(部会長) | 池上 詢 | |
(委員) | 浅野 直人 | 幸田 シャーミン |
佐和 隆光 | 鈴木 継美 | |
(五十音順) | ||
(臨時委員) | 天野 明弘 | 石川 義紀 |
伊藤 桂子 | 伊藤 賛治 | |
浦野 紘平 | 内山 巌雄 | |
香川 順 | 加藤 勝敏 | |
河野 通方 | 坂本 和彦 | |
櫻井 治彦 | 猿田 勝美 | |
鈴木 道雄 | 永田 勝也 | |
中野 璋代 | 新美 春之 | |
松波 正壽 | 松林 努 | |
横山 長之 | 米澤 敏夫 | |
(五十音順) | ||
(環境省) | 環境管理局長大臣官房審議官 総務課長大気環境課長 自動車環境対策課長大気生活環境室長 ダイオキシン対策室長環境管理技術室長 総務課調査官 |
資料1: | 中央環境審議会大気環境部会委員名簿 |
資料2: | 環境省環境管理局の組織について |
資料3: | 中央環境審議会議事運営規則等 |
資料4: | 中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の設置について(案) |
資料5: | 中央環境審議会の運営方針について |
資料6: | 中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の運営方針について(案) |
資料7: | 自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx法)の一部改正について |
資料8: | 改正悪臭防止法に基づく政省令の一部改正について |
【総務課長】 どうも年度末のお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。
定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第1回大気環境部会を開催いたします。
委員総数32名のうち、25名の先生方の御出席が予定されておりますが、目下23名の先生方の御出席をいただいて、既に会議の過半数を超えておりますので、会が成立いたしております。残りのお二方の先生もすぐにお見えになるという御連絡をいただいておりますので、会議を開催させていただきます。
まず会議に先立ちまして、松本環境管理局長からごあいさつを申し上げます。
【環境管理局長】 環境省環境管理局長の松本でございます。委員の先生方におかれましては、この中央環境審議会の大気環境部会の委員をお引き受けいただきまして、また、本日は大変お忙しい中、第1回の大気環境部会に御出席をいただきまして大変ありがとうございます。
既に御承知のことと思いますけれども、本年1月6日に中央省庁の再編が行われまして、新たに環境省が発足をいたしました。そして、環境省の中の組織もかなり変わりまして、いわゆる公害対策を一元的に担当するとともに、大気、水、土壌といった環境媒体を包括的にとらえまして、総合的な観点から施策を推進していくという観点から環境管理局という局が設置がされたわけでございます。なお、環境管理局の中に水環境部という部が改めて設置されているわけでございます。
環境管理局では、この大気環境部会に関わりの深い課題といたしましては、当面のところ、自動車に起因をいたします大気環境問題への対策、それから、有害大気汚染物質への対策、こういう課題などを重点課題として取り組んでいきたいと考えております。
まず、第1点目の重点課題といたしまして、自動車交通に起因いたします都市の大気環境問題への対策ということでございます。大都市を中心といたしまして、自動車排出ガスによる大気汚染は依然として深刻な状況にございます。特に、ディーゼル車の排出ガスに含まれます窒素酸化物や粒子状物質による汚染が問題となっているわけであります。これに対する対策として、まず御報告をさせていただきたいのは、現在開会中の国会に、自動車NOx法の改正案を提出をしたところでございます。今月3月6日に閣議決定をいたしまして、国会に提出しているわけであります。国会の審議はこれからということになりますけれども、是非この自動車NOx法の改正案を、今国会で成立をさせていただいて、それに基づく施策を一生懸命進めていきたいと思っているわけでございます。
改正NOx法の詳しい内容につきましては、後ほど説明の時間を設けさせていただきたいと思っております。
また、自動車環境対策といたしましては、このほかにも自動車1台ごとの排出ガスを規制いたします、いわゆる単体規制がございます。これにつきましても、昨年12月に従前の中央環境審議会からディーゼル車の新長期規制を平成17年までに実施するということなどの御提言、いわゆる第四次答申でございますが、これをいただいております。今後、具体的な規制値を決定するに当たりましては、引き続き、この審議会や部会で御審議を賜るということになろうと思います。よろしくお願いしたいと思います。
2点目の重点課題といたしましては、有害大気汚染物質への対策ということになろうかと思います。ベンゼンなどの有害大気汚染物質につきましては、中央環境審議会におきまして、今後の有害大気汚染物質への対策のあり方について御検討をいただきまして、昨年12月に第6次答申をいただいております。今後は、この答申を受けまして、ベンゼンなどの汚染物質が高い濃度となっております地域については地域単位での自主管理を促進するということなど、新たな対策の具体化を図っていく予定であります。
また、今後有害大気汚染物質の環境基準を新しく定めることなど、新たな施策を検討していくに当たりましては、引き続きこの審議会での御審議をいただくということになろうかと思いますので、またよろしくお願いしたいと思います。
このほかにも、悪臭問題への対策を始めとして、取り組むべき課題が山積をしているわけでありまして、今後とも委員の先生方の御協力をいただきながら、私どもとしても一生懸命新しい施策の展開に努力していきたいと考えております。
環境管理局がただいま申し述べましたような施策を推進していく上で、今回新たに発足をいたしました、この大気環境部会で御審議をいただくという課題が大変たくさんあるわけであります。委員の皆様の格別の御指導、御鞭撻を改めてお願いを申し上げまして、簡単でございますけれども、ごあいさつにさせていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いしたいと思います。
【総務課長】 それでは、お手元の配付を申し上げました資料の御確認をお願いいたしたいと思います。
(配付資料の確認)
それでは、資料の確認を済まさせていただきまして、次にまいりたいと思います。
本日は新しい中央環境審議会大気環境部会の第1回目の会議でございますので、委員の先生方と私ども事務局の幹部の紹介をさせていただきたいと思っております。
まず、冒頭御紹介申し上げますが、部会長には、中央環境審議会令第6条第3項の規定に基づきまして、既に中央環境審議会森島会長から、福井工業大学工学部の池上詢先生が部会長として御指名を受けておりますので、御紹介申し上げます。池上先生でございます。
また、大気環境部会に御所属いただく委員の先生方につきましては、同じく中央環境審議会令第6条第2項の規定に基づきまして、お手元の資料1にございますとおり、既に会長から指名されております。本日御欠席の先生も含めて御紹介を申し上げたいと思っています。
(委員の紹介)
以上、委員の方々を御紹介をさせていただきました。
私ども環境管理局の幹部について御紹介を申し上げます。
(環境管理局の幹部の紹介)
なお、資料2として、この1月から発足をいたしました環境管理局本局の組織図をお配りをしてございます。ざっとごらんをいただきたいと思っておりますが、総務課は、もちろん局の事務の総合調整のほかに、大気汚染に関する環境基準の設定等の業務をかかえております。総務課の中に、環境管理技術室がございまして、自動車排ガス、騒音の許容限度の設定等、古い組織で申しますと、自動車環境対策第二課の業務を引き継いでおりますほかに、環境管理局の技術開発の普及に関する事務の総括をする役目を負っております。それから、ダイオキシン対策室は、省内さまざまダイオキシン対策に関係する部署がございますが、その総合的な窓口、対外的な窓口として設置されたものでございます。それから、調査官は、総務課の重要事項に関する調査及び企画立案を担当することになっております。
大気環境課は、従来の大気規制課の業務を大方引き継いでおりますが、新たに放射性物質による環境汚染の監視も担当いたしております。それから、大気環境課の中にあります大気生活環境室でございますが、従来と名前が変わっておりませんが、所属が従来は企画課の中にございましたものが、大気環境課の中に移っております。騒音、振動、悪臭の対策を担当いたすことになります。
それから最後に、自動車環境対策課でございますが、従来の自動車環境対策第一課の業務に加えまして、自動車排出ガス測定局や道路沿道の騒音をモニタリングする役目を負っております。
なお、従来大気保全局の中にございました酸性雨対策及びオゾン層保護の関係業務は新しい組織の中では地球環境局に移管されております。
以上、幹部職員とともに新しい組織について、資料2に基づき御紹介いたしました。以上でございます。
それでは、議事に入りたいと思っておりますが、以下の進行を池上部会長にお願いいたします。
【部会長】 それでは、先ほど事務局から御紹介がありましたように、中央環境審議会の森島会長の御指名によりまして、この大気環境部会長を務めさせていただきます。環境庁のときも大気部会長を務めさせていただきましたが、そのときと変わらず、よろしく御指導と御支援をお願い申し上げます。
それでは、議事に入ります前に、中央環境審議会第6条第5項におきまして、部会長はあらかじめ部会長代理を指名することができるとされておりますので、本部会の部会長代理に、今日は御欠席でございますが、東京大学名誉教授の鈴木継美委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ただいまから議事に入ります。まずは事務局の方から本部会の設置、所掌について説明をお願いいたします。
【総務課長】 それではお手元の資料3をお開きいただきたいと思います。
省庁再編に伴いまして、中央環境審議会が、名前は従来と同じでございますが、新たな審議会として設置されております。
本審議会は、従来の自然環境保全審議会、それから、動物愛護審議会、そして瀬戸内海環境保全審議会が廃止され、この中央環境審議会に一本化され、設置されたものでございます。
お手元の資料3は、中央環境審議会議事運営規則と銘打っておりますが、これは本年1月15日に開催されました中央環境審議会の総会において採択をされたものでございまして、具体的な今後の審議会の運営の細目を定めたものでございます。
第4条を御覧いただきたいと思います。ここに部会という柱書きがございまして、審議会に次に掲げる13部会を置くということが記載されております。その第4条の第6番目を御覧いただきますと、大気環境部会がございまして、これが本日お集まりをいただいております部会でございます。
この部会の任務でございますけれども、1枚おめくりいただきまして3ページという番号を振ってございますところに別表がございます。この中で大気環境部会の項を御覧いただきたいと思います。つまり、大気環境部会に委ねられたマンデートは、大きく分けて次の3つでございます。1番目は大気環境の保全に係る重要な事項に関すること、2番目が交通環境対策に係る重要な事項に関すること、3番目が悪臭防止に係る重要な事項に関することでございまして、従来の中央環境審議会の役回りと重ね合わせてお考えいただきますと、大気部会と交通公害部会の所掌事務を引き継いだものとなります。
また、中央省庁等改革関係法施行法に基づきまして、旧環境庁長官から古い中央環境審議会になされておりました諮問事項は、組織が改まった後も環境大臣から新しい中央環境審議会に諮問がなされたものと見なすという規定になっております。ですから、先ほどお配りしております中で、諮問事項3枚を束ねた資料がございますが、それらの諮問事項はまだ審議がすべて終了しておりませんので、これらの諮問事項につきましては、新しい中央環境審議会の大気環境部会に引き続き付議をされているという解釈になるわけでございます。
これに伴いまして、その諮問事項を処理するために、専門委員会を設置する必要があろうかと考えておりまして、それが後の議題になります。今、御紹介申し上げておりますのは、とりあえず新しい大気環境部会というものが、こういう役回りの下に発足をしたということでございます。
それで、あわせてちょっと順序が後先になって恐縮でございますけれども、資料3の4ページ以降をお開きいただきますと、3ページまでにお示ししてございます運営方針のほかに、もとになっております関係条文が引用してございますので、あわせて御参照いただきたいと思います。
最初にございますのが、環境基本法の中央環境審議会に関連する条文の抜粋でございます。そもそも中央環境審議会は、以下に掲げる事務を司るということが第二項に書いてございます。第三項、第四項とございまして、御覧いただくと、従来の審議会と大体同じ構造のものということが御理解いただけると思います。
さらに大きな2番として、中央環境審議会令というものも抜粋で掲げてございますので、御覧いただきたいと思います。第2条には、組織というのがございます。審議会は委員30人以内で組織するという言葉が第1項に書いてございますが、第2項に、審議会に特別な事項を調査審議させるため、必要のあるときは臨時委員を置くことができるという規定になっておりますほか、第3項には、専門の事項を調査させるため、必要があるときには専門員を置くことができる等々書いてございます。
それから、ここで現在、本日お集まりの先生方の任命の任期は再来年の1月5日までということになっており、概ね2年の任期というのが決まっております。
あとは詳細な説明は省かせていただきますけれども、会長、委員の任期と部会議事と並んでおりますので、これも併せて御参照いただければと思います。一応ここでこれまで既に決していることについて御紹介するということで説明を終わらせていただきたいと思っております。
【部会長】 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明につきまして御質問がございましたらお願いいたします。ございませんでしょうか。
では、次に進ませていただきます。次は、議事でございまして、議事には三つ書いてございます。専門委員会の設置について、それから、専門委員会の運営方針について、そして、その他と議事次第に書いてございます。
そこでまず、専門委員会の設置につきましてお諮りしたいと思います。部会に設置いたします専門委員会につきましては、資料3にあります審議会運営規則第9条第1項の規定に基づきまして各部会が決定するということになっております。
そこで大気環境部会に設置すべき専門委員会につきまして、案を用意しておりますので、事務局からまず説明をお願いいたします。
【総務課長】 それでは私の方から資料4に沿って、ただいま部会長から御発言がございましたように、大気環境部会に以下の専門委員会を設置するのが適当ではないかという事務局案を作成してございますので、御紹介をいたします。
中央環境審議会の会議議事運営規則に基づきまして、中央環境審議会大気環境部会に以下のような専門委員会を置きたいということで、文面上は次のとおり決定するとなっておりますが、これを御提案を申し上げたいと思います。
まず、1のところを御覧をいただきたいと思います。中央環境審議会大気環境部会に次の専門委員会を置くということでございますが、5つ並んでおります。1つは健康リスク総合専門委員会、環境基準専門委員会が2番目でございます。3番目に排出抑制専門委員会、それから、4番目に自動車排出ガス専門委員会、それから最後に悪臭専門委員会、この5つを置くことが適当ではないかというのが事務局の提案でございます。これは従来からもこの専門委員会が存在いたしておりまして、御審議をいただき、まだ審議が終了、完了いたしておりません。そのため、先ほど御説明申し上げました3つの諮問事項を踏まえ、引き続き御審議いただくために、この5つの専門委員会が必要ではないかということでございます。
その次の2を御覧いただきますと、専門委員会に委ねるべき役割、審議事項が簡単に書いてございます。まず、2は健康リスク総合専門委員会におきましては、有害大気汚染物質による健康リスクの評価に関する専門の事項を調査すること。3を御覧いただきたいと思いますが、環境基準の専門委員会におきましては、有害大気汚染物質に係る環境基準に関する専門の事項を調査をすること。4番目でございますが、排出抑制専門委員会におきましては、排出抑制専門委員会におきましては、有害大気汚染物質の排出の抑制に関する専門の事項を調査すること。5番目に、自動車排出ガス専門委員会におきましては、自動車排出ガス対策に係る専門の事項を調査すること。6番目でございますが、悪臭専門委員会におきましては、悪臭の防止に関する専門の事項を調査すること。以上、個別に専門委員会のマンデートを書いてございます。
最後に7番目でございますが、部会に設置する専門委員会に属するべき委員、臨時委員及び専門委員は、部会に属する委員、臨時委員及び専門委員の中から部会長が指名するということが書いてございますが、これは部会の運営規則の中のルールになっておりまして、部会長がノミネートするということを重ねて書いてございます。
以上、御決定いただきたい案文を先に御説明をさせていただきましたが、それらの専門委員会のこれまでの活動なり、あるいは今後残された課題につきましては、それぞれの5つの専門委員会の事務局を従来務めてまいりました担当組織の課室長から、これから個別に御説明させていただきたいと思います。資料は、そのお手元の資料4の2ページをお開きいただきたいと思います。
私の方からは、総務課が事務局を務めております、健康リスク総合専門委員会と環境基準専門委員会について、2ページの参考に基づきまして御紹介を申し上げたいと思います。
1番目に各専門委員会の設置の趣旨及び調査内容について書いてございますが、そのすぐ下に、健康リスク総合専門委員会という表題がついております。その下を御覧いただきますと、設置の趣旨が書かれてございますので御覧ください。
大気汚染防止法第18条の22第2項において、国が有害大気汚染物質の大気汚染による人の健康影響が生じるおそれのある程度というものを評価し、その成果を定期的に公表することとされているところでございます。このため、平成7年9月に「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について」の諮問が当時の環境庁長官から審議会になされております。
こうした検討に当たりましては、医学、化学はもとより、社会科学等も含めた幅広い専門的な見地から調査検討いただく必要があるという考え方を持っております。そのために、引き続き健康リスク評価総合専門委員会を設置したいというのが趣旨でございます。
[2]の調査事項でございますが、有害大気汚染物質のリスク評価及び基準設定の優先順位付けの方法等について、調査検討をいただきたいと考えております。
既に平成8年に出されました有害物質に関する第二次答申の中で、どういう物質を優先的に取り上げ、対策を講じていかなければならないかという、有害物質のリストを取りまとめていただいていますほか、有害物質による人の健康影響によるリスクの評価の基本的な考え方を御提示いただく等の成果をいただいております。これが健康リスク総合専門委員会の趣旨及び今後の役割でございます。
それから、(2)を御覧いただきたいと思います。環境基準専門委員会についてでございます。これも同じく有害大気汚染物質に深くかかわりのある専門委員会でございます。
設置の趣旨のところを御覧いただきますと、環境基準の設定に関しましては、従来から環境基準の専門委員会を設置し、学識経験者の検討に基づきまして審議を行っていただいてまいりました。当面、有害大気汚染物質に係る環境基準につきましては、先ほど御紹介したのと同じでございますが、平成7年9月の今後の有害大気汚染物質対策のあり方についての諮問に基づきまして御検討をいただいてまいりました。
これまでの成果といたしましては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、そしてジクロロメタンといった有害大気汚染物質についての環境基準の設定について、科学的な立場から御審議を賜り、アウトプットを出していただいてまいりました。
今後とも[2]にございますように、まだまだ有害大気汚染物質のうち、環境基準のメルクマールが示されたのはわずかでございます。22という優先取組物質がある中で、17物質については、まだ環境基準が未設定でございますので、これらの物質について今後とも引き続き健康の影響を防止するために望ましい指針値といったものの御検討を賜りたいと思っております。特に、当面の優先順位の高い物質としては、そのページの下から2行目にありますようなアクリロニトリルでございますとか、塩化ビニールモノマー、それから、ヒ素、水銀等について調査検討を賜りたいと考えている次第でございます。
ページをめくっていただきまして、排出抑制専門委員会につきましては、大気環境課長から御紹介させていただきます。
【大気環境課長】 それでは、(3)排出抑制専門委員会でございますけれども、有害大気汚染物質について、大気の汚染による人の健康に係る被害が生じることを未然に防止する対策を講じるということで、平成7年9月の諮問に基づきまして、今後の有害大気汚染物質対策のあり方についてということで御検討いただきまして、既にこの諮問に基づいて排出抑制が進んできているところでございます。これにつきましては、引き続き有害大気汚染物質の大気中への排出抑制の対策について専門的な見地から調査検討をいただくということが必要でございますので、設置をお願いしたいという趣旨でございます。
実際に調査を行っていただく事項につきましては、昨年12月19日に、有害大気汚染物質対策についての中環審の第6次答申をいただいておりますけれど、これに沿いまして、これまでの自主管理に基づく対策に加え、次の段階として、平成13年度からさらに事業者による有害大気汚染物質対策の新たな自主管理を実施させることにしております。これを受けまして、大気の汚染の状況を踏まえ、事業者が作成した自主管理計画の内容の検討あるいは管理計画のチェック・アンド・レビューということを行っていただきたいと考えている次第でございます。
特に昨年いただきました答申の中で、地域的な環境基準を高く上回るようなベンゼンにつきましては、その地域としての対策が必要であるということでございますので、この地域単位での自主管理についても、今後の進め方についての御検討をお願いしたいと思っている次第でございます。
以上です。
【環境管理技術室】 続いて4番目の自動車排出ガス専門委員会についてご説明いたします。
設置の趣旨ですが、平成8年5月に環境庁長官より中央環境審議会に諮問されました今後の自動車排出ガス低減のあり方につきまして、昨年11月に第四次答申をいただいたところでございます。
ただ、自動車による大気汚染は依然として深刻な状況にございますので、排出ガス低減対策について専門的な見地からの調査が必要でありますから、自動車排出ガス規制等の一層の強化について、引き続き専門的な調査検討をいただくことが必要でございます。
具体的な調査事項といたしまして、まず、ガソリン、ディーゼル車の新長期規制についてでございます。昨年の第四次答申におきまして提言されたディーゼル自動車及びガソリン自動車の新長期規制、これは当初予定よりも2年前倒しの平成17年度からの実施になりましたけれども、その実施に向けての具体的な規制値の設定、それから規制値をかけるときの試験方法等について調査検討をよろしくお願いいたします。
それから、そのほか、自動車排出ガス低減対策につきまして、排ガス規制等の一層の強化につきましても、引き続き調査検討をよろしくお願いいたします。
【大気生活環境室長】 では続きまして、悪臭専門委員会の設置の趣旨及び調査内容につきまして御説明させていただきます。
お手元の資料にございますように、まず、設置の趣旨でございますけれども、悪臭防止法に基づきます規制基準の設定方法等につきましては、平成7年1月17日付で行われました、悪臭防止対策の今後のあり方についての諮問に対しまして、昨年平成12年2月10日までに3次の答申をいだたいているわけでございますけれども、今後も特定悪臭物質に係ります規制基準の見直し、また、臭気指数等の測定法に係わります告示の見直し等を行う必要がありまして、これらにつきましては、科学的、技術的な面におきまして専門的な見地からの調査検討をいただく必要があるということでございます。
この調査事項でございますけれども、まず、1点目は、排出口における特定悪臭物質に係ります規制基準の見直しについてでございます。排出口における特定悪臭物質に係ります規制基準につきましては、これは第二次答申を平成9年11月21日にいただいておりますけれども、この第二次答申におきまして、臭気指数規制に係る気体排出口における規制基準の設定方法につきましての御答申をいただきましたときに、特定悪臭物質に係る規制基準につきまして、実際の悪臭被害感と一致しないという問題が指摘されております。こういうことを踏まえまして、特定悪臭物質に係ります規制基準につきまして調査検討をいただきたいということでございます。
2点目が臭気指数及び臭気排出強度の算定方法の見直しについてでございます。これにつきましては、昨年2月10日付でいただきました第三次答申の中で御指摘いただいたことでございますけれども、臭気指数及び臭気排出強度の測定方法につきまして、その精度管理の手法の追加等につきまして調査検討いただきたいということでございまして、現在、精度管理の手法等につきまして、事務的な調査検討をいたしております。そういう成果がまとまり次第、御検討を決めていただければということでごさいます。
【総務課長】 引き続きまして、若干補足的な事項を御説明をさせていただきますが、従来、大気部会の中に設けられておりましたダイオキシン類環境基準専門委員会につきましては、既にダイオキシンの大気環境に係る環境基準が設定され、一通り諮問事項についての結論が出ておりますので、このたびは新たに設定しない予定で、本日御提案申し上げた専門委員会の項目からは外しております。
また、従来設置されておりました、道路交通騒音対策専門委員会につきましては、その調査事項が騒音振動部会の所掌でございますことから、今度は騒音振動部会に設置の是非、可否について、必要性について御検討をいただく予定にいたしておりますことを併せて御紹介を申し上げておきたいと思います。
なお、本日これから御審議を賜りまして、専門委員会の設置について結論が得られました上は、その必要な専門委員の任命作業あるいは各専門委員会の委員長あるいは専門委員会に属するべき委員について、部会長に御指名をいただくことになります。私ども事務局は、部会長との御相談をさせていただきながら、今後のそうした委嘱等の手続、任命の手続を進めていくことにします。
以上が説明でございます。審議をよろしくお願いいたします。
【部会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、御意見並びに御質問等がございましたらお願いします。
【浅野委員】 専門委員会の設置については異存ございません。ほかに適当な発言の場所がないと思いますので、ここで。専門委員会の審議事項に関連することでありますが、環境基準の専門委員会が設置されることになっております。このことについて、以前から我が国の環境基本法に基づく環境基準が体系的にもあまりにも整合性あるいは一貫性のないもの、非常に複雑多岐なものになってしまっておりまして、例えば、前の審議会で議論をしたときにも、そういうことがちょっと問題になったのですが、例えば、大気環境基準の達成度という指標で物事を判断する場合でも、NOxとか、SOxとかといったようなものと、有害大気汚染物質では全然違うわけですね。つまり、局地的に汚染が問題になるようなものの、測った場所での基準オーバーというのが、あたかもその地域全体のオーバーであるかのようにとらえてしまうという問題があります。
それから、環境基準の決め方にしても、これは水にしてもみんな同じなのですが、従来は健康項目については、閾値という一応の仕切りがあって、これを超えると危ないという物差しで基準を決めていたわけですが、最近新しく加わるものは、リスクレベルで決めていますから、基準をクリアできているかどうかよりも、もっと下げた方がいいというものもあるわけですね。
それから、騒音のような場合には、やはり一つ一つの音の強さという点から見ても評価の仕方がまるっきり違いますから、数字だけで横並びの比較は全くできないようなものがごちゃごちゃになっているわけです。
とりわけ深刻な問題は、水、大気の有害物質、化学物質の環境基準がどんどん増えてまいりますので、現場の自治体では、環境基準があれば、必ず測定をしなければいけないということになりますから、このままいくと、これは電話帳の厚さになるのではないかということで大変混乱しているし、無駄なバジェットが導入されるということがないわけでもないということがあります。
従来は局がばらばらでありましたので、この種の議論はなかなかやりづらかったのですが、今回は松本局長の下で、ほとんど環境基準は一元的に扱えるという体制ができてまいりましたので、この検討は必要不可欠なものでありますから、どこかの機会で、環境基準そのものの体系的整合性ということについて抜本的に検討していただきたい。場合によっては法改正を行って、もっと手立てをしておかないと指標としても使えない。あるいは大変な誤解を与えてしまうということになりかねないと思います。ぜひ御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【部会長】 貴重なご意見ありがとうございました。
これは環境基準専門委員会ができることではなくて、要望でございますね。御意見、尊重させていただきたいと思います。
ほかに御意見。
【松波委員】 初めて参加したものですから、見当違いの発言をするかもしれませんが、先ほどの専門委員会の中で、健康リスク総合専門委員会について趣旨を読みますと、大気汚染による人の健康被害を生じるおそれの程度を評価すると書いてございますが、先ほどリスクレベルという話があったのですが、次の隣の排出抑制専門委員会には、人の健康に係わる被害が生じることを未然に防止するよう対策を講じると書いてございます。専門委員会ごとで独立に活動されるでしょうけれど、こういう場合の横の関係というのはどのように対処されるのでしょうか。
【部会長】 これは環境庁の時代からやられていることですので、事務局からお答えいただきます。
【総務課長】 お答えを申し上げます。もちろん先生御指摘いただいたとおりでございまして、特に今回設置を予定しております三つの健康リスク、環境基準、排出抑制は、いずれも、今後の有害大気汚染物質対策のあり方という一本の諮問に基づいて、それぞれ専門の領域が若干異なりますので、専門委員会を3つ設けて審議はいただいておりますけれども、非常に相互に深く関連する問題でございます。
したがって、本日せっかくの御指摘もございましたので、これまで以上に専門委員会の運営に当たりましては、事務局としても密接な連携、連絡が取り合って、統一的な結論が得られるよう、取り計らってまいりたいと思っております。
【永田委員】 私もこの委員会の設置については申し上げることはない。賛成だということで申し上げます。
若干間を埋めるという話になってきますと、先ほどもちょっと話題になったと思いますけれど、モニタリングの関係というのがあるのだろうと思っていまして、これは地方自治体との関係も出てくるわけでして、いろいろな物質があげられてくると、モニタリング体制というのが、相当程度やはり整備されていかなければいけない。
ただ、その中でこういうものをやっていこうとすると、いろいろ費用もかかるということになりますので、効果的な方法論というのをこれから考えていかなければいけない。
これまでも測定局をいろいろなところに置いて大気環境の測定をしてきているわけですけれども、こいつをなかなかいじるという話になってきますと大変なことも地方自治体では考えられるということもございますので、そういう意味では、その辺のことを含め、また大気あるいは排ガス中での測定という問題、それからその評価という問題を含めて、いずれかのところでそれぞれ分担してやっていくことにもなるかもしれませんが、あるいは両方の委員会同士の相互関係の中で、その辺の問題も取り上げていただくような、あるいはプロジェクトチームみたいな、あるいはタスクホース的なものが必要になってくるのではないのかなと思っていました。
それから、全体的な流れの中で、環境基準があるものについては、これを目標にして、いろいろ対策を打っていくことになりますけれど、環境基準が定められていないものでも、既に地方自治体の中では、やはりその必要性から条例等でどんどん基準が決められていくような状況もありますし、それから、私どもが扱っているようなそれぞれの施設で対策をとろうとしたときに、排出基準も環境基準もないものでも、やはり地域の住民の方からそういう要請がありますと、値を決めていかなくてはいけない。それを仮目標として達成していかなければいけないという事態も生まれてきているわけで、そういう意味で、できるだけ早くその環境基準の問題を詰めていっていただきたいわけです。そうは言っても、ここに書いているように、情報が少ないということもあるのだろうと思います。
そうした中にあって、きちんとした環境基準が決められないけれど、これぐらいのところから、目標として掲げられるのではないでしょうかという情報を早めに提供していただくということをお考えいただけないかと思っています。
また、技術の方は、先ほどちょっと未然防止という話が出ていましたけれど、我々の考え方としては、ノン・リグレット・ポリシーと言いますか、これをやっておけば、将来環境基準が決められるような段階になっても間違った方向は向いていないよという技術の対応の仕方、そうした点も積極的にそうした施設を持っているところとか、あるいは事業者の方で考えていただくような、その流れでやっていくべきではないかと思っています。少し言い方がきついかもしれませんけれども、技術オリエンテッドで進めていくような方法論というのも、抱き合わせで考えていくというか、そういうことを少し全体の中では意識していただけたらありがたいなと思っています。
以上です。
【部会長】 ありがとうございました。今の御指摘は、別のものをつくるとか、そういうことではなくて、ここで提案されている中で可能なことは可能と見てよろしいですか。
そうすると、先ほどの浅野委員のおっしゃったようなことも含めて、そういったあり方、どこにどう切り分けして、モニタリングのことはどう扱うのだということも少し考えさせていただきまして、今度できる専門委員会の方にお願いするということにさせていただくことでよろしゅうございますか。
ほかに何かご指摘ございましたら。
【浦野委員】 私は以前から排出抑制関連で永田先生と一緒にお仕事をさせていただいて、私の言いたいことを、大分永田先生におっしゃっていただいたのですが。
この3番目の専門委員会の調査事項が、事業者の自主管理の実施状況のチェック・アンド・レビューを中心にという調査事項になっているのですが、むしろそれと同時に、いわゆる自主管理の技術的な指針とか、あるいはモニタリングを自主的にしていくときの指針、あるいは管理目標をどう置いていくかといった指針のようなものも、やはりここである程度基準とは別に考えていかなければいけないのではないかなというのが以前から感じているところでございます。ですから、チェック・アンド・レビューというよりはむしろ、環境省が少し技術的なもの、対策技術、測定技術、管理技術を含めて少し引っ張っていき、いい方向を示していくという作業も、ぜひこの部会でやっていかなければいけないのではないかと思っておりますので、その点ご配慮いただければと思っております。
【部会長】 ありがとうございました。いろいろ御指摘いただきました点は、これからできます専門委員会の方でまた取り上げるようにさせていただきます。どうもありがとうございました。
ほかに何か御意見なければ、この大気環境部会に、健康リスク総合専門委員会、環境基準専門委員会、排出抑制専門委員会、自動車排ガス専門委員会及び悪臭専門委員会を設置することとさせていただきます。
それから、先ほども話がございましたが、各専門委員会に属する委員、臨時委員及び専門委員につきましては、現在環境省で専門委員の選任作業は進んでいるものと聞いておりますので、その状況に応じまして、後日、私から指名させていただくことにさせていただきます。
その際、事務局の方からいろいろ御連絡をさせていただくことがあると思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
それから、各専門委員会の委員長につきましても、後日、私の方から指名させていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、この議題を終わりまして、議題の(2)です。専門委員会の運営方針についてということでございます。
ただいま設置を決定いたしました専門委員会の公開、議事進行などの運営方針につきましてお諮りしたいと思います。
中央環境審議会の総会及び部会の運営方針につきましては、お手元の資料5にありますとおり、既に総会で決定されております。その決定におきましては、総会及び部会につきまして、会議は原則として公開で行うなどの共通のルールが定められておりますが、各部会に設置する専門委員会につきましては、部会長が定めることとされております。
そこでこれに準じて、当部会の専門委員会の運営方針につきまして、一つの案を用意いたしましたので、事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いします。
【総務課長】 それではお手元の資料6を御覧いただきたいと思います。今、部会長から御紹介をいただきましたとおり、資料5は中央環境審議会の総会において、1月15日に決定した運営方針でございます。この趣旨を尊重する形で大気環境部会に設けられることがただいま決まりました専門委員会の運営方針をドラフティングいたしたものが資料6でございますので、これにお目通しをいただきたいと思います。
上から御説明いたします。まず、会議の公開及び出席者についてでございます。そのうちの会議の公開につきましては専門委員会も原則として公開とするものとすると書いてございます。公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定の者に不当な利益、もしくは不利益をもたらすおそれがある場合には、専門委員長は、専門委員会を非公開とすることができるというのが[1]でございます。
[2]でございますが、専門委員長は、会議の公開に当たり、会議の円滑かつ静穏な進行を確保する観点から、傍聴者の入室について人数の制限、その他必要な制限を課すことができる。これが[2]でございます。
(2)が代理出席についてございます。代理出席は認めないという案を御提示をいたしてございます。欠席した委員、臨時委員及び専門委員に対しては、事務局からの資料送付等により会議の状況を伝えるものとするというくだりでございまして、これは説明が前後いたして恐縮でございますが、他の部会の中で、既に先行的に設置、発足、活動しております専門委員会の運営方針と同じ内容になっております。
それから2番目に会議録等についてでございます。
(1)に会議録の内容について書いてございます。[1]でございますが、専門委員会の会議録は、発言内容を精確に記載するものとする、[2]が、専門委員会の会議録の調製に当たっては、当該会議に出席した委員等の了解を得るものとするという提案になっております。
(2)でございます。会議録の配付についてでございますが、専門委員会の会議録は、当該専門委員会に属する委員等に配付するものとするということが書いてございます。その会議録等の公開については、(3)に書いてございまして、[1]を御覧いただきますと、会議そのものを公開した専門委員会の会議録は、これは当然でございますが、公開するものとする、[2]が、専門委員会の会議の議事要旨は公開するものとするとございます。この趣旨は、非公開の専門委員会であっても、会議の議事要旨は公開するということでございます。
それから、[3]が、公開した専門委員会の会議録及び議事要旨の公開は、環境省ホームページへの掲載及び環境省閲覧窓口への備え付けにより行うものとすると書いてございます。
その他、バスケット・クローズの規定がございますが、上記に規定するもののほか、専門委員会の運営に関し必要な事項は、専門委員長が定めることができるものとする内容でございます。
以上、事務方からの提案になります運営方針の案でございますが、これについて御審議を賜りたいと思っております。
【部会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に対しまして、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。よろしゅうございますか。
【松波委員】 単純な質問で恐縮ですが、公開する会議録は、個人名も書いて、発言内容も書いて、公開すると理解してよろしいでしょうか。
それから、発言内容は精確にという、これは全くわかりません。こんな字を書くのかなと。これは特にに意味があるなら、何か教えていただきたいなと思います。
【総務課長】 これは実は、1月15日に決定されました審議会の議事運営規則にのっとったもので、「精確」というのは、詳しくという意味を込めて、「精密」の「精」と書いてございますが、間違っていないことはもちろんでございます。できるだけ詳しくということでございますので、御了解いただきたいと思います。
【松波委員】 もう一つ、最初の方の氏名を。
【総務課長】 名前も公開をいたします。
【松波委員】 名前を公開するというのは、既に公開の際には、誰が発言しているかは傍聴の方はわかるわけですから、その意味で公開になるのが当然だと思います。
【浅野委員】 精確となっているので、国会議事録のように、逐語ではないということですね。
【部会長】 それに関連して、ちょっと質問ですけれど、これは精確にとおっしゃる以上、やはり発言者に対して確認いただくということを含んでいるということですね。それでよろしゅうございますか。
【総務課長】 2の(1)の[2]に、会議録の調製に当たっては、当該会議に出席した委員等の了承を得るということでございますが、あらかじめ先生方の御了解を得た上で取りまとめることになります。
【部会長】 ありがとうございました。よろしゅうございますか。
それでは、これでこれを認めさせていただきます。
ただいまの資料6にありますように、専門委員会の運営方針につきまして、大気環境部会の審議を経て、部会長として決定するとさせていただくということで進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
したがいまして、資料6の案をとりまして、今日の日付を入れさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、主な審議を終わりましたので、次に報告、その他に入りまして、報告事項等についてお願いいたします。
事務局から、まず、資料7にあります自動車NOx法の一部改正につきまして、趣旨等を御説明いただきます。
【自動車環境対策課長】 それではご説明させていただきます。
冒頭に局長からごあいさつの中で申し上げましたとおり、今月6日に、国会に、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法、いわゆる自動車NOx法の一部改正法を提出いたしました。
これは昨年4月に、環境庁長官から諮問をいただきまして、12月に交通公害部会と大気部会の合同部会で御審議をいただきまとまった答申を受けまして、政府内で調整し、国会に提出したものでございます。審議会におきまして本件の御審議に携わっていただきました先生方に、改めてお礼を申し上げたいと思います。
法律の内容につきましては、この1枚紙を御覧をいただきたいと思いますが、上の方に2つ、今回の改正の背景が書いてございます。1つは自動車NOx法、この法律は平成4年に制定されて平成5年から施行されてきたものでございますが、当初目的としたNO2の環境基準の達成というものがうまくいかなかったという状況がございます。この原因としては、自動車走行量が伸びたということもありまして、車種規制等の一定の規制効果が上がったものの、十分な環境の改善には結びついていなかったということが1点目でございます。
2つ目が、浮遊粒子状物質による環境汚染、健康影響が非常にクローズアップされてきたということでございまして、特に大都市部を中心にしまして、大気環境基準の達成率が低いということとあわせまして、ディーゼル車から排出される粒子状物質につきましては、これも昨年大気保全局に設けました専門委員会、検討会の方で明らかにされた事実でございますが、発がん性を含む様々な健康影響のおそれが指摘されてきたということがございます。
あわせて、昨年二つの訴訟がございまして、いずれも沿道におけるSPMの環境汚染と住民の健康影響の因果関係を医学的に認めたということもありまして、そういう社会的な認識の高まりも受けて、対策の強化に結びつけていく必要があるということが2つ目の事実でございます。
これを受けまして、自動車NOx法の改正案を提出をいたしております。1番目に書いてございますが、今回の法改正の最大の眼目は、粒子状物質の法律の対象に正面から入れるということでございます。従来の自動車NOx法はNOxだけが対象とされてきましたが、今回の改正法によりまして、粒子状物質を法律の目的規定から始まりまして、全体に入れることとしております。これにより、総量削減基本方針、それから、総量削減計画といったものを策定して、対策を推進していくという形、枠組みが整うことになります。
2番目に、これに伴いまして、粒子状物質の環境悪化が大きい問題となってくる地域につきまして地域の拡大をいたします。当面、名古屋市周辺地域につきまして対象に加えるということを考えております。これも審議会で御審議いただいたとおりでございまして、最終的には政令をもって定めるという運びになりますけれども、現在の6都府県196市区町村に加えまして、名古屋市を中心とする地域を粒子状物質の対策地域として指定をするということで、政府内の調整を進めたいと思います。それは法律制定後のことでございます。
それから、3点目ですが、自動車排出ガス対策の強化ということでありまして、粒子状物質につきまして車種規制を導入いたします。車種規制につきましては従来の法律に入っていた制度でございまして、いわば従来の大気汚染防止法に基づく排ガス規制をさらに前倒しをして早目の買替えをしていただくための規制を当該地域内において強化するということでございます。今回は粒子状物質についての基準を設けて、対策を強化するということであります。
具体的には、ディーゼル乗用車を規制に加えるということが一つ。それから、トラック、バスにつきましては、従来の規制基準を強化する。NOxについても規制強化をいたしますし、PMについても基準を設けるということを考えております。
もう一つの自動車排ガス対策の強化の中身といたしまして、事業者に対する措置をここでは導入と書いてございますが、従前の法律にありました制度を強化をするということでございます。
特に[3]と[4]でございまして、一定規模以上の事業者に対する自動車使用管理計画の作成と都道府県知事への提出というものを法律上義務づけるという規定を置きます。あわせまして、都道府県知事が、事業者に対し指導、助言等を実施するという仕組みをとることにいたしております。これは審議会において御提言をいただいたとおりでございまして、国が一定の方向を示して、それに従って都道府県知事が指導をするという仕組みをとるわけでございますが、国が一定の方針を示すというものにつきましては、[1]と[2]に書いてございますが、総量削減基本方針の中で環境大臣が基本的事項の一部として事業者の判断基準の考え方を示し、それに基づいて、事業所管大臣が事業者の判断基準を具体的に定めるという中身になっております。
その判断基準の中身でございます。これも今後政府の中で議論を進めるわけでございますが、運行の合理化、いわゆる物流の効率化といったことを含めまして、事業者の努力を求めるということが一つ。それから、低公害車、最新規制車への買替え等ということで、運行の手段、輸送の手段につきまして、より低公害、低排出ガスのものを備えることが2つ目。その他と書いてございますけれども、点検整備をきちんとするということでありますとか、あるいはアイドリングストップに努力するということも含めまして、計画を作っていただこうということでございます。そのベースとしての事業者の判断基準を明らかにするということを考えております。この部分につきましては、今回の法律でさらに強化をし、相まって、対策の強化に結びつけていきたいということを考えております。
現時点では、国会に出されたところでございます。審議日程等はまだ具体的になっておりませんけれども、できる限り速やかに御審議をいただいて、何とか今国会中に制定をしていただき、政令、省令の整備等含めまして、実施に結びつけていきたいと考えております。
以上でございます。
【部会長】 ありがとうございました。
続きまして、資料8にあります悪臭防止法に基づく政令の一部改正につきまして、説明をお願いします。
【大気生活環境室長】 では、資料8の改正悪臭防止法に基づきます政省令の一部改正に関する資料によりまして説明させていただきます。まず、1枚紙を御覧いただきたいと思います。
昨年、悪臭防止法の一部改正につきまして、ここに書いてございますように、主な事項といたしましては3点、いわゆる悪臭を伴います事故時の措置の強化、それから、臭気指数測定体制の整備を図るということで、測定の委託、それから、臭気測定業務従事者に関する制度の法律への規定という改正を行ったわけでございますが、その一部改正におきまして、政省令で定めることが必要とされている内容につきまして、今般、定めることとしたものでございます。
まず、2の測定の委託のところでございますけれども、新たに市町村長は、臭気指数等に係ります測定の業務を臭気測定業務従事者、これは環境省令で定める条件に適合する者等と規定されておりますが、これに委託できることとされております。この環境省令を定めるということであります。
また、臭気測定業務従事者に関する制度の法律への規定の関係でございますけれども、まず、1点目はこの四角に書いてございますように、環境大臣は臭気測定業務従事者として必要な知識及び適正を有するかどうかを判定するための試験及び適性検査を行うこととされております。
2つ目の○でありますけれども、環境大臣は環境省令で定めるところにより、指定機関に試験及び適性検査の実施に関する事務を行わせることができるとされております。
また、3つ目の○でございますけれども、この試験及び適性検査を受けようとするものは、政令で定める手数料を納付しなければならないこととされております。この政令を今般定めるということであります。
また、4つ目の○でありますけれども、試験及び適性検査並びに指定機関に関して必要な事項は、環境省令で定めるとなっておりまして、この環境省令を定めたいということでございます。
したがいまして、今般の政令改正につきましては、試験及び適性検査の手数料の額を定めるという内容でございますし、省令改正の内容につきましては、この下の四角にございますように、臭気測定業務従事者、それから、臭気判定士免状、臭気判定士試験、講習、指定機関、手数料、その他について定めるという内容でございます。
なお、この政省令の改正案につきましては、昨年12月5日に開催をいたしました従前の大気部会悪臭専門委員会におきまして御検討をいただきまして、それを踏まえまして、政省令の改正作業を行ったものでございます。
その内容でございますが、もう一つの方の資料を御覧いただきますと、悪臭防止法施行令の一部を改正する政令の関係がございます。
1枚開いていただきますと、新旧対照表がその後3枚目からございます。これを御覧いただきますと、まず、第2条で手数料について定めておりますが、法第13条第5項の手数料額は同条第1項の試験を受けようとする者については18,000円、同項の適性検査を受けようとする者については9,000円とするとなっております。
これは従前、悪臭防止法の施行規則に基づきまして、臭気判定士の試験を実施しておりましたけれども、そのときの手数料の額、その他を考慮いたしまして、定めた金額になっております。
なお、その次のページ、裏をごらんいただきますと、下の段で、法附則第2項の政令で定める事業ということで書いてございますけれども、これにつきましては、既に効力を失った規定でございまして、今回の改正の機会の規定を整備したというのが今回の政令改正の内容でございます。
なお、この政令改正につきましては、先般3月14日に公布いたしておりまして、改正法の施行日とあわせまして、本年4月1日から施行するということとしております。
次に、悪臭防止法の一部を改正する法律の施行に伴いまして必要となります悪臭防止法の施行規則の一部を改正する省令でございます。もう一つの方の資料を御覧いただきまして、ちょっと厚い資料でございますが、これもページが振っていなくて恐縮でありますけれども、真ん中からちょっと後の方に新旧対照表がつけてございますので、それで主な改正点を御説明をさせていだたきたいと思います。
まず、その新旧対照表で、第11条というのが1枚めくっていただきますとございます。臭気測定業務従事者について規定しておりますが、ここで臭気測定業務者が適合すべき条件、法第12条第1号で環境省令で定めるとされておりますその条件につきましては、臭気判定士免状の交付を受けていることとするということがまず第1点でございます。また、これと同等以上の能力を有すると認められる者、これは改正前の悪臭防止法施行規則に基づきます、臭気判定士免状の交付を受けている者等とするという内容にいたしております。
それから、第12条の臭気判定士免状についてでありますけれども、これは法第13条第1項の臭気判定士試験及び嗅覚検査に合格した者に対しまして、環境大臣が交付をするということといたしておりまして、交付手続等を定めたものでございます。なお、免状の有効期間は5年とするといたしております。
それから、次にちょっと飛びまして、第18条に臭気判定士試験につきまして規定しております。この臭気判定士試験の試験の科目につきまして、第18条第2項で規定しておりますけれども、その試験の科目といたしましては5科目でございまして、嗅覚概論、悪臭防止行政、悪臭測定概論、分析統計概論、臭気指数等に係る測定の実務という課目を課すことにいたしております。
次に、次のページでございますが、第20条の講習についてでございます。免状の交付を受けた者及び旧免状所有者のうち、その臭気指数等に係る測定の業務の適性な実施に関しまして、新たな知識、または技能を取得することが必要な者として環境大臣が定める者は、環境大臣が指定する講習を受けなければならないことといたしております。
次のページで、第22条で指定機関について規定をいたしております。法第13条第2項の指定機関につきまして、その指定の申請手続等を定めるとともに、指定機関に試験検査事務及び免状の交付等の事務を行わせることとしたときは、環境大臣はこれらの事務を行わないことを定めたものでございます。
次に、ページが飛びますが、第25条で手数料について定めております。免状の交付、更新、再交付、または書きかえを受けようとする者は、次に定める額の手数料を国に納付しなければならないが、この免状交付等に関する事務を、指定機関に行わせる場合にありましては、当該指定機関に納付しなければならないこととしたわけでございまして、免状の交付を受けようとする者は3,500円、それから、免状の更新、再交付または書きかえを受けようとする者は3,000円といたしております。その他、所要の規定の整備を行っております。
この規則につきましても、法の施行日にあわせまして、平成13年4月1日から施行することといたしておりますが、この規則の公布は、明後日、3月21日に公布ということでございまして、現段階では案ということで御承知いただければ幸いでございます。
以上でございます。
【部会長】 ありがとうございました。ただいま、2つの御報告に対して、何か御質問等ございませんでしょうか。
【加藤委員】 質問したいと思いますが、全部読んでいないので、中に書いてあるかどうかわかりませんが、市町村がこの免許登録者、取得した人に業務委託をできるということになっているわけですが、一般の民間委託とは違うとは思いますけれども、免状取得者に支払う金額が定められておらず、全国一律の基準がないと、市町村によって非常にばらつきが出てしまったり、極端に低い額で業務委託がされるという危険性があるのではないかなと思うのですね。
免許を取得したりするときの金額は決めておりますけれども、逆にそういった業務を委託するときの金額、こういったものも全国一律で定めるべきではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
【大気生活環境室長】 まず、この委託をできるものといたしましては、臭気測定業務者以外に、国、地方公共団体もできることとなっておりまして、例えば市町村の場合におかれましては、それぞれの都道府県の試験研究機関等でこういう臭気測定業務について測定できる体制がある場合には、そこに委託をしていくということも考えられるわけであります。この臭気測定業務者に委託をしていく場合の金額につきまして、委員からの御意見を踏まえガイドライン等を示すような方向というものは検討したいと思っております。
【部会長】 よろしゅうございますか。ほかにございます。
【猿田委員】 自動車NOx法の改正の関連でちょっとお伺いしておきたいのですけれどね。現行法ですと、第13条に事業所管大臣がいろいろと基本方針を定めて事業者を指導する規定がございます。
しかし、今までいろいろとお話を伺ってきた中では、有名無実というか、一度出したきりで、その後何も指導していませんでしたという例もあるわけですけれども、今度の改正法の中では、その辺に関して何か補完しているというか、都道府県知事がもっとやりやすくなっているとか、何かその辺のところがありましたら、ちょっとお教えいただきたいのですが。
現在、現行法の内容では、事業所管大臣が的確な指導をしておられなかったという事実もあるわけですから、その辺、今回の改正法の中ではどうなっているのか、ちょっと伺いたい。
【自動車環境対策課長】 ありがとうございました。それはまさに審議会での御議論をいただいたところでございまして、審議会の答申の中では、国が指針等を定めて、それに基づいて都道府県知事が具体的な指導を行うことが適当であるという御提言、御答申をいただいております。先ほど説明を省きましたので御説明いたしますと、白表紙の19ページの新旧対照表の15条以下のところを御覧いただきたいと思います。
今の法律では第13条に事業所管大臣が指針を定めることが規定されております。これが、今猿田先生が御指摘された部分でございます。まさしくこれまでは事業所管大臣だけに指導を任せていたということで、事業者の取組は不十分であり十分な効果が発揮されなかったわけで、その部分を変更しております。特に重要でありますのは、都道府県において、現場での指導等を行うという形に改めた部分でございます。それが19ページの第15条以下のところでございます。現行法は第13条で1段階でまず第15条に変わるのですけれども、その現行法で一部直す部分におきましても、製造業、運輸業、その他事業を所管する大臣が指針を定めることができ、この指針に基づいて、事業所管大臣が指導、助言等を行うという形になっておりましたものを、2段階目の改正後の第15条では、事業所管大臣が事業者の判断基準を定めるという規定をまず置きます。事業者は、その判断基準を基にして、事業者が何を行うべきかについて自ら判断し、それを実際に自分で実行していくというものでありまして、その判断基準にのっとって、第16条のところでございますけれども、都道府県知事が事業者に対して指導及び助言することができる。それから、第17条で事業者が計画を作り、その計画を都道府県知事に提出する。それから、第18条で定期の報告をする。これは毎年事業者から都道府県知事に報告をいただく。さらに第19条では、勧告、命令することができるという規定等々があとに続いておりますけれども、基本的には従来は事業所管大臣といいまして、国の役所が事業者を指導して、適切に事業者の取組を促進するととどまっておりましたが、新しく改正される法律では、都道府県知事が現実に各事業者に対して細かい指導を行うということが可能になる仕組みに変えているのです。これはもともとを言いますと、各都府県で条例、または指導要綱に基づいて行っていたものを、法律的な制度としてきちんと位置づけたということでございます。
実際、昨年の審議会の中でも御議論、それからデータも示されましたが、都府県における指導は、実績をあげておりますので、これを今回ちゃんと法律的に位置づけて、効果をあらしめるということで、この法律条文を改正したということでございます。
従来、事業所だけに任せていた部分では、必ずしも実効がなかったということを踏まえて、本当に実効のある仕組みに変えていこうということで、この第15条以下、特に第17条の計画の作成でありますとか、第18条の定期の報告でありますとか、勧告命令、報告、立入検査等々といったところまでの規定を盛り込んだということが特徴であります。
【部会長】 ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。
ではどうもありがとうございました。御報告ありますか。
【香川委員】 もう終わり。その他でよろしい。
【部会長】 今、報告の御質問を受けたところです。もう少しだけちょっととおつきあい下さい。
予定しました議題は全部済みましたが、まだ若干時間が3時まで残っております。ですから、それも考えまして、それから、第1回の部会でもございますので、委員の方々から、さっきにも一部ありましたけれども、今後の大気環境部会の審議などにつきまして、御意見、御発言がございましたらお伺いしようと思います。自由な御発言をお願いできればと思います。
【香川委員】 先ほどの専門委員会のところにもかかわるかと思いますけれども、これは従来から私は何回も申し上げているのですけれども、健康リスク総合専門委員会あるいは環境基準専門委員会、過去に私は一部かかわったこともあるのですけれども、そこでいつも問題になるのが、曝露評価なのですね。そして、この曝露評価をまともに議論したことがないのですね。しても結局きちんとしたものがないために、うやむやに終わっているということなのです。
例えば、我が国では、今、自動車排出ガス測定局とか、一般環境大気測定局というのがあって、いろいろデータが出ておりますけれども、その設置場所を見ますと、一体どういう考えの下にこんなところへ設置しているのかというのが結構たくさんありますし、測定方法にしてもそうですし、測定場所にしても、地域代表性を考えたときに、この測定場所は一体適切なのかどうか、あるいは地域代表性を表すためにはどういうところに設置したらいいのかとか、健康影響評価の面から見たときに、モニタリングステーションのあり方とか、こういうのは昔からいろいろあるのですけれども、一向に改まっていないのですね。
例えば、自動車排出ガス測定局について、私はたまたま最近経験したのですけれども、場所がないために、沿道から10メートルくらい、管で引いているのですね。それで調査の観点上これではいけないということで、一時的に民家を借りて、沿道直近で測ったら、値が上がってしまう。でも、実際は、環境庁から報告されている値には自動車排出ガス測定局の値がそのまま出ているということでなのです。
それから、自動車排出ガスの問題にしても、例えばディーゼルの問題にいたしましても、ディーゼルの排気ガスに曝露されているということをどうやって評価するかということも、これは前々からディスカスされていながら、きちんとしたものが出されていない。
そういう中で、健康リスク総合専門委員会とか、環境基準専門委員会が行われて基準が決められたり、健康リスク評価が行われる。一番肝心なエキスポージャー・アセスメント、つまり、曝露評価の点が昔から言われているのに、もちろんそういう会では一応ディスカスされるのですけれども、きちんと評価をされていない。
例えば、先ほどの自動車排出ガス測定局にしましても、一般環境大気測定局にしましても、ビルのかなり高いところの屋上で測定されたような値で健康リスク評価をするときに、どのぐらいの係数を掛けると地域代表性が出てくるのかとか、ガイドライン、ある程度の目安みたいなものでも、専門委員会で評価されていると、かなり科学的な評価が少しでも可能になるのではないか。多分これは環境省のどこかの部で、こういう委員会が非公式に動いているのかもしれませんけれども、現実には一向に、あの地域を見させていただくと改まっている様子がない。これは私はやはりできましたら専門委員会の中に曝露評価専門委員会というものを立ち上げて、我が国における曝露評価のあり方、それに基づいて健康リスク総合専門委員会あるいは環境基準専門委員会あるいは排出ガスの方の問題とかにも生かせるようなものをつくっていただけたらと思います。もし、既に動いているのだったら、話は別ですけれども。
【浦野委員】 先ほど永田委員からモニタリングについて御発言があったので、私もあえて繰り返さなかったのですが、私、有害大気について、自主管理の効果を、過去のモニタリング結果と事業者がこれだけ削減したというものがどういう関係にあるかということをワーキンググループとして、全国のデータの解析を、実は私が作業部会長としてやったわけなのですが、やはり今までの測定というのは、分析化学者が分析値の精度管理というのを非常にシビアに議論しているのですけれども、実際それで何を評価するか、要するに曝露評価をするときに、サンプリングの場所と期間といったものが、非常にはっきり言いますと不適切な場所が多い、あるいは不適切にやっている。あるいは、これは申し上げにくいのですが、あえて測定にかからないところをやっているのではないかと疑われるようなケースすらあるという状況なわけで、環境評価あるいは曝露評価という視点で、正確に分析値を出すというだけではなくて、評価という視点で、もう一度測定の計画全体を見直さなければいけない時期にきている。SOxやNOxのように自動計測がされている、あるいはSPMも含めた自動計測されているようなところはいいのですが、こういった特に有害大気汚染物質というものについて新しくモニタリングが始まったときに、同じような場所とか、同じようなイメージでやっていくと、やはり適切でない。
典型的なのは、例えば塩ビモノマーというのは、今度検討されるようですけれども、塩ビモノマーというのは非常に限られた事業所で使われて発生しているわけですけれども、そこと全く無関係のところで測定して、それがそこの県の代表値のようになっていても、意味がない数字になってくるわけです。この点については、私も非常に関心が高くて、いろいろな研究もやっているのですけれども、何とかしなければいけないと思っておりますので、ぜひどこかで検討していただきたいということを念のため申し上げます。
【部会長】 何か事務局の方で発言ございますか。
【総務課長】 先ほどから浅野先生にも、永田先生にも御指摘をいただき、また、今、香川先生と浦野先生にも御指摘いただいたことは、かなり共通するものでございまして、私ども自身も、今御指摘いただいたモニタリング、曝露総量の把握の仕方ということについて、我が国の従来踏んできたステーションを固定して、そこで連続測定すれば、地域全体の代表的な数値が連続で得られるという概念は、やや問題があるのではないかと思っております。
ですから、これまでも実は大気保全局時代にも、測定局の地域代表性について相当の時間を割いて検討したこともございましたけれども、一方で、環境基準の適用関係あるいは評価の方法というものが定まっておりますために、必ずしも従来の概念から脱却できないで、整合性のとれる科学的な方法というのを見出せないでいた面もございます。
ただ、今、世界の情勢を見ますと、我が国ほど固定測定局で密に測定している国もないと思います。一方で、我が国ほどのモニタリング経費があてがえなかったために、欧米諸国では、むしろ拡散シュミレーションとか、あるいは別の化学物質の挙動モデルというものを使ってあの間を埋めていくという方法も対応されていると聞いております。
こうしたいろいろな方法を複合的に組み合わせながら考えていく必要もあると思いますが、いずれにしても多くの先生から、今日共通の御指摘をいただいたわけでございますから、それは今後発足させ運営していく専門委員会のプロセスの中で適宜曝露評価に重点を置く必要があるのであれば、例えばでございますけれども、専門委員会の中の分科会を設置することも可能でございましょうし、それとは別に、まず下準備として、実はこれをやっておりますが、DEPの曝露評価の検討会というものを動かしており、そこで上がってきた結論というものを、専門委員会で御審議をいただくといった、様々な方法が考えられると思います。
いずれにしても、本日お伺いいたしました先生方の認識というものは、この部会の中でキープしていただきながら、私どものその御指摘を重く受けとめて、今後の専門委員会に事務方として関与する際に、工夫できるところはしていきたいと思っておりますが、いずれにしても、部会の先生方の御意向というものをさらにお詰めをいただくということも必要ではないかと思っております。よろしくお願いいたします。
【部会長】 ありがとうございました。共通にいろいろ言われましたが、ある意味で、同じ方向を先生方はおっしゃっているような気がいたしました。
その最大の問題は、やはり各専門委員会があって、そこでやっていただいているわけですし、それから、事務局が一生懸命になってやっているわけですが、全体のスコープが見えないという面があるような気がするのです。
例えば曝露の問題ですね。ある物質のエクスポージャーがどう効くかなどという話を、総合的にここでわかったというスタイルにまだ来ている段階でない気がするわけです。個別にいろいろなことが出てくる。それから、今のモニタリングの場所にしましても、どういう根拠かよく事務局はわかっているのかもしれませんが、どういうところにどういう原理で置いたか。
それから、どうせ全部を測定できるわけではありませんから、それを評価するときに、どういう手順、どういう方法論を使うのかというあたりが見えてこないというのが、委員の先生のかなりの御発言の中にあったように思うのです。ですから、今、各専門委員会でそれぞれ取り上げるのだという意味のことを言われましたが、場合によりましては、例えば小委員会という制度もありますので、それを立ち上げるということも含めて、ちょっと時間を貸していただきたいと思います。
もちろん今の健康リスクの問題はそれなりにルーチンワークとして、今、大臣の方から出されているのがありますから、それはそれとしてやらなければいけませんし、それの横つなぎの方向性をちょっと審議するなり、あるいは調べるなり、そういったことの仕組みを少し考えさせていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。場合によっては、今の御発言のあった方に、小委員会を構成していただくとか、そういうことも含めて、ちょっとフレキシブルに考えさせていただきたいと思います。事務局、それでよろしゅうございますか。
【環境管理局長】 基本的に部会長のお考えで結構だと思います。
先ほど総務課長の方から全体的なお答えをさせていただきましたけれども、私の方からも、各先生からいろいろな御意見を賜りまして、一々ごもっともな御意見だろうと思っております。
そういうことで、この審議会、本日お認めをいただいた各専門委員会で御検討できるテーマ、課題、それから大気環境部会のレベルで御検討いいだけるテーマ、それから特に浅野先生などの御指摘は、これは多分部会を超える課題、問題提起だろうと思います。環境基準全体にわたっての体系的な整合性というものについて、もう一回きちっと検討、抜本的に検討せよというお話でございます。今までもそういう問題意識を持っていたのですが、なかなか局も違うということで、うまく体系的な整理ができなかった。それぞれの分野別の環境基準は、大変長い歴史と伝統があるものですから、容易でない課題でございますけれども、そういうものは、この大気環境部会以前に、まず、私ども環境省、特に環境管理局の方でどういう整理が可能なのか。よくご指摘の趣旨を踏まえて検討していきたいと思います。
【部会長】 ありがとうございました。前向きの方向で取り組んでいただくということなのですが、そのほか、別の視点からの御指摘ございませんでしょうか。御意見ございませんでしょうか。
【松林委員】 ちょっと実際的な話なのですけれども、自動車排出ガス専門委員会というところで、自動車排出ガス規制等の一層の強化について、平成17年度からの実施の新長期規制に向けて、規制値、試験方法等についての調査検討をしていただくことになっているのですけれども、私は、自動車会社なのですけれども、自動車会社自身も新長期規制が2007年から2005年にアドバンスされるというのは非常にうれしいことだと私自身は思っているわけです。
問題は一つ、ここで特に大型トラック等が、耐久試験を200万キロ以上やらなくてはいけないということで、規制値とか、基準値が決まってから実際に市場に出すまでにかなりの年月がかかって、我々のエンジニアも早く決めてほしいと申しております。我々は大気環境をよくするために、全面的にサポートしていくつもりですけれども、なかなか中身が決まらないと、それに対して試験ができないというジレンマがありまして、その辺を専門委員会で検討していただくときに、ぜひ考慮していただきたいと思っております。
【部会長】 今の御指摘、大変大事だと思います。現時点では、新短期の2分の1のレベルを目途とするということだけでして、走行問題も検討すると言いながら、それもできていない。
だから自動車をお作りのメーカーさんにしては、一体どうしたらいいのだろうというのは当然の御指摘だと思いますので、それも含めて新しくできます排出ガス専門委員会の方に要望していただく、あるいはするということにさせていただきたいと思います。
よろしゅうございますか。ほかにございませんか。
それでは、御発言がございませんようですので、少し時間は早いのですが、これで終わりにさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。