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中央環境審議会 循環型社会計画部会・地域ヒアリング(上勝町)議事録


平成18年9月21日

午後2時00分 開会

○企画課長 それでは、これより中央環境審議会循環型社会計画部会地域ヒアリングを開催させていただきます。
 私は環境省大臣官房廃棄物リサイクル対策部企画課長の紀村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。ヒアリングの開催に当たりまして一言ごあいさつ申し上げたいと思います。
 本日は委員各位の皆様におかれましては、大変ご多忙の中お集まりいただきまして、まずありがとうございます。それから、本日の地域ヒアリングの実施に当たりまして、会場の手配を初めとしてさまざまな点でご尽力いただいた上勝町の皆様方、それからプレゼンテーションをお願いいたしました団体、企業の皆様方におかれましても、お忙しい中お集まりいただきましてまことにありがとうございます。厚く御礼申し上げます。
 皆様方の御高承のとおり3R全体で考えますと、循環型社会形成推進基本法という基本法がございまして、その法律に基づいて基本計画というのができているわけでございます。この基本計画自体5年の計画でございますけれども、毎年毎年フォローアップを行っているわけでございまして、中央環境審議会の循環型社会計画部会というところで審議を行ってきているわけでございます。こういった点検審議を行うに当たって、従来から行っていることではございますけれども、その審議の参考とするということで考えてみますと、やはり循環型社会形成に関しまして、積極的に取り組んでおられる地域にお伺いして、地方公共団体の方々、それから民間団体の方々、企業の方々から実際に生の声でどういうふうな取り組みをなされているのかということについて承った上で、その上で委員の方々と自由闊達なご議論をしていただくということが是非とも必要だということでございまして、今回もそういった流れでこの上勝町にお伺いしているという次第でございます。
 ちなみに今年の地域ヒアリングにつきましては、8月の末に北海道の滝川市というところで1回目を行わせていただきまして、本日が2回目、今後の予定といたしましては、福井県の池田町、それから千葉県の船橋市で行うこととしております。
 本日は限られた時間ではございますけれども、ご出席の皆様方がそれぞれの取り組みにつきまして発表をしていただいて、お越しになっている委員の方々と忌憚のない意見交換を行っていただくことを期待しております。今回この会議が大きな成果を上げるということについて確信しておりますけれども、ご参加の各位の皆様方どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 雑駁ではございますが、以上をもちまして開会のごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございます。
 引き続きまして開催の労をいただいた上勝町の笠松町長からごあいさつを賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○上勝町(笠松町長) 皆さん、こんにちは。ようこそいっきゅうと彩の里、上勝町にお越しくださいました。皆様方のお越しを心より歓迎申し上げます。
 今環境省からお話ございましたが、このたび当上勝町を選んでいただき、本当にありがとうございます。そして、委員の皆様には日ごろこの日本の環境あるいは地球環境といった面でいろいろ取り組んでおられると思いますけれども、今日上勝町の取り組みをお話しさせていただきます。一昨日メールが入ったのですが、例えばこういうことがございます。これマレーシア政府が大手プラントメーカー、荏原に発注した大型焼却ごみ建設の契約を解除ということで、2005年10月に総額五百数十億円で正式に契約していたと、これがこの1日付で解約になったということです。私は解約になって当たり前と思っていますが、つまり今のこの日本のようなやり方をしたら、もう世界の地球全人類が、特に先進国がこういう機械を売って、なおかつ大切な資源を一瞬にして燃やしてしまって、大気汚染して地球の温暖化を促進するということをやっている。
 しかも日本の場合2兆6,000億円、これ平成13年度のデータですが、2兆6,000億円も使って、結局悪いことをするのに金を使うと、こんなことがあっていいのかという気がいたしております。片や言っていることは資源を大切にしましょう、それから地球の温暖化を防止しましょうと言っていますが、税金を使ってこういうことをやっていると。よく考えてみますと、これ廃棄物処理対策、後手です。それから、いわゆる経済対策です、日本見事失敗していますね。先般の新聞を見てみますと約970兆円という、国と国の外郭団体で九百七十何兆円という借金を抱えていると。もう利子だけでも高くつきますね。そういうことで経済対策。それから、雇用緊急対策、それから過疎対策もしかりですけれども、あと児童虐待防止法、児童虐待がどんどんどんどん出てきて児童虐待防止法、それから高齢者虐待防止、問題できてから対策と。幾らこんなことやっていたって問題が出るだけで、結果的に言うといわゆる人類が滅亡する方向に動いていると、これすべての人類がやっているわけですから。いわゆる良いことをすれば得するというようなことを、私どもは資源回収法という提案を環境大臣にも提案させていただいておりますが、是非それらを実現できるようにお願いをしたいと思います。
 あとちょっとPRになりますが、昨日偶然ですが、安倍、今度総理大臣になると思いますけれども、今お手元にこういう「日本の論点2005」というのがいっていると思いますけれども、目次あけていただきましたら、安倍晋三の下が何と笠松和市、その下がカルロス・ゴーンとこう3人並んでいますが、偶然ですけれども、ここに昨年載せていただいたということで、このときこれ私が書いたのはもっと厳しいことを書いてあったんですが、ページを割かれてこれだけになったんですが、後ほどごらんいただけたらと。それから、「時代を掴む男たち」というのも載せていただいておりますのと、今年の1月にPHPビジネスレビューというのに、これは松下幸之助の研究されている2006年の新春号ですが、これに町のおおよそのこと全体、編集局長さんがおいでて書かれておりますのでごらんいただけたらと。
 それと最後、もうひとつあるんですが、今年の2月2日、3日と全国都市清掃研究事例発表会というのが高松でありました。何と105名の方が事例研究を発表しています。私も特別講演をこのときさせていただいたのですけれども、この最後のページ、またこれ見ておいてくださいね、何やっているかということは、東大、京大、東洋大学、岡山大学、それと全国の大都市のいわゆる室長さんとか部長さんとか課長さん、それからタクマ、荏原製作所、いわゆる産官学そろって悪知恵を出していると、こんなことあってええんかと思うようなことやっているという。これまた、これの結局このぐらいの分厚い最終報告書もありますけれども、発表とかありますけれども、本当に1つの研究発表するだけでも大変です。しかし、それは今の法律に基づいてやっていますから、法律が悪かったらもう悪戦苦闘すると、住民と今行政のトラブルで一番多いのがこのごみ行政なんです。産業廃棄物、一般廃棄物。これ本当に住民の方は産廃あるいは一般廃棄物大変と思いますので、その辺考えると、本当に資源回収法、是非ごらんいただいてご検討いただきたいと、最終的にね。
 それからもう一点、この前石川県の地域づくり講演会に呼ばれて、7月8日に行っていました。そのときの資料もつけてございますので、そしてその後に私がこの全国清掃会議で発表したことについて、講演の議事録がコピーして載せてあります。それから、これは今年で、一昨年の日野市長さんの講演の内容もごらんいただいて、是非参考にさせていただいたらと思います。
 もうちょっとになりましたけれども、今回の審議会が日本の一般廃棄物、産業廃棄物問題が是非なくなるように成果を期待いたしまして、歓迎のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○企画課長 どうもありがとうございました。大変貴重なお話でございましたし、町長もご承知のとおり廃棄物リサイクル行政は、毎年毎年中身を充実させてきているところでございまして、今回のこのフォローアップの部分につきましては、現行計画のままでフォローアップしていくということでございますけれども、御高承のとおり平成19年度末、要するに平成20年3月には新たな循環基本計画をつくっていくということになっておりますし、今足元でいろいろやっておりますのは家電のリサイクルとか、あるいは食品のリサイクル法の話のような個別のリサイクル法の話もやっておりますし、全体、フレームワークをどうするかという話に加えて、個々の法律のインプリメンテーションの部分をどうやっていくのかということで一生懸命取り組んでいるところでございますので、ご指摘のあったいろいろな点も含めてさらに勉強させていただいて、よりよい行政にしてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、ここで本日の地域ヒアリングにご出席の委員の方々をご紹介させていただきたいと思います。
 まず、本日の議長をしていただきますアジア環境連帯ACE代表であられます江口委員でございます。

○江口議長 江口でございます。よろしくお願いいたします。

○企画課長 続きまして、ジャーナリスト、環境カウンセラーの崎田委員でございます。

○崎田委員 よろしくお願いいたします。

○企画課長 それでは、恐縮でございますが、以降の進行につきましては江口委員の方でよろしくお願いいたします。

○江口議長 それでは、これから議事に入らせていただきます。
 先ほどご説明がありましたとおり、この循環基本計画の点検は毎年行うこととされておりまして、第3回目の点検の審議の参考とするために、循環型社会推進のために積極的に取り組んでおられる地域を対象に地域ヒアリングを行うことといたしました。私は個人的には、上勝町は非常に有名でございまして、私は実は中東の環境問題も少し研究会を開いたときに、私のスタッフの者はここの写真を撮ったやつを見せたんですね。そうしたら日本の農村はすばらしいと、ここまでごみの分類までやっているのかと言って、日本から学びたいと、これ本当なんですよ。我々は東京大空襲の写真と上勝町の写真を見せましたら感動して、すぐに半年後に向こうのNGOの人が来まして日本の状況を拝見しましたので、私本日参加できますことに非常に喜んでおります。本当に今後ともよろしくご指導のほどお願いいたします。
 この上勝会場におきましては、自治体、NPO、企業、団体の皆さんからその取り組み内容をご紹介いただきたいと存じております。初めに自治体の取り組みにつきましては、この上勝町の方からお話しいただきたいと思っております。まず、上勝町から上勝町産業課の東課長補佐が見えられております。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○上勝町(東課長補佐) それでは、上勝町の循環型社会形成への取り組みということでお話をさせていただこうと思います。
 成り立ちということで少し順を追ってお話をさせていただくんですけれども、まず1994年に上勝町リサイクルタウン計画、これは現在の町長が職員であったときに大分かかわられてつくられた計画だと思うんですけれども、タウン計画が策定されまして、その中に現在の34品目を思わせるようなこういった漫画というのも書かれているわけですけれども、既に資源循環型のまちづくりを目標というふうに設定をしております。
 その中で特に発生量の推計調査が行われておりまして、家庭ごみの中で最も発生量の多いものというのが32.4%を占める生ごみということで、この生ごみというのは非常ににおいや虫の発生源ともなって非常に不衛生であり、焼却するときにも大量の補助燃料も必要であるということで厄介ということで、まずこの生ごみの対策に取り組みました。
 多分全国で初だと思うんですけれども、電気式の生ごみ処理機というのを補助をして導入を進めました。1軒当たり1台なんですけれども、個人負担を1万円、あと大体四、五万円いたしますので、残りの補助を県、国の補助もいただきながら導入を進めてまいりました。現在まで約490台、コンポストも含めますとすべての家庭で100%生ごみが堆肥化されているという状況がつくられております。現在の34品目の分別を進めるに当たって、この生ごみがごみステーションに持ち込まれないということが非常に大きなポイントになっております。
 1997年、平成9年ですけれども、容器包装リサイクル法が4月に一部施行されましたが、それに先駆け、上勝町では2月に瓶、缶、乾電池等の分別を開始しています。同年の12月に廃棄物処理法が一部改正されまして、野焼きの禁止とか焼却炉の基準改正がありました。それを受けて、逆に我々はほとんど野焼きとか自家処理というのを行っておりましたので、小さな焼却炉を導入したわけですけれども、焼却炉を導入しますと今度は焼却灰がたくさんできるということで、これの処理が困難になりまして、逆にどんどん燃やせるものの中から燃やさなくていいものというのをのけていったというのが、今度次の年の4月ぐらいから25品目の分別につながっています。
 2000年の1月にはダイオキシン類対策特別措置法というものが公布されまして、小型焼却炉のダイオキシンの測定も義務づけられたわけです。上勝町の2基導入した小さな焼却炉も実は1基は基準を上回りまして、焼却炉を停止しなければならなくなりましたけれども、そのためにでは分別をして資源化することで焼却をする量を減らそうということになりました。2001年の1月には焼却炉を停止し、そのときには35品目というふうな分別が開始されました。
 現在も、町内1カ所、日比ヶ谷ゴミステーションというところでかなり距離がありますけれども、片道15kmぐらいのところからもこの1カ所のごみステーションにごみを持ち込まれるというふうな状況になっています。1年のうち年末年始の3日間を除く362日間毎日、朝7時半から午後2時まで受け入れをしております。
 内部に入りますと、これが玄関口ですが、約15品目分別ということで、それぞれ品目ごとに分別されると何になるのか、それによってエネルギーの削減効果等の詳細を表示して、わかりやすく住民の方に理解を得る努力をしております。
 これは、一歩中に入っていただいて紙ごみ等の排出状況ですけれども、すべてこれは町内の商店で扱っています牛乳パックの再生品であります紙ひもというのを使っていただいて排出していただく。これも全部住民が持ってきて、そのまま置いた状況です。
 これは日常の持ち込みの状況なんですけれども、親子だったり家族だったりということで非常に話し合いをしながらとか、コミュニケーションがゴミニュケーションになるというような感じで、環境教育も一緒にやりながらというふうな場所になっています。
 これは35品目分別が始まった年の5月からですけれども、数カ月の間に中学校の子どもたちが総合学習の中でいろいろな分別を手伝っていただく中でにもったいないものも出されているということで、家からごみになる前にもう一度使えるものというものを再利用しようということで、毎月1度フリーマーケットを始めてくれました。これについては子どもたちが始めたということで、いろいろな方からご協力をいただきまして、品物の提供とか購入も進んでいったんですけれども、1個10円とか5円とか、そういった安い値段で販売したわけですが、約4年か5年か続いて数十万円というふうなお金をためておりまして、いろいろな活動に活用しようということで貯めておりました。
 それが平成16年ですが、中学生と高齢者の方のグループが一緒に発案されまして、町内の商店全体で使えて、経済活性化とかごみゼロにつなげようというようなポイントカードの発行につながっています。先ほどフリーマーケットで集められたお金がこの商品の代金として使われています。
 そういったいろいろな取り組みの状況が報道機関とかで流れるわけですけれども、それをお聞きになったアメリカのセントローレンス大学のポールコネット博士が上勝町においでになりまして、初めは町長と対談をしたいというようなお話でしたんですが、せっかくおいでになるのだからということで町民を集めて講演をしていただきました。そのときに初めてゼロ・ウェイストという話をお聞きしました。処理より発生を抑制しようと、リサイクルとかいう前に発生抑制という話がこの場合ありました。特に気になった話は、日本人はすばらしい技術を持っているんですけれども、それに頼りすぎて水道の蛇口を閉めるというような本質的なことを忘れていますよと。このままではあふれることは止まりません、もっと本質的なところに返ってごみの発生をするのを止めましょうというふうなことをお聞きしました。
 これが2003年7月だったんですけれども、その年の9月には世界中ではカナダとかニュージーランドで多く宣言をされているのを参考にさせていただいて、議会の全員一致という形でゼロ・ウェイスト宣言がなされました。中心的な内容が地球を汚さない人づくり、それから2020年までに焼却・埋め立ての処分をなくす最善の努力をする、それから地球環境をよくするための仲間づくりをする、これを柱にした宣言がなされております。
 そういったゼロ・ウェイスト宣言というのを実行するために、先ほどのごみステーションの方でも町内の高齢者の方にもっと理解を得ようということで、バスを仕立てまして分別の状況をもっとつぶさに見ていただいてわかるようにということで、作業員の方からなぜ分別しなければならないかとか、そういった説明を細かくしております。
 その年の12月ですけれども、これは環境省のまほろば事業という中で一緒にやらせていただきましたけれども、再度ポールコネット博士に来ていただきまして、ゼロ・ウェイストシンポジウムということで、また町民と一緒にゼロ・ウェイストを進めるというような啓発活動もやっております。
 こういった活動を町内の商店も一緒になってやってくださっていまして、こういうフラッグを、一業者が作ってくださったわけですけれども、町内の商店ほとんどすべての商店に軒先につっていただいて一緒にPRをしていただいています。中学校も毎年1回町内の県道を一緒に清掃をしていただいて、拾った経験が捨てないにつながるということで、拾うことと分別することの両方の環境教育というのも一緒に進めてくださっています。
 こういった全町的な取り組みというのがごみの排出量というのに反映しておりまして、この赤い方の棒線の方が焼却・埋め立て量の変化ですけれども、平成13年がその分別を始めました年ですが、その前年に比べまして大体焼却とか埋め立ての量が半分ぐらいに減っています。それに比してリサイクルの量は逆に増えていると。費用については若干町外に焼却を委託するというふうなやむを得ない事情もありますので、自家で焼却していたときよりは増えていますけれども、自家で大きな焼却炉を建てて、365日24時間800度以上で焼くというふうなことを考えますとかなり費用の負担は減っているかと考えます。
 ちょっと見にくいんですが、リサイクル率というのも元々55%とか50%台だったのが、現在生ごみはこれは含まれておりませんけれども、一昨年度が76.5%、昨年度が72.2%というふうな状況になっております。
 その他の取り組みということで、今までごみの関係の話を中心にしてきたわけですけれども、先ほど課長の話の中でもありましたように上勝町の基本構想の中に5つの目標がありまして、それに従いまして将来世代につけを残さない政策というので、林業・農業の活性化とかのためにエネルギーとか水とか空気などを保全をする。それから、公共施設へのエコアイスの導入とかで省エネルギーの推進、また5つの公共施設には省エネルギーナビの設置で啓発を行っていく。
 それから、2003年3月には森林農地適正管理条例というのも制定いたしました。森林の手入れ等のできる人材の育成としまして、1,000万円の基金を積み立てをいたしまして管理士2名の活動支援をしております。
 こういうような美しい棚田の景観等も生物との豊かな共生の形として残していけるように一つの支援というのも行っております。
 いっきゅう運動会の話ですが、町内5地区でまちづくりを競い合い。それぞれの団体で考えていただいて、町内の美化活動とかも積極的に行ってくださっているんですけれども、例えばそれ以外にも地域のことは地域で考え自立を目指すということで、楽しいイベント、左の方が町内の壁画というのをみんなで考えて地域マップというか上勝町マップをかいてくださったり、右の方は昨年優勝された正木地区というところがやられたんですが、子供たちに楽しい思い出を残すためにということで節分の鬼の出張サービスというふうなこともやりながら、人づくりという、それから雰囲気づくりみたいなこともやられています。その他にもいろいろやられています。
 それから、ワーキングホリデイの受け入れというのが平成16年から4回ほど、また今年ももう一度あると聞いておりますけれども、実施されていますし、棚田のオーナー制ということで、農地保全のための手間不足解消とともに地域住民との交流による情報交換、このおかげで平成16年以降に、既に若者が4人ほど定住をしてくださっております。
 また、第三セクターの設立・育成・支援ということで、これは経済的な活性化とあわせて雇用を生んでいこうということで、5つの第三セクターを創設しております。
 先ほどのいろいろな取り組みが与える影響というのが、例えば上勝町で非常に有名なのが彩産業なんですけれども、彩産業への影響というものも、環境への取り組みが熱心な町ということでイメージアップをされまして、付加価値が高まっています。現在では300種類以上のつまものというのがありまして、2億5,000万円、高齢者の方が中心に取り組んでいるんですけれども、中には1,000万円を超える年収の方もあると聞いております。
 また、視察観光ということで、今回もたくさんの方が見えられておりますが、月ヶ谷温泉を初め、いろいろな方がそれこそ世界中から上勝町に訪れてくださっています。物によれば、先ほど町長がお話の中にもあったかと思うんですが、世界一1人当たりの人口に対しての視察人口というのが多い町というふうな評価の仕方もあるみたいです。
 今まで行ってきたような例えば環境保全が人づくりにつながり、人づくりをやることが情報発信につながり、またそれが経済効果を生み、経済効果を得るためにまた環境保全を行っていく。これだけではなくもっとほかの総合的な関連もあるんでしょうけれども、いろいろな循環というふうな形が今の状況でできているものだと思います。
 わずか2,000人されど2,000人。小さな町でも自分たちだけがやってもと考えず、自分たちの動きが世界をも変える力になると信じて日々頑張っております。
 以上で、簡単でしたけれども、報告を終わらせていただきます。

○上勝町(笠松町長) 今の報告の中で生ごみ処理機導入に1万円の負担金、あと国、県の補助と言っていましたけれども、あれ以前は国、県の補助をいただいていましたが、現在はありません、単独で全部やっています。

○江口議長 それでは、すばらしい発表がございましたけれども、ご質問というと、崎田委員含め私も後ほど問題提起いたしますので。

議長 よろしくお願いします。

○崎田委員 本当にありがとうございます。私は今環境分野のジャーナリストをしておりますけれども、こういうふうに全国のそれぞれの地域の特性を生かした循環型地域づくりをしていくという、こういう全国の活動をできるだけ広く情報発信をして、活力のある地域づくり、そして日本づくりという、そういうような流れになることを願っていろいろなNPO活動なども実施しております。そういう流れの中で、本当にこちらの町は今お話しいただいた、いわゆる環境保全をきちんとやっていることが経済活性化につながる、そしてその経済活性化がまた環境保全の相乗効果を生むということで、今盛んに本当にこれからの日本の環境負荷を低減して、経済が本当に活力を持っていく、環境と経済の好循環を起こすという、そういう大きな目標の中の非常にすばらしく、実現させている町として、やはりこれからの日本をリードする地域のお話なんだと思って伺っておりました。
 少し皆さんが取り組みの中から提案されたいことなどあればと思って、幾つか伺わせていただきたいと思います。最初の方からお伺いしたいポイントを申し上げていきますけれども、最初94年にリサイクルタウン計画を策定されたというあたりに、まずそのときに例えばその計画を最初につくられたきっかけというか、日本全国今課題を抱えていらっしゃるところというのは、やはりそれをばねにこういう計画を策定されたりしているので、その最初のきっかけのところを1つお話しいただきたいのと、その後数年間かけて盛んに生ごみをゼロにされたり、その後いろいろ町の中で35分別という、この日本でも今最高のやり方、革新的なやり方をとってらっしゃる、この辺を仕掛けていくためにどういうような地域の中での仕組みを整備されているのか、よくいろいろ全国ではこういう市民や事業者、行政が連携するために地区の協議会を設定されてこういうことを話し合っていかれたりとか、いろいろなことをやられているわけですけれども、まず35分別というのを決めて、それを徹底してみんなで取り組むという、そういうことを支えるために地域社会の中でどういう仕組みを整えていかれたのかという、その辺をきちんとお伺いしたいなと思いました。
 あとその次に、13番ぐらいのところから分別だけではなくて、発生抑制ということにやはりもっときちんと取り組まなければという提案もあったという、この辺がこれから非常に大事なところだと思うんですが、この発生抑制に関して何か町の中で新しいチャレンジというか、地域の中のシステムづくりとかされたかどうか、その辺を伺いたいと思いました。
 それと、大変申しわけないんですが、19ページの表、19ページ、20ページあたりの表が、もう一回後で教えていただきたいんですが、ごみと資源の総量は減っているのかどうかという、その辺のあたりのデータがちょっとわからなかったので、その辺をもう一回きちんとお伺いしたいと思いました。
 最後に何かこういうふうに取り組まれて、こういう環境と経済の好循環の町というようなことで循環型地域を明確につくっていらっしゃって、何か政策的に非常に国へ提案されたいこととか、何かそういうような提案があれば是非伺わせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。たくさん言いましたけれども。

○江口議長 いいえ、どうもありがとうございました。
 私も同じような質問、申し上げたかったことは、最初の1ページ目にございましたように35品目分別の開始という、この開始をするプロセスがあったと思うんですよね。恐らくこの地域社会の中に一つこう循環というか、あるいは各町民の意識をくみ上げていく仕組みというんですかね、文化というんでしょうか、冒頭町長がおっしゃいましたようにIT化が非常に進んでいるということは、情報を発信するという文化があるのではないかと思うんですよ、それが例えばここにございましたようにポールコネット氏が来られたり、何かキーワードづくりがすごくうまいというんでしょうかね、彩の里とか、非常に商品化することと、その情報化にくみ上げていくプロセスが非常にすぐれているという印象を持ったんですけれども、含めていろいろと教えていただければと思いまして。崎田委員がおっしゃった質問に上乗せさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○上勝町(東課長補佐) 私はリサイクルタウン計画をつくるときにはかかわっておらなかったんですけれども、もともと実は上勝町では自家処理という形ですが、大きな穴があってみんなで野焼きしているというような状況もありまして、そういうもので指導というか、いろいろなところでご注意もいただいていたりして、本来上勝町自身も環境に関して、特にごみに関しての問題を何かの形で解決したいというふうなもともとの考え方もあって、ちょうどリサイクルタウン計画というので、とにかくごみの量をまず把握して、それから少しずつ対策を考えていかないといけないというものがあって、計画づくりに取り組まれたのだと私は思っておったんですが、多分大分違うと思いますので、町長の方から補足をしていただければありがたいと思います。

○江口議長 そのときは町長、まだ町長前だったんですか。最初のところの入口のところ、ちょっとお話し願います。

○上勝町(笠松町長) はい、私は企画室長をその当時していました。
 野焼きをやってたんです。大型の20トンぐらいのダンプに積んでいって、家なんかもほうり込めばばあっと燃えてしまうということで、そこでも生ごみも電気洗濯機で何であろうが、ほうり込んだらわあっと燃えて、後かすが残ったやつは穴を掘って埋め立てていたということで、町外からも結構持ってきていたんですよ。しかし、それはもう県の方からも再三にわたって指導が来ていまして、半分冗談ですが、町長もこのままいくと逮捕するぞと、こんな話が実は出ていまして。これはどうしてもおいとくわけにはいかんと、避けることはできんということで、やはり生ごみの量とか、どんな量が、あるいはどんな質のごみがあるのか、産業廃棄物まで含めて調査をして、それでどんな処理方法したらましかということを、コンサルタントに委託をしてつくったということです。それに基づいて後の処理の仕方をやってきたということでして、それがもとなんです。ですから、それは他の周辺のお隣の勝浦町さんなんかは独自で大型のごみの焼却場を建てていましたので、町としてはそことも一緒にするわけにもいかんということで、独自にそういうふうなごみの調査をして、独自のやり方をせざるを得なんだと、こういうことでございます。

○江口議長 崎田委員のご質問の残りについては。

○上勝町(東課長補佐) あと次の分がまず、ちょっと順番が違うかもわかりませんけれども、量が減っているかどうかということですが、実はこの資料、お手元にお配りしておると思いますが、「いっきゅうと彩の里・かみかつ」という分の42ページの方に詳しい資料、数字を載せております。端的に言いますと、減ってはおりません。総量はやはり少しずつ増えております。いろいろな考え方がありますけれども、特に平成13年に分別を始めた当時は急に減っているんですけれども、分別がきれいにできてなかったらしかられるかなというような意識もあって、出し控えがあったりすることもあったし、それがだんだん慣れてきてしまって、なかなか発生抑制の方につながってないというふうな状況も見えるのではないかなと思っております。
 それと発生抑制のための取り組みということですが、この後に4つの団体の方からも取り組みの状況のお話があると思うんですが、そういった団体との一緒の取り組みをいろいろやっておりますので、多分詳しくお話があると思います。例えば、最近では地域通貨を使って、先ほどごみのゼロきっぷというような、子供たちと一緒にやったそういった取り組みもありますし、くるくるバッグというふうな、町内のレジ袋を削減するような取り組みだとか、できるだけ今までは出てきたものに対しての対処というのから、例えば町内でできる発生抑制というのであれば、商店ですので、製造部門というのが余りありませんので、販売時点、消費時点というのを変えていこうという取り組みを少しずつ進めています。また後で詳しく多分あると思います。
 それと35品目分別を開始したときのちょっとしたプロセスなんですが、実は全体的に先ほどからいっきゅう運動会のお話もよく出てきています。各集落で自分たちのことは自分たちで一生懸命考えようというような人づくりの政策をかなり前からやってきておりまして、実はこの35分別を始めるのが非常に唐突に始まりまして、2000年の12月に急に、12月15日に35品目というのを決めまして、その前の日まで焼いておりました。

○江口議長 35品目という数字はどうやって決めたんですか。

○上勝町(東課長補佐) それは焼却をしているごみの中から、各リサイクルをしてくださる業者というのを少しずつ洗い出しまして、その業者に聞いて、例えば紙ごみですと新聞、雑誌、段ボール、紙パック、この4つに分けてほしいと、それであれば引き取れるという形で、業者に聞きながら分別を進めていきましたので、最終35というふうな種類になったという形です。

○江口議長 業者に聞いて情報をとって、情報をつくり上げる能力って、すごく持ってるのね、上勝町は。しかも、それをニュージーランドとかオーストラリアとかあるいはアメリカとか、そこまで情報を普及する力ってありますよね。そもそもゼロ・ウェイスト政策なんていう、英語ではなかったのではないんでしょうかね。すると向こうがぴんと反応してきたわけでしょう。彼らはまたあちこちでもってしゃべっているはずですよ、上勝町につきましては、それはすごく大きいですね。

○上勝町(東課長補佐) そうですね、ありがたいと思っています。

○江口議長 言葉をつくる能力、製品をつくる能力、マーケッティングする能力ですね。

○上勝町(東課長補佐) その35品目というのが結局業者とかの相談の上で決まった上で、結局12月16日から町民の間に分別の説明に回りまして、次の年の1月にはもう焼却炉を停止しなければなりませんので、約1カ月の間にもう40カ所以上、ほとんど毎晩のように職員が回って説明をしました。もう理解を得ている間はありませんが、やりますと、広報でも焼却炉停止に従ってそういうふうな分別で1カ所で収集をさせていただくようになりましたと。事後報告のような形なんですけれども、どうぞ一緒に緊急避難的なやり方で、いろいろ今後も考えていきたいので協力してもらいたいと、先ほど言ったいっきゅう運動会とかいった地元の人の意識がすごく高かったということで、説明会に行っても、ではとにかくやれるところまでやってみようとか、そういった話でどうにかやらせていただいた。あとは走りながら少しずつ変えていったというふうな状況です。
 特に今回はお話をしませんでしたけれども、平成10年に、焼却炉を導入した年なんですけれども、先ほど灰の保管に困ったという話をさせていただいたんですが、そのためにダイオキシン、でも野焼きもやめたい、それから高齢者の方が多いので運搬ができない方もいると、どうしようということで話をしていましたら、住民のボランティアの方が50人ぐらいで団体をつくってくださって、他人のごみを自分が持っていくときに一緒にただで、ボランティアで一緒に運んであげようと、焼却炉のところまでというふうなボランティアの団体ができまして、「利再来上勝」、利が再び返って来ると漢字で書くんですけれども、そういう団体が動かれまして、その団体ができていたということがまず各集落の説明に行ったときに、では私だけはやるとかですね、そういった賛成の派に回ってくださって、こういった活動が、取り組みがうまく進んだと。もとには非常に前から取り組んでいる人づくりという部分がかなりあるかと。
 もう一つ、彩というのが産業としてありましたけれども、ある程度そういうふうな経済的なものも持っていて、ごみとか環境に対する意識というのに向くような土壌づくりができていたかなとすごく思います。

○江口議長 彩のビジネスというのはこの焼却炉の話の前なんですか。

○上勝町(東課長補佐) 大分前ですね、昭和62年から。

○江口議長 62年、そうですか。

○上勝町(東課長補佐) あと提案ということでよろしかったでしょうかね。

○崎田委員 最終的なところで、いろいろやっていらっしゃるといろいろな政策の提案とかあると思うので、少しその辺のところを言っていただければと思いました。

○上勝町(東課長補佐) 先ほど町長の方からもお話がありましたように、資源回収法というか、デポジット法のような形ですけれども、よく町長も言われますように日本は法治国家だからやはり法律というのがある程度先行して動いていただくと、当然循環型社会形成法とかも先行して動いていっていただいているわけですけれども、もっとわかりやすい、誰でもがわかりやすい法律というのを早急に制定していただければ、ゼロ・ウェイストというのが、我々の取り組みだけではやはり難しいですので、全国の取り組みと、名前が別にどうあれ、発生抑制に向くような法律の制定というのがあればありがたいと思います。

○上勝町(笠松町長) これ1つできたら、あと半分ぐらいのごみはなくなるはずです。

○崎田委員 済みません、追加質問なんですが、今デポジット法という言い方をされたんですが、中をちゃんと読ませていただくとわかると思うんですけれども、これは具体案としてはデポジットをきちんと提案しているという、そういうふうに理解すればよろしいんでしょうか。

○上勝町(東課長補佐) そうですね、結局つくった方のところにごみが返っていくと。結局つくるときに責任を持って、処理ができないものはつくれないというような状況になればありがたいと、そういうふうな考え方です。

○崎田委員 例えば、デポジットの考え方とか、本当にそういうことが進んでいけばいろいろ、デポジットなどの話があると必ず、全国レベルでそういうのがないとやはり定着できないので、是非政府の政策としてデポジットを考えてほしいというお話で、だからこそいつもデポジットの議論というのは盛り上がっても沈静化してしまうみたいな、そういう悪循環でずっとここ数年来まして、私も生活者の立場で発言していますので、そういうことが本当に定着するような社会になればと思ってはいるんですけれども、例えばそういうことを提案しながら、この町の中だけではデポジットが完璧にできるようにするとか、そういうやり方を今とってらっしゃるんでしょうか。

○上勝町(東課長補佐) まだとっているところまで行ってないんですが、そういったことが上勝町ならできるような提案というか、一応取り組みの前段というかは進めております。例えば、商工会さんと一緒に町内で少しずつこう、デポジットというか、まず何かそういうものができないかというふうな話し合いをということは多少行っています。

○崎田委員 そうすると今、商工会などとご相談しているというお話なので、是非実現させていただければと思うんですが、デポジット法というか、あるいは地域の資源、いろいろな資源の戻すやり方をお店、今35分別の回収ステーションですけれども、それだけではなくて例えばお店がもっと協力してくださるとか、そういうお店からメーカーに行くとか、そういうような新しい図式をつくっていこうという、そういう社会への新しいご提案なんだと思うので、そういう意味では日本の中に突破口をというような意味で、日本の中で今定着しているのは、島とかそういうところだけというふうに言われていますので、いろいろなチャレンジをしていただくと日本全国にすごく元気印が広がるのではないかなと思いますので。

○上勝町(東課長補佐) そうですね、後で多分株式会社いっきゅうの方からも少しそういった取り組みが報告されると思うんですけれども、先ほど報告の中で一番最後に言わせていただいた、わずか2,000人されど2,000人ということなんですが、できれば上勝でできるだけのモデル、皆さんに見本になれるような取り組みというのは、できるだけやっていかせていただきたいと思っておりますので、是非応援をいただければと思います。

○江口議長 どうもありがとうございました。

○崎田委員 追加で、よろしいでしょうか。

○江口部会長代理 では1つだけ、時間が押してますので。

○崎田委員 わかりました、私も先ほどお話を伺っていて、全体のコンセプトとして大変すばらしいなと思っているんですが、ごみと資源の総量が増えているというのがやはりいま一つ、ここがきちんと減るというシステムを是非とっていただきたいなと思うんですね。そういう意味で今全国的には家庭ごみ有料化政策とか、いろいろなのありますけれども、こちらの地域は地域なりのお考えもあると思うので、是非その辺の発生抑制に向けて歩んでいくような施策がここにプラスされれば大変すばらしいと思いますので、是非またご活躍いただければと思います。ありがとうございます。

○上勝町(東課長補佐) 一応そのためにという形ではないんですけれども、ここの報告にはありませんでしたけれども、この次に発表されるNPO法人のゼロ・ウェイストアカデミーの設立にも、上勝町の域を超えて発生抑制にもつながるような動きができるということでのかかわっております。今からの報告をまた一緒に聞いていただければと思っております。ありがとうございました。

○江口議長 それでは、本当にありがとうございました。
 次にNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの方からご報告をちょうだいできるということで、事務局の藤本さんからご報告をよろしくお願いいたします。
 そうですね、20分ぐらいですかね、よろしくお願いいたします。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) 済みません、お待たせいたしました。ゼロ・ウェイストアカデミーの藤本です。ゼロ・ウェイストアカデミーの活動について報告をさせていただきます。
 本日の報告はゼロ・ウェイストアカデミーがNPOとしてどのような機能を果たしているかと、またこれからどのような機能を果たそうとしているのかということについて、まず設立の趣旨とかそういうようなところからお話しさせていただいて、ゼロ・ウェイストアカデミーの基本的な、どんな組織であるかという情報から具体的な活動内容、最終的にはまとめとしてゼロ・ウェイストアカデミーのゼロ・ウェイストの意味性と、ゼロ・ウェイストアカデミーの活動についての関係性のような少し分析的なお話をして終わりにしたいなと思っております。
 まず、設立の趣旨と理念についてなんですが、ゼロ・ウェイストアカデミーは2005年の4月に設立いたしました。ですので、大体1年半ぐらいが設立をして経過したのですが、先ほど町の方からの報告にもあったんですけれども、ゼロ・ウェイスト宣言というのを上勝町行っております。繰り返しになるんですが、地球を汚さない人づくりに努めます。それから、ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をします。3つ目が地球環境をよくするため世界中に多くの仲間をつくりますというのがゼロ・ウェイスト宣言の中身なんですけれども、町として活動していく上でいろいろ阻害要因というか、限界があると思うんですね、そのために特にソフト面の強化をにらんで新しい組織をつくる必要性が感じられると。それと同時に行政の枠組みを超えた、より普遍的でフットワークの軽い活動をしていかないと、そのゼロ・ウェイストというような広く広げていく必要のある活動については難しいのではないか、そういうような意図でNPO法人として設立されています。
 ゼロ・ウェイストアカデミーの基本的な姿勢なんですが、先ほどのゼロ・ウェイスト宣言と同じなんですけれども、まず人づくりですね、それからごみの減量と、仲間づくりをする。そのようなところからゼロ・ウェイストに進んでいくというのが我々ゼロ・ウェイストアカデミーの基本的な姿勢です。
 続いて組織と事業形態についてお話ししますが、まず組織なんですけれども、理事長の中山多與子以下理事11名で、現在の会員は89名です。89名のうち総会での議決権を持つ正会員が61名、議決権のない賛助会員が28名ということになっています。職員は私を含めて3名です。事業の内容ですが、「特定非営利活動に係る事業」として「ゼロ・ウェイストアカデミー」の事業、その他の事業ということで、「介護予防活動センターひだまり」、町の建物なんですが、そちらでの活動と「シルバー人材センター」の事業と事務局をゼロ・ウェイストアカデミーが兼ねております。
 会員についてもう少し詳しくお話ししようと思うんですけれども、先ほどお話ししているとおり正会員61名、賛助会員28名なんですが、うち町内の会員は43名、町外が46名になっています。

○江口議長 海外というのはどこなんですか。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) アメリカです。

○江口議長 アメリカですか。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) はい、アメリカの友人が入ってくれまして、一応海外にも会員ができたということで。

○江口議長 すごいですね。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) 喜び勇んで書かせていただいたんですけれども。 点を地図上に打っているところが会員のいる県なんですが、東で一番東は東京都です。西側では福岡ということで、今のところはちょっと西側に偏った形にはなっております。
 会員数の伸びなんですが、去年の4月の設立以降をグラフにしたんですけれども、正会員が青いグラフ、賛助会員が緑色のグラフで、合計が赤のグラフなんですけれども、今のところ特に会員数の伸びが滞ることなく、着実に増えていると。会員数の量というのはすなわちゼロ・ウェイストに対する賛同をいただいたというふうに判断していいと思いますので、ゼロ・ウェイストの活動は広がっていると考えていいのではないかなと思っております。
 具体的な活動内容なんですが、ゼロ・ウェイストアカデミーの活動を大まかに分けると、日比ヶ谷ゴミステーションの管理・運営と、それから自分たちでのイベントですね、それから情報の発信、そのようなところになると思うんですが、まずステーションの管理ですね、こういう形で先ほど町から説明があったんですけれども、35分別のそれをやっているステーションの管理を日々しております。
 分別の最適化提案ということで、35分別という分別なんですが、現場を見ていただいたらわかるんですけれども、現場では50分別近くになっているんですね、実際には。というのは、ごみを出すときに具体的な品目を入れた方が分けやすいだろうと、そういうふうな思想で具体的な品目を入れたものを分別表以上に設置しているんですが、その中に近年上勝町でもコンピューターの普及率が高まってきまして、町内に光ファイバーが通るということもあって、高齢者にもコンピューターが普及しております。それに伴ってプリンターのインクカートリッジがかなり燃やすごみに、上勝町では容器包装に関してはリサイクルという形になるんですけれども、それ以外のプラスチックは残念ながら現状では燃やすごみに入るんですけれども、インクカートリッジはかなり増えてきたというところで、後ほどご紹介しますが、ゼロ・ウェイストアカデミーの例会の中で話題になりまして、何とかならないのかというところで、エプソンとキャノンに関しては、ベルマークにプリンターカートリッジを送るとかえるというサービスをしていただいているということで、町内の学校と連携しましてエプソン、キャノンのインクカートリッジを回収してベルマークにかえるということを始めました。そういうところもゼロ・ウェイストアカデミーが、日々管理・運営をしている中で議論と気づいたところを実際に反映させていくという活動です。
 分別方法の説明など戸別訪問とごみステーション見学会ということですが、高齢者の方々にはなかなか分別種を理解していただくのは難しいと、また交通手段をお持ちでないので、なかなか分別している場にいらっしゃる機会が少ないということで、幾つか対象になる方をピックアップさせていただいて、戸別に訪問して分別種類、どのような形で分別しているかということをご説明させていただくと。また、先日はごみステーション見学会ということで、町の方からの説明でも2004年にリサイクル教室というのを開いたというお話があったんですが、それと同じような形で基本的には高齢者の方を対象にごみステーションの見学会を開いて現場を見ていただくようなことをしております。
 それから、主催のイベントなんですが、先ほど少しお話しした毎月の例会です。月1で会員を対象に情報発信でありますとか、あるいはどんなイベントをゼロ・ウェイストアカデミーでやっていこうかというようなものの議論であるとか、あるいはステーションをどういうふうにしていったらいいだろうかというようなことを例会という形で開かせていただいています。
 それから、これは去年の5月、6月にかけて3回開いた上勝ウォークというイベントなんですが、コンセプトとしては初夏の上勝を楽しんでいただきながら道路沿いをきれいにしていこうということで、町内外から参加をいただきました。
 ゼロ・ウェイストセミナーですが、基本的には講演会なんですけれども、単に講師を招いてお話を聞くというだけではなくて、ゼロ・ウェイストアカデミーの基本的な姿勢として、上勝町の暮らしこそがゼロ・ウェイストにつながるものがあるのではないかと。上勝町の暮らしを問い直すことでゼロ・ウェイストにも近づくヒントがあるのではないかということを基本的なコンセプトに置いているんですけれども、例えば今見ていただいているのは、この会場はここだったんですが、座談会を開きました。辻信一さんという、スローライフを提唱されている方をお招きして、単にお話を聞くだけではおもしろくないということで、町内の方にも座談会という形で参加させていただきながら話し合いをするというような場をつくりました。ごみ問題に限らずまちづくりとか暮らしを問い直す全般のことをセミナーということで、今まで6回開催しております。
 ゼロ・ウェイストスクール夏の合宿ということで、去年の8月30日から9月4日ですが、上勝の古民家を使って環境を学ぶ研修を開きました。参加者に関しては事前にレポートを提出していただくとか、授業は半分は英語で行っています。どういう意図かというと、1つはこのゼロスクールのコンセプトとしては座学だけではなく生活体験を通してゼロ・ウェイストということを考えていただきたいということで、民家で御飯もかまどで炊いたり、そういうようなことをしながら電気とか今のエネルギーに頼らない生活はどういうものであろうかということを体験していただくと。それと同時に発信とかあるいは広めるということに関して英語というツールが重要であると。

○江口議長 これは日本人だけなんですか。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) 講師には外国人の方が参加されました。

○江口議長 それもすごいな。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) アシスタントとしてマレーシアからの留学生の方にも参加していただいて、今日もそのときの参加者の方が傍聴に来ていらっしゃっているんですけれども、ということで全国から21歳から61歳の方7名のご参加をいただきました。
 ここからは共催的なイベントなんですが、上勝町の夏祭りで去年と今年にかけてリユース食器の取り組みをしています。これたこ焼きなんですが、たこ焼きで白トレーを使わずに樹脂の何度も繰り返し使える食器をレンタルでお借りしまして、それを使い捨ての代わりに使うというような取り組みをしました。
 そこからの発展的なことなんですが、町内の傍示地区でのお祭りにそのリユース食器も使わせていただくのと、それ以外のごみに関しての分別をその場でしてもらうと。その分別に関する指導をするというような取り組みもさせていただきました。
 町内の小学校に対して環境教育という形でこちらから講師として行かせていただいたり、単にここで授業の中でやるだけではなく、例えば鯉のぼりを使ったりして、リメイク品などをつくっておりますので、その材料をつくるのに洗ったりすることに対して小学生に協力してもらったりとか、あるいはくるくるショップというのがごみステーションの方にあって、不用品を交換する、言ってみれば発生抑制につながるようなショップを現状では無料でやっているんですが、それの最初の立ち上げに関して小学生の協力を得ると。座学だけではなくて体験的な学習を通してゼロ・ウェイストアカデミーの活動そのものにも小学生に参加してもらうというようなことをしております。
 先ほど、少し触れた鯉のぼりリメイク品の話なんですが、町内のおばあちゃんに協力をしていただいて、いろいろな商品を開発しています。これはトートバッグとかバッグですね、それからナップサック、それからエプロンとか、鯉のぼりにそのまま綿を詰めて抱き枕みたいな感じですね。いろいろな工夫とアイデアから商品をつくっています。
 その商品に関してはふだん事務所の方でも販売をしているんですが、時々はフリーマーケットに参加をして、リメイクの商品を持っていって売ったりとか、この辺今写真に見せているのはボタンなんですが、ステーションに出てくる古い古着などのボタンを外してボタンだけを集めて、これも売ったり、あるいは装飾品をつくるということも考えています。
 情報発信というところになってくるんですが、事務局長、今日は東京出張で、そっちの方でまたこういうような活動をしておるわけですが、ゼロ・ウェイストの講演活動をして、言葉でゼロ・ウェイストがどういうことかということを伝えるような活動をしています。
 言葉だけではなかなか伝わりにくいということで、上勝町の35分別を体験できるような展示もしています。これは去年の11月5日に町田市で、町長とご一緒させていただいたときですが、実際に手にとってどういうふうに分けるんだということを体験してもらうようなブースをつくりました。それと同時に先ほどのおばあちゃんのこいのぼりをリメイクするところを実際に見てもらうような展示もしています。これは去年の11月に岡山でさせていただいた35分別の展示と、こいのぼりリメイクの実演ですね。
 あと、ホームページでの情報発信というようなこともさせていただいたり、広報折り込み「ひだまり」ということで、町内向けに毎月発行されている上勝町の広報に折り込みをさせていただいて、ごみステーションが今どんなことをやっているのかと、またごみ量がどういう変化しているのかということを報告をさせていただいています。
 これはもう少しエリアを広く見た情報発信なんですが、「くるくる」という冊子をつくって配布しています。町内の写真家に写真を撮っていただいて、先ほど申し上げたように上勝町の暮らしそのものが、ゼロ・ウェイストに対するヒントがあるというようなコンセプトで、暮らしそのものを紹介したり、その暮らしをつくっていく人を紹介するような冊子をつくって、全国に配布をしています。
 絵本もつくりました。環境の絵本ということで、絵本という媒体を選んだ理由というのは、わかりやすくて親しみやすい形にしたいということと、原作を公募させていただいて原作者とインタラクティブに関係を持ちながら、絵は町内でイラストレーターの方に絵をつけていただきながら原作者と一緒に絵本をつくってきました。こちらも無料で配布をしているんですけれども、これが現物なんですが、こういう形でつくらせていただきました。これが絵本「白い花」です。
 大体具体的な活動というのは今までお話ししたとおりなんですが、最後にゼロ・ウェイストの意味性とゼロ・ウェイストアカデミーの活動ということについて、私なりにまとめて終わりにしたいなと思うんですが、さっきお話ししたとおりゼロ・ウェイストアカデミーの基本姿勢というのは、人づくり、ごみの減量、仲間づくりからゼロ・ウェイストに向けて動くということなんですけれども、よく言われるごみゼロという言葉とゼロ・ウェイスト、我々ゼロ・ウェイストという言葉を少し分けて考えたいなと思っているんですが、いろいろな解釈があると思うんですが、我々としてはごみゼロという言葉は、どちらかというと直接的な方法によるごみ減量であって、いかに減らすかというところが中心的な内容になるのではないかと。それに対してゼロ・ウェイストというのは、ここでは価値とシステムの転換によるライフスタイルの最適化という言葉を使ってみたんですが、いかに暮らすかということですね。一人一人の価値を転換していかないといけない、それと同時に世の中の仕組み自体も転換していかないと暮らしというのは変わっていかないだろうと。
 そのための活動というのが、我々ゼロ・ウェイストアカデミーの中心になってくるわけで、大体先ほどお話ししたところを座標軸でまとめてみたんですが、縦軸になっている外というのは町外向けな活動ですね。下の方へ行くほど町内向けの活動であると。横軸は右へ行くほどマスプロ的な一律的な情報発信、左に行くほど個別の各自に応じたサービスとか情報発信という形になるんですが、例えば情報発信ということなら大体一律的なことになりがちなんですね。講演とかあるいはホームページ、広報折り込みに関してもどうしても一律な情報発信になりがちなんですが、そのあたりを町内向けに関しては戸別訪問であるとか、ステーション見学会で個別に対応していったり、あるいは対外的には展示や実演、フリーマーケットという形で個々人で実際に会ってお話ができる、あるいはお見せできるというところで少しでも補完したいと、プラスこういうようなイベントを外から来ていただいた方に参加していただいているようなそんなイベントを開いて、個別に我々の考えとか活動を実際に見ていただくというような機会をつくっていくように意識をして活動をしております。
 最後のまとめですが、そういうようなさまざまな手段で「内」を固めながら「外」に働きかけていくゼロ・ウェイストを大きなムーブメントにしていきたいと。ゼロ・ウェイストアカデミーまだ設立して1年ちょっとのまだ若いNPOなんですけれども、そういうところがNPOとしてゼロ・ウェイストアカデミーの方針であり役割だと考えております。
 以上です。

○江口議長 どうもありがとうございました。
 それでは、崎田委員、ご質問ございますか。私もたくさん質問があるんです。ちょっと冒頭いいですか。

○崎田委員 では、どうぞ。

○江口部会長代理 この「白い花」って私ね、感銘を受けましてね、やはり絵本をつくる能力というのはすごい文化力だろうと思うんですよ。これは子供たちだけではなくて大人も含めて、恐らく横文字にしたらこの本売れますね。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) ありがとうございます。

○江口議長 恐らく売れます。だから、私は絵本をつくる能力ってすごい文化力で、それが環境教育というのは抽象的なものではなくて、これをつくって実行しておられることに1つ。もう一つは、ゼロ・ウェイストアカデミーというネーミングはどなたがつくられたんですか。これはね、すごいネーミングですよ。つまり日本語が国際語になったんですよね。上勝町ってすごいおもしろいのはコンセプトがすぐ外につながっている、そういう概念になっているでしょう。ちょっとその辺のところを聞きたかったので、いっぱい質問があるんですけど、崎田さん、ご質問をどうぞ。

○崎田委員 では、質問を先に。私もある公共施設、公共の環境学習施設の管理・運営の責任を持っているところがありますので、本当にこういう事業をされるのって、本当に企画運営のところと町の方と一緒にそれをやっていくとか、本当に大変な作業をすばらしいコンセプトをつくってやってらっしゃるなと思って伺いました。それで、もう本当に感動して伺ったんですが、それを前提にいろいろな質問をしますので、お答えいただけるところをいただければうれしいなと思います。
 資料の7コマ目のところなんですが、このいろいろ、今日発表してくださった方も非常に若い方で、理事長さんという方も若い女性でいらっしゃったような感じがして、今こちらの町の高齢化率が47.5%というのが頭にずっとあって、やはりこういう組織にこれだけ若い方たちが生き生きと働いてらっしゃるという、こういう状況というのはこの町にとってはきっとすごく、何か非常に若い人たちが多い部分の活動なのではないかなと思うんですが、こういう若い方たちが生き生き暮らせるような部分をつくることに関して、この町としての基本政策というのが、もしかしたら別にあるのではないかなという気がしたんですが、何かそういうものはありますか。

○江口議長 IT化が進んでいますよね、何でそんなIT化が進んでいるのかなというところに秘密があるのではないでしょうか、いろいろな意味で。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) 上勝町においてのIT化ですか。

○江口議長 他の市町村と比べて進んでいますよね。私こういう情熱とコンセプトを持続する力ね、これ持続は力ということですよね、その辺がどこにあるのかなということが非常に、私の最大の関心ですね、いつも燃焼しているわけですよ。

○崎田委員 あと、どんどん済みません、質問だけ言ってしまいます。それで、あと後半の方でやはりごみ減量ということはライフスタイルだということで、本当に町の方たちの暮らしをみんなで見詰めていくという動きにしてらっしゃる、大変すばらしいと思うんですね。それをどういうふうに現実の環境負荷低減に結果が出ているかというのをどこかでちゃんと把握する視点を持っているのが、こういうかなり公共的な事業を受けているNPOの大事なところなのではないかと思うので、その辺の普及、啓発とか心の部分を大切にしながら、ベースにそういう定量的なところを押さえるという、そういうところをどういうふうに今その2020年ゼロ・ウェイストに向けて何か作戦を考えてらっしゃるのか、その辺をもう少し伺えればうれしいなと思いました。
 あと最後に、最後のページのいろいろ事業の中で内側に向けるのと外側に向けるのという、最後から2枚目、すばらしい表があったんですけれども、これ全体が何か財源的にどういう感じで回っているのかというあたりをちょっと教えていただくと、こういうことを今後外に発信したときにいろいろなことで、もっとどういうふうにしたらこういうことが日本全体に広がるのかというのがより具体的に発信できるのではないかと思うので、是非よろしくお願いいたします。

○江口議長 あとNPOの会員として、上勝町以外の人でもってメンバーというのは大分多いわけですよね、その人たちが資金的なサポートをしているということあるんでしょうか。企業とか個人とか。

○崎田委員 済みません、1つ質問追加です。最終的にこういうふうに取り組まれて、大変すばらしいんですが、やってらっしゃる中でこういう活動を広げるに当たっての課題とか、そういうのをやってらっしゃるからこそ考えてらっしゃることがあると思うので、少しその辺を提案いただけると、今後のいろいろなことに役に立つのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) たくさんご質問いただいて、どこからお答えすればいいのかわからないんですが、まず若い人が生き生きと働いているとか基本政策とか、ITがなぜ上勝において進んでいるかというのは、多分私がお答えするよりも産業課長からお願いします。

○上勝町(花本産業課長) 理事長の年齢言うといたげて。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) そうですね。理事長は70代です。

○江口議長 70代って。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) さっき映されたのは事務局長ですね、済みません。事務局長は25歳です。スタッフ3名は私は36歳なんですけれども、もう一人は41歳の女性です。

○江口部会長代理 理事長お幾つですか。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) 多分、77、8、。

○江口議長 すごいなあ。

○崎田委員 この地域の平均年齢よりかなり、では皆さんお若い。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) そうですね、混ぜたら若い。

○崎田委員 心ももっともっと若い。

○上勝町(笠松町長) 私らの場合、10とったらちょうどいいぐらいです。10歳、10をとって幾らというところかなと思います。

○崎田委員 若いですね。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) では、私がお答えできるところから先にお答えしようと思うんですが、まずごみ減量でライフスタイルだと、現実的な環境負荷の低減をどう図るかということですが、今一番大きな我々でも課題ではあるんですけれども、1つは今のところそういうようなおっしゃったように情報発信であるとか、普及、啓発が中心になっているんですけれども、具体的に何かを起こすことによって、さっきこちらの図でも言ったんですが、ここで言う直接的な方法によるごみ減量というあたり、このあたりに関しても、この後ろの部分とつながる形で進める必要があるだろうということで具体的に始めているのが、さっき少しだけ紹介した「くるくるショップ」というのを、これですね、ごみステーションの方に置いてある不用品の交換の場所なんですけれども、こちらをもう少し進める形にしていって、今のところ上勝町の35分別というのは正直申し上げて3Rで言うと、リサイクルのところに特化した部分なんですね、1つはちょっと言い訳的になるかもしれないんですが、町内での消費を見るとかなり町外からの流入が多いんですよね、特に耐久消費財とかはほぼすべて町外から入ってくるというところで、なかなかその発生抑制のところで仕掛けにくい部分というのはあると思うんですね。でも、そのリユースという点においてはかなり進められる、具体的に進められる場所があるだろうということで、今はその不用品をただ置いているだけなんですが、それをさらに先ほど紹介したこいのぼりのリメイクのような、そういうようなところ、あるいは服をきれいにしたり季節ごとで要るもの要らないものをストックヤードを背後に置いて出したりとか、あるいは売れるようなものにして、経済的にも回っていったり、あるいは売るレベルのものを商品として置けるようにすると、そういうような取り組みをさせていただこうと思っていまして、今度エココミュニティー事業ということでさせていただくことになっています。具体的にはそのあたりから環境負荷を低減できるような、数字に見せられるようなことがやっていけたらいいのではないかと考えています。
 財源的なところなんですが、最後のこれですね、この中で財源的にどうかというのなんですが、多くは町からステーション管理委託ということでお金をいただいているんですけれども、それ以外には助成金申請をさせていただいたりとか、あとできる限りお金がかからないやり方、経済的にもゼロ・ウェイストでいきたいなと思っていまして、フリーマーケットとか出すのも基本的に全部手づくりで自分たちでやってますし、本当にお金がない分知恵を出そうということで、余りお答えにならないかもしれないんですけれども、基本的にはそういうところですね。さっきのくるくるショップのところとかを考えているのも、やはり我々にできる方法で経済的な循環を図れるようなものに何かできないかと、そのうちの一つがそういうリユース的な商品であったり、リメイクの商品ではないかということで、最近では、ふんどしをつくっているんですよ。

○江口議長 パンツは売っていますか。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) パンツのようなものは売っています。そういうところが財源的な補助になっていくと思います。
 先ほどご質問があった会員から資金のサポートがあるのかないのかと、今のところ企業からの献金というか、寄附というのは今のところ大口では受けてないんですけれども、基本的に会費そのものを資金源にしたりとか、時々寄附をしてくださる方はいらっしゃいます。

○江口議長 さっきおっしゃった企業のああいったプリンターのリサイクルですか、それトップにつなげたらばあっと金が出るはずですよ。そういうことやっているのかと、では応援してやろうではないかとなってくるんですよ。これはリバースエンジニアリングですよね、要するにその発生抑制というのは発生するところの設計からもう変えようと、その情報を上勝町からずっとフィードバックするという可能性で、もうちょっと情報をつなげていったら必ずもっと活動も大きくなると思いますけど。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) まさにそのおっしゃるところが、先ほどご質問いただいた活動を広げるに当たっての困っていることとかというところとかなりつながってくるところですけれども、上勝町に我々ゼロ・ウェイストアカデミーが活動しているということが1つは大きな意味があると同時に、逆に不利な点でもあるんですね、不利な点というのはやはり情報発信とか、あるいはそういう外とつながっていくときに関して物理的な距離があったりとか、そのようなところが不利な点ではあるんですけれども、それと同時に先ほど申し上げたようにここにあるからここの暮らしを伝えていくんだというところがあると思うんですね。だから、この今お見せしている表でもそうなんですが、町内のことをせずに町外のことだけするというわけにもいかないんですね。我々が上勝町としてこういう活動をしているから生活を変えていかなければいけないのではないかというのが、やはり一番地に足のついた活動だと思うので、そういう町内での活動と町外での活動とのバランスで。私もそうなんですけれども、事務局長の松岡も町外からのIターンなんですね、だからそのあたりの外との関連性という点については強い部分があるけれども、町内との関連性という点ではまだまだ来たばかりで弱いと、そのあたりのバランスとつながりというところが活動の上で我々が難しいところかなと感じるところです。

○江口議長 ですから報告書に紀村課長のご判断ですけれども、このサマリーをできるだけ環境の報告書に載っけると、こういう囲みにしましてね、写真入りで。そうすると全国版になりますよね。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) そうしていただけると。

○企画課長 循環白書というのを毎年出しておりますけれども、できる限り具体的ないい取り組みについては、例示として取り上げていきたいと考えております。江口委員のお話もそういうことでございましたので、今実は環境白書と循環白書をどうするかという議論は別に討論の場ではなされているんですが、必ずこの3R循環の話については残りますので、どんな形であろうが。非常にいいお話なのでできるだけ盛り込ませていただくような方向で検討させてもらえればと思っております。

○江口議長 是非よろしくお願いいたします、そういうことで。

○ゼロ・ウェイストアカデミー(藤本) 大体そのあたりの町内での活動を広げていったりとか、町外とのバランスをとっていくというところが一番課題かな。あと先ほどでもあったんですが、資金面を今後どのように確保していきながら、組織自体を持続可能なものにしていかないと意味がありませんので、そのあたりが一番今の大きな課題かなと考えています。

○江口議長 それでは、町長何かございますか。

○上勝町(笠松町長) それで、今最初に話があったことなんですけれども、今の資料の中で石川県に渡した資料があるんです。これ見ていただいたら、ここに課題と本町の目標と書いてありますので、ごらんいただけたらと思います。
 それで町の課題と書いてありますが、少子高齢化による人材の不足なんで、実はこの理事長は70、恐らく80歳ぐらいですけれども、事務局長は25歳という、英語もぺらぺらという方が応募していただいて、勤めていただいています。今はまだ九州大学の大学院生なんですが、環境問題で上勝町の方へ、水俣病とか非常に研究されていて、上勝町にたまたままた今回も応援に来ていただいているということなんですが、ここらをいかに確保するかということとか、森林も農地も。これ是非時間があれば、これ済んでからでいいですから見ていただきたいと思いますけれども、今山の中もただことない状況になっています、農地も。これ是非後で映像で見ていただけたらと思います。
 それとか、町財政の悪化と市町村合併、ごみ処理など廃棄物、これが今、今日のメインテーマかと思いますけれども、そういうことでこれでいわゆる地球温暖化と人類のいわゆる生存基盤にかかわる今日の議論は問題かなと。それとか、町内産業の衰退、つまりこれは日本の縮図と言っても過言ではないかなと思っています。
 それで、21世紀どんな町をつくるのかということで、環境倫理に基づく持続可能な地域社会をつくるんですよと、あくまで環境倫理に基づく持続可能な地域社会をつくるというのが、実はこれが上勝町の目標なんです。この将来世代の公平性とか生物と人間の共生、それから安定した経済と雇用、情報、ここには今情報のことね、情報発信と直接交流と。ですから、情報発信するのに今光ファイバーが最も一番なんで、これを実施するということで、ほとんど全戸に引き込みが入ります。それから、すべての活動、人づくりに活かすんですよと、これらが実は21世紀の目標ということで、それの幾分的にやり始めているというところでございます。
 ですから、例えば日本の場合、人材があるかって、ないから例えば今度はフィリピン側が看護師を入れてくると言っていますわね。残念ながら、情けない話なんですけれども、人材がないんです。大学出て博士号をとって、約2分の1が就職できていないと、こんな情けない教育をやっていると。失礼な話ですけれども、現実はそんなことになっておるのかなと思いますが。ですから、このあたりがコンセプトで今進めさせていただいて、ごみの分野で今上勝町内だけで絶対解決しないんですね、このごみの問題というのは。ですから、今世界レベルでの話なので、ゼロ・ウェイストアカデミーというものを設立いただいてやっていただいていると。これは町ではできませんので、町内のことでありませんので、そういうようなことです。
 それからもう一つ、具体的に経費のことを言っておきたいんですが、資料の42ページをお開きいただきたいと思います。この資料で2003年に焼却埋め立てに係る費用が1,936万9,000円、それから2004年に3,000トンで3,030万8,000円云々とあります。この下の方、15年度、16年度、これ見ていただいたら、その下の表で焼却に係るごみの量8万560、それから16年度は8万5,400とほぼ変わらないのに、お金はどんと高くなっています。これは町の職員が2人、実はここへ正規の職員を人事異動してやったところが、びっくりするような金になったということです。これは3,000万円ちょっと超えていますが、ほとんど実は人件費が相当増えたということでこうなっております。今度17年度は4月からゼロ・ウェイストアカデミーに委託していますので、どんとこれ多分下がると思います。もう決算が出ておるのでわかるかなと思いますが、どんと下がると。ですから、市町村が直接やると非常に効率が悪くて、実質中身的にも人事異動でこれ変わってきますのでね。ですから、ゼロ・ウェイストアカデミーに委託しておる方がはるかに効率がよくて安上がりということになるのかなと思っていまして、行政としては非常に助かっていると、ありがとうございます。そういうことでございます。

○江口議長 どうもありがとうございました。
 まだご質問が、私もあるんですけれども、何か崎田さんありますか。

○崎田委員 質問ではなくて、今本当に伺っていまして、こういう民間の活力を生かすという仕掛けで、できるだけ行政コストも削減しつつ、民間の活力もというような形で今おっしゃっていて、非常に町おこし、いわゆる循環型地域おこしみたいな感じで、非常にやっていらっしゃると思うんですが、1つ、私はきっとこういう動きがコミュニティービジネスとして成り立っていくような形に持っていくのがすごく大事なことなのではないかと思いますので。

○江口議長 同感ですね。

○崎田委員 いろいろやっていらっしゃることを、きっと地域全体がエコミュージアムみたいな気持ちで皆さんがやっていらっしゃると思うので、エコツアーでこの地域を訪れてもらって、単に視察をして帰ってもらうのではなくて、じっくりこの地域を体感、体験してもらって帰ってもらうという、それ自体が大事な資源としてビジネス化していくような感じがあれば、何かもっと成り立つのではないかなという気がふといたしました。

○江口議長 私は彩の里という言葉と中身をつくる力を持っていますから、今度は環境教育を具体的にグローバルに進めていくノウハウがうちにありますということだろうと思うんですよ。相当広がりを持つと私は思います。一番大事なことは、今持っておられる情熱を持続させることですよね。続けられると、疲れてもまだやっているという状況をつくることが大事なのかなということですよね。高い目標なわけですね。だけど、それを持続していることがすごく大事であって、それに皆さん感銘を受けて帰るのではないかと思うんですよね。それが循環白書等々に情報を載せて全国に波及させていくということだろうと、実態があるわけですから十分に可能ですね。
 それでは、議事を進めさせていただいてよろしいでしょうか。
 次がこれは株式会社もくさんの企画開発部長の森西様から、今日お見えになっておられるということで、よろしくご報告をお願いいたします。

○(株)もくさん(森西) 私ども株式会社もくさんの取り組みについて報告させていただきます。

○(株)もくさん(森西) 今日は会社が設立された理由、それから我々が取り組んでいる製品、商品の取り組みを中心に紹介させていただきたいと思います。
 まず、会社の紹介から始めさせていただきますが、私どもの会社の経営理念というのが「森林資源を活かし、地球環境の世紀にふさわしい循環型社会をリードする会社を目指す」ということで、この「森林資源」、それから「地球環境」、「循環型社会」、この3つがキーワードになろうかと思います。それで、私どもの会社が設立されたのは平成8年で、今年7月で丸10年を経過いたしました。総勢14名の小さな会社ですけれども、上勝町人口2,000人の町内においては大会社ということになろうと思います。全国で言うならば、全国レベルで同比率で人口が1億2,000万人に対して80万人ということになりますので、徳島県全体がもくさんであると考えていただければいいのかなと思います。つまり、それだけの雇用をしているということです。ここは笑うところなんで、皆さんよく笑っていただければと思います、もう笑うところがありませんので。
 それから、どのようなことをして生計を立てている会社かといいますと、木材、特に地元の杉材ですね、杉材を製材し、加工して販売をするという会社です。簡単に言えばそういうことなのですが、それが大変なことであるということを紹介させていただきたいと思います。
 住宅の設計施工から土木資材まで何にでも対応して、それを供給しております。そのほかには、素材生産部を立ち上げておりまして、森林の育成にも携わっております。つまり、木材については一連の流れをすべて賄っているということでありまして、私どもの会社は森林の番人ということを自負しております。
 工場での加工状況です。特に単品のものだけを生産しているというわけでありませんで、単品といいますか、単一のものを生産するラインをつくりますと、出口ですね、消費というものがストップしてしまいますと在庫がどんどん増えるという形で、そうかといって従業員のことを考えるとストップするわけにはいかないと、泥沼状況になっていく可能性があるので、我々としては単品をつくるということはやめて、何にでも対応できることとしております。ですから、当社の特徴と言えるものは、特徴がないのが特徴と言えると思います。
 ごみ問題は出口を締めるということですが、我々の仕事というのは出口を広げるということに尽きるかと思います。
 それでは、何ゆえに当社が誕生したのかといえば、山の手入れを促進させるということです。先ほど述べた森の番人となるということであります。全国でも同様のことだと思われますが、上勝町では町の方から報告がありましたけれども、土地の総面積の86%が山林であり、その83%というのが先人の努力によって人工林となっております。
 その人工林も輸入材に押されて長期にわたって価格低迷を続けておりまして、加えて林業労働者の高齢化は進んでおりまして、後継者が全くと言っていいほど育っておりません。そのために上勝町の林業というのが業の形態をなしていないということであります。
 それから、戦後植林され、もう木材が伐採の時期を迎えているにもかかわらず、先ほど言った価格低迷のために全く伐採されない状況が続いております。なおかつ、手入れというものもなされておらず、間伐もなされていない状況が続いております。このように美しく見える山も、一歩中に入りますと日光が入らずに下草が生えておりません。土地の保水力がなくなって、雨期には大水、渇水期には水不足となって森林機能が果たされておりません。つまり、これが緑の砂漠と言われているゆえんであります。
 間伐が全く行われず、杉の壁となって全く空が見えておりません。このことが危険な状態であることは誰にもわかることだと思います。ただ、密植して植えた先人たちが悪いわけではありません。密植することは直材、真っすぐな材料をつくるための有効な手段であったわけです。先人たちはこの間伐を繰り返し繰り返ししながら良材を得ることができると考えていったのだと思われるのです。事実、その当時は間伐材、小径木でも高値で取引されたと言います。ただ、今の現在のこのような状況では、一たび大雨に遭えば、このような保水力のない山はがけ崩れを起こしてしまいます。土砂は川を汚して、海を汚しております。この写真のような例というのは、まだ小規模な例です。

○江口議長 いつ頃のものなんですか。

○(株)もくさん(森西) これは一昨年でありますか、8月の台風の状況であります。この上勝町はまだ被害を免れておりますが、隣の町では大被害を被っております。
 それから、土砂が谷川に流れ込んでしまいますと、一緒に樹木が流されておりまして、これを流れを堰き止めて、あふれ出した水流が人家を押し流してしまうというようなことにもつながっております。ですから、これは天災でなく人災であると思われます。ただ、先ほど述べたように、先人のせいではないと考えております。ここで犯人捜しをするつもりはありませんが、それはまた別の話ということで、どのようにしていけばいいのかということを述べさせていただきたいと思います。
 先ほどから言っている間伐なんですけれども、間伐がなされたとしても、利用価値のない、また低価格の材がこのように切り捨て間伐として現地に残されたままになっております。これが先ほど大雨が降ったときには、また谷川へ流れ込んで災害を起こすという環境にもなっております。
 このように打ち捨てられておりますが、40年、50年生きてきて何の役にも立たないまま打ち捨てられているという状況が続いております。まるで我が身を見るようで、切ない気持ちになっております。ここも笑うところです。
 素材そのままでは低価格のため、間伐は促進されません。そこで、当社は付加価値をつけて、そういった付加価値を与えられた製品をつくり出して山に還元させ、間伐を促進させたいと。そのために当社は森の番人だということが言えると思います。
 山側で製品をつくって川下に提供するということは、川上と川下をつなぐ役割があると思われます。
 次に、もくさんが取り組んでいる製品の紹介について紹介させていただきます。
 これはそのうちの一つで、当社のメイン商品でありますKKパネル住宅でありますが、KKパネル住宅という、この名前なんですけれども、これは当社の商品の名前で、工法としては板倉工法というものがあります。板倉工法というのも聞きなれない名前ですけれども、倉という名前のとおり穀物ですとか、それから納屋ですか、そういったものを収納する倉に利用されておりました。したがって、殊さら新しい工法ではありませんが、昔は内部の壁と外壁とがこれ一体のものになっておりました。それと住宅としての機能が入りませんので、これは内壁だけにしております。
 従来は柱に溝をつけて板を1枚1枚落とし込むという、これが板倉工法というふうに言われておりましたけれども、当社ではこれを開良しまして、板そのものでは時間がかかりますので、それを枠組みをして、枠に板をとめつけて、それで柱と柱の間に落とし込む工法というものを考えました。
 このように工場でパネル化して、現場で落とし込むというふうなことで、現場での施工時間ですか、こういったものを短縮させております。
 これが溝ということで、この中にパネルを落とし込むということになります。現場の工程が非常に短縮されます。また、それからあらかじめ工場でこういったパネルをつくりますので、現場では端材、ごみが生じてきません。ごみが生じないということは、逆にごみを運んでいって現場でごみをつくって、また持ち帰るという二重の手間をというか、不合理なことが省かれるわけでございます。
 これは建て込み状況です。建て方時に内部の壁が仕上がっております。壁パネルというものが後面構成をしておりまして、壁の強度が非常に高まっております。
 同じく建て込み状況ですけれども、重機でパネルをつり込んで建て込んでおります。
 建て方がほぼ完了しております。この建て方は、大体土台を据えて3日後には完了します。建て方完了時に内部の壁、天井、それから法板が仕上がっております。
 完成風景です。見学会が行われております。それから、和室の方が映っておりますが、これがパネルが内壁となっている状況です。このKKパネル住宅の施主さんとなられる方には、一つの特徴がありまして、特徴と言われるのは自然派志向の人が多いということです。多いというか、全員がそうであると考えられます。
 完成してから数年が過ぎておりますけれども、おつき合いというものがいまだに続いておりまして、例えば今、千年の森という、先ほど町の方が言いました我が町のシンボルの山であります高丸山というのがありますが、ここの手入れをするために、その方たちも参加してくれたりということが続いております。このおかげで川上と川下がつながっていい情報が得られたということがありますので、そういったこと等もご報告に入れておきます。
 次に、木製ガードレールというのがございます。これは県の主導で開発された商品で、ガードレールということで人命を預かるという意味で、製品化するには高いハードルがございました。
 原木は中目材といって、間伐材でも非常に利用されやすい部分といいますか、2番玉、3番玉の直材のいい部分を使っております。ただ、長さが2mということで、それを切って使うことができるので、多少の曲がり材は使うことができます。
 製材工程ですけれども、まず角材にしまして、背割りの位置を決めて、それから丸太にいたします。下が丸太のロータリー加工をしているところでございます。
 その後、正確に寸法切りをいたしまして、ガードレールの最も大事な強度というものの強度試験を行っております。FFTアナライザーという機械を用いてヤング係数を測定しております。求められている強度というのが5kn/mm2以上のヤング係数が求められております。打撃音の周波数を木材との密度の関係で求められております。この強度試験は住宅の構造材の強度試験にも使用しております。
 次に、木処理の前処理といたしまして、十分乾燥させるわけです。含水率30%以下まで乾燥させます。時間がない場合は、人工乾燥機を使って人工乾燥をかけます。先ほどと同様に住宅の構造材の含水率の品質管理もこれで行っております。
 次に、防腐処理を行った後の検査を行っている状況ですが、防腐剤が十分に含浸しているかどうかという検査を行わないと耐用年数にかかわってくる重要な件になりますので、こういう検査も必要ということになって、こういった品質管理を十分に行ってガードレールを供給しております。
 完成現場ですけれども、機能一辺倒でなく、このような修景として、非常に美しい風景に寄与されていると思います。

○江口議長 これはどこですか。

○(株)もくさん(森西) これは南の方の日和佐のあたりだったと思います。当社の方が、これは一応材料供給だけになっておりまして、施工につきましてはまた別の業者が施工されるということで、今のところは施工までという形のものは多くなっておりません。
 次に、KMウッドブロックというものがございまして、これは丸太と角材の2種類がありますが、擁壁とか花壇とかに利用されております。
 これも製品の工程ですけれども、先ほどのガードレールと同様の工程をたどります。
 これは原木は、末口が140から160という小径木で、ガードレールには少し小径木の方が使用されております。先ほどと同じようにロータリー加工で丸棒に加工いたします。
 先ほどのガードレールでは紹介できなかった人工乾燥と防腐処理の状況でございます。このような工程を経て組み立て施工へと移っております。
 これは擁壁の事例です。これは県南部の方ですね。こういう施工例がございます。現場でコンクリートの擁壁と比較して、美しい景観をつくることができると思われます。
 これは上の例というのは、先ほど言いました丸棒の方です。これも美しいデザインだと思います。
 下の例は、隙間にサツキを植栽しております。春には美しい花が咲くと思われます。咲いておりますけれども。
 それから、上の丸棒を利用したものですね。これは、このタイプというのは、笠松和市の発明、特許製品でございます。
 植栽されなくとも、この隙間の中に付近の植物が生えてきて、自然の状態を回復させるということが可能でございます。
 こういったことも我々の目指すところであります。自然回復といいますか、自然の中、自然のような、自然復帰ができるということですね。
 それから、花壇として利用されている例ですけれども、このような製品を川上へ送り出して、川上と川下のつながりを強くしていくと、また山の役割を知ってもらうという教育の一場面でもあります。ここでボランティアによって植栽をして、子供たちが植栽をして、この中でこのプランターというのは間伐材でできているんだと、山の木がどういうものであるかということを説明させていただきながら、こういった活動も行っております。
 このようにKMウッドブロックというのは、徳島県の認定リサイクル製品としての認定を受けております。
 それから、間伐材を使ったその他の事例ということでご説明させていただきますけれども、これは先ほどの住宅のパネルシステムを利用して公衆トイレに利用した例でございます。杉の香りがよいということで評判を得ております。消臭効果もあるということでございます。
 ほかにも建材として利用できない曲がり材の利用です。このようにベンチの曲がった部分なんかをうまく利用して、建材としては使えないところをうまく使っているということです。
 これは大型の四阿ですけれども、ここにも間伐材は利用されております。野地板とか、そういったところには小径木のものが使われております。
 公園に使用されたパーゴラです。これも一部間伐材が使われております。
 それから、フレームのみでのプレゼン用の施設です。間伐材で短材の2m材をつなぎ合わせた使用例でございます。これも上手に利用すれば、不用材ということには見えないかと思います。
 それでは、どうしても材料として利用できないものも出てくるかと思います。これはダムの流木ですとか曲がり材、それから全く使えない短材、これらをどのようにして命を全うさせていくかということが、一つの最後の手段のことになろうかと思うんですが、そのままにしておくのは簡単なことですけれども、腐敗が進めば環境悪化はもう目に見えてくるかと思います。
 それで、町が取り組んだ事業で温泉のボイラー燃料であるチップの生産について、民間の方に先ほどありましたように、その事業の委託、指定管理制度のような仕組みの募集がありまして、我々森の番人は手を挙げました。うまくその指名を受けることができて、今チップ製造の方を行っております。
 これはチップ化して燃料としているようですが、先ほどの破砕機を使ってダムの流木ですとか、間伐材をチップ化して温泉に納入しております。
 こうやって搬入している状況ですね。サイロに投入しております。
 先のボイラーにつきましては、かみかついっきゅうさんから説明があろうかと思いますので、そちらの方にゆだねたいと思います。
 それから、先ほどの山に捨てられておったような間伐材ですね、それから下刈りをされた雑木、それから庭木の剪定ですね、そういったものを町民に集めてもらって燃料の原料とすると。重さに応じてポイントとなって、ポイントに応じて商工会の発行する商品券と交換するというシステムが発足しております。このことは、また商工会さんから説明があるかと思いますので、ここは割愛させていただきます。
 ただ、そういった雑木ですとか、間伐材の持ち込みはもくさんの方に持ち込んでいただくようになっています。
 これが持ち込まれている状況ですけれども、薪を縛っている縄ですか、そういったものはつるとか稲の縄とか、そういったもので縛るようにと、つまり自然素材を使うようにということで取り決められております。
 この美しい山、それから美しい自然ですね、それからきれいな空気、きれいな水というのは山の人たちの汗でできていたということですね。これからは川下の皆さんと一緒に汗をかいて守り続けていきたいと思っております。子孫のために守り続けたいと思っております。ご協力お願いしたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)

○江口議長 どうもありがとうございました。
 私も山が大好きなものですから、かねてから一番気にしていたのは間伐材の搬出ですよね。

○(株)もくさん(森西) そうですね。

○江口議長 山からどうやっておろして、どういう仕組みでおろしているのか、それ質問なんですけれども、あと崎田委員からもご質問があるかと思うんですが。

○上勝町(笠松町長) その辺は後でよければ、お見せします。

○江口議長 では、質問を先に。

○崎田委員 今のご発表を伺っていて、本当に日本の林業が林業として成り立つようにきちんとしていく、その上で例えば間伐材とか、そういうようなことをきちんと活用したり、エネルギー資源にしていくとか、やはりそういうことが全体が成り立つようにしていくということこそが本当に大事だと思っています。本当にご苦労されてこういう事業をやっていらっしゃるというのを、やはりこうやってきちんと伺うというのは大変重要なことだと感じて今お話を伺いました。ありがとうございます。

○(株)もくさん(森西) ありがとうございます。

○崎田委員 それで、最初のころに林業そのことについては割に穏やかにおっしゃってくださっていましたけれども、私としてはやはりそういうことに関しても、現場からのご提案というのをきちんと発信していただくのが、これからの循環型社会づくり、あるいはそれとともに環境基本計画、あるいは国全体のバイオマス政策につながっていくんだと思いますので、どうぞこういう場ではどんどんご提案いただいていいのではないかと私は思って伺っておりました。
 あと、その上で、現実には、ではどうやって需要を確保するかというか、掘り起こすかというのが、地域の中で物すごく大変なことなんだと思っておりますが、今いろいろな製品を開発されてやっていらっしゃって、こういうおうちをつくられたり、それ以外のいろいろなものをつくられたり、今こういうようなチャレンジでこの町の林業が回っていくような展望が見えているのかどうか。その辺を少し教えていただけますか。林業というか、林業プラスバイオマス資源の有効活用というのが、今こういうような状況を確保されて成り立つように計画されているのかというあたりをよろしくお願いします。

○(株)もくさん(森西) 恐らく町長からもそういったお話があるかと思うんですけれども、我々としては例えばもくさんだけが突出してひとり勝ちというようなことをやっても、林業そのものは伸びていかないと。これはすべての林業の人たちと一緒に手を携えて、使っていただく以外にはないと思うんですけれども、例えば住宅で言えば壁。壁材といえば、皆さんビニールクロスだというふうにイメージをされるわけですけれども、そういったものが人間の体に優しい杉材ですとか、そういった木であるとかというものをイメージしていただければ、そこで、それだけで底上げが始まるわけですね。だから、そういう地道な努力になろうかと思いますけれども、そういうふうに意識が変われば、ひとり勝ちをしなくても底上げがされていくわけですから、それで林業そのものが少しレベルアップしていくのではないかというようなことで、そういった啓蒙といいますか、そういったことを始めていかなければいけない。もう始めてはいるんですけれども、皆さんと木の家づくり協会ですとか、そういったところと手を携えてやっていっておりますけれども、まだなかなかそういうふうに現実問題としては皆さんがそこまでイメージといいますか、そこまでは意識を変えていくところまでは成り立っていないという状況です。

○江口議長 町長から補足のご説明ございませんか。

○上勝町(笠松町長) これを見ていただいたらと思います。平成19年国の骨格予算における要望事項という、開けていただいたらこの2ページ目ですね。平成8年に立米2万3,000円していたのが今実は8,000円台なんです。いわゆるこの9年間に36%ぐらい暴落しました。平成7年1月17日に阪神・淡路大震災があったと思うんですけれども、その翌年に平均単価が2万3,000円、それが中央森林組合の上勝共販では、昨年1立米当たり8,817円です。暴落です。だから、林業は今、業と言うてくれなと、私は言っています。明確に言ったら業として成り立ちません。今世界一安い木材なんです。世界一木材安いんですが、残念ながら労賃は安くありません。世界のトップレベルの労賃です。なおかつ、伐採搬出については非常に危険なので、労災保険料がトンネル工、隧道の次に高いんです。ですから、賃金1万円としますと、1万3,000円余り労災保険に要ります。13%ぐらい労災保険に要ると。このぐらい危険な仕事ということです。ですから、これは日本全国同じです。これ何千年の歴史の中で初めてのことなんです。だから、山の中に鳥獣はすめなくなって、農地にどんどんどんどん押し寄せ、あるいは人家に押し寄せている。最近はクマまでが人家あるいは農地に押し寄せているというのが状況です。上勝のみならず、日本全国同じ状況です。
 で、83%ぐらい海外から木材は輸入していると。この木材たるや、いわゆる原木はほとんどありません。大部分が加工して来ています。例えば、カナダログですと、上勝へも入ってきます、カナダからログハウスの組み立て。向こうで全部切り込めして、こちらへ持ってきたら、単なる組み立てたらいいと、こんなような形で部材化して入ってきているというのが現状です。この原因はいろいろあります。海上輸送は全然石油税はかかっていません。ですから、国内で輸送するぐらいの価格でヨーロッパからも入ってくる、欧州からも結構入ってきている。これが今の木材の状況です。
 それから、次の3ページを見ていただいたら、これは本町の有害鳥獣、もう農地へどんどん押し寄せてきているので、とにかく撃ち倒さないといけない。町の単独で平成16年度は500万円余り使っていて、平成17年度は約400万円ほど使っていますが、これで鹿は16年188頭、17年度は177頭撃ち倒しています。これもし撃ち倒さなかったら大変な、ただごとでない、百何十頭かね、これは。両方合わせた上で2年間で360頭ぐらいいますから、360頭が農地を食い荒らすと、ただごとではない、被害が出ます。これは上勝のみでないです。もう日本全国同じです。ですから、いかに農業が大変かということがおわかりと思います。
 次のページを開けていただいたら、70年生とか80年生の木が実はお金になりません。4ページを開けていただいたら、本当に大変なことというのは、これは70年生の木なんです。しかも、高性能機械。これは後で見せます。高性能機械で林道の周辺で、道路をつくっている周辺で169m3、伐採搬出、売り値が142万6,000円になる、これは市場価格。おわかりでしょう、こういうのを約170m3切って、売り値というか、市場での価格が142万6,996円、実質これが運賃とか搬出費用を引くと14万7,900円しか残らないということです。これ伐採、実は林道がついている周辺なんですよ。これ国道や県道あるいは市町村道では絶対残りません。膨大な赤字が出ます。なぜか。占用許可をとって両方に見張りをつけなければなりません。そうすると、膨大な赤字が出るということ。道がついていてこれですよ。道路がついていないところがほとんどですので、当然やっていかれない。なぜ出てくるか。これは本町の場合は、林道とか作業道をついています。ついていて、いわゆる支障木で出ていると、国が伐採搬出まで補助金を出します。ですから、まだ出てきていると。これやめると完全に出てきません。やればやるほど損すると。
 これ私どもの職員です。中身を全部私は確認させていただきましたが、これが現実ですので、今日本の森林というのは、今の農地も大変ですけれども、木材も買えます、食糧も買えます。ところが、保水力とか大気の浄化能力、他の動植物の生存の場所というのは、幾らお金を出しても買えないということです。これは国民が応分の負担を持って管理しなければ、業としては成り立っていませんので、国土管理という観点から、やはり私どもは去年、実は森林環境税と名前は変えましたけれども、森林環境税をいただいてどんなにかこの森林を管理しないと次世代、大変なことになると。日本はそうですね、こういうようなのがもう10年もしたら、森林荒廃防止法と、森林が荒廃して、にっちもさっちも崩れてどないもこないもしょうがないわとなってから、初めて森林荒廃防止法という、農地が荒廃してしまったら農地法、問題が出てきてにっちもさっちもいかんようになったらするというのではなしに、先に政策として国土管理をというのを、森林を管理する、いわゆる環境管理ですよ、これ国土管理。これを是非お考えいただいたらありがたいと思います。
 済みません。以上です。

○江口議長 1点、私ちょっと変な提案なんですけれども、環境省と林野庁、農水省の、これは環境省の中に僕は林野庁を移管すべきだと思っているんですよ。一体化した施策、具体的には絶対難しいことは知っているんですけれども、やはりやらないと、環境と森林資源の保全というのとはぴたっとならないんですよね。これについての国民的な合意形成、この最後のところの、こういうことについて知らないんですよ。難しいかもしれないがというのをとってしまいまして、すぐにでも効果のあることって書いた方がいいのではないのでしょうか。難しいかもしれないことを書かない方がいいと思うんですよね。だから、これは実行しましょうというPRを町長らしくまとめる必要があるのではないか。済みません、どうも僣越で。

○上勝町(笠松町長) ありがとうございます。そういうつもりでさせていただきました。「難しい」というのをとります。ありがとうございました。

○江口議長 難しいのではなくて実行しましょうと。
 では、ご質問ありますか。

○崎田委員 それで、今のお話ありがとうございます。やはりそういうのをきちっと伺った上で、この循環資源をどうするかということを考えることが大事だと思っています。
 それで、その流れで今本当にこのバイオマス資源をかなりきちんと製品として使うという話と、あと例えばチップ化とかいろいろあるんですが、例えばチップ化するとか、エネルギー活用するとか、今いろいろなところでこういう話があるんですが、その辺の、エネルギー活用というのか何というのか、例えば活用方法としてはもうほとんど需要が見込めているのかどうかとか、その辺の状況を伺いたいと。やはり一応循環の状況をちゃんと伺いたいということです。

○江口議長 つかぬことなんですけれども、やはり中央を通じてマスコミのPR、よく芸能人の人がこういう家に住みたがるんですよ。そういうことも必要かなと。私は何カ所か見まして、あっそこからもここからも来たのかということがあるわけですよね。ですから、そういうマーケティングですね、一方では必要かなという感じがいたします。

○崎田委員 あと、済みません。今中途半端な質問をしたので、1つだけ。実は先ほど生ごみのところで、生ごみを出さないように各家庭で処理機を導入するとかという話があって、結局やはり木と後々は、ではこちらの町全体のエネルギー源をどういうふうに得ていくかみたいな話が町にとっては大事な話になってくると思うんですが、そうすると循環資源を、バイオマス資源をエネルギーにもうまく使うとか、いろいろな選択肢が今後あるのではないかなというふうな思いもして、こういう今バイオマス資源を徹底的に使い切るということで、何かその辺の道筋みたいなものというのかしら、今後の展望みたいなあたりが、その辺のバイオマス資源を徹底的に使い切って、もう少し利用していくみたいな何か展望があれば伺いたいなと思って質問しました。

○江口部会長代理 誠に申しわけないんですけれども、時間が押してしまっているので。

○崎田委員 わかりました。なぜそれを伺うかというと、やはりこれから循環型社会を形成する新基本計画の進捗状況のお話なので、やはりその辺のいわゆるバイオマス資源をこちらではどういうふうに徹底して活用していくように展望を考えていらっしゃるかというのを、最後に一言伺いたいということです。

○(株)もくさん(森西) 上勝町の東課長補佐さんがいらっしゃいますけれども、東さんがそういったことの取り組みとしてバイオマスエネルギー、それからエタノールのエネルギーですとか、そういったもののこれからと取り組みとしていろいろ提案をしております。それから、ペレットストーブですとか、今の破砕されたものをペレット化して、それを何とか各家庭にペレットストーブとしてそれをつくれないだろうかとか、今暗中模索の状態でありますけれども、当然のことながらまだ発展途上ではありますけれども、そういったものを考えているところでございます。

○崎田委員 わかりました。ありがとうございました。

○江口議長 それでは、森西さん本当にありがとうございました。非常に難しい問題に取り組まれておられますけれども、私は感銘を受けました。

○(株)もくさん(森西) ありがとうございます。

○江口議長 引き続き、間伐材に関しては、私も非常に前から関心を持っておりましたので、今後ともよろしくお願いいたします。

○(株)もくさん(森西) よろしくお願いいたします。つたない報告で申しわけありませんでした。

○江口議長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、かみかついっきゅうから副社長の石木様からのご報告ということでよろしくお願いいたします。
 時間が押しておりますので、よろしくお願いいたします。

○(株)かみかついっきゅう(石木) それでは、始めさせていただきます。
 株式会社かみかついっきゅうの石木でございます。随行の松岡と一緒におります。
 株式会社かみかついっきゅうの取り組みについて報告させていただきます。社の設立が平成3年11月25日、資本金8,000万円、営業品目として、観光施設の管理運営、一般貸し切り旅客自動車運送事業、お土産販売等いろいろございますが、従業員が35人でございます。この月ヶ谷温泉月の宿のエコ温泉としてのというような主題で取り組みについてお話させてもらいます。
 ここ月ヶ谷温泉は、四国特有の文化である弘法大師とともに信仰心の心に根差したお接待の習慣があります。弘法大師が上勝を訪れて修業しているときに、万病に効果があると言われるこの月ヶ谷温泉を発見して、地元の人に伝えて広めて今日に至っておるといういわれがございます。この月ヶ谷温泉のエコに取り組んだのは、平成17年2月のリニューアルオープンからであります。多くの方々のご指導をいただきながら、環境に配慮する川、海、空気を汚さない、地球に優しい施設や機器の設置に取り組んで、空気を汚さない、地球に優しいというようなことを主題にしておりますが、まず大きな事業として取り組んだのが木質バイオマスチップボイラーであります。これは、木質チップを燃料にして使用しておるため、重油もたかず温泉水を沸かしております。したがって、重油は使用していないので、CO削減や地球温暖化防止に役立てております。今は500キロチップボイラー1基を稼働させ、温泉水を沸かしておりますが、冬季には既に設置している250キロチップボイラーを稼働させるよう計画しております。
 このことに関連してですが、給湯のエアコン設備を蓄氷型、エコアイスなんですが、エアコンに取りかえる計画がありますが、同時にチップボイラーから屋内まで配管設備を行い、暖房設備を計画しています。温泉水を沸かしていますから、それを屋内を通して部屋暖房しながら温泉水を通過させていきます。
 バイオマスチップボイラー導入により、まず手入れの行き届いていない森林の間伐や枝打ちなどを行い、森林の荒廃を防ぎ、治山治水で災害を防ぎ、河川の流量安定、水質の改善にと、地球環境に貢献、林業後継者の育成や活性化を図るための資金の一部として、1kgあたり、5円を還元して協力しております。
 重油と比較しますと、今重油が値上がりしておりましたので、大変な利幅が出ておりますが、これも林業活性化のために少しでも役立てたらと思っております。
 また、木質バイオマスチップボイラー導入により、地域雇用の創出、間伐材の使用を推し進め、森林・林業の活性化、重油を使わないので二酸化炭素の排出抑制と上勝町内における地域経済の循環による町の活性化が期待されております。
 次に、電力使用の低減化を図り環境に配慮ということで、建物の屋根への散水を行っておりますが、散水により建物内部の温度を約3℃ぐらい低下させて、エアコンの稼働を抑えて電力の使用を低減、そして電気も機械も使わず山からの自然水をモーターやポンプを使わずに、ビニールパイプを引き込み、自然の山の高低差を利用して、強い水圧で屋根の散水をしており、時には小さな虹が出たり、散水しているのを眺めて、県外のお客様は「すばらしい。見るからに涼しそう。だけど、何が目的であるの」とたくさんの人に聞かれましたが、室温が約3℃下がることや、散水に機械もモーターも使用していないことを説明すると、エコに取り組んでいることを大変評価していただき、「都会ではできない。こんなこと考えられない」と言いながら「上勝町ならではの工夫ですね。こんなアイデアができる月ヶ谷温泉はすばらしい。これからもいろいろ工夫してエコ温泉に取り組んでください。期待していますよ」とたびたび励まされました。その効果によりエアコンの使用電力も低下させ、夜間午後10時から午前8時までのことを電力の方では言いますが、低額料金を利用して、蓄氷型エアコンを宿泊棟全館に設置して、夜間氷を製造して蓄え、昼間その氷をエコアイスというんですが、使用しながら温度低下を図っております。
 また、西日が差し込む時間帯に窓の外側より散水して室温の低下を図っておりますが、それを食事しているお客様が見て、蒸し暑いときですが、窓にかかるシャワーカーテンとなった散水に、一服の清涼感を味わっていただき、大変喜ばれております。何かさわやかな気分になったと言って、涼しそうと、本当は少し蒸し暑い部屋の中なんですが、見ただけで涼しいと喜んでくれております。
 建物内の照明は、昼間晴天のときは最小限点灯に抑え、特に廊下、フロアは大変電力を消費し、熱が上がりましてエアコンが余計回るもととなっておりますので、特に気をつけておりますが、午後10時以降はできる範囲の照明は減少させており、お客様にもご協力をいただいております。廊下、フロアの点灯により室温の上昇につながり、エアコンの使用電力が多くなるので、特に気をつけております。というのは、自動的にエアコンは設定したとおり早く部屋を冷そうとするので、電力を消費します。それを防ぐためには、やはり明るさを少し減少させて熱量を抑えます。そして、フロアの電球は一番明るいので、LEDランプにかえて5個取りつけておるんですが、今試験点灯して、熱発生、明るさ、耐用時間の調査をしております。どうしてこういうことをしますかというと、まだLEDランプは少し試験段階でありまして、電球が非常に高い。だから、耐用時間と熱量、明るさ、やはりもう少し調査する必要があります。
 また、チェックアウトした客室は、お客様の忘れ物等確認後、照明、エアコンの点検を行い、むだな使用を極力抑えております。
 次に、宿泊棟施設屋上に設置している月の宿の看板は、LEDランプを使用して、夜の幻想的な雰囲気を醸し出していますが、太陽光発電機で発電した安全な電気を年間を通して使用しており、CO、二酸化炭素の発生もないクリーンな設備とお客様の関心も高く、大変喜ばれております。夜の幻想的な姿は、宿泊いただいたお客様は皆感じておりまして、お褒めの言葉をいただいております。
 また、宿泊棟の周りで勝浦川沿いにある遊歩道の手すりに約300mぐらいLEDランプを使用して、夜の幻想的な雰囲気を醸し出していながら、安全な散策しているお客様の足元を守るため、美しい夜景と省エネルギー効果を上げながら、お客様からも大変喜ばれております。帰ったお客様からも葉書、メールにてお礼の文面の中でも喜ばれ、感激されたとありました。ただ、私たちは少し心からのおもてなしのお手伝いをしただけであって、お金は余りかけたことはないんですが、心から喜んでいただいております。
 以上のような内容でエコ温泉として取り組みの中で電力使用での低減化によりCO削減、二酸化炭素の排出抑制等に配慮して、アイデアや工夫を積み重ね、改良したり新設して努力しております。
 次に、その他のことでの取り組みについてですが、日常活動している中でのことがほとんどになりますが、厨房の中では食器類はできるだけ使い捨てのものは使用しない。それはどういうことかというと、ごみ発生につながるからであります。陶磁器、ガラス製品等を使いごみ発生を抑える工夫をして料理に取り組んでおります。お客様からも器の大切さを教えていただき、料理と彩りを添えて、器も添えておいしく食べていただき、大変なお褒めの言葉もいただくことがあります。というのは、料理は皆それぞれお好みもございますので、ただ感激していただくのは地産地消で地元の安全な安心して食べられるということで好評をいただいており、地元の勝浦川でとれるアユなどは最高に喜んでいただいております。アメゴもそうです。きれいな水でないと育ちません。
 また、厨房内で食器洗浄機に人間にも環境にも優しい酵素配合、天然植物油洗剤を使用して、微生物との相乗効果で油脂及び汚泥を水と二酸化炭素に分解してきれいな水にします。グリストラップにエアレーションキットを設置して、毎日酵素を食器洗浄機に流し、エアレーションで酸素を送り込み、酵素の活動を活発にして、水質浄化に役立て、浄化槽への負担も軽減し、川や海の環境改善に役立てています。浄化槽は1,150人槽を設置しており、膜分離方式といって毛髪ぐらいの細かい膜を通して浄化させております。そして、放出しますが、今現在の最も高い技術での方式と聞き、浄化されているということを、最新式の設備でもあります。
 細かいことにも注意を払いまして、食材納入業者には食材を納入したとき、納品時の段ボール、スチロール等、包装資材を持ち帰ってもらい、ごみ類の発生を抑えております。これは納入業者全社協力いただいております。
 残飯は水切りをして、イノシシの飼料に持ち帰ってもらい、農家の方に大変喜ばれております。これも少しでも余ったものが生かせたらということが、イノシシを飼っている人との交流により実現したものであります。
 使用済み食用油は、産廃処理業者に委託してリサイクル用に引き取ってもらっております。
 また、割りばしは洗って乾かして製紙会社へ持っていき、リサイクル用に役立てております。
 次に、自動販売機がたくさんありますが、その中の納入業者1社に、ご協力をいただいておるんですが、牛乳はびんを使用していただいて、飲んだ後、それを持ち帰っていただき、また洗ってそれを使用していただく、これごみ発生が少しもないようなお願いなんですが、聞き入れてもらって、今現在それをやっております。リサイクルでもない、再使用でごみ処理とかなんとか、そんなのがない、これは少し手間がかかるかもわかりませんが、一番いい方法ではないかと思っております。
 その他の自動販売機では、全部缶をきれいに処理していただく箱がございまして、その箱に入れたら納入業者が来て全部持ち帰っていただいております。だから、散らかしたりすることはございません。清潔な方法で保たれております。
 また、宿泊客の客室やふろ場、宴会場から発生する燃えるごみ、プラスチック等は、34品目に分別して町内の処理施設に持っていき、受け入れてもらってリサイクルできるようにお互い協力しております。
 また、宿泊室のアメニティーセット、いわゆる歯ブラシセットなんですが、男性と女性とは区別がありまして部屋ごとに違います。使用されなかったお客様に、引きかえに月ヶ谷温泉オリジナル製品の環境に優しい台所用石けんを差し上げております。大体販売価格が当店では200円にしておるんですが、これオリーブ油とほかのものをまぜて環境に優しい石けんです。ご使用なければごみが出ませんので、環境配慮に協力いただいたお客様に感謝の気持ちを送って、強制ではございませんからご理解をいただくお客様のみに対応しております。
 私どもが取り組んでいる現在の状況を報告させていただきましたが、何せまだなかなか新しいことといろいろのことが積み重なって、今現在進行中でございます。つたない報告でございますが、ありがとうございました。(拍手)

○江口部会長代理 それでは、引き続きまして、申しわけございませんが、上勝町の商工会の経営指導員の大西様からご説明をお願いしたく思っております。よろしくお願いします。その後で質問させていただきますので、お願いいたします。

○上勝商工会(大西) それでは最後に、商工会から説明をさせていただきます。商工会は、今回、今日は紹介させていただくような事例にこれまでかかわってきた、またこれからの取り組みでいろいろ協力していただく小売業者というのは町内で19店舗です。それに旅館業も含めてですけれども、飲食店が9事業所ございます。両方合わせて28事業所です。そういう小さな規模でやっております。
 資料の方、今日は1枚目の上の方から、過去から現在という形で、そういう流れで説明させていただきます。
 まず最初に、一番上の平成5年か6年ごろなんですけれども、実は私は平成9年からこちらでお世話になっておりますので、その以前でのことでありますので、余り詳しいことはわからないんですけれども、この頃に買い物かごを配布しております。町内小売店舗からお客様へ買い物時に配ったものであります。残念ながらその当時、環境問題自体に対する消費者の意識が低い。それからまた、袋でなくてかごを配ったという点で、割としっかりしたつくりであったということで、消費者が買い物に使うよりほかに使った方が便利やと、そういうお声もあったみたいで、現在のところまだ使っている方は実際におられるんですけれども、ごくごくわずかという状況になっております。
 それから、その後、平成9年から平成12年ごろにかけて、講習会、講演会というものをやってきたんですけれども、一番最初に、平成9年に「地球環境問題とこれからの経営」とかという、そういう大きなテーマでまず最初に環境に対する講演会をやりました。私もこれがきっかけでそういう環境に目を向けるようなことになったものであります。
 資料の1枚目の裏側に、講習会したときの案内なんですけれども、参考にと思いましてつけさせていただきました。
 まず最初は、左側になります。最初、地球規模の環境問題とこの山の中の商売というもの、本当にかかわりがあるのかなって、そういうふうな疑問もありました。しかし、お話をお伺いしていきますと、地球温暖化が進みますと気候に影響を与えると。そういうふうになると、食料品なんかが高騰を招き、それがまた消費にも大きく影響し、その消費自体が減少してしまうと、そういうことにあって、消費自体の方向性が変わる。環境や健康なんかに配慮された商品なんかを好む人が増えてくるのではないかと、そういうふうにおっしゃられておりました。
 上勝町には、今日も湯飲みでお配りしているお茶なんですけれども、阿波番茶という特産品がございます。これは茶畑というような感じのところでつくられるのではなくて、ほとんど自然に生えた状態のお茶、それを無農薬で栽培しております。それがマスコミの影響もございましたけれども、非常に体にいいということで、全国から需要がございます。新茶、8月ごろから出始めたんですけれども、もうわずか1カ月でほとんど在庫がないと、そういう状況になっております。うれしい悲鳴ではあるんですけれども。
 そういうことからしても、その当時講演でお話を聞いた内容、そのもの、そのとおりになってきているのではないかと思います。
 そのときにまた、商売しているとごみがたくさん出ているということは、儲けているあかしでもあると、そういうふうな見方もあったんですけれども、そのときのお話で、これからごみ処理自体にお金が、どんどんどんどんコストがかかる時代になってくるぞということをおっしゃられておりました。まさしくそのとおりになっていると思います。そのときに環境問題に取り組んでも十分儲けることができるぞと、そういうことが導き出されました。
 その次に、右側の松田美夜子さんという方をお招きして講演をしていただきました。世界的にも有名なマッターホルンのふもとのチェルマット村というものを紹介していただきました。私もそのときまでその村のことを全然知らなかったんですけれども、その村の中にはガソリン車は一台も走っていないと、また一回も走ったことがなかったわけではなくて、走ったときに村人たちの環境に対する意識ですね、それらがそういうガソリン車を村の中に乗り入れをさすことを禁止させた、排除させた、そういう動きがあったということで、日本では考えられない状況であった。そのことに非常に驚きを覚えました。
 また、村の中には清掃工場がないと、それからホテルなんかで取り扱っている飲み物等は缶やペットボトルがなくて瓶入りのもので、また再利用ができると、そういうことであって、その当時お話の中で上勝町でも缶やペットボトルはもうこれから置かない、そういう環境の町を目指してはどうかということをお話しいただきました。
 それからまた、国内でも川口市、それから佐賀市ですか、ごみ処理問題が非常に困って、経費が物すごくかかっていた町の紹介もしていただきまして、これからごみ問題に取り組むことの重要性、それから今自分たちに何ができるのかということを考えて行動すること、その大切さを教えていただきました。
 そのチェルマット村というのは、守られた環境の中で年間120万人もの観光客が訪れるということで、もちろんもともとある自然の観光に対する資産というものが違いますから一概に言えませんけれども、やはり環境問題は大事だなということを教えていただきました。
 次に、平成12年9月には、風呂敷の包み方講習会ということで、資料は当時の新聞記事と、これもまた案内になるんですけれども、2枚目の表の方につけさせていただきました。講師には豊田満夫さんという方をお招きしたんですけれども、最近では各方面で風呂敷を見直す声、それから活動なんかも聞かれるようになったんですけれども、また一部若い人には少し形を変えて、おしゃれとしての使い道もあるようなんですけれども、その当時商工会でも環境保護と資源の節約につながることを目的として、風呂敷の包み方の講習会をしました。袋のかわりとして運ぶ役目はもちろんなんですけれども、風呂敷というには、かぶったりとか敷いたりとか、それから覆ったりかけたりと、いろいろな活用法があると思います。そうした風呂敷の便利な部分というものを実感していただいて、見直していただけたのでなかったかと思います。
 その講師の方が風呂敷の収集家ということであって、その講習会の勢いのままに10月に風呂敷展というものを開催しました。風呂敷には、先ほど言うように便利な機能とともに、見て楽しむ美の部分というものもありますから、物があふれて資源が今現在限られたような時代ですので、そういった一枚の布というものを生かす楽しさや大切さというものを見直していただければという思いでありました。
 新聞記事にもありますけれども、このとき商工会ではオリジナルの風呂敷をつくりまして、商店に置くというイベントをさせてもらいました。これがそのときの風呂敷です。上勝の方に三体の月という伝説がありまして、そういうお月さんのデザインをあしらってみました。もう一つは、紫のこういった風呂敷です。これもまた商店に置かせてもらいまして、買い物のときに使ってもらおうということで配らせてもらいました。風呂敷のPRに努めたわけです。
 続いて、平成13年8月、見にくいと思うんですけれども、3R循環型社会のアピールのために、レジ袋に3Rのデザインを施した買い物袋、レジ袋というのを商店に置いて使っていただくようにしました。
 1枚目の真ん中の右側の写真がそのものです。今でもそうなんですけれども、家庭でレジ袋をごみ袋として使っている方、結構多いと思います。そのレジ袋をそのままごみに出されると、これは大変なことになりますので、その袋をそのまま生ごみ処理機に入れて使える、そういう素材を選んで作成してみました。実際のところ、残念ながら電気式の生ごみ処理機とうまく合わない部分がありまして、わずかに配布したところで中止という、残念な結果にはなってしまいました。
 ちょっと間があくんですけれども、平成17年2月にたぬきツーカーへの協力ということで、資料2枚目の裏側になります。当時の町の広報に入った記事でございます。これはかみかつやらん会という組織と、上勝の中学生が取り組んだ事例であって、商店側といたしましては、たぬきツーカーを取り扱うという形での協力ということで参加をさせていただきました。町からの紹介にもありましたけれども、特に中学生が不用品となったものを集めて売るという、GO美箱バーゲンというものがありました。そのときの収益金がこの事業の原資となっているということが非常に大きな特徴であったと思います。
 事業の流れといたしましては、ポイント制で1ポイント、これはたぬきのツーカーということで、1ぽんぽんと呼んでおりました。廃食油、やはり油は何かしみ込ませてごみで捨てると非常に困るものということで、その廃食油1kg持ってきてくれると1ぽんぽん押すと。また、500円ごとの買い物についても1ぽんぽん押すと。それがたまったぽんぽんというものが、この資料の中ほどに特典として書かれておるんですけれども、町のごみ袋、紙ひも、それからリサイクルされた座布団とか、そういったものと交換できるという特典を受けられるものでありました。この事業は商店側、それから消費者の方、双方に非常に好評でありまして、今後楽しみのある事業というもの、こういうことを環境と組み合わせてやっていかなければならないなということかなと思います。
 次に、平成18年7月ということで、地域通貨の実験2への協力ということで、これは第2弾ということですね。これについてですが、資料は3枚目の表になります。これも町の広報に入った折り込みのコピーです。先ほどもくさんさんのところで触れられましたけれども、月ヶ谷温泉のボイラーの燃料の原料となるチップをもくさんで製造しているわけなんですけれども、そこに間伐材、それから未利用材など木材を持ち込めば、1kg当たりに1ポイントがつく。そして、そのポイントが500ポイントたまるごとに商工会から発行している商品券と交換ができると。町内で買い物ができるという仕組みになっておりました。
 その商品券については、資料にあるように、ゼロ・ウェイストマークがあるお店で、実際のところは町内ほとんどの商店となるんですけれども、そこで使用可能となっております。ただ、残念ながら現状で言いますと、そのポイントが1kgにつき1ポイントということで、非常に付与率が低いということで、木材自体の持ち込みが非常に低調であるという状況のようです。木材が持ち込まれることでポイントがたまって、それによって買い物ができる。はたまた、温泉に行ったりすることもできる。そのこと自体が、楽しみが生まれて、またどんどんどんどん多くの木材が活用されるということで、流れは非常にいいと思うだけに、やはり改良されることを願うものであります。
 そのほか、現在、資料1枚目の写真にあるものがそうなんですけれども、町の商工会、なかったかもわかりませんけれども、ごみ袋、それから古紙回収用の紙ひもなんかを各商店から販売をしております。
 それから、ゼロ・ウェイストマークの赤い小旗や商品券の取り扱う印というのを、商品券なんかよく旗立てて取扱店というふうにしておりますけれども、上勝町の場合はこのゼロ・ウェイストマークを印刷した、こういう赤いものを商店に張りつけて、取扱店の印としております。そういうことによって、町内におけるごみゼロへの意識の高揚につながればという形で協力をさせていただいております。
 それからもう一つ、現在における取り組みとして、資料の一番後になると思いますけれども、買い物バッグくるくるの環というものがあります。これは各家庭に眠っている使わない買い物バッグや眠っている布をまず回収します。それをこの資料の一番下の方に主催という形で書いてあるんですけれども、えぃこ倶楽部というものがありまして、そこの方が買い物バッグに生まれ変わらせてくれております。その一部なんですけれども、これは何か着物の袖を使ったらしいんですけれども、こういうバッグができ上がっております。これも着物だと思います。こういうところに、またゼロ・ウェイストマークをつけたりしておるようですね。
 これを今後ということになるんですけれども、これをお店にまた置いて買い物のときに使ってもらうようにするんですけれども、ただ置くだけではまた過去失敗してきた事例と同じ繰り返しになるおそれがありますので、これを使ってもらえるメリットというものを与えなければならないということで、買い物時にこの袋を利用してもらえるとポイントを発行すると、もしくはまた地域通貨の考え方で、こういう地域通貨を発行したり、そういうことでメリットを与えて、使うことの意識づけを行って、継続して使ってもらうことを促す。また、こういうバッグを使わなくなった場合は、またどこのお店でも構いませんので、お店に戻してもらうと。そうすると、また別の消費者の方が使う機会が増えるということになりますので、とにかく無駄にならないような仕組みをつくっていきたいなと考えるものであります。
 最後になりますけれども、今後ということで、地域経済の活性化と環境問題への取り組みの両方ということで、ごみの発生抑制ということを考えると、上勝町ではやはり販売時点、買い物時点でまず抑制しなければならないと。そうなると、やはり商店が取り組ん?でいかなければならないというのは必然かと考えますけれども、やはり商店側にも生活がある以上、儲けていかなければ続いていかない、できないというのも事実だろうと思います。ボランティアという形でやっていきますと、いつの間にか人任せになってしまうおそれもあります。個人商店では大きな投資というものもできません。幾らいい商品であっても売れなければ、それ自体が無駄になる。これは世の常だと思いますけれども。
 先ほどの講演会のところで紹介もさせていただきましたけれども、例えばビール、飲み物、それは缶やペットボトルでなくてびんのものがいいと、びんのものを買いましょうと言っても、消費者にその気がない状態だと、やはり隣町、今車で行けばすぐ行けますので、隣町で買ってきてしまうと。そういうことになると、町内では買い物をされない。ごみはどんどんどんどん持ち込まれて増えていくということで、やるだけ無駄ということになってしまいます。やはり商業というのは立地産業ということで、消費者の動向に大きく左右されますので、そういうことになるかと思います。
 やはり先ほどから紹介させていただいたポイント事業や地域通貨の考え方を導入して、買い物をするとポイントがつく。環境にいい商品にはもっとポイントがつく。マイバッグを持参すると、これもまたポイントがつく。そのほか、もくさんさんの件で見られるように、木材を持ち込んでもポイントがつく。そのほか、これは考えなければならないと思いますけれども、ごみの分別をしてもひょっとしたらポイントがつくかもしれないと。そういうメリットをどんどんどんどん与えてあげると、消費者の方に町内で買い物することにメリットを感じてもらえて、環境問題やごみ発生問題への目が向く意識づけになると思います。やっている商店側も、そういういろいろなメリットがあったら喜ばれますので、やっていると楽しくなってくると思います。
 講演会の紹介にもあったように、環境に配慮した商品が売れるといった環境への取り組み自体が儲けにつながるということが見えてくるかもわかりません。我々はそういうふうなことを望んで、これから考えていくわけなんですけれども、現実的に考えますと、やはりそういう環境先進地と比べて日本というのは環境問題の意識や歴史というものに大きな差があると思いますので、なかなかチェルマット村のようにはいかないと思いますけれども、実現のために地域通貨の考え方をうまく導入したり、また一つの、うちだったら商工会ですけれども、一つの団体や組織だけで動くのではなくて、環境やごみ問題は大きなテーマですので、これまで紹介させていただいた事例のように、各方面と協力しながら取り組んでいきたいと思います。
 以上です。(拍手)

○江口議長 どうもありがとうございました。
 それでは、私のマネジメントが悪くて時間が押してしまったんですけれども、崎田さんから何かご質問があるかとも思うんですが、よろしくお願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。今、お二方すばらしい取り組みでお話しいただいて、本当にありがとうございます。
 それぞれ一つずつ、ご質問させていただきたいと思います。
 最初のかみかついっきゅうさんのところにお聞きしたいのですけれども、17年度のリニューアルオープンから本当にいろいろなことを取り組んでいらして、今例えば皆さんのところ、いろいろなことに今取り組まれていますが、何か目標とか、そういうものをどういうところに置いていらっしゃるか。その目標とそれの達成の道筋としていろいろなことをやっていらっしゃる、それをどういうふうに今プログラムづくりをしているか、その辺の皆さんのお店としてどういう設定でやっていらっしゃるのかというのを是非伺いたいと思います。
 それともう一つ、商工会の方なんですが、最後の方にいろいろお話しされて、かなり地域通貨とか、仕組みはできてきている。仕組みはあるけれども、それを定着させていって、地域の商店街活性化と環境保全がつながるように仕掛けていくのが本当に一番大事だと思うので、その辺を実はお店の方のそういうお考えと消費者がきちんとコミュニケーションしていく、そういう連携と共同の場づくりを広げていくというのが今全国が抱えている一番の課題なんだと思うんですけれども、その辺に関して皆さん今どういうふうに仕組みづくりを考えていらっしゃるか、仕掛けを進めていらっしゃるか、そういうお知恵を是非いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○江口議長 どうもありがとうございました。
 それでは、石木様、お願いいたします。

○(株)かみかついっきゅう(石木) それでは、つたないお答えにはなると思うんですが、目標としてはこれからまだまだ進めないといけないことは沢山あるんですが、その中で今山から水がたくさん流れています、自然水が。その落差を利用して、会社で今これから是非したいと思っていることは水力発電であります。これは自然の水を利用して、いわゆる昔型で考えたら公害がないという、それを利用して発電ができたらという夢を持っております。どうしてそう言うかといったら、私ところの美馬専務?が水力発電を昔していて、自家用に使っていたそうです。私も山に住んでいたもので、近所の人が山の落差を利用して、これも40年も前に水力発電をしておりました。水力発電というのは夢みたいなことであるが、実現もできるのではないかと思っております。少しでも、そして環境に配慮した設備でありたいと願っております。
 それで、日常のことではまだまだもっともっと厳しく取り組まなければと思う心でいっぱいでありますが、なかなか日常の作業に追われて思うようにならないのが現状でございまして、これからますますそういうことには取り組んでいきたいと思っております。
 以上でございます。

○江口議長 それでは、大西様、よろしくお願いします。

○上勝商工会(大西) 今後ということなんですけれども、先ほどもご説明しましたポイント関連のこととか、あれは全部ほとんど期限を切っての一応実験事業ということでやらせてもらっていますので、今実際そういうデータとかもとったりする過程ということもあるんですけれども、実際消費者の意見というのが一番大きな問題になろうかと思います。店側も時には消費者になりますので、その辺全然相反する意見をとっているというわけではありません、上勝の場合はまた人口の少ない小さな規模でやっておりますので、フットワークは軽く小回りはききます。これからも商店側の方のまとまりというのも図っていく段階でありますので、今のところは各小さい地域を区切っての説明会なんかもしたりして、これから取り組んでいきたいと思っております。

○江口議長 あと、紀村課長から何かご感想、お言葉を賜りたくお願いします。

○企画課長 どうもありがとうございました。全般的にいろいろ話を聞かせていただいて、かつ私、今日急用で帰らないといけないものですから、本来、明日皆さんが視察される予定のものを前倒しで見させていただいたので非常によくわかりました。とても先進的な取り組みが多くて非常に参考となるところ大だったです。
 審議の合間に、冒頭町長さんがおっしゃっていた書類の類も全部ざっと見させていただいたんですが、これも非常に貴重な情報がたくさん載っていて大変勉強になりました。
 実際に日比ヶ谷のゴミステーションを見せていただいたんですが、通常、空き缶を洗浄して出してくださいと言っても、まず対応してくれる人は余りいないという状況だと思うんですけれども、この地域の皆さんはモラルが高くてしっかり対応されていることに感銘を受けました。
 もう一つは、家電リサイクル法の審議なんかを今やっているんですけれども、やはり不法投棄の問題なんか大変問題になっているんですが、見させていただいたら、相当崩れてしまっているものすごく古いテレビの残骸みたいなものでさえ、家電リサイクル券がちゃんと張られていて、しかも収集についても自ら持って来られているという話だったので、その意味でも非常にモラルの高さにびっくりした次第でございます。本当に全体を見ていて大変参考になりました。ありがとうございます。

○江口議長 あと、笠松町長から追加的なお言葉、是非いただきたく、よろしくお願いします。時間が押してしまって申しわけございません。

○上勝町(笠松町長) 私は結局、理論的に成り立っていないところ、今の日本のごみの仕組み自体が。世界レベルでこんなことをしたら大変なことになるので、資源回収をというのは単純なんです。良いことをしたら得すると。ですから、このカメラも要らなくなります。ですから、このカメラを買ったところ、扱っているところへ持っていけば、1,000円いただけると。このコップですと、もとを150円で持っていたら10円くれると、こんな仕組みにすればすべて要らなくなるんです、商品が。さらのものでも、おむつなんかも、私は赤ちゃんのをもらったら要らんのです、さらのものでも即ごみになるんです。これはやはり持っていったらお金にかわると。ですから、すべての商品券はいわゆる製造業者が企画設計段階からごみにならない製品をつくると。つまり、消費者が要らなくなったら有価で回収しなければならないと。それを法律で明記して、しかも2030年とか、場合によっては2025年、2040年とか、物によれば、業界と十分話し合いをして、施行年度は決めると、これは実は政策と。今の森林も同じです。それから、こうなると、日本はほとんど原材料で輸入しなくてもいいようなよい知恵がどんどんどんどん出てくると。結果、不足分だけ輸入したらいけると。こんなことで再利用とか再々利用とか、いろいろなすばらしい製品が生まれてくるのかなと思いますので、是非これがいわゆる日本の将来、美しい国日本、あれつくったのが安部さん。あれ反対なんです。反語なんですよ。美しい日本でないから美しい日本をつくりたいということですから、是非この法律を、後でこの環境大臣にも出してありますので、是非ごらんいただいて、これを提案いただけたらありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○江口議長 どうもありがとうございました。
 今日はすばらしい結論をちょうだいして、我々も近いうちにまた循環型社会計画部会を開きますから、その情報なり知恵として持ち帰らせていただきますので、本当に今日はありがとうございました。
 時間が押してしまいまして申しわけございませんが、あとご質問、フォローすることがございましたら、何かございませんか、東課長補佐。
 それでは、この辺で一応クローズいたしますけれども、私個人的に冒頭申しましたように、上勝町に是非来たかったんですね。それで、ヨルダンとかパレスチナとかイスラエルの人たちも来たいと言っているわけですよ。冒頭町長もおっしゃったように、我々アジアという広い地域で考えたときに、日本の小さな町がすばらしいというサンプルは、私は環境外交の基本だろうと思うんですよ。本当に今日はお忙しいところご参加いただきましてありがとうございました。
 この辺で閉会させていただきます。(拍手)

午後5時11分 閉会