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廃棄物・リサイクル部会自動車リサイクル専門委員会
第5回合同会議議事録


○平成15年12月3日(水)15:00~17:00

○於:経済産業省17階 第1~3共用会議室

【永田座長(早稲田大学理工学部教授)】定刻ですので、これより産構審自動車リサイクルワーキンググループ及び中環審自動車リサイクル専門委員会の第5回合同会議を開催させていただきます。お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 前回が6月24日で、それ以降、行政のほうでは政省令の整備、あるいは指定法人の指定、説明会の開催といろいろやっておられました。少し間が空きましたが、今回、現況についてご説明申し上げ、いろいろご意見を頂戴したいと思っています。よろしくお願いします。
 まず最初に、この合同会議の委員の交代がありましたので、紹介させていただきます。社団法人日本自動車工業会環境委員会委員長の岡本一雄委員が退任されまして、新たに渡邉浩之委員にご就任いただきました。到着が遅れておられるようですので、見えられたらご挨拶いただきたいと思います。皆さんもすでに渡邉さんはご存じだと思います。法制度の議論の場では、この会議に参加していただきました。
 また、前回の審議会の議論を受けまして、自動車リサイクル法上の資金管理、それから情報管理、指定再資源化、この3つの業務を行う指定法人として、財団法人自動車リサイクル促進センターが、経済産業省・環境省、両大臣から指定されています。このため、当財団からもオブザーバーという形で、中谷義雄専務理事にご参加いただくこととしたいと思いますので、一言ご挨拶いただきたいと思います。
 渡邉さんがお見えになられましたので、それでは渡邉さんのほうから一言ご挨拶をいただけますでしょうか。

【渡邉委員(社団法人日本自動車工業会環境委員会委員長)】自工会環境委員長の渡邊でございます。よろしくお願いいたします。遅れてきて、大変申しわけございません。
 私は2000年の7月から、産業構造審議会のほうで、このリサイクル法の議論に参加させていただきました。約2年間、この中の一部の方々とはご一緒に議論を重ねてまいりまして、この1年間離れておりましたけれども、またご一緒に議論の場に加えさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【永田座長】では、引き続いて中谷さんのほうから。

【中谷専務理事(財団法人自動車リサイクル促進センター)】ありがとうございます。ご紹介いただきました自動車リサイクル促進センターの中谷でございます。本日、後ほど私どもの活動状況について報告の時間をいただいております。よろしくお願いします。

【永田座長】それでは配付資料の確認を、まず事務局のほうにしていただきます。

【宮本企画官】資料でありますが、いちばん最初に配付資料目次とありまして、全部で10番までの番号が付いています。資料1が議事次第です。資料2が委員名簿。資料3「自動車リサイクル法の施行準備状況について」。資料4、A3の紙を折っていますが、こちらは自動車リサイクル促進センターのほうの取組みの資料です。その次が資料5、こちらは日本自動車工業会の「自動車リサイクルシステムの構築等の準備状況について」という資料です。資料の6は2つに分かれていまして、資料6-1は自動車工業会のほうの環境負荷物質関係の資料、その次が日本自動車輸入組合のほうの資料となっています。資料7もA3の大きな紙で折り込んでいますが、商用車架装物のリサイクルに関する資料です。次に別添の1-1ということで同じ関係の資料が続いています。その次が資料8、二輪車リサイクルの関係の資料です。資料9はフロン回収破壊法関係の、役所のほうが作った資料です。最後に資料10として、委員限りで前回の議事録が添付されています。以上です。
 最後にエアバッグの関係の適正処理講習会、後ほどご紹介があると思いますが、自動車工業会で進めていただいているものがありまして、こちらのほうのご案内の資料が入っています。

【永田座長】よろしいでしょうか。それでは議題のほうに入らせていただきます。資料1にありますように、本日大きく議題は3つあります。まずはじめに「自動車リサイクル法の施行準備状況について」ということで、経済産業省・環境省両省、ならびに自動車リサイクル促進センター、それから自動車工業会から、それぞれの本格施行に向けた取組みを説明していただきたいと思います。この件につきましては、取組み状況をまとめて説明していただいたあと、ご議論願えればと考えていますので、よろしくお願いします。それではどうぞ。

【宮本企画官】資料3を用いまして、経済産業省のほうから先に説明させていただきます。資料3「自動車リサイクル法の施行準備状況について」という紙です。
 まず、スケジュールということで、ここに記載していますように、あと1年1か月後ですが、17年1月1日から本格施行ということで準備を進めています。その上にありますが、16年7月1日、法律第二段階施行という形で「許可の開始等」と書いています。これは解体業・破砕業等をやっておられた方に対して許可を取っていただかないと業ができなくなるということで、こちらの許可制度の開始がこのタイミングです。
 その下が2番目、本格施行に向けた施行準備体制ということです。先ほど永田座長からご紹介がありましたように、資金管理、情報管理、再資源化といった指定法人業務に関しては、自動車リサイクル促進センターのほうに、6月24日付けで指定を行っています。いま現在諸々の規程類や計画等の作成をご準備いただいています。
 その下の○がありますが、本審議会の審議内容を踏まえ、去る8月に許可基準なり再資源化基準、諸々の基準ですが、こういったものを含む政省令の大部分をすでに策定しています。これは別添で後ろに付けています。
 その下の○にありますが、日本自動車工業会なり各自動車メーカー等、さらには関係業者等ともご相談をしながら、現在物流・金流・情報流についての具体的な実務体制の検討も進めている状況にあります。
 2ページ目をお開きください。3番目ということで、主要検討事項、今後検討すべき事項を記載しています。まず第1点は関係事業者の関係ですが、最初の○にありますように、解体業・破砕業の方については許可を取っていただく必要があるわけですが、この許可というのは各都道府県知事及び保健所設置市の市長が出すものです。したがいまして、こういう自治体において、実際にどういう形で許可を出していくのかという体制の検討が進んでいる状況にあります。
 その下の○にありますが、国のほうでは関係業者の方に十分に制度をご理解いただけるように説明会を開催しておりまして、本年の1~3月に加えて、9月から10月においても、全国51か所で、約2万人のご参加をいただきながら開催をしています。その下の○にありますが、今後ともこれに限らず、さまざまな説明会を実施する必要があると思っていまして、今後は国単独ではなくて、自治体なり自動車リサイクル促進センター、それから自動車メーカー等と共同しながら説明会を開催する予定にしています。
 ここに「・」が4つ分かれていますが、最初の「・」のところにありますように、各都道府県・保健所設置市においては、許可の手続きに関する説明会をすることで準備をしておられます。これは許可をどのように申請して、どのような流れで許可が下りるのかということをご説明する機会でありまして、自治体のほうでご説明をいただいています。その下に3つある「・」については、後ほど自動車工業会のほうからご説明があるかと思いますので、割愛いたします。
 その下の○ですが、リサイクル法が本格施行する1年1か月後に向けて、使用済自動車の適正な保管を確保する観点から、環境省のほうで年内にも廃棄物処理法における保管基準を改正する予定です。使用済自動車の適正な保管に関する基準は、自動車リサイクル法ではなくて、廃棄物処理法の中で基準が決まっているものですから、こちらを改正するものです。これは後ほど環境省のほうからご説明をいたします。
 その下の(2)メーカー等が行う再資源化の関係ですが、自動車メーカーのほうでは現在いろいろな物流の仕組や、リサイクル施設の整備、またリサイクル技術の開発、こういったことを実施いただいています。
 3ページです。(3)リサイクル料金の関係ですが、料金の管理については資金管理法人という形で指定法人が行うわけですが、その際にきちんと透明性・公正性をもって資金が管理できるように、法律上、資金管理業務諮問委員会というものの設置が義務づけられています。後ほど、自動車リサイクル促進センターのほうからご説明があると思いますが、すでに開催をして議論を進めていただいています。
 その下の※、リサイクル料金については、これは各自動車メーカーがそれぞれコスト算定の上、それに基づいて決定していくものですが、現在コストを算定しているところです。実際の料金につきましては、少なくも来年夏頃までに発表されていくだろうということで、想定しています。
 その下(4)電子マニフェスト等の電子情報システム関係です。後ほど自動車工業会のほうからご説明があると思います。
 (5)離島・不法投棄対策関係です。離島・不法投棄につきましては、一部剰余金という形で、消費者にお返しできないリサイクル料金が発生するものにつきまして、これを自治体が離島なり不法投棄対策を行う場合に資金支援をしようということですが、自治体のほうと相談しながら、現在どのような制度であれば、どのようなスキームであればお金が充当できるのかということの検討を実務的に進めています。
 その下の括弧にありますが、このような離島・不法投棄対策の一環として、現在日本の中で不法投棄されている車両とか違法な保管車両というのがどのような状況にあるだろうかという調査を実施しています。後ほど環境省のほうからご説明いたします。
 最後(6)で広報の関係です。今年の2月から新車ディーラー、中古車販売店、それから整備業者経由で1,400万枚のビラを配付していますが、これも含めて、今後集中的にやっていくわけですが、特に来年の後半、制度の立ち上がり時期の直前に集中的に各種のメディアを活用して広報を行う予定で、いま現在準備をしている状況です。
 以上です。

【永田座長】どうもありがとうございました。それでは、藤井さんのほうから続いて。

【藤井リサイクル推進室長】それでは環境省のほうから、お手元の資料3の別添2、別添3に基づき、保管基準の関係と不法投棄調査の関係についてご説明させていただきます。
 はじめに保管基準の関係、別添2ですが、横長の資料をお開きいただければと思います。真ん中のほうに「状態・形状」とありますけれども、ここで申しますと「ほぼ原型」あるいは「未プレス廃車ガラ」という部分が、今回保管基準を改正していく対象となっています。自動車リサイクル法の施行に向けて、平成17年7月1日の適用を目指し、改正を行おうとするものです。
 現行の保管基準は、いちばん下のほうにありますが、「保管高さ、量に係る基準等」に改正前、改正後云々という部分があります。そこに現在の保管基準が掲げてありますけれども、これを下の網掛けの部分、改正後のほうに改正しようとするものです。
 1つは保管の高さの上限について、敷地の境界より3mの範囲内では3m、その内では4.5mを上限とするという改正をしたいと考えています。これは考え方としては、積み上げる縁のほうが乗用車のレベルで2段、それよりも中のほうが3段、そのような考え方で、3m、4.5mという基準にしたいと考えています。
 保管量の上限ですが、保管場所の面積、保管の高さの上限により形成される空間内に適正に保管できる数量とする、ということにしたいと考えています。これは自動車リサイクル法の施行により、マニフェストで車台ごとに一貫した管理ができるということを踏まえて、このような形にしたいと考えています。
 続いて別添3ですが、不法投棄の調査の関係について、ご説明させていただきます。調査結果ですが、各都道府県、保健所設置市が調査により把握しました不法投棄、あるいは違法な保管状態にある使用済自動車の台数は、全国で約16万9千台ということです。その下の○で、そのうちの離島分が約2万1千台です。この調査では16万9千台ですけれども、加えて不法投棄あるいは違法保管である恐れのあるもの、すなわち例えば現在は有価物と称されていますけれども、自動車リサイクル法が施行されて使用済自動車が廃棄物と見なされることになりますと違法となるような恐れのあるもの、そういったものなども含めますと、34万台程度あるのではないかと考えています。
 こういった不法投棄、あるいは違法な保管状態にある使用済自動車に対する対策としては、2番のほうにいくつか掲げています。まず自動車リサイクル法が完全施行されますと、[1]と[2]とありますように、すべての使用済自動車が廃棄物と見なされますので、有価なものでありましても、廃掃法による規制等が行われるということ。また、当該使用済自動車の計画的な撤去すら困難と判断されますと、当該事業者に対する許可を与えないということも可能となる、そのようなことになろうかと思いますので、そういったことも踏まえて、施行前までに撤去等の措置が必要である旨の周知徹底を引き続き図っていこうと考えています。
 また、下から2番目の○ですが、自動車リサイクル法が施行されますと、リサイクル料金の預託制度とか、電子マニフェスト制度、自動車重量税の還付制度が施行されてきますので、これにより使用済自動車の不法投棄、あるいは違法な保管が抑制されることも見込まれるかと考えています。
 いずれにしましても、関係省庁、あるいは自治体と十分な連携を図りながら、こういった不法投棄、保管基準違反への対応を強化していただきたいと考えています。
 以上です。

【永田座長】ありがとうございました。それでは引き続きまして、自動車リサイクル促進センターのほうからご説明願います。

【中谷専務理事】それでは報告をさせていただきます。横長の資料4をご参照いただきたいと思います。1番ですが、これまでの経緯、状況をまとめてみました。
当センターはちょうどいまから3年前に設立されまして、爾来、自動車リサイクル促進のための諸々の活動に取り組んでまいりました。特に昨年10月からは自動車メーカー等の委託を受け、自動車用フロンの引取破壊システムの運営にあたってきたところです。先ほど紹介がありましたように、本年6月に自動車リサイクル法に関わる指定法人として、大臣指定を受けました。これによりまして、法に定めるところの資金管理法人、指定再資源化機関、及び情報管理センター、というそれぞれの法人機能を当センターが担うことになったわけです。
 3つ目の○ですが、本指定を受け私どもは、別添1に示しました通り、チャートの左側にある従来からのセンターの固有機能とは別に、新たに3つの指定法人機能を加え、その体制づくりに取り組んでまいりました。現在段階で、担当の理事、参与を含めまして、現在で33名の陣容です。年明けで約50名に拡大したいと考えていますが、そのような体制で、それぞれの指定法人業務を、適正かつ確実に実施すべく、システム構築等、諸準備に取り組んでいます。
 なお現在、各指定法人の業務規程の作成を進めていますが、これは主務大臣の認可事項になっていますので、本年中に認可申請を行う予定です。
 また、指定法人としての公的な性格を十分認識しまして、情報公開規程や、役職員の倫理規程等を整備し、透明性・公正性を十分に確保し、社会から信頼を得られる組織として機能するように、今後とも努力してまいる所存であります。
 次に2の情報システムの準備状況ですが、これはご存じのように、この分野は自動車工業会が中心となって進めておられまして、後ほど自工会のほうから詳しく報告があろうかと思いますので、説明は省略させていただきます。ただ当センターといたしましては、今後におけるシステム運営主体として、全体システムがスムーズに運用できるように、開発段階から積極的にこれに参画し、またスタート前の試行テストに万全を期してまいりたいと思います。
 次に資料の右側に移っていただきます。資金管理業務諮問委員会の活動状況について説明いたします。ご案内の通り、自動車リサイクル法では、私どもの資金管理法人が自動車所有者の方々からお預かりするリサイクル料金等を、長期にわたって管理することになっています。このため多額の資金を安全かつ公正に管理することを担保するために、資金管理業務諮問委員会を設置し、資金管理業務の適正な遂行を管理することになっています。
 当諮問委員会の位置づけと審議事項等につきましては、別添3にまとめていますので、別途ご参照いただければと思います。
 いずれにしましても、これに基づきまして、9月に資金管理業務諮問委員会を設置いたしました。別添4に示しました7名の方々に諮問委員にご就任いただきました。なお、委員互選によりまして、永田先生が委員長に選出されました。
 本資料に戻っていただきまして、この資料の枠内に示した通り、すでに2回の資金管理業務諮問委員会を開催いたしました。特に現在は資金管理業務規程や資金運用についての基本的な考え方についてご審議をいただいているところです。なお、この委員会の討議資料や議事概要、あるいは議事録については、情報公開のルールに従いまして、当財団のホームページで公開していますので、ご参照いただければと思います。
 なお、指定再資源化機関が行う離島対策・不法投棄対策に対する資金管理法人からの剰余金の出えんについて、専門的な事項を審議するために、離島対策等検討会を資金管理業務諮問委員会の下部組織として設置することとし、現在その人選を進めていますことを申し添えます。
 4番目、最後ですが、理解普及活動について申し上げます。本格施行がおよそ1年後に迫った自動車リサイクル法がスムーズに立ち上がり、新しい社会システムとしてしっかりと社会に定着するためには、法運営に携わる関係事業者の方々と、自動車所有者の方々が正しく法の仕組みを理解し、それぞれの責任を果たしていただくことが最も肝要であろうかと思います。このため、当財団では理解普及活動の展開を、本格施行に向けての来年の最重点活動の1つとしてとらえ、自動車工業会ならびに主務官庁と一体となって行ってまいります。
 2つの局面がありますが、まず関係事業者の方々に対しては、本年2回にわたって行われました国による制度説明会をフォローする形で、具体的な業務の取りまわしについての説明会を、来年、テーマごとに、事業者の方々にお集まりいただいて行ってまいりたいと思います。また、一般ユーザーの方々の幅広いご理解を得るために、自工会、主務官庁とも十分な連携を取りつつ、効果的な広報活動を展開してまいる所存です。
 私どもからの報告は以上です。

【永田座長】どうもありがとうございました。では、引き続いて自工会のほうからお願いいたします。

【渡邉委員】皆さんご存じのように自動車リサイクル法と言いますのは、自動車メーカーが主体的な役割を果たして、自動車のリサイクルをうまく回していくという役割を担っています。なかでもわれわれはASR、エアバッグ、フロンにつきまして、その引取り、リサイクルについて、円滑な流れを構築するという大きな使命を担っています。これらのリサイクル3品目について円滑に回すためには、情報ネットワークが必要なわけですけれども、このシステムの進行状況について、後ほど益田のほうから説明させていただきます。
 私から2点、皆様にご協力とお願いを申し上げておきたいと思います。1つは自工会がいま構築していますシステムは、来年一杯で準備期間が終わりまして、いよいよ試行段階に入ります。全力を挙げて、いまシステムを開発していますけれども、残り時間は大変逼迫していまして、正直言いまして、そうやすやすとできるシステムではありません。大規模、それから関係者が大変たくさんいますので、われわれは全力を尽くしてこれを構築してまいりたいと思いますけれども、仕様等のスペックをいま決定していますが、日程的に大変厳しい状態にありますので、このへんをよくご理解いただきたいと思います。
 2つ目は、大変多岐にわたる関係者の方々がこれに関わっていますから、ぜひ円滑な立ち上がりのためには、センターへの事業者の登録だとか、あるいはシステム運用の習熟、あるいは一部の方にはテストへの参画等々をお願いすることが多々あると思います。そういう点について、深くご理解の上、ご協力をお願いしたいと思います。
 以上2点、お願いを申し上げました。今後とも自工会としては、行政や各関係者の方々と強力な連携関係を持って、このシステムを構築してまいりたいと思います。それでは益田のほうから説明いたします。

【益田委員(社団法人日本自動車工業会環境委員会リサイクル廃棄物部会長)】それでは資料5というA4の紙が3枚と、A3のカラーの紙、別添2というのが付いています。最初に別添1というのをごらんいただきたいのですが、A4の横使いで「自動車リサイクルの体制(概念図)」というのがあります。皆様よくご存じの通りですが、いままで議論してきました体制、各事業者、あるいはいまご説明がありました自動車リサイクル促進センターを含め、どのような関係になるのかということをまとめた概念図です。
 左側に新車購入者、中古車購入者、最終所有者ということで、車の所有者の流れがあります。新車購入者は新車購入時にリサイクル料金を預託いただく。あるいは2005年1月以降使われている既販車については、継続検査時においてリサイクル料金を預託いただくという概念で、その預託されるお金は、自動車リサイクル促進センターの指定法人、資金管理法人というところにお金が預託されます。そして、最終所有者からは廃車が引取業者に渡され、フロン回収業者、あるいは解体業者、シュレッダー業者、それからシュレッダー業者さんから出るASRについては、メーカーの引取りの下、ASRのリサイクル施設、あるいは一部最終埋立処分場に処理をするということのものの流れが、この黒い線で流したところです。また、お金の流れも黒で示しています。そして、情報の流れを点線で一部流しています。
 そういったことで、いま、自動車リサイクル促進センターの3つの機能のご説明がありましたが、いちばん上にあります資金管理法人、それからその右下にある指定再資源化機関、これは義務者不存在とか小規模輸入事業者のリサイクルの実行を代行する機関です。あるいは離島対策等の実行機関です。それから下から2段目のところに、情報管理センターというのがあります。これが3つの機能です。
 それからカーメーカーの役割は上から2段目のところにあります。現在調整中ですが、共通の引取窓口機能として、フロンの破壊処理、あるいはエアバッグの処理を共通の機能としてまとめて、多くの事業者さんの窓口を一本化して処理をしようということを考えています。これが全体の大きなビューです。
 その次の別添2をごらんいただいてからいまの取組みをご説明したいのですが、別添2はカラーで、自動車リサイクルシステムの全体、オーバービューということで、システム的に少しわかりやすく、絵を細かく描きました。
 左上に[1]から[7]までありますが、[1]がいま申し上げていました車の所有者がどのようなところで接点を持って預託をし、あるいはリサイクル券を発行してもらうか。[2]は真ん中の下の段に引取業者、フロン類回収業者、解体業者、破砕業者、これがリサイクル関連事業者ということで、ものの流れをこのラインで処理をする。併せまして[3]は、上のところに自動車製造事業者、輸入業者ということでのメーカー等の役割をここで位置づけています。[4]は自動車製造事業者等の再資源化機能ということで、いま申し上げた共通の引取窓口機能を設け、事業者さんとのやり取りを一本化してやろうということを現在調整中です。[5]が右の真ん中のところにあります自動車リサイクル促進センターです。資金管理法人、情報管理センター、指定再資源化機関ということで、3つの機能を司るということです。[6]が費用徴収委託業者ということで、実際にはこの[6]が左のほうの中段のところにありますが、車検場での費用徴収であったり、整備事業者で費用徴収をしていただいて預託手続きをしていただくとか、そういった手続きの準備をしています。それから国交省及び関係団体ということで、[7]が右上のところに、これは国交省さんのMOTASから登録車の車両データをいただいて、メーカーとして車両情報を加工して、促進センターの資金管理法人に送る。それから自検協、全軽自協から軽自動車の車両情報をいただいて、車両情報を加工し、資金管理センターに送るといった流れです。
 なお、自動車リサイクル促進センターの下のところにデータセンターということで、当然このハードのセンターをバックオフィスとしてかまえ、こういったシステムを動かすということです。また、その下にコンタクトセンターというのが書いてありますが、当然問い合わせ窓口を含めたコールセンターの位置関係がこういう状況です。
 このようなシステムを現在、各パートパートに分けながら準備をしています。その準備状況について、簡単にご紹介します。資料5のほうに戻っていただきたいと思います。
 資料5のA4の紙2枚です。1つはいまご説明しました全体の絵を描きながらの、システム構築の準備態勢についてです。(1)に書きましたのは、自動車工業会の中のリサイクル担当の環境委員会と電子情報委員会、これは各社のITの専門家の集まっている委員会ですが、この委員会の専門組織との連携強化を図りまして、現在自動車工業会のみで約150名からなるプロジェクト体制でこのシステムの準備をしています。併せまして、輸入組合の皆様にもこの検討プロジェクトに参画をいただきまして、共同で取組み中です。それから先ほどご説明もありましたが、実際に運営をしていただくリサイクル促進センターのスタッフの皆様にも、この開発の早い段階から入っていただきまして、検討を進めています。同時に、今回のこのシステムは先ほど情報を加工して資金管理法人に車両情報を提供すると申し上げましたが、各メーカーの社内のシステムとも影響しています。
 そういった意味で、各メーカーのIT担当との連携も進めながら、自工会の全体プロジェクトとして取り組んでいます。その自工会内の委員会の関係をこのような形で、環境委員会系列のシステム構築連絡会と電子情報委員会系の部会と連携をして、プロジェクトマネジメントオフィスというようなPMO会議という形で、促進センターあるいは各社の協力をいただきながら検討をしているというのが1点目です。
 それから全体スケジュールについて、その下に書いてあります。先ほど渡邉のほうからご説明申し上げましたが、本年の10月末に概念設計はほぼ完了しました。現在その概念設計、業務要件の仕様凍結に基づきまして、詳細設計の開発に入っています。順次詳細設計のパートパートがアウトプットされてくるということで、同時にデータセンター、コンタクトセンターの設計についても準備中です。
 コンタクトセンターの機能の一部は事業者説明会のあとで説明いたしますが、来年の春からはじめますので、一部問い合わせ窓口を含めたスタッフを3、4月には立ち上げる予定です。
 それから(2)に書きましたのは、施行半年以上前の、来年の5月くらいまでには接続テストをスタートさせる。これも専門家に言わせますと、このスケールでは少し遅いということもありますが、そういった大変タイトな状況の中で準備をしています。国交省、軽検協よりいただきます既販車のデータにつきましては、7,400万台の現行既販車保有者、あるいは過去の一時抹消車両のデータも併せまして、来年の5月にいただくと予定していますので、これもタイミング的には大変タイトな重要なタイミングだと思っていますので、重ねてよろしくお願いを申し上げます。
 次のページに事業者説明会の予定を一覧にさせていただきました。各団体と調整しながら合同で説明会を開催していきたいと思っています。表の中をご説明しますと、いちばん左に現在行っていますエアバッグ類の適正処理講習会、これは本年の10月から来年の5月にかけて実施をするということで、全国の47会場で実施中です。エアバッグの作動処理、あるいは取り外し方法の実技を含めてご説明をし、研修をやらせていただいています。
 その右側にシュレッダー事業者向け説明会ということで、来年の1~3月で、これは鉄リサイクル工業会さんとも連携をして一緒にやると聞いていますが、全国8会場を想定してやると。その右側には料金の説明会、それから関連事業者の実務運用に関する説明会等を考えています。
 その下に自動車所有者・ユーザーへの理解活動につきましては現在検討して、来年の出講も含めまして詳細を検討中です。
 長くなりましたが、私からは以上です。

【永田座長】どうもありがとうございました。それでは第1番目の議題につきましてご質問、ご意見等がおありかと思います。もしおありの方は、手を挙げていただけますでしょうか。どうぞ。

【浅野委員(横須賀市環境部循環都市推進課総括技幹)】剰余金についてのお願いですけれども、資金管理業務諮問委員会で剰余金の取り扱いについて審議されることになっています。離島対策ですとか、不法投棄対策に使用される剰余金の出えんについては、その出えん金額、出えんの方法等、出えんを受ける自治体側が利用しやすいように、配慮をお願いしたいと思います。そのためには、自治体への情報の提供と、取り扱い方法については自治体の意向を十分反映していただけるよう、お願いさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【永田座長】どうもありがとうございました。どうぞ。

【松波委員(社団法人日本自動車連盟副会長兼専務理事)】大変な努力をされた結果ですが、1つ抜けているかなと思いますのは、例えば役所で説明されました主要検討事項という中で、関係事業者その他はだいぶ書いてあるのですが、最後に広報という欄はありますけれども、ユーザー向けのPRをしていただくことが大事です。しかし、その前に大事なことは、窓口がどこだとか、手続きの仕方はどうかとか、いろいろPRされるための中身がいるのだろう。そういうものをお決めにならないと、一般的な広報だけであって、具体的に手続きを取るときにどうしたらよいのか、そこはまだ先かもわかりませんけれども、そういう視点もいる。あるいは問い合わせするとどこにしたらよいのかという視点もいるのではないか。したがいまして、ユーザーが円滑に手続きを取るための、ただの一般広報だけではなく、もう少し具体性のある広報についても配慮していただきたい。当然われわれも自動車ユーザー団体ですから、皆さんの方針が決まれば、PRには協力をさせていただきたいと思っていますが、一つその点をよろしくお願い申し上げます。

【永田座長】どうもありがとうございました。いかがですか。どうぞ。

【土井委員(社団法人日本鉄リサイクル工業会専務理事)】鉄リサイクル工業会の土井でございます。2点発言させていただきます。
 1点は資料3の2ページ、いちばん上に「解体業・破砕業の許可基準や再資源化基準が決定したことを受け、円滑な許可がなされるよう進められている」と。この通りでして、いままで中間処理の受付などしなかったような地方自治体が、ここにきて中間処理の申請の受付をするというような進歩がすでに見られています。ただ1つここでお願いしたいことは、こういう場所でお金の話をするのはちょっと気が引けるのですが、この前の説明会の資料に審査手数料が出ていまして、新規で8万4千円、更新で7万7千円ということが出ています。これは審査ということになると、やはりこのくらいのお金はかかるのかもわかりまんが、私どもとしては、基本的な考えとしては、すでに中間処理の許可を取っている者がこの自動車リサイクル法の許可も申請するということで、特に取り立てて新しい設備をするとか、そういうことはありませんので、できるだけこの費用は軽減していただきたいという点が1つです。
 もう1つ、これは自動車工業会のほうからご説明いただきました電子マニフェストの構築の点でして、これは私どもも非常に心待ちしています。ただ、今年の8月にこの自動車リサイクル法の施行に備えまして、私どもの会員にアンケートをしました時、これは790の会員に対して約620の回答を得ていますので、わりあい高い回答率を取っていますが、この中で「電子マニフェスト制度に対してパソコンを用いて対応ができますか」という質問に対し、「できます」と答えたのが357、「できません」と言っているのが152、無回答が109です。これは何を意味するかというと、うちの会員でも自動車リサイクル法の破砕業、あるいは破砕前業者としての申請をしないという人もいますのでこれは無回答になっているのかもわかりませんが、ただやはり「できません」というのが152いるということは非常にショックです。
 これは1つには本当にできないというよりも、何をしてよいのかわからないと言いますか、先が見えないということで非常に不安になっていますので、先ほど益田さんのご発言もありましたが、できるだけ早めに全体の絵を見せていただいて、私どももその線に沿って、われわれ工業会独自での非常に細かい指導と言いますか、そういうこともしていかないと間に合わない、あるいはうまく回らないということを感じていますので、ぜひ1つお願いいたします。以上です。

【永田座長】どうもありがとうございました。あとはいかがでしょうか。いろいろご意見をちょうだいしました。ごもっともな意見がほとんどだと思っています。どうぞ。

【砂田代理(主婦連合会)】主婦連合会の副会長の代理なのですけれども。消費者として、この法律施行前に、新車であればリサイクル料金が上乗せになってきますと、第一番は車が高くなるという感じがするのですけれども、いまはもう車は贅沢品ではなくて高齢化社会に向けて必需品なので、なるべく安い方向でお願いしたいということがあります。
 そのリサイクル料金なのですが、新車に上乗せするのですが、法律施行前に購入して、さらに乗り続けるという場合、リサイクル料金を払う時に、車検業者とかにお金を払って管理センターに行くというシステムになるのですか。そういう場合に、本当に適正な料金が提示されるのかどうか、払うほうにしてはいろいろ情報がわかりませんので、これでよいのかという感じがするのですけれども。そのへんが心配です。

【永田座長】いまのご質問を含めて、いろいろコメントをいただいたことに関しまして、事務局サイドのほうから回答あるいは対応の仕方について説明していただきます。

【宮本企画官】経済産業省のほうからお答えいたします。
 浅野委員がご指摘の、地方自治体の不法投棄や離島対策等の事業に対する資金支援ですが、まさにおっしゃる通りでありまして、いま自治体の方々ともご相談しながら、どのようなスキームであればご利用できるかということについてご相談をしています。そういう意味で、できるだけご意向は反映したいと考えています。
 松波委員からご指摘のありましたPRのほうの中身につきましては、もちろん先ほど自工会のほうからご説明がありましたように、コンタクトセンターといったような形で消費者の方からのご相談をお受けする窓口は作りますし、また役所のほうでも直接消費者の方からのお話を受けるようにしたいと思っています。具体性のある広報、どのようなことを重点に置いてやっていくのか、例えばどのようなところをポイントにしてやっていくのかとか、どのような対象にやっていくのか、メディアをどうするのかといったあたりについては、今後検討を進めていきたいと思っていますので、また委員の方々からもご意見をいただきたいと思っています。
 それから土井委員のほうからご指摘がありました点については、環境省のほうから説明します。それからマニフェストの関係でも土井委員からご指摘がありましたが、おっしゃる通りでありまして、おそらくかなり簡便な仕組みになるように、自工会のほうにはだいぶ気を遣っていただいて作っていますが、なるべく早くお見せすれば業者の方も安心していただけるかと思いますので、そういう意味で早めにご相談できるようにしたいと思っています。
 砂田代理のほうからご指摘のありました点ですが、既販車につきましても料金が明確に定められていますので、消費者の方についてはそれもご確認はできますので、何か不明朗な金額が請求されるということは決してありませんので、その点はご安心いただきたいと考えています。

【永田座長】はい、どうも。どうぞ。

【志々目自動車リサイクル対策室長】土井委員の最初のご質問の手数料の件ですが、基本的に廃棄物処理法上の許可を持たれている場合におきまして、自動車リサイクル法の許可業者に移行するというケースにつきましては、基本的に手数料はかからない方向で考えています。また、すでに提示させていただいています審査手数料ですが、これについてはあくまでも国が目安として示させていただいていまして、最終的には各都道府県で判断して設定されるという手順になっています。

【永田座長】どうもありがとうございました。第1番目の議題につきましては、本日のご指摘事項を踏まえながら、今後も関係の方々とよく調整して、法の施行に向けて十分な準備をしていただきたいと考えています。また、審議会の場におきまして、適宜その状況について報告していただくようにさせていただきたいと思います。
 続きまして2番目の議題の、自主的取組みに入らせていただきます。この自主的取組みにつきましては、昨年の11月に開催されましたこの合同会議、第2回になりますが、そこでご報告いただいたものですが、その後1年間動かしてまいりましたので、その進捗状況を中心にご説明いただこうと考えています。
 3つの内容がありますので、それぞれの説明と質疑に関しましてはワンセットとしまして、3つを順繰りに回していきたいと考えています。
 はじめに環境負荷物質の使用削減ということで、自工会と日本自動車輸入組合からご説明いただきます。どうぞ。

【日本自動車工業会】それでは資料6-1をお願いします。先ほど説明がありましたように、資料の6-1から3ページについてご説明をいたします。先ほど申しましたように、1枚目としては昨年来の経緯を簡単にご説明いたします。2ページ以降で今回の取組み状況についてご説明いたします。
 まず経緯ですが、先ほどご説明にありましたように、昨年11月22日に合同会議で以下のような形で、自工会の新たな取組みということで報告をいたしました。その後の取組み状況ということで、今回ご報告いたします。
 削減の考え方を簡単にご説明いたします。削減の考え方として1点目は、従来行っていました鉛に加えまして水銀、6価、カドミの4物質という形にしています。2番目としては世界でもトップクラスの厳しい基準という目標値を定めています。3番目は、鉛につきましては従来と同じ総量規制という形で数値を設定しています。4番目として、水銀、カドミ、6価については時期を明示して使用禁止する。これらについてはEUの廃車指令と整合した形での目標値という考え方で設定しています。5番目は対象車両については、乗用車のみならず大型車両も前向きな目標という形で取り組んでいます。またその特徴についてはそれらを踏まえて目標を設定しています。最後6番目は技術の進捗に合わせて目標を修正するという形です。
 その下に表でありますように、昨年公表しました削減目標がありますが、鉛については2006年1月以降1/10以下、ただし大型車については1/4という形を取っています。補足で備考のほうに削減の基準、さらに※印で従来取り組んでいました目標値を参考で付けています。水銀については、現在自動車リサイクル法の施行予定である2005年1月以降、以下を除き使用禁止ということで、以下の交通安全に関する4品目を除外としますが、それらを除き使用禁止です。6価クロムについては2008年1月以降使用禁止。カドミについては2007年1月以降使用禁止という時期を明示しています。
 2ページ目、[2]の削減状況の公表につきましては、今回ご報告する通り、1点目としては4物質の含有部品の公表、2点目として削減目標の達成状況を毎年自工会を通じて公表する。3番目としては各車種についてはメーカーごとに公表するという形です。
 それでは2番目以降で取組み状況について具体的にご説明します。
 1点目は鉛ですが、鉛のまとめとしては、従来の取組み目標である1/3を、下の表に示してありますようにほぼ達成していまして、昨年公表しました新たな目標について2モデルについて前倒しでクリアーしているということで、新目標についても達成に向けて着実に取り組んでいる状況です。以下[1]のほうに、その内容についての状況を表にしてまとめています。
 [2]として、これら鉛の削減状況の具体的な状況ということで、ご説明を付け加えています。特に鉛のフリー化については、下の表に示していますように、燃料タンク、ホイールバランサ、電着塗装と、このような表の形で代替技術がほぼ見えていますが、これらを代替する際には問題点もありますので、これらを解決しつつ、適用可能車種から採用しています。
 いちばん下に補足としてさらに、その他の内容として「・」印で、特に電気・電子基板のハンダについては、現在電機業界でのハンダの無鉛化技術が進められていますが、これらを踏まえて自動車としてもこれらが適用可能かどうかについて現在検討中です。
 3ページ目をお願いします。2番目の水銀ですが、水銀については液晶ディスプレイ等除外4部品を除き、すべて新型モデルでは水銀の使用は対応済みです。さらにこれら4品目についても、現在部品メーカーと積極的に代替技術開発に取組み中です。
 3番目に6価クロムですが、特に現在使われています金属部品類、及びボルト・ナット類の防錆コーティングですが、これらは特に長期保証の観点から耐腐食性等の技術的課題がまだ残っています。さらに重要保安部品等の締結するボルト等にも含まれていますので、これらを禁止目標年の2008年1月に向けて、さらなる代替技術の検討を進める必要があると考えています。
 4番目のカドミにつきましては、現在ごく微量に使用されています電気、電子部品のカドミがありますが、これらにつきましても、他金属への代替を部品メーカーと協力しまして、2007年1月の禁止目標に向けて代替技術の開発中です。
 最後になりますが、3番目の削減状況の公表です。これ以降のページに補足として付けていますが、自工会のホームページ、ならびに各社の環境報告書、ホームページ等で一般に公表しています。別紙の添付で付いていますのが、それら各社の環境報告書の抜粋です。さらにその後ろに、昨年合同会議で報告いたしました資料を、参考で付けさせていただいています。
 以上です。

【永田座長】どうもありがとうございました。それでは日本自動車輸入組合のほうから。

【脇山委員(日本自動車輸入組合専務理事)】資料6-2をごらんいただきますと、輸入車についての取組み状況が要約されています。簡単に言いますと、欧州及びアメリカから日本に輸入されている車は、今年からすでにEU指令に沿って環境負荷物質の制限、使用禁止を実施しているということです。EU指令ですから、ヨーロッパの中で遵守すればよいというのが最小限のことなのですけれども、欧米のメーカーは世界に向かって出荷するものに、すでにEU指令に沿って対策を講じているということです。
 EU指令の内容は、すでに経済産業省からもこの場で説明がありましたので詳しく申しませんし、ここにいちおう要約してありますが、簡単に申しますと、自工会自主努力においては、特に鉛はそうなのですけれども、総量規制ということで数値が上がっているわけですが、EU規制の場合は鉛、水銀、6価クロム、カドミウムともに例外品目方式、ネガティブリスト方式と申しますが、そういうネガティブリストを掲げて、それ以外のものは使わない、このようなことになっているわけです。
 なお日本にはアメリカ、ヨーロッパの車のほかに韓国の車も輸入されているわけですが、年間3,000台程度ですので、今回は状況を調査していません。以上です。

【永田座長】ありがとうございました。それではただいまの環境負荷物質の件についていかがでしょうか。ご質問、ご意見を頂戴したいと思います。
 自工会の関係の資料で、確か去年の時にも環境負荷物質というものの中身、重金属系統以外にも、これからいろいろ検討していかなくてはいけないテーマもあるとお伺いしていたのですが、そのへんの状況というのはいかがでしょうか。

【日本自動車工業会】現在環境負荷物質として明らかに自動車のELVの法規の4物質というのは特定されています。それ以外、一般的な法規の有害物質というのは、各領域でかなり出ているのが現状です。ただし自動車に対しては、そのつどその対応についてはやっていますが、今後さらに予測される物質というのはまだ変動していまして、十分な答えが出ていません。ということで、法制化されたものについては、自動車工業会としても自動車メーカー等々に対応が済んでいますが、これから予測することについては、特にEU関係の製品に関わる有害物質の法規がかなり動いていますので、注視する必要があると考えています。

【永田座長】検討を進めておられると考えていいですか。

【日本自動車工業会】はい。

【渡邉委員】例えば触媒の中に臭素を入れるかどうかとか、そういうことは国際的に議論されています。ですが、世界的な、欧米日の合意は得られていません。議論が進んでいくと思います。
 申し上げておきたいのは、自動車というのは国際商品でありまして、特に日本の自動車工業会というのは日本の市場ではなくて、われわれは全世界の市場で競合性、商品性というのを競っているわけでありまして、ヨーロッパの基準に合格しないとわれわれの競争力がなくなるわけです。ですから、きょうお聞きになった定量的な目標値だとか、従前からいろいろ努力してまいっているわけですが、かなり規制を先取りした自主的な取組みをやっているつもりです。ですから、委員長のお話のような新しい環境負荷物質についてもわれわれは十分ウォッチングしていますし、必要ならば、世界に先駆けてそういうものを自主規制の内容に加えていきたいと思っています。

【永田座長】どうもありがとうございました。いかがでしょうか。よろしければこの件はこれで終わりにさせていただきます。今後も取組みを進めていただくということになると思いますが、また定期的に、進捗状況等につきましてはこの審議会にご説明いただけるよう、よろしくお願いいたします。
 それでは次が商用車架装物のリサイクルに対する自主的取組みの進捗状況でして、これは自工会と日本自動車車体工業会よりご説明いただきます。

【日本自動車工業会】それでは商用車架装物リサイクルに対する自主取組みの進捗状況について、ご報告させていただきます。
 まず資料の構成ですが、お手元にA3横書きの本文3枚と別添1から5の資料からなっています。A3の資料ですが、各ページともいちばん左側のコラムが昨年の審議会で公表した自主取組みの内容を記載しています。次のコラムのところには各取組みに対する進捗・成果、その次のコラムには今後の予定などを記述しています。
 取組み内容は大きく3つありまして、設計段階の取組み、使用済段階の取組み、関係事業者との協力の3つからなっています。最初に設計段階の取組みについてご報告いたします。
 Aのリサイクル設計の推進ですが、これは設計段階からリサイクルの容易化、環境負荷物質の低減に取り組むという内容です。車工会のほうで3Rの判断基準ガイドライン及びチェックリストを作成済みでありまして、会員メーカーへの普及促進を行っています。これにつきましては別添1をご参照ください。
 a、b、cの各項目に対してはガイドラインあるいはマニュアルの作成を行いました。まず解体マニュアルについてですが、解体マニュアル作成に関するガイドラインと解体マニュアル共通編というものを作成済みです。これも同様に車工会の会員各社への普及を行っています。これは別添2と3をご参照ください。
 それから各架装物個別マニュアルについてですが、これは解体事業者の要望等も取り入れつつ作成中です。バンとタンクローリーについては、2003年度中の提供に向けて優先的に検討を進めています。
 次の使用材料名、架装物製造者名の表示についてですが、これは両工業会共同でガイドラインを作成済みです。予定通り2003年度中に完了いたします。使用材料名については100g以上の樹脂部品については、表示が困難な場合を除き、自動車と同じくISOで規定された記号、または一般的に用いられている名称、例えばFRPなどですが、そういうものを用いて表示することにしました。それから製造者名ですが、これはモデルプレート、ブランドシール、オーナメント、もうすでに行われていることですが、こういうもので表示をすることとしました。これにつきましては別添の4と5をご参照ください。
 それからリサイクル困難な材料の代替材の調査につきましては、断熱材についての状況をご説明します。断熱材は解体の難しい、現場注入発泡ウレタンタイプに代わりまして、解体の容易なサンドイッチパネルへの採用が進んでおり、解体性の向上が図られています。素材メーカーにおいては発泡剤代替フロンの使用削減に向けた材料開発が進められています。しかし、架装物においては、移動用として重要な難燃性、あるいは断熱性の向上技術が残課題としてありまして、架装メーカーを中心に適用技術の開発が精力的に進められているところです。
 次にBの環境負荷物質の使用削減について報告いたします。鉛以外の3物質につきましては、自動車と同様の削減目標、これは備考の欄に付けていますが、これをもうすでに上げています。鉛については2002年度の車工会会員メーカーでの調査結果を基に決めることにしていました。車工会会員メーカーでの調査の結果、架装物においては塗装と電気、あるいは電子部品のハンダ以外には鉛を使っていないことを確認しました。ただしレントゲン車の隔壁は除きます。
 ダンプ、タンクローリーなど30車種の台当たりの平均使用量は60gでありまして、その中でも電着塗装の鉛が88%を占めていることも判明しました。右のグラフを見ていただくとわかりますが、架装物の台当たり鉛使用量は乗用車に比べてもかなり低いレベルにあります。車工会会員メーカーの塗装ラインの改造予定も踏まえつつ、削減目標をその下に括弧で囲っていますように設定いたしました。すなわち、2006年度に鉛使用量を2002年度に対して1/2以下に削減するというものです。この削減方法は電着塗装の鉛フリー化を実施するということです。なお、解体マニュアル共通編に車工会会員メーカーに環境負荷物質を含む材料、部品例の情報提供を行っています。
 次のページです。使用済み段階に移ります。まず使用済み架装物のリサイクル適正処理の推進についての取組み状況をご説明します。木材・断熱材・FRPの順に説明しますが、いずれも他業界との連携を取りながら体制づくりを推進していきます。
 木材につきましては関係業者へのアンケート調査・ヒアリング・技術文献調査などを実施しました。廃木材のマテリアルリサイクル技術はチップ化しボードに加工することが中心ですが、架装物由来の廃木材については汚れ、処理費用などの制約があるため、ダイオキシン対策を前提に焼却処理が今後とも主流となると考えられます。あとで述べます協力事業者制度に参加を予定している事業者は、ダイオキシン規制を前倒し達成し、さらに規制よりすぐれた独自基準で焼却処理を行っている所も多いことが判明しました。今後の対応になりますが、情報提供のための受け入れ条件についてさらなる調査を進めるとともに、建設業界など他業界の対応状況を注視していきたいと考えています。
 断熱材についてですが、これは家電リサイクル施設の冷蔵庫処理技術の適用可能性について調査を実施しました。最初に、処理手順のところをごらんください。解体実験では、写真からわかりますように、床、壁、天井に分解し、次に冷蔵庫処理ラインに投入できる大きさにカットしました。解体実験から得られた知見は、解体実験のところに書いています。1つは旧来設計のバン架装物の分解及び素材の分解は容易ではないが、現在主流のサンドイッチ構造品は分別性が改善されていること。それから2つ目、手動工具類では解体効率が悪く、ニブラ・破砕機等機械化の必要性。また、解体マニュアル、使用材料などの情報開示の有効性を確認しました。
 写真の下のこちらをごらんください。カットした断熱材パネルは、冷蔵庫処理技術を適用しまして破砕、破砕時に放出されるフロンは送風管でロータリーキルンに送り、熱分解処理します。断熱材・FRPもロータリーキルン炉で焼却処理をしました。
 断熱材処理実験からの知見は、カギ括弧で囲ったところです。架装物のサイズ及び強度が冷蔵庫と大きく異なるため、施設の受け入れ条件に合った前処理、またはプラント開発が必要であるということです。
 最後にFRPについてですが、セメント原料化が技術的には可能ですが、セメント工場受け入れ時要件に合致させるため、例えばフロンを含んだ断熱材等の付着物の除去、あるいはFRPをある大きさ以下にしたり、カロリーコントロールをする前処理施設への物流ルート確保等が課題となっています。
 今後の予定ですが、引き続き他業界との連携を図り、リサイクルあるいは処理技術の検討を行います。
 次のページをお願いします。D、処理・再資源化協力事業者のネットワーク化について報告いたします。これは全国の架装物の処理、再資源化を実施する協力事業者をつのりまして、そのネットワーク化など処理体制の整備に貢献することを目指しています。「進捗・成果」のところに書いていますが、木材・断熱材・FRPの処理事業者に対してアンケート調査を実施し、同時に協力事業者制度に参加要請を行いました。現在までの参加予定事業者数は67事業者、82施設になります。その内訳は下記囲いの通りでして、アンケート先の括弧の数値、これがアンケート依頼数を示しています。それから右側の数値が現在参加を予定している事業者数を示しています。
 協力事業者制度を社会に広く公表するため、いまホームページを準備中です。下の図にその一部を示しています。木材・FRP・断熱材の処理施設、それからセメント焼成施設、建設廃材処理施設を色分けで示しています。各地方ブロックの見出しをクリックしますと、詳細情報を見ることができるようにしています。
 今後の予定ですが、各施設の受け入れ条件などを明確にして、来年の3月を目途に公表いたします。それから定期的に処理実態調査を実施し、情報を公開していくということ、それから継続的に協力事業者の追加募集を行い、ネットワークの充実を図ります。
 最後の関係事業者との協力のところですが、これは情報提供と啓発活動の推進がメインの活動です。まずディーラー経由での車工会の非会員架装メーカーへの情報提供とか、協力要請を準備中です。また、解体事業者にごみの混入や危険物の残存など、廃棄物の状態に関する解体上の問題点のヒアリングを実施していまして、ユーザー廃棄時の行動に関する啓発資料に活用予定です。
 以上です。

【永田座長】どうもありがとうございました。車工会からはありますか。

【日本自動車車体工業会】けっこうです。

【永田座長】わかりました。それではこの件に対しましていかがでしょうか。ご質問等がありましたら。
 1つは判断基準だとか解体マニュアルとか、こういうものはわれわれも入手しようとすると、できるような形になっているのでしょうか。例えばインターネット上で公開されているとか、積極的にどのような取組みをしているか、皆さんに知っていただくにもこのような資料は役立つのではないかと思います。状況等、また、もしそうでなかったらやはり公開していただきたいと思いますが。

【日本自動車工業会】現在は資料を作成して、会員のメーカーに普及しているという段階でして、今後ホームページの立ち上げ等に絡めまして、そういう資料も提供していきたいと思っています。

【永田座長】よろしくお願いします。
 それから具体的な処理の方法という点では、いろいろ実験もされたりして取組みが進められているのだと思いますが、先ほども少しお話があったような、例えばフロン系の断熱材を使っているところだと建材関係とか、FRPの場合にはFRP船の問題もあり、そういう意味では幅広くいろいろな形で連携されたほうが、きっと効果的な対応策が進んでいくのだろうと思っています。

【日本自動車工業会】そのような業界の方との情報交換等を行っていますし、今後も行っていくということにしています。

【永田座長】情報交換だけで先に進まないというパターンもありますので、問題点などきちんと整理されて、またこういう場にご報告いただく。それで技術開発の必要性ということであったら、それなりの対応をまたしていくということをやられていくのがよいのかなと思っていますので、実験をやられるのは重要な話ですけれども、そういう意味ではそこでわかった問題点を解決するということになってきますと、ここにも「プラント開発が必要である」というような言葉が書かれていますが、こういうものを誘発するようなシステムというか、そちらの情報公開の有り様だとか、あるいは先ほど申し上げたような連携関係、このへんも含めてぜひお考えいただきたいと思います。よろしく。
 いかがでしょうか。どうぞ。

【松波委員】先ほどご説明の、絵を描いた3ページ目のところに、再資源化協力事業者のネットワークということで、ユーザーやディーラーと書かれて「委託先を容易に探すことができる情報を提供する」と。インターネットか何かで出るのですが、あまり費用については含まれていません。これはユーザーならユーザーの負担、あるいはなるべくリサイクルの容易化を図ったものを考えると設計段階でもおっしゃっていますが、費用の面で考えるとどのようなことになるのでしょうか。

【日本自動車工業会】費用につきましては、これは個々の処理事業者と排出される方との間の契約によると思います。われわれとしては、ここでは、この業者さんはちゃんと法規を遵守したところでやるとか、どのような許可を持っておられるとか、どのようなものができるとか、そのようなところの情報を提供して、あとは業者さんでやっていただくということをいまは考えています。

【永田座長】架装物の状況もぜひ事業者の方に積極的にお知らせし、それで対応の内容等についてもお考えいただく、そういうチャンスも作っていただければと思いますので。既存の情報だけを整理する、話を聞くということだけではなくて、だいぶ特殊な状況もありますので、それもぜひ両者で情報交換をしていただきたいと思います。
 よろしいでしょうか。それではこの件に関しまして、先ほどと同様にいただいたご意見等も踏まえながら取組みを進めていただきたいと思います。定期的にご報告いただくチャンスも作りたいと考えています。
 それではこの第2の議題の最後になりますけれども、資料8で二輪車のリサイクルに関する自主的取組みの進捗状況につきまして、自工会のほうから。

【日本自動車工業会】では、二輪車のほうを説明させていただきます。資料8です。まず1番目の自主取組みの概要です。これは昨年の審議会に提示した内容、サマリーです。簡単に説明させていただきます。
 [1]として、製造事業者の役割として、指定引取場所、処理再資源化施設を設置しますという話です。2つ目が新たに販売する車両にはリサイクルマークを付けて販売しますという話です。3つ目が、リサイクルマーク付きのものが廃棄される場合は費用を徴収せずに引き取りますということです。[4]でいわゆる既販車の部類です。リサイクルマークのないものは、稼働後7年を目途に同じく費用を徴収せずに引き取りますと。ただし7年前まではユーザーの実費負担ということをお願いすると。5番目に輸入事業者も容易に参加できる仕組みとしたいという話です。
 2番目の実施のスケジュールです。1年ほど検討してきた経緯でありまして、きょう概略ご説明いたします。来年の3月頃、実施体制を含んだ形で詳細をもう1回説明させていただくという話です。それと4月以降、料金の公表、ユーザー・自治体等への広報活動をやる予定にしています。稼動ですが、秋頃ということでいま進めています。
 3番目の体制整備に係る進捗状況ということで、全体をつかんでいただくために、3ページ目の後ろのほうにリサイクルスキームの体系図があります。これで関係事業者等の位置づけ等を、簡単にご説明いたします。
 既販車のほうを見ていただきますと、指定引取場所があります。それと処理・再資源化施設、真ん中のところに管理会社というのがあります。これがわれわれメーカーが新たに構築する責任という形になります。
 ユーザーからの廃車を集める販売店ですけれども、いままで全軽自協さんのほうが広域指定制度ということでやられていますので、それは継続していただくという形になります。あと全体の仕組みを対外的な広報活動等を入れる形の意味合いで、いちばん上にありますが、自動車リサイクル促進センター内にわれわれの窓口を置こうということで、いま予定しています。
 本文のほうに戻っていただいて、1ページの3.(1)の回収拠点となる販売店ですが、先ほど説明した通り全軽自協のところで登録販売店という形でいま進めています。運用マニュアル、説明会の準備等、いま進めている段階です。この登録販売店様においては、ユーザーにわかるように店頭掲示用のリサイクルステッカー、右上のほうにありますが、このようなステッカーを用意して店頭に掲示していくという形になります。
 2番目のリサイクル料金の払込方法、いわゆるわれわれが今後売る車に対してはリサイクルマークを付けて売りますので、そのへんの規定書を定めましてやっていく形になります。右のほうに車両用のリサイクルマークがありますが、このようなものを貼付していくという形になります。
 既販車のところですが、これは基本的に料金をいただきますので、郵便局を利用した形で支払っていただく。専用振込用紙を作ったという形です。2ページ目の右のほうに絵柄があります。これは1枚目、払込の用紙の部分で、これを使って郵便局で払っていただくという形です。その裏に、4枚ものの管理票が付きます。ものの動き、情報の管理を行うものがつきます。その取り回しということで、(参考5)のほうに運用の流れが描いてあります。これは割愛させていただきます。
 2ページ目の3番目の全国約190か所程度の指定引取場所ということです。前回の審議会では100か所以上ということを述べましたが、約190は確保できそうだという話です。
 それから4番目の全国約15か所程度の処理施設、前回10か所と申しましたが、約15か所程度は準備できるだろうということです。処理・リサイクル実験等を行いまして、共通の運用マニュアルを作っている段階です。
 5番目のリサイクル費用・廃車・情報の流れ管理のためのITシステムということで、われわれの責任範囲のところはITで結ぶという考えです。
 6番目のシステムの運営・管理等の外部委託で、1つ目が管理会社への業務委託、運営・管理のためのところは経験のある方にお願いするということで、いま考えています。それともう1つ大きなところが、促進センターさんへの業務委託ということで、対外的に広報、理解活動等のところは若干間借りする形で促進センター内でやるという形です。
 3ページ目です。4番のその他で、1つ目が環境負荷物質の削減に係る進捗状況です。ここは四輪と全く同様な考えで進めていまして、鉛に関しては絶対量が非常に少ないといことで、二輪特有の目標を定めています。従来80gということで進めてきていまして、これはもうすべて達成しています。新しい目標で60g以下ということで、9モデル中1モデルすでに達成済みということです。残りの3物質についても四輪と同じく代替技術を進めています。
 2番目の制度の広報・理解普及活動、ここがわれわれの自主行動においてはいちばん重要なところと認識していまして、関係各位の方々においてはご協力をお願いしたいということです。4つほどありますが、1つ目、各種媒体等への広報、これはわれわれメーカーのホームページであったり、促進センターで行いますという話です。2つ目が販売店におけるユーザーへの広報、車両購入時にユーザーにやはり徹底的に趣旨を説明いたしましょうということです。今回いちばん重要なところは3番目の自治体との協力による広報でして、現在自治体等で処理されているバイクがあるわけですけれども、今後われわれのこのシステムに全部誘導する形になります。ですので、市民の方々に周知徹底していただくような広報展開を今後お願いしていく形になります。やり方としては2つほど上げていますが、市町村の広報誌への掲載等、それとホームページへの問い合わせ窓口の掲載等をお願いしたいという形です。最後に4番目ですが、われわれとしてはコールセンター機能をきっちりと設けますという話で、促進センター内に集中したコールセンター機能を設けた形で、ユーザーと関係事業者の問い合わせに対応したいと考えています。
 簡単ですが、以上です。

【永田座長】どうもありがとうございました。では、いかがでしょうか。どうぞ。

【浅野委員】まず二輪車リサイクルネットワークについてご検討いただきまして、お礼申し上げたいと思います。この二輪車自主取組みについては、不法投棄対策の観点などから、自治体にとっても関心のあるところです。
 昨年お示しいただきました二輪車リサイクルシステム図では、最終ユーザーは二輪車販売店を経由して指定引取場所に持ち込むか、あるいは指定引取場所に直接持ち込むか、こういう2通りの方法があったように記憶しています。自主取組みの範囲というのは使用済二輪車が指定引取場所に持ち込まれてからとのことでしたので、ユーザーの利便性を考慮するとともに、不法投棄を誘発させないためにも二輪車小売店を指定引取場所に加えるなど、廃棄時に回収費用等新たな負担が生じないような措置を検討していただきたいとお願いしてまいりました。
 このたび、お示しいただきました二輪車リサイクルスキーム体系図を拝見しますと、新車、既販車、共にユーザーは登録二輪車販売店に持ち込み、そこから指定引取場所に運搬されることになっています。直接指定引取場所に持ち込む方法がなくなっているような気がします。そういたしますと、リサイクルマークの貼付の有無にかかわらず、すべての二輪車ユーザーは登録二輪車販売店から指定引取場所までの運搬費用を廃棄時に負担しなければなりません。こうした廃棄時負担というのは、不法投棄を誘発する要因にもなりかねませんので、ご一考お願いできればと思います。
 次は広報ですけれども、ユーザーへの広報や住民への理解活動について自治体にお願いするとあります。当然のことではあります。ただ自治体が広報をすれば、自治体にも一定の責任が生じますので、この自主取組みの内容についてできるだけ早い時期に自治体に説明いただきたいと思います。また自治体の意見を表明する場を設けていただきまして、この自主取組みの中に反映できるものは反映していただければ幸いです。各自治体に情報提供をするのが物理的に無理だということでしたら、例えば全国市長会といったような組織もありますので、こちらを経由してでもけっこうです。
 最後に、本自主取組みについて実際に効果のある仕組みとしていただく必要がありますけれども、二輪車不法投棄が多く発生するなど、円滑なプログラムが運営できない場合は、法制化も含めて制度の見直しなど柔軟な対応をしていただければと思います。
 お願いばかりで大変恐縮ですけれども、よろしくお願いいたします。

【永田座長】どうもありがとうございました。いかがでしょうか。どうぞ。

【大塚(直)委員(早稲田大学法学部教授)】この制度全体についての感想を一言申し上げさせていただきます。新車については、1の[3]にありますように、費用を徴収しないということで、リサイクル料金の表示もしないということですので、競争をして価格を下げていくという観点からは大変画期的な制度だと評価したいと思います。ぜひこれはDesign For Environmentにつなげていただくということを期待したいと思います。
 法制化が必要かという問題はたぶん今後出てくるかもしれません。特にここに入ってこないアウトサイダーとかフリーライダーの人たちが出てくると、そういう問題が将来出てくるかと思いますが、私としては当面この自主的な取組みでどのような問題があるかということをいったん摘出していただいて、もし必要であれば将来法制化ということをご検討いただくというのがよろしいかと思っています。以上です。

【永田座長】いかがでしょうか。以上、よろしければまとめてちょっと。

【日本自動車工業会】先ほどシステム体系図のほうで、販売店だけが引取りになっているのではないかというご指摘なのですが、この絵柄は確かにそのようになっています。これはもう少し詳細を加えるべきであったと考えています。本文のほう、3の(2)リサイクル料金の払込方法、ここでは払込用紙、販売店と指定引取場所に備え付けます。基本的に指定引取場所でも廃車は引き受けるという形に考えていますので、それはご心配いらないと思います。

【永田座長】ほかの話はいいですか。

【日本自動車工業会】あと自治体の広報の話ですね。この審議会後、早急に経産省さん、環境省さんとの協議の上、連絡会等でお話をすると考えています。

【永田座長】自治体さんとの打ち合わせだとか、また、ご意見を聞かれるようなチャンスというのは、この計画の前の段階でも存在していたと考えてもよいのですか。あるいは、積極的にそういう対応をしていってほしいという話になってくると思いますので。

【日本自動車工業会】基本的に自治体の協力がないとできませんので、基本的には積極的に打ち合わせ、調整をやらせていただくと考えています。

【永田座長】わかりました。どうぞ。

【松波委員】二輪車リサイクルスキームの中に出てくるのですが、二輪車製造事業者、輸入事業者と書かれていますが、皆さんのご発表は日本自動車工業会としてご発表されたのですが、輸入事業者との連携とか、打ち合わせとか、それは済んだと理解してよろしいのでしょうか。

【日本自動車工業会】この資料が自動車工業会となっていますが、これは本来もう自動車工業会という形のものではないと思うのです。基本的に国内4メーカーと、小型自動車輸入協会さんに14社さんが加盟していまして、数度審議しています。ご判断をいただくのには若干時間がいるかと思いますが、理解はしていただいています。正式な表明というのは来年の春にはなるかと思います。協力はいただけるのではないかということで、いま進めています。

【永田座長】よろしいでしょうか。いかがでしょうか。
 先ほどの架装物の話もそうだったのですけれども、二輪のほうは国際的な場での議論というのはされているのでしょうか。あるいはこの日本のような考え方が世界標準的なものになっていくのかどうかという話を含めて。

【日本自動車工業会】一部欧州メーカーさんからお話ししたいということはありましたが、まだ正式には会合を持った経緯はありません。

【永田座長】そうですか。何かそういう意味では、メーカーの会合等ではこういうものは紹介されていることになるのですか。

【日本自動車工業会】基本的には輸入事業者さんとの協議を進めていますので、いわゆるヨーロッパメーカーさん、本社さんのところにお話が行っていますので、このへんは非常に関心事項であるということは確かです。

【永田座長】そうですか。そういう意味では国内体制のほうも輸入事業者とも協力して取組みを行うと書いてあるのですけれども、いまご説明いただいた中だけだと、ちょっと輸入業者の話が見えてこないなと。あるいは輸入メーカーと言ってもいいですね。向う側の話が、どういう対応で実態としてこれに乗ってこられるのかというようなところを、ぜひ、3月にまた詳細な報告をいただける、その時までに少し検討していただけますでしょうか。
 先ほど法制度の話がありましたが、1つ類似のものというのはパソコンが似たような格好で対応をはじめているわけですが、あちらは指定再資源化製品という、リサイクル法の中でかなり実態としてやる内容は、フレキシビリティを持った形でできるような制度の中に指定されるということで対応してきているわけです。法制度と言っても、何も新たな制度を構築していくという話ではなくて、そういう意味では既存のものをうまく活用されることもあり得るので、これは制度にしたほうがよいのかどうかという話は、またこれはいろいろ検討の方向があるのだろうと思います。ただ、法制度、法制度というと、ずい分大がかりな話になりそうだなという感じを受けないわけではないのですが、一方で、それほどでもないような既存の枠組みの中に取り込んでいくという話もあるのだと思います。そのへんもご検討いただければと思います。
 それから、先ほど自工会150名体制でという話がありましたけれども、これはその中に含まれている話なのですか。二輪だけだとどれくらい人間をかけて検討されているのですか。

【日本自動車工業会】4社のメンバーで40名程度です。

【永田座長】150から外ですか。

【日本自動車工業会】外です。二輪だけで約40名です。

【永田座長】わかりました。よろしいでしょうか。
 それではきょういろいろご指摘をいただいた点を踏まえてまたご検討を進めていただき、いずれ先ほど話がありましたように、詳細な点は3月にご報告をいただくということになるかと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは最後になりますけれども、資料の9でフロン回収破壊法のこの1年の施行状況についてということで、事務局より説明していただきます。

【宮本企画官】資料9「フロン回収破壊法(カーエアコン部分)の施行状況について」ということで、フロン回収破壊法は経済産業省と環境省の両省で施行していますが、経済産業省のほうから説明をいたします。
 本法律のカーエアコンの部分ですが、こちらは昨年の10月に施行されていまして、すでに1年以上経過しています。したがいまして、その1年間の状況はどうなっていたかということをご紹介して、いろいろとご審議いただこう、評価をしようという趣旨です。
 8ページをごらんいただきたいのですが、表があります。参考の3「フロン回収破壊法(カーエアコン関係)のシステム」という図があります。これはご存じの範囲ですが、カーエアコンを積んだ車が廃棄されてきた場合に、第2種特定製品廃棄者ということになるわけで、これはユーザーを表しています。これを特定製品引取業者が引取り、さらにはフロン類回収業者に回して、フロン類回収業者がフロンを抜き取る。抜き取ったフロンについては、この右側の自動車製造業者等に送って、この自動車製造業者等が、破壊を業者に委託なりして行うということになっています。
 ちなみにこの自動車製造業者等については、具体的には自動車製造業者及び輸入業者から委託を受けている財団法人自動車リサイクル促進センターのほうで、引き取って破壊をするということになっているわけです。したがいまして、当然のことですが、自動車リサイクル促進センターのほうでは、常時引き取った量なり破壊した量というものを把握していますので、こちらの数字を基に法律の施行状況を把握するということは可能になっています。
 かたや、このフロン類回収業者ですが、回収を行った際に、基本的には右のほうのメーカーのほうに渡して破壊するわけですが、ご自身のお考えによっては再利用に回すということも法制上可能になっています。この場合、第2種フロン類回収業者から、矢印が下から左に延びていますが、またカーエアコンに戻って、こちらで再利用されるということになっているわけです。
 この第2種フロン類回収業者については、年に1度、年度終了後に回収の状況について、上に矢印が伸びていますが、「都道府県知事等」と書いてありますが、都道府県知事と政令指定都市の市長ですが、こちらに対し年度終了後報告を行うという義務があります。これによって自治体のほうで自らが監督をしているところのフロン類回収業者が、どのような回収状況を取っているのかということが、把握できるという仕組みになっているわけです。
 その際には、このフロン類回収業者については回収した量を報告するわけですが、この内訳としては3つに分かれています。メーカーに引き渡した量、再利用を自分でした量、最後はまだ使わずに保管している量、この3つの内訳で構成されています。この一覧についても、都道府県知事のほうに報告します。
 都道府県知事等については、それぞれ監督した地域内の業者の数字を集計しまして、こちらを右の主務大臣、経済産業大臣と環境大臣ですが、こちらに通知をしてきます。黒い矢印がありまして「今回の集計の対象」と書いてありますが、今回この集計ができましたので、きょう、これも合わせてご報告する予定にしています。主務大臣のほうでは、この都道府県知事等の集計を全国の数字にまとめ、こちらを公表する義務がありますので、今回まとめてこれを報告しようと考えているしだいです。
 1ページにお戻りいただきたいと思います。最初に1と書いてあります業者登録数、本年4月1日段階で、引取業者が59,606、フロン類の回収業者が25,821ということで、相当数の方々に回収業なり引取りの登録をしていただいているしだいです。
 2番目、自動車リサイクル促進センターの統計ということで、まずは促進センターのほうにお送りいただいている引取り破壊の実績の関係ですが、こちらは昨年の10月から直近の本年9月末までわかっていますので、1年間の統計がわかっています。フロンの引取り破壊実績が、これは表のいちばん右側の累計というところをごらんいただきますと、アンダーラインを引いた少し黒い数字がありますが、ここにある破壊量354.6、約355tということです。これは約91万3,000台分ということで、この上の91.3というのにアンダーラインが引いてあります。
 これは1年間の量ですが、月次で見たものが2ページの上のグラフです。上が引取り台数、下が破壊量ということで、だいたい同じような動きをしているグラフになっていますが、10月から9月末まで、ごらんいただきますと、10月施行段階から順々に増えてきまして、4月にピークに達し、そのあと若干減っていますが、基本的には安定した関係になっていると思っています。これはフロンを回収する際には大型ボンベ等に集めて、何十台分か充填された段階で促進センターのほうに送ってきますので、ただちに10月段階からはフロンをセンターが引き取ることがない、ある一定のタイムラグが生じることから順々に増えてきているということです。それから4月については、3月に廃車のシーズンのピークを迎えるものですから、この関係で4月に増えているということでありまして、これは季節要因ということです。
 以上が促進センターの数字を基に1年間の施行状況を見たわけですが、次に2ページの下のほう、3というところで「フロン類回収量等の年度報告(半年分)」というのが記載しています。これは先ほど申し上げましたように、フロンの回収を行っている業者の方から自治体経由で全国的に集計されてきたものです。この下の表をごらんいただきますと、施行が始まった平成14年10月から15年3月までということで、だいぶ昔の数字までしか出ていないのですけれども、半年分ということで出ています。回収した台数が96万台、回収した量が389tです。この389tをどう処理したかの内訳ですが、自動車メーカーに渡して破壊に向かった量が164t、再利用された量が113t、いまだにお手元にお持ちになっている量が114tということになっています。
 これは自動車リサイクル促進センターの数字とこの回収業者の数字というものは必ずしもぴったりとは合っていませんで、これはやはり統計上の問題から必ずしも合わないということになっているわけです。
 2つのこの統計の数字があったわけですが、これを用いて、では、この1年間をどうやって評価するかということに、次に至るわけです。これは促進センターのほうの数字では再利用の量とか、業者の方が手元に持って保管されている量というのはわかりません。不備と言いますか、そういうデメリットがあるわけですが、逆に直近まで数字がわかるというメリットもあります。かたや、フロン類回収業者の方から来る報告のほうは、だいぶ昔のことしかわからないわけですが、再利用の量がわかるとか、保管量がわかるとか、そういう点でメリットがあるわけです。両者を組み合わせて評価したいと思います。それが3ページです。
 3ページの「4.」ですが、最近の半年間の促進センターの各月の引取り破壊台数の実績ですが、平均約95,000台ということで、単純に掛け算しますと、年間で破壊台数は110万台という数字になります。次に先ほどのフロン類回収業者の方々から年度報告を受けていますが、この中ではメーカーに渡して破壊した量とご自身が再利用された量の比率が約10対7、若干再利用のほうが少ないということですので、この数字を用いて、10に対応するものが110万台ですので、7に対応するものがいくらかと計算しますと、再利用台数は単純に計算すれば年間約80万台ということになります。これを踏まえますと110万足す80万ということで、引取り破壊の台数で合計約190万台という程度になります。さらにはまだ手元にお持ちの保管分があるわけで、これが例えば10年度末であれば約30万台近くあります。190万台プラス30万とかいう数字になるのだろうと思いますが、いずれにしましても200万台以上はフロン回収破壊法のシステム上で回収されているという計算がされるわけです。いちおうこれは計算です。
 次の○ですが、かたや、フロン回収破壊法の対象は何台だったであろうかということですが、これは350~400万台と考えられています。推測です。したがいまして、350~400万台中の対象のものから200万台強くらいの水準で回収されていることを考えますと、100%ではない、システムに乗っていないものがあるということを表しているわけでありまして、これは相当程度予測を下回る数字であると言わざるを得ないわけですが、かたや、法律が施行される前に自主取組みという形でフロン類の破壊を自動車工業会や解体業の方、ディーラーの方をはじめご努力をいただいていましたが、その際には年間約153t破壊していました。したがいまして、促進センターの1年間で355t破壊したという実績につきましては、2倍を超える数字ということで、従前の取組みよりは、当然のことですが、向上しているということになります。
 5番目のところで今後の対応というのを記載していますが、いずれにしましても、私どもとしても従来から周知徹底というか、各業者の方に十分法律を守っていただけるようお願いをしてまいりましたし、また自治体におかれては状況の把握とか個別の対策の検討をやってきていただいています。いずれにしまして今後は、例えば各自治体から立ち入り検査を強化するとか、そういったことを通じて周知徹底活動を継続していきたいと考えています。
 4ページをお開きください。4ページは直接今回のものとは関係がありませんが、いくつか論点がありますので、ここで整理してご説明したいと思っています。
 自動車リサイクル促進センターへのフロン券の入金枚数の累計と引取り破壊台数の累計には、9月末時点で40万台超の差があるということが記載していますが、何を意味しているかと申しますと、入金枚数というのはフロン券、2,580円のフロン券を売った枚数です。引取り破壊台数のほうはいまの段階で確実に処理をしたというコストの部分ですので、いわゆる収入と確定した支出で40万台超の差があるということを意味しているわけです。
 これはいったいどういうことかと申しますと、下の「・」で2つ記載してありますが、フロン券自体は金券としての性質を持っているものですので、実際に車を出す、捨てる前にまとめて購入する、業者の方が事務上の便宜の観点からまとめて大量に購入されるというケースがあるように伺っています。それから次の「・」ですが、実際にフロン券を購入するのは使用済自動車の引取りの前の段階ですが、その段階から、引き取って実際に回収業者のところに至って、回収されてボンベに溜まってフロンがセンターまで送られるまでには一定の時間がかかるわけです。したがいまして、一定程度回収・破壊費用がプールされるのは必然的なものになっているわけです。当然のことですが、センターにおいては特別会計を設置して厳格な管理をやっていただいていますので、そういう意味でこの差を持ってして何かお金が余っているとか、単純に比較するようなことはできないということはご留意いただきたいということです。
 2番目の点については、これからこの40万台の分についても、実はフロン券が付いてこれからフロンが送られてきますので、いくぶんかは当然のことですが、今後確定するコストになるわけです。さはさりながら、ここの2番目に書いてありますように、フロンが再利用される場合には、結果的にフロン券でお支払いいただいた金額については、結果的には回収なり破壊の費用として使用できない、消費者にお返しすることができないということになるわけでして、いわゆる剰余金という形になるわけです。これにつきましては産業構造審議会等における審議結果等も踏まえ、当然のことですが、きちんと他の事業とは明確に区分しておいて、最終的にこの剰余金であるということが確定した段階で、フロンに関する広報活動とか、大気排出抑制に資する公益事業に活用するということを予定していますので、そういう形で、無駄な形では使わないということでセンターのほうでご準備いただいています。
 以下5ページから10ページにかけましては、本審議会資料と併せ、プレス発表という形で、これは経済産業省のバージョンですけれども、経済産業省と環境省において、同時に昨年度半年分のフロン回収法の実績につきましてもプレスに公表するということも予定していますので、併せてご報告申し上げるしだいであります。
 以上です。

【永田座長】どうもありがとうございました。いかがでしょうか。ご質問等ありましたらお伺いいたします。どうぞ。

【酒井(清)委員(日本ELVリサイクル推進協議会会長)】自動車リサイクルの現場を担う自動車解体業者では、第1種フロン類の回収の仕組みがよくわからないという声がありまして、回収はしたけれどもどこへどうしたらよいのかというところがまだ周知徹底されていないというところがあります。私どもとすれば、第2種のほうがスムーズに回っていますので、第2種と一緒に回収の仕組みを構築していただくというか、同じルートで回収していただけると非常にありがたいなというところがありまして、そのへんをご検討いただければと思います。
 それとELV協議会として独自にフロン回収についてのアンケート調査をやっていますけれども、これは14年度で調査をしましたけれども、約2割程度の車がフロン券が添付されてこないというか、フロン券を付けていただけないという結果が出ています。一般ユーザーさん、ディーラーさん、整備工場さん、どこからのものも約2割はフロン券が付いてこないという結果が出ています。
 もう1つ回収の量なのですが、台当たりの回収量が300g以下というのが63%ありまして、このへん促進センターさんのほうのデータとだいぶ違うのですけれども。あるいは推測ですけれども、フロンの実際に回収された量に合わせてフロン券を促進センターにお送りしているというような調整が現場で行われている可能性もあると思うのです。そのへんの閾値の問題をもう少し精査していただいて、はたして300gと350gが妥当かどうかについての検討が必要ではないかと思います。以上です。

【永田座長】どうもありがとうございました。いかがでしょうか。まとめて最後にちょっとコメントをいたします。よろしいでしょうか。それではいまの話。

【宮本企画官】いくつかご指摘いただきましたが、第1種と第2種の一体化的な話ですけれども、いま初めてお伺いしましたので、こういうことができるのか、また適当なのかとか、法律上でどうなのかということは、改めてご検討したいと思います。
 それからフロン券が付かないということですが、そういうお話はよくわれわれも耳にしています。やはり周知徹底と言いますか、広報活動というものが十分ではなかったのだろうと思っていますので、そういう意味で、いま行政のほうもそうですし、自治体それから財団法人自動車リサイクル促進センターも含めて、もう少し広報の仕方、フロン券の必要性なり法律の必要性ということについて、広報活動を強化できないかということは考えているところです。
 回収量が300g以下のものが多くて、フロンの入っている量が少ないのではないかということですが、これにつきましては確かにおっしゃるように業者の方から、実際は抜けていて回収できないというお話は伺っています。センターのほうでは、基準の回収量として普通乗用車については350g、軽乗用車については300gと設定していますが、こちらが本当に正しいかどうかということについては、実際に法施行の前に十分な調査を行って決めたものではありますが、ただ当然全数調査というものではありませんので、実態を十分反映しているかどうかについては、これは随時検証を行う必要があるということは、私どもも認識しているところです。

【永田座長】ご指摘をいただいた点は受け止めさせていただいて、いろいろ対応をします。よろしいでしょうか。
 それではきょうご審議いただいく内容については、これで終わりです。フロンの話につきましては、先ほどこれから新しい自動車リサイクル法の広報活動の中でも、いま現在どうなっているかということも含めて、その点も入れながら広報活動を展開していただけるとよりいっそう進んでいくのかもしれないと思っていますので、そのへん含めて対応を考えていただければと思います。
 最後に本日の資料の取り扱い、それから今後の予定ですけれども、事務局のほうから説明してもらいます。

【宮本企画官】資料10として、合同会議の第4回の議事録というものを委員限りで配付させていただいています。特段のご意見等がありましたら、本日から1週間程度の期間の間に、事務局までご連絡をいただけるようにお願いいたします。
 本日の資料の公開につきましては、いま申し上げました委員限りで配付している資料10を除き、すべて公開とさせていただきたいと思っています。また、無記名の議事要旨を作成し、永田座長にご相談の上、会議終了後速やかに、原則1週間以内を目途に公開することにしたいと思っています。
 また、本日の議事録につきましては、次回の合同会議に発言者を記名したものを委員限りで配付させていただきまして、事前に各委員の方のご了承をいただいた上で公開ということにしたいと考えていますので、ご了承ください。
 次回以降の開催予定ですが、法律の施行準備の進捗状況を踏まえ、永田座長とご相談の上、追って皆様方にはお電話等でご連絡をさせていただくという形にしたいと思います。

【永田座長】よろしいでしょうか。1点確認させていただきたいのは、本日の資料なのですけれども、最後に付いています前回の議事録案、これ以外はすべて公開ということで取り扱わせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
 (委員了承)

【永田座長】きょう2時間ほどでだいぶボリュームの多い資料を見ていただいたのですけれども、何かお気づきの点がありましたら、事務局のほうにご連絡いただければと思います。それから会場のほうからもいろいろ声が上がっていましたが、会場にお見えの方も何かありましたら、事務局のほうにお申し出いただければそれなりに受け止めさせていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
 それではよろしいでしょうか。本日は長時間にわたりまして、貴重なご意見を賜りましてありがとうございました。また次回、よろしくお願いいたします。

--終了--