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産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会(第21回)中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会使用済製品中の有用金属の再生利用に関するワーキンググループ(第6回)合同会合議事録


日時:平成24年5月10日(木曜日)15:00~17:00
場所:新宿エルタワーサンスカイルーム A室

議題

1.
国内資源循環の推進及びレアメタル含有情報の共有について
2.
その他

議事内容

○渡邊リサイクル推進課長  それでは、定刻になりましたので、これより産業構造審議会廃棄物・リサイクル小委員会及び中央環境審議会使用済製品中の有用金属の再生利用に関するワーキンググループの合同会合を開催いたします。お忙しいところ、また天候不順なところご出席賜りまして、誠にありがとうございます。
本日の会合の出席状況でございますが、両審議会合わせて26名の委員のうち17名の委員にご出席いただいております。産業構造審議会につきましては22名のうち15名、中央環境審議会については13名のうち8名の委員にご出席いただいており、いずれも過半数に達しておりますことをお伝えいたします。
 続きまして、事務局から配付資料について確認させていただきます。配付資料は、資料1から5までありまして、4については4―1と4―2、2種類ございます。また、本日はご欠席ではございますが、中村委員よりご意見をいただいておりますので、あわせて配付しております。資料の過不足等ございましたらお申し出ください。
 次に、ご発言の際についてですが、ネームプレートをお立ていただきますと、座長から順次指名させていただきます。発言者には事務局からワイヤレスマイクをお持ちいたしますので、順次ご発言いただければと思います。
 それでは、議事進行を永田小委員長にお願いしたいと思います。

○永田小委員長  どうも皆さん、こんにちは。足元のお悪い中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。議事次第、資料1でございますが、そこにありますように、本日は国内資源循環の推進とレアメタル含有情報の共有について、ご審議いただきます。
 まず、事務局から資料をまとめて説明いたします。その後、委員の皆様よりご意見をちょうだいしたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、事務局、よろしくお願いします。

○渡邊リサイクル推進課長  それでは、お手元の資料3、4―1、4―2及び5に基づきましてご説明させていただきます。
 まず、資料3についてでございます。本日の議題の国内資源循環の情報共有というところに関する資料の前に、レアメタルリサイクルの経済性に関する分析をご紹介させていただきます。
 1枚めくっていただきまして、使用済製品からレアメタルをリサイクルしていく際に、製品ごとにレアメタルの回収をした場合としていない場合、実際に手分解でやるのか、新技術でやるのか、そういったことを考慮いたしまして、複数のシナリオを幾つか試算いたしまして、比較分析を行いました。今からご紹介するように、基本的に、実際にレアメタルを回収した場合としない場合で最終的な収支、数字にどう影響してくるのかといったところをみられればと思っております。
 まず最初に、エアコンについてでございます。エアコンにつきましては、エアコンを解体してコンプレッサーを取り出して、そのコンプレッサーを切断して以降について幾つかのシナリオに分けて試算しました。
 3ページでございますけれども、前提というところで、左上のところにございますが、試算の前提となる実際の処理台数ですが、これは2010年時点の台数を用いております。また、2020年につきましては、現行の回収率約70%を横置きいたしまして、それに基づいて算出した台数がこの数字でございます。
 コンプレッサーを取り出した後、実際コンプレッサーを解体する場合としない場合がありますが、その比率の前提をその下のシェルカットを行うエアコンの割合という形でお示ししております。
 ずっと行きまして、今度、最終的に解体、切断した後にネオジムを取り出すかどうかという部分にかかわるのですが、そもそもネオジム磁石を採用しているエアコンとそうでないエアコンがございまして、現時点では採用率が5%となっておりますが、2020年時点では65%までこれが高まるという前提を置いてございます。
 5ページをご覧いただきたいのですけれども、まず、2010年時点でエアコンのコスト推計をいたしました。5ページの下のほうの赤い点線で囲んだところをみていただきたいのですけれども、左側がベースシナリオということで、鉄とか銅とかこういうのは取り出すのですが、ネオジム磁石までは回収しないシナリオです。シナリオ1は、手分解ではありますが、ネオジム磁石を回収してみたときの数字ということで、赤い点線のところをご覧いただくとわかりますけれども、ネオジム磁石を回収した場合のほうが収支が悪くなるという結果になっております。
 ちなみに、右側に参考シナリオとして、コンプレッサーを解体せずにそのまま海外輸出している事業者に対して売却した場合の全体利潤を試算してみたら、これが一番高かったということで、現時点で海外輸出の引きというのが非常に強いということがわかります。
 続きまして、次のページですけれども、今度、2020年時点での数字をみてみました。そうしますと、下の赤い枠で囲った数字ですが、ネオジム磁石を回収した場合のほうが収支、全体利潤が高まるという結果になっております。
 加えて、参考シナリオで海外にコンプレッサーをそのまま売却するケースよりも高いという結果になっておりまして、これは要するに、ネオジム磁石の採用率が上がるとか、技術開発の進展とかで効率的な処理を行うことが可能になったということが実現できる2020年時点では、ネオジム磁石を回収したほうが収支が高まるという試算結果になっております。
 ただ、最終の全体利潤でみますと、中間処理段階、下の表の真ん中の黄色い部分ですけれども、これをベースシナリオとシナリオ2で比較しますと、ここについてはベースシナリオのほうが利潤が高いという結果になっておりまして、途中の中間処理段階においてレアメタルを取らない方が収支が高まるという観点につきましては、金属回収段階での利潤を一定程度中間処理のほうに回していく、そうすることによってレアメタルの全体のリサイクルが動くという結果になっております。
 7ページ以降は、幾つか感度分析をやってみた結果でございますけれども、これは資源価格をいろいろ動かしてみた感度分析なのですが、2020年、今の価格、3月末時点の価格ですが、現状の2分の1以上の価格であればシナリオ2のほうが優位になるということで、レアメタルを回収するに当たって、こういう資源価格の変動によってもどこまでがペイするのかということがみてとれるようになっております。
 次のページですけれども、年度による感度分析ということで、2010年と2020年だけではなくて、途中段階もみてみますと、2014年以降になりますとシナリオ2がベースシナリオを上回り始めるという結果になっているところでございます。
 以上がエアコンについての試算です。
 次に、次世代自動車でございますけれども、ここから以降も同様の試算をしております。
 その試算結果をご紹介いたしますが、13ページをご覧いただければと思います。こちらについては2010年の比較でございます。先ほどのエアコンと同じように、2010年時点ではシナリオ1、レアメタルを回収するほうが全体利潤は悪くなっているという結果になっております。
 では、2020年時点ではどうかということで次のページでございますけれども、こちらについてはレアメタルを回収したほうが全体利潤がより高まるということで、やはりこれは次世代自動車の排出量が2020年に向けて増えていくということと、技術の進展で処理費用を抑えられるということで利潤が高まっていくことが試算の結果としてみてとれると考えております。
 それから、15ページ以降のところについて感度分析を行っております。例えば、次世代自動車に関してはレアメタルを含む部品がモーターとか電池とかあるわけでございますけれども、先ほどまでのものはモーターも電池も全部回収した場合の結果ですが、モーターだけ回収してみたらどうなるかとか、電池だけ回収してみたらどうなるかという試算も参考までにしているところでございます。
 それから、17ページをご覧いただきますと、先ほどのエアコンでみていただいたのと同様に、2010年から毎年の全体利潤の変化をみてみますと、2016年を機にシナリオ2のほうがベースシナリオを上回る結果になっております。
 続きまして、パソコンについてでございます。
 22ページをご覧いただきますと、2010年の推計結果でございます。2010年時点ではベースシナリオがシナリオ1、レアメタルを回収する場合よりも利潤が多くなっております。
 次のページでございますけれども、2020年についてどうかとみてみますと、やはりパソコンもレアメタルを回収しないほうがする場合よりも利潤が高い結果になっております。パソコンの推計の前提でございますけれども、基板とかハードディスク、電池、レアメタルを含む部品すべてを回収することを前提に試算した結果がこのような結果となっております。
 24ページ以降に幾つか感度分析をした結果がございます。これをご覧いただきますと、例えばタンタルコンデンサが乗っかっている基板だけを回収してみたらどうかという感度分析、24ページでございます。こちらについてもベースシナリオのほうが利潤が上回っております。
 それから、ハードディスクだけ回収した場合が25ページです。
 26ページは電池回収のみをした場合ということで、それぞれ全体利潤を出しておりますけれども、ハードディスクにつきましても、基板だけを回収した場合と同様に、回収しない場合のベースシナリオのほうが利潤を上回っております。電池回収については、シナリオ2のほうが利潤は上回っているのですけれども、マイナスの結果になっております。
 そして27ページでございますけれども、個々の部品について、回収率による感度分析をやってみた結果でございます。そうしますと、ハードディスクについては真ん中なのですけれども、回収率が30%より上にいきますとシナリオ2のほうがベースシナリオを上回る結果になってございます。
 次の28ページのところですけれども、先ほどと同様に全体利潤を出してみますと、これは30%という前提でございますが、ハードディスクの回収のみをやった場合は、回収したほうが利潤が上回るという結果が出ておりまして、回収率次第ではペイするという結果になっております。
 最後に、携帯電話についてです。
 32ページをご覧いただければと思います。2010年時点でございますが、こちらにつきましてはベースシナリオのほうがシナリオ1、レアメタルを回収する場合よりも利潤が上回っております。
 次のページで2020年時点でどうかということなのですが、2020年時点でもベースシナリオがシナリオ2を上回っているという状況になっております。
 34ページ以降に、先ほどのパソコンと同様に、取り出す部品によって感度分析をした結果を掲載しているところでございますが、34ページは、基板にはタンタルコンデンサが乗っているわけでございますが、基板回収のみを試算してみたところ、これについてはやはり引き続きベースシナリオがシナリオ2を上回る結果になっているところでございます。
 次の35ページですけれども、電池回収のみでみたらどうかというところでございます。こちらにつきましてはベースシナリオ、シナリオ2ともマイナスの利潤という結果にはなっておりますけれども、シナリオ2、回収したほうがマイナス幅は改善するという結果になっております。
 以上を踏まえまして、最後、まとめたものが36ページでございます。
 左に掲げた品目に関してでございますけれども、これらにつきましては、2010年時点ではベースシナリオよりシナリオ1のほうが下回るのですが、2020年時点におきましては、レアメタル含有製品の排出量が増えるとか技術の進展といったことでレアメタルを回収したほうがベースシナリオよりも利潤は改善するという結果になっております。
 パソコンのハードディスクに関しては、先ほどちょっとご覧いただいたように回収率の向上が前提となるということ。
 それから、小型二次電池はパソコン、携帯のところでみていただきましたけれども、全体利潤がプラスにはならないのですが、回収したほうが処理費用を抑えるということはできるということでございます。
 一方で、中間処理段階においての利潤ですけれども、2020年においても依然としてシナリオ2、回収したときの利潤がベースシナリオを下回る結果になっておりまして、中間処理から後工程の最終資源回収の工程に円滑に物が流れていく、そこを確保していくためには金属回収段階の利潤が中間処理のほうに一定程度行くということが必要になってくるのかなというのがみてとれます。
 最後のタンタルのところについてでございますけれども、現段階で想定する技術では、2020年においてもシナリオ2がベースシナリオを上回る結果が得られなかったということで、タンタルコンデンサの回収で利潤を確保していくためには、よりリサイクル技術のブレークスルーといったものが必要になってくるということがみてとれるということでございます。
 以上が経済性分析についてのご報告です。
 続きまして、資料4の海外流出実態調査についてご報告いたします。
 こちらにつきましては1ページ目をご覧いただければと思いますけれども、2つ目の調査対象製品・部品、これらについて国内、海外、物がどのように動いているのかというのを、まさに前処理、後処理、一連のプロセスに携わる関連事業者の方、50社ぐらいヒアリング調査をかけて聞かれた声を整理したものでございます。
 2ページのところにヒアリングを行った事業者、業種を掲載させていただいております。
 その結果についてですけれども、3ページをご覧いただきますと、まず電気電子機器ということで家電4品目、パソコン、小型家電のリサイクルフローでございます。
 大きく分けて2つルートがございまして、1つ目は、小売店、メーカーに引き渡されるルート、いわゆる法律に基づく正規ルートでございますけれども、真ん中の破砕選別業者のところで鉄と非鉄に分離された後にスクラップ卸に売却されます。このスクラップ卸によって、品位の高いものにつきましては、右の黄色の国内電炉ないし非鉄製錬事業者に売却されることが多い。品位の低いものについて、例えばそこに書いてあるようなものですけれども、雑品スクラップ卸を通じて海外に輸出されるケースがあるということでございます。
 破砕選別業者の声として、海外に出すのではなくて国内資源循環に向けていくためには、やはりリサイクルができる事業者との間でしっかりとした国内資源循環のルートを構築していくということについて望む声がありました。そのほかにあったのは、最終的な引き受け手である国内非鉄製錬ないし合金メーカー等での受け入れ基準について、より明確化してほしいという声があったということでございます。
 一方、もう1つのルートであります不用品回収業者によって回収されたものについてでございますけれども、ほとんどが雑品として海外に輸出されるか、あるいはリユース品として輸出されるという声となっております。リユース品として輸出されるものの中には、実際にはリユース品でないにもかかわらず、そういった形で輸出されている例もあるという声が聞かれております。
 続きまして、4ページですけれども、ちょっと細かくみまして、エアコンのコンプレッサーについてどうかというところでございます。
 コンプレッサーはご承知のようにネオジム磁石がレアメタルということで関係してくるわけでございますけれども、現時点では、一部の破砕選別業者におきましてネオジム磁石を取り出して磁石合金メーカーに売却している例も一部あるのですが、多くの選別業者はコンプレッサーのままとか、切断して鉄と非鉄に分離して鉄・非鉄スクラップ卸に売却しております。その引き取ったものについて、これは先ほどと同じなのですけれども、品位が高いものは国内の電炉メーカーに、低いものは海外に出ていく例が多いということでございます。
 国内の鉄・非鉄スクラップ卸業者の声として、家電リサイクルプラントでの入札の段階で、海外向けに出そう、卸に結構買い負けてなかなか入手できないといった声も聞かれたという結果でございます。
 続きまして、5ページですけれども、パソコンのハードディスクについてでございます。
 これについてはやはり先ほどのエアコンと同様にネオジム磁石が使われているのですけれども、一部でそれを取り出して合金メーカーに売却されている例もあるのですが、多くの場合は、ハードディスクを取り出しますと、それをそのまま鉄・非鉄スクラップ卸に売却する例が多いということでございます。
 ハードディスクそのものは非鉄スクラップ卸のところで基板とかアルミに選別されまして、製錬事業者等に売却されるケースがあるということですけれども、このルート以外に雑品として海外に輸出されるケースもみられるということでございます。
 やはり先ほどのエアコンのコンプレッサーの例と同様、入札のところで買い負けている例があるという声が聞かれております。
 6ページに行きまして、パソコンとか小電の基板についてでございますが、パソコンなどに含まれる高い品位の基板につきましては買い取り価格も高くなっておりますので、これは国内の非鉄製錬業者に売却される例が多いということですけれども、品位の低い基板などにつきましてはそのまま破砕されて海外に輸出される例が多いということでございます。
 破砕選別業者のところで聞かれた声として、入札の段階で海外に輸出する社に買い負けてしまうという例が多いという声が聞こえております。
 7ページにまいりまして、パソコンとか小型家電に含まれる二次電池についてでございますけれども、パソコンに入ったまま排出される二次電池については、破砕選別業者に引き渡された場合は、そもそも電池は発火の危険性がございますので、二次電池は必ず選別されて国内の製錬事業者に引き渡されているということでございまして、輸出されるものはほとんどないという声でございます。
 また、製品から取り外されて回収された電池についても同様に、こちらのほうもJBRCさんのボックスから回収したものが国内の製錬事業者等に引き渡されるということで、輸出されるものはほとんどないということでございます。
 それから、自動車について、8ページでございますけれども、これは一般のガソリン自動車のところでございますが、自動車リサイクル法に基づきまして、エアバッグとかシュレッダーダストを回収して自動車メーカーに引き渡されることになっているわけでございますが、その過程で、解体事業者の段階で解体されたそれ以外の部品につきましては、鉄・非鉄スクラップ卸に売却されて、そこで品位が高いものは国内電炉メーカー等に売却されます。品位が低いものについては、これまでみてきたものと同様に海外に輸出されることが多いということです。
 解体業者の中にも、自ら中古部品なりとして海外輸出を行っている事業者さんもいるということでございます。また、解体業者や不用品ヤード業者の中には、これは自動車リサイクル法違反になるわけですけれども、エアバッグの処理をしないまま部品として輸出するような事例が存在するということでございます。
 9ページ、10ページ、次世代自動車の部品のリサイクルフローでございます。
 まず、9ページは駆動用モーターについてなのですけれども、こちらについては、多くは解体業者で選別された後に鉄・非鉄スクラップ卸に売却されるということです。その解体業者において、自ら駆動用モーターを海外輸出するというケースも存在するということでございますが、次世代自動車そのものがまだ排出台数が少ないということでございますので、売却事例もまだ少ないということでございます。途中のスクラップ卸のところでやはり品位の高いもの、低いものでそれぞれこれまでみてきたものと同様のルートに売却されるケースが存在するということでございます。
 解体業者の声といたしましては、海外に売るのではなくて、国内循環を今後進めていくためには、やはり解体事業者だけの努力では難しくて、自動車メーカーさんですとか非鉄製錬事業者さん、こういった関連事業者との取引ルートがどれだけ構築できるか、そのあたりの必要性についての声がありました。
 あわせて、解体業者は零細企業が非常に多いということで、個社で引き取り手である自動車メーカーさんですとか非鉄製錬事業者さんと交渉するのはなかなか難しいので、業界全体で進めていく必要があるという声があったということでございます。
 それから、10ページが駆動用電池についてでございますが、こちらについても解体業者のところで手解体で選別されるのですが、自動車メーカーさんに引き渡されることが多いということで、輸出されることは少ないということでございます。リユースする事業者さんも出てきておりまして、輸出はされないのですけれども、国内でリサイクルとリユース、2つのルートが存在するということでございます。
 平成24年2月1日に自動車リサイクル法の省令改正によって、電池につきましては事前回収物品として追加されておりまして、解体業者のところで破砕前に取り外すことが制度上担保されたということでございます。
 最後に、解体業者の中でリユースに回すところがあるということで、リユースの際の安全性とか品質確保が課題になっているという声も聞かれたということです。
 最後に、11ページ、超硬工具のリサイクルフローについてでございます。
 超硬工具につきましては、メーカーで回収されるものと回収業者によって回収される2つのルートがあるのですけれども、メーカーで回収されたものにつきましては国内での製錬、あるいは海外に委託して製錬した結果とれた資源を原料として国内でリサイクルがされているということでございます。この超硬工具メーカーの回収努力によって、超硬工具メーカーへの売却量は増えているということでございます。一方で、回収業者で回収された場合につきましては、やはり海外に輸出されるケースもあるということでございます。
 超硬工具協会のほうにおきましては、回収量をできるだけ多くするためにガイドラインを作成した上でユーザーに対する啓蒙普及を行ったり、特に大口のユーザーに関しましては業界団体との連携を課題として挙げる声があったということでございます。
 以上が調査の個々の結果でございまして、12ページから14ページまでにその結果をまとめてございます。現状幾つかいろいろな声が聞こえておりますけれども、例えば、不用品回収業者とか偽装リユースという形で輸出が現実になされているということについては、やはり不用品回収業者対策とかバーゼル法の運用の強化といったことが必要になってきているところでございます。
 それから、電気電子機器、あるいは自動車双方で声が聞こえたわけですけれども、国内資源循環のしっかりしたルートを構築する必要があるという声が聞こえておりますので、こういったものについては、まず国内で回収からリサイクルまでの関係者がしっかり入ったループを実証的につくってみることが課題になってくるのではないかというところでございます。
 以上が海外流出実態調査の結果でございます。
 資料4―2なのですけれども、こちらについて次世代自動車からのレアメタル含有部品の回収の現状ということで、前回ちょっとご指摘もありましたので、次世代自動車から取り出した電池とか駆動用モーターがどのようなフローになっているかというのをあらわしたものです。自動車全体、年間 287万台排出されたうち、ハイブリッド車につきましては1万台排出されたわけですけれども、この1万台から回収したニッケル水素電池と駆動用モーターが、その下の図をご覧いただきたいのですが、どれだけどのようなルートに流れているかというものでございます。
 まず、ニッケル水素電池につきましては、 9.6千個のうち国内リサイクル 8.2千個、国内リユースに 1.3千個ということで、回収した電池の98%が国内でリサイクルないしリユースされているということで、海外輸出されるものは2%になっているということでございます。
 一方、駆動用モーターにつきましては、下の枠でございますけれども、 9.6千個のうち 3,000個が海外に流出しておりまして、約3割海外に輸出されているということで、このあたりが課題になっていると考えられるということでございます。
 以上が海外流出に関する調査の結果でございます。
 最後でございます。資料5、レアメタルの含有情報の共有についてでございます。こちらにつきましては、レアメタルの含有情報がリサイクラーの方々にしっかり流れることが必要なのではないかという問題意識がございました。そういうものを踏まえまして、私どものほうでメーカーさんとリサイクル事業者さん双方にヒアリングをした結果を整理したのがこちらの資料でございます。
 1ページのところなのですけれども、鉱種ごとに以下整理しておりますが、ネオジム、ジスプロにつきまして、まずエアコンのコンプレッサーについては、ネオジム磁石を採用しているものは5%ということで、全部が採用していればこの情報は不要になってくるのですが、やはり採用されているもの採用されていないものがあるということでございますので、何らか情報が必要になってくるわけでございます。特にコンプレッサーですので、割ってみないとわからない部分があるということです。ただ、一方で、いろいろ調べてみますと、中にはメーカーからリサイクル事業者さんに一定の工夫をして情報提供されている先進的な取り組み例もありました。
 以下、具体的には、まず、メーカーさんと関係のある家電リサイクルプラントで処理する場合に、そのグループ内でメーカーさんから品番を通じて情報提供する取り組み例が既にございました。ただ、やはりこういう取り組みがまだされていない例もあったのも調査の結果としてわかっております。
 もう1つのルートとして、グループの外部の中間処理業者に引き取ってもらう場合においても、メーカーと処理業者の間で2社間の秘密保持契約を結んだ上で情報提供をしているという工夫をしている事業者さんがございました。そうでない場合においては、中間処理業者さんのところで1回切断して目視で判断するとか、自ら組成分析もしているのだという声も聞かれたということで、ケース・バイ・ケースですけれども、やはり含有情報の不足は妨げになっているケースがあったということでございます。
 次のページでございますけれども、次世代事業者の駆動用モーターにつきましては、すべてのモーターでネオジム磁石が使われているということですので、情報提供の必要性は特にないということでございます。
 一方、自動車の電動パワステモーターにつきましては、やはり車種とか年式によって異なるということで、リサイクラーのところで何らかの情報提供が必要な状況になっております。
 その下の④のパソコンのハードディスクにつきましては、これもすべてのハードディスクでネオジム磁石が使われているということで問題とはなっておりません。
 2番目のタンタルにつきましては、基板の上にタンタルコンデンサが乗っているわけでございますけれども、今、基板からいろいろな素子を外しましてその中からタンタルコンデンサを選別するという技術開発を進めているということで、この技術ができれば特にこの情報が必要とはならないということで問題とならないということでございます。
 3ページに行きまして、次、コバルトについてでございます。次世代自動車用の電池と小型の電池と2つありますけれども、自動車用の電池について、ニッケル水素電池についてはすべてコバルトが使用されているということで、特に課題とはなりません。
 一方、リチウムイオン電池につきましては、コバルトを含むものと含まないものがあるということですので、やはり何らかの情報が必要になってまいります。いろいろヒアリング等を通じて調べてみますと、一部取り組みが行われておりまして、先ほどと同じですけれども、例えば2社間で秘密保持契約を結ぶことで情報提供をしているという事例もございまして、やはり得られていない場合ですと、リサイクラーのところで自らいろいろ調べなければいけないということで妨げになっているということでございます。
 4ページに行きまして、小型リチウムイオン電池についてでございます。こちらにつきましては、以前、電池工業会さんからもこの場でご紹介がありましたように、右側にあるようなマーキングによりまして含有情報の提供の取り組みを既に行っているということで、ここについては問題は解消しているということでございます。
 最後、タングステンにつきましても、超硬工具はすべてタングステンが使われているということで、ここも特に情報提供の課題はございません。
 以上をまとめたものが最後のページにございますけれども、やはり同じ部品でもレアメタルを含むものと含まないものと双方、両方あり得るものについては何らかの形で情報提供が必要だということになっております。
 検討のポイントというところなのですけれども、特定の関係者間での情報共有については、情報が必要な場合についても、企業秘密にもちゃんと配慮して、それなりに工夫した形で当事者間で情報の共有を進めている例もございますので、現在行われていないところについても、こういう先行事例を参考にすることによって情報提供を進めていくことができないのだろうかという点が (1)のところでございます。
 それから、 (2)不特定多数への情報提供については、消費者の方々を初めとして、不特定多数に関しましては、やはり使用済み製品の排出促進とか国内での資源循環に対する理解促進を図るためにも、発信すべき情報とか発信の仕方とか、こういったことを官民でも検討していく必要があるのではないかという結論をポイントとしてまとめさせていただいております。
 ちょっと長くなりましたけれども、資料3つ、以上でございます。

○永田小委員長  どうもありがとうございました。ただいまの説明内容を踏まえまして、委員の皆様より、国内資源循環に当たっての課題であるとかレアメタル含有情報の共有方法などについてご意見を賜れればと考えております。
 先ほどご案内がありましたように、ご発言を希望される方はネームプレートを立てていただきますとマイクがまいるかと思います。よろしくお願いいたします。――それでは、あいうえお順で並んでいるということで、大塚先生から行かせていただきましょうか。

○大塚(直)委員  最初ですので、とりあえず一般的な話しか聞きませんが、今のお話を伺っていて幾つか思ったのは、最初のほうの経済性に関する分析で出てきているように、2020年になれば利潤が上がるというものが結構あったので、これは回収の義務づけまで行くかどうか知りませんけれども――とかを考えるのであれば、時期をいつにするかということを示唆するものかなと受け取りました。
 それから、中間処理の段階では利潤が上がっていないけれども、金属回収だと上がるというケースとかの話もありましたが、これは結局利益を共有するような仕組みをつくるべきかという問題を提起しているのだろうと思いました。
 さらに、技術開発が重要だという話が結構出ていましたので、これも技術開発について国がどこまで支援するのかということは恐らくどこかでご検討なさったほうがいいのかなと思います。
 最後のレアメタルの含有情報の共有についても、こちらのほうがソフトな話なので、より早期に対応しやすいような気はいたしましたが、最後に発信すべき情報とか、その手法について検討すべきだというのは私もそのとおりだと思いますが、秘密保持契約等々の契約を結んでおられる例はどのぐらいあるのかというのはお伺いしたいところです。これはメーカーと中間処理業者の間でほうっておいてもどんどんやっていっていただけるものなのかどうかというあたりがちょっと気になるところなので、それはお伺いできるとありがたいと思います。
 以上です。

○渡邊リサイクル推進課長  ありがとうございます。まず、経済分析に関しては、今、自動車リサイクル法なり家電リサイクル法でそもそも使用済み製品の回収が進んでいるわけですけれども、今あるスキームで回収がしっかり進んで、かつ技術開発も進むということが順調に進んでいけば、経済性のもとに回り得る姿があるのだというものをお示しさせていただいたわけです。逆に、将来レアメタルが含まれる製品が手元に返ってくる時点で、その辺がうまくいかない場合は、経済性のもとに進まないようなケースも出てくるということですが、順調に技術開発とか回収量が進めば、経済的に回るという絵をお示ししたということでございます。
 それから、中間処理のところについては、全体としてペイし得る世界が示されたとしても、中間処理業者にとって取り出したほうが収支が回る世界になってこないと、自分のところに回ってこないという現象になると思います。そこはいきなり国がそういう仕組みをつくるとかつくらないということよりも、将来、物が返ってきて技術開発が進んでいったときには、中間処理業者と製錬業者の間でそういった取り組みが本来進み得るのではないだろうかという考えでございます。
 最後に、情報共有のところについて。実際ヒアリングをした結果でございますので、網羅的にはできていないものですからあれなのですが、ここで想定しているのは、2社ほどそういう事例があったということでございます。そこについてほうっておいて進むかどうかというところについてでございますけれども、この審議会の場でも当初、企業秘密についてのご懸念の点を表明される委員の方々もいらっしゃったと思うのですが、一方で、こういう工夫をしてみれば、当事者間で必要な情報提供が実際に取り組まれている例があるということでございますので、我々としては、こういった例が、今はまだ取り組みが進んでいない事業者さん同士の間で参考にならないだろうかと期待しているところです。
 以上でございます。

○永田小委員長  どうもありがとうございました。辰巳さん、どうぞ。

○辰巳委員  まず、大事なレアメタルを経済性が成り立たない中でもやるのかどうかというものも1つ考えなければいけないとは思うのですけれども、それにしても最終製品を、口語?はちょっと別にして、消費者のところに届く商品に関して、やはり消費者の側から大事な製品としてレアメタルのためにちゃんと出さなければいけないというお話が必ず出てくると思うのです。先ほども、10年後ぐらいになるとかなりいいのだったら、自動車とか家電は別にしても、そのころから始まるというお話もあるのかもしれない。そういうときに、やはりいきなりは無理なので、何らかの形で消費者に伝わる情報、先ほどは中間の事業者の人たちに伝わる情報というお話もあったのですけれども、先ほどのマークで今、ニッカドみたいな形でかくという話がありましたが、文字でなかなか難しいと思いますので、それを私たちが出さなければいけないのだということがわかるような方法を一緒に検討していただきたいと思っております。

○永田小委員長  ありがとうございます。では、中島さん、どうぞ。

○中島委員  ありがとうございます。経済性のところで、自動車等々、計算が出てきているのですが、自動車はいろいろなモーターが使われていて数が多いのです。どこまでのモーターをターゲットとしてやるかというのもある程度考えなければいけないかと思っています。
 特に次世代の車などは優良な基板がかなり使われているので、その辺の基板の評価をしないといけないかと思っています。
 海外に流出しているTCの基板です。あの辺はやはり国内で処理するとどうしても赤字になってしまうので、雑品でまぜてもっていってしまっているというのが現状ですけれども、それでも輸出するのにはバーゼルにひっかかるようなものなので、国内でリサイクルさせるようなことをしないと問題かと思っています。やはり何もしないと、最終的には輸出がとめられて国内で処理できなくてということになると、全部ダストに入ってしまうという形になるので、それで金属のロストもあるかと思っていますので、その辺も将来的には考える必要があるかと思っています。

○永田小委員長  どうもありがとうございました。それでは、星さん、どうぞ。

○星委員  資料4―1の12ページの課題の矢印の3番目ですけれども、まず2つございます。そのうちの1つですけれども、国内非鉄製錬会社や国内磁石合金メーカーなどでの受け入れ基準の明確化が課題とされておりますが、この受け入れ基準はどういったものなのか教えていただきたいということと、この受け入れ基準を明確化することがどのように海外流出の抑制に結びつくのかといったところをご説明いただきたいと思います。それが1つ目です。
 2つ目は単なる意見なのですけれども、私どもの製錬業者、業界では、例えば使用済みの鉛バッテリーなどのうちの多くは海外にバーゼル法のもとで輸出されておりますし、銅製錬の主要なリサイクル原料でありますワイヤーハーネスなども数万トン規模で輸出されておりまして、特にバッテリー関係は原料不足に陥っております。そういった銅や鉛のベースメタルの製錬の技術をベースに貴金属やレアメタルの一部を回収しておりますので、やはり海外流出を考えるときはベースメタルも一緒に資源確保の観点から考えていただきたいと思います。2つ目にはコメントは必要ではございません。
 以上です。

○永田小委員長  わかりました。では、最初の。

○渡邊リサイクル推進課長  今の星委員の1つ目のご質問のところについてでございますけれども、受け入れ基準は、実際にヒアリングに当たった者に詳細に聞いてみますと、声としてあったのは、中間処理業者さんから引き渡すものについての評価の問題で、引き取る側がどこまで物の評価をしてくれるのかだろうかと。すなわち、渡した側としてはいろいろな価値のあるものが入っているという評価をしているらしいのですけれども、引き取る側としては必要な金属についての評価はしても、必ずしもすべての金属の評価をしてくれているわけではなく、平たくいえば、より高く評価してくれるのであれば、海外よりも国内の非鉄製錬さん等に回そうということになるという、そこが課題であるというご指摘だったと聞いております。

○星委員  わかりました。やはり価格の交渉の問題の1つ、一部だとは思うのですけれども、確かに製錬メーカー、我々のメーカーは各会社ごとに得手不得手もございますし、貴金属も相場で変わってきます。ですから、それが変わると変動します。
 それから、前々回もご報告したと思うのですけれども、不純物、ハロゲンとかアルミとかプラスチック、そういったものの含有量によっても、そのときに受け取れる全体の価格が変わってきますので、そのあたりは個別によく話し合って、コミュニケーションギャップをなくしていくしかないのかなという気はいたします。

○永田小委員長  どうもありがとうございました。どうぞ、細田先生。

○細田委員  3点、1つ大きな問題と、2つは細かい問題です。全部関係しています。
 1点目は、つくづく感じますのは、天然資源に関しては国を挙げて、世界もそうですけれども、霞が関も資源戦略を組んで、○○に○○の資源があるとか一生懸命獲得しているわけですが、静脈系の資源はしり抜けでどんどん海外へ逃げてしまっているわけです。銅鉱石は数%とか、もっとひどい0.数%の鉱石を掘っているのに、静脈系の基板などは十数%の品位が高いものが日本に残らずに海外に逃げてしまう。今もありましたけれども、非鉄製錬さんは国内で一生懸命物をとろうと思っても、恐らく海外に逃げてしまってもうとれない。これは当たり前なのですけれども、やはりこの戦略性のアンバランスは早急に変えないと、品位の薄い鉱山を一生懸命とって、品位の高い基板が逃げてしまうというばかなことが起きているということを変えなければいけないというのが大きな問題。
 それと絡んでいるのは、1つ、ちょっと関係する個別リサイクル法との関係で、例えばレアメタルとかベースメタルでもいいのですが、その観点からみて、個別リサイクル法が縦割りになっているためにある弊害、あるいは物が動きにくいというところがあったら、その辺を洗い直す必要もあるのではないか。横ぐしで、資源有効利用促進法もそうですけれども、インターフェースをうまくすれば物がもう少し動きやすくなるという側面はあると思うのです。私はそこをチェックしたほうがいいのではないかと思います。それが2点目です。
 3点目は、情報の問題はすごく微妙な問題で、今みんながオープンアクセスでとれる情報、消費者にもとれる情報、あるいはクローズドで回す情報があるのですけれども、その辺の切り分けはかなり難しい。特に製品、あるいは部品、素材の内容情報がどんどん変わる可能性があるわけです。例えば、廃触媒などは恐らく白金、パラジウム、ロジウムの比率などはしょっちゅう変わるわけです。それを一々車のメーカーが出すわけにもいかないし、企業秘密でしょうけれども、どういう情報をどの程度、いつ、だれにどのように出すのかというのは割と微妙な問題で、企業秘密の問題もあるので、もしかしたらこれは国かもしれないし第三者機関かもしれませんし、整理をする組織づけみたいなのがどうしても必要になってくるのではないか。やたらな組織は置かないほうがいいとは思うのですけれども、2社の契約で済めばそれでいいと思うのですが、紛争になる可能性もあるかもしれませんし、ターゲットに絶対入れろというわけではなくて、その辺を少し組織化する必要もあるのかもしれないということをお考えいただければと思います。
 以上です。

○永田小委員長  どうもありがとうございました。村松さん、どうぞ。

○村松委員  ありがとうございます。家電メーカーからおのおのの3つの視点で意見と要望と質問という形で投げかけたいと思います。
 まず、経済性分析なのですが、これは非常にきめ細かにおやりになられてすばらしいと思ったのですが、エアコンについて申し上げたいのですけれども、この試算は分解後、切断後ということでよろしゅうございますね。そうしますと、そこへ持ち込むまでのリサイクルからいきますと、例えばコンプレッサーを取り出すまでの中間処理、それからフロンの抜き取り、そこの物流とかでコストがかかります。この試算にはそういったものが含まれていません。ですから、今レアメタルに限っての試算ということでございますけれども、リサイクルの質の向上とリサイクルコストの抑制という形の中で、経済性というところをよくみながら我々は協力していきたいと思います。家電メーカーとしてもレアアースは重要だと思っていますし、搭載率が上がる2020年を目指して協力させていただきたいと思います。
 2点目は、実態調査の結果でございますが、まず1点目は、事務連絡文が27日に発行されましたが、連絡だけでは行き届きがちょっと不十分でありますので、ぜひ実効性のあるアクションをとっていただきたいという要望です。
 それから、この報告の中では海外向けバイヤーに買い負けているということが書かれているのですが、雑品は規制されていくとして、中間処理をして次の素材になったものについて経済性に基づかない規制は非常に難しいと思います。だから、廃棄物以外で輸出規制する何らかの規制を設けられているのか、お考えになられているのかというのをお聞きしたいと思います。これがもし難しいとすれば、極端な例ですけれども、国が買い上げるという大胆な施策も必要かと思います。
 最後、3点目です。情報の共有化ですけれども、まずはエアコンについて考えますと、今、正規ルートで引き取られているというのがまず出荷台数の30%しかないという現実がございます。
 それから、情報ということなのですけれども、例えば、非常にもうけていきたいという業者の立場からしたら分析可能なのです。別にメーカーが情報を出す出さないにかかわらず、そのモーターを分解して、磁石の飽和磁束密度だとか保持力だとか温度を上げていったときの磁力を失う変化の温度だとかをはかればわかるわけです。今は簡易分析も簡単ですから、こういうものが含まれているかどうかは簡単にわかります。それを紐付けでやっていけば、ある程度これはないというのが処理業者からしたら容易にわかってしまうので、余りそこのところだけを窮屈にしても意味がないかなと。ですから、家電リサイクル法に基づく正規ルートについてはこういう規制をかけられればいいと思うのですが、それ以外はもう少し抑制的な対応をすべきではないかと思います。
 以上です。

○永田小委員長  1点目の最後か2点目の初めに通達ですか、何かさっき、それはどういう……

○村松委員  これは27日に環境省から事務連絡文書が発信されたと思うのですが。

○永田小委員長  何に関して。

○村松委員  不正ルートの海外輸出規制というほうです。

○森下リサイクル推進室長  そちらの点ですけれども、前回のこの合同会合でもご紹介させていただきました、不用品回収業者の取り締まりをしっかりやっていこうということで、本年の3月19日付で地方自治体の皆様方あてに環境省から通知を発出させていただいております。自治体の皆様方もアクションを起こしつつあるということでございまして、私ども、そういった自治体の取り組みを集約して関係者でも共有していって、さらにしっかり取り締まりを厳しくしていくという方向にもっていこうと考えております。
 ご指摘のあったお話は、恐らく私どもが4月23日付で公表させていただいているものだと思うのですけれども、中古または使用済み家電製品を輸出しようとする際の注意点についてという内容でございまして、これは3月19日付で発出しました使用済み家電製品の廃棄物該当性の判断についての通知を受けまして、中古または使用済み家電製品を輸出する際の手続、注意点について周知させていただいたということでございます。廃棄物処理法の中での扱いが変わってくると、当然ながらそれを輸出するという場合にも規制の対象は変わってまいりますので、輸出の場面でも取り締まりをしっかり強化していきたいと考えておりまして、税関等とも十分連絡をとりながら、今こういった取り組みを進めさせていただいているところでございます。

○渡邊リサイクル推進課長  輸出規制というお話で、そういった声も結構聞こえる部分がある一方で、やはり国際的にはWTOというルールがございまして、日本が提訴したり提訴されたりということをやってきておりますけれども、昨今ですと中国のレアアースの輸出規制に対して協議要請をしたとかということもやっておりまして、やはり国際的なルールがある中で考えていく必要があるかと考えております。そういった中で国内循環をどうやって進めようか、そこの部分でいろいろ考えていかなくてはいけないと思っております。
 今、買い上げとかというお話もございました。買い上げまでいくと相当な危機的な状況になった場合かという気もしますが、いずれにしても、国内の事業者さんが国内で回すことに対していろいろ取り組みをしたほうがいいという環境というのをいろいろな工夫をしながらやっていきたい。そういう意味では、現時点では、自動車にしても家電にしても、レアメタルを回収していくという一連のサイクルが必ずしもまだループとしてはしっかりしたものが行われていないと思っておりますので、そういったものを実証とかという形で、できるだけいろいろな事業者さん、解体業者さんも含めて入っていただくようなものをやることで、国内循環についての課題とかメリットをいろいろ築く。そういう実証的なものとか、その他いろいろ工夫はあると思いますが、そういったことで何かできないかと考えていければと思っています。

○永田小委員長  では、2回目、回させていただいて。どうぞ、大塚さん。

○大塚(浩)委員  ありがとうございます。2つあるのですけれども、1つ目は、先ほど細田先生がおっしゃったことと全く同感で、先生がおっしゃった中の個別リサイクル法との関連を私もいおうと思っていました。既存の法律に今やろうとしている取り組みをどのようにリンクさせていくのかというところがちょっとみえにくいというか、既存の法律に横ぐしを入れてどのように物を動かしていくのか、もう一度その辺のところの整理をしていただきたい。こちらも頭の整理をしたいというところがあるので、これは要望として申し上げておきます。
 それと、一番最初に大塚先生がおっしゃっていた経済性分析の中の金属回収段階の利潤を中間処理段階に一定程度配分することが必要と書かれている部分は全くそのとおりだと思います。制度も合わせていく上で、ここは1つのかなめになるのかなという気はするのですけれども、これはいうはやすしで、現実的にはなかなか難しいことなのではないかと思います。
 その中で、先ほど渡邊課長がお答えになっていた中で、国が仕組みづくりにはかかわらないというご趣旨のご発言をされていましたけれども、それはちょっと違うのではないかと私は思います。やはりここの部分については国がある程度制度設計なり、そこまでいかなくても大まかな骨組みを示さないと、制度としてはなかなか回っていかないかなめの部分なのではないかという気がしています。私が課長の発言のご趣旨を取り違えていたら申しわけないのですが、国がここにかかわるかかわらない、まだスタンスを決めかねているということなのか、やはりかかわる必要がないと思っておられるのか、その辺はクリアにしていただきたいと思います。
 以上です。

○渡邊リサイクル推進課長  2つ目の利潤の配分のところについてですけれども、実際試算の段階でこういう現実、こういう結果になっているということではございますが、やはり国としてのかかわりが全くなくていいとは思っていなくて、まさにこういう試算結果を皆様の前にお示しさせていただいて現実を共有していただく。こういう中で、国としてそういう情報提供をすることで、来るべきレアメタルの回収時期を見据えて、リサイクラー、それから中間処理業者と後処理の当事者の間、これは民民の取引のところになると思うのですけれども、そこに何か国としてのメッセージにならないだろうかなという意味での関与ということ。 やや将来時点での話でもあるので、今、具体的にこういう仕組みで国が関与したらいいのだというものはイメージとして必ずしももっているわけではないのです。ただ、1ついえることは、今の時点からこういう現実もあり得るということを多くの人にこういう形で示すことで、共有してもらう中で考えていただくということではあるのかなという認識でございます。

○永田小委員長  よろしいでしょうか。今のようなお話もきっとこの審議会での検討テーマの1つかなと。ただ、レアメタルだけではなく、そういう意味では静脈で回っているような資源全体に関してまた1つの考慮点として入れていかなくてはいけない。さっきベースメタルの話も加えてという話もありました。それから、二次加工されたような製品に対して商売ベース、経済ベースでの取引が大原則として存在しているわけです。この辺のところで、最初からうまく連携関係がとれているとか情報共有が進んでいる中でうまく国内で回していくような体制ができ上がってくるのが望ましいのかなという気もいたしますので、その辺のところでいろいろご意見がありましたら、また全体のまとめのところでちょうだいできればと思っています。
 海野さん、どうぞ。

○海野氏(大橋委員代理)  ありがとうございます。経済性分析のところで、2020年にパソコンの回収率が30%になれば何とかベースシナリオよりも上回るという試算をご提示いただきました。拝見いたしますと、ぎりぎりの線で上回っているというところでございますが、何といっても資源価格がちょっとでも下振れしてしまうと一遍に赤になってしまうという状況でもございますので、30%で必ずしも安全ということではなくて、さらにそれ以上のものが多分必要になってくるのだろうとは思っております。我々もできるだけ回収率を上げようということでいろいろと努力はしておりますけれども、なかなか決め手となるようなものがないというのが現状でございますので、これについてはさらにいろいろと検討してまいりたいと思っております。
 30%以上というものを達成しようとすると、多分現状の延長線上で物を考えていっても、現実的には到達するのはなかなか難しい線なのかなと正直なところ思います。何らかの発想の転換をしていかないと、そういったところまではなかなかいかないのかなと思います。例えば、今メーカールート以外でも合法的なといいますか、法律に触れないような形でリサイクルだとか処理がいろいろとなされているものがたくさんありますが、そういったものをどうやって最終的にメーカールートに乗せる、あるいはメーカールートと同じような形でのリサイクルがされるようにするためにはどうすればいいのかということも考えていかなければいけないと思います。先ほどどなたかのご発言にもありましたけれども、海外に流出しないためにどうするのかとか、大量に排出されるリース事業者さんあたりに何らかのご協力をいただくような手段はとれないのかといったことも考えていかなければいけないというのがあると思います。
 また、ハードディスクということで考えますと、パソコンが1つの大きな製品のカテゴリーとしてあるのだと思いますが、必ずしもそれだけではなくて、そのほかにも家電製品の中でハードディスクを使っている製品もかなりあるということはあると思います。ちょうど今、小型家電のリサイクル制度がこれからスタートしようとしている時点でもございますので、そういった仕組みを通じても、いろいろな製品に入っているハードディスクを集めてきてトータルとして量をふやしていくということも考えなければいけないのかとも思っております。
 何とかペイするためにはやはり機械解体をしなければならないということが前提となっている試算でもございますので、そうなりますと中間処理業者さんのほうで設備投資が必要になってくるということになります。したがいまして、それに対して後押しをしてやる意味からも何らかの補助金を出すとか、そういった形での国のご支援をしていただくということもまた必要になってくるのではないかと考えております。
 以上でございます。

○永田小委員長  どうもありがとうございました。では、奥平さん、どうぞ。

○奥平委員  ありがとうございます。自工会として少しコメントです。
 1つ目は、経済性に関する分析になりますけれども、この中で特にいろいろな回収の段階があるわけですが、その段階の前提条件の中で1個ずつ、もう少し前提条件みたいなものを詳しく検証していかないと、この数字がそのままで20年にはメリットが出るのだというようにはなかなかいかないのではないかと思いました。特に中間処理の部品について、購入する中間処理業者が例えばモーターを購入しようとすると、実勢として大体1万円強のお金がかかっています。そういう費用がここの中には入っていない計算になっています。回収費用は入っていますけれども、実際のモーターの仕入れ値が入っていないのではないかと思います。
 そうすると大きく狂ってくるように思います。それはニッケル電池の場合だとかリチウム電池などの場合でもそれぞれ違っていますし、時代とともに変わってきて、後の業者がリユース等で使用するようになれば、どんどん価値が出てくるという問題もあるように思いますので、そういう意味では少しずつ変化するということも見込んだ上で、ある程度どのように経済性効果を計算していったらいいかというのをもう少し細かく議論しながら詰めていく必要があるかと思います。
 もう1つは、電池のリサイクルとかがあります。それから、後でつけ加えていただいている中村先生のコメントにもありますが、電池のリサイクルはかなり進んでいるけれども、自動車メーカーとしてリサイクルを何もしないのは問題でしょうから、無理にでも進めるのでしょうかというご意見をいただいているわけなのですが、実際先ほどご説明いただきましたように、ことしの2月から事前回収物品化しておりますし、ある意味、きちっと取り外してそれを再処理する、もしくはリユースするというのが仕組み化しつつあるという意味で、そういう実態があるということは電池については当面いけるかなと考えております。
 ただ、これが例えば海外でもっとニーズが出てくるとか、電池そのものの利用価値がどんどん高まるだとか、そのようになればなかなか回収の仕組みの中に入ってこなくなる可能性もあると思います。ニッケルの場合は比較的輸送が簡単なのですけれども、リチウムの場合は危険物としての取り扱いになるので、当面簡単には出ていかないかもしれないですが、そういった将来を見込んだ何らかの処理、対応が必要になってくるのかなと思います。
 それから、情報共有については、自工会としては少し議論を進めていまして、ジスプロシウム、ネオジム、コバルトについては、できる限り入っているもの入っていないものの区別をきちっとつけた上で、リサイクルシステムの中でのホームページの中に掲載して、解体業者と我々の間で少なくとも情報が共有できるという形を進めていく準備をしているという状況です。
 以上です。

○吉川リサイクル推進課課長補佐  1点目のモーターを買ってくるのに1万円強かかるコストが入っていないのではないかというご指摘のところですが、これにつきましては資料3の9ページをご覧いただければと思います。今回試算の対象とさせていただいた範囲を大きく枠囲いで書かせていただいているのですが、自動車を解体して部品を取り出す中で、モーターもその中に入っていて、そこからレアメタルをとったほうがいいのか、とらないほうがいいのかという経済性を分析しておりますので、このフロー図の解体の前に価格が入っております。そういう意味でモーターの買取価格は入っていないのですが、今回の評価の対象範囲に入っていないということによるということでご理解いただければと思います。

○奥平委員  試算の対象外ということは理解しましたが、実態としては部品を購入しているのであって、やはりこれらを加味する必要があると思います。

○渡邊リサイクル推進課長  今回の経済分析そのものについての性格ですけれども、今、奥平委員がご指摘されましたが、これをもっていつ何どき経済性が必ず回るのだとか、こういうことをいおうとしたものではありません。当然いろいろな前提もありますし、その前提自体も今後変わり得ますので、あくまで動態的なものとご理解いただければと思います。
 ただ、1つの参考として、何をやっても回らないのだとかそういうものではなくて、やはりいろいろな前提を置いていくと、こういう絵もしっかりみえてくるということで、1つそういう定量的なものをお示しさせていただいたということでご理解いただければと思います。

○永田小委員長  よろしいでしょうか。先ほどのご質問、みているうちに何となく全体の、自動車の解体の入り口から最後までの経済性みたいにも判断されかねないようなところもあるので。それから、さっきおっしゃった前提がいろいろ細かく決められている中での計算なのですということで、そこが変わればまたいろいろ変化してきますという話も含めて、この資料はそういう意味ではいろいろ有用な情報は入っているのですけれども、取り扱いのときにはその辺のところは十分注意していただく必要があるかと思います。
 ちょっと戻らせていただいて、どうぞ、岡部さん。

○岡部委員  今の奥平さんの話にかなり関係するのですけれども、例えばタンタルでも何でも、現状では、捨てられているのですが、それを海外にもっていってしまうとか、処理せずにそのまま捨ててしまうというのは、やはり食いとめるべきであり、国家的損失もあるという細田先生のおっしゃることも理解できます。片や経済性をみたときに、かなり怪しいという奥平委員の話も全くそのとおりです。
 私が、毎回、言っているのは、この基礎データはどんな根拠で出てきているのか、ここをもうちょっとしっかりしてくれということです。例えばタンタルなど、1つ集めても0.08グラムとか0.05グラムしかとれないのです。タンタルは1グラム50円なのです。50円も実際はしません。そうしますと、1台処理しても2円から4円。それなのに、いろいろな大ざっぱな経済性シナリオを評価すると利潤が5億円上がるという話がここに出ています。集めるコストはタダ、処理するコストはタダとしても、2億台処理しなければいけないのです。それがありですかと。そこら辺は、このシナリオを書かれている人が実際どういう根拠でやっているのかというところはもうちょっとちゃんとしなければ、将来、あのときのこの資料は何だったのということになります。もちろん経済性がみえるものもあります。ただ、少なくともタンタルに関しては、私は到底理解できないので、よろしくお願いします。

○永田小委員長  今のお話も、この計算は、先ほどちょっと話に出てきた全体像でリサイクル、例えばパソコンなり何なりを考えているわけではないのですと。その辺のところをはっきりさせておきながら資料の公開というのをみていかないといろいろなところで誤解を与えるのかなという気もします。

○岡部委員  例えば、資料3の24ページはタンタルコンデンサのみを対象にした場合のコスト集計結果とかありますし、30ページにはタンタルの含有量とか何かいろいろ書いていまして、その組み合わせ、計算方法は、まさに奥平さんがおっしゃったことと一緒で、回収のコスト、製錬のコストを全く考えないでいいのですか。

○吉川リサイクル推進課課長補佐  ご指摘の今のタンタルのところ、18ページのパソコンのコスト推計の考え方のところをご覧いただきたいと思うのですけれども、基板のところ、我々はタンタルだけをみているわけではございません。パソコンは基板とハードディスクと電池の3つの部品をみております。ただ、3つの部品全部を見ると、何の要因が効いて何が効いてこないかわからないので、それを分解して、とりあえず今回は基板だけをみましたということです。その基板の中には当然コンデンサ以外の金、銀、銅も含まれています。そういう意味で、先ほど5億円とおっしゃったこれはほとんど基板の金額です。

○岡部委員  ちょっと待ってください。結局、基板というのは今、金、銀、銅のコストで売り買いがされていて、タンタルは全部捨てられているのですけれども、それをタンタルがあると称してそこに全部のお金を、タンタルを集めたらそれだけもうかりますと24ページではいっているのですか。

○吉川リサイクル推進課課長補佐  いえ。ベースシナリオの、基板からタンタルコンデンサを取り外さずに売った場合の全体利潤が564という数字になっておりまして、シナリオ2ではそれに一手間加えて、基板からタンタルコンデンサを外して、タンタルコンデンサと残りの基板を売った場合であり、金額は529になっております。これらを比較すると、タンタルコンデンサを一手間かけて取り出すというのは、この前提条件では経済性が成り立っていないということをここでお示ししているということです。

○岡部委員  理解不能です。どうも。

○永田小委員長  後で直接聞いてください。

○関大臣官房審議官  個別のデータについては私はちょっと今お答えする材料はないのですけれども、少し総論的なお話になってしまうのですが、奥平委員からのお話も含めて申し上げますと、今回お示ししたのは、1つの試算をしてみましたということですので、その前提はこう置いていますということもきちんとご説明しないといけませんし、こういう資料の紹介の仕方もよく注意したいと思っております。
 また一方で、今回の作業で私たちが1つ試みましたのは、レアメタルの回収というあまりこれまで経験のないようなことについて、どういうパラメータがどのように経済性に影響してくるのだろうかという仕組みは少しずつわかりかけてきているような気もしております。その辺りは今後の回収率とか技術開発、資源価格などによっていろいろ変わってくるわけで、その中には他律的なところもありますけれども、回収率とか技術開発については経済性を高めるための方策もいろいろ考えられるだろうと。そこは国の役割、産業界の皆さんの役割いろいろ含めて、どのようなことが役に立つのかということも今回ご審議いただく中でお考えいただければありがたいと思っているところでございます。

○永田小委員長  どうもありがとうございます。佐々木さん、どうぞ。

○佐々木委員  ありがとうございます。海外流出の実態調査をやられて非常にクリアになった部分もあるのですが、やはり不適正な処理を――不適正という言葉は出ていませんが、例えば有害物質の問題であるとかバーゼル法の問題であるとか、そういったところから大きな問題だろうと思っております。特に不用品回収業者さんの対策強化は環境省で3月通知を出していただいて、自治体でも取り組もうという機運が高まってきているのですが、ぜひ警察との連携を環境省のほうでも進めていただきたいと思います。
 それから、廃掃法の運用強化というのも、いわゆる廃棄物該当性なども一歩突っ込んで判断していただきましたので、ぜひ国内循環を意識してやっていただきたいと思いますし、新しくできる小型家電のリサイクル制度も、先ほど細田先生からいいました個別のリサイクル法で、例えば今回触れられていませんが、ペットボトルの問題はどうするのだとか、自動車の問題はどうするのだ、家電製品はどうするのだということで、いわゆる国内循環をそれぞれの制度の中にどう位置づけていくのかといった議論はやはりどこかで1回整理したらいかがかと思います。これは要望でございます。
 それから2点目は、情報の共有のことなのですが、先ほど自工協からも業界の取り組みとしてある程度の情報は共有していこうということで、こういったものが進まないと、やはり適正なリサイクル、効率的なリサイクルが進まないのだろうというのが関係者のヒアリングでも出てきているわけですけれども、ぜひその辺は国のほうでも音頭をとってやっていただきたいと思います。
 以上でございます。

○永田小委員長  どうも。何かあります?

○森下リサイクル推進室長  不用品回収業者対策ですけれども、今回3月19日付で通知を出した折には、実は私ども、通知を出すための検討会をつくっておりましたが、その中にも警察からご出席もいただき、またご意見もいただきながら、この通知自身も警察とも十分ご相談させていただきながらつくってきております。今後も警察の方、あるいは税関の方、いろいろな関係各位としっかり連携して取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、おっしゃっておられました国内循環をしっかり回していくための取り組みを今後どう展開していくかということで、今後の廃棄物行政の中の非常に大きな課題だろうと私どもも思っておりますので、大きな位置づけは、例えば循環型社会形成推進基本計画の中で恐らくされるでしょうし、それ以外のことについても個別具体の取り組みをさらに各法の取り組みの中で進めてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。

○永田小委員長  どうも。辰巳さん。

○辰巳委員  ありがとうございます。横に中島さんがいらして、ここへ座った途端に基板にくっついたものがはがれないのだとかとおっしゃっていたのです。きょう、たまたま別のところで、ビール瓶にラベルを張っていますよね。ビールを飲む前に水につけて冷やしてもそのラベルははがれない。ところが、リサイクルに出すときにはきれいにピールできるというのを今、事業者の方はやっていらっしゃるのです。つまり、特殊な技術らしいのですが、役割を果たしている間ははがれないけれども、ちゃんとはがそうと思えば簡単にはがれるということをやっているというお話を聞きました。
 まさに易解体設計ですよね。簡単に解体できる設計の重要性を考えている。そうすると、今、基板からはがれないのだということで、簡単にはがれては困りますけれども、はがしてとるときにはラップされているようなことがないとか、そのようなことは絶対やっていくべきだろうと思っていて、そういうのは皆さん、事業者の方たちが今どのようになさっているのかというのを聞きたかったのです。要は、本当に重要な成分を取り出したいときにちゃんと取り出せるようにということを20年ごろまでにはうまく進めてくださるといいなと思って、一言いいたかったのです。
 もう1つだけ、単純な関心なのですけれども、資源戦略とか戦争といわれるような単語があるくらいなので、日本に限らず、やはりどこの国もレアメタルが欲しくて探して回っているわけです。ということは、今よその国ではこういうことをどのように考えておられるのか。日本が特別進んでいるのか。そのあたりがもしわかれば知りたいと思ったのです。
 以上です。

○渡邊リサイクル推進課長  海外ですけれども、私が認識している限りは、リサイクル制度の中でレアメタルを回収していくものを仕組みとしてもっているというのは聞いたことがありません。ただ、現実に起こっているのは、例えば中国などは自動車にしても家電にしても、本当に資源性を高く評価して、ほかの国以上に使用済みの金属に対する重要度といいますか価値を置いているところで、現実的にリサイクルは進んでいるという状況だと認識しております。それはレアメタルに限らないところだと思います。

○永田小委員長  よろしいですか。あと、DfEの話はいろいろなところで議論したかと思いますし、また報告書の中でまとめられることになると思います。
 中島さん、どうぞ。

○中島委員  弊社が技術が余りないように思われるのも嫌なのですけれども(笑声)、実際、今タンタルの基板の剥離をやっているのですが、割と簡単にはがれる基板と、なかなか容易にはがれない、あとは小さいものの剥離がなかなか難しいので何とかしようということで今、機械に手をかけているところです。
 ただ、そういう技術開発ができた後、問題はやはり物流の確保なのです。やった後、物が入ってこないと回らない。だから、経済性のところだけでやられてしまうと入ってこないので、ぎりぎりでやっているところ物流コストをかけると完全に赤になってしまうというのも含めると、その辺の方策を考えないとレアメタルの回収が難しいかなと思っているので、個別法もいろいろできていますから、その辺との絡まりをやりながら、できるだけそういうところに流れるような方策を検討すべきだろうと思っています。

○永田小委員長  わかりました。どうもありがとうございました。中谷さん、どうぞ。

○中谷委員  ありがとうございます。きょうの資料につきましては、随分あちらこちらに電池が取り上げられておりまして、電池工業会としても、いろいろ考えていただいているのだなということで、ありがたいと思います。
 ここに書かれている内容の認識は我々も全く同感でございます。ちょっとショッキングな表現にはなっていますけれども、リチウムイオン電池は2020年においてもリサイクルした場合、利潤をプラスにすることはできないという表現もありましたが、今の状態では我々も全く同感でございます。現在、我々電池工業会がやっている小型二次電池のリサイクル処理方法は、ニッケルメタルを有効利用することを主眼に置いてニッカド電池でスタートしたものでして、それがニッケル水素になりましても、ニッケルをメインで取り出すことが引き継がれ、これは非常に効率のいい乾式方法なので利潤が見込め、JBRCでもそれでリチウムイオン電池でのマイナス分をある程度相殺できてきているのです。今後、大々的にコバルト回収を進めていくというようになるには、やはり経済性に合うやり方、すなわち、リサイクル技術の開発にめどがついてからということでお願いすることができないかと思います。
 もちろん電池メーカーもその辺については研究もしてきていますし、いろいろ各社さんでやられておりますが、現在の湿式のやり方については、何となく2020年になっても、今のやり方を踏襲する限りは経済的には難しいのではないか、乾式よりももっと高くつくのではないかと思うような部分がございます。コバルトをうまく取り出すやり方にめどをつけていただくということがコバルトをこういうものに指定する場合には必須事項になるのではないかと思いますので、その点につきましても政府での音頭とりをよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○永田小委員長  どうもありがとうございました。井上さんから。

○井上委員  ありがとうございます。先ほどの経済性の話なのですけれども、1つの例としては、今レアアースが含まれているものは回収率は5%、それは30から60と経済性が合うようになるだろうということなのですが、それでは、その期間はどのようになるのでしょうかというのが1つ、私の疑問でございます。その間捨ててしまうというわけにもいきませんから、やはり対象物をプールするという仕組みが必要なのではないかと思います。そして、そういうプールするような仕組みをつくるというのには、先ほどもお話がありましたけれども、政府では民だけでやってくださいということではちょっと難しいのではないかと思うのです。
 以上です。

○永田小委員長  どうもありがとうございました。これからの長期的な戦略の中で今のようなプールの話もあるかもしれませんし、今オールジャパンでの概略の計算とみていただいたほうがいいので、例えばあるところに集積させるような方法論もあるのかもしれません。またいろいろご意見をちょうだいできればと思っています。
 どうぞ、大塚先生。

○大塚(直)委員  最初に話したこととも関係しますけれども、細田先生がおっしゃったことは私もそのとおりだと思っていまして、静脈から資源の回収というのが十分に行われていないということはもう少し考えなくてはいけないのかなと思いました。
 それから、情報の共有とか利益の共有のようなことについて幾つかご意見がございましたけれども、ぜひ国が仕組みづくりに加わっていただいたほうがいいのではないかと思います。
 前提として、私は例の事件があってこの問題が起きたということに関して、ある種の産業政策の不足のところがあったのではないかと思っているのですけれども、特定の1国だけに独占的に依存しているという状況をレアメタルに関してもっていたことがどうだったかという問題が恐らくあったと思うのです。これから資源の取り合いはどんどん広がっていくと思いますので、これは環境問題というよりも産業政策だと思いますが、我が国が国内の産業環境をどうやって維持するかということをぜひ真剣にお考えいただきたいと思います。

○永田小委員長  ありがとうございました。下井さん。

○下井委員  単なる感想ですけれども、経済性の測定の話はそもそも手法のことがきょう問題視されましたし、かつきょうのお話をお伺いしていても、将来の不確定要素がかなり多いので、多分はっきりとしたことはこの時点では確実なことはいえないでしょうと思うのですが、いずれにしても、ほうっておいても回らないということは恐らく明らかで、これは以前、細田先生がこの場でたしかおっしゃったかと思うのですが、ほうっておいて回るのだったら政府がこんな委員会をつくって考える必要はないので。要するに、ほうっておいても回らない、しかし必要だからやるということでいろいろ考えているわけです。ただ、政府が経済界の動きに対してどこまで関与すべきかというのはまた別の非常に難しい問題があるのだろうと思うのですけれども、結局何のためにレアメタルのリサイクルをやるのかというところをきちんと目標設定していけば、いろいろな制度の背景、例えばどれぐらい関与すべきであるのかとか、経済的に市場に任せていても回らないからこそやるのだという制度の趣旨は出てくるのだろうと思います。
 きょう、ほかのリサイクル法との関係というお話が出ましたが、それは確かに大事なことだろうと思いますけれども、やはりレアメタルのリサイクルに関しては単なる資源確保とか環境保護とか有害物質の環境に与える影響の防止とかということにとどまらず、今、大塚先生がおっしゃられましたが、これは産業政策で、単なる資源節約とか天然資源の無駄遣いを防ぐとか、そういう観点だけではないのです。国際情勢次第で入手状況が随分左右されてしまうとか、それによって国内経済が影響を受けてしまうとか、そういう問題もありますので、ほかのリサイクル制度とは違った観点が必要なのかなという気はしました。ただし、自動車とか家電とかパソコンについてはまさにきょうお話が出てきたように、かぶっているわけなので、そこは短期的なのか中長期的なのか、ちょっとよくわかりませんが、一緒に考えていったほうがいいのかなと。
 本当に感想だけで申しわけないのですが、以上です。

○永田小委員長  どうもありがとうございました。
 一わたりといいますか、2、3回ほど質疑の中でご意見はいただいたかと思います。きょういただいたご意見につきましては、これから進めるとりまとめの作業の中で十分に生かさせていただきたいと考えております。
 最後に、事務局から今後のスケジュールについて説明をさせていただきます。どうぞ。

○渡邊リサイクル推進課長  本日は貴重なご意見を賜りまして、ありがとうございました。大所高所のご指摘も含めてご意見をいただきましたので、今日いただいたご意見も踏まえて次回以降、事務局としても審議を準備していきたいと思っております。
 今後のスケジュールでございますけれども、今、日程調整中でございますので、次回が確定いたしましたら改めてご連絡させていただきます。議題としては、レアメタルリサイクルの推進に向けた具体的な対応策についてご審議いただくことを予定しております。引きどうぞよろしくお願いいたします。

○永田小委員長  よろしいでしょうか。次回は一応6月を予定しているかと思います。また引き続きご参画のほどよろしくお願い申し上げます。
 きょうはこれで終了といたします。どうもありがとうございました。

 

――了――