(委員長) | 永田 勝也 | ||
(委 員) | 内山 巌雄 | 加藤 征太郎 | 田邊 潔 |
中杉 修身 | 森川 陽 | ||
(環境省) | 小林環境管理局長 | ||
関大気環境課長 | |||
鷺坂総務課長 | |||
長坂大気環境課補佐 | |||
熊倉大気環境課補佐 | |||
(業界団体) | 社団法人日本化学工業協会 石崎氏 | ||
石油連盟 奥元氏 | |||
社団法人日本鉄鋼連盟 橋本氏 |
(1) | 有害大気汚染物質対策について |
(2) | その他 |
資料1 | 中央環境審議会大気環境部会有害大気汚染物質排出抑制専門委員会委員名簿 |
資料2 | 有害大気汚染物質第2期自主管理計画における個別物質及び個別団体毎の排出量推移 |
資料3 | 有害大気汚染物質モニタリング結果について |
資料4 | 自主管理計画に基づく有害大気汚染物質対策の評価等について(案) |
資料5 | 業界団体による自主管理計画の評価及び今後の取組み等について |
参考資料1 | 有害大気汚染物質に関する第2期自主管理計画の実績について |
参考資料2 | 平成15年度実施報告書 |
参考資料3 | 平成14年度の自主管理計画実施状況への指摘事項等に対する回答について |
参考資料4 | 自主管理計画実施報告集計表 |
参考資料5 | 平成15年度地方公共団体等における有害大気汚染物質モニタリング調査結果について【概要版】 |
参考資料6 | ベンゼン地域自主管理地域における地方公共団体の取組みについて |
参考資料7 | 平成16年度有害大気汚染物質等削減対策に関する調査報告書(委員限り) |
【長坂大気環境課補佐】 おはようございます。ただいまから、中央環境審議会大気環境部会、第9回の有害大気汚染物質排出抑制専門委員会を開催させていただきます。
それでは、まず本日の委員会の開催に先立ちまして、小林環境管理局長よりごあいさつを申し上げます。
【小林環境管理局長】 おはようございます。委員の皆様方には大変ご多忙の中ご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。大気環境管理行政といいますか、大気行政の推進に当たりましては、日ごろから格別のご指導、ご鞭撻を賜っておりまして、改めて厚く御礼を申し上げます。また、本日は、産業界、業界団体の方々にもご多忙の中ご出席をいただいております。このことに関しましても、あわせて御礼申し上げます。
久しぶりの専門委員会ということでございますので、若干、私の方からあいさつをさせていただきますけれども、まず、ご承知おきといいますか、お気づきかと存じますけれども、当委員会の名称について変更がございました。これは平成16年5月に大気汚染防止法の改正があったわけでございまして、ここで揮発性有機化合物、VOCですね、これが規制をされるということになり、そしてその規制を18年度に開始すべく、専門委員会が設けられました。その専門委員会の名称をやはり排出抑制専門委員会、正確に言いますとVOCの、つまり揮発性有機化合物の排出抑制専門委員会という名称で設置をしたと、こういうことでございます。従来、この専門委員会は裸で「排出抑制専門委員会」というふうに言わせていただきましたけれども、それとの分野の違いがわかる必要があろうかということでございまして、これは既に決定済みでございますけれども、16年9月30日の中央環境審議会、15回の大気部会でございますが、そこでご了承いただいた上で、本委員会につきましては、有害大気汚染物質排出抑制専門委員会と、こういう名称にさせていただいております。
そういうことで、名称が変わりましたけれども、この有害大気汚染物質の管理の問題を取り上げまして、この専門委員会、本日で9回目を数えることになるわけでございます。9回を数えているわけでありますけれども、どんな歴史があったかと申しますと、これももう、釈迦に説法でございますが、この際、振り返ってみたいと存じます。これは平成8年の大気汚染防止法の改正に伴いまして、こうした有害大気汚染物質についての取組というものが法律の中に組み込まれ、そのもとでモニタリングを実施し、実質的な排出抑制対策等々の各種施策を実施してきたと、こういうことでございます。
今回ご審議いただきますものは、こういった自主的取組の第2期の成果ということになるわけでございます。具体的に申し上げますと、産業界が自主管理計画というものをつくってきた。これはそのもとになります指針を、経済産業省そして環境省が一緒になってつくり、その指針に基づいて、それぞれの団体が自主的な管理計画を立てて取り組んできた、こういうことでございます。
歴史を申し上げますと、平成9年から11年が第1期、そして13年から15年が第2期ということで、計画が進められてきたわけでございます。そういうことでございまして、その後の成果の評価をするということが任務になるわけでございます。
他方、この有害大気汚染物質を取り巻く状況等の変化が見られるわけでございます。先ほど申し上げましたとおり、VOCにつきましては、法規制が始まる。法規制だけではございませんで、自主的な取組というものも行われるわけでございまして、法規制とこの自主的な取組、ベストミックスということで、あわせましてこのVOC、炭化水素とかそういうものでございますが、の削減が図られていくと、こういうことでございます。
現在はこの自主的な取組の方法について、先ほど申し上げましたもう一つの専門委員会、VOC排出抑制専門委員会のもとでご議論でいただいているということでございますが、実はこのVOCとこの有害大気汚染物質とは重なっている部分が大変多いと、こういうことでございまして、いわばVOC規制の、あるいは自主的取組も含めましてでございますが、こういったものを織り込むことによりまして、この有害大気汚染物質対策というのも変化をしていく、また進められていく、加速化すると、こういうことになろうかなというふうに思っております。これも踏まえて今後のことを考えなければいけないと、こういうことでございます。
それからもう一つは、PRTR制度が本格施行されてございます。平成15年3月以降は毎年その集計結果が公表されるということでございますし、本年の3月には、当初予定しておりましたすそ切りも全部外れて、初めてのフルデータということで、17年3月にはPRTRのデータ公表というのが行われているわけでございます。
ところでこういった排出量、PRTRでよく出てきますデータというのは、ほとんどが大気への排出、こういうことでございます。そして個別企業ごとにもそれがわかってくると、こういうことでございますので、この有害大気汚染物質対策を今後進めるに当たっては、このPRTRの進捗ということについてもやはり踏まえておく必要があるのかなというふうに考えているわけでございます。
そういうことで、そういった新しい情勢の変化も踏まえつつ、また、片や、この、さっき申し上げました第2期の自主管理計画がどういうふうに進んできたか、この評価も踏まえまして、今後どういうふうにしていったらいいのかというようなことにつきましても、本日はご議論いただくということになろうかと思っております。
どうか忌憚のないご意見をちょうだいいたしますようお願いをいたしまして、甚だ簡単ではございますが、雑駁でございます、私の挨拶とさせていただきます。
なお、私自身ちょっと国会に呼ばれていたり、別の会議がございますので、ちょっと途中退席になろうかと思いますが、お許しいただきたいと思います。どうもありがとうございます。
【長坂大気環境課長補佐】 それでは、まず、お手元の配付資料のご確認をお願いします。今回、参考資料も大分ございますので、資料の量として多数になってございます。
一番上に議事次第があると思いますが、そちらの下に配付資料の一覧が添付してございます。資料1がまず委員名簿、そして、資料の2番目が横長の表でございます。それから資料3、モニタリング結果について。それから資料4、自主管理計画に基づく有害大気汚染物質対策の評価等について(案)。それから資料5、業界団体による取組み等について。
それから、参考資料1が、5月12日に開催された産構審の会議資料でございます。同じく参考資料2もそうでございます。非常に分厚いものです。それから、参考資料3が、同じく5月12日の産構審の会議資料でございます。それから参考資料4として、A3の横長のものをおつけしております。それから参考資料5が、平成15年度の有害大気のモニタリング調査結果ということで、昨年の9月10日の記者発表資料。そして参考資料6が、地域自主管理計画に関する自治体からの提供資料。そして最後に、これは席上の委員のみ配付させていただいておりますが、冊子になっている平成16年度有害大気汚染物質等削減対策に関する調査の報告書というものでございます。
以上、資料の不足、ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【長坂大気環境課長補佐】 なお、本日は産業界の方にもご発言いただく予定でございまして、特別にお招きをしておりますが、後ほど改めてご紹介をさせていただきます。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、永田委員長にお願いをいたします。
【永田委員長】 どうもお忙しい中、また、足元のお悪い中、お集まりいただきましてありがとうございます。
今回は先ほど局長の方から話がございましたように、第2期、平成13年度から平成15年度にかけて実施されました有害大気汚染物質に関する自主管理計画、これが終了したということを受けまして、その結果を整理、評価していただく、加えて今後の有害大気汚染物質対策の取組についてご審議していただくということになっております。よろしくお願いします。
なお、この件につきましては、先ほどもご紹介ございましたように、この審議会に先立って、経産省の方の産構審、化学バイオ部会リスク管理小委員会有害大気汚染物質対策ワーキンググループにおいて審議されますとともに、ベンゼン地域自主管理計画については、関係の地方公共団体の方でチェックが既に行われております。
それでは、早速ですが議事の方に入りたいと思います。
まず、平成15年度の自主管理のチェックアンドレビューを行います。
今までの自主管理計画についてのチェックアンドレビューは、業界団体による自主管理計画の報告とベンゼン地域自主管理計画の報告を別の日に行わせていただいておりましたが、今回はこの1回だけということで対応を願いたいと思います。
まず、74団体から提出を受けました36に上ります個別の業界団体の自主管理計画、それからベンゼンに係る5地域の地域自主管理計画の、平成15年度の実施状況について、事務局の方から説明をお願いしまして、そのあと、皆さんの方からコメント、意見等をちょうだいしたいと思っております。よろしくお願いします。
それでは、どうぞ。
【長坂大気環境課長補佐】 それでは、ご説明させていただきます。
関連する資料が多数ございまして、先に簡単にそれをご説明させていただきますが、まず、資料2ですが、こちらが個別物質ごと、それから個別団体ごとに排出量が11年度から15年度までにかけてどう推移したかというものを一覧表にしたものでございます。
それから、参考資料でございます、参考資料1、それから参考資料2が、こちらは5月12日に開催されました産構審の会議資料でございますが、参考資料2が各団体より提出いただいた実施報告書をそのまま全部束ねたものでございます。非常に大部でございますので、こちらの方をまとめていただいているものが参考資料1になります。本日、時間の関係もございまして、参考資料2はごらんになっていただくということで、参考資料1を中心に説明させていただきます。
それから、参考資料3でございますが、こちらは昨年開催しました排出抑制専門委員会の指摘事項について、産構審の方から回答ということでつくっていただいたものでございます。こちらにつきましては事前に資料を送付させていただいていると思いますが、非常に細かい内容も含まれておりますので、後ほどごらんいただければと思います。
それから、参考資料4でございますが、こちらも例年作成させていただいておるものでございますが、自主管理実施報告書の個票をもう少し、やや詳細に取りまとめたもので、団体ごと、それから対象物質ごとに製造と使用等に分けて、その量と排出量というものの関係をまとめたものでございます。
それから、すみません、1個飛んで参考資料6になりますけども、こちらの方は地域自主管理計画5地域ございますが、ベンゼンについて、自治体の方から提供していただいた資料でございます。このうち、本日は資料2と参考資料1とこの参考資料6を中心にご説明させていただきます。
それで、まず、参考資料1をごらんいただきたいと思います。
参考資料1、有害大気汚染物質に関する第2期自主管理計画の実績についてという資料でございます。1番目に背景といたしまして、平成8年5月大気汚染防止法の改正におきまして、有害大気汚染物質対策についての事業者の責務が追加されました。これに基づきまして当時の通産省と環境庁は指針を策定いたしまして、これに基づいて業界団体に自主管理計画の策定を要請しております。当時はベンゼン等の有害大気汚染物質、ダイオキシンを入れて13物質で始めておりまして、現在、12物質でございますが、事業者団体77団体が平成9年から11年度にかけまして第1期の自主管理計画を実施して、一定の成果をおさめてございます。
その後、平成13年6月に、今度は平成11年度の年間大気排出量を基準として、平成15年度の目標値というものをつくって、第2期の自主管理計画というものの策定を要請いたしまして、これに対して事業者団体が74団体、それから5つのベンゼンに係る地域自主管理計画というものが、平成13年度から平成15年度という期間において第2期の自主管理計画というものが策定されております。
このたび、この第2期自主管理計画に基づく実績報告というものを受けてございますので、この内容、そして平成15年度をもって第2期自主管理計画が終了したということも受けまして、その結果を整理、評価したものだという内容でございます。
この第2期自主管理計画、一番下に(1)対象とする有害大気汚染物質でございますが、そこに掲げてあります12物質を対象にしてございます。
次のページに参りまして、(2)番、自主管理計画策定団体につきましては、社団法人日本化学工業協会ほか、延べ74団体が合計36の自主管理計画を策定してございます。
それから、ベンゼンに係る地域自主管理計画につきましては、室蘭地区等5地域とありますが、室蘭、それから鹿島臨海、京葉臨海中部、それから水島臨海、大牟田という5地域が自主管理計画を策定してございます。
2番に行きまして、平成15年度の実績報告の概要でございますが、総排出量の実績で、報告をされました74団体の36自主管理計画の対象の12物質の総排出量を見ますと、約1.6トンとなってございます。これは平成15年度のものですが、平成15年度の目標量は約2.3万トンでございましたので、約0.7万トンを下回るというものでありました。これによって対象12物質の総排出量は、第2期自主管理計画の目標量を大幅に達成したということが明らかになっております。
(2)番、個別物質ごとの報告の概要でございますが、全12対象物質が平成15年度の目標を達成しております。また、全36自主管理計画の延べ78対象物質のうち、延べ71物質について、平成15年度目標を達成してございます。
その表の1がそれを一覧表にまとめたものでございまして、一番左に基準、11年度の基準値の総排出量がございます。これをもとにどれだけ削減できるかということで、15年度の目標値が隣に書いてございまして、さらにその横に、実際にはどうだったかという15年度の実績値がございます。
その数字の比較をしていただければわかるわけですが、その一番右に達成率というのが書いてございます。達成率の式が一番下に書いてありますが、これはおおむねその15年度の実績の増減率が、15年度の目標の増減率をどれだけ上回ったかという数字になっていますので、これが100%を超えると達成しているという数字です。ですから、100%を超えて多ければ多いほどいっぱい削減されたというふうに見られますが、すべての物質について100%を超えているというような状況でございまして、対象12物質すべてについて達成をしていると、こういう状況になってございます。
4ページ以降に個別物質と個別団体ごとの総排出量の推移というのが一覧表になってございますが、そちらの部分を利用して加工させていただいたのが資料2でございまして、資料2をごらんいただきたいと思いますが、先ほど延べ78対象物質のうち、延べ71物質について目標を達成したというご説明をさせていただきましたが、こちらをごらんいただきますと、一番右に未達成理由という欄がありますが、その横に達成率という数字があります。こちら先ほどご説明させていただいたものと同じでして、100%を超えていると達成をしているというもので、これについて物質と自主管理計画を策定した団体ごとに、これが延べ78欄あるということですが、このうち71は100%を超えていて、7物質については残念ながら超えられなかったということで、基本的にはほぼうまくいっているという状況でございますが、この未達成理由の部分だけ業界団体等について聞いて、その理由が書いてございますが、そこだけ簡単に見てまいりますと、ジクロロメタンの日本航空宇宙工業会、「設備投資を平成17年度延期した企業の存在や、修理機数の増加等があったため」ということで、計画どおりにいかなかったということかと思いますけども、それでも一応89%の達成はしているというような内容でございます。
それから、2ページに参りまして、テトラクロロエチレンの日本電気工業会等でございますが、未達成理由としては、新たな製造ラインが追加され、排出量が倍増した等が理由として書いてありまして、計画策定後に事情の変更があったということにより、達成値が69%であったということでございます。
それから、同じくテトラクロロエチレンの日本鉄鋼連盟ですが、こちらについても、「想定外の生産増に伴う使用料の増加があった」というようなことが理由として書かれてございます。こちらについては達成は55%であったということでございます。
同じくテトラクロロエチレンの日本電線工業会でございますが、こちらについては「コルゲート管のプラズマ溶接技術を検討したが導入できなかった」ということでございまして、その後、洗浄済み鋼板の導入を検討しているということでございますが、新技術の導入がうまくいかなかったということで、達成率86%であったということです。
それから、トリクロロエチレンにつきましては、全国楽器協会が84%の達成率でございましたが、「実現困難な目標を設定したため」ということで、最初の計画がちょっとやや壮大過ぎたということであったということでございます。
次に、ホルムアルデヒドの日化協等でございますが、こちらについては平成13年度に新たな発生源が判明したということ、それから生産量倍増により排出量増加ということで、発生源と認識していなかったものが新たに見つかったということで、これでもとの量が大分ふえてしまいますので、そういったこともあって、達成率80%であったということでございました。
資料の3ページの方は、これ地域自主管理計画の方でございますので、申し訳ございません、参考資料1とまた並行してごらんになっていただきたいんですけども、参考資料1の3ページでございますが、ベンゼンに係る地域自主管理計画の報告の概要ということで、5地域の総排出量につきましては約144トンでございまして、平成15年度目標量の約149トンを下回っているということで、全体としては目標を達成したという状況でございます。個別地域計画におきましても、すべての地域で90%以上の達成率となったとございまして、表2をごらんいただきたいと思いますが、同じく一番右に達成率が書いてございますが、これ100%を超えておりますのが室蘭と鹿島臨海とそれから大牟田地区でございます。こちらについては達成したということ、それから残念ながら達成はできなかったというのが京葉臨海と水島でございますが、こちらについても達成率99%と90%ということで、ほぼ達成に近いような状況だということで、削減率だけ見ていただきましても、大分、相当の量が削減されているということが言えると思います。
そちらにつきまして、先ほどの資料2の3ページの一番最後に未達成理由として聞いておりますのが、京葉臨海中部地区におきましては、平成15年度に実施予定の排出抑制対策の完了時期が遅れたということで、ほんの若干遅れたということでございますが、99%達成しておりますので、その分はすぐ取り戻せるのかなというようなことかと思います。
それから、水島臨海地区におきましては、稼働率アップにより排出量が増加したということで、こちらもやや想定外の排出量の増加があったということもございますが、それでも90%の達成率というような内容になってございます。
それで、参考資料1をあと簡単にざっと見渡していただきたいと思いますが、7ページ以降に排出量の推移を棒グラフ化したものがございまして、右上に、横になっていますが、別紙2(1/4)となってございますが、総排出量12物質合計で11年度基準値に比べまして徐々に減ってきているというのが見られます。
同じくアクリロニトリル、アセドアルデヒト等、個別物質を見てみても大体同じ傾向が見られまして、次のページをめくっていただきますと、塩化ビニルモノマー、それからクロロホルム、1,3-ブタジエン、ベンゼン、それから1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、それからホルムアルデヒド、最後に二硫化三ニッケル及び硫酸ニッケル等のニッケル化合物ということで、どの個別物質を見てみましても、一様に順次減ってきているという状況が見られました。
それから、ベンゼンの自主管理計画における排出量の推移を棒グラフにしたものが最後についてございますが、総排出量それから室蘭地区、鹿島臨海、京葉臨海中部、水島、大牟田、どの地区においても漸次排出量が減っているというような状況であったということでございます。
それから、最後に、参考資料6を簡単にご説明させていただきます。
ベンゼンに係る地域自主管理計画の関係地方公共団体からの提供資料ということで、各自治体の道県様より資料を提出していただいております。
1ページ目、室蘭地区における自主管理計画への関与についてというものでございますが、1番目に書いてございますが、平成16年度においては事業者から平成15年度実績について、次のとおり報告や説明を受けているということで、毎年度このようなやり方をやっているということでございました。
室蘭につきましては、新たな取組もされてございまして、2ページをちょっとごらんいただきたいと思いますが、今後の対応についてということで、平成17年3月ですね、ことしの3月に事業者、市、道で構成する室蘭地域環境保全連絡会議を設置したということで、これに基づきまして、ベンゼンのみならず、有害大気汚染物質それからVOC、こういった化学物質全般についての排出抑制の取組について、このような枠組みで今後さらに続けていくというようなことをご報告していただいてございます。
それから、18ページに参りまして、茨城県よりご提出いただきました鹿島地区における地域自主管理の関与についてということでございまして、こちらにつきましては、1番目に書いてございますが、年度始めに開催されるベンゼン自主管理協議会で関係事業者からの前年度の削減実績、それから大気環境モニタリング結果、それから当該年度の削減対策と削減量の説明を受け、削減計画について協議しているということで、こういった形で自治体と事業者の方々の取組が共同で行われているということでございます。
それから、21ページに参りまして、こちらについては千葉県からご提出いただきました京葉臨海中部地区での取組でございます。1番にありますとおり、そこに書いてあるような事業者に参加していただいて対策を行っているということで、ちょっと飛んで23ページに参りまして、4番目に、平成15年度に実施した情報の提供の具体的内容とその方法とございまして、[2]に、地域自主管理計画で地域行政との連携というのが書いてございます。千葉県環境生活部大気保全課、千葉市、市原市、袖ヶ浦市の各大気環境保全担当者へ、地域自主管理計画の平成14年度の実績の説明を社団法人千葉県環境保全協議会が実施ということで、このような場を設けて事業者と自治体との協議をして連携を図っているということをご報告いただいております。
それから、24ページに参りまして、こちら岡山県からご提出いただきました水島臨海地区における関与についてということでございます。
1番目に書いてございますが、岡山県の環境への負荷の低減に関する条例に基づきまして、ベンゼンの大気中への排出・飛散に伴う環境への負荷が著しいと認められた地域として水島臨海地区を指定しているということで、この条例に基づいた取組をしているということ。それから1の最後の方にありますが、また、地域のベンゼン排出業者で構成される水島コンビナート環境安全情報交換会(ESI会)に参加し、計画の実施内容等の情報交換を適宜行っているということで、これまでこういうふうになってきているということでございますし、6番の今後の対応方針についても、この枠組みにより引き続き対応をとっていくというご報告を受けてございます。
それから、最後に35ページが福岡県でございます。大牟田地域ということで、1番目の地域自主管理実施に当たっての自治体の関与の仕組みということでございますが、計画策定者は地域自主管理計画に基づき、みずから行った排出口や敷地境界等における測定結果を自治体に定期的に提出するとともに、計画の前年度の進捗状況や当該年度の実施計画を報告するということをやっていると、こういったことを通じまして計画策定者と地方公共団体は積極的な意見交換を行っているということでございます。
4番目の自治体との連携についてということで、福岡県と大牟田市が常に情報を共有し、必要に応じて両者協力し、計画策定者との協議や現地調査等を行うということで、福岡県、大牟田市、それから事業者ということの情報交換、連携をとっていくということで、ご報告をいただいております。
以上のようなことで、参考資料6、非常に簡単なご説明ですが、地域自主管理計画については自治体と事業者における連携、枠組みがつくられて、排出削減が図られてきたということでございました。
簡単ではございますが、平成15年度までの排出実績等につきまして、ご説明を終わらせていただきます。
【永田委員長】 どうもありがとうございました。
それでは、いかがでしょうか。ただいまの報告の件につきまして、何かご意見、ご質問等がありましたらお願いしたいと思います。
どうぞ。
【中杉委員】 ホルムアルデヒドの日化協のデータですけれども、平成13年度に新たな排出源が判明したというお話ですが、これを除いたとき、どのぐらいの数字になってきたかというのを計算をされているのか。
【石崎氏】 しています。個票を見ていただくと、この分厚い中に書いてございます。分厚い中のホルムアルデヒドの欄を、そうですね、ちょっとこれ、ページがなかなか申しにくいんですが。
【永田委員長】 ページは何ページになるのですか。
【石崎氏】 ページが6です。
【石崎氏】 ページ6を見ていただきますと、ここにおのおのの物質、1から11までございますが、ホルムアルデヒドの9番を見ていただきますと、ここのところは製造、使用と新規と、こういうふうに分類してあります。したがって、現存の部分は製造、使用の部分の2つの欄で集計していますのが、新たに発生した分の新規を加えたらどうだった、そうでないものはどうなっているのか、仕分けしてございます。ですから、いろいろなところで新しく新規という部分、あるいは調整という表現がこの物質群にはありますが、それで仕分けをしてありますので、7ページのグラフにもその部分はご理解いただけるように別途、表を、図を工夫してございます。
以上でございます。
【永田委員長】 よろしいですか。
【中杉委員】 はい。
【永田委員長】 ほかにいかがですか。
どうぞ。
【中杉委員】 地域全体の、地域のベンゼンの自主管理の話なんですけども、これは今地域全体で、今後の方向の話に少し入っちゃうかもしれませんけど、これ、多分排出削減が達成できても、実際に測っている濃度がクリアできないところとクリアできているところ、達成したからクリアできているところがあるんですけども、地域的な条件みたいなものが非常にきいてくるように思うんですね。
例えば、鹿島はもう、ほとんど西風が吹くから、みんな海の方に行ってしまって、比較的問題がないようなところだし、多分、室蘭というのは非常にそういう意味では地域的に難しいというか、気象的にも難しいところじゃないかと。そうすると努力してもなかなかいかないようなところ、そういうところの少しかみ合わせを考える必要があって、そういうふうにいくと、もうこの地域の全体をつぶすのではなくて、個々の事業所をどこがというふうな話を少し考えてつぶしていかないと、手詰まりになってくるかなというような感じを持っています。ちょっとこれは少し先走った話をしています。感想だけですけど、また後でそこら辺の議論があるかと思います。
【永田委員長】 どうもありがとうございました。
何か、今の地域の関係で、室蘭市の方から、コメントがあったら。
【室蘭市】 室蘭市の渡辺といいます。
濃度の件についてということ、全体について、濃度につきましてはちょっと、今、数字が確定しておりませんけれども、16年度は濃度は達成されたところでございます。
私ども行政としてはやはり濃度達成が1つの目標だろうと、行政の目標だとは思っております。
【永田委員長】 はい。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
【森川委員】 また、未達成理由の話のところに戻るんですが、これは排出抑制の議論の当初の心配事でもあったんですけど、経済の変動、すなわちその製造量、生産量の変動に伴って排出量が変わってしまうんじゃないかと。たまたま経済が下降状態のときだからというようなことがあって、量的に減っていくということがあるんではないかというような話が当初ございましたのですが、この未達成理由のところを見ると、ラインの増加があったとか、あるいは投資の繰り延べがあったとかということで、そのために未達成になったということなんですが、その内容は、一応、そういう増設等々があったときに、既に対策が講じられながらしたのか、あるいは増加した後これから対策が進むんだというような話であるのか、その辺がちょっと明確に書かれていない例がありますので、その辺のお話が伺えると、我々も先行きに希望が持てるような気がするんですが。
【永田委員長】 この未達成理由というのは今後の取り扱い方になるわけですが、今、森川先生がおっしゃられたような形で、いろんな書き方があるのかもしれませんが、質問して、今後の対応をどうするつもりなのかというのを確認していかなくちゃいけない、というふうに解釈させていただいてよろしいでしょうかね。
【森川先生】 はい。
【永田委員長】 よろしいでしょうか。そういう意味では量的に少ないんですが、最初から困難な目標を設定したためと、こういう言い方で済ませてしまうというわけにはいかない、それを十分反省した上で、新たな目標なりを考えていかれるつもりなのかどうか。
それから、達成する見込みがありますよという書き方もしているんですが、もう未達成ですぱっと切っちゃっているところをこれからどう扱っていくつもりなのかというようなところも聞きたいと思いますので。未達成理由というものに対して、もう少しきちっとした対応を聞いていただくような方向性を検討させてもらえますか。
何かそういう点でお気づきの点があったら、ご指摘いただいておくと、こちらからもう一遍尋ねるときの参考になるかと思います。
例えば地域でも、ベンゼン排出設備の稼働率アップ等により排出量が増加したためとかというのが出てきて、これは水島の方ですけど、どういう扱い方をされているのでしょうかね、地方自治体の関係者で水島地区でしょうか。
【倉敷市】 倉敷市ですが、ベンゼンの排出施設の稼働率アップということなんですが、これは、県の条例によって届け出を出していただいているベンゼン等排出施設なんですが、地域自主管理計画の中で、当然、排出抑制対策が行われている施設でありまして、その施設での生産量アップであるとか取扱量アップであるとかにより、ある一定濃度で排出されるんですが、総トータルとしてどうしても増加した数字になってしまうということで、こういう理由を書かせていただいております。
【永田委員長】 何かその後の対応について話し合いはされているんですか。
【倉敷市】 条例に基づいた計画は出していただいておりますので、その削減率や除去率を、例えば処理施設の能力アップの対応を行う、などの対策を条例の計画を出していただくときに要請をしてまいっているという状況であります。
【中杉委員】 よろしいですか。
【永田委員長】 どうぞ。
【中杉委員】 よろしいですか。具体的にどうするかというのを検討していただくことになると思うんです。これ稼働率アップというと、施設が新しくできなければ、今、施設の能力がこのぐらいで、今の削減率であれば最大、フルに稼働するとどのぐらいになるかというのは計算できるわけですよね。そうすると、やっぱり、頭に入れた上で計画を立てていくことが必要なんだと、そこまであり得るわけですよね。そうしたときにどうなるのかということを少し念頭に、そういうことも数字として頭に入れた上で全体の計画を考えられた方がいいんではないかと。当然、景気がよくなれば今後も増えていくことになるし、今度逆に言えばそういう施設が新しくつくられたときには、そこからどうなるのだというふうなことを踏まえてやっていかないと、どんどんどんどん増えれば、増えていくことが当たり前なので、そういう一番の大きな枠というのを押さえた上で、現状がどういう見方をした方がいいんではないかなというふうに思いますけど。
【永田委員長】 どうぞ。
【内山委員】 今までの議論は多分正しいと思うんですね。それで問題は新しく今度製造ラインをつくったときに、今までのノウハウがどういうふうに公表されていて、それをどういうふうに生かせるかということが非常に重要だと思います。この5年間せっかく、削減を、いろいろな工夫をしてやってこられたわけですね。ですから、今まで休んでいたラインがまた稼働するということのほかに、新しくラインなり生産のラインをつくったときに、今までの削減の工夫がどのように新しい施設に生かされるかということがまた非常に大きな問題だろうと思いますので、この今までの、どうやって削減してきたかというノウハウをぜひ公表して、今後新たなときにそれを生かしていただきたい。そうすると、今までやってきたものが非常に有効に働くのではないかという気がします。
【永田委員長】 そうですね。わかりました。その辺また、今後の取組の中で参考にさせていただきたいと思います。
よろしいでしょうか。もしよろしければ、平成15年度の話はこれぐらいにさせていただきまして、次に、自主管理計画期間中における大気環境濃度の推移等をまとめた有害大気汚染物質のモニタリング結果を作成しておりますので、これは資料3になりますけど、事務局の方から説明していただきます。
【長坂大気環境課長補佐】 それでは、資料3に基づきまして有害大気汚染物質モニタリング結果について、ご説明させていただきます。
まず、モニタリングの概要でございますが、こちらは大気汚染防止法に基づきまして、地方公共団体におきましてダイオキシン類以外の21の優先取組物質のうち、測定方法が確立されていない2物質を除いた19物質を対象に、平成9年度から毎年実施されてございます。
その対象物質のうち、4物質に環境基準、4物質に指針値が設定されておりまして、別紙1で一応概要がごらんいただけます。優先取組物質が、一番左に物質名が書いてございますが、こちらが優先取組物質になります。この21物質中、一番下にクロロメチルエーテル、「メチル」が抜けておりますけども、クロロメチルメチルエーテルとタルク、こちらにつきましては測定法が確立するのが困難ということで、ちょっと現時点ではモニタリングはできてございません。モニタリング対象のうち、環境基準が設定されておりますのが、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、それから指針値が設定されておりますのが、ニッケル化合物、アクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、それから水銀及びその化合物ということになってございます。で、自主管理の計画対象となっておりますのが、一番右に丸がついているものという、こういった関係になってございます。
もとに戻っていただきまして、このモニタリングの結果でございますけれども、環境基準と指針値が設定されている8物質につきまして、平成10年度から平成15年度に環境基準、または指針値を超過している地点数というのが別紙2のとおりでございました。
別紙2でございますが、4ページになります。上の表が環境基準設定物質でございまして、環境基準を超過している地点数につきましては、ベンゼンが平成10年度に292地点中135地点が超過しているということで、11年度から15年度まで必ず超過地点数がございますが、徐々に減ってきているという状況にあることが見えると思います。
それから、残りの3物質については、ジクロロメタンだけ平成14年度に一度超過がございますが、基本的にはもう、ほとんど超過がないという状況でございます。
2番目が指針値を設定している物質でございますが、こちらにつきましては、ニッケル化合物が平成10年度から15年度まで毎年多少、若干の超過地点数があるということですが、割合にして見ますと、これは大体1から3%以下というような状況でございます。
あと、残りの物質については、アクリロニトリルで10年、11年、15年度と1地点の超過、それから塩化ビニルモノマーで平成12年度1地点の超過がございますが、基本的にはおおむね達成されているというような状況が見られます。
これについて、そこで今ご説明したことを書いてございますが、ベンゼンが33地点、ニッケル化合物が7地点、これは平成15年度で超過していますが、ニッケル化合物の超過率は2.6%であり、ベンゼンについて経年変化を見ると、超過地点数は着実に減少していると。その他の物質については、ほぼすべての地点で環境基準を満たしていたということでございます。これは指針値あるいは基準値が設定されている物質についてでございました。
それから(2)番、全国的な大気中の濃度の推移についてでございます。モニタリング対象となっている19物質のうち、生産・輸入量が多く、大気環境の状況が比較的よく把握されており、かつ長期毒性があると認められる12物質について、平成9年度からその自主管理計画に基づく排出抑制が進められております。
この自主管理計画で対策が進んでいる12物質について、平成10年から15年度の大気中の濃度推移を見ますと、全国的な傾向として平成15年度の大気中濃度は、平成11年度に比べて37から93%に減っているという、全物質の濃度が低下しているということが見えるということでございます。
これは別紙3の方をごらんください。5ページ以降が別紙3でございます。
個別物質ごとに見てまいりますと、まず、左上にベンゼンの図がございますが、この折れ線グラフが全体と、あと沿道、発生源、一般環境という区分けをした場合の、その区分けごとに平均値をとっております。その平均値の濃度変化のものでございまして、折れ線グラフは徐々に下がってきているというのが見えるかと思います。
環境基準値のラインを3マイクログラムに引いてございますが、平成10年度では超えておりましたのが、徐々に減ってきて平均値では今超えない状況になってきたという状況でございます。
後ろの棒グラフですけれども、網かけが濃いのは第1期自主計画の年間排出量の推移を参考までに後ろに重ねてみたものでございます。薄い方のものが第2期の自主管理計画でございまして、平成13から15年でございますが、11年が基準年でございますので、それもあわせて重ねております。
ここで、1期と2期ではもととなる排出量が違いますので、ややその1期と2期を単純に比較できないということでこういうふうに重ね合わせておりますが、全体的な傾向としては、排出量が減るに従って全体的な濃度も下がってきているという傾向かと思われます。
同様に、トリクロロエチレン以下を見てみますと、トリクロロエチレンにつきましても濃度としては全体的には下がってきていると、発生源につきましてはやや変動がございますが、こちらについても下がる傾向にあろうかと思います。環境基準値の200μg/m3よりははるかに下のレベルでございます。
同様、テトラクロロエチレンにつきましても、そのような傾向が見えまして、環境基準の200μg/m3よりははるかに下のレベルでございます。
ジクロロメタンにつきましても減り具合がやや小さくは見えますが、同じ傾向で、150μg/m3のはるか下のレベルになるということでございます。
ニッケル化合物につきましては、濃度につきましてはやや横ばいかなという状況でございますが、指針値の25ng/m3に比べますとこれを超えるという状況にはないということです。
それから、アクリロニトリルにつきましては、やや減ってきているかなという状況がございますが、さらに指針値の2μg/m3に比べて下のレベルで推移しております。
次に、6ページ、塩化ビニルモノマーでございますが、こちらについても発生源でやや変動あるものの、全体的に減っている傾向が見えるかと思います。指針値は10μg/m3でございますので、大分下のレベルであります。
水銀及びその化合物につきましては、こちらについては自主取組の対象になってございませんので排出量のグラフはございませんが、やや若干下がっているという傾向が見られるかと思います。指針値は40ng/m3でございます。
それから、次からは指針値が設定されていない物質でございますので、推移しか見ることができませんが、クロロホルムにつきましては、発生源周辺で平成14年度から15年度でちょっと上がってございますが全体としては濃度が減っている傾向、同じく1,2-ジクロロエタンについても同じように、発生源でやや平成14年度から15年度で上がっていますが、これも全体としては減っている傾向かと思われます。
アセトアルデヒドにつきましては、横ばいかやや減っているかというような状況、同じくホルムアルデヒドについてもそのような状況と見られます。
それから、7ページ、1,3-ブタジエンでございますが、こちらについては減っているような気もしますが、横ばいかなというような状況。
そして、クロム及びその化合物につきましてもこれは横ばいかなという状況。ヒ素及びその化合物については横ばいかなという状況、マンガン及びその化合物についても同じような状況かと。ベンゾ〔a〕ピレンにつきましては若干減っているかなと。それから、ベリリウム及びその化合物につきましては、濃度は大分減ってきているという状況。それから、最後に酸化エチレンにつきましては横ばいな状況であろうかと、こういったような状況が見てとれるということでございます。
そちらについて簡単に文書化しておりますのが、1ページの最後にございまして、個別物質ごとの傾向を見ますと、クロロホルムと1,2-ジクロロエタンについては発生源でやや増加している。平成14年度から15年度でしていますが、全体としては改善傾向。アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、1、3-ブタジエン、ニッケル化合物については、おおむね横ばいの傾向。
それから、その他の物質については、おおむね改善傾向にある。これは自主管理計画の対象になっている物質についてでございます。
それから、対象となっていない物質の大気中濃度については、おおむね横ばいかまたは改善傾向にあるということが見てとれました。
なお、自主管理計画に基づいて、事業者から報告された平成15年度の年間排出量は、個別物質としては平成11年度の年間排出量の21から72%の量に減っている。総排出量としては43%の量に削減されております。
次に、地域自主管理計画対象地域におけるベンゼン濃度の推移についてでございます。ベンゼンにつきましては、第1期でも環境基準達成率が低かったため、工場等からの排出が寄与しているというところ、そういう5地域を対象に、平成13年度から地域自主管理計画が実施されてございます。
この5地域における排出制限周辺の主な継続測定点のベンゼン濃度推移というのが、こちらが別紙4でございます。こちらにつきましては、継続して測定を実施しているところのみやってございますので、非常に測定点数は少ないんでございますが、それを同じように、経年変化とあと排出量を後ろに棒グラフで示したもの、これで全体的な傾向を見ますと、室蘭地区、鹿島臨海と、全5地域におきまして、濃度については全体としては下がっている傾向かなということが見てとれます。
文章の方に戻りますと、一部の地域で平成14年度から平成15年度にベンゼン濃度の微増が見られますが、平成12年度と比べた平成15年度の大気中濃度、地域別濃度を見ますと、大体40から62%の濃度となっておりまして、全地域で濃度低下が見られたということが見受けられました。
なお、地域自主管理計画に基づき事業者から報告された平成15年度の年間排出量は、平成11年度の年間排出量の1から23%の量に減っている。対象地域全体としては14%の量に削減されていると、このような状況でございました。
モニタリングの結果については、以上でございます。
【永田委員長】 どうもありがとうございました。
いかがでしょうか。何かご質問ございませんでしょうか。
【森川委員】 すみません。単純な質問なんですが。
【永田委員長】 はい。
【森川先生】 ベンゼンの排気なんですが、今、別紙4のところで開いている京葉地域ですと、一般大気の方が沿道より高くなっていますね。
【永田委員長】 京葉地域。
【森川委員】 ええ、京葉の。ところがベンゼン全体を見て、別紙3で見ると、沿道の方が高いのが普通なんですけど、これは何か特別な事情があったんですかね。
【永田委員長】 どうぞ。
【長坂大気環境課長補佐】 別紙4でございますが、これは、基本的には全部発生源周辺のプロットでございまして、この四角とか丸とか区別なく、全部発生源周辺。8ページに凡例が上に書いてございますが、これは物質ごとの凡例でございまして、すみません、この凡例は9ページには関係がなくてですね。
【森川委員】 ないんですか。
【長坂大気環境課長補佐】 ええ。9ページは右下に凡例がございますが、単に地点ごとにプロットを分けたというだけでございます。
【森川委員】 そうですか。全部、発生源周辺のものでございますね。
【永田委員長】 なるほど。主な継続測定地点というところを、今の発生源周辺なんだということははっきり謳ったらいい。
【森川委員】 発生源別なんですね。
【永田委員長】 発生源別というか。
【長坂大気環境課長補佐】 発生源、一応、この9ページの一番下にタイトルで、「ベンゼンに係る地域自主管理計画策定地域における発生源周辺の主な継続測定地点」としてございます。
【永田委員長】 ここにも書いてある。
【長坂大気環境課長補佐】 説明が言葉足らずで、申し訳ございませんでした。
【永田委員長】 あと、いかがでしょうか。
内山先生、ほかの、今回話題になっているような物質以外のところでも、環境基準や指針値とか、いろいろ議論されているものもありますよね。そういう中で何かお気づきの点がありますでしょうか。
【内山委員】 現在、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、それとアセトアルデヒド、1,3-ブタジエンで指針値を現につくろうということで検討しておりますね。ですから、こういう実際に測られたものが指針値と比べてどうかという、それは指針値がまたできれば健康リスク評価もできるということになってくるかと思います。恐らくこういう表をつくられたときに、その指針値と比べ、指針値があれば健康リスク評価ができる、曝露評価だけではなくて、リスク評価がわかるようなもの、何かをつくっていただけると非常にありがたい。
それから、今、拝見していますと、沿道、いわゆる移動発生源から出てくると思われるものは、ある程度この自主管理で削減されても横ばいになりつつあるという感じがいたします。
それから、今現在、自主管理物質でないものに関しては、減っているものもありますが、ほぼ横ばいのものもあるということで、これは指針値を今後どうするかということもありますけれども、確かにこういう指針値をつくったり、それから自主管理物質に指定されれば着実に減っているけども、そうでないものに関してはもう少しやっぱり見ていく必要があるかなという気が今しております。
【永田委員長】 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
(なし)
【永田委員長】 もしよろしければ、以上でモニタリングの方も終わりにさせていただきまして、ここから、今の2つの結果を踏まえた上で、自主管理計画に係るその全体の評価を議論していただきたいと考えています。
まず、自主管理計画全体の評価のまとめとして、私の方からあらかじめ事務局の方に指示をいたしまして、原案の作成をお願いしてございます。まず、その案を事務局の方から説明してもらい、その後、議論願えればと思っておりますので、よろしくお願いします。
それでは、よろしく。
【長坂大気環境課長補佐】 それでは、資料4、自主管理計画に基づく有害大気汚染物質対策の評価等についての案でございます。こちらをご説明させていただきます。
1番目にまず背景でございまして、平成8年5月の大防法改正で事業者の責務が追加された趣旨を踏まえるということで、これまでの経緯を書かせていただいております。
一番下になりますが、「この度、これら第2期自主計画に基づく平成15年度の実績報告を受けたことから、中央環境審議会大気環境部会有害大気汚染物質排出抑制専門委員会では、その結果を整理・評価し、今後の有害大気汚染物質対策の取組みについて審議を行った」ということの前書きでございます。内容につきましては、これまでご説明させていただいた内容を書いてございます。
それから、2番目、第2期自主管理計画の取組の状況とその評価ということで、(1)事業者団体の自主管理計画についてですが、まず、[1]実施状況、報告をされました74団体による自主管理計画(36計画)の対象12物質について、個別の物質ごとの排出量を見ますと、まず、全物質で目標を達成しております。また、この結果、平成15年度の12物質合計の排出量は約1.6万トンとなり、平成15年度目標値約2.3万トンを0.7万トン下回っております。これらのことから、全体として自主管理計画は着実に実施されたものと考えられるということでございます。
[2]は排出量の削減と大気環境濃度ということで、自主管理計画対象物質の総排出量が、平成11年度から15年度の間に3.8万トンから1.6万トンに減少したということに伴いまして、物質ごとの大気中濃度も37%から93%に低下をしたということから、自主管理計画に基づく排出量削減が大気環境濃度の改善に効果があったということが考えられます。
なお、平成15年度のモニタリング調査結果におきましては、ベンゼンが33地点、ニッケル化合物が7地点で、環境基準または指針値を超過しているというものも現にございます。このニッケル化合物の超過率は2.6%、それからベンゼンについて経年変化を見ますと、超過地点数は着実に減少していると、こういった状況にございます。
それから、(2)ベンゼンに係る地域自主管理計画ですが、[1]の実施状況は、ベンゼン地域自主管理計画対象の5地域において、平成15年度の排出量実績値は約144トンでございまして、目標値149トンを5トン下回っております。
また、対象地域ごとを見ますと、室蘭地域、鹿島臨海地域及び大牟田地域の3地域においては目標値達成、それから、未達成であった京葉臨海中部地域及び水島地域の2地域についても削減目標量の90%以上は削減されているということから、全体として地域単位の自主管理計画は着実に実施されたものと考えられます。
それから、[2]の排出量削減と大気環境濃度ですが、対象5地域のベンゼン総排出量が平成11年度から15年度の間に、約1,048トンから約144トンに減少しております。これに伴いまして、大気環境濃度は平成14年度から平成15年度に限って見ますと、一部増加している地域があるものの、平成12年度から15年度の推移で見ますと、全地域で40%から62%の濃度低下が見られるということでございまして、自主管理計画に基づく排出量削減が大気環境濃度の改善に効果があったと考えられます。
なお、平成15年度の調査結果を詳細に見ますと、室蘭、京葉臨海中部それから水島の3地域において、環境基準を超過している地点は6地点存在していることということで、まだ一部環境基準を超過しているという地域が残っているという状況でありました。
それから、(3)第2期自主管理計画の総合的な評価ということでございまして、第2期自主管理計画に基づく有害大気汚染物質対策では、さまざまな排出抑制対策が進められた結果、目標を上回る排出量の削減が図られるとともに、有害大気汚染物質対策に取り組む各主体の役割が明確となり、以下のように自主的取組を促進する体制が整ってきたと考えられます。なお、自主管理計画に対する国のチェックアンドレビューも自主管理計画を進める上で、一定の役割を果たしたと考えられます。
以下のようにという体制というのは、ローマ数字のiとiiで2つあります。
iとしましては、自主管理計画を通して業界ごとに情報を集約・報告するとともに、ベストプラクティスの情報を企業間で共有するといった体制が構築されたということが挙げられます。
それから、ii番目で、地域自主管理計画等を通しまして、公害防止協定の締結、条例の制定、それから協議会の設置等、地方公共団体と事業者との間に排出抑制に係る協力体制が確立されてきた。こういったものが整ってきたということが考えられます。
これらの状況及び大気環境濃度もおおむね改善傾向にあるということを勘案しますと、第2期自主管理計画は、第1期に引き続き大きな成果を上げたものと評価できる。なお、平成15年度モニタリング調査結果から見ますと、環境基準等を超過している物質はベンゼン及びニッケル化合物のみであって、超過地点も限られてきたが、超過地点が存在している地域においては、より一層の排出抑制対策の実施が望まれるというのが、これは総合的な評価の案でございます。
そして、これを受けまして3.有害大気汚染物質対策の今後のあり方ということで、章を設けさせていただいております。
(1)が今後の方向性でございますが、有害大気汚染物質については、[1]これまでの業界単位の全国的な自主管理計画に基づく排出削減により、全国的に濃度は改善したこと。それから、[2]平成13年度から実施されているPRTR制度により、個別企業ごとの排出地点、及び排出量の把握が可能となり、全体的なチェックアンドレビューの仕組みが整ったということ。それから、[3]平成18年度から新たに揮発性有機化合物(VOC)規制が開始、そして自主管理計画対象の12物質のうち、11物質はVOCに該当しております。こういった3点を挙げさせていただきましたが、自主管理を始めたころと状況には大きな進展が見られるということ。これらを勘案しますと、今後の有害大気汚染物質対策の進め方としては、これまでのように業界単位等で削減取組を実施するのではなく、自主管理計画を通じて確立された枠組み等を活用し、個別事業者のそれぞれの責任のもとで自主的な排出抑制や地方公共団体と事業者との連携による地域主体の自主的な取組へと移行することが適当と考えられる。いわば通常の環境対策に普通に見られる姿に移行することであるということで、(1)今後の方向性の全体的な考え方、このようなものでいかがという案でございます。
(2)につきましては、今の全体的な方向性の中で、各主体の役割をもう少し詳しく書かせていただいております。
[1]が事業者における自主的排出抑制の推進ということで、自主管理計画に基づくこれまでの取組の成果を踏まえ、事業者は今後とも個々の事業者自身の責任のもとで、有害大気汚染物質の排出抑制に係る自主的取組を継続していく必要がある。その際、事業者は敷地境界での有害大気汚染物質の測定に努め、測定した結果等を自主的に公表することが望ましいと。さらに周辺住民とのリスクコミュニケーションに取り組む等の対応を図っていくことも必要であるということ。また、自主管理計画で構築された事業者団体又は企業間での情報共有の体制を継続して、今後とも排出抑制対策技術等を初めとした各種の情報の交換を関係者の間で積極的に行っていくが適当であると、これが事業者の取組でございます。
2番目は、地域の実情に応じた地域主体の取組の実施ということ。PRTR制度により、地域ごとに有害大気汚染物質の排出量を把握できるようになったこと等を踏まえまして、今後は地域の実情に応じた地域単位の取組を実施することが有効であると。このため、ベンゼン地域自主管理により確立された地方公共団体と事業者団体等との協力体制を生かしながら、地方公共団体を中心とした地域主体の取組を実施することが望ましいと。そして、その際には周辺住民とのリスクコミュニケーションを積極的に行っていくことが望ましい。こちら[2]の、地域主体の取組の内容でございます。
最後に、3番の国の役割でございます。国は、今後ともPRTRデータ、及び有害大気汚染物質モニタリング結果等により、排出量や環境濃度等を検証・評価し、国民へこれらの情報を提供していく必要がある。また、同一地点における経年的な環境基準等の超過が見受けられる場合等には、必要に応じて、地域主体の排出抑制対策等を支援するものとする。また、排出量や環境濃度等を検証・評価し、事業者における自主的な排出抑制対策が十分でない場合等には、必要に応じて追加的な措置及び新たな有害大気汚染物質対策の検討を行っていくことが適当である。その際には、群小発生源の存在も視野に入れて検討していく必要がある、ということ。
そして、さらに、有害大気汚染物質のうち、環境基準又は指針値が設定されていない優先取組物質につきましては、科学的知見の収集・整理がなされたものから順次指針値等を設定し、新たに指針値等が設定された際には、モニタリング調査結果等を評価し、それに基づく排出抑制対策等を検討していく必要があるということ、これが国の役割ということの案でございます。
最後に、国といいますか、当委員会について触れております。
当委員会はこれまで有害大気汚染物質対策全般について審議してきたところであり、特に自主管理計画については、経済産業省の産業構造審議会とともに、主にチェックアンドレビューを行ってきた。今後とも当委員会においては、PRTRデータ及び有害大気汚染物質モニタリング結果等により、排出量や環境濃度等を継続的に検証・評価し、それらを踏まえ有害大気汚染物質対策を検討していくこととする、ということで、本案の取りまとめとなっております。
資料4につきまして、以上でございます。
【永田委員長】 どうもありがとうございました。 いかがでしょうか、この資料4について、何かコメントありましたらお願いします。どうぞ。
【中杉委員】 ちょっと2ページ目のところで大気中濃度が93%に低下したというのは、これ、ニッケルですか。ほとんど低下していない、誤差範囲だと見ることもできないわけではない。ですよね。そういう意味で、これちょっと、ニッケル自体については確かに排出削減の対象項目ではありましたけども、ごく一部のものをやっているわけで、同じ原理で議論しちゃうと少し難しいのかなと。少しそこら辺を分けた説明が必要じゃないだろうかというふうに思うんですね。
何か、これだけ見ていて、ニッケルについては7地点、まだ超過地点があって、それが横ばいで推移しているというところも踏まえて考えて、指針値を決めたときに、あの指針値ですぐに規制なんていう話じゃとてもないということで、そうなると自主的に削減をしていただく必要があるのかなと議論をしたように思うんですが、そのとき、その効果が必ずしも今のところ出ているとは思えないような状況ですよね。
それと、もう一つは、PRTRの結果が平成13年度から始まっているわけで、その結果を踏まえて、PRTRの方で排出量がどういうふうに、全体としてどうなっているのか、それが大気の濃度にどうなったのか。これは平成15年度、また少し対象が増えてしまったので、単純な比較はできないのかもしれませんけども、そういうふうなところを少し検証する必要があるのかなというふうに思います。
【永田委員長】 はい、わかりました。
今のところの書き方、ちょっと工夫させてもらいましょうか。原案を、短時間の間かもしれないけど、ちょっとそちらで考えておいてくれませんか。93%、確かにちょっと。こちらの書き方もそのとおりになっているんだけど、これは実績としての話で、こういうふうに書かれたのかもしれないです。
【長坂大気環境課長補佐】 対象物質ごとにやや削減率が低いというものもあるということで、記述文についてはその辺を考えさせていただきたいと思います。
【中杉委員】 文章の中で記述するのは多分大変なので、注、コメントを。
【永田委員長】 コメントをね。
【中杉委員】 注を入れておいたらどうですか、ニッケルについて。
【永田委員長】 括弧書きか、あるいは一番下にちょっと注をつけるなり。
【中杉委員】 そういうふうにして。
【永田委員長】 はい、わかりました。
【長坂大気環境課長補佐】 それから、PRTRデータとの比較なんですけども、ちょっと、ざっと見ましたところ、正直申し上げますとPRTRデータがまだ精度の方がいまいちよくないということもあるようでして、ふえているのか減っているのかというのが、やや3年間を見ますとばらばらな状態でございまして、ちょっと現時点ではそれと比較するというのはなかなか難しいのかなというような状況でございました。
【永田委員長】 よろしいでしょうか。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
【中杉委員】 もし、3の今後の方向性のところまで少し入ってよろしいですか。
【永田委員長】 ええ、どうぞ。
【中杉委員】 そういう意味で、今、自主管理をやっているのは実質はVOCの12物質で、ニッケルについて一部やっている。それについて、VOCについて非常に効果が上がっている、大気の濃度も下がってきている。自主管理を続ける必要性はかなり下がってきているだろうということがわかるのと、もう一つは、今度VOC規制によって一層下がってくるだろうと。これはそのまま結構ではないかというふうに、この評価で、そのままでいいのかなと思うんですが、それ以外のこれまで自主管理をやってこなかったものをどうするか。これ、濃度が今のところ横ばいのままなんですね。
それと、もう一つは、先ほど内山先生が言われた、指針値を検討している項目ですね。それらが今指針値がどうなるかがまだわからないので、超えているか超えていないかわかりませんけど、超えているものが出てきた場合にどういうふうに考えるのか。そういうところを少し、全面的にあれするのでいいのかどうかというのを少し議論した方がいいと思うんですね。そういう意味で、今、VOC以外、自主管理の対象外にしている物質についてどう考えるか。
先ほど言いましたようにニッケルについては当然規制云々の、基準を超えていれば規制の話ではないというふうに申し上げて、規制をするべきではないと私が今現段階で思っていますけども、それにかわるという意味では自主管理をしていただくのがほぼ方策だろうと。それをどうするかという話と、ほかのものについても今後そういう指針値をつくられていったときに、結構出てくる。そういうものをどういうふうに考えていくかというところが必要なんではないか。そういう意味で、ぽんと抜けてしまっていいんだろうかという感じを私は持っております。
【永田委員長】 今の関係の話は4ページ目の国の役割の「さらに、」以下の文章が絡んでいる形が書いてありますよね。
【中杉委員】 いや、3ページのところの「今後の方向性」ということで、もう「いわば、通常の環境対策に普通に見られる姿に移行することである」という、前のところの話ですよね。全体としてそこへすっと行ってしまっていいのだろうか、もう行くんだよともう決めてしまっていいんだろうかというところが少し気になる。
【永田委員長】 ああ、なるほど。
【長坂大気環境課長補佐】 委員長、よろしいですか。
【永田委員長】 どうぞ。
【長坂大気環境課長補佐】 「いわば、通常の環境対策に普通に見られる姿に移行することである」というのは、ある意味、国の役割に書いてあることがそれだと思っておりまして。それで、4ページの国の役割ではございますが、まず、これ、内山先生にもご指摘いただきましたが、環境基準または指針値が設定されていないとなかなかその評価が難しいということでございますので、そういったものができた場合ですけども、当然、これまでの環境、これまで通常の環境対策に、普通のやり方というのは、その基準値あるいは指針値等、環境濃度を比較いたしまして、環境濃度、現在のリスクはどれぐらいあるかということを判断して、もしそれを超えていると、全国いろんなところで超えているという状況であれば、それは必要に応じて規制的手法を検討するというのが、まず通常の環境行政における考え方でございまして、そういったものを含めて言っているものでございまして、それについては国の役割の中段で、「事業者における自主的な排出対策が十分でない場合等」、「等」とありますけども、「………必要に応じて追加的な措置及び新たな有害大気汚染物質対策の検討を行っていくことが適当である」というのは、そういった意味も含まれているというふうに考えているところでございます。
【中杉委員】 よろしいですか。従来型のいきなり排出規制にいくというんではないよというのは、この自主管理の計画のいいところだと思うんですよね。そういう、その選択肢をここで振り払ってしまうのかというのは、私、気になる。もう一回同じようなことを繰り返してやることがないんだろうか。多分、基準を超えて指針値超えた、じゃあ規制だという話にすぐにいかなくたっていいわけですね、これまでの経験で。それはものすごく効果が上がっている。逆に、これをそのまま読んでしまうと、そこをやめて規制にいきなりいっちゃいますよという話に読めてしまう。
【関大気環境課長】 私どもの認識としましては、12物質のみを自主管理にしたというのは、この審議会でこう書いてありますように、特に重要なものについて減らそうと。業界単位でお願いするというガイドラインをつくっていただきまして、いわば自主管理でありますけれども、日本特有の強い行政指導で、業界単位でスクラムを組んで緊急的に減らしていただいたということで、大変大きな成果が上がったと思っております。この間、時代も随分変わりまして、排出量をみずからその報告、公表しなければいけないというPRTR制度もできましたので、名前のとおり自主的取組、個々の企業の社会的責任において、状況に応じて自主的に減らしていただくような、いわば普通の姿に戻るいい時期ではないのかなというふうに考えております。そういう意味で何も規制をすぐかけてやろうと、そんなこと思っているわけではありません。問題ないレベルであれば、引き続き個々の事業者の対応でうまくいっている限りではいい。それが全国的に、将来、仮の話でございますけども、うまくいかないということになれば、それは過去の経験で業界単位でまた同じようなやり方を復活させるか、あるいは法に基づいて何かをするか等々については将来いろんな経験が蓄積されておりますので、ご検討いただければということで、排除しているものではございません。
【中杉委員】 排除していることではないということでいいと思いますけども、実際問題として、今、確かに事業者の方の意識は高まっているということは認識はしておりますけども、PRTRが今度出てきて、そこに報告されれば今までの業界単位ではない、個々の、この委員会でも業界単位だと地域的なあれが見えないよねという話をしていて、それがPRTRで見えてくるという話。有効なことだろうというふうに思うんですけども、ただ、実際に調べてみると、これは後で国の方でやっていただくことになりますけど、PRTRデータ等、有害大気汚染物質のモニタリングデータを比較してチェックをしていくと、どうも報告していないところが見えてくる。実際に当たってみるとそういうところが出てくるわけですね。そういうふうなのは1つの別な方策としてやるのかですけども、事業者の方、もう大部分の事業者の方はちゃんとやってきておられるだろうと。だけどそういう方がまだおられるということをどういうふうに考えていくか。そこら辺のところを十分環境省の方で管理をしていただく必要があるだろうと。これはPRTRの担当は環境管理局じゃありませんけども、両方連携をうまくとって、しっかり管理をしていただかないと、これは業界の方でそれをちゃんと管理していただければいいんですけども、若干必ずしもそうなっていないようなので、そこら辺のところだけをしっかりやっていただくことをお願いしておきます。
【永田委員長】 はい、ありがとうございました。 ちょっと3ページ目の「いわば」の文章は、要るんですかね。
【関大気環境課長】 特になくても……。
【永田委員長】 いいですよね。さっきのこっちをちゃんと読んでもらった方がすっきりするかなと思うので、この「いわば」以下の文章は切らさせてもらいましょう。
いかがでしょうかね。先ほど内山先生からもご注意いただいたような、これまでの情報を生かすような話とか、具体的にそれがどうというようには書かれているわけじゃないんですが、その精神はある程度盛り込んであるつもりではいるんですけど、抑制対策などの情報共有みたいな話ですね。
【内山委員】 ですから、3ページの上からの1のところに書いてある、「ベストプラクティスの情報を企業間で共有する体制を構築された」というところに。これがそういう意味なんでしょうか。そこら辺を、これは自主管理計画に入っておられた大企業は当然共有されていると思うんですが、今後はその業界団体全体に任せるということになりますと、むしろ、中小の企業にも国等が積極的にノウハウを公表していただきたい、あるいは共有していただきたいというふうに読めるようにしていただけるとありがたい。
【永田委員長】 はい。それは今後の取組の方で、そういう表現といいますか、あるいは、ちょっとあれなんですけど、今のような情報をたしか資料としても出したり、それから、今度は指導する立場の地方自治体の方にもそういう資料を提供したりということで、そういう意味で抑制対策に関する情報提供とか情報共有というのは非常に重要な視点なんだろうと思いますので。これはちょっと、どこであれだったかな、何かそういうふうに読めそうだなと思うところが、各種情報の交換とかね。そうですね。「今後とも排出抑制対策技術等を始めとした各種の情報の交換を関係者の間で積極的に」、ここで一応、そう謳っているので。ただ、一部業界の中には中小事業者も入っていらっしゃるところもあるわけで、余りそこだけ強調する必要はないので、広くそういう情報共有していくんだという意図でもいいんじゃないんでしょうかね、これで入っているというふうに解釈して。よろしいでしょうか。
ということで、今、ご意見いただいた流れからすれば、この「いわば」のところをちょっと削らせていただくのと、先ほどの「93%」を、どういう表現にされるか、あるいは括弧書きか注書きか。では、時間がまだありますので、検討しておいてくれませんか。
とりあえずのところはこれでよろしいでしょうかね。この後、実は事業者の方からこれまでの取組についていろいろお話をいただくんですが、とりあえずここで、委員会としては、その話を聞いた後でもう一遍変更しなくてはいけないということであればお伺いさせていただきますが、この評価については、今、「93%」の書き方を考えさせてもらいますけど、後でご紹介するような形で、それを含めて大筋のところはこういう格好でよろしいということでご了解いただけますでしょうかね。いいですか。
【中杉委員】 ちょっと。
委員長の話ではないんですが、国の役割の中で、PRTR制度をもう少し強化する方向で、環境管理局の方で、特に大気への排出は非常に重要ですので、大部分ですので、その発生源として今PRTRの対象事業所であって、対象の施設とか対象業種だとか報告を求めているところで、それで適切なのかどうかというチェックをしていただく必要があるかと思うんですね。大きく抜け落ちているところがあるかどうかというようなところをやはりチェックをしていただく。というのは、この文章の中で読めるというふうに思いますけども。
【永田委員長】 ええ。よろしいでしょうかね。これもそれがかなりベースのデータになっていくということを謳っているわけで、そこがちゃんとしたものになっていないと全体計画も、あるいは書いてある内容も、そういう意味じゃ齟齬をきすということになるかと思います。
それでは、よろしいでしょうか。それでは、業界団体の方々にお見えいただいていますので、この第1期、第2期を通じて、自主管理計画を進めていただいて、当事者としてこれをどう評価しているのか、今後どう取り組んでいくかということを考えていらっしゃるか、それぞれお話をいただきたいということで、3団体、どうぞ。
日化協の石崎さん、それから石連の奥元さん、それから日本鉄鋼連盟の橋本さん、3名の方にお越しいただいております。
まず、日化協、石崎さんの方からお話をしていただけますか。
【石崎氏】 それでは、資料5に基づきまして、日化協としてご説明を申し上げます。
本日、非常に大部な資料が出ておりますので、ほとんどの部分の事実関係の部分はもうその中に入っておるものとして、今までのこと全体を含めてご説明を申し上げます。
まず、第1ページ目でございます。基本的に1.自主管理(第1期、第2期)の評価ということにつきまして、2つの項目にわけてご説明を申し上げます。
1つは1)の参加団体のお話でございます。ご承知のとおり、化学工業会というものは非常にすそ野が広うございまして、結局、平成8年のこの12物質の決定を受けたとき、ニッケルだけは私どもでは取扱いがございませんので、そのかわりに酸化エチレンを加えた12物質でこの削減に取り組みました。この取組のとき非常に難しかったのは、どこまでの業種を入れるのかということが非常に大変でございまして、実はこの参考資料2の分厚い資料は、1から44ページまでが日化協の活動の内容を説明しているわけでございますが、この中でもわかりますように、日化協以下、合計で34団体、会社の企業数が300社という格好でございますので、大企業だけというわけではございません。つまり日化協の場合は大企業、中企業を完全とはいかないけれども、中から大企業に近いところまで入っているという300社であります。この300社を取りまとめる活動をやりまして、結果はこの参加率が高かったと、それから、もともとこの高いという理由は、やっぱり物質が非常に業界にとっての寄与が高いことは、我々化学業界自身がつくっているわけですから当然それを知っている。もともとこの制度のスタートのときに、自主管理の成果、濃度が下がらなかったら自主管理は取り上げるという当時の中間見直し答申の一番最初にございまして、大気環境濃度が改善に寄与しない限り、我々が必死にやっているレスポンシブル・ケア活動なんて、あれはうそっぱちだよと言われることもございまして、必死にやったと。こういうふうに、基本的に参加団体は理解しております。
その結果として、2)でございますが、ここのところで、じゃあ、何%にするか。一番最初は、たしか、第1期は3割という計画でありましたけれども、第2期も含めますと、単にそういうふうに上から押しつけるということができません。したがいまして、これを各社が自覚してどのぐらいにするかということで積み上げて、目標を設定したということでございます。
このときのやり方でございますが、結局この部分はやはり、やった効果とその検証、本当に成果が上がったのかという部分が大事でございましたので、第2期からは既に始まっておりましたPRTRデータというもの、354物質の全物質及び全事業所、ここまでのデータを各社に送付いたしております。それから、当然、先ほどご説明がありました大気環境濃度も具体的に皆様に配付をいたしまして、各社なりの判断と見直しを毎年実施してきました。
ですから、自己中心的にならないように、各社の削減計画というのは、やっぱりチェックアンドレビューが毎年かかっていって、結局は最初の目標以上の達成ができたのだと、こういうふうに思っております。ただ、この活動はやっぱり自主とは言いつつお金のかかる話でございまして、やった部分で、どれだけ効果が上がったかということ、つまり経済性、なおかつ環境濃度も低減すると、この3つの中で考えて自主的にやったということにおいては、非常に画期的な活動だったと我々自身は考えております。これがまず、1期、2期全体の評価でございます。
2番目は、さてこれからはご提案がございました全国一律なのか業界単位なのかという自主管理のあり方に対する我々の認識でございますが、基本的に平成8年のときには、まだまだ、PRTR及びPRTRのデータの公表もありませんでした。当時平成8年のときはそれがわからない状態でスタートしていますので、業界単位での対応しか当時はできませんでしたが、その後のPRTRそれから事業所のデータが全部出てきておりますから、既に事業所の状況は皆さん、日化協の中の参加されている会社がもう既に知っているという状態になります。ですから、PRTRの中に有害大気12物質が入っている以上、業界単位でまだやらなきゃいけないという意義は薄れているのだろうと、こういうふうに思っております。またこれからはさらにその大枠が有害大気という枠を超えて、揮発性有機化合物にさらに拡張するわけです。どちらも大気面では、大気汚染物質の範囲というのが広がるということではありますが、大気という形の中では、VOCの方がはるかに範囲が広い。その中であれば、当然、この活動の中で、まだ有害大気汚染物質で問題になる局所的なものもそのトレンドは当然わかるわけで、更に、業界でぎりぎり削減するという課題は薄れているのだろうというのが我々の議論でございます。
2ページ目に移ります。問題はやはり、じゃあ、これで有害大気の活動を止めるのかという議論やご懸念があろうかと思います。ただこれにつきまして、我々は管理はするが削減計画まで立案しなければならない時代はもう終わっている、こういうふうに思っております。ですから、今の状態を維持する、これが我々の責務だと思います。その部分はどうやってやるのかというのは、やはり2つのデータベース。環境省からお示しいただける全国濃度と、もう一方で出てくるPRTRのデータ。幸いにしまして、この12物質を一生懸命やってきた会社さんはもう長年の蓄積がありますから、データのぶれはございません。ですから、少なくとも参加いただいた各社の結果が大きく変動しない限り、全体として増減がどうなったのか、この2つさえ確認できれば十分に事足りると、こういうふうに思っております。
3点目でございます。じゃあ、今後有害対策はどうするのかということでございますが、今まで述べましたように、結局、有害大気汚染物質対策が1本あって、PRTRの届け出があって、これからVOCの新規部分があってと、3本の計画を立てるということは非常に頭の中が皆さん混乱するのです。まず、混乱が現実に起こっておりますのは、揮発性有機化合物は、対応すべき物質をどうやって決めていけばいいのかという問題で現在でも非常に戸惑いがあります。こういう問題については、PRTRは確かに354しかないのですけれども、VOCの中には少なくともPRTRの物質が半分ぐらい入っているのではないかと私自身は実は思っております。そうすると、基本的にVOCを下げていくという中に、PRTR制度にある物質の相当部分が検証の材料になるだろうと。もちろん、有害大気もその中に当然入ってくる。したがって、検証制度ということを我々業界が考えるときは、やっぱりPRTRというのは個別事業所もあり、地域もあり、そして業界もわかる、これぐらいいい制度はない。だから、これを基本的に今後の有害大気の部分で「現状が維持されているか」という検証に使いたい。一本化したい。あっちもこっちも計画を立てることはやめたい。そういうふうに私ども思っております。
基本的にそういうことが今現在私どもで考えております各業界との話し合いの部分でございますが、今後、実は、一番下のところで書いてありますように、我々の業界もまだ今度参加団体等を増やさなければなりません。団体を増やすこと、そして企業数を更に増やすことという非常に大きな困難を極めておりますので、こういうスキームの中でも、どうやってやるかというので、今、必死で工夫をしておりますので、中小企業の把握という問題、これも何らかの方向で解決策を見つけたいと、こういうふうに思っておりますので、できるだけそういう目で有害大気対策も包含していきながら対応してまいりたいと。
以上でございます。
【永田委員長】 どうもありがとうございました。
それでは、続けて石連の方からお願いできますか。奥元さん。
【奥元氏】 では、ご説明いたします。読む格好にはなりますけども、これまでの自主管理計画として、石油連盟では、ベンゼン排出抑制の自主管理計画第1期と第2期を策定して、石油業界における排出削減に取り組んでまいりました。
(2)ですけども、管理目標値としてはいずれも排出原単位、ガソリン販売量当たりのベンゼン排出量を採用しております。
(3)第1期ではガソリン品質の改善などにより、削減対象を広く広げて削減することとして、平成11年度の排出原単位を平成7年度対比40%の目標に対し、44%の削減実績を得ております。さらに第2期では、対象を原油基地・製油所、油槽所等に絞り込んで、15年度の排出原単位を11年度対比で50%以上を削減することにして、実績的には62%削減となり、目標を大きく上回る削減となっております。
では、どういうことを実施したかといいますと、(4)にありますように、業界全体で大きなお金をかけてベンゼン低減装置を設置して、製品ガソリン中のベンゼン含有率を1%以下にしたことに加えて、固定屋根式タンクから浮き屋根または内部浮き屋根式の改造、それとか、装置と装置の中間タンクの使用停止、船出荷からコンビナート配管への出荷方法の切りかえ、それからベンゼン船出荷のベーパー回収設備の設置等の対策を地道に実施してきたことによります。
今後も現在の全国一律業界単位の自主管理計画の必要については、上記のように目標を超えるベンゼンの排出削減効果を得られたことに加え、その(2)に、今回の大防法の改正を受けて石油連盟ではVOC排出抑制の自主行動計画を策定することにしております。実際には、もう検討に入っております。ベンゼンはVOCの一物質であることから、ベンゼン自主管理、VOC行動計画で重複することも、ちょっとまずいと思います。
石油業界の場合、ベンゼンの排出抑制の方法とVOCの排出抑制の手段・方法がほとんど同じといいますか、全く同じわけでして、VOC排出抑制の取組の中でベンゼンの排出抑制の効果も期待できると考えております。実際にVOCの対象を決める際に、蒸気圧という格好で決めたわけですけども、その中にベンゼンも含まれておりますので、VOC排出抑制の中で取り組んでいけば、ベンゼンの排出抑制もおのずから上がってくると考えております。
3、今後の有害大気汚染物質への取組については、以上述べましたように、個別事業所において引き続き排出抑制を継続することになります。具体的には、既に計画していたベンゼンの排出抑制工事に加えて、新たにVOCの排出抑制工事を加えて石連主導で石油業界のVOC排出抑制の自主行動計画を策定し、その中で有害大気汚染物質の排出削減を継続していくことになると、こういうふうに考えております。
ですから、まあ、管理計画、行動計画、いろいろ名前はあるんですけども、結局それを2つ別個にやるのではなくて、1つ大枠VOCでやって、その中に自主管理でやってきたベンゼンも含まれて実質的に継続されるという格好で、今後は進めてまいろうと思っております。
以上でございます。
【永田委員長】 どうもありがとうございました。
それでは、続けて、鉄連の橋本さん。
【橋本氏】 はい。それでは、お手元の資料の5ページから鉄鋼連盟のご報告をいたします。
当連盟の報告資料につきましては、最初に1.として、鉄鋼連盟ではベンゼン等の4物質を自主管理の対象物質として定めて取り組んできましたけれども、各物質の排出等の状況について、具体的な数値データを表の形でお示ししております。その後に2で、取組の状況の対策の中身等も含めまして、自己評価、最後に今後の取組みについてという構成にしてございます。
まず、最初に各物質ごとの排出量についてでございますけれども、最初がベンゼンでございます。表の並びとしましては、第1期とそれから第2期を並べてお示ししておりますけれども、その後の3物質も同じですが、第1期と第2期で把握の範囲が若干違っておりまして、特に第2期ではPRTRの仕組みに沿って排出量の把握をしていくということに統一いたしましたので、それなりにベースはできたんですけども、第1期の場合にはまだ試行錯誤のところもございまして、主に排出量の多いところを中心に自主的取組ということでやってきたということで、第1期と第2期では各物質とも範囲が違ってございます。
表の中の排出量の欄をごらんいただきますと、同じ平成11年度の数値のところで差が出ておりますけれども、これはそういった排出の把握の範囲の違いによるものです。そのために、第1期の排出量の欄については、括弧つきの数字で第2期と同じようなPRTRをベースとするような排出の把握で算定した、推計値になりますけれども、という数字を括弧つきで記入してございます。
まず、ベンゼンにつきましては第1期、第2期を通してみますと、第1期の基準年度でありました平成7年度に1,900トンぐらいの排出量でございましたけれども、平成15年度については実績260トンというところまで排出量の削減を行っています。
達成率の評価については、第1期、第2期それぞれ達成率の欄にお示ししますとおり、第1期については124%、第2期については118%ということで、それぞれで目標を上回る達成を図っております。
それから、その次、トリクロロエチレンでございますけれども、これも第1期基準年度の排出量550トンぐらいでしたけれども、これを平成15年度実績として225トンまで削減してございまして、第1期については達成率、ちょっと100%を下回っておりますけれどもほぼ達成、第2期についても110%ということで、達成をしてきてございます。
それから、その次のテトラクロロエチレンですけれども、こちらにつきましては第1期基準年度で120トン程度の排出量でございました。第2期につきましては、途中で新たに使用を開始した事業所が出てきたということも、当初参画のところに追加でそういった事業所が出てきたということもございまして、15年度の排出量の欄、上段、下段、ABで分けておりますけども、Aの方が当初からの参画の事業所の分、Bは途中から新規に追加したところということで2段に分けて評価してございますが、最終的には88トンという排出量になってございます。
第1期、第2期のそれぞれの活動の達成率で見ますと、第1期についても58%、それから第2期については、下段の欄で見ますと55%ということで、それぞれ目標の年度については未達という形になっておりますが、第1期につきましては11年度の未達の状況を踏まえまして、当連盟として、平成12年度まで同じような自主管理計画、継続という形で計画も延長計画をつくりまして活動を行っております。その結果、平成12年度には、1年遅れにはなりましたけれども、11年度目標としていた排出量については達成をしてございます。
第2期につきましても、目標の15年度で現在55%という未達の状況でございまして、これにつきましても16年度以降の対策についても、各社、対策を実施していただくということで、連盟としてもフォローすることにしておりまして、ちなみに途中で追加で使用を開始した事業所につきましては、15年度までに削減もそれなりに図ってきていただいているんですが、16年度で全廃まで対策をとられたということを聞いてございます。ということで、15年度で大きく未達には終わってございますけれども、今後ともその削減の状況については、PRTRのデータ等に基づいて、数量の把握と削減の状況についてはフォローをしていくということにしてございます。
最後に、ジクロロメタンですけれども、ジクロロメタンにつきましては、第1期基準年だった平成7年度に約1,400トンぐらいの排出量であったものが、15年度には500トン弱まで下げてきてございまして、第1期、第2期それぞれの達成状況の評価で見ますと、第1期では、実は11年度で逆にその基準年、第1期の把握の範囲での排出量でですけれども、基準年を上回るような排出量まで逆にふえてしまったと。これは先ほどもちょっと審議の中でいろいろ議論がありましたけども、生産変動等の影響がやはり大きくて、こういった事態が発生してございます。
これにつきましても、先ほどのテトラクロロエチレンと同様に、平成12年度も引き続き連盟として自主的取組を推進するということで、継続して活動を行ってございまして、ジクロロメタンについても、平成12年度の段階で11年度の目標を達成するというところまで成果を上げてございます。
第2期については、超過達成ということで予定以上の削減を図ってきています。
続きまして、2の自己評価のところですが、これは今データの説明のところで一部もう触れてございますので、省略をさせていただきたいと思います。
7ページの上の方に、3物質について、第1期、第2期まとめて書いてございますけれども、総括して申し上げますと、第1期については11年度時点では目標未達と、やはりその生産量の変動等の影響がございまして、未達という状況があったわけですけれども、12年度も引き続き自主的取組を継続するということで、12年度時点で削減し、11年度目標、当初の目標を達成したという状況でございます。
第2期については、テトラクロロエチレンだけが未達という状況でございますけれども、これも引き続き対策に取り組んでいくということで、その対策についても連盟としてフォローしていくという予定にしてございます。
最後、今後の自主的取組についてですけれども、最初のぽつに書いていますとおり、先ほどの審議の中でもございましたが、全体的な成果として排出量が削減され、大気環境の改善も図られてきているという評価をいただいておりますけれども、これはやはり今回の自主的な取組という手法そのものが有効だということが一応評価されているのではないかというふうに思っております。
平成13年度からPRTRの制度で各個別企業ごとの排出地点、それから排出量、これを把握できるようにもなってございますので、鉄鋼業界としてもこのPRTRの制度をベースにこれまで有害大気の物質として取り組んできた4物質、この実態把握を継続して行うとともに、新たに始まりますVOCの法規制とそれから自主的な削減への取組、その対象物質でもあるということを踏まえまして、これらの従来の有害大気の4物質についての排出削減の取組、これを自主的に今後とも継続してやっていくということで、連盟としての活動を予定してございます。
以上で終わります。
【永田委員長】 どうもありがとうございました。
それでは、いかがでしょうか。ただいまご報告いただいた内容について、ご質問、ご意見があれば、お願いしたいと思います。
どうぞ。
【中杉委員】 順番に少しずつ。
最初に日化協の方なんですが、日化協でレスポンシブル・ケアの活動の中で、有害大気の幅広く対象をやっておられた。あれはもう、PRTRの活動とどういうふうに整理をされているんですか。
【石崎氏】 この問題は、一昨日大会議を開きまして、ほぼ内定状態にございますが、日化協のPRTR集計物質は法の354よりも多い現状480物質を維持する、と。これは絶対に曲げない。480の中にこのPRTRよりもさらに広いVOC物質があるんですが、実は480でもまだ足らないものがあるということがわかってまいりましたので、さらに使われている物質がもう少し見つかってまいっておりますから、それもつけ加えて、ほぼ我々として使っている重点物質が網羅できる状態で、関係の業界及び関係各社にその中で重点化する物質を有害大気の「自主管理優先物質もどき」のものをつくりまして、計画をつくろうと思っています。すべてがこれ、全部延長線上にすべてつながっておりますので、日化協の一番上に、そのVOC物質というのを一番上へ置きまして、その下にチェックする時の物質は法のPRTR、データの検証・管理はPRTRの排出量と有害大気の測定濃度と、こういう3段階のものを一本化する形でとり進めようと思っております。
【中杉委員】 そういう意味では、国のこういう制度ではないけれども、自主管理をされ、その結果、当然公表されていくというふうに解釈してよろしいですか。
【石崎氏】 はい。ただ、現在の物質が480、我々が480もやっていて、更に追加するものもいれた500物質もあるものをご報告するわけにはまいりませんので、今現在その中で重点化する物質はもうそれでと決まった時点で、それについては毎年ご報告しようと思っております。
【中杉委員】 続けてよろしいですか。
【永田委員長】 どうぞ。
【中杉委員】 石連の方にお伺いしたいんですが、固定式から浮き屋根式への移行なんですが、全体の容量で、基数だと小さいものもあるので難しいと思うんですが、容量でどのぐらいもう浮き屋根式になっているんですか。
【奥元氏】 大気のときのベンゼンの60%以上含むもの、含まないもの、そういう区別をして、60%以上含むものは全部もう浮き屋根にしようと。今回のVOCについては、いろんな綱引きはあったんですけども、固定浮き屋根式タンクで蒸気圧が20kPa、キロパスカル以上のもの、これで容量としては2,000キロ以上のもの、これをすべて内部浮き屋根式にするということで業界としては進んでおります。
【中杉委員】 いや、それをやるとどのぐらい、全体でどのぐらいカバーできるんだろうかと。それはわかりませんか。
【奥元氏】 そうですね、現在のこれまで実施してきたものと、それと業界には海上出荷と陸上出荷と固定屋根式とあって、いろいろ難しいんですけれども、ちょっと数字は覚えていません。
【中杉委員】 わかりました。結構です。
【奥元氏】 30%削減に向けて努力するという、そういう格好で実施計画をつくることになります。
【中杉委員】 それから、鉄連の方に、先ほど私が申し上げた話は多分鉄連さんしかかからないだろうと思うんですが、例えばニッケルとかクロムとかマンガンというのは当然扱っておられる。すべての事業所が扱っているわけではないでしょうけども。そういうものに関して、今、鉄連の方としてどんなことを考えておられるのか。
【橋本氏】 実は昨年3月のこの専門委員会のときに、鉄鋼連盟とそれから鉱業協会の連名でニッケル化合物の指針値の制定を受けて、今後、まず排出の実態把握に努める、それから、その結果を踏まえて、必要な削減に向けた取組について自主的に検討していきますということで、ペーパーも出させていただいております。
それから、ほぼ、1年ちょっとたっているわけですけれども、現時点ではその排出の把握を、やはりPRTRのデータ把握の精度を上げるということで取り組んでおりまして、昨年時点では平成15年度のPRTRのデータがあったわけですけれども、やはりこの時点では把握に関してもまだ十分浸透していないところがございまして、ちょっと15年度のデータだけではまだ不十分かなというふうには考えております。
今回、平成16年度分のデータを近々届け出が終わりますので、その結果を、これは毎年連盟として傘下の企業の届け出のデータを集計してございますけれども、その結果で具体的な数字等の把握は、今回、かなりできるんじゃないかなというふうには考えています。
ただ、ニッケル化合物につきましては、高濃度の地域ごとにそれぞれの地域の行政と連携をしながら、実態把握等の対応が既にある程度進められておりますので、そちらの方の動きも一応連盟としてもウォッチしながら、今後の業界全体としての取組としてどうあるべきかという評価はこれからしていこうというふうには考えております。
【中杉委員】 実態把握をされた結果を毎年報告をしていただくと、自主的に、発表、公表していただけるとありがたいですね。それで、多分、私、そこら辺が一番気になっているところでもありますので、残った部分をどうするか。それがうまくいかないと、いきなり規制という話ではないというふうに環境省は言われたけども、こんなことを復活させなきゃいけないんじゃないかという話が、少なくともこのレベルのことは、というような、当然議論として出てくるんだろうというふうに思うんですよね。そういう意味で、自主的にやっていただくので、どのぐらい、これもまたどこまでやればいいんだという議論が出てくると困るんですが、とりあえずその少なくとも鉄鋼レベルだけじゃないですけども、工業界も含め、金辺の鉱業界ですか、も含めて、どういうふうにやられるかというのは公表されてくると、我々もしっかりやっておられるなという判断で、じゃあお任せしていていいという話になるんだろうと思うんですけれども。そこら辺ぜひお願いしたい。
それからもう一つ、全般にお願いしておきたいのは、やはり、今、全国環境調査、環境省が調査をやっていますけども、この排出抑制専門委員会でもいつも問題になるのは、それは一般環境の話であって、敷地境界はどうなんだという、そこら辺、把握できていない部分があるよという話がありまして、そういう意味でいくと、その敷地境界のあれもというのは、これは先ほどの環境省の見直しのところにもしっかり把握して公表してくださいよということが出ていますが、この辺はぜひお願いしたい。これ、本当は環境省にやれやれと言っているんですけども、なかなかそこまで手が回らないということで、これは事業者の方にお願いするということでやっていますので、そこら辺が自主管理をしていただくという上では非常に重要なポイントじゃないだろうかというふうに思います。
それと、ついでにもう一つお願いしておくのは、PRTRの把握の仕方なんですけども、これ、測定をやるときに、測定だと検出下限をどこにするかで全然変わっちゃうことがあるんですね。かなり高い検出下限でやると検出下限以下になる、検出下限以下のときはその検出下限の2分の1を入れて出しなさいよというのは、これはもう非常に酷な話なので、実際にはそうならない。それで、ゼロを入れることになる。これは検出下限が高いところだと、風量がたくさんあると、肝心なところを幾らかけてもゼロだという話になって、統計が出ない。そうなるとPRTRだといっても実態が把握できないというような事態が起こりますので、ぜひそこら辺も留意して、業界の方で指導していただければというふうに思います。
【永田委員長】 ほかに。どうぞ。
【森川委員】 似たような業界団体というふうに考えると、日化協と石油連盟とで何かお互いに連携し合うような動きというのはされていますでしょうか。あるいは、されるようなことが計画されていますんでしょうか。
【石崎氏】 多分、この3人の間ではやっていると思うんですが、工業界全体としてやっているかとなると、ちょっと見えないんですけどね。ただ、考え方は一緒でございますので、設備というのが装置産業である以上、そんなに狂うわけじゃない。
先ほど中杉先生からご指摘の検出下限濃度とかという問題よりも、製造業というのは濃いところは濃いと知っているんですよね。それよりも敷地境界というのは、もう、風によって幾らでも変わるものだから、本当にはかってくれているのかどうかがよくわからないということの方がよっぽど大きいんです。月1回の各地方自治体の部分、24時間データでございますから、じゃあ、24時間敷地境界をはかれといっても、そんな人手は出ないよといろいろと悩ましい問題がございまして。むしろ、排出口濃度をきちっと把握しているのか、それとも流量をちゃんと把握できているのか、この2つの方がよっぽど重要でございます。それで本当に着地濃度がどのぐらいを予想しているのかと、幾つかの攻め方でやらないと、本当の量はなかなか出ない。それから風量も、いや、動いているときと動いていないときがあって、そんなものはわからないよと、こういういろいろな問題がありまして、とにかく自分で工夫しなさいという情報交換だけはやっております。
【永田委員長】 どうぞ、今の、団体間の連携の話で、何かこんな格好のことが考えられるんだとか、今後やるつもりなんだという話があったら、お話ししてみてくれませんか。
【奥元氏】 実際の、ここに出てきました地域の自主管理計画というのが、多数の地区がありましたけど、その中を見ていただきますとわかるように、実際にはもう個別事業所単位で、各地域で異なる業者さんと連携をとりながらやっておりますので、内情はいろいろあると思いますが、協力しながら、できている体制はとれていると思っております。
実際にその資料の裏の方にも石油連盟の参加者の名前、それから鉄鋼業界さんの名前、そういうものが1つの地域自主管理計画の中に載っている。そういう状況ですので、そこのところは別に心配はないと思っております。
【橋本氏】 基本的にはやっぱり業態が違いますので、特に固有技術的なところではやっぱりそれぞれ違いがあるのかなと思います。ただ、こういった自主管理、自主的取組というその手法として、例えば多くの会員企業を束ねる立場としての連盟なり協会というところで、どういった活動や支援をしていくかとか、そういった取りまとめ、あるいは推進を図る上でのそういったことでの何かいろいろノウハウ、こういう技術とは違う、そういう手法的なところでの情報交換あるいは考え方なりについていろいろ意見交換をさせていただくということは、これまでもある程度はさせていただいておりますし、今後、VOC等でも自主的な取組をやることにしていますので、特に意識してということではなくて、今までも自然とそういうことはやってきているなというふうには認識していますので、そういうことをまた自然に、今後やっていくのだろうなとは思っておりますけれど。
【永田委員長】 よろしいですか。何か。
【森川委員】 いろいろ規制が幾つもあるとか、それから実際には効果がかなり上がっているようには見えていますけども、まだまだ、例えばいろんな中小企業等々の把握とか、そういうことを進めていかなきゃいけない上で、どういうような今後のアイデアがあるかというのは、それぞれ業種も違うし団体も違うので、何かそれぞれのアイデアがあって、これから進めていかれるんだろうなと思います。そういう中で自主的な管理がうまく進んでいくことが望ましいですし、今までのこの規制の排出量をずっと見ていますと、着実に毎年減っています。まだ飽和しているというところまではいっていないので、まだまだ今後の努力では可能だろうというふうにも思いますし、そういう意味では参加団体がしっかりと把握できる、その中での情報交換ができていくというようなことがかなり重要なことなのかなというふうに思ったものですから、そういうご質問をさせていただいたというところでございます。
【永田委員長】 はい。
どうぞ。
【内山委員】 今のお話にもありましたように、日化協の2ページの一番上には、もう、これは現状程度で維持されているかどうかというのを今後は確認するんだということで、ほかの石油連盟の方も鉄鋼連盟の方も、まだ自主削減は今後も続けていきますというふうにお書きいただいているんですが、日化協は自主管理計画物質についてはもうこれでいっぱいだというようなことなんでしょうか。
【石崎氏】 はい。それは分厚い資料の参考資料2のところにお書きしました。これは5ページを見ていただきます。ここのところで、5ページじゃないな、どこだったっけ。4ページですね。4ページ、コストの問題を随分やってきたんですが、実はトリクロとかそういう問題においては、実はコスト的にものすごい形で、いわゆる小さなところでもうコストが見合わない、いわゆる風量が多くて対策が。そういうところが現実に出てきてしまいました。我々は今回の部分、我々の報告書というのはアンケート方式でもう詳細な部分を答えていただくことにしておりますが、各物質ごとにいろいろなコストの部分を追っていきますと、明確に第2期は第1期に比べてコストがものすごく上がってきていると。もう目いっぱいだという声が、塩素系の物質で実は非常に上がってきました。実はそれは、それでも参加者数は300なんだけどというお話はしましたけど、彼らの言い分は、アウトサイダーはあそこにもいるのに、あいつらは何もしてないんだよねと、こういう議論が出てくるんですが、これもまた、我々もコントロールできないんです。こういう問題が出てきたときに、やっぱり環境基準値というのがあって、それは確かに局所的なものはあるんだけど、それに比べてはるかに下回っている状況なら、もうそろそろという意向があって、もう削減という対応には異議を述べさせていただきたい。こういう要望でございます。
物質が11も絡んでおりますから、数種類の部分と日化協の部分で小さい業界の、その意見を代弁してお書きいたしました。
【内山委員】 もう、皆さんお忘れになっていると思うんですが、ベンゼンを最初に生涯発がん確率でやったときは、10-5というのは、「当面」というのがついておりました。ですから、あれは本来はゴールは10-6だけれども、当面、実現可能性を考えると10-5で日本の環境基準を策定していったわけです。私個人としても、基準をつくる方としては日本の環境基準の定義からいきますと、維持することが望ましいレベルということからいけば、あくまでもこれは諸外国で言うターゲットバリューに近いもの、環境基準というふうに考えていますので、そうしますとまだベンゼンは恐らく半数以上のというか、10-6にしますとほとんどのところがまだ達成していない。ということで、まだまだそういうこともお忘れなく、できるところは減らしていただきたいというふうに思います。
【石崎氏】 今のご発言、非常によくわかっております。実は今回いろいろな物質をやって、今回、環境省のおまとめの資料3を見ていただきますと、資料3、多分、環境省が最後に皆さんにお配りになるときにはこれはカラー版だと思います。資料3の別紙3、これは発生源ごとに区分されているわけです。既にこの部分のベンゼンの部分は、高い局所的なものはあるけど、全体は確かに、全地域というのは丸印ですが、四角い印が沿道になっているわけですね。この問題を解決しないとなかなか難しい問題がこの中に秘めていると私自身は思っております。事業者も必死で下げてきました。さすがにベンゼンは大企業ですから、それは何も無理も言わず、じっと下げてきたし、地域対策もやってきたと思っています。ただ、そういう問題が見えてきたときに今後どうしたらいいのかについてはもっと議論があってもいいと思っております。
【永田委員長】 よろしいでしょうか。
大分時間も経過しましたが、以上でヒアリングといいますか、このお話を終わりにさせていただいて、今のお話を受けながら、もとへ戻って恐縮なんですけど、この資料4、先ほどの評価についての話なんです。何かここでつけ加えるとか、あるいは変更するとかという箇所があるかどうかという、最終的なこの評価について、コメントをいただければと思っています。
その前に、さっきの表現のところ、どういうふうにしますか。
【長坂大気環境課長補佐】 先ほど中杉委員よりもご指摘いただいた2ページの[2]の物質ごとの大気中濃度37から93%の93%を確認いたしましたが、こちらについては一番高かったのが1,3-ブタジエン92.8%、その次がホルムアルデヒド92.6%ということで、いわゆるこちらも排ガス系の部分が関与してくる物質ということでございまして、そういった意味でニッケルに関する注釈というのはよろしいでしょうかということなんです。
【永田委員長】 いや、これだとほとんど下がっていないという印象に見られますよという話だったんじゃないかな。
【中杉委員】 ニッケルについて、ニッケルが一部やって、一部しかやっていないから下がっていないんだというようなところかなと思ったので、その一部しかやっていないということをコメントを書いてください、書いたらどうかということを申し上げたんだけど、必ずしもそうではない。その点についてはそういうふうな書き方ではない方がいいのかもしれない。ただ、永田委員長言われたように、93%って、ほとんど下がっていないというふうに見られるのを何か注釈をつける必要あるかという話ですよね。
【永田委員長】 大気中濃度が37から93と、まあ37の方はいいとしても、93という格好で書かれたときに、改善に効果があったと考えられるという言い方が、見えてこないという話も含めて、この93、それはあるのは事実なのでね。それがどういう話なんだということを少し注釈でもつけた方がいいんじゃないのかというご意見でしょう。それでそれがニッケルじゃないかという話で思っただけの話なので、ただ、現実問題93というのは今の説明の中にもあった物質として、その表現を少し入れておく。
【中杉委員】 例えば、そこにアスタリスクをつけて、下に一部の物質で、どういう表現にするか、自動車排ガスと書くのか、移動発生源かわかりませんけども、そういうものの寄与が大きいところと、それから、一部しか自主管理の対象になっていないものについては、大気濃度の、大気中濃度の低下率は若干低いものもあるというぐらいの書き方をしたらどうですか。
【永田委員長】 それから、せっかくおいでいただいているので、先ほどからも出てきているこの地域対応、この辺をどう評価されるのか、何かコメントがあったらいただきたいなと思っております。
【石崎氏】 先ほど地域対応のことについてのいろいろな総括のご議論ございました。それで、いわゆるまだ環境基準が達成していない地域もある、それから環境基準ぎりぎりのところで何とか今のところ滑り込んでおるところがあるということでございまして、先ほど地方自治体と各地域のコンビナートの間で協議会をつくってお話になっているという部分がございましたが、基本的にそれを、少なくとも私ども工業会としては維持して、問題があるものについては協力するという部分についてやぶさかでないということをもう各委員とも認識しているところでございます。
では、中央からコントロールできるのかと、我々の業界でそこをコントロールできるのかというのは非常に難しゅうございます。横断的でもありますし、多分、実はこの3業種が全部地域別の協議会に地域ごとに入っておるわけでございまして、結局、それで先ほどの話にもつながるんですけど、これは業界としてやる話というよりも、やっぱり地域対話の中で行政と企業とがフランクに話すという格好を当面続けさせていただきたい。その中で削減が必要なものは当然残っていると思っております。
【永田委員長】 よろしいですか。
では、先ほど話を聞いていると、室蘭は有害大気だけじゃなくて、ほかの物質に対しても拡大させていく、新しいメンバーも入られたんですよね。そういう意味では、対応としてみると、従来の削減対象の企業といろいろ話し合ってこられたものに加えての話になっている。こういう方向性というのが、これからいろいろなところで出てくるかもしれない。室蘭市の方から、その辺の事情を含めて、ちょっと考え方を聞かせてくれませんか。
【室蘭市】 ちょっと準備していないのでうまく説明できるかどうかわかりませんけれども、私どもとしては今までの規制的な手法を乗り越えて、やっぱり地域の中でそういう連携を図ってやっていくことが必要だろうとまず前提として考えまして、それで、じゃあ自治体としては何を求めていくかというと、最終的には簡単に言いますと環境基準を守ってくれと、その1点でございます。ですから、そのための対策として、業界の方々にはさまざまな対策が考えられるし、工夫もあろうかと思いますので、それはもう、事業者の方の自発的ないろいろな工夫なりなんなりで一番コストが安くて、一番効果のあるものを選んでやっていただきたい。それで結果として環境基準が守られれば私どもはそれがすべてですという基本に立っていまして。そういうためには規制的手法じゃなくて、地域自主管理計画がこれだけの効果を上げてきたということを私ども評価してございますので、その地域の中で何とかそれを生かした仕組みをつくっていければなというふうに考えてございます。
業界の範囲に関しましては、これからまだ賛同していただける方が入っていただけることには、門戸を開いてございますし、どういう物質をやっていくかということについては、国が指針値なり環境基準をしっかり決めていただいた物質についてどう取り組んでいくかということをその組織の中で考えていくことを考えております。
【永田委員長】 もう一つ、先ほどの団体間の連携の中でも、考えてほしいと思っているのは、情報公開とか情報共有のあり方ですよね。それは地方自治体の方も市民の方にいろいろ説明していく、その方法論をこれから発展させていかなくちゃいけないんだろうと思いますので、そういう点も、さっきの協議会ではいろいろ議論していただける話になるのかと思いますけど。
【室蘭市】 すみません。補足させていただきます。
連絡会議を立ち上げるときに、個別の企業さんにお話しさせていただきまして、業界の中でも環境というキーワードで1つの組織をつくって、その中でさまざまな環境問題を同じテーブルの中で話す機会というのはあるんですかと聞いたときに、いや、そういうものは意外とないですよ、個人的なつながりでやっているだけにすぎないんです、と。それならば、私どもも含めてそういうようなベースになるような組織をつくりませんかというお話をさせていただきました。それと情報公開は大前提としてつくりますよということも了解していただいたところでございます。
【永田委員長】 どうもありがとうございました、どうも。
それでは、修文ができ上がったみたいなので、ここだけ確認させていただきたい。
【長坂大気環境課長補佐】 それでは、93%の部分ですね。実際、ここは1,3-ブタジエンとホルムアルデヒドでしたので、ここにアスタリスクをつけさせていただいて、事実関係といたしまして、「濃度低下が小さかった1,3-ブタジエン、ホルムアルデヒドは、移動発生源の影響も考えられる物質である」ということでいかがでしょうか。
【永田委員長】 よろしいですか。
どうぞ。
【田邊委員】 ホルムアルデヒドは移動発生源に限らない、別にその大気二次生成もあるので、そこまではっきり書いてしまうと苦情が出るんじゃないかと思うんですが。
【長坂大気環境課長補佐】 それで「影響も」。「も」としたんです。
【永田委員長】 よろしい。いいですか。
【田邊委員】 はい。
【永田委員長】 はい、それでは、それに加えさせていただいて、高い方の濃度、削減率が余り高くなかった部分については、修文させていただきます。
ということで、それではよろしいでしょうか、この資料4をご承認いただいたと。今の部分を含めてですね。
(了承)
【永田委員長】 ありがとうございます。
それでは、次に行かせていただきますが、今日、実はもう時間も迫っておるのですが、フリーディスカッションで少し今後の進め方のお話を伺っておきたいということがございます。申し訳ないのですが、1人、1分か2分かで、キーワード的に言っていただけると、それを受けて、次回に向けて事務局の方が少し作業をさせていただきながら、また議論を発展させるような、そんな格好で対応をしていきたいと考えていますので。
森川先生の方から、今後の取組、進め方といった点ですね、お話し願います。
【森川委員】 やっぱり原因をしっかりとつかむということで、PRTRをきちっとやっていただくようなことをベースにしながら、やはり自主管理で排出抑制を進めていただくという基本方針は変えないでいいんだろうというふうに思います。
あとは、今度は排出源について、今、移動発生源等々の議論もございましたが、そういうことも様子を見ながら、今後、その抑制の範囲をどういうふうにしていくかは議論を進めていけばいいかなというふうには思っております。
【永田委員長】 ありがとうございました。次に中杉先生、どうぞ。
【中杉委員】 自主管理、こんなにうまくいくとは。というのは皆さん努力してやっていただいたんだと思うんですが、うまくいくとは思わなかったというのは本音であります。そういう意味では非常に大変な努力をされたというふうに評価をしておりますけども、今後の話としては、そういう意味で、さっき、関課長は必ずしもこの選択肢をとったわけじゃないよというお話がありました。それも踏まえていくと、PRTRという新しい1つの方法が加わって、選択肢が増えたというふうに考えられるんですね。そういう意味では、状況を見ながら、いろいろな選択肢を駆使してやっていくんだろう。そういうことを中心で、とりあえずはこれ一度お休みしようということですので、先ほど石崎さんの方からもお話があったレスポンシブル・ケアでやっているものも含めて、事業者の方がやられている取組を積極的に業界団体としては取りまとめていただいて、成果をアピールしていただくということが必要なんじゃないかと。そこら辺がないと、やはり従来のあれに戻ってしまうんじゃないかと。ただ、PRTRの届け出データが出ているからいいよという話じゃ必ずしもないと思いますので、そこら辺をぜひお願いをしたいというふうに思います。
【永田委員長】 はい、どうも。では、田邊先生、お願いします。
【田邊委員】 もうさんざんいろんな議論が出ている中で、繰り返しになってしまうのですが、PRTRができたといっても、PRTRはまだ精度的に問題がある部分も多いので、是非その業界団体が培ったもので、PRTRをより良い、要するに高精度なものにしていくということで、これまでの成果をそういうところにも生かしてほしいと思います。逆にそのPRTRを見ていればいいでしょうと言われてしまうと、それではその次のステップが考えられないということになる可能性もありますので、そういう意味で自主的に公表という部分はかなり重いような気がします。
そういう中で、先ほど話題になっていた未把握発生源とか、思ったように濃度が下がらないものの話が出ていたんですが、もちろん移動発生源等ありますが、1つはこういう業界団体ですとか企業が、取引先ですとかエンドユーザーにそういう取組、要するに大企業がやっていると取引先がそういうことを意識するというような波及効果もそれなりに効果があるように思いますので、ぜひ、そういう努力は、ここには周辺住民とのリスクコミニュケーションしか書いていないんですけれども、取引先あるいはエンドユーザーへの呼びかけのような地道な努力も大事なような気がします。
それともう一つ、先ほど敷地境界の濃度をちゃんとはかっているのかという問題意識とか、中杉先生も局所の汚染の話をされたんですが、モニタリングには限界がありますので、その敷地境界とかモニタリングだけに頼らずに、そういう局所汚染にある程度目を配るような仕組みも、考えていただいた方がいいように思います。
ただ、総じて、ちょっと日本の、日本的自主管理だったとはいえ、とても良い成果が上がって、これがこの有害大気にかかわらず、化学物質のこういう削減の成功例の1つになったと思って、とても感謝しております。
以上です。
【永田委員長】 はい。どうもありがとうございます。次に加藤先生、お願いします。
【加藤委員】 PRTRというので把握するということですが、これ、データを把握するだけなので、それをもとに自主管理的な芽生えということがここで出てきたと思いますので、それをぜひとも維持されるべき対策といいますか、方向性を出していただきたいと思います。
それから、全体的に、大企業については把握はできていても、中小についてはまだ把握が足らない部分がやはりあると思いますから、そういうふうなことは業界団体としても続けて把握するようにしていただきたいと思います。
以上です。
【永田委員長】 はい。次に内山先生、お願いします。
【内山委員】 中杉先生もおっしゃったように、私もこれほどきれいに濃度と削減量が一致するというのは思っていませんでしたので、非常に良かったと思うのですが、これで今後PRTRに移行するということになるんだろうと思うんですけれども、PRTRのデータが、本当に、この自主削減、自主管理をやってこれほどきれいに下がっていったのと同じように今後下がっていくかどうかというのがわかりません。先ほど田邊先生がおっしゃったかもしれないんですが、本当に実際に下げているんだけどPRTRデータは下がってこないとか、そういうことが、今、2年ぐらい見ていると、確かに余りこう変動がない。実際に、だけれども十四、五年まではちゃんとこういうふうに下げているんだと。しかも、これは6割から7割をカバーしているはずだということになると、このPRTRデータは出てくるんだけれども、じゃあ、何に使えるんだろうと。本当に削減していることになっているはずなんだけども、PRTRは下がってこないというようなことの実証を、もう少し今後とも続けていただければと。
特にそれは、今までこのノウハウといいますか、自主管理計画で各企業の業界団体の把握というものはもう日化協を初め、ここに今報告書を出してくださった団体は十分把握されていると思うので、その中でこのPRTRデータがどういうふうに信頼性を高めていくかというふうに今後努力していただけると非常にこのPRTR制度そのものの信頼性が高まってくるし、それからそのデータも有効にこれから使えるという意味で、この自主管理計画が引き続き利用されれば、良い結果に出るんではないかというふうに思いますので、もう少し頑張っていただきたいというふうに思います。
【永田委員長】 どうもありがとうございました。
それでは、今回の議論をこれで終わりにさせていただきます。今日の議論から、有害大気汚染物質の業界単位での自主管理計画は、一応、一定の区切りがつけられる。今後は事業者を中心とした責任のもとで、自主的な取組も進めていただくし、また、地方公共団体と事業者との連携によって、地域単位での自主的な取組がまた活発に展開されるんだろうということを期待しております。
それから、有害大気汚染物質全般という形で見ていきますと、今日話題に上がっているような、中心的な部分だけではないんだよということも我々きちっと押さえておかなくちゃいけません。また、そういう中には、PRTRデータ、これも精度向上を図っていくとともに、モニタリング結果とそれをどう関連づけて検討していくか、検証していくかということも重要な話ですし、また、それをベースにして、どのような対応を我々としては考えていかなくちゃいけないかということを検討していく。今日、幾つか、各委員の方から、今後の検討内容についてコメントとして重要な点、キーワード的なものをいただいていますので、そういう点をまた事務局に少し整理をしてもらい、また、その資料等も補強してもらって、次回、検討の材料にしたいと考えています。また、よろしくお願いいたします。
それでは、今後のスケジュール等を含めて、事務局の方の対応、ご説明いただけますか。
【長坂大気環境課長補佐】 それでは、委員長から今ご指示いただきましたように、ただいまの点を踏まえまして、次回の専門委員会の準備をさせていただきたいと思います。
次回ですけれども、大体、秋頃に開催したいと思いますので、また、準備が整い次第ご連絡して日程調整させていただきたいと思います。
それから、本日の議事要旨につきましては、永田委員長に早急にご確認いただいた後、公開するということにさせていただきます。
また、本日の議事録でございますが、こちらについては事務局から各委員に送付させていただきまして、ご確認いただいた後、委員長の了解をいただいて公開をさせていただくという、そういう手続になります。
事務局からは、以上でございます。
【永田委員長】 よろしいでしょうか。
(了承)
【永田委員長】 それでは、資料等の取り扱いはご了承いただいたということで、どうも本日は長時間にわたりましてご議論いただき、ありがとうございました。また、次回もよろしくお願い申し上げます。
では、これにて散会いたします。どうもありがとうございました。