■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
廃棄物・リサイクル制度専門委員会(第2回)議事録


1 開催日時 平成14年8月8日(木)10:00~11:51
 
2 開催場所 法曹会館 高砂の間
 
3 議事次第
1. 開会
2. 議題
(1) 廃棄物の定義について
(2) 廃棄物処理業・施設設置に対する規制について
3. 閉会
 
 
午前10時00分開会
企画課長
定刻でございますので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の廃棄物・リサイクル制度専門委員会を開催いたします。
委員の先生方には、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。
まず、お手元の配付資料をご確認いただけますでしょうか。
お手元の議事次第の下の方に配付資料一覧がございますが、資料の不足がございましたらお申しつけください。
それでは、これ以降の議事進行を小早川委員長にお願いします。よろしくお願いします
 
小早川委員長
それでは、早速議事に入りたいと存じます。 前回、議論の進め方についてご相談をし、ご了解いただきましたが、この専門委員会におきましては中間取りまとめに示された見直しの基本的方向性を踏まえて廃棄物の定義など各論点ごとに制度論を中心としてさらに議論を深め、10月中を目途として一定の方向性を出すというつもりでご議論をいただければと存じております。 本日は、お手元の議事次第にありますとおり論点としては廃棄物の定義について、それから廃棄物処理業・施設設置に対する規制について、この2つの点を取り上げてご議論いただきたいと存じます。 というわけで、まず議題1の廃棄物の定義の方ですが、これにつきまして事務局から資料の説明をお願いします。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
企画室長の田河でございます。資料に基づきましてご説明をさせていただきます。
前回、中間取りまとめで示された論点のパブリックコメントを対比した資料を用意いたしましたが、今回は各個別の論点につきまして資料を用意させていただきました。
資料2「不要物であるリサイクル可能物について」、パブリックコメントにおきましててもリサイクル可能物については廃棄物から除外すべきというふうなご意見もいただいたところでございますが、そうした論点に関する資料でございます。
まず、1番の不要物の特性ということでございます。不要物の取り扱い、保管とか収集とか運搬とかいろいろございますが、そうしたことに伴って廃棄物の飛散や有害物質の流出であるとか、あるいはハエや蚊が発生するとか、いろいろな生活環境保全上、支障が生じるおそれがあるという特性がございます。
その理由にもなるわけでございますが、もう一つの「○」でございますが、排出する者にとってはもともと不要なものであり、これにコストをかけて環境保全上適正な処理を行うという経済的インセンティブには乏しいんではないか。
また、3つ目の「○」でございますが、受け取る側にとって、処理という形で料金を取る場合もあるわけですが、受け取るだけ受け取って不適正な処理を行うことにより利益を得ることも可能なものでもある。そうした特性を持つものでもございます。
そして、2.論点のところでございますけれども、リサイクル可能物を不要物の範囲から除外する場合の問題点としまして中間取りまとめでも示されておりますけれども、最初の「・」ですが、豊島事件のようなリサイクル名目での不適正処理事例の発生が懸念されるということがございます。
また、2つ目の「・」ですが、処分をするための処理と再生処理は同じような工程、例えば破砕があったりというような工程に関しては生活環境保全上の観点からの適正な取り扱いの必要性ということでは同じではないか。現行の廃棄物処理法では廃棄物の再生は処理の一類型として位置づけられております。
そして次の(2)でございますが、リサイクル可能物を廃棄物から除外するという意見、パブリックコメントで寄せられた意見等をご紹介しますと、最初の「・」ですが、リサイクル可能物については廃棄物に含めるべきでないという意見、あるいは廃棄物の範囲について有償か逆有償かで区別するのではなく、処理方法で区分する。すなわちリサイクルしている実態があれば廃棄物扱いにしない、あるいはリサイクルはリサイクルに関する別法体系によるべきで、廃掃法は適正処分に限定した法律とすべきである。あるいは、4つ目ですが、リサイクル工場は大気汚染防止法等の規制がかかっており、廃掃法による規制は不要ではないかという意見。そして次ですが、使用済み製品及びその関連商品につき、事業者がリデュース、リユース、リサイクルに取り組む場合はその処理に関するすべての業許可を原則不要とすべきであるという意見。そして最後の「・」ですが、廃棄物の範囲について、有価か否かではなく、資源として有効利用できるか否かの観点から廃棄物の範囲を見直すべきというふうなご意見もいただいております。
廃掃法の規制がかかってしまうと許可が必要になったり、そういう点が負担であるというふうなことが原因になっているかと思います。そういう面では、規制のあり方とも関係する面があるというふうに考えております。
そして資料2、別紙でございますけれども、廃棄物処理法の規制と公害防止規制法の規制の関係の資料でございます。
これは先ほどのご意見の中にもございましたが、公害防止規制法で十分ではないかというパブリックコメントもいただいております。そうしたことの関連資料でもございます。
廃棄物処理法と公害防止規制法の関係でございますが、まず業に対する規制という観点におきましては、一般廃棄物処理業あるいは産業廃棄物処理業それぞれ許可が必要となっております。
そして廃棄物処理業の許可要件、ここにも書いてありますように廃棄物が飛散・流出しないような施設を有すること、あるいは的確に行う知識・技能、経理的基礎を有することあるいは欠格要件、法律に違反したようなことがないことなどが要件と定められております。
それに対しまして、公害防止規制の場合には業に対する規制はございません。そして施設に対する規制というところでございますが、廃棄物処理法上は都道府県知事の許可が必要になっております。
そして設置の許可要件。国の定める構造基準に適合していること、あるいは地域の生活環境に適正な配慮が行われていることなどが定められておりますが、次のページをごらんください。例えば一般廃棄物処理施設の構造基準としまして、ごみの飛散、悪臭の発散を防止するために必要な構造であること、または必要な設備が設けられることとか、著しい騒音・振動により周囲の生活環境を損なわないものであることとか、汚水・廃液が漏れだし地下に浸透しない構造であることなどが定められております。
それに対して公害防止規制法でございます。前のページへ戻りますが、これはリサイクル施設を含めた特定施設につきましては、施設の設置等の届け出については届け出が必要でございます。そして届け出を受理されて60日を経過した後でなければ施設を設置してはならないというふうになっておりまして、届け出のあった施設が基準に適合しないと認めるときは知事は届け出を受理して中止命令等ができるというふうなことになっております
裏のページに戻りまして、排出口からの排出に対する規制ということでございますが、むしろ公害防止規制はこちらの方からの規制が中心になっております。廃掃法上、一般廃棄物処理施設の維持管理基準の中でダイオキシンの関係がございますが、排ガス中の一酸化炭素の濃度が 100ppm以下になるように焼却することというふうなことが決められております。
それに対して右側の公害防止規制法でございますが、こちらが中心でございます。排出基準は一定規模以上の焼却炉を含む煤煙発生施設において煙突等から大気中に排出される硫黄酸化物、煤塵及びカドミウム等の有害物質の量について許容限度を定め、遵守を義務づけて、また排水基準についても同様にカドミウム、シアン等の有害物質の量について許容限度を定めております。
そして最後の欄でございますが、廃棄物処理法の場合、例えばここに書いてあります収集・運搬について一般廃棄物が飛散・流出しないようにすること。こういうふうな移動の面においても基準が定められております。
それに対して、公害防止規制に関してはそういうことはございません。
そして次でございますけれども、資料3「現行の廃棄物の定義を巡る問題について」と題した資料でございます。
中間取りまとめにおきましても、不要物以外のリサイクル可能物の取り扱い、あるいは定義のあり方に関する議論がされております。それに関する資料でございます。
1、現在の廃棄物の定義、運用でございます。
法律上、これは廃掃法に定義されている文言でございますが、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物または不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染されたものを除く。)」というふうに定義されております。
そしてその解釈は通知でも示しておりますが、占有者が自ら利用し、または他人に有償で売却することができないために不要になったものをいい、これに該当するか否かはその物の性状、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価格の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断することとされております。最高裁判例も同じ考え方を採用しております
そして3つ目の「○」でございますが、その総合的勘案に当たって、占有者の意思とは客観的要素から見て社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思であり、占有者において自ら利用し、または他人に有償で売却することができるものであると認識できるか否か、逆にそういうことを主張する場合もあるわけですが、廃棄物に該当するか否かを判断する際の決定的な要素になるものではございません。
そして、今まで廃棄物の定義にあわせて主な通知が出ておりますが、その本体は参考資料で後ろに実際の通知をつけさせておりますが、まず2つ大きなものがございます。
資料3の方でご説明させていただきますと、まず、野積みタイヤに関する通知でございます。
事例としましては、廃タイヤが大量に野積みされ、蚊等の害虫の発生源や火災の発生源になるなど、生活環境保全上の支障を生じる事件が全国で多発したということがあるわけでございますが、その通知で示された判断要素としまして、占有者において自ら利用し、または他人に有償で売却することができるものであるとの認識がなされている場合において使用済みタイヤを自ら利用し、または他人に有償で売却するものであって、これらの目的に速やかに供することを内容とし、かつ履行期限の確定した具体的な契約が締結されることを占有者に明らかにさせる。そして長時間--おおむね 180日以上となっておりますが--にわたり乱雑に放置されている状態については、その放置されている状態を処分として厳正に対処すべきだという内容の通知を出しております。
また、右側でございますが、シュレッダーダストに関する通知ですが、中間処理業者がシュレッダーダストをふるいにかけたものを産業廃棄物処理業者の許可を有していない事業者が燃料として使用する目的で極めて安価に購入、トン当たり 100円でございます。そしてこれを焼却して熱エネルギーを得るという計画で四、五千立米程度野積みにし数カ月間放置されて有害物質が検出されているという事例でございますが、これについては通知の中でも性状として外見上、通常のシュレッダーダストと区別できず、溶出検査により有害物質が検出される。通常、シュレッダーダストは廃棄物としてトン当たり3万円で逆有償で処理されている。一応この事例ではトン 100円で購入していると主張しているわけですが当該物を集積・放置していることは、廃棄物を占有している意思ありと社会通念上合理的に認定し得るということで産業廃棄物であるというふうに判断しております。
これが現状でございますが、次のページでございます。
「問題の所在」と書いてありますが、現行の廃棄物の定義をめぐる問題の所在として、大きく2つ挙げられるんではないか。自治体の側からだと有価の原材料や製品と称した不適正処理の問題、こういうものをしっかり対応できるようにしてほしい、そういうものをできるような定義にしてほしいというご意見もあるわけです。ただ、それは定義だけでなくてむしろ立入調査とか報告とかそういうものも関係してくる面もあるのではないかとも考えられます。
そしてまたもう一つの「・」ですが、総合判断した上で不要物に当たらないものについても、生活環境保全上適正な処理が必要な場合があるのではないかということもございますただ、これもまた規制のあり方とも関係する面があろうかとも考えております。
そして3番目、パブリックコメントにおきましても欧州の廃棄物の定義を参考にしたらどうかという趣旨も寄せられております。
最初の「○」ですが、欧州の廃棄物の定義でございます。EUの廃棄物指令において、廃棄物を「附属書Ⅰに掲げるあらゆる物質又は物体であって、所持者が廃棄し、廃棄を意図糸し又は廃棄しなければならないもの」と定義し、各構成国の国内法もおおむねこれに準拠をしております。また、その判断はいろいろ議論もあるようでございまして、欧州司法裁判所において「廃棄物については、経済的に再利用可能なものが除かれると解釈すべきではない」との判決もございます。
そして、ここの廃棄しなければならないものについてという意味でございますが、線が上の方に引いてありますが、「廃棄し」というのは事実的要素のものでございます。そして「廃棄を意図し」というのは主観的要素でございますが、その2つではカバーし切れないようなもの、すなわち廃棄しているわけでもなく、また占有者も廃棄の意志がないようなものであって、環境保全に適正に取り扱うべきものをカバーするような規定ではないかというふうにも考えられます。
そして、参考資料の[1]廃棄物処理法の規制一覧でございますが、不要物以外のリサイクル可能物について、中間とりまとめでは、例えば処理基準の適用等必要最小限の規制とするというふうな提案も出されておりますが、それについての参考資料でございます。
そして次のページでございます。参考[2]でございます。循環型社会形成推進基本法の条文でございますが、そこの「定義」のところで第2条2項で「この法律において「廃棄物等とは」次に掲げる物をいう。」として、「1 廃棄物、2 一度使用され、若しくは使用されずに収集され、若しくは廃棄された物品(現に使用されているものを除く。)又は製品の製造、加工、修理若しくは販売、エネルギーの供給、土木建築に関する工事、農畜産物の生産その他の人の活動に伴い副次的に得られた物品というふうに定義されております前回のときもご質問がありました。
そして先ほど欧州の定義、欧州の廃棄物指令を説明しましたが、それに倣った各国の法制、ドイツの例でございますが、そこの法律でございます。例えば適用範囲でございます第2条「本法の規定は、次に掲げる行為に適用する」として、廃棄物の発生抑制、廃棄物のリサイクル、廃棄物の処分というふうなことが定められております。
また、第3条、定義のところでございますが、これは先ほどご説明したようなEUの指令、「本法において廃棄物とは、別表Iに掲げるいずれかの群に該当し、かつ、その占有者が廃棄し、廃棄の意思を有し又は廃棄しなければならない全ての動産をいう」というふうに規定されております。別表等はちょっと長いので省略させていただきたいというふうに思っております。
そして次でございますが、資料4「気体に関する環境保全のための主な制度」と題した資料でございます。
中間取りまとめにおいては、気体状のものについては新たに廃棄物を取り扱うのは困難ではないかというふうに取りまとめておりますが、パブリックコメントでも意見が寄せられましたので資料を用意しております。
気体に関する環境保全のための制度として、一番左でございますが、大気汚染防止法でございます。対象となる気体としては、工場、事業場における事業活動に伴って大気中に排出される硫黄酸化物等の有害物質等を対象として、その下の欄でございますが、主な措置として排出基準、総量規制基準を定め、それらの基準を超える量の排出を禁止しております。
そして右側の欄、フロン回収・破壊法でございますが、これは自動車のカーエアコン及び業務用エアコン等の冷媒として使用されるものについて、使用者による処理費用の負担回収業者による回収、破壊業者による破壊等を義務づけております。これは備考欄に書いてありますように、自動車リサイクル法の施行後は、自動車リサイクル法の仕組みに移行することになります。
そしてもう一つ右の欄でございますが、家電リサイクル法、自動車リサイクル法でございます。これは家庭用エアコン及び自動車のカーエアコンに冷媒として使用されているフロン類を対象として主な措置の欄、下の欄ですが、家電リサイクル法においては小売店に置いている冷蔵庫やエアコン等の回収、製造業者に再商品化及びフロン類の回収、そして破壊等を義務づけております。
自動車リサイクル法においては、引き取り業者における自動車の引き取り、フロン回収業者によるカーエアコンからのフロン類の回収、そして自動車の製造業者によるシュレッダーダストの再資源化及びフロン類の破壊等を義務づけております。
備考欄に書いてありますように、平成16年1月までの政令で定める日から施行されます
そして廃棄物処理法でございますが、これは廃棄物焼却施設から排出される一酸化炭素ダイオキシンあるいはエアコン、家庭用冷蔵庫、フロン類につきまして「主な措置」を見ていただきたいんですが、例えば焼却施設では、維持管理基準において排ガス中の濃度が一定以下になるように焼却することを義務づけております。また、エアコンとかにつきましても、そのエアコンの処理の中で、フロン類については発散しないように回収することを義務づけております。そういう意味では、気体そのものを対象にしているわけではないんですが、気体を含む廃棄物の処理という中の一環として対応していくということが言えるかというふうに思います。
そして資料5-1をごらんください。
中間取りまとめにおきまして、土砂等については、本来の目的である土地造成に利用される、処分される場合や、あるいは汚染された土壌が処分のために除去された場合は廃棄物で取り扱うべきではないかという論点を掲げておりますが、それに関する資料でございますが、まず汚染土壌に関しましては土壌汚染対策法というものができております。これはここに概要を示しておりますが、その仕組み、点線で囲ったところでございますが、まず調査をして、そしてもし土壌の汚染状態が環境省令で定める基準に適合しない場合は指定という形になってきます。そして下の方でございますが、一番下の方でございますが、指定区域の管理、汚染の除去等の措置、指定区域の土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがあると認めるときは、都道府県が汚染原因者に対し、汚染の除去等の措置の実施を命令するというふうになっております。こういう法律ができております。
1枚おめくりください。そのほかで附帯決議がついています。衆議院だけ読み上げますが衆議院環境委員会の方では「操業中の工場等から汚染又は汚染のおそれのある土壌が搬出されることにより土壌汚染が拡散しないよう、各事業者の取組みを促すことにつき都道府県等と連携を図ること。また、汚染された土壌の処分については、廃棄物処理法の取扱いについて早急に検討を進めること」というふうにもなっています。
参議院の方も同様な趣旨でございます。実は、土壌汚染対策法につきまして、その施行に関連しまして3ページ目でございます。専門委員会が設置されております。これは設置についての紙でございますが、そしてもう1枚おめくりいただきたいんですが、最後の4ページでございます。土壌汚染対策法の政省令等の検討スケジュールをつけておりますが実は土壌汚染対策法の専門委員会におきましても、この汚染土壌の扱い、議論をしているところでございます。そういう意味では、この動き等も私どもも踏まえながら検討する必要があろうかと考えております。
そして次に資料5-2でございます。これは建設発生土の搬出・利用の状況に関する資料でございます。
枠囲みのところにポイントが書かれておりますが、建設発生土の搬出量は、工事現場内における土砂の有効利用等により平成7年度4万 4,000立米から2万 8,000立米となっており、約35%減少しております。また、建設発生土の搬出量のうち約30%に当たる 8,500万立米が建設工事において再利用されております。この量は、建設工事での土砂利用量1万 5,600立米の約54%に相当しております。
こういう状況でございますが、その後ろの側のページでございます。「建設発生土の有効利用率等の目標」。
これは国交省の建設リサイクル推進計画という中で示されているものでございますが、建設発生土については将来的には建設工事に必要となる土砂は原則として工事間利用で賄うことを基本的考え方とし、当面平成17年度末までに達成すべき目標を決定するというふうになっております。
一方で、千葉県などでは条例をつくったりもしておりますが、こういうふうなリサイクルの取り組みもされているということでございます。この汚染土壌につきましては、土壌汚染対策法の中でも専門委員会も議論をされておりまして、そういうものを踏まえ、また別途、後日ご議論をしていただきたいというふうに考えております。
以上、定義の関係の資料をご説明させていただきました。
 
小早川委員長
それでは、ただいまのご説明に関しましてご意見、ご質問などございましたらどうぞお願いします。
順序として定義から入っているんですけれども、もちろん以前からご発言がありますように、定義なり区分なりというのはある意味では制度の最終的な整理のレベルの話でもあるわけで、ですから最初から定義を決めて議論していくというわけには必ずしもいかないところがありますので、今日の趣旨は定義を決めつけるということではなくて、現在の定義でどんな問題があるかというレベルでいろいろな規制の具体的な面も含めてまずは議論をしていただきたい、そういう趣旨ですので、どうぞご自由に。
 
武田委員
前回ちょっと欠席しておりましたので、前回の議論がもうひとつよくわからなくてちょっとピンぼけな話をさせていただくかもしれませんが、今も委員長がおっしゃったように、やはり最終的にどういう扱いをするかということについて、うまく流れるようにしていくということが多分趣旨だろうと思いますので最初にそもそもというやつは非常に難しいという感じがするんですけれども、今までの資料を見ておりますと、3つぐらいの軸が非常に交差しているんじゃないかというふうに私は感じております。
1つは不要物という話で、要するに要らないもの、あるいは要るものという占有者の意思というのが1つですね。それはもうわかり切った話なんですけれども。
それからリサイクル可能性とかいう話が出ていますが、リサイクルが可能か不可能か。これは経済的条件、社会的条件によって非常に変わってくるというものだと思いますし、同じものであってもリサイクルされている場合もありますし、されないまま廃棄物としてもちろん排出されるものも。
もう一つは、特に保管とかいうところで問題が起こっていると思うんですけれども、そのものの持つ特性、例えばタイヤとシュレッダーダストの例が出ておりますけれども、保管だと称している、あるいは利用するんだと称しているけれども、そのものの特性によっていわゆる生活環境上に影響を与えている、与えていないと。例えば古い自転車でもう要らなくなったというものを家庭で保管されていても余り周りには迷惑をかけないですけれども、例えばおからを要るんだと主張してためておくと周りに非常に迷惑がかかる。そういう物の特性というこの3つが大体大きな軸になっているけれども、それがどうも交差しながら議論されているからちょっとわかりにくくなっているんじゃないかなという気がしています。ちょっとそういう指摘だけさせておいてください。
 
小早川委員長
ありがとうございます。
今、定義そのものについての基本的な観点分類をしていただいたんですが、関連して何かございますか。
私は今のお話に関連すると思うんですけれども、具体的な質問ですが、ヨーロッパ、EUの定義、ドイツの定義、あの中で廃棄された、あるいは廃棄の意思がある、そしてもう一つは廃棄しなければならないとあって、3番目のが一番くせ者だと思うんですけれども今の武田先生のお話でも占有者の意思、主観的な話だけに限ればこれはあるかないか個別にははっきりしているわけですね。あと2つ言われたそのものがある時点で、ある状況のもとでリサイクル可能であるか、どの程度可能であるかというような話とか、それから意思や経済的見通しはともかくとして、ともかくそれが保管されているということが環境保全上どういう意味を、マイナスのインパクトを持つのか持たないのかというような話がさっきのヨーロッパの定義でいうと第3要件にかかわってくるんじゃないかと思うんですが私の質問は単純に、廃棄しなければならないというのは原語ではどういうふうになっていって、これは多分主観的、法的な義務としてしなければならないというのではなくて、何か今みたいないろいろな要素を含んだ観念じゃないかというふうな気もするんですけど。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
“reguired to discard”というふうに聞いております。
 
小早川委員長
“reguired”というのは、法によって要求されたということですか。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
法律で廃棄が義務づけられているというだけではないというふうに聞いております。
 
事務局
ドイツの例を申し上げますと、廃棄しなければならないものとしまして解釈規定が置かれておりまして、これは原文はまた調べて、必要な場合お知らせしたいと思いますけれども、廃棄しなければならないものとしまして、動産が本来の用途に供用しなくなり現状が現在または将来の公共の福祉、特に環境に対して危険性を伴うものとなり、かつ、その潜在的な危険性が本法または本法に基づいて発せられた法規命令に従って法に適合しかつ有害性がないリサイクルによるか、また公益にかなった処分によらなければ除去できない場合には廃棄しなければならないものとするということで示されております。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
資料3と題したページの5ページに参考3、ドイツ環境経済の促進及び廃棄物の環境に適合した処理の確保に関する法律(抄)があります。それの定義がつけております。その第3条の第4項、先ほど事務局から説明した内容がここに掲げられております。
 
小早川委員長
なるほど。よくわからないですね。廃棄しなければならないというのは日本の現行法の定義を議論しているときは廃棄というのは占有者が廃棄するかしないかまず決めるわけですよね。廃棄を義務づけるという話は日本法にはないわけで、廃棄に際して何らかの処理、何らかの方法による処分を義務づけるということであって、廃棄を義務づけるという観念はないと思うんですが。だから、ちょっとこれは翻訳の問題もあるんでしょうけれども、ここのニュアンスがまだちょっとよくわからない。これは結局きちんと廃棄する。廃棄するというのはきちとん廃棄するということであって、一定の方法、一定の処理をせよと、そういうことなのかなと思うんですけどね。
 
事務局
独文も英文も入手しておりますので、原文は後ほど送付したいと思います。
 
小早川委員長
いかがですか。山田さん、何かどうですか。
 
山田委員
今の件ですけれども、ちょっと原文は忘れてしまったんですが、要するにドイツの場合は第3条で言うように、残留物みたいな出てきたものを全部廃棄物として一遍とらえてしまって、それをリサイクルなり何なりどういうふうに振り分けていくか、そういう発想で法律ができていますので、日本とはそもそも少なくとも今の日本の発想とは大分違うんだろうと。だから、出てきたものを廃棄物なら廃棄物の生産過程なり何なりそういうもので残って出てきたものをがばっと廃棄物としてとらえてしまって、その中でこれはもう廃棄しなければならない、これは狭い意味で捨てなければいけない、それからこれはリサイクルしなければならないというふうに分けていくという発想ですので、少し違ってくるという、多分そういうことなんだろうと。
 
小早川委員長
ほかにいかがでしょうか。
大塚委員。
 
大塚委員
今の点でございますが、廃棄しなければならないというところで多分一番重要なのは、事務局からのお話もあったように、環境に対する危険性との関係で廃棄しなければならないというふうにとらえられるというところが多分一番重要なところだと思うんですが、だから廃棄しなければならないと書いてあっても、廃棄しなければならないので廃棄物になるというところが大事なところで、廃棄物としての扱いを受けるということがそういう場合に大事なことなんではないかというふうに思います。
我が国の現在の通知のレベルで物の特性とかが入っている、物の性状とか入っているんですけれども、生活環境への影響というのが通知の総合判断の中に余り明確に出ていないというあたりが、EUとかドイツとかと比較するとやや問題ではないかという感じもすると思います。
それからもう一つ別な話として、中間取りまとめの方でも出ていたんですが、廃棄物になるかどうかというのは日本の場合だと廃掃法の適用を受けるかどうかというところに直接関係してきますので、それによって刑罰を科せられるかどうかも変わってくるというところがありますので、通知のレベルで必ずしも明確でないような形で規定をしているだけでいいのかどうかという問題は本当はあると思いますので、今回の論点には必ずしも上っておりませんが、もしできたら検討していただきたい点であります。
 
小早川委員長
どうもありがとうございました。
前段の話にまだこだわりますけれども、ドイツやヨーロッパで言う廃棄と、日本で言う廃棄と同じ言葉でいいんですかね。だから、これは日本でとにかく、まずは占有者の廃棄するという行動、それに注目するわけですよね。厳密に言って廃棄されたものに限るわけではないけれども、占有者としてもこれは廃棄するんだろうとか、不要だから要らないんだろうとか、だったらそれは廃棄することになるだろうとか、そこに注目して定義をしているように思うんですが、今のお話はヨーロッパ型だとむしろ環境への影響を考えて何か手当てをしなければいけないものを廃棄物と称し、それからきちんと廃棄されるべきものという意味であって、廃棄されたものではないということですね。かなり違うと思うんですけれども。
 
大塚委員
当たり前のことを言うわけですが、座長のおっしゃるとおりなんですけれども、ただ日本の廃棄物の不要物についての定義も今回参考資料で出ている野積みタイヤの適正処理とか、あるいはシュレッダーダストの通知に出てきているように、占有者の意思を非常に厳しく判断するようになってきていて、そこまでではまだヨーロッパ型とは少し違うということはやはりあるかとは思いますけれども、生活環境への影響のところにいく方向に進みつつあるということは言えるんじゃないかとも思いますが。
 
小早川委員長
ありがとうございました。
今の点でも結構です。ほかの論点もありましたらお願いします。
 
山田委員
今の点とちょっと関連するんですが、資料3あたりでいいますと野積みタイヤも結局現在の定義でも、これはやはり廃棄物でしたという話で、シュレッダーダストも廃棄物かどうか怪しいと言っていたけれども、結局廃棄物にしたという話なんですが、危険ではあるけれども、廃棄物にならないで困るものというのは具体的にはどういうものが考えられるんだろうかということなんですが。もし例をご存じでしたら。
 
小早川委員長
事務局からのご説明の中にもあった点なので、それについてのご質問でもあると思いますが。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
例えば県によっては廃自動車で困っているというふうな話なども聞いたところであります。県によって確かに廃自動車、むしろ有価で廃棄物にならないけれども、いろいろ住民から苦情が来たり、そこを何とかしろというふうな話が出ている。そういう話も聞いたことがございます。
 
小早川委員長
ただ、きょうの資料3のペーパーの2ページにもありますけれども、不要物なら不要物だと。しかし、不要物に当たらないものでも、生活環境保全上適正な管理が必要な場合があるだろうということが書いてあって、そこが一つポイントだと思うんですけれども、今挙げられた例ですと、自動車の使用者はもう使う意思がないわけですよねだから、その意味ではこれはもう不要物、本人からしてみれば不要物ですよね。だから、それは多分そういう判断でいいんだろうと思うんですが、ここで挙がっているのは不要物に当たらないという前提で、かつ環境上何らかの扱いは必要だと。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
例えば廃自動車、本人にとっては一度使ってしまって要らないと本人は思っているのかもしれませんが、社会的には価値のあるものがあるわけです。そういうものを本当に不要物と言い切れるかどうか。実際価値がかかるかについても。しかし、それが野積みされていると周辺の方からは問題だと言われる。そういう話を聞いたことがございます。
 
廃棄物・リサイクル対策部長
ちょっと混乱しているんだと思うんですが、現在の使用済み自動車というのは1台1台見ると総合判断して有価なものと逆有償のものが混在しています。使用済み自動車の中でも有償でいわゆる高級車というのが実はありまして、それとそれほど高級でない車とが一緒になって混在して野積みされていますと環境リスクが懸念されると。
これについてはこの間国会を通りました自動車リサイクル法で今後逆有償が進んでいくので製造者の責任、製造者等の責任をかけまして、これが実際には昔のように有償で回るようなそういった流れをつくり出すことで、そのために一応一たん、これは1年半後までの施行ですけれども、廃棄物と全部みなしてしまおう。1台1台で見れば有償なものもあるけれども、廃棄物とみなして廃棄物処理法の規制をかけようということにしております。
これは一つの例だと思うんですが、難しいのは、トータルで自動車の場合も中古車で使うのはいいんです。部品とか一つ一つを見ると立派なものだって、全体で有害になっていると。それを分解したり何かすると有価なものと廃棄物とが分かれてくる。全体で有害になっているというのが、今自動車の例でおっしゃいましたが、例えば被覆電線ですとか、そういったものが挙げられると思います。
 
小早川委員長
今の関係で何かございますか。
 
武田委員
非常に小さいことかもしれませんが、話では、例えばテレビでやっていましたけれども、どこかのおばさんが普通の我々だったら捨てるごみを全然捨てないで庭にいっぱい詰め込んで周りの人が非常に困っているという例があったと思うんですね。それから大きな例では豊島として何回か挙がってきている例があると思うんですね。本人は不要物だとは言っていないけれども、一般的にいって不要物とみなさないと非常に危険であるということですね。これをどう扱うべきかというのが非常にポイントになっていると思うんですね。
どうも今までの論調からいくとかなり広くとにかくカバーしていこうというふうに受けとれるわけなんですけれども、非常に広くカバーするんであれば個別の例えばリサイクルするルートへ乗ったときにどうするかということをかなり、同じ廃棄物でも差をつけていかないとうまくリサイクルが回っていかないという議論がやはりもう一回出てくるんだろうと。
 
大塚委員
今のお話をさらに発展させていきますと、結局不要物になるかどうかというのは占有者の意思と、もう一つ先ほどから出ている有価か無価かというところで決まってくることになるわけですが、豊島事件とかあるいは今岩手県と青森県県境で問題となっている不法投棄事件なんかにもそれが関係しているようですけれども、占有者の意思との関係、これは不要物でないと言い張っているというような場合に、なお立入検査をするとかというようなことが必要だというときに、それは不要物でなくてもそういう生活環境影響との関係からそういう立入検査とかできるようにする必要があるかどうかというところが多分問題なんだろうと思います。
この資料3の参考の2の循環形社会形成推進法の第2条2項で1号に廃棄物が書いてあって、2号に一度使用され云々というのがありますが、もしそういう不要物以外に不要物の疑いがあるというようなものについて、あるいは生活環境影響上必要なものというものについて何らかの立入検査とかももっとするということを考えた場合に、どこまで広げることができるのか、あるいはどういう概念を使っていくのかというあたりが多分非常に重要な点ではないかというふうに思います。
 
小早川委員長
話を伺っていて、2つのことがどうもありそうな。不要物ではないと、かつ自分は廃棄していないと言い張っているけれども、しかしそれはうそで、これはやっぱりよく見たらその人は自分では不要物だと思っている。だけど正しい廃棄の仕方をしていない、そこをサボっているだけだという場合と、それからさっき使用済み自動車で室長部長が言っておられたけれども、どうやら本当にその人はこれを有償で譲り渡すつもりであると。だけど差し当たりどこかに置いてあるんだ。その置いてあること自体が、しかし環境に影響を与える、環境保全上問題があるという場合と、やはりその2つあって、前者の方は立入検査なり何なりを行政の方でどういう手段を持つかということがメインになる話。後者の方は、環境保全上対策が必要なものを、しかし今最後に大塚委員が言われましたけれども、どういう概念でつかまえるか、それも廃棄物なんだというふうに廃棄物概念を広げていく方向で持っていって、それで果たして概念の使い方として社会的に認知されるのかどうか。あるいは、環境保全上対策は必要かもしれないけれども、話は別な話じゃないですかという議論がどこかから出てくるかもしれない。そういう問題があるんじゃないかということですね
 
植田委員
今のことで教えていただきたいんですけれども、その枠というか、網をどこまでかけるのか、広げるのかというお話がちょっとあったと思うんですが、ドイツ法はまず廃棄物で枠をかけてというふうな言い方をされているんですが、そういう理解でまずいいかということですね。
そのときに、どういう理屈で枠をかけていくかということで先ほど問題になった廃棄しなければならないとかいうこれが多分重要な特徴になっているんだと思うんですけれどもその考え方というのは例えば日本でそういう考え方をそのまま考えてみようと思ったらどういう問題というか、どういう難しさがあるか。現行と違うことはもちろんあれなんですけれども、どういうことがあるのかということをちょっと教えていただきたいと思いますそういうことであります。
 
小早川委員長
いかがですか、事務局。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
「廃棄しなければならない」というところで拾っている部分というのは、私どもで不要物の総合判断説で拾っている部分と同じようなところをねらっているのかなという感じもしております。
 
古市委員
きょうの議論で廃棄物の定義についてということで、定義の話というのは多分区分だとか規制とかそういうものと全部連動していると思うんですね。ですからちょっと定義だけの議論で賄うという話ではなしに、区分とのセットでですね。ですからどういうふうに定義するからどう区分して、あるいは責任を持ってどう制度的な枠組みをつくるかという話になると思うんですね。
それで今廃棄しなければならないという部分なんですけれども、廃棄しなければならないというのはやはり有害であるだとか、危険であるということで、それから環境上の問題でおっしゃられているわけですね。そうすると、そういう物の見方、要するに管理をしっかりしなければいけないという物の見方と、定義でもう一つ大きな問題としてのリサイクル可能物というのがありますね。そうすると、それはこちらにありますけれども、循環資源というお話ですよね。廃棄物と段階があって循環資源があって、循環資源についても有害なもの等については適正処理しなければいけない。そうしますと、そういうものの切り口の違い、全く法律論として廃棄し、廃棄する、廃棄しなければならないという定義だけではなしに、要するに有害であるか無害であるかとか、リサイクルして再利用できるかどうかという視点の切り口とか、そういうものとどう整合性を持ってこの議論をするのかというのも重要ではないでしょうかという問題提起なんですけれども。
 
小早川委員長
全くおっしゃるとおりだろうと思います。だからそこは生活環境上の危険性についてどういう規制が必要かという話と、リサイクル促進の観点からきちんとリサイクルされて最終的な廃棄物にならないための規制はいかにあるべきかということ全部ひっくるめた話に結局はならざるを得ないですよね。
いろいろあると思いますが、区分問題やそれから規制の中身との関連づけというのはまたもう一度当然やらなければいけませんので、一応定義問題は軽くなぞるだけにしたいと思うんですが、それでも何かほかに。いろいろな論点があると思います。どうぞ。
 
植田委員
これもちょっと教えていただきたいんですけれども、資料2に出てくる論点のところで、これはどちらかいというと技術的な理解をどういうふうに理解しておけばいいか、そういうことでちょっと聞きたいんです。
論点の1に出てくる部分で、処分をするための処理と再生処理は同じような工程で行われることが多い、こういうことが書かれているということと、それから(2)の「・」の4番目、これは先ほどちょっとご説明いただいた資料にもあったんですが、リサイクル工場とかはいろいろ公害規制がかかっているので廃掃法による規制はとこういう意見もあるということなんですが、まず先ほどご説明いただいたのですと、一応規制の違いがあることは大変よくわかったので、そうすると論点は、違う規制なんですが、だから公害防止規制で取りかえることができるかというか、廃掃法による規制はやはり独自の規制なのでどうしても必要というふうに考えられるかどうかという中と判断問題があると思うので、論点はそこにいくんじゃないかというふうに思うんですけれども、そのことにかかわってご説明していただいた部分のどこにどう着目して議論を進めればいいかということは多分お考えがあるんじゃないかと思うのでちょっと教えていただきたいということと、処分をするための処理と再生処理は同じような工程で行われることが多いというのは、こういう理解でまず基本的にいいのかどうかということをちょっと。
やはり全然違う処理なのか、同じ工程で行われるかというのは多少重要なことじゃないかと思うんですね。つまり、同じようなところに持ち込まれるわけだけれども、処理になるのか、リサイクルにいくのかが同じようなところで違うようになると、こういうふうな理解をしていいのかどうかということでかなり技術的な話かと思うんですが、ちょっとその点教えていただければ。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
最初の処分をするための処理と再生処理が同じような工程ということに関して言えば、例えば破砕の工程は両方にある、あるいは焼却ということに関しても再生で使う場合もございます。そうした共通点があるということでございます。
そしてまた資料2、別紙で用意したところかと思いますけれども、廃棄物処理法の規制公害防止規制の関係、整理をまとめさせていただいておりますが、同じような公害規制がかかっているので十分ではないかというふうなご意見もありますが、これは対比していただくと必ずしも公害防止規制で十分かというと、むしろ廃掃法の中で別な内容の取り組みをしているということもまたご理解もいただきたいというふうに思います。
 
小早川委員長
今の最後の公害規制法等の関係という話がよく出てくるんですが、今室長が言われたように、やはり公害防止規制ではうまくつかまえられない側面というのは、それはあるんでしょうね。そこは例えば中間処分にしても最終処分場にしても、まさに静脈の部分でためざるを得ないというところがあって、そのためていることに伴う問題をどう取り扱うか、そこにどういう規制が必要かという点があるわけで、そこは従来の公害規制法が考えている生産過程についての排出をどうするかという話とはやはり性質が違うので、それなりの特別な規制が要る。それは単なる廃棄物に、狭い意味では廃棄物に限らずリサイクルと廃棄物問題との中間領域についても同じ問題が、似たような問題があるということなんだろうと思いますが、ただ私なんかは両方ダブって規制するのはおかしいから廃棄物に含めるなという考え方もあるかもしれないけれども、逆にむしろそういう廃棄物問題なりあるいはリサイクル問題の特性があるんだから、それに応じた規制をきちんとやって、そっちで事が済むのであれば公害規制の方が引っ込んでむしろ廃棄物かリサイクルかわかりませんが、そっちの方の規制一本ということもあり得るのではないかという気もしますが、その辺はやはり大事に考えなければいけない話でしょう。
それから、あと先ほどご説明のあった中で別の点としては、例えば土壌の建設発生土などの問題がありますが、これはご説明がありましたように別途検討されているということもあって、この私どもの専門委員会でもそちらの方の議論の進め方を待って考えた方がいいところもあるのかと思います。
それから、あと気体の問題がありましたけれども、これは私の感じでは気体そのものが廃棄物かどうかという問題のたて方は余りぴんとこないので、フロンにしろ何にしろ、気体を含んだ、今の定義で言えば例えば粗大ごみというのはこれは廃棄物なわけですが、その粗大ごみの中に気体が含まれている。その粗大ごみという廃棄物を処理する際にその気体が環境に放出されるということのないようにどういう規制をすべきかと、そういう話ではないかという気がしていますが、この点も何かほかの委員のご意見があれば承りたいと思いますけれども、差し当たり時間も大分回ってきましたので、特にご発言がなければ次の論点にいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
では、続きまして議題2の廃棄物処理業施設設置に対する規制についてということで事務局から説明をお願いします。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
資料6から10でございますが、資料6「広域的に移動する廃棄物の処理業について」でございます。
中間取りまとめにおきましては、広域的、効率的な廃棄物処理、リサイクル促進という観点から規制を厳格なものとし、その手続や合理的な視点が重要であるとしまして、例えば現行の広域再生利用指定制度の活用など考えられるというふうに書いています。ただその場合、きちんとした適正処理を担保するための措置も考えるべきであるということも論点に掲げております。それに関する資料でございます。
現行の廃棄物処理業・施設に関する特例制度の内容でございますが、左側の広域再生利用指定制度、これは一定の条件を満たす廃棄物の再生利用を行う者について、廃棄物処理業の許可を不要とするものでございます。
そしてその対象となるもの、一般廃棄物の方でございますが、アンダーラインを引いておりますが、排出というものを取り扱うのか、あるいは家電リサイクル法に係る収集運搬を行う運輸事業者だとか、あるいは廃パソコン、廃二次電池、さらには再生利用の目的となる廃タイヤなどが対象となっております。
そして次は産業廃棄物でございますが、廃パソコンとか石膏ボード、廃パチンコ台などが対象となっております。
そして右側の欄でございますが、これは再生利用認定制度、一定の廃棄物の再生利用について、その内容が生活環境保全に支障がない、基準に適合していると環境大臣が認定するというものでございまして、認定を受けた者は廃棄物処理業だけでなくて廃棄物処理施設の設置の許可も不要となっております。
対象となる一般廃棄物として、廃ゴムタイヤとか廃プラスチック類、廃肉骨粉。産業廃棄物として、廃ゴムタイヤ、廃プラスチック類、建設無機汚泥などが対象となっております。
一番下の注書きにも書いてありますように、原則で言えば一般廃棄物処理業を行うためには市町村の許可あるいは産廃の場合、都道府県の知事の許可がそれぞれ必要になりますが、そうしたものの特例でございます。
そして1枚おめくりいただきまして、2に廃棄物処理法において定められている行為に対する各種規制でございます。
例えば一般廃棄物の場合、処理基準がかかるとか、あるいは改善命令がかかる、措置命令がかかる、立入検査がかかる、こうした規制がかかっておりますが、それらがどういうふうに特例制度にかかっているのかというのを整理したものが3、現行の特例制度に対する廃棄物処理法の規制の適用の有無のところでございます。
これをごらんいただくと、広域再生利用指定制度について、処理基準は適用ございません。ただ、もともと省令において処理基準に従って処理を行う場合に限り業の許可不要というふうに規定しております。そして再委託基準の適用なし、マニフェスト、適用なし。一廃はもともとございません。そして改善命令、適用なしとなっております。措置命令、適用あり。立入検査等、適用あり。
右側の欄は再生利用認定制度。処理基準、適用あり。再委託基準、適用なし。マニフェスト、適用なし。改善命令、適用あり。措置命令、適用あり。立入検査等、適用ありというふうな感じになっております。
広域再生利用指定制度等について処理基準とか改善命令は適用ございませんが、逆に言いますとそういうふうな処理基準とか改善命令を適用しなくてもよいようなところを指定している。逆に言ってそういうところしか指定できていないという側面もございます。
そして、実際どういうふうに指定が行われているのかという一つの例でございますが、例えば石膏の製造・販売を行っているような石膏会社で広域再生利用指定を受けるということの場合、具体的にはA石膏会社、関連会社13社が収集運搬業、処分業の指定を受ける。そして運送会社122社が収集運搬業の広域指定を受けるというふうになっております。実務的にはA石膏会社が委任状を受けて一括して申請という形に事務手続実態としてはなっておりますが、制度上は個別の会社として指定を受けるという形になります。
そして、次に中間取りまとめにおきましても共同して取り組むことを考えたらどうかということも取り上げております。ただ、その際、独禁法に反しないようにということも書いてございます。その関係資料として、公正取引委員会が策定した「リサイクル等に係る共同の取組に関する独占禁止法の指針」こういうものも出ております。これは紹介するだけにとどめさせていただきたいというふうに思います。
そして次に、資料7でございます。
複数の地方公共団体の許可取得。
広域的に移動する廃棄物にはこういう問題もあるわけでございます。そのため、1、許可取得に伴う負担の軽減策を導入する場合の課題としていますが、そこの中で中間取りまとめでは廃棄物処理業の許可取得に伴う負担軽減策として[1]、一つの地方公共団体における許可取得でもって他の地方公共団体における許可手続を合理化する仕組みを考えたらどうだろう。
あるいは[2]、現在は廃棄物の積載地あるいは荷おろし地双方の許可を要するということになっておりますが、いずれかの許可取得のみで足りるというふうにしたらどうだろうといった案を掲げております。これに対しては、次のような課題も想定されるわけでございます。
[1]、一つの自治体の許可でどうかということに関しては、主たる事業所のある区域など一地方公共団体での許可取得のみで足りるとした場合、特定の区域、本社があるようなところに許可申請が集中する可能性があります。そしてまた、現在廃棄物が流入している区域において、許可権限等による監督上の問題から難色が示される可能性がある。廃棄物の流入県において、許可権限がないということでどう対応するのかというのが課題であるということです。
そして次の[2]に伴うところですが、積載地のみの許可取得で足りるというふうにした場合、さっきのと同じですが、廃棄物の流入先である荷おろし地の区域において許可権限がなくなるとなると、業者の把握や監督が、事実上難しい。そういう難色が示される可能性があろうというふうに思っております。
また、荷おろし地のみの許可取得で足りるというふうにした場合、その責任を徹底すべき排出事業者との接点において、許可権限等による業者の把握や監督上の問題から難色を示される可能性がある。排出事業者が無許可業者に廃棄物処理を委託しないようにきちんとしなければいけないわけです。そうした監督がしっかりできるんだろうかというふうな議論が考えられます。
そして、次でございます。2ページ目に移ります。保健所設置市の事務について。
これも中間取りまとめの中で、産業廃棄物に関する複数の保健所設置市の許可を要する場合、都道府県知事が一括して許可を行ったりしたらどうかというふうな議論も掲げておりますが、まず(1)でございますが、保健所設置市の概要。これは地域保健法に基づく保健所は地方自治法の指定都市あるいは中核市及び地域保健法の政令で定める市に設置されております。廃掃法上、都道府県知事の事務を保健所設置市は市長が行うというふうになっておりますが、(2)他の公害規制法においてどういう取り扱いをしているのかということでございますが、必ずしも廃棄物処理法の取り扱いと同じような取り扱いをしているわけではございません。
大気汚染防止法の場合、地方自治法の指定都市、中核市及び大気汚染防止法の政令で定める市でやっています。保健所法の政令市ではなく、大気汚染防止法の政令市であります。あるいは騒音規制法、そこも同様な取り扱いとなっております。そして振動規制法の場合は地方自治法の指定都市、中核市、特例市。悪臭防止法の場合も同じでございます。このように、ちょっと廃棄物処理法の場合は扱いが違っている形になっております。
3ページには、広域的な許可の議論として、一部事務組合の制度がございますので、参考までにつけさせていただいております。現実的に市町村のレベルだと一部事務組合がございます。
そして続きまして、資料8をご説明させていただきます。
中間取りまとめにおきまして、廃棄物処理施設の設置許可については、現在一般廃棄物産業廃棄物で許可対象施設の種類が異なっておりますけれども、それぞれの許可要件が類似していることや、許可主体がともに都道府県知事であることから、例えば同様の性状を有する一定の廃棄物について、一方の施設許可の取得のみで足りるというような合理化が考えられないのか、あるいは、生活環境上の影響が小さい廃棄物処理施設の設置について施設の特性に応じて許可要件を合理化することは考えられないのかという論点を掲げております。その参考資料でございます。
そして1、廃棄物処理施設許可の概要でございますが、一般廃棄物処理施設について、これは許可主体は都道府県知事でございます。ただ、一般廃棄物の場合、事務区分としては自治事務というふうになっております。そして許可対象施設の区分けでございますが、これは3つに分かれております。ごみ処理施設、最終処分場、し尿処理施設。ごみ処理施設については1日5トン以上のような場合については逆に言うと、扱うものにかかわらず許可が必要になるという形になっております。
そして右側の産廃施設をちょっと見ていただくと、許可主体は同じ都道府県知事ですがこれは法定受託事務ということになっております。また、許可を取らなければいけない施設、これが具体的に列挙されておりまして、汚泥脱水施設であるとか廃油の分離施設、焼却施設とか中和装置とか、あるいは廃プラの破砕施設であるとか、そういうものが具体的に列挙されております。
そして許可要件。これはほぼ共通しておりまして、設置計画の技術上の基準への適合であるとか、周辺生活環境保全、周辺施設への適正な配慮とか共通しておりますが、設置者の人的要件のところでは右側の産廃施設につきまして暴力団の欠格要件が産廃施設に加わっております。
そして裏側を見ていただけますでしょうか。主な施設の技術上の基準の概要。中間取りまとめもほぼ共通しているんではないかという指摘がございましたが、見ていただくと、ほとんど共通しております。構造基準、一般廃棄物処理施設。違う点だけ言うと、アンダーラインを引いておりますが、焼却施設について産廃の場合はPCB焼却施設が通常の場合 800度が 1,100度になっているとかそういうのが若干異なっているという形になりますまた、例えば破砕施設の場合でいいますと、これはちょっと比較のしようがなくて、産廃の場合、廃プラで比較しましたが、一般廃棄物の場合、スプレー缶などが入るので、防爆設備等の設置が求められております。産廃の廃プラ破砕施設の場合、そういう規定がございません。
そして資料9でございます。一般廃棄物処理施設の代表的な例。
中間取りまとめにおきまして、生活環境上の影響が小さい廃棄物処理施設の設置について合理化することも考えられるんではないかと出しておりましたが、一体どういうふうなのが処理施設としてあるんだと例を取り上げたものでございます。
例えば典型的な焼却施設がございます。あるいはこういうふうな可燃ごみをピットに入れて焼却して集塵機で集めて、こういうふうないろいろな処理がございます。あるいは最終処分場というものもこういうフロー。あるいは粗大ごみ処理施設、これは破砕機で破砕して選考する。あるいは廃プラスチックの破砕施設。さらには、後ろのページでございますが、ガラス瓶の選別施設。異物を除去してコンベヤでやっていく、あるいはペットボトルの圧縮施設であるとか、あるいはエコセメントの製造施設であるとか、いろいろな処理施設がございますが、まさにそれぞれ違ったものがございます。
以上でございます。
 
小早川委員長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明に関して皆さんからご意見、ご質問などありましたらどうぞよろしくお願いします。
全体としては先ほどの定義問題、それからさらには区分問題を背景にしてある程度のリサイクルまで含めた分野を廃棄物処理法の規制の網の中に位置づけると仮にした場合に、その規制の中身の整理、合理化ということがどこまで可能であり、必要であるか、そういう観点からの話だろうと思いますが、いかがでしょうか。
 
武田委員
1つは質問なんですけれども、廃棄物を非常に広くとらえて、例えばわかりやすく古新聞なんかでもいいと思うんですが、今回収されて回っていますが、そういったものまで廃棄物ということで一たん網にかぶせてほかのところは全然変わらないですから例えば再生利用認定制度みたいなものを受けないと要するに廃棄物処理施設あるいは処理業の許可を取らなければいけないことになるのかどうかということをちょっと教えてほしいのと。
それからもう一つ、複数の地方公共団体の許可取得についての定義で、[1]のものから[2]に伴う課題というのが挙がっているんですが、これは私はどうもいかがなものかなというふうに感じていますのは、やはりA県で取得してもB県で取得しても同じであるということがむしろないことが非常に不信感を生んでいるわけです。ということから考えると、こういうことは余りおもんばからない方が、私はむしろいいんではないか。意見を申し上げたいと思います。
 
小早川委員長
何か。
 
リサイクル推進室長
古新聞の件については少し位置づけが、いわゆる廃棄物一般として、廃掃法の現行法の中でも専ら物という概念があって扱いをするので、やや話が一般論と合わないところがあると思うんですが、きょう最初にお話があった定義の話にもつながるかもしれませんが、廃棄物の規制を行うというのは、出す人が要らない、不要だと言ったことに着目して、その結果、物がぞんざいに扱われるということで恐らく規制をかけてきたんだと思うんですが、リサイクル可能物を対象にするかどうかの議論が今大きな問題になっているのは、出す人ではなくて今度受け取る側から見たときに、リサイクル可能物というのは有要物というか、不要ではないものになる可能性があるんですね。そういうことで受け取る側の方が不要でないものについては従来出す方が不要だというものを規制したことについて、同じような規制をする必要があるかどうかという議論があって、そのことが定義にそもそも入れるかどうかという話になり、個々の規制を行うことになっているんですね。現行の廃掃法では、今の資料で説明があったように、広域再生利用指定とか再生利用認定制度がありますし、先ほどお話があった新聞紙というのは古紙ですね。それから、ガラスとか金属とかそういうものは専ら物ということで必ず再生利用されているところが社会的に慣行として成り立っていたということで、業許可とかを外している、そういう扱いも現にあるわけですね。ですから、対象にしたから直ちに規制がかかるということではない。逆に言えば幾つかの現行法でも現に外している受け皿があって、ぞんざいに扱われるというところの心配が何らかの方策で担保されていれば規制を幾つか外していっている一般ごみというのは現に今ご紹介したようもなのがあるという、そういうことだと思うんです。
 
武田委員
わかりました。専ら物のことはちょっとうっかりしていました。
 
小早川委員長
武田委員がおっしゃったもう一つの複数の地方公共団体間の関係の話ですが、これはお考えは、許可を与えた県とそれから別の県も同じように強力に監督、指導すればいいではないか、そういうことですか。
 
武田委員
本来、地域によって差があるということ自体が、あるものを廃棄物にするかしないかについても随分違いがあるというふうに言われているわけですけれども、そのことがかなりいろいろな意味で不信感を抱いているんではないかというふうに思いますのでこれは合理化するというのは単に手続が非常に大変だということはもちろんあるんだと思うんですけれども、それ以外にもやはり全国で同じ扱いがされるということが私は大事なんではないかというふうに申し上げたわけです。
 
小早川委員長
ただ、それは突き詰めれば全部国がやるという話に極端に言えばなるわけですよね。そうではなくて、規制権限を差し当たり都道府県レベルで各都道府県に分けると。それは自治事務か法定受託事務かという話はありますけれども、いずれにしても各都道府県に分けるとした場合に、それを前提にして考えたらどうなるかということですよね。
 
古市委員
私も武田先生がおっしゃるような、全国一律でということか非常に重要だと思うんですね。ただ、そのときにこういう業とか施設の事務手続を合理化するということの重要さが担保されるためには、その前に前提条件として全国一律にそういうものがしっかり流れているよと、管理されているということが大前提だと思うんですね。それがされてなくして、積み出しの積載地のみの許可でいいとか、流入地だけでいいというのでは、責任の所在がはっきりしないですよね。
もっと言うと、これが例えば不法投棄されたときに、先ほど青森、岩手というのもありましたけれども、そうすると、では一環してこういうふうになってくると、不法投棄されたところだけの措置命令権だけでなしに、積み出したところとか、それを管轄する国の方の責任からそういうものにもかかってくるんじゃないかなという気がするんですね。ですからその辺のところの不法投棄まで考えたそういう産廃等の動きについての管理のあり方というものが、そういうものが重要なのか、事務手続を簡略化することが大事なのか、その辺はもっと原点に戻って議論すべきじゃないかなという気がするんです。
 
小早川委員長
先ほどの事務局からのご説明の趣旨というかスタンスですよね。まずはこの負担軽減ができるかというところから問題設定をして、それはできるかもしれないけれども、そうした場合にどういう問題が起きてくるかということで、この先ほどの資料のペーパーで強調されているのは、恐らく許可権限を持たないところが監督、指導しようとしてもすご味がきかないから実効性が上がらんのではないかと、そういうご心配が主であるように見えますが、そういう理解でいいですか。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
まさに古市委員が言われたような青森、岩手が不法投棄が思ったよりも大きな問題になっているわけです。そういう中で廃棄物行政を適正に行う要望というのが高まっております。そこでこういう許可の合理化というものをした場合に、例えば積載地でいいとした場合に、受け入れ先の自治体が本当にきちんと廃棄物行政ができるのかどうか、そこが問題になるのではないかということでございます。
 
武田委員
青森、岩手はもう起こっているんでしょう。
小早川委員長
現行制度で既に起こっている。
大塚委員
そういうことになりますと、結局広域再生利用指定制度とか再生利用認定制度を活用していくことが、そういうことになりますとというのはちょっと難しいところですが、活用していくことが循環を進めていくというためにはそちらの方を活用していくしかないのではないかという感じは私自身はしているんですけれども、これは中間取りまとめの検討のときにもいろいろ議論されたところではあるんですが、現在広域再生利用指定制度と再生利用認定制度の活用というのは余り進んでいないことがあるということは一般的に思われていると思うんですが、先ほどの資料6の2ページで広域再生利用指定制度の処理基準適用なし、改善命令適用なしというところ、ではこれは適用ないものだけがこういうものに指定されているので、これ適用ありというふうに例えばすれば、もっと広げられるんじゃないかというような議論が多分出てくるだろうと思うんですけれども、それによって広域再生利用指定制度を広げていくということは、あるいは今後可能だと思いますが、それにしても現在も余りにも活用されていないということを考えると、なかなかお寒いようなところもないわけでないと思いますが、事務局に質問させていただきたいのは、現在これらの制度が余り活用されていないということの障害となっていることは何かということです。それから、それを広げていくためには何をすればいいかということについてどういうふうにお考えかということをちょっとお伺いしたいんですが。
あるいは、前提としてこの程度の活用で十分だというふうにもし思っておられるのでしたらそれでも結構なんですけれども。
 
リサイクル推進室長
広域再生利用指定制度そのものを所管しているのは本来だったら廃棄物対策課なり産業廃棄物課なんだと思うんですが、これをむしろ適用してくださいとお願いする立場のリサイクル推進室の方から、少しそういう角度からお話しさせていただきますと、制度そのものは最近の傾向としては非常にむしろ申請がふえていて、実際の指定もされていますし、それなりの効果が上がってきていると思います。
やはりリサイクルそのものが以前にもお話ししましたけれども、この数年間というか、もっと端的に言えば二、三年間の大きな動きの中で変化が起こっている話ですので、こういう制度そのものの利用もそういう意味では比較的最近大きな動きが、変化が大きいという意味が一つあるんです。
それから今、大塚委員からのご指摘があったように、確かに現行の広域再生利用指定制度は処理基準等の適用がないということで、ある意味では全くその規制から外れてしまうという、正確に言えば施設許可とかが多少関わってくる部分がありますが、そういう意味で行政の側からすると確かにこれを活用していく際にどうしても慎重にならざるを得ない面がある、そういう点は確かにあろうかと思います。
 
大塚委員
再生利用認定制度の方はどうですか。
 
リサイクル推進室長
再生利用認定制度の場合には、施設許可も不要となるような制度なんですが、これはどちらかと言ったら、今実績を見ていただいてもわかりますけれども、既存の施設をうまく活用して、そこへ廃棄物のリサイクルをやっているようなケースで、そういう意味で今までのところですとそういう実例がそれほど出てきていなかった。ただ、これも最近我が国の製造業が持っているいろいろな技術を生かしてリサイクル分野に従来の制度上申請されてきているケースが非常にふえていますから、今後の可能性としては変わり得る余地はあるんじゃないかなというふうに期待しています。
 
山田委員
それとの関係でさっきもちょっと出ていたんですけれども、いっそのこともう専ら物の方を拡大していくという方向もあり得るかなと思うんですが、これはやはり危ないというのが現在の立場なんでしょうか。
 
リサイクル推進室長
専ら物にしろ、広域再生利用指定にしろ、再生利用認定にしろそうなんですが、先ほど申し上げましたようにだれかが不要だと言ったものがぞんざいに扱われる心配がなくなるというところを何がしらの形で担保しているわけですね。専ら物の場合は、先ほど言いました4品目で、それは当時の法制定時の社会通念としてそういうものが確立していたということがあってだと思うんですね。ですから、そういうぞんざいに扱われて環境に支障が出るようなことがないということをどうやって担保するかという、そこのところがの議論だと思うんです。
それでリサイクル可能物が議論になるのは、先ほどぞんざいに扱われる可能性がなくなるケースとしてリサイクルが出てきたんじゃないですかということを申し上げましたけれども、同時にリサイクルそのものの概念が非常に不安定な部分がありまして、リサイクルの名目での不適正処理を防ぐということがここでも課題として指摘されているように、そこの担保が非常に難しいというそこをどこで線引きをしていくかという問題なんじゃないかというふうに思っています。
 
小早川委員長
ほかにいかがでしょうか。
保健所設置市の問題はどうですか、何か。技術的能力みたいな話かと思うんですが、事務局の方の認識はどうなんでしょうか。
 
廃棄物・リサイクル制度企画室長
保健所設置市の中には正直言いまして非常にご苦労されているところもあるんではないかなというふうにも思っております。そういう面では自治体の方も苦労されている場合もあるし、逆に許可を必要とする方から見れば許可をいっぱい取らなければいけないという形になっている場合もあろうと思います。
 
小早川委員長
ほかにはいかがでしょうか。
よろしいですか。それでは、きょうは定義の問題とそれから規制の合理化の問題、2つを取り上げて議論していただきましたが、それではきょういただきましたいろいろなご指摘につきましてはこれを踏まえて今後の本専門委員会の議論の中でさらに生かしていく。最終的には取りまとめに反映させていくということにさせていただきたいと存じます。
それでは、事務局の方から内容に関しては何か補足ございますか。よろしければ、では事務的な連絡……植田委員。
 
植田委員
先ほど議論したような再生利用認定制度とかの話でもそうなんですけれども最近は利用されるようになってきているというようなお話があったんですが、そういうふうなデータというか資料というか、我々としても判断ができるそういう必要があるかと思いますので、それはやはりどういうふうに出てきていて、どういうふうに活用されているかという資料が整理して出していただいた方がありがたいかと思います。
同じような意味で、先ほどの複数の地方公共団体の許可取得とか保健所設置市の事務とかいう、どちらかというと産業廃棄物行政の体制にかかわる問題があるかと思うので、その体制が十分であるかどうかとかというのはどういうふうに判断すればいいかというのが非常に実態として気になるところなんですね。そういうことに何かわかる資料というようなものがもし作れるのでしたら、例えばここで許可を受け入れる側、積載地のみにすると多分、積載地1カ所で取ればいいとすると、ここのご心配は積載地だけで取って現実には全然取らないというようなことが多分起こるのではないかというようなことなんですが、そういうことが起こるとどういうことが実際、数的にも起こってくるのかとか、そういうことが少し見通せる必要がやはりあるかと思うので、どういうデータがあればそういうことがわかるのか私もよくわからないんですが、多分所管されている関係からいろいろおわかりになる点もあると思うので、そういうことが議論できる素材みたいなものを少しまとめていただけるとありがたい、こういうふうに思います。
以上です。
 
小早川委員長
前の方の認定指定制度の運用における最近の変化の動向といいますか、これも認定指定されたものに限らず、どういう潜在的な動きがあるか、それも含めてだろうと思いますが、それが何かデータを出していただけるかということと、後の方は確かに行政として何が今できないでいるか、またこれをさらに合理化したら余計何ができなくなるかというそこのところですね。これはあるいはさっきの青森、岩手を含めて現場といいますか、各自治体でどうお考えかということもあるかと思うんですが、ただそれをこの委員会で自治体からヒアリングするというのも必ずしも適切ではないかもしれませんが、事務局の方でその辺のどういうふうに把握しておられるかということもあるかと思いますけれども、全体として今の資料の点についていかがですか。
廃棄物・リサイクル制度企画室長
1番目の、再生利用に関する実績等はそろえられると思いますので、取り組みたいと思います。
2番目につきましては、自治体の方の受けとめ方、そこら辺もできる限り把握してなるべく資料を用意したいというふうに思っております。
 
小早川委員長
委員の方から今のようなご注文や何かもしございましたらどうぞお願いします。
では、事務局の方からその他連絡事項がありましたら。
 
企画課長
次回でございますけれども、8月27日、火曜日の午後3時から、場所は環境省22階の第1会議室を予定しております。
議題は廃棄物の区分についてご議論いただきたいと思っております。正式なご案内は追ってご連絡させていただきます。
それから、10月の日程につきまして、以前委員の皆様からいただきましたスケジュールを踏まえまして、事務局の方で日程の案を作成して席上に配付させていただいておりますお帰りになる前にご記入いただきますようお願い申し上げます。
それから前回の議事録でございますが、これも席上に配付させていただいておりますのでお持ち帰りいただきまして、修正点がございましたらご連絡いただきたいと思います。
以上でございます。
 
小早川委員長
それでは、熱心なご議論をいただきましてありがとうございました。
本日はこれで閉会いたします。
 
午前11時51分閉会