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中央環境審議会 循環型社会計画部会・地域ヒアリング(池田町)議事録


平成18年9月28日

午後2時開会

○企画課長 それでは定刻になりましたので、これより中央環境審議会循環型社会計画部会地域ヒアリングを開催させていただきます。
 私は、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部の企画課長を務めております紀村と申します。
 本日のヒアリングの開催に当たりまして、せっかくの機会でございますので一言ごあいさつさせていただきます。
 皆様方よくご高承のとおり、循環型の社会の形成ということに関しましては、循環基本法と俗に言われている法律がございまして、それに基づきまして国が循環型社会形成推進基本計画というのを定めているわけでございます。現行の計画につきましては、計画を定めましてから毎年そのフォローアップを行わせていただいているところでございますけれども、今回、第3回目のフォローアップに当たりまして、まさにここに来させていただいていろいろ地域の実情も踏まえさせていただきながらしっかり審議、検討を進めていきたいと、こういう次第でございます。
 このヒアリングにつきましては、第1回、第2回のときにも行っていたのでございますけれども、今回は第3回ということで、特にやっぱり地元、地域におかれても先進的な取組をされているところということでピックアップさせていただいて、当該の地方公共団体の皆様方はもとより、民間団体あるいは企業の方々の方からどういうふうなお取組をなされているのかということをしっかり承った上で、先ほど申し上げました全体の審議、検討に役立てていこうと、こういうものでございます。
 今回のヒアリングに当たりましては、一連の流れで申しますと、北海道の滝川市のヒアリングをもう終えております。また、徳島県の上勝町のヒアリングを終えておりまして、地域ヒアリングということでは第3回のヒアリングになっております。この後、千葉県の船橋市でのヒアリングも予定しておりまして、そういったヒアリングの成果も十分踏まえたような形で今後審議、検討をしていくという流れになっている次第でございます。
 本日は委員の皆様方におかれましては、ご多忙中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、本日のヒアリングの実施に当たりまして会場の手配等にご尽力をいただきました池田町の皆様を初め、プレゼンテーションをお願いいたしました団体、企業の皆様方におかれましても、ご準備いただきまことにありがとうございます。また、本日参加いただきましてありがとうございます。
 本日は、短い時間ではございますけれども、ご出席の皆様方がそれぞれの取組を発表され、委員の方々と双方向でのインタラクションをとられることを期待しております。大きな成果が上がるということを確信している次第でございます。
 最後に、事務局というよりはむしろ環境省として一言つけ加えさせていただきますと、ご高承のとおり、私どもは循環型社会の形成ということで、まさに今日ご審議いただいているような国内の循環の経済を作るために、会を作るためにどうすればいいのかということで、マクロレベルでのいろんな検討を行っているわけでございますし、加えまして新聞報道等でもよくご高承のとおり、個別のリサイクル法の抜本拡充ということで、容器包装のリサイクル法の着実な施行に向けてのいろんな準備とか、あるいは現在ですと、家電リサイクルとか食品リサイクルということについて検討を行っているところでございます。また国内だけの話ではなくて、国際的にも国際3Rということで、さまざまな施策展開を図っているところでございます。
 一昨日、安倍新内閣が発足したわけでございますけれども、それに伴いまして私ども新たに大臣、副大臣、それから政務官ということで全く新たな布陣になったわけでございますけれども、引き続きまして循環型社会の形成に向けて省を挙げてしっかり取り組んでいくという所存でございますので、今後ともどうぞ皆様方におかれましてもご指導方よろしくお願いいたします。
 ちなみに安倍総理からの指示について大臣の方から聞きましたけれども、ざっくり申し上げますと環境と経済の両立ということで、3Rの話はとにかく重要だからしっかり進めてくれということで、明示的なご指示があったというふうに聞いております。
 新しい若林大臣は、農林水産関係を初めとして施策に非常に造詣の深い方であられまして、この1日2日お話ししている中でも、記者会見等でも出ておりますけれども、循環型社会の形成はとにかく重要だと。とりわけバイオマスとか農林とのリンケージなんかもさらに考えていく必要があるというようなことをおっしゃっているわけでございます。
 今後とも行政サイドとしてもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、ご指導方よろしくお願いします。
 ちょっとあいさつが長くなって恐縮でございます。
 次に、開催地を代表いたしまして池田町の和田助役の方から一言ごあいさついただきます。

○和田池田町助役 池田町の助役の和田でございます。会議の始まる前に一言ごあいさつ申し上げたいと思います。
 今日は大変お忙しい中、そしてまた遠路のところを中央環境審議会の循環型社会計画部会の部会長代理の浅野先生、そして委員をお務めでございます横山先生、江口先生を初め、事務局の環境省・循環型社会推進室より紀村企画課長様ほかたくさんの方がお見えいただきまして、この池田町で取り組んでいる環境向上についてのヒアリングの会を持っていただきまして、本当にありがとうございます。心からご歓迎を申し上げる次第でもございます。
 池田町の環境への取組についての詳細につきましては、後ほど担当者や地域で頑張っておられる団体、そしてまた企業の皆さんからご説明を申し上げたいと思いますが、池田町の取組といたしましては、生ごみ堆肥化の食Uターン事業、ゆうき・げんき正直農業の推進、エコポイント事業など、農業と環境と一体として取り組んでいるところが特徴でなかろうかなと思っております。
 そして、こうした小さな町でございますゆえに、町民が一体となって地道で熱心な取組を積み上げることで、今年の1月には社会経済生産性本部の自治体環境グランプリで環境大臣賞を町と町民の連名でいただいたところでございます。
 今日は、そういう取組につきまして、実際に活動されている皆さんから現場でしかわからない話も含めていろいろお話し合いをさせていただきたいと思っているところでございます。
 そして、これが今ほどお話もございましたが、循環型社会づくりや循環型社会形成推進計画の見直しに当たって何らかの形でお役に立てれば大変うれしく思っているところでもございます。
 今日のこの会が実りある会になりますことをお祈りを申し上げて、簡単でございますがごあいさつとさせていただきます。
 今日は本当にありがとうございます。

○企画課長 どうもありがとうございました。
 それでは、ここで本日の地域ヒアリングにご出席の委員の方々をご紹介させていただきたいと思います。
 まず初めに、本日議長をしていただきます福岡大学法学部教授の浅野部会長代理でございます。
 引き続きまして、淑徳大学国際コミュニケーション学部教授、横山委員でございます。
 アジア環境連帯(ACE)代表、江口委員でございます。
 それでは、以降の進行につきましては浅野部会長代理、よろしくお願いいたします。

○浅野部会長代理 それでは、座ったまま失礼いたします。
 ただいまから中央環境審議会の循環型社会計画部会の地域ヒアリングを始めさせていただきます。
 先ほど紀村課長からもお話がありましたように、政府では循環型社会を形成するための基本計画というものを法律に基づいて作っておりますが、その法律の中で、この計画は、毎年実施状況を点検して閣議に報告するようにということが決められておりまして、今回で3回目になりますけれども、閣議に報告をするための計画の実施状況について点検作業を始めているところでございます。
 点検作業は、各自治体やいろいろな方々からのアンケートのご報告とか、あるいは各省庁からの実績の報告というようなものを受けながら、我々が議論をしてこの計画がどこまで進んだかということを点検するということを続けているわけでございますけれども、その中でも実際に取り組んでおられる方々のお話をお聞きすることがとても大事でございますので、東京でも事業者、例えば鉄鋼とか自動車とか、ものづくりの大きな事業者の方々の代表の方からのお話を伺う、あるいは全国的に活躍しておられる民間団体からお話を伺う。こんなようなこともやるわけでございますけれども、やはり現場に出かけていって生の声をお聞きするということがとても大事なことであるというふうに考えまして、地域でのヒアリングも続けているわけでございます。
 私ども、東京でやるのは中央のヒアリングで、地域でやるのは地方ヒアリングという言い方はいたしません。別に何も東京が中央ではないというふうに考えておりますから。あくまでもそれぞれ全部同じような重みを持ったヒアリングであると考えて、これまで取り組んでまいりました。
 これまではどちらかというと県にお願いしてヒアリングをしていました。そこでその県の代表的な方がおいでになってお話をされるという形が多かったのですが、今回は、直接に市や町にお願いしてお話しを伺おうということにいたしました。今日は池田町というこの地域に徹底的に焦点を当てて、そこでの取組について詳しくお話を伺うということが大事なことだろうと考えまして、このような機会を設けさせていただいたわけでございます。
 審議会のヒアリングというと、ちょっと堅苦しい感じをお持ちの方もいらっしゃいます。今日はそうでもないと思いますけれども。別のところでのヒアリングでは皆さんがとても緊張しておられたのですが、決して堅苦しくお話をお願いしているようなわけではございません。どうぞ気楽に、ざっくばらんにお話をしていただければと思います。
 循環型社会という言葉は、何となくリサイクルというようなことだけを言っているように思われがちでございますが、決してそれだけのことではございません。むしろ地域づくりそのものということをちゃんと踏まえて考えなければいけない。循環型社会形成推進計画の中にもそのようなことを述べております。
 池田町は、先ほど助役のごあいさつにもありましたように環境のコンテストで環境大臣賞を受けられたという地域でもありますから、私どもも大変注目をしているわけでございまして、今日はひとつどうぞよろしくお願い申し上げます。
 進め方でございますけれども、最初にまず池田町の役場からお話を伺う。その後、NPO、NGOの取組という立場でのお話。最後は企業の取組という形でのお話ということでお話を伺うことにしたいと思いますが、一つ一つのお話を聞いてそこでご質問というふうにしますと時間がかかり過ぎますので、最初にまとめてお話を伺って、あとこちらの方で質問をまたまとめて差し上げるということにしたいと思います。
 最初は、池田町のお話と環境Uフレンズの取組、環境パーナーの取組、まちおこし21と4つお願いするというようにお願い申し上げておりましたが、エコポイントについても同じ方からお話をお伺いするということでございますので、エコポイントのお話と環境パートナーのお話をまとめてお伺いすることとさせていただきます。最初は3人の方にお話をお願いしたいと存じます。
 ご質問は、私どもの委員からひと当たり全部質問をまとめて差し上げますので、恐縮でございますがメモをおとりおきいただき、質問が終りましてから、お答えいただける点だけお答えていただければ結構です。委員も少数ですから、皆ざっくばらんに話をしますので、質問にならない質問もあるかもしれませんが、私の方で適当に整理させていただきますのでご安心ください。また細かい数字の話とかいうようなことで、この場ですぐわからないという場合は、それは飛ばしていただいて、後でまた資料をいただければそれで結構です。
 それでは早速でございますけれども、まず池田町の取組について振興開発課課長補佐の溝口淳さんからお話を伺うことにいたしましょう。15分程度でご説明をいただいて、その後次の方からお話を伺うという方法で進めたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。

○溝口課長補佐 振興開発課の溝口でございます。よろしくお願いします。
 本日、お手元に資料をまず用意させていただきまして、池田町からは2点あります。封筒に入っているものと、表紙に茅葺き屋根の家の写真がある「ふつうの暮らしが、あたりまえに残るよろこび」と書いた資料がございます。封筒に入った方は参考資料ということで、また見ていただいて、今日は最初に出しておきました「ふつうの暮らしが、あたりまえに残るよろこび」という資料に沿って、ここにすべて集約されているということで説明をさせていただきます。
 今日説明するみんなのものがすべて入っているので、池田町の環境ミニ白書みたいなことになってございます。
 後でご紹介もしますが、これを作ったのは役場ではなくて、裏書きにも書いてあるんですが環境パートナーの方でこれを作っていただいて、役場はそれに乗っかって今日説明させていただきますので、お礼と紹介を含めましてここで申し上げておきたいと思います。
 池田町の取組の紹介をせよということでございますので、概要、概況からということなんですが、まず4ページを開いていただいて、池田町の概要を紹介いたします。
 読み上げていく時間もないので要点だけ、かいつまんでいきますけれども、まず車で来ていただいたとおり、池田町は山に囲まれておりまして、福井県でも岐阜県境にあって、面積は1万9,472ヘクタールあります。91.7%を山林が占めますので、人が住んでいるのは、窓から見ていただきますと山でない、盆地でいえば鍋底の部分に人が住んでおりまして、農地も450ヘクタールといいますから、正直いうとすごく小さいところに人が住んでおります。
 低いところに足羽川という川が流れておりまして、これは最終的には九頭竜川という川になって東尋坊のある三国に流れるというところになっております。
 人口は大体3,500人、過疎地域の指定、豪雪地域、特定農山村、振興山村、いわゆる条件不利と呼ばれるものは全部いただいておりまして、高齢化率も進んできているという状況でございます。福井県では一番人口の小さい町になっております。
 我が町の農業を含めた産業の状況は、面積的なものからいけば農林業が中心でございますが、実際に経済生産ベースみたいなもので見ると土木建設業みたいなものもございますが、特徴という意味でいくと、ほとんど7割ぐらいの人は農地を持っている、山を持っているということで、農林業というものは産業としてとらえるというのではなくて、自分の一つの財産なり家の持ち物としては何らかかかわっているという土台がございます。
 池田町はそういう農林業というものが、土地なり山なりを持っているというところから農林業と、そこから派生するといいますか、関連をする環境というのでまちづくりを進めていこうということで今まで来ているというのがまず概況でございます。
 5ページ目は、振興計画の6つのジャンルを書いてありまして、これは読んでいただければいいんですが池田町の基本方針を書いてございます。
 今日の大事な環境の話についてのイメージは、もう一枚めくっていただきまして6ページ、7ページをごらんいただきまして、僕の役割は、この全体の構造をご説明することが一つだと思いますが、ちょっと触れたいと思います。
 まず中心に、池田町環境向上基本計画というのがございまして、「人と自然、心がかよう環境理想郷(エコトピア)」と書いてありますとおり、我々のまず根っこのところに環境向上基本計画というのがあります。
 6ページの上の方から反時計回りに回りますけれども、例えばどういうジャンルがこれを構成しているのかというと、地域資源循環型農業というのが一つのジャンルにあり、ゴシックで書いてあるような食Uターン事業のほかいろんなプロジェクトがなされている。
 そして農業という軸足が今度は住民というものを巻き込んでいく仕掛けとしては、黄色い円のところに書いていますがエコポイント事業を初め普及活動的なものもあります。
 そして、先ほどお話もありました資源循環というものについて、農業だけではなくて循環させていく仕組みづくりとして、ごみ減量化の取組を初め、いろいろな池田町としての地域資源を生かした循環の取組がほかにあるというものが6個ほどここに書いてあります。木を使った取組等も書いていますけれども、各種の我々の取組がここに入ってございます。
 ジャンルがもう少し変わって、池田町の景観、環境を守っていこうという分野がピンク色の丸で囲ったところでして、川クリーン大作戦を初め、我々の力でできることをやっていくというような一つの分野がございまして、大体ここら辺が私たちの取組の中でも活動している分野ということになります。
 今度は意識を高めていこう、みんなの気持ちを高めていこうということをするのが、7ページの下、環境啓発イベント・研修と書いていますが、やはり心を動かしていかないとどうしても人の気持ちも変わらなければ行動も変わらないという分野が、ここに書いてあるエコキャンドルのイベント、いけだ環境町民集会というようなことをさせていただいているという分野がございます。
 そのほか、あとは教育との連携とか、さらに今の農業、環境の取組を発展させると何があるのかといったときに、まちづくりであったり食というものの取組であったりするというのを「ふつうの暮らし」を地域の力にと題して書いておりまして、イメージとしては全部で7個のグループがあって、その中の一つ一つのプロジェクトを、正直言いまして3,500人が何かしらにかかわりながらみんなで力を合わせてやっているというのが池田町の状況でございます。
 今日、その中でも役場の方で特に主になっているもの、かかわっているものを各論的にお話をさせていただきます。
 8ページ、9ページをおめくりいただきまして、基本と申し上げました池田町環境向上基本計画がございます。
 ここで申し上げたい点は2点だけでございます。
 中身は別としまして、環境保全とかではなくて、我々の場合は既にいい環境をいただいているという意識の上で、もっと高めていくという考え方で、名前に向上ということをつけて計画を作っているということが1点です。これは池田町の今のよさをさらに伸ばそうというコンセプトで作っていると言ってもいいと思いますが、そのための方法として大抵は行政が何をするかという計画になりがちですが、自助、共助、公助という3つの分野分けをしようと。地域をよくするというのは、やはり住民がどうするかという部分もありますし、行政の責任でやるべきことももちろんあります。この二元論といいますか二分論ではやはり相乗効果が出てこないという部分は共助の力、ここでどれだけのことができるかというのが地域の個性を高めるところだと思いますが、この3つの考え方を常に根っこに置いて、役割分担をしながら連携もしながらというのが池田町の方針でございます。
 中身はいわゆる一通り環境、行動のリスト、地球温暖化防止みたいな話からごみの減量化ということも書いてございますので、ここは考え方だけ押さえさせていただいて、我々の基本的なところにこの計画があるということを指摘して、次に進みたいと思います。
 事業の話に急いで入りまして、12ページをお開きください。
 資料の順序で説明をさせていただきますと、まず食Uターン事業というのは、後でこちらにいらっしゃいます山本理事長からもお話がありますが、食卓から出てきたごみを食卓に戻すので食Uターン事業という名前になっています。
 食卓から出た生ごみを集めて堆肥にして農業生産にもう一度戻して食卓にするという意味では、幾つかのプロセスがございます。これを池田町の場合は役割分担をしてやろうと。
 まず家庭での水切り、分別は先ほどの話でいえば自助の部分で、各家庭の皆さんに頑張ってもらう。出てきたものはだれが集めるのかというと、これは行政にもできない、個人にもできない。そこをNPO法人で担っていただいているということです。集めたものを堆肥にするのには、牛のふんと米どころ池田町のもみ殻と生ごみを合わせるんですが、これはやはり農業の力が要るだろう。そのためには(財)池田町農林公社という活動できる公益的な役割も果たせる企業というか団体がありますから、ここにお任せをしよう。公社が責任を持っていい堆肥をつくれば、その堆肥を使って今度は農業者が環境に優しい農業をすることができるのではないか。農業者が頑張ってできたものは売らなければ意味がないんですが、それをちゃんと売る場所としては、こっぽい屋という場所があります。そういう形で、こっぽい屋で売ったものがまた食卓に戻ってくる。福井市に売ってしまった場合には福井の方の生ごみになりますけれども、そういう循環をしようというのが13ページの絵でかいてございます。
 言ってみれば2つの循環がありまして、物の循環もありますが、地域のいろんな年代別、場所別、職業別の人たちの力を合わせる意味での循環というか連結というのがあって、ここが食Uターン事業がいい形で続いている一つの理由ではないかというふうに役場の立場から見ております。
 これが一つの池田町のいろんな環境の取組の根っこといいますか原点的なもので、力を出し合ってものを進めようという考え方が以降いろんな話の中でも出てまいりますし、そういう仕組みを基本にやっているということでございます。
 食Uターン事業をやったのが平成13年から14年にかけてなんですけれども、そういう取組をいろいろ伸ばしながら、関連する事業の説明を時間の関係もありますのでポイントだけ絞ってやります。
 14ページ、15ページは、ちらっと申し上げました堆肥を作って農業生産をするときに、ただ環境に優しいと言っても仕方がないので、これは町の認証制度を作ったという仕組みでございます。看板を立てて、ちゃんと審査をして、いいものにはシールをはるという制度でございます。
 簡単で申しわけないですが飛ばしつつ行きますけれども、16ページ、17ページは、生ごみを堆肥にするのは格好はいいんですが、おいしくはないです。そこで、食Uターン事業が定着してきた中で、やはりやって楽しい、おもしろい、おいしいみたいなものはないかと思ったときに、菜の花プロジェクトという、委員でもいらっしゃる藤井さんが滋賀県にいらっしゃいますけれども、藤井先生のいらっしゃるところに教えを請うて菜の花プロジェクトをやっています。菜の花を育てて景観もいい、とった種からはおいしい国産、池田町産油ができます。そして菜種かすは実は肥料になります。その油はまた廃油として集めて生ごみ回収車に使えますし、今日駅までお迎えをした公用車にも菜の花の油でとったバイオディーゼルを使っております。そういう循環でエネルギー循環、それから景観、そして食、それから資源リサイクルということを目指して、今1年目の取組ですがやっているということで、今度の10月3日は学校給食の子供たちに食べてもらうという約束になっております。
 これは食Uターンを少し発展させてやってきたものなんですが、18ページ、19ページは少し毛色を変えまして、先ほどのゆうき・げんき正直農業というものは、野菜を中心にやってきたものなんですが、池田の主産品の米というところにも適用しようではないかといって、米づくりにゆうき・げんき正直農業の考え方を入れて、生命にやさしい米づくりと題して取り組んでおります。
 概況はこれを見ていただければいいと思いますが、ポイントの一つは、特別栽培米、環境に優しい農業をやろうということと、その認証に消費者も入っていただいて、田んぼに消費者の方にも入ってもらって、どんな生き物がいるんだろうかということまで一緒にやる。いわゆるただブランド化というのではなくて、作り手と食べ手が一体となって本当にいい米を作ろうではないかという取組をしてございます。
 これが今、農業分野で取り組んでいる内容というふうにしてございます。
 それから、22、23ページを開いていただいて、エコポイント事業は、池田町の方の説明は割愛させていただきますが、後で南部さんの方から説明があると思います。ここにも池田町も少し応援をするという形で入ってございます。
 少し飛ばしてもらって、28、29ページを開いていただきますと、エコポイント事業という大きな事業のわきにもなりますが、町民の普及のための環境家計簿というのを作ってみたり、次、32、33ページに書いてありますが、ごみの分別というものについても徹底するための普及活動にも取り組んだりしています。
 池田町らしいなというのは、木のバインダーを写真にあるように作りまして全戸に配りました。この木のバインダーを開くと穴があいていまして壁掛けにできるんですが、ここに分別大辞典というのが書いてあります。普通、役場のものはすぐ捨てられてしまうものなんですが、これだけでかいもので配ると捨てられずに、ちゃんと玄関に置いていただいて、おじいちゃんが悩んだときにはそれを見てもらうというふうな形でやってございます。
 ごみに関していきますと、34、35は絵だけで恐縮ですが、エコステーションというステーションを設けて、子供たちも参加できる資源回収の拠点施設を作っているという話でございますとか、36、37ページは、役場の中でごみの、特に紙を中心に徹底した分別をしようということで、37ページの表に書いてありますように紙ごみは出さない、紙ごみは全量リサイクルということに役場のスタッフからやっております。男性職員などは苦労しながらでございますけれども、やるうちに定着ができてきたなというふうにも思っているところです。
 池田町としては、そういう形でごみの減量化や意識啓発として、役場としてもやっています。
 あと、少し飛びますが、42、43ページは、ちょっとだけ触れておこうと思いますけれども、木を使おうということについて触れたテーマであります。間伐材、使わないと消費も増えなければ間伐も進まないということなので、池田町では、写真の説明をちょっとだけしますと、43ページの左上の写真は、わいわいドームという町の間伐材をトラス工法で作った屋内体育館。それから上の右側は、木の里工房という木のものを販売する建物。あとは先ほど見ていただきました保育所、幼稚園は木造でございますし、下の方にあるように木の器の商品開発みたいなものもしようかと思っています。43ページの右下の方は、看板もすべて木で作ろうということで、使うことにこだわって取り組んできているというふうな状況でございます。
 断片的でございますが、そういう取組がいろいろとできているのは、最初に食Uターン事業でお話をしたように、やはり力を持ち寄ることができる町だということだと思うんですが、それが一つ花開いたという事例を紹介して締めくくりにしたいと思います。
 56ページ、57ページを開いていただきたいと思います。
 池田町でやっている菜の花プロジェクトでも資源の循環のいろんなプロジェクトでも、リサイクルをしたり地域のものを使おうということなんですが、やはり心を変えていくのには感動があったり楽しいことがあったりしないといけない。そこで廃油ローソクというのを思いつきました。廃油ローソクというのは、簡単にいうと家庭で出た廃油を固めるテンプルで固めて芯をさすだけのものなんですが、それを去年みんなで手作りで1万個作って、まさにこの会場で並べてみんなで見るという、そういう取組をしております。
 57ページの一番上の写真、池田エコトピアと書いてあって、全部は入っていませんが、6,500個の1個1個がキャンドル1つなんですが、それを目の前の駐車場に置いて、ここから眺めてみんなで感動したというのを去年いたしました。これは、その日見ていいなということ以外に、写真をちょっと見てもらうと、竹を割ったり、おじいちゃん、おばあちゃんが芯を作る作業をしたり、子供たちが作ったり、本当にみんなが力を合わせてものをやっていこうということがあって、汗をかいているからこそ、このエコトピアを見てみんなが感動する。ああ、こんなにきれいなものならもっと環境のことを考えようとか、別に環境でなくても、池田って結構いいとこやなと思うことでもいいと思うんですが、そういう意識の変化のきっかけがこういうイベントでできたのではないかというふうに思っております。
 これからの行政というと堅いところなのかもしれないんですけれども、いかに住民の皆さんと一緒になってこういう楽しいとか、やってみようということができるかどうかというのが非常に大事ではないかというのを担当としては感じております。
 ほかにもいろいろありますけれども、先生方見ていただいて、また必要があればご質問に答えるという形にしたいと思いますので、時間もまいりましたということで、役場からやっていることについての紹介を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 それでは、環境Uフレンズの取組について、山本美紀子理事長からお願いいたします。

○山本理事長 環境Uフレンズの山本と申します。よろしくお願いいたします。ふだん生ごみの回収の裏方をやっていますので、今日は大変緊張しております。よろしくお願いいたします。
 私たちの団体は、生ごみの堆肥化事業、食Uターン事業といいますけれども、生ごみをリサイクルする、それの回収作業を担っております。メンバーは大体72名ぐらいいますけれども、年齢層は20代から60代ぐらいまで。最初、役場の方で回収ボランティアを募集したときに手を挙げたメンバーが中心になっております。私も、生ごみの回収だったら私もできるかな、それと表に出なくて裏方だからさせていただけるかなという感じで手を挙げさせていただきました。
 この中のメンバー72名といいますのは、農業をやっている方、主婦の方、また役場の職員の方、会社員の方。年齢もお仕事もいろいろでございます。
 回収活動ですけれども、毎週月水金、週3回になりますけれども、月水金の午前中に町内を全域回って回収しております。各家庭から生ごみを水切りして新聞紙にくるんでいただいて、指定の紙袋に入れて口を結んで、各集落のごみステーションに置いていただいております。それを私たちが集めているという状況です。
 生ごみも水切りしてありますし、紙袋にも入れてありますから、特に余り嫌な臭いとかはしません。こういう方法は町の方でいろいろと、どういう方法がいいかということをしてこういう形になったと思いますけれども、私たちも持ちやすくて、ごみ集めをしているという感じは全然いたしません。もちろん池田町では、生ごみはごみではなくて食品資源。堆肥になって、またその堆肥を使って町内のおばちゃんたちがおいしい野菜を作るということで、生ごみというのではなくて食品資源を集めている、そういう意識で、楽しんで集めさせていただくという感じでやっております。
 私たちは生ごみの回収だけでなく、先ほども言いましたけれどもエコキャンドルにも使っていますが、てんぷら油の廃油、それも月に2回木曜日に回収しています。それは町内のガソリンスタンドに各家庭の廃油を持ち寄ってもらうようになっていますので、各ガソリンスタンドに寄って集めることと、町内の飲食店とかそういうところから出る廃油も集めさせていただいております。
 それから、先ほども言いましたけれども、その廃油を使ってエコキャンドルというイベントにも参加しております。
 メンバーが70人ぐらい。最初は20人ぐらいでスタートしたようなんですけれども、私が手を挙げたときも20人か30人ぐらいだったんですけれども、私たちのやっている様子とか活動とかを見てくださって、私もやらせてほしいという方が増えてきまして、私もお誘いすることもあるんですけれども、私でもできるから、こんないいことやっているのならということでメンバーは減ることはなく、増えてきております。
 生ごみからできた堆肥の名前なんですけれども、土魂壌(どこんじょう)といいますけれども、土壌の中に魂という字を入れたネーミングです。それが堆肥センターで作られているんですけれども、大変人気で皆さんに喜ばれていますし、私らが集めた生ごみが町内の堆肥センターで堆肥になるということが、食品資源のでき上がるまでの過程が町内にありますので、わかるというのか、自分たちの集めたものがこういう堆肥になるということがわかりますし、町内の皆さんにも使われているということは、やっていて楽しいことの一つかなと。
 それから、私なんかも町内で農協なんかで出会ったおじさんとかおばちゃんなんかに「土魂壌ねえちゃん」なんて呼ばれてしまったんですけれども、それほど生ごみを集めて堆肥にするということが町内のお年寄りからみんなに知られている。土魂壌ねえちゃんと言われてエッと思ったんですけれども、「うららもつこてるでの(自分たちも使っているよ)」という言葉を聞いたときに、とってもうれしくなったことがあります。
 それから、私は楽しく集めさせていただいている、集めさせていただいているという気持ちになっているんですけれども、それを自分が何で楽しいのかなと振り返りましたときに、自分の住んでいる町内を回れる。1回に2人ずつ出るんですけれども、メンバーが70人いて当番は2カ月に1回ぐらいしか回ってこないんですけれども、やはり四季折々の池田町の風景を眺めながら町内を全域回れる。ふだん生活していると、町内を見て回ることなんてほとんどないんですけれども、やはり豪雨のあった爪跡のときなんかでも回りましたけれども、そういうときにもいろんな思いもしますし、この冬の豪雪のときも一回も休まず回っていますと、ここに住んでいることの厳しさもありますけれども、こういう中に住んでいることの幸せも感じ取れます。
 それから、やはり私たちの生ごみからできた堆肥が、土魂壌とか土魂壌の液肥とかもあるんですけれども、町民の皆さんに使われていて、安心、安全な野菜が作られている。生ごみを集めていることが町民の皆さんにすごく役に立っているということは喜ばしいことでございます。
 それから、生ごみを集めているということは、循環型農業とか循環型社会というか、そういう取組の中の私が一員であるということはすごく誇りに思いますし、近隣の市町村の方から池田町は頑張っているねという言葉を聞くと、この町に住んでいることが誇りに思えます。そういうことは、この生ごみの回収作業をして感じることができました。
 それをしていなかったら、この町に住んでいることを誇りに感じることは、山の中だし雪は降るし、本当にマイナス要因にしか考えられなかったのに、小さい町でもこのような誇りに思うことができるということは、私たちの心に自信を持たせてくれる活動を町がうまく取り組んでくださったなと感じています。
 地域づくりというのは、町民の皆さんに自分の町に誇りを持って生きていけるようにすることが地域づくりだと思うんですけれども、環境のことでも、「環境の意識を高めてください、高めてください。」と言ってもなかなかできないことを、自然と携わることによって感じ取ることができる。だから私はメンバーをなるべく増やしていって、一回でもその作業をすることによって環境に対する見えてくるものがたくさんあるのではないかと思っています。
 実際、私が本当に生ごみを集めることから、ものを大切にすること、資源に帰る品物を買おうという気持ちになること、それから本当に昔から知恵ある暮らしをしてきたことを見る見方ができたというか、道具類なんかも昔の人は買うのではなくて作り出してきた。それが自然に帰るものを作り出してきたという見る見方が大変変わってきましたので、池田町が取り組んでいることは、行政の方はこういう台本をくださいますけれども、住民が積極的に活動する場を与えてもらって、楽しんでさせてもらえるということは、今、私こういう場に出て本当に幸せに感じております。
 余りうまく話せなかったんですけれども、よろしくお願いいたします。

○浅野部会長代理 どうも山本さん、ありがとうございました。
 それでは、南部さんには後で2つの報告をまとめてやっていただきますので、先にまちおこし21の環境部長の堀口岩男さんにお願いします。

○堀口環境部長 環境部会を取り仕切っています堀口と申します。よろしくお願いします。
 それでは、最初にまちおこし21の成り立ちから説明させていただいて、それから本論に入らせていただきたいと思います。
 実は、まちおこし21を作りましたのは、池田町のまちづくり推進大会というのが年に1回ずつあるんですけれども、そこで今までいろいろな議論だとか問題点だとかそういうのを推進大会のときにいろいろ話し合って解決してきたわけなんです。実際のところ、そこで議論はされるんですけれども、実際の活動に入ってくるとそれがおろそかになって実際はやれないということで、毎年推進大会を行っているんですけれども机上の議論に終わって結論も出ない、次の年にまた同じことを繰り返すというような形になっていたんです。
 それではいけないということで、私たちでできることは何だろうということで、小さなことでいろいろな問題点が起きたときに、それを作り上げていく方法を一遍検討しようじゃないかということで皆さんの方から出てきたのが、このまちおこし21という部会を作ったわけなんです。
 この中には、環境部会と、もう一つは文化関係、要するに現在池田に残っているいろいろな文化財だとか、それからボランティア的な観光関係のボランティア、そういうような強化とか、そういうのをいろいろ含めてやっていこうじゃないかということ。それから今、若者で作る、若者ができるような感じの部会も作っているんです。それが全部で約30名近くいるんですけれども、まちおこしの中で環境に実質携わっているのは7名ほどでやっているわけです。
 その中で、推進大会のときに出てきた言葉が、川が非常に汚いと。正直なところ、池田の場合は上から自然と下へ流れますから、下の方へ、特に福井市のあたりまで行きますと川沿いを渡っていくわけなんですけれども、非常に汚いということで皆さんの方から声が出てきまして、何とかこれきれいにならんもんかねというような話がありまして、それでは池田が元から流れているんだから、ともかく上の方からものを流さないような運動、または集めて処理できるような方向へ持っていこうじゃないかということで、作り上げてきたのがまちおこし21部会です。平成11年にこれを立ち上げたわけなんです。
 そのときの現状を見ますと、会でやるのは人数が限られておりまして、さっきも溝口課長補佐の方からもお話あったと思うんですけれども、非常に町全体の形成が細長くなっております。そうなりますと非常に人員も相当要るわけなんですけれども、できる範囲内というのが、今年は上だけを重点にしようとか、中だけを重点にしようということでいろいろやってきたんですけれども、二、三年は我々でやりましたがなかなかうまくいかない。
 そのときにやってきていろいろ思ったのは、もうちょっと人を巻き込んだ方法を考えていこうではないかということで、区長会の席に出向いて、私の方から頭下げて、実はこういうことをやっているのでということで協力をお願いした。区長会の方から、そういうことをやるのなら区長会で手助けしようじゃないかというようなことで、実質区長会の方がいろいろ携わっていただいて、今現在は各区の方で取り仕切ってやっているというのが現状の形でございます。
 そういうことで、私たちの環境部会でやっておりますのは、川のクリーン作戦展開、それからもう一つは、セイタカアワダチソウの除去。
 それからもう一つは、環境が汚れているかどうかわからないということで、水質調査をしようじゃないかと。水質調査をするなら子供も含めてやろうじゃないかということで、子供も含めて川の水質調査をしようと。川の水質調査はどういうことをするのかといったら、きれいなところにすむ微生物と汚いところにすむ微生物を区分けしながらやっていこうということで、福井高専の大学の先生を講師に招いて勉強会をして、そこで実質どういうぐあいにやっていこうかということでいろいろと立ち上げてやってきたというのが水質調査でございます。それが功を奏して、今現在では、池田学といって、教育委員会の方で作りました池田学というものがあるんですけれども、それは子供を含めた遊びを通していろいろと学んでいこうというような形の中に、私らの会のところへ入ってきて一緒に勉強していくというやり方で今やっております。
 それからもう一つは、セイタカアワダチソウですけれども、これも会員の中に先生が一人おりまして、非常にセイタカについていろいろ公害的な問題があるということで、それをどういうぐあいにして取り組んでいったらいいのかということで、会でひとつ検討してほしいというような依頼がありまして、私らもそういうことで環境に関してやっているんだから我々も携わっていこうということで、セイタカアワダチソウを駆除するという形で。これは外来種だから、増えたら大変だからともかくそれを減らそうということでやっております。
 ところが今現状を見ますと、土木工事なんかやりますとどうしても町内でなしに町外からの土砂の搬入とか車の出入り関係がありますので、どうしてもそれについて種がこぼれたりとか入ってくるということで、なかなか駆除できないんですけれども、今現在は見つけ次第退治するというような形でやってきております。
 そういう形のもので、私たちの方は環境部会をやっているんですけれども、中で私、非常に苦労するというのは、人の巻き込み方が非常に大変だなということです。どういうぐあいにしてみんなに関心を持たせてやればいいのかなということで苦労しているんですけれども、やはりそれは一つ一つ積み重ねていって理解していただくというのが早道でないかなということで、ともかく人の巻き込みを上手にやっていくことをこれから考えていかなければいかんなというのが私のこれからの検討課題に入ってくる問題であると思います。
 それからもう一つ絡んできますのは、経費が非常に絡んでくるわけなんです。あくまでも我々はボランティアでやる場合に、経費というものはどうしても外せないんです。ごみ集めにしても、それをどういうぐあいに処理したらいいかとなってきますと、どうしても搬入すると金がかかるところへ処理をお願いせないかんとか、また清掃組合に依頼しながらやってもらうとか、いろいろなことでやっているんですけれども、それの経費の捻出方法がこれから考えていかなければいかんなと。できたら経費のかからん方法が一番いいんですけれども、どうしても経費がかかってきますから、それをどういう処理の仕方をしていいか。
 当初やったときに一番苦労しましたのが、車の借り上げにしてもお金がかかりますし、ガソリン代もかかりますし、それを処分する費用もかかるということで、どうしたらいいかということで県へ話しかけましたら、衛生関係の方でそういうような助成金が少しありますよということで、じゃそのお金をちょっと使わせてもらうということで実質使わせていただいて処理したという苦い思いがあるんです。そういうようなことで、経費をどう捻出していくかということもこれからの課題ではないかということで、私自身もこれから考えていかなければいかんなと思うんです。
 ボランティアとなってきますと人員が限られるわけです。私たちやっているのは、先ほどお話ししましように環境パートナーにも属していますし、Uフレンズにも属している。一人が三役も四役も負担をしていかなければいかんということで、正直なところ、あっちもこっちもということでボランティアでやっているんですけれども、なかなかボランティアといっても限度がある。仕事を持ちながらそれを処理していこうとなると非常に難しい問題があるので、どういうぐあいにこれからやっていかなければいかんかなというのは会員の方々もいろいろ悩んでいる現状でございます。
 大体私の方からは以上でございます。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 それでは今、お3方からお話を伺ったわけです。本当は環境パートナー池田のお話も関連するんだろうと思いますので、後でまた同じような質問を重ねてするようなことになるかもしれませんが、まずはこの3人のお話について、私どもの委員の方から質問を差し上げることにしたいと思います。

○横山委員 それでは、役場の溝口さんから最初にお願いします。
 いろいろと町の人々の環境意識が向上していると思うんですが、どのぐらい成功したとごらんになっているのか。もうほとんど3,500人ぐらいの人が、ほかの自治体に比べればずっと上なのか、あるいはやっぱりそうはいっても半分ぐらいはそうじゃなくて、なかなか意識向上が難しいのか。その辺のことをちょっと教えてください。
 それから、さらっとうまくいったというような印象を受けたんですけれども、やっぱり相当苦労したのではないかと思いますので、その辺のところ、先ほどお話しにならなかったことで苦労なさったようなことがあったら教えてください。
 3点目、このままいって、これは難しいと思うんですが、10年後の池田町がどうなっていると見ているか。
 その3点をお願いしたいというふうに思います。
 それから2番目に、土魂壌ねえちゃんの山本さんにお尋ねしますけれども、自分たちも現実に生ごみを集めて自信を持ったということで、これも溝口さんに対する質問と似ているんですけれども、そうはいってもスケジュールを組んで、冬なんか寒いときも集めて回るわけで、相当苦労なさったこともあると思うんですが、どういう点一番苦労して、それをどうやって克服してきたのか。その辺を教えてください。
 それから、池田町でそういうように成功していると私も大変思ったんですけれども、例えば大都市の東京とか大阪とか、あるいは福井とかの生活を例えばテレビとかでもいろいろごらんになると思うんですが、そういうのを見て、池田町に住んでいてこういうことをやっている目で見るとどんな思いをしているのか。そういう大都会の人を池田町から見ると、とんでもない生活をしているんだなと日ごろ思っているのか、そうでもないのか。その辺のところを聞かせていただければと思います。
 それから3人目の堀口さんについては、さっき、ほかとのパートナーシップがあるんだと。一人二役も三役もやっているんだというんですが、その辺の難しさというのは何かあるのか。まちおこし21では、まちおこし21で頑張っていると思うんですが、その一方でまたほかのところ、環境Uフレンズさんにも絡んでいるということなんですが、そういう連携についてどう思っているか。うまくいかないところもあるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
 2点目は、行政の方の指導もあったということですが、本音のところで行政をどう見ているのか。例えば本当に今お3方のお話を伺っている限り、行政と団体の方々の関係は非常にうまくいっているように思うんですが、でも本音として、行政にこういうことを頼みたいんだけれどもなかなかその辺がネックで、せっかく住民の方々が頑張っているんだけれども、行政に対してこういう点で不満があるとかいうのがあれば教えてください。
 以上でございます。

○江口委員 私は、非常にすばらしいご発表をお聞きしまして、非常に感動しております。
 今度の新内閣で、美しい国日本というのを見たときに、ぴんと来たのは池田町の、まだお尋ねしてたかだか1時間ほどなんですけれども、非常に皆さん一人一人が頑張っておられる。非常に感銘を受けました。
 まず第1点は、最初に溝口課長補佐がご説明になった環境への取組マップですけれども、このマップのどこからどうスタートさせていくのかなと。つまり、これのエンジンはどういうところにあるのかなということが一つあるんです。これが第1点です。
 第2点は、県との関係ですね。県と池田町独自の、池田学と言っていますけれども、逆にいうと県に池田町を売り込む能力。売り込んだ方がいいと思うんです。必要があれば、僕は補助金をもらったらいいと思うんです。セールスというのは、こういう池田町のマネジメント、環境マネジメントというのを商品化してセールスしていくという必要があるかなということも感じました。
 2点目には、山本理事長、非常に大変頑張っておられて、仕事は、これ個人情報保護法にひっかかるかもしれないんですけれども、どうやって収入を得ているのでしょう。つまり、環境Uフレンズプラス何かお仕事をしておられるのでしょうか。それで、活力の源泉はもともと何があったのかなという、僕個人的な興味がありまして、やっぱりすべての地域おこしというのは個人のエンジンによって決まるわけです。その辺のところで、参加者が72名とおっしゃいましたけれども、年齢構成的にどんな構成でやっているのかなということを一つ感じました。したがって、この活動についてはすばらしいものがあると思うんですけれども、それを持続させていくエンジン、モチベーションをどうやって作っておられるのかなと。組織的にも。それを感じました。
 それからもう一つは、今おっしゃったまちおこし21の報告もすばらしいんですが、これを進めていく一つの限界点というか、資金の問題とおっしゃいましたけれども、何かマーケットとつなげて収入を増やしていくというようなことのお考えはあるのかどうか。つまり、これをやることによるビジネス、池田町ビジネスというのが形成できる可能性が私はいっぱいあると思うんです。ちょっとその辺のところの感覚。
 それから今、横山委員も聞かれましたように、3つのパートナーのコミュニケーションというんでしょうか、エンジンを作っていく、デザインしていくときの協力体制をどうやっておられるのかということについて、全体としてちょっとご質問したかったんです。
 以上です。

○浅野部会長代理 まず、溝口課長補佐に対してのご質問が幾つかあったわけですが、よろしくお願いしたいと思いますけれども、江口委員の質問の中で、県との関係は何か問題がありませんかという点については、私もお聞きしたいと思っておりました。
 それから、今取組は大変うまく始まっているのですが、先ほど横山委員がご質問しましたように10年後の姿はどうなっているかという点に加えて、もう一つ、私からのご質問を付け加えておきたいと思います。それは、この池田町の取組をどのように持続可能なものとさせていこうとお考えか。あるいは、状況が今後変わっていくこともあるだろうから、そのときにはどういう形で必要に応じての修正を加えていく、そういうような修正のしくみのようなものを今からお考えになっておられるかということです。それも含めて10年後はどうかというご質問とお考えていただいてお答えください。
 それから山本理事長に対して委員からお聞きしたことの真意は、個人的な収入がどうだこうだというのではなくて、要するに有償ボランティアということだったので、実際にはどの程度の収入、報酬になるのかということをお尋ねしたということでございます。ご質問の真意はそういうことでございます。

○江口委員 はい、お願いします。

○浅野部会長代理 それから、これはどちらかというと、むしろ町にお聞きした方がいいわけですけれども、池田町では一廃の処理計画はどういう構造になっているのか。これは法的な枠組みとの関係では大変気になるところで、そこをどう処理されたかということ。他の団体に対しては参考になると思いますからお教えください。
 つまり、生ごみは一廃から外しているということなのか、それともUフレンズで回収されないごみは、別途にまた収集のルートがあるのかということです。
 それから、生ごみ以外のごみについてはどう取り扱っておられるかということもあわせてお聞きしたいことでございます。
 それから、後で多分農林公社の方からお話を伺うことができると思いますが、往々にして他の地域でこのような生ごみ堆肥化の取組をしておられる地域での大きな課題は、集まった生ごみの品質の問題です。この地域ではうまくいっているようなご説明でしたし、集め方も紙袋に入れて出してもらうということで上手にやっておられるようですから余り問題はないのだろうと想像いたしますけれども、そうだとするならば、どういう仕掛けを作ることによってうまくいっているのだろうか。よその地域に対する参考事例として発信できる情報があったら教えていただければと存じます。
 それから、堀口さんには、先ほどの江口委員からのご質問はなかなか答えにくいのではないかという気がいたしますが、現実にどのぐらいの費用がかかっているのか。
 それから、ごみを集めた場合には、例えば他の地域ではボランティアによる海岸清掃で集まったごみなどについて全部自治体が、それは特別扱いで無償で処理をするというルートができ上がっているから割合安心して集めることができるんですが、この地域ではどうなっているのか。あわせてお答えいただければと思います。
 それでは、まず溝口さんから順にお答えをお願いいたします。

○溝口課長補佐 うまく答えられるかどうかあれですが、順次お話をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、ご質問の順番に沿ってというふうに思っておりますが、成功している度合いというお話がありました。感覚的なものなのであれなんですが、役場というか、個人的なあれですけれども、大体6割ぐらいのところは十分にあるのではないかというふうに思っています。言いかえれば、合格はしているんだけれども、まだ余地もある、可能性も残っているということでございます。
 その意味は、やはり皆さん大分やっていただいていますし、食Uターン事業というものの参加というのもありますが、言ってみればまだもうちょっと若い世代、つまり池田町に住んではいるけれども仕事は外に行って夜に帰ってくるという世代の方々に対して食い込んでいるかという点においては、まだもうちょっと事業そのものの浸透度は満点であるとは言えないのではないかと思っておりまして、そういう意味では、かなりいいところまでは来たんですけれども頑張る余地があるのではないかというふうに思っています。
 次に、苦労した点はないのかというご質問で、余り苦労を感じない性分なので苦労した点はないということなんですが、考えた点は、要はお金で解決することではなく、力を持ち寄って仕組みとして回していく。その仕組みをどうすればいいのかというところは悩んだというか考えました。要は一番何を悩んだかというと、計画そのものは畜産センターがあって、牛のふんがあります。もみ殻もある。その堆肥センターを作るのなら生ごみも入れたらどうかと。もちろん生ごみは後づけの話であったので、計画上、建物は建てれます。ものもあるでしょう。集めるのがなあというのがやはり入り口で考えた点です。住民の人がそれを、正直言うと畑にほうればいいものをわざわざ集めるって、農村部でこういうことをやるという例も余り聞かないので、本当にできるのか。仮に分別してくれたとして、だれが集めるのかということの2点がやはり悩みの大きな点でした。
 前者については、エンジンの話がちょっとあったのでそのこととセットになるんですが、これ上手になっているように見えますけれども、歴史的なつながりでいきますと、まず池田町の農業と環境の取組は農業が先です。
 まず、こっぽい屋という、つまり売るお店を作っておりますのが平成11年。そして12年に、要はおいしい、おいしいと買ってくれる人たちが勝手に有機だ有機だと言っていらっしゃいまして、池田町は有機でも何でもないのに皆さんが有機だと言うから、金メッキがはげてはいかんから金メッキは金にしなくてはいかんということで、池田町も皆さんの期待にこたえる形でゆうき・げんき正直農業をやった。そしたら、有機農業とか環境に優しい農業をするのに土がないじゃないかと。そうしたら、やっぱり牛ふんだけではなくて生ごみも入れて堆肥にしようという順番です。
 そのときに、今まで池田町のこっぽい屋というアンテナショップ、産直ショップというのは、言ってみれば家のおばあちゃんが作っていた野菜をおすそ分けするような感じで出すというお店なんですが、今までおばちゃんたちがある面作り過ぎて、こんな大根要らんわと家で言われていたものが、福井に持っていくと、ああおいしいと評価してもらえる。おばちゃんたちはそこで目からうろこといいますか、今までは虐げられたというと言葉があれですけれども、あんなにおいしい、おいしいと食べてくれるということですごくやりがいが出た。
 笑い話で、こっぽい屋が繁盛して一番もうかったのがパーマ屋さんだと。こっぽい屋に行くのにおめかしをして、お小遣いを持って、自分のお金で動けるようになったみたいな。そういう形で、ある面活力がおばあちゃん、おばちゃんたちに生まれていた中で、そのおいしい野菜を作るためには土づくり、土づくりのためには堆肥が要るよね。堆肥のためには皆さんが結局、分別してくれないとだめなんですよという仕掛けができた。
 普通は逆から始まるものなんですが、出口から、川下から来たというのが、人が楽しい、おもしろい、だから次、だから次という順番になったのが、エンジンに対するお答えでもありますし、今言った一つの仕掛けの苦労の点をクリアしたところでもあると思います。
 もう一つは、集めるのをどうしようというのは、ボランティアを募ろうという安易といえば安易なんですが、小さい町ですので役場の職員も入ってみんなで集めてみるかというテスト的な取組をやっている中で、紙袋を使うというアイデアは栃木県の野木町というところからいただいているんですけれども、断然見た目がきれいなんです。長井市というところにレインボープランというのがあって、あそこは漬け物おけで集める。見にいきましたけれども、とてもまねできない大変さだったんですけれども、紙袋でやると当初は野菜売りに来たのかと言われるぐらいこぎれいになっているので、これなら集める人は苦労しないだろうという思いもあって、ボランティアの人と一緒に楽しくやろうじゃないかと。
 13ページの左下の方にトラックの写真、黄色いシャツを着た女の人が乗っていると思いますが、このちょっと見た目楽しいトラックに乗って町内をドライブがてら運転するというのが、ボランティアの精神がある程度あれば、楽しくしてもらえるのではないかというのは、後づけの理由ですけれども思いました。
 そういう点で、苦労した点を乗り越えるという点は、やっております。
 10年後の話は最後の話にさせていただいて、幾つか実務のご質問があったと思うんですけれども、一つは一廃の関係といいますか、廃棄物処理の関係ですが、広域組合がございます。南越清掃組合というのがありまして、駅でおりていただいた武生、今の越前市を含めたところを中心として広域処理をしておりまして、そこに持っていっていただいている。分別区分は、燃やせるごみ、燃やせないごみで、あとは資源回収なんですけれども、生ごみも、正直いうと何割かの人は燃やせるごみの日に出している人もいらっしゃいます。あくまでもこれは資源回収という位置づけで僕らやっているので、呼びかけて賛同して出してくれる方の分を集めているということなので、ぶっちゃけた話、向こうの計画に何も変更を加えていません。池田町で始めて池田町でやっているということでございます。
 それと、県との関係にもちょっと絡む話なんですが、当初福井県の場合は、やはり生ごみを減らしていくのは全国的にも問題で、どうするかという議論のときに、家庭用の生ごみ処理機を導入しようではないかということで全県下補助金を出されたんですが、正直、機械の五、六万円するやつを入れても機械が壊れたらおしまいだなというのもあったのと、もともと池田町は機械を買うほどのことではないので、入り口のところで、特に食Uターン事業についていけば、県は一応全県域でそういうことを思ったんですが、我々は田舎なので田舎らしいやり方でしようという意味では、独自路線を行こうということに決めた。
 それをじゃどうするのかという答えに対しては、池田町としては独自のやり方で集めますよという一つの企画を立てて、こっぽい屋事業といいますか農産物の販売の事業のある程度成功の波に乗って、この事業を池田流といいますか、そういうやり方でやってきているということになります。
 あと、一廃の話になってあれですけれども、ボランティアとして回収されたごみについては、質とものによるんですけれども、いわゆる燃やせないごみと言われているものは普通の回収で集められますが、この田舎に落ちているごみというのは言ってみれば農機具とか、行政ももともと扱わない巨大なものとか、廃タイヤとかとんでもないものがあるもので、それが出てきたときに、堀口さんとか頑張ってやっていただいて拾ったはいいんだけれども、どうするの、というのが正直、僕らも放置された車みたいなもので大きいものの処理というのは悩むことがあります。川の上流から流れてくるにしても、重機といいますか大きい機械類みたいなものなんかは本当に始末に困るということはよくございまして、そこはまだ課題ということだと認識しています。
 最後に、10年後の池田町がどうなっているか、非常に難しい質問で答えがないのですが、自分が今思っている方向性ということで、72ページと73ページをごらんいただきたいと思います。
 やはり農業と環境だけでは食っていけない。食っていけないことはないんですけれども十分ではない。先ほどちらっと言ったんですが、おいしかったり楽しかったりする要素が人の力のもとだろうと。そういう意味では、一つの柱としては農業、環境の一つのブランドがあるのであれば、食というものに真剣に取り組むタイミングとしてはいいのではないか。
 食といったときに、グルメの食ではなくて、地域の有機の素材、そして地域の農村文化のこもった食文化、そして言ってみれば農薬を使わないのと一緒で、化学調味料、そして添加物を使わない本当の料理。それにおもてなしの心の3点をそろえた食の取組ということを進めていくことで、今度は中の人だけではなくて外の人も、おいしいね、楽しいねと言ってもらえるものを提供していく。言ってみれば観光とまちづくりと、そして農業、環境をつなげていくようなことができるならば、もう一つ次のステージが見えてくるのではないか。
 もう一つは、こういう食の取組と先ほど菜の花の話をしましたけれども、いわゆるここで環境にいいことをして出てくるものを商品にして、食べられる、買うことができる、アクセスできるものをどれだけ開発する能力を僕ら自身が身につけてやっていくか。それによって池田町産の菜種油というものが、おいしいね。でも、あの菜種油を作っているのは環境Uフレンズのみんなと農林公社の人たちが頑張っているらしいよねというような、そういう頑張っていることがうわさだけではなくて物として結実するような、そういう商品開発のセンスみたいなものは、今あるとは言えないんですが、身につけていきたいなと。ご指摘になったビジネスモデルではないですし、でもそういうセンスをセールスする、マネジメントする能力というのは、役場にいて今一番欠けているなと自分自身思いますが、そこら辺は課題として今思っているんですが、そこを乗り越えていくと道も十分にあるのではないかというふうに感じています。
 十分でないかもしれませんが、一応以上でございます。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 それでは山本さん、お願いします。

○山本理事長 私たちのUフレンズの組織のことがちょっと説明不足だったところはあるかもしれませんけれども、食Uターン事業で生ごみを回収する部門を担っていますので、農林公社の方で堆肥センターとか管理していますし、環境Uフレンズが運営しているのではないところがあります。役場の方が食Uターン事業というこういう事業をやってくださって、その回収する部門を募集したときに応募したメンバーのグループが環境Uフレンズということで、私たちは回収作業に出るだけのことなので、苦労と言われても特にないといったらいいか。
 また、農林公社さんの方が事務局とかやってくださっていますので、メンバー70名いますけれども、急に出れなくなった方とかが出た場合に、次の人に頼んだり交代してもらったりというところにちょっと苦労なさっている部分があるのではないかと思います。
 メンバーの中に役場の職員さんもおりますし、会社員の方もおりますしと言いましたけれども、役場の職員さんは午前中半日なんですけれども、出るメンバーの方は、池田町内のこういう取組に参加するということで職務専念義務の免除か何かの扱いになっていると思います。会社員の方は午前中、半日休むようになりますけれども、自分の当番が回ってくるのは2カ月に1回ですから、出たとしても年間6回ぐらいなんです。都合が悪かったらかわってもらうというやり方ですから、必ず出なければいけないという、そんなあれはないと思います。あとは主婦の方とか。
 私の仕事のことですけれども、会社員で、私は親が経営していますので自営業的なもので、意外と休みやすいといいますか。今日は回収だから休ませてほしいということで。そういう部分もあります。
 メンバーの構成からいいますと、そういうので回収に出る人の苦労というのがあるかなと思います。休んだ場合とか急に交代しなければいけないという部分で。
 私、苦労というよりも悩みと言った方がいいんですけれども、回収作業のボランティアは裏方だと思っていましたら、こういうところに出るのが悩みです。今やはり池田町はこういうことで注目を浴びていますので、お話ししに来てほしいとか、こういう機会があったら出てほしいと言われるのが、作業の労力はいいんですけれども、頭を使うというのかこういうことの、お話しするといえばやっぱり言葉とか文章を考えなければいけないとか。本当を言ったらこれが悩みです。このスタッフになっていることによって。
 それから、悩みというよりも、やはりメンバーがたくさんいて、こういう事業をやっているということで満足してはいけないということを町長さんに言われました。私はこんないいことをやって、池田町はうまく進めたなと思っていましたら、それだけで満足してはいけないと言われたんです。じゃ私はどうしたらいいのかなと考えたときに、やはり先ほども言いましたけれども、一人でも携わる方を増やしていきたい。土魂壌を使ってくださる方であったり、生ごみを出してくださる方であったり、集めるメンバーであったり、そういうことに携わってくださる方を増やしていくというか。そういうことを声かけであったり、回っているときに出会った人には常にあいさつしたりとか、住民同士の連携というんですか仲間意識というんですか、そんなのを私はしていく役割ではないかと自分で思っています。
 それから、都市への思いということを聞かれました。私、単純に言いまして、都市は遊ぶところで住むところではないという感じなんです。都市は遊びに行くところで住むところではないという感覚です。
 何に関して一番思うかというと、食べ物に関して。自分の子供が金沢と神戸に住んでいるんですけれども、24歳と30歳です。仕事で住んでいても食べるものはコンビニで食べているという感じです。仕事を一生懸命していると、なかなか自分でおいしいものを作っていられない。近くのところで買ったものを食べている。でも子供は体の調子を悪くしている。本当に仕事を一生懸命やれば食事がおろそかになって体調を崩しているような状況です。子供に聞くと、家へ帰ってきたときの食べ物はおいしい、おいしいと。当たり前の普通の昔から食べているお米であったり芋であったり豆であったりというものが、帰ってくるとおいしいと。私はいつも口に押し込んでいるだけだと言われたことで、私は、ここに住んでいることの当たり前のことを再認識するような、子供に教えられて田舎で作っている食べ物がこんなにおいしいのかと改めて感じたことです。
 当たり前のこの風景も、子供が帰ってきて「お母さん、日本の原風景やの」と言われたときに、田んぼと山とある風景が子供から見たら日本の原風景だと。それがまた本当にこんな山の中でと先ほど言いましたけれども、都市と田舎に対してはそう感じています。
 それから、72名の年齢構成と言われましたけれども。

○江口委員 72名の方がどんな形で参加しておられるのかなと。普通、仕事を持っておられるわけでしょう。土日とかそういうところで参加しておられるのか。

○浅野部会長代理 それはもうさっき説明があり、月水金でしたね。

○江口委員 それに参加できない人はだめなんですか。

○山本理事長 仕事を持っておられる方は、年1回でも参加するという会員さんもいまして、月曜日が祭日に当たった場合とか水曜日が祭日に当たった場合、金曜日が祭日になったときはさせてもらうというメンバーの方もいます。11月の文化の日のときとか年末年始であったりとか。そういうときに休みになったら出させてもらうというメンバーの方もいます。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 それでは堀口さん、お願いします。

○堀口環境部長 それでは、ボランティアの連携についてという質問でございました。私自身は別にあちこち二また三またかけていても問題はないんですけれども、一応環境に関してのいろいろな討議とかそうことをやっておりますから、かけ離れたボランティアとはちょっと違いますから、大体よく似たような環境でやっておりますから大体話は通じるところはあるんです。
 でも会員の中には、私はまちおこしだけでいいんだと。私らの方は正直な話、実践部隊なんです。実質行動に結びつけていこうというやり方で、机上の理論ではないんです。そこら辺がちょっと違うかなということで、ボランティア的なことを中心でやっております。
 会員の中には、ほかの会へ入っても嫌やといういろいろな問題点もありますから、それはそれなりで私はいいのではないかということで、連携については私、問題はないのでないかという感じを受けております。
 正直な話、私らの会は月に1回ずつ勉強会は常にやっておりまして、交流を深めていて、例えば今いうように環境パートナーでいろいろやったことを説明したり、またそれに対しての実践に携わるときには声かけをするというような形で、お互いに声をかけ合いながらやっておりますから、連携については支障を来すということではございません。
 それからもう一つの行政に対してのいろいろなお願いというんですか、そういうようなことについてはどうだということを言われるんですけれども、これについてもいろいろと町長だとか環境室との交流もありまして、いろいろと話し合いもできておりますし、そのときにいろいろな要望だとか行政のやり方、考え方なんかも私ら聞いておりますから、大体そういうようなことは問題なしに、行政に対しての不平不満は今のところございません。
 あるといえば、いろいろと個人的なこととかそういうことはありますけれども、そんなことは別問題として、大まかなことは別にこういうことはなしに、交流しておりますから問題はないです。
 それからもう一つの経費の問題ですけれども、経費も全部が全部負担しているわけではございませんので。これは教育委員会の方から出てきたりとか、建設省の方からこういうような経費があるから使ったらどうかというような依頼もありましたので、建設省からのそういうものを使ったりということで、今はどうにかこうにかやりくりしてきております。
 そういうことで、これからの課題としてどういう方法を歩んでいったらいいのかということは、これからもう一遍考えていかなければいかんのでないかなと思っております。
 以上です。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 ボランティアは実際、経験をしてみると、おっしゃるとおり多くの人に関心を持ってもらうということが一番難しいとおっしゃったのですが、本当にそのとおりですね。でも、だれかがやらないと動かないということがあるので、やっている姿が人を動かしていくということなのだろうと思います。今のお話を聞いていて、そう思いました。ありがとうございました。
 それでは、あとお2方からご説明を伺って、再度また私どもとの意見交換をしたいと思いますが、5分間休憩をさせていただいて、40分から南部さんのお話を伺います。

〔休憩〕

○浅野部会長代理 それでは再開をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 では、環境パートナー池田の理事の南部優子さん、それからあわせてエコポイント事業実行委員会の南部さん。2つの肩書ですから2つのことをお話しいただきたいと思いますので、持ち時間は合計30分あります。30分全部しゃべるのが大変なら、早目に終わったら大歓迎ですけれども。どうぞよろしくお願いします。

○南部理事 環境パートナー池田理事の南部と申します。よろしくお願いいたします。
 たっぷり倍もお時間いただいているんですけれども、とりあえず環境パートナー池田が立ち上がりましたいきさつをお話しすることで、この団体が池田町の中でどのような存在、位置づけにあるNPOなのかということをご説明させていただきまして、その後、環境パートナー池田として主に行っております活動を簡単に4つありますので、さらっとご説明を申し上げた後、エコポイントを集中的にお話しするという形をとらせていただきます。
 資料として参考にしていただきますのは、団体紹介が入っております78ページです。ここにUフレンズさん、パートナー池田、まちおこし21さん、このような簡単に箇条書きにまとめさせていただいたページがありますので、そこを見ておいていただきますと、かなり早口でしゃべると思いますで、理解していただく助けになるかと思います。
 環境パートナー池田ですけれども、ここに書いておりますように環境向上計画を立てるために役場の方で、去年解散したんですけれども環境向上推進室という環境を中心に扱っていたチームがあったんですけれども、その推進室の方から一本釣りされまして100人集まりまして、町内の住民が100名寄りまして池田町の中の環境のこれまでとこれからを考えるというような会議を持ちました。大方1年間、10カ月ぐらいでしたか集まりまして、その会議のときにまとめたものが環境向上計画の母体になったものです。最初のところにありました環境向上基本計画というのが連動しているんですけれども。
 町民の立場からどのようなことを具体的にしようかというのをいろいろ考えました。チームを6つに分けまして、土、緑、水、大気、生態系、暮らしそのもの、ごみの問題だとかそういう暮らしというような形で分けました。それぞれに20名弱メンバーがいて会を持つという形で進めまして、合計延べ80回か100回ぐらい会議を持ったりして、そういうものを作りました。それを町長に提出しました。この辺の話は、8ページのところにあります。100人のパートナー会議の話がちょっと載っています。
 ここで100人で作った環境向上基本プランというものを作りまして、それが母体となって向上基本計画が策定されたという経緯になります。
 このときに、もともと環境ということに興味のあった者だけが100人集まったわけではありません。ほとんど一本釣り状態でしたので、集まってから話を聞いていろいろと分かれて、ああでもないこうでもない、全く素人の状態で集まって話をしておりました。自分たちの住む池田町内のこと、これまでのこと、これからのこと、いろいろ考えていく中で、これほど深く池田町のことについて話し合ったことがあるだろうかというぐらい話し合うことができました。
 そのときに一見とても豊かに見える自然がある。こういう山に囲まれていますので緑だけはやたらにありますので、豊かに見えるけれども、ふたをあけてみると細かいところで深刻な問題が進んでいたり、対処しなければならない問題があったり、都会だけではない、私たちのところにもあるということが実感できました。
 実際に視察といいますか、町内の山の滅多に入らない遊歩道、林道に入ってみたり、水の調査をしたり、この会議の間にそれぞれのチームがやっていました。自分たちの町のことについて目覚めた、気づいたという状態になりました。
 町長に基本プランは出したんですけれども、出したので私たちの役目、100人のパートナー会議としての役目は終わったんですけれども、気づいて何とかしなければならないという気持ちになったのに、出して終わりでは済まないだろうと。やっぱりこれを実際に実践していくところまで結びつけていかなければいけないだろうと感じた人が50人ほど、半分ぐらい残りまして、環境パートナー池田が設立されたという経緯になります。
 なので気持ちだけは残った人たちはあったんですが、環境Uフレンズさんのようにごみを回収するというような具体的な行動があって、まちおこし21さんのように何か事業が初めにあって設立されたものではなくて、漠然と何かしなければならないよねという形で残ったというような、そういう団体になってしまったわけです。
 じゃ、具体的な活動というのはどうしようという形になりまして、とりあえずできるところから始めなければならないねということで、活動内容として今あるのが4つの柱。78ページです。
 まず、環境広報紙「かえる通信」を発行しよう。あと、エコポイント事業をしよう。それから、環境学習会。研修をしたり環境集会。毎年するいけだ環境町民集会というのがあるんですけれども、そちらの方の企画をしたり。あと具体的に環境の資源回収の実践とか、川クリーンとか、そういう具体的な活動を手伝うという形です。自分たちで企画するにはなかなか力不足なところも多いので、まちおこし21さんですとかほかの団体がされているところに寄り添うような形で協力していくということを続けています。
 かえる通信からまず説明をしていきます。池田町の環境というものがキーワードであれば、どの団体が何をしていようが載せている広報紙です。
 26ページ、27ページです。
 町報が出る15日に合わせて、町報に挟み込むような形で出すのを原則としております。毎月必ず出しています。今のところ落としていません。ページ数が減ったり増えたりはあるんですけれども、大体4ページ見開きで作って、リソグラフ、輪転機で簡単に白黒の、予算がないのでそういう形になっているんですけれども、入れています。
 これの一番の特徴というのは、環境パートナー池田の活動の報告書ではないということです。池田町の環境の広報紙です。
 これを最初にやろうと言い出した目的といいますか、なぜやろうと思ったかというのは、まず私たちが何とかしなければならないというので集まった団体だったんですけれども、この思いを全く無関心の方にどうやって届けるかというところから入りました。言葉で言うのは1対1のものなので、自分の知り合いのところまで増えるかもしれないけれども、なかなかずっと関心を持って聞いてくださる方もいらっしゃいませんし、環境問題と一言で言うと、やらなければいけないのはみんなわかっているんです。大事なこともわかっている。だけど自分に結びつかないというのが一番大きいんだと思うんです。そこに一番大きくあるのが無関心、自分に関係がないというふうに思ってしまうところではないか。そこの部分をまず埋めたかったんです。
 自分たちの町の人たちが何らかの形で顔を出します。具体的な名前だったり、子供だったり、ふれあいサロンというおじいさん、おばあさんの活動だったり、何かの形でどこかに名前が載ってきますので、そういう具体的な身近な話題が取り上げられることによって環境活動、環境行動というものも少しずつ身近な存在になっていくのではないか。なので必ず毎月出すというのを至上命題にしています。
 露出度が大事だと思っています。頻度も大事だと思っています。号外も含めますと月一よりも頻繁なんですけれども、必ずそうやって出すことによって認知してもらうということを一番大きな目的にしています。26ページのかえる君、「つかえる君」というんですけれども、こういうキャラクターも作りまして、キャラクターを使った露出度も考えています。
 一番大きな目的はそこから始まったんですけれども、かえる通信をここまで3年ちょっと発行していく中で出てきた副産物が2点あります。
 1点目は、かえる通信発行にかかわった者たちの環境活動に対する関心度が抜群に上がったということです。記事を書くだけで調べる、情報を集めるということもありますし、何らかの形でだれかがかかわる、手伝うということになりますと、そういうものに関する関心はぐっと高まります。
 例えば池田町にいらっしゃるという視察の話が出た後、恐らく福井県の話題だとか池田町の話題が耳や目にとまる機会が増えたと思うんです。そういうような形で町民全体が自分たちの町のことという自覚が高まる。これはメンバー内の話ですけれども、そういう効果が少しあります。
 それからもう1点効果が出たのは、町内の各団体の環境にかかわるもの全部を情報として集めておりますので、取材したりいろいろ話をするときに勝手に風通しがよくなる、流通していくわけです。大概役場の方はほとんど縦割りでやはり動いていらっしゃいますので、農林課の方もかかわっている、振興開発課の方もかかわっている、教育委員会もかかわっているんだけれども、それぞれどういう動きをしているか全くご存じないという方が結構いらっしゃるんです。
 例えば今度この記事を載せるんだけどどう、とこっちへ聞きにいくと、あっちで知っているよという話が出る。そっちへ聞きにいく。そこで聞いた話を今度また別の話題で、あっちでこんなことを言っていたよ、あんなことを言っていたよと勝手に私たちが伝えているというのもありまして、そういう緩やかな形ですけれども情報の連携がとれているのではないかなと思います。
 自慢するわけではないですけれども、この資料はその集大成のような形ででき上がっています。3年間、かえる通信を発行し続けることによって得た情報が今ここにまとまったという形です。このようにまとめる機会を与えていただきまして、本当にありがとうございました。視察に来ていただかなかったら、ここまで大騒ぎしなかったと思うんですけれども。それぞれの活動はそれぞれでおさまっているんですが、こうやってまとめてみると、意外とたくさんあったんだねというのが私たち活動している者自身の正直な感想ではないかと思います。
 エコポイントはちょっと飛ばします。
 環境学習会です。これもどちらでもやっていることで、私たちのところでも同じようなことをやっているんですけれども、一応連携しています。まちおこし21さん、Uフレンズさん、3団体で共催、連携という形で講師の先生をお呼びしたりという形です。
 環境集会の話はエコキャンドルの次ぐらいのところ、58ページです。これもなかなか一つの団体では大層なことはできないんですけれども、集まって呼びかけるという形でそれぞれがやっています。
 今年は、こういう講師の先生をお呼びする講演会は未定なんですけれども、秋に環境のミュージカルをやる予定で、3団体連携して今計画をしています。
 そういう形で、固い講演だけではなくて、子供さんですとかお母さん方、いわゆる無関心な方にどうやって届けるかというのが結構大きな課題になっていますので。
 例えば、59ページの第2回「環境の切り口に商店街の活性化」なんていうのは、商店の活性化をおもしろおかしくしゃべってくださったんですけれども、そういうのもまぜながら。環境そのもので、環境によいことをやりましょうというようなことにはこだわっていません。むしろ別の切り口からいかに環境が嫌われないでいけるか。そういう形を心がけているようなところが若干あります。
 あと協力してやっている4点目の環境行動の実践というのは、ほとんどおんぶに抱っこが多いんですけれども、資源回収をお手伝いしたり、川クリーン作戦、池田学、いろいろなところに。とりあえず環境パートナーは何でも屋さんみたいになっていますので、何らかの声がかかりますので、お声がかかったことに関してやれる人でやっていくというスタイルでやっています。
 あと、エコポイント事業の方に移らせていただきたいと思います。
 22ページから25ページ、4ページ使わせていただきました。
 これももともと始まったいきさつといいますと、やはり同じような、いかにしてもともと関心がなかった層に訴えるか。もともと環境行動について関心の高い方というは、ほうっておいてもいろいろな環境行動をやるんです。だけど、そういう人たちだけだとそれ以上にはいかない。全く無関心で何もしない、あるいはむしろ後ろ向きなことをしている人たちをどう振り向かせるかというところに大きな重点があるんですが、その一つでやっています。
 エコポイントを簡単にいいますと、マイバッグみたいな環境行動をしたときに、23ページの隅っこにある10個マスがついたカードですが、このカードに1つずつスタンプが押されます。10ポイント分埋まると50円になるという仕組みです。これは24ページにあります町内の41店舗、商店の中で50円の券として使えます。単純な仕組みなんですけれども、こういう形でポイントがお金という一つの数量になって、量になって換算できる形になることで、積み重ねていく、続けていくというお得感、楽しみみたいなものもねらっています。
 それが池田町内で回っていって商店に還流されていくという形で、若干の地域通貨のような形で経済流通もねらっている。
 なので、これが一応ビジネスのような形でエコポイント事業だけ取り出されてしまったのではないかと思うんですけれども、実際のところはなかなかそこまでのビジネスのところまではいきません。といいますのは、ポイント化できる環境行動というのがなかなかたくさんはないんです。23ページに挙げている環境行動がポイント化できる、量的な換算ができるということで取り上げてはいますけれども、もっとほかに細かいことや大きいことや、できるはずのもの、環境行動としてしてほしいものがあっても、なかなかポイントとして換算することができないので、やはり特定されてしまうという弱みはあります。
 ですが、一応何らかの形で環境行動についてやっているよ、いつの間にかやっていたよというような意識の最初の部分に関しての貢献にはなっているのではないかと思っています。
 今申し上げたように、エコポイント事業というのは無関心層にいかにお得感を感じてもらって新規に取り込むかというところに一番大きなポイントあるんですけれども、やはりそれだけですとだんだん行き詰まってきます。どの事業でも一緒なんですけれども、一通り回ってしまうと、つまらなかったり、まあいいかと思ってしまったり。マイバッグ運動なんかですと、当たり前になってしまうとカードをわざわざ出さない。もういいやというふうになってしまったりとかいろいろありまして、いったん広まってある程度のところまでいくと、もう一歩にはなかなかいかないんです。
 なので、年に何回かキャンペーンを張ることで、また新規の取り込みですとか、取りこぼしのないように囲い込みですとか、そういうような形で取り組んでいます。それが25ページにあるキャンペーンです。
 一番上からいいますと、得得キャンペーンというのは別個に抽選くじをつけまして、商品を当ててくださいという抽選会をしました。
 県のマイバッグキャンペーンのときには、県もポイントをつけたりしましたので、ダブルポイント。これは本当に便乗して名前だけだったんですけれども、そういう形でこういうポップを作ってみたりして、商店の方に活用してもらえるように考えました。
 エコポイントリニューアルと書いてありますのは、ちょうどそのときに空き缶、ペットボトルの回収機を去年導入しましたので、それに合わせたタイミングでやったものです。前は20ポイントで1枚だったんですけれども、なかなかたまらないという声を受けまして10ポイントで満点になるようにしたり、そういう細かいリニューアルをしました。そのときのキャンペーンです。
 キッズキャンペーンは、夏休みに小学校を対象に行っています。独立して後ろの方に、教育のところにキッズキャンペーンだけ別にページを設けさせていただきましたが、子供というのはいろいろな意味で独自に取り組みたい部分があります。やはり将来を担うというのもあるんですけれども、子供が純粋に持って帰って家庭の中で話題にしますと、かなり親の方にも有効なんです。
 キッズキャンペーンは別のものを集めます。カードも全く別のものにいたしまして、50円になるのではなくて文房具と交換したり、B&Gというプールがあるんですけれども、そのプール券と交換したり。66、67ページです。そういう全く別のルートで換算していくキャンペーンなんです。
 集めるものも決まっていまして、再生品を利用してほしいので、エコマークを集めて、そのマークを台紙にはりつけるのと、牛乳パックの部分、それとペットボトルのキャップ。一言でいうと集めやすい、ぱっと見たときに集めやすい、わかりやすいというものなんですけれども、その集めた数でポイントを獲得していくものです。
 こういうのをやっていますと、子供たちが大騒ぎして家庭の中で集めるんです。エコマークがついているのはどれとお母さんに尋ねる。一緒に集める。牛乳パックなんかも、ごみに捨てたらあかんねんでという子供が出てくる。ペットボトルのキャップなんかも、プラのごみに捨てないでこれだけ別に集めたらいいんやでと子供が親に言うというような形で、子供の目からだんだん浸透していくということができてきています。
 実際集めるこのキャンペーンは夏休みにしかしないんですけれども、大体毎年やるというのが認知されてきたようで、1年間親子で集めて大量に持ってくる子供も出ています。そういう形で少しずつ、子供が素直に家庭でいろいろと話題にしてくれるという効果も出ています。キッズキャンペーンに関しては、そういうちょっと別のねらいもあります。
 プレミアム交換キャンペーンというのは、エコポイントの満点カードを別のレートで、もうちょっとお得なレートで交換するというキャンペーンを去年考えました。これは商工会とタイアップしました。
 25ページの最後、みんなのエコステーション大当たりキャンペーン。これは空き容器回収機からポイントのレシートが出てくるんでが、このレシートに当たりという券を作る。当たりが出ると商品がもらえたり抽選ができる。
 そういうキャンペーンを期間限定ですることによって、その期間だけ集中的にというのが増えると、波はできるんですけれども少しずつ露出度も上がっていって認知もされていく。そういう形で少しずつですけれども運営しています。
 エコポイントを独立して取り上げていただいた事情がありましたように、地域通貨という経済的な面も若干ねらってはいます。
 エコポイントの協賛店は商工会の中に入っている商店でして、やはりこの過疎地の中の商店ということで、大概活動というのは問題点がいろいろとある状況なんですけれども、その中で少しでも環境をテーマでいろいろと活性化できるのではないかと。
 例えばエコポイント対象の環境行動はいろいろ挙がっているんですけれども、23ページです。レジ袋を断ったりそういうのは最初にベースであったものなんですが、後半の移動販売で容器を持参してもらう、ハンガーを返却してもらう、そういうのは少しずつ商店の側から、こんなのもエコポイントを押していいかと聞いてきたり、こういうのもどうだと提案してもらったりという形で少しずつ増えてきたものなんです。そういう形で少しずつ商店さんもエコポイントという仕組みを利用して客を呼び込む、何かサービスを考えるというようなヒントにしてもらえないかというのもあります。
 プレミアムキャンペーンなんかそういう一環でやったものだったんですけれども、商工会と環境パートナー池田で連携してやっています。
 実際のところはなかなか去年1年間の取組でいいますと、結論から申しますとお客さんは増えるんですけれども、来店の機会は増えるんですけれども、なかなか売り上げの上昇まではいかない。ただ、特に子供さんなんかが買い物袋を断ればポイントが1つつくので、アイスクリーム1個買っても押して押してという感じで、1日何回も来るよとぼやいているお店の人もいたんですけれども。そうやって店に何人も出入りするという意味では、活気づいたりしますので悪くはないだろうとは思っているんですけれども。そういう地域の中のお店がエコポイントの仕組みによって、ふだんなら車で大きなスーパーへ買い物に行ってしまうファミリー世代でも若干地域のお店という存在が身近な感じ、敷居が低くなってくくればいいなというのはあります。
 来店効果は上がっているというか、若干上がっていますが、どっちかというと都会の大型店舗への流出の増加が抑制されているという表現の方が当たっているかもしれないです。このままほうっておけば、どんどん外ばかりに買い物に行って中で全く買い物は全くしなくなるのではないかという勢いなんですが、若干それが抑えられている。とどめるところまでは行っていないんですけれども、抑制という効果は出ているのではないかというのが商工会としての見解です。
 売り上げまではなかなかいかないのであと一歩、もうちょっとビジネスに結びつけるのでしたら何かもう一つ工夫の余地があるのではないかというのが現在の状況です。
 環境パートナー池田としては、こういう形で、最初の志は高かったんですけれども、具体的に何をしていいのかということになるとなかなか見えてこない部分があります。実際のところ、最初に役場から一本釣りされたという経緯もあるんですけれども、小さい町ですので役場の職員、官と私たちのような民との敷居、垣根が物すごく低いんです。職員といっても身内だったり親戚だったり。ほかの都会と比べると恐らくですけれども、名前で呼んだりあだ名で呼んだりするような間柄になっていますので、かなり敷居は低いです。
 だから連携はとてもしやすいんですけれども、その分、NPOといっても、民間といっても本当の意味で民間として考えている部分は非常に少ないと思います。これは環境パートナーというより個人的な感覚ですけれども。
 何かあったら役場に言っておけみたいな感じになってしまったり、自分たちで考えるというよりは、いろいろな情報を役場の方で見つけて、おろしてきたものに関して話し合うということはしますが、自分たちでアイデアをひねるところまではなかなか一歩進まなかったりだとか、そういうことは出ています。
 本当だったら環境パートナー池田としても真剣にみんなで集まって、もうちょっと新しいビジネスモデルなり何なりを考えて発展させていかなければならないんでしょうけれども、仕事を持ちながらボランティアで夜たまに会議を開く。理事会はほぼ月に1回開いていますけれども、その程度でしかありませんので、なかなか活動、行動を大きく発展させていくところまではいっていません。
 今後そういうところをもう少し課題は整理して、本当に民間としてNPOとして動いていくことができていけばな、しなければならないだろうなというのは感じています。
 環境パートナーの活動から外れるかもしれないんですが、やはり民間というふうに考えますと、一応民間の時間も若干ちょうだいしていますのでそちらの方から言わせていただきますと、町や第三セクターも含めて公的機関がいろいろアイデアをひねって頑張ってくださればくださるほど、露出度は上がります。有名にもなります。池田としてのブランドもある程度できてくるのかもしれませんが、民間というのは何となく取り残されてしまうんです。連携しているようには見えるんですけれども、仲はいいので連携はしているんですけれども、何となく取り残されていくというのが現状です。
 実際、民間でよく似たフード・ツーリズム、グリーン・ツーリズムをやっているところもあるんですけれども、こっぽい屋さんだとか三セクの方が頑張っていろいろと商品開発したり企画を作ったりで発展していけばいくほど、お客さんはそっちへ流れますので、力もない、資金もない、アイデアもなかなか出せないという民間の方が何となく取り残されて、うらぶれてしまったような感じがして、本当の意味で心から喜べない、連携できないという声も若干聞いています。
 そういう意味で、やはりある程度官と民は緊張感も必要なんだろうと思いますし、緊張感を持てるだけの力を民だけで持つことが本当は必要なんだろうなという気がしています。なので、そういう意味でビジネスモデルというのをきちんと本当は考えていきたいなと思っています。若干理事の中にもそれに賛同してくださって考えようという動きはあるんですが、いかんせんなかなか資金もありませんし時間もとれないというので、うまくいっていないのが正直なところ現状ではないかと思います。
 以上です。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。大変率直なお話をありがとうございました。
 それでは、農林公社の山口正英管理課長、お願いいたします。

○山口管理課長 (財)池田町農林公社の山口でございます。よろしくお願いいたします。
 先ほどからいろいろな話がある中で、(財)池田町農林公社の話をするようにということなんですけれども、趣が少し違うところもあるかもしれませんが話をさせていただきたいと思います。
 (財)池田町農林公社は町の第三セクターなんですけれども、先ほど役場の方から話がありましたように平成に入って特に高齢化が進んできまして、池田町は非常に山間地で高齢者が多くて、福井県で最も小さい町ということで、将来、昔から続いてきた農村として機能していけるだろうかという不安もあって、どうしたら農村を守っていけるかという議論の中で平成6年に、農地を保全するという大きな目標の中で福井県で第1号の農業公社として設立されております。
 林がついているのは、山林どころでありますから将来、林の仕事が出てくるのではないかという前提で農林という林が入っていますけれども、農業をベースとしていろいろなことをやっているのが実態であります。
 平成6年でありますから10年以上の期間がたっているわけですけれども、いろんなことがあって、当初の農地保全という目的に加えていろんな事業が増えてきています。
 まず、農地保全の中でいろんな担い手を育成して農村の価値をしっかり守っていこうということもありますけれども、先ほどから話が出ていますこっぽい屋という店を立ち上げたということが大きいと思います。これは当初は町が主体になって、池田町の農林産物の販売拠点を作ろうということで準備を進めてきたわけですけれども、役場サイドで進めている段階で、要するに行政の立場としては全員に平等なチャンスがあって、みんなで一緒に進めましょうというところがあって、なかなか一歩が踏み出せなかった経緯があったんです。そんな中で平成10年に、ちょうど池田町には第三セクターの(財)池田町農林公社があるから、そこでできることから始めてみたらどうだろうということでした。そのころ(仮称)池田商会という一つの構想があって、準備室を設けて、そこで準備に入った経緯があります。それは後ほど詳しくお話ししようと思うんですけれども、それが一つ。
 それから、平成14年に竣工しましたあぐりパワーアップセンターという堆肥センターがあります。それは先ほど溝口課長補佐の方から話がありましたけれども、その町の施設の管理運営をすることで地域資源の連結循環型農村づくりの拠点としてやろうということで、その町の施設を農林公社が管理運営をやっています。さっきのUフレンズさんの方は生ごみの回収をするということで、すみ分けをしています。
 例えば生ごみを回収して堆肥センターに持ち込みます。そこでできた堆肥はしっかり農地に返していきます。農地に返したもので、しっかりした指導を行った上で、しっかりしたものづくりをしましょう。それについてはきちっと認証もしましょう。これは、ゆうき・げんき正直農業という一つの制度の中で認定をしていきましょう。出てきたものについてはシールを発行して、消費者の方にもわかる仕組みを作りましょう。そこで販売されたものが消費されて、さらにまた資源として戻ってくるという仕組みなんです。
 その突破口として大きかったのは、池田町の農産物の直売所でありますこっぽい屋事業を平成10年から準備に入って、平成11年7月にオープンしたわけです。それが一つの大きい出発点といいますか、摩擦のエネルギーでいえば動かすときは力が要るけれども、動いてしまえば進んでいくようなところがあって、店舗の運営をしたことが池田町のいろんな方の行動を変えていく一つのきっかけになったのではないかと思っています。
 こっぽい屋の理念といいますか考え方は、今まではどこどこの村には何があります、どこどこの町にはこういうものがありますという一村一品運動みたいなものがあったんですけれども、池田町の考えたことは百匠一品、100の匠を集めて一つのものにしようという少量多品目のものを商品化することで魅力あるものにしていこうということで百匠一品運動を展開した。
 そこにある商品は、専業農家の方が作るもちろん立派なものがあるわけですけれども、それだけではなくて、兼業農家の主婦の方が作るようなものをうまく集めて商品化しようということがありました。それは小規模な兼業農家の方が作る農産物ですから、朝どりもできますし、それが商品として並んでいく。
 それから特に気をつけたことがもう一つあって、今まで池田町の農家、自分も兼業農家の長男なんですけれども、例えばうちはお米を作って農協へ持っていく。そこで農業は終わってしまっている。うちの米が日本全国どこへ行って、だれが食べて、おいしかったのかおいしくなかったのか聞いたことがない。もしこれがビジネスなら、そういうことは決してあり得ないと思うんです。そういう意味で、商品はすべて生産者が自己責任でやってくださいということを訴えました。
 それから、生産者の顔が見えるとかよく言いますけれども、本当に顔が見える仕組み。さっき溝口課長補佐の方から、パーマ屋さんがもうかったみたいな話がありましたけれども、生産者が自ら店頭に立って消費者の方と接する機会を設けた。今は少し頻度を減らしているんですけれども、当初の3年間は毎日2人の会員さんが朝7時に集配のトラックに乗って福井の店まで行って、そこで消費者と直接触れ合う。そこで自分はいいと思っていたものが案外評価されなかったり、農村にある普通のもので、こんなものと思っていたものが消費者の方はすごく評価したりすることもたくさんあった。
 それから、さっきの自己責任と工夫の話の中で、例えば8月に180人もいるメンバーがみんなナスとキュウリを作って出していたら消費者にとっても魅力のある店にならないけれども、行ったお母さん方が自分のものを売りたいと思う。毎日2人ずついるわけなんですけれども、じゃ、ここにあるものではなくて自分こそは違うものをつくろうと、それぞれが考えて日々新しい商品に取り組んでいく。それがどんどん広がりを見せて、こっぽい屋の商品構成を増やしていく。
 そこで消費者の方にとっても非常に楽しく、来ることに喜びがあって非常に評価を得るという効果がありました。
 ただ、さっき溝口課長補佐の話にもあったんですけれども、困ったことがありました。それは、平成11年7月2日にオープンしたんですけれども、消費者の方がこういうふうにおっしゃるんです。「私、池田町のこっぽい屋大好きや」。それはいいんです。「おいしいから来るんや」。そこまではありがとうございますと言えるんですけれども、次に「池田町のものは安全で安心やから来るんやよ」と福井の消費者の方はおっしゃる。でも、それは非常に困った話であって、そうですとも言えないし、違いますともなかなか言えない。さっき金メッキの話もありましたけれども、そんなものでそうですと言って続けていたら池田町はうそつきの町になってしまうので、これはあかんなという議論がすぐにわき起こったんです。それが平成11年の秋ぐらいです。
 そこでできたのが、できたものはできた、できなかったものはこうしてできなかったということもはっきりわかる仕組みを作って消費者の方に示していこうということで、池田町独自の認証制度を立ち上げていこうということになったわけです。実際には平成12年、店がオープンしてから半年後ぐらいには立ち上がるわけですけれども、池田町の役場にある総合農政推進協議会というところに本部があって、役場と池田町のJAさん、それから福井農林総合事務所(普及センター)、公社、4つの機関が母体となって、ゆうき・げんき正直農業の実践本部を作って、公社が事務局を持っています。
 そんなやり方をして、さっきの南部さんが作ったこの資料の15ページにあるようなルール、低農薬・無化学肥料栽培から始まって、最後には無農薬・無化学肥料栽培まで持っていこうという取組になっていくわけです。もう今、最初の段階の低農薬・無化学肥料栽培のシールは、うちに事務局があってよく知っているんですけれども、1年間に17年度で11万枚のシールが発行されていますし、無農薬・無化学肥料栽培の1年間の赤シールと言われる2段階目のものについても4万枚ほどありまして、現実に15万枚ほどのシールがはられて消費者のもとに届いているということになっています。
 今年の8月からは、第3段階目の赤シールを3年続けた方に発行する最後の段階の青シールの発行もスタートしておりまして、そういうものが消費者の方にとっては一つの信用になってきています。
 こういうことを通して売上も増えていまして、お金の話はどうかなとも思うんですけれども、こっぽい屋という店は去年の11月にリニューアルオープンをしたわけですけれども、それまでは9.7坪しかない小さい店でした。平和堂さんがキーテナントに入っているショッピングセンターの中の9.7坪を借りてやっていたわけです。そこで1日500人ぐらいの方がレジを通過して、1年間に1億近い売り上げをしてきていることがあって、非常に農家の方にとっては楽しくやる気を出せる仕組みができたと思います。
 いろんないい仕組みができても、これは楽しいな、自分も参加してみようかというためには売って何ぼのところもあるわけで、それがちゃんと収入になって返ってくる楽しみがあって、農家の方もいいこともできるし、いろんなことができるということでみんなが一生懸命頑張ってきたのかなと思います。
 そういうこともあって、平成14年から始まった堆肥センターの生ごみを入れるという話になったときも、抵抗は余りなかったと思います。農産物直売所というのはお母さん方を中心とした割と高齢の方が多くて、170人ぐらいの方と、業者の方、加工グループみたいなところがやっていますけれども、そういう方がずっと使いなれていた経緯があって、いい堆肥が出てくることを歓迎してくれる。高齢の方がそういうことを歓迎してくれる土壌があればこそ、若い人も、例えば大家族で3世代住んでいても若い主婦の方も参加しやすい。生ごみを分けることも、これが堆肥に生まれ変わると説明がつくことで家族の協力も得られるということで、うまく進んできたと思います。
 堆肥センターそのものは平成14年11月にオープンするわけですけれども、環境UフレンズというNPOの協力もあって、例えば大雪があって、今年も大雪がありましたし、福井豪雨もありました。そんなことがあっても一日も休んだことがないんです。きちっと集めてくれる。さっき休みのときだけ出てくれる人がいると言いましたけれども、正月専門の人とかがいるわけです。そういう方もいて、きちんと一回も休むことなく集めてくれることによって安定した堆肥づくりができるということがあります。
 公社としても、自分がそれを担当していて思うんですけれども、堆肥センターの運営というのは幾つか問題があると言われているんです。住民の参加を得にくいということが一つあるし、もう一つは、せっかくできたいい資源を地元の資源としてうまく活用して、それを価値のあるものにかえていくことがなかなかできないということが一つあります。堆肥はできたけれどもどこかで処分せなあかんみたいな話ですね。それはあってはならないこと。
 それからもう一つ、特に池田町の場合は小さい町でありまして、最初の施設の設備については国の補助金もあって立派なものができたけれども、これからずっと未来に向かって経常的な費用をだれが賄っていくのかと考えたときに、公社が管理運営する中でしっかりビジネスとして収支が合う方向に持っていって、これからもそれを維持していくためには、いい商品を作って、品質をきちっと確保して消費者の方の評価を得なければならないということがあります。
 堆肥、土魂壌については、さっきご質問の中にちょっとあったと思うんですけれども、品質ということにはかなり気をつけておりまして、週3回の生ごみの投入日にセンターの稼働をしているわけですけれども、まだ一度も欠かすことなく18カ所の定点を決めて温度管理をしていります。微生物は非常に正直なんです。例えば機械の点検をやってファンベルトが緩んでいても、人間の目ではなかなか気がつかないけれども、堆肥センターの温度がすぐ変化する。ベルトが緩むことによって10度下がるとか。それをきちっと管理することで良質な堆肥を安定的に作り続けることができるということで、欠かさず温度管理はしています。
 堆肥の温度を見てみますと、昨日計った一番高いところで84度あるんです。それは牛ふんと生ごみと池田町のもみ殻、水分調整です。それをうまく配合することで池田町にすんでいる微生物が働いて発酵する。それが自然発酵で84度も上がるということは、非常にいい堆肥ができるということです。
 そういうことを曲げずにやっていくことがこれからの信用といいますか価値を高めることにもつながっていくし、その施設をうまく運営していくことにも大事なポイントになりますので、それをしっかり守っていこうと思います。
 ただ、堆肥は池田町で使ってほしいという大前提があって、お金を得るということと地元に返すということは相反するところがあるんです。あぐりパワーアップセンターの堆肥は年間300トン生産しておりますけれども、そのうち150トンは15キロ堆肥として袋売りをしています。お金の話ばかりですけれども378円という金額で使っていただいています。残り150トンについては、安全な米づくりの特別栽培米の中の土づくり素材として水田に入れております。
 そういうことがあって、堆肥だけではなかなか維持運営するお金が生まれてこないということで、堆肥を作る過程で出てくる水分。ほかの施設では汚水なんですけれども、これは偶然発見したんですけれども、たまたまそこにすんでいる微生物がうまく働いて汚水がほとんどにおいのしない有効な液肥として活用できるということに途中で気がつきまして、県の特殊肥料の届け出をして商品として販売して、ちょうど今月号の「現代農業」の中に4ページ特集を組んでいただいて載っていますけれども、そういうもので得るものは得たい。
 それは「土魂壌の汗」という名前で商品登録したんですけれども、ちょっとわかりにくいと言われて、大きい字では「ゆうきの液肥」と書いてありますけれども、正式名称は堆肥土魂壌、それに対する、汗をかくわけで「土魂壌の汗」という商品になっています。
 あと、堆肥を使った「ゆうきの土」は、要するに化学肥料、化学成分の入っていない園芸用バイ土で、家庭でプランター野菜を作ったり、自分で園芸をするときに使っていただける土として販売をしておりまして、これが今後うまくビジネスとして進めていけたらなと思っています。
 余り具体的な話はあれなんですけれども、商売として考えた場合には、農業の世界だけでやっていくのは非常に農業の収益性も薄いところがあって、もっと違うところに使いたいという思いが今あります。今営業活動をやっているところでは、例えばゴルフ場のグリーンはすごく病んでいるわけです。そういうところに健康な土に戻すために、うちの液肥を使ったり土を使ってもらうことによっていいグリーンを作ってもらうということで、イセキさんの北陸事業本部に行って話をしてみたり、滋賀県まで行って直接ゴルフ場の方と話したり。これはまだ種まき段階ですけれども、注文もいろいろ入ってきていますので、これがしっかり収益を生むものになれば堆肥センターの管理運営にも使っていけるかなと思っています。
 堆肥の質は非常にいいという話をさっきしましたけれども、やっぱり難しいなと思うのは、生ごみを入れる堆肥センターは一般家庭のごみですから間違いというのがあって、例えば弁当箱に入っているバランが入ってきたりスプーンが入ってきたり、サザエやアサリの貝殻が入ってきたりするわけですけれども、絶えずこういうものがありましたよということをみんなに返して直していただかなければならないけれども、余りガチガチの難しい仕組みを作って、こんな難しいことできないなと思わせてしまうとまたこれもまずいということで、そこは南部さんがやっていらっしゃるような広報を通していろんなことを訴えて、町民の方の参加がよりしやすい形にしていけたらなということで連携をしています。
 時間も余りなくてあれなんですけれども、今のところそういう3つの事業を中心にやっております。あとはご質問を受ける形にできたらと思っています。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 それでは、今のお2方のお話に対する質問をお願いします。

○江口委員 私は、環境パートナー池田のやっておられるエコポイント事業実行委員会について、地域通貨の活用をどうやって広げるかというときに、もうちょっと通貨化するというんでしょうか。飛躍するんですけれども例えば税金を納めるときに通貨化して、役場がそれで受け取るような仕組みみたいなものを検討していけばものすごく広がると思うんです。その中に入ってくるのは銀行なんです。銀行による信用ということがあると思うんですけれども、地域通貨化の拡張についての問題が1点です。
 もう一つ、商工会が燃えないといけないと思うんです。商工会が旗を振って、池田町民の支出をできるだけこの中でお金を落とす仕組みを作っていくということも大事かなと思うんです。
 その2点についてちょっとお伺いしたかったものですから。

○浅野部会長代理 これは質問というよりも……。

○江口委員 提案というか。

○浅野部会長代理 ですから無理にお答えいただく必要はありません。

○横山委員 最初に南部さんにご質問いたしますが、かえる通信に関して、取材を進めている人は非常に環境意識が高まったということでしたけれども、読者の方は環境意識が高まったというようなデータはないのかどうか。これが1点です。
 それから、最初の議論で大変真剣な問題があったというようなお話でしたけれども、それの具体的なお話を伺えなかったと思うんですけれども、真剣な問題というのはどういうことだったのか。
 それで、今は民間が取り残され、うらぶれていくというような思いがあると。それもかなり真剣な問題ではないかと思うんですが、それを打ち破るためにどんなことを考えられているか。
 それからもう一つ、欲張りで申しわけないんですが、これだけのことをやっていて、ほかの自治体にも広げていきたいという思いがないのか。例えばエコポイントなんかも、池田町だけではなくて、ほかの例えば越前市とかそういうような話がないのか。それを伺いたいと思います。
 それから山口さんに関しては、認証制度を立ち上げて、もう今の池田町で作るものは安全、安心だと言えるようになったのか。安全、安心ですか聞かれたときに、前はちょっと困ったということでしたけれども、今はどうなのかということです。
 2点目は、堆肥づくりで堆肥そのものを捨てているなんていうことはないということですけれども、例えば生ごみを集めても使い切れなかったものがあるとか、せっかく堆肥を作っても売れない、あるいは町内でも使えなくてそれが無駄になったというケースがないのか。
 3点目は、時間があったらで結構ですけれども、林業の方がまだまだだということですが、林業の方の見通しはほとんどないのでしょうか。それがちょっと気になりましたのでお尋ねしたいと思います。
 以上です。

○江口委員 追加して、よろしいですか。
 私もお聞きしたかったことは、農産品を商品化しておられる。つまり木材を使って建物を作っておられるんですけれども、そこのところの接点ですね。人口的にはすごく小さいんでしょうか、林業をやっている人は36と書いてあるんですけれども、それと製造工業、あるいはその接点のところをどうやってつなげていくか。つまり商品化ですよね。間伐材の商品化というようなことがあると思うんですけれども、その辺のところをちょっとお聞きしたい。

○浅野部会長代理 エコポイントの運営のための費用、これはどうなるのでしょうか。50円というのは完全に商工会側の自己負担になってしまうのでしょうか。その辺がこの種のものの一番のネックになりそうな気がするのですが、そのご説明を伺っていなかったような気がしました。
 それから同様のことは、農林公社の全体としての収支バランスはどうなっているのでしょうか。第三セクターというのは、とかくいろいろ大変だというのはよくわかるわけですけれども。
 認証制度についても大体お話を伺っていて多分そうだろうと思っているのは、町としての農業産品の信用度が高まるということで、それで十分ペイするということで、特に認証料を取るということはやっておられないのだろうと思いますが、場所によっては証紙1枚について幾らというような形で費用負担を求めるということをやっているところがあるんですが、その辺は完全に公的セクターで負担をしてしまっているのかどうか。
 その辺がどうなっているのかということです。
 南部さんから、どうぞお願いいたします。

○南部理事 まず、100人のパートナー会議のときにどのような問題が上がっていたかということですけれども、一応時系列にしようかなと。
 具体的に資料が今回はないんですが、例えば……。

○浅野部会長代理 お話の中で、深刻な課題があるということに気がついたとおっしゃったでしょう。そのことが質問の内容です。

○南部理事 全体的な、生態系のチームでいったらレッドデータなどを調べたとか、森林の緑のチームですと広葉樹と針葉樹のバランスを見たとか、林道から見た実際の山の荒れぐあいだとか水質などを調べて。それぞれこういう田舎なので、うちは大丈夫と思い込んで参加して、このよい自然を守りましょうという結論になるはずだったのにという感じなんです。だから深刻だというのは日本全国の共通課題のようなレベルです。ただ、気づいた、びっくりしたという形です。
 あと、エコポイントの話ですが、費用に関しましては、まず協賛店から協賛金をいただいています。年間3,000円ほどですけれども。あと、町の方から助成をいただいています。
 エコポイントの満点のポイント分の換金については、補助をいただいた分から、ポイントの換金分ということで補助をいただいていまして、そこから出していますので。平たく言えば、商店さんは出した3,000円以上自分のところに返ってくる工夫さえすればもうかる仕組みになっています。大体そういう仕組みです。
 あと商工会さんとか、なかなかそういうところが活発になってくれないのでというのは本当におっしゃるとおりで、いかにどうやって巻き込んで商工会さんに振り向いてもらうかというのがかなり大きな問題になっています。地域通貨としていろいろなところに大きく発展させていくという話は、実際のところこれが始まって1年ほどしたときに見直しという形で集まったときには話題には出ていました。ただ、かなり大きな問題になりまして、巻き込むところが多くなり過ぎて力不足を感じて、今のところは課題として残っている状態です。
 あとは、ほかの自治体への発展というのは、とりあえず自分のところで手いっぱいなのでみたいな形なんですけれども。どちらかというと、今はエコキャンドルのようなイベントだとか、空き缶回収機のような楽しいものを呼び水にして、いろいろなほかの団体や自治体さんなんかも振り向いていただいているという形なので、結構それを逆に活用させていただいて、何もないと思っている町民の地元の皆さんに、意外と池田町、自分たちの町って頑張ってるじゃんという形の逆輸入パターンでいっています。
 そういうことで、Uフレンズの理事長もおっしゃっていましたけれども、自分たちの町に誇りを持ってもらえれば、頑張っているねというふうになってくれば、たとえベッドタウンのように仕事から帰ってきて寝ているだけという私たちのような年代の人たちも多少はこの町に対して、池田町という地元に対しての意識も少しずつ変わってくるのではないかというのを今のところは考えています。
 あとは、民間の活性という意味では本当に深刻な問題ではあるんですけれども、今のところは、例えばこういう協議会のような形で始まったNPO団体では限界があるので、全く関係のないところで立ち上げるところからでないと、そもそものところからでないと難しいかなと思っていますので、本当に有志で、まだ水面下の状態なんですけれども。
 この資料でいうと70ページ、「あたりまえ」が息づく里。「農村力」とか、池田町のブランドとしてこういうのを進めていくんだとしたらという前提なんですが、そういう形で何かキラーコンテンツのようなものを作り上げて、それを売り込むというビジネスモデルを独自に考えて、賛同する者で法人を立ち上げてというような形で巻き込んでいく。その巻き込まれる先に町がある、公社があるというような形をとっていくしか方法はないだろうと思っています。
 どこまでできるかはわからないんですけれども、個人的にはそういう形で気持ちのある者を巻き込んで何かできないかなと模索している現状です。

○浅野部会長代理 かえる通信の読者の反応というのは。

○南部理事 読者の意識についてですけれども、数字ではないんですけれども話題にはなっています。いろんなところで、かえるで見たよという声は上がっているという形です。
 広報もそうなんですけれども、自分の知っている顔が必ず載る。写真もかなり入れるようにしていますので、必ず一応見てはくださっているようです。環境についてというよりも町内のことについて載っているという意味で関心は持っていただいていまして、そこの中でいろいろな話がどんどん出てくる。例えば、かえる通信で今度やるエコキャンドルも何回も告知したり、今こういう状況ですよというのをどんどんお知らせしていったりするので、その後でポスターを見たりチラシを見たりしたときに、ああこれかとわかってもらえるという形で側面の役割は果たせているような形です。
 あと、記者さんの意識向上という話をしましたが、最近ちょっと記事が多過ぎてなかなかできていないんですが、最初の1年間ぐらいはいろいろな関連の団体を紹介したり、メンバーにコラムを書いてもらったり、そういうコーナーがあったんです。そういうところで強制的に参加してもらうことで意識を高めるという工夫はしていました。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 では、山口さんお願いします。

○山口管理課長 認証を通してどうかという話ですけれども、なかなかこれは難しい話だと思うんです。認証する上で、毎月25日という日にちを設けて1品ずつ認証しているわけですけれども、池田町だけでやっていてもだめだなということで、8月からは消費者の方も公募して2名入っていただいて一緒に認定作業に加わっていただくとか、そういうこともやっていますし、百匠一品構想の中で池田町そのものが、これは希望なんですけれどもブランドとなって、池田町の農産品ということで消費者の方から評価していただけるようになればなという希望は持っています。
 それから堆肥の販売の状況の話がありましたけれども、年間300トンというあぐりパワーアップセンターの堆肥の生産量なんですけれども、米との関係もあるわけなんですけれども、園芸で150トンやっています。15キロ堆肥にすると1万袋という量なんですけれども、去年の17年度の事業で見れば町外注文で恐らく二、三千袋お断りしている状況です。というのは、あくまでも地元で使っていただきたい、地元におこたえできないということもあって、残念ながら全部におこたえできていない状況であります。
 数字をカウントしてみると、販売先を調べてみると300トンのうちの87%を地元の農家が使われている。13%は、買いに来られればなかなかお断りもできないので販売しているという実態があります。
 堆肥そのものは、本当をいうともっと生産できるといいのになと思っているのが正直なところです。
 それから林業とのかかわりですけれども、これはたまたま設立の当初に林のことも発生するのではないかというところで林が入ってきた経緯があったわけですけれども、森林組合さんの方でしっかりやっていらっしゃる。山林の保全みたいなことをやっていらっしゃって、まだうちが出ていくところではないということもあるし、農協さんがやってきた中で、どうしても公益性が高くて農地保全みたいなところは支えきれないところは公社がやってきたけれども、そういう意味での林の事業についての公社に対する期待されるものは今のところ余り聞いていないです。
 ただ、商品化に関しては、森林組合さんももちろんやっていらっしゃいますけれども、ほかに例えば池田町では財団法人池田町農林公社という第三セクターがあって、もう一つ実は、今日たしか泊まっていただく冠荘というのがあるんですけれども、そういうところを管理運営している財団法人池田屋というのがありまして、その中に木工の施設を持っています。会議用の机であったりテーブルであったりいろいろ作っているわけです。すぐ近くにあるんですけれども、そこで商品化をしている。
 一部のものについては、こっぽい屋を通して販売もしていますし、県内のレストランで使うような注文があったり、官庁関係で注文をいただいたりということで、商品化は今進めています。
 それから認証のコストの話がありましたけれども、シール1枚幾らみたいな話も実はありまして、実践本部は公社にあって、シールのお金は今までは役場に払ってもらっています。全額。負担してもらおうかという話もあったんですけれども、1枚1円とかそういう話ですので、そこは運動としてやっていく上で生産者の方に負担していただこうということでやっております。
 ただ、事務局を持っている公社としては事務員さんのことがあって、初めの12年から3年間ぐらいは役場の方でパートをお願いしている方の賃金を払っていただいた経緯があるんですけれども、今は役場からいただいていないです。公社の方で負担しています。
 収支のバランスの話ですけれども、去年リニューアルがあったのでそのことを除外して考えると、3つの事業を分けていいますと、こっぽい屋事業の方では今現在、役場の方からの補助金がそこの事業には150万円ほど入っています。それから堆肥センターについては450万円の管理運営の受託料が入っていますけれども、これは同規模のほかの事例から見れば恐らく5分の1ぐらいの金額だと思います。そういう意味では、本当はゼロにしたいんですけれども、ちょっとまだ段階が必要かなと思っています。
 肝心な本当の本業、もともと始まった本業の農地保全とか中間保有している農地を管理するための人員とか、そういうことに対しては収支のバランスはとれていませんで、農林公社運営補助金という形で人件費の補助を役場と農協さんの方から入れてもらっています。合計で1,300万円ぐらいになると思います。農協さんから200万円ちょっと、残りは町です。町を経由して農地保全をするための人員の人件費補助という形でお願いをしています。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 それにしても今のお話を聞くと、かなり同規模のほかのところに比べれば優良という感じがしますね。町から1,000万円程度で済んでいるなという気がいたしますが、それはともかく。
 事務局から、何かこの際お尋ねすることはありませんか。

○企画課長 随分詳細な議論がなされているもので、聞きたいと思っていた話は大体出てきたので特段ございませんけれども、本日、この地域のこういったシステム全体をお伺いすると、先ほど行政縦割りだとおっしゃっていましたけれども、中央で組み立てている政策というのはどうしても縦割りになりがちではありますが、地域の視点から、今、こうした施策をうまく組み合わせて実行されていることやこれらが好循環に回っていくような仕組みとなっていることに感心しました。
 一つだけお伺いしたいのは、先ほどからも出ていた話ですけれども、必然的にというか、ここの取組というがこれだけ有名になったから、いろんなところとの関係ではどうなっているんですかというので、ほかのエリアから問い合わせ等がいろいろあるとは思うんですけれども、その流れの中でもうちょっと連携するようなことはあるのかないのか。非常に漠然とした問いで恐縮なんですが。
 それから、これはお願いというか、私ども環境行政をやっている立場からいうと、当然のことながら環境教育を初めとして非常に重要ですし、NGOとかNPOとかいろんなレベルで草の根の活動の支援をどんどんやっていくということを考えているわけでございまして、加えて、環境に関する広報はもっと草の根に届くようにやらないといかんということは常日ごろ、前大臣のころから言われているわけでございまして、それなりに苦労しているんですけれども、現在我々がやっていることで本当のフロントラインまでいろんな情報が流れているかどうかというところは、まだ内心じくじたるものがございまして、先ほどのまさにこういった活動なんかでいろんなデータをまとめて、自分のところの活動だけではなくて地域で起こっていることを全部拾い上げているという話になっておりましたし、町が発行されるようなものに挟み込んでいるということを言われておりましたけれども、町が発行されているような中に環境省なりほかの省庁がやっているような環境全体の政策の話というのはどの程度インプットしていただいて流れているのかなというのが非常に興味あるところです。
 済みません。雑駁な質問で恐縮です。

○浅野部会長代理 それでは、役所の方でまとめて答えてください。

○溝口課長補佐 1つ目の、要は中から外への連携の話なんですが、今ぶっちゃけたところでいうと、まさに合併をしないというところも根っこは一緒なんですけれども、よしにつけあしきにつけ池田でという風土が強いので、外という話に対しては、連携という機運もしくは発想というのは正直いうと少ない部分があると。

○浅野部会長代理 でも、さっきの菜の花プロジェクトは、藤井さんのところに入れば必然的に全国ネットに引っぱり出されるでしょう。

○溝口課長補佐 そうですね。ですから情報と人の連携については、まさに観光みたいな世界では交流をする。ただ、お金とか事業の流れは池田の中で組み立てていく思想といいますか、それが強い。
 エコポイントとかも、例えば前にちょっと案があったんですが、こっぽい屋というお店も池田町のお店ですが、そこでエコポイントを使ってもらって、たまったら池田町の温泉に入れるよとかいうことはできる話なので、視野をもう少し広くする余地はあるんですが、ようは回っていくような仕組みがどこまでできるかということになるのではないかと。
 今は積極的にやるよりも、地域の中を回すのに、格好よくは言いましたが手いっぱいなところがあります。

○浅野部会長代理 紀村課長のご質問の意図はちょっと違います。むしろ、まさに徹底的に地域の中でやるのだといわれていることは、それはそれで全面的に評価した上で、さらに情報というような面での連携とか、そういうようなことでかなり重要な情報発信の拠点になりそうな気がするという思い入れをもって聞かせていただきましたので、質問の意図はもっとよそと手を握って事業を広げろという意味ではなかったと思います。
 だから今溝口さんが言われたことは、大体紀村課長のご質問の意図からいうと、大変いいお答えであったと思われます。さらにもっと情報発信を外にしてくださいということと同時に、外から環境省の情報などがちゃんと、かえる通信なり南部さんのところに入るか、とか、そういうことがもう一つのお尋ねとしてあったわけでしたが、この点はどうでしょうか。

○溝口課長補佐 正直言うと、環境省からいただく情報を広報誌若しくは我々の載せている世界というのはかなり取捨選択の上でということになっていると思います。我々は県から情報をいただいて、地球温暖化防止活動の一環で地球温暖化防止活動推進員さんが中にいらっしゃって、そういう中でいろんなことをやりましょうというものをチラシとして配ったりはするんですが、僕も行政にいるので、行政が行政の批判をするわけではないんですが、コミュニケーション手段がチラシというものしかない。それは役場も一緒なんですが。結局チラシかよと。かえる通信は、やはりハートがこもっているので、読み手は、あ、長谷川さんが書いたんだとか南部さんが書いているというのと、役所が作った文章かという、ここに読み手の、つまり情報として入れている濃度というよりも、むしろ受けてくれる親心みたいなものに差があるなという感じです。
 だから今我々のところ、恐らく行政からの情報をいかに届けるかというところでいくと、そこを今までのスタイルにこだわらずにやっていかなくてはいけない。いつも僕らも町長から、いつも同じようなパターンの広報誌だと言われているので、改善の道が見えていない。ちょっと言葉足らずですが、そういう印象というか感想であります。

○浅野部会長代理 わかりました。いいヒントをもらったと。これは役所がチラシをばらまくのではなくて、かえる通信を書いている人を洗脳する方が早い。どうもそういうことらしいですね。
 今日はちょっと固い話になってしまったので、おもしろくないのですけれども、もっとざっくばらんにお話を続けていけば、国がどんなことを考えているかということが伝わると思われますし、それがまたかえる通信に反映されるのかなという気がします。
 ちょっと時間が過ぎて申しわけないのですが、この4月に策定された第三次環境基本計画の中で、徹底して地域に目をとめろということを強調しているわけです。そしてその中で、例えば環境を守るためには社会全体がよくならなければいけません。環境をよくするための社会、それから社会がよくなるための環境、2つがつながるのだということを強調しております。環境と経済と社会と3つがワンセットで統合的に向上しなければいけない、地域、コミュニティで本当に結びついていくべきなのだということを一生懸命強調しております。
 特に今日池田町にお伺してお話をお聞きいたしますと、最初から池田町の取組と成果のことを知っていたら、もっとこの点について迫力を持って書けただろうとつくづく思ったわけです。
 計画では、持続可能な社会という難しい言葉を使っていますけれども、持続可能な社会というのは一体どんなことなのかというと、それは物質的な豊かさだけではなくて精神的な面からも安心、豊かさ、健やかで快適な暮らし。歴史と誇りのある文化。結びつきの強い地域コミュニティといったようなものを将来の世代にわたってちゃんとそれを約束できるような社会が持続可能な社会ですと言っているわけです。そのことを具体化するために、人づくりと地域づくりは絶対に切り離すことはできません。コミュニティが大事ですということを強調してこの計画を作ったのですが、それがもうここ池田町では実現している、あるいは実現しつつある。先ほどのご説明で、60点ぐらいできているということがわかりました。私どもにとっても嬉しいことは、こういう環境基本計画で述べたことが、決して単なる空文でないということがわかったということでございました。今日は本当にありがとうございました。
 というわけで、もう時間を過ぎてしまいましたが、大変貴重なお話を伺わせていただきまして、今後私どもの循環基本計画の点検、見直しの審議に、きょうお聞きいたしましたご意見を大いに参考にさせていただきたいと思います。これでヒアリングを終えさせていただきます。