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■議事録一覧■

中央環境審議会第7回騒音振動部会議事録


  1. 日時 平成21年6月18日(木)10:00~12:00
  2. 場所 法曹会館 2階 「高砂の間」
  3. 出席者
    (部会長)橘  秀樹
       
    (臨時委員) 岩瀬 昭雄 鹿島  茂 金子 成彦
    桑野 園子 佐藤 信彦 塩田 正純
    鈴木 孝幸 橘  武史 鳥越けい子
    新美 育文 橋本 竹夫 樋口 忠夫
    山本 貢平    
    (環境省) 白石水・大気環境局長
    岡部総務課長
    内藤自動車環境対策課長
    志々目大気生活環境室長
    岩田環境管理技術室長
  4. 議題
    (1)
    「騒音規制法の規制対象施設の在り方について(第二次答申)」について
    (2)
    その他報告事項
  5. 閉会
    【配付資料一覧】
    ・中央環境審議会騒音振動部会委員名簿
    資料1中央環境審議会騒音振動部会(第6回)議事要旨(案)
    資料2中央環境審議会騒音振動部会(第6回)議事録(案)(委員限り)
    資料3騒音規制法の規制対象施設の在り方について(騒音未規制施設専門委員会第二次中間報告)
    資料4騒音規制法の規制対象施設の在り方について(第二次答申)(案)
    資料5今後の自動車騒音対策の取組方針(案)
    資料6今後の自動車単体騒音低減対策の在り方について(中間答申)(平成20年12月18日)に基づく今後の検討の進め方
    参考資料1騒音規制法の概要
    参考資料2騒音規制法の規制対象施設の在り方について(諮問)等
    参考資料3中央環境審議会関係法令等
    参考資料4騒音規制法の規制対象施設の在り方について(第二次中間報告の概要)
    参考資料5今後の自動車騒音対策の取組方針(案)説明資料
  6. 議事

    【志々目大気生活環境室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第7回騒音振動部会を開会いたします。
     本日は委員総数21名のうち、14名のご出席をいただいておりますので、定足数である過半数に達しております。
     欠席の委員は、礒野弥生委員、岸玲子委員、小澤紀美子委員、小林悦夫委員、佐藤友美子委員、竹中統一委員、山田伸志委員となってございます。
     それでは、議事に先立ちまして、白石水・大気環境局長よりごあいさつを申し上げます。

    【白石水・大気環境局長】 ご紹介いただきました、水・大気環境局長の白石でございます。おはようございます。
     本日は、皆様方、大変ご多忙中にご出席を賜りまして、本当にありがとうございます。
     本日は、ことしの5月に騒音未規制施設専門委員会の第二次中間報告が取りまとめられましたので、専門委員長よりご報告をちょうだいした上で、これに基づいて、「騒音規制法の規制対象施設の在り方について」に関します第二次答申をおまとめいただければと考えております。詳しくは、後ほど説明させていただきますけれども、騒音規制法の規制対象施設の在り方につきましては、今後、従来からの規制的手法とともに、例えば、騒音ラベリング制度あるいは各種ガイドラインといった、規制以外の手法の考え方が盛り込まれてございます。それから、ボイラ、冷凍機、冷却塔、スクリュー式圧縮機の検討結果についてもご審議をいただくというものが(1)の部分でございます。
     それから、今後の自動車騒音対策の取組方針、昨年の12月に中間答申がなされました「今後の自動車単体騒音低減対策の在り方について」がありますが、これに基づく今後の検討の進め方についてご報告をさせていただければと考えております。
     本日はどうぞよろしくお願いいたします。

    【志々目大気生活環境室長】 本日は、ことし1月の中央環境審議会委員の任期満了及び改選後第1回目の騒音振動部会でございます。委員の先生方と事務局の幹部の紹介をさせていただきたいと存じます。
     まずは、部会長には、中央環境審議会令第6条第3項の規定に基づきまして、鈴木基之会長から千葉工業大学総合研究所教授の橘秀樹委員がご指名を受けておられます。また、騒音振動部会にご所属いただく委員の先生方につきましては、同じく中央環境審議会令第6条第2項の規定に基づきまして、お手元の次第の裏の中央環境審議会騒音振動部会委員名簿にございますとおり、既に会長から指名されております。
     新任の委員を、ここでご紹介させていただきます。
     本日ご欠席でいらっしゃいますが、岸玲子委員、同じくご欠席の佐藤友美子委員、また、本日出席していただいております、山本貢平委員でいらっしゃいます。
     また、再任の委員につきましては、先ほどの席上配付の委員名簿のとおりでございますので、よろしくお願いいたします。
     また、事務局でございますが、水・大気環境局の幹部についても、お手元の配席図のとおりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
     それでは、続きまして、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと存じます。
     まず初めに、次第とその裏の中央環境審議会騒音振動部会委員名簿でございます。
     次が、資料1でございますが、中央環境審議会騒音振動部会(第6回)の議事要旨(案)でございます。
     次、資料2でございますが、中央環境審議会騒音振動部会(第6回)の議事録の案、これは委員限りのものとなってございます。
     次、資料3でございますが、騒音規制法の規制対象施設の在り方について(騒音未規制施設専門委員会第二次中間報告)という、少し厚めの資料でございます。
     次に、資料の4でございますが、騒音規制法の規制対象施設の在り方について(第二次答申)(案)でございます。
     資料5が、今後の自動車騒音対策の取組方針(案)でございます。
     資料6が、今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について(中間答申)(平成20年12月18日)に基づく今後の検討の進め方という資料、1枚ものでございます。
     次に、参考資料1といたしまして、騒音規制法の概要でございます。
     次、参考資料2が、騒音規制法の規制対象施設の在り方について(諮問)等でございます。
     あと、参考資料3が、中央環境審議会関係法令等でございます。
     次に、参考資料4が、騒音規制法の規制対象施設の在り方について(第二次中間報告の概要)という、横書きのものになってございます。
     最後は、参考資料5でございますが、今後の自動車騒音対策の取組方針(案)説明資料でございます。
     以上でございますが、万一、資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
     続きまして、資料1といたしまして、第6回騒音振動部会、前回の議事要旨と、資料2といたしまして、第6回の騒音振動部会の議事録の案を提出させていただいております。本日の会議終了後、内容をご確認いただいた上で、何かご意見等ございましたら、6月24日までに事務局の方にお申し出くださいますよう、よろしくお願いいたします。ご意見を踏まえ、修正後、速やかにホームページに公表させていただきたいと存じます。
     ここで、大変恐縮でございますが、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきたいと存じますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
     それでは、これ以降の会議の進行につきましては、橘部会長にお願いをいたします。
     どうぞよろしくお願いいたします。

    【橘部会長】 おはようございます。
     それでは、去年の12月に続きまして、今回は第7回目の騒音振動部会ということで、本日の議題についてご説明申し上げます。
     まず初めに、騒音規制法の規制対象施設の在り方について(第二次答申)でございますが、平成8年に環境大臣より諮問がなされたものに対し、騒音未規制施設専門委員会で第二次の中間報告がまとめられました。これについて、騒音未規制施設専門委員会委員長を務められました、岩瀬委員長から簡単にご報告をいただきまして、その後、事務局から補足説明をお願いいたします。

    【岩瀬臨時委員】 それでは、騒音未規制施設専門委員会の報告をさせていただきます。多少長いので、座らせて報告させていただきますけれども、よろしいでしょうか。
     騒音規制法の規制対象施設の在り方については、平成8年7月25日に環境大臣より中央環境審議会会長へ諮問され、平成8年11月に、それに対する中間答申として、同法の規制対象施設として切断機を追加することが適当であるとしましたが、ボイラ、冷凍機、冷却塔については、規制対象施設への追加を含む対策の在り方について引き続き検討することとされました。
     また、同答申において、規制対象施設の追加等を検討するに当たっては、都市・生活型の施設への対応、低騒音型施設の普及、現行の特定施設の考え方の見直しや騒音の評価手法の在り方等を含め、幅広い見地から検討する必要があるとされました。さらに、平成16年10月の規制改革・民間開放推進3カ年計画において、スクリュー式圧縮機を騒音規制法等の規制対象外とするべきとの要望があったことから、ボイラ等に加え、スクリュー式圧縮機も含めた、未規制施設等について検討することになりました。
     諮問に対する審議については騒音未規制施設専門委員会に預けられており、平成21年3月16日に第1回、5月12日に第2回を開催し、議論を重ねまして、資料3のとおり、専門委員会報告を取りまとめました。
     今回の答申のポイントとして、今後の工場・事業場における騒音対策の推進に当たっては、従前からの規制的手法とともに、情報的手法としての騒音ラベリング制度や、自主的取組手法である各種ガイドライン等の規制以外の手法について検討することが適当であるという結論となりました。また、未規制施設等の低騒音化に向けた対応方針については、ボイラ及び冷凍機について、現時点では規制の対象とすることは適当でないが、今後とも、引き続き規制以外の手法である騒音ラベリング制度や設置ガイドライン等の対応も含め、施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要があるという結論となりました。
     冷却塔については、原動機の定格出力が7.5kw以上の送風機を有するものを特定施設として明確にする必要がある。また、7.5kw未満のものについては、規制以外の手法である騒音ラベリングや設置ガイドライン等の対応を含め、施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要があるという結論となりました。
     なお、規制改革要望のありましたスクリュー式圧縮機については、現時点では騒音規制対象から除外することは適当ではないが、低騒音化に向けた取り組みがなされていることから、規制以外の手法である騒音ラベリング制度や、設置ガイドライン等の検討もあわせ進め、効果的かつ効率的な施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要があるという結論となりました。
     それでは、補足説明を事務局の方からお願いいたします。

    【志々目大気生活環境室長】 岩瀬先生、どうもありがとうございました。
     それでは、お手元の資料の3の「騒音規制法の規制対象施設の在り方について」、騒音未規制施設専門委員会の第二次中間報告に沿って、簡単に概要をご説明をさせていただきたいと存じます。
     まず、1ページ目をお開きいただきたいと存じますが、「はじめに」のところでございます。今、岩瀬委員長からご説明いただきましたように、平成8年の7月でございますが、「騒音規制法の規制対象施設の在り方について」という形で諮問をさせていただいたものに対しまして、平成8年の11月でございますが、「平成8年中間答申」というふうに呼んでおりますが、ここの答申におきまして、ボイラ、冷凍機、冷却塔については規制対象施設への追加を含む対策の在り方について、引き続き検討するということとされたところでございます。また、この答申の中におきまして、規制対象施設の追加等を検討するに当たっては、都市・生活型の施設への対応、あるいは、低騒音型施設の普及、現行の特定施設の考え方の見直しでありますとか騒音の評価手法の在り方等も含めて、幅広い見地から検討する必要があるというふうにされたところでございます。また、平成16年の3月でございますが、規制改革・民間開放推進3カ年計画におきまして、これは日本経済団体連合会の方からご要望のあった事項でございますが、スクリュー式圧縮機を騒音規制法等の規制対象外とすべきとの要望があったところでございます。こういったことを踏まえまして、ボイラ、冷凍機、冷却塔に加えて、スクリュー式圧縮機の取り扱いについても、騒音未規制施設専門委員会において、幅広くご検討いただいたという経緯がございます。
     こういった状況を踏まえまして、こういったボイラ、冷凍機、冷却塔及びスクリュー式圧縮機、以下、「未規制施設等」と呼んでおりますが、こういった施設についての、特定施設としての規制対応のほか、製造メーカーが施設に騒音レベル等を表示する、いわゆる「騒音ラベリング制度」でございますが、こういった規制以外の手法についても、施設の対策・低騒音化に向けた今後の在り方について、幅広く検討を行ったということでございます。
     以下、詳細については、2ページ目以降ご説明してまいりたいと存じますが、次、2の対象施設の現状でございます。これにつきましては、詳細は割愛させていただきますが、後ろの本文の7ページ以降のところに別添の資料がついてございまして、そこから新たに1ページ目が振られておりますが、その最後の38ページ目まで、基礎的な資料がついてございます。こういう資料を基礎といたしまして、対象施設毎の設置状況等、あるいは、対象施設毎の騒音レベル、未規制施設等に関する苦情件数、地方公共団体の取組の現状、施設毎の騒音防止対策等の現状などについて整備を行ったということでございます。詳細については、また、適宜引用しながら説明させていただきます。
     次に、3といたしまして、特定施設の追加等に関する基本的な考え方でございますが、先ほどご説明いたしました、平成8年の審議会の中間答申におきまして、今後の検討に当たっての課題ということで、幅広い見地から検討すべきということで、かぎ括弧にくくったようなご指摘をいただいているところでございます。今回、特定施設の追加等に関する選定要件も含めて、基本的な考え方について総合的に検討したということでございます。
     特定施設の追加等に関しては、今般、この四角で囲った選定要件等を整備し、総合的に判断するものとしたということでございます。この選定要件でございますが、基本的に(a)から(e)までございまして、それに加えて、「配慮事項」という構成でできております。選定要件の(a)といたしましては、これは騒音に関する要件でございますが、平成8年のときの要件とほとんど同じでございます。ほとんどの施設から発生する騒音レベルが、屋内で使用される施設については、1m地点で80dB以上、屋外で使用される施設については、1m地点で70dB以上ということでございます。具体的には、後ろの別添資料の16ページから19ページにかけて、この対象施設の騒音レベル等が示されています。
     一つの例示として、17ページをごらんいただきたいと思いますが、これはボイラの屋内と屋外における騒音レベルの調査結果でございます。横軸が伝熱面積でございますが、縦軸が90%レンジの上端値を指標として評価を行っております。上が屋内でございますので80を超えているかどうか、下の方が屋外でございますので70を超えているかどうか。こういったものは、ほとんど超えているかどうかということに沿って、判定をしていったということでございます。
     また、本文2ページの方にお戻りいただきまして、(b)の選定要件といたしまして、これは苦情件数に関するものでございます。1番目の条件が、騒音苦情件数が一定以上であるということと、あと、近年の苦情件数の増減傾向についても考慮するということでございます。
     これはまた、恐縮でございますが、後ろの別添資料の23ページをごらんいただきたいと存じます。上のグラフの下の方に、(2)のところに、ボイラ、冷凍機、冷却塔の苦情件数等について記載してございますが、平成17年度のデータで、工場・事業場に係る全苦情件数5,574件のうち、ボイラについては1.7%、冷凍機については2.3%、また、冷却塔については1.6%ということで、いずれもこのクライテリアの1%を超えております。
     また、次の25ページをお開きいただきたいと思いますが、上の図19、苦情件数の推移をごらんいただきたいと存じます。これは平成4年から7年にかけてのこのあたりのデータと、最近の17年度までのデータを比較いたしまして、苦情件数の推移を示しておるものでございます。全般的にこれらの施設、騒音レベルが下がってきておるようなこともございますので、苦情件数が減ってきておるというような状況にございます。
     恐縮でございますが、本文2ページにまたお戻りいただきまして、今度、(c)のクライテリアでございます。これは地方公共団体の条例等による規制などに関するクライテリアでございまして、基本的には、都道府県及び政令指定都市のうち、概ね10以上の自治体で条例等を導入しておるということが書かれております。ただし、地方公共団体で規制等が進んでいる場合につきましては、条例で対応できるというような考え方もございますので、あわせて、地方公共団体の意向も確認するということで書かせていただいております。
     これにつきまして、また、別添の25ページを、恐縮でございますがお開きいただきたいと存じますが、この25ページの下の図20というグラフでございます。ボイラ、冷凍機、冷却塔の条例による規制があるものの件数が示されております。おのおの21件、27件、32件ということで、クライテリアの10というものをすべて超えておるということでございます。
     また、あわせて27ページをごらんいただきたいと存じますが、この27ページの図21というところをごらんいただければと存じます。これは、地方公共団体に対して、今回のボイラ、冷凍機、冷却塔の特定施設への追加についての意向を確認した結果でございます。ちょっと見づらいグラフで恐縮でございますが、ボイラにつきましては、58%の自治体が、追加は必要でない、ないしは、どちらかと言えば必要はないということで、過半数を超える自治体が基本的には必要でないということで言われております。また、次の冷凍機につきましては、同じように、追加が必要でない、ないしは、どちらかと言えば必要でないという自治体が52%と、同じく冷却塔についても、基本的に必要ないというところが56%でございまして、詳細に意見等を分析してまいりますと、条例等による対応が行われているとか、あるいは、一部の施設は屋内設置型であるので苦情等が少ないとか、そういったご意見で、こういう結果となってございます。
     また、本文2ページの方にお戻りいただきたいと思いますが、次が(d)の要件でございます。施設の設置数が全国的に普及していることということでございます。これについては、基本的に全国で1万台以上の設置基数ということがクライテリアになってございますが、これは別添資料の15ページをお開きいただきたいと思いますが、表の4のところでございます。下の表でございますが、ボイラ、冷凍機、冷却塔、これは推計値でございますが、ボイラについては20万台程度、冷凍機については極めて数が多うございまして、1,381万台、冷却塔については19万台ということで、これもいずれも1万台を超えているというような状況になってございます。
     また、恐縮でございますが、2ページの(e)のクライテリアをごらんいただきたいと思いますが、最後のクライテリアとして、規制以外の手法、先ほど申し上げましたようなラベリングでありますとかガイドライン、こういったような規制以外の手法により低騒音化に向けた対応ができないこと。これは後ほどご説明いたしますが、こういう規制以外の手法で対応できない場合については、規制の方に移行する場合もあり得るということを含めております。
     あと、次の配慮事項でございますが、これについては、1番目が合理的な費用で対策が実施できるという配慮事項。また、2点目が騒音規制法の第13条の中で、「小規模事業者に対する配慮」という条項がございますので、こういったものも踏まえまして、「小規模事業者の事業活動の遂行に著しい支障を生じることがないこと」というようなことが入ってございます。
     あと、3点目が効果的・効率的な規制を履行することが可能であること、あと、その他の条件について配慮するということで書かせていただいています。
     また、その下のなお書きの部分でございますが、すでに規制対象となっている施設、これについて、特定施設から除外する場合の考え方でございます。これにつきましては、選定要件の(a)に書いておりますような騒音レベル値を概ね下回るというようなことが書かれてございます。また、規制と同等の効果が見込める対策が確実に実施される場合などについて、選定要件、配慮事項も考慮しながら、個別・具体的に検討すると、こういうふうに整理されておるところでございます。
     次に、3ページの方に移らせていただきたいと存じます。4の規制以外の多様な騒音対策手法の導入に関する方針でございます。今般の検討に当たりまして、特に小規模事業所等が講じやすい騒音防止対策の方法なども充分勘案した上で、規制と規制以外の手法を適切に組み合わせて、騒音低減対策を実施していくということが必要であるということが、まず最初にうたわれております。また、第2のパラグラフで、これは環境基本法に基づく環境基本計画という大きな計画がございますが、これの第3次の改定された基本計画の中で、今後の環境政策の展開の方向性としてということで記載されてございますが、規制的手法とともに、経済的手法、自主的取組手法、これはガイドライン等の設定と、そういうものに基づく対策ということでございます。また、情報的手法、これはラベリング等、こういう情報を表示するというようなものが含まれております。また、手続的手法、これは環境アセスメント等の手続を定めて、適正な環境配慮を行っていくといったような手法でございますが、こういった諸手法を効果的に組み合わせるということがうたわれておるところでございます。こういうことで、未規制施設等の対応に当たって、多様な政策手段を組み合わせて騒音問題が確実に改善されるよう、総合的に検討していくことが重要というように記述されております。
     ここで、特定施設以外の施設であって、今回の検討の対象となっているようなものでございますが、例えば、小規模な事業者において設置されているもの、これは例示としてボイラでございますが、ボイラは90%以上が小規模な貫流ボイラ等になってございます。小規模な事業者が多数設置している代表的な施設でございます。また、施設の台数が多い施設、例示としては、先ほどご説明いたしました冷凍機、日本全国で1,380万台ほど設置されてございます。こういった施設等に対して、低騒音化に向けた取り組みとして、情報的手法である騒音ラベリング制度や、自主的取組手法である設置ガイドライン等の規制以外の手法も視野において充実していくことが肝要ということで整理されております。ちなみに、EUでありますとか米国においては、既に騒音ラベリング制度が導入されておるところでございます。こういうことも踏まえまして、我が国におきましても、騒音ラベリング制度など、規制以外の手法についても検討すべきであるということがうたわれておりまして、こういう基本的な検討等に、速やかに着手する必要があるというふうに書かれてございます。
     次、(1)騒音ラベリング制度でございますが、騒音ラベリング制度については、メーカー側において一定の騒音レベル等の状況を保証するなどの低騒音機器の普及を促す制度ということでございまして、先ほど申し上げました小規模な事業者において設置されるようなもの、あるいは、施設の設置台数が多い施設等についても、なかなか規制的手法が馴染まないような施設についても、低騒音化を着実に図ることが期待できる手法でございます。こういう手法の検討に当たりまして、今後、さらに詳細な事項を詰めていく必要があるということで、[1]から[4]の検討事項が書かれてございます。
     一つは、対象施設の絞込みが[1]でございます。[2]が騒音ラベリング制度で用いる騒音評価量でございます。これは音響のパワーレベルを表示するような方法もございますし、一定距離において、騒音レベル等を示す、いわゆるアイミッションレベルの指標といったようなものなどが考えられるということでございます。また、[3]といたしまして、この制度の構築に当たりまして、その測定機関、認証機関、情報公開の位置づけなど、騒音ラベリング制度の導入に当たって必要な制度等を検討すべきであるということでございます。あと、[4]といたしまして、既存の施設については、規制対象のものは、地方公共団体がいろいろ指導しておりますので、このラベリング対象の施設について、地方公共団体がどのように関与していくかというようなことも書かれてございます。こういったものを検討すべきであるということとなっております。
     また、留意事項として、3点ほど書いてございますが、1点目は、先ほど申し上げましたように、諸外国でラベリング制度等が導入されておりますので、国際的調和の観点から検討する必要があるということが1点目。あと、2点目でございますが、騒音レベルの低いものになりますと、物によっては消費エネルギーも少ないというような施設もございます。例えば、インバーター制御のもの等が代表的なものでございまして、こういう、いわゆる低騒音化と低炭素社会の形成、二つの目的を達成できるようなことも想定されますので、既存の制度等との連携ないしは科学的な知見の充実等も図って、そういう面も検討すべきであるということが書かれております。3点目は実効性のある制度にすべきということであります。
     次に、4ページの(2)の各種ガイドラインの策定のところに移らせていただきたいと思いますが、こういう施設につきましては、一番重要なのは、施設を設置する場合に、騒音が発生しないような場所に設置するとか、いろんな対策を施すというような、設置の際の配慮、また、施設の経年的な劣化に伴う騒音発生に対処する維持管理、こういう2点が非常に重要でございますので、こういう関連のガイドライン等の策定が必要であるということが書かれてございます。今申し上げましたようなガイドライン、[1][2]に書いてあるようなガイドラインを整備すべきであるということでございます。
     また、このガイドラインでございますが、なお書きの次のところの文章をごらんいただきたいと思いますが、先ほどご説明しました、騒音ラベリング制度を実施する場合であっても、このガイドラインを併用することによって、より確実に騒音防止対策を講じることが期待できるというふうに書かれてございます。これについては、先ほど申し上げましたように、ラベリングで幾ら低騒音のものがあっても、配置によって、例えば、敷地境界ぎりぎりに設置するような場合は環境基準を超えてしまうことも想定され得ますので、そういう二つの制度をあわせて、効果的に運用していくべきであるという趣旨でございます。
     次のまた書きは、これは配慮事項でございますのでちょっと飛ばさせていただきまして、次の(3)の規制的手法との関係でございます。これは、大変恐縮でございますが、参考資料4というパワーポイントの資料の3ページ目を、ちょっとお開きいただきたいと存じます。真ん中に工場の絵が載っかった資料になってございますが、基本的にこの規制的手法と規制以外の手法を今回二つの柱として位置づけて対策を進めていくということがここに書かれておりまして、今般導入する規制以外の手法、情報的手法、自主的取組手法が下の方に書いてございます。上が規制的な手法で、従来の規制への追加ということでございますが、今後、未規制施設の対応として、こういった規制的手法に移行するもの、あるいは規制以外の手法で対応するものと、こういう二つに分けて検討していってはどうかということでございます。そういう中で、規制的手法と規制以外の手法の中の相互のやりとりもございまして、例えば、規制以外の手法で、一定期間対策をとってみた場合に、所定の効果が得られなかった場合については、上の規制的手法に移行することもあり得るということで、逆に規制的手法に移行する前に、しっかりと自主的な取り組み等がなされるということが期待できるというのが1点です。あと、もう一つは、規制的手法の、既に規制されている施設であっても、特に低騒音であるということが特定でき、規制と同等の効果が見込めるような対策が確認される場合については、これは一部、限定的に外して、その情報的手法を自主的取組手法の方に移行することもあり得るということで、こういう二つの柱を有機的に組み合わせながら、連携して、低騒音型の機器の導入を進めていけないかということがポイントでございます。今申し上げましたようなことを本文4ページの(3)のところに書かせていただいております。
     次に、5の未規制施設等の低騒音化に向けた対応方針でございますが、今ご説明しました3の特定施設の追加等に関する基本的な考え方と、4の規制以外の多様な騒音対策手法の導入に関する方針を踏まえまして、各施設ごとに整理がなされております。
     最初はボイラでございますが、5ページの方に移っていただきまして、最初の1番目のポツが、騒音に関する検討結果でございます。平成8年の騒音未規制施設専門委員会の中間報告の中で、ボイラについては、騒音レベルが選定要件を満たしていないものが含まれていることなど、追加対象施設とはしないけど、今後、測定データ等を増やして、数多くの詳細で必要な調査を行った上で、規制効果の高い方策の検討を行う必要があるというふうに結論づけられておったところでございますが、今般、平成8年以降データを充実して整理いたしましたところ、再度検討したところでございますが、すべて超えるというような結果にはなっていなかったということで、明確な状況の変化はなかったということが書かれてございます。
     あと、2点目のポツでございますが、苦情については、先ほどご説明しましたように1.7%で、クライテリア1%を超えておると。ただ、ここ十数年で、苦情件数は減少傾向にあるということでございます。
     次が自治体の条例による規制の動向でございますが、21の都道府県、政令指定都市で条例規制が行われておるということで、10以上のクライテリアを超えていると。ただ、半数以上の自治体が、特定施設の追加は基本的に必要でないというふうに回答しております。24%の自治体が追加の必要ありということでございます。
     あと、次のポイントが、施設が全国的に普及しているということで、14万台ということで、1万台を超えておるということでございます。
     その次が、ボイラについては、これは騒音が発生する箇所が、そのボイラ単体だけじゃなくて、その配管等も含めて多岐にわたることから、騒音ラベリング制度の導入については、少し詳細な検討が必要であると書かれております。ただ、各種ガイドラインの導入による対応は、可能性が期待されるというふうに整理されておるところでございます。ちなみに、このボイラについては、小規模なものが多いということが書かれてございます。
     次、冷凍機でございますが、同じような記述になってございまして、1点目は騒音に関するもの。これも再度検証いたしましたが、明確な状況の変化は見られなかったというのが1点目と。2点目でございますが、苦情に関するもの。これは2.3%で1%を超えています。ただ、最近、この十数年で減少傾向にあります。自治体の条例による規制も、27の自治体が規制しておるということでございまして、クライテリアは超えておりますが、半数以上は特定施設の追加は必要でないというふうに答えてございます。また、施設が全国的に普及しておりまして、特に、1,381万台と、現在、騒音規制法の規制を受けておる対象の施設、特定施設が154万台でございますので、既存の規制対象の約10倍の数、設置台数があるということでございます。この冷凍機については、ラベリング制度ないしはガイドラインの導入による対応が期待される施設であるというふうに整理されております。
     次、6ページでございますが、冷却塔でございます。1点目は騒音の関係の解析でございますが、ボイラ、冷凍機と同様に新たなデータを検討いたしましたが、明確な状況の変化は見られなかったということでございます。また、苦情についても1%を超えております。あと、自治体の条例による規制については、32団体ということで、10以上超えております。ただ、半数以上の55%は特定施設の追加は必要でないということでございます。また、施設が全国的に、やはり普及しておりまして、約19万台ということで、1万台を超えておるということでございます。冷却塔についても、基本的に騒音ラベリング制度の導入が期待される施設であるというふうにされておりまして、実は、冷却塔は、既に自主的に、業界団体による騒音ラベリング制度は導入されております。こういったものも参考としていくということが書かれております。そのほか、各種ガイドラインの導入による対応の可能性も期待されるということで書かれております。
     ただ、冷却塔の特徴といたしまして、実は、冷却塔は送風機が設置されているケースが多いわけでございますが、実は、送風機につきましては、もう既に規制の対象となっておる施設でございます。実際、原動機の定格出力が7.5kw以上のこういう規制対象の施設については、冷却塔についても規制していくべきでございますが、自治体のアンケート調査をとったところ、26%の自治体が届け出あるいは規制の対象としていないということが今般判明してきております。残り4分の3の自治体は規制の対象にしているということで、若干のアンバランスが出ておるということが判明したところでございます。
     次、2の除外検討施設でございますが、スクリュー式圧縮機でございます。これについては、1番目の騒音に関するクライテリアについては、騒音レベルに関する選定要件を概ね下回ることというようなことがクライテリアでございますが、今般、再度整理いたしましたところ、過半数の施設において、このクライテリアを超えているものということが確認されました。また、スクリュー式圧縮機については、全体としては不明なところがございますが、空気圧縮機全体として見ますと、騒音の苦情件数が10.6%ということで、最も多い施設の中の一つになってございます。あと地方公共団体の意向として、この施設については、85%の自治体が規制から外す必要はないという回答でございます。あと、普及台数等はそこに書いてあるとおりでございまして、ただ、スクリュー式圧縮機については、最近のものは大部分が防音カバー付きの施設になってきておりまして、業界においても精力的に低騒音化が進められているということが確認されてきております。そういうことで、こういう低騒音のもの、特定できるような騒音ラベリング制度の導入だとかガイドラインの導入が期待されるというふうに整理されております。
     以上の検討結果を踏まえまして、次の5.2の対応方針でございますが、ボイラについては、現時点では規制の対象とすることは適当ではないが、今後とも引き続き、規制以外の手法である騒音ラベリング制度や設置ガイドライン等の対応も含め、施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要があるというふうにされております。
     冷凍機につきましても、ボイラと同じ結論でございまして、現時点では、規制の対象とすることは適当ではないが、今後とも引き続き、規制以外の手法である騒音ラベリング制度や設置ガイドライン等の対応も含め、施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要があるとされております。
     次の冷却塔でございますが、冷却塔については、原動機の定格出力が7.5kw以上の送風機を有するものを特定施設として明確にする必要があるということにされております。7.5kw未満のものにつきましては、ラベリング制度ないしはガイドライン等の対応も含め、施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要があるとされております。
     最後に、スクリュー式圧縮機、除外検討施設でございますが、これにつきましては、現時点では、騒音規制法の規制対象から除外することは適当ではないが、低騒音化に向けた取り組みがなされていることから、規制以外の手法である騒音ラベリング制度や設置ガイドライン等の検討も併せて進め、効果的かつ効率的な施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要があるというふうにされております。
     最後に、今後の検討に当たっての課題でございますが、先ほど申し上げましたように、規制的な手法と規制以外の手法、多様な政策手段を用いた対応が求められているということが書かれておりまして、これを検討するに当たって、検討すべき事項が3点挙げられております。
     1点目が、この規制的手法と規制以外の情報的手法等の有機的な組み合わせ等について、さらに検討していくべきであるということが1点目。
     2点目が、騒音ラベリング制度や各種ガイドライン導入に当たって、今まで、騒音レベルが着目されて、いろいろコントロールされてきたわけでございますが、昨今の、例えば、低周波音に関する苦情がふえてきておるというようなことも踏まえまして、周波数特性を踏まえた騒音対策についても考慮するということが書かれてございます。
     3点目が国と地方の関係でございまして、国の法律による規制と地方公共団体の条例に基づく規制等との関係を十分踏まえて対応すべきであるというようなことが1点。また、各地方公共団体でさまざまな条例が施行されておりますので、こういったものを全体的に把握できるような情報整備の仕組みも必要であるという課題となってございます。
     ちょっと長くなりまして恐縮でございますが、以上で説明を終わらせていただきます。

    【橘部会長】 どうもありがとうございました。
     それでは、ただいまのご説明に対して、ご質問はございませんでしょうか。
     どうぞ。

    【鹿島臨時委員】 1点、よろしいですか。製造年と騒音レベルという、今の資料の21ページからを見せていただいたんですけど、これに、もう一つあったスクリュー式圧縮機についてはないんでしょうか。

    【志々目大気生活環境室長】 これは大変恐縮でございますけど、このスクリュー式圧縮機の個別のデータを今回解析できておりません。ただし、業界のヒアリング等も今般事前に行いまして、その中では、先ほど申し上げましたように、エンクロージャー式の防音施設のついたスクリュー式圧縮機については、かなり低騒音化されてきているというのが、定性的には確認されております。

    【鹿島臨時委員】 わかりました。
     今の結論に、何となく、これが一番結びつき、直観的にわかりやすくて、何で、例えば、冷却塔だけが新たに入って、ほかのが入らないかとかというのは、わかりやすい図なのかなと思ったので、もしあればと思ってお伺いいたしました。ありがとうございます。

    【橘部会長】 ほかにご質問は。

    【金子臨時委員】 それでは、二、三、質問させていただきます。
     冷却塔に関してですけれども、先ほど、ファンに関しては規制があるとおっしゃっていましたが、その規制と、7.5kwのところでの仕切りの関係はどうなっていますでしょうか。

    【志々目大気生活環境室長】 今、金子先生の方からご指摘の、このすそ切りの件でございますが、今般も、原動機として7.5kw以上ということで、今、規制の対象となっている送風機と同じレベルの送風機を有するものは、引き続きそこは規制できるように手当てしていきたいということで、そこは完全に整合がとれた形になってございます。

    【金子臨時委員】 7.5で切っているというのは、7.5から上は、もう、今の規制がカバーしている範囲だという理解ですか。

    【志々目大気生活環境室長】 はい、そういうことで結構でございます。

    【金子臨時委員】 わかりました。
     それから、もう一つあります。騒音ラベリングと設置ガイドラインというのがあるんですが、両者の位置づけとか関係にいま一つよくわからないところがあります。騒音ラベリングというのは、機器単体から出ている、どちらかというと、発生源に関係したものでしょうか。周波数特性にも関係するのですが、伝達経路の話がどこに含まれているかというのが、もう一つよく理解できないのです。設置ガイドラインの方に伝達経路の話が入っているのでしょうか。その辺、どういうふうに考えておられますか。

    【志々目大気生活環境室長】  今、金子先生ご指摘のとおり、伝達経路をどういうふうにコントロールするかということは非常に重要でございまして、これは、基本的には設置の際のガイドラインで、伝達経路も踏まえて、外部に騒音が漏れないように手当てをしていくということになります。設置の際のガイドラインの中に、そのあたりの配慮は入ってくるというふうに考えてございます。

    【岩瀬臨時委員】 ちょっと、補足をいたします。
     基本的には、騒音ラベリングというのは、今ご指摘のとおり、出力を表示するということですけれども、それとあわせて、やはり、できるだけ騒音発生の低いものを、ぜひ開発していただけないものだろうかという意味も含めて、騒音ラベリングという制度を取り入れたらどうかというのが一つ。
     それから、設置ガイドラインというのは、あくまでも、ただ、そういう出力が判明しても、どこに設置するかということによって、実際に騒音の影響があるのかないのかということは大きく変わりますので、その辺のところをわかりやすく、実際に設置するような場合において、どういうふうな形で設置すればよろしいのかということを明示するような方法が取り入れられる、その二つがないと、やはり、実際の騒音の問題は解決しないと。という意味で、両輪、言ってみれば、情報的な手法という意味の両輪という形で設けました。その設置ガイドラインの中に、例えば、騒音の出力がこうであるから、こういう設置の仕方、例えば、騒音が高いということになると、すぐ、塀を建てましょうというようなことがあるんですけれども、それで正しく目的の効果が発揮できるだろうかということも含めて、ガイドラインの方に、そういった情報あるいは計算方法等も入るのではないだろうかということで位置づけて、今回のような専門委員会の結論ということにさせていただいたということでございます。
     ですから、そこのガイドラインの中に、いろんな音源の周波数特性がどういうふうになっているかということも考慮した上で、適切なる設置方法といったものを明示できればよろしいのではないかというふうに、今のところ考えているということでございます。

    【橘部会長】 業界では、物によっては、かなり自主的に進んでいるものがありますね、電気製品なんかでね。性能表示を、もう始めていると。ところが、日本では、まだ、やっぱりノイズラベリングというか、要するに性能表示の制度というのは、欧米に比べると非常におくれているので、これから取りかかりましょうというところで、これは将来、絶対に必要になってくるわけで、EUなんかでは、単なる自主的な表示よりも、むしろ非常に、もうレギュレーションに近いような形になって、日本から機械物なんかを輸出するときも、その条件に合わないと、もう輸入もしてくれないというような、そういう状況にもなってきているので。その辺は業界によってもいろいろ違うでしょうけど、随分、日本がちょっとおくれているんじゃないかなという印象を私も持っていますけど。
     それから、たまたま、国際騒音制御工学会から出している、こういうパンフレットみたいなものですけど、こういうので騒音対策を、今の金子先生のお話の伝達経路なんかも含めて、非常にわかりやすい図解の、こういう資料が出ているんですね。こういうのも日本で準備していくといいと思うんですけど。
     委員長が余計なことを言っちゃいけないんですけど、ほかにご質問はございませんでしょうか。
     それから、先ほどの周波数特性云々のでちょっと追加しますと、騒音レベル、いわゆる、A特性と、人間の耳の感覚を非常に粗っぽく近似した周波数重みづけで音圧レベルではかっているわけですけれども、それですべてやっていっても、最近、ビルの、特にグリーン化、グリーン化で、屋上緑化なんていうので、全部、設備機械は下に持ってきて、かえって身近になっちゃっていると、騒音源が。グリーン化の悪い面なんですけど。それで、騒音レベルだけでチェックするとクリアしちゃうんですけど、非常に低音が出ていて。非常に被害が出ているというケースがたくさん、最近出てきています。ですから、騒音レベルだけの行政では済まない、これからは済まない。その辺も注意しなきゃいけないという意味で入っているんだと思いました。今、アンチグリーン化を言うと、余り言うと、まずいかもしれないです、このご時世。
     では、よろしいですか。

    (了承)

    【橘部会長】 では、次に、今の件につきまして、部会の答申案の審議に移りたいと思います。
     それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

    【志々目大気生活環境室長】 それでは、今般、答申案を資料4の方に用意させていただいておりますので、恐縮ですが、この文章を読み上げさせていただきたいと存じます。
     騒音規制法の規制対象施設の在り方について(第二次答申)(案)。
     平成8年7月25日付け諮問第39号により中央環境審議会に対し諮問のあった「騒音規制法の規制対象施設の在り方について(諮問)」については、中間答申(平成8年11月28日)を行い、同法の規制対象施設として切断機を追加することが適当であるとしたが、ボイラ、冷凍機、冷却塔(クーリングタワー)については「規制対象施設への追加を含む対策の在り方について更に検討を行う必要がある。」とした。また、同答申において、今後の検討に当たっての課題として、「規制対象施設の追加等を検討するに当たっては、都市・生活型の施設への対応、低騒音型施設の普及、現行の特定施設の考え方の見直しや騒音の評価手法の在り方等を含め、幅広い見地から検討する必要がある。」と指摘した。
     今般、騒音未規制施設専門委員会において、ボイラ、冷凍機、冷却塔に加え、「規制改革・民間開放推進3カ年計画」(平成16年3月閣議決定)において規制対象外とする旨の要望があったスクリュー式圧縮機(以下「未規制施設等」という。)について、特定施設としての規制対応の他、製造メーカーが施設に騒音レベル等を表示することなどにより、メーカー側における低騒音化の取組や設置者側における低騒音機器の導入を促す制度(以下、「騒音ラベリング制度」という。)等の規制以外の手法など、施設の対策・低騒音化に向けた今後の在り方について幅広く検討され、別添の第二次中間報告がとりまとめられた。
     騒音振動部会においては、この中間報告を受理し、審議した結果、今後の工場・事業場における騒音対策の推進に当たっては、個々の騒音発生施設の騒音レベル、施設の普及台数、苦情件数、地方公共団体における条例化等の状況を総合的に勘案し、従前からの規制的手法とともに、情報的手法としての「騒音ラベリング制度」や自主的取組手法である「各種ガイドライン」等の規制以外の手法について検討することが適当であるとされた。
     よって、当審議会は、下記のとおり報告する。
     2ページに移らせていただきまして、記、1.特定施設の追加等に関する基本的な考え方。
     特定施設の追加等に関しては、以下の観点を踏まえ、総合的に判断するものとする。
     (選定要件)
    (a)殆どの施設から発生する騒音レベルが、屋内で使用される施設については1m地点で80dB以上、屋外で使用される施設については1m地点で70dB以上であること。
    (b)施設に係る騒音苦情件数が一定以上(工場・事業所に係る苦情のうち概ね1%以上)であること。ただし、近年の苦情件数の増減傾向についても考慮する。
    (c)地方公共団体の条例等による規制が多いこと(都道府県及び政令指定都市のうち概ね10以上)。ただし、地方公共団体の騒音規制法による規制に関する意向についても留意する。
    (d)施設の設置数が全国的に普及していること(1万台以上)。
    (e)規制以外の手法により低騒音化に向けた対応ができないこと。
     次、(配慮事項)。
     以下の事項についても併せて検討する。
    ・効果的な防音対策が合理的費用で実施できること。
    ・騒音規制法の趣旨に鑑み、規制対象とすることにより小規模事業者の事業活動の遂行に著しい支障の生ずることのないこと。
    ・対象となる施設数等の観点から効果的かつ効率的な規制を履行することが可能であること。
    ・その他特に勘案すべき事項について、考慮されていること。
     なお、すでに規制対象施設となっている施設については、特定施設から発生するデータに関する騒音レベル値が概ね(a)に示す騒音レベルの値を下回ること、規制と同等の効果が見込める対策が確実に実施されている場合などについては、上記(a)~(e)の選定要件や配慮事項を考慮し、特定施設からの除外について個別・具体的に検討する。
    2.規制以外の多様な騒音対策手法の導入に関する方針
     騒音規制法の規制対象施設等の検討に当たっては、小規模事業者等が講じやすい騒音防止対策の方法などを充分勘案し、規制と規制以外の手法を適切に組合せ、効果的かつ効率的な騒音低減対策を実施していくことが求められる。このため、規制以外の多様な騒音対策手法を導入できるよう検討することが必要である。
     第3次環境基本計画(平成18年4月)において、環境政策の展開の方向性として、規制的手法とともに、経済的手法、自主的取組手法、情報的手法、手続的手法といった諸手法を効果的に組み合わせることが謳われており、未規制施設等の対応に当たり多様な政策手段を組み合わせて騒音問題が確実に改善されるよう総合的に検討していくことが重要である。
     そこで、我が国において低騒音型機器の普及による低騒音社会を目指し、機器・機械に騒音レベル等を表示する騒音ラベリング制度の導入や規制対象外の施設の適正な設置・維持管理等、低騒音化を着実に進めるための規制以外の手法についても検討する必要がある。
     また、騒音ラベリング制度等の導入が図られるよう、速やかに基本的な検討等に着手する必要がある。
    (1)騒音ラベリング制度
     騒音ラベリング制度は、メーカー側において一定の騒音レベル等の状況を保証するなどの低騒音機器の普及を促す制度であることから、小規模な事業者において設置され、施設の設置台数が多い施設等についても、当該設置者の騒音防止対策を講じる際の負担を軽減する効果も期待され、規制的手法が馴染まない施設についても低騒音化を着実に図ることが期待できる手法である。また、制度の定着により、施設更新の際に低騒音型施設への転換が促されることなどが見込まれ、規制的手法と同様な効果が期待できる。
     騒音ラベリング制度の制度化に当たっては次に掲げる事項等の検討が必要である。
    [1]対象施設への適用の可能性
    [2]騒音ラベリング制度で用いる騒音評価量(音響パワーレベル、一定距離における騒音レベル等)
    [3]測定機関、認証機関、情報公開などの騒音ラベリング制度の導入に当たって必要な制度
    [4]騒音ラベリング制度の対象施設に対する地方公共団体の関与の在り方 等
     なお、騒音ラベリング制度の制度化に当たっては次の事項等に留意する必要がある。
    ・国際的調和の観点から、諸外国における類似のラベリング制度との調和
    ・騒音レベルとエネルギー効率の相関性について科学的知見を検討した上での機器の低騒音化と低炭素社会の形成に向けた機器の省エネルギー化を図るためのラベリングや、その他のラベリング制度の活用などによる効率的かつ効果的な制度運用の可能性
    ・施設を設置・使用する者や施設維持管理者等の実態を考慮した実効性のある騒音ラベリング制度の実現。
    (2)各種ガイドラインの策定
     施設を設置・使用する事業者側において既設の施設や多様な構造特性を有する施設などに対し、低騒音化に向けた取組として、施設を設置・使用する際の騒音防止対策や施設の経年的な劣化に伴う騒音発生に対処するための維持管理方法を明らかにし、これに基づき着実な対策が実施されることにより低騒音化を図ることも重要である。このため、施設の設置・使用や維持管理に関するガイドライン等の策定も必要である。具体的には、次のガイドラインの策定が考えられる。
    [1]施設設置・使用の際の騒音発生防止に配慮するためのガイドライン
    [2]施設維持管理の際の騒音発生防止に配慮するためのガイドライン
     なお、施設設置・使用者や施設維持管理者等の実態を考慮した実効性のあるガイドラインを策定するよう留意する必要がある。
     騒音ラベリング制度を実施する場合でも、当該ガイドラインを併用することによって、より確実に騒音防止対策を講じることが期待できる。
     次、4ページでございます。
     また、施設維持管理の際の騒音発生防止に配慮するためのガイドラインについては、施設の経年劣化等に伴う騒音発生の防止が図られるよう策定されるものであり、騒音ラベリング制度が施設を更新する場合などにおいて低騒音機器が導入されることも目的としていることから、適正な施設の更新のタイミング等において騒音ラベリング制度と施設維持管理の際の騒音発生防止に配慮するためのガイドラインとの間で十分な整合がとられるとともに、両者が有機的に機能することにより、効果的な騒音発生防止対策が講じられるよう配慮する必要がある。
    (3)規制的手法との関係
     騒音ラベリング制度等の実施に当たっては、その効果等を踏まえ、将来的には規制的手法と騒音ラベリング制度等との比較考量を十分行い、施設ごとに対応の在り方を検討する必要がある。特定施設以外の施設に騒音ラベリング制度等を一定期間導入しても低騒音化の効果が得られない場合、特定施設に追加することも検討する。また、逆に特定施設について騒音ラベリング制度等を一定期間導入し、十分な低騒音化が確認できた場合は特定施設から除外することも検討する。
    3.未規制施設等の低騒音化に向けた対応方針
     ボイラ、冷凍機、冷却塔(クーリングタワー)については次のとおりとすることが適当である。
    (1)ボイラについて
     ボイラについては、現時点では規制の対象とすることは適当ではないが、今後とも引き続き、規制以外の手法である「騒音ラベリング制度」や「設置ガイドライン」等の対応も含め、施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要がある。
    (2)冷凍機について
     冷凍機については、現時点では規制の対象とすることは適当ではないが、今後とも引き続き、規制以外の手法である「騒音ラベリング制度」や「設置ガイドライン」等の対応も含め、施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要がある。
    (3)冷却塔について
     冷却塔については、原動機の定格出力が7.5kw以上の送風機を有するものを特定施設として明確にする必要がある。また、7.5kw未満のものについては、規制以外の手法である「騒音ラベリング制度」や「設置ガイドライン」等の対応を含め、施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要がある。
     なお、スクリュー式圧縮機については、現時点では、騒音規制法の規制対象から除外することは適当ではないが、低騒音化に向けた取組がなされていることから、規制以外の手法である「騒音ラベリング制度」や「設置ガイドライン」等の検討も併せて進め、効果的かつ効率的な施設の低騒音化に向けた在り方を幅広く検討する必要がある。
     次、5ページの4.今後の検討に当たっての課題。
     これまでに述べたように、今後の工場・事業場における騒音対策の推進に当たっては、個々の騒音発生施設の騒音レベル、施設の普及台数、苦情件数、地方公共団体における条例化等の状況を総合的に勘案し、従前からの規制的手法とともに、情報的手法としての「騒音ラベリング制度」や「各種ガイドライン」など多様な政策手段を用いた対応が求められる。
     また、多様な政策手段の検討に当たっては、以下に示す事項について、併せて検討していく必要がある。
    (1)規制的手法と情報的手法等の有機的な組合せなどについてさらに検討していく必要がある。
    (2)騒音ラベリング制度や各種ガイドラインの導入に当たっては、騒音レベル等に加え、周波数特性を踏まえた騒音対策についても考慮することが必要である。
    (3)地方分権改革の推進に関する政策を踏まえ、国の法律による規制と地方公共団体の条例に基づく規制等との関係を十分踏まえ、望ましい騒音行政の在り方に関する検討が必要である。また、各地方公共団体の条例による規制等の状況を全体的に把握できる情報整備の仕組みも必要である。
     以上でございます。

    【橘部会長】 はい。ありがとうございました。
     それでは、ただいまの第二次答申の案について、ご意見、ご質問はございませんでしょうか。どうぞ。

    【鹿島臨時委員】 大したことではないんですが、教えていただけたらということですけども。
     基本的な考え方として、ここでは規制的手法とそれからその他の騒音ラベリングとか各種ガイドライン、あるいは、情報的とか自主的とかと、こういうふうな呼び方で呼んでいるものとの関係なんですけども、どういうふうに認識されているのかなと。何となく、4ページを読むと、規制的手法とその他の二つについては、背反的というか、一緒にやるということは余り考えていないように読めるんですが。最後の今後の課題のところに当たっては、規制的手法と情報的手法の有機的な組み合わせについて検討しましょうということは、今は背反的だけど、将来的にはこれを組み合わせるようなものを考えていこうと、こういうようなことなのかというのが教えていただけたらということです。
     それから、あとはどっちでもいいことなんですけども、今の、最後の5ページの上から3行目のところに、「地方公共団体における条例化等の状況を総合的に勘案し、」と点が打ってあるんですけど、これは多分、「勘案した従前からの規制的手法とともに」ということじゃないかと。ここで点を打っちゃうと多分意味が違うようになっちゃうというふうに思うんですけどご検討をしていただけたらと。私だけの間違いかもしれませんから、どうぞよろしくお願いいたします。
     以上です。

    【志々目大気生活環境室長】 今、鹿島委員の方から二つご質問をいただきまして、一つは、規制的な手法と規制以外の手法の組み合わせ方ということでございますが、これは、先ほど参考資料4の方でご説明しましたように、柱としては規制的手法と規制以外の手法の2つを挙げておるわけでございます。ただし、先ほどご説明いたしましたように、規制の対象になっておるものであっても、特に低騒音のものについて、例えば、ラベリング制度等を並行して導入することによって、一定の低騒音だということが確認されれば、その段階で、規制以外の方に移行することもあり得るとということです。あと、もう一つは、規制以外の手法で当面運用した場合であっても、やはり規制が必要な騒音レベルのものがたくさん存在するというようなことが明確になってくれば、対象となるものを規制の方に移行するというような、こういう二つのやりとりを今のところは考えてございます。ただ、規制と規制以外の手法と、両方をかけるというような手法があるのかどうかということも、今後の課題のところでご指摘いただきましたように、両者の有機的な連携の方法をさらに検討していくこととしておりますので、今申し上げましたような基本的な考え方をベースにして、さらに検討し、また、いずれのタイミングでは、この部会にもご報告をさせていただきたいと考えております。
     あと、2点目の、5ページの「地方公共団体における条例化等の状況を総合的に勘案し、」というところを「した」という形にすべきかどうかということでございますが、「今後の検討」という書き方で書かせていただいておりまして、前段で書いてございます騒音レベルから条例化等の状況、さまざまな要素を今後とも勘案した上で、従前的な規制的手法と情報的手法の多様な政策手段を用いた対応を求めていく必要があるということでございますので、基本的に勘案していくということでございますので、専門委員会の中では、ここを「勘案し、」で整理をしていただいたということでございます。 以上でございます。

    【鹿島臨時委員】 基本的には理解をしましたけども、例えば、言葉の使い方として、最後のところだけに、いきなり「情報的手法」というのが、実は、環境基本計画の中の方で使っているものが、この中で、最後になってぽつんと出てくるということが1点と。
     それから、今、総合的に勘案して、一般的な状況でそうやってご説明なさることならば、それでも結構だと思うんですけど、ただ、今のところ、規制が要件として挙げていることを順番に、その順番に挙げられているわけですね。2ページ目ですか。特定施設の追加等に関しては以下の観点という選定要件、ここのところを順番に挙げられているので、誤解されないようにされた方がいいかなというふうに思いました、ということだけでございます。どちらでも私は構いませんので。
     以上です。ありがとうございました。

    【志々目大気生活環境室長】 どうもありがとうございます。

    【橘部会長】 ほかにございませんでしょうか。

    【新美臨時委員】 今のところとも少し関連するのですが、3ページの騒音ラベリング制度に関する1行目のところで、少し誤解を招きやすい表現になっていますので、ご検討いただきたいと思います。
     そこでは、「メーカー側において一定の騒音レベル等の状況を保証する」と書いてありますが、「保証させる」ということに読まれますと、単なる情報的な手法とは読み取られずに、規制的な手法ではないということになりそうです。従いまして、保証という言葉は使わずに、「騒音レベル等の施設に関する情報を開示させ、そのことを通じて」というふうに言いかえた方が、先ほどの情報的な手法という趣旨に合うのだろうと思います。ですから、結果論としては保証と同じことになるでしょうが、情報手法だということをもう少し前面に出された方がいいのではないでしょうか。これは検討していただければという意見でございます。

    【志々目大気生活環境室長】 今、新美委員からご指摘いただきました騒音ラベリング制度のところの表記でございますが、基本的に専門委員会報告の表現と全く同じになってございます。今、先生がおっしゃったとおり、私どもも「保証する」という規制的な枠組みで書いているつもりではございませんので、まさに、詳細に説明していただきましたように、施設の性能を表示するという、そういったことを通じて保証していくというような趣旨でございますので、こういう表現の適正化、もし、そういう修正が必要だということであれば、部会長ともご相談しながら、ここは適正化を図らせていただきたいと思います。

    【橘部会長】 これは物にもよるでしょうね。本当に保証してもらわなくちゃ困るという……。

    【新美臨時委員】 それはございます。ですから、民・民の契約でしたら、保証なのです。ただ、行政の手法として「保証する」という言葉を使うと、ちょっと、意味が強過ぎるものですから。民・民ですと、表示した以上は保証したことになることは間違いありません。ですから、間違いと言うつもりはございませんが、ただ、こういった報告で、規制的手法と並べるということになりますと、やや強い意味にとられるおそれがあるので、情報開示だということでとどめておいた方がいいのではないかと思った次第です。

    【志々目大気生活環境室長】 失礼いたしました。ここで書かせていただいていますのは、専門委員会でもご検討いただきましたとおり、規制的な意味の保証ということではなくて、今、先生がおっしゃったような趣旨でございますので、もし可能であれば、そういったことを議事録にしっかり残すということでもよろしゅうございますでしょうか。

    【新美臨時委員】 結構です。

    【橘部会長】 はい。この辺の最後の調整は、私もかかわってやらせていただきたいと思いますけれども。
     ほかに、この際にご意見をいただいておいた方がいいと思いますけれども。よろしいですか。

    (なし)

    【橘部会長】 それでは、今の検討事項も含めた形で、この第二次答申の案をこの席でお認めいただいたということにさせていただきます。
     では、続きまして、議題の2、その他報告事項としまして、まず、資料5の今後の自動車騒音対策の取組方針(案)ということで、事務局からお願いします。

    【内藤自動車環境対策課長】 はい。自動車環境対策課の方から、お手元の資料の5と参考資料の5、両者を見ながらご説明したいと思います。
     まず、参考資料の5の方を開いていただきます。自動車騒音に係る環境基準。これは平成11年4月に施行されまして、達成期間は、下の四角枠内に書いてございますとおり、環境基準の施行後10年以内を目途として達成・維持されるよう努めるものとすると、こういうふうにされているところでございます。
     資料5の1ページ目を見ていただきますと、今回の取組方針(案)の検討に至った経緯が若干簡潔に書かれておりますが、ことしの4月をもちまして、環境基準の達成期限に来ているということでございます。初めのところに書いてございますが、この間、自動車メーカーはもとより、道路管理者、警察、運輸・交通事業者、環境部局等様々な関係者が環境基準の達成に向けて自動車単体対策、道路構造対策、交通流対策及び沿道対策を総合的に推進してきているところでございます。この結果というのは、常時監視の結果として毎年公表されております。環境基準の達成率は全体として緩やかな改善傾向にあるものの、都市高速道路や一般国道等の近接空間等では引き続き厳しい状況にございます。
     この辺の状況でございますが、参考資料5の方を見ていただきますと、2ページ目にございますが、発生源対策といたしましては、自動車騒音規制の強化、こういったものが行われてきたわけでございます。下のグラフにございますように、順次その発生源対策が強化されてきたと。また、(2)にございますように交通流対策、道路ネットワークの整備、例えば、バイパス等をつくることによって住宅地域の交通量を下げると、こういうようなことも行われてきたわけでございます。
     次に、3ページ目を見ていただきますと、道路構造対策ということで、低騒音舗装等が行われてきたと、こういうことがございます。
     しかしながら、4ページ目、特に5ページ目を見ていただきますと、環境基準の達成状況の経年変化の図がございます。右の図を見ていただきますと、平成12年度は、約80%が達成、20%が非達成と、こういう状況でございました。この間、徐々に改善はされてきておりますが、まだ、環境基準の達成率が約9割というところで、まだ、1割程度、残念ながら非達成のところが残っていると、こういう状況でございます。
     ということを踏まえまして、資料5に戻っていただきますと、環境基準の施行後、改正後10年を迎えたと。こういったことを踏まえまして、関係省庁と連携して、気を引き締め直して、今後の対策の在り方をもう一度組み直してみると、こういう作業を行ったわけでございます。
     1ページ目の左側に、本方針策定の経緯ということが書いてございますが、この方針を策定するに当たりましては、橘部会長以下、ここにご出席いただいている委員の何名かの方にもご協力いただき、自動車騒音対策懇談会を設置いたしまして、ご意見を伺いながら、関係省庁、警察省、経済産業省、国土交通省さんのご協力のもと、総合的な自動車騒音対策として、取りまとめさせていただいております。
     具体的な内容でございますが、1ページ目の2のところ、今後取り組む対策ということで、まず、(1)の発生源対策がございます。
     2ページ目をめくっていただきますと、[1]として規制手法の見直し、これは先般ご審議いただいた内容でございますが、マフラーの事前認証制度の導入に伴う騒音対策、それから、bとして、試験方法を含めた騒音規制手法の見直しの検討。その中で、ア)として、加速走行騒音規制、定常走行騒音規制の見直しの、検討。イ)として、近接排気騒音規制、新しい試験方法の在り方の検討と、こういったことを提案させていただいているところでございます。それから、cとして、タイヤ単体規制の検討という、ここは新たな手法として今後の対策の重点にさせていただけたらというふうに考えているところでございます。
     お手元の参考資料5の方の一番最後のページを見ていただきますと、タイヤ騒音の状況が書いてございます。今まで、自動車騒音はエンジン排気騒音を中心に対策が進められてきたわけでございます。残念ながら、タイヤ単体については対策がおくれてきたと、こういう状況がございまして、走行中の騒音でございますと、現在はエンジン排気とタイヤ騒音というのがフィフティー・フィフティーぐらいのシェアになっていると、こういうふうに言われております。7ページ目の右側の図を見ていただきますと、タイヤによって非常に騒音レベルにばらつきがございます。数dBから10dB近くまで、タイヤによってばらつきがあると。騒音の世界で10dBというと、非常に大きな意味があります。一けたエネルギーが違うと、こういうことがございます。
     こういった状況を踏まえまして、また、本編、資料5の方に戻っていただきまして、2ページ目の下に書いてございますが、タイヤが走行時の騒音の主要な発生源の一つになってきた、またEUにおいては、タイヤ単体騒音規制の強化の方向で作業が進められていると、こういった情勢を受けまして、タイヤ単体騒音規制について、さらに我が国としても検討すると、こういうことが今後の方針とさせていただきたいと思っているところでございます。
     それから、低公害車の普及。低公害車につきましても、ハイブリッド自動車等が、いよいよ実用段階、主力商品になると、こういうことでございます。騒音対策としても、主力投手として活躍していただけたらと、こういうふうに考えている次第でございます。そのための率先導入、財政的支援等を今後とも強力に講じていきたいと、こういうものでございます。
     それから、3ページ目の下に書いてございますが、(2)の交通流対策でございます。4ページ目を見ていただきますと、[1]として道路ネットワークの整備、交通流が集中いたしますと、どうしてもその沿道で深刻な騒音問題が発生すると、こういうことで、バイパス等の整備による交通流の分散を図ると。それから、自動車交通から自転車交通への転換を促進すると、こういったことが記述されております。
     それから、自動車交通量自体の低減ということで、公共交通機関の利用促進、都市鉄道の整備、各種バス利用の促進。例えば、バスの場合ですと、バスロケーションシステム、ICカードシステムの整備等による普及促進と。こういったことを図るということが記述されております。それから、5ページ目になりますが、物流機能の向上ということで、例えば、内航船への転換の推進といったことが掲げられております。
     [3]として、交通規制ということで各種対策が盛り込まれておりますが、例えば、bとして、ドライバーへの情報提供による交通流の分散、cとして、大型車の中央寄り車線規制の実施、dとして、速度超過、過積載車両、整備不良車両の取締りの実施と、こういったことを挙げさせていただいております。
     それから、5ページ目の(3)の道路構造対策でございますが、低騒音舗装の敷設推進、沿道利用等総合的な観点から地域の意向を踏まえつつ、遮音壁の設置、環境施設帯の設置、植樹等の推進。高架道路においては、連続桁の採用、裏面吸音板の設置等の総合的対策の推進と、こういったことを掲げさせていただいているところでございます。
     6ページ目に沿道対策ということで、沿道の土地利用の対策も重要でございます。幹線道路沿道に適合した土地利用の誘導等を図ってまいりたいと考えております。
     (5)その他の対策として、エコドライブの普及啓発等を掲げさせていただいているところでございます。
     3として今後の研究課題ということで、各種騒音低減技術の開発促進がございますが、8ページ目を見ていただきまして、(4)で沿道対策の充実強化を掲げさせていただいております。騒音の著しい道路沿道への住居等の立地抑制や防音性能を備えた建築物の認定・表示制度について研究する必要がある、また、防音性能を備えた建築物の立地を反映した騒音評価方法についても研究する必要があると、こういったことを掲げさせていただいております。
     こういったことを総合的に講ずることによって、環境基準の早期達成に向けて努めてまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
     以上でございます。

    【橘部会長】 はい。それでは、どうもありがとうございました。
     ご質問はいかがでしょうか。どうぞ。

    【桑野臨時委員】 すみません。ハイブリッドカーだとか、それからまた、将来、電気自動車だとか、そういうのが普及していって、大変静かになるのは、それはそれでいいことだと思います。だけど、一方では、逆に静か過ぎて、歩行者が後ろから来ている車に気がつかないということがございますね。そのときに、逆に何か音で知らせるというようなことも、これから考えなければいけない課題としてあるんじゃないかと思うんですけれども。そういうときに使う音について、何か環境省として統一的な、余り嫌な音で騒音をつけ加えることがないようなことをお考えになられるご予定はないんでしょうか。

    【内藤自動車環境対策課長】 現行の警笛音の体系というのが、必ずしもこういった低公害車に沿ったものになっていないのが現状でございます。かといって、騒音を出した方がいいというのは、本末転倒になるわけでございますので、いわゆるクラクションと違う、何らかのシグナルのあり方について、今後やはり考えていく必要があると、こういうふうに考えているところでございます。

    【岩田環境管理技術室長】 すみません。ちょっと追加をさせていただきます。
     今ご指摘のありましたようなことについては、アメリカなどでも障害者団体などから指摘がありまして、国際的な自動車の安全環境基準を検討している場であるECのWP29という組織においてプレゼンテーションがなされまして、その中で国際的な騒音の基準を検討しているワーキンググループがございますが、そちらの方で、安全面などを含めて、本来は環境ということで検討する場なんですが、安全への影響もあるということもあって、とりあえずは、音という観点で検討が進められることになったというふうに聞いております。
     自動車メーカーさんにおいても、いろいろと、警音器、先ほど出ましたホーンとの関係もございまして、どういった音のあり方がいいのかということも、自動車メーカー様においても検討が進められているという状況でございます。何分、そういった、音の安全性ということで、それがメーンになろうかと思いますので、それについては、私どもも、一方で、ハイブリッド車であるとか電気自動車の普及を推進する立場から、注視をしていきたいというふうに考えているところであります。

    【橘部会長】 どうぞ。

    【新美臨時委員】 私、今のご指摘の点は、早急にやらないとまずいと思います。といいますのは、自転車の交通事故がふえているのです。歩道の中を自転車が通ってもいいという交通政策が出た影響が非常に大きいと思われます。死亡事故まで何件か出ておるわけです。基本的には、音が出なくなったら、人と車というのは分離するのが最善の安全策ですが、それができないとなると、何らかの対策を講じなければいけないのはご指摘のあったとおりです。そして、それは、「少し注視している」という段階ではないと思います。これからは、ハイブリッドだけではなくて電気自動車も市販されるようになってきますので、その辺を、もう少し深刻に考えていかないとまずいのではないでしょうか。だからといって、音を出せばいいというような問題でもないと思うのです。関係省庁とできるだけ早くご検討いただくといいのではないかと思います。

    【橘部会長】 非常にこれ、二面的な問題で、今、いわゆる公害型の騒音を論じる話とは違うレベルの話なんですけれども、やはり、確かに、この間も中国へ行きましたら、今、50ccクラスが全部電気になっていて、マナーは余り、旧来なものですから、大変怖いですね。日本でも、自転車が、まさにおっしゃったとおりで、もう自転車は――余り言い過ぎるとまずいかな、甘えるな自転車、と言いたいぐらい、無法な走り方をしています。あの辺は、ほかの手で、やっぱり、規制というのはおかいしいですけど、マナーづくりをしていかなきゃいけないんじゃないかと思います。
     ただ、逆に、低公害車と今言っているのは、かなり、ガスの問題とか、そういうものに重点を置いていますので、低公害車になれば、一挙に全部音も静かになるというのもちょっと行き過ぎているということで、専門委員会でもそういうのは議論になりましたよね。低公害車を、官庁関係があれを買いかえてやっているけど、それで、すぐ音も静かになるみたいな、そういう単純なものではないと。ただ、その傾向にはあるんでしょうけど。

    【橘部会長】 はい。それでは……。どうぞ。

    【山本臨時委員】 山本です。
     環境基準の達成率が年々よくなって、今10%ぐらい非達成だという説明を受けました。それで、なおかつ、単体騒音の規制とか、さらに他の手段によって騒音を下げるということを真剣にやらないといけないということです。そこで、幹線交通を担う道路に面する近接空間という、そもそもこの場所でどれぐらいの達成率になっていて、それが年々どれぐらいずつ変化しているか。それがわかれば、もっと道路交通音、特に近接空間の対策の必要性というのがもっとよくわかるかなと思いました。

    【内藤自動車環境対策課長】 はい。ご指摘の件は、説明上省略させていただいたのですが、参考資料5の4ページに、近接空間の達成率について、(1)のところで切り分けて書かれておりまして、こちらの方は直近の資料のみでございますが、非近接空間に比べ悪いという結果になっております。お手元の参考資料5の4ページの上の図を見ていただきますと、幹線交通を担う道路に近接する空間だけを切り出しますと、達成率が80%ですので、一般的に見ると1割が非達成のところが、近接空間では2割が非達成と、こういう状況になっているところでございます。

    【山本臨時委員】 わかりました。

    【橘部会長】 ほかによろしいでしょうか。
     自動車騒音ということで自動車に関係するので、鈴木委員、何かご意見はございませんか。

    【鈴木臨時委員】 先ほどもちょっと話題になりました静か過ぎる問題ですけども、自動車工業会でもいろいろ検討しておりまして、ただ、これがスピードによって変わってまいります。非常に低速ですと、エンジンだとか、そういうものの効果が大きいし、あるところからは、今度はタイヤの音になってまいります。大体、ちょっと走り出すと、もうタイヤの音で皆さんわかるわけで、最近はもう、エンジンだとか排気騒音は非常に低くなっていますので、そういう面で、どういうようなスピードで、どういう環境でどうするかと。
     それからもう一つは、非常に難しいなと思っておりますものは、どういう音を出すかと。自動車工業会でも、もう四、五年前からいろいろ検討はしておりますけども、そうですね、100種類ぐらいの音をいろいろ聞きましても、人によってみんな違います。これがいい、これがいいと、みんなにアンケートをとりますと。
     そんなところで、いろいろ、皆さんの意見も聞きながらやっていく必要があると。なかなか簡単に決められないなということで、苦慮しているところでございます。

    【橘部会長】 ありがとうございます。
     それでは、よろしいですか。

    (了承)

    【橘部会長】 では、次の資料6の「今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について」(中間答申)平成20年12月18日付に基づく今後の検討の進め方ということで、事務局からご説明をお願いいたします。

    【岩田環境管理技術室長】 はい。それでは、引き続きまして、資料6に基づきまして、ご説明をさせていただきます。
     昨年、この部会におきまして、12月に中間答申をいただきました。その内容につきましては、実は、先ほどの資料、自動車環境対策課長から説明を申し上げました報告書案の中の2ページのところに、その内容については、それに準拠した形で記述をさせていただいているところでございます。内容は、まず短期的な使用過程車の突出した騒音の対策のために、マフラーの事前認証制度の導入。特に交換用マフラーを中心として、事前認証制度を設けるということでございました。これにつきましては、答申後、昨年の12月26日に国土交通省の方におきまして関係法令が改正をされ、マフラー認証制度が規定をされたところでございます。
     それに基づきまして、実際にマフラーの騒音の性能の確認を行う機関、登録機関でございますが、申請の受付が開始をされ、まず第一号といたしまして、ことしの4月28日に、財団法人日本自動車研究所が登録を受けて、業務を開始いたしております。そのほかの組織においても、現在、登録機関となるべく検討手続を行っているというふうに聞いているところでございます。
     それによりまして、今後、実際にマフラーの認証がスタートいたしまして、来年の4月以降の新車から、実際の自動車検査の場において、この規制が適用されるということになります。これによりまして、今後、新車から順次ということではありますが、認証されたマフラーに切りかわっていくということが想定をされるところでございます。
     それ以外の項目といたしまして、試験方法を含めた騒音規制手法の見直しということについて、検討の指示がこの答申の中でなされました。内容的には、先ほどもございましたとおり、加速、定常、それから近接排気の現行規制の見直しでございます。
     加速走行騒音規制につきましては、現在は時速50キロで試験コースに進入して、20メートルの間、全開で加速をしたときの最大騒音を測定をするものでございますが、現在の走行や騒音の実態に必ずしも合っていない、または、計測技術がより進歩をしてきている、自動車の方の制御技術も進歩してきているというようなことから、この試験方法を変えるということについて、現在、先ほどもちょっと私の方からお話をいたしました、国連の専門の会議の場において検討が進められているところでございます。
     そのような動きも踏まえて、我が国において新たな試験方法の導入について今後実態調査を行っていき、国内環境に悪影響がないということであるならば、その国際基準の調和についてもあわせて検討していきたいというふうに考えております。
     それから、定常についてでございますが、現在は50キロで一定速度で試験コースを通過した場合の音でございますけれども、先ほどご説明を申し上げていますとおり、特に定常においては、タイヤからの騒音の寄与率が極めて大きいと。これは、乗用車、大型トラックなどを問わず、極めて高い状況にございます。国際的な研究によりますと、そのタイヤの製品によるばらつきも大きいということで、既に、この答申以降、私どもの方においても、サンプル的に実測をしているところでございます。現在、ヨーロッパにおきましては、2003年よりタイヤ単体規制が導入をされておりますが、それをさらに2dBから5dB程度強化をすべきではないかということで、EUの方から提案がなされているところでございます。
     そのようなことも踏まえまして、我が国において、やはりマーケットにおいて交換をされるマフラーと同様に、そういった性格を持つものであるということを考え、我が国においてタイヤ単体規制を導入した場合に効果があるのかどうか、これを実際に検証をしていきたいというふうに考えております。また、そのタイヤ騒音も含めて、これまで規制をしてきた手法である定常走行騒音規制、これは一種、我が国独自の規制でございますけれども、これを廃止することもできるのかどうかということも検討していきたいと思います。
     次に、近接排気でございますが、現在は車両を停止というか置いた状態におきまして、最高出力の回転数の4分の3の回転数を維持した状態から、急速にアクセルを放した状態の音を測っております。これは、実際に取り締まり等において、現在の日本、我が国の交通状況を考えますと、実際の道路で加速や定常の走行試験を行うことが極めて困難であるということで、このような規制を導入をしているところでございますが、このマフラー認証制度の導入によりまして、マフラー単体においても加速走行騒音というものを考慮した規制が導入をされることになりました。
     今後、排気騒音の規制につきましても、どのようにすべきか、例えば、欧州においては、新車の状態から使用過程においても、騒音を可能な限り増加させないという考え方から、相対値といいまして、新車のときから、何dB以下の上昇で、使用過程においてもとどめなければならないというような考え方の規制が導入されておりますけれども、我が国においてもそういった規制が導入できるのか、実際の取り締まり等においても、十分機能するものなのかどうか、そういったことについて検討して参りたいと考えております。
     また、マフラーの事前認証制度につきましても、実際に、これが車検において適用されるのが来年4月以降でございますが、その後の交換用マフラーのマーケットにおける状況から認証の取得状況、また、その取得のレベル、どれぐらいの騒音レベルのマフラーになっていくのかということも今後フォローアップをしまして、今後、必要に応じて認証制度の規制値などの見直しをしていきたいと思っておりますし、今後この加速走行騒音規制そのものの規制手法が見直されることになれば、あわせて見直していくことになるのかなと考えております。
     今後のスケジュールでございますが、来週25日に自動車単体騒音専門委員会を開催する予定でございます。今ご説明をしましたような方向で今年度の検討を開始をいたしまして、欧州の規制動向もにらみながら、平成23年度を目途に、次の答申に向けた結論を得ていきたいというふうに考えているところでございます。
     以上でございます。

    【橘部会長】 ありがとうございました。
     ただいまのご報告に対して、何かご質問はございませんか。
     これは、関連は金子委員が、何か追加的なコメントはございませんか。

    【金子臨時委員】 ただいまご説明いただいたとおりでございまして、これまで、自動車単体騒音専門委員会及びその傘下のワーキンググループの中でいろいろ検討して参りました結果が、このたび、交換マフラーの認証制度という形でスタートを切ろうとしております。その結果も踏まえて、どのような効果が生まれるかを検証した上で、この制度をさらに有効活用することができれば、ただいまご説明のあったような、騒音規制の見直しにもつながっていくのではないかというような見解を持っております。

    【橘部会長】 橋本委員、この後、お話ししていただくのでよろしいですか。

    【橋本臨時委員】 はい。

    【橘部会長】 ほかにご質問はございませんか。
     なかなか、これ、大いに効果が出ることを期待したいんですけれども、実際には、いろいろ制度的な問題、取り締まりの問題、いろいろこれから、まだ問題が出てくるかもしれません。ぜひ、うまくいくように、環境省さん、あるいはほかの省庁との関連が非常に強い、必要性が高いと思いますので、よろしくお願いします。
     なお、冒頭にもございました、ちょっと読みにくい文章なんですけれども、ことし1月の中央環境審議会の委員任期満了及び改選に伴い、自動車単体騒音専門委員会の委員長をお願いしておりました、東京大学名誉教授の大野進一先生が退任なさいました。それで、中央環境審議会議事運営規則第9条第2項の規定に基づきまして、新たに成蹊大学理工学部特別名誉教授の橋本竹夫委員を委員長に指名いたしました。橋本委員におかれましては、今後、自動車単体騒音専門委員会の委員長としてご尽力をいただきますよう、お願いいたします。
     それでは、橋本先生、一言、ごあいさつをお願いいたします。

    【橋本臨時委員】 今、橘部会長からご紹介いただいた、成蹊大学の橋本でございますけども、既にご報告があったように、自動車単体騒音の規制の方向というか、マフラーの事前認証制度がスタートするということで、間接的にではありますけれども、加速騒音規制が使用過程車にも導入されるということが、まずは非常に画期的なことだと思っております。
     私の今後の仕事というのは、自動車の騒音にかかる規制基準の策定を、ここに書いてございますように23年度をめどに答申するという、それに向けた結論をまとめていくという作業をやっていくということだというふうに思っておりますが。
     これを詰めていくためには、まず、基本的には、騒音の実態や発生メカニズムをよく把握をする、解明をするということも必要だというふうに思っておりますし、できれば、それをシミュレーションで再現する技術も必要であるというぐあいに思っております。それから、一方で、音を聞く側の人間がどうやってそれを感じるかというものについても、単に騒音レベルによるものだけではなくて、音の時間特性だとかあるいはその周波数特性も入れた、心理的な側面からの評価技術を確立する必要があるというふうに思っております。それに基づいた騒音低減対策技術が開発されれば、より効率的に対策の実現が可能になるということで、その辺とその規制レベルとの関係がより明確にできるんではないかというぐあいに思っております。
     ただ、これについて、まだ発生メカニズムの方と要素技術、両方については、今後も基盤的な調査研究の必要性が継続的に実施される必要があるというぐあいに思っておりますので。特に、大学における、教育研究機関として研究者の育成をするという立場から考えると、今申し上げたようなことの研究の後輩をつくっていくということも含めて、研究資金の確保をどうやってしていくかということも非常に重要な課題だというふうに思っています。
     ちょっと、感想も含めて申し上げました。

    【橘部会長】 どうもありがとうございました。それでは、ひとつよろしくお願いいたします。
     以上できょうの議事は終了なんですけども、先ほど資料4で議論いただきました未規制施設の件、第二次答申案の、先ほど議論しましたところは、文章の修文案を、ここで最後に確認をお願いしたいと思います。

    【志々目大気生活環境室長】 それでは、資料4の先ほどの答申案の3ページをお開きいただきたいと存じますが、修文案についてご紹介させていただきたいと存じます。
     (1)の騒音ラベリング制度の1行目でございますが、「騒音ラベリング制度は、メーカー側において一定の騒音レベル等の状況を保証するなどの」というところでございます。先ほどの新美委員のご指摘を踏まえまして、民民の関係であればということでございますが、行政法として規制的な意味合いが出てくる可能性があるという、そういうご指摘でございましたので、ここの「一定の騒音レベル等の状況を保証するなど」というところを、「一定の騒音レベルなどの施設の性能を正しく開示するなど」、もう一度読み上げます、「一定の騒音レベルなどの施設の性能を正しく開示するなど」という形で、誤解のないように例示を修文させていただきたいと存じますので、ご報告をさせていただきたいと存じます。

    【橘部会長】 岩瀬委員、よろしいですか。

    【岩瀬臨時委員】 はい、結構でございます。

    【橘部会長】 それでは、こういうふうに修文することでよろしいでしょうか。

    (了承)

    【橘部会長】 それでは、お認めいただいたことにしたいと思います。
     それでは、これでよろしいんですね。
     それでは、本日予定しました議題は終了しましたので、第7回騒音振動部会を閉会いたします。
     本日はありがとうございました。