笠原諸島振興開発特別措置法になります。小笠原諸島振興開発特別措置法に基づく各種整備ということで、実際、国交省が事業を行うことがございますので、そういったときにオガサワラオオコウモリに配慮した事業を行うということになっております。
 その他、東京都・小笠原村、または地元のNPOと協力して、オガサワラオオコウモリの保全を実施してまいりたいと思います。
 私からは以上になります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 大変ありがとうございました。わかりよい説明だったと思うんですが、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたらご発言をお願いいたします。
 それでは、山極委員。

【山極臨時委員】 二つございます。母島に数個体しかいないということですけど、父島と母島の間は50キロ離れているんですよね。この間に交流があるのかどうかという点と、それから、このオオコウモリは集団で就眠するわけですよね。特にエコツーリズム等でその就眠が妨害されるということは、生息にとって非常に危ない事態だと思いますので、エコツーリズムのルールとか規制とか、そういうことについてはどのようにお考えなのかということをお聞きしたい。

【事務局(浪花)】 今ご質問いただいた2点について、私からご説明いたします。
 まず母島の件につきまして、交流はあるのかということで、実際には、オガサワラオオコウモリのテレメトリー調査ということで今まで実施されている実績につきましては、父島内の全島を利用していることがわかっているということになります。ですので、母島との交流は現状わかっておりません。また遺伝的な調査は行われておりませんが、交流していないということがあれば、保存単位を考える上で母島、父島、別に考える必要もございますので、基礎調査を実施しながらその状況について把握してまいりたいと考えております。
 2つ目、エコツーリズムにつきましては、実際に、例えば小笠原村の観光協会で、オガサワラオオコウモリにライトを向けるに当たって、そこはガイドの人だけがライトを向けましょうとか、あとは入る人数の制限であるとか、自主的なルールが設けられておりますが、それはあくまで自主的なルールでございまして、やはりそこは行政のしっかりとした検討会の中で決めていくという形で、バックアップをしていきたいと考えております。
 現状、エコツーリズム推進法もございますので、そこまでいくかどうかというのは検討している段階ですので、実際に協議会を設けてエコツーリズムのルールをつくっていく中で、その必要性について検討してまいりたいと考えております。

【山極臨時委員】 ガイド協会とかエコツーリズムガイドが集まる、協議をするような組織はあるんですか。

【事務局(浪花)】 小笠原村の観光協会の中にガイド協会がございまして、その中で実質こういったルールで今やっていますというのがホームページにも記載されておりまして、そのルールでやっている状態です。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。
 それでは、次に齋藤委員。

【齋藤臨時委員】 ちょっとお尋ねしますが、検討会が立ち上がるということで、その検討会でも検討されるだろうと思いますが、もう一つ、野生復帰が困難な個体を保全に資するよう活用すると書いてございますが、現段階では積極的に域外保全は考えていらっしゃらないのですか。

【事務局(浪花)】 今の質問についてご回答いたします。生息域外保存につきましては、実はオガサワラオオコウモリにつきましては、1890年代後半に上野動物園で飼育をされていたという実績がございまして、最近でいうと1990年台後半まで多摩動物園でも生息域外保存されていました。ただし、報告によると、多摩の飼育までの間で繁殖に成功した事例がないと報告されております。ですので、技術開発も重要だとは思うのですが、まずは域内保全を重視していきたいと考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。
 それでは、続きまして、石井委員。

【石井臨時委員】 ありがとうございます。山極委員の質問に関連するんですけれども、母島に数個体ということなんですが、復帰直後は数百頭の集団があったことが知られていまして、あそこでなぜ激減して、その後、回復しないかというのはいろんなところで指摘されていますけど、謎のままなので、そこのところを、課題はいっぱいあると思いますけれども、一つの調査課題として取り上げていただきたいと思います。もし、あそこに個体群が回復すると大分安心できるので、それが一つの重要テーマかなと考えています。
 それから、質問があるんですけども、スライドの11番目に絡まり事故の推移がありましたが、一つは、これは報告された数字でしょうから表に出ていないのがひょっとしたらあるのかなということで、後から実は死んでいたという事例がなかったのかなというのが一つと、それから、平成11年と19年は、絡まり事故以外で4頭ですか、11年は6頭ですね。死んでいるんですけれども、これの原因が何かわかれば教えてください。

【事務局(浪花)】 まず、母島の件につきまして、確かに1960年代後半につきましては数百個体おりましたが、1970年に入りまして数個体という経緯がございます。これにつきましては、さまざまな報告書の中でも原因がわかっていないという状況ですので、それについて、現場のヒアリングを科学的な状況を踏まえまして把握してまいりたいと思います。先ほど石井委員からありましたとおり、生息環境としては、母島も父島と同様に十分生息できる環境と報告されておりますので、母島の個体群の回復も一つ重要と考えております。
 もう一つにつきましては、この表の中に書いてあることにつきましては、こちらが調査して把握をしている現状でございますので、これ以上に報告されていないものも含まれていると考えますので、そういった状況を今後収集していきまして、対策に役立てていきたいと考えております。
 例えば、平成11年6個体につきまして、農業関連以外で死んでいるということですが、これにつきましては、例えば道路端で倒れていて死んでいて、それも原因が不明という状況もあります。ただ、病気の問題等もあると考えられますので、それにつきましては、計画にも書かせていただきましたが、哺乳類でございますので、感染症等の配慮が必要であると考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。
 それでは、続きまして土屋委員。

【土屋臨時委員】 基礎調査に関しては、環境省がご担当されるということですけれども、沖縄島のオオコウモリの研究を間近に見ていますと、相当大変であるということが理解できるのですが、どんな体制をお考えなんでしょうか。研究チームの構築について教えてください。

【事務局(浪花)】 研究チーム構築ということですが、保護増殖事業計画にも書いてあるとおり、専門家の育成も今回一つのテーマになっておりまして、オオコウモリの専門家はいるんですが、オガサワラオオコウモリの専門家が現状いらっしゃらないということがございます。ただ、現場で保護専門家を育成していく当たりをつけて、今選定しているところでございます。そういった形で、まず専門家を入れていきたいと考えております。また、調査につきましては、これまで小笠原村で調査をやっている事例、また地元のNPO、小笠原自然文化研究所というんですが、地元のNPOでも調査を実施しております。そこに、これまで継続している調査につきまして、ねぐらに戻ってくる生息数のカウントとかを行っていただいているんですが、例えば夏季のねぐらがどこにあるかとか、そういった補足的な調査を、環境省もバックアップしていきながらオガサワラオオコウモリ全体の把握をしてまいりたいと考えております。
 また、オガサワラオオコウモリは硫黄列島にもおりますので、実際、硫黄列島の調査というのは本当に数少ない調査しかされておりません。また、その機会をとらえてオオコウモリの調査もしてまいりたいと考えております。

【土屋臨時委員】 複数の大学院生がかかりっきりになっても、なかなか情報が集まらないという状況ですけれども、何か情報が提供できるかもしれませんので、お役に立つことがあるかもしれません。

【事務局(浪花)】 ぜひ、よろしくお願いします。

【山岸部会長】 それでは、小菅委員。

【小菅臨時委員】 先ほど齋藤委員の質問で、生息域外保全についての質問がありましたけども、とりあえずは生息域内でやっていくんだというお話でしたけど、既に個体数が200~300の間ということで、この個体数について、生息域内保全だけで本当に将来にわたって絶滅を防ぐことができると考えているんでしょうか。やはりどこかの時点で、それも早目に決断しないと、ずるずる、ずるずるといってああ、もう危ないと言ってからやっても生息域外保全というのは手が出ないというのはトキで経験していると思うんですよね。ですから、その辺の見通しみたいのを教えていただければと思います。

【事務局(浪花)】 確かに今、小菅委員のおっしゃるとおり、1日に28頭ひっかかる状況でございますので、ここ数年の父島の生息数は100頭程度で安定はしておるんですが、危機的状況は変わらないと思います。ですので、野生復帰ということを考えたときには、やはり生息環境がまず戻っていくことが必要だと思うんですが、種の保存として、保険として個体を持っていくということは、おっしゃるとおり重要だと思います。ただ、技術の見込みということを考えまして、今回、計画上載せさせていただかなかったんですけども、今後調査を進めていく上で必要性を検討しまして、必要に応じて計画の改定もあり得ると思います。

【山岸部会長】 それでは、続いて三浦委員。

【三浦臨時委員】 今の報告を聞いていますと、遺伝的な問題は少しあると思うんですが、このオガサワラオオコウモリ全体は、父島、母島とそのほかの諸島のこれは多分メタ個体群の構造を明確に持っていると思うんですね。それでいなくなったところには、ほかのところから供給されるという格好でずっと続いてきた地域集団だと思うんですね。したがってここの保全を図っていくためには、やっぱり基本的な戦略をつくっていく必要があるだろうと。一つは、安定した個体数を減らさないというのが母島以外だと基本的な方向だと思うんですね。それから、もう一つは、今までメタ個体群の中核である母島については、個体数を回復させないといけないというのがもう一つの基本的な戦略だと思うんですね。そういう観点からいえば、今、齋藤委員や小菅委員がご指摘のように、この母島の個体群をいかにうまく回復させるのかというのは、一つのキーポイントだと思うんですね。したがって多分父島あたりを対象にしながら、域内保全とはいえ、現地でそれなりの個体数の回復の、まさに保護増殖の努力を長い目で見ていったときに監視していく必要があるのではないかなと、そんなふうに思うんですけれども。

【事務局(浪花)】 ご意見ありがとうございます。やはり父島だけではなくて、母島の生息環境もあるということで、メタ個体群としても重要だと、こちらとしても認識しております。いきなり域外保全ということではなくても、例えば傷病個体の活用とか、そういった形で域外保全に資する情報も入手して保全を進めてまいりたいと考えております。

【山岸部会長】 それでは、磯崎委員。それから、福田委員の順番でもう二人ぐらいでご意見をとめたいと思います。

【磯崎臨時委員】 防鳥ネットの絡まりなんですが、さっきの質問にも答えていたように、平成8年の28個体という数字をベースに今でも考えているということなんでしょうか。というのは、10年以上前のデータですが、そのときに、さっきも質問に出たように、報告されていないものを考えると、ベースで28ぐらいで考えた方がいいと、そういう認識なのかどうかです。
 それから、二つ目ですが、防鳥ネットで、16番目のスライド、それから18番目のスライドですが、16番目にあるようなネットについての形状の研究はどの程度いっているのか。18番目のスライドでは、それが文科省になっているんですが、個人、農家への購入補助など、その場合だと農水か国交省になるのかなと思うんですが、そのあたりの事業の進展度合いと、それからコスト負担ですね、そこの計画がどうなっているか。
 それから3つ目、1番目の質問とちょっと重なるんですが、数字が減ってきているのに、理由としてフルーツの栽培形態など農業の果樹に関する部分で何か変わっているのか、あるいは先ほどの説明のように、早目に見回りに行っているとか、それが理由で減ってきている。しかしベースは余り変わっていない、そういう話なのかどうか、その辺お願いいたします。

【事務局(浪花)】 3番目をもう一度ご説明いただいてよろしいでしょうか。

【磯崎臨時委員】 1番目と重なっているんですが、データとして数が減ってきている。その背景として、農業形態の変化なのか、早目に行って見回りをして救っているということなのか。

【事務局(浪花)】 まず1番目につきまして、28個体がベースになっているかということですが、この28個体はマンゴーの農家でして、この後、小笠原村の対策等で、マンゴーについてはかなり対策が施されてきたと聞いております。ただ、絡まっている事故というのは、マンゴー以外にもレモンとかも行われておりまして、そういった意味でまだ整備が進んでいない事業につきましては、同じようなリスクはあると考えておりますので、28がベースというよりは、ここまで最悪の事態になってしまいますので、こういった可能性を想定して、例えばネットの張り方であるとか、巡視の必要性を考えております。
 ネットの状況につきましては、平成19年度から文化庁が小笠原村に補助事業という形で実施をしておりまして、写真にあったこういったビニールの物につきまして、絡まりやすくて、またそのテンションがゆるい状態のときに絡まりやすいということが報告されております。ですので、網目の大きさであるとか、例えばこの辺はプラスチックのハードな網になるんですが、それだと当たったときにはね返るということで絡みにくいということが検証されております。例えば、こちらは金網だと思うんですが、材質であるとか、網目の大きさ等について、網を設置するにはコストもかかりますので、今後はコストのことも検討しながらベストなネットの張り方、また農業者に負担をかけないやり方について、実証試験を通して検討してまいりたいというふうに思います。
 生息数の推移につきましては、ネットに絡まっている個体数が多いときには、やはり個体数が減少しておりますので、防鳥ネットの絡まりはかなり大きな脅威になっていると考えております。ですので、第一に防鳥ネットの絡まりということを考えまして、農業との共生という形で普及啓発、また実証試験を進めて、一番の脅威だと思いますので、対策を検討していきたいと考えております。

【山岸部会長】 それでは、最後に福田委員、お願いいたします。

【福田臨時委員】 外来植物の駆除ということがありますけれども、駆除していただくのはいいんですけれども、私たち一般の人間としては、これが在来であるか外来であるかということが、よくわからない人が多いんですね。ですから、その辺のところをきちんとわかっていかないと、何かについてここに来たということはあるかもしれないんですけども、たとえば花木などについていえばきれいだからここに持ってくるという、そういうことが私たち山の人間としても困ることがいっぱいあるんですね。ですから、その辺のところをわからせる教育というか、そういうことも必要なのではないかなと思うんですけれども。

【事務局(浪花)】 ありがとうございます。確かに外来生物を意図的に持ちこんでしまう場合もございますし、また非意図的に知らずに持ち込んでしまうこともございます。これは、オオコウモリの普及啓発だけではなくて、小笠原諸島全体、植物だけではなくて、例えば動物等、グリーンアノールとか、そういった外来種が多く入っておりますので、小笠原の自然の価値を守るという意味においても、あわせて外来植物の持ち込みはだめなんだよということを普及啓発していきたいと考えております。

【山岸部会長】 それでは、この議題につきまして、たくさん有益なご指導いただいたわけですが、それらの意見を今後の事業を進めていく上に確実に反映させていただくということで、お諮りしたいと思います。
 このオガサワラオオコウモリ保護増殖事業計画の策定につきましては、今、私が言いましたようなことも含めて、事務局案が適当と認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございました。それでは、ご同意いただきましたので、本件は適当と認めることとし、この事務局案を当審議会の答申案としまして、中央環境審議会長に報告することにさせていただきます。ご苦労様でした。
 引き続きまして、国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定についての諮問内容について事務局からご説明ください。

【事務局(木村)】 野生生物課計画係の木村と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、国指定鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定について説明させていただきます。資料2-2から指定計画書の案、公聴会、公告縦覧、及びパブリックコメントの結果資料をお配りしておりますが、説明はスライドを用いて行いますので、適宜資料もご確認いただきながらご覧ください。また、資料2-9として、これから説明するスライドのコピーをお配りしております。ご参照ください。
 今回の諮問案件について説明させていただきます。国指定鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定につきましては、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第28条第9項において準用する同法第3条第3項の規定及び同法第29条第4項において準用する同法第3条第3項の規定に基づき審議会の意見を求めるものであります。諮問案件は、今回表にあります10件となっておりまして、各鳥獣保護区の単位としては5カ所ありまして、それぞれ1カ所ずつの特別保護地区を指定する予定になっております。
 上から見ていきますと、まず祗苗島鳥獣保護区ということで、こちらは伊豆諸島にある祗苗島の鳥獣保護区。続きまして大野原島についても伊豆諸島にある島の鳥獣保護区でございます。また、冠島・沓島については、京都府舞鶴市沖の鳥獣保護区でありまして、枇榔島につきましては、宮崎県沖の島。与那国については、琉球諸島の与那国島と、すべて島の鳥獣保護区となっておりまして、各鳥獣保護区の説明につきましては、後ほど個別に詳しくご説明をいたします。
 次に、鳥獣保護区の制度について説明させていただきます。鳥獣保護区は、鳥獣保護法第28条に基づき指定するものでありまして、区域内では狩猟が禁止されます。また、鳥獣保護法第29条に基づきまして、鳥獣保護区の中に、鳥獣の生息を保護する観点から、必要な区域につきまして、特別保護地区を指定することができます。特別保護地区の中では、狩猟の禁止に加えまして、建築物の新築・改築・増築、水面の埋め立て・干拓、木竹の伐採といった行為が許可行為として規制がされます。また、特別保護地区の中に特別保護指定区域というものを定めることも可能です。この区域では、特別保護地区の規制に加えまして、車両の乗り入れ等の禁止もできますが、今回、特別保護指定区域につきましては、どの鳥獣保護区の中でも指定はありません。その指定区域につきまして、規制内容として植物の採取や撮影等について追加されることになります。
 それでは、各鳥獣保護区の位置図をここにお示しします。祗苗島鳥獣保護区につきましては、このように伊豆諸島、神津島の属島になります。大野原島につきましては、伊豆諸島の三宅島の離島になりまして、冠島・沓島につきましては、京都府舞鶴市沖の日本海側の離島であると。枇榔島につきましては、宮崎県門川町の沖にありまして、与那国島につきましては、沖縄県の最西端の方にあります。なお、この指定箇所の選定に当たりましては、鳥獣保護区の指定計画というものを5年ごとに作成して、それに基づいて調査や地元調整を行いながら順次指定を進めております。今年度は、平成19年から23年までの5年間の計画のうちの一つでありまして、基本的な考え方としましては、国指定鳥獣保護区となるレベルにあるにもかかわらず、国や県ともに鳥獣保護区に指定されていないもの、あるいは既に県指定鳥獣保護区に指定されているものの全国的な観点から特に保護を図る必要がある箇所について、この5年間で順次進めていくこととなっております。
 それでは、各諮問案件ごとの説明に入ります。まずは、国指定祗苗島鳥獣保護区及び同特別保護地区についてご説明いたします。この写真は、祗苗島を南側から撮ったものでありまして、左に薄く写っておりますのが伊豆七島の神津島、手前が祗苗島の南島で、奥が北島となっております。位置図についてはこのようになっておりまして、東京都の南方約180キロメートルの海上に位置します伊豆諸島の神津島の南東約1.2キロメートルの祗苗島全域とその周辺海域が今回鳥獣保護区の指定予定となります。このように島全体と海岸線から沖合1キロメートル以内の海域が鳥獣保護区の指定となっておりまして、南北二つの小島と岩礁からなっております。周囲は約1.5キロメートルの断崖絶壁の無人島でありまして、陸域12ヘクタールの部分を特別保護地区に指定するものでございます。詳しい内容につきまして、現地及び対象鳥獣の写真でございます。同島の多くは浸食された岩で、植生は島の上部に広葉樹の低木を含む草地があるのみとなっておりまして、南島、北島とも似たような状況になっております。同島の岩の割れ目及び隙間において環境省が作成しましたレッドリストの絶滅危惧<2>類になりますカンムリウミスズメ及びオーストンウミツバメの集団繁殖が確認されております。祗苗島は浸食された岩になっておりまして、上部に低木を残す草地があるのみという形で、南島はススキやスゲの仲間の草原などが代表的な植生になっております。
 動物相の概要といたしましては、鳥類につきましては、カンムリウミスズメ、オーストンウミツバメ、オオミズナギドリやウミウ、ウミネコ等の海鳥類が集団で繁殖しております。平成21年に日本野鳥の会で実施された調査におきましては、南側の島でカンムリウミスズメの複数の営巣が確認されております。このほか神津島の方からハシブトガラスやトビ、ハヤブサ等の陸鳥も飛来するということになっております。カンムリウミスズメにつきましては、レッドリストの<2>類に分類されておりまして、全国でも5,000~6,000羽といわれておりまして、多くても1万羽はいないのではないかと推定されている種でございます。
 指定区分、面積、存続期間についてご説明いたします。指定区分は、資料の方で希少鳥獣生息地となっているんですけど、すみません、こちらは誤りでございまして、集団繁殖地となります。大変失礼いたしました。集団繁殖地の保護区となっておりまして、面積が鳥獣保護区593ヘクタール、そのうち特別保護地区が12ヘクタールとなっておりまして、存続期間が、平成22年11月1日から平成42年10月31日までの20年間となっております。
 公聴会の実施結果について説明いたします。公聴会は、本年8月26日に神津島村で行いました。指定に関しては、8名の公述人を指名し、8名全員の賛成をいただいております。
 以上が、祗苗島鳥獣保護区及び特別保護地区の説明になります。
 続きまして、国指定大野原島鳥獣保護区及び大野原島特別保護地区の指定について説明いたします。こちらの写真が大野原島なんですけれども、三宅島側から撮った写真になります。当該区域は、東京都の南西約180キロメートルの海上に位置する三宅島の南西約10キロメートルのところにあります。大野原島は、子安根、青根、大根など多くの岸礁の総称でありますが、無人島であります。特別保護地区に指定される陸域の面積は、8ヘクタールとなっております。切り立った浸食された岩でありまして、植生は急傾斜地にスゲの仲間やその他の草本類が生育しているのみとなっておりまして、こちらも岩の割れ目や隙間等において、レッドリスト絶滅危惧<2>類のカンムリウミスズメの集団繁殖が確認されているところでございます。こちらは、大野原島の写真とカンムリウミスズメの写真でございます。大野原島は、海底火山の頂部によって形成されておりまして、安山岩の切り立った多くの岩礁からなっております。岩礁は東西800メートル、南北約600メートルの130ヘクタールの海域に分布しておりまして、このうち最も大きな岩礁が114メートルの子安根であります。こちらの子安根でカンムリウミスズメの繁殖が確認されております。三宅島から見たときに三つの岩礁が見えることから、三本岳と地元では呼ばれております。
 動物相につきましては、鳥類は、カンムリウミスズメが集団で繁殖しているという以外には、ウミネコやハヤブサ、ハシブトガラスなどが定着、または三宅島から飛来しているということでございます。平成21年に日本野鳥の会によって実施された調査によりますと、子安根でカンムリウミスズメの12の巣が確認されているということでございます。
 哺乳類、爬虫類の生息に関する記録は今のところありません。
 指定区分、面積、存続期間について説明いたします。すみません、こちらも集団繁殖地が正しい繁殖の指定区分となります。大変失礼いたしました。カンムリウミスズメの繁殖ということで、カンムリウミスズメの集団繁殖地の保護区となります。面積は546ヘクタールで特別保護地区が8ヘクタールとなります。存続期間が、平成22年11月1日から平成42年10月31日までの20年間となっております。
 公聴会の実施結果につきましては、公聴会8月24日に三宅村において行いまして、9名の公述人から賛成意見すべていただいております。
 続きまして、国指定冠島・沓島鳥獣保護区及び冠島・沓島特別保護地区の指定について説明させていただきます。この写真は、手前が冠島、奥が沓島となっておりまして、京都府舞鶴市沖にある島となります。舞鶴市沖の約30メートル沖に位置しておりまして、冠島の北東約2キロメートルに沓島がございます。こちらでは、オオミズナギドリが10万羽以上繁殖しており、日本海側では最大級の繁殖地となっております。また、環境省のレッドリスト絶滅危惧<2>類になっておりますヒメクロウミツバメの国内の最大の繁殖地となっております。このほかに、先ほどのカンムリウミスズメやハヤブサ、準絶滅危惧種のカラスバト等の貴重な鳥類を初めとして、32科94種の鳥類が生息しております。また、周辺海域についても海鳥類の採餌場所として鳥獣保護区として指定する予定でございます。
 冠島は大部分が山地となっておりますが、南側はやや広い平地がありまして、北方に至るにつれて岩石の露出した断崖となっております。沓島は、釣鐘島、棒島の2島から構成されておりまして、北側に位置する釣鐘島は、円筒状で周囲は断崖となっております。
 植物相につきまして、冠島では、山頂及び南側の平坦部では、タブノキの群落となっておりまして、島の樹林の大部分を占めております。そのほか、ケヤキ群落、アカメガシワ群落などが見られております。沓島につきまして、島の尾根筋から斜面上部の比較的緩斜面地に帯状にタブノキ、モチノキ、ヤブツバキ等の群落が成立しております。
 こちらは島内の様子なんですけれども、オオミズナギドリの巣穴がこのように森林内にたくさんありまして、このようにオオミズナギドリの幼鳥なども見られております。
 指定区分、面積、存続期間について説明いたします。指定区分は、ヒメクロウミツバメ、オオミズナギドリを対象とした集団繁殖地の保護区となっております。鳥獣保護区の面積、1,300ヘクタールで特別保護地区が44ヘクタールとなっております。存続期間は、平成22年11月1日から平成42年10月31日までの20年間となっております。
 公聴会の実施結果につきまして、平成22年8月26日に行われておりまして、京都府舞鶴市で行いまして、公述人は10名、意見賛成7名となっておるんですけれども、すみません、誤記です。反対はございませんので、全員賛成となっております。大変失礼いたしました。
 続きまして、国指定枇榔島鳥獣保護区及び枇榔島特別保護地区の指定につきまして説明させていただきます。こちらは宮崎県門川町の沖合にありまして、写真は門川町の方から撮ったものになります。こちらが区域図になりまして、門川町から東へ約7キロ、もっとも近い陸地まで約3キロの沖合に位置しております。こちらには枇榔島と小枇榔島という主に二つの島がありまして、こちらの区域並びに両島の海岸線から1キロメートル以内の海域が鳥獣保護区となります。周囲約1.5キロの枇榔島と周囲約200キロメートルの小枇榔島からなる無人島及びその周辺海域であります。
 特別保護地区は、両島の陸域で400ヘクタールとなります。こちらの鳥獣保護区ですけれども、レッドリストの絶滅危惧<2>類になりますカンムリウミスズメの重要な集団繁殖地となっているほか、絶滅危惧<1>類のウチヤマセンニュウ、準絶滅危惧のカラスバト等の繁殖地にもなっております。
 枇榔島は、両島とも海食崖、がけが発達しておりまして、柱状節理の絶壁が多く、海上から切り立ったような形になっております。
 植物については、島の上部について、モクタチバナ、ハマビワ、タブノキ、ヤブツバキ等からなる群集などがありまして、下層植生は、ノシラン、フウトウカズラ等が繁茂しているという状況になっております。
 動物相の概要ですけれども、カンムリウミスズメにつきましては、傾斜が急で岩が組み合わさってできた隙間や林縁部に生えた下層植生の間で営巣しておりまして、オオミズナギドリは、傾斜が緩やかな林内の地面や木の根元、岩穴等を営巣地として利用しております。また、カラスバトは、爬虫類や哺乳類等の地上性捕食者が生息していないこと、ハシボソガラス、ハシブトガラス等から隠れて営巣できるということもありまして、地上営巣しておりまして、ウチヤマセンニュウの繁殖も確認されております。当地におけるカンムリウミスズメにつきましては、推計で3,000羽とされておりまして、国内の全個体数の推定が5,000羽~6,000羽、多くて1万羽といわれておりますので、約半数ほどが枇榔島にいると推定されております。こちらがウチヤマセンニュウとカンムリウミスズメの写真になります。
 指定区分、面積、存続期間につきまして、こちらもすみません、集団繁殖地の保護区になります。訂正させていただきます。カンムリウミスズメ、ウチヤマセンニュウ等の繁殖があるということで集団繁殖地の保護区となっておりまして、面積が482ヘクタール、そのうち特別保護地区が400ヘクタールとなっておりまして、存続期間は、平成22年11月1日から平成42年10月31日までの20年間となっております。
 公聴会の実施結果につきましては、開催日が平成22年8月24日、宮崎県の門川町で行われております。公述人7人で全員の賛成を得られております。
 続きまして、国指定与那国鳥獣保護区及び同与那国特別保護地区の指定について説明させていただきます。こちらは鳥獣保護区の写真でございますけれども、左のところに見えますのが立神岩と申しまして、ヨナクニカラスバトが繁殖している岩でございます。当該区域につきましては、琉球列島の最西端である与那国島に位置しまして、沖縄本島から南西510キロ、隣接する台湾からは110キロの距離にあります。島は、東西12キロ、南北4キロで、東西に長細く周囲27.5キロ、面積が28.9平方キロメートルであります。当該鳥獣保護区は、与那国島の東部と南部にかけての海岸部及び与那国島最高峰である宇良部岳を中心とした地域から久部良岳を中心といた西部地域及び樽舞湿地から構成されております。当該区域の多くは、亜熱帯広葉樹林でその大部分をリュウキュウガキ、スダジイ林及びビロウ群落が占めております。このような自然環境の中で鳥類につきましては、種の保存法の国内希少野生動植物種でもありまして、環境省のレッドリスト絶滅危惧<1>B類のヨナクニカラスバト、キンバト等の希少な鳥類が生息しているほか、絶滅危惧<1>A類でありますクロツラヘラサギ、絶滅危惧<2>類のアカヒゲ等の飛来も確認されております。
 写真が主な鳥獣保護区の写真になります。宇良岳の山頂付近は急傾斜地が占めておりまして、山頂から北東斜面は緩斜面となっております。久部良岳も同様に山頂付近が急傾斜地で占められておりまして、北東及び南東斜面は緩やかな段丘となっております。
 植物相の概要につきましては、東の海岸の方から南海岸にかけてアダン-オオハマボウ群落や牧草地、宇良岳山頂は、ガジュマル-クロヨナ群集、山麓はリュウキュウガキ-ナガミボチョウジ群落、久部良岳はビロウ群落、南に常緑果樹園などがあります。西にヤワラケガキ-スダジイ群集、久部良ミット湿地の方につきましては、開水面の縁にヨシクラス、樽舞湿地についてもヨシクラスが分布しているという形になります。
 動物相につきましては、これまで生息が確認されている哺乳類としまして、ジャコウネズミやイエコウモリ、カグラコウモリ、ヤエヤマオオコウモリなどがあります。そのほかにドブネズミ、クマネズミ等も生息している可能性があるとなっております。
 鳥類につきましては、国内希少野生動植物種でありますヨナクニカラスバト、キンバトを初めとして、さまざまな種の生息が確認されております。
 ヨナクニカラスバトにつきましては、写真にありますが、八重山諸島の与那国島、石垣島、西表島に分布しておりますが、90年代に入ってから立神岩の方で繁殖が確認をされております。写真は農地に下りてきたものを撮った写真ですけれども、ふだんは森林内に生息をしております。
 ヨナクニカラスバトのほかに、絶滅危惧<1>B類でありますキンバトが生息しておりまして、島の東部や湿地帯、比川地先、最西端の地ということでは、渡り鳥の中継地、越冬地を保護するための鳥獣保護区となっておりまして、カモ類、タカ類、シギ、チドリ類が飛来してくる重要な地点となっております。
 指定区分、面積、存続期間につきまして説明いたします。指定区分は、ヨナクニカラスバト、キンバト等の希少な鳥類を対象とした希少鳥獣の保護区となっております。鳥獣保護区の面積は、1,040ヘクタールであり、そのうち特別保護地区の面積は63ヘクタールです。存続期間は、平成22年11月1日から平成42年10月31日までの20年間となっております。
 公聴会の実施結果につきましては、平成22年8月20日に与那国町で行われました。公述人7名で、賛成7人ということで全員の賛成を得られております。
 以上で、与那国島の与那国鳥獣保護区の説明を終わりますが、これで鳥獣保護区に関するすべての説明となりますので、ご審議のほどよろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 ご苦労様でした。たくさんあったんですが、まとめて、これらの報告について、何かご意見、ご質問がございましたら、ご意見のある方は名札を立ててください。

【磯崎臨時委員】 公述人の意見のところで、都知事からですが、伊豆諸島で漁業関係に対する配慮というのが出ているんですが、特別保護地区の設定は、どこに設定するかというので問題は解決されていると考えていいのか、それとも特別保護地区の設定以外で、具体的に何か漁業関係で懸念すべきことがあるのかどうか。
 二つ目ですが、同じように、これは野鳥の会から出ている意見で、繁殖期の調査をしてほしいというのがあるんですが、計画書の2ページ、下の方で、国指定鳥獣保護区の保護に関する指針の(1)関係機関等と連携協力してモニタリング調査を行うというのがあります。京都ですかね、冠島・沓島の保護区のところでは、関係地方公共団体、関係機関、NPOという形で細かく分かれているんですけども、この伊豆諸島の場合は、関係機関等の中にNPOも含めてすべて考えているのか、その2点をお願いします。

【事務局(木村)】 ありがとうございます。まず1点目の質問、漁業関係者からの懸念ということで、一番主なものとしましては、鳥獣保護区に指定されることによって、自分たちの漁業に制限がかかるのではないかというような懸念が、最初の印象としてあると聞いております。それに関しては、きちんと説明をさせていただきまして、今回、海面の特別保護地区はないんですけれども、漁業に関して特に支障があるものではありませんとご説明させていただきまして、ご理解は得られております。都からのご意見であったんですけど、漁業者からそういう声もあったのでということで意見として出していただいているとは思うんですけれども、実際には漁業関係者の方々にもきちんと説明をさせていただいております。
 関係機関等の中にNPOが含まれるのかということですけれども、当然、含まれるということになっております。

【土屋臨時委員】 今のことと関連して申し上げると、スライドでは、公聴会の意見は全部賛成であったということですけれども、コメントの中に幾つか気になることがありましたので、詳しく検討する時間が必要かなという気がするのです。
 といいますのは、先ほどのオガサワラオオコウモリですと、かなり時間をかけて意見交換をしたので、だんだんわかってきました。ところが、今回の鳥獣保護区については、この分厚い資料を今のご説明だけで理解しろというのは、なかなか困難な気がするのですね。それで、最後はきっと山岸先生がこれでいいだろうかと問われるんだろうと思うんですけれども、聞かれても我々は、なかなか内容を把握できていないという状況にあるのですが、これはどうしたものかということで、一般的な質問としてお尋ねしたいと思います。こういう形で進めることで、私たちは責任を果たせるのかどうかというふうに危惧を持ってしまいます。
 それから、それに関して少しコメントになるのでしょうか。現地調査は、もちろん環境省の皆さんはおやりになっていて、責任を持ってこの資料をおつくりになっているんだろうと思いますが、これは野生生物部会のメンバーが、どなたかかかわっておられるんでしょうか。そうであれば、そのかかわった方からのご意見も伺う機会があっていいと思いますし、私たちに情報が十分伝わった上で議論ができるというのが一番望ましいと思いますので、ご検討いただければと思います。

【亀澤野生生物課長】 確かに、これだけのボリュームの資料をパワーポイントで簡単に説明をしてしまっていますので、これについて一つ一つ、本来であればご審議いただくべきものだと思っています。ただ、これだけの分量がありますと大変時間がかかりますし、これまでの審議会の積み重ねでこういう形になってきたんだとは思いますが、もう少し丁寧にそれぞれの中身について、お時間さえいただければご説明できると思いますので、説明の仕方については、今後もう少し工夫をしていきたいというふうに思っています。
 それから、現地の調査に関しましては、環境省の事務方だけで行っておりますので、その辺の状況についても、もう少し詳しく説明できるように今後していきたいと思っています。

【土屋臨時委員】 私は、県の方でも幾らかかかわっているんですが、県ですと必ず審議会の委員が複数調査に出かけて、一緒に現地で議論するチャンスがあるんですね。お金がかかってしまいますので、簡単ではないと思いますけれども、慎重に審議するようなチャンスをご検討いただければと思います。

【山岸部会長】 座長がこんなことを言うのは、非常に口幅ったいのですが、私も好きこのんでまとめているわけじゃなくて、先ほどの問題だって重大な問題ですよね。環境省側は数が少ないから生息域内保全をまずやるんだ。数が少なければ生息域外保全をやらなきゃいけない。全く同じ状況なのに、考え方は二つあると思います。それを今まで、本当のことをいうと、この短い時間の中で議論してきたことはないですね。ですから、先ほど私がまとめたように、いただいた意見を反映させて、今後の事業に反映させることで、この原案に賛成というようにいただくのですが、その後、それがどのように反映されていたか、本当は委員の方が一々みんな確かめればいいんだけど、そんなこともできないし、ただただ流れていってしまうと。
 提案なんですが、この次の議題に、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針についてというのが、提案されるわけです。私はこの中で、ぜひそういう基本的なことを議してもらいたい、今、土屋委員の言ったことや私が言ったことを。そういうことで一応承って、次のところへ進めるということで、よろしゅうございますか。私も全く同感でございますので。

(異議なし)

【山岸部会長】 それでは、ほかに何か、この件についてどうですか。

【山極臨時委員】 今のことにちょっと関連しますけれども、特にカンムリウミスズメについては、世界的に見ても数千羽しかいない非常に貴重な種類でして、今回、その集団営巣地が複数、こういった形で保護区に指定されたことは大変画期的なことだと思うんですけれども、営巣地だけを保護して、一体ウミスズメがどういう経路でそこに渡ってきて、繁殖期以外はどう過ごしているのかがきちんと把握されて、どういう形で保護していこうという全体計画が練られるものなんだろうと思うんですね。ですから、こういった形で複数、保護区にした上で、どのような数の保全を図っていくかのというあたりを、もう少しストラテジーとして練っていただければと、これは要望でございます。よろしくお願いします。

【山岸部会長】 ほかにありますかね。
 私から一ついいですか。環境省の事業として、モニタリングサイト1000というのをやっていますよね。そのモニタリングサイト1000が、今回出てきたのは非常に島が多いようなんですが、その島の調査のモニタリングサイト1000が生かされたのか、それとは関係なく指定がなされたのか、わかりましたら。

【事務局(木村)】 一部につきまして、例えば冠島、沓島等につきましても、一部データなどを参考にして、今回は使ってはおります。すべてというわけではないですけれども。

【山岸部会長】 お金をかけてやる事業ですから、なるべく有益的に関連づけるのが当然だと思います。どこかから補足説明いただけますか。もういいですか、それで。よろしゅうございますか。

【亀澤野生生物課長】 お金もかけられていますから、できるだけ、今まで環境省でやっている調査のデータは有効に活用していきたいと思います。

【山岸部会長】 それではもう一つ、諮問のあれがありますので、今の諮問の案件につきまして、土屋先生の厳しいコメントがあるんですが、一応、事務局の原案として、これでよろしいかどうか、お諮りしたいと思います。いかがでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 異議なしというお言葉をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、今出たような意見を生かすということで、事務局案を当審議会の答申案として、中央環境審議会長に報告することといたします。
 それでは、最後になりますが、3番目、先ほど私も申し上げました、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針についての、その諮問内容について、事務局から説明いただきます。

【事務局(山本)】 鳥獣保護業務室の山本と申します。よろしくお願いいたします。
 議題3-1の鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針についての諮問案件について、ご説明を申し上げます。
 本件につきましては、本日は諮問のみでございますので、案件の概要とご審議いただく方法等について、ご説明を申し上げます。資料3-1をお手元にお願いいたします。
 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第3条に基づきまして、環境大臣は鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針、この後、基本指針と申し上げますけれども、それを定めることとなっておりまして、それに当たり、中央環境審議会の意見を聞くこととなっております。
 基本指針では、鳥獣保護事業の実施に関する基本的な事項、また都道府県が定める鳥獣保護事業計画の作成に関する事項などを定めることとなっており、その都道府県が定める事業計画の計画期間が5年となっておりますので、基本指針についても5年ごとに見直すということになっております。
 現在の鳥獣保護事業計画が、平成24年度末までの計画期間となっていることから、今般、基本指針の見直しに着手することといたしました。それで中央環境審議会への諮問をさせていただいたところでございます。
 また、前回は平成19年に作成をしております。1枚めくっていただいて、鳥獣保護管理小委員会の設置についてという野生生物部会の決定をご覧ください。これは中央環境審議会議事運営規則第8条の規定に基づいて、鳥獣保護管理小委員会を設置することを決定したものでございます。
 2番目のところに、小委員会は基本指針の見直しについて検討を行うということとなっております。議事運営規則については、次のページにお示ししております。
 あらかじめ部会長にご相談いたしまして、今回の見直しにつきましても、鳥獣保護管理小委員会において議論をすることといたしまして、今回ご議論いただく小委員会の委員の指名をいただいております。それが委員名簿、次のページでございます。
 指名の正式な手続はこれから行いますけれども、委員長は山岸部会長が務められ、委員につきましては、野生生物部会から石井委員、磯部委員、市田委員、是末委員、汐見委員、福田委員、三浦委員。また、農業分野のご専門ということで、土壌農薬部会の委員でいらっしゃいます染委員、専門委員として、審議会の外から小泉委員、坂田委員、羽山委員にメンバーとなっていただいて、ご議論をいただきます。
 最後のページは、現時点で事務局が想定している主な論点でございます。近年、シカ等による被害が増加しておりまして、各地で個体数調整を行っておりますけれども、どこでもなかなか思うようにいかずにご苦労されているということで、個体数調整は主な論点になると考えております。
 あわせて、それらの管理を行う人材育成・確保についても、前回の基本指針から引き続いて課題と考えております。そのほか、鳥インフルエンザを初めとする感染症対策や、19年の作成後の成果や変化を盛り込んでいくということを考えております。
 なお、スケジュールを参考で示しております。事務局の案でございますが、本日の諮問を受けまして、11月に第1回の小委員会、1月に2回目、その後、パブリックコメントですとか、都道府県担当者会議等によって意見を募りまして、年度を明けて、4月ごろに第3回を開催して、その結果を野生生物部会にご報告して、答申をいただくということを考えております。
 説明は、以上でございます。

【山岸部会長】 今、ご報告いただいたとおりなんですが、先ほどのいろいろな鬱憤も含めまして、ここで何かご意見があったら、ぜひお出しいただきたいと思います。それが最後に言われた論点の中に新しく加えられるか、または今、挙げられている中でこなすとか、いろいろな方法はあると思うんですが、ご意見いただければ幸いです。どうぞ。

【石坂臨時委員】 小委員会の設置には、賛成ですし、メンバーについても異論はございませんが、この論点の中で個体数調整の考え方、これは重要な点で、これは異論がないんですが、人材の育成・確保というのは、具体的には何を議論しようとしているんですか。もう少し説明していただけますか。

【事務局(山本)】 特定計画ですとか、鳥獣保護管理を進めていく上で、主に現場で人材が必要ということがあります。例えば個体数調整でいいますと、今話題になっているのが、シカをの個体数きちん管理していかなければいけない、捕獲しなければいけないということがありますが、そういった捕獲をする人を確保するとか、それを管理する人をきちんと育てていくということが課題となっています。特に狩猟者が減少しているということで、捕獲の担い手が減っているので、どうやって育成して確保していくかということが大きな課題かと考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか、石坂委員。今の答えで。

【石坂臨時委員】 何かもうちょっと幅広く検討すべき問題じゃないかと思うんですけどね。狩猟する人が減ったということ、それももちろん重要な問題です。ですけど、もっと広いんじゃないでしょうか。

【事務局(山本)】 わかりました。もう少し幅広く、管理全般を考える人も含めてということで、考えていきたいと思います。

【小菅臨時委員】 この餌付けの問題が感染症のところに載っているんですけれども、もう少し感染症の問題どころか、餌付け自体が及ぼす影響だとか、そういうことをもっとしっかりと調査してやるべきではないかと思うんですけれどもね。ただ、中断になって、感染症、例えばスズメのあれとか、北海道でもありましたけれども、そういう問題でなくて、人が餌付けをするということが、結局、野生動物の生存にどういう影響を与えるのかということは、多くの人が余り意識していない気がするんですよね。その辺をもっとしっかりとやるべきじゃないかと思います。
 それと、傷病鳥獣の感染症対策も載っていますけれども、傷病鳥獣をどう扱っていくのかという問題は、環境省である程度考えはあると思うんですけれども、僕は北海道ですけれども、いろんな都道府県で全くまちまちの解釈をしていますよね。安全のことも、傷病鳥獣について国はどういう方針で扱っていくのか、しっかりと議論すべきではないかと私は思うんですけれども。

【事務局(山本)】 わかりました。その点も踏まえまして、小委員会での議論につなげていきたいと思っております。

【山岸部会長】 ほかにございませんでしょうか。はい、どうぞ。

【山極臨時委員】 個体数調整が大きな課題になるのは重々承知しておりますけれども、環境省として、今後、日本列島の生物多様性について、どういう指針で保護区を設定し、その保護区内と保護区外でどのような保全計画をつくっていくのかということを中心に考えなければ、農林省的な対策に陥ってしまう可能性があるわけですね。特にニホンザルの場合は、そういうことが非常に懸念されるわけですけれども。
 現在、問題になっている点は、環境省としては生物多様性というのを一番重視しないと問題だと思います。もちろん、人間活動を著しく破壊するような、あるいは人間の生活を脅かすような問題については、環境省も農林水産省と一体となってやっていかなくてはならないことは事実なんですけれども、希少種の問題、それから保護区設定の問題と同時に、個体数調整に関しては、どのようにその個体群が生き延びられるかということを科学的にきちんと調べた上で、将来計画を見通した上で当たっていただきたい。これは二つとも要望なんですが、もう一度その辺の見直しをよろしくお願いしたいと思います。

【事務局(山本)】 おっしゃるとおりだと思います。一方で、シカが増えていることによって食害により生物多様性が失われているということが、最近、大きく指摘されていることから個体数調整を課題としてあげております。山極委員がおっしゃったことももっともだと思いますので、その点も含めて検討していきたいと思います。

【山岸部会長】 ご意見いただいていない委員の方で、何かご意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
 座長も言っていいですかね。僕が今までずっと言ってきたのは、さっき出た82種の中のどれを増殖事業の対象種にするかという手順をどういうふうにするのかというのは、やはりこれは今、山極さんの言った根幹とも関わるものだと思うので、議してほしいというのが1点。
 それと、先ほど小菅さんや齋藤さんが言った、生息域内保全と生息域外保全のルールなり、きちんした指針をつくってほしい。これからは絶対に、野生生物の保全は、生息域外保全と生息域内保全の両輪でいくことにあると思うんですが、いつも動物園の方がおっしゃると生息域外保全にいっちゃうし、生態学者が言うと生息域内保全にいっちゃうし、それのバランスをどうとるかというのは、きっと一番大事な問題になるのではないかと思うので、ぜひ論点の中に加えていただきたいと思います。

【亀澤野生生物課長】 今、部会長から大きな意見をいただきましたけれども、保護増殖事業計画の策定の優先順位ですとか、生息域外・生息域内のルールづくりは大変大きなテーマだと思っております。これは鳥獣保護事業計画というよりは種の保存法の世界だと思っているんですが、種の保存法自体、平成5年に施行されて以降、部分的な改定はしているんですけれども、全体的といいますか、抜本的な改正もしておりませんので、もう20年近くたちますから、種の保存法の施行状況を改めて検証する必要はあると思っています。そういう中で、保護増殖事業計画のあり方とか、生息域内・生息域外の保全のルールのあり方、そういうことも含めて、今後議論をする機会を設けたいと思っております。

【山岸部会長】 というお答えですが。

【土屋臨時委員】 先ほどお答えの中に、人材の育成に関しては管理の面まで含めてとおっしゃっていただきましたけれども、今までのいろんなご意見を踏まえて、あるいは私がずっと感じていたことを別の言葉で表現しますと、こういう事業を進める上で、その結果をこれから評価されたり、したり、あるいは結果を公開したりという作業が必ず必要になってくるわけですけれども、そのときには、やはりきちんと説明できるような情報を届けなければいけないと思うんですね。
 それに関しては、この鳥獣保護以外に、も含めてですけれども、どうしても環境省は研究面が極めて弱いと思うのですね。環境省自身としては、すぐに解決できる問題ではないとは思いますけれども、しっかりした科学的な研究がベースになって議論ができるような体制を、少し長期的にお考えいただければと思います。

【山岸部会長】 山本さん、大変な宿題を受けたわけです。省内でご検討ください。

【事務局(山本)】 鳥獣保護法に基づく基本指針ですので、この中ですべてが議論できるわけではないと思いますけれども、関係部局ともちゃんと調整しまして、相談しながら検討していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 それでは、ご苦労さまでした。そういうことで、この諮問案件につきまして、小委員会の名簿も含めまして、今後、鳥獣保護管理小委員会において議論を進めることといたしたいと思います。何か結局、自分に向かって唾を吐いたようなことになっちゃったんですが、小委員会の委員の皆様、よろしくお願いいたします。
 それでは、引き続きまして、最後になりますが、報告事項が2件ありますので、事務局より続けてご報告をお願いいたします。

【事務局(志田)】 保護増殖係の志田と申します。野生部会では、その都度トキについての最新の状況をご説明させていただいておりますので、今回もまたお時間をいただきたいと思います。
 お手元に配付しております資料は、非常に恥ずかしい状況の資料なんですけれども、今回、COP10という機会がありますので、トキの取り組みを広く紹介しようということで、パンフレットを作成しようと思っていたのですが、まだ最終版ができていないということで、原稿を打ち出ししたものだけをお配りしております。大変恐縮です。でき上がりは、またの機会を見つけまして、ご覧いただければと思います。
 まず、口頭で最近の状況をご報告させていただきます。前回の部会のときには、6組が営巣して、ひなの誕生は難しそうだということを申し上げたと思うんですが、その後、やはり状況に変化なく、今年の繁殖期はひなの誕生はなりませんでした。6月に入りましてから、どんどんペアが解消いたしまして、今は集団でまた活動するような状況になっております。
 また、テンによるトキの死亡事故を受けてケージの改修を進めまして、7月末でケージの改修が終わったことから、8月からまた順化訓練を開始をしております。ちょうどまた明日トキの専門家会合でお諮りするんですが、事務局としては11月放鳥を目指して、現在準備をしているところです。詳しくはまた明日、先生方のご意見を伺って、正式に決めていきたいと思っております。
 こちらのパンフレットで何をご紹介しているかと申しますと、早いもので、トキを放鳥してから2年という月日がたっております。29羽を放鳥しているわけなんですけれども、その29羽のモニタリングの成果、わかってきたことをまとめております。
 3ページ目、4ページ目を見ていただきますと、1年目、2年目でトキがどんなところにいるのかというものを、佐渡島の地図に図示しております。現在のところ、29羽放鳥したうち、確実に確認できておりますのが17羽で、現時点では6割程度の生存率となっております。そのうち、第1回放鳥は10羽なんですけれども、5羽ということで、約半数は行方がわからないか、死亡という状況になっております。11月の放鳥で、新たに14羽を放鳥予定としておりますので、また羽数が増えた状況で、来年の繁殖期でのひな誕生を非常に期待をしておるところです。
 一番最後のページを見ていただきますと、トキのさいじ記ということで、どんなところでえさを食べているかというものを図示しております。こういったものを佐渡島の皆様にお配りして、トキの保護に対する理解を深めていくための説明にも用いていきたいと思っています。春、夏、秋、冬ということで、トキが餌をとるところも大分違うといったことを示しております。
 大きな特徴といたしましては、夏の稲が大きくなる時期には、トキは田んぼに入ることができないということで、その周りを使っているんですよとか、冬は雪の中でも、ちゃんと餌をとっていますとか、そういったことをこちらの図で説明をしております。
 繰り返しになりますけれども、今度の放鳥は11月に予定ということで、今まで9月に放鳥しておりましたので、若干違う時期になりますけれども、モニタリングを続けまして、新しい事実がわかりましたら、適宜ご報告をしていきたいと思います。
 トキに関しましては、以上です。

【山岸部会長】 ありがとうございました。報告ですが、何かご質問がありましたら、この際。

【小菅臨時委員】 すみません、この件でなくてもいいんでしょうか。トキのことに関して。

【事務局(志田)】 はい、どうぞ。

【小菅臨時委員】 私、この前、いしかわ動物園に行ってきたんですけれども、トキが見られなかった。モニターで見てくれと言われたのですが、あれはどういう目的で人に見せないようにしているんでしょうか。

【事務局(志田)】 いしかわ動物園は、今のところ、分散飼育ということで、トキの危険分散を第一に飼育をお願いしております。将来的には当然公開という方向で持っていって、広くトキの保護増殖の理解に努めてもらいたいと思っているんですけれども、現時点では、繁殖への影響を最優先ということで、非公開ということをお願いをしております。

【小菅臨時委員】 繁殖への影響、人に見られたら繁殖しないというようなものなんですか。

【事務局(志田)】 失礼しました。繁殖期だけじゃなくて、通年、非公開という形になっているんですけれども、トキは憶病な鳥だということで、なるべく今のところは人に近づけないようにというような飼育を優先しているというところでございます。

【小菅臨時委員】 そうですか。

【事務局(志田)】 トキを広く公開するべきであるというご意見があることは十分承知しておりますので、放鳥の進み具合ですとか、いろんな条件を見ながら、なるべく早いうちに、いろんなところでトキを見ていただけるようにしていきたいと思っております。

【小菅臨時委員】 であれば、私の経験ですけれども、下手に人から遠ざけると繁殖しない。動物園の裏側に置いておいたフクロウ類をお客さんのほうに持っていったら、よく繁殖したという事例があるんです。トキを隠そう、隠そうというのは、余りいいことじゃないんじゃないかと僕は思うんです。

【事務局(志田)】 実は今、ご指摘の点は、テンによるトキの死亡事故のときにも、小宮先生ですとか、動物園の先生方が強く言われていることでございまして、とりあえず、今できることといたしまして、順化訓練中のトキについて、今まで飼育員しか原則近づいていなかったようなものを、もう少し環境省の職員が近づいたりですとか、車を近づけたりですとか、今までより人を近づけるような工夫は始めております。

【山岸部会長】 ほかに。トキについてありますか。

(なし)

【山岸部会長】 ありがとうございました。それでは、引き続きまして、ラムサール条約湿地の潜在候補地についてですか。

【亀澤野生生物課長】 最後、ラムサール条約湿地の潜在候補地の選定について、私から簡単にご報告申し上げます。
 トキの資料の前にあるのかもしれませんけれども、参考資料2と右肩に書いた資料がございます。それに従って簡単に説明をいたしますが、ラムサール条約の登録湿地の現状、1の(1)に書いてございますが、現在、日本では37カ所が登録をされております。そして目標として、ラムサール条約のCOP11、2012年に開かれますが、そのときまでに、新たに6カ所を登録しようと、現在の生物多様性国家戦略2010に掲げております。
 我が国では、登録のための条件として、[1]~[3]までの3つを設定しております。[1]は、国際基準、すなわちラムサール条約に示す基準ですけれども、それに該当する国際的に重要な湿地であること。[2]として、国際約束ですから、国が保全に責任を持つという意味で、自然公園法ですとか鳥獣保護法等の国内法による保護担保措置、すなわち国の保護区に指定されているということ。[3]として、地元の合意が得られていると、この3つを条件にしているところです。
 (2)で、今回の検討について書いておりますけれども、今回の検討では、今申し上げました[1]~[3]までの3つの条件のうち、[1]の国際的な条件、国際的な基準、これを満たす湿地が、そもそも我が国はどれぐらいあるだろうかということを抽出することを目的として、作業を行いました。
 背景としましては、ラムサール条約のCOP9、2005年のときには、国際基準として、鳥類以外の湿地に依存する動物種に関する基準というのが9番目の基準として加わっていたり、あるいは2008年のCOP10で、水田の生物多様性保全上の役割に着目した、水田決議というものも決議されております。そういう新たな動きを踏まえるとともに、各地の湿地に係る最新の情報をもとに、今年の2月から今年度の8月にかけて、検討会を5回開催をして、作業をいたしました。
 その議論を踏まえて、地元の同意とか、保護担保措置という、先ほど申し上げた[2]、[3]の条件にかかわらずに、科学的な観点から国際基準を満たす湿地がどれだけあるかということで、172カ所を選定したところでございます。先週の9月30日に、それについて発表をいたしました。
 2のところで、今後の予定を書いておりますけれども、登録はラムサール条約の締約国会議ごとに行われておりますので、次回のラムサール条約のCOP11、2012年のときに、潜在候補地の中から6カ所以上の新規登録を目指したいと考えております。それ以降につきましても、潜在候補地のリストの中から、[2]、[3]を加えた三つの要件が整ったところから、順次登録を進めていきたいと思っております。
 資料の2ページは、その検討会の先生方の名簿です。それから、その検討会の開催経緯。3ページは、現状の37カ所が地図に落としてございます。4ページは、先ほど申し上げました、我が国の登録のための3条件を上に掲げた上で、1番目で言うラムサール条約で示された国際基準、それを下の方に9つ掲げているところでございます。
 以上でございますけれども、それとは別に9月30日に発表した資料もつけております。それには172の細かいリスト、A3判でつけておりますので、それについては後ほどご覧をいただければと思います。
 以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。このラムサールの指定について、何かご質問はありますか。

(なし)

【山岸部会長】 それでは、ないようですので、その他、事務局から何かございますか。

【事務局】 特にございません。

【山岸部会長】 それでは、最後になりましたが、渡邉審議官から、ごあいさつをちょうだいしたいと思います。

【渡邉審議官】 多岐にわたる議題について、ご審議いただきまして、ありがとうございました。諮問事項ということで、オガサワラオオコウモリの保護増殖事業計画、そして国指定鳥獣保護区の指定の答申をいただきまして、ありがとうございました。一部、説明が十分でない点、お詫び申し上げます。今後改善をしていければと思います。
 もう今月、2週間後に、生物多様性条約のCOP10が開催されます。そういう機会に国内の生物多様性の施策、野生生物の施策をぜひ前進させていかなければいけないと思いますし、そういう意味で、本日、答申いただいた事項は、そのための重要な取り組みと位置づけられると思います。重要な取り組みとして、今日いただいた意見も受けて、着実に実施に移していけたらと思っています。
 また、小笠原につきましては、小笠原世界遺産登録を目指した推薦をして、今、審査のプロセスが進んでいます。来年の夏には、遺産委員会で登録の可否が決まる見込みという予定になっています。そういう意味で、オガサワラオオコウモリという小笠原の遺産の価値を構成する重要な対象種について、保護の施策を一歩進め得ることができたということで、これも世界遺産審査の過程でも、この計画策定をぜひ生かしていければというふうに思っています。
 鳥獣保護の基本指針、今後の鳥獣保護管理の大きな方向を決めていくものになります。その検討のための小委員会を設置していただきました。今日も幾つか、いろいろな観点からご意見をいただきましたので、そのご意見も生かして、今後の小委員会の議論を進めていけたらというふうに思います。
 10月、今月のCOP10では、生物多様性の新しい2010年以降の世界目標を合意し、採択をするというのが大きな課題になっています。その新しい世界目標を受けて、各国は、各国の国家戦略をその新しい世界目標を反映させて、国家戦略を改定、策定をしていくということが求められます。日本も率先して、そういった国家戦略づくりにも取り組んでいきたいと思っています。
 その中で、今日もご意見いただきました野生生物の保全施策、域内保全や域外保全のあり方といったことも含めて、大きな視点に立って、野生生物施策の拡充、強化をどう図っていくかということを大事な項目として、検討をぜひ進めていきたいと思っていまして、そういった面でも、皆さんから今後ご指導やアドバイスをいただけたらと思っています。
 本日は、どうもありがとうございました。

【山岸部会長】 ありがとうございました。以上をもちまして、本日の野生生物部会を閉会といたしたいと思います。ご協力ありがとうございました。