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産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会(第17回)中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会 小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会使用済製品中の有用金属の再生利用に関するワーキンググループ(第2回)合同会合議事録


日時:平成23年12月1日(木曜日)16:00~19:00
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

1.
事業者等からのヒアリング
2.
その他

議事内容

○渡邊リサイクル推進課長
 それでは、定刻になりましたので。
 今日はお足元の悪い中ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 これより、「産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会(第17回)」及び「中央環境審議会廃棄物リサイクル部会小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会使用済製品中の有用金属の再生利用に関するワーキンググループ(第2回)」の合同会合を開催いたします。
 まず、初めに、環境省より、今回からご出席される中央環境審議会委員の方々の紹介をお願いいたします。

○森下リサイクル推進室長
 それでは、委員の方をご紹介申し上げます。
 早稲田大学大学院法務研究科教授、大塚直委員でいらっしゃいます。
 筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授、下井康史委員でいらっしゃいます。
 上智大学地球環境学研究科元教授、中杉修身委員でいらっしゃいます。

○渡邊リサイクル推進課長
 続きまして、本日の会合の出席状況でございますが、両審議会合わせて26名の委員のうち15名の委員にご出席いただいております。産業構造審議会については全委員数22名のうち12名の委員、中央環境審議会については全委員数13名のうち9名の委員にご出席いただいており、いずれも過半数に達しておりますことをお伝えいたします。
 なお、大塚直委員、大橋委員におかれましては、途中退席される予定となっております。
 議題に入ります前に、事務局から配付資料について確認させていただきます。配付資料は、資料1~8まででございます。過不足等ございましたら事務局までお申し出ください。
 次に、ご発言の際についてですが、ネームプレートをお立ていただきますと座長から順次ご指名がございます。発言者はお手元のマイクのスイッチを入れ、順次ご発言いただければと思います。
 それでは、議事進行を永田小委員長にお願いしたいと思います。

○永田小委員長
 皆さん、こんにちは。お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。夜分にかかりますが、できるだけ要領よく進めてまいりたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、早速ですけれども、本日の議題に入りたいと思います。
 本日の内容は、前回に引き続き、事業者からのヒアリングということでございます。
 新金属協会、電池工業会、リサイクル業界、日本鉱業協会、日本自動車工業会の5団体からお話を聞かせていただくことになっていますので、よろしくお願いいたします。
 前回と同様にすべての説明者からお話を伺った後にまとめて質疑応答、意見交換を行いたいと考えておりますので、よろしくご協力のほどお願い申し上げます。
 それでは、まず、最初に、新金属協会の井上委員より説明をよろしくお願いいたします。

○井上委員
 井上でございます。よろしくどうぞ。
 それでは、新金属協会から希土類及びタンタルのリサイクルの現状ということでご報告申し上げます。
 その前に、新金属協会の概要ということが2ページ目にございますけれども、新金属協会は「社団法人新金属協会」と申しまして、31年に「日本希元素協会」と「半導体懇談会」が合体いたしまして、「原子力金属懇話会」として発足いたしました。この「日本希元素協会」というのは、レアアースとジルコニウムの事業を主体として組成された協会でございます。そして、その当時はレアアースを抽出することについては、鉱石を処理いたしまして、それからレアアースを抽出することから始めておりまして、その鉱石の中にはトリウムを主体とした放射性物質も含まれているということで、レアアース抽出の際にそういう放射性物質も発生するということで、また、その当時はトリウムの酸化物、塩類などはまだ使用されておりまして、そういうことでは希土類メーカーもそういう放射性物質を取り扱っておりました。そういうことから、業界の名前が「原子力金属懇話会」という形になっております。
 それで、35年にはその加入される範囲がふえまして、希土類、ゲルマニウム、シリコン、タンタル、ベリリウムの5部会が設置されております。37年に「新金属協会」へと名称が変更されまして現在に至っておりますけれども、現在はレアアース、シリコン部会、タンタル部会、ベリリウム部会、ターゲット部会、ジルコニウム部会、ボンディングワイヤ部会、核燃料加工部会と8部会になっておりまして、会員の構成数は31社ということでございます。
 それでは、リサイクルということにつきましては、レアアース磁石からのリサイクルがかなり重要になってきておりますので、希土類磁石リサイクルの現状ということでご報告いたします。
 2010年の磁石生産量というのは、合金換算で1万 5,000トンと推定されております。皆さんご存じだと思いますけれども、希土類磁石の生産に関しましてはレアアース、鉄ボロン合金を粉末にして成形・焼結ということでレアアース磁石を生産するわけですけれども、インプットされた合金量の65~70%ぐらいが製品になるということでして、1万 5,000トンの合金量ということは大体1万トン強の磁石生産量になります。そして、この合金の中に含まれておりますレアアースはネオジム及びジスプロシウムなのですが、その含有量は約30%となっております。
 レアアース磁石は主にモーターなどに使われるわけですけれども、モーターの国内生産の大体30~40%がレアアース磁石を使ったモーターになっていると推定しております。
 そういうことで、そういうところからレアアースを回収しようということが近年いろいろと検討されておりますけれども、リサイクル対象となる使用済み機器からの磁石を取り出すところが非常に不安定でございまして、その量の確保が我々にとっては非常に課題になっているところでございます。ある程度の量があればかなりのコストダウンも進むということで、量の確保が非常に重要であるということです。
 そして、先ほど申し上げましたように、1万 5,000トンの磁石合金を投入いたしまして1万トン強の磁石が生産されるということで、その差額の 3,400トン弱については工程内で発生した、最終的に成形加工するときに研磨いたしますので、そのときの研磨粉であるとか、途中で焼結成形する際に発生する端材であるとか、そういうものは現在はほぼ我々は磁石合金メーカーでもう一度回収リサイクルするということで、そのシステムはもう確立されております。そういうことでございますので、使用済み機器から磁石の形で回収されれば、その磁石は現工程内の端材とかのリサイクルシステムをそのまま使用することができるということで、ここにおいてはかなり可能性が高いということでございます。
 そういうことで、使用済み機器からのレアアース磁石回収に対する対象については、コンピューター用ハードディスクドライブで使われておりますボイルコイルモーターというものがありますけれども、そちらからの磁石を回収する。それから、一昨日お話がありました家電製品(エアコン、電気洗濯機等)に使われておりますモーターからの磁石回収。それから、ハイブリッド型、電気自動車、パワーステアリングであるとか、そういうところに使われております磁石の回収ということで、この家電製品につきましては家電リサイクル法ということで、使用済みのものは回収されておりますけれども、そこに含まれている磁石としてはまだそう多くは取り出せていない。このハイブリッドや電気自動車というのはまだ廃車になる率は非常に少ないということで、まとまった量の磁石が回収される段階になっていないのではないかと思っております。
 次の4ページをお願いいたします。
 レアアースというのは15元素の元素総称でございまして、その中で磁石に使われるレアアースは、ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウムでございます。一昨年から我々のレアアース供給が非常にタイトになりまして、同時に価格も非常に上がってきたということで、その傾向を2つのグラフに載せております。どのレアアース元素も昨年の9月ごろをピークとして非常に高く上がっている。中には10倍近く上がっているものもあるという状況でございます。また、これが非常にレアアースに対しての供給の不安感であるとか、価格の安定性に対する不信ということから、非常に大きな問題として各産業界から声が上がっているところでございます。
 そういう状況の原因は、レアアースの供給を中国にかなり依存しておりまして、95%以上は中国から供給されるということで、中国政府はそれについての供給及び価格を今のところは完全に管理しているところから起因しております。そういうことでは、できるだけ中国以外からレアアースソースを確保しようということで、現在オーストラリア、米国のソースを開発していろいろなレアアース製品を供給しようというプロジェクトが進んでおりまして、来年から再来年にかけてそのプロジェクトが実際にスタートするだろうといわれております。  ただし、なぜ中国が95%以上のマーケットシェアをもつに至ったかということにつきましては、レアアース鉱石の存在は中国以外にも広く存在しておりまして、かつてはそういうところから供給されておりましたけれども、中国のレアアース製品が非常に安いことと、先ほど申しましたようにレアアース鉱石を処理すると多かれ少なかれ放射性物質が出てくるということで、その処理が大変だという2つから、経済的な理由と環境的な問題で、それまでレアアース製品を供給していたアメリカ等の国がそういう仕事をやめてしまった。そういうことで中国への依存度が非常に高まってしまったということでございます。
 そして、近年またそういうことで前のところを再開しようとか、新しく鉱石を掘り出して処理しようというプロジェクトが出てきましたのは、レアアースの自給が非常にタイトになることとあわせて、非常に価格が高騰した。そういう価格レベルであるとそれが需要として成り立つということでスタートされておりますので、現在の価格レベルでは少し高過ぎると私どもは思っておりますけれども、高騰以前の価格水準に戻るとこのような新しいプロジェクトがまた難しい状態になってしまうところが非常に悩ましいところといえると思います。
 5ページにそういう希土類鉱石の種類というのを挙げておりますけれども、この希土類鉱石には各レアアース、セリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウムというものの元素の含有する率がそれぞれによって非常にばらついております。一番右に「イオン吸着法」と書かれているものがありますけれども、この数字はジスプロシウムだけに絞って書いておりますが、イオン吸着法の中では代表的な3種類の鉱石を挙げておりますが、その鉱石の中でもジスプロシウムの含有率が非常にばらついている。比較的高いのだけれども、ばらついているということでございます。あるものは4%、あるものは 1.5%、あるものは8%ということでばらついておるわけです。
 そして、このイオン吸着法は他の鉱石と比較すると非常にジスプロシウムの含有率が高いということで、現在のジスプロシウムの供給元はこのイオン吸着法からということになっております。そして、このイオン吸着法は、現在のところ中国しか存在しないというところが1つの問題点になります。
 それから、その隣にゼノタイムというものがございますけれども、これは中国のみならず豪州やマレーシアにも存在いたしますけれども、その供給量は非常に少ないということでございます。ただし、ジスプロシウムの含有率が非常に高いということで、これは今後検討されるべき鉱石ではないかと思っております。
 次に、6ページ、希土類の国内でのマーケットということでございます。
 先ほど申しましたように、レアアースマグネットについては製品そのものは1万 5,000トン。その中に含まれておりますレアアース、ネオジム、ジスプロシウム。Diというのはネオジムとプラセオジムの混合物を我々は「リジミウム」と呼んでおりまして、それとサマリウム、ジスプロシウム、テルビウム。これらのものは金属といたしまして 4,500トン。
 それから、ニッケル水素電池に使われますレアアースはセリウムとかランタン等を分離いたしませんで、我々はいわゆる軽希土と。レアアースの中ではグループによって比較的軽いグループと重いグループとがありまして、その軽いグループのメタル。分離せずにそのまま使うことをやっておりますが、その中でニッケル水素電池についての合金はニッケルと水素の合金でございまして、その中に含まれているレアアースの金属は 3,000トン。
 それから、レアアースのもう1つは蛍光体の原料ということがございまして、これはかつてはブラウン管の中の赤色蛍光体という形で使用されておりましたけれども、最近はブラウン管からフラットパネルに移りましたから少し落ちておりますが、それでも 2,500トン。  それから、自動車触媒といいますのは、自動車の排気ガスを浄化するということで、COガス、ハイドロカーボン、ノックスというものを一度にCO2やNO2等に使用するという触媒でございます。それに使われておりますレアアースは 1,700トン。
 それから、ガラス。板ガラス、レンズ、最近は半導体であるとか、そういうものを研磨する研磨剤といいますのが 6,000トンということで、これが2011年に使用されているレアアース全体の大体の量でございます。
 次をお願いいたします。
 7ページですが、リサイクルというので、先ほども申し上げましたけれども、原料は中国を主体として入ってくる。そして、次に材料メーカーがございますけれども、これは合金メーカーでございまして、合金メーカーが鉄とレアアースとボロンとを配合して合金を作る。それを磁石メーカーに供給いたしまして、磁石メーカーで磁石を生産し、VCM、ハードディスクドライブ、モーター、パーソナルコンピューターということで、方面より供給する。この過程で発生したくずは、粉末及び固形物という形でもう一度材料メーカーに戻ってきまして、それをまた合金原料として使用する。ということで、これについてはほぼ 100%の工程内リサイクルは行われていると思っております。
 その次の8ページがリサイクルの原料ですが、工程内と使用済みとで分けておりますけれども、工程内リサイクルでは磁石材料は行われている。ニッケル水素電池については一部分だけしか行われていない。蛍光体も同じでございます。自動車触媒は行われておりません。ガラス研磨剤は一部行われております。それから、使用済みのものについてのリサイクルについては今は検討中というところでございます。
 9ページの「二次電池のリサイクル」につきましては、次の電池工業会からもご報告があると思いますので、これは飛ばさせていただきます。
 10ページも飛ばさせていただきまして、11ページで「リサイクル工程」がございますけれども、ここでの鉄、ニッケル水素電池については真ん中のところでございまして、一番下に鉄・ニッケルくずとなっておりますけれども、回収作業は行われておりますが、この対象はニッケルの回収がメーンでございまして、レアアースは回収されていないということでございます。
 12ページは、使用済み電池の回収ということでございますので、これもまた次の電池工業会からのご報告をお願いしたいと思います。
 13ページは、希土類磁石のリサイクル工程図ですけれども、真ん中が製造工程、左側がリサイクルの工程でございます。これは研磨粉のリサイクルとなっておりますけれども、化学処理をいたしまして、一番もとのレアアース酸化物の形で回収しております。それから、固形スクラップにつきましては5合金の形で回収いたしまして、合金溶解のところで使用する。一部はまた研磨粉のリサイクルと同じように化学処理をするということでございます。
 15ページですけれども、希土類資源というのは、今のところ希土類そのものは非常に重要な資源ですし、そういうことではできるだけうまく循環して有効活用すべきであると思っております。ただ、リサイクルを考えますときには、先ほど申し上げましたように価格が非常に変動するということですので、それとリサイクルの仕事自体を長期的に考えなければいけない。ということですと、その長期間での価格変動はあっても継続できることが大前提になっております。それから、使用済み機器から回収されるものは、国内で発生するものは国内で処理したいと思っております。そして、我々のところで一番問題なのは使用済み機器から磁石を取り出す間のフローがどうなっているのかをまだはっきりつかまえておりませんで、そこをどうするのか。サプライチェーンとあわせてバリューチェーン、どれぐらいコストがかかるかというところを今後検討していく必要があるのではなかろうかと。そして、それをスムーズに行うためにはどうすればよいかを検討する必要があると思っております。
 以上です。

○永田小委員長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、電池工業会の中谷委員からお話を伺います。

○中谷委員
 電池工業会の中谷でございます。
 そうしましたら、資料4に基づきまして説明させていただきます。
 まず、最初に、1ページをみていただきたいのですが、リサイクルを語るにおいて、この民生用電池というのですか、「小型二次電池」と書いていますが、最近は小型でもなく大型もあるのでちょっと括弧書きを入れたのですが、これは二次電池の中では鉛電池と鉛電池以外という分け方で、鉛電池以外が小型二次電池といわれていまして、この歴史は、ニカド電池が1964年に出てきまして、現在、例えばこの下にあります防災照明用の非常灯・誘導灯にはまだかなり使われております。そういうものから小型二次電池というものがスタートして、リチウムイオン電池に現在至っていろいろな用途に使われていっているのですが、リサイクルシステムは一貫してこの3つに対して行われてきまして、こういう用途の変遷に応じてリサイクルもやってきたということで、こういう図をつけさせていただきました。
 実際に電池の構造はどうなっているかといいますと、2ページに電池の内部構造を示しております。特にこれはリチウムイオン電池でございますが、次の3ページに極板の図面を入れていますので、みていただきましたら、円筒形も角形も、電極板というのは非常に薄いペラペラしたものでございます。正極はアルミ箔に正極活物質といって、これがコバルトの化合物――コバルト酸リチウムというものがメーンのものでございますが、最近はそのコバルト酸リチウムからニッケル酸リチウムとかマンガン酸リチウムにどんどん移ってきているということでございます。負極は、下に「銅箔」となっていますが、銅箔に負極活物質――これは黒鉛が主体でございます。黒鉛あるいは合金を使っている場合もありますが、大多数は黒鉛を使っておりまして、それを塗ったものということで、これも紙のように薄いものでございます。そして、真ん中にポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレンというものを使いましたセパレーターという絶縁紙を間に入れているということでございます。そして、この中に電解液というものをしみ込ませてくるくると巻いたものが2ページのようなもので、くるくると巻いたり、あるいはパタンパタンと折るような形で巻いたりして、角形や円筒形にしているということでございます。
 そういう構造のものであるということをご認識いただきまして、4ページです。先ほど井上委員からも紹介がありましたけれども、JBRCでのリサイクルの概要というものを説明させていただきたいと思います。
 先ほど1964年のニカドからスタートしているといったのですが、正確には1973年に電池工業会としてニカド電池のリサイクルというものをやり出そうということでスタートしまして、現在のやり方をその時点で確立させたということでございます。そして、76年、リサイクル協力処理業者に電池工業会で開発しましたやり方を教えましてというんですか、そこでつくっていただいたという形なのですけれども、その処理業者2社を認定しまして、防災用ニカド電池――ニカド電池はニッケルカドミウム電池の密閉があるということで、カドミウムを使うということで環境負荷が大きいことを将来いわれるという懸念もありまして、これはともかく中心用途のところは全部リサイクルさせようではないかということで、その一番大きな用途が防災用だったのです。防災用ニカド電池の回収というものを76年にスタートし、そういうルートを確立していったということでございます。
 その後、3R法によりニカド電池が指定製品になりましたことを契機にニカド電池の回収センターを設立しまして、これは電池工業会内に回収センターを設立していまして、その後、法人格がいるということで、JBRCに発展させております。
 これが過去の流れございます。
 そういう意味で、先ほど「JBRC」と名前も書かれていましたけれども、一応こういう設立で2001年からスタートしています。一番下をみていただきましたら、2011年10月現在で 286法人。電池メーカーはこのうち13社ほどですが、ほとんどが機器メーカーです。機器メーカーは資源有効利用促進法で回収に協力しなければならないということが決められておりますので、機器メーカーと電池メーカーとが共同でリサイクルを行っているということでございます。
 回収システムは5ページに書いておりますが、図はまたゆっくりみてもらいたいのですが、細かく説明は省略させていただきます。リサイクル協力自治体、協力店、協力事業者というのは、実際に集めていただくところでございます。ここで集まりましたらJBRCにコールをかけます。コールは電話あるいはネットでいってもらうのですが、そうするとJBRCから運送業者に回収の指示を出し、運送業者はリサイクラーまで届けまして、リサイクラーに対してJBRCが処理指示をお願いするということでございます。処理されたものが再生金属になるのですが、これは後ほど説明させていただきますが、いろいろな形に再利用するということで、このシステムの特徴は協力していただいている協力店はフリーオブチャージで、集まれば回収をお願いするということで、一切費用はかけておりません。運送業者、リサイクラーにつきましてはすべてJBRCが費用を負担します。JBRCは、実は会費を 283社それぞれの会員から集めまして、その会費でこれらを賄っているということでございます。ただ、再生金属は実際にはリサイクラーのほうで売却していただきまして、その売却料金はこの処理費用に相殺する形で処理費用を一部埋め合わせしようということでございます。では、これで利益が上がるのかというと、利益は余り上がらずに、その年によっても違うのですけれども、結局は会費で半分以上を。材料費というのですか、メタル価格が非常に上がりましたときは会費の負担は少ないのですけれども、通常は運営費の半分以上は会費で賄われているということでございます。
 どういう登録状況があるのかは6ページにありますが、こういうところに回収拠点をお願いしているということで、6ページをみていただければと思います。
 フローですが、JBRCのフローでは回収された二次電池というものは、先ほど井上委員の示されました中に図が載っているのですけれども、まず、入ってきたものは手作業で分別して、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池に分けていきます。
 ニカド電池は、その後、実は加熱処理以降、すべの電池において同じ処理装置を使える形にしているのですけれども、焼成というか、加熱することによりましてカドミウムは実は加熱しますと蒸発しまして、これはニカド電池の材料というもので売却していきます。残りましたものは鉄とニッケルのフェロニッケルになるのですが、これにつきましては電池に分離して戻すのは非常に後が高くつくということで、売却してステンレスの材料にそのまま。これは非常に使い勝手がよいということで、フェロニッケルはそのままステンレスの材料に使っていただきます。
 それから、ニッケル水素電池は、実はこれも同じ工程をとるのですが、先ほど説明がありましたように負極はミッシュメタルを一部含んでおりますが、主成分はニッケルでございます。ミッシュメタル・ニッケル5ということで、ニッケルのほうが多くて、ニッケル水素電池といっていますが、「ニッケル・ニッケル電池」といってもよいぐらいニッケルが豊富ということです。これにつきましても同じように加熱処理して有機物や水源を飛ばした後はステンレス材料に使っていただいております。そういう意味では非常に効率がよい処理のやり方だと我々は思っています。
 リチウムイオン電池につきましても全く同じルートをたどるのですが、ただ、コバルトを初め、いろいろな金属が混ざりまして、コバルトとしても非常に純度の悪いものしか得られません。これは、それらに使える、コバルトを焼いてアルニコ磁石と特殊合金に使っていただいているのですが、そういう不純物の多い汚れたものについてはなかなか引き取り手も少ないという事実もございます。もちろん法律等でやれば非常に回収はよいのですが、分別できるのですが非常に高くつくということで、現在はこういうやり方でやっておりますが、JBRCの活動とは外れるのですが、ある一部のメーカーさんではリチウムイオン電池のスクラップ等につきましてはカナダのニッケル鉱山へもっていきまして、そこで鉱石と一緒に処理してもらうと。そうしますと、これは我々のほうに、ニッケル、コバルトを最終的にはそこから買っておりますので、そういう形で鉱山を利用しまして精製するというやり方をやっているところもございます。
 8ページが電池生産数量の推移でございます。これはすべての電池を経済産業省さんの機械統計から拾っているのですが、上のほうは一次電池で、一番下の灰色がかった水色のものがリチウムイオンで、ほかの電池は下がってきているのに対してリチウムイオン電池は年ごとに――2009年とかは若干減ったことはあるのですが、毎年のごとくやはり右肩上がりで進んで伸びてきています。2010年、全体の電池数量の25%なのですけれども、リチウムイオン電池の数量は12億 300万個でございます。ちょっと数量を入れていなくて申しわけございません。12億 300万個のリチウムイオン電池が作られているということでございます。
 電池業界自身、全体にこのように下がっていっているのですが、実は海外メーカーからの輸入品というのが非常に増えてきているということで、電池の使用そのものが、需要そのものが減っていっているわけではございません。我々の国内業界の生産数が減っているということでございます。
 先ほど井上委員さんのところにもありましたが、電池の回収量を種別で分けてみました。ちょっと書き方が違いますが、内容は同じでございます。回収量で、実はニカド電池が今でも群を抜いてかなりの部分を占めております。これは、ニカド電池自身が国内ではほとんど防災ルートがメーンでございまして、そういう一部の用途で限られて使われていて、そこのルートでの回収がはっきりしている。回収ルートにきちんと乗っているということで、非常にたくさんの量のものが返ってくるということでございます。それ以外は民生用のものが中心ですので、回収効率が悪くて非常に少ないということでございまして、2010年、リチウムイオン電池、図では緑の三角ですが、数量でいいますと 151トンでございます。これはJBRCとして 151トンなのですが、第1回の資料でもありましたが、これ以外にリチウムイオン電池の2大用途はパーソナルコンピューターと携帯電話でございます。パーソナルコンピューターと携帯用途はJBRC以外でそれぞれのメーカーさんが中心に回収されておりまして、それが一部あります。トータルすれば 800トン強のリチウムイオン電池が回収されているという現状になっていると思います。
 それから、10ページ。リチウムイオン電池でちょっと問題になっているのが、いろいろな系が出てきてリサイクルがやりにくいことがありまして、電池工業会が決めたものですが、リチウムイオン電池にマークをつけようということで、メビウスループマークのリサイクルマークに続きまして、リチウムイオンの2けたの番号を入れております。1けた目の番号というのは、コバルト系が0、マンガン系が1、ニッケル系が2というとで、主成分によって番号をつけております。それから、2けた目は負極の材料というのか、負極ではなく全体的にリサイクルを阻害する物質がどれだけ入っているかという観点で2けた目をつけております。特に我々のやり方のリサイクルでは、スズとリンが合金の中に入ってきますと合金価値が落ちて使い勝手が非常に悪いということで、スズがある一定量、セル当たり 0.5グラムというものはあるのですが、この数値はまた処理方法が変わることによって違っていくと思います。スズの含有量が多いものはこれに1をつける、リンの含有量が多いものは2をつけております。両方多く入っているものは今のところ出てきておりませんので、それはまだ考えておりませんが、3~5というものがついていくようになるかと思います。
 再資源化率ということで、これは法律で定められている再資源化率で評価しているのですが、要は金属 100からどれだけの効率でリサイクルできているかということで、法定目標とどうだこうだというのは、すべて法定目標を上回っておりますので説明は省きますが、リチウムイオンだけがどんどん右下がりに下がっていっているということで、これが大きな課題になっております。これは、実はリチウムイオン電池でもコバルトが入っているコバルト系というものは非常にリサイクルしやすく再資源化でいろいろ使えるのですが、コバルト系以外のニッケル系・マンガン系がどんどん増えてきておりまして、そのものはリサイクルした金属自体が非常に価値がなくて、再資源化率からいうとそのものについては外していっている状況でございます。コバルト系がなくなっていくに従って再資源化率も下がっていく形で、有効なリサイクル方法がないということで、今は処理にちょっと困っている状況でございます。
 では、コバルト系がどれぐらい下がっていっているのかというと、11番の右下にありますが、昔は 100だったのが昨年で78%ぐらいがコバルト系でして、現時点で今返ってくるリチウムイオン電池は72%ぐらいがコバルト系ということで、どんどんコバルト離れが進んでいっている状況です。そういう数値が出せるのは、先ほどのコバルト系は0、それ以外は1とか2という番号に基づいて振り分けていまして、リサイクル処理に回るのが七十数%になっていっている状況でございます。
 ちょっと文章で何も書かずにデータだけで示しましてわかりにくい部分があったと思いますが、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○永田小委員長
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、中間処理業界での取組につきまして、中島委員より説明願います。どうぞ。

○中島委員
 中島です。お世話になります。
 「リサイクル事業者の現状と今後の課題」ということでお話をさせていただきます。
 まず、1ページめくっていただきたいのですが、我々のリサイクル業界も小型家電の処理に取り組み始めています。経済産業省さんもいろいろ調査されて先進的な取組という形でお出しいただいているのですか、現在やはり自治体さんの処理というのは破砕をして焼却したり埋め立てしたりということで全然進んでいない。鉄とかアルミという簡単にとれる金属は回収しているのですが、それ以外はうまくできていないということで、やはりちゃんと資源の有効利用という観点からリサイクルをすべきだろうということで、経済産業省さんもそうですが、環境省さんも今一生懸命小型家電のリサイクル法をつくっていこうということで動き出しているところです。
 2ページ目のところで、経済産業省さんの先進的取組という形で、各自治体さんと事業者の所在地域という形で出していただいたのですが、ここに書かれているのは25自治体で14業者ですけれども、私どもで今確認できているところではこれに20自治体ぐらいが多分増えているだろうと思っています。あと、業者にしても5~6業者ぐらいは取組が始まっている状況なので、少しずつ前向きに小型家電のリサイクルをしていこうという取組は進んできているということです。
 3ページ目です。具体的な処理フローはどうしているかというと、ビデオカメラ、携帯音楽プレーヤー、電子手帳、携帯ゲーム機等から、まずバッテリーとか付属品を外します。バッテリーや付属品を外した後、破砕をして、集塵機で粉のものは回収したり、磁石で鉄をとったり、アルミ選別機でアルミを回収したりということをしながら、非鉄製錬所向けにできるだけ細かくふるい分けをして販売していくことをやっています。このフローの中でミックスメタルの粒度小とかトロンメル篩下ぐらいは金属評価が有価で販売できているのですが、トロンメル篩上は非鉄製錬所さんによっては有価だったり逆有償だったりというケースがあります。そこの中でとれている金属が、大体金・銀・銅・パラジウムぐらいしかとれていないというのが現状です。
 次のページをお願いします。リーテム社では、製錬所で回収できない困難なレアメタル、例えばタンタルとかタングステンから、中間処理でできるだけ製錬所にとれないものはもっていかないようにしようという思惑があって、NEDOさんの事業という形で今年タンタルをとる事業を開始しました。
 まず、研究開発の目標は、タンタルコンデンサを回収するために破砕・選別のプロセスをきちんと確定しようと。その後、要は経済ベースに合うようなプラントを導入して実用可能性を実証していこうということをやろうとしています。その中で総合評価をして、本当にタンタルが経済的に合うかどうかを最終的に評価して事業化を図っていきたいということで計画をしているところです。事業費用は1億 1,000万円、そのうち補助金の助成が 6,700万円ということで進めています。プラントのほうは1月の半ばぐらいから実機が入ってきまして、1月末ぐらいに実際に動かそうという計画をしているところです。やはり期待される効果としては、タンタルも供給源の1つになるだろうと。回収してきちんと分けることで供給源の1つになりたいということもある。では、それを回したときに工程で経済性の観点からどう評価できるかというのを本当にちゃんと実証していきたいと。その中でうまく実用化の例ができればレアメタルの回収促進につながるのではないかということで進めているところです。実施体制は、産総研さんと早稲田大学に入っていただいて、タンタルの回収は三井金属さんという形で今計画しているところです。
 次のページです。どういう工程かというと、まず、実装基板として、タンタルがいっぱい含有されているものをとりあえず、そういうものから粉砕機――剥離機なのですが、基板から部品とそれ以外のPCボルトを外して、スクリーニングをして気流選別で分けて、タンタルコンデンサを濃縮していく形でやっていこうと計画しているところです。実験ではそこそこよい成果が出ているので、その後実機でどれだけ出るかというところがこれからの勝負だろうと思っているところで。
 次のページをお願いします。それ以外に中間処理会社でレアメタルの回収に取り組んでいる事業者は結構増えてきていまして、リーテム社以外に田口金属というところが、ここは家電のコンプレッサーからのネオジムの回収という形で、経済産業省さんの補助事業認定という形で動いています。あと、エコネコルはコンプレッサーモーター、ハードディスク、ゲーム機、パチンコやスロットマシーンからのネオジム回収という形で進めています。あとは、斎藤エンジンというところではハイブリッド車からのネオジム回収をやろうという形で、少しずつ動き始めているのが現状です。
 では、次のページ。環境省さんと一緒に中央環境審議会で小型家電リサイクル法ということでやっている中で出てきた資料なのですが、その下の段の「小型電気電子機器」という欄で、海外リサイクル52.7%という数字が出ています。これがどんなふうに流れているかということの説明をちょっとさせていただきたいと思います。
 次のページをお願いします。大体海外に出るときに統計上どういう統計でとっているかというと、「その他のくず」の「その他のもの」の「その他のもの」というカテゴリの中で、全部「その他」になっていて、そういう流れの中で統計上管理していることになっています。
 では、数量的にどのぐらいかというと、次のページをお願いいたします。この表の下から3段目のところが「その他のくず」のところなのですが、2010年で大体 418万トン輸出されています。今年も1―9月で 235万トン出ていまして、そのうち中国向けが 140万トン出ている。大体輸出量の60%以上が中国に行っている形になっています。
 次のページをお願いします。では、どのぐらいの値段で動いているかというところなのですが、これも下から3行目のところをみていただければわかるのですが、今年の数字 235万トンでキロ当たり53円、トン当たり5万 3,000円で輸出されている。割と高い値段で出ているということです。こういう高い値段で流れているということは、大分海外に売ったほうが得だということで、流れるケースが多いことがわかってもらえるかと思います。
 次のページをお願いします。我々が海外に輸出するときには中国国家検疫総局というところでちゃんと管理された形でもっていかないと輸出されないので、そのためにCCICという日本法人ができています。これは国家検疫総局の 100%子会社です。そこが日本からの貨物の輸出積込前検査をするということになっています。手続上はウェブで申請して、その後、CCICジャパンで申請内容や書類審査をしていただいて、その申請受理通知をされた後で現場へ確認に来るということで検査をして、不合格の場合は不合格通知をして、検査合格のものは輸出証明発行書という形で輸出がされる形で今流れているところです。
 次のページです。では、どういうものが輸出禁止・要注意品目になっているかというところなのですが、これもCCICのホームページからとってきたのですが、給湯器、エアコン、テレビ、電子レンジ等の家電品、電話機、ファクシミリ、黒モーター(冷蔵庫、エアコンのコンプレッサーモーター)、密閉容器、エンジン等です。
 次のページをお願いします。あとは、プリント基板、金属やプラスチックが混入しているものという形で、かなり輸出禁止項目が細かく出されているのですが、現状は混ざって流れているというのが本当のところです。
 そういうことで、最近は海外流出という形で皆さん少しトーンが高くなってきたものですから、CCICでは先日ホームページで重要なニュースという形で発表されています。輸出をするときに禁止物が混入することがまずいので、きちんと検査をしましょうという形で出されておりまして、この中で出ているのは、検査申請時に1ヵ所で積み荷を、ここで積みますよということで積み込み予定が記載されたものが実際には数ヵ所で積まれていたり、2つコンテナで積みますよという形で申請されたものが5つぐらいのコンテナになっていたりという形で、ちょっと悪質な行為が多くなっているということで出されていまして、そういうものに対してはライセンスの取り消し等をしますよということを打ち出してきています。あとは、抜き打ちで検査を強化しますということで出されているのが現状です。
 最後の「今後の課題」ということで、やはりリサイクルする側としては回収量を増やさないとなかなかリサイクルに乗らないというか、やはり設備投資をするにしても量的な確保ができないとなかなか設備投資ができないということで、現状の廃掃法等々の整備ももちろん見直さなければいけないだろうし、あとは回収システムもきちんとつくって、できるだけ安いコストで効率のよいものをつくっていくべきだろうと思っています。また、メーカーさんからも、製品に入っているレアメタルを、含有量は別にしても、どういうものが入っているかという情報は欲しいと思っています。製錬所も、どんなレアメタルが回収されていますよぐらいの表示はしていただきたいなと思っています。というのは、やはりレアメタルといっても実際にどんなレアメタルが回収できているかというのは、一般国民にわかってもらえないとなかなかレアメタルを回収するという意識にならないだろうと思っていまして、その辺は製錬所さんにお願いしたいなと思っているところです。
 あと、中間処理施設では資質の向上を図るべきだろうと思っていまして、環境管理は当たり前なのですが、やはり情報の管理もきちんとやらなければいけないというのは、携帯電話にしてもパソコンにしてもデジタルカメラにしても、情報が入ってくるものは入ってくる可能性がいっぱいありますから、この辺の情報管理というものはきちんとすることが大事だろうと思っています。高度なリサイクルとか技術開発力も必要だろうと思っていまして、一生懸命製錬所で使えるように濃縮して製錬所にもっていくのですが、なかなか濃縮する技術的な問題とか、含有量の問題もあるのですが、技術的な問題がかなり大きいということで、その技術的開発をする必要があるだろうと思っています。それ以外に、技術開発のところで、製錬所で回収できないレアメタルは中間処理でできるだけ外すことも必要だろうと思っていまして、その辺の技術開発も必要だろうと思っています。あとはもう、すべて国内で処理するということと、きちんと透明性の確保をして、処理フローを明確にして、きちんとした受払数量等の報告なんかもすべきだろうと思っています。
 海外流出のところは、CCICさんも一生懸命これから管理しますよといわれているので、日本側としてもやはり積荷前にきちんと、バーゼルにかかるようなもの、相手国で輸入してはいけないものを輸出しているわけですから、その辺の取り締まりというか監査をきちんとやることが必要だろうと思っています。
 そういうことで、うまくシステム的に組んで、ある程度物量が確保できて、技術開発力もそうなのですが、技術がうまく回っていくと、決して経済的に回らないシステムではないだろうと思っていまして、その辺はつくっていくべきだろうと思っています。
 以上です。

○永田小委員長
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、日本鉱業協会の星委員からよろしくお願いします。

○星委員
 それでは、「非鉄金属製錬業におけるレアメタル等のリサイクル」についてご報告いたします。
 まず、2ページ目でございますけれども、私ども日本鉱業協会について簡単にご紹介します。ここに書いてございますとおり、金、銀、銅、鉛、亜鉛及びニッケルなどに代表されます非鉄金属の鉱業・製錬業の団体でございます。鉱物資源と非鉄金属の安定供給の確保、新材料開発、資源リサイクル、環境保全などの課題に取り組んでおります。設立は1948年で、現在の会員企業数は53社でございます。
 次に、3ページをごらんください。国内の主要非鉄金属製錬所の所在地をお示ししております。製錬所の名所と、そこで主に取り扱っております金属、元素名で括弧内に示しております。本州から九州にかけて21の製錬所がございます。
 次に、4ページをごらんください。廃棄物処理・リサイクル事業所の所在地を示しております。ちょっと字が小さくて恐縮でございますが、主要処理品目が凡例に載せてございます。赤の丸が故銅・銅滓などの滓類です。青の三角が廃鉛蓄電池を示しています。緑の逆三角がシュレッダーダストです。黄色のダイヤマークが電炉ダストです。二重丸がその他の廃液、廃油などを示しております。全国に33ヵ所ございます。
 続きまして、5ページをごらんください。これはリサイクル原料と廃棄物処理の内訳を示してございます。左側の円グラフはリサイクル原料、いわゆる有価で引き取っているものでございまして、平成22年度の実績で63万トン処理をしています。内訳は、多いものから故銅、貴金属滓、廃鉛蓄電池の順となっております。右側の円グラフは廃棄物処理量で、いわゆる処理費をいただいて処理している廃棄物です。平成22年度の実績で 155万 8,000トンを処理しています。内訳は、廃プラスチック、ばいじん、廃アルカリなどの順になっております。
 続きまして、6ページをごらんください。「非鉄金属製錬業における廃電子部材・貴金属滓の処理量の推移」と題しておりますが、リサイクル原料の中から廃電子部材と貴金属を取り出して12年間の処理量の推移を示したものでございます。21年度、リーマンショックで若干下がっておりますが、右肩上がりになってございます。
 続きまして、7ページをごらんください。レアメタルなどのリサイクルの取組状況ということで、レアメタルを含みます鉱種別に一覧表にしてございます。企業別・鉱種別に一覧表にしたものでございます。丸印が現在回収できている鉱種で、三角印が回収予定あるいは回収計画中の鉱種を示しております。黄色の枠がレアメタルの5鉱種、タンタル、タングスデン、コバルトネオジム、ジスプロシウムを示しております。
 続きまして、8ページをごらんください。これは製品別にリサイクルが可能な鉱種を整理してみました。電気・電子基板、携帯電話、小型二次電池、鉛蓄電池、自動車触媒、宝飾品に分けてございます。それと主な回収鉱種で、赤字はレアメタルを示しております。括弧内は計画中の鉱種を示しております。今後の見通しでは、電気・電子基板と携帯電話では前処理技術、選別技術の開発、小型二次電池では自動車用二次電池リサイクル技術開発の推進が課題と考えております。
 続きまして、9ページには工程内リサイクルの取組について示してございます。非鉄金属製錬工程で発生します中間物や不適合品などは、基本的には前工程へ繰り返しております。例としまして、アノードスクラップ、ダスト、排水処理汚泥、製品不適合品などはすべて熔錬工程へ繰り返しております。
 続きまして、10ページにレアメタルなどのリサイクルについての考え方を示してございます。非鉄金属製錬は多種類の元素を含む鉱石から有用金属を取り出す技術であり、銅、鉛、亜鉛、貴金属など、30種類近くの鉱種を回収しております。基板技術を活用して、廃棄物やスクラップなどの循環資源からのレアメタル回収にも積極的に取り組んでおり、資源確保と循環型社会構築に貢献していきたいと考えております。これが基本的な考え方でございます。
 続きまして、11ページでございますが、レアメタル等のリサイクルを進める上での課題ということで、「全般」「回収量の確保」「技術情報の共有」という3つに沿ってまとめてございます。
 まず、「全般」ですが、現在回収できていない鉱種につきましては、製品中の含有量が非常にわずかで回収コストが見合わないために、経済原則のみでは回収が困難だと考えております。まず、一定量の集約とそのための集荷促進の取組が必要だと考えています。その際に、ベースメタルや貴金属の回収も含めました全体的・合理的なリサイクルを目指すべきだと思います。この3つ目のポツにつきましては少し補足いたしますと、現在でも家電4品目、パソコンあるいは携帯電話などの回収システムから、それから小型電子機器は新しい仕組みの中から、いずれも海外流出の抑制を含めてそれぞれのスキームから確実に部品や基板といったものが回収されることが重要だろうと。一般論に近いと思いますが、そのように考えております。
 続きまして、「回収量の確保」についてですが、まず、国、自治体及び私ども事業者によるさらなるPR活動が必要なのではないか。それとか、一定量以上回収した自治体へのインセンティブを与えるということも必要だろうと。それから、不法な海外流出に対しては環境省さんの水際作戦に期待をしたいと思っております。そして、広域回収と保管期間の規制緩和は必要だと考えております。
 「技術情報の共有」といたしましては、前回企業秘密に関して論じられましたけれども、回収されるべきレアメタルを含む部品には、例えば黄色とか青とかの色をつけるだけでもよいのではないかと。つまり、「目視で判断したり色彩選別装置が機能できる製品設計をしていただけたらな。」という意見が会員企業にありましたので、ここに記載させていただきました。
 最後に12ページになりますけれども、レアメタルなどのリサイクルを進めるための取組方針としまして、技術的な課題を2つ掲げております。
 まず、既存の製錬プロセスで回収可能な工程内のマットやメタルに分配する金属やダストに濃縮する金属につきましては、さらに回収率を向上させるとともにコストを削減していきたいと考えております。
 また、既存プロセスでは回収できない金属、つまりスラグに分配するような金属は、それ以前の工程で回収する技術開発を、政府や政府機関及び大学、書き漏らしておりますけれども、中間処理事業者さんと一緒に、サポートを得ながら進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○永田小委員長
 どうもありがとうございました。
 それでは、本日最後のヒアリングになります。日本自動車工業会から、リサイクル廃棄物部会長の加藤さんにおみえいただいています。加藤さん、どうぞ。

○加藤氏  ありがとうございます。ただいまご紹介いただきました、日本自動車工業会でリサイクル廃棄物部会におりますトヨタ自動車の加藤でございます。本日はこのような機会を与えていただきましてありがとうございます。
 早速ですけれども、取組状況ということでご説明させていただきます。資料7でございます。
 1枚おめくりいただいて2ページ目、ここにありますような構成なり順番で今日はご説明させていただきます。
 3ページ目をごらんください。まず、「自動車部品とレアメタル等の関わり」ということで、4ページ目に主要な自動車用途を記載してございます。ガソリン、ディーゼル車、次世代車といわれておりますハイブリッド車等でございますけれども、幅広い分野でレアメタル、レアアース、ベースメタルを利用させていただいております。丸でくくったところについてはまた後ほどご説明させていただきます。
 5ページ目をおめくりください。これは次世代車におけるグローバルな市場の伸びを示してございます。自工会の調べでございますけれども、2000年で2万台、2010年ですと87万台ということで、拡大している状況がおわかりいただけるかと思います。
 6ページでございます。そういうことで、この写真にありますように、日独米各社の次世代車、新商品の投入が加速している状況でございます。
 7ページ目をおめくりください。ここからは使用合理化に向けた各社の取組についてご説明させていただきます。
 8ページ目でございますが、これは各社におけます開発の方向性を示してございます。各社ともここに示していますように、主な使用部品を重点に、ベースメタルも含めましてレアメタル等の使用削減、代替技術、リサイクル技術の開発を推進中でございます。
 9ページ目をごらんください。どのような技術かということで、もう少し詳しくご説明させていただきます。これはモーターのジスプロシウムの使用低減の技術でございます。短中長期的には[1]にございますように粒界拡散磁石。これは、保磁力が必要な磁石表面へのジスプロシウムの粒界拡散による使用量の低減。[2]では、結晶粒微細化技術ということで、それぞれ使用量の低減を行ってございます。これらにつきましては磁石メーカーさんと連携して開発を推進中でございます。長期的には、脱ネオジム・ジスプロシウムの磁石材料技術ということで、産官学連携で今開発を推進しているところですけれども、強磁性の窒化鉄というものをターゲットに今推進しているところでございます。
 10ページ目でございます。これは排気触媒の例ですが、真ん中ほどに触媒構造の拡大図がございますけれども、この基材の周りに貴金属と担持粉末を混ぜた形で焼結した構造になってございますけれども、その拡大図が左下の絵でございます。貴金属の削減、これは特にプラチナということで、その絵にありますように初期はプラチナが分散した状態になっておりますけれども、その右に「劣化後」とありますが、我々「シンタリング」といっておりますけれども、粒子が結合して劣化するということで、埋め込み固定化ですとかしきり材による貴金属の移動抑制、こういうことで削減を図っているところでございます。
 [1]にレアアースの削減ということで、ランタン等を配したもので、酸素吸放出の効率化、こういうことでレアアースの削減を行っているところでございます。
 1枚おめくりください。もう1つの例として、これはベースメタルでございますけれども、ワイヤーハーネスで銅線を使っておりますけれども、アルミ電線への切りかえも行っております。その絵にありますように、端子の構造を工夫することによってアルミ化を実現してございます。
 次、12ページ目でございます。ここからが使用済み車の流通実態ということで、すみません、もう1枚おめくりください。13ページ目でございます。
 まず、生産から使用済み車までということで、全体を俯瞰して眺めますとこの図のようになっていまして、これは2010年度の実績ですけれども、国内生産の大体半分が輸出されている状況でございます。中古車としても90万台ほどが輸出されている。それから、使用済み車の発生というのは 365万台で、これは許可をもっていないと解体できませんので、約 3,500社ぐらいになると思いますけれども、解体事業者に所有権が移って、中古部品なり素材ということで国内販売、それから海外輸出されている状況です。自動車メーカーは、自動車リサイクル法に基づきましてASR、これは自動車由来のシュレッダーダストでございますけれども、フロン、エアバッグを引き取って再資源化しているという状況です。これが全体を俯瞰した図でございます。
 14ページ目をごらんください。先ほど私が輸出ということで申し上げましたけれども、では次世代車についてはどうなっているかということで、これも累計でございます。今までの累計で 404万台中約60%が海外に輸出されている状況でございます。  15ページ目をごらんください。海外への資源流出の実態ということで、これは自工会で調べたもので、定性的なものですけれども、多くの廃車資源がスクラップなり中古部品として海外に輸出されている状況でございます。特に極東ロシアですとか、絵にもありますように中国、マレーシア、ドバイ経由で部品が輸出されている状況でございます。右上に「ハーフカット」とございますけれども、こういう形態でもかなり輸出されている状況でございます。
 もう少し定量的に調べたものが16ページ目。これはワイヤーハーネス由来の銅の流通フローを自工会で調べたものでございますけれども、大体ワイヤーハーネスの銅の80%が中国に輸出されている状況でございます。絵にありますように、中国では手作業による純銅に近いものに加工しているという実態がございます。
 次、17ページ目でございます。これは次世代車がELV、使用済み車にどのくらいでなるか、いつぐらいから出てくるかというのを試算したものでございます。これは経済産業省から2010次世代自動車が去年出ておりますけれども、これの民間努力ベースをもとに計算したものでございます。ごらんになってわかるとおり、平均車齢を13年で置いておりますけれども、ELVの発生というのはタイムラグがあって、当面は発生が少ないのかなというふうにみております。
 そういうことで、18ページ目に流通実態のまとめということで、海外に大分輸出されているということ、次世代車の普及と使用済み車の発生のタイムラグがあるということで、資源確保のポテンシャルということでは当面低いのかなと思っております。これは第1回目の報告でも、たしかジスプロで2025年目線で6.25%ですとか、ネオジムですと4%弱という数字が出ていまして、当面はポテンシャルとしては低いのかなと思っております。
 2つ目の枠でございますけれども、多くの廃車資源がスクラップなり中古部品として海外に出ていっている状況。国内での資源循環ということですと、これらと競合しないといけないということで、国内での資源循環システムづくりというのは経済合理性が今のところ課題だと考えております。また、解体事業者からの安定的な回収も課題だと考えてございます。
 次をおめくりください。18ページ目でございますけれども、ここからが再資源化に向けた各社の取組ということで、いろいろ課題がある中で各社とも再資源化に向けた取組を積極的に行ってございます。
 20ページ目をごらんください。これは各社の取組の方向ということでお示ししたものでございますけれども、各社とも駆動用バッテリーを重点に現在回収スキームを構築中でございます。あわせて、再資源化技術も並行して開発してございます。ここにありますのはトヨタ自動車の取組例でございますけれども、ハイブリッド電池を回収して還元処理をして、これを製錬工程に戻してニッケルを取り出し、もう一度電池材料にしてやるということで、バッテリー・トゥー・バッテリーということでは世界初の試みではないかなと考えております。ただし、ここでも最近外人バイヤーですとか日本のリサイクラーの買い占めがありまして、量ですとか採算性の確保が課題になっております。
 次をおめくりください。21ページ目でございます。モーター磁石のリサイクルについても取り組んでおります。まだ技術開発中でございますけれども、その絵にありますようにハイブリッドモーターの磁石を回収して、脱磁・消磁を行いまして、ネオジムなりジスプロシウムの抽出でもう一度使ってやろうということで、技術開発に取組中でございます。ただ、ここもハイブリッドユニットということで、ユニットという形で海外に大分出ているということで、量なり採算性の確保が課題だということでございます。
 22ページ以降、今後の対応と政府へのお願いということで、23ページ目でございますけれども、今後の対応の方向。そこにありますように、大きく3つの方向をと考えております。1つ目は、自動車メーカーとサプライヤーさんとの連携ということで、引き続き使用量の削減、代替技術、再資源化の技術開発を促進させていきたいと考えております。2つ目は、自動車メーカーがみずからやることということで、駆動用電池ですとか部品等の取り外し性の向上を設計に織り込んでいきたいと考えております。あわせて、情報提供も促進していきたいと思っております。3つ目は、行政、ステークホルダーとの連携ということで、経済合理性を踏まえた国内資源循環のための仕組みづくりという3つの方向というふうに考えてございます。
 最後に、これら取組に当たっての政府へのお願いということで、24ページ目でございます。まず、資源の流通実態の把握。これはまだまだ民間では把握し切れない部分がたくさんございますので、この辺の実態把握と国内資源循環の阻害要因に対する適性的な措置をお願いしたいと思っております。例えば、輸出関連ですと、バーゼル条約等の厳格運用、廃掃法の適用除外等でございます。[2]としましては、引き続き低コスト再資源化技術の開発なり普及支援をお願いしたいと思っております。
 最後に25ページでございます。都市鉱山からの資源循環の仕組み構築に向けたインフラ整備という形で、この辺についてもご支援なりをよろしくお願いしたいと思っております。
 以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

○永田小委員長
 どうもありがとうございました。
 今日ヒアリングをお願いしておりました団体のお話は以上でございます。
 それでは、ご質問、ご意見等をお受けしたいと思いますので、冒頭ご案内がございましたように、意見のある方は名札を立てていただけますでしょうか。いかがでしょうか。
 それから、大塚直委員と大橋委員は先にご退席されるということなので、まず、そこからご質問、ご意見をお受けしたいと思います。
 では、大塚直先生、どうぞ。

○大塚(直)委員
 もうちょっと意見がまとまってからのほうが本当はよかったのですけれども、ありがとうございます。
 では、今の自動車工業会さんに1つお伺いしますが、スライドの18あたりについてですけれども、資源確保のポテンシャルが当面低いということでしたが、逆にもう少し時間がたってしまって、例えば自動車関係の会社が海外に移ってしまうともっとポテンシャルが低くなるのかどうかよくわかりませんが、いつだったらやったほうがよいかというのは結構大事な問題だと思いまして、この経済合理性との関係は確かに重要だと思うのですけれども、その辺についてもう少し突っ込んでお話をいただけると大変ありがたいということがございます。
 まだ意見がまとまっておりませんので、後でもうちょっと聞かせていただくかもしれません。申しわけありません。

○加藤氏
 大塚直先生、ありがとうございます。
 まず、18ページ目でポテンシャルが低いといったのは、これは事実を申し上げているだけで、第1回目の議論でもありましたように、2025年なり2030年の総需要量に対して回収する量というのは数%ということで大分低いという事実がまずありますということ。ただし、私ども、だからやらないのではなくて、使用の合理化、技術開発、安定調達、リサイクルの推進ということで3本柱でバランスよくやっていかないといけないかなと考えております。
 ということで、いつだったらやるのかというご質問には直接答えになっていないかもしれないですけれども、私どもはそういう考えでやっていきたいと考えております。

○永田小委員長
 ほかにはいかがでしょうか。

○大塚(浩)委員
 私は、一番最初にご説明いただいた井上さんに1点お伺いしたいのですが、レアアースの中国政府との関連なのですが、中国政府が供給量あるいは価格管理をされているという実態というご説明をいただきましたが、そうした状況の中で日本においてレアアースのリサイクルを進めていくという状況は、対中国政府との関係において何か影響が出るのかということを伺いたいのです。ありていにいえば、日本はリサイクルに力を入れるのだから、ではそんなに今までほどには日本への輸出量というのは必要ないのではないかということをいわれるおそれがあるのか、中国政府がそのような態度をとるおそれがあるのかどうか。その辺の現状をちょっとお教えいただければなと思いました。

○永田小委員長
 ちょっと今日はご意見がまだ挙がっていないので、先にお答えを。すみません。

○井上委員
 お話し申し上げましたように、工程内リサイクルというのはかなり昔からやっておりますので、それを織り込んだ形での需要予測というのは中国政府はやっていると思うのです。ただ、使用済みのものはまだこれからでございますので、それに対する中国政府からのリアクションというのは今のところはございません。

○永田小委員長
 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。
 今の井上さんの資料の15ページで、リサイクルの取組課題が書かれているのですが、ちょっとわからないのですけれども、「磁石使用製品の過半数は輸出(集積量の限界)」というのはどういう意味で使われておられるのですか。

○井上委員
 これは、磁石の生産量は例えば1万トンほどありますよと。ただ、それが純粋になのか、国内の機器などに装着されて国内で使用されるのはどれぐらいかというのがはっきりわかりませんと。というのは、生産量のうちで磁石の輸出もありますし、磁石を装着した機器の輸出というのもございますので、そういうところがはっきりしないというのと、それがはっきりしないので、それではどれぐらいタイムラグの計算をして回収されるべき使用済み磁石が発生するか、得られるかというのがまだはっきりしないということなのです。

○永田小委員長
 そういう意味でこの言葉を使われていたのですね。わかりました。
 ほかにいかがでしょうか。

○渡邊リサイクル推進課長
 すみません、せっかくですので。
 井上委員からのご説明の時間の関係で、せっかく資料をご用意いただいたのに最後かなりスキップされたところがあるので、できればこの15ページも非常に大事なことが書いてあるので、もし当初ご説明される予定のことで補足があればいただければなというのが1つです。
 それから、電池工業会の中谷委員にお尋ねしたいのですけれども、資料でかなり実態を詳しくご説明いただきましたが、こういったことを踏まえてレアメタルのリサイクルに向けた課題といったところをもう少し補足していただければありがたいと存じます。

○永田小委員長
 それでは、まず、井上さんからの話の続きで、15~16ページを少し説明してもらいましょうか。

○井上委員
 レアアースというのは貴重な、また日本には資源のない元素でございますので、これは大事に使わなければいけないということで、これは有効活用するのと、できるだけ回収して循環させるべきだというのが基本として考えております。
 ただ、今回のように価格が非常に変動いたしますと、経済性というのを考えるときにはどのレベルで経済性を検討するべきかというのがはっきりしない。経済性と合理性が合う場合と合わない場合が頻々と起こるのではなかろうかというところで、それをコントロールしながら永続的にそういうリサイクルシステムを一方で構築するにはどうすればよいかというのが課題です。というのが一番のポイントなのです。

○永田小委員長
 15ページの下に、分散回収から最終処理までの流れとあって、上の文章で「共同分業性の確立が不可欠(業界、政府)」と書いてあるわけですが、この辺もちょっと説明していただけますか。

○井上委員
 これは先ほどからお話がありましたように、使用済み機器とか部品は集まる。電池とかモーターとか、そういうものはあると思うのですけれども、それが集められたその次にどのように取り外しをされて、例えば我々レアアースの場合であればレアアース製品のパーツをどう取り出すかというところがまだはっきりとしておりませんので、そういうところと情報交換をよくしていきたいというのと、そういう取り出しをやるときに取り出し業者の方はコストがかかりますよというお話もあるわけで、それが我々の受け入れられる価格レベルと乖離したときにはどうするかという問題があるので、民間だけでなく政府側ともそこについての話し合いをさせていただければありがたいということでございます。

○永田小委員長
 はい。
 何かこれに関してご質問とかご意見はありますでしょうか。これに関してというよりも、今の15~16ページあたりで何かあれば。

○中島委員
 井上さんにちょっとお聞きしたいのですが、きのうおととい、家製協さんが消磁の件でいろいろご説明されたのですが、やはり必ず消磁をしないといけないと思っているのです。そのときに、やはり小さいものとか大きいものが出てきたときに、どんな形で消磁するかという対応策みたいなものは考えておられるのでしょうか。

○井上委員
 はい。私どももその消磁及び表面を、メッキとかで表面処理をしておりますので、そういうものを取り除くことについてはどれが一番よいかという技術的な開発はやっております。

○永田小委員長
 よろしいでしょうか。井上さんの関係のところでもしお聞きになりたいという話があったら。発表ごとに分けてやったほうが今回はよいのかなという気もしているのですが。何かあればどうぞ。

○大塚(直)委員
 ちょっとまだちゃんと質問になっているかどうかわからないのですけれども、価格変動の激しい希土類に経済原則を持ち込まないというのは私も大事なところだと思っているのですが、似たようなことは例えば自動車リサイクル法を作るときにも随分議論しましたし、あのときは作るときは価格が上がっていたのですか、後で下がったりして、よかったとか悪かったとか、いろいろかなり議論して、多分経済産業省さんとかもお困りになったり喜ばれたりいろいろしたのではないかと思いますけれども、そういうことにならないように、継続監視ができるようにするのが非常に重要で、自動車リサイクル法も私は結果的によかったと思っているのですが、そうすると、ただ、この「共同分業性」とか「業界と政府が」ということで余り大々的にやるといろいろ問題がたくさん出てくるかもしれないので、ある程度のところは強制的にやっていただいて、基本的には自由にやっていただくということを例えば考えていく必要が出てくるのではないかと思うのですけれども、まだちょっと私自身のイメージがわいているわけではないのですが、どこのところを一番ポイントにして、何か義務的にやっていただくことを考えるのか、最小限ということになるのかもしれませんが、何かもしお考えでしたらちょっと教えていただけるとありがたいのですが。

○井上委員
 以前にパソコンについてのご報告がありましたけれども、レアアース磁石はパソコンのVCMというところに使われておりまして、そのときのご説明では、そういうハードディスクドライブを解体されたときにそういうボイスコイルモーターなどは今のところはスクラップとして廃棄していますというお話がありました。私どももそのような業者さんとも少しコンタクトしておりますけれども、そういう業者さんはやはりそこからまたボイスコイルモーターを取り出して、また磁石を取り出すと。そういうことになると非常にコストがかかるということで、そういうコストでやると我々としても回収しても経済的には合わないということが起こるわけですね。ですから、そこのところを、そういう業者さんたちと回収技術の改良についても話をしますけれども、そのギャップ分は何か対策をとる必要があるのではないかと思っています。

○永田小委員長
 よろしいですか。

○佐々木委員
 まとめのところの最重要課題として出されている「回収システムの早期構築」というのがございます。これは具体的に何か制度の設計というのか、こんなふうなことというイメージがあるのかどうか。それで、早期構築にはどういう課題なり問題点があるのか、その辺をちょっとお聞かせいただければと思います。

○井上委員
 今我々のところで少し考えているのは、そういう回収された磁石もしくは磁石のパーツを集積する期間が必要ではないかなと。というのは、回収される数量も、先ほどからいろいろお話がありますけれども、例えば自動車なんかでも当初は発生する量は非常に少ないが、今後は年々増えてくることもございますので、そういう形はある程度プールしておいて、処理するのに経済単位になったところでその処理を行うという、少し長い目でみた回収システムが構築されるべきではないかなと考えています。

○佐藤委員
 佐藤です。
 今の点に関してなのですけれども、プールするシステムが必要だとおっしゃるのですが、現在プールすることができないという理由があるのでしょうか。例えば倉庫業で何か規制されているとか、廃棄物処理法で規制されているということはないと思うのですが。すなわち磁石として有価性があれば、現在の法律でも倉庫を借りて保管することは法的には可能だと思うのです。そうすると、経済的な理由で、そういう保管する施設を国につくってほしいとか、保管する費用を支援してほしいということなのでしょうか。

○井上委員
 おっしゃるように、かなり長期保管してプールいたしますので、そういう資金の援助をお願いしたいということです。

○永田小委員長
 よろしいですか。

○下井委員
 下井でございます。
 先ほど大塚直委員がおっしゃった価格変動の激しい希土類の話なのですけれども、価格変動が激しいということを15ページで書かれておられますが、一方で4ページでは「基本的には、過去の低価格相場には戻らない」とおっしゃっていらっしゃるので、この場合、15ページの「価格変動が激しい」というのは、どんどん上がる、つまり上方に向かっての変動が激しいという意味で理解してよろしいのでしょうか。

○井上委員
 それにつきましては4ページ目をごらんいただければと思いますが、このグラフのように価格が非常に上がっているわけです。ただ、最近は少しまた下降しているというところでございまして、例えば2007年とかの非常に低いレベルのところには多分来ないだろうと思いますけれども、かなり下のほうへ行く可能性はあると思っております。

○下井委員
 つまり、2010年以前の状態には戻らないけれども、その上の領域でかなり上がったり下がったり変動する可能性があるという意味という理解でよろしいですか。

○井上委員
 そうでございます。

○下井委員
 では、もう1点よろしいですか。
 ちょっとこれは私が聞き逃してしまったのかもしれませんが、最後のところで「統一法整備が不可欠」であるというご指摘をされておりますけれども、この場合、「統一的な法整備」というのは多分いろいろな意味があると思うのです。製品間で統一するとか、鉱種間で統一するとか、抽象的に「統一」といってもいろいろなレベルが考えられると思うのですが、これはどういう意味で理解すればよろしいでしょうか。すみません、私が聞き逃したのかもしれませんが、ちょっと補足を。

○井上委員
 主として我々が考えていますのは、日本で発生している使用済み磁石は必ず日本で回収する方向に行きたいということで、そのためにはそういう使用済み機器で希土磁石を装着されているものが海外に輸出されないように法律で決めていただければありがたいということなのです。

○永田小委員長
 磁石使用されている製品については統一的にという言い方でいいのですか。

○井上委員
 使用済みのですね。はい。

○永田小委員長
 それでは、次に移らせていただいて。どうもありがとうございました。
 中谷さんの話について、まず、事務局からちょっと話がありましたから、その件について。

○中谷委員
 質問は、どういったことがリサイクルの課題かということだったと思います。粛々と我々はやっているような説明をさせていただきましたけれども、実際に一番最初にやり出した1973年あたりからやろうということでやったときは、カドミウムの価格はかなり相場が高くて、リサイクルが非常に簡単な方法がみつかればリサイクルしても十分ペイできる見込みがありまして、非常に安い会費でスタートすることができております。最初のころはよかったのですが、そのうちカドミウム使用量の需要が減ってきて相場がどんどん下がっていった。それから、さらにはいろいろな電池種の中でも特にリチウムイオン電池が出てきますと、いわゆる金属価値というのですか、スクラップを焼いてできてくる価値が非常に低くなってきまして、システムはつくって動いているのですが、会員さんの費用額がかなり多くなりまして、どういう価値で費用徴収したらよいのだろうということで非常に苦労しております。現在のところ、システムができ上がってやっているのですけれども、費用徴収についてはいろいろなことも考えるのですがなかなかうまくいかないということで、それぞれ会員さんから集めてはいるのですが、特に電池メーカーは非常に数が少ないのでそこへの負担が非常に大きくなってきてしまっている。当初予想していなかった、当初はそういうことでなくペイできるのではないかということで動いたのですが、いろいろな電池機種が出てくることによって経済原則から大きく外れてしまった。だけど、我々リサイクルシステムとしては運用しなければならないという形が非常にまず大きな課題でございます。
 それともう1つは、先ほどいいましたリチウムイオン電池のリサイクルというものがよい、これはという経済原則に見合うものがみつかっていないということ。これが次の大きな課題になりますので、これはいろいろなところが検討されていますということをいってもらっていますように、我々もいろいろ探しているのですが、非常に経済原則に合ったものがなければ、ではその費用徴収もどうするのだということがもっと大きくなってきてしまうということで、JBRCが運用しながらそこの点は非常に、これはほかのリサイクルをやられている団体さんも同じ悩みではないかと思います。そういうところが大きな課題でございます。

○永田小委員長
 関連の話で何かご質問があれば。

○中島委員
 ちょっと質問なのですが、これから小型家電リサイクル法等が動き出したときに、デジタルカメラの電池とか、ああいう電池類の回収量がかなり増えてくると思うのです。そのときに今のシステムで耐えられるかどうかというのをお聞きしておきたいなと思っているのですが。

○中谷委員
 我々は逆にいえば、非常に効率が悪いのですが、市中から出ているものを集めるということで3万点のほうを集めておりますが、逆に回収する部分がフリクトすることになるわけです。ですから、例えば我々も市中で回収しているのをやめてしまおうという話も考えられます。そのようにして回収するところを統一していけば若干はましになると思いますが、ただ、先ほどからいっていますようにリチウムイオンは集まっても回収した金属価値というものがありませんので、ここのところは非常に苦労するだろうなと思います。

○永田小委員長
 ほかにいかがでしょうか。

○中杉委員
 ちょっと今までのお話とは毛色が違ったご質問をさせていただきますけれども、ニカド電池を初めにやられたときにカドミウムが有害物質ということで、それに対して何かしなければいけないということが動機の1つであるとおっしゃいましたけれども、今のお話ではカドミウムが資源としてもということで、両方の側面があったかと思うのですが、それでは環境影響という意味ではどの程度に評価されているのか。実際にはカドミウムの基準が今度厳しくなって、結果として回収したことが非常によかった。非常に厳しくなった今になってみるとよかったということが現実問題としてあるのですが、そこら辺はどのようにお考えでしょうか。

○中谷委員 
 昔のことですので正確なところはわかりませんが、私が入社したときはちょうど73年で同じ年なのですけれども、そのときの感覚はどちらかというと、もちろんもったいないというほうが。というのは、そのとき、カドミウムの有害性どうのこうのという議論はそんなに強くなかったのです。ですから、後からつけて防災機器という話になったのですが、どちらかというとリサイクルしたほうが本当に資源を有効に使えるなという感覚でスタートした面が強かったのではないかと。すみません、それが正式にどこかに書かれているというのではなく、最初に携わった者はそのように考えております。

○永田小委員長 
 よろしいでしょうか。
 資料の中では個数で書かれたものとトン数で書かれたものとが混在していてちょっとわかりづらいのですが、この辺のところはそちらのホームページとかいろいろみていけば、どちらかに統一した資料として展開できるようなものになりますか。

○中谷委員 
 リサイクルにつきましてはトン数でしかなくて、生産量等につきましては個数でしかございません。個数もしくは金額ですね。

○永田小委員長 
 ちょっと何か、その辺のところをうまくドッキングさせてもらうとありがたいなと思って。
 それから、もう1つ、輸入品がどんどん増えてきているという話になっていますが、その輸入に対応している企業なり、あるいは海外メーカーなりというのは業界としてどういう扱いで考えていくことになるのか。

○中谷委員 
 リサイクルのほうのJBRCは、輸入業者、海外メーカーと、日本へ持ち込んだ場合には全部会員になってもらっております。

○永田小委員長 
 そうですか。 286法人中13社が電池メーカーで、あと残りが全部、そういう意味ではメーカーという話だったですね。そうすると、かなりの数が海外メーカーだと。

○中谷委員 
 海外の製造メーカーというよりは、輸入業者ということでかなり入ってもらっております。

○永田小委員長 
 そうですか。では、それは対応済みと考えてよろしいですね。

○中谷委員 
 はい。

○永田小委員長 
 わかりました。
 よろしいでしょうか。何かありますか。
 それでは、よろしければ中谷さんの話についてはここで終了させていただいて、順序からすると次が中島さんでしたか。中島さんに対して何かご質問等がありましたら。
 中島さんの話の最後に、いろいろなところで中島さんの関連する業界の方々も盛んに乗り出してきて、数も増えてきましたと。いずれうまくやっていけば経済的にきちんと成立するようなシステムになりますというお話でしたが、その辺の見込みというのが。何か定量化したものとか、あるいは推定したものとか。環境省でもいろいろやったものがあるのでしょうけれども、業界の中で何かそういう資料をおまとめになったものはあるのでしょうか。

○中島委員 
 業界ではありません。というのは、現状はもうからないのをわかっていながら自分たちの新しい事業として何か取り組んでいきたいという感覚でやっている業者がほとんどでして、本当に動いて物流を確保してというのはこれからの分析だろうと思っています。リーテムはもう3年前から環境省さんと一緒に小型家電の回収等々をやっているので、その中で含有量の分析とか何かはかなり進んできております。ただ、やるたびに分析値が違ったりということもあるので、もう少し分析をして、数字的にどれだけ集まったら回るかというのを計算してみたいと思っているところです。今のところはそういう段階です。

○永田小委員長 
 ほかに、皆さんからご質問はありませんか。

○佐々木委員 
 1点だけなのですが、数自治体が取組を開始しているという2ポツのところに関連してですが、いわゆる自治体と連携をしていくための事業者さんからみる課題とか要望というのは何なのでしょうか。

○中島委員 
 自治体さんによってやはりかなり温度差があって、あとは担当者の温度差もあるのです。やはり担当者がきちんと積極的に取り組んでくれる自治体さんは割と選別がうまくいってきちんとやってくれるのですが、そういうところではなくても、あとは場所的な問題もあって、ためておくから入札でもっていけとか、そういうところになると競争原理の中でやらざるを得ないので、そうするとどうしても最終的には海外流出までいってしまうところもあるのです。その辺でちょっと、今やっている環境省さんとの小型家電の取組がきちんと回ってくれば、自治体さんももう少し意識が変わってくるだろうということを期待はしています。そういうことで、我々が営業に行っても先進的にやろうという自治体さんがかなり増えてきていることは確かです。ただ、予算の問題とか、新しい回収システムを作るとなると議会の承認が要るとか、あとはシステムを作るための費用がかかるとかいうことでなかなか進まないところもあるのですが、できるところからやっていこうというのが現状だろうと思っています。

○永田小委員長 
 ほかにいかがでしょうか。

○佐藤委員 
 自治体との共同の取組方法なのですけれども、自治体から一般廃棄物の委託を受けるという契約になっているのでしょうか。

○中島委員 
 両方あります。委託で処理を受けているケースと、無理矢理有価物にして回収することをやっています。というのは、一般廃棄物の法律があって、広域の移動とか、あの辺の面倒くさい許可がとれないこともあって、そうするとやはり有価物にしてしまったほうが楽に回るということで、有価物で取り扱えるものを積極的に今は展開しているのが現状です。

○佐藤委員 
 なるほど。そうすると、一般廃棄物の委託というケースは余りとらないという。

○中島委員 
 とっているケースもあります。両方ありますけれども、少ないです。

○佐藤委員 
 確かに有価物で回収するのは法的には楽ではありますけれども、広く展開するにはやはり価格的に難しい場合があると思うのです。そこで、廃棄物として委託するというルートをとった場合に、中間処理をする段階で一廃と産廃を一緒に処理してもよいか、処理後物は中間処理業者が排出者として責任をとるかなどの点が課題になります。この点は、どうなのでしょうか。

○中島委員 
 現状も一廃と産廃とを合わせて処理してはいけないということをいわれていまして、一般廃棄物と産業廃棄物の置き場を別にしています。本来小型家電とか電子機器みたいなものは量的に少ないので、やはり合わせて処理をさせてくれるほうが効率的だろうと思っています。ですから、その辺の法整備もぜひしていただきたいと、逆にお願いをしたいところです。

○佐藤委員 
 一般廃棄物と産業廃棄物を合わせて処理してはいけないという規定はないと思うのですけれども、自治体の指導がどうしてもそのようになっているのではないかなと私は感じております。行政指導が硬直に運用され過ぎているのではないかと感じています。

○中島委員
 置き場の管理というか、置き場は別にしなさいということは明確にいわれています。

○永田小委員長 
 あとほかにはいかがでしょうか。
 最後にまとめてまた全体でのご質問を受けたいと思いますので、それでは一旦中島さんに対する質問は切らせていただいて、次が日本鉱業協会の星さんに対しての話です。いかがでしょうか。資料6の関係です。
 11ページあたりでしょうか、進める上での課題とか問題点の中で、受け入れ基準みたいなものを定めていたり、それをちゃんと公開しているところはどのくらいあるのですか。情報共有の中でそういう要求が前から出てきて、そういう意味ではその辺の話がここでは余りはっきり書いてはいないのですが、そちら側として現実には。ここに取組状況ということで丸をつけたりいろいろされているわけですから、それに対応するものとしては存在するのかなという気がしましたので、その辺のところを。

○星委員 
 基本的には各社のホームページとかにも、どういったものを扱っているとか、どういった資格があってこういったものを取り扱っていますよということは開示されております。

○永田小委員長 
 それは例えば、濃度レベルとかは余りはっきりしたことは書いてないですか。

○星委員 
 はい。そこまでは。

○永田小委員長 
 これぐらいのものだったらもってきてもいいよとか、こういうものが入っていたらまずいよとかというのはよくありますよね。

○星委員 
 そうですね。ちょっと詳細までは把握していませんが。

○永田小委員長 
 もしできましたらそういうものも整理していただけるとありがたいなと思います。

○星委員  はい。

○永田小委員長 
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、一旦置かせていただいて、最後が自工会の加藤さんのお話ですけれども、これについては先ほども少し質問があったのですが、加えて何かご質問等があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○佐藤委員 
 自動車工業会のご説明に関して質問いたします。21ページでユニット中古品として海外に輸出されているというご説明があったのですけれども、これは自動車リサイクル法に一回乗った上で、その中の一部が輸出されているということなのか、それとも自動車リサイクル法に乗らないで輸出されているということなのか、どちらなのでしょうか。

○加藤氏 
 基本的にはユーザーの方から引き取り事業者経由で解体事業者に引き渡されると。これが自動車リサイクル法のスキームに乗ったと考えますと、基本的には解体事業者の方は業の許可をもっておりますので、基本的には許可をもった方が部品を輸出している。したがいまして、自動車リサイクル法に則った形で輸出されているのではないかと考えております。

○佐藤委員 
 わかりました。

○永田小委員長 
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、全体で何かご意見、ご質問等がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○大塚(直)委員 
 余り大したことでなくてすみませんが、日本鉱業協会さんもやはり最後に課題というのを書いていただいているのですけれども、小型家電に限らず、広くレアメタルのリサイクルを進めていく上でこういうことが大事なことだと思っているのですが、先ほど来の議論と関連しますけれども、経済原則だけでは回収が困難ということが恐らくあるのだろうと思いますが、生産者にはレアメタルを含む部品に着色するとか、あるいは情報開示とか、いろいろな話がほかにもございましたが、特に回収コストが見合わないときの困難のために何か方策をお考えになっていることがあればちょっと教えていただきたいと思います。

○星委員 
 基本的にやはり量を集めることが重要ではないかなと考えておりまして、そのために一定量集荷する仕組みが要るのではないかと。余り具体的にはまだ詳細は検討しておりませんけれども、基本的なところではそういった方策が必要ではないかと考えています。

○大塚(直)委員 
 何か最小限のところで義務化するとかいうことですか。何でしょうね。あるいは、コストの負担に関して補助してほしいとかという話なのでしょうか。

○星委員
   確かにアイデアとしては、1つの意見としてはレアメタルを含む部品を中間産物として保管して、供給不足や経済性に応じてメタル化していくような仕組みですとか、場合によっては国が買い取って先物ヘッジをしたらという、これはあくまでジャストアイデアですけれども、そういった意見も中にはございます。

○永田小委員長 
 よろしいでしょうか。

○中島委員 
 自動車工業会さんにちょっとお願いというか、お聞きしたいことがあって、今、自動車リサイクル法の中で回収されているのはエアバッグとフロンだけですよね。これからハイブリッド車とかあの辺が出てきたときにいろいろ対応しなければいけないと思っているのですけれども、その辺の対応はどう考えているのかということと、あと、既存の自動車でもやはり基板等々はいっぱい使われているので、この辺を何とかうまく回収できるシステムができたらいいなと思っているのですが、その辺をちょっとお聞きしたいなと思っています。

○加藤氏 
 今、自動車メーカーはユーザーの方にリサイクル料金をご負担していただいて、ASRとフロンとエアバッグを我々は回収して再資源化しているわけですけれども、ちょっとすみません、1点目の質問がよくわからなかったのですが。

○中島委員 
 これからハイブリッド車とかあの辺が廃車として出てくると思うのです。その辺は法律がないから外さないということではなくて、何か外すシステムを考えておられるのかどうかなと思っているのですが。

○加藤氏 
 外すシステム……。まず、ご存じかもしれませんけれども、今リチウムイオン電池やニッケル水素電池ですが、8月の自動車リサイクル関係の合同審議会でいろいろご議論いただいて、事前回収物品化というのですか、解体事業者の方にそれを取り外していただいて適性に処理するなり再資源化するという1つの枠組みを今議論させていただいていまして、現在たしかパブリックコメントに付されているかと思います。自動車メーカーはそれに基づいて、これは各社単位の対応でございますけれども、回収システムづくりを今やっているところでございます。
 それから、これは中島さんもよくご存じだとは思いますけれども、自動車と家電を比べるというのは、家電がよい悪いではなくて、自動車というのは現在有価で取引されていまして、自動車メーカーは3品目を引き取る義務があって、例えばモーター類で使われているネオジですとかモーター類を我々が回収しようとしても、いわゆる解体事業者の方から買い取らないといけない。そこが大きな点で、特に海外にいろいろ部品輸出されていますけれども、資源価値の数倍の値段で出ているということで、買い取りということでは非常に厳しい状況にあるということはご理解いただきたいと思います。

○永田小委員長
   よろしいですか。

○大塚(直)委員 
 今のパブコメのことでもう少し詳しく教えていただけるとありがたいのですけれども、合同部会にも出ていたので申しわけないのですが、結局これは事前回収物品化するときに何か問題点や負担がある方々からの反対とかはなかったということでよろしいのですか。これはどういうことになっていたか、ちょっと教えていただきたいのですけれども。

○加藤氏   大塚直先生も自動車リサイクルの委員でご議論させていただいたので私からなかなか申し上げにくいのですけれども、特段そういう議論はなかったと考えております。

○大塚(直)委員 
 まさに今パブリックコメントをやっていて、たしか24日でしたか、出たと思いますので、自動車課さんが今いらっしゃいますので、何かありましたら。

○波留自動車リサイクル室長 
 後ろの席から失礼します。自動車リサイクル室の波留でございます。
 ただいまパブコメをかけておるものにつきましては、関係業界との調整を行った上で流しており、その中では特に大きな反対は出ておりません。ある意味破砕前の段階でそれが回収できるような形で、事前回収物品ということで省令改正を行うパブコメを今出させていただいております。今月の28日までご意見を伺う形になっているところでございます。

○佐藤委員 
 日本鉱業協会に伺いたいのですけれども、海外のバイヤーが資源化価値の数倍で買い取っているという。つまり日本全体が買い負けている。これだけの円高にもかかわらず、なぜ海外のバイヤーが高値で購入をするのか、経済原則に合わない購入をしているかというのは、それは将来上がるからという投機的な動きなのですか。それとも、それがずっと継続するのでしょうか。

○星委員 
 当業界の実績としては数倍ではなく、何割か高値で買い取られることがあります。特定の部品といいますか、ものに関しては、やはり回収コスト、特に労務費がその国で安くできるから高く買っているケースもあります。日本よりも安くできていると。

○永田小委員長
   よろしいですか。
 それでは、そろそろ終わりにしたいので、もし意見がある方は今のうちに立てておいていただけませんか。それでは、どうぞ。

○下井委員 
 すみません、わざわさご指名いただきまして述べるほどのことでもないかもしれませんが、全体的に法改正の要望というのが共通してみられたかと思うのですが、では具体的にということになると、日本鉱業協会さんの資料11ページの下で「広域回収と保管期間の規制緩和」ということが述べられておりますけれども、これはほかの団体の方も内容的に同じようなことという理解でよろしいでしょうか。
 もう1つは、「広域回収と保管期間の規制緩和」というのは、安定的に量を確保するためにこういう規制緩和をしてほしいという要望だという理解でよろしいでしょうか。
 それだけお願いします。

○永田小委員長 
 何かこれについて、前回環境省から今考えられているシステムの話が出てきて、その中にもこれは挙げられていた話ですよね。その辺のところも含めてのことなので。今それを書かれたところ以外のところでは、新金属協会とかはその辺の話に関して何かご意見ありますか。

○井上委員 
 いや、我々は全く同じようなことですから。

○永田小委員長 
 そうですか。

○下井委員 
 今の理解でよろしいか、それと違うという意見があったら、それだけいっていただければ。

○永田小委員長 
 わかった。そうしましょう。

○星委員 
 全くおっしゃられているとおりでございます。安定的に量を確保するためです。

○永田小委員長 
 余り関係ないと思っている方もおられるかもしれないけれども、何かありますか。いいですか。それでは、そういうことでよろしいでしょうか。
 それでは、この辺でヒアリングは終わりにさせていただきまして、最後に事務局から今後のスケジュール等について説明していただきます。どうぞ。

○渡邊リサイクル推進課長 
 それでは、今後のスケジュールですけれども、資料8をごらんください。
 次回は12月19日、2時から4時。場所は、再び前回までのところですが、全国町村議員会館において開催いたします。これまでの議論を踏まえた中間的な論点の整理を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。

○永田小委員長 
 よろしいでしょうか。日程に入れていただければ。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日は貴重なご発表をいただきまして、また、それに対してご意見もちょうだいしました。長時間にわたり、どうもありがとうございました。また次回よろしくお願いいたします。