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中央環境審議会大気環境部会
 自動車排出ガス総合対策小委員会(第9回)
議事録


1.日時

平成18年4月10日(月)10:00~12:10

2.場所

環境省第1会議室

3.出席者
(委員長) 大聖 泰弘
(委員長代理) 坂本 和彦
(委員) 石田 東生 太田 勝敏 尾島 俊夫
鹿島 茂 河野 通方 猿田 勝美
杉山 雅洋 中田 信哉 横山 長之
(環境省) 竹本水・大気環境局長
森谷総務課長
徳永環境管理技術室長
松本大気環境課課長補佐
岡部自動車環境対策課長
金子自動車環境対策課課長補佐
山本自動車環境対策課課長補佐
中村自動車環境対策課課長補佐
(東京都) 山内環境局自動車公害対策部計画課長
小原環境局自動車公害対策部副参事
(独立行政法人環境再生保全機構)
細野予防事業部長
鈴木予防事業部事業課主任
4.議題
(1)局地汚染対策について

(2)その他

5.配付資料
資料1 自動車排出ガス総合対策小委員会委員名簿
資料2 中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス総合対策小委員会(第8回)議事要旨(案)
資料3 中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス総合対策小委員会第8回議事録案(委員限り)
資料4 平成16年度自排局大気汚染濃度の分布
資料5 環境基準非達成局の状況
資料6 局地汚染対策に資すると考えられる対策メニュー
資料7 東京都の局地汚染対策
資料8 「局地汚染地域における各種自動車排出ガス抑制対策の評価手法等に関する調査」について
資料9 局地汚染対策に係る検討項目案
6.議事

【岡部課長】 皆さん、おはようございます。大変お待たせいたしました。まだ、お見えでない先生がいらっしゃいますけれども、定刻となりましたので、ただいまから第9回の自動車排出ガス総合対策小委員会を開催させていただきます。
 皆様方におかれましては、会議室の都合上、多少手狭になってございますが、どうかご容赦をいただきたいと思います。
 まず最初に、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと思います。若干、表裏印刷を導入しておりますので、ご注意願います。
 資料1として、委員の先生方の名簿。資料2が小委員会(第8回)の議事要旨(案)。資料3が第8回の議事録案(委員限り)。資料4、平成16年度自排局大気汚染濃度の分布。資料5、環境基準非達成局の状況。資料6、局地汚染対策に資すると考えられる対策メニュー。資料7、東京都の局地汚染対策。資料8、「局地汚染地域における各種自動車排出ガス抑制対策の評価手法等に関する調査」について。資料9、局地汚染対策に係る検討項目案。以上でございます。
 本日の会議資料に加えまして、昨年12月16日に小委員会報告をいたしました第20回中環審大気環境部会の議事録を、委員限りということでお配りさせていただいてございます。ここで自動車排出ガス総合対策小委員会の中間報告に関する部分のみを抜粋しておりますので、ご参考にしていただきたいと思います。内容につきましては、前回の委員会で事務局からご報告しました内容どおりでございます。
 また、委員の皆様方には本委員会で毎回ご参照いただく資料集、中間報告をお配りしております。事務局にて管理いたしますので、置いてお帰りいただいても結構でございます。また、前回、第8回の配付資料もお手元にファイルをしておりますので、参考用にお使いいただき、事務局にて管理させていただくようにいたします。
 資料の不足につきましては、何なりと事務局までお申しつけていただければ幸いでございます。
 また、この3月に中央環境審議会の運営方針についての内部規則が改定されまして、やはり中環審でございますので、環境へ十分配慮するようにということが明記されております。これで中央環境審議会及びその関連する部会なり専門委員会などにおきましても、環境への配慮を運営方針として規定するということで、その取り組みの一環として配付する紙の枚数を減らすよう努めてまいりたいと思っております。試行錯誤の連続でございますのですが、ほかの小委員会なりとの並びでやっていきたいと思っています。
 また、傍聴にいらっしゃった方々への配布資料、それから事務局の資料ということにつきましては、縮小なり両面という形で少し見にくい部分はあるかもしれませんが、ご理解をよろしくお願いしたいと思います。
 冒頭のカメラ撮り等につきましては、ここまでとさせていただきます。
 それでは、これ以降の議事進行を大聖委員長によろしくお願い申し上げます。

【大聖委員長】 はい。皆さん、おはようございます。年度の初めでお忙しいかと存じますが、お越しいただきましてありがとうございます。
 初めに、ちょっとお断り申し上げておきますけれども、私、ちょっと別の会合がございまして、11時15分ぐらいに失礼させていただきます。その後、坂本委員長代理にお願いしてございますので、先生の方、よろしくお願いいたします。
 前回の、それでは、小委員会の議事要旨について事務局よりご説明ください。

【金子課長補佐】 では、私の方からご説明させていただきます。
 資料1の裏面に資料2の方をつけさせていただいております。第8回小委員会の議事要旨の案でございます。
 日時は、平成18年3月8日です。場所は、虎ノ門パストラル。
 議題は、大気環境部会における指摘事項について、今後の自動車排気ガス総合対策中間報告に対するパブリックコメントの実施結果について、今後の自動車使用管理計画について、今後のスケジュールについて、その他でございます。
 議事で、会議は公開で行われた。議題(1)について、資料2を用いて事務局より説明を行い、質疑応答が行われた。(2)について、3を用いて事務局より説明を行い、質疑応答が行われた。議題(3)について、資料4を用いて事務局より説明を行い、質疑応答が行われた。議題(4)について、資料5を用いて事務局より説明を行った。議題(5)について、資料6を用いて事務局より説明を行い、質疑応答が行われた。
 以上でございます。
 こちらでよろしければ、速やかにホームページに掲載いたします。また、第8回の議事録案を委員限りで資料3としてお配りさせていただいておりますので、ご確認いただきましてご指摘等ございましたら、4月13日をめどに事務局あてにご連絡いただきたいと存じます。ご確認後、完成次第公開させていただきます。
 以上です。

【大聖委員長】 ありがとうございました。議事要旨に関して何かご異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

【大聖委員長】 それでは、異議なしということで進めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、早々ですが、議事に入りたいと思います。本日は局地汚染対策について議論していただきますが、今回と次回の10回の2回で議論させていただく予定です。本日は、局地汚染の状況とその対策の現状ということで2件お話を伺いたいと思っております。1件は、東京都の取り組みについてご紹介いただきます。山内計画課長さんの方からお願いしたいと思います。それから2件目は、環境再生保全機構が開発しました局地汚染濃度シミュレーションソフトについてご紹介いただきます。これは、細野予防事業部長の方からお願いしたいと思います。
 お二人にはご出席いただきまして、ありがとうございました。後ほど、よろしくお願い致します。
 それでは、局地汚染の条件について資料4並びに資料5に沿ってご説明を願いします。

【岡部課長】 それでは、ご説明に入らせていただきますが、その前に一言、私どもの水・大気環境局長の竹本、出席を予定しておりますが、少し国会の情勢と思われますが、少し遅れております。また、途中で国際会議の予定もありますのでフル出席できませんが、ご容赦いただきたいと思います。
 それでは、資料4、それから資料5につきましてご説明を申し上げます。まず、お手元の資料4、これは資料4-1、資料4-2で表裏になっているかと思いますが、これは関東地方の地図にプロットしているものでございます。16年度の自動車排出局のNO2濃度につきまして、特に状況が深刻である首都圏についてのイメージということですけれども、右側の四角にありますように、まず4-1についてはNO2についてその日の平均値の年間98%について0.08ppm以上、それから0.07から0.08まで、0.06から0.07、それから0.06未満の4段階に区分をしまして、地図上にプロットをしたものでございます。
 それからその裏4-2が、SPMの濃度ということになっておりまして、16年度の自排局の測定結果をベースに、日平均値年間2%除外値につきまして0.11mg/m3以上、それから0.10から0.11まで、0.10未満で環境基準非達成、それから、0.10未満でかつ環境基準達成ということでカテゴライズをいたしまして地図上にプロットしたものでございます。主要道路が、少し見にくいかもしれませんけど線状に書かれていますので、それとの関係で概ねどういう傾向かということを読み取っていただければと思っております。
 それから、資料5は8都府県の自排局につきまして、16年度の環境基準非達成局の状況を書いたものでございます。
 この資料5-1は、都道府県としてはいわゆるNOx・PM法の対策地域であるところの8都府県に限っておりますが、全体で45カ所、測定局名はご覧のとおりですが、平成16年度の環境基準の達成状況ということで、NO2のいわゆる98%値が悪い順に並べております。それに対応しましてその浮遊粒子状物質はどのような測定値でその順位はどうであるかと、前年であるところの平成15年度はその二酸化窒素、浮遊粒子物質がそれぞれどういう測定値で順位がどうであったかと。それから、その交通量につきまして11年度道路交通センサスの結果でありますが、12時間当たりの台数、車線数、交通量合計につきまして同じく台数、その順位というようなことを書いております。それから、旅行速度につきまして、これは時間当たりの時速で、これはやはり遅い順から順位を付しております。その次、大型車の混入率、旅行速度、大型混入率ともにやはり11年度、国交省の道路交通センサスデータからいただいておるものでございますが、大型車混入率のパーセントとその高い順に順位を付してございます。それから、年平均風速につきましては判明しているところと、してないところというのがあるのですけれども、秒速何メートルかということがわかるところについて記載をいたしております。土地利用につきましては、その周辺の状況につきまして、住宅地域であるか、準工業地であるか等々の区別を少し記載させていただいております。
 資料5-2になりますとこれは二酸化窒素ではなくて、SPMが状況が悪い順に並べております。個別のデータにつきましては、5-1と同様であります。
 次の資料5-3につきましては、これは交通量、12時間当たりの台数が多い順に並べております。
 資料5-4、これはその次の欄である旅行速度が遅い順、一番上の例えば日光街道梅島ですと、これは時速7.7キロとこういう数字になりますが、そういうような順に並べています。
 資料5-5、これは大型車の混入率が高いもの、一番高いものが千葉県船橋日の出の40.4%というところになりますが、そういった混入率が高い順に並べております。
 それから資料5-6、これは少し経年的な状況を見るために、16年度についてはこのNOxのワースト順ということを基準に並べておりますが、それに対応して15年度、14年度、13年度、12年度を比較するとどういうふうに並んでいるかということを見ていただいているものでございます。
 それから、資料5-7というのが別綴じになっておりますが、個別の測定局の周辺の状況を地図上で表しているものであります。一番最初に説明いたしました環七通り松原橋から始めてどのような状況であるかということです。最初の松原橋のものを例として見ていただきますと、赤で縦に引いていますものが、国道1号線になるわけでございます。それから、それに対して緑で交差しているのが環状七号線で、この真ん中にある黒丸のところが自排局の位置を示すものでございます。東西南北につきましては、左上に示すとおりでございます。あと、その個別の条件につきましては、また必要に応じて参照いただければよろしいかと思っております。
 大体、主要な状況ということでは以上のとおりでございます。そこで、議論に入ります前に一度、ご想起いただきたいことを申し上げますと、ちょうど12月の中間報告、皆様方のお手元に冊子版をお渡ししているかと思いますが、そこの12月の中間報告の20ページに局地汚染対策について中間報告前にご議論いただいたものを一応の取りまとめをしております。ここで局地汚染対策の内容としては将来濃度予測の調査研究、交通量の円滑化、交通量の抑制、道路構造対策、トンネル部への浄化装置、沿道対策、交差点対策などがあるが、高濃度が見られる時間帯、地形等の個別の場所に、状況に応じて関係機関の間で施策目標、事業内容を選択し、連携を取り対策効果を発現していく枠組みを構築することが適当であるということ。それからまた、街区や建築物の形状等が大気環境の質に影響を与えることを認識し、中長期的に都市環境対策を進めることが重要と。特に局地汚染対策が必要な地区を目的地または通過地とする交通量対策と、大気汚染を容易にするように周辺土地利用を誘導していく方策、新たな土地利用や施設整備を行おうとする際に大気環境を含めた影響の事前確認を行う仕組み等についても地域の実情に応じた対策として考慮すべきである等々の記述をしております。
 こういうことを念頭に置きつつ、個別の局地汚染の状況をどういうふうにとらえるかということで、十分分析なりあるいは累型化、カテゴライズして対策を論じるということが本来必要ですが、まだそこまで事務局の作業が進めておりません。少し生に近い話として、とりあえず議論の材料としてお届けを申し上げておる次第でございます。
 以上です。

【大聖委員長】 ありがとうございました。それでは、ご意見なりご質問があれば、お伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

(なし)

【大聖委員長】 それでは、また後でちょうだいしても結構ですので、次に移らせていただきます。局地汚染対策の現状についてということで、これも事務局の方からお願いしたいと思います。

【岡部課長】 それでは、お配りしています資料6をご参照いただきたいと思います。資料6、タイトルといたしまして「局地汚染対策に資すると考えられる対策メニュー」としまして、都市大気環境改善方策検討調査報告書(17年10月環境省)をもとに作成したもので、そのタイトルを付させていただいてございます。
 これにつきましては、大きなカテゴリーとしましてまず単体からの排出量を低減するための対策。それから2番目に、大気中の汚染物質を除去する対策と。3番目の交通量の集中化を回避する対策と。4番目、自動車の流れを制御する対策と。5番目、風の流れを利用して汚染物質の拡散を促す対策ということで、実はこの中に既に実施に移されているものとまだ実施に移されていないものというのが厳密にはあろうかと思います。また、いわゆる一番右側の対象領域として、事務局の勝手な見込みでつけさせていただいていますが、まさにその対策としてとれる場所がそこの特定の場所にピンポイントで講じようとする局所的なものであるのか、あるいは対策がある程度広域的なところを見て、それが局地に対する効果をもたらすことを期待してのものであるか、すなわち端的に局地的なものとそれから広域的なものと、また、その両方が考えられるようなものとを事務局の方でかなり大まかな分類したものでございますので、このような問題のとらえ方がいいかどうかということも含めてご指摘をいただきたいと思っております。
 なお、既に中間報告をまとめる段においても、幾つかこういった類似の資料を出させていただいてはおりますので、また必要に応じてご議論をする際にご想起をいただければと思っております。
 とりあえず説明としては、以上です。

【大聖委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明に関して、何かご質問なりご意見ございませんでしょうか。
 議事がとんとん拍子にいっておりますけども、後でまたご質問いただいても結構です。それでは冒頭にご紹介いたしましたように、本日は東京都の局地汚染の状況についてご説明いただくということで、東京都の環境局にお越しいただいております。山内計画課長さんの方からご説明をお願いいたします。

【東京都環境局・山内課長】 東京都の環境局の自動車公害対策部計画課長の山内といいます。今日は、山内と、それから自動車公害対策部副参事の小原と二人でご説明に伺いました。座って説明させていただきます。お手元の資料の7に基づいて東京都内の局地汚染対策についてご説明したいと思います。
 東京都におきましては、平成11年に大和町とか松原橋とか、それからあとは大坂橋とか、かなり局地汚染が厳しいと見られる交差点がございましたので、そういった交差点に共通して対策を打っていく必要があるということで、平成11年に局地汚染改善対策連絡会、これは道路管理者とか警視庁、そういった方と、あと地元の区ですね、と一緒になって連絡会をつくって年に何回か会合を開きながらその対策について検討また取り組みを進めてきているところです。
 それで、お手元にお示ししたのがまず対策事例ということで(1)から(4)ということになりますが、実際に行われているものとして土壌を用いた大気浄化モデル施設の稼働、これは国交省と東京都の建設局、道路管理者の方で中心にやっているものなんですが、そちらで土壌や土壌中の微生物の働き等を活用した形でNOxを分解するということで、そういった大気浄化施設の運転を行っております。そこの効果のところにあるのは、排ガスをそこで吸い込んでその中でどれだけその物質が除去できたかという数字をお示ししたものです。これが周辺環境にどれだけ効果を及ぼすかということですが、かなり難しい面がございまして、汚染物質の除去には成功しています。ただし、そういった周辺環境を改善するところまでにはなかなか至っていないということで、平成17年なんですが、松原橋の大気浄化実験の結果報告ということで、ここに国土交通省の方からの発表もありますが、そういった汚染物質の除去は当然行っているわけですが、実験施設によって沿道大気環境の改善については運転時と停止時と明確な差は確認できなかったということが発表されております。
 それから、(2)としまして環境対応型交通管制モデル事業ということで、これは信号制御によって主にその排ガスの排出を少し抑えていこうという対策でございまして、これ大田区の方で行われているものですが、こちらについても一定のその排出量削減の効果は認められているところですけれども、なかなか周辺環境の改善までには至っていないかと思います。
 それから3番目としまして、これ大気浄化システム付きシェルターの設置ということで、立体交差する道路の1つをシェルターで覆い、他の道路からの影響を軽減するということで対策を行っているものでして、環状八号線の工事に伴いまして相生町交差点で実施しているところです。これについてはまだ効果の分析等はまだ十分行われていないですが、そういった取り組みがございます。
 4点目としまして、その他ということで、東京都で行っておりますスムーズ東京21-拡大作戦-ということで交差点の改良で渋滞を解消していく。それから、高活性化炭素繊維を用いた沿道排ガス削減技術の導入実験ということで、こちらにつきましては、高活性化炭素繊維が一酸化窒素とか二酸化窒素の除去効果があるということなので、そういったものについて今後沿道環境の対策に活用できないかということで、東京都で平成18年度から、これは首都高のご協力をいただきながら実験をしていく予定になっております。それと、オープンスペースの確保ということで大和町交差点の方で、これは国土交通省、建設局の方で、あと首都高の方で一緒になって取り組みがされているところでございます。
 なお、これにつきましては、本当ですともうこの効果についてのプレス発表が行われていたと思うんですが、ちょっとそのプレス発表資料について取りまとめが若干遅れておりまして、それを本当はお示しできればよかったんですが、それがちょっとかなわないんですが、プレス発表前ということですけど、効果の対策検討委員会のメンバーとして私ども東京都も加わっておりまして、その中で聞いているお話について若干ご説明したいと思っております。
 これについては、先日の総務省の政策評価の中でも特にオープンスペースの確保ということで局地汚染対策の取り組みを進める必要があるということでご指摘がなされているところですが、こちらについて先ほど事務局の方からお配りしていただいたこちらの図を使わせていただきますと、中山道大和町ですが、自排局が黒丸のところにありまして、ちょうど北西側ですね、交差点の北西側のここのビルを撤去してオープンスペースを確保し、特に冬の北西の季節風が入るような形で対策をとったところです。これについてですが、交差点の中で測定を行っているところですが、交差点近辺の測定点においてはNOxとかNO2の濃度がその対策後、一定の低減効果が認められているところです。ちなみにNOxにつきましては、この交差点内で測定した値というのが大和町……。

【大聖委員長】 4ページになります。

【東京都環境局・山内課長】 そうですね。大和町の測定局、自排局の値よりかなり高かったのですが、平成16年10月にその対策をとりましたところ、ほぼ同程度に若干下がっております。それからNO2につきましては、大和町のその自動車排出測定局の排出ガス測定局よりやや高かったものが、これはやや下回る程度に、二酸化窒素につきましては下がってきている。しかしながら、その効果ですけど、一定のピークカットの拡散効果は確認されたものの環境基準を大和町の測定局等において、環境基準を達成できるレベルまでの効果は二酸化窒素に関して言えば確認されておりません。一方、SPMについてなんですけれども、先ほど環境省の方からご説明あった資料をごらんになっていただければと思うのですが、オープンスペースの対策が平成16年10月に対策がとられたわけですが、その対策以前に、15年は環境基準達成できてなかったんですが、もう16年度には環境基準の達成に至っている状況にあります。そうしたことで、この対策の評価ということでちょっと下にまとめさせていただきました。
 これは主にそういうオープンスペースの確保等をちょっと意識しながらこの資料はまとめさせていただいたのですが、いずれの対策、これは大気浄化施設とかそういった実験施設につきましても高濃度地域における濃度を落とす、そういう効果は当然あると思います。ただ、ちょっと下の図に示してあるとおり大和町の対策ですが、それについては風によって拡散する効果は確かにありますので、そのピークを下げることはできるんですが、環境基準に現状としてはまだ達するレベルまで下がっていないということが言えるかと思います。これは、私どもはその委員会の中に加わっている、資料等をいただいている中での口頭でのご説明ということで、ちょっとその辺についてはご留意いただきたいと思います。
 それから、そういったことで私どもとしては局地汚染対策としてこういうオープンスペースの確保といったことも当然進めていかなければいけないのですが、それだけではやはり不十分だろうと思います。ですから、今後は排出量を削減する対策をあわせて実施するということで取り組みをぜひ進めていければと考えております。その点につきまして、小原の方から裏面の資料に関するご説明をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

【東京都環境局・小原副参事】 恐れ入ります。それでは、引き続きまして裏面の説明に入ります。見にくくて恐縮ですが、横型のものになります。前のページの一番下のところにありました「イメージ」というところが少しわかりにくいかと思いますので、それの補足の説明と思って聞いていただけると少しわかりやすいかと思います。
 こちらで「二酸化窒素の環境基準達成に向けた取組について」という表題でございますが、横に線が大きく3本ほど引いてございます。一番上の点線で自排局の濃度と書いてある線、そこから少し下がったところにございます一般局の濃度という点線、一番下のところが一応ベースということで黒い実線で引かせていただいております。一般局というのが特定の排出源の影響を受けないところに設置して、そのバックグラウンドの濃度を見るために置いてあることと、自排局というものがそこの道路の沿道への影響を見るために置いてあるという2つのことからこの図は作っておりまして、ベースになる一般局の濃度の上にそこの自動車の直接の影響分が乗っかった濃度が自排局の濃度という図になっております。実を申しますと、今、都内の一般局の濃度というそのバックグラウンドの部分ですが、平成16年度に初めて一般局のすべての局で環境基準を達成したという状況にございますので、ちょうどこの真ん中の一般局の濃度という点線のあたり、この辺のあたりが環境基準を達成できるぎりぎりのレベルであるというのが今の東京都の実情でございます。ここのところのレベルまで自排局の濃度という線がおりてきてくれますと、自排局においても環境基準をおおむね達成できるレベルまで落ちてくるということになりまして、冒頭ご説明申し上げました局所汚染対策の方はこの上の自動車の直接影響分の方を落とすためにやっておるわけでございますが、直接の影響が減ってきますと一般環境の中に溶け込んでおります寄与分の方も一緒に落ちてまいります。でございますので、一般局の濃度という点線より下にちょっと小さい点線を引いておるのですが、これは自動車の間接影響分、一般環境の中に溶け込んでいる寄与度の分を見込んでいるということでございます。自動車のこの一般局の濃度と自排局の濃度という間の線を全部落とそうしますと、あわせまして一般環境の中の寄与度の部分も落ちていきます。これをゼロにしますと大分下の方まで落ちすぎるということがございますので、そこまでは求めておりませんが、何とかベースの部分もあわせて落としていきませんとこの図から示されますように自排局の濃度というのが目標となっている一般局の濃度ぐらいの水準までは落ちていかれませんという図になります。
 それで、そのためということですけれども、東京都といたしましては冒頭申し上げました局所の対策をやっているところではあるんですが、そのほかにも今日の本題ではございませんけれども、国のNOx・PM法とあわせて行っております買いかえ支援の対策などで、車種規制と自然代替の効果で大体必要な対策の55%ほどやっていくつもりでおります。また東京都が八都府県ですとか、八都県市とともに求めております流入車対策ということが適切に行われれば6%ほどの効果が期待できるのではないかと思っております。そのほかにさまざまな対策を含めまして、何とか必要な対策の分だけ削減をしていきたいと思っておるということでございます。
 この車種規制と自然代替の効果というところで、去年の夏にこちらにご報告申し上げました総量削減計画の中間点検で見込んでおります削減量よりも今回は少し厳しい条件が後から加わってしまっているということで見直しを行っております。その見直しを行っている内容がめくっていただいたところの2枚目の試算という紙になってまいります。

【東京都環境局・山内課長】 すみません、ころころ変わって申しわけないんですが、引き続きご説明させていただきます。
 私ども東京都では、この法定計画である自動車NOx・PM法に基づいて総量削減計画を策定して16年の3月にこれ出したわけですが、こちらについてはすぐこの目標値を達成できるんだということ、一応数字ははじかせていただいていますけど、かなり不確実性を持ってもともと計画は策定させていただいています。それで、こちらの計画の中にも述べさせていただいているところですが、この計画の中では、例えば排出係数の問題、それとか大分改良はされているんですが、いろんな低減率の問題等でかなり厳しい部分があるのでそういったところの改善が必要だと私どもで、当時も指摘させていただいています。計画の目標を達成するには排出量のさらなる削減が必要であるということで、まずこの計画を出させていただいています。それで、昨年の夏にもう一度推計値を、じゃあ現時点でどこまでいった、それからどこまで見込めるんだということは一応お出しさせていただいているのですが、そういった意味でかなりやっぱり不確実性があるのではないかということもある程度持ちながら計画はお出しさせていただいたところです。それで今回、特にこちらの小委員会の中間報告がまとめられた後、パブリックコメントをお出しさせていただいて、その後環境省からも今の総量削減計画の報告の値をどういう前提でつくったのかというご照会もいただいたところですが、その際にある程度その不確実性について、もし、かなり厳しい見方をした場合どうなるのかなということを一応お出ししたものです。
 一番のこのポイントになりますのが[2]のディーゼル車の車種更新についてなんですが、これは、従来は例えば長期規制の車が新短期規制の車にある程度の年限がたつと切りかわっていく。それから、もちろん元年規制とか短期規制の車というのは、それはこの法に基づいて都内の車については切りかわっていくわけですが、その辺をじゃあどの程度前提として考えられるのだろうということで、従来は、ある程度お示しいただいている、もちろん環境省からもデータをお示しいただいているところなんですが、計画当初見込んでいた値で長期規制も新短期にある程度一定の割合で切りかわっていくだろうということで我々は報告を出させていただいたところです。
 ところが、右側の今回の試算というか、これ、かなり厳しく見させていただいた設定なんですが、その場合には長期規制、今、右側に使用年数ということでお示ししているんですが、これは小型貨物とか普通貨物というのはかなり今使用年数延びております。そして、平成15年の都の、都というか1都3県のディーゼル車規制に基づいてその近辺で長期規制車というのは大幅に販売されて、ユーザーの方が使われているという状況があります。そうしたことを考えれば、長期規制の車というのは順調にじゃあ新短期規制に切りかわるのかということになると、特にこの総量削減計画の目標としている期間内では当初見込んでいたよりかなり厳しく見込まざるを得ないだろうと。これは、全く切りかわらないという場合、どの程度の量になるかということで試算をしたものですが、1万632トンぐらいやっぱり減らなきゃまずいだろうということで、当初計画は見込んでいたんですが、実際にその辺の部分をちょっと厳しく見込むと3,767トン、これは元年規制車及び短期規制車が切りかわった場合にこのぐらいの量は出てくるわけですが、長期の車が新短期に切りかわらないということを想定しますと、順調に切りかわらないということになりますと、ここまで極端な例ではないでしょうけども、かなりこれが少な目な値になるんじゃないかということが考えられる部分です。
 それから、その以外にある程度要素として見込んでいたものもちょっと再度洗い直しましたところ、先ほどうちの小原の方からご説明した、先ほどの1枚目の裏側の図ですね、車種規制と自然代替の効果、これで当初はある程度この100%ぐらい見込めてた部分なんですが、実際には55%ぐらいしか、もしかしたら最悪の場合見込めないのかもしれないということもちょっと考えているところです。そうしたことで今回、局地汚染対策のことでご議論いただくところなのですが、私どもとしましては局地汚染対策、特に大和町の対策の実施例、これまだプレス発表前ということで、限定つきで私ども委員会のメンバーとして加わらせていただいているんで、その中でお聞かせいただいた内容で先ほどちょっとご説明したところでございます。やはり局地汚染対策ということで効果を仮に打ったとしても、かなり濃度、排出量自体、特にオープンスペースの確保ということですと変わりませんので、どうしても拡散効果はあるにしても一定以上の効果は期待できないということです。そうしたことから、都としましては局地汚染対策とあわせて排出量を削減する対策について何らかの対策をやはり打っていかなければならない、また打っていっていただきたいということでご報告をさせていただきたいと思います。
 私どもからのご説明は以上でございます。

【大聖委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明に対してご質問をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 2ページ目の横に印刷されたものがありますけれども、そこにパーセントの表示があるんですけど、これ何に対して6%なのかちょっとわかりにくいものですから、ご説明いただけませんでしょうか。固い効果の見込めるものと見込めない対策としてパーセントが載っているところです。

【東京都環境局・小原副参事】 申しわけございませんでした。こちら、「環境基準達成に必要と見ている取組」を100%と数字を書いておくべきでした。「環境基準を達成するために必要と思っている取組」というのがちょうどこの縦線がいっぱい入って見にくいところなんですが、「環境基準を達成するために必要と思っている取組」を100%としたときにそれぞれ6、55、41という数字になっております。

【大聖委員長】 はい。
 はい、どうぞ。

【杉山委員】 1ページ目の対策事例の1に効果の数字がはじかれておるのですが、費用についてのデータというのはとることは可能でございましょうか。

【東京都環境局・山内課長】 費用については、これは国交省、ないしは私どもの東京都の建設局の方でどのぐらい費用をかけてるかということはご報告できるかと思います。

【杉山委員】 費用対効果はかなりいいという。

【東京都環境局・山内課長】 特に松原橋の事例を平成17年に国交省で対策効果はどうだったということの発表を行っているところなんですが、実は大気浄化実験の結果報告ということで出されているんですが、この結果から考えますと、汚染物質の除去は行ってるんだけども、近隣の、例えば松原橋の自排局にどの程度影響があったかというと非常に小さい状況です。

【杉山委員】 わかりました。

【河野委員】 よろしいですか。

【大聖委員長】 はい、どうぞ。

【河野委員】 今の資料7の1ページ目ですが、2つばかりお伺いしたいと思うんですが、1つは、オープンスペースの確保というのがありますが、これはどういうところをねらっておられるのか、そこの辺をもう少し説明していただきたいということと、それから、2ページ目にもありましたけども、ボトルネック解消による車速向上効果等ということでやっておられますし、それから、資料7の1ページ目でも交通管制モデル事業というようなことも考えておられて、効果があるというようにおっしゃっているんですが、何か都内の交通状況なんか見てますと、流れやすくなるとどんどんまた車が集中してしまうというようなこともあるのではないかなと思うんですが、そこの辺はいかがお考えなんでしょうか。

【東京都環境局・山内課長】 まず1点目についてお答えしますけど、先ほどの資料の、こちらの、事務局の方からお配りいただいたこちらの4ページの資料になります。こちらの黒丸の上側の交差点の、そこの部分の建物を撤去して北西の季節風が入りやすくするということで今回、国交省と建設局、それと昔の首都高で対策をとられたということになっています。こちらの方で風を一応入れるようになりましたので、先ほどご報告したとおり平成16年の10月に対策を実施したんですが、これは風を入れるだけですから排出量については全く影響はないわけですね。それで、じゃあどの程度の濃度が変わったかということですが、交差点の内部で測定を行っているんですが、そちらについて数字、これは私どもがご説明するのは本当は若干問題はあるかなと思っているんですが、委員会の中でいただいている資料等でご説明させていただきますと、NOxについては実は交差点により近いということで、この近隣の大和町の測定局に比べてかなり高い値が出ているところです。ちょっとグラフ等を本当、お配りできないで申しわけないんですが。それに対して対策後はある程度、ほぼ大和町と同程度の測定局の値と同程度の効果の値になるようになっています。
 それからNO2につきましては、対策実施前は傾向から見ると大和町の測定局に比べてやや高い値が出ていたんですが、オープンスペース化後は大和町の値をやや下回る状況になっています。ですから、北西の季節風が入ることによって先ほど小原の方からご説明ありましたけど、もともと乗ってた自動車影響分というのがかなり拡散されて周辺環境に、バックグラウンドに溶け込む時間的なものは速くなってるのかなということは言えるかと思います。そういった形で、まず1点目につきましてはオープンスペースの確保というのはそういった意味でそのピークのところをある程度落とすという効果をねらっているんだと思われるんですが、それについての一定の効果はあるんだろうと我々も思っております。
 それから、2点目の速度向上ということに関する議論なんですが、速度を上げるとそのことによってある程度排出量が下がるということは期待できるんですが、確かに今ご指摘あったとおり速度が上がって交通が円滑になるとさらに誘発交通ということで呼び起こすんじゃないかということは、実際のところ私どももちょっと心配しているところでございます。ただ、これについてはちょっと申しわけありません、ちょっとここでなかなかお答えしにくい部分なんですが、先ほど言ったとおり局地汚染対策でオープンスペース化によって拡散するだけではやっぱり削減量として、環境基準を達成するのに必要な量を本当に確保できるのかという部分がございますので、一応必要な対策ということでちょっとから目に見たときの積み上げを行ったときに、やっぱり車種規制以外にもその他いろいろな対策で積み上げを行って対策をとる必要があるだろうということでそこに挙げさせていただいています。

【河野委員】 そうしますと、オープンスペースなどの件ですが、拡散したときにまたそこの付近の住民の人がどういうふうに思われるかというようなことも懸念されるわけです。そういう風を積極的に利用して拡散させるというときに、何かもう一つそれによって本質的に汚染物質の低減につながるというようなことがあればいいかなというふうに思いました。

【大聖委員長】 ありがとうございます。これは、局地的な汚染の緩和と、あるいは時間的なそういうピークの抑制ということだと思います。あくまでも。絶対量は変わらないわけですから。はい、どうぞ。坂本先生の方が先でしたので、どうぞその次にお願いします。

【坂本委員】 まず、説明をいただいた資料についての確認をさせていただきたいんですが、資料7の2枚目、2枚目というか2ページ目、裏ですね。ここで流入非適合車の代替効果、車種規制と自然代替の効果、ボトルネック、こう書いてありますが、これはそれぞれ前ページにおけるいわば前の見積もりということでよろしいですか、それとも今回の形ではないですよね。今、ここで流入非適合車の代替効果、車種規制と自然代替の効果、ボトルネック解消による車速向上効果等、この合計で環境基準達成に必要な取り組みの全体をやるとして考えているわけですが、この中の車種規制と自然代替の効果がいろんな今後のものを考えるともっと効果が減るだろうという推定になるということでしょうか。

【東京都環境局・山内課長】 これは、既報告値ということで言いますと、この1枚目の裏側のところの車種規制、自然代替の効果というのは実はもっと大きい数字になります。

【坂本委員】 それは、どのくらいになっていますでしょうか。

【東京都環境局・山内課長】 これが……。

【坂本委員】 多分それを明確におっしゃった方が、今、車種規制と自然代替の効果が実はこれだけ減るからもっと大変なんだよということがわかりやすくなるというふうに思います。

【東京都環境局・山内課長】 すみません、そうしましたら2枚目のところのこの試算の数字をごらんになっていただきたいんですが、[2]のディーゼル車の車種の更新についてというところで、左側のこの括弧でくくってある1万632トンというのが、これは昨年の夏に報告させていただいた数字、それとあとは、もう一つは[4]の低公害車の普及効果ということで、これちょっと備考欄のところになるんですが、1,700トンということで見込ませていただいているんですが、これを合計しまして、合計したような効果を実は見込んでおりました。ところが、いろいろその前提条件をもう一度、本当にかなり厳しく見込み直すとすると、そこにある、[2]のところにありますとおり3,767トン、合計の数字の評価でいいますとその2枚目のペーパーの裏側の参考の1になりますけれども、そちらの方で1万632トン、3,770トンというふうにちょっとその辺の見込みを示させていただいたんですが、ですから合計で約1万2,300トンぐらい見込んでたものが約4,000トン弱ぐらいしか本当は見込めないんじゃないかということです。若干評価の方法を変えておりますが、かなり厳しく見積もればそうだろうということです。

【坂本委員】 で、現実に起こるのはその間だろうということですよね。そういうことですよね。

【東京都環境局・山内課長】 ええ、そのとおりじゃないかと懸念しているところです。

【坂本委員】 それで今いろいろ議論されてた中で、やはりその局地汚染対策として風が起こりやすくするというのは意味があるとは思うんですが、先ほど来、議論されてましたように総量としては減らないわけで、やはりそういったものをやるときに総量を減らすものと同時にやらないと、だんだんその周りの一般環境濃度が上がっていく。それからその一方ではこれまでそういう建物があったことによってある地域では高濃度が出現しなかったところが高濃度が出現する可能性も同時に出てくることに対して、先ほど河野委員もおっしゃられていましたけれども、単純にその地形的な要因だけでやるということではいけないのかなというふうに思いますね。

【大聖委員長】 それじゃ、尾島委員、お願いします。

【尾島委員】 一昨年、この局地汚染濃度の委員会を預かっておりまして感じたのですけれども、NOx・PM法の対策地域内と地域外の問題ですね、これ、いつごろになったら地域外も含めて1つになるのかということが問題の1つですね。それから、22年対策とか27年ですか、基準目標とありますけれども、その新車に関してはそうですね、既存の車に対する対策はいつの時点でその新車並みになるのか。要するに対象地域外とか過去のものとかそういったことがいつの時点で清算されるのかということを、車は動いておりますので。私、建築やっておりまして実は1981年に新耐震ができて、それまで0.2GT、横力の地震力が5倍になったわけですね。1.0という。ところが、25年経ってもその81年以前の建物が50%ぐらい残っていまして、それが今、この問題なんですね。姉歯事件なんですけど。ですから、そういう既存不適格を、しかし遡及して対策をとらないということになっているんですね。それからこの車の場合もそうですけれども、やっぱりかなり特殊な車とか届け出あった車とかそれはともかくとして、そうでないものに関しては建物よりは僕は車の方が規制しやすい気がするんですね。ですから、少なくともこの対策地域内の問題、それから新しい車、過去のもの含めてですね。何か3年とかで決めてもらうとか、そうしませんと都の方の仰っているようにいつになっても対策が読みきれないという感じがするのですね。確かに既存不適格という問題は大変なことなんですけれども、財産権、民権にかかわりますから。だけども、それをやらないとどうしても格好がつかないというのがありますので、ぜひその辺のところも建築界で非常に問題起こっておりますけど、ぜひとも環境の方こそその辺を時限とか何か妙な形であいまいにしない形の方がいいんではないかと思います。
 それから、東京都が先ほど一般局は基準にすべて達したということで大変いいことなんですけれども、都心居住が起こっておりまして、最近高層建築でもほとんどが窓をオープンにしております。特にヒートアイランド対策からですね。そうしますと、交差点周辺もさることながら屋上部分が非常に騒音とか大気汚染が激しいんですね。例えば、銀座でもビルの屋上部分の汚染が一番厳しいとか。ということから考えますと少し一般局の配置とか、基準の濃度を全部達成されたなら下げるとか、そういったこともぜひとも考えていただけるとありがたいと思います。

【大聖委員長】 ご意見に対しては何かご回答ございますか。

【東京都環境局・山内課長】 尾島委員の方からまさにお話ありましたとおり、1枚目の裏側をご説明させていただいたのは、私どもとしては今、NO2に関しても一般局に関しては環境基準を達成するとこまで何とか来ております。ただ、道路沿道である自排局についてはなかなか、正直言って17年の今、結果もまとめている最中でちょっと遅いということでいろいろ、もしかしたらあるかもしれないんですが、16年度とほぼ同等ないしは場合によってはちょっと悪化することを我々は懸念しているところです。そういった意味からして自排局、自排局というのは別に自動車だけに特別なところではございませんで、やはりその沿道にお住まいの住民の方いらっしゃいますんで、そういった方々の健康影響等を考えれば一般局は当然達成できたんだから、自排局も下げなければいけない。その自排局を下げるためには、やはり一般局のレベルがさらに場合によっては下げることも必要なのではないかということでご説明をさせていただいたところです。ですから、尾島委員の今のご指摘の点は、私どもとも認識が同じだと思っております。

【大聖委員長】 はい、どうぞ。じゃあ、太田委員の方から。

【太田委員】 ちょっと教えていただきたいことと確認したいことがございます。局地汚染対策ということで今日お話伺ったんですが、都の考える局地というのはこれで見ますと非常に局地のスポット、ホットスポット対策的なものが中心であるということですね。だけど、対策の一部を見ると沿道というようなことを考えていますので、局地の線的な対策もある程度考慮されているということですね。それで、局地の面的な対策といいますか、やっぱり環七の内部であるとか何かそういう種類のものについて特別な対応策をとっておられるのか。要するに全域として都区部全域の話あるいは23区のレベルの話、それから、ちょっと私委員会なかなか出れなかったですから、全体でやってますこの対象地域、府県を越えてこういうところというもうちょっと中間的なレベルでのやはり対応策というのを、総合的な対応策ですね、その辺をどう考えられておられるのか、あるいは現在では特別打つ手立てがなくて都区部走行ですか、ということでの車種規制ということなのか、ちょっとその辺の現在の対応策の面的な対策の考え方と、それから、これから特にその辺に対するこれからの計画の中での必要性についてコメントいただければと思います。

【大聖委員長】 はい、どうぞ。

【東京都環境局・山内課長】 非常に難しいご質問なんですが、まず東京都として局地汚染対策として考えているのは、先ほどご説明でもお話ししましたとおり平成11年にそういった局地汚染対策の連絡会って作って、道路管理者なんかと今取り組みを進めいてるところです。その中で今、まず対象に置いているのは松原橋とか大和町とか、特定のまず交差点です。ただ、現状としましては今、平成16年の環境基準の達成状況を言いますと34局、東京都の場合測定局があるわけですが、そのうちの18局が現実にNO2の基準を達成できてないということですんで、必ずしも今対象としている交差点だけではないのかなと思っております。ただ、じゃあどこまで広げて考えているのかということは正直言ってまだなかなか分析難しいところなんですけど、私どもとしましては今現状とっている対策の効果等をやっぱり見ますと、先ほど言いましたとおり一番オープンスペースの確保なんていうのが典型的な例になるかと思うんですが、そちらの方については、大和町の例なんかを見ますと拡散効果はあってピークは確かに下がるということはあると思います。ですけれども、それによってじゃあ本当に環境基準を達成できるのかと言いますと、なかなか今のところではしんどい部分がありますと。ですから、それに加えること、何か総量削減対策というものを打っていかなきゃいけないと。
 それから、今打ってる対策というのはオープンスペースの確保ということである程度土木的なというかそういった対策は今回打たれるようになったんですが、じゃあすべての交差点でそういう対策を打つことが可能なのかというとかなり限定的になると思います。ですから、私どもとしましてはSPMの、NO2とSPM、若干性格は違うかと思うんですが、SPMにつきましては同じ問題になってる大和町が15年は環境基準を達成できていなかったのが16年はおかげさまで環境基準を達成できたと。16年度ですね。ですから、そういったことを考えるとやっぱり局地汚染対策としてとり得る対策、じゃあいろんな土木的な対策も含めて、都市計画的な対策も含めてこれはもちろん打っていかなきゃいけないだろうと。ただ、それだけではなくてやっぱり排出量そのものを減らす対策というのもあわせて実施していかないと、かなりから目に見積もった場合には難しい部分が、相当不確実性が考えられますんで、確実にしていくためにはそういうことが必要だろうと考えております。

【大聖委員長】 よろしいでしょうか。石田先生、お願いします。

【石田委員】 対策事例の効果の計測方法について教えていただきたいのですけれども、(1)の土壌を用いた大気浄化モデルは、この設備の入る前と出た後の濃度比較をされているわけですね。ですから、ボリュームが少ないから全体の環境に与える影響というのは大したことがないという、こういう結果が出ていると、こういうふうに理解してよろしいわけですね。それに対して2番の環境対応型交通管制モデル事業のNO2の濃度削減割合って、これどのように計測されてるのでしょうか。ある延長を持った路線の信号制御を最適化されてると思うのですけれども、そのときの濃度というのはどこをどのようにやられてるんでしょうか。もし、一般の大気の濃度を計測されているのであれば、これは走行をスムーズにしたことによって出た効果ですよね。範囲のとり方にもよりますけれども、誘発交通もある意味では含んだというふうに考えられなくもないので、その辺正確な計測方法を教えていただきますと今後の議論に非常に有効かなと思いますので、よろしくお願いいたします。

【東京都環境局・山内課長】 これはその周辺環境で実際これだけの削減効果があったということではございません。これは交通制御に基づいて実際これはスムーズに車が流れることによってそこに車を走らせて測定をしているんですが、車載型で。そういったことで推計しますと、こういった効果が認められるのじゃないかと。

【石田委員】 排出量ということですか。

【東京都環境局・山内課長】 厳密に言いますとこの(1)(2)の対策というのは排出量に影響しないのかというと、影響するものだと思っております。それに対して3番とか4番につきましては排出量を……、3も一部大気浄化システムを使っているところについては排出量を若干でも下げるという効果はあると思うんですが、それが排出量を抑えるこの局地に行われている今の対策では周辺環境に十分な効果を及ぼし得なくて、唯一その他のところに書いておりますオープンスペースの確保等に関していうと、拡散という効果になるかと思うんですが、一定のその交差点内で測定した値と近隣の測定局の値の変化、値の関係を見ると効果はあるんじゃないかというふうに思っております。

【大聖委員長】 なかなかこれは難しい点だと思いますね。今のご質問に対してちょっと私、つけ加えますと要するに平均車速が改善されたことによって排出量が減るということで推定しておられるということですね、この場合には。ですから、実際にその環境濃度を周辺細かく測っているわけではないですから、それが本当に対応しているかどうかというのはなかなか難しいということです。風の向きの影響等もありまして、これは大変難しいんですね。土壌を用いたものとかいろいろ(1)でありますけれど、これもやはり使用しないときとしたときでの差というのはなかなかうまく出てこない場合があります。ただし、捕捉量自体は絶対量としてそのシステムでは把握できるんですけれども、その周辺がどれだけよくなったかということとの関連というのは大変実は難しいという、そういう面があるということですね。
 はい、猿田先生ですね、どうぞ。

【猿田委員】 ちょっと1つお伺いしたいんですが、今も話題になりました(3)のところですね、この「シェルター内の排気ガスは大気浄化システム」、これはどういうようなシステムですか。

【東京都環境局・山内課長】 これちょっともしかしたら、後ほど必要でしたら資料をお送りしたいと思うのですが、これは補助201号線に首都高速5号線がまたがっているところに、平成18年の5月に竣工予定なんですが、その下を通るこの環状八号線の部分に実はシェルターをかけて、一番重なっている部分で排出ガスがもろに出ないような形にするということをやっております。その道路の下側に今度大気浄化システムを入れて、そこで一応排ガスを吸引して先ほどやっているような松原橋とか大和町とか大坂橋でやっているような対策をとっているところです。これ、今はまだ工事中でして実はこういう対策に取り組んでおりますということを実例として挙げさせていただいています。(1)にお示ししたものと同様な形で効果はどれだけあったかというご説明はちょっと今は難しいです。

【猿田委員】 いや、この浄化システムというのは(1)にある土壌を用いたとか、それじゃないですね。いわゆる脱硝装置とかそういうことでの浄化システムですか。いや、次の質問にちょっと関連するものだから伺ってるんですが。

【東京都環境局・山内課長】 失礼しました。ちょっと私どもの方、直接やってなかった対策なものですから、これはシェルター内の排気ガスを吸引して排気ガスのうち、これを脱硝装置でとるというものです。

【猿田委員】 粉じんの方は。

【東京都環境局・山内課長】 粒子状物質についてもとっています。

【猿田委員】 ああ、そうですか。そこで、その他の(4)のところで2番目の○で高活性化炭素繊維、これはもうほかの研究所でおやりになっているのをご存じでもこれを実施するということですが、その辺の連携のもとでおやりになってるのかどうかと思ったので伺ったのです。お隣にいる環境再生保全機構の研究費で福岡県の研究所がやっておりますよね。かなりもう継続してやって実験的にはかなりの成果があると思うのですが、私どもがその評価をやっているものですから、その辺の連携はどうなっているかちょっと伺いたかったんです。それがこの活性炭素繊維の浄化システムなどにもまた使えるなという、場合によればですね、そういうこともあるので、その辺のことがどうなってるのかちょっと伺いたかったんです。

【東京都環境局・山内課長】 高活性化炭素繊維につきましては、今まさに猿田委員の方からお話ありましたとおり、福岡の方である程度もう既に実績上げているということで、それについていろいろ教えていただいて、私ども平成18年度、これ首都高速道路公団、首都高ですね、今は変わりましたけど。そちらのご協力を得て今年度それについてそういった浄化施設に実用可能かどうかということを検証していく予定になっております。で、たしか環境再生保全機構にいろいろ教えていただいて、その辺の取り組みを進めていく予定になっております。

【猿田委員】 その上の(3)のところの浄化システムがどういう方法をお使いになるのか、これも次の(4)のところの削減技術の導入実験というところでこの辺タイアップしておやりになるのも1つの手かなと思ったものですからちょっと伺ったわけです。

【東京都環境局・山内課長】 まず、福岡でやられているのを参考にして、これ、首都高の東京港トンネルですか、あちらのトンネルの中でまず実験をしてみてというふうに考えております。その辺の実験成果がよければこれ、相生橋については今工事をやってる最中なんですが、そういったところにも道路管理者にそういった手法をもし採用していただければということの提案は我々していきたいなと思っています。

【大聖委員長】 それでは、よろしいですね。
 鹿島先生、お願いします。

【鹿島委員】 確認ですが、今日の話でいきますと、効果といいますか、政策が目標を達成するためには車種代替を想定どおりというか、あるいは当初計画どおりきちんとやってくことが絶対の条件だと。これがうまくいかないとかなり厳しい状況になると、こういうふうなことだろうということですね。それについて、何か都として特にお考えのこと、これはなかなか難しいのかもしれませんけど、もちろん国としても考えることがあるだろうと思うんですけど、都として何かお考えのことがあったら教えていただきたいということが1点です。
 それから2点目は、これはなかなか皮肉な図で2枚目の資料のこの横書きのものを拝見すると、こうはっきり書かれるとなかなか厳しいとこがあるのですけど、ボトルネック解消等による向上効果は41%あって、固い効果の見込めない対策とこういうふうに書かれている。ただ、ここについては多分警視庁で、あるいは地方公共団体でかなりいろんなことが考えられるのではないかと。そういうことで特にこれを、この不確実性を確実なものに上げていくための具体的な対策としてお考えのことがあればちょっと教えていただけたらということでございます。
 以上2点でございます。

【東京都環境局・山内課長】 非常に厳しいご質問なんですが、まず1点目に関しては、やはり私どもとしましては、これ、関連する都府県とも一緒になってパブコメ等で述べさせていただいたんですが、今の車種規制の効果が見込んでいる部分としてかなり不確実性がありますんで、そこをやっぱり補うためには1つはやっぱり流入車という問題があると思っております。流入車につきましては、なかなか法に基づく車種代替というのが進んでいきませんで、やっぱり古い車が走ってきているという部分で、排出量の部分を考えるとそこの対策を進めることはやっぱりひとつ必要なのかなと。それから、それ以外にじゃあ何があるんだということを言われますと厳しいのですけども、いろんな対策、さらに排出量を削減する対策というのをちょっと検討した上で積み上げていかなきゃいけないと思っております。それで、2点目のそのボトルネック解消によるという車速向上効果等ということになりますと、ここの部分になると確かに誘発交通の問題もございますのでなかなか難しいんですが、これは一つの例として示させていただいたんですが、東京都の方で今いろんな形で例えば海側の道路の今、必ずしもうまく交通がつながってないところの、そこの橋梁整備とかそういうのをやっております。ですから、そういったことで一定のそのボトルネックが解消することによってある程度の効果が期待できるんじゃないかなと。むしろここの部分についてはここにはっきり書きましたとおり固い効果がなかなか見込めないものですから、何らかの対策で補っていかなきゃいけないというむしろ認識でおります。
 それと、1点目のちょっと補足ですけれども、例えば1点目の補足で、あと車種規制の効果がじゃあ本当に十分いかないんじゃないかということに対して国の方でもいろんな対策を、車種規制による代替が進むような形で取り組みを進めていただいているんですが、例えば東京都でいいますといろんな融資制度等、環境保全基金の融資とか、あとは今回NOx・PM法の問題につきましては、平成17年度と18年度、今年度については、都独自の融資制度も設けて対策、なかなかちょっと余り実績が上がってないんで厳しいんですけども、対策をとったりして、とにかくこの車種規制の部分については効果をやはり上げていくことが非常に重要だなと思っています。ですから、都としてもそういったもし取り組みで何かできることがあれば、今後検討していかなきゃいけないと思っております。

【大聖委員長】 よろしいでしょうか。
 はい、それじゃ、どうぞお願いします。どうぞ。

【横山委員】 ちょっと観点が違うのですけども、大和町周辺の一般環境局での環境基準、16年度達成したとおっしゃってたわけですけども、たまたまその年が気象的に異常年かどうかということをちゃんと確かめた上でそういうことを確定してほしいと思うんですけども、その異常年検定とかそういうことをやってますか。特に風速に関して、風速は強くなった年がたまたま16年度だったとすれば、必ずしもその排出量削減の効果があったとは言えないわけですよね。そういう確認をとった上で、そういう評価をやっていただきたいと思います。

【東京都環境局・山内課長】 今ご指摘の点についてはなかなか難しいところがあるんですが、16年度について、確かに風が強いというご意見があった部分はあります。ただ、今17年度の結果を取りまとめて、これ、私どもの部署直接じゃないのでなかなかちょっと厳密なことをご説明できなくて申しわけないんですが、17年度についてもほぼ似たような状況を一般局についてはなりそうだなというふうに今、思っております。ですから、16・17、2カ年ちょっとこれ、もう一回確かめてみなければわかんないのですが、今まとめてるまさに最中ですので、その状況から言いますと風だけで例えば16年度達成したとかそういうふうなことはどうなのかなということに今、思っております。

【横山委員】 あくまでも一般論ですけど、気象というのは年々変わるわけで、それによって年平均値の環境濃度が20%ぐらいは変わったりするのですよ。ですから、そういう異常年検定とか風速の検定とかというようなことは必ずやった上で判断をしていただきたいと思います。

【大聖委員長】 それに関しては、検討されてますので、また詳しくデータでお示しいただくなりと思っております。坂本委員、それから猿田委員もそういう認識でおられると思いますので。環境、風任せではいけないということで、その点ご指摘だというふうに思います。
 ほかにご意見はございますでしょうか。はい、どうぞ。

【中田委員】 こういう考え方ができるのか、またはしておられるかわからないのですが、今ここで対策を見ますと、1つは排気量を減らすというのは当然ございますよね。もう一つが拡散させる、多分これ、都民に対する公平性というのもおかしいのですけども、そういうことから考えるとやはり拡散も意味があるだろう、これがさっき言われたオープンスペース。それから、もう一つは排気したものを浄化するというような、これがシェルターだろうと思うのですが、こういうような対策の、ウエートづけというのもおかしいんですけども、そのバランスというようなものというのはお考えになってらっしゃるのか、そういうことがあるのかどうか。もう出ちゃったものはしょうがないじゃないかという考え方もあると思うのですよね。

【東京都環境局・山内課長】 これもまさに非常に難しいご質問ですが、1つは今までのこの資料7の1枚目でご説明させていただいた内容からしますと、排気ガスを、そこの交差点とかシェルターとかそこで出ているものを例えば、土壌なり脱硝装置なりで浄化することというのは、効果がもちろんないということはないと思うんですが、やっぱりその周辺環境に及ぼす影響からすると、かなりちょっとパンチ不足だなと思っております。それから、もう一つのオープンスペースの問題というのは、これは大和町の効果、これは何度も言いますがプレス発表前なのでちょっとご説明するのが若干苦しいんですが、濃度低下の効果というのは確かにあると。ですから、その部分は一番ピークになっている部分を落とすという部分で効果はあるんだろうなと。ですから、これはある程度やっぱり今後やっていかなきゃいけないんじゃないかと私どもは考えております。ただ、その前提になるのが、濃度低下させたとしても環境基準をじゃあ達成できるのかできないのかという部分のところにいきますと、やっぱり排出量そのものをこれはやっぱり自動車車種規制等によって抑えていくっていうことが今の状況、特に不確実性なんかを考えて確実な目標達成を目指すためには、これはやっぱり抜きにはできないでしょうというふうな考えです。ですから、ウエートづけからいうと非常に難しいんですが、やっぱり総量を減らす車種規制等の取り組みというのがまず、非常に重要なんだろうなと。それと同等ぐらいにそのオープンスペースみたいな問題というのがやっぱり重要なんだろうなと。個別のその排ガスを浄化するという対策については、その規模によるんですが、なかなか難しいなというふうに思っております。

【中田委員】 順番をつけるとそのとおりでしょうが、その何て言うんですかね、そのバランスというかウエートというような考え方は存在するのかどうかというそういう意味ですか。順番決めればもちろん総量排出量を削減するのがトップに来るのは当たり前でしてね。

【大聖委員長】 なかなか難しいところではないかなと思うのですが、個人的にはですね。と言いますのは、こういういろんな局地対策で土壌を使うとか、こういうシェルターですか、こういったところというのは、割と実験的といいますか、まだ実証してその効果が明確になりつつあるという段階ですので、ほかの確実な車種規制ですとか流入規制のような確実なものと1対1では対応できないというような状況だと思います。これがもう少し定量性のあるものになってくると、確かにおっしゃるような施策のウエートづけができるだろうと思いますが、まだ実証していろんな場所、特定な場所でやっているという段階ですので、そういうことになろうかと思います。
 はい、なかなか議論が尽きませんけれど、じゃあ、はい。

【河野委員】 局地汚染対策ということで土壌による微生物の働きを利用するというのは、結構効果出ているということで、これによって大分、例えば大和町あたり効果があったのかなと思うんですが、一方先ほど申し上げたオープンスペースという問題、これは使い方が逆のような気がしまして、やっぱり効果が、土壌によるその改善というのは効果があるとすれば割と濃度が濃いところの方に効果があると思うし、それから、オープンスペースの場合にはそれを拡散させてしまうと上の方の土壌による改善効果というのは余りなくなるような気もしますし、こういうものはやっぱりトータルで考えていただいて、オープンスペースがあったとしてそれを土壌による改善とかいうのと組み合わせるとか、それから、やっぱり濃度が濃いところには土壌を置くけれども、オープンスペースはどういうところをねらって拡散させるかとかいうような何かトータルでいろいろ考えていただいた方がよろしいんじゃないかなという気がいたしております。
 以上です。

【大聖委員長】 おっしゃるとおりだと思います。
 ほかに、はいどうぞ、はい。

【尾島委員】 建築と都市計画やっておりますので、今の問題、特に都市側から考えますとある程度車は流れるわけですから、どの程度まで流れるのかと。車1台1台どのくらい発生し、車はどのくらい渋滞し、そしてどのくらいの幅でどのくらい流れるかと。交通量ですね。それはどのレベルなのかということがかなりはっきりすれば、今度建築側、都市側の方でどれくらい風を流さなければいけないか、どれくらいすき間をあけなきゃいけないかという余条件出てくるんですね。ところが、非常にランダムで物すごく渋滞するところとそうじゃないところの差がありますよね。ですから、そういう面でできないことではなくて、ある程度の発生量はどの道路においてはこのくらいまでだということを決めてもらえば、逆に都市側の方で都市の原論の方で計画できると思うのですね。

【大聖委員長】 その件に関しましては、次のご発表でいろいろそれに関連したシミュレーションのご紹介があると思いますので、そちらでまたご議論いただきたいと思いますし、またJCAPなどでもストリートキャニオンによる大気の停滞、そういったものを予測しながら交通量も含めたシミュレーションをやっていますので、そういうことは可能になりつつあるということだけはちょっと申し添えておきたいと思います。
 いかがでしょうか。

【杉山委員】 1点だけ。

【大聖委員長】 はい、どうぞ。

【杉山委員】 先ほどの中田先生の質問に関係するのですけれども、要するにその目的ですね、目的を達成するためにどうしたらいいのか、経済学でも目的関数というのをつくってそれをどう特定化するかということで非常に悩むんですけれども、やはりそのウエートづけする場合はかなり主観が入っちゃうんですよね。その主観が受け入れられるかどうかということがポイントになりますので、できる限り客観的なデータでやる必要があると思うんです。その1つのデータとしては、私はそのコストがあるんじゃないかと思います。これは、あくまでも1つです。コストだけでもって判断するというのは非常に危険ですけれども、コストはかなり客観的なデータとして存在し得るわけですから、そんなところでちょっとご検討いただければと。もし、中田先生のご質問に応ずるとした場合のコメントですけれども。

【大聖委員長】 ありがとうございました。こういう設備的なものを使ってやる場合には、初期投資とランニングコストとありまして、これ何年ぐらい続けるとどうなるかというそういう議論とも関係しますのでなかなか難しい面があるかなと思います。
 それでは、議論が尽きないところではありますが、時間も来ておりますので、大変申しわけありませんが、先般申し上げましたように私は、ここで中座させていただきます。この後の進行を坂本先生の方にバトンタッチさせていただきますので、先生、よろしくどうぞお願いいたします。
 次は、環境再生保全機構の方からのご説明です。

【坂本委員長代理】 それでは、これより議事進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 ただいま大聖委員長の方からお話ございましたけれども、局地汚染濃度シミュレーションソフト、これにつきまして環境再生保全機構より説明をいただきたいと思います。細野予防事業部長様、よろしくお願いいたします。

【環境再生保全機構・細野部長】 ただいまご紹介いただきました独立行政法人環境再生保全機構の予防事業部長をいたしております細野でございます。あと、本日は担当の係長をしております鈴木と一緒に参っております。それでは恐縮でございますが、座らせてご説明をさせていただきます。
 資料8でございます。まず私どもの独立行政法人環境再生保全機構でございますが、前身は公害健康被害補償予防協会と環境事業団という環境省の2つの特殊法人が合併してできたものでございまして、私どもの予防事業部の前身は公害健康被害補償予防協会の基金事業部でございます。ここでやっております事業は、公害健康被害補償法の旧第一種地域というところがございまして、四日市ぜんそくですとか東京、横浜などで工場からの硫黄酸化物を主に原因といたしましたぜんそくが多発したことがございますが、それに対しまして保障法に基づく指定地域として保障が行われてきたわけでございますが、その後工場の大気汚染が改善される中で指定地域の解除が行われております。その結果といたしまして、新規の患者さんの認定はなくなったわけでございますが、そうしたぜんそく患者さんが多発した地域におきまして大気汚染の影響で二度とそういったことが起きないように予防のための事業をしようということで始められた事業を受け持っております。500億円の基金で実施しておりますけれども、主にぜんそくの発生予防、健康回復、それと大気汚染の改善に向けた事業を実施しております。この事業の立場といたしましては、既に国やもちろん東京都とのお話もございましたけれども、地方公共団体におきましてもぜんそくや大気汚染の改善に向けてさまざまな対策が進められておりますが、私どもはかつてのそういった大気汚染の著しかった地域については、国や地方自治体で行っております対策を補って、相まって効果を上げるようなことを、補完的なことをやりましてまた効果を上げるということを目指しております。
 それで、その中で調査研究の事業もいたしておるわけでございますが、大気環境の改善につきましてはかつて低公害車とこの局地汚染の関係をやっております。だんだん運用益の減少なども見られる中で、現時点では局地汚染について原則3年間の調査研究を特に専門の調査機関に委託する形で実施をいたしております。それで、実はここの委託に当たりましては猿田先生を委員長とする調査研究評価委員会でご評価をいただきながら進めておりまして、これからご紹介いたします局地汚染地域における各種自動車排出ガス抑制対策の評価手法等に関する調査もその10年度から16年度に実施したものでございます。現在は、17年度におきましては新規課題を公募によりまして3課題実施しておりますほか、先ほどちょっと話題になりましたけれども、活性炭素繊維を用いた技術についても継続研究として調査委員会の意見を踏まえまして実施をしているというところでございます。
 この14年度から16年度にかけて実施いたしました資料8の調査でございますが、実際の調査は財団法人の日本気象協会に委託をいたしまして実施していただいたものでございます。
 まず、調査の目的でございますけれども、1ページに書かれていることでございますが、自動車の利用抑制などさまざまな排出ガス抑制対策がそれぞれの地域で実施されているわけでございますが、それを効果的に実施していくに当たりましては対策の前後における自動車からの汚染物質排出量の削減効果を明らかにするということが大事でございますが、さらにその対策に伴う地域の自動車走行実態の変化や環境濃度の変化を把握いたしまして、大気環境の改善効果というのをできるだけ客観的・定量的に評価できるようにすることが特に大事だという考えに至っております。
 そうした中で、図の1の方に示してございますけれども、私どもの調査研究の性格もございまして、局地汚染地域において地方自治体で実施していただけるような各種自動車抑制対策による環境改善効果を評価するための技術的手法の確立を図るということを目的としております。私どもの立場といたしましては、地方自治体で共通に実施していただけるような手法の開発を目指すということがございます。
 この調査では特にパソコンで稼働するようなソフトウエアによりまして大気環境改善効果を評価することができる「評価ツール」の構築を行ったということでございます。
 2ページ目からになりますが、ツールの概要でございますが、まず調査全体計画の策定といたしましては、まず「評価ツール」の形態でございます。
 近年における情報技術の発展によりまして、カーナビですとかGISといったものが身近なものになってきております。そうした中で、大型のコンピュータではなくてPCで稼働するソフトウエアによる評価ツールづくりを目指したということでございます。
 この調査における評価対象領域の設定でございますけれども、局地汚染問題につきましてはスケールですとか高濃度になり得る箇所を考慮していろいろ考えますと、「局所領域」と「沿道領域」、「ジャンクションなどの特殊領域」こういった3つの領域が考えられますが、その中で考え方を整理いたしました結果といたしまして、この調査におきましては「沿道領域」における拡散モデル開発の必要性が高いということで「沿道領域」の評価対象領域として「評価ツール」の構築を行うこととしております。
 3ページに評価ツールの構成ということでございますけれども、この調査では「評価ツール」を全体を統括するインターフェイスと「沿道領域」における排出量モデル、拡散モデルを構築いたしまして、「沿道領域」の交通モデル、「局所領域」や「ジャンクション」については今後、将来的な課題としたものでございます。
 次に、「評価ツール」の構成の各部分でございますが、先ほど申しましたように「インターフェイス」、「排出量モデル」、「沿道拡散モデル」から構成されるものとしておりますが、まず「インターフェイス」の部分につきましては、GISに基づくシステムをベースにいたしまして広域的な現況を把握するための現況把握の部分と沿道領域における対策効果を評価する対策評価の2つの部分から構成をしております。
 入力のパラメーターにつきましては、4ページの入力パラメーターのところに[1]から[8]まで書かせていただいております。最大車速ですとか1時間交通量、車線数、発進の遅れ時間等々をパラメーターとして使わせていただいております。
 排出量モデルの構築でございますけれども、特に対策手法を整理した結果では交通量や交通流に働きかける対策が多いということから排出量算出のための「簡易交通モデル」を構築いたしまして、その出力と環境省のもう一つの独立行政法人でございます国立環境研究所で実施されました車載型の排気ガス測定データをもとに排出量を算定する「排出量モデル」を構築させていただいております。そのモデルの中身でございますが、「簡易交通モデル」と「排出量モデル」に分けてご説明をさせていただいておりますが、「簡易交通モデル」につきましては、「沿道領域」、道路長を約2キロといたしまして、その領域に含まれる交差点における車両の停止、発進をモデル化しております。また、いろんな制約もございまして、他の道路への右左折や車両の流入出はないものとさせていただいております。
 それから排出量モデル、6ページの方になりますけれども、につきましては、実際は自動車の走行特性(車速、加速度等)によりまして排出量は時間的、空間的に変化するものでございますが、特にこのモデルにおきましては、車速の変化が比較的大きいと考えられます交差点付近における排出量の空間的な変化をモデル化しております。
 それから、8ページになりますけれども、沿道拡散モデルの中身の話をポイントだけさせていただきますと、この沿道拡散モデルでは3行目に書かせていただいておりますが、沿道建物による排ガスの滞留などをある程度再現可能なモデルを目指しております。で、自動車排出ガスの拡散状況をできるだけ適切に表現することを考慮させていただいております。
 以上、申し上げたほかに9ページ以下になりますけれども、「評価ツール」のポイントとして補足させていただきたい点は、(4)以下でございますが、今まで申し上げたことのほかにケーススタディーを実施しておりまして、自動車排ガス濃度の再現性についての確認をいたしております。また、従来の自動車排出ガス拡散計算の際の排出量の設定と拡散モデルをより精度を高めまして、より現実に近い形で自動車排ガス濃度の予測可能な「評価ツール」を構築できたと考えております。
 逆に、この「評価ツール」の制約につきまして10ページに説明をさせていただいておりますけれども、この「評価ツール」は開発途上のものでございます。冒頭申しましたように対象領域につきましては、まだ「沿道領域」に絞っております。それから、排出量モデルや拡散モデルについてもある程度の制限や限界がございます。対策手法すべてに対して、適切に、簡易に評価できる形とはなっていないということは申し上げざるを得ないというところでございます。
 今後の展望といたしまして、まとめさせていただいたのが11ページから12ページに書かれております。「評価ツール」の高度化ということにつきましては、まず評価対象領域については冒頭申しましたような「局所領域」、交差点などの100メートル四方程度の領域や「ジャンクション」のようなところもあるわけでございますので、これらの汚染状況や効果を評価できるようにする必要があるということはございます。
 それから、交通モデルの状況でございますが、交通状況を詳細に模擬できる交通モデルが実装されていないということがございます。適切な交通モデルを導入するということが課題として残されております。
 それから、排出量モデルの検証、拡散モデルの高精度化といったことも必要でございまして、特に現実的に近い長期平均濃度の算出方法については、今後検討していく必要があると思われます。
 それから、インターフェイスの高機能化ということで、より使いやすいものにしていくということが課題で残っております。
 それから、「評価ツール」のほかの、外の外的問題の解消に期待するものといたしましては、建物のGISデータの整備というのがございます。私どもの調査研究をしてもらった中では、本調査で必要な建物のデータは、自治体で保有しているものにつきましてはフォーマットやデータの精度が異なり活用しにくいといったこともわかっております。
 それから、排出係数の精緻化ということでございます。12ページの(2)でございますが、環境研の車載型排ガス測定データを用いて排出量モデルの構築を行ったわけですけれども、ガソリン車や大型車のデータが比較的、少なくとも16年度時点では少なかったということがございます。さらに加速や定速・減速・停止時における細かな排出係数の構築が望まれるということがございます。
 それから、計算機のさらなる発展ということでございまして、計算機でも気流の計算には3時間の計算時間を要すということがございます。そうした意味では、さらなる計算機の発展が望まれるということでございます。
 13ページ以下には、ケーススタディーにおける検証等についてご説明をさせていただいておりますが、詳細は省略させていただきたいと思います。
 以上、簡単でございますけれども14年から16年に実施いたしました調査研究の中身についてポイントだけ、概念的なこと中心でございますでれども、ご紹介させていただきました。このような機会を設けていただきまして、本当にありがとうございました。

【坂本委員長代理】 どうもありがとうございました。ただいま説明をいただきましたけれども、この内容につきましてご意見、ご質問等ございます方はお願いいたします。
 私の方からちょっとお聞きしたいんですが、これはモデルを計算する際に自動車が発熱体であるということ、それから道路の熱、こういったものは考慮されているのでしょうか。特に狭い範囲で考える場合には、そこがかなり問題になるかと思うんですが。

【環境再生保全機構・鈴木係長】 その部分につきましては、考慮されていません。

【坂本委員長代理】 はい、ありがとうございます。
 どうぞ、そのほかご質問、はい、どうぞ。

【河野委員】 今仰ったようなことで、特に地方自治体で簡単に使えるということを目的とされているということは非常に有益だと思うのですが、これはまだ始められて、10年に始めて16年は終わって、今年度また新しくやっておられる。これどこまでおやりになる予定でしょうか。

【環境再生保全機構・細野部長】 ちょっと説明が不足していたのかと思いますが、この調査自体は14年度から16年度まで実施いたしまして、私どもといたしましてはさらに課題も多かったというようなこと、あるいは調査評価委員会の評価などもありまして、現時点では中断をしているところでございます。

【坂本委員長代理】 よろしいでしょうか。

【河野委員】 いや、もう一つよろしいでしょうか。それで、そうしますと例えば参考のところにいろいろケーススタディーによるような成果が得られておりますが、この成果というのはもう地方自治体に配られたということでしょうか。

【環境再生保全機構・細野部長】 私どものところでも調査研究の成果につきましては成果集をつくっておりまして、各自治体や関係の方々にお配りはいたしておりまして、そうした中で活用をされることも期待いたしております。ただ、私どもの方では計画作成事業というようなこともやっておりますが、そういった中で活用できないかというのは今後の検討課題といたしているところでございます。

【坂本委員長代理】よろしいでしょうか。そのほか、はい、横山委員、お願いします。

【横山委員】 ちょっと教えていただきたいんですが、これ3つのモデルがありますよね、図の3、局所領域、沿道領域、ジャンクション等って、これ、おのおの独立してるのですか。それとも何か、有機的につながって使えるようになっているのか。

【坂本委員長代理】 どうぞ。

【環境再生保全機構・細野部長】 我々といたしましても、重複とかのないように他の研究との役割分担というようなことから考え方を整理させていただいて、特に自治体でやっていく中で当面強化する必要があるのは沿道領域ということでやらせていただいております。環境研のモデルにつきましては、もちろんこのいろいろ活用させていただいているわけでございますが、ほかとはむしろ役割分担をするというような考え方でこの時点ではやらせていただいているものでございます。それにそのままつながるというようなところまでの調整まではなされてないとお考えいただいて結構でございます。

【坂本委員長代理】 よろしいでしょうか。

【横山委員】 はい。

【坂本委員長代理】 どうもありがとうございました。まだご質問があろうかと思いますが、実は今日、局地汚染対策についてある程度のメニューを出して多少のご議論をいただき、次回、引き続き議論をいただくという予定にしてございますので、大変恐縮でございますが、環境再生保全機構のご説明に関する説明はここまでにさせていただき、次に移らせていただきたいと思います。環境再生保全機構の皆様には、どうもありがとうございました。
 それでは次に、局地汚染対策に係る検討項目案について事務局から説明をお願いいたします。

【岡部課長】 それでは、恐れ入ります、お手元の資料9をご覧いただきたいと思います。「局地汚染対策に係る検討項目の案」というタイトルの資料でございます。12月の中間報告なり、今お話しいただいた事柄の検討材料はあるわけですが、論点としてどんなものが考えられるのかということを事務局なりに1つの手がかりとして書いたものでございますが、まだ、抜け落ちている点等をご指摘いただきたいと思います。
 1番目に、いわゆる局地汚染対策が必要な地区の実態をどのようにして把握するか。2番目、広域的な対策と局所的な対策をどのように組み合わせるべきか。3番目、個別の状況に応じて、関係機関の間で施策目標、事業内容を選択し、連携をとり、対策効果を発現していく枠組みをどのように構築するか。4番目、以下のような対策などについて中長期的に都市環境対策を進める方策として、具体的には、どのようなものが考えられるかと。1つ目の○、対策が必要な地区を目的地又は通過地とする交通量対策等。2番目、局地の大気拡散を容易にするように周辺土地利用を誘導していく方策等。3番目に、新たな土地利用や施設整備を行おうとする際に大気環境を含めた影響の事前確認を行う仕組み等。その他というふうに書いてございます。5番目、国(関係府省)、地方公共団体(都府県、市区町村)、民間セクターの果たすべき役割について、どのように考えるかということかと思います。まだ抜け落ちている点等、ご指摘いただきたいと思います。
 このご議論いただく参考資料としまして、2点材料をまたお付けさせていただいております。1番目は、1枚めくっていただきますと、局地における大気汚染改善事業と書いてございますが、これは環境省が予算をとりまして都道府県に委託をしている形で局所的な沿道地域についての事業の推進の仕方ということで、そのご調査をいただいているものでございます。16・17年度において神奈川県においてこの事業を実施しております。
 2番目の(1)にあるような地域連絡組織の設置というものがなされております。次のページ、その通しページの4ページ目になりますが、そこでそのシミュレーションによる効果把握。それから、ここでは川崎区の池上新田、幸区遠藤町、高津区二子、相模原市渕野辺十字路というところで地域特性と有効な対策等を整理したということでございます。そのレポートの抜粋が5ページ以降ついておりますが、1番は趣旨、2番は対象地域、3番目はその推進体制ということで、少しイメージとして見ていただきたいのは、ここで7ページに各対象地域の特性と局地汚染対策地域のメニューということで、(1)は池上新田の対象地域の概況、交通状況。それからめくって8ページ目にいきまして大気環境の状況と書きまして、その絵のところで地域の特性と有効な対策等ということで、その認識として、まず大型車の混入率が非常に高いということ、その対策地域を起終点とする貨物車、ここでは43.3%と出ておりますが、ということ。それから、2番目に首都高速湾岸線が敷設されているので、対象道路のこちらへの振り分けによる効果ということが論点にならないかと。それから、その土壌浄化システムや環境設置帯の設置については既存の状況を勘案してどうかと。それから、高架化というようなことは考えられるかと。こういったところを幾つか論点出しをしまして、それでどのようなことが対策として向いている、向いていないということが言えるかというような形での議論をしていると。
 10ページ目、見ていただきますと、こういったことを踏まえて今後どのような対応をしていくかというようなところを検討してまとめていただいてると。こんなケーススタディーをしていただいているものでございます。
 ほかの対策地域は、また必要に応じてご覧いただきたいと思います。
 あともう一つ、その資料9の参考資料として21ページ、ご覧いただきたいと思います。これは、実は少し資料のバージョンが古いようなこともありまして、とりわけ太田先生なりからまたご指導、ご補足いただければと思っておりますが、イギリスにおいて持続可能な都市交通のための土地利用政策、交通政策、PPGの13という制度があります。これは、ここにありますようにプランニング・ポリシー・ガイダンスとして都市計画に関連した政策について、中央政府が地方当局に示す基本指針です。2002年8月時点で25巻発行されて、「交通」に関する事項はこのPPG13で扱われていると。拘束力はないけれども、政府の補助金を得ようとする地方当局は、向こう5年間の計画を策定する。このときにこのPPGとの整合性が考慮されるということ。あとは、関連しましてPPGの6としましては「タウンセンターと小売開発」ということで、ここでも若干の関連する記述があるということでございます。
 PPG13の目的、ここにありますような、より持続可能な交通選択の奨励。いわゆる公共交通、徒歩、自転車によるアクセスの向上、移動の必要性を減らすということ。あと、若干各用途の立地に関する指針なり交通に関する指針ということがあると。
 次の22ページに今申し上げた各用途の立地に関する指針として住宅、それから雇用・商業・レジャー・サービスなどの一般原則と特別な原則としてのオフィス、小売業・レジャー、レジャー・観光、教育・保健というようなことですみません、太田先生監修の書物からとっております。少しその状況等古いようでもありますので、また少し改めて勉強を進めてみたいと思っています。
 以上、参考2点含めてお話し申し上げました。

【坂本委員長代理】 ありがとうございました。ただいま資料9に基づきまして、局地汚染対策に係る検討項目案という形で説明をしていただきました。ただいまのものにつきまして、質問、ご意見ございましたらお願いいたします。
 はい、どうぞ太田委員、お願いします。

【太田委員】 それじゃ、議論に入る前に、先ほどあった参考資料のことをちょっと補足しておきます。
 PPG13ということがありましたが、ここにありますように、これはプランニングに対する指針です。ですから、これは都市計画、土地利用計画に当たってこういうことを考慮したらどうかということが述べられています。その中に交通との一体的に考えましょうということで、ここでは13、6が多少触れてありますが、実はもう一つPPGの23というのがありまして、これがむしろこちらに直接関係していまして、計画とポリューションコントロールということで都市計画と大気汚染を初め騒音、その他全体の汚染の規制の問題、これを一体的に考えなければいけないという23というのが出ております。こちらの中に実はこういったPPG13とか6のような施設の立地の配置をどうするか、そういうときにできるだけ交通負荷を減らすように、あるいは自動車の利用を減らすようにということでいろんな指針が出ているということが1点ですね。
 それから、PPGはその向こうの地方行政の改正、それから都市計画法の改定があって、その中の一部はPPSというちょっと違う形で、内容的にはそれほど変わってないと理解してますが、プランニング・ポリシー・ステイトメントという言い方でもっと強力な指導要綱に変わりつつあります。ただ、PPG13はまだ改定ありません。PPG6の方はもう既に変わってるいます。23も私の理解する範囲ではまだ変わってないという、そういう移行過程にあるということと、PPGそれじゃ13の中で、ここで言うような大気汚染対策、どういうこと考えてるかということです。これは別途、大気質法ですかね、別の法律がございまして、ここでローカル・エアクオリティマネジメントですかね、地区的な大気汚染管理を自治体がしなさいという規定になっていまして、その中にいろいろ対策、これはモニターをして対象地区を決めてという従来の仕方ですね、その中で最終的には自治体レベル、日本で言うと東京都はGLAで、グレーター・ロンドン・オーソリティーで責任がありますが、その下の区までそれぞれ管理計画をつくるということになって、今、都レベル、向こうのロンドン都レベルでの戦略が今、最終段階ということでコメントを求めているかと思いました。それで、2008年初めには都全体、ロンドン都全体での政策が始まると。その中にはまさに東京都が現在やっているような一定の排出レベルを超える大型トラックと、それからバスについて走行を抑制するということで、向こうは禁止ではなくて、お金を払えばいいということがあります。ただ、べらぼうなお金です。1月、今のところ100ポンドとか200ポンドという話で聞いています。それで払えばいいし、適合車はもちろん無料だということで、実質的には規制に近い形です。そんなやり方で経済的メカニズムを使いながら特にディーゼル車の排出を減らすという形で動いているということです。これは、イギリスのそのほか9地域くらいでそういうことを検討中ということですので、その辺はもう少しこれ、私もしばらく見てなかったんですが、最近の動きがありますから、その中に今申し上げました規制の方はローエミッションゾーンですかね、LEZと言っていますが、それ以外のいろんなやはり抑制策を考えているということですので、その辺をもう少し調べてみると、いろいろ役に立つのではないかと思います。

【坂本委員長代理】 ありがとうございました。ただいまのお話は、事務局の方で太田先生と相談していただいて資料を少し後で配付いただくようにしていただいたらありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 鹿島委員、どうぞお願いします。

【鹿島委員】 質問と言いますか、1点は今の太田先生のお話にあったんですけど、一番最初のこの項目に則して言いますと、基本的に項目については特にそんなにこれがどうしても必要かなというようなことはないんですけども、例えばここでいう「必要な地区」とこういうふうに書いてありますけど、地区の考え方というのでしょうか、例えば非常に本当にスポットだけというのもあるでしょうし、さっきお話があったような沿道というのもあるでしょうし、そういうことも考えなきゃいけないんではないかという気がいたします。それから、局地汚染対策という中で、もしこれが資料6でいただいたようなことだとすると、これは私が不勉強でどういう整理になったのかわからないですけど、多分直接的には交通量を制限するというのが多分一番効果的だし、その局地だけ考えたときにはいいのではないかという気がするんですけど、それが落ちているのかなという気がいたします。そういう意味も含めて対策の範囲というのもやっぱり必要ではないかという気がいたします。
 それから、もう一つ、この2番目に関係するのかもしれませんが、これはもう既に評価が出ているのかもしれませんが、恒常的に規制をかけるといいますか、あるいは対策を打つということとともに、もう一つ中で申し上げましたけども、これだけ予測技術が進みますと特定の例えば濃度の高い日が予想されるような場合の規制というんでしょうか、緊急避難的なのかもしれませんが、そういうことの検討というのはもう私は必要、少なくても検討はあっていいんではないかという気がいたします。
 それから、3番目に関連しては、いわゆる何て言うのでしょうかね、今流に言う中間評価とか事前評価とか事後評価とかというのではない、もう少し違った形の評価の仕方というのを考えていかないといけないんではないかと思います。そういうことが明確になるような。というのは、先ほど議論にありましたように1つは効果があるものは何でもかんでもやっていくんだという考え方もあるでしょうし、それからあるいは費用を考えなければいけないとか、あるいは影響の与える主体を考えていかなければいけないとか、幾つかございます。そういうのを事前にある程度整理をしておきませんと、問題が起こってから議論をし始めるとなかなか答えが求まるまでに時間がかかるというそういうこともあるのかなと思います。
 大体そのくらいのことが私がご検討いただきたいことでございます。
 以上です。

【坂本委員長代理】 ありがとうございました。ただいまの点につきましては、今、質問というよりは事務局の方でこの後議論を、資料をつくるときにご検討していただくということで地区の考え方、それから交通量制限の考え方、それから恒常的な対策と非常に気象等いろいろなものを含めて高濃度になるようなときがあったらそういったとき、何かそういう考える方法も今後あり得るのかどうか。それから事前・事後評価以外にもう少し評価方法についてはいわば影響だとか、それだとか範囲とか、そういったものを考えていく必要があるのではないかという検討項目について提案をいただきました。ありがとうございました。
 どうぞ、そのほか。はい、どうぞ。

【河野委員】 資料の9でございますが、後の方の別紙等、それから地域対策メニュー等で出ておるのですが、交通量それから大型車混入率、それから旅行速度、それからあとは起終点とする云々ということで、これは多分、今日配られました資料の5-1等がもとになっているデータをまとめられたと思いますが、この資料の5-1なんですが、その直感的にはやっぱりそのディーゼルの大型のものというのがかなり影響を及ぼしているというのはわかるんですが、資料5-1では必ずしも本当に大型車が問題になっているかどうかというのはあまりクリアでないということがありますので、資料のまとめ方として何でしょう、その台数とかいうようなものじゃなくて、何か排気された量のようなものですかね、何かそういうもので整理しておかないとここの文章の裏づけがとれないんじゃないかなというふうに思いましたが、この辺いかがでしょうか。

【坂本委員長代理】 お願いいたします。

【岡部課長】 少しご指摘を踏まえまして、どこまで資料化できるか少し勉強させていただきたいと思います。ちょっとトライさせていただきたいと思います。どの程度こういうベースで、その意味のある形でデータが取り出せるかどうかというところは、ちょっとテクニカルにできるかどうかというところはあるかと思いますので、少しお時間をちょうだいできればと思っています。

【坂本委員長代理】 それじゃ、その点よろしくお願いします。
 どうぞそのほか、猿田委員、お願いします。

【猿田委員】 ちょっとお伺いしたいんですが、検討項目案2番目のところで「広域的対策と局所的対策をどのように組み合わせるべきか」と、こう書いてありますよね。でも、この意味がよくつかめないんだけれども。というのは、広域的対策、これはいろいろあるわけですけども交通量の規制から始まっていろいろ総量規制的な面もあるんですが、これと局所的対策を組み合わせるというのは、これはいわゆる局所対策、昔SO2のときなどによく言われた目玉つぶし的な対応になってきますよね。すると、その広域的対策をやってもどうしても残ってしまうのが局所的ないろんな条件によってなってきますね。そうすると、これ組み合わせるということなのか、その辺どう理解したらいいのかなということです。

【岡部課長】 お答えいたします。お手元に資料6を配っておりまして、まずこれは何が広域で何が局所かというところも少しいろいろ議論はあり得ると思いますけれども、とりあえず少しピンポイントにだけ効くものと、もう少し広いところに効くものということで、事務局なりに1つの大まかなカテゴライズをここでやっています。そこで、東京都のお話のときにも若干どういうふうに対策を振り分けるかという形で議論ございましたけれども、要はその政策の割り振りなり、あるいは個別のその箇所ごとに状況が違うかもわかりませんが、どこにウエートを置けるのかというところがどの程度議論がなし得るのかというところにかかる話で、少しいろんな政策の重点の置き方ということでご議論が絡んでくるところであります。そういう政策の割り振りの問題を少し大ぐくりにして広域的対策・局所的対策というふうにカテゴライズするとその政策の組み合わせをどうしたらいいかというところで少し広い論点がここの2.の中には含まれていると思っています。

【猿田委員】 よろしいですか。

【坂本委員長代理】 はい、どうぞ。

【猿田委員】 ということは、この資料の6で示されております広域のところ、それから広域・局所とこうありますね、ダブって書いてある。ローマ数字の I の[3]のところの図は両方書いてあるわけで。要するに、こういうように検討していった中でこういうような区分けができる。一応されているわけですね、大まかに。こういうような領域の見方をしているわけですから。こういう中でどのような対応がなされるかということですね。そうですね。

【岡部課長】 そうです。

【坂本委員長代理】 ありがとうございました。
 どうぞ、そのほかご質問。はい、どうぞ、尾島委員、お願いします。

【尾島委員】 確認ですけれども、これは要するに基準を超えている問題のところだけに関しての議論というふうに考えてよろしいんですか。一般的にいくとその局地汚染の意味ですけれども、要するに資料5にあるようなこういう場所を特定しての対策ということで考えることなんでしょうか。

【坂本委員長代理】 事務局の方からお願いします。

【岡部課長】 ご指摘どおり、主眼としては環境基準を達成できていない場所についての対策ということで、全体としては非達成の箇所というのが時系列的にかなり局限されているという認識があるかと思いますので、そういう非達成地点についてどういう対策を採るべきかということを中心にまとめております。

【坂本委員長代理】 よろしいでしょうか。今のお話は多分、環境基準達成するためにそういう局地的なことをやるのだけれども、実質的にはその局地の環境基準を達成させるための方策が一部には全体の濃度を下げる働きも入ってくるけれども、一番にまず当面やらないといけないのはまさにその局地だと、そういうお話でお答えいただいたというふうに思います。どうぞご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。
 もしよろしければ、ちょっと時間も超過をしてございますので、次に移らせていただければと思いますが、また先ほど冒頭に申し上げましたけれども、この局地汚染対策につきましては、今日と、それから次回に十分な時間をとってご議論をいただくという形になりますので、今日のところはここまででご意見をちょうだいしたものを事務局として検討いただく。そしてさらに、今日十分な時間がございませんでしたので、また事務局の方からお願いがあろうかと思いますけれども、各委員の先生におかれましては今後お気づきの点について事務局の方へご意見等をお寄せいただき、次の委員会のときにはそれが反映されたものとして事務局の方でまとめていただくようにお願いをしたいと思います。
 それでは、本日予定の審議はこれで終了いたしました。会議は終了させていただきますが、最後に事務局から連絡事項等ございましたらお願いいたします。

【岡部課長】 本日は、資料ご説明等のために東京都環境局、それから独立行政法人の環境再生保全機構にお忙しいところ時間を割いていただきました。厚く御礼を申し上げます。
 今、坂本先生におまとめいただきましたように、ご指摘につきましては趣旨を十分踏まえて審議を進めてまいりたいと思います。また、追加のコメント等につきましては随時、事務局にメール、電話、その他の手段でご連絡をいただくことをお待ち申し上げております。
 また、次回の小委員会につきまして申し上げます。現在のところ5月に開催をさせていただきたいと思っておりますが、まだ日にちの調整はこれからということでございます。改めて開催のご案内等を発送させていただきたいと思います。また、委員の先生におかれましてはご多忙のところ恐縮でございますが、ご出席を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 本日は、どうもお忙しいところありがとうございました。