(部会長) | 橘 秀樹 | ||
(臨時委員) | 伊藤 桂子 | 岩瀬 昭雄 | 大野 進一 |
鹿島 茂 | 金子 成彦 | 桑野 園子 | |
小林 悦夫 | 佐藤 信彦 | 塩田 正純 | |
鈴木 孝幸 | 橘 武史 | 鳥越 けい子 | |
橋本 竹夫 | 樋口 忠夫 | 山下 充康 | |
山田 伸志 | |||
(環境省) | 白石水・大気環境局長 岡部総務課長 岩田環境管理技術室長 多田環境管理技術室長補佐 内藤自動車環境対策課長 志々目大気生活環境室長 |
・中央環境審議会騒音振動部会委員名簿 | |
資料1 | 中央環境審議会第5回騒音振動部会議事要旨 |
資料2 | 中央環境審議会第5回騒音振動部会議事録(案)(委員限り) |
資料3 | 今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について(中間報告) (自動車単体騒音専門委員会報告) |
資料3-2 | 今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について(中間報告)参考資料 |
資料4 | 今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について(中間答申)(案) |
資料5 | 航空機騒音に係る環境基準告示の一部改正について |
資料6 | 平成19年度振動規制法施行状況調査について |
資料7 | 平成19年度騒音規制法施行状況調査について |
資料8 | 平成19年度自動車交通騒音の状況について |
【岩田環境管理技術室長】 それでは定刻になりましたので、ただいまより中央環境審議会第6回騒音振動部会を開会いたします。
まだ出席のご連絡をいただいています山下委員がお見えになっていらっしゃいませんが、本日は委員総数22名のうち17名の委員の先生方のご出席ということでいただいておりますので、定足数に達しております。本日の部会は成立しておりますことをご報告申し上げます。
それでは、議事に先立ちまして、当環境省水・大気環境局の白石局長よりごあいさつ申し上げます。
【白石水・大気環境局長】 水・大気環境局長の白石でございます。本日は年末の慌ただしいところご出席を賜りまして本当にありがとうございます。
きょうは議題ご案内にもありますとおり、今後の自動車の騒音低減対策に関する中間答申ということでございまして、ご審議をお願いしております。詳しくは後ほど事務局にも説明させていただきますけれども、自動車騒音の低減対策という中に新たに交換用マフラー対策という新たな視点を追加するということが今回のポイントでございます。また、今後の騒音規制手法について、従来からずっと変わりなくやってきたものが新しい車になかなか対応し切れないという面もございます。そういう規制手法の抜本的な見直しを着手しようということも含まれてございます。こういった意味で、この中間答申は今後のより一層の自動車騒音の低減に向けて布石となるポイント、重要なものであると考えております。どうぞよろしくご審議をいただければと思っております。
また、その後、せっかくお集まりいただいたということもありますので、環境基準の達成状況などの報告もあわせてお時間をちょうだいしたいというふうに思っております。環境省、今後とも関係省庁とも連絡を密にして騒音振動対策、積極的に取り組んでまいりたいと思いますので、引き続き、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
【岩田環境管理技術室長】 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。表紙、議事次第とありますが、それのほか資料番号ついておりません。手元に座席配置図、それから騒音振動部会委員名簿がまずございます。次に資料1といたしまして、中央環境審議会騒音振動部会第5回、前回の議事要旨(案)でございます。資料2は議事録でございます。資料3が、今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について中間報告でございます。3-2はその参考資料でございます。資料4は、今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について(中間答申)(案)でございます。資料5は、航空機騒音に係る環境基準の一部改正についてでございます。資料6が、平成19年振動規制法施行状況調査について、資料7が、平成19年度騒音規制法施行状況調査について、最後に、平成19年度自動車交通騒音の状況についてでございます。お手元にそろってございますでしょうか。もし不足等ございましたら、事務局の方にお申しつけくださいませ。
なお、私、担当しております事務局の水・大気環境局総務課環境管理技術室長の岩田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
また、出席者の事務局側、それから、委員の先生方のご紹介につきましては、お手元の座席配置図をもってかえさせていただきたいと思います、よろしくお願いいたします。
それでは、これより進行につきましては、橘部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【橘部会長】 橘でございます。議題に入りたいと思います。
議題1の今後の自動車単体騒音低減対策のあり方(中間答申)についてでございますが、これについては、平成17年6月29日に環境大臣より諮問がなされたものに対し、自動車単体騒音専門委員会で報告がまとめられました。これについて、この委員会の委員長であられる大野先生から簡単にご報告をいただき、その後、事務局から中間答申の内容について詳しい説明をお願いいたします。
それでは、大野先生お願いいたします。
【大野委員】 自動車単体騒音専門委員会の委員長の大野です。
それでは、資料の今後の自動車単体騒音低減対策のあり方の中間報告について、私から簡単に概要をご説明させていただきます。詳しくは事務局から後ほど説明していただきます。
自動車の騒音低減対策については、新車への対策を中心に実施されてきておりますが、自動車騒音に関する環境基準の達成状況、これは依然として改善すべき余地があると思います。また、自動車騒音に対する苦情も減少しておりません。ということで、平成17年6月に環境大臣から中央環境審議会会長に対して、使用過程車両の対策を初めとする今後の自動車騒音低減対策のあり方について諮問がなされました。それで、ここの騒音振動部会に付議されて専門委員会が設置されました。私を含めて12人ぐらいだったと思いますけれども、その後、審議を続けてきました。専門委員会の下には作業委員会として自動車騒音の専門家確か5人で委員会をつくって作業を進めてまいりました。そういう審議の結果、きょうの資料3にありますように、中間報告が取りまとめられました。この報告は大きく二つの部分からなっております。一つ目がマフラーの事前認証制度の導入、これを提言したこと。二つ目が、騒音試験方法の抜本的な見直しに着手することを初めとし、今後、検討すべき騒音低減対策について明らかにしたということです。
始めに、第1のマフラーの事前認証制度の導入についてご説明しますと、諮問の背景にもなりました自動車騒音に対する苦情につきましては、いろいろな調査、試験の結果、突出した騒音を発生する不適切な交換用マフラーが装着された使用過程車の存在、これが一つの大きな要因であると判断しました。実際に、使用過程車の規制である近接排気騒音規制のみに適合して、実際の走行時には突出した騒音を発生する、そういうマフラーがありますし、また、近接排気騒音規制にさえ適合していないマフラー、そういう全く不完全なマフラーも製造販売されているという実態がわかりました。このため、このような不適切なマフラーが市場から排除されていくことをねらいとしてマフラーの事前認証制度、こういう制度を早急に導入すべきであるということをまず提言いたしております。これが報告の第1部分です。
二つ目の騒音規制手法の抜本的な見直しに着手するということでございますけれども、今回、マフラーの事前認証制度という新しい制度を導入することを提言しておりますが、将来さらに自動車騒音の低減を図っていくためには、そもそも騒音規制手法の見直しを行うことが必要ではないかというふうに判断いたしまして、今後、検討すべき課題を提示することにいたしました。現在の騒音規制手法、これは一番古くは昭和26年に始まった定常走行騒音の規制ですが、その後、昭和46年に加速走行騒音の規制が導入されましたけれども、いずれにしてももう数十年たっております。この間に自動車騒音の自動車の走行実態も変化しましたし、自動車の技術も高度化しております。このため今後、走行実態や騒音の実態を調査し、騒音試験方法、あるいは規制値のあり方について見直していくことも必要であるとしております。その一環として、例えばタイヤ単体騒音の規制についても検討することとしております。
また、自動車騒音は一つの技術によって劇的に低減されるものでもなく、幅広く地道な技術の積み重ねによって低減されるものですので、幅広い観点からの研究開発が重要なことも述べております。今後は、この中間報告を踏まえて、マフラーの事前認証制度の効果を把握しつつ、マフラーの事前認証制度の見直し、あるいは騒音規制手法の見直しなどについて専門委員会で引き続き検討していくこととしております。以上が、中間報告の概要です。
続いて、事務局から詳しく説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。
【岩田環境管理技術室長】 大野先生ありがとうございます。
それでは、事務局の方からお手元の資料3及び資料3-2を用いまして補足の説明をさせていただきたいと思います。主に資料3-2の参考資料の方を使わせていただきます。おあけくださいませ。
まず、資料の下にページ数打ってございますが、6ページをごらんください、6ページの下の図でございます。これが交通騒音に係る環境基準の達成状況の推移でございます。後ほど最新の数字については別途ご説明を申し上げますけれども、専門委員会の資料としては最新が18年度でございます。ここにございますように、昼夜とも基準値を達成しておりますものは18年度においては85.4%でございました。徐々に改善は進んでおりますが、まだ改善すべきものが残っております。特に右側の7ページのグラフをごらんください。一般国道におきましては、まだ半数以上のところで基準を超過しているという、これは点的な評価でございますけれども、点的な評価におきましては、まだこのような状況であり、依然として改善をすべき状況にあるということでございます。
次に、11ページをお開けくださいませ。これは苦情、沿道住民の方々からの苦情の状況を施行状況調査の中からまとめたものでございます。もちろん騒音に係る苦情全体は極めて多いものがございまして、そのうち自動車騒音に係るものは割合としては少ないのでございますが、自動車騒音についてはアイドリング、空ぶかし、それから沿道騒音ということで、環境基準達成状況が緩やかに改善している中でも、騒音については状況が変化していないということでございます。
ここで次に、数ページちょっとめくっていただきまして、17ページをお開けください。現在、騒音規制は一定の騒音試験方法を定め、加速走行騒音、定常走行騒音、それから次の18ページは近接排気騒音でございますが、それぞれ測定をした数値について規制を定めております。それにつきましては、今、大野先生からございましたように、19ページに細かい数値が書いてございますが、定常走行騒音は26年から、加速走行騒音については46年から、それから排気騒音は当初は26年、その後、基準が改正されております、61年からということで定められております。その経緯が20ページにございまして、単体規制はこのように順次強化をされてきているという状況でございますが、次の21ページにございますように、これは日本自動車工業会のサンプル調査でございますけれども、ある主要地方道において一定時間はかりましたところ、環境平均レベルではそこそこ環境基準を達成しているレベルであっても、中に非常に突出した音を発生させる車両があり、それを見ると、改造マフラー装着車が数多く見られたというデータでございます。中には平均レベルに対して20デシベル以上超えているようなものもあったということでございます。
これはある場所での断面でございましたが、次の22ページ、23ページでございますけれども、では、世の中の自動車、マフラーの改造というのが、交換がどのように行われているのかという、これもサンプルデータでございます。左側が四輪車でございますが、首都圏において駅と駐車場、公園等で目視で調査したものでございます。乗用車につきましては、交換用マフラーの装着車は5%程度でございました。これに対し、23ページの真ん中の図にございますが、輸入車につきましては4割を超えるという車両がマフラー交換をされていたということでございます。
それでは、いわゆる交換用マフラーのデータが、いわゆる音がどうだったのかということですけれども、24ページの図をごらんください。これは四輪車、二輪車のそれぞれ標準のマフラー、交換用のマフラーについて、いろいろと集めまして実際に新車に適用されている試験方法、先ほど見ていただきましたが、試験方法によって決められた試験路において実際に走ってはかったものでございます。これはゼロを中心として相対値になっております。ゼロとなっているのが規制値でございまして、上の四輪車であれば、縦軸が加速走行騒音でございまして、0点が76デシベルでございます。横軸は近接排気騒音でございまして、0点が96デシベルでございます。二輪車につきましては、縦軸の0点が73、横軸が94でございます。ここにあるA、B、Cとありますけれども、Aというのが近接排気騒音規制値を超えていたもの、Bが近接排気騒音規制値はクリアしているが、加速走行騒音規制値は超えたものと、Cは両方ともクリアして、Cが本来であれば、すべてCに入っているべきものでございます。
こう見ますと、実際に現在、販売、流通、装着されている交換用マフラーの中には、相当程度、加速走行騒音、実際の走行時の騒音を反映されると考えられる加速走行騒音について規制値を超えているものが相当あると。また、さらに近接排気騒音は使用過程車にも適用されていますので、本来これは絶対に超えてはならないはずなのですが、現実にはこれさえも超えているものがあるということが先ほどの大野先生の説明にもありました。これをAと書かれているゾーンのマフラー、Bと書かれているゾーンのマフラー、これを何とか排除をするには入り口、つまり販売をする段階で何らかの形で排除をしていかなければならないという考え方で、マフラーの事前認証制度というものの提言が専門委員会からなされたというところでございます。
ただ、従来の新車に対する認証試験とは別に、また、さらにマフラーの製作者などに対して認証試験を課すということになりますと、かなり多量の試験ニーズなり、試験業務量というものが発生をいたします。右側の25ページの図は、例えば試験をする場所が確保できるのかということで調査をしたものでございまして、全国で39カ所程度可能ではないかなというような調査ではございましたが、これも常にいつでも使えるというわけではない。しかも、試験条件にあるISO路面というのは、このうち2カ所しかないという状況でございます。そういうわけで、専門委員会の報告におきましては、事前認証制度の規制値、加速走行騒音、近接排気騒音の規制値についてはこういったいろいろな問題も考慮をしなければならないということもあわせて提言がされております。また、規制値については、今後、先ほど24ページの図にあるAのゾーンの上の方にあるようなマフラーが認証制度によって排除される効果が期待できますので、その上で改めてマフラー全体の騒音レベルを下げていくようなことを考えていく必要があるということが専門委員会報告の中で提言をされております。
次に、今後の騒音規制体系、規制手法全体の見直しに係ることでございますけれども、26ページに現在の国際的な今の現行の試験方法というのが掲載されております。基本的には、今、多少の違いはございますけれども、似たような試験方法で行われております。
ただ、先ほど大野先生からも紹介がありました専門委員会の報告の中では、この規制方法、今、現時販売されている自動車の本当の騒音実態、走行実態を反映しているのかということが疑問として提示され、これは国際的にもそのような問題意識がありまして、次の28ページでございますが、現在、国連の専門委員会の場、WP29というふうに言いますけれども、この中の騒音の部会の中で見直しの検討が進められております。その見直しをされている試験方法の概要というのが29ページ、30ページにございまして、非常にちょっと細かいものですから、この場では詳細の説明は省かせていただきますが、端的に申しますと、当初、現在行われている26ページに掲げられております、例えば加速走行騒音試験であれば、20メートルの間、全開で加速をすると、この条件が一番厳しいということで定められた試験方法でありましたけれども、それが必ずしも現在の車については本当に厳しいのかという概念の中で、より走行実態を反映した加速度による試験を行うべきである。それもマイクの前でそのような加速度が発生するような試験をすべきである。30ページにありますのは、では、どのような速度、エンジン回転数でもそのような特性を持つのかということを、それはまた別に確認をするということで、非常に幅の広い回転数、速度において騒音が一定の線形の関係にあるということを確認した上で、その車両の走行実態を反映した加速度における騒音をはかるというような考え方が、今、提案をされているところでございます。
次に、31ページ、タイヤ騒音でございますけれども、これは一度、平成14年3月に当初において設置をしました検討会の中で一度検討をしておりました。この中では、まだこの時点で計画をされていた欧州のタイヤ騒音規制を導入しても、まだ規制のレベル等がまだ日本の実態には合っていないということで、それほど大きな効果は得られないということで、一端先送りにされたというものでございます。ただ、33ページの図にございますように、タイヤ騒音が定常走行時の車外音において占める割合というものが非常に高い。乗用車であると一番上の欄でございますが、7割、8割という高い割合を占めているということになると、やはりタイヤ騒音は無視できない。さらに近年、EUにおいては、このタイヤ騒音規制を見直す動きもあるということで、私どもにおいても、日本においても、もう一度、タイヤ騒音規制の導入について検討すべきであるという提言が専門委員会の方でなされております。
そのほかいろいろな技術の進歩に応じた新たな騒音低減技術の検討もすべきであるという提言がなされておりまして、一つは34ページの図にございますが、現在の近接排気騒音試験、これはエンジン回転を一定に保つ方法です。これは、これが必ずしも本当に排気騒音というものを代表しているのかという考え方から、今、研究をされておりますのが、路上に車を置いた状態で、実際に加速をさせるわけではありませんが、定置した状態でアクセルを全開にしていくと、空ぶかしをさせるということで、過渡的な回転数の中での騒音レベルがはかれるという方法が、今、研究をされております。これで、車両の種類にもよりますけれども、例えば、通常のFFの乗用車等であれば、加速状態の音をアクセル全開の定置試験方法でかなり反映をしてはかれるのではないかという治験も得られておりますので、これについて、引き続き、検討をすべきであるということでございます。
右側の図は、ちょっとわかりにくいですが、いわゆるスピード違反についてオービスというのがございますが、これの騒音の取り締まりといったことで、オービス的な発想でできないだろうかということで、現在、検討をされているものでございます。ちょっと例示をさせていただきました。36ページ以降、現在、そもそもそういったいわゆる爆音マフラーと言われているようなものに改造されているユーザーの方、ないしはそれを手助けをされる事業者の方、いろいろな大もとにさかのぼって、そういうユーザーから整備工場の方々の啓発をしようというものでございますが、これについては、やはり専門委員会の中でも、引き続き、取り締まりの強化という、啓発の強化と取り締まりの強化は重要であるという提言がされているところでございます。
また、最後になりますが、40ページでございますけれども、一概に取り締まりを強化するといっても、現在の近接排気騒音というのは、先ほど言いましたようにエンジンの回転数を一定に保たなければならないということで、エンジン回転系の情報をとってこなければなりません。時間もかかりますし、手間もかかる。そこを何とかもっと簡単にできれば、取り締まりがもっと容易になるのではないかという考え方で、新しい騒音、回転数の測定方法、測定器というものが開発をされているということの例を述べさせていただいていることでございます。
以上、かけ足で大変恐縮でございますが、専門委員会での報告のバックデータとなりましたことにつきまして補足で説明をさせていただきました。ありがとうございます。
【橘部会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に対しまして、ご意見あるいはご質問はいかがでしょうか。
【伊藤委員】 私、長い間、審議委員をやらせていただいてきたのですが、今回何だか初めて審議会の前に資料を送っていただいて、自動車関係、大変、素人なので、今回初めて本当にじっくりとこれを読ませていただきまして、ありがたかったと思っております。それだけに少し気になるところがあちこちございまして、まず、ご質問をさせていただきたいのですが。
先ほど7ページの図で、今のまだ問題があるというところをご紹介をいただいたような気がいたしますが、本文には多分、これではない表現がなされているように思うのですね、5ページのところの表現でなされているのではないかと。今ご説明を伺って、どうしたものかなというような気が一ついたしました。
それから、私は、こういう答申、中間報告を読むときに、通常ですと本文から読んでいくということになると思うのです。それで、参考資料を横に置きながら、表現がされている場所を探すのにすごく苦労したのです。もちろん、参考資料の中にはどこの分という書き方はしてあるのですが、本来、普通の場合は、中間報告を見ながらどこの表を見ていくかということが私は普通ではないかと。だから、どの表を見なさいというようなことをぜひ中へ入れていただけるとありがたいというふうに思います。
それから、もう1点なのですが、本文の3ページのところの上から、2-1のところなのですが、6行目ぐらいで環境省が東京、横浜のターミナル駅周辺等において実施した四輪車のサンプル調査では5%、また、日本自動車工業が実施した同様な二輪車のサンプル調査では40%に上っていた。これは交換マフラーのパーセントなのですね。このときに私は、これをどう評価したらいいのかなという疑問を持ったのです。それは何かというと、大体、保有台数が全然違うわけで、騒音側から見ると、一見、二輪車がとても問題があるということがこの数値からわかるのですけれども、実際、保有台数から考えると、騒音全体からすると四輪車の方がうんと寄与率は大きいのではないのかなという感じがいたしました。
だから、ここには両方問題なっていることは事実なのですが、その辺のものを少し私は必要なのではないかなというふうに感じました次第であります。
以上です。ただし、非常にいい中間報告で、今後の低減対策が期待できるというふうに思っております。ありがとうございました。
【橘部会長】 どうもありがとうございました。前半のは、恐らく面的評価と点的な評価の違いだと思うのですけれども。
【岩田環境管理技術室長】 すみません、実は私が参照をお願いしたページ数が実は違っておりました、私のミスでございます。本文の2ページ目、上から6行目にあります、今、伊藤先生からご指摘をいただきました環境基準を超過する場合の最も高い一般国道における達成率といいますのは、実はここの2行前に幹線交通を担う道路に近接する空間というふうにしておりまして、実は、参考資料の5ページ目の上の方の図の一般国道、これの67.0%という数字からとったものでございますので、私の説明にちょっと問題がございました。おわびを申し上げます。
それから、本文の資料2の方に参考資料の方の図等を参照できるようにすべきというご意見をいただきましたが、実は、これは従来の報告書の作成方法にならって作成したものですから、このようになっております。今は参考資料の方から逆引きで説明をさせていただいたところでございますけれども、中間報告の方の本文については、これだけで読んでいただけるようにということで考えておりまして、通常ありますように、引用とか、引用の番号だとか、括弧書きでつけるということをしておりません。
ただ、後ろの参考資料を見るときに、この参考資料は本文のそもそもどこに対応しているものなのかということがわかりますように、この参考資料の目次にそれぞれ中間報告の何ページに関係をしているという書き方にさせていただいておりまして、位置づけがほかのものと違っております。通常であれば、この本文の中に全部資料を入れていけば一番わかりやすい形なのだと思うのですが、従来の騒音などの答申などの例にならって全く別々にしたものですから、中間答申は答申本文だけでわかるような、内容がわかるという形にしておりますので、このような形になっております、申しわけございません。通常の論文等であれば、今、先生がおっしゃったとおりでないといけないというふうには、十分、承知をいたしております。
それから、もう一つ、駅と公園などにおけるサンプルの調査でございますが、これで私ども四輪車も二輪車も問題であると、今、私は四輪車の方は5%であって、一方、二輪車の方は40%という言い方をしましたので、あたかも四輪車が少なくて二輪車の方が問題だというふうな、私の今の説明はまさにそういうような聞き取られ方をする表現でございましたが、これは両方ともこの本文の中では並立でございます。四輪車が5%だから、そんなに問題ではないということではなくて、それは四輪車も問題だからこそ、また、量的には多いからこそ、私どもと国交省の共同で行った騒音の実態のマフラーの調査においては、実は四輪車の方がはるかに多いマフラーの本数、調査をしておりまして、実際、その中で全体の傾向を反映しているかどうかはわかりませんが、調査をしたものの中では、実は超えているもの、大きな音を出すものは四輪車の方が多いというような状況ではございます。ただ、それを量的に、ないしは全般的にこういう傾向であるというふうにはっきり書けるほどのまだデータになってないということから、私どもでは淡々とこういう形で調査をしたら、こういったパーセンテージになっているということで、現に交換をされているのだと、使用過程においては交換をされているということの方をメーンにしております。交換をされているものが非常に大きな音を出すものが現にあるということを表現としたものでございます。
【橘部会長】 恐らく、総排出量的な評価をすべきではないかというご意見だと思うのですが。
【伊藤委員】 おっしゃることはよく理解しております。私が心配しておりますのは、私も皆さん方と比べれば、かなりそんな専門家ではない方ですが、多少、今までかかわってきた関係で、この背景にある問題点を感じ得るということなのですけれど、そうでない方たちがこれを見るということも非常に多くあるのではないかということを考え合わせますと、そうするとそこに何らかの、例えば保有台数に照らして両方とも問題であるというようなことがここに書かれないと、普通の素人はパーセントだけで評価してしまうというようなことが起こるのではないかなという感じが私はしたのです。そうでなければ幸いであるというふうに考えております。
【岩田環境管理技術室長】 参考資料の方の12ページに、これは単なる参考データということで保有台数の推移を載せております。ごらんいただきますとわかりますとおり、乗用車の割合、極めて総台数的に多いということがございます。そういう意味では、量的にどれだけは、もちろん確かにわからない部分もあるわけですけれども、5%ではある。ただ、もともとの母数が極めて多いということで、もともと無視はできない性格のものであると。
そういうことで、マフラーの認証制度、運用自体は国土交通省の方にお願いをすることになりますが、そういう意識のもとで、マフラー認証制度は乗用車も二輪車も問わず、これは対象にするということで予定をしているところでございますので、これは意識としては、当然、両方とも問題であると。
ただ、どの程度問題かというのがなかなかわからないことから、とにかくここでは繰り返しになりますが、交換をされているという事実、これを強調したというところでございます。四輪車も決して無視できないということではもちろんあるのですが、騒音に対する影響が果たしてどれだけということだと、なかなか難しい部分もございまして、そのような意識でいるということでございます。
【橘部会長】 この5%というのは、一見すると非常に5%ぐらいだと大した問題ではないではないかというような印象を与えてしまうというご意見だと思うのですけれども、ただ20デシベルというのを単純に言いますと、1台で100台分の音を出しているということ、一般の方に説明するときはそういうふうによく言うのですけれども。だから、数は少ないとはいえ、量的にはすごい害を出しているというところを、もうちょっと説明できればいいのではないかと私も思いますので。
それと、ついでにこの後、答申(案)についての審議に入りますけれども、今、一番のキーポイントは環境省マターではないのかもしれませんけれども、認証制度は大変、そういう制度ができるといいなと私も思うのですが、具体的にはどういう内容になるかをご紹介いただけますか。
【岩田環境管理技術室長】 お手元には資料はございませんが、実はマフラーの認証制度、この中間報告を検討する前段といたしまして、マフラー認証制度の運用を実際にお願いすることになる国土交通省との間で合同で検討会を設置して、その中で幾つかの項目について検討してまいりましたが、その中にマフラーの認証制度が一番大きな項目としてございました。その中で、国土交通省より既に明らかにされている制度の概要について簡単にご説明を申し上げます。詳細は、国土交通省のホームページ等でごらんをいただければというふうに思います。
マフラーの認証制度といいますのは、先ほどから話題になっているのは交換用マフラーということでございましたけれども、交換用マフラーに限らず、いわゆるマフラー、大きな音を出すマフラー、これを市場から結果的に排除される仕組みをつくっていこうということで、まず、事前において交換マフラーに限らず、例えば、新たにつくられる新車用の改造マフラーであるだとか、あるいは並行輸入車のマフラーであるとか、こういったものもすべて対象として、すべからくマフラーと名のつくものについて適用すると。対象は、先ほど言いましたように四輪車も二輪車も原付もすべて対象でございます。
具体的には、マフラーの製作者、ないしはユーザーなりが、あらかじめ型式、マフラーの型式について加速走行騒音試験と近接排気騒音試験を行います。この試験を行う機関について、先ほど言いました膨大な業務量が発生をするということもありまして、国土交通省が別途基準を設けて、そういった試験を行う機関というものを国土交通省において登録をいたします。登録をされた試験機関が加速走行騒音試験と定常走行騒音試験を行います。その試験データをもとに、国土交通省が認証を行い、認証されたマフラーには認証済みのマーク、表示、これがされるということになります。この認証をされたという表示、これを実際に車検の場において活用しまして、車検の際に提示をされた自動車、このマフラーにマークがついていれば、認証されたマークがついていること。
それから、騒音の低減装置、消音材とか、そういったもので認証された状態から変更される、音が高くなるような、そういった改造がされていないという物理的な状態、この2点を確認して、両方確認できれば車検にパスということでございまして、これにマークがない場合については、改めてそのユーザーに別途公的な試験機関においてユーザーが直接試験を依頼して、その試験成績書を車検場に提示をして、それを車検場において検査官が確認をして、データがクリアしていればパスという形にするということでございます。
もちろん、いわゆる純正マフラー等をされているものも対象でございますが、これは別途自動車メーカーなどによる直接のメーカー表示、こういったものも純正であることを証明するものとして認めます。また、外国から輸入をされてくるもので、既に外国の基準に適合しているもの、具体的にいえばヨーロッパの基準でございますが、ヨーロッパの基準に適合しているということが証明されているマークが、やはり付与されているものであれば、これも認めるということになっております。それが現在、予定をされているマフラーの認証制度の全体になります。ですから、認証プラス車検とのセットで考えられているということでございます。
【橘部会長】 どうもありがとうございました。
専門委員会報告について、そのほかにご質問はございますでしょうか。
【桑野委員】 すみません、今、ご説明していただいたことにも関連するのですけれども、この制度を導入した後のフォロー、それをどのように考えていらっしゃるのか。特に今までも問題になっていたのは、ユーザーが勝手に変えてしまってということで、車検と車検の間にだけ改造を使って、車検のときにまたもとに戻すとかということもあるかと思いますので、どういった形での後のフォローをお考えでしょうか。
【岩田環境管理技術室長】 実は、今のご意見、極めて非常に重要なポイントでございまして、専門委員会に対するパブリックコメントでも同様な要望もございました。このマフラー認証制度、基本的には先ほど申し上げましたように、要するにマークが、事前に認証されたマークがなければ車検に全部通らないというものではなくて、マークがあれば車検の手続がある意味、簡素化されると。そうすることで、恐らくマーケットにおいては、ユーザーが直接試験場に持って行って試験をすることは大変であろうから、これによって、結果的には用品店などからも、そもそもこういった違法なマフラーというものは排除されていくのではないかという期待でこれは設けられております。ですから、まだこれによって本当にそういう方向にいくのか。また、ご指摘になりましたように、相変わらず結果として爆音を出すマフラーが残ってしまわないかということはまだわかりません。
したがって、私どもとしては、また、国土交通省などとも、共同でこのマフラー認証制度がスタートしてから実際にマーケットで用品店などで売られている、また使われるマフラーが本当にこの認証制度がにらんだとおりの方向にいくのかどうなのか。それでも、相変わらず使われるマフラーが爆音を発するものが残るのかどうなのか。このマフラーの認証制度の効果について、実態をきちんと調査をして、この認証制度ないしは規制値であるとか、あるいは仕組みであるとか、そういったものについてもまた考えていかなければならないと思っております。
さらに、途中段階でのマフラーを交換してしまったりするとか、車検のときだけというようなものについては、先ほど言った仕組みの中では、車検のときにチェックをするという方法ですので、途中段階での取り締まり、もちろん街頭検査という方法もあります。また、警察による直接の取り締まりという方法もあります。それを引き続きやっていかなければならないということで、それはやはり引き続き、関係省庁とも連携をしていかなければならないというふうに考えておりますし、そういったマフラーをつけることを、先ほどもご説明しましたが、手助けをする事業者という方の方からもアプローチをしていかなければならないと思っておりますので、それについては、これも国土交通省、警察署などと連携ということになりますが、そういった事業者については市場からの情報などをもとに厳しく取り締まりをしていくと、排除していくという方向で、マフラー認証制度自体のフォローアップ見直しと、それから、エンドユーザー、事業者の方々、これに対する取り締まり指導、これの両面で引き続き対応していきたいというふうに考えています。
【小林委員】 大変、素人的なことを質問するのですが、私自身、始めこういうマフラーの交換する、交換マフラーをつけること自身がもう違法だというふうに始めから思い込んでおりまして。だから、走っている車はほとんどあれは違法なのだと思っていたのです。なぜそういうふうに思っていたかというと、報告書の8ページにも不正改造という言葉が使われているのですよね。不正改造、不適切なマフラーを装着することが不正改造だと、いわゆる不正ということは、大体、違法だというふうに読めるわけですね。違法なことについて、なぜ基準をつくるのかなという、大変、疑問を始め感じていたのです。それが一つ。
それからもう1点は、そういうふうに考えてきた場合、いわゆる使用過程車について、マフラーの交換そのもの、それを禁止してしまったらいいのではないかと。なぜそれを何か基準をつくってまで大変な手間をかけてやらなければいけないのか、そんなことはしなくて、もし本当にそういうことをしたいと趣味で思っておられる方は、新車段階で、それを新車として認定をさせるという方法でやれば、使用過程車については簡単に禁止すればいいのではないかなと。今いうような基準をつくるとか云々という話をしましても、実際に交換マフラーをつけたい人は音を大きくしたいためにやるわけなので。すると、それを規制するぐらいだったら、始めから禁止してしまったらいいのではないいかという、大変、単純に発想したのですが、そういうことについて、どういうふうに議論されたのかなということをお聞きしたいのですが。
【岩田環境管理技術室長】 専門委員会の中でも議論があり、また、国土交通省、関係省庁の間で行っていました合同検討会の中でもいろいろ議論があり、その中で、いろいろな方々からご意見、ヒアリングなどもさせていただきました。このような規制につきましては、以前は暴走族などへの対策ということもあって、物理的にマフラーを外してしまうとか、中を抜いてしまう、切ってしまう、こういったものが従来は多かったということもあって、こういったものについては、もうそれはマフラーが例えばついていないとか、こういったものについては直接的に取り締まれるという形にはしておりました。
ただ、実際に、マフラーの交換とか、そういうのもいろいろ多様化をしてまいりまして、確かに今、先生がおっしゃったとおり、マフラーを交換しようという方は音を楽しむ、大きな音なり音色なり、そういったものが好きだということでつけられるわけですが、現在の音量音圧規制のもとにおいては、やはり新車の一方で規制があるので、それに対して交換をしたらだめだというのではなくて、優良なという言い方はちょっと変かもしれませんが、現に測定をすれば、参考資料の24ページの図にもありましたとおり、中にはクリアをしているもの、Cゾーンに入っているものもございまして、こういったものまで一律に禁止をするのは、ある意味不公平になるということで、確かに手間隙かかるということではございますが、交換をすること自体を違法とするのではなくて、新車にかかっている規制並の規制をクリアしなければ、それはいけないだろうということで、今回のマフラー認証制度ということで、音量、音圧による規制と。遠回りだ、非常にわかりづらいという、端的に規制すればもっと効果が上がるのではというご指摘はごもっともな点もございますけれども、そういう意味で、実際に規制をクリアする交換マフラーもあるということを考えると、やはり、きちんとはかった上でやるという必要があるのかなということで、このような形にいたしました。
【橘部会長】 交換すること自体は今は違法とは言えないわけですね。
【岩田環境管理技術室長】 今は言えません。だから、爆音というか、大きな音を出すマフラーに変えることが違法。それから、マフラー、もとからあったものを切ってしまうとか、取ってしまうと、こういったものが違法ということになります。
【樋口委員】 私、検査をしている立場ということで、ちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、ただいま桑野先生と小林先生の方からご指摘がありましたが、昔からこの話は出てきているのですね、常時。今のお話にありましたように、基本的には法制上は新たなものをつくって取りかえたからといって、それはだめだというわけにはいかないというのが定説でございまして。そうすると、検査をして適合しているかどうかをチェックすると。こういうことしかないということになっていまして、これが法制上取りかえてはいけないと、純正品以外は取りかえてはいけないというふうに決められるのなら、今のような話はないのですよね。
それともう一つ、桑野先生の方から話がありましたのが、検査のときにはしっかりしたものをつけてきます。翌日、合格してしまったら、すぐにまた、前のものに戻してしまう。これはまさに不正改造なのです。そうしますと、検査は2年ごとですから、その間、勝手に走りますので、騒音が非常にまき散らされるということになりますから、それではということで街頭検査を重点的にやって、街道筋で一網打尽で捕まえたらいいではないかと。こういうようなことで、だんだん国土交通省でも街頭検査をふやしてきてはおりますけれども、だからといって、逆に検査官がそんな増員してもらえるわけではないものですから部分的にしかできない。したがって、常時イタチごっこになっているのですが。たまたま今回、マフラーを事前認証制度にすると、これは極めて画期的な話でございまして、かなり制度的に成熟してもらえれば、騒音対策に貢献してもらえるのではないかなというふうに感じておりまして、なかなかいい提案だろうというふうに考えております。
【橘部会長】 先ほどお話も出ましたけど、タイヤについても、今、ヨーロッパを中心にすごい規制がかかりつつあるということで、日本も恐らくそういうことになると思いますが、これも言ってみれば同じような並びで、しょっちゅうではないにしろ、交換する場合にちゃんとラベルをしっかり、要するに認証されたタイヤを履くというのと同じような並びの話かなと伺っていたのですけれども、それでよろしいですか。
【岩田環境管理技術室長】 タイヤについて、今後また改めて検討することになったというのは、やはり寄与率が高いという問題もありますし。今回、交換用マフラーということで、ある意味これまでの規制というのは車両についての規制だったものについて、マフラーという、一つの交換用部品にターゲットを当てることになったとなると。やはり時代の変化がありまして、今タイヤというのは非常に頻繁に交換をされる。スポーツタイヤと称されるものもあります。となると、やはり同じ交換用部品ということであるので、新車の状態からも性能が変わってしまう可能性があるということで、同様な交換用部品として、タイヤについてもタイヤ単体規制ということで検討していく必要があるのではないかという問題意識でございました。
【橘部会長】 全体の時間も考えながら今やっているものですから。手が早かったのは鳥越先生だと思います。
【鳥越委員】 騒音振動部会では、マフラーの問題は今までも何度も出ていまして、今回の事前認証制度というのは確かに、大変、結構なご提案だとは思っているのですが、たびたび今のお話の流れも含めて、ちょっと別な観点からこれは考える部分もあった方が根本的なことにもなるかなというふうに考えていたことをちょっとお話しして、その中にもちょっと質問もしたいのですが、時間の問題というのがあるかと思います。というのは、結局、問題はマフラーをなぜ交換するかというか、交換するのをやめさせたらいいのではないかと、いろいろなことがありましたが、ちょっと私なりの言葉で言えば、そういうのも一つの自動車の文化なわけですよね。多分それを、室長もおっしゃっていたように楽しんでいる人もいるというような部分で。そのこと自体も含めてもう少しすべてを、爆音を出すのか、うるさい音は本当に私も問題だと思いますけれど。
例えば、図の中でみんなぎりぎりのところにいってますけれど、クオリティーの問題ですとか、温室の問題とか、もっと基本的にマフラーというのはもともと機能、本当はそこをご質問したかったのですけれど、時間があれば答えていただきたいのですけれども、基本はあの音を弱めることなのだと思うのです。それを逆にまで使ってやっていくというのは、すごくある意味おもしろい現象なわけで。そういうことをしようというのは、人間の車に対するというか、根本の何か欲求みたいなものがあって、そこは今まで騒音部会だと、どうしても物理的なものの話だけになりますが、それだと当然、より低減する方に持っていっていただきたいですけれど。騒音の問題も、先ほど環境基準値は年々クリアしているのに苦情は増加しているというような心理的な問題なわけで。
そういう意味で、極めてそういった物理的なことだけで対応をそもそもができない問題の中で、今度は美学的というのもちょっとあれですが、音を立てたいというふうに思っている人たちの思いの部分も、特にうまく認証制度がいくならば、それがなくなっていくならば、その調査の中で一体どういうふうな気持ちで音を立てよう、どういう音の方がよりよい、その人たちにとってはよくて、かつ改造するときなどのいろいろなノウハウもあるでしょうし。それを基本的には、この文脈ではよくないことだというのは私もよくわかりますが、もっと何かその気持ちとか技術とか全部含めてついでに調査もして、それで、その中で今のことをそういった部分の文化といいますか、物理的には軽減しながらも、そういうことを思っている人たちの満足をもっといい形でデザインしていくような深い車文化の成熟のようなものも考えていかないと、多分、今の世の中の、車も不況ですし、いろいろなことがあり、環境はよくなり、もっと製品的にはおもしろいものも出てくるみたいな、そういう状況も含めて、この議論はできる素材が非常に大いにあるので、すぐにどうこう、ここの部門、部会の作業範疇ではないのかもしれませんが、そういったヒアリングとか、全部敵視せずに、そういうこともあわせて調査などをしていくと、意外におもしろい部分が出てくるのではないかというのをかねて思っていたのですが、今回せっかくいい提言が出たので、あわせて意見なのですが。
そして、本当はマフラーとはどういうきっかけでいつごろから、本来はどういう機能でいつごろからそういう改造があり、歴史ですよね、そのあたりもぜひ興味があるので、わかっている面は教えていただきたかったのですが、時間がないと思うので、そのうちその辺も教えてください。
【橘部会長】 そうですね。そういう音の文化論的なアプローチというのは非常に大事だと思うのですけれども、今ここで議論している問題というのは、そういうレベルとは全然違うレベルの話ですから、私が答えていいのかどうか知りませんが。
【鳥越委員】 それは大変よくわかった上です。毎回そう思っておりましたので言いませんでしたが、これでなくなっていくなら、もうなくなってしまったら、調査はできないぐらいの気持ちでなくなればいいと思いますけれども。
【岩田環境管理技術室長】 今のお話につきましては、先ほどの桑野先生からのご指摘もあり、本当にこれがどういうふうにマフラー認証制度が作用していくか、本当に用品店でも売られなくなるような状況になれば、途中で改造し、また車検の後、改造しようとしても、それはできなくなるわけなのですが、ただ、そういう場合には、今、鳥越先生おっしゃったように、どうしても欲求がとまらない方とかがもしいれば、どうあってもつくるということもあるかもしれません。
もちろん、私どもは啓発、それはもちろんしていきますが、ターゲットを間違えると効果が上がりませんので、今回、実態調査というふうに一言で申し上げていますが、これは実際にまず、今後、流通することになるマフラーの音量について実態がどうなのかをはかる。もう一つは、用品店等で売られているものが、どのような形になっているのかを見る。それでなおかつ、実は減っていかない、爆音マフラーが減っていかないというのであれば、それのところを調査するのはどういった、どんな人なのか、どんな原因なのか、それも必要に応じては調査していく必要があると思っております。
【橘部会長】 ハーレーダビットソンでしたっけ、あの音は著作権ではなくて何かがかかっているのですよね、真似してはいけない音、そういう音の文化論的な話は、これまた、大変ある意味ではおもしろいし、あれですけど。今ここでの非常に大勢に非常に明らかに騒音被害をまき散らしているマフラーに対する議論ということで切り分けていった方がいいのではないかと思います。
【鳥越委員】 よくわかっております。
【橘部会長】 山田先生。
【山田委員】 この中間答申はすごくいいと思ってますけれども、私自身は、割とメイン道路から3件目ぐらいに住んでいて割と静かなのです、平生。ただ、暴走族が来るとびっくりするのですね。だからちょっとうるさいという感じではなくてびっくりするという感じで、だからもう何というのですか、ときたま来てもだめだという感じなのですよね。突発的にびっくりしてしまって、何が起こったのと外へ出て行くという感じになってしまって。本当にこれは特別なだめという現象だと思っています。
それから、途中で改造されるものの問題ですけれども、これは私もぜひ頑張ってほしいけど。たまたまパリに行ったら、パリの警察が車をとめて騒音計ではかっているところを見たのですよ。だけど、日本でこれだけ長く私住んでいて一度も見たことがなくて、日本はやってないのかなという感じを持ちますけどね。何かお金はかかるかもしれないけど、普通のごく簡単な騒音計ではかれば、暴走族のあのものはあっさりと、はるかに上の値に出ているし。簡単な測定で十分引っかかるのかなと私は思っているのですけれども。
それから、ちょっと技術的な話ですけど、マフラーの場合、恐らく一つは、取りつけるときには直径の問題と流速の問題が恐らくある。金子先生が専門ですが、恐らく流速の影響とか排気量で、圧力の関係で何か同じマフラーを違う状態の車につけたときに、恐らく何か違うことが起こる可能性がちょっと私は感じるので、そのあたりも認証だけで済むか、そういう技術的な問題がその後に隠れているかどうかはちょっと調べておいていただければという感じを持っているのですけれども。
【橘部会長】 恐らく専門委員会でかなり議論されていると思いますけれども。
【金子委員】 私、ワーキングの委員長をさせていただいております東京大学の金子です。
今のご質問ですけれども、やはり、流速とか温度、この辺がかなり音には関係があります。それを決めているのが、一つはエンジンの燃焼状態、それと触媒、今は触媒が入っている車が多いわけですから、触媒が暖まっているか、まだ暖まっている手前であるかというようなファクター、環境温度、外気温なんかよりもより効いているというのは実験だとかシミュレーションで出ておりまして、その辺、いろいろと我々も検討いたしております。
ですから、少しバックデータになるものはあるということでございます。
【橘部会長】 専門委員長。
【大野委員】 3年半前にこの専門委員会が立ち上がるときも、この部会で音質の問題等いろいろご意見があったのですが、私は定量的に検討いたしますと、そういうふうにお答えしたことを記憶しております。専門委員会の中でも音質の専門家もおられたのでいろいろ議論はありましたけれども、そこまでは残念ながら立ち入れなかったと思っております。
【橘部会長】 それでは、この後もまだしますけれども、時間の関係から、一応、中間答申(案)のご披露をいただいて、また、ご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【岩田環境管理技術室長】 それでは、資料4によりまして中間答申(案)、まず読み上げをさせていただきます。
平成17年6月29日諮問第159号で諮問のあった「今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について」に対し、自動車単体騒音専門委員会において検討を行った結果、別添の中間報告が取りまとめられた。騒音振動部会においては、この中間報告を受理し、審議した結果、今後の自動車単体騒音低減対策を的確に推進するためには、自動車単体騒音専門委員会の中間報告に即して早急に実施すべき使用過程車に対する騒音低減対策として消音器、マフラーの事前認証制度を導入するとともに、騒音規制手法の抜本的見直しを含め、引き続き、自動車騒音低減対策のあり方について検討することが適当であるとされた。
よって、当審議会は下記のとおり答申する。記、1、早急に実施すべき使用過程車に対する騒音低減対策。早急に実施すべき使用過程車に対する騒音低減対策として、現在は新車にしか適用されていないが、実際の走行時に発生する突出した騒音を把握できると考えられる加速走行試験による測定値に着目した規制を使用過程車にも導入するとともに、規制に適合しない不適切な交換用マフラーが市場から排除されていくようにするため、マフラーの事前認証制度を導入し、認証されたマフラーへの表示を車検等において活用することが適当である。マフラーの事前認証制度の規制値については、マフラー単体の騒音低減性能が新車に装着されているマフラーと同等となるよう設定することが適当である。マフラーの事前認証制度の運用においては、マフラーと車種の組み合わせによる騒音を個々に確認する必要があるが、加速走行騒音試験を実施できる場所が限られていることや交換用マフラーと車種の組み合わせが複数ある場合において、申請者がそれに対応した数の試験用新車を準備することは負担が大きい等の問題点があり、規制値の設定等に際しては、当面これらの問題点も考慮する必要がある。また、速やかに同制度導入後の交換用マフラーの実態調査等を開始し、これら調査等の結果を踏まえ、必要に応じ、規制値等の見直しを行うことが適当である。近接排気騒音規制は、マフラーの事前認証制度導入後においても、マフラーの不適切な改造等を具体的な測定値をもって規制できる手法として有効であるため、引き続き実施することが適当である。また、近接排気騒音の規制値の強化についても、上記で述べた交換用マフラーの実態調査等の結果を踏まえ、必要に応じ検討を行うこととする。
2、今後の自動車騒音低減対策の考え方(今後、検討を進めていくべき課題)。2.1、試験方法を含めた騒音規制手法の見直し。2.1.1、加速走行騒音規制、定常走行騒音規制について。加速走行騒音規制については昭和46年から、定常走行騒音規制については昭和26年から基本的に規制手法は変わっていない。この間、我が国の自動車の走行実態が変化するとともに、自動車技術の高度化等により騒音の実態も変化してきていると考えられる。このため、今後、我が国の自動車の走行実態や騒音の実態を調査し、その調査結果を踏まえ、必要に応じ、走行時の騒音試験方法や規制値の見直しを検討していくこととする。なお、現在、国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(UN-ECE/WP29)において、加速走行騒音規制の見直し作業が進められており、今後、我が国において加速走行騒音規制を見直す場合には、(UN-ECE/WP29)における作業で得られた知見も参考にすることとする。また、運転条件によっては、タイヤが走行時の騒音の主要な発生源の一つであると考えられることや、タイヤは使用過程において交換され、市場において多種多様な交換用タイヤが製造販売されていることを考慮すれば、タイヤからの騒音の低減は重要である。EUにおいては、タイヤ単体騒音規制が実施され、現在、その強化に向けた作業が行われており、今後、(UN-ECE/WP29)においても同様の動きが予想される。このため、我が国においてもタイヤからの騒音の実態を調査し、その調査結果を踏まえ、EUや(UN-ECE/WP29)の動向も参考にしつつ、走行時の騒音試験方法や規制値の見直しの検討とあわせて、タイヤ単体騒音規制等についても検討していくこととする。
2.1.2、近接排気騒音規制について。現在、加速走行騒音と相関が高く、近接排気騒音試験と同様に路上で自動車を定置した状態で実施することが可能な新たな定置騒音試験方法の研究が進められている。一方、今回、マフラーの事前認証制度を導入することにより、不適切な交換用マフラーが市場から排除されていく効果が期待されることから、この効果も踏まえつつ、2.1.1の検討とあわせて、近接排気騒音試験方法を含め、定置騒音試験方法のあり方を検討していくこととする。また、近接排気騒音規制の規制値については、現在は車種区分ごとに一定の数値を設定する絶対値による規制を実施しているが、もう一つの考え方として、車両型式ごとに新車時の騒音試験による測定値に基づいて規制値を設定する相対値による規制もある。このため、今後、全体的な騒音規制手法の見直しの中で規制値のあり方を検討していくこととする。
2.1.3、基準の国際調和。2.1.1及び2.1.2の検討を進めるに当たっては、得られた知見を積極的に展開し、(UN-ECE/WP29)の活動に貢献するとともに、(UN-ECE/WP29)の検討状況、スケジュールを踏まえ、我が国における有効性や実施の可能性にも配慮しつつ、可能な範囲で国際的な基準調和を図ることとする。
2.2、今後の自動車騒音の低減のための研究・開発の推進。自動車の騒音は、ある一つの技術により劇的に低減されるというものではなく、多種多様な対策の積み重ねによって低減されるものである。このため、今後より一層の騒音低減を図っていくためには、騒音低減技術について基礎的研究を含めた幅広い観点からの研究開発を推進する必要がある。
3.関連の諸施策。自動車単体の騒音低減のための関連の施策として自動車ユーザーに対し、静かな運転や適切な点検整備について啓発活動を実施していくことが必要である。また、啓発活動にもかかわらず、突出した騒音を発生させる不適切なマフラーを装着する等の不正改造を行っている自動車ユーザーに対しては、街頭での取り締まりを強化することにより対応を行う必要があり、取り締まりを強化していくためには、あわせて簡便に近接排気騒音を測定できる装置が早期に導入される環境の整備を図ることが必要である。さらに、自動車の改造等を行っている事業者に対する立ち入り検査等を通じ、不適切なマフラーを装着する等の不正改造の防止、不正改造を行っている事業者の排除を図る必要がある。
以上でございます。
【橘部会長】 ありがとうございました。
それでは、中間答申(案)ということでいかがでしょうか。ご意見はございますでしょうか。
【岩瀬委員】 私もいろいろと自動車騒音の問題にかかわってきた者として、やはり今、問題になっている改造マフラー車というのはかなりの問題があるということを一歩でも抑制するという効果を期待して、大変、結構なことだろうというふうに考えております。
【橘部会長】 ありがとうございました。
今の答申(案)について、ちょっと私からというか、これ全体としてはよろしいのですけれども、2ページ目の3行目から近接排気騒音規制は、要するに規制できる手法が有効であるため、引き続き実施することが適当であるということで、これでいいのですけれども、何かいわゆるマフラー改造の音というのは加速走行騒音、加速時に物すごく音が出て、近接設定値の今のルールどおりの測定方法ではなかなか検出できないというようなことで専門委員会でも随分ご議論されたと思うのですが。今の制度、近接排気騒音の試験方法は、そのままこれは有効だから残すと言いながらというのもおかしいけど、その辺のニュアンスがそれだけでは不十分だということで認証制度も含めてくるということになっているので、3行目のところでいいのか、ずっと読んでくると、何か一見、矛盾したような感じが今したのですけれども。
【岩田環境管理技術室長】 これは、確かに近接排気騒音規制という現在の使用過程車に対する規制、これだけでは不十分で、加速走行騒音試験ができないということでマフラー認証制度を導入したと。そうなると、近接排気騒音規制は、では使用過程車に対する規制は要らないのかということになると、いや、そうではなくて、近接排気騒音規制も、根本的に中が破損しているとか、そういったようなことについてはわかると、マフラーの不適正な改造を数値で規制できる手法としては、やはり有効ではある。もちろん後ろの方で近接排気騒音規制そのものの試験方法等の見直しについては議論をするけれども、当面、今の現行の規制は継続をすることが適当であるという趣旨でございます。
【伊藤委員】 2ページのところの2.1.1の4行目になりますか、今後、我が国の自動車の走行実態や騒音の実態を調査しというところの2行なのですけれど、これは本文の方の5ページの下から5、6行目のところ、このため今後というのをそのままここに受けてあると思うのです。それはよくわかるのですが、本文の方ではそれまでにいろいろな実態調査のことが書いてあって、この言葉が書かれているというふうに思います。単純にこの中間答申を読んでいきますと、これでは自動車の走行実態や騒音の実態を調査しということでいうと、今までも当然やってきているわけで、そこにとどまってしまうような表現のような気がするのです。この報告の一番必要なことは、今までやってきたものではないいろんな実態調査をやっていくということも含めてやっていくということのような気がいたしますので、中間報告の2ページ目にある詳細に把握しというような書き方がしてあるのです、2ページには。
だから、これは詳細に実態を調査しとかというような言葉を入れませんと、今までどおり、今までもやっているのではないかなというような感じが与えられてしまうような気がしたのです。本文の方は、いろいろな調査が行われていて、その後に書いてありますので、こういう書き方でも、十分、意を伝えることはできますが、中間答申の方では、詳しいことが書かれないで、今後、単純に自動車の走行実態や騒音の実態を調査しという書き方ですと今までも調査をしていると。それ以外の調査を我々は期待している、詳細な調査を期待しているというようなところがニュアンスとして出てこないような、これパッと読んだときにそれを感じました。
大変、細かいことで申しわけないのですが、私なんかは、やはり、いろんな中間報告を出されるに当たっての実態調査をやられてて、そういうものがうまく生かされていかなければいけないということを考えますと、ここに少し修飾語が必要ではないかなという感じがいたしました。
大変、細かいことですみませんが、以上です。
【岩田環境管理技術室長】 ご指摘、そのとおりだと思います。そのように追加をさせていただきたいと思います。
【岩瀬委員】 ただ、詳細な検討はできるのではないか。
【岩田環境管理技術室長】 それはまさにこれからということで、どこまでの詳細か。
【岩瀬委員】 適切なものですね。この規制というか、制度導入後に対する適切な調査ということだと思います。
【橘部会長】 今までのレギュラーにやっている、いわゆる環境基準達成の、どのぐらい達成しているかという法定受託事務による、いわゆる普通の測定以外に、この効果を見るための測定が必要だというご意見だと伺ったのですけれども。マフラー制度の効果がどのぐらい出るかというようなことを詳しく調べるための測定という、そういうご意見です。
【伊藤委員】 今、岩瀬委員がおっしゃられましたように、この制度導入後の適切な実態調査という形であれば、この本意が出せるかもしません。
【岩瀬委員】 要するに、マフラー改造車がまだ依然として走っているのかとか、そういった調査なのだろうと私は思ったのですけれども、そういうことを。
【橘部会長】 そのことは、1ページ目の一番最後の、また速やかに同制度導入後のというところで、受けているのではないですか。
【岩瀬委員】 そうすると、ここはマフラーではなくて全体の自動車騒音というのが2の問題なのですか。
【鹿島委員】 多分、この答申は二つのことが入っているので混乱しているのだと思います。一つは、要するに全体としての騒音の達成がまだまだ残っているという問題と、非常に苦情ということで例を挙げられているように、何というのでしょうか、言ってみれば暴走族のような非常に単発的な話で、今回の規制が100%それらを全部なくすということではなくて、むしろ後者の方の、要するに単発的な騒音問題のものに当てているということがあるということで。これで全部終わりだというふうには理解していないで、多分、実態的に考えていけば、事前制度で認証して、ある程度のところが抑えられると。今度はもう一つ、使用過程車に対する路上の取り締まりというので、また、これがもう一つかかってくる。それでもまた抜けるものがたくさん出てくる可能性があるわけです。ですから、おっしゃったように、事後に調査をするということは非常に、それなりに大切なことだと書かれていると私は思います。
むしろ多分、これは社会に出したときに問われるというのは逆のことを問われるのではないかと。では、こういうことをやるのはいいことだと。しかしでは、それで幾ら騒音が下がるのだということは、やっぱり、今の規制云々という議論からいくと、やっぱり、何らかの効果がどのぐらいあるのですかということを問われたときに、それは準備はあるのでしょうねというのが、私のむしろ逆の質問になります。なければ、あるいはすぐ委員会で議論されたら、専門家のご判断でも結構ですから、一応考えておいていただけたらありがたいと。
その二つ、両方があるわけですね、一つは、申し上げたように、もとに戻りますが、単発的な、非常に嫌なものと、もう一つは、全体としての騒音のレベルが高いという、こういう問題と。この二つに関してどういうふうに、この規制でどの程度答えられるのかということは、ある程度ご意見をまとめておいていただきたいというふうに思います。
以上です。
【鳥越委員】 今のことも本当にそのとおりなのですが、今の2.2のところに今後の自動車騒音の低減のための研究・開発の推進というところの3行目から、今後、基礎的研究を含めた幅広い観点からの研究開発を推進する必要があるというふうに書いてあって、そういうことに私、さっき言ったようなことも入れていただきたいという思いで、あえてこの前に発言したつもりでした。大野先生が座長というか、委員長を引き受けされるときには物理的なことにということをおっしゃっていたのはよく私も記憶していますので、それはこれまでのことですが、今後のというところに、やはり、そういった今の適切とか広いとか、いろいろありますが、根本的な部分からもアプローチしていくという意味で先ほど申し上げたつもりだったので。この文言はこれでいいのですが、解釈としてそういうことも発言があった上でということになったらいいなと思ったという次第です。
【鈴木委員】 私は、今回の答申は、非常によろしいというふうに思っています。特に、私が特に指摘したいところは、3ページの国際調和のところでございます。自動車技術は非常に高度化してきています。また、マフラーだけではなくて、機能の多様化といいますか、非常に多様化してきております。また、企業活動もグローバル化して国際化しております。
そういう面で、今後、国際調査なくして、なかなかここに書いたような精神は達成できないというふうに思っております。いろんなご意見があろうと思いますけれども、世界と調和をしながらいいものをつくっていくということも重要だなというふうに思っております。そういう面で2.1.3項は非常によろしいというふうに思っております。
以上でございます。
【塩田委員】 全体的には、このとおりでよろしいかと思うのですが、4ページの最後のところに、これは結構、重要なことだと思うのですが、不適切なマフラーを装着するなどの不正改造の防止、不正改造を行っている事業者の排除を図る必要があるということで、これは具体的に、例えば事業者の排除をするための法律とか、具体的なものは準備されているのでしょうか。
【岩田環境管理技術室長】 先に今のご指摘に対してお答えします。道路運送車両法に規定がございます、立ち入り検査と、それから直罰の規定がございます。これを適用していくということでございます。
【塩田委員】 そういうようなものは、ドライバーにはもう基本的に認知されているということですか。
【岩田環境管理技術室長】 道路運送車両法の、これまで最近においても不正改造の防止ということで改正をされて、規定も追加されています。そのたびに国土交通省等においては周知を図って、不正改造はだめですよと。その一例が、先ほどの参考資料の後ろの方にございましたので、あわせて事業者の方もだめですよと、取り締まりは強化しますよという啓発をしつつ、実際に立ち入り件数の増加であるとか、そういったものをとってきている。これからもここに書いてあるのは、それを徹底していく必要があるという趣旨でございます。
【塩田委員】 ということは、例えばヨーロッパも同じようなやり方をやっているということですか。ここの国際的なという、例えばEUでこういうようなことが起きた場合には、日本の考えているようなやり方でそういうことをやられていると。
【岩田環境管理技術室長】 それは必ずしもそうではないかもしれませんが、路上での取り締まりが非常に厳しい状況でもあります。特に、郊外の高速道路になりまして、日本とはいわゆる状況が大きく違いますので、全く同じというような形ではないかと思いますので、日本とはちょっと状況は異なりますが、同様な。
【塩田委員】 ということは、道路でそういう捕まえて測って基準をオーバーした場合には、その場で処理をしているということもあるということですか。
【岩田環境管理技術室長】 それはそういった状況であります。ただ、密度とか、その辺あたりは大きく日本とは違ってきていると思います。
【塩田委員】 ということは、ここの測るということの部分のところは、基本的に大丈夫だというふうに考えているということですね。
【岩田環境管理技術室長】 はい、マンパワー的にも十分かとか、密度的に十分かという問題は別として、今後、可能な限り強化をしていくということです。ヨーロッパでもそこは同じように考えているという、事後取り締まりということは当然に考えております。
【塩田委員】 ありがとうございました。
【橘委員】 私も、この答申よくできているかと思います。ただ、ちょっと1点、音は文化だということを入れるべきであるという指摘がありましたけれども、私はそれについては、今回はそれはそうではないというふうに感じます。大音量というのは、とにかく恐怖でありまして、例えば、赤ちゃんがせっかく寝ついたかと思ったら、それによって起こされてしまう。入学試験の前日に、やっと不安の中、寝ついたと思ったらそれで起こされてしまう、あるいはご老人の方が非常に不愉快な思いをされて、身体的にも被害をこうむられると。そういうことに対して、今回は恐らく問題視して改善しようというような趣旨だと思うので、ここに文化を入れてしまうと、今回の考え方から焦点がぼけてしまうと私は思います。
ですから、もちろん文化は文化の問題として重要な議論だとは思いますけれども、ここではそれは含めないという観点の方が正しいのではないかなと感じております。
【橋本委員】 まずは、基本論的な話としては、今回、使用過程車に対して加速騒音規制の考え方が導入されるということについては画期的なことだというふうに思っておりますので、ぜひこれは、そういう意味で、新しい方向性を推進するという意味で、大変やっぱり望ましい方向だと思っております。
それから、今ちょっと議論があったようなこととの関連だというぐあいに考えておりますけれども、音の文化論ということとは違うのですが、人間の感覚というのは、やっぱり音の質によって相当変わるということは事実です。
そういう意味で、例えば、先ほどのマフラーの改造というか、それで実際に乗用車に対して行われているマフラーの改造でどんな音が出るかとか、二輪車に対して行われているマフラー改造に対してどんな音が出るかというのも相当違う。周波数の成分も相当違っているということだというふうに思っています。
そんな意味で、やっぱり、評価技術をきちんと確立するということはぜひ必要だというふうに思っておりますので、今後の2.2のところの、先ほどコメントがございましたけれども、幅広い観点からの研究開発推進という中には、今、申し上げたような意味での人間の感覚との関連での評価技術をきちんと詰めておく必要があるということが含まれているというぐあいに、ぜひ考えさせていただきたいと思います。
【橘部会長】 ありがとうございます。
鳥越委員どうぞ。
【鳥越委員】 ちょっと誤解があったようなので、別にここに文化と入れてくださいとか、全くそんなことではなく、そういった今、橋本委員がおっしゃったような意味で、2.2のところに今後のこととしてそういった根本のところからの研究も一緒にやった方がいいということを申し上げただけです。ある意味、騒音規制も文化ですから、決して狭いことを言っているつもりではございません。
【橘部会長】 騒音の問題というのは、非常にいわゆる公害のレベルで、とにかく物理的に下げていくというのがありますけれども、すべての問題についても、音質の問題とか、そういう音がなければいいという部分では決してないわけで、大型車なんかですと、エンジンの音を聞きながらエンジンが快調に走っているかどうか、あるいは音がしなくなってしまったらどうしようもなくなってしまうし。そういうことで、単に音を少なくすればいいというレベルではないと思うのです。
だから、文化というのもちょっと大げさだけれども、音が聞こえるということも、大変、大事なことだと思います。ただ、それをここへ入れてしまうと何か支離滅裂になってしまうので。
【鳥越委員】 ですから、ここに入れるとかそういうことでは決してなくて、ここの中間の文言を読んでおりましたので、あえて、今後のこととしてということで、そういうことも考えていただきたいということを申し上げたかったわけです。
【橘部会長】 私の小さいころ、ボール紙を自転車のスポークのところに縛りつけてパタパタと。
【鳥越委員】 そうですね、そういうようなこと。
【橘部会長】 一種の音の遊びですからね、そういう文化があることは事実だと思います。
【岩田環境管理技術室長】 事務局の方からよろしいでしょうか。
今回、非常にご意見をたくさんいただきました。実は、今、ご指摘の、これまでご指摘のありました事柄、今の音質の問題もそうですし、今後の実態調査ということもそうでございますが、どうしても中間答申(案)、中間報告を受けた形での要約版という形になっています。また、中間報告に則してということで前段で入れさせていただいております。
先生方からご指摘をいただいた内容は、十分それを含んだ形での表現にいわば圧縮をしております。どうしても文言上は言葉足らずになっている部分は本当に申しわけないと思っておりますが、十分、承知をいたしておりますので、今回、この答申(案)については中間報告を受けた形での圧縮ということで、今、ご議論が出ましたことについては、着実に私どものこれからの施策に反映すべく議事録の中にも明確に残し、私どもはそれに基づいて作業を進め、専門委員会にまた再び議論を進めさせていただきたいというふうに考えております。それで、ご了解をいただければありがたいというふうに考えております。
【岩瀬委員】 これは、タイトルが自動車の単体騒音ということであえて除いたのかとは思うのですけれども、タイヤの騒音ということにかかわって記述がございますので、2.2に当然のことながら路面とか、そういったものの検討もされるということは言外にお考えはあるのでしょうねということをちょっと一言質問させていただきます。
【岩田環境管理技術室長】 その点も、ご指摘を受けたことを踏まえて、今後、検討していきたいというふうに考えています。議事録にはご指摘のあったことを残させていただきたいというふうに思っております。
【山下委員】 質問いいですか。
まず、マフラーのサイレンサーの音に関しては、まず我々は、無法者を相手にしなければならないということが一つ忘れられているのではないかと思うのです。無法者というか、でかい音を出して夜中走り回っているやつは異常であるよと、もっと強く書けないですか、それを。普通のユーザーではないのです。あいつらお行儀の悪いばか者であるということを、役所の文書だからそうはいかないでしょうけども、どこかに無法者の大ばか者だということをもうちょっと色濃く出せないだろうか。
それから、カーグラフィックスとか、それからいろいろありますよね、モーターマガジンや何か。そうすると、一部にサイレンサーというか、マフラーの広告が出ているのです。すごい売り文句です。あれが野放しになっているというのもいかがなものかという気がする。まず、お行儀の良い言い方で答申が書かれてますよね。まず一発目におまえらはばかだと、そういうことは言えないのでしょうか、無法者ですよ、あれは、イージーライダーではないけれど。それを書き込むことはできないのかという質問ですが、これは。すみません、せっかく着地しようとしているのに余計なことをいってしまって。
【橘部会長】 1-1、ばか者だとはちょっと書けないでしょうね。
【山下委員】 書けないよな。何かまどろっこしくてしようがないのです。
【橘部会長】 しかし、それは周辺のいろんな状況で、ばか者だという言葉が出ましたけど、ばか者に幾ら言ったってだめなのだと思うのですよね。ですから、こういう形で法的に少なくとも、行政としては法的に規制するしか手がないのではないかと。倫理教育だか、何だかんだと言ったって、そんなの漢方薬みたいなものでなかなか効かない。
【山下委員】 ただ、先だってもちょっと中国と台湾と旅行に行ってきたのだけれども、ピーピーとかプープーって多いのです、日本は雑踏でも幾らあんな音は出さない。
【橘部会長】 昔はね。
【山下委員】 昔、今はね、大分静かになった。ということを考えると、やっぱりモラルというか、若者が減ってきたのではないかと、でかい音を出すのは恥ずかしいのだぞという意識を何か持ってもらうことも大事だと。これはこれに限らずでしょう、全体に一致するものではないですけれども。
【橘部会長】 ただ、それについては啓発活動ということは一応書いているのです。
【山下委員】 3に書いてありますね。
【橘部会長】 役所の文章としては、山下さんの言うような表現は使えないかと。
【山下委員】何か緩いなという気がするので、せっかくいいものを出していただくのだから。
【橘部会長】 いや、我々の気持ちを代弁していただいたとは思いますけども、ちょっとそのまま報告書に入れるというのは幾ら何でも無理だと。
ただ、一つだけ余り委員長が意見を言ってはいけないのかもしれませんが、2.の先ほども話題になりましたように、騒音低減技術について基礎的研究も含めたという、この辺のニュアンスをもうちょっと広げたいというのがありますね。ただ、僕がこれを読んだときに、これを読んだら自動車インダストリーが起こるのではないかなと、何もやってなかったかのごとくとられてしまう。非常に車については基礎研究をやってきているわけです。やり尽くしているとは言いませんけれども、非常にやってきている、何もやってない乗り物もありますけれども、自動車についてはかなりやってきている、飛行機もやってきているのです。だけど、これを見ると基礎的研究も含めこれから始めましょうみたいに言われると自動車インダストリーが物すごく怒るのではないかと思ったのですけれども、そうとるのはちょっと誤解かな。
【岩田環境管理技術室長】 これは、鈴木委員の方でどのようにお考えになるかなというふうに思いますが、確かにそのとおりです、もう十分にやってきた。ただ、これ以上の車外音の低減を図ろうとすると、何かもう一歩先のものが必要になるだろうと。いろんなことが個別の技術雑誌等には出ていますが、そういったことも含めて、もう一度、そういった基礎的なレベルというものが必要であろうということで、その中には実は、騒音評価技術的なものも実は含まれているというふうにお考えいただいて結構だと思います。
【鈴木委員】 いろんなご意見がありますので謙虚に受けたいと。ただ、グローバルが非常に重要だということだけは皆さんご理解いただきたいというふうに思います。
【橘部会長】 それでは、ここはどうしてもこうでなければならないというご意見がなければ、一応、中間答申という形でお認めいただいたとしてよろしいでしょうか。細かい点でもし問題があれば、これは私の方でいいのですね、騒音振動部会長と事務局にお任せいただくということで。もちろん専門委員会ではご相談いたします。
(なし)
【橘部会長】 では、ひとまず中間答申(案)としてお認めいただいたという、ちょっと時間が押してますけれども、まだ議案がありますので、次、お願いいたします。
【志々目大気生活環境室長】 それでは、資料5の方で報告事項をご説明させていただきたいと思います。大気生活環境室長の志々目でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
航空機騒音に係る環境基準の一部改正でございますが、昨年6月に中央環境審議会からご答申をいただきまして、昨年12月17日付でございますが、環境省告示の一部改正を行ったところでございます。34年ぶりの改正ということで、ご審議いただきました結果を反映させていただいております。
改正の概要等については、既にご審議いただいておりますので、詳細は割愛させていただきますが、これまでの航空機騒音の評価指標でございますWECPNLからエネルギーベースの指標でございますLdenに変更するものでございます。これに当たっては、国際的な調和等も、十分、考慮しながらご検討いただいたところでございます。
改正の骨子も、基本的には答申と全く同じでございまして、評価指標、基準値は、ごらんのとおりでございます。また、今回の改正に当たりまして、これまで1日の平均離着陸回数が10回以下の飛行場については、環境基準の適用除外となっておりますが、今回の環境基準で新たにこれも対象にしたということでございます。ちなみに今までは小規模の飛行場については指針を定めておりまして、これがLdenベースの評価をやっておりましたので、ここを統合したというような形でございます。
最後に、4番目の施行日でございますが、これにつきましては、今年度いっぱいで環境基準の測定方法に関するマニュアル等を環境省で整備していく予定にしておりまして、その後、測定機器メーカーによる機器の開発、また、関係行政機関における測定態勢、こういったものをすべて勘案いたしまして、平成25年4月1日に施行するという形で告示しております。詳細には、4ページ、5ページ、6ページのところに改正したベースの告示を示させていただいております。下線を引いた部分が改正部分でございます。
また、最後の6ページのところに改善目標のところにも線が引いてございますが、これは目標についても、従前のWECPNLの値をLdenに相当する値に換算をした数値として示しております。
資料5については以上でございます。
【橘部会長】 特にこのご報告についてご質問はございますか。
【山下委員】 ありがとうございました。ご説明はよくわかったのですが、この文章の中に空港という言葉はないのですよね。空港というのは、行政法ではないのかな。質問です、飛行場という言葉は出てくるのだけれども、空港って我々よく聞きますでしょう、エアポートって言われれば空港と翻訳しますね。
【志々目大気生活環境室長】 これにつきましては、空港そのものの騒音というよりも、航空機に伴う音について音を評価していくという観点でございますので、今回、小さなヘリポート等も含めてそういう航空機に着目しているということで、従来よりこういう表現を使わせていただいておるところでございます。
【山下委員】 ありがとうございます。飛行場なわけね、空港ではなくて飛行場だと。ありがとうございました。
【桑野委員】 航空機騒音につきましても、エネルギーベースの評価方法に変わったというのは大変うれしくて評価しております。これはこれでいいのですけれども、これを決めるときに、まだいろんな問題点も、今後、検討すべきこととして残っていたと思うのですね。すぐに検討できるわけではないということはもう重々承知しておりますけれども、将来の課題として、もうこれで終わったというのではなくて、今後、機会があればといいますか、いろいろデータも出てきて検討できるときになりましたら、また、ご検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【橘部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、次に移りたいと思います。振動規制法について。
【志々目大気生活環境室長】 それでは、引き続きまして、資料6と資料7で振動規制法と騒音規制法の施行状況について、簡単にご報告をさせていただきます。
始めに恐縮ですが、資料7の騒音規制法の施行状況調査についてごらんいただきたいと思います。これは毎年、環境省の方で、全国の騒音に係る環境基準の適合状況と騒音規制法の施行状況について取りまとめておりまして、今般19年度のものがまとまったためでご報告するものでございます。四角で囲んだところが概要でございますので、そこだけかいつまんでご説明いたしますと、まず始めに、騒音に係る環境基準の適合状況でございます。これについては、平成11年4月に基準が新たに改正されまして、約9カ年が経過したところでございますが、現在、全国の市町村で約7割に当たる市町村で類型の指定がなされております。この結果でございますが、幾つか評価する地点の種類がございまして、この中で地域の概況を把握できる地点というのが約3,150地点ほどございます。これについて見てみますと、約81.8%の地点で環境基準が適合していたという結果になってございます。
また、1ページおめくりいただきまして、3ページのグラフをごらんいただきたいと思います。これが過去8年間の環境基準の適合状況の推移でございます。一番上の四角で書かれている折れ線グラフが、今申し上げましたマクロな把握をする地点でございます。ごらんいただきますとおわかりいただけますように、数年間で環境基準の達成率、適合率が上昇してきておるという傾向にございます。
次に、また1ページにお戻りいただきまして、(2)の騒音規制法の施行状況ですが、これについては、騒音規制法で規制されております工場・事業場、ないしは建設作業の規制の状況等についてまとめたものでございます。まず、始めに工場・事業場でございますが、全国で19年度末現在21万3,000件程度ございます。これは、前年とほとんど変わっておりません。こういう中で、立ち入り検査を自治体が行ったものが857件でございまして、その中で、また測定等、騒音測定が行われているものが436件です。さらに規制基準を超えているものが269件というような状況でございました。これに対して、法に基づく措置として改善勧告が2件、改善命令については行われなかった状況でございます。ちなみに、実際の対応は行政指導で行われているのが大半でございまして、これは1,069件でございます。また、建設作業についても、同様に作業の総数が7万1,000件程度でございます。また、立入検査はごらんのとおり1,491件でございまして、測定が行われたもの411件、規制基準を超えたものが94件でございます。ちなみに、これについては勧告と改善命令は行われておりませんが、行政指導が1,757件という状況でございます。
引き続きまして、資料6の方をごらんいただきたいと思います。振動規制法の施行状況でございます。振動については環境基準がございませんので、振動規制法の施行の状況だけがまとめてございます。これについても、工場・事業場と建設作業、二つに分けて書いてございますが、騒音と同様に、全国の対象となる工場・事業場、規制の対象となる事業所が12万6,996件でございます。同様に、立入検査174件、測定が83件に対して、規制基準を超えているものが10件、これについては改善勧告、改善命令は行われなかった状況でございます。同様に、行政指導における対応、これが173件になってございます。建設作業、これも法の規制の対象となるものでございますが、3万4,807件、19年度ございまして、立入検査573件、測定164件、規制基準を超えていたものが8件と、同じく改善勧告と改善命令は行われなかったという状況でございます。行政指導が671件ということで、騒音振動を通じて行政指導による対応が主になっておるというような実態でございます。
以上でございます。
【橘部会長】 どうもありがとうございました。ご質問はございませんか。
参考までに改善勧告、命令、それと行政指導というのはどういうふうに違うのですか。ちょっと解説をしてください。
【志々目大気生活環境室長】 今の橘部会長からのご指摘でございますが、法律に基づくものは、改善勧告と改善命令でございまして、行政指導は法律に基づかない、いわゆる指導でございます。こういう中で、改善勧告につきましては、命令を出す前に事業者に対して改善を促すというような趣旨でございまして、それに従えない場合については、命令行為である改善命令を出すことになってございます。ちなみに、この命令に従わない場合については罰則が適用になると、こういう体系でございます。
【橘部会長】 行政というのは地方自治体が・・こうしなさいよという程度のことをやると。
【志々目大気生活環境室長】 自治体が口頭ないしは文書による自主的な指導ということでございます。
【小林委員】 1点だけちょっとお願いなのですが、騒音環境も振動環境も同じなのですが、例えば、資料6の振動の方でちょっと申し上げますと、表4と表6を見ていただきますと、ちょっと気になるのは、法に基づく措置の状況という文書の中に苦情件数が上がっているのですよね。苦情件数というのは法に基づく措置ではないと思うのです。これ確か大気汚染防止法、水質汚濁防止法では、苦情の部分は法の措置のところには確か表としては入れてなかったのではないかなと思います。苦情は苦情で別にあって、苦情に対してどう措置をしたかというのは別のくだりであって、こういう書き方をすると、いかにも苦情があって、その苦情に対して行政措置がなされたように見えてしまうので、ちょっとここは今後、発表されるときにご配慮いただいた方がいいのではないかと思いますが。
【志々目大気生活環境室長】 今、小林委員からのご指摘のありました点はおっしゃるとおりで、苦情については法的には全く関係はございません。ただ、大気汚染防止法、水質汚濁防止法と違いまして、騒音規制法、振動規制法の場合につきましては、基準に適合せず、かつ生活環境が損なわれると認められる場合に先ほどのような改善勧告、命令が行われるという前提条件がございますので、そのメルクマールとして苦情を示しておりますが、御指摘のような誤解を招かないように、以後、公表のときは取り扱いを注意させていただきたいと思います。
【橘部会長】 よろしいですか。
それでは、ほかになければ、次に移りたいと思いますが。
(なし)
【内藤自動車環境対策課長】 それでは、お手元の資料8に基づきまして、平成19年度自動車交通騒音の状況について、時間も押していますので簡単にご説明いたします。
最初のページの1.に書いてございますが、平成19年度は、全国176地方公共団体において、環境基準の達成状況が評価されました。評価の対象は、延長2万780キロメートルの道路の面する地域、386万1,000戸の住居が対象となっております。
2.のところでございますが、全体の状況といたしまして、386万1,000戸のうち、昼間または夜間で環境基準を超過していたのは46万4,000戸で、12%、昼夜とも環境基準を超過していたのは22万5,000戸で、6%となっております。幹線交通を担う道路に近接する空間における161万戸のうち、昼間または夜間で環境基準を超過していたのは31万1,000戸で、19%、昼夜とも超過していたのは15万戸、9%と、こういうことになっております。
何ページかめくっていただいて、5ページでございますが、推移を見ていただきますと、5ページの下の図8でございますが、経年変化の状況ということで、平成12年度から19年度にかけて以上のような状況でございまして、基本的には改善の傾向があります。図9は、いわゆる地点における騒音の状況ということで、一般国道における環境基準達成状況が余りよろしくないと、こういうことでございます。
以上、簡単でございますが、自動車交通の騒音の状況についてご説明いたしました。
【橘部会長】 どうもありがとうございました。
これは、内容的には先ほども関連する報告がありましたけれども、何か改めてご質問、ご意見はございませんか。
(なし)
【橘部会長】 この環境基準については、またの機会、また議論する必要があるかと思いますけれども、今三つの騒音に係る環境基準で、やはり対象が違うので、内容、あるいは評価の仕方が随分違います。達成率というものを見る場合に、その辺をよく考えてみないと一概に比較はできないということもあるかと思います。
それでは、特にご意見ございませんでしたら、きょうの騒音振動部会、これで終わりということにさせていただきます。
どうもありがとうございました。