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中央環境審議会大気環境部会
排出抑制専門委員会 第4回
会 議 録


  1. 日 時  平成14年3月25日(月)10:30~12:06
     
  2. 場 所  環境省第一会議室
     
  3. 出席者
    (委員長)永田 勝也
    (委 員)内山 巌雄 浦野 紘平
    加藤 征太郎
    森川 陽
     
     中杉 修身
    (環境省)西出大気環境課長 伊藤大気環境課課長補佐
    田中大気環境課課長補佐
     
     山下環境管理技術室係長
     
    (経済産業省)化学物質管理課 山口課長補佐
     
     
     久保田課長補佐
  4. 議 事
  5. 【伊藤課長補佐】 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会大気環境部会第4回排出抑制専門委員会を開催いたします。
     なお、本日は田邊委員からご欠席との連絡をいただいております。
     それでは、お手元の配付資料のご確認をお願いします。
     まず、中央環境審議会大気環境部会排出抑制専門委員名簿、資料1といたしまして「有害大気汚染物質対策の課題について(検討状況の概要)」、関連資料といたしまして資料1-1「有害大気汚染物質のモニタリングのあり方に関する検討(委託検討会資料より抜粋)」、資料1-2「地域自主管理計画に係る関係地方公共団体からの報告」、これはかがみをつけておりまして、今事務方の方で今日いただいた資料を配付させていただきます。オブザーバーのご参加の方には間に合うように今コピーをいたしておるところでございます。資料2「有害大気汚染物質の自主管理の報告事項(概要)」、事務方内部で調整中につきまして、委員限りとさせていただいております。資料3「第2期自主管理計画に係る関係業界団体からの修正について」。参考資料1「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(中央環境審議会第六次答申)」、参考資料2「大気保全対策技術に関連した主な競争的資金について」、参考資料3「有害大気汚染物質の測定方法の検討(委託検討会資料より抜粋)」でございます。参考資料4「有害大気汚染物質連続測定モニタリング技術調査(委託事業の概要)」でございます。おありでしょうか。もし、資料の不足がございましたらお申しつけください。
     また、本日は前回の審議会におきましてベンゼンに係ります地域自主管理計画に関しまして、情報の提供等における関係都道府県の関与等の議論が上がっておりましたことから、関係都道府県の担当の方にもご参加をいただいておるところでございます。
     事務局からご紹介いたします。
     まず、北海道環境生活部環境保全課の久保さんでございます。茨城県生活環境部環境対策課の安達さんでございます。千葉県環境生活部大気保全課の矢沢さんでございます。今ちょっと席を外しておられますが、福岡県環境部環境保全課の松井さんです。なお、岡山県からは急な所用につきまして欠席とのご連絡をいただいておりますことから、事務局の方でご説明させていただきます。また、本日は経済産業省化学物質管理課から山口補佐、久保田補佐にご参加いただいております。
     それでは、これ以降の会議の進行は永田委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

    【永田委員長】 どうも、年度末になりましてお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。昨年は第2期の方、自主管理計画につきましてこの専門委員会で3回にわたりましてご審議いただきました。その評価として取りまとめを行わせていただきました。昨年末に公表をされています。その節にはいろいろご厄介になりましてどうもありがとうございました。
     さて、今日はそうした中でいろいろご意見を賜りました、特に自主管理計画をチェックする過程において、排出抑制対策の効果が適切に反映できるようなモニタリングのあり方であるとか、あるいは自主管理計画やその実施に関する情報の提供のあり方、こうした点についていろいろ課題とかご意見をちょうだいしています。まず、それらの課題に対します検討状況につきまして、事務局から説明いただきたいと思います。それでは、この資料の1がそれに該当しておりますので、検討課題の1から4について一括で事務局の方からご説明願えますか。

    【伊藤課長補佐】 早速ですが、資料1に基づきましてご説明いたします。前回第3回の委員会の際に項目立てといたしまして、資料1に掲げております1から5を掲げさせていただいております。その中で作業が進んだものもありますし、まだ作業中または着手したばかりのものもあります。まず1につきましては、有害大気汚染物質のリストの見直しについてでございますが、これにつきましては平成12年12月に開催されました中央環境審議会第六次答申から課題として掲げたものであります。そこに掲げております答申を掲げております。これにつきましては物質の有害性でありますとか、大気環境濃度等々につきまして、まだ基礎的な知見の収集している段階でございます。
     次に2でございます。排出抑制対策技術等に関する情報収集並びに提供ということで、これにつきましても第六次答申から排出抑制技術に関する情報の集積と普及を効率的に進めていくということで答申をいただいておるところでございます。これに関しまして関係自治体または関係行政機関、経済産業省並びに関係業界団体等を通じてまして、現在排出抑制技術等の情報収集をお願いしているところでございます。これにつきましては次回といいますか、平成14年に排出抑制専門委員会の開催に際しまして取りまとめたところの段階で、またご説明、ご報告をいたしたいと考えております。
     次に2ページ目でございます。3でございます。自主管理の促進のためのインセンティブということで、排出抑制専門委員会の場でご発言いただきました項目でございます。環境技術開発を支援するということで、私どもで今整理をしておりますのが、参考資料2に掲げておりますが、大気保全対策技術に関連した資金といいますか、受託研究並びに技術の開発ための公募ということを進めておりまして、一覧表を参考資料に掲げさせていただいております。
     4でございますが、自主管理に係る情報提供のあり方ということで、排出抑制専門委員会でご発言をいただいておりますように、事業者の方で特に地域自主管理計画の推進に当たりまして地方自治体の関与といいますか協力等におきまして、いろいろ自治体の取り組みの中で事業者の取り組みを紹介するとか、地域自主管理計画の評価におきまして、外部専門家、審議会とか専門家の方のご意見を聞きながら透明性を高めていくことが望まれるというご発言をいただいておりますことから、私どもといたしましては地方自治体に指針の改正の際、平成13年6月において協力を依頼しているのに伴いまして、具体的な関与の方法等の情報につきましては、排出抑制専門委員会での議論等を提供さしあげているところでございます。これにつきましては、きょう4自治体のご参加をいただいておりますことから、ご説明は後でいただきたいと考えております。委員長よろしくお願いします。
     リスクコミュニケーションの推進に関しまして、その手法でありますとか専門家に関する情報の提供の支援等が必要であるというご意見をいただいておりまして、これに関しまして環境省では環境保健部が中心となりまして、化学物質について事例等を掲載いたしましたリスクコミュニケーションのホームページを立ち上げているところでございます。少し早口でございましたが、検討課題の項目の1から4につきましてあらあらご説明させていただきました。
     以上でございます。

    【永田委員長】 どうもありがとうございました。5については、また後ほどご説明をいただくということで、ちょっと先ほど出てまいりました4のところで、各自治体で取り組まれている内容の紹介をということで、今日お越しいただいております自治体の方から、この件に関しましてご説明いただければというふうに思っております。
     それでは、まず千葉県の方からお願いできますでしょうか。

    【千葉県】 お手元に先ほど配付していただいたと思いますが、A4の1枚紙、有害大気汚染物質に係る自主管理計画についてということで、千葉県京葉臨海中部地区が対象になってございます。この地区には製鉄が1社と石油精製4社、石油化学7社の合計12社がございまして、排ガス回収設備の設置増強等の対策については順調に進んでいると聞いております。結果については多分本年5月ぐらいに報告が上がってくると思っております。
     資料の方の説明ですが、まず1番として自治体の関与という書き方をさせていただきました。1つとしては、経済産業省さんが拡散モデルをおつくりになって配布いただきましたので、各工場の自分のところの排出量がどの程度寄与しているのか、削減をすることによってどの程度効果があるのか、各工場で確認していただくということで、そのモデルの使い方についての講習会を昨年秋に実施しております。
     それから2つ目としまして、自主測定を自主管理計画では年2回予定しておるわけですが、その自主測定について千葉県の環境研究センターの方からサンプリング方法なり分析方法等の技術的な指導を行うということと、それから県・関係市が常時監視として実施しておりますが、その常時監視の日程と合わせて本年1月に自主測定を敷地境界において測定を実施しております。
     それから2番目として、地域への情報提供の件でございますけれども、該当する12社で今検討段階ですが、次のようなことを考えております。1つとしては、地域の環境フェア、毎年6月に環境月間ということで、県や市で環境フェアを実施しているんですが、その環境フェアの方に地域自主管理計画の作成主体、千葉県の場合ですと千葉県環境保全協議会というところが一応主体になっていますが、千葉県環境保全協議会として参加して展示コーナーを設置して、そこで情報提供を行う。
     それから2つ目としてレスポンシブル・ケア千葉地区発表会、これは2年に1回ということで、次回の予定は15年1月になるとのことですが、この発表会におきまして町内会の連合会長さん等も招待した中で情報提供を行っていきたいと。
     それから3つ目としてリスクコミュニケーション、これはまだどういうものかという勉強を始めた段階ということで、毎年6月なり、2番であれば15年1月になってしまうんですが、もっと早い段階でこちらから提供していきましょうということで、そのためのリスクコミュニケーションの勉強を開始しているという状況でございます。
     以上でございます。

    【茨城県】 ベンゼンに係る地域の自主管理計画ということで鹿島臨海地域が対象となっているところですが、お手元にございます鹿島臨海地域におけるベンゼン自主管理計画進捗状況についてご説明させていただきます。今回は情報の提供がまだということで、1、2、3という項目がございますが、3番からご説明させていただきます。
     情報提供の実施状況でございます。別添資料2枚目になるかなと思いますけれど、この鹿島臨海地域のメインの町になります神栖町におきまして、こういう町広報誌を毎月発行をしているんですが、この町広報誌「かみす」2月1日号で自主管理計画の取り組みを紹介しまして、約1万7, 000戸ということでお聞きしておりますが、全戸配布をするとともに、町のホームページに掲載するなどして情報の提供に努めているところです。また、企業では区長らとの懇談会がございまして、その中で削減計画について話題にのせているというようなところでございます。その反応の状況なんですが、今のところ企業に対して同計画に対する質問等については問い合わせはないというようなお話を聞いているところです。
     1番に戻りまして現在の削減対策の進捗状況でございますが、排出量等は平成13年現在、計画に対して約99. 5%の進捗状況でございまして、順調に進んでいるのかなというところでございます。また削減に投資した金額でございますが、平成12年度は3億6, 000万円程度、平成13年度は13億円程度を5社で投資しているという情報をお聞きしております。
     また2番目の環境測定結果でございますが、県が実施しております4地点の測定局におきまして、ベンゼンは経年的に減少しております。そういうことからも排出削減の効果が認められておりまして、平成13年度はいずれの地点においても環境基準を達成する見込みでございます。ほぼ神栖消防局が今まで対象になっておりましたが、平成12年3.9に対しまして、3月現在、神栖消防局におきまして2.7というような状況になっております。また、鹿嶋市も一部対象となるわけですが、こちらについても1.4というような比較的環境基準を達成しているという現状でございます。また、この数値はまだ確定ではございませんが、おおむねこの数値になるのかなというところでございます。
     以上でございます。

    【北海道】 北海道の室蘭地区における有害大気汚染物質対策に係る自主管理ということで、お手元に資料があるかと思うんですけれども、まずベンゼン排出抑制対策の内容と実施状況ということで書いておりますが、室蘭地区ではコークス炉を持っています北海製鉄と、あと石油精製である日石三菱精製、こちらの2社で共同して自主管理計画というのを策定しておりますが、2社の距離が若干離れているので、それぞれ個別に対策を行っております。
     北海製鉄の方なんですけれども、ベンゼン等含有排ガスをブロアーで吸引して焼却処理する設備というのを、これはコークス炉の製造過程から出ます副産物のガスの精製工程からの排ガスにもベンゼンが含まれているということで、これを焼却処理、実際は加熱炉等の燃料として使用しているようなんですけれども、こちらの方の設備を設置しております。こちらは13年5月に終了したと聞いております。もう一つの粗ベンゼンタンクに排ガス処理設備を設置ということで、こちらも平成13年9月に終了しております。それから、自主管理計画の策定以前からやっていましたコークス炉の空冷炉蓋の維持管理の継続ですとか、装入車集塵装置の維持管理ということで、こちらも継続して維持管理を徹底することでやっております。
     もう一つの日石三菱精製の方なんですけれども、こちらはまずガソリン中のベンゼン濃度の低減対策としてのベンゼン抽出装置を設置しまして、そこの装置から出てきますベンゼンの貯蔵タンクに内部の浮屋根構造を有するタンクを設置しておりますけれども、これも自主管理以前から設置しておりまして、これらの装置に対して維持管理を徹底して、ベンゼンの低濃度の維持を図っていくというふうに聞いております。
     もう一つ、地域住民への情報の提供状況ということでありますけれども、こちらに関しては、まず室蘭市が平成13年の11月に全戸に配布しております「環境室だより」という広報があるんですけれども、こちらの方で平成12年度の有害大気汚染物質モニタリング調査結果の環境省の公表内容を紹介しておりまして、これにあわせて北海製鉄と日石三菱精製の取り組みについて掲載しております。
     お渡ししております資料の2枚目の方に「環境室だより」をつけておりまして、これの裏面にベンゼン濃度の推移ということで、室蘭市が広報に載せたものが書いてございます。
     個別の対応なんですけれども、北海製鉄の方では、本年の4月以降に室蘭市が13年度のベンゼン濃度の測定結果を議会に報告後に公表するということで、それを受けまして町内会の住民、町内会は10以上あると聞いておりますけれども、こちらの方に対して工場見学会を兼ねてベンゼン自主管理の取り組み状況について説明をする予定と聞いております。
     もう一つの日石三菱精製の方は、隣接する3町内会に対して工場見学会を兼ねて説明会を既に実施しております。これは13年の10月に町内会ごとに3回実施しておりまして、内容としては工場見学とあわせてOHP等を使いまして計画の内容等を説明したと聞いております。
     資料の方には載せていませんけれども、室蘭市の方で本年の6月の環境月間に新日鐡は北海製鉄の親会社で北海製鉄は新日鐡の構内にあるんですけれども、この新日鉄を会場に環境月間の行事を行うということで、その中で2社の自主管理計画について周知を図るということを検討しているというふうに聞いております。
     以上です。

    【福岡県】 では、福岡県の大牟田市地区地域自主管理計画の実施状況について報告させていただきます。今日は、ちょっと飛行機がおくれまして申しわけありませんでした。
     大牟田市の地域においては電機化学工業、三井化学、それと三井武田ケミカルの3社が地域自主管理計画をつくっているわけですけれども、そのうちの電機化学工業についてはもう排出量もほとんどないということで、維持管理用の対策を実施するということでやっております。去年の10月に敷地境界測定を行っていますけれども、そのときでベンゼン濃度はもう1万マイクログラム未満ということで、今までどおりの対策をとっておけば十分というふうに考えております。
     そして、残り三井化学と三井武田ケミカルについては先ほどお配りしました資料になりますけれども、こちらの方で報告をいただいております。それで、かいつまんで説明しますと最初に情報提供の方から説明をしますと2枚目の4としているところですけれども、県と大牟田市に対して報告をするのは当然ですけれども、あと地域住民に対してはこれは三井の方が周辺の住民と定例の情報交換の場を持っておりまして、その場で地域自主管理計画、ベンゼン濃度等について説明をしたと聞いております。
     そして、最初に戻って実施状況ですけれども、対策前に月当たり3.3トンあったものについて、地域自主管理計画に合った計画を実施し、さらに追加で燃焼処理を取り入れておりまして、その対策を実施した結果、月べースで0.13トン、削減率にして96%という削減を行っております。削減の詳細については、3枚目の方に載せております。
     そして、この対策を実施した結果、これは三井化学が敷地境界を測定した結果をまとめたものですけれども、4枚目のグラフになります。このグラフにあらわれているとおりに敷地境界点濃度は着実に下がってきていると。このまま対策を続けることで、三井化学についても地域自主管理計画の目標は達成できるというふうに考えております。
     以上です。

    【永田委員長】 どうもありがとうございました。それでは、ここで一たん切らさせていただいて、これまでのこの意見に関しましてご意見などいただきたいと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。

    【浦野委員】 全体に非常に各自治体は進んできているので、大変いいことだと思っていますが、ちょっと簡単なことだけ伺いたい。茨城県さん大気中のベンゼンの削減計画のきれいなパンフレットですね、ここのところのモニタリングの数値が3.9というのが12年度に出ていますね。この地点というのはこの前のページの表2の平均値ですか。どういう対応になるんでしょう、表2とこの図の関係は。

    【茨城県】 3.9の値ですが、これは平成12年度の神栖消防局、今まで平成9年からベンゼンについては…。

    【浦野委員】 表2には出ていないの。

    【茨城県】 神栖消防局というところで、平成13年度は2.7になってきているというところでございます。

    【浦野委員】 消防局のですか。同じ町に何点か測定点があるのでどこかなと。わかりました。 そうすると、13年度には今の予定だと2.7のところへくるということですね、この点が。

    【茨城県】 そうです。

    【永田委員長】 先ほどちょっと気になったんですけれど、懇談会とか何かという話をされました。ちょっと関係の話でついでに。

    【茨城県】 企業さんの方からの報告なんですが、周辺地区の区長らとの懇談会で、この削減計画について説明をして情報交換をしているというような報告を受けております。

    【永田委員長】 いかがでしょうか。ちょっと本体の方の関係で、この資料1の抑制対策に関する情報収集、提供というところで、先ほどの話ですと平成14年度の1回目ぐらいのいつごろの委員会になるかあれですけれど、そのときあたりに整理して、これは提供というところが大切な話で、そういう意味ではどういう形でその情報を関連する人たちにお渡しをするのかというところも含めて、お考えがあったらちょっと聞かせていただきませんか。

    【伊藤課長補佐】 この点につきまして、後ほどの議題にも掲げておりますが、各団体の第2期の自主管理計画において、今までは主な技術ということで経済産業省の方から各業界・団体の方に問い合わせをし、主要な技術を整理するという形でこの排出抑制専門委員会に提供を差し上げておりましたが、次の議題にもありますが、排出抑制すべてというのは難しいんですが、いろいろな技術の収集をお願いし、その技術の提供を受け整理するというのが一つでございます。
     もう一点、私ども環境省としましては自治体の方に委託事業ということで、ある工場、特定の工場ではありませんが、自治体の方で工場の排出量でありますとか、排出抑制対策でありますとか、その周辺濃度でありますとか、そういう調査を進めてきておりましたが、それも整理し、排出抑制専門委員会を通じて情報を提供するということも考えておるところでございます。

    【永田委員長】 そうすると、今のお話は今年の調査分として、もう少し施設等に対する対応策も聞かせてもらって。

    【伊藤課長補佐】 吸い上げられればいいんですが、幅広にということで。

    【永田委員長】 とりあえずのもので排出抑制技術としての情報収集を前回もやった時期がありましたですけれど、新しい分として情報収集はされて、その分ある程度整理した段階でどんどん公表するようなことを考えていっていただいた方がいいんだと思うんですよね。

    【伊藤課長補佐】 はい、検討します。

    【永田委員長】 そういう意味では、どういう人たちがいるのでしょうかね。前、浦野先生にやっていただいたんですか。報告書をまとめましたよね。

    【浦野委員】 一応本として発行されているんですよね。ただあれはもうかなり網羅的に出していますので、それ以後、こういった具体的な削減対策も随分進んできていますので、実績を踏まえて、もう少し整理をした方がよい。前回のものは外国の文献だとか、もう種々さまざまなものが入った、とにかく資料集的なものですので、もう少し整理をして実態に合った形にバージョンアップしたものをぜひ出していただきたいと思っています。

    【永田委員長】 そうですね。よろいしいでしょうか。ちょっと事務局の方で、きょう即答できる話ではないかもしれませんので検討をしていただいて、どういう形でこの技術関係の情報を整理の上、出していくか、公表していただけるか、考えていただきたいと思います。

    【伊藤課長補佐】 はい、検討いたします。
     岡山県は本日急な用件でおいでになっておられませんが、岡山県の分につきまして1分ほど、事務方の方からご説明いたします。
     岡山県も各都道府県と同じようなことで進めておられますが、岡山県におきましては水島地域という一つのコンビナート地域で事業者の団体がありまして、水島環境安全情報交流会という会合が定期的になされているということでございます。そこに、岡山県さん、倉敷市さんもオブザーバーで入りまして、お互いに測定データをある程度固まった段階でお互いに交換しているということで、行政が測定しているデータが確定すれば1年を待たず提供するし、事業者団体が共同して測定している地域の境界の濃度も交換しているということで、排出抑制対策の進行状況と相まって情報交換を今後とも頻繁に行うとのことです。その情報の提供につきましては行政内部と水島地域におけるその交流会で、どういう出し方をすれば、地域の方に理解いただきご安心できるのかということで今検討中であるという報告を受けておるところでございます。
     以上でございます。

    【中杉委員】 千葉県のあれで、2-(3)のリスクコミュニケーションの検討を開始していると。聞き漏らしたのかもしれませんけれども、この主体はどこがやられることになりますか。

    【千葉県】 各企業でございます。県ではなくて。

    【中杉委員】 じゃないんですか。

    【千葉県】 はい。

    【中杉委員】 ちょっと関連していいですか。そうすると各企業がどういうことをやっているかというものについては、県に何らかの情報が来るような把握できるような、状況なんですか。それはそういう関係にあるわけですね。

    【千葉県】 はい。

    【中杉委員】 これ多分、今ベンゼンだけですけれども、ベンゼン以外のものもこれからどっとふえてくる可能性がありますね。PRTRも入ってくると。

    【千葉県】 はい、言いませんでしたけど、ベンゼンだけではなくてPRTRも念頭に置いて、各企業とも少しそういう意味では考え出しているという方向です。

    【中杉委員】 その辺をうまく自治体がリードしていただいたり、あるいはその状況把握をしていただければ大変いいと思うんですけれどもね。

    【永田委員長】 今自治体の関係はいろいろ出てきていますけれど、一つあれですね。来年も何か大きな研究テーマとして、化学物質のリスクに関するものが立ち上がる予定になっていますよね。私がちょっと関連している総合科学技術会議でもそういう話題が出てきているのです。そういう意味では、その場の中でもいろいろな情報はどんどん出てくるのかなと思っていますので、今のような話を含めて関係するところに環境省も含め、どんどん情報を流すような体制をぜひつくっていただきたいと思いますので、これはここでお願いする話ではなくて、逆にもしそういうのができたとすると、そこでそういうことを発信していってもらうと。それでリンクならリンクをこっち側が張るとか、いろいろな形のものが考えられるなと思いますけれども、その辺を教えてもらいたいと思います。
     それからちょっとこれは確認なんですけれど、千葉県の方は工場がやる自主測定と県の方でやっておられる監視のための測定を同時期にやっていらっしゃる。これはほかのところも皆さん同じようにやられているんですか。ちょっとそれぞれあれなんですけれど。茨城県なんかいかがですか。

    【茨城県】 茨城県では、先ほど説明させていただきましたが、4地点で環境の調査を実施しているところでございまして、企業は自主管理計画に基づきまして、もっと工業専用地域になっちゃうんですかね。要するに環境基準の当てはまらない地点になるんですが、その地点につきまして、風向・風速によって短時間で企業の影響、各事業所の影響を調査しようということでやっておりまして、1地点で、ちょっと時期等は異なるんですが調査を実施しているというようなところでございます。

    【永田委員長】 ああ、そうですか。その辺と県との間での情報交換、それこそその測定時期だとかそういうやつも相談をされたりなんかして、結論的にそうなったという話なんですかね。

    【茨城県】 その風向・風速につきましては、私どもの方では24時間のサンプリングというようなことでやってございまして、事業所さんの方では短時間、2時間ないし3時間のサンプリングで、北西の風とか南の風とかそういうときを見計らって、1日ないし3日くらいの間に調査をしたいということなので、私どもの行っている測定時期と事業所さんの行っている時期は必ずしもリンクはしていないということでございます。

    【永田委員長】 それから、北海道の方では日石の話というのはあれですかね、基本的には今回の話が、大分前からやっている対策はもうそのまんまで、あとはこれの維持管理ですよというような話だったですね。その辺をもう少し明示的にきちっと整理していただいといた方が、どういう効果があらわれてくるのかというのが少しわからなくて、もうそのままでいいんですよという話だったんでしたっけね、北海道の話というのは。

    【北海道】 日石三菱さんはもともとベンゼンの濃度が問題にはなっておらず、室蘭市の測定の中でも、日石三菱さんの方角では特に高い数字というのは見られていないということで、日石三菱さんが自主的に今まで取り組まれてきたことをこれからも続けて、もともと低濃度なのでそれを維持していくというような計画になっています。

    【永田委員長】 何かちょっとその話を入れておいてもらった方がいいのかもしれませんね、これね。せっかくその枠の中に入っているわけだから、維持管理をやっぱりきちっとやってもらうという話でね。ちょっと書き方の問題ですけれども、皆さんに今回のためにつくっていただいた資料なんですけれど。意識はされていなかったのかもしれません。
     いかがでしょうかね。もし、よろしければこの辺で前半の議題は終わりにさせていただきまして、次の資料1-5のところの有害大気汚染物質に係るモニタリングのあり方というところを少しご議論したいんですが。

    【伊藤課長補佐】 では、事務局からご説明差し上げます。まず資料1の3ページ目の一番上5.でございますが、有害大気汚染物質に係るモニタリングのあり方ということで2点ほど課題を掲げさせていただいております。1つは、両方とも中央環境審議会の答申または排出抑制専門委員会でも課題としてご議論をいただいておりますが、1つはモニタリングを効果的・効率的に行っていくことが必要ということで、より具体的に言いましたらPRTR制度が出てくれば、それに対応するような固定発生源の測定のやり方もありましょうし、環境基準を一般環境におきましてクリアしているような物質については、その測定を効率的にといいますか、代表地点で測るとか、またより排出源に近いところで人口が多いところで測るとか、いろいろありましょう。それにつきましては委託先で検討会を立ち上げまして、浦野先生に座長になっていただいておりまして、今現在平成12年のデータしか集まっておりませんが、そのデータをもとにいろいろ解析をし、適切な測定のあり方ということで課題の整理を行っているところでございます。これにつきまして資料1-1で後ほどご説明さしあげます。
     2番目でございますが、モニタリング高濃度の地域についてはモニタリングを重点的にということでございますが、これにつきまして今環境基準が定まって環境基準を相当程度超えているのはベンゼンでございまして、ベンゼンにつきましては予算措置を終わっておりまして、地方自治体が行う高濃度な地域について補助をし、地点を増やし測定をしていただいているところでございます。事業所につきましては指針におきまして、敷地境界濃度等の測定をいただいてございます。
     続きまして資料1-1に入らせていただきます。資料1-1、少し分厚いものでございますが、簡単にポイントだけご説明さしあげます。委託先の検討会で今検討をしている資料からの抜粋でございますが、2.検討の方針としましては「一般環境」でありますとか「固定発生源周辺」でありますとか「沿道」という区分で今自治体の方で測定いただいておりますが、果たして適切にその区分が「地域分類」がなされているか否かという情報の解析に入っておるところでございます。
     点の2でございますが、固定発生源の排出の状況、排出削減対策を適切に把握できているかというところでございます。3番目でございますが、年平均濃度につきまして、年に12回ということで測定しておりますが、ある程度確かな精度で推定できているかということにつきまして、今は上の1番目と最後の3番目の検討整理をしているところでございます。それにつきまして資料がありますが、少し飛ばしましてグラフでご説明いたします。9ページをお開きください。
     9ページに表1でございますが、今自治体で19物質を測っておりますが、この19物質につきまして大きくI、II、IIIというふうに分けさせていただきまして、Iは移動とか小規模の発生源からの排出が余りないもの。IIについては移動の排出が余りないもの。IIIにつきましては移動とか小規模からの排出がありそうなものということで大きく分けさせていただきまして解析に入っておるところでございます。
     10ページ目からでございますが、10ページ、11、12ページについてポイントだけご説明いたしますと、10ページ目が固定発生源の影響が考えられるものでございます。自治体の方でおよそ300カ所近くで測っておりますが、それが適切にうまく分けられているのかなということでございますが、これを見てわかりますがI-1の塩化ビニルと、I-2の酸化エチレンあたりは、固定発生源の影響が大きいようなコンビナートは発生源周辺として上位の方に幾つか並んでいるというようなことが特徴的なところでございます。あとの残りにつきましては「一般環境」に高い地点があったり、または「沿道」の方に金属類が高い地点があったり、または1, 2-ジクロロエタンみたいに発生源周辺といえども非常にゼロに近いような値があったりして、まだ平成12年のデータにおいては適切に分類がうまくいっていないところもあるなということが見てとれます。
     11ページは余り特徴的な点が見い出せませんが、これにつきましては移動の影響は余りなくて、小規模または大規模な発生源ということで、固定の影響ということで見ていきますと、特徴的なところを見ますとII-2のテトラクロロエチレンでございますが、これに関しまして「一般環境」として自治体が位置づけされている地域におきましても、発生源周辺を超えるような濃度が見られたりしている、発生源の影響を受けていると見てとれます。
     次に12ページでございます。少しはしょりながら説明をしますが、これは移動発生源の影響を強く受けるような物質が含まれておりますことから、「沿道」濃度が高くてそれに伴い固定発生源も高く、「一般環境」が低いのかなということで見ますと、全国版として平均値で見ますと確かにそのような傾向にはなっているかなということが見えますが、これにつきましても特徴的なところはベンゾ(a)ピレンにつきましては固定発生源の影響もあるということも昔から言われておりますが、発生源周辺で少し上の方にコンビナート地域で高い地点が見られるなと、発生源の影響も相当あるのかなというところでございます。この辺につきましてはPRTRのデータ等が出てまいりますと、もう少し詳細に見てとれるようになるかと思います。
     次に13ページから連続測定装置ということで、平成12年度に連続測定装置を入れ、連続測定装置についての精度の管理とか維持管理とか、そういう精度の面のチェックもやりながら測っているところでございますが、平成12年度は途中でいろいろ精度の面で調整等をいたしましたが、そのデータが少し出そろいましたので、それをもとに同じ地点、この中の8カ所で手分析が12回行われていますし、連続測定も行われているということで、それにつきまして連続測定と手分析のばらつきがどのようなかなということでグラフにしたのが14ページから載せております。
     これ個々にご説明はいたしませんが、全体的に見ると平均値が相当程度合っているところもありますし、固定発生源の影響といいますか、連続測定で対数正規になっており高い値が幾つか出るような地域、固定発生源の周辺においては若干12回のデータでは不足するような状況かなということが見てとれます。その辺をすべてまとめましたのが、ちょっと飛びますが32ページに一覧表で示しております。
     32ページの表3でございますが、ここに掲げている物質の中で群小的にいろいろなところから排出するような物質といいますか、テトラクロロエチレンでありますとか、ベンゼンでありますとか、洗浄でよく使われているようなジクロロメタンでありますようなものにつきましてはまあまあのところで12回のデータと約300回近くのデータの平均値があるばらつきを持っていますが、まあまあ似ているようなところでありますが、それ以外のところではやや外れるようなデータが見受けられます。これにつきましては連続測定装置自身も平成12年は調整中といいますか、精度の管理の途上でありますことから、13年のデータも見ながらまた検討を今後もしたいと考えております。
     最後に33ページでございますが、図表だけで今ご説明していっておりますが、日本ではベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンの4物質に環境基準を設定しておりますが、どこに重点的にモニタリングをしていっていただきたいのかということで検討いたしております。外国のEPAでありますとか、WHOの値をえいやで当てはめて見ていって超過率を見ますと、この上の3物質あたりが今後とも今までと同等な密な測定が継続して必要な物質かなと。次の4、5、6のクロロホルムから塩化ビニルモノマーでございますが、これにつきましては「固定発生源周辺」でまあまあ超えておりますことから、固定発生源周辺により力を注いでいく物質かなという整理の途中でございます。浦野先生を座長に今自治体の方にも入っていただきながら検討を進めておる途中でございますから、この程度のご説明とさせていただきます。
     あと参考資料でございますが、参考資料の3には分析、今まで19物質の分析方法の公定法を開発しまして、ダイオキシンを含めましたら20になりますが、PRTRが施行をされ、いろいろな数値情報や物質の情報が出てまいりますことから、今までの公定法を拡張して、多成分の一括分析ができるような方法ということで、森田先生に座長になっていただきまして委託先で検討をし、できる限り早めに暫定的なマニュアルを出していきたいということで、参考資料の3、検討会資料から抜粋しております。
     参考資料4でございますが、これにつきましては平成12年、13年と連続測定を14カ所で続けておりまして、これに関しましても精度管理を担保するような方策を検討し、いろいろ問題点が今ありまして低濃度の部分がなかなか手分析と相関がとれないでありますとか、あるレンジを超えた場合に、高濃度になったときに連続測定装置の場合が手分析と値が少し食い違うでありますとか、特定成分においてはなかなか信頼性が保てないとかいうことで、今平成13年度はそれの改善をしているところでございます。それを平成13年度は取りまとめまして、維持管理または精度管理のマニュアル化を図っていきたいと考えております。別添資料をお付けしておりますのは平成12年度の技術検討の結果でございます。
     早口でしゃべりましたが以上でございます。

    【永田委員長】 はい、どうもありがとうございました。ちょっと確認なんですけれど、この参考資料4というのは連続測定の話で、また別途この参考資料3というのは森田先生が同じく委員長をされておられて、あるわけですよね。

    【伊藤課長補佐】 はい、そうです。手分析の公定法の開発です。

    【永田委員長】 こっちは多成分の一括分析の話ということですね。

    【伊藤課長補佐】 はい。

    【永田委員長】 いかがでしょうか。ここのところで幾つか資料がありますけれど。浦野先生、何か検討の経緯とか。

    【浦野委員】 これは委託先の検討が比較的最近立ち上がった分ですから、今一生懸命いろいろな解析をしているところで、まだきちっとご報告しきれない部分があるんですが、資料1-1の最後の方にまとめた表が32ページ、33ページにございます。やはり従来のモニタリング方法では必ずしも長期曝露の影響を見る、年間平均の曝露濃度に対応する数値に必ずしもなっていないということ。それから地点の選び方がなかなか難しくて、ある地点で測っても、それを例えば「一般環境」と言いながらかなり交通量の多い道路がそばにあるとか、逆に発生源がかなりあったりします。今全国の自治体にアンケートもしておりまして、地点の選び方あるいは頻度の選び方等をいろいろ詳しく聞いて解析中でございまして、全国の自治体の現状把握が大分見えてきました。特に少しずれて、極端に例えば「一般環境」でありながら非常に特定汚染物質が高濃度で出ているというようなところを個別に当たって、どういう理由かということも解析して、地点の変更あるいは地点の選び方や考え方の基本的な整理をしています。今後モニタリングをする場所、時期あるいはサンプリング時間、そういったものも全部整理をしてお示ししたいというふうに今考えています。実測も含めてあるいはアンケートも含めてスタートして今いろいろなものが上がってきている段階ですけれども、まだ整理が十分ついていないので、きょうお出しした程度になっています。
     それから今のご説明で一つだけ間違いがあります。ベンゾ(a)ピレンで高いところがあったり、あるいはその超過確率も高いし、一部の発生源周辺で道路ではないところでも高く出ていることについて、PRTR報告が出たらばという話がありましたけれど、ベンゾ(a)ピレンはPRTRの対象になっておりません。これはまた独自に大気関係でいろいろな検討をしていかなければ情報が集まってこないということになりますので、その点はご修正をお願いしたい。

    【中杉委員】 私は発生源周辺と言ったときの問題点の一番大きいのは発生源というのは一括で扱っていて、そのそれぞれの測定対象物質の発生源周辺では必ずしもないという部分があるんですね。だから、これは高いところと低いところがどうしても出てきてしまうんで、そこら辺を少し分けて解析ができないかなというふうな感じを持っているんですがね。これまあ現状ではちょっといちいち調べるのは大変なのかもしれないですけれど、PRTRの結果が出てくればそこら辺の解析が出てきてもう少し発生源周辺というのもどういうふうなのかというのがはっきりするだろうというのが1点です。
     それからもう一つ、地層だとかいう話になると、やはり自然由来の話がどのぐらい影響しているのかなという、土壌の粒子の巻き上げみたいな話ですね。それがどのぐらい影響しているかというのを少し見る必要があるんだろうと思うんですね。
     それともう一つは、テトラクロロエチレンとか小規模な発生源のところは「一般環境」の中に発生源が埋め込まれてしまって今もあるんだろうと。もう少し細かくそういうふうに見ていくと幾つかの問題が出てきて、前回も私が申し上げたのは、テトラクロロエチレンなんか本当に発生源の周辺を調べているのかという疑問が一つある。恐らく名目上の発生源ではなくて、クリーニング屋さんがすぐ隣にあるようなことになると、多分基準を超えているものが出てくるんだろうと。そういうものをどのようにとらえるかというのが一つの問題点だろうというふうに思うんですね。

    【浦野委員】 ただいまのご意見は大変ごもっともなことで、ただ自治体側が実際に測定地点を選ぶときには、従来からの測定局を利用したり、あるいは電源とかあるいは騒音だとかいろいろな問題があって、非常に現場としての限られた状況もございます。そこら辺の全部意見等を出していただいて整理をしています。今度新しく企業側が敷地境界周辺で自主的に測るということが今まではなかったわけですけれども、今後そういうものも増えてくると、測定地点の選び方も随分変わってくるだろうと思っておりますし、あるいは測定技術ももっと簡便な方法で、例えば電源がなくてすぐできるとか、そういったものもあわせて活用していくことで、いろいろな情報が格段に増えてくるのではないかと期待しているわけです。根本的なこととして、物質ごとに発生源周辺の定義が違ってくると。以前のように比較的少ない物質を対象にしているときはいいんですが、測定対象物質が増えてくると、発生源周辺といっても物質ごとに全然違ってくるということで、それをどういうふうに具体的に扱うか苦労しているわけです。ただそれの第1歩として、こういった第I分類、第II分類、第III分類と分けていると、それぞれについて状況が違ってくるだろう。群小のところで出てくるようなものは今ご指摘にあったようにかなり幅広に出てきますのでまた考えなければいけないし、自動車のようなところあるいはその他の発生源のあるところというように、一応この第I、第II、第III分類を考えています。第I分類については特に特定の限られたところで出てくるとすると、そこの発生源周辺の定義をまた別に考えていかなくてはいけないということです。かなりいろいろ問題点が山積しておりますけれど、まずは問題点の整理と、それから各自治体がどういうふうに地点を選んでいるかというのを全体整理をしているという段階です。ただ、自然由来についてのチェックというのは全く状況がわからない状態ですので、これについてはすぐにはできませんが、課題として環境省さんの方も少し考えていただきたいなと思っています。特に金属類等ですね。

    【永田委員長】 はい、どうもありがとうございました。いかがでしょうか。ほかの検討会メンバー、自治体の方できょうお見えの方たち……。

    【浦野委員】 北海道、茨城、千葉の方々は入っていただいておりますし、福岡も。だから、かなり重なって…。

    【永田委員長】 そういうところだけでもいいから、きちっとしたという言い方はおかしいかもしれませんけれど、きちっとしたデータでもう少し中身を、何を発生源と見ているんだとかいうようなことも含めて整理していただく形でできますかね。

    【浦野委員】 ここにお見えのところもそうですけれども、全国に相当の詳しいアンケートを今していますので、アンケートの用紙だけでももしあれば、こういうことをしているというので、後ほどでもいいですけれどもいただければ。大分解析が始まっているんですが、まだアンケートの回答が80%か90%ぐらいなんで、100%にするということで頑張っているようですので、ちょっと時間がかかっています。

    【永田委員長】 これ出てきたデータも、そういう意味では決まって一般沿道とかばらばらばらに並べられると、本当の傾向というのが逆に消えてしまって、それぞれの自治体で一連のものとして測ったものとして相関がどのくらいあるか。前回もたしかこういうやり方と、それから今申し上げたようなやり方をやっていらっしゃいましたよね。その中で本当に相関があるものはどういう状況なのか、ないものはどういう話なのかなとか、一時のこういうデータの見方としてはこういうことになるんだと思いますけれど、また突っ込んでいろいろやっていただくときにはぜひそういう検討もなさっていただければ。

    【浦野委員】 この資料の10ページから出ている資料は、実は委託先の検討会で検討する以前のデータでございまして、現在これより詳細な解析をスタートしているということです。

    【永田委員長】 今のアンケート調査のやつって結構厚いんですか。いや、コピーしてもらえれば。

    【伊藤課長補佐】 5、6ページのものですので、この会議が終わるまでに事務局の方でコピーして見ていただきます。

    【浦野委員】 大変おもしろい結果がいろいろ出ていますので、一部結果の中間報告が既に数日前に出てまいりましたので。ただそれはまだ回収率が70%前後のところの中間集計ということで出ています。

    【永田委員長】 これ一応今年度でまとめられる格好になるんでしょうかね。

    【浦野委員】 アンケート等の調査については一応その予定です。ですから次回ぐらいにある程度出てくると思います。

    【中杉委員】 直接これ委員からの説明に関連する話ではないんですけれども、多分いろいろな解析をする上で、環境測定データに関して測定地点の緯度経度の情報をあわせてとるような形にするのが一番手っ取り早いだろうと。ほかの情報も全部緯度経度を入れた形でデータを集めると解析のとき非常に楽なんです。ですから、ぜひそういう形で、今、緯度経度計を持って現場へ行けば、すぐ測定点の緯度経度が出ますので。測定する際にそれを携行すればいいわけですから。

    【森川委員】 こういうデータを見せていただくと、努力にはすごく敬服するんですが、一方欲が出てきたりしますので。

    【浦野委員】 来年度も引き続きこの検討は行われると思いますので、各先生方からいろいろご意見をいただくことは大変よろしいんじゃないかと思っております。

    【森川委員】 そういう意味で言いますと、例えばこういう「一般環境」、「沿道」、「発生源周辺」というようなサンプリングの地域を決めていかれると、今度はそのサンプリングの条件をそろえていくと、お互いの相関が取りやすくなってくるのだろうと思うんですね。そのようなデータのとり方を今後進められると非常に意味のあるデータになっていくような気がいたします。それぞれサンプリングの地点、それから設置者等々が違うかもしれませんが、そういうところの間の連絡を取り合って、例えば同じ時間帯にやるとか、同じ期間にやるとかというような形での対応をつけていくということが非常にいいデータになっていく一つのポイントかなというふうに感じました。そうすれば、相関とか因子分析とかでお互いのデータの関係がより明らかになっていくような気がします。これは、今後の欲の部分かもしれませんが。

    【永田委員長】 限られた地点で、測定のために実験値という言い方はあれなのかもしれませんけれども、そういうのもやってもらいながらということですね。

    【森川委員】 そうですね。

    【永田委員長】 浦野先生もさっき測定時間といいますか、期間といいますか、これもうちょっと2週間とか何とかという話もありましたよね。

    【浦野委員】 現在、先ほどご紹介のありました連続測定している地点が、最後の資料で言うと資料4でしたっけ。

    【伊藤課長補佐】 14地点あります。

    【浦野委員】 14地点のうちのAというのが10地点あるんですが、これについてのデータを全部24時間値にして、年に何回測定したとしたらどうなるか、あるいは7日間捕集値にして年に何回測定したらどうなるかというのを全部コンピューターで解析してみまして、それで分布をとりまして90%信頼確率になる誤差範囲がどのぐらいの幅になるか全部計算をして出しております。それで7日間捕集にすると年平均値の誤差が大体半分になるということですし、今のままの24時間値で12回ですと、物によっては大変誤差が多くなるという結果もあります。物によって例えば四塩化炭素とかフロンのような、もう使用禁止になってバックグラウンド濃度的になっているものはどっちでやってもそんなに変わらず誤差も非常に小さいとか。

    【永田委員長】 今の7日間で四季にやるんですか。

    【浦野委員】 四季にやる場合と12回やる場合と回数全部。

    【永田委員長】 7日間を12回。

    【浦野委員】 7日間12回もありますし、7日間6回もあります、4回もあります。コンピューター計算で全部やってありますので。それでサンプリング時間をどのぐらいにして、あとは測定回数をどのぐらいにしたときという2つのマトリックスで。

    【永田委員長】 さっき年平均値の誤差が半分になりますよというのは、幾つになりましたか。

    【浦野委員】 それは大体12回同士の比較。それで大体今の24時間の12回に対応すると、大体年4回で済むと。1週間にすれば。ですから、回数の方は12回が4回になりますし、同じ回数をやれば誤差が半分になるということですね。

    【永田委員長】 いかがでしょうか。それは今の連続測定の解析には入らないの。

    【浦野委員】 多分今検討会の方でやっていますので、近く入ってくる。数日前に出たばっかりの結果ですので、まだここに間に合っていないのだと思う。

    【伊藤課長補佐】 取りまとめて参考資料として、またご提供いたします。

    【浦野委員】 それから私ども独自に、実際に測定を年間を通して両方でやったデータとか、それからSPMと非メタン炭化水素が自動計測をされていますので、それの60カ所のデータを同じように解析したなど今提出して、委託先の方で解析中ですけれど、まだここに上がるまでに多分時間がなかったんだと思います。数日前に出しましたので。そういうのは全部上がってくると思います。

    【中杉委員】 対象物質の分類で第II分類にニッケルとクロムが入っていて、メッキということが小規模だということですけれども、実際に環境への侵入路という観点でいくとメッキだと水の方が中心なんで、大気という観点から見たらこの分類が適当なのかなというふうな感じするんですけれども、そこら辺の検討はされていましょうか。

    【浦野委員】 私がお答えするのかどうかわからないんですが、この分類は以前にこの会でも議論が出たもので、ただ用途とか小規模事業所等で考えられる中身は実は私も全く検討をしておらないで、どこでこういうものを見つけたのかはよくわかりません。ですから、ここに化学商品辞典とか、こういうものから多分委託先のコンサルさんが探してきてデータを出したという意味で、必ずしもニッケルがメッキから出てくるというふうには思えないわけで、実はニッケルは自動車会社とか、あるいは製鉄・鉄鋼業とか、その他いろいろなところから出ています。ニッケルの入った粉じん等ですね。ですから、用途というと工業的に使っているところですよね。燃料由来などの副生したり、不純物などから出たりしているところは何も入ってこないんですよ。ですから製鉄業であるとか、あるいは自動車関連とかでもニッケルは使っているわけですけれども、使っているところと、それから副生や不純物から出ているところと両方ありますので両方考えなくてはいけないし、金属なんかむしろ金属関連工業でたくさん使っていますので、メッキだけ上げると非常に不十分だと思うので、この辺はもう再整理した方がいいと思います。

    【伊藤課長補佐】 わかりました。

    【永田委員長】 これは別に1と2と3ときちっと分けなくたっていいわけでしょう。検討の状況からすれば、同じものが1に入っている可能性だってありますよという書き方があってもいいんだと思うのですよね。そういう意味でここを余り厳密に分けても、逆に言えばそれをきちっとPRTRだとか何とか含めてつなげていきながら、最後の結論としてどっちに入るんだということになってくる可能性があるので、余り最初から切り分けてしまっているというのもどうも。

    【中杉委員】 かなり古いデータですけれど、外国の研究者がやったので、これらの物質がどういう発生源から大気へ侵入しているかという見積もりをしているのがあります。意外と多いのは化石燃料の燃焼がかなりの由来になると思いますので、今の状況は昔と大分違うと思いますけれども、そこら辺を少し参考にしながら分けられたらいいんではないかなと思います。

    【永田委員長】 よろしいでしょうか。あとほかに何かありますか。

    【加藤委員】 これは見方とすれば、発生源周辺が入っているということは非常に丁寧のように見えるんですけれども、一般の人が見ると「一般環境」と従来の自動車排ガス測定局ですね。そういうふうに割合簡単に分けた方が、とらえ方とすればわかりやすいような気がするんですよね。この周辺で非常に特徴的に出ているのは塩化ビニルモノマーとアセトアルデヒドぐらいですかね。だから、せっかくやったことを一般的に周知させて、この程度だよということがわかるのはあんまり分類しない方がいいような気もするんですけれどもね。

    【永田委員長】 とりあえず今は地方自治体がこういう格好で測定しましたというデータを整理しているだけなんで。

    【加藤委員】 ああ、そうでしたよね。

    【永田委員長】 こちらで発生源周辺とかと呼んでいるわけではないと思うんですよね。ちょっとこの辺のところはこういう名目で測定されたものですから、それでとりあえず整理をさせていただきながら、先ほどの話ではないですけれど、IIで分類されているものは発生源周辺って、逆に言えばどんなことを言っているものか、あるかもしれないですよね。ほとんど一般環境の中から発生してきているようなものがあるので、そういう意味ではこの辺の測定値の意味が、先ほどの話ではないですけれど、本当の発生源周辺が個別個別の物質では何なのだというようなことも明らかにしていかないと。

    【浦野委員】 今、加藤先生のご指摘がありましたけれども、こういう格好で今までモニタリングの結果が出て、環境省から公表されているんですね。ですから、必ずしも国民の理解と実態が合っていないということで、もう一度その辺を整理して、よりわかりやすいというか、例えば発生源周辺と言いながら、発生源から5キロ離れているところも発生源周辺と言っていたり、いろいろあるものですから、定義をもう少し明確にして、自治体側の分類ももう一度見直していただくと、もう少しちゃんとした特徴が出てくるのではないかということです。余り複雑にしても多分自治体側も対応ができないと思いますので、あまり複雑にするつもりはないんですけれども、各自治体ごとに定義を自由に解釈していますので、その辺は実態を把握して整理して、基本的な考え方は環境省なり、こういうところがちゃんと示さなければいけないのではないかということですね。

    【永田委員長】 とにかくこれは物質を書いて、次に発生源周辺と書いてあると、この物質の発生源周辺かと一般の人はみんな思ってしまうんだろうと思うんですけれどね。そういう対応にはなっていないんでね。そういうことも含め、それから今の発生源周辺は本当はどこをとっているのというような話も含め、これからもう少しちゃんと見ていかなくてはいけないんでしょうね。

    【内山委員】 確認なんですが、あとこの線で引っ張ってあるのは平均値のところを引っ張っているんだと思うんです。これは算術平均なのか、幾何平均なのかちょっとお伺いしたい。

    【伊藤課長補佐】 算術平均でございます。

    【内山委員】 算術平均ですか。そうするとちょっと数がわからないんですが、余り表見本が少ないところは、どっちかに引っ張られてしまっているようなところもあるので、こっちが多いあっちが多いというのは、余りはっきり言えない面もあるんではないかなという気がしますので、一応これ散布図だけの方がいいような感じもするんですが。

    【浦野委員】 専門家の方々は多分こういう散布図があれば見たらわかるんですけれども、多分環境省が一般に記者発表なんかされるときに、どうしても算術平均で今までも公表をしていて、それで全体の経年変化がどうとかという、あるいは、基準があるものは基準超過率とか、そういう情報を出されていて、散布図まではあまり公開していない。公開しないわけではないけれど複雑になり過ぎるということで出しておられないので、たまたま平均値でここは出しています。ずっと縦に並んでいるということはある意味で分布を示しているわけです。たまたまここの線は平均値で出ているということですね。

    【永田委員長】 ちょっとその辺も含めて、またご検討いただければ。

    【内山委員】 できれば、算術平均値と書いていただいた方が。

    【浦野委員】 そうですね。ただ平均値と書くより算術平均値と書いた方がいいですね。

    【伊藤課長補佐】 そのようにさせていただきます。

    【中杉委員】 ちょっとよろしいですか。今の36ページの連続測定と24時間サンプリングとのばらつきのぐあいを見ているんですけれども、一般的に常識に考えると連続測定の方が平均化して、ばらつきが小さくなりそうな感じがするんですけれどね。これはやっぱり測定法の問題なんでしょうかね。

    【浦野委員】 実は連続測定をしていると、非常に高いときも測定されてくるんですね。そうすると、算術平均をすると高い方へ動いていくわけです。ところが、24時間測定というのは、たまたま12回やってもうんと高いところに当たる率というのは非常に少ないんですね。ですから、高い数値がすごく減ってくるんです。ですから、大体概して連続測定の方が高めに出ているケースが多い。算術平均のときは。

    【中杉委員】 細かくやれば、ばらつきが連続というか24時間サンプリングの方が大きくなるのですね。

    【浦野委員】 それはそうですけれどね。近づくと言った方が正しいですかね。

    【永田委員長】 それではちょっと時間の関係もございますので、まだいろいろご質問があるかと思いますが、今きょういろいろいただいた意見を浦野先生の方でまた検討なんかで加えていただけると思います。
     それではちょっと先へ行かさせていただいて、もう一つの議題でその他ということになっていますが、この中で少しいろいろお諮りしたい点があるようですけど。

    【伊藤課長補佐】 では、その他につきましてご説明さしあげたい案件があります。資料2をお開きください。これは内部で調整中の案件でございますから、委員限りとして今回は取り扱わさせていただいております。
     資料2でございますが、有害大気汚染物質の自主管理の報告事項(概要)ということで第2期の各業界団体並びにベンゼンに係る関係地域の自主管理計画の進行状況についてご報告を受けるということで、第1期目につきましてはその資料2の3ページに掲げておりますように経済産業省、環境省の方で調整いたしまして、経済産業省から各業界団体に共通的なフォーマットということでご提供を差し上げているのが別紙3ページ、4ページの(別紙)でございます。今回、1ページに戻りまして、アンダーラインを引いております内容について追加をさせていただきたく、経済産業省と今後調整を進めていきたいと考えておりますし、経済産業省もより明確に効果、企業の努力があらわれるようにということで、そのアンダーラインの内容につきましてはご検討をいただいているところでございます。
     まず、ご説明いたしますと、アンダーラインのところでございますが、一つは基準年度の排出量というのが第1期と第2期にくい違いがありまして、それにつきましてはやはり修正箇所を明示し、変更理由を詳細にご説明いただきたいということで、基準年度排出量目標値、参加社数等に変更がある場合は修正箇所を明示され変更理由を説明していただきたいということで、それを共通書式の中に盛り込みたいと考えております。
     [2]具体的な排出抑制対策ですが、排出抑制専門委員会でもご議論いただきましたように代替物質でございますが、水系にかわるのか、アルコール系にかわるのかということは1期目もご報告いただきましたが、同じ塩素系でありましてもリスク的なものもありますし、今回定めました指針につきましては代替物質の使用に当たってはリスク的な面も検討をされたしというような文言を書き込んでおりますことから、代替物質は可能な限り主要な成分もご提供をいただきたいということで追加したいポイントでございます。
     次(2)でございますが、事業所周辺濃度ということで、前回も事業所周辺濃度、敷地境界の分布等の報告をいただきましたが、今回は自主管理計画において測定点ということで敷地境界ないしは工場内とか、いろいろな測り方をなされるかと思いますが、その辺の敷地境界内の濃度等または周辺に近いところの濃度等の提供をということで、ここに括弧書きで追加をしているところでございます。
     次(3)でございますが、今回指針の中には情報の提供ということで、企業としてはまた業界団体として、また自主管理団体として地域に対して説明等、または取り組み状況の内容等をPRということで、その具体的な内容について書き込んで報告をいただきたいということで、項目として追加しているところでございます。
     (4)でございますが、これにつきましては、どちらかと言いましたらベンゼンの地域の自主管理計画を念頭に置いておりますが、全体版でもある大規模な特定工場等で大気の環境濃度の予測等々がなされた場合にはそれをご提供いただきたいと、対策の効果の中にそういうシミュレーションも含むということで書き込みたい、またはお願いしたいと考えております。
     次のページでございますが、全国版と地域版は余り書式を変えても同じ業界団体が加わっておりますことから書式は変えておりませんが、全国版と地域版の違いというのが(2)でございますが、13年度に実施された事業所周辺濃度等で、ここでは測定結果ということでできる限り全部のデータをご提供いただき、自治体のデータとあわせていろいろ検討をしていきたいし、チェックアンドレビューにご提供をしたいということで、こちらに関しては全体のデータということで書き込んでいるところでございます。あとのところは全国版と同じ書きぶりにいたしております。ただこれは書式ではありませんで、共通的な書式につきましては経済産業省側と打ち合わせをし、経済産業省から業界団体に伝えるということを考えております。
     以上でございます。

    【永田委員長】 はい、どうもありがとうございます。いかがでしょうか。ちょっと前から気になっていたんですけれど、3ページ目のところの排出原単位というのが出てくるんですけれど、一番最初の例のところに書いてある排出原単位、これは余り意味はないんですよね。我々の感覚からしますとね。結局これはそこにのっかている数値で計算をしていけば出てきてしまうので、結局排出したもの、あるいは製造したものからの排出率みたいなものでね。これはここに出された数値で計算できる話になってしまうんですね。そういう意味では、この原単位はその下のやつですよね、どっちかといえば。製品の生産量だとか、何かほかにもいろいろ指標があるかもしれませんよ。そういう額の話も出てきますね、生産額。それを前の方にして出しておいてもらった方がね。何かこれでみんな書かれてしまうと余り意味がないんで、そういう意味ではどうしようもないところはこれで出してくるところが出てきてしまうんだろうと思いますけれどもね。その辺をまあ少し考えていただきたいと思います。

    【伊藤課長補佐】 それは先生、例示の方の排出量、生産量等の原単位の方を強調するということでございますか。

    【永田委員長】 例示の下の段のやつですね。上のやつはこれで製造量、使用量をちゃんと書いてもらって、それから排出量を書くと、これは全部出てきてしまいますよね。だから、この最初の行に書いてある例示が本当に必要なのかどうかということも言えますけど、ただ、なかなか出しづらいところはこれで出てきてしまうなと思っていてね。しようがないのかな。いかがでしょうかね。
     それからもう一つ、4ページ目の(4)のやつ、業界団体における当該物質の業界内捕捉率というのがありますよね。これの考え方なんですけれど、業界内捕捉率という形で出されているから、下の式がそれに該当しているということで見られないこともないんですけれど、どっちかというと最初のときには業界団体として入っている企業だけではなくて、それ以外のところでもこうした製品をつくっているとか、あるいは類似の工業をやっているとかというような中で、業界としての組織率がどのくらいあって、その中でどのくらい捕捉されているかというような2段構え的な形の捕捉が知りたいというところもあったんですよね。これだと業界全体で答えが出てくると、これ100%という値が出てきてしまうんですけれど、本当はそれで全部同種の工業なり何なりの捕捉ができているのかどうかという話は、ちょっと違うことになってきてしまうんだと思いますよね。そういう趣旨のやつがとれるとすれば、何かないのかなと見ていたんですけれどね。それから、書き方が今、私が言ったような2つの書き方で書かれてくる団体がありますよね。あれどうなりましたっけ、あれは。

    【伊藤課長補佐】 これにつきまして若干業界団体によって、この文章のとり方がまちまちになりますことから、業界におけるその物質の捕捉率、全体に対して業界の捕捉率という考え方で書き込んでいただこうかと思っておりますが。

    【永田委員長】 そうすると、それだとちょっとまた違うでしょう。

    【伊藤課長補佐】 別紙には第1期の共通書式をつけておりましたことから、私の説明が不十分でして、第1期の共通形式をつけさせていただいておりまして、このフォーマットにつきましては今後経済産業省と環境省で打ち合わせをさせていただき、業界に伝えるということを考えております。

    【永田委員長】 ああそうですか。そうすると、もうそれは第2期のときには直っていたんでしたっけ。第2期という言い方はおかしいんですが、前回のときにはこのままですか。

    【伊藤課長補佐】 前回のときはこのまま。

    【永田委員長】 ああ、そうですか。では、その辺のところを配慮した格好のものはこれからつくるということにもなりますよね。そういう意味ではちょっとその辺を含めて…。
     よろしいでしょうか。それではこれは少し検討を加えて正式なものになっていくということで検討させていただきます。
     それからもう一つ、資料3についてもどうぞ続けてお聞かせください。

    【伊藤課長補佐】 資料3につきまして、分厚い資料でございますが、ポイントだけご説明いたします。この資料につきましては第1回から第3回の排出抑制専門委員会でご意見をいただいたものにつきまして、関係の業界団体に確認の文章を排出抑制専門委員会の事務局の方から出させていただきましたものに対するご回答でございます。
     中心になりましたのは、非意図的に生成される、副生成されるベンゼンとかクロロホルムとか、そういう物質の取り扱いでございますが、基本的にはPRTRに合わせて「製造」という取り扱いをいたしますという回答が大多数から参っておるところでございます。
     あとその他の文章につきまして、1.の社団法人日本化学工業協会からの回答でございます。この業界につきましてはなかなか分けづらいところもありますというようなご回答をいただいておりますが、できますならばPRTRに合わせられたらと思っておりますと、こういう回答を今いただいているところでございます。
     次には放散塔という言葉でございますが、放散塔と言いましたら何か大気に逃がしていくようなイメージを受けましたので、第1期目につきましてはこの放散塔という単語で通しておりましたが、できますならば、同じことでございますが、ガス吸収塔というような書きぶりに変えていただきたいとお願いしておりましたら、そのように書きかえ、関係参加団体に伝えますということです。
     あとは同じようなところで副生成の話がずっと出ておりまして、5ページの2.の社団法人日本鉄鋼連盟様からの回答で、ベンゼンというのがどちらに当たるのかということで、鉄鋼連盟さんの方はベンゼンを「製造」する化成工程ということでこういう文言を盛り込み、もう一つは(3)でございますが、この中で粗軽油タンクがフローの中に漏れておりましたが、粗軽油タンクは1期目から対象として対応をしているが、2期目はそれ以外のものも対象とし、明確に示すので粗軽油タンクは除いていますということでございましたが、粗軽油タンクも自主管理計画の管理の対象になっておりますことから、それを盛り込みますというような回答で、STEP2の「有害大気汚染物質に関する自主管理計画」が一番後ろにつけておりますが、直したところは何カ所かでございますが、差しかえますというような回答をいただいております。
     6ページの3.でございますが、自動車工業会からも非意図的に製造されるホルムアルデヒドとアセトアルデヒドでございますが、これもPRTRに合わせまして、本来副生成ということなんですが、「製造」としてPRTRに合わせて入れますということで、この部分だけでございますが、自主管理計画書を差しかえ、修正をかけましたということでご回答いただいております。7ページの4.も同じように、クロロホルム、ベンゼンが「製造」としてPRTRに合わせて扱うという回答で、5.も同じようなホルムアルデヒドの副分解物を製造と。
     6.でございますが、この業界団体は参加団体が多いものでありますが、平成11年度の目標値、最終的な目標値と第2期の基準値に若干の食い違いがありまして、それにつきまして少し具体的なケースの例示をお願いしておりまして、そこに書いておりますように時間的な問題もありましたが、業界団体は2回測っておられまして、1回目のデータで報告をさせていただき、今回2回のデータがそろいましたので、その平均値を使って整理をさせていただきましたというような回答をいただいております。この修正の日本鉄鋼連盟と自工会につきましてはそっくり修正で報告を受けております。
     以上でございます。

    【永田委員長】 はい、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
     それでは、以上で今日予定した検討いただく事項については終わらせていただきます。あと全体をまとめて何か、皆さん方のご意見をいただければ環境省で配慮していただきますが、よろしいでしょうか。
     それでは、今後の予定等も含めながら、コメントがあったら事務局の方で言っていただけますか。

    【伊藤課長補佐】 次回の排出抑制専門委員会でございますが、第2期の自主管理計画の報告を受けた後、チェックアンドレビューをお願いしたいと考えております。
     開催時期でございますが、夏過ぎということを考えておるところでございます。スケジュールの調整は追って行わさせていただきます。
     最後に本日の議事要旨につきましては永田委員長にご確認をいただいた後、公開させていただきます。
     本日は長時間にわたりまして、ご審議ありがとうございました。マスコミ等からの照会等がございましたら事務局において対応させていただきます。よろしくお願いいたします。

    【永田委員長】 それから先ほどの資料は、委員限り以外のやつは全部公開ということで扱わさせていただきます。

    【西出大気環境課長】 13年度の第2期の自主管理計画、それから地域の計画についてご審議をいただきまして大変ありがとうございました。今日はいろいろご意見をいただきました点、モニタリングの関係あるいは対策技術の関係、それぞれこれから対策を円滑に進めていく上で大変大事な点だと思っております。それぞれ個別には検討委員会を設けたものにつきましては、次回以降のまたこの場でご紹介をさせていただきたいと思いますし、具体的な今後の対応の中で、恐らく次回までに15年度の我々の重点政策なり予算なりという議論が進んでいくかと思いますので、今日いただきました意見もぜひそういうところに反映させていただいて進めていきたいと考えております。個別に、また永田委員長をはじめとしてご相談に乗っていただく点が出てくるかと思いますけれども、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
     どうもありがとうございました。