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■議事録一覧■

中央環境審議会第5回騒音振動部会議事録


  1. 日時 平成19年6月27日(水)14:00~16:00
  2. 場所 虎ノ門パストラルホテル 4階 ミント
  3. 出席者
    (部会長)橘 秀樹
    (委員)磯野 弥生
    (臨時委員)伊藤 桂子岩瀬 昭雄大野 進一
    桑野 園子小澤紀美子小林 悦夫
    塩田 正純鈴木 孝幸橘  武史
    鳥越けい子橋本 竹夫樋口 忠夫
    山下 充康山田 伸志湯川れい子
    (専門委員)末岡 伸一
    (環境省) 竹本水・大気環境局長
    岡部総務課長
    内藤大気生活環境室長
    金丸自動車課長
  4. 議題
    (1)
    航空機騒音に係る環境基準答申案について
    (2)
    騒音規制法の規制対象施設の在り方について
    (3)
    その他
  5. 配付資料
    ・中央環境審議会騒音振動部会委員名簿
    資料1中央環境審議会第4回騒音振動部会議事要旨
    資料2航空機騒音に係る環境基準の改正について(騒音評価手法等専門委員会報告)
    資料3航空機騒音に係る環境基準の改正について(答申)(案)
    資料4「騒音規制法の規制対象施設の在り方について」の審議について
    資料5感覚環境の街作りについて
    資料6平成17年度自動車交通騒音の状況について
    参考資料1騒音規制法の規制対象施設の在り方について(諮問)等
  6. 議事

    【内藤大気生活環境室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第5回騒音振動部会を開会いたします。本日は委員総数22名のうち、現時点で16名のご出席をいただいておりますので、定足数である過半数に達しております。
     また、礒野先生ご出席のご連絡をいただいておりますので、後ほど来られるかと思います。
     それから、専門委員会の方から末岡専門委員にオブザーバーとして来ていただいております。
     では議事に先立ちまして、竹本水・大気環境局長よりごあいさつ申し上げます。

    【竹本水・大気環境局長】 本日は、委員の先生方大変ご多用のところ、またお暑い中ご出席をいただきまして、まことにありがとうございます。平素より私ども環境行政につきましてご指導をいただいておりますことを、この場をお借りしまして御礼を申し上げたいと思います。
     本日は議題にございますとおり、航空機騒音に係る環境基準答申案についてご審議を賜ることとなっておるところでございます。本件につきましては、去る3月1日に環境大臣の方から諮問をしたところでございまして、先週6月21日に専門委員会の方での報告が取りまとめられたところでございまして、これに基づきご審議を賜るということにしておるところでございます。
     この航空機騒音の環境基準につきましては、昭和48年に策定されて以来の初めての改正ということでございます。後ほど、また詳しくご説明を申し上げますがよろしくお願いしたいと思います。
     また、あわせまして、騒音規制法の規制対象施設の在り方、これは平成8年に諮問されまして、既に中間報告をいただいておるところでございますが、この中間報告の中で残された課題として幾つかございますので、これにつきまして、審議の再開を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
     あわせまして、昨年度から環境省におきましては、音も含めました五感という五感感覚を重視をいたしまして、感覚環境の街作りについて検討会を設置をしまして検討をしてまいりました。そういった検討結果の報告についても、後ほどお時間をいただきまして、報告したいと思っております。
     いずれにしましても、騒音振動に係る課題、環境省といたしましても、今後とも積極的にこの課題に対応していきたいと思っているところでございまして、委員の先生方、今後ともまた引き続きご支援ご指導をいただきますようお願いを申し上げまして、私の方からのあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

    【内藤大気生活環境室長】 続きまして、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。中央環境審議会第5回騒音振動部会議事次第と裏に名簿がございます。資料1といたしまして、第4回前回会議の議事要旨。資料2といたしまして、航空機騒音に係る環境基準の改正について、専門委員会報告。資料3といたしまして、航空機騒音に係る環境基準の改正について(答申)(案)。資料4といたしまして、「騒音規制法の規制対象施設の在り方について」の審議について。資料5といたしまして、感覚環境の街作りについて。資料6といたしまして、平成17年度自動車交通騒音の状況について。それから参考資料1といたしまして、騒音規制法の規制対象施設の在り方について(諮問)等。それから委員の皆様には、感覚環境の街作りの報告書が配付されております。そこまでのところで資料の過不足がございましたら、お申しつけください。
     それから、第4回騒音振動部会の議事について、委員限りの資料として議事録(案)を委員の皆様には配付させていただいております。本日の会議終了後、内容をご確認の上、何かご意見等がございましたら、前回会議議事録について7月4日までに事務局までお申し出ください。ご意見を踏まえ、修正後、議事録につきましては、速やかにホームページに公表させていただきます。
     資料の方はお手元にございますでしょうか。それでは、これ以降の会議の進行は橘部会長にお願いいたします。

    【橘部会長】 それでは、早速本日の議題に入りたいと思います。
     まず初めに、航空機騒音に係る環境基準(答申)(案)についてでございます。これについては、ことしの3月1日に環境大臣より諮問がなされたものに対しまして、騒音評価手法等専門委員会で報告がまとめられました。これにつきまして、専門委員会の委員長も務めております私の方から概要を簡単に説明をさせていただき、その後、事務局から詳細な補足説明をお願いいたします。
     航空機騒音に係る環境基準の改正につきましては、現行の環境基準が制定された昭和48年当時に比べまして騒音の測定技術が大幅に進歩したこと、また、現行の基準が国際的動向とかなり乖離してしまっていること等の背景によりまして、平成19年3月1日、環境大臣より中央環境審議会会長へ諮問がなされ、同じ日に直ちに騒音振動部会に付議されました。
     この審議につきましては、部会内部に設置されている騒音評価手法等専門委員会にあずけられ、3回、3月19日、5月11日、6月21日に専門委員会が開催されまして議論を重ねました結果、資料2にありますように、専門委員会報告が取りまとめられました。
     今回の改正につきましては、諮問の内容から航空機騒音の評価手法の技術的な変更を主な目的にしております。これまで日本ではご承知のように、WECPNLという指標が用いられてきました。この指標は、航空機のうるささを評価するための非常に精密な測定方法があるわけですけれども、それをそのまま使うわけにもいきませんので、制定当時の測定技術を考慮して極めて簡略化したものであったわけでございます。
     これにつきましては、専門委員会における審議では、国際的な動向、それから現在の騒音測定技術等を考慮し、また、それと同時に現行の環境基準の継続性などを勘案した結果、昼間・夕方・夜間の重み付けをした上で騒音の総暴露量を評価できるエネルギーベースの評価量でございますLden、昼夕夜等価騒音レベル、重み付き等価騒音。こういう量を採用することが適切であるという結論に至りました。
     また、基準値につきましては、まず現行基準のレベルの早期達成を図ることが重要であると。また、これまでに進められてきています航空機騒音対策の継続性も考慮いたしまして、引き続き現行の基準値と同等のレベルとしております。
     以上、述べましたように、今回の改正案のポイントとしましては、現在の騒音測定技術に対応した測定評価方法を採用すること、それと、エネルギーベースの方向で進みつつある騒音評価指標の国際標準に対応することが挙げられます。
     これによりまして、航空機の旋回、リバース等によって発生される騒音も含めて航空機騒音を総合的に評価することが可能になります。また、環境基準の適用範囲を1日の平均離着陸回数が10回以下の小規模飛行場にも拡大することができます。また、成田国際空港で問題となっております、いわゆる逆転問題も解消されることになります。
     ところで、現行の環境基準の達成状況を見ますと、70から75%にとどまっておりまして、決して十分な状況とは言えません。そこで、報告書の最後に、今後とも航空機騒音対策を強力に推し進める必要があるということでまとめております。
     概要は以上でございますが、補足説明を事務局からお願いいたします。

    【内藤大気生活環境室長】 お手元の資料2、専門委員会報告に基づきまして補足説明をいたします。
     1ページ目、1の背景のところでございますが、昭和48年に航空機騒音に係る環境基準が策定された折に、評価指標につきましては、我が国では、ICAO、国際民間航空条約第16附属書を基本として独自に簡略化を行ったWECPNLを採用しております。平成14年に成田国際空港において暫定平行滑走路が供用開始となった際に、WECPNL値の逆転現象が確認されておりますが、これを契機として航空機騒音評価の現状を改めてレビューすると、第1に、騒音測定機器の技術的進歩に伴い高度な測定が簡易に行えるようになったと、第2に、国際的にエネルギー積分により騒音の総暴露評価ができる等価騒音レベルを基本とした評価指標が主流となってきていると、こういった状況を踏まえ、我が国においても評価指標の見直しが必要ということで、平成19年3月1日付で環境大臣から諮問をされたわけでございます。
    航空機騒音をより的確に評価できる環境指標が必要であるという観点に立ち、最新の状況等を踏まえ航空機騒音に係る環境基準の評価指標について専門委員会では検討を行いました。
     3でございますが、航空機騒音に係る環境基準における評価指標の再検討に当たっての考え方ということで、幾つか背景で述べられているようなポイントについてレビューしております。(1)として、現行の評価指標(WECPNL)の考え方ということで、2ページになりますが、我が国では、当時、ICAO、国際民間航空機関が提唱した評価方式を基本とすることとしたわけでございます。ICAO方式は航空機騒音を0.5秒ごとにサンプリングして分析すると、そういう騒音エネルギー加算方式でございました。これは高頻度のサンプリングが必要とされるために、ICAO方式を当時一般的な評価方法として採用することは困難でございました。我が国では、当時一般的に用いられていた騒音計による測定結果から近似的にWECPNLを求める方法を採用したわけでございます。
     具体的にどのような簡略化を行ったかということですが、2ページの中ほどに書いてございますが、我が国の環境基準においては、次のように簡便化したということで、主要な点を申し上げますと、b)に書いてございますが、離着陸において最大値から10dB低いレベルを超える騒音の継続時間を20秒と仮定するということを行っております。 c)のところでございますが、昼間・夕方・夜間、ICAOでは夕方の騒音に5dB、夜間の騒音に10dBの加算を行う、重み付けの評価を行うことを提唱していたわけですが、この計算では夕方の時間帯で測定される機数を3倍、夜間10dB加算するかわりに機数を10倍とするというようなことを行っております。ほぼ、ICAOの5dBアップ、10dBアップと等価のものを狙った簡略化を行っております。
     (2)でございますが、諸外国の動向を見ますと、2ページの下の方になりますが、過去15年程度の傾向を見ると、1997年にイタリアにおいて、WECPNLが等価騒音レベルを基本とした手法に変更されている。EUではすべての屋外騒音源に対する統一評価指標として2002年にLdenが採用されております。
     このように、等価騒音レベルを基本とした評価方法は、各種騒音との総合比較が可能となること等によって諸外国において採用されている、こういう実態がございます。国際的には等価騒音レベルを基本とした評価指標が採用されており、我が国においても国際動向に合致した評価指標を採用する必要があるとされております。
     それから、3ページ目でございますが、(3)測定技術・機器の改善の状況をレビューしております。環境基準が策定される1970年代前半、現場の騒音計測器として一般的に使用されていたものは、対数目盛りのアナログタイプの指示計であり、騒音レベルの瞬時値を目視し測定者が記録すると、これが唯一可能であったと、こういうものでございます。デジタル処理技術の進歩に伴いまして、1980年代になりますと、等価騒音レベルを求めるのに必要な機能が測定機器に加えられております。それから、90年代になりますと、数値表示ができるようになり、等価騒音レベル演算をデジタル処理ができるようになってきております。
     さらに、近年では、大容量のメモリ機能が付与されて、大量の測定データの記録が可能となり、また、デジタル録音の機能も付加されまして、航空機騒音以外、犬の鳴き声とかこういったものを除外する処理も可能になったと、このように近年急速にデジタル技術の進歩に伴って、昔のアナログ時代と比べて格段に情報処理能力が上がってきているわけでございます。
     最後の2行に書いてございますが、現在のデジタル技術を前提とすれば、等価騒音レベルの演算が技術的・コスト的に容易となっていると、最新の技術に対応した騒音評価指標の導入が必要であるとされております。
     次に、3ページの4でございますが、航空機騒音の状況でございます。(1)として環境基準の達成状況等の推移でございます。昭和48年に航空機騒音に係る環境基準が策定された後、各種対策がとられてきたわけでございますが、一方で、航空機の発着数を見ると、環境基準の策定当時に比べ約2倍、現在も増加傾向にあるということでございます。全国押しなべてということですので、飛行場によってはもっと増えているところもあるかと思います。航空機騒音に係る環境基準に適合している地点の割合は70から75%、対策を各種講じてきたが、航空需要の増加もあって、環境基準の適合については70から75%程度を推移しており、今後も引き続き、航空機騒音対策を充実していく必要があるとこういうふうに整理されております。
     (2)として、成田の逆転現象に関してでございますが、4ページ目でございます。成田の航空機騒音常時監視局の平成15年度データにおける観測データの解析・検討を行い、一部の監視局で逆転現象が発生しているとこういうことが確認されております。逆転現象の程度は最大で0.5dB程度、この原因につきましては、社団法人日本騒音制御工学会に設けられた委員会において、WECPNLを採用した際の簡略化に起因して発生しているということが解明されております。先ほど2ページで述べた幾つかの簡略化のステップに起因して、こういった0.5dB程度の逆転現象が起こっているとこういうことでございます。
     4ページの(3)でございます。一方、航空機騒音のつかまえ方・対象範囲としてどういう考え方があるということでございますが、航空機の騒音には飛行音以外にリバース音、タキシング音、ランナップ音、リバース音は滑走路に着陸したときに逆噴射をしてブレーキをかけると、このときの逆噴射の音でございます。それから、タキシング音、飛行場内を移動するときの音。ランナップ音、これは防衛施設において離陸前にエンジンのテストを行うときに発生する音でございます。APUという発起の音。エンジン試運転といった地上音が航空機に関してはあるわけですが、現行の評価指標ではこれらの地上音の騒音暴露量に対する寄与が的確に評価できていない。リバース音につきましては、空港近傍地点で1dB以上、空港によっては3から6dB程度増加する地点があるということでございます。タキシング音については、0.1dB程度以下ですが、一部の空港においては誘道路近傍で1dB程度の増加が見られるところもあると。ランナップ音については、最大0.4dB程度の影響が認められているというような騒音の状況があります。こうした航空機騒音に係る環境基準の対象騒音については、一連の運行に係る騒音を幅広く評価することが望ましく、騒音暴露量に影響を及ぼすレベルの地上音も発生しているため、騒音評価指標見直しに当たっては、影響を及ぼす地上音を極力把握・評価する手法を採用することが適切であるとしているところでございます。
     航空機騒音に係る環境基準の基準値について、仮に、先ほど諸外国で提案されている等価騒音レベルを基本とした指標を採用するにした場合に、現行指標との関係はどうなっているかというものを評価したところでございます。5ページ上の方に書いてございますが、現行のWECPNLと等価騒音レベルを基本としたLden、Ldn、LAeqがございます。Ldenというのは、同じ等価騒音レベルでもd・e・n、デイ・イブニング・ナイトということで、昼間・夕方・夜間で分けてそれぞれ重み付けをするとこういうタイプでございます。Ldnはデイとナイト、2区分で重み付けをすると。LAeq,24hというものは、24時間の平均騒音エネルギー積分を行うとこういうものでございます。
     多数の民間空港、防衛施設における実測値を用いて両者の対応関係を検証した結果、これらのLタイプ、等価騒音レベルタイプの指標とWECPNLはほぼ直線的な関係にあることが確認されております。また、その間の差でございますが、5ページの上の方に書いてございますが、Ldenで言いますと、WECPNLマイナス13という関係がほぼ成り立っております。
     WECPNLとLdenの関係を実測値でも確認いたしますと、環境基準の近傍のWECPNL70から80、環境基準値やWECPNLで70と75というふうに現行で設定されておりますが、この地域ではWECPNLとLdenの差はおおむね13と、こういうことが確認されております。
     それから、5ページのなお書きのところでございますが、国民の生活実態が変わっているかどうか、これにつきまして、総務省の社会生活基本調査、NHKの国民生活時間調査で調べておりますが、時間帯区分は設定当時と余り変わっていないということが確認されております。
     5ページの(2)でございます。以上の状況を踏まえて、評価指標の検討ということでございます。現行評価指標の継続性、国際的整合、逆転問題の発生、地上音の評価、測定の容易性、総暴露量の把握、住民反応等との関係、こういった観点から評価をしたのが以下でございます。
     [1]として、現行評価指標との継続性、Ldenについては、昼間・夕方・夜間の時間帯区分が踏襲できる。現行のWECPNLでも先ほどご説明したように、3時間帯で重み付けをして評価をしておりますが、この方法が踏襲できる。
     [2]として国際的整合性に関しては、等価騒音レベルを基本とした評価指標であれば、一応国際的な整合性はとれる。EUは、Ldenを用いております。
     [3]の逆転問題でございますが、Lタイプの評価指標であれば逆転問題は発生しない。
     [4]の地上音の評価でございますが、エネルギー加算に基づく指標、Lタイプのものであれば、地上音も含め総合評価が正確に行うことができるということが確認されております。
     6ページ目でございますが、[5]の測定の容易性と、現行の測定技術を前提にすれば、環境基準設定当時には難しかった演算も容易ということでございます。
     [6]総暴露量の把握でございますが、騒音の総暴露量をWECPNLの場合は、厳密に表現できない。Lタイプのものは各指標とも騒音の総暴露量を適切に表現できると。さらに、道路等の他の騒音との総合比較も可能となる。こういうことが書いてございます。
     それから、[7]住民反応、これもLタイプのものは一般にエネルギー加算による騒音評価手法は騒音の総暴露量が評価できる、また、地上音等の付随した騒音も含む総合評価もできるため、より住民の騒音実感に近い評価が可能になると、こういうことでございます。
     以上のような七つの角度から判断して、航空機騒音に係る環境基準においては、新たな評価指標として等価騒音レベルを基本とした評価指標を採用することが望ましく、特に、現行基準との継続性の面からLdenに変更することが適当とされております。以下、算式がございます。
     次に、6の(3)基準値設定の考え方でございますが、近年の発達した騒音測定技術の導入、国際的動向への整合、こういったことは喫緊の課題ですと、航空機騒音に係る環境基準の達成に向け、関係機関による対策が進められている途上であると、環境基準の設定に当たっては、まずは現行基準レベルの早期達成の実現を図ることが肝要であり、騒音対策の継続性も考慮し、引き続き、現行の基準値と同等のレベルのものを基準値として設定することが適当であると。先ほど環境基準の達成率70%程度ということですが、まずはこのレベルの完全達成を目指す、こういう意味で同等のレベルを踏襲ということでございます。
     (4)基準値でございますが、基準値としては、現行の環境基準、WECPNLで70、75となっておりますが、先ほどのLdenとWECPNLの関係の式を用いまして、I類型で57、II類型で62とこういうふうに整理されております。
     それから(5)として、その他の配慮事項、1日当たりの離着陸回数が10回以下の飛行場、これにつきましては、平成2年9月13日付の環境省の通知によりまして、いわゆる環境基準ではなくて指針値としてLdenタイプのものが示されております。今回、環境基準の本則がLdenタイプになるということであれは、あわせて、この小規模飛行場についても統一することが適切であると。それから、現行の環境基準告示の達成期間に記述されているいろんなところにWECPNLが引用されているわけですが、この値についても基準値に準じた取り扱いとすると。それから、背景、実際に実測する段階では背景騒音との区別に特段の配慮が必要ということ、それから、また以下でございますが、既存の飛行場への新評価手法の適用に当たっては、新たな騒音測定機器への切りかえ等のための経過的措置について配慮する必要があるということで、その他の配慮事項を整理しております。
     最後に、結語でございますが、本専門委員会では、各種指標の関係を検討したところ、WECPNLと等価騒音レベルを基本とした手法とは、ほぼ直線関係にあり、現行の基準値との継続性等を考えると、Ldenを採用することが適当であるとの結論を得た。航空機騒音に係る環境基準の評価指標をLdenに切りかえることにより、最新の騒音測定技術の活用、国際的動向への整合、逆転問題の解消、地上音等の寄与を考慮した総暴露量等についてのより正確な評価が可能となると、我が国の航空機騒音に係る環境基準の評価指標は昭和48年以来、長年にわたりWECPNLを採用してきたが、騒音測定技術の進歩に伴い高度な測定が簡易に行われるようになったこと、また、国際的な動向からも取り残されている感が強いことから、早急な評価指標の改正が必要である。
     8ページに行きまして、航空機騒音に対しては、これまでに多くの騒音低減対策がとられてきたが、環境基準が未達成の地域も依然としてあり、今後も引き続き、強力に対策を推進する必要がある。さらに、航空機にとどまることなく、生活環境の中にはさまざまな騒音発生源が存在する、これを契機として騒音を総合的に評価できる指標の検討を進めることも必要である。
     以上、専門委員会報告の詳細補足説明でございます。

    【橘部会長】 それでは、ただいまの専門委員会の報告につきまして、ご質問ございませんでしょうか。

    【山下委員】 うまくまとめていただいたと思うんですが、この時間帯というのにね、いつも不思議に思っていることに、サマータイムを使っている国があるでしょう。あれ、どうやるんだろうか教えていただきたい。

    【内藤大気生活環境室長】 現在サマータイムを使用している国で、どういう運用をしているかというのは、今手元にちょっと資料がないんですが、我が国でも現在サマータイム導入に向けて検討するとこういうことが言われております。もしそのサマータイムが導入される、これは法律をつくらないとできないということだと思いますが、そういうことがあれば、当然その運用方法についても考えていくと、それに即したという部分を考えていくということになろうかと思います。

    【山下委員】 別の法律でやってるわけ。

    【内藤大気生活環境室長】 恐らく、サマータイム担当ではないので、正確なところは承知しておりませんが、サマータイムを実現するということになれば、そのための法律が必要になるかと思います。

    【山下委員】 わかりました。

    【橘部会長】 この時間帯区分につきましては、専門委員会でもいろいろ議論したんですけれども、例えばEU、統一的にLdenを使うということになっていますけれど、国によって随分違うわけですね。スペインなんかですと、夜中12時ごろでもまだ夕方みたいな。ディナーが9時からとか。
     ですから、Ldenを使うことは統一してやろうということですけれども、時間帯の決め方はかなり国によって国に任せるというような、まだ完全なフィックスはしていないです。ただ、日本では先ほど報告書にもありましたように、この手の評価というのは難しいのですけれども、国民の生活実態の平均的な姿を見ると、今までやってきた時間帯区分でそれほど間違いではないだろうということで、時間帯区分も現行の基準と同じにするという一応の結論になったわけでございます。

    【山下委員】 そうですか。ありがとうございました。

    【橘部会長】 いや、私なんかも個人的には全く時間帯区分違いますけれども、平均的にはこういうことであるという。
     他にいかがでしょうか。

    【塩田委員】 現状WECPNLでは、航空機の飛んでいる時間帯の中で真夜中はほとんどなかったわけですね。これから、国際化されていく中で、その段階における基準値については、今後のことだと思うのですが、そこの基準値の考え方は、今後どういう方向で進めようと。例えば、今の段階ですと、LdenはWECPNLの13について類型だけ行っていますから、類型の部分は、この昼間・夕方・夜間は入っています。それで、その中で先ほど言いましたように、現状では深夜便がない、この深夜便が入ってきた段階でこの数字そのものの動きがあるのかどうか。どういう考えですか。

    【末岡委員】 専門委員会の方でお答えいたします。
     評価量そのものが変わることによって深夜飛ばすとかの話は政策にかかわる話でありまして、そのことについて大きな変動があるかというご質問話であります。一部では現在も夜間便が認められておりますが、それ以外では夜間禁止等々をそれぞれの空港で実施されております。そういう政策について大きな変更はないということを前提として議論をいたしました。
     今、塩田さんのおっしゃったような意味で、例えば、夜間増えたときに、その分をどう扱うのかという議論ですけど、これは今後の課題となると思いますけど、夜だけの基準値みたいなことも含めて深夜の扱いについては、そういう事態を踏まえた段階で検討することになります。この評価量というのは、深夜については10倍の重み付けをしているということによって、ある種、深夜に飛ばすことについて抑制効果を与えているわけでが、その体系については、当面は大きくは変わらないと思います。例えば、今の国内空港を見ていますと、ほとんどは沿岸空港もしくは海上空港に変わっていますので、大きく住居に影響するようなところは、少なくなっております。ただし、まだ残っているところも幾つかあり、そういう空港については問題が残っておりますけども、そういうことを踏まえまして、深夜については、今後継続的に検討していく、あるいは今回は政策の大幅な変更はないということを前提に、今回の結論を得たということでございます。

    【内藤大気生活環境室長】 今、末岡専門委員の方からございましたように、現行のこのLdenでもまさに夜間の重み付け、10倍の重み付けをしてその評価するとこういうことを行っております。そういう意味でそもそも深夜運行の抑制効果が含まれた手法とこういうふうに考えているところでございます。

    【橘部会長】 他にご質問は。

    【鳥越委員】 今回のお話について、2月に最初ご説明を受けて、昭和48年以来見直してなかったからというお話で受けたんですけれど、その後、そのあたりのことを興味を持ちましていろいろ調べてみたところ、騒音制御の雑誌の中に、多分現行のものを策定したときの専門委員だった京都大学の山本先生が、2005年最近ですけど、騒音制御にそのころのことを書いていらっしゃる論文というか報告があったので、それをちょっと関係するので興味深く読ませていただいたんです。そうしたところ、まず、環境基準の定義というのが書いてありまして、この環境基準というのはそもそも人の健康を保護し、生活環境を保全するために維持することが望ましい基準であって目標とか指針になると、だから行政上の努力目標値というふうに今考えられがちですけど、そういうことよりももっと本質的なことがあるというようなことが書いてありました。
     そこで、その当時のどうしてWECPNL、数値を決めたのかという話があったんですけど。
    順番に言うと、今日の答申のポイントのWECPNLをLdenに変更するというのがポイントですよね。それについては、本当に専門委員会でご検討いただいて、本当によろしいと思いますが、それ以上のこととして、二、三さっきの論文を読んで思ったこととか、普段のサウンドスケープ調査をしておりまして考えたことがあるので、申し述べたいということです。
     それで戻りますと、当時現行のものが、なぜNNIをWECPNLに換算すると、NNIというその48年のころに考えたものがWECPNL65に相当するということだったということが書いてありました。ただし、当時日本では、航空機のエンジンなどを生産していなくて、いわゆる技術的な限界があるというようなことでWECPNL65ではなくて70が適当であろうと判断されたというふうなことがそこに書いてあったんですね。ということは、本来航空機騒音の影響に関するデータから住民の生活環境を保全しあるいは健康を維持するために望ましい基準ということを設定しなければならなかったのを、むしろ、技術的・社会的要因を加味して高めに設定してしまったというふうにおっしゃっているように読み取れました。
     しかし、その後、三十数年を経て、もう随分民間航空機、航空に関する航空機の低騒音化は非常に進んでいるわけですよね。そのように理解しております。ですから、WECPNLの70というのをLdenに読みかえると57になるというのは、今伺ったとおりなんですけれど、この機会に世界の騒音技術者が力を合わせて達成した航空機の低騒音化の成果というのを盛り込んで、ちょっと中途半端な57というのよりもそれを55と、もう一つの方を60という方が妥当ではないかというふうに思います。せっかく見直しているのですけど、単位だけを読みかえるというのは何だかもったいないというような感じがいたしましたというのが一点。
     それから、二点目なんですけれど、日ごとに変動する暴露を評価するというのは、暴露量の高い評価、上位レベルの方で評価すべきじゃないかということなんですけれど。さっきの伺ったのを理解すると、WECPNLによる航空機騒音の評価というのは年平均値だということですよね。何か年平均値というのは、何か生活実感では余り感覚としては生きてこないという、実際先ほど申しましたように、サウンドスケープ調査を行っていても、私たちの音環境の印象というのは、平均された、それも年で平均された音環境というよりも、むしろ特定の特異な日とか特異な現象に対して影響が来るということなので、ここはちょっと難しいかもしれませんけれど、そういうことを考えて見直すとしたらば、どういう値かということは専門委員の先生の方でご検討いただければいいと思うんですが、ちょっとそういうようなことも配慮できたらいいのではないかというふうに思いました。
     最後なんですけど、3点目というのが、夜間の睡眠を保護するために、騒音レベルの最大値とかを入れるというのはどうかと。2月にいただいた資料の方には、例えば、国際動向のところにオーストリアはLdnとか、デンマークがLA,Smaxとか、LA,SmaxとかLdnを採用している国が少なくないというのがいただいたのに入っていたんですけれど、今日のところはちょっと見落としているのかもしれませんし、何か添付の資料というのがもう一つついていて同じなのかどうかがちょっとよくわからなかったんですけれど、そういうようなことを考えますと、やっぱりLA,SmaxとかLdnというのを入れるというのが国際的な傾向にもなっているので、せっかく三十何年ぶりに見直すということでしたら、そういうことも何かあってもよかったのかしらというふうに思いました。
     ご存じのように、WHOが1999年に発表しました環境騒音ガイドラインというのにもそのあたりのことは明確に示されていますので、何か別途、睡眠妨害を対象とした環境基準をあわせて定める必要があるのではないかというふうに思いました。

    【橘部会長】 専門委員会としてお答え何か事務局の方。

    【末岡委員】 鳥越さんのご質問にお答えします。今回は、評価量の変更ということで専門委員会は検討を行ったわけでありますけど、いろいろな議論をいたしました。
     まず、第1点目の環境基準そのものについての、多少考え方についてもう一回整理をしておきますと、我が国の環境基準は基本的に政府の当面の目標値であります。ですから、例えば10年以内とか、何年以内にこれを達成しましょうという性格の数値という位置づけを持っております。それに向かって政策を進め、それが達成をしましたら、さらなる基準値を設ける、これが環境基準の定義でございます。
     しばしば望ましい基準というふうなお言葉があるのでありますけど、それだけじゃあまり意味をなしていないところがありまして、政府を拘束してあるいは地方公共団体も含めてですけど、それを一生懸命努力いたしましょうと、そういう性格だと言えます。それで、いろいろな議論の中におきまして、環境省さんの方のお話も含めまして、当面、現在未達成の状況だから現行のレベルでやって、まずそれを達成して、その先に次のステップを考えようという考え方で、今回まとまったということでございます。
     2番目の高いレベルというお話であって、ある面、私もそういうご意見には賛成なのですが、政府と目標値という性格を考えますと、航空機というのは、こっち側に飛んだ、あるいはこちら側から飛んだとか、夏・冬によって方向が変わるとか、いろいろな要素があります。それら全体を含めた議論をしておかないと、政策のつくり方でいろいろと問題があるといいますか、難しいところがあります。そういう意味におきましては、政府の目標値という性格から考えますと、ある種の平均操作をしながら政策を進めるという考え方でよろしいのではないかなと思っております。
     ただ、おっしゃるとおり、苦情とか何かを考えますと、例えば、空港によっては、1年間に数日しか飛んでこない地域などもありまして、その問題については別の政策の話として考えざるを得ないなと私どもは考えており、無視しているわけではなく、むしろその辺を今後は考えていかなければと思っております。
     最後に夜間のお話であります。これはパブリック・コメント等でもいろいろとお話があったところで、ご案内のとおり、EUでは、LdenとLdnの二つの指標を使って、総合的に騒音対策を実施しております。これは、EU全体として、データを取りまとめる基準といたしてこれらの評価量を採用したということでありまして、個別の音源に対する評価量等については、現在各国ごとに検討・採用しているという状況であります。
     ところで、そのLdnという考え方なんですけど、橘委員長も同様のお考えと思うのですが、私も含めまして、基本的には昼間の話と夜の話は区分して考え、その昼間ですと、例えば、よくアノイアンスという言葉が使われますが、「音が邪魔だと思うかどうか」というようなことを中心に考えておりまして、夜について「眠れない」ということを対象としております。影響が違うものですから、それぞれについて区分しながら考えていかなきゃいけない課題であるということは、十分に承知しております。
     一般に騒音の評価量を考えるときは、通常四つ議論があります。一つがアノイアンス、二つ目が睡眠影響、三つが会話影響、四つ目が心疾患に対する影響というふうになっていますけど、これは今言った順番にどんどん資料が少ない状況にあります。現時点では、我々がまあ使えるなというのはアノイアンス、騒音の邪魔だ、気になる、そういう社会反応のデータで、これは比較的ある状況でございますので、環境省さんでは引き続いて、夜の睡眠影響については調査検討されていくと承知しております。ご紹介といいますか言い忘れましたけど、先ほどお話がありました騒音制御工学会の副会長を私がやらせていただいておりますが、学会としても、引き続き夜間についての検討を実施していくということになっており、今後の重要な課題ということで、私どもとしても鋭意、調査・研究をしたいと考えております。

    【橘部会長】 関連ですか。

    【湯川委員】 関連ではない、そんな専門的なことではないんですけど、1ページ目の一番最後のところ、我が国ではICAO、国際民間航空機関が提唱している評価方式を基本とするということになりまして、私何度か騒音、私は世田谷に住んでいるんですけども、かなり羽田とかあるいは米軍基地とかの騒音というのは夜間気になることがあります。これは沖縄なんかもよく問題になっているんですけど、こういう国際民間航空機関という評価方式を基本にとるとすると、後の方に自衛隊なんかも出てきますが、多分日本で一番こういう航空機の騒音に悩まされているのは沖縄みたいなところじゃないかなと思うんですけど、そういうところには、こういう基準というのは、何らかの形で適用されていくものなんですか。

    【内藤大気生活環境室長】 環境基準は設定されますと、すべて適用されます。

    【橘部会長】 よろしいですか。鳥越委員の先ほどのご質問、三つポイントがあったと思いますけれども、それに対して末岡専門委員からコメントがありましたけど、それについてよろしいですか。

    【鳥越委員】 特に、先ほど、もともと、35年ですか前に、換算したときにNNI35がWECPNL65に相当するのだと言われていたと。ですが当時の技術的な問題から騒音の低減が困難であるというようなことで、逆に増やしたというふうに理解したんですけれど、であれば、先ほどから技術35年間のいろいろなことをかんがみ国際状況ですとか、あるいは技術的な革新がということが騒音の継続とか評価については強調されていたんですけれど、もう一方で、飛行機自体もかなり当時からは低騒音化されているということもあるのであれば、この際、せっかく、ただ単位をそのまま平行移動して、WECPNLからLdenと、ただ、変えたというだけじゃないことはご説明でわかったんですけど、もう少し何か本質的なところも一緒にね、久しぶりにやるのであれば、2月のときにはそんなにずっと見直されていなかったのかと、ああ、じゃあそれはどんなふうに見直すのかなというふうに楽しみにしていたのですけれど、ちょっと何か単位だけが変わって平行移動して、マイナス13というのは何かそういうことだけじゃなくて、技術が継続技術だけじゃなくてもっと社会動向が随分違っているので、であれば、そういう中途半端な数値ではなく65とか、そういうふうにした方がいいというふうに騒音制御の論文を読んでやはり思ったんです。

    【内藤大気生活環境室長】 ご指摘の点で、技術が進歩というのは確かに、この専門委員会報告にも書いてございますが、航空機単体の技術は確かに進歩しているんですが、一方で、航空需要も予想以上にというか相当伸びていますよね。ですから、言ってみれば、それを総合的に数字で表現されているのが、環境基準の達成率であるというふうに考えておりまして、そういう意味では、現状で70%というのは必ずしも十分な達成率じゃないというところで、まずは、先ほど末岡専門委員からもお話がございましたように、まずは現行の達成率を上げることに第一目標を置くということが重要なのかなと思っております。
     それから、Ldenにしたときに、各国の現行基準との比較もできるのですが、必ずしも大体各国の現行の評価基準と大体の相場の中に入っているということで、必ずしも日本だけ緩くなっているということではないというふうに思っております。

    【橘部会長】 ちょっと補足させていただきますと、かつての環境基準を決めるときにいろいろ議論があったことは私も間接的には聞いておりますけれども、お亡くなりになった五十嵐先生などが中心になってやられたわけで、いろいろ話を聞いていますけれども、ただ、今そのお話に出てきたNNIが35、それに基づいてというお話なんですけど、それも一つの歴史かもしれませんけど、NNI35が絶対的なものであるということは言えないわけですね。今やNNIというのはもう過去のものになってしまっています。それから、いろんな事情がある。それから、環境基準の考え方もこれまたいろんな議論がありますけれども、望ましい基準だから本当に望ましいものにすべきだという。そうすると、行政としては何もできないような環境基準ができてしまう可能性だってあるわけですね。

    【鳥越委員】 現状が正しいかどうかについてはまだ本当にそれでも目標値かもしれませんが、要は技術が途中で、特定の技術だけじゃなくて航空機が低騒音化しているということとかいろいろ考えて、そういう見方もあるのではないかというふうに思ったし、それがパブリック・コメントなどにもあったので、それはそういう意見も反映して考慮をされたかなと。

    【橘部会長】 いや、当然考慮しています。全くその辺を考慮しないでやっているわけではございません。ただ、それを理想論、理想的にじゃあ5dB下げようとかね、そんな飛行機も静かになったんだから5dBぐらい下げてもいいじゃないかなんて簡単なものではないわけです。

    【鳥越委員】 もちろんそうですね。ただ、5もいってると62からちょうどいい、非常に細かい、それでいいのではないですかという意見です。

    【橘部会長】 ただ、現実には、先ほどありましたように、各国基準まだまだ今の値でも達成していないわけですよね。

    【鳥越委員】 全部達成したら次にいくわけでもないですよね。

    【橘部会長】 いや、行くんですよ。

    【鳥越委員】 すべていくまでやらない…。

    【内藤大気生活環境室長】 それは決まっているわけじゃないですけども、通常はやはりこの70とか75%の段階で先に進んでしまうということはないですね、行政としては。

    【鳥越委員】 わかりました。

    【橘部会長】 いや、本当にすごく大事なポイントだと思うんですけれども。

    【小林委員】 今の議論、大変重要な議論ではあると思うんですが、今回、評価指標の検討というのがベースですよね。ですから、環境基準の数値そのもののあり方について同時にやってしまうというのは、ちょっと問題があるかなと私自身思います。
     この資料を見たときに、私自身が思った、W、前の昔のWそのものが70、75と、ある程度丸めた数字であるわけですよね。今回もじゃあ丸めていいんではないかという意見も私は一つあるとは思うんですが、いわゆる評価指標という意味で議論した限り13というのが一つの数字だとすれば、今回は単純に13を引くという形で決めておいて、改めてこの方法でやった場合、各空港の騒音レベルがどうなるか、それによって地元住民の苦情等の差が出るのか出ないのか、その辺はもう少し時間をかけてデータをとった上で、改めて議論をするというのが必要ではないかなと思うんです。やっぱりこれ騒音レベルは音圧からいきますと3違うと倍違うということになるわけですね。近く。そうなっていきますと、安易に1とか2とか変えていいわというわけにはいかないのではないかということから考えますと、やっぱりその辺は少し時間をかけて議論をしていただいた方が。だから、今回の場合は、いわゆる評価指標の改正という意味で答申をして、改めて、その辺は再議論していただくというのがいいんじゃないかな。
     私自身が兵庫県にいるわけですが、兵庫県の場合、伊丹空港と関西空港と神戸空港という三つの空港が近所にあるわけですが、出てくる苦情が全部違うんですよね。伊丹周辺の方の苦情と関空の絡む淡路の苦情と、それから神戸空港の関係するいわゆる神戸市内の苦情は苦情の出し方が全然違ってきていますので、そういう意味からいくと、やっぱりそういうふうなものも評価するような手法というのはこれから検討していかなきゃいけないとは思うんです。そういう意味から、もう少し時間をかけて、その部分は別途検討していただくということがいかがかと思いますが。

    【内藤大気生活環境室長】 騒音の影響論なんですかね。いわゆる環境基準のレベル自体を議論するということになると、影響論をもっと詰めていくということになるわけですが、その睡眠影響とかアノイアンスとかこういうことに関しては、これは専門委員会というか環境省の方で今鋭意データの積み重ねをやっているところでございます。そのデータの集積ができたところで、またその所要の対応をしていくとこういうことになると思います。
     それから、数値を丸めたらということに関しては、騒音の場合は、デシベルでログスケールなので、2とか3とかいっても簡単に他の濃度で端数を議論するのとちょっと重みが違うものですから、そこもご認識いただけたらありがたいなと思います。

    【鳥越委員】 本当にそのとおりだと思うのですけれど、なぜそのようにあえて発言させていただいたかというと、答申の表題が航空機騒音に係る環境基準の改正であって、指標というふうなことではなくて、何か基準といったときには数値も入るかなというふうに思ったんです。たから、一応そこについてのディスカッションがないと、指標だから今回はというそういう位置づけならいいんですけれど、基準というのは指標と数値基準と両方なのではないかというふうに思ったので、全くそこについて私たちが考え、何も今回はWECPNLをLdenなのかという話だけではないのかなともともと思いましたので、それで考えたということです。

    【橘部会長】 これは確かに、その指標が値そのものが適切であるかどうかというのをこれは相当の時間をかけないと。じゃあ全く議論しなかったのか、決してそんなことはありませんで、今までのWでの数値でどの程度の影響が出ているか、これから夜間も決めていかなきゃいけないわけですけれども、夜間のデータは今のところほとんどないという状況で、新たなその数値を決めていくというのは早急にはとてもできない。それから、我々委員という立場ではなくて、学者というか研究者の立場からいっても我々の責任でもあるわけですね、そういうデータを出していないわけですよ。それを行政の方を責めるばっかりではいけないので、我々がそういうベーシックなものを何か発表していないと、影響なんかですね。

    【鳥越委員】 だからこそ、Wが基準となっておりますので、やはりせっかくのディスカッションの場にはそういうことの面から話題にした方がよかったと思いまして、3点申し上げました。

    【橘部会長】 はい、ただ基準が本当の妥当性というのは、確かにここでは検討しておりません。それをやるには、ものすごい時間がかかります。
     他にいかがでしょう。どうぞ。

    【礒野委員】 今の基準をもうちょっと見直した方がよろしいということについては、私も研究していただいた方がいいなというふうに思っているのですけれども、あわせて、これは答申とそれから専門委員会報告との関係なんですけれども、たくさんの訴訟が起きていますよね、訴訟とか。そして結局、損害賠償は一定程度認めてられているけれども、差しとめ等についてはなかなか認められるような余地ではないと。結局、ここで行政的な、環境省が何かできるというだけではない場面なんですけども、結局は行政的な解決をせざるを得ないという状況に今あるような気がするんですね。まさに、先ほどまだ75%しか環境基準を達成していませんよという話じゃないですけども、そういう決して今の環境基準でもたくさんの被害が出ているということを考えますと、この最後のところの専門委員会報告の8のところで、今後も引き続き強力に対策を推進する必要があるという形で専門委員会報告の方で書いてくださっているわけですが、答申、改正についてという方については、なお書きでこういうことについては書けないものなんでしょうかというこういうことです。やはり相当深刻な問題を持っているはずで、ちゃんと認識して環境省としては、ここの委員会としては、審議会としてはやってほしいですよということをやっぱり言う必要があるんじゃないかというふうに私は考えているから。

    【橘部会長】 今のご意見、次の議題にもうかかっていますので、ありがとうございます。次の議題に移らなきゃいけないのですけど、その前にその今の専門委員会の報告について、ほかにご意見がなければ関連しますので、次へ進みたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

    【山下委員】 さっき湯川先生の言われたことで気になっている、いわゆるこれ以下を民間航空に限った話で、今日の話は。

    【橘部会長】 いえ、違います。

    【山下委員】 違いますか。何か読んでいくとね、防衛関係が随所でどこかに、あの辺は話詰まっているのかな。

    【橘部会長】 詰まっています。

    【山下委員】 じゃあ、何も言わないです。感じだけです。自衛隊等のランナップ等についてね、自衛隊等という表現があるんですよ。難しそうね。

    【橘部会長】 ランナップということ自体がそもそも民間航空ではなくて、自衛隊機や米軍機の特異の騒音ですので、そういうことも全部包含して、今回ご検討いただいたということです。

    【山下委員】 だからね、ランナップは羽田なんかでもやっているかな。羽田空港で、要するにエンジンがエージングなんですよね。民間機でもそうです。

    【末岡委員】 ちょっとお答えいたします。そこで、書いている意味は、要するに、自衛隊基地などにおける緊発進、急速に離陸するときの話でして、戦闘機の場合は離陸する前にかなりの秒数なんですけど、パーとふかして、その後、1回とめてブレーキをかけて一気に出力を上げて離陸上昇していくわけです。そういう意味では、民間空港と違いまして、軍用基地の場合については、きわめて高い騒音が1回の離陸で2回出ております。
     ですから、そういうのを含めまして、今後はトータルで騒音を評価しましょういうことでして、そういう意味ではある種の厳しさを加えたとご理解いただいてよろしいと思います。

    【山下委員】 ランナップという言葉については、もう航空用語でエンジンエージングするためには羽田でもやっていることです。

    【末岡委員】 おっしゃるとおり。ただ、議論したのは、ほとんど基地の話であります。

    【山下委員】 基地の話については、今やっているからね。

    【末岡委員】 おっしゃるとおりです。ただ、民間空港の場合、多少エンジンをふかせておりますが、それほど大きく響くわけじゃなくて、むしろリバース音の方がきいているという状況です。いずれにしも飛行機で運行に伴う騒音については、総体としてこの際、評価をしようということで、鳥越先生がいろいろとおっしゃられましたけど、多少レベルアップをさせていただいております。

    【橘部会長】 いずれにせよ、飛行機は飛ぶことに付随して起こる騒音はすべて入れましょうということになっていますので、余り言葉にこだわっても意味はないと思います。

    【山下委員】 役所が出す文書だから非常に神経質に読ませていただいたので、自衛隊機というのからランナップというのは現地から流れているところが書きぶりとしてこれでいいのかなと気になってしょうがない。

    【内藤大気生活環境室長】 その辺も各省の専門家にも見ていただいて一応確認していただいています。

    【山下委員】 すみません。ご検討くださったんですね、了解しておきます。ありがとうございます。

    【橘部会長】 それでは、大事な問題なんですけど、時間もありますので、次の議題に移ってよろしいですか。その前にご質問ですか。

    【伊藤委員】 今、いろんな委員から非常にいいご意見がたくさん出たと思うんですけれど、この専門委員会というのは、基本的にその評価方法を検討するということが主目的で検討されたということはわかるんですが、その1の背景の中にも、今まで低減対策等が行われてきたということが述べられていて、やっぱり一番最後のところはその評価する手法の検討と同時にやっぱり航空機騒音の低減に対してやっぱり努力していくというようなことが、この審議会ではやっぱり一つ必要なんじゃないかなと。そういう言葉が一つないと、やはり一番の前提が環境基準の改正についてですから、みんなこれ期待してしまいますよね。だけど、まだそれが70から75%ぐらいのことであって、しかもこれから伸び、また増加していくという、そういう状況にあることを考えますと、やはりこの低減対策も進めていくというようなことがどうしても必要になってくるんじゃないかなというふうに私は思いました。

    【橘部会長】 それでは、一応専門委員会の報告については、こういうことでございましたということで、それを受けて、我々が今度答申これから議論しなきゃいけない。その中で、まず。

    【伊藤委員】 答申の中で。

    【橘部会長】 また、ご議論いただきたいと思います。
     それでは、次の資料3で事務局の方から説明をお願いします。

    【内藤大気生活環境室長】 お手元の資料3の答申につきましては、短いものですので読み上げさせていただきます。
     航空機騒音に係る環境基準の改正について(答申)(案)。
     平成19年3月1日付諮問第210号により中央環境審議会に出された航空機騒音に係る環境基準の改正について騒音振動部会で検討を行った結果、下記のとおり結論を得たので答申すると。
     記として、航空機騒音に係る環境基準の改正について、別添の騒音評価手法等専門委員会報告を了承する。
     1、環境基準。環境基準は、地域の類型ごとに次表に掲げるとおりとするということで、これは専門委員会報告と同じ数値式が以下書いております。
     裏側になりまして、2、その他。現行の環境基準告示の達成期間等に記述されているWECPNLの値についても、基準値に準じた取り扱いとする。また、1日当たりの離着陸回数が10回以下の飛行場については、平成2年9月13日環大企第342号により技術的助言として小規模飛行場環境保全暫定指針が示されているが、当該指針を航空機騒音に係る環境基準に統一すると、以上でございます。

    【橘部会長】 それで答申には、この別添というのがつきます。

    【内藤大気生活環境室長】 これは記の冒頭に専門委員会報告を了承するということで部会との報告として認めたとこういう形をとっておりますので、別添の専門委員会報告はそのまま添付いたします。

    【橘部会長】 それで、今のご質問というかご意見のあったのは、先ほどの資料も同じですけれども、今の資料3の2、添付されています専門委員会報告の最後のページに、一応対策の話と、それからさらに航空機騒音以外の騒音との総合的な評価についても、簡単ではありますけれども触れております。
     それで、これはこの部会できょうの一つの大きな仕事でございますけども、こういう形での答申でいかがでしょうかということですが、ご意見ございませんでしょうか。

    【山下委員】 特に、異議なし。

    【礒野委員】 この了承するという意味合いがどういうものかよくわからないんですけども、そこでその後に環境基準はこういうようにやりますということで、その他にはこうですよということが入っているわけですが、改めて了解するというのは環境基準をこのような算定式でやるというのは、改めてここのところにこれについては書かないと明確でないというご趣旨だというふうに思うのですが、やはり環境そんななお書きにでも確かに了承する中に最後の二文が入っているのも了承していますよということなんでしょうけれども、しかし、なおはっきり言っていただく方がよろしいのではないかというのが私の趣旨でございます。

    【橘部会長】 これは、こういう行政的な文書、私もよくわかりませんで、ちょっと環境省の方に伺いますけど、そういうものは普通入るんですか、コメント的なものが。

    【内藤大気生活環境室長】 そうですね。通常の答申ですと、本当にコアの部分、ここで言いますと、どういう算式でどういう数字に変えますというところなんですが、もし、そこを強調したいということであれば、専門委員会報告の8ページの上2行ですか、対策に関して部会として答申として言及した方がよろしいということであれば、航空機騒音に対してはこれまでに多くの騒音低減対策がとられてきたが、環境基準が未達成の地域も依然としてあり、今後も引き続き、強力に対策を推進する必要があると、これを答申本文のその他の最後につけ加えるということではいかがでしょうかと。

    【橘部会長】 という修正はいかがでしょう。前の平成10年ですか、道路を絡んでいる騒音に係る環境基準の改正のときにも、専門委員会報告だったと思うんですけど、その中に知見、いろいろその後の知見を集積することが大事であるというようなことが書いてあるんですけど、結構それもいつも生きているんですよね。ですから、本当の答申の本文の中でなくても、それに付随したものというのは結構実際的な効力を、効力というのはおかしいですけど、意味は持つことも事実です。
     ただ、今、事務局から提案がありましたような修正も可能であるということですけども。じゃあ今の修正、もう一回修正を確認した上で。

    【内藤大気生活環境室長】 答申本文の裏のその他のところに一番最後ですね、航空機騒音に対してはこれまでに多くの騒音低減対策がとられてきたが、環境基準が未達成の地域も依然としてあり、今後も引き続き、強力に対策を推進する必要がある、これを追加するということであります。これでよろしいですか。

    【岡部総務課長】 総務課長をしております岡部と申します。大体整理ができそうな感じがしておりますけど、例えば、文言ですので、ここはなお書き的なことの接続詞がいるかどうかとか、一応今の大体のコンセンサスをいただいたということを前提に、事務局と橘先生との間で最終的な文言の確定ということでご一任をいただければなおありがたいなというふうにも思っておりますので、今の大体なコンセンサスが得られたことを前提に確定文言としては、じゃあどうするかということで打ち合わせをさせていただければ、ありがたいとも思っております。

    【橘部会長】 じゃあ細かい言い回し、表現の調整があるかと思います。その辺はお任せいただけますでしょうか。
     それでは、いろいろ議論はあるかと思いますけど、ひとまずこの航空機騒音に係る環境基準の改正に対して議論はこのぐらいにさせていただきたいと思います。
     それでは、ただいまご了承いただいた答申につきましては、中央環境審議会の鈴木会長にご報告の上、答申として公表する運びになります。そういうことでご了解いただきたいと思います。
     続きまして、議題2の騒音規制法の規制対象施設の在り方について、説明を事務局からお願いいたします。

    【内藤大気生活環境室長】 お手元の資料4に基づきまして、時間も押しておりますので、簡単にご説明いたします。
     騒音規制法の規制対象施設の在り方については、平成8年4月25日中環審会長に諮問をされております。お手元の資料の参考資料1を見ていただきますと、平成8年4月25日付で騒音規制法の規制対象となる特定施設の在り方について、貴審議会の意見を求めると、こういう諮問がされているところでございます。
     参考資料を1枚めくっていただきますと、騒音規制法の規制対象施設の在り方について付議ということで、この時点で会長より騒音振動部会で付議をされているところでございます。さらに、1枚めくっていただきますと、騒音規制法の規制対象施設の在り方について、中間答申というのが出されております。この内容2ページと書いてあるところを見ますと、当時切断機を規制対象施設に追加するということになっておりますが、2でボイラー、冷凍機、冷却塔については今回の追加対象とはせず、今後、さらに検討を行う必要があると書かれているところでございます。
     お手元の資料4に戻りまして、これを受けまして、検討が一時中断していたものを再開して切断機、ボイラー、冷凍機こういったものの騒音規制法のこれはいわゆる固定発生源としての騒音発生施設ということになるわけですが、規制対象施設への追加について検討を再開したいとこういうことでございます。
     あわせて、平成16年10月に規制改革民間開放推進3カ年計画においてスクリュー式圧縮機について規制対象施設として妥当かどうか再検討されたいと、これは経団連の方から要望が出ております。これらについて、今回、規制対象施設としての在り方の検討を行いたいとこういうものでございます。審議の進め方につきましては、ボイラー、冷却塔、冷凍機、スクリュー式圧縮機の4施設について騒音振動部会に規制施設専門委員会において今後ご審議いただくとこういうことでございます。
     裏側に、未規制施設専門委員会の委員名簿が出ております。
     以上でございます。

    【橘部会長】 ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問ございませんか。

    【山田委員】 お願いだけしておいていいですか。これをこれから検討されるということですよね。こういう機械、ボイラーとか冷凍機、冷却塔なんかはやっぱり苦情も多いので、ぜひ私としては追加していただいて、そのときに大きさがいろいろ恐らく検討されると思いますけども、最近はいわゆるビルの中の快適ということで、かなりいろんなところにこういうのがいっぱいついてきたので、住宅とかなりくっついてきたという感じがあって、そういう意味で、普通の家庭に対して住んでいる人に対して影響がかなりふえてくるんじゃないかというので、ぜひ大きさも含めてなるべくなら私は小さめのものまで含めてお願いしたいという気持ちがあって、それから、場合によっては、家の中のことも考えながらとお願いしたいと思います。ただ、これ全体の趣旨としては、この機械を含めるかどうかという、どうもさっきの議論じゃないですけど、割と限定された形での議論になる可能性はあると思いますけども、もし可能でしたら、そういう少し広い面でご検討いただければと思いますけども。

    【橘部会長】 ありがとうございました。他にご意見どうぞ。

    【小林委員】 意見じゃないんですけど、質問なんですが、この資料の一番最後になるんですが、スクリュー圧縮機についてというところで、経団連からの要望では外してくれというふうに書いてあって、その後の苦情案件の説明のところでは、圧縮機に関する苦情のほとんどがスクリュー式圧縮機だというふうな結果となっていますが、そういうふうに理解したらいいんでしょうか。

    【内藤大気生活環境室長】 添付しております参考資料につきましては、一応ボイラー、冷凍機、冷却塔、スクリュー式圧縮機の概要ということの資料でございます。経団連の要望もございましたので、苦情の状況等も精査したところ、こういう実態でありますとこういう資料でございます。

    【橘部会長】 末岡委員、何かコメントございませんか。

    【末岡委員】 コメントさせていただきます。最後に書いてありますスクリュー式圧縮機、これらの圧縮機についてはエンクローズした構造になっておりまして、圧縮機に最初からカバーをつけちゃったような製品がこのごろ主流になってきております。すると、カバーの外側で計りますと騒音レベルが低いことから、見ようによっては規制対象から除外せよとの意見もでてきます。なお、現在スクリュー圧縮機は規制がかかっておりますので、スクリュー式圧縮機と前の3品と意味がちょっと違います。それを全般的に、今回専門委員会でご論議いただくということになっております。
    この際、委員長、部会長からご指摘ですので、学会におけるいろいろな調査も既に終わっており、私どもの報告書はもう提出させていただいておりますのでコメントさせていただきます。
    このスクリュー式圧縮機といいましても、完全に全部がエンクローズされたものが出ているわけではないし、他の機械でもエンクローズされ、分厚いカバーがついて発売されているものがあります。その辺で非常に難しい問題、判断が必要になると思っております。
     もう一つ申し上げておきますと、この騒音規制法による特定施設等々の追加というのは、幾つか条件がございまして、基本的には騒音規制法というのがナショナルミニマム的な要素を持っているということから、都道府県が規制をかけていて、かなりの都道府県で規制がかかりますと法律に吸い上げると、そういう構造を持っております。そういう意味合いでは、苦情の件数とかそういう都道府県条例の状況等については、今、小林委員がおっしゃったような意味において要件に合致をしていると思われます。ただし、その後のいろんな状況、10年間の状況がございますので、それを含めまして、今回ご審議をいただくというのが環境省さんの趣旨だというふうに認識しております。資料等はかなり収集してございますので、ご審議いただく中でご判断いただけるものと、考えております。

    【橘部会長】 よろしいですか。じゃあ、他に。 

    【内藤大気生活環境室長】 ご意見ありがとうございました。本件につきましては、既に騒音振動部会に付議されているということで、迅速な審議を専門委員会にお願いすることにします。岩瀬専門委員長ということでおまとめいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

    【橘部会長】 それでは、続きまして、議題3のその他としまして、まず資料5の感覚環境の街作りについて、事務局からご報告をお願いいたします。

    【内藤大気生活環境室長】 お手元の資料5に基づきまして、簡単にご説明いたしたいと思います。お手元にこういう平成18年12月27日、昨年末にまとめた報告書があるかと思います。
     環境省では、私どもの所管しております音でありますとか、ヒートアイランド・光・かおりとこういった観点から街作りを進められないかということで、このお手元の報告を取りまとめたところでございます。
     報告書の方を何枚かめくっていただきますと、目次の直前に委員名簿がございますが、放送大学の鈴木基之先生を委員長としてお願いいたしまして、各分野の専門家にご参画いただいて報告をまとめたところでございます。
     お手元の資料5に戻りますが、背景として、今までの街作りは、高度成長期に現在の東京の市街というのは形成されてきたわけでございますが、第1期の街作りは、やはりオフィスの床面積でございますとか交通容量でございますとか量を中心としたところにターゲットがあったかと思います。その分、質の観点への配慮がやや不足気味であったということで、言ってみれば、この委員会の中で出てきた言葉でございますが、五感喪失の無機的な町の形成になってしまったと。今後は、もう少し五感感覚を生かした質も重視した街作りが必要ではないかということでございます。
     現在、都市再開発というのが東京都内でも各地で行われております。そういう高度成長期に形成された町の更新時期をとらえまして、熱・光・かおり・音といった、味覚だけ一般環境ではないものが抜けておりますが、人間の五感感覚の切り口からの街作りにより良好な生活環境を確保するとこういうことでございます。
     この街作りの報告書の中では、熱環境、光環境、かおり環境といったことが各分野についてその方向性がまとめられておりますが、音に関してかいつまんでご説明いたしますと、音環境この下に図が書いてございますように、例えば、新幹線が供用開始になったときに、1964年周辺は田園地帯が広がっていたわけですが、全く同じ地点が2003年は住居が密集しているとこういう状況が見られます。例えば、言ってみれば、土地利用政策がもう少し何とかならなかったのかなとこういうことがあるわけでございます。例えば、音環境に関しては、こういうことをもう少し改善できないかということで、裏側になりますが、現在の環境を四つに区分をいたしまして、それぞれ今後の課題ということでございますが、それぞれの状況に応じた施策を今後検討していく必要があるのではないかとこういうご提言をいただいているところでございます。
     最初の4区分は、既にかなりの騒音が発生していて、かつ人も住んでいて影響を受けていると、こういうものに関しては、従来型のいわゆる公害対応の騒音対策をきちんとやっていく必要があると。ここについては、本報告では、街作りの報告書では触れておりません。
     街作りの報告書で触れているのは次の段階からで、例えば、音は存在するが、問題レベルの音は存在するがまだ人が住んでいない状態ですね、先ほどの表の写真の1964年のときの写真のような状態のときには、むしろその騒音が発生するところに無計画に町が伸びていかないようなそういうもう少しきちんとした、土地利用上の政策を考えていく必要があるのではないかと。具体的には、例えば経済的手法ということで、何か検討をできるのではないかというようなことが挙げられております。
     それから、次のボックスですが、特に、今度は音の方はまだない騒音はないわけですが、住宅はあると。これは下のアムステルダムにおける交通騒音マップというのを見ていただきますとわかりますが、欧米の都市ですと城郭都市ということもあって、例えば、幹線道路が町の真ん中を通ることはないわけです。音が住居を迂回しているとこういう街作りになっているわけですが、日本の場合も既に良好な住宅地がある場合は騒音が入らないような街作りを町の設計を考えるべきではないかと、こういった観点からのいろいろなツールは何かということを検討すべきとこういうご提言をいただいているところです。
     それから最後に、現況で人が住んでいてかつ非常にいい音環境と、こういうところは積極的に生かして評価していくということもやっていく必要があるのではないかということでございます。
     以上、簡単でございますが、感覚環境の街作りの報告書のご報告でございます。

    【湯川委員】 ちょっとたまたまかねてから気になっていることがここに出ていたので伺いたいのですけど、残したい日本の音風景100選というのに、鳥越先生、山下先生と一緒にかかわってこの100選を残したということがありまして、その後、投書があったりそれから何かで例えばこれを決めたときもナキウサギとかライチョウとか、もう既にちょっと余り音が聞こえないんじゃないかとかいろんなことがあったんですね。そんな中で決めた100選だったものですから、これはその後、あの音は今どうなっているかみたいな再評価というのはなされているのでしょうか。

    【内藤大気生活環境室長】 その後の再評価という作業は残念ながらしておりませんが、今ご指摘もございましたので、その後のフォローアップというのをまたどんなことができるか考えてみたいと思います。

    【湯川委員】 具体的にちょっとクレームを受けたことがあるものですから、再評価をぜひ何らかの形で各地方自治体でやっていただけるといいなと思っております。

    【橘部会長】 あのときにもそういう提案があったけど、確認したらもうそんな音ないようなというのがありましたよね。どうぞ。

    【小澤委員】 恐れ入ります。この報告書を送っていただいたときもちょっと違和感を感じたのが、このやっていること自体はとてもすばらしいことと思っているのですが、漢字についてお伺いしたいのですが、感覚環境の街作りのこの工作の作をつくるということが住民参加の街づくりとか、あえて私ども平仮名で言っているんですね。そのときに、あえて今この時代にこの工作の作を使うのかなということが、ちょっと受け取ったときに、「づくり」と平仮名にした方がよかったかなとか、そういうことを本当に感想ですけれども、感想だけを申し述べておきます。ありがとうございます。

    【橘部会長】 お答えできますか。

    【内藤大気生活環境室長】 承っておきます。

    【桑野委員】 今初めて拝見いたしまして、大変いい考え方で人が感じるところからいろいろ考えていただいているということで大変うれしく思いました。そして、今度これを何か実現させていく具体的なプランというのはお考えなんでしょうか、その辺がもしございましたらお聞かせいただきたいと思います。

    【内藤大気生活環境室長】 音環境に関しては例えば、騒音のあるところに、例えば、住宅が侵入しないような経済的手法について、これから例えば少しワーキンググループなどをつくって勉強を深めていきたいとこういうことを考えております。他の分野については、例えば、モデル事業のようなものを計画して積極的によい環境をつくっていくということに手を染めていけないかとこういうことを検討しております。

    【鳥越委員】 先ほど小澤先生の方から街作りの作というのが気になるということがありましたので、それにも関連して、国土交通省の方でも街作りというのを街の方も平仮名で「まちづくり」というふうにしたときにもっと内発的なものも含めたものとしてもう明確に街路の「街」から町名の「町」からさらに平仮名というのが大きな位置づけられたものなので、恐らくこの話というのは、街作りは郷土に対する親和性とかいろいろなことも含めたものなので、「街」も平仮名にした方がいいというのが一つと、また、さらにそういうふうに考えると、何か全体のこのトーンが一つだけシンボリックなので言うと、今、湯川委員からもコメントのあった、残したい日本の音風景100選もよい音が聞こえる環境の街作りと書いてあるんですが、これだとこういう意味ではなくて、音が環境指標として明確に位置づけられている地域がここだというようなね、そういうことだったと思うんです。だから、何となくよい音が聞こえるというのは、結果としてはそうなのかもしれいけれど、せめて事業の主体者であった、そのときまで環境庁でしたけれど環境省でということだと、もう少しこの事業の意味をもう一度再確認することも含めて、さっき再評価、ついまた調査というような話もありましたので、この辺がよい音をばら巻くとかそういうことではないので。例えば、わかりやすい例を一つ言うと、つい最近日本学術会議の環境部会、環境学委員会に入っておりまして、そこでの委員とのオフィシャルではなかったのですが、具体的には東大の鬼頭 秀一先生とお話ししていたときに、ある地域で田んぼをもう一回復活したと、それで半分住宅地にもなっていたんだけど、もともと田んぼがあったので、それでそこでいい環境にしようということで、田んぼをもう一度復活してつくって、それで非常にいいんじゃないかというふうに、最初みんなで思っていたら、カエルの季節になってカエルが鳴き出したら、新しい住民の方の人は田んぼからまさかこのカエルがね、こんなにうるさく聞こえるとは思わないでうるさいと、それがまた騒音になったと、そういうようなことはこの環境教育が今目指しているところから見れば、田んぼというものを五感で意識していないからなんですね。それは、騒音が出たんじゃなくてその環境評価が一方にかたよっていたと。非常にビジュアル中心のさっきおっしゃっていたね、見た目だけであったから認識としてその辺が足りない。本来、田んぼというものをじゃあ音だけなくせばいいとかそういうことではなく、それはクレームかもしれないけれど、環境に対するそういうまさに五感でちゃんと理解をしていくというあたりの指標になる話なわけですね。ですから、そういうような意味で、この残したい日本の音風景というのも活かす部分があるので、ちょっとその辺のところも含めて、これがやったこともとてもいいですし、ここに取り上げられたこともとてもありがたい、よかったと思っていますけども、いろいろとさらにその辺のよりよい位置づけをしていくべきかなというふうに感じました。

    【橘部会長】 他にご意見いかがでしょう。どうぞ。

    【礒野委員】 これがもし政策化される一つの手立てだということであれば、1点だけちょっと注意をしていただきたいなという気がしたのは、騒音とのすみ分けに配慮した街作りというところですけれど、今、別に言葉尻をつかまえるわけではないのですけれも、例えば、幹線道路のあたりにずっと商業と住宅兼用の建物なんか建っていますよね。そうすると幹線道路のあたりというのは、やっぱり住宅を全部排して全部オフィスにするというようで、ある程度もうしょうがないから騒音はそのままにしましょうねみたいなことになるとまずいので、その当たりのところは、やはり最低の騒音の環境基準をきちんと遵守した上でいろんなことができるようにするというね、音についてのやはり基本的には音を減らすということが総合的にあった上で、なおかつ、例えば、工業地域の中ではなるべくそこに住宅をつくらないようにしましょうねみたいな形でないと、変に利用するといやだということでちょっと一言だけ申し上げておきたかったという。

    【内藤大気生活環境室長】 ありがとうございました。今の点について、まさにご指摘のとおりでございます。騒音をまず出さないということが基本だと思いますが、一方で、欧米等の例えば道路、沿道を見ると、かなり道路敷地の幅が広くて、言ってみれば住宅地が近寄れないようになっているようなケースが多いわけですね。そういう日本の場合は地価も高いしとてもそこまではできないでしょうが、日本の場合も何かそういう何らかの何ていうんですか、一種のすみ分けですよね、これもそういうことも考えてもいいのではないかという、あわせて検討する必要があるんじゃないかとこういう趣旨でございます。

    【橘部会長】 この検討会に私も参加していたのですけども、今の点に関しては、やはり今事務局からお話がありましたように、欧米ではもう騒音、アウトバーンとかそういう周りにやみくもにこの写真にあるような状況にはならないような法律・制度ができていると、日本ではそれがないわけですね。この写真のようになってしまうとこれは住宅地に指定されてしまう。そうすると、非常にもう矛盾だらけの都市計画になってしまっているという、これをどうすればいいかとなかなか難しいと思いますけれども…。

    【礒野委員】 だから、先生のおっしゃることはよくわかるんですけど、特に都市の内部でもってそれが実質的に不可能なのにという部分をどうするかということです。特に、都市再生とのかかわりをおっしゃったものですから、ちょっと気になったので、申しわけありません。

    【橘部会長】 他にご意見、どうぞ。

    【山田委員】 じゃあ、これについて私のお願いですけど、お願いというか、これ音環境という言葉で来ているのでこれはこれでいいのかもしれないですが、実際に私が苦情の人に会っていると非常に厳しい状況、いわゆる道路から来る音というのは、そんなに厳しい話にならないんだけど、人間対人間というか、都市の中での住宅間の苦情というのはすごい厳しい状況で私たち話を聞いているので、そのときに都市づくりか都市計画がもう少しうまくいっていれば、そういういわゆる家から家というか、お互いに住んでいる人同士の近隣的な騒音の問題もそんなに大ごとにならないんじゃないかなという、日本の場合、住宅が自由競争で建っているので、結果として町がばらばらになってしまっている。そうすると、住宅間もお互いに好きなようにつくればいいねという形でエアコンその他が北側についてしまって、結局人間関係をこじらしてしまう。人間関係をこじらしてしまうと非常にもう人間生活を破壊してしまうので、これは一般に音環境という言葉ですけども、そういう中で都市計画がうまくいけば、そういう問題も減っていくかなという気持ちがあるんですよ。もう少し都市環境、音環境という言葉の中身として、そういう人間関係を含めた近隣騒音的なものも配慮できるような都市計画であればいいかなという、いわゆる住宅団地みたいなところになると比較的状況がそろっているので、割とそういう問題が起きにくいんですけども、都会では非常に起きやすいので、そこまで含めた都市環境というかそういうものになればいいなというお願いですけども。

    【橘部会長】 この問題だけでも相当議論があると思いますけれど、きょうはこういう委員会でこういう報告がまとめられたということで、それに対して若干のご意見をいただいたということにしたいと思います。これをやり出すと幾らでも時間がかかると思います。それでよろしいでしょうか。
     それでは、次の議題、資料6の平成17年度自動車交通騒音の状況についてということで、事務局からお願いいたします。

    【金丸自動車課長】 それでは、資料6の平成17年度自動車交通騒音の状況についてご説明いたします。
     環境省では、毎年全国の自動車交通騒音の状況について取りまとめまして公表をいたしております。本日は、ことしの3月に公表いたしました、平成17年度の自動車交通騒音の状況についてご報告させていただきます。
     ちょっと1枚めくっていただきまして、1、自動車騒音常時監視の実施状況について、(1)施行状況でございます。まず、真ん中の図の1の地方公共団体の推移、自動車騒音常時監視を実施する地方公共団体数の推移をごらんください。
     自動車騒音の常時監視を実施する地方公共団体は、一番左側の平成12年では96ございましたが、新たな中核都市、特例市の誕生に伴いまして、平成17年度には172の1番右側の172の地方公共団体において実施をされております。そのうち、165の地方公共団体において環境基準の達成状況の評価がされております。残りの7団体につきましては、騒音の測定のみ実施しているというところでございます。
     続きまして、その次のページ2ページ、(2)評価の対象とされた道路・住居等の状況でございます。その下の図の2をごらんください。
     平成17年度は、道路延長で1万3,985キロメートル、住居等戸数で言いますと291万4,000戸の評価が実施されております。評価の対象とされました道路・住居等の数は年々増加しているところでございます。
     道路の種類別の評価延長につきましては、その下の表の3にございます。都道府県道が6,783キロメートル、一般国道が5,461キロメートルというところでございます。なお、評価の対象としております住居等は道路端の両側から50メートルの範囲の住居とされております。
     次に、3ページをごらんください。環境基準の達成状況でございます。その図の3をごらんください。評価の対象とされました全国291万4,000戸のうち、上の棒でございますが、昼夜とも環境基準を達成している割合は84.4%でございます。そのうち、幹線交通を担う道路に近接している空間におきましては、その下でございますが、昼夜とも環境基準を達成している割合は74.4%となっております。
     道路種類別の達成状況を見てみますと、その下の図の4でございますが、上から3番目の一般国道におきまして、昼夜とも環境基準を達成している割合が77.7%、最も低い結果となっております。
     それから、その次のページ、図の5でございます。幹線交通を担う道路に近接する空間における結果におきましても、一般国道については、昼夜とも環境基準を達成している割合が64.5%と最も低い結果になっております。
     その次のページ、5ページをお開きください。(3)の複合断面道路の状況でございます。複合断面の道路と申しますのは、二層構造あるいは併設構造になっております道路構造を持ったものでございまして、それに着目して結果を見てみますと、その下の図の7のとおり、昼夜とも環境基準を達成している割合が72.2%となっておりまして、そのうち、幹線交通を担う道路に近接している空間につきましては、その下の49.2%ということで、先ほどの図の3で示しました道路全体の結果と比較いたしますと、達成状況はかなり低いという状況でございます。
     その下の(4)経年変化の状況でございます。平成12年度以降の環境基準の達成状況の経年変化がこの図の8に記載してございますが、各年で評価している住居等が必ずしも同じでないということで注意をしますけれども、近年比較しますと穏やかではございますが改善の傾向が見られるということでございます。
     次に、6ページ、騒音測定の地点における状況でございます。幹線交通を担う道路に近接する空間における夜間の騒音の測定を行った結果でございます。その下の図の9でございますが、これは道路端の騒音の測定の結果を夜間の環境基準値であります65dBと比較した結果でございます。ですから、個別の住居等で評価しております環境基準の達成状況とは異なりますので、あくまでもご参考ということでございますが、例えば、上から4番目、一般国道におきましては、1,744の測定地点のうちの約6割の1,031地点において基準値を超えているという結果になっております。さらに、そのうちの374地点においては6dB以上基準値を超えているという結果でございます。
     以上のような結果でございまして、この内容につきましては、表紙の下の方に記載しております国立環境研究所が運営しておりますインターネットサイト、全国自動車交通騒音マップにも掲載されております。そちらの方も参照していただければと存じます。
     以上でございます。

    【橘部会長】 はい、ただいまの報告に対しまして、ご意見、質問どちらでも結構ですけれども、いかがでしょうか。
     これは昔の環境基準の場合と評価が随分考え方が違っていまして、今のは面的評価、かなり広がりをもって評価しようということになっていますので、この状況でもかなり達成率は十分ではないわけですけれども、昔に比べると何か見た目は達成率がよくなっているように見えていますけれども、これは評価の仕方が変わっているということです。
     よろしいですか、こういうご報告であったということで。
     それでは、ありがとうございました。
     それでは、これで本日予定の議題は終了いたしましたので、第5回の騒音振動部会を閉会いたします。
     どうもありがとうございました。