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■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会、
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会
容器包装リサイクルWGプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会
合同会合作業チーム(第3回)議事録


開会

○横山課長 定刻になりましたので、ただいまから「中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会」及び「産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会」の合同会合作業チーム第3回を開催させていただきたいと思います。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。
 合同会合につきましては、事務局は持ち回りとさせていただいておりまして、本日の事務局は経産省が担当させていただいております。

資料確認及び議事録公開について

○横山課長 まず初めに、お手元の配付資料を御確認いただきたいと思います。資料一覧をお配りしておりますので、それと照合いただければというふうに思います。過不足等ございましたら、事務局までお申しつけをいただきたいと思います。
 また、本合同会合作業チームの資料につきましては、原則としてすべて公開とさせていただいております。また、会合終了後に、発言者名を示した会議録を作成し、各委員に御確認をいただいた上で、御了解をいただき、公開をすることとしております。

出席状況

○横山課長 続きまして、本日の合同会合の出席状況でございますが、委員6名の方のうち5名に御出席をいただき、石川委員のみ本日は御欠席ということでございます。なお、崎田委員は遅れていらっしゃるという御連絡をいただいております。
 また、御発言の方法については、ネームプレートをお立ていただきますと、座長から順次、指名がございますので、その際に正面のマイクロフォンのボタンを押していただきますと、オレンジのランプが点灯いたしますので、それに従って順次御発言いただければと思います。
 それでは、これ以降の議事進行を森口主査にお願いをしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

議事紹介

○森口主査 皆さんおはようございます。本日は、お手元の議事次第にもございますように、ケミカルリサイクル手法による再商品化事業者及び特定事業者の方々からヒアリングと意見交換をさせていただく予定です。
 ヒアリング事項は、資料2についておりますけれども、前回も配付しておりますので、説明は省略をさせていただきたいと思います。

議題(1) 再商品化事業者(ケミカルリサイクル)及び特定事業者へのヒアリング及び意見交換

○森口主査 それでは早速ですけれども、ヒアリングに移ります。
 本日の段取りですけれども、今申し上げましたように、本日のヒアリング対象者は、ケミカルリサイクルによる再商品化事業者及び特定事業者の方々でございます。二つに分けさせていただきまして、まずはケミカルリサイクルによる再商品化事業者、4事業者から一通りの御説明をいただき、その後、意見交換を行います。その後、特定事業者からの御説明、意見交換ということで、2ブロックに分けて進めさせていただきます。
 前回同様、各説明者からの御説明は5分以内厳守でお願いいたします。終了1分前にベルを鳴らさせていただきますので、1分間で御説明を終えていただくようにお願いいたします。
 今回は、ヒアリングだけで、他には特段の議事は予定しておりませんけれども、終了は12時を予定しておりますので、事業者の皆様方、また委員の皆様におかれましては、円滑な進行に御協力くださいますように、よろしくお願いいたします。
 それでは、まずケミカルリサイクルによる再商品化事業者の方々から、資料3から6に基づき、ヒアリングを行いたいと思います。ネームプレートは「説明員」となっておりますけれども、いずれもマテリアル・ケミカルの再商品化の合同会合の委員でいらっしゃいますので、「委員」と呼ばせていただきます。

札幌プラスチックリサイクル(株)

○森口主査 では、まず最初に伊藤委員から、資料3「札幌プラスチックリサイクル(株)資料」に基づき、御説明をお願いいたします。

○伊藤説明員 一番手を務めさせていただきます、札幌プラスチックリサイクルの伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料3の1番からですけれども、私どもは、油にするということを「油化」という言い方をしております。1ページと2ページ目が概観でございまして、これは札幌市のリサイクル団地に入っておりまして、メインの施設、装置ということでございます。
 3ページ目、油化の再商品化技術ということで、5項目並べでおります。
 4ページ、ここでもともと容器包装リサイクル法の「その他プラスチック」というのが始まるに当たっては、素性とか形状、これが雑多なものですから、マテリアルリサイクルとして、PETボトルとか、あるいは瓶とか、そういった類のような回収はできないということが念頭にあって、プラスチックですから、もとの素材である油にいこうとする前になくなってしまうだろうということで当初は動いていただろうというふうに思います。それがマテリアル優先という流れの中で、私どもは優先されていないリサイクルになっておるわけです。
 私どもの油化の特徴は、油になりにくいプラスチックも処理するということで、塩化ビニールとかPET、これはどうしても分別できない、必ず入るということがあって、そのための設備ということで、これができております。その設備のウェートが結構高いということがございます。
 それから、住民、あるいは自治体のほうで選別を厳密に行わなくていい。これが油化のメリットということでございます。
 5ページ目にまいりまして、SPR油化プロセス。これは左側のほうに前処理関係があります。これはペレットをつくるというところまであるんですけれども、それはよそ様もほとんど同じなものですから、後半の「油にする」という工程だけを拡大してございます。脱塩工程というのも、これも塩ビが入る以上、相当なウェートを負うということでございます。
 リサイクル品は炭化水素油、いわゆる普通の油ということでございますね。これを私どもとしては軽・中・重というふうに三つに分けて取り出しているということでございます。
 6ページは、これを文字にしたということでございまして、このような形になっております。
 それから出てくる再商品化製品、これが炭化水素油。これを、このガラス瓶ように3種類。軽質油というのはナフサ相当、中質油がA重油相当、重質油はC重油相当ということで、三つに分けて、これを販売しております。
 おまけに出てくるパウダー、残渣ですね。これはこれで燃焼助燃材ということで出ております。
 それから、私ども10年たちまして、今年度、初めて工場が計画並みに動くということになりましたものですから、これをどういうふうな具合に出るのかということをまとめてみました。
 ほぼ1万4,000トンのプラスチックを受け入れまして、このように青っぽいところが油系でございます。これでいくと53%程度が油になるということでございます。実際には前処理の異物とか、それから水分、いわゆるもともとプラスチックではないものも10%ぐらいあるわけですから、それを除きますと、ほぼ60%ぐらいが油になるという実績が出ております。
 9ページは、こういうものですから、多くのお客様に来ていただきまして、10年で約2万人の人を受け入れております。
 それから御質問に絡みまして、カスケードリサイクル、11ページです。他工程利用のプラスチック、これは昨年度、札幌市の関係でいろいろ実験しまして、マテリアルグループからくる残渣を受け入れてやることができるということでやりました。40%ぐらいやれば問題なくできるということですけれども、それ以上やると、余りプラントによくないというのが結果でございます。
 それから、これに絡めては、処理費用が産廃並みということであれば、これは理不尽であるということを一つ申し上げたいと思います。
 それから12ページ目、油化が目指す資源循環型社会。この循環型社会はパスしまして、最後のところを申し上げます。
 14ページでございます。LCA的にどうかということはあるんですが、これはどこから集めても安ければいいのかというふうには、私どもはちょっと考えは否定的でございまして、それなりの距離で処理するべきじゃないかというのが一つ。
 それからもう一つは、ここにケミカルグループということで集まっておるんですけれども、油化と高炉・コークス炉のほうは構造的に違います。コークス炉・高炉、こちらはペレットをつくるまでが基本的な構造ですね。その先というのは、その炉に投入するということで、私どもはそこから油をつくるという大問題があります。
 ですから、コスト構造的にはまるで違うものであるということで、もし多様な手法を維持するということと、マテリアルグループが優先的取扱いが維持されるのであれば、私どもも優先扱いをしていただきたいということが要望でございます。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございました。大変短い時間で恐縮でございますけれども、なるべく公平に進行したいと思いますので、5分をなるべく厳守ということでお願いしたいと存じます。

昭和電工(株)

○森口主査 続きまして、今泉委員から資料4の「昭和電工(株)資料」に基づき、御説明をお願いいたします。

○今泉説明員 昭和電工の今泉でございます。よろしくお願いいたします。
 本日、私どもの処理手法の内容と、御質問に対する説明、それから幾つかお願いをさせていただきたいんですが、まず1ページ目です。「処理より再生、再生より製造」というのは、廃棄物をそのまま廃棄するのをやめまして、利用価値のないものを価値のあるものにかえていく、そして新品同様のもの、そのものではなくて、同様ということでなくて、全く新しいものに生まれ変わらせる、そんなことで私どもは考えております。
 2ページ目でございます。製造の流れがこちらに書いてございます。まず私どもの処理方法ですけれども、従来、石油系の資源から水素と炭素を得ることで、アンモニアと、それと液化炭酸ガスを製造しておりました。使用済みプラスチックを原料として利用することで、赤い矢印の部分、これがなくなりまして、原料や燃料としての石油系資源を大幅に削減することができたというわけです。
 3ページ目になります。プラスチックの主な構成成分であります水素と炭素、水素からアンモニアを合成しまして、そのアンモニアはストッキングなどに使われますナイロンですとか、マフラーや帽子とかのアクリル、台所の汚れ落としになるようなメラミン樹脂、このように様々な製品の原料となるわけですけれども、それ以外にも大気汚染物質の窒素酸化物を除去するような薬剤、こんなことをして幅広く利用されているというわけです。
 一方の炭素のほうですけれども、こちらのほうも液化炭酸ガスとしまして、炭酸飲料ですとか、溶接などに用いる工業用ガス、またドライアイスとして、すべて利用している、こんなことをしているわけでございます。
 異物として混入している金属類も、電炉での回収ということで、再資源化を委託しておりまして、スラグなどは道路の補修材とか路盤材、こんなものに利用されております。
 さらに、ガス洗浄によって、ガス中に含まれます塩とか、みそとか、しょうゆ、付着物ですね。それ以外にも塩化ビニールなどから取り出します塩素分、こんなものを私どもは塩の電気分解事業をやっておりますので、そちらの原料としまして、水道の殺菌剤の塩素ですとか、洗剤に含まれます苛性ソーダとか、それからゴムなんかに入っています硫黄、こんなものを漂白剤や何かの原料として有効に利用することができるようになっているわけです。
 ほかと同じ重量ベースでの収率を考えますと、90%を超えている、こんな実績になっております。このように家庭から排出されます使用済みプラスチックのすべてを、物としてリサイクルする。ゼロエミッション型のリサイクルの実現をしているということでございます。
 再商品化の流れといたしましては、大きく分けますと、破砕工程とガス化工程との二つに分かれるわけですけれども、まず前工程で、ガス化炉に投入しやすくするために、プラスチックを減容成形化いたします。その後、低音と高温の2段階のガス化炉に投入いたしまして、プラスチックの反応熱を利用いたしまして、熱分解でガス化、それからダイオキシンの分解、こんなことをいたします。ガス洗浄設備、CO転化設備、それから脱硝設備、こんなものでアンモニア製造設備のほうの原料として供給するわけでございます。
 厳密にいいますと、再商品化はガス化した時点までですけれども、コストの範囲としましては、この表の再商品化工程、この範囲にわたるわけでございます。
 4ページ目です。今、お話しさせていただいたように、ガス化手法、今の油化さんもそうですけれども、他の手法と違いまして、ペレタイズした段階で再商品化したものとはみなされておりません。他の手法を比べますと、同じベースで競争ということに関しては、ちょっと矛盾があると私どもも思っております。
 5ページ目です。次にベールの品質についてですが、ベールは現在の状態であれば、特に改善する必要は全くございません。もちろんプラスチックのたぐいが多いほうが望ましいわけですけれども、多少の汚れや異物、こんなものは全く問題なく処理される、こんなことでございます。
 しかし、家庭から出たものですから、写真にありますように金属類、こんなものが入っているとちょっと困るということになります。
 6ページ目です。次に他工程利用のプラスチックですけれども、容器包装プラスチックと同様に、分別適合物化してあるプラスチックであれば、現在の設備で全く問題なく処理することができます。
 しかしながら、私どもに必要なのは水素と炭素ですので、異物の混入、こんなものが多いというのは、実際利用する側としますと、こういったものは望んでおりません。逆に想定されます塩素分の浄化処理ということで、修繕費が増えたり、ガス化炉の寿命を短くする、こんなことから当然、経費もかかってきます。
 最も重要なことは、材料リサイクルからスタートしてカスケードする必要性や、その意義については、私どもとしますと不明確であり、最初からケミカル手法でリサイクルするとカスケードなんて全く必要のないものと、こんなものを考えております。
 時間になりましたけれども、最後、ちょっとお願いしたいことがございます。15ページから幾つか書いてございますが、題だけ読ませていただきます。材料リサイクルに対する優先制度の即時撤廃、それから制度の組みかえですね。評価基準の適正化。複数回による多年度のこういった契約。それから自治体のリサイクル手法の選択希望の反映。容器包装以外のプラスチックの取り扱いの変更。こんなことをさせていただければと思ってございます。
 現在では、ケミカルとマテリアルが、どうも今の状況からしますと、マテリアルリサイクルに対して、相当、私どもの手法が劣悪なようなイメージが非常に強い、こんなことを思っておりますので、この審議会でぜひ十分な御審議をいただきまして、私どもの手法にとって大幅な改善がなされることをぜひ期待したいと思います。
 御清聴ありがとうございました。

○森口主査 ありがとうございました。

新日本製鐵(株)

○森口主査 続きまして、3番目の御説明になりますけれども、資料5「新日本製鐵(株)資料」に基づき、占部委員から御説明をお願いいたします。

○占部説明員 新日鐵の占部です。資料に従いまして、御説明申し上げます。
 資料のスライドの2ページ目をごらんください。コークス炉法の他工程プラの発生量がどれぐらいかということで資料をまとめております。
 コークス炉法の場合、他工程プラの発生量はほとんど出ませんで、そこに書いていますように、破砕、異物選別、二次破砕、造粒という工程で、この造粒物をコークス炉へ入れるわけですけれども、異物選別のところで異物が1~2%ぐらい出ます。このときに伴連れでプラスチックも幾つか付随して除去されますけれども、利用可能なものはまた再投入いたします。あと水分の工程ロスが10%弱あります。ほとんど水分なんですけれども、水分と異物だけが収率落ちになりまして、90%分はそのまま再利用されるということです。
 それから3ページ目の再商品化工程中の環境負荷等の低減につきましては、プラ残渣の発生抑制とか、[4]に書いていますように、湿式分離しませんので、排水設備等の排水が出ませんので、環境負荷は小さいと思っております。
 それから、4ページ目のベール品質等の改善についてですけれども、まず現状の容器包装のプラスチックの組成で特に問題ございません。品質についても特に問題ないと思っております。
 それから前回、マテリアルリサイクル業者さんのヒアリングのときに出ました複合組成材でございますが、複合組成になっているという理由が、もともとリデュースのために開発された製品だということで、これは当然、問題なく受け入れられるということでございます。
 リデュース、リユース、リサイクルという順位がついていると思いますけれども、やはりリデュースが優先されて、それをきちんとリサイクルできるということが大事ではないかと思います。リサイクルのためにリデュースのほうが阻害されてはいけないと思っております。
 それからベールの品質も、今のままでよいと思っております。過度の品質高度化は疑問ではないかと思っていまして、あまり住民の方にいろいろ細かな選別をしてもらうというのは、リサイクル離れにつながるのではないかと思っております。
 それから容リ以外の製品プラスチックにつきましても、本方式ですと利用可能でございます。後ほど要望のところでもまとめておりますけれども、製品プラスチックもリサイクルできるように考えていただければと思います。
 それから1点、禁忌品とか危険物ですね。電池とかライターですけれども、こういうものだけの除去の徹底をお願いしたいということでございます。
 それから5ページ目、6ページ目のところで、カスケードのことをまとめております。5ページ目のほうで、カスケードリサイクルで左上、現状でケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルは、それぞれ単独でやっておるわけでございます。
 カスケードにして、マテリアルリサイクルした後にケミカルリサイクルするということをやりますと、前回のヒアリングのときに、いかにも同じようなプラスチックが来るような表現になっていますけれども、容リプラと全然違うものが他工程利用プラで来るということです。これは容リプラではない廃プラスチックだと思っていますけれども、PP、PE、PSの比率が下がって塩ビの濃度が濃縮されています。それから比重選別されているので、水分が非常に高くなっていますので、とてもこういうものは使えないというプラスチックになります。それから2段階にすることでロスも出ますので、問題ではないかと思っています。
 それから、右にありますように、新たな工程が加わりますので、社会的コストも増加するということも問題と思っています。
 それから6ページのところにありますように、カスケードする意味合いが合理的に説明できないと思っています。グラフが三つありますが、再商品化の量につきまして、全量ケミカルにすると再商品化量がふえます。それからCO2削減量も改善されます。それから受託金額についても下がります。こういうことからいって、どうしてマテリアルリサイクルに入れて、ケミカルがその後になるのかということが合理的に説明できないと思っております。
 それから最後、7ページ目で要望ですけれども、国への要望につきましては、材料リサイクル優先入札制度の大幅見直しが必要ではないかと思っています。今言いましたように、経済性等を考えて、ぜひ見直していただきたいということです。
 それから2番目に、「共創」という概念が、この審議会でたびたび出てきますけれども、それにつきましては、全体の廃プラ集荷量を増やすことが大事ではないかと思っていまして、自治体の参画率を上げるとか、製品プラスチックを容リルートを活用して集めるとか、こういうことが必要ではないかと思っています。
 それから3番目に、容リ法というのは各主体の役割分担で成立していますので、やはり自治体の意見反映ですね。こういうところも配慮されるべきではないかというふうに思っております。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございました。

JFKスチール(株)

○森口主査 それでは続きまして、資料6「JFEスチール(株)資料」に基づき、大垣委員から御説明をお願いいたします。

○大垣説明員 高炉法につきまして、御説明させていただきます。
 もう何回も御説明しているのですけれども、まず鉄鉱石というのは、鉄に酸素がくっついている。それを高炉というもので鉄に変換するわけなのですけれども、そのときにはコークスというもので酸素を還元する必要がある。そのコークスのかわりになるのがプラスチックの炭素と水素ですということで、次のページに移っていただきますと、「鉄鉱石から鉄鋼製品を製造するため、余分な酸素を引き離す化学反応の原材料として利用する」というのが高炉法でございます。これは循環基本法に規定しております基本原則第2順位の再生利用に相当します。
 「化学反応」というのが下のほうに書いてありますが、要は、鉄鉱石は高温にして溶かしただけでは鉄にならないわけです。どうしても鉄に変えるためには炭素、あるいは水素という還元剤が必要になる。これがセメントとか石灰のキルンと比較しますと、キルンの場合は高温にして熱をかければ製品の石灰石なりセメントができるということで、高炉法と大きな違いがここにあると思います。
 それから、ここで使う石炭ですけれども、いわゆる原料炭と言われておりますが、右上にありますように、石炭の11%しか存在しません。また下のグラフを見ていただきますと、2008年には価格が高騰いたしまして、原料炭と一般炭の比較ですが、一般炭というのは燃料用に用いられる石炭ですが、それに対して3倍ぐらいの価格になっております。このように希少価値のある資源を代替するというのが高炉法でございます。
 次に他工程プラの発生状況でございますけれども、どうしても製品の品質を確保するため、11%程度の他工程利用プラが出てきますが、これはやはり同じように鉄鋼原料であります生石灰をつくるための石灰石焼成炉などの燃料としての利用を進めております。弊社のグループの中でも、平成8年10月から石灰キルンで燃料利用、あるいは本年の3月から、その利用の拡大を図っております。
 それから可燃性残渣と呼ばれるものが、やはり9%程度ございますけれども、これは焼却、エネルギー回収、あるいは発電付きのもので焼却を行っております。
 さらに、再商品化工程の中で5%程度の水分が出るというような状況になっております。
 それから、工程による環境負荷でございます。乾燥機を用いておりますが、これは低Noxバーナーを使用したり、あるいは排水については循環利用を繰り返し、最終的には焼却処理をして、公共水域への環境負荷を抑えております。
 それからコストですけれども、操業改善だとか補修費の削減等、それから先ほど御説明しました他工程利用プラの有効活用などでコスト削減をしておりますけれども、ベール価格のこのごろの低下傾向から、事業性は非常に厳しくなっております。
 次のベール品質の改善につきましてですけれども、現行のAベールであれば、全く問題ございません。これ以上の高度な分別というのは、かえって費用増になると考えております。また、プラの収集量も減ってくるという懸念がございます。
 ただし、食品残渣等の汚れに関しましては、作業環境の衛生面等を考えますと、やはりこれは除去していただきたいというのがお願いでございます。
 それから複合材だとかラミネート材というのは、全く問題ございませんし、いわゆる製品プラスチックと呼ばれているような容器包装以外のプラスチックも問題ございません。
 続きまして、材料リサイクルの他工程利用プラですけれども、やはりこれの問題は塩素濃度が高いこと。それから肝心なポリエチレン、ポリプロピレンが除外されておりますから、鉄鉱石の還元能力が落ちております。それから当然、水分等の異物がトラブルの原因になりますし、形状も問題になってきます。例えば溶融固形物であれば、塩ビを除去することができません。
 それから、何よりもやはり、落札ベール単価以上の処理コストがかかることが最大だと思います。したがいまして、社会全体のリサイクルコストの上昇を招きます。
 次に、国に対する要望でございますけれども、やはり容リ需給ギャップを解消し、容リ法の枠組みを維持・継続するための収集量増加に向けて強力な施策の実施ということで、容リ法未実施の自治体に何とか参加を促進していただきたい。
 それから、容リプラリサイクルのCO2削減効果を定量的に評価して、これを公表していただきたい。
 それから優先材料リサイクルの合理性を明確にしていただきたいということです。
 それから、飛ばしまして、自治体の方々への要望は、やはり未実施の自治体だとか、まだ一部地域しかやっていない自治体さんの全域展開というのをお願いしたいと思います。
 それから、これはもうやられておりますけれども、極度に汚れたものは除外していただきたいのと、ラップを対象から外していただきたいという趣旨は、本来ならば家庭系の塩ビ系ラップというのは容器包装ではないのですけれども、どうしてもこれが混入します。また汚れの問題で、塩・醤油系の塩分が付着しておりますので、ラップは対象から外したほうがいいんじゃないかと思っております。ぜひともこの辺をお願いしたいと思います。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございました。

意見交換 資料3~6の質疑

○森口主査 それでは以上で、ケミカルリサイクルによる再商品化事業者、4事業者の御説明が終わりましたので、意見交換に入りたいと思います。資料3から6の御説明について、御質問等がございましたら、お願いしたいと思います。
 4事業者共通の御質問でも結構ですし、ケミカルリサイクルと一言で申し上げましても、各事業者さんから御説明ございましたように、それぞれ手法的にはかなり異なる面もございますので、特定の事業者さんに対する質問でも結構でございます。
 御発言いただく委員は、いつものようにネームプレートをお立ていただき、発言の意思をお示しいただきますようにお願いいたします。1時間弱ぐらい時間を取ってございますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 それでは、まず小寺委員、お願いいたします。

○小寺委員 塩素系ラップ類の代表的成分であるPVDCはどうしてもベールから工程に入ってくると思いますが、それが塩素の発生源としてPVDCの占める割合、また、PVCの占める割合、そういったものが数値としては出ていますでしょうか。それによる工程への支障がどうなのか、その辺を伺いたいと思います。

○森口主査 ありがとうございます。
 多少、私のほうからも、私自身の質問をつけ加えさせていただいた上で、4事業者にそれぞれお答えいただきたいと思います。
 前回、材料リサイクル事業者からのヒアリングにおいて、今、小寺委員から御指摘のありました塩素系のプラスチックがかなりリサイクル全体の効率をやはり下げているという面がございまして、きょうのケミカルリサイクル事業者さんからのヒアリングの中でも、一部、御指摘がございます。
 一方で、これ以上のベールの品質の向上というのは必要ないというふうに断言しておられた事業者さんもおられたかと思いますが、今の点、まず塩素系プラスチックに関して、やはり除いたほうが望ましいのかどうかということについて教えていただきたい。
 それから今、小寺委員から御指摘ございましたように、塩素系プラスチックを除いたとしても塩分は残るので、それとの量的な比率はどうなのかという点。
 さらに塩素系プラスチック以外で、現在集められているプラスチックの中で、除いたほうがいいものがあるかどうか。材料リサイクル事業者さんからはPETについても御指摘があったかと思いますが、PETに限らず、塩素系プラスチック以外で現在収集されているもの、いわゆる異物以外で、プラスチックの中でリサイクル全体の効率を下げているものがあるかどうか、その点について。
 以上3点になるかと思いますけれども、順次お答えいただければと思います。では、伊藤委員からお願いいたします。

○伊藤説明員 もともと、この塩ビは10%程度入るという前提でつくられたものだと思います。ただし、だんだん少なくなりまして、今現在は数%ではないかというふうに思います。
 塩素分とか、PETの関係、これはないにこしたことはございません。というのは、安息香酸とか、腐食とか、そういう感じになりますので、なければ一番いいんでしょうけれども、なくならない以上は、ある程度、前提でつくらざるを得ないということで、現状は私どもは対応できているということだと思います。

○森口主査 ありがとうございます。
 では今泉委員、お願いいたします。

○今泉説明員 私どもの資料の3ページ目をごらんいただきますと、工程が書いてございますけれども、塩素系のものをガス化炉の後で、これはアルカリ洗浄になるんですけれども、それによって造粒いたしまして、電気分解の施設のほうに持っていく、そんなことをやっております。
 今、おっしゃられたのと同じように、低温ガス化炉も高温ガス炉も、中で熱分が高くなりますと、炉を傷めたりとか、悪影響等も出てきます。この炉の設定は、もともと容器包装を初めた当初のベールの品質を調べました結果の中で、このぐらいには該当するだろうということで設定しております。これがやはり大幅にふえますと、早目に修繕をしていただく必要が出てくる、そんなふうに考えております。余り急激にふえることは望まないと、このように考えております。

○森口主査 では、占部委員、お願いいたします。

○占部説明員 コークス炉法の場合は、塩素については問題ありません。塩素はどうなるかと、コークス炉では、石炭から窒素が出ます。その窒素で、塩化アンモニウムという形で塩素は固定されまして、それをあとNaClの形にしまして、海へ戻すという形で処理しています。今の容リプラの塩素の含有量ぐらいなら、特に問題なく処理できるということです。
 それから、小寺委員御質問の食品についている付着の塩分と、もともとの塩ビとの構成割合はわかりません。今ですと、特に問題ないということでございます。以上です。

○森口主査 では、大垣委員、お願いいたします。

○大垣説明員 プレゼンの中でも御説明しましたけれども、定量的な数値というのはなかなか把握するのは難しいのですが、やはり塩ビは、さっきも申しましたように、容器包装でない家庭からの塩素系ラップが入ってくることが問題で、しかもその場合に、汚れがどうしても、食品付着がある。当然、醤油にしろ塩にしろ、これは塩分なものですから、高温の中に入りますと、それが塩ビ系統の塩素であろうが、食塩系統の塩素であろうが同じ働きをしますので、今問題かと言われますと、何とか十分に対応できていますけれど、無ければ無いほうが良いということです。
 それから食品残渣の衛生面、これを考えたときに、無理して洗わないで、各自治体さんによって違いますけれども、焼却処理したほうが良いのではないかなという考えから、このようなプレゼンをさせていただきました。

○森口主査 ありがとうございました。
 占部委員から、コークス炉については問題ないということでしたが、他の3事業者さんに関しては、ないにこしたことはないというお答えであったかと思います。容器包装に使われている塩ビということよりは、むしろ容器包装ではないラップ類が混じっているということの御指摘であったように思いますので、このあたりは自治体さんでの分別の徹底というところで対応いただくことの課題なのかなというふうに理解いたします。
 ちょっと重ねて恐縮なんですが、なければないほうがいいとおっしゃったのは、私の理解では、御説明の中にもありましたように、そういったものが来るということを想定して設備投資もしておられるので、今はその設備を動かせば十分対応できるということかと思いますが、仮に塩素分が少ない、塩素分がほとんど混じっていないようなプラスチックが来るということの前提があれば、設備を簡素化するなり、つまりコストダウンができるものなのかどうか。その点だけ簡潔に、3事業者さんからお答えいただければありがたいんですが、お願いできますでしょうか。
 まず伊藤委員、お願いいたします。

○伊藤説明員 多少、設備が軽くなると思います。コストダウンになるでしょう。

○森口主査 今泉委員、お願いいたします。

○今泉説明員 塩、みそ、しょうゆとか、塩ビ系のものであれば、今の設計で問題ないんですけれども、当然、ガス洗浄の後に塩の電気分解のほうへ持っていくのに相当経費がかかっているんですね。そのことを考えると、全くないということを想定しますと、その分の経費が相当浮きますので、その分は経費は使わないことに。

○森口主査 済みません、今のは設備コストでしょうか、ランニングコストでしょうか。

○今泉説明員 ランニングコストになります。

○森口主査 ありがとうございます。
 では、大垣委員、お願いいたします。

○大垣説明員 コスト的には、それほど大きくは効いてこないと思っております。

○森口主査 ありがとうございます。
 それでは最初に一通り、まず小寺委員からの御質問に関連した塩素分関係の御質問、これで一区切りかと思いますので、関連する質問でも結構ですし、ほかの観点でも結構でございます。
 では平尾委員、お願いいたします。

○平尾委員 札幌プラスチックの油化についてお聞きしたいのですけれども、御説明の中ではちょっとわからなかったのは、現在はかなり燃料としての利用が多いというふうに思うんですが、一方で説明資料の中では、原油精製のプロセスに乗せるというような、一種のマテリアルリサイクルとして利用されると考えられるような記載があります。
 これは今後どういうふうに展開していこうと考えておられるのか、あるいは技術的に全く問題なく戻せるものなのか、あるいはマテリアルにすると現在、自社内で蒸留をかけているわけですけれども、本当に戻せるのだったら、油化した分、そのまま精製するというような、もっと効率のよさそうな、素人的には発想があるんですが、そういうふうな技術的な発展の可能性というのがあり得ますでしょうか。

○森口主査 それでは、この御質問についても、私のほうから1点つけ加えさせていただきたいんですが、スライドの8ページで、油化がどのように分けられているということの定量的な御説明がございます。いわゆるプラスチック原料に戻り得る部分というのは、軽質という、24%という部分に相当するのかと思いますが、燃料以外のプラスチック等の原料に戻せる部分の割合というのは、こういったものが限界なのかどうか。その点を加えて御質問のほうにお答えいただければと思います。
 では、伊藤委員、お願いいたします。

○伊藤説明員 もともと、この三つに分かれているというのは、いきさつがあってこうなっているんですけれども、その後、ジャパンエナジーさんと共同研究をしまして、どちらかというと、油というものを分けないで、1種類のまま出しまして、全部、石油会社に戻す、これが一番コスト的にも安い、あるいは使えるということであります。
 ですから、省略しましたけれども、後ろのほうには、100万トンのプラスチックが出ると60万トンの油というのは、もうまとめて原油タンクのほうへ戻すというレベルで考えています。それは技術的に対応は簡単ですし、そのほうが回収棟とか、そういうものが要りませんものですから、安くなります。

○平尾委員 そういう方向を目指しているということなのか、それともやはり現状のような形でいくのか。

○伊藤説明員 目指すかどうかは、今申し上げたように、コスト向上とか、そういうものがありますので、これは私どもが事業になるということであれば、そういう方向に行ったほうがいいというふうには思いますけれども。

○平尾委員 わかりました。

○森口主査 論点が余りあちこち飛ばないように、できましたら、もし油化にかかわる御質問がほかにございましたら、今一緒にお聞きしたいと思いますが、特にはございませんか。では大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 簡単なことで恐縮ですが、油化に関するコストというのは、年がたつにつれて低減してきておられるのでしょうか。その辺の御努力というのは、どんな状況になっているか、ちょっと教えていただきたいのですが。

○伊藤説明員 コストが低減するかどうかというのは、受注といいますか、請け負ったトン数とかいろいろ絡むものですから難しいんですけれども、これがコンスタントじゃないんですよね。ですから、何とも言いにくいというところでございます。
 社内では、個別には原価低減のための努力はしているわけですけれども、プラスになるほどの受注がないという状況ですから、安くなっているのかどうかというのは非常に難しいということですね。

○森口主査 ありがとうございます。
 では私のほうから、油化に関して、あと2点、お尋ねをしたいと思います。1点目は、スライドの12枚目でございますけれども、先ほども石油精製会社さんとの協力というようなお話がございました。現在は、この事業単独で行っておられるかと思いますが、むしろ製油所等、石油化学コンビナートで大規模にこういった油化の事業ということを展開していくようなことがあれば、そこにはまた別途、油化に必要な熱源といいますか、現在は油化で得られた油自身をまたプロセスに利用しておられると思うんですけれども、利用できるような熱がある場所で、このような技術を展開すれば、コストダウンなり質向上といったことが見込めるのかどうか、これが1点。
 それから2点目は、それとも若干関係するんですが、14ページ目に「輸送距離の観点が必要」というふうにお書きになっているんですが、この輸送というのは、自治体から油化事業者までの輸送のことをおっしゃっているということでいいのかどうか。LCAをやってみますと、これはどういうふうに運ばれるかにもよるんですが、大規模なケミカル事業者さん、多くの場合、例えば10トントラックで、ベール24個積んでこられるというような配送計画をとっておられるところが多いかと思います。
 そうしますと、かなり長距離を運んでも、それ自身はそれほどエネルギー的には効果に影響がない、もちろんコスト的には響く部分もあると思うんですけれども、そういった定量的なところでお話になっているのか、あるいはこの設備の場合には、札幌市さんの選別保管施設が隣に立地をしている、隣にそういった施設があるにもかかわらず、必ずしもそういったものが利用できずに遠距離から運んできている、そういうようなことのある種の象徴的なところとして、この輸送距離のことをおっしゃったのか。その2点、お教えいただけますでしょうか。

○伊藤説明員 まず石油会社との関係をどうするかということですけれども、これは今、容リ法で対応しているのは私どもの会社しかありません。したがいまして、私どもがこれからのことをこうしろ、ああしろとはなかなか言えないんですけれども、そういう可能性を秘めているということで、もし石油会社近傍でこういうものをつくれば、非常に効率がよくなる。もちろん熱源が大きいですから、あるいは距離もありますと、そういうことで非常に有望じゃないかと。これはジャパンエナジーさんもそういうふうに考えて、一緒にやったわけです。
 それからLCAの距離なんですけれども、例えば油にして単純に燃やすということをやっても、油化にした後に燃やしたほうが、まだLCA的にはいいとかいう議論もあるんですが、そうはいっても、そのためにはるか遠くのほうまで収集に行くようであれば、地元の自治体で燃やすほうがまだ効率いいんじゃないかというふうに思ったりしまして、書かせてもらっております。

○森口主査 わかりました。いずれにしても、LCAによる定量的な評価の課題ということで受け取らせていただきます。
 それではお待たせいたしました。辰巳委員、お願いいたします。

○辰巳委員 ありがとうございます。今、4社さんのお話を伺っていて、何か単純に私はいずれもいいなというふうに思ってしまうような御説明に聞こえてしまって、やはりこういう説明の場面だと、良い面の説明がどうしても多くなるので、恐らくデメリットというものも何かあるかなというふうに思うんですが、そのあたり、各社さん、もし気づかれる点があればお教えいただきたい。
 それから、もう一つ、LCAのお話が出ていたんですけれども、やはり低炭素化社会というのが大きな今後の目的ですので、計算なさっているのかどうかわかりませんが、例えば1トンの廃プラを処理するのに、ライフサイクル的にどのくらいのCO2なのかというふうなことをもし計算なさっているのであれば、そういうのも知りたいなということです。

○森口主査 ありがとうございます。
 後段の御質問は、容リ協さんでもやられていますし、また環境省のLCAの報告書とかでも出ておりますが、それ以外に独自で計算をしておられるかどうか、そういうふうな御質問というふうに承ります。
 それでは順次お答えをお願いします。前半部は、いいところは見せていただいているんだろうけれども、あえて厳しく、それぞれの手法の中のデメリットといいますか、要改善点があれば教えていただきたい、そういう質問でございます。
 それでは伊藤委員から、お願いいたします。

○伊藤説明員 デメリットは、今、私どもは熱源を使って、これを動かしているものですから、プラントに入ってくるプラスチックの量が少なくなりますと、非常に効率が悪くなるということがございます。ですから、申し上げたら1万4,000トンで、初めてフル計画で動くというようなことになったときにこういう状況になります、ということです。したがって、これが半分とかになりますと、効率は非常に悪くなるということは申し上げます。
 それからCO2絡みのことについては、ちょっと数字がございません。

○森口主査 では、今泉委員、お願いいたします。

○今泉説明員 私どものデメリットといいますか、先ほどの3ページ目の工程をごらんいただきますと、前工程と後工程ということで、破砕成形の後、ガス化工程と。同様にマテリアルなんかでもやられている破砕から成形までいって物をつくる、その後の工程でいろいろついておりますので、それは当然費用もかかりますし、エネルギーもかかる。そういった意味では、それなりのコストがかかってしまうということがあると。
 CO2の削減について、その評価の対象がどういうふうにするかということなんですけれども、その前のページで、大幅な削減というのはお話をさせていただいたかと思うんですが、25%から35%程度は削減している。私どもの社内で試算は、ナフサや何かをそのままつくる、こういう点でできた値でありますけれども、当然、LCAの場合、ある決められた範囲の中での評価になりますので、いろんな周りのエネルギーですとか、そういったものを考えますと、プラスマイナスいろいろ議論はあるかと思うんですが、いずれにしましても、私どもの場合はプラスチック中に入っています炭素や水素とか、再度利用できるものが使える、こんなことで。

○森口主査 それでは、占部委員、お願いいたします。

○占部説明員 資料5の9ページをごらんください。プラスチックをコークス炉法でリサイクルすると、一番上の今後の開発動向というところに書いておりますけれども、コークスの品質が若干落ちます。理由は、石炭は重いので、それを乾留してコークスにすると重たいものができますが、廃プラスチック固めた造粒物は、それをコークスにすると、若干軽いんですね。ですから、コークスの品位が落ちるというデメリットはあります。
 その品位が落ちない程度の添加率でやっています。1%とか2%ぐらいの添加率ですと品位が落ちないので、それぐらいの添加率で行っております。こういうところの改善技術をやっていって、もう少し量ができるようすることがデメリットといいますか、改善課題と思っています。
 それから省CO2効果ですけれども、これは容リ協さんとか、いろんな方がLCAを評価されていおり、我々の方法ですと、1トン、プラスチックを使いますと、3トンの省CO2効果があると評価していただいていますので、ほかの手法に比べても、省CO2効果は大きいリサイクル手法ではないかと思っております。

○森口主査 では、大垣委員、お願いいたします。

○大垣説明員 高炉の操業というのは非常に高度な技術を要しておりまして、やはりプラスチックを入れることによって、全く高炉の操業に影響しないかというと、影響を及ぼしますので、影響を及ぼさない範囲でプラスチックを利用していくということです。
 技術開発としましては、通常は5ミリ程度の造粒物を吹き込んでおるわけですけれども、やはり、粒径が小さければ小さいほど高炉内での反応性が高くなるものですから、これを微粉化しようとする技術、もう既に実用化して一部やっておりますが、こういった技術まですれば、高炉操業にはほとんど影響なく利用ができるということはわかっておりますが、ただ、微粉化するためにはコストがかかるということが大きな問題となります。
 それからLCAに関しましては、自分たちでLCAをやったとしても、バウンダリーの問題、インベントリーの問題が出ますので、容リ協だとか環境省さん、それから以前の産総研さんなどがLCAをやられたときに、全面的に御協力申し上げまして、データを提供させていただいております。

○森口主査 ありがとうございます。
 ちょっと関連する話題ということで、今、辰巳委員のほうから低炭素社会の重要性の御指摘がございまして、前々回、作業チーム第1回会合の中で、もちろん低炭素社会、温暖化の対策としての効果は非常に重要である、もちろんそれだけでなく資源の削減効果であるとか、いろんな観点があったわけですが、CO2の削減量の評価をする際に、LCAをやる際に私自身かなり深くかかわっておるわけですが、特に評価が難しいのが、ガス化のドライアイスとして利用されている分のCO2です。
 今、有効利用、再度利用されているという御説明だったわけですが、要はドライアイス、いずれにしても二酸化炭素自身が貴重な資源ではありませんので、あらゆるところに二酸化炭素があるわけなので、要はそれが何を代替したか、プラスチックでつくっていなければ何でアンモニアをつくり、結果的にほかのものでアンモニアをつくられたとしても、二酸化炭素は利用されていたということかと思います。
 そういう意味で、そこの部分、有効利用されているかどうかということよりは、CO2がどれだけ削減されたかということに関しては、別のところで評価をすべきというふうに考えておるんですけれども、そのあたりの理解に差異はないかどうかということ。
 それから、これは既にお伺いしたことがありますけれども、この廃プラを使われなかった場合のアンモニアの原料。これもプラントによっていろいろあると思うんですが、大まかに言って、液化天然ガスとかいろんなケースがあるかと思いますが、どのような割合になっているという想定をすればよろしいか。今、もしおわかりでしたら、お願いしたいと思います。

○今泉説明員 私どもの資料の14ページ目に、協会さんのほうで出していただいたLCAの結果ということで出させていただいています。私どもも現在、大体LNGに近いものを原料としまして、つくっています。以前の流れとしまして、私どもの資料の2ページ目、設立当初は水電解や成形の作業があるんですけれども、いずれにしましても炭素とか水素の化合物のガス化、このような状況になっているわけでございます。この中で、一つは燃料としまして、ガス炉の燃料、そういったものは削減されていますから、どんどん小さくなっている。
 この14ページの表でいきますと、天然ガスのところ、右のほうの一番効果の高いところ、このあたりが私どもの位置づけかなと思っております。
 不要だからと捨てられている炭素を、もう一度、費用を払って、もらって、価値のあるものにかえていく、そのまま入っているものをリサイクルする、再度精製したり、いろんなエネルギーをかけて再処理していく、そんなふうに私どもは考えています。

○森口主査 ありがとうございました。
 それでは引き続き、ほかの点でも結構ですが、御質問をいただきたいと思います。ちょっと委員を優先させていただいて、まず小寺委員からお願いいたします。

○小寺委員 昭和電工さんに質問です。プラスチックで代替する対象物として、今の場合、石油由来のナフサの代わりとなっています。他のガス化では、石炭から合成ガスを製造してアンモニアを合成していたと思います。石炭、石油ナフサ、容リプラスチックと合成ガスの原料による違いはあるのでしょうか。○今泉説明員 原料系のもの、私どももいろいろかえてきましたけれども、各会社の事情によって、炭素分の多いものにしたり、水素分の多いものにしたり、一番完全に処理しやすいということで、石油系のものというのが一般的に多いということです。
 私どもの場合は、川崎という立地にございまして、近隣に石油精製の会社がいっぱいあったこともありまして、そういった中での不要になっているものが、そういった原料、原料として使いやすく、一番安価に取れるもの、簡便に取れる、そういったことで利用している。逆に、できるだけほかのところが処理しにくいものを、私どもの技術の中で処理していく、こんなことで考えております。
 プラスチックの場合は、御承知のように単年度契約ですので、安定的に入ってくるのであれば、フルに近い形も考えられるんですけれども、現在では半分以下に抑えています。来なくなった場合は安定供給上、問題でございます、そんなことにも配慮いただければ幸いです。

○森口主査 ありがとうございます。
 それでは石井オブザーバー、お願いいたします。

○石井オブザーバー 私から一つだけ、容器包装以外のプラスチック、いわゆる製品プラの利用について、ちょっとお聞きしたいのですが、新日鐵さんとJFEさんは、利用に全然問題ないよというふうにしてよろしいのですね。それから、昭和電工さんも、まあ問題ないんだけれども、スライドの17ページの5.で、容器包装プラスチック以外のプラスチックの取り扱いの中で、「一定基準を設け、混入の規制を緩和」という表現をされています。この一定基準という意味をちょっと一つお聞きしたい。要は量的な何か規制なのか、あるいは品質的なことをイメージされているのかということをお聞きしたい。
 それから、札幌プラスチックさんは特に製品プラについては触れられていないんですが、利用についてはどのようにお考えになっておられるかということをお聞きしたい。

○森口主査 ありがとうございます。
 いわゆる今の容リ法の対象以外のプラスチックが集められてきて、ベールに入ってきた場合に、現在の手法で受け入れられるかどうかということの御質問かと思います。
 それでは伊藤委員からお願いいたします。

○伊藤説明員 容リ以外のプラスチックもどうだろうかということで、何度かトライして、やっていることはあります。油にするという意味ではできます。問題はございません。
 ただ、今、容リプラのために、前処理の破砕機がありまして、これは何のプラスチックでも入っていくかというと、そうなっていません。したがって、そこをいじくらないといけないということで、もちろん技術的には可能です。

○森口主査 それでは「一定基準」というのが、どのような意味かということで、今泉委員、お願いいたします。

○今泉説明員 一般家庭から出てくるような日常的なものであれば特に問題ないんですけれども、例えば壁紙ですとか、じゅうたんですとか、特に広い大きいようなもの、そういった何十メートルもあるようなもの、現在ではベール化された、そういったものを処理するような、今の油化さんと同じですけれども、破砕機に投入する前段階で何かの処理をしなければいけないのであれば、そういった設備を設けなければいけない。
 ガス化炉の中に入ってしまえば、全く問題なく処理されるんですけれども、現在のそのままのやり方を残すのであれば、何らかの基準を設けていただいたほうがいいのかなと。プラスチックであれば、特に全く問題はないです。

○森口主査 ありがとうございます。
 今のお答えを伺っていましても、容器包装以外の製品プラスチックという言葉でくくっても、また非常に幅が広くなるので、これももう少し別の呼称が必要かなということを感じておりましたが、石井さん、何か重ねてございますでしょうか。

○石井オブザーバー 今のお答えですと、品質とかそういうことではなくて、ある意味では大きさであるとか、かたさであるとか、そういうたぐいのことと考えていいわけですね。

○今泉説明員  結構でございます。

○石井オブザーバー ありがとうございます。

○森口主査 ありがとうございます。
 今、委員のほうから札が立っておりませんので、引き続き御質問いただいても結構ですが、ちょっと事務局のほうからも質問をしたい点があるということです。特に問題ないかと思いますので、では横山課長、お願いいたします。

○横山課長 参考資料で配布させていただいているんですが、参考資料の1.という、前回と全く同じ資料です。これとの関係で3点ばかりお伺いしたいんです。
 一つは、カスケード利用の話です。各社、質問の仕方がちょっとあれだったかもしれませんけれども、いわゆる「他工程プラの受け入れ=カスケード」ということで、いろいろ御説明いただいているんですが、もう1点の話として、参考資料1の3.(1)の2)LCA分析を用いる際の留意点というところで、[1]の二つ目のポツで、利用製品の処分方法という中で、製品処分において、いわゆる材料リサイクルをしたものについて、単純焼却ではなくて、ほかの利用をする。
 ほかのリサイクルをするという意味で、これもカスケードと呼ぶのかどうかちょっとあれですけれども、いわゆる一度マテリアルリサイクルをしたものについて、これは多分、もう容器包装ではない、大抵、製品プラスチックになっていると思いますが、ただ材料リサイクルにもう一度かけるには劣化しているというような場合に、大体PP、PEリーチだとは思うんですが、そういうものを受け入れるに当たって何か問題点があるかどうか、というのが1点。
 2点目は、高炉のところの関係で、同じ資料の2ページ目の(3)の1)のところで、ここのところで通常の燃やすということだけではなくて、還元という機能についての位置づけというのを、ここで「その他」ということで入れているんですが、きょうの御説明の中では、これのみならず、資源性という1ページ目の(1)の2)の[2]のところでも、評価すべきだということと考えていいのかどうかというのが高炉の関係です。
 それから3点目は油化の関係でありまして、別紙のところで、油化Aと油化Bということで、油化Aは循環するものという意味であり、油化Bはすべて焼却、燃料にするということで、油化を二つのカテゴリに一応分けて整理をしているわけです。
 それとの関係で、御説明いただいた資料3の8ページ目のところに、先ほど平尾先生の質問の中にもあったかもしれませんが、軽質油生成量、このところがいわゆる循環をする可能性があるということなんですが、ここの割合が24%というふうになっているんです。これは技術的に量をふやすということが可能なのか、あるいはこれはもう確率的に決まってしまって、なかなか技術的に難しくてということなのか。ちょっとその点を御回答いただければ。済みません、長くなりました。

○森口主査 3点ございましたが、多くなって恐縮なんですが、関連する論点が2~3ございますので、今の横山課長からの御質問を再整理しながら、私のほうからもお伺いしたいこともつけ加えさせていただきたいと思います。
 1点目は、カスケードということで、再商品化の段階で組むということではなくて、一度、容器包装プラスチックから、材料リサイクルされたものが使用済みになったときに、それぞれの事業者さんのケミカルリサイクルで受け入れられるかどうかということだったんですが、大垣委員、きょうは高炉の御説明だったわけですが、JFEグループとしては材料リサイクルも手がけておられて、またそれを回収したものを高炉に入れるといったことも事業展開されていたかと思いますので、その点についても少し触れていただければと思います。
 2点目は、これは特に高炉ということで、これも大垣委員に対する質問ということだったかと思いますが、2枚目のスライドで、還元剤は化学反応の原材料という主張がございました。これは我々、技術畑の人間としてはわかるんですが、プラスチックそのものの原材料ということではないということで、なかなか一般感覚としての「原材料」という言葉と少し違う受け取られ方をするのではないかという可能性があること。
 それから原料炭、非常に価格も高いというお話もございまして、その点での資源性というお話があったわけですが、これはこれまでの別の場でも、私のほうからも何度か御質問を差し上げたことがございますが、高炉において、廃プラが原料炭、あるいはそれからつくられるコークスの代替になっているのか、その微粉炭の代替になっているのかといったことについて、高炉の構造上、それは何を代替しているかということに関しては何度か御質問を差し上げたことがございます。原料炭コークスの投入量をぎりぎりまで下げているところにおいても、依然として原料炭代替材であるという御説明でよろしいのかどうか。これは再度、確認をさせていただきたいと思います。
 それから3点目、これも今回は大垣委員、高炉の代表ということで来ていただいているかと思いますが、JFEのグループとしては、今、油化のBとおっしゃった部分も手がけておられるかと思いますので、その点についても触れていただければと思います。
 札幌リサイクルさんに対して、24%ふやせるかどうかということについては、私からも先ほど御質問をしたんですけれども、それについては油を分けずに、まとめて精製会社さんのほうに渡すというお答えだったわけですが、そうであったとしても、論点としては、プラスチックの原料に戻る割合としてどのくらいになっているのかということが共通の関心であったと思いますので、その点を含めて、お答えをいただければいいかと思います。
 それでは伊藤委員から、お願いいたします。

○伊藤説明員 まず最初に、マテリアルの関係ですけれども、これは実際やってみまして、私どもは油化ができるということで、マテリアルから出たとしても、やっぱりプラスチックですから油成分があるわけです。したがって、その処理はできる。ただし塩ビ等、それが相対的に多くなっておりますと、いいところをとられますので……。

○森口主査 済みません、そうではなくて、その質問ではなくて、マテリアルリサイクルでつくられたものですね。その他工程プラではなくて、マテリアルリサイクルそのものでつくられたものが、例えばパレットが使用済みになったときに、それをそちらの事業者さんで原料として受け入れられるか、そういう点でございます。

○伊藤説明員 失礼しました。それは先ほども申し上げたとおり、今現在は、受け入れるのは容器包装のプラということで前処理ができていますので、その設備があれば、油化にはなると思います。そういうことですね。
 それから、軽質油を増やせるかということですけれども、これは基本的にプラスチック由来ですから、おおむね自動的に出てくるということなんですが、多少増やす程度は可能。ブレンドの関係で、多少は可能ですけれども、大幅には変わらない。

○森口主査 ありがとうございます。
 それでは今泉委員、お願いいたします。

○今泉説明員 私のほうの場合は、ガス化炉が圧力蒸気なものですから、その中に投入できれば、プラスチックでも何でも処理できます。油化さんと同じように、前処理の工程の部分、そんなことだと思います。よろしいでしょうか。

○森口主査 ありがとうございます。先ほども、大きなものは入れにくいというお話がございましたので、要は破砕なり、そういったものの前処理が常についている、あるいはそれがなくて、大きなものでも入れられるプラントをお持ちのところもあれば、そうでないところもあると、そういうところの関係からのお答えであったかと思います。
 それでは占部委員、お願いいたします。

○占部説明員 我々のところも使えます。ただ、パレットは大きいので、ベールみたいになっていれば使えます。あのまま来てもちょっと使えないですが、廃プラのリサイクルという点では問題ないです。塩素も少なく品質もいいと思います。

○森口主査 ありがとうございます。
 それでは大垣委員、ちょっと質問がたくさんございますけれども、よろしくお願いします。

○大垣説明員 まず材料リサイクル製品、これは品質的にも技術的にも、全く問題はないとは思います。
 それから、これが一番私どもとしても主張したい資源性の問題ですけれども、資料6-2にかなりごちゃごちゃと長く書かせていただいております。もう一度、このグラフを見ていただけたらよろしいのですが、原料炭というものは、円グラフにあります無煙炭、瀝青炭の中でも強粘結性の石炭でございますので、先ほど御説明しましたように、たかだか10%しかございません。
 瀝青炭というのが、石炭の可採年数が145年と長居年数であるのに対して、瀝青炭が97年、そのうち原料炭となりますと、さらに少なくなるということで、非常に希少価値が高いというものです。
 それから、次の、これは森口先生になかなか私どももが説明し切れていないのが悪いのだと思いますけれども、要は微粉炭は何のために使ったのですかといいますと、やはりこれは原料炭のコークスを削減するために微粉炭を使っているということですから、プラスチックもやはり原料炭のコークスを削減するために使っているという理屈だと思います。
 それから、ガス化の話ですね。我々、JFEグループで、ガス化しまして、合成ガスを得ております。それを製鉄所の燃料ガスとして使っておりますが、得ております合成ガスそのものは、昭電さんや宇部さんがやられている合成ガスと何ら化学組成は変わらない。
 ただ、近くにといいますか、製鉄所の区域内にガス化炉を持っておりますから、そこで得られた合成ガスを何に使うかといったときに、製鉄所にはやはり石炭由来の、原料炭由来の燃料ガスというものが存在しますけれども、それでは足らない状況があります。そういう場合には重油を補填、あるいは電気エネルギーを補填するわけですから、その代替として、この合成ガスを使っているという意味ですから、単にサーマルリサイクルをしているということとは若干違っている。製鉄所の原料ガスとして重油、もしくはLNGの代替として使っているということになろうかと思います。

○森口主査 では横山課長、お願いします。

○横山課長 今の最後の点で、参考資料ばかりで恐縮なんですが、これの3ページの別紙の一番下に6.で、油化B、ガス化Bと。これはAとBというのを、油化と同じで、先ほどの  部分があるかないかで分けていて、あと同じグループとして、固形燃料化とか、それから廃棄物発電・熱供給というものをグルーピングとして出しているんですが、今のお話でいうと、[1]と[2]はAに転化することができる。[3]と[4]は循環というところに転化することができないというか、そういう違いがあるということと考えていいんでしょうか。

○大垣説明員 はい、そういうことであります。

○森口主査 1点、こだわるようで恐縮なんですが、大垣委員からお答えをいただいた点、微粉炭が一体何のためにやってきたかというと、原料炭を代替するためであるという認識は私も全く同じでございます。
 であるからこそ、かつ原料炭が貴重であり、強粘結性であるということの中で、微粉炭をどこまでふやせるか、原料炭をどこまで減らせるかということに関して、製鉄会社が非常に努力をされてきた。そのぎりぎりまで下げた後、どうなるかということを伺っておりまして、微粉炭はこれ以上混ぜられないんだけれども、廃プラであれば混ぜられるのかどうか。
 きょうは新日鐵さんもいらっしゃいますけれども、当然、高炉によって、そういう条件いろいろ違うと思います。粗鋼生産量に対してコークスの投入量300数十キロまで下げておられると思うんですが、400数十キロ入れておられたところであれば、そういう議論でよろしいかと思いますが、ぎりぎりまで微粉炭をふやせるところまで増やし切った上で、プラスチックを入れるということになった場合にどうなるか。
 そうではなくて、まだまだ微粉炭を入れ切っていないといいますか、まだコークスを減らせるところがあれば、今のようなプラスチックはコークス代替であるという、そういう御説明であるというふうに承ったんですが、そういう理解でよろしゅうございますでしょうか。

○大垣説明員 はい。やはりコークスというのは、ここにも説明を長々と書かせていただいておりますけれども、炉内のスペーサー的役割というのは必ず必要になってくる。ということは、コークスというものをゼロにすることは、高炉構造上不可能である。そうしますと、森口先生のおっしゃるように、コークスを限界までもっていったときに、じゃ微粉炭をこれ以上増やせるかというと、これは非常に難しい問題だと思いますし、そのときに、じゃプラスチックは何に替わるのという議論。
 それと現状での議論とは、またちょっと違うと思いますので、限界値点まで操業を、コークス比を落としていったときの議論とは、やはりちょっと分けて考えたほうが良いのではないかなと思っております。

○森口主査 ありがとうございました。
 まだ若干時間がございますが、いかがでしょうか。では辰巳委員、お願いいたします。

○辰巳委員 各手法というか、やり方の御説明を聞きまして、今度は消費者にとって、とても今もお話を聞いていても難しいんですよ。やっぱりうまく一言、例えば油化は油にかわるんだというんだったら何となくわかるんですけれども、このあたりを消費者に対して何かアピールできる、容器包装を「こういうふうにしています」と一言で何かうまく説明できますか。
 何て言ったらいいんでしょう。アンモニアにしていますと言われても、ちょっと私よく、えっ、それはどうなるのという格好で受け取ってしまう人が多いんじゃないかというふうに思いますので、余り間違った説明ではなくて、的確に説明していて、かつ余り難しくない、そういうふうな説明を聞けるとうれしいなというふうに思ったんですが。

○森口主査 では関連しまして、きょう、再商品化率の定義が手法ごとに違うのは、やや不公平ではないかといった御議論もございました。今の制度で決めている再商品化率もそもそも必ずしも同じ基準でというか、同じ断面をとらえているわけではないということだったんですが、そのことも含め、辰巳委員のほうから、消費者にとってわかりやすい、リサイクルして何ができているのかといったようなことについて、より簡明な説明ができないかというお尋ねでございました。
 特につけ加えてお願いするとすれば、アンモニアに関しては、アンモニアの後どうなっているのか、あるいはコークス炉に関しては、特に油が4割ぐらい取れるというふうに伺っておりますが、その4割の油はどうなっているのかといった内容について、少し端的に御説明をいただければありがたいと思います。それぞれの事業者さんからお願いいたします。
 もし油化についても、油にした後の使途を、それは燃やしているのか、プラスチック原料になっているのかということがわかれば、消費者にとって理解が進むかと思いますが、いかがでしょうか。

○伊藤説明員 まさに「油にする」ということで、簡単にわかるという意味では一番よろしいと思いますし、それから一回、外に出るというか、私どもの会社から外へ出て、またどこへ行く。そういうことがほかの業者とは違うということで、いかにもリサイクルしているという感じはするんじゃないかと。

○森口主査 ありがとうございます。

○今泉説明員 私どもとしますと、分類の中のガス化A、一部を素材原料化となっていますけれども、全部やっているのかなと私どもは思っているんです。
 私どものスライドの7ページ目でございますが、幾つか写真を撮っております。アンモニアそのものは、むしろ全く形を変えて別のものの原料となるものでございますので、ここに書いてありますようなアクリルの素材としました、着るものですとか、それからこれはテールランプのカバーですね、アクリル樹脂。肥料ですとか、あと炭酸飲料みたいなものに入って、炭酸ガスですとか、ドライアイスとか、全くプラスチックではない違うものにかわっていくものでございます。
 用途としましては、非常に幅広いということで、これがというのはなかなか言いにくいんですけれども、さまざまな製品、原料になる。物としてかわるということで御理解いただけたらと思います。

○森口主査 では占部委員、お願いいたします。

○占部説明員 ちょっと昭和電工さんの資料を使って説明させていただきます。資料4のスライドの4ページ、コークス炉化学原料化ということで、右下のところに収率が書いてあります。我々の手法は、ペレット等をつくったところで再商品化になっています。85%と書いてありますけれども、この後、コークス炉に入れまして、ガス、油、コークスになります。ここでの収率落ちはありません。ですから、後ろの工程まで含めても私どもの方式では収率85%です。
 厳密に言えば、先ほど申し上げたように、塩素は塩化アンモニウムという形で、最後、NaClの形で海へ戻すので、塩素が3%入っていれば、3%はそのまま収率落ちとなりますが、カーボンと水素については、そのまま100%全部、ガス・油等になります。
 それから森口先生からお尋ねの油の件ですけれども、油につきましては、先ほどの札幌油化さんが、まとめて売るとおっしゃっていたのと全く同じことをやっています。我々のところは新日鐵化学という関係の化学会社がありまして、そこへ軽質油も重質油も全部渡しています。軽質油については、そこで生成してナフサに戻しています。重質油は重油代替ということで、化学原料でそのまま使っていますので、全部またプラスチックに戻っているという認識です。

○大垣説明員 もう一度、プレゼン資料のこの絵を見ていただきたいのですけれども、何とかわかりやすく御理解いただけたらなと思って、こういう漫画的なものをつくらせていただいたんです。
 皆さん御承知のように、鉄というのは空気中に置いておきますとサビになってしまいます。サビになるということはどういうことかというと、空気中の酸素と鉄が反応して、いわゆる鉄鉱石の状況に戻ってしまうわけです。それを何とかプラスチック、あるいはコークスもそうなのですけれども、せっかく結びついた酸素を引き離してあげまして、ここに「鉄ができたよ!」と、ピカピカした顔をしておりますけれども、鉄鉱石がヘナッという顔をしているの対しまして、ピカピカの鉄ができると。
 これをプラスチックでやらしているのだよというふうに説明をさしていただいているのですが、なかなかそこが目で見えた感じの、“こういうものができましたよ”ということを指し示しできないところがつらいところでございますが、それはやはり“鉄を作っているんですよ”ということでございます。鉄鋼製品を作ってている。

○森口主査 では平尾委員、お願いいたします。

○平尾委員 ちょっと違う話で、技術的な話なのですが、皆さん、動かしていらっしゃるのが、いわゆるプラントなので、投資した分、最大量で操業したいというのは当然わかっているのですけれども、今のシステムですと、入荷ありきですので、年に違ったり、あるいは時期によっても入ってくる量が違ったりということで、定常的に原料として手に入れたいという御意見は伺っているんですが、技術的な観点から、少しでも来れば、少しずつ流していって、原料として使われるものなのか。
 例えばある程度まとまらないと、プロセスを動かせないので、止めてしまい、まとまってから動かしたり、断続的に動かしたりするような、効率が落ちたりするようなことを、経済的なことはわかった上で、技術的に、立ち上げさせたりとか、変動に伴う運転調整の困難さとか、そういうような問題があれば教えていただきたいのですが。

○森口主査 いわば入荷量の変動に対して、技術として対応しやすいかどうかということですが、いかがでしょうか。

○伊藤説明員 私どもはプラントの燃料、あるいは電気を、自分でつくった油でまかなうということをやっております。したがいまして、ある程度来ないと、それが確保できないということになりますので、少ないということは好ましくないということです。それがどのくらいかは非常に微妙なところなんですが、やっぱり計画で来るのが一番いいと。

○平尾委員 量は少なくても連動して動かせるような装置なのでしょうか、それとも、ある程度の量が必要な装置なのでしょうか。

○伊藤説明員 プラントは小分けしまして四つの系列になっていまして、それを少ないときはとめるということになっています。

○森口主査 では今泉委員、お願いいたします。

○今泉説明員 入荷量がどれぐらいの量かというのによりますけれども、基本的には効率が悪くなりますので、ある一定量がまとまるまでとめておきます。まとまった段階で、あるものを処理して、なくなった段階でとめてしまう。

○森口主査 占部委員、お願いします。

○占部説明員 コークス炉法の場合は、プラスチックが来ないと、その分、石炭で代替するということですので、特に稼動の変動はありません。プラスチックの量が減った分だけ石炭を足すという形になります。経済的な問題はあります。

○平尾委員 プラスチックを処理するために、まとまってからボンと入れる、来たら少なくても入れるとか、かなり自由度があるんですか。

○占部説明員 そうですね。

○大垣説明員 純技術的な話をすれば、来たものをそのまま、来ただけ処理するということで対応は可能だと思いますが、やはり操業面を考えたときに、人をどうするかというのが最大の問題ですので、これがプラントの1~2割しか来ないということであれば、やはり1年間は諦めるとかいうことも選択肢としては考えざるを得ない。これはあくまでも人的な問題ですね。

○森口主査 ちょっと今、占部委員、大垣委員の御回答を聞きながら、これも昭和電工さんの4ページを参照させていただいて、今のお答えが、再商品化事業のところのことをおっしゃったのか、再商品化製品利用事業のところのことをおっしゃったのかが、ちょっとわかりませんでした。
 これは時間がありませんので、お答えいただかなくても結構ですが、きょう、油化さん、それからガス化さんのほうからお話がありましたように、油化、ガス化のところは、油・ガスにするところまでが再商品化事業であって、鉄鋼2社さんの場合には、ペレットといいますか、コークス炉なり高炉に入れる物をつくるところまでが再商品化事業であります。
 だから、そこのところのことをおっしゃっているのか、その後の再商品化製品利用事業のところをおっしゃっているのか。ですからケミカル4手法の中でも、そこの差異があるということは非常にまた理解を難しくしている部分があろうかと思います。
 もし大垣委員、何か繰り返しでございましたら。

○大垣説明員 私が申し上げたのは再商品化の部分です。高炉は操業しておりますから、これはプラスチックが来ようが来まいが、操業はできるということでございますから。

○森口主査 占部委員がおっしゃったのは、いずれにしてもコークス炉は動いているのでというお話だったので、前段のところについてはいかがでしょうか。

○占部説明員 前段のところは、2ラインとか3ラインに分かれていますので、それをとめるということになります。再商品化ラインの1ラインとか2ラインをとめることになります。

○森口主査 では最後になりましたが、石井オブザーバー、お願いいたします。

○石井オブザーバー 辰巳さんの質問に関連して、我々もいろんな住民の方に情報提供ということを、この前、環境省主催で行われた委員会でもそう言われていますので、いろいろ情報提供させていただいているんですが、特に今言われているのは、ケミカルリサイクルがよくわからないということなんですね。
 我々も、どういうふうに情報提供したらいいのか、いろいろ検討を重ねているんですが、きょうの説明でも、多分、一般の人がきょうの説明でわかる言葉は、油とガスぐらいだと思うんですね。コークス炉、高炉なんて言われたら、もうそこで嫌だ、ましてや還元なんて言われたら、もう何のこっちゃということになると思うんですよ。
 我々も、これからその辺をどう答えればよいのか。うそを言っちゃいけないし、かといってわからないことを言ってもしようがないので、ちょっとその辺のあらわし方、表現を、ぜひ一緒になってやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

○森口主査 ありがとうございます。
 きょう、明確に大垣委員は「鉄をつくっています」とおっしゃいましたので、それは一つのわかりやすい説明かなと。プラスチックが鉄になるわけではないんですが、プラスチックを鉄づくりに役立てていますと、こういうふうにおっしゃっていただいたほうがわかりやすい御説明かなというふうに思います。
 それでは時間も参っておりますので、ケミカルリサイクルの再商品化事業者さん、4事業者からのヒアリング及び意見交換はここまでとさせていただきます。どうもありがとうございました。
 次に、特定事業者の方々からのヒアリング及び意見交換をいたしたいと思いますが、席がえをいたしますので、少しお待ちいただきたいと思います。ケミカルの再商品化事業者の説明者の方々は控え席へお移りいただき、特定事業者の説明者の方はメインテーブルへの移動をお願いいたします。

〔説明員移動〕

日本チェーンストア協会

○森口主査 それでは引き続きまして、事業者からのヒアリング及び意見交換ということで、特定事業者からのヒアリングでございます。「特定事業者」という言葉も消費者にはわかりにくいというふうにおしかりを受けるかもしれませんが、容器包装の製造、あるいは利用事業者さんということになろうかと思います。
 では、まず上山委員から、資料7「日本チェーンストア協会資料」に基づき、御説明をお願いいたします。同じく、説明は5分間厳守ということでお願いいたします。

○上山説明員 おはようございます。チェーン協の上山です。資料7に基づいて御説明いたします。
 まず、資料7の2のところでありますけれども、すべてパワーポイントのページで申し上げます。チェーン協自体は2008年の総売上高13兆1,300億の売上を持つ、GMSとSMなどの業態を主体とする小売業の団体であると。
 次のページでございますけれども、現状の容器包装の3Rの取り組みについて、現状、ポイントを四つ御報告いたします。
 一つは、容器包装利用料の削減でありますけれども、大半、その中心となるのはプラスチック製容器包装でございますが、その利用料が資料の3ページでございまして、2007年度に対して2008年度は総量7.1%ダウン。内訳を見ますと、いわゆるレジ袋、あるいはレジのすぐ後ろにあります小分けのタイミーパックと呼ばれるものが9.0%減でありますけれども、もう一つ、袋以外、主としてトレイ等の容器資材は5.6%の減になっております。2009年度も、ほぼこのようなペースで現在推移をしていると思います。
 次に資料4でありますが、そのプラスチック容器包装のさらに中心となるのがレジ袋でございます。レジ袋の利用削減につきましては4ページで、これにつきましてはグラフをごらんいただければ結構かと思いますが、調査を開始いたしました2002年が8.0%のレジ袋辞退率でございましたけれども、直近の2010年の1月に24.35%に辞退率が上がっております。したがって、お約束の2010年度末までに30%の削減を行うということは、もう射程距離に入っております。
 次のページでございますが、その中心施策はレジ袋の無料配布中止でございます。これがチェーン協加盟全社でいきますと、29都道府県、40社1,369店舗で既に実施をされておりまして、平均約80%のリデュースが既に達成をされております。これは2007年1月からスタートでありますから、3年間でのこの推移であります。
 次のページはイオンの事例でございまして、申し上げたいのは約300の市町村で自主協定を締結をし、866店舗で既に実施をしているということでございます。
 その次のページに、京都の自主協定の見本を入れておりますけれども、先ほど申しました数多くの市町村でこういう協定が自主的に結ばれておる。重要なのは、そこの地方自治体と市民と企業が、自主的な形で約1年間、地域で話し合いをし、その合意したことを協定化するということでございますが、これが既にリデュースが大きく達成されました後は、このボード自体が進化し始めておりまして、別の課題設計をし、自主的に動いている。例えば戦略的な簡易包装を次のテーマに選ぶとか、子供たちの教育という問題に挑戦するとか、各地それぞれの進化を遂げております。
 次のページは、容器包装の店頭回収に関する現状でございますが、平成20年度の回収量は、ここにあるとおりでございます。特にポイントは、PETボトル、牛乳パック、トレイが上のグラフでございますが、アルミ缶、スチール缶、ガラス瓶については大きく横ばいになっておる。上のPETペットボトル等、トレイまでの三つにつきましても、この5~6年は横ばいになっておりますが、これは1店舗当たりの回収量がおおむね上限に達しておる。だから実施店舗をさらにふやすという施策が必要でありますが、これは自治体との連携をさらに強化をしていくことが大変重要な課題になっておるということでございます。
 その次が現状の、新しい生活者への見える化政策としてのカーボンフットプリントの制度が、今、動こうとしております。
 次のページは、今後の課題、主として3点申し上げたいんですが、一つは透明性・実効性の向上ということで、ただ乗り事業者の公表制度をさらに拡充することが必要と思っておりますし、同時にそれぞれの義務履行状態の公表をさらにシビアに行っていくことが必要だと。目的は、市民のモニタリング機能が作用することをもっと図るべきである、ということであります。
 次のページは、環境配慮設計の推進と公平性の向上ということで、例えば減装ショッピングのシステム化。きょうは石川先生がおられませんので残念でありますが、このCtoBの大きな改革のシステム化について行っていく。あるいは責任分担の公平性の向上について、さらなる改革が必要であると思っております。
 最後に、市町村の分別収集、選別保管に関するコスト構造の公開が、市民の参画をさらに得るためにも絶対必要である。例えば廃棄物の会計基準の統一などは、直ちに行うべきであろうと思っております。
 最後に、海外の事例でございますけれども、注目すべき動向が昨年度から大変大きい、ビッグリテーラーで動いておりますが、このような内容というのは、本来、日本が取り組むべきものであるというふうに思っています。それは、いわゆる知識の集約度が大変日本は高いわけでありますので、行政も入った産官学民で、このプロジェクトを推進するべきではないかということを申し上げて発表を終わりたいと思います。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございます。

日本プラスチック工業連盟

○森口主査 続きまして、勝浦委員から資料8「日本プラスチック工業連盟資料」に基づきまして、御説明をお願いいたします。

○勝浦説明員 それでは勝浦から御説明いたします。私のほうは、特定事業者の中でも容器包装をつくっているという立場のところを中心に本日は御説明いたします。
 今、上山さんの説明では、容器はなくてもいいみたいな雰囲気もちょっとしましたけれども、決して彼もそういうことが言いたいのではなくて、できるものは減らします、しかし必要なものは必要だという主張だというふうに理解した上で御説明いたします。
 私の資料は、1ページから10ページまで、パワーポイントで言いたいことをずらっと並べてありますが、本日は時間もないので、ここも余り個々には説明いたしません。それから、11ページから13ページは、質問に対する回答、一応、一問一答の形でお答えをしております。
 それから、その質問の要望事項については、14ページにあります要望1、これは日本プラスチック工業連盟、塩ビ工業・環境協会、塩化ビニリデン衛生協議会、全国プラスチック食品容器工業組合、日本ビニル工業会、日本ポリエチレン製品工業連合会、PETトレイ協議会、いずれも私どもの会員のメンバーですが、そこでいろいろ議論してまとめたものです。
 それから要望2は、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会で取りまとめていただきました。時間がなかったので一本化できずに、ちょっと幾つかばらばらと並べてあって恐縮ですが、御一読ください。
 この1ページの下にありますように、容器包装というのは、使うまで、事業者の関心というか、事業者が一番重きを置いていますのは、商品を包んでいるという、その状態のときにどういう機能を発揮しているか、マーケティング機能はどうかということに我々は非常に大きな関心を持っている。
 逆に消費者の皆さんは、それを使った後で、ああ、邪魔だな、ごみだなということで、ここに書いています緑の部分と青い部分の関心の違いがあるということ。我々はやはりこの間を両方どうやってお互いに理解していくかということで、日々いろいろやっているわけですが、きょうはどちらかというと、この機能のところについて少し御説明をさせていただきます。
 実物でなるべく御説明したほうがいいと思いますので、まずこれは御存じだと思うんですが、「鮮度一滴」という新しいおしょうゆの容器です。これはプラスチックの特性を非常にうまく生かしている容器だというふうに考えております。
 というのは、二重になっておりまして、内側の袋、しょうゆが入っている部分ですが、これはおしょうゆを出すと空気が戻っていかない。絶えず、プラスチックはへこむということで、しょうゆしか入らないような構造になっているので、いつまでたっても酸化しない。常温に置いておいても70日ぐらい、全く酸化せずに使えますということで、これは容器としては非常にプラスチックの特性をうまく利用した容器だと思います。しかも、PETに比べて軽量化もされているということです。
 それから、よくお見せしているのが、こういうラミネートの商品ですが、これは厚さが50ミクロン。ポリエチレンとポリプロピレンの複層で、これはアルミ蒸着のタイプですが、これと同じ酸素透過量を確保しようとすると、例えば単層のポリエチレンでつくると、計算上ですけれども、13.5ミリ、こういう厚さの容器をつくらないと同じ酸素透過度は確保できない。そうすると、どちらが省エネか、リデュースに意味があるかというと、当然、こういう容器を使うほうがいいということになるわけです。
 例えばマヨネーズのこういう瓶ですね。普通の方は、これは複合素材ではないと思っているんでしょうけれども、実際にはこれも中に酸素バリアー層が入っているということで、3層構造になっております。
 これは油の容器ですが、同じく3層の容器になっております。
 それから、これは全く使い勝手の問題なんですが、容器を開けるときに、非常に簡単にあく容器と、あけにくい容器がありますが、これは簡単にあくという容器。これがポリエチレンの例です。
 幾つかあります。それからあと、アルミを使わないレトルト容器等も開発されております。それから、これがバイオ原料でつくったプラスチック。
 いずれにしましても、ちょっと時間がないので、最後の19ページに飛ばしていただきます。ここに結論を書いてございます。私どもが考えていますのは、容器包装の第一の使命は中身を保護することだと。資源を最大限有効に利用するためにも、中身のロス、特に食品の場合、食品廃棄ロスを減らすということが大事なので、それに向けて容器包装を開発している。
 そういうことになりますと、中身が多種多様、このごろ食材というのは非常にたくさんございますので、それに応じて容器包装は多種多様にならざるを得ない。そうすると、なかなか単一素材で、しかも特定の樹脂だけの容器包装というのは対応できないということになります。ですから、やはり排出されるプラスチック、多種の廃プラが出てくるという大前提のもとに、ぜひリサイクルのシステムを考えていただきたいということでございます。
 しかもプラスチックというのは、御承知のとおり、石油からできておりますので、エネルギーを大量に持っていますから、そのエネルギーを有効に使うという観点も含めて、ぜひ御議論いただければというふうに考えております。
 時間が短いので、余り言いたいことを言えていませんが、終わります。

○森口主査 ありがとうございました。

(財)食品産業センター

○森口主査 それでは最後に、「(財)食品産業センター資料」でございますが、合同会合のほうは花澤様が委員をお務めいただいておりますけれども、渡邉様が説明員としてお越しいただいておりますので、資料9に基づいての御説明をお願いいたします。

○渡邉説明員 それでは花澤にかわりまして、渡邉が説明をさせていただきます。資料9に基づきまして、時間がないので、ザッと説明をさせていただきます。
 御存じのとおり、食品製造業の特徴というのは、中小企業が大半を占めているということですし、それからその製品についても多種多様で、温度帯についても、加温から冷凍まで、とにかく消費者に届くまでの温度帯は大変さまざまだということでございます。
 そして、食品をすべての消費者の方々に、どのような条件下にあっても安全で、安心して摂取していただけるようにお届けするというのが利用の目的ですし、すべて容器包装が不可欠になっております。特に品質の維持ということについては、重要なポイントでございます。
 したがいまして、容器包装のリサイクル費用も、実は食品産業が55%を支出しておるということになっております。このような状況下で、食品産業といたしましては、容器包装の3Rに関して自主的に行動しておりまして、まず第一に、容器の軽量化や薄肉化などのリデュースに努める、これを最大の目標にしております。
 それとともに、リサイクルのしやすさですね。これにつきましても、鋭意進めているところでございまして、詳しくは4ページ、5ページ、それから事例集等々をごらんいただければというふうに思っております。
 6ページに移りまして、食品メーカーが容器包装を利用するに当たりましては、先ほどもありましたとおり、中身の食品が消費者のもとに利用するまでしっかりと、その機能を果たすことが重要でございますので、そこにあります三つの基本的な機能、保護機能、利便機能、情報機能、このすべてを満足すること。これが材質・構造を決定する要件ということになっております。
 したがいまして、7ページの商品開発に当たりましては、どのような容器包装を採用するかについては、その基本的な機能を満足した上で、その商品がどうすれば消費者の皆様のニーズに合致するかということを踏まえて決定をすることになります。
 ただ、中小企業の商品というのは、容器メーカーさんのラインアップから選択するケースも多いですので、おおむね食品の種類ごとには、ほぼ同じ材質になっているはずでございます。
 8ページです。ところで、なぜ食品の容器包装にプラスチックが多く利用されるか。これは今御説明があったとおりでございまして、非常にすぐれた成形性や耐熱性、耐腐食性など、多くの利点があるということで、食品の製造・流通・消費商品について、プラスチック容器包装なしでは考えられないと言っていいと思います。
 そして、利点を生かして欠点を補うための幾つかの種類のプラスチックが使用されていますけれども、9ページです。最近では、PVCやPVDCは、代替が進んでいることもございまして、減少してきております。ただ、ガスバリア製については、品質保持上、大変不可欠でございますので、食品容器包装として利用をしております。
 10ページから11ページであります。その利点を生かしまして、欠点を補ってリデュースを推進するという面で、この複合素材は極めて有用でございまして、機能の面での評価はもちろんのこと、コストの面でも積極的な利用価値を提供しております。
 時間がないのでちょっと飛ばしまして、14ページに移りまして、識別表示の高度化についてでございます。識別表示は、分別の目印として、法にのっとって、できる限りの配慮はすべきというふうに思っておりますが、制約条件がこのごろ大変多い。核家族化や高齢化、食の形態の変化もありまして、小容量化、個包装化と同時に、法的規制といいますか、JAS法ですとか、食品衛生法等々によりまして、表示項目が増加をしております。
 15ページを見ていただくと、その状況が御理解いただけると思います。
 そして、最後に再商品化製品の利用の率先購入につきましては、まさにそのとおりにしたいというところでございますけれども、食品メーカーの我々のニーズ、基準に合致しているかどうかということで決まりますので、ぜひまずは相互のコミュニケーションが重要ではないかというふうに思っております。
 ちょっと時間をいただいて、最後に私どもの主張を申し上げさせていただければと思います。容リ法の円滑な運営には、各主体が協働・共創の精神のもとで連携する。そのためにも材料リサイクル手法の優先的取り扱いを維持するために、これ以上、高度化をすると、消費者を初め自治体に一層高度な分別排出、分別回収という社会的・経済的負担を求めるということになります。そして、その支出を担当する我々特定事業者にとりましても、決してプラスにはならないというふうに思っております。
 ましてや社会的・経済的に大きな問題ですので、環境負荷低減の面でも、マテリアル優先の根拠が明確でない以上は、早急に優先の取り扱いは撤廃していただきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございます。

意見交換 資料7~9の質疑

○森口主査 それでは以上、資料7から9の御説明について、御質問等ございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 札が上がりましたが、最後、渡邉委員のほうから御説明のあったところで、1点だけ確認をさせていただきたいんですが、これ以上の高度な分別等をした場合に、特定利用者さんの負担がふえるというようなことをおっしゃったかと思うんです。自治体の選別保管といいますか、収集コストの部分は自治体負担ですので、その高度な分別をした場合には、むしろ再商品化コストは下がる方向であるというような議論を再商品化事業者さんからいただいておるんですけれども、そこのところはどういう関係になりますでしょうか。ちょっとこの部分は事業者さんからご説明いただけますでしょうか。

○渡邉説明員 それは、基本的にしっかりと分別をして、さらに特に利用しやすい形できれいに、例えば塩素分がつかないように洗浄をするとか、大変高度に分別をする、または中間処理をするということになりますと、結果的にコストが高くなる。最終的には、それは支出として特定事業者が支出をするという形になるだろうというふうに思っております。
 最終的な負担はすべて消費者の方になるんだろうと思いますけれども、一義的な支出は特定事業者にも影響してくるというふうに思っておりまして、トータルでは高コスト構造になるというふうに思っております。

○森口主査 済みません、確認ですが、トータルでとおっしゃったのは、社会コスト全体のことをおっしゃっているのでしょうか。再商品化事業者のコストでしょうか。

○渡邉説明員 トータルです。

○森口主査 トータル。特定事業者負担分ということではなくて、社会構造全体としてふえるという、そういう理解でよろしいわけですか。ありがとうございました。
 それでは委員のほうからいかがでしょうか。平尾委員、お願いいたします。

○平尾委員 よくわからなかったのですが、この場ではリサイクル手法の検討をしていると思っているのですが、チェーンストア協会の上山さんの御説明の中では、チェーンストア協会として、出した後のリサイクルの手法について何かお考えがあるかどうか、ちょっと御説明の中ではわからなかったので、もし何かそれに関して御意見があれば教えていただきたいと思います。

○森口主査 加えて、もしできましたら、特定事業者という重要なアクターとして、再商品化された製品の利用に関する取り組みということについても何かお話しいただけることがあれば、お願いいたします。

○上山説明員 第一義的に重要と思っているのがリデュースですので、そちらにまず絞って、5分ということで終わりにしましたけれども、リサイクルということに関しての我々の関心事は、特にプラスチック製容器包装と、いわゆる日用品等々のコモディティグッズにリサイクルされているのはわずか2%であるという認識に立っていて、いわゆる消費者が目の当たりにするのは、その商品になるわけですね。建築資材等々ではない。したがって、この比率を高めなければならないという認識はありますし、そういう論議はしています。
 ただ、やっぱり第一義的にはリデュースの政策をもっと進めていくということと、消費者にどれだけわかりやすく伝えるかということに最も力点を置いているということでございます。これはもうカーボンフリーもしかりでありますし、ありとあらゆる環境ラベル等々を通じたコミュニケーションが、例えばエコマークでありますと、85%強の消費者の方は認知されているんだけれども、そのことを動機として購入したという人は、本当に一けたの下のほうです。したがって、本当の意味での「伝える」ということがされているとは思えないという意味で、どのように正しく伝えるかということが最大の小売業としてのミッションだと、こういう認識でおります。

○森口主査 どうぞ。

○平尾委員 ということは、やはり見えやすいという意味では、マテリアルリサイクルのような形で、チェーンストア協会が扱う商品になって戻ってくるというようなことが望ましいとお考えになっている。

○上山説明員 はい。ただし、それは材料リサイクルを優先することに賛成しているということではない。それははっきりしている。

○森口主査 ありがとうございます。
 では、ちょっと関連することですので、私が発言を行って恐縮なんですが、材料リサイクル、現在の容器包装リサイクル法のもとでの材料リサイクルかどうかということではなくて、リサイクルしたプラスチックを使っていくということに関しては、消費者に接しておられる事業者さんとして、そのこと自身は重要であると……。

○上山説明員 非常に優先度の高い政策テーマである、これはもう間違いないです。

○森口主査 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。では小寺委員、お願いいたします。

○小寺委員 今後のプラスチックの使用量、容器包装についての使用量の推移はどうなるか。特に人口の減少で使用量が少なくなるかなという思いの一方で、一戸当たりの人数が少なくなって、食べる量が少なくなったり、少量ずつを包む個包装の必要で包装材が逆に多くなっていくという話もあります。今後、容リプラスチックが増えていくのか、減っていく傾向なのでしょうか。
 また、材料の複合化の傾向が見られますが、それはやはり今後も続いていくのか、あるいはそんなに変わらず推移していくのか、その辺の見通しはどんなお考えですか。○森口主査 ではお願いいたします。

○渡邉説明員 使用量の推移の今後の見通しでございますけれども、基本的には人口がもう減少時代に入っておりまして、その前に、特に食品ですが、食品については全体の胃袋の許容量が小さくなっていますので、そういう面では全体の食品の量は減っています。ただ、小容量、個包装化は間違いなく進んでまいりますので、今のところ、ここ数年から5~6年のところは、ほぼ横ばいで推移をするのではないかというふうに思っております。

○森口主査 では勝浦委員、お願いいたします。

○勝浦説明員 私のほうは、個包装でどうかということはなかなか数字をつかんでいないのでわかりませんが、ただ要するに単位面積当たりの数量とか、そういう原単位という立場でいいますと、いわゆる原料をつくるメーカーさんから包材に組み合わせるメーカー、ものすごく努力しておりますので、間違いなく減っていくと思います。
 ただ、複合化の話について言えば、ますます複合化は進むんだろうなと。私の資料の何ページかに、プラスチックごとの機能を○×で書いていますが、残念ながら全部に○がつくようなプラスチックは、今のところまだ見出されておりません。小寺さんのところとか、そういうところで新しいプラスチックができて、もう何でも大丈夫ですとなれば、それはその単層でできますが、今のところ多分それは不可能で、ますます複合化して、より薄く、より軽くということを目指すというのがスタンスだと思います。

○横越説明員 一つ追加してもいいですか。現実的には、今、勝浦委員が説明されたとおりだと思うんです。特定事業者の中にも、原料そのものをつくっている事業者さんと、私たちのように、今度はそれを利用してお客様に届ける、メーカーがいてこの両方とも実はリデュースを目指しているんです。そして、リサイクルしやすい方法はないかということは、目指しています。これが今度は私たちの競争力なんですね。
 ここで例えば公に今の段階で申し上げることはできない技術も実はあって、単一化素材もやっぱり企業それぞれ目指していらっしゃると思うんです。ただ、今の段階でそれが表に出せるかというと、実はできないので、複合化を選んでいるというふうに御理解いただきたいと思います。それが競争、私たちの利益の原資でもあります。

○森口主査 ありがとうございます。
 上山委員のほうから何かございますでしょうか。

○上山説明員 どういう政策を、この後、我々がやっていくかということにすべてかかるというふうに思っております。一つは、例えば石川先生なんかと今やっている減装ショッピング、これは去年、神戸でやって非常に成功したと判断をしているんですね。戦略的な簡易包装した商品と通常商品を並べて、3ヵ月間、質問があれば直接お客様に説明するという体制をとったら、3分の2のお客様が、いわゆる戦略的簡易包装のほうを選ばれて、満足度は決して低くなかったという事実。それを今、システム化しようという第2段階の実験に入っているわけですね。
 こういう政策をどんどん進めていくことがあれば、当然、変わってくることが一つあると思いますし、それからもう一つちょっと課題を大きくして、私たちは今、バイオマスの素材化というのを大変重要なテーマだと考えているんですね。レジ袋は最後はゼロにはならない。80数%ダウンします。十数%残りますので、協会の中のある先行企業では、これの素材をバイオマスにかえようということで、植物由来のプラスチックに今切りかえている。
 実際に先月、半月間、それをお客様に2万枚提供して、これはいわゆるサトウキビの副産物ですけれども、いわゆる廃糖蜜、これを使って98%のバイオマスをつくって、実際にこれは機能したんです。
 ただ、この後、原材料調達をどのように安定的に行っていく体制をどうつくるかが重要です。こういう政策をどんどん進めていくというようなことをしていけば、先ほどの御質問に対しては答えは変わってくるというふうに私は思っています。

○森口主査 ありがとうございました。
 大塚委員、先ほど札が立っておりましたが、よろしいですか。

○大塚委員 大体はお答えいただいているかと思うんですが、一つだけ、横越委員からの御説明があったんですけれども、複合素材に関しては、今まで割とリサイクルしにくいという議論が多かったんですけれども、今回はリデュースには役に立つという議論が出てきている。
 しかし、一度つくったら、あとリサイクルしにくいということは当然あることはあると思いますが、先ほどのお話だと、これから当然、包装材をそのまま使っていっていいというわけでは必ずしもなくて、単一素材のこともお考えになっているけれども、しかし当然リデュースのことも考えなくちゃいけないので、そんなに一義的には言えないと。どっちがいいかということは、そんなに簡単に今のところ一義的には言えないということだと思いますが、リサイクルもリデュースも両方で検討していくとして、インセンティブの働き方としては、現在のような選ばれ方がいいのかどうかということについては、どうお考えかお伺いしたいと思うんです。
 というのは、具体的には食品の業界さんにとっては、複合素材を使っていることが後で再商品化の費用がかかってくるというふうにはね返ってきているんじゃないかと思うんですけれども。

○横越説明員 おっしゃるとおりだと思います。

○大塚委員 まあしかし、複合素材との関係では、今のような仕組みというのがインセンティブの働き方としては一応適切なのかなというふうにも思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

○森口主査 多少、重ねて私のほうからお尋ねしたいんですが、「複合素材」という四文字だけで割り切るのも、やや短絡的な議論になるかなと思っておりまして、きょうは材料リサイクル事業者さんはちょっと意見交換に参加される立場にないわけですが、複合素材にもさまざまなものがあり得るので、材料リサイクルし得る複合素材というのがあり得るのか、あるいは材料リサイクル事業者さんにとって阻害要因になるような複合素材等、今すべてごちゃまぜになって議論されているような気もいたします。
 リデュースをしつつ、つまり特に食品の容器包装という機能を果たしつつ、リサイクル性にもすぐれたような複合素材というのは原理的に不可能なのか、そういうものも中にはあるのか、その辺も交えてお答えをお願いしたいと思います。

○横越説明員 私たちは、メーカーさんの原料を使って、容器包装をつくってくださるメーカーの方と、競合して、世にない新しいものを、どうやったら自分たちの会社が残れるか、実はそれが民間企業の競争なんですね。その中で、今あるリサイクルの手法の土俵だけで全部戦えと言われると、私たちはとっても困る。
 いわゆる、さっきおっしゃったインセンティブというのはどこにあるかなんですけれども、私たちにインセンティブはないと思っているんですね。それが私たちから言えば、材料リサイクル優先枠があるということです。ですから、リサイクルという手法は、幾つか出ていますけれども、やっぱりもっと排出量を少なくすることだろう。リデュースがやっぱり一番優先されるべきだというのは私も同感でございます。
 そのときに、複合リサイクルだとリサイクルしにくいよね、これも重々わかっているんです。ただ、リデュースを優先して、そして安くお客様に、しかも食品をつくるわけですから、一番私たちが気にすることは、食品の中身、安全、安心ですけれども、包装するということ、輸送するということ、そして私個人的な会社で言うと、そのものが今度は食べるときの容器にもなるということ、その三つの機能を全部今の価格で御提供するというのは、やっぱり複合素材になってくる。現実は、今の段階ではそうですね。
 ただ、単一素材で、また新しい技術革新が起こって、今の例えばカップヌードルがそういう容器で提供できるとしたら、当然それはお客様が選んでくださると思うんですね。他に対して優位性を保つことができる、それを見えるようにするということも私たちの使命だと思いますので、当然そこはやってみたいと思います。
 ただ、もう一つ、今のインセンティブですよね。先ほど、一つ前にいわゆるケミカルリサイクルの方たちが、同じように材料優先ということはやっぱり撤廃していただけないかというお話がありました。私たちは、それもお願いしたいと思いますし、もう一つ、サーマルリサイクル。飛び過ぎているかもしれませんけれども、燃焼ということ、それはエネルギーを回収して、実はリサイクルなんだという考え方も、ぜひやっぱり議論の中に将来的には入れていただきたいと。
 これしかないんだという発想ではなくて、やっぱり時代により、地域により、国により、一番いい方法を選んでいったら、そういう議論をできるような場にしていただければ、いろんなメーカーから消費者まで、皆さんが手を組んで、一番いい経済的な方法をつくっていく社会になると思います。

○森口主査 では勝浦委員、お願いいたします。

○勝浦説明員 複合素材の話が出ていますけれども、私の資料の5ページ、資料ナンバーの9に、これはシート素材ですけれども、非常に長いスパンで、1970年からどのように変わったかというようなことが掲げてあります。これで見ていただくと、例えば豆腐の容器、昔は塩ビできていたものが、こういうふうに長いスパンで見れば、素材というのはかなり変わってきているんですね。
 これは環境要因ですとか、コストの要因とか、いろいろあります。一言で言えば、単層の素材に比べて複合化した素材というのは、多分、単位面積当たり10倍とか20倍とかという非常に高い値段になるわけですね。ですから、容器をつくる人は、まず安くということがありますから、同じ性能が出れば、当然、単一素材を選ぶ。しかし、それでは機能が守れないために、やむを得ずと言ったら変ですけれども、その機能を満たすために、ミニマムの素材を探すと複合素材にならざるを得ない。今の技術では複合素材でないと、そのことを満たされないということで、そうなっているわけです。
 長い目で見れば、10年先、20年先、包材がどうなるかというと、それは単一素材にもっていくかもしれませんが、今はこういう状態ですから、やっぱりこの状態をどうやってリサイクルするかということで考えていただかないと、将来、単一素材になるだろうからマテリアルいけるだろうと言われても、それは10年、20年先のことなので、あくまでも現状を認識した上で、リサイクル法についてぜひ、リサイクルというのはマテリアルだけじゃなくて、今言いましたもサーマルも含めて議論していただかないといけないんじゃないかと思います。

○森口主査 ありがとうございます。
 必ずしも単一素材にしてくださいというふうに私どもからお尋ねしたつもりではなくて、複合素材でリサイクルができないのかなということでお尋ねしたんですけれども、それについては、素材メーカーさんではないということで、ちょっとお答えしにくいということでよろしいでしょうか。

○勝浦説明員 例えば複合素材のリサイクルというのも、技術的にはできている部分がある。これはどちらかというと、複合素材、いわゆるラミネートをつくっている工場で出てくる端材、耳なんかは、単一の同じ組成で常に出てくるものですから、そういうものをリサイクルするという技術はプラ処理協さんでも一緒にやって、相溶化剤を工夫してやるということはできております。
 ただ、市場に出た、ありとあらゆるものを全部やれる、万能な相溶化剤は今のところまだないので、そこまではできていない。材料リサイクルはできないと。

○森口主査 ありがとうございます。
 ではお待たせいたしました。辰巳委員、お願いいたします。

○辰巳委員 ありがとうございます。いろいろ御説明を聞きながら、私も最初質問したいなということも含まってしまって、ちょっと整理しにくくなってしまったんですが、まず3社の方から伺って、データもお出しいただいているし、非常にリデュースが進んできているという事実はとてもよく理解しました。
 先ほどのケミカルの御説明の中で、安定的に燃料という意味で容器包装剤を欲しいというお話が結構あったりしているんですね。あったと私は思ったんですけれども、今、ちょっと市町村の方はいらっしゃらないのかな、どうかわからないんですが、実際に製造して市場に出ている容器包装の量というのがちょっと見えなくて、量と、分別されてああいうリサイクルの事業者の方たちに届いている量との間を、どうすれば埋められるのかなというふうに考えたいなというような質問なんですね。
 そのためには、やっぱり消費者の力、役割というものが大きなところかもしれないですけれども、消費者の役割だけではなかなかうまくいかないところもあるかと思うんです。そのあたりに関して、3社の方々、どういうふうに思っていらっしゃるのかというのが一つの視点。どういうふうに思うって、どういうふうに一緒にやっていったらいいかというふうに思っておられるかというのが質問です。
 それから、あと複合素材のお話は、前々から非常に話題には上がってきているというふうに考えております。きょうの御説明も受けたし、先ほど原料を回していただいて、びっくりするような、あんなふうにうまくめくれるんだというのもよくわかったんですが、あれを私は今ここで見せてもらったから、ああ、そうかとわかるんですけれども、やっぱりなかなか広く説明し切れませんよね。何かうまくそういうものを説明できるような方法があるといいなというふうに思っております。
 だから何かというと、リサイクルの手法というのは、今後いろいろ検討されるとは思いますけれども、少なくとも現状、こういうふうなものを使っていて、私たちがそれによってこんな利益を受けているんだというふうなことが、ちょっと……。私たちといったらいいのか、市町村も含めてね。
 量は減っているわけですから、市町村も恐らく何なりの利益もあるんじゃないかというふうに思ったりするんですけれども、そこら辺の情報、コミュニケーション、先ほどの勝浦さんの絵のピンクの部分ですね。私もまだまだ不足しているなというふうにすごく思ったりしたんですが、そのつなぎ手がだれなのか、そのあたりに関して、ちょっとまた御意見いただけたらというふうに思います。

○森口主査 ありがとうございます。
 辰巳委員の御指摘の1点目は、恐らく容器包装廃棄物として、あるいは容リ法の本来対象になるようなものが一般家庭からどのぐらい出ていて、それに対してどのぐらい集まっているのかという、そんなお話なのかなと思うんですが、正確な数字を今、横山課長のほうから。

○横山課長 厳密な統計というのはないんですけれども、サンプル調査を全国版に拡大して、ざくっとした量を言うと、一般廃棄物のプラスチックは年間約500万トンと言われておりまして、大体3対2で、そのうち容器包装が300万トン、製品本体のプラスチックが200万トン。その300万トンの容器包装のうちおおむね100万トンぐらいが、容リ法に基づいてリサイクルに回っている。
 そのうちPETボトルだけで30万トンぐらいたしかあるわけですよね。その他プラスチックでいうと60~70万トンという量かと。残りの製品プラスチックの200万トンと容器包装の200万トン、これは基本的に焼却か埋め立て処分ということになっていると思います。

○森口主査 ありがとうございます。
 PETの場合には、出荷量に対する回収量が非常に高いので、その他プラに関していえば、一般の家庭系のごみで出てくるものに対する商品の分別収集量の割合はより低くなるということかと思います。今、一般廃棄物というお話がありましたが、事業系一般廃棄物の中に、一部やはりそういったものが入っている。これは産廃なのか事業系一般廃棄物にすべきかという議論があろうかと思いますが、事業系から排出されたものについては容リ法の対象外ということになっているからと思いますので、そのあたりも含めて、また別途、議論もあろうかと思います。
 それでは辰巳委員からの御質問につきまして、いかがでしょうか。各事業者さんのほうからお答えをいただけますでしょうか。では渡邉説明員、お願いします。

○渡邉説明員 回収、リサイクルの差をどう思うかという話でございますけれども、これはやはり何とかその差を縮める努力というのは、国を含めた4主体が、積極的に今後ともかかわっていく必要があるんだろうというふうに思います。今それが完全にできていないというところで、この程度になっているのかなと思いますし、我々、食品事業者もいろんな機会をとらえて説明はしているつもりですけれども、なかなか届かないというところが実態でございます。
 それとある意味では、サーマルリカバリーをしっかりと利用したとすれば、もう少しこの差は埋まってくるのではないかなと。ここのところは見えておりませんので、余りはっきりとはそういう意味では申し上げませんけれども、そうだろうというふうに思っております。
 特にあと複合素材の説明については、やはり我々も努力をしていく必要があるというふうに思っております。

○森口主査 ありがとうございます。
 では上山委員、お願いいたします。

○上山説明員 結論を先に申し上げますと、地方自治体の方との連携を、けた違いにアグレッシブにしていくという施策が必須であるというふうに思います。私自身も、直接、現場に入り込んでやっているレジ袋のリデュースに関しては、約300の市町村との間で自主協定と申し上げましたけれども、これは簡単に協定を結ぶということではなくて、1年間かけて、その地域で話をしていくというプロセスが実はあります。
 そのときの成功しているところの自治体の共通認識は、やはり首長と市町村の担当者の情熱という具体的なアクションがあって、市民の参画がある、あるいは市民の参画が増幅されていく、こういうことが現実に起こっているわけです。
 したがって、市民の声をいかに反映させるかという政策を第一義的にして、地方自治体さんが動く、こういう構造をつくらないと、今の容リの差をどうやって埋めるかという施策の根本は直らないというふうに私は思っております。
 以上です。

○森口主査 ありがとうございます。
 では勝浦委員、お願いします。

○勝浦説明員 なかなかいい答えがないんですが、我々もホームページでとか、いろいろ機会を見て、例えばさっきの袋、いわゆる包材はこういう機能があるんだという説明を、我々もそうですし、我々の会員の団体もやっているんですけれども、やっぱりなかなか新聞広告するとか、テレビ宣伝するほどの力はないということで、うまくできていません。
 上山さんのようなチェーンストア協会ともう少し話をして、例えばスーパーの売り場に、こういう意味で、こういう包材になっていますというような広報をやるとか、そういうことを少しお話ししたいですねという話を始めたところなんですけれども、やはり最終的に消費者にチャネルがあるところとお話をさせていただくのが必要だと考えています。
 ただ、一例として、例えば私が購入したレトルト食品の袋の裏側に、なぜこれは複合素材になっているかということを説明したような包材を見たことがあるので、できればそういう容器を使っている食品メーカーさん、そういうところが、どこかスペースがあれば、これはこういう意味で複合化していますというようなことを少し書いていただくと、多少はPR効果があるんじゃないかなということがありますので、またそのあたりも、食産センターその他ともいろいろお話をさせていただきたいというふうに考えております。

○森口主査 ありがとうございます。
 残り10分程度になりましたけれども、ちょっと事務局のほうから質問があるということですので、環境省、上田室長、お願いいたします。

○上田室長 勝浦委員の資料の11ページ以降に、「ヒアリングについての回答」いうところで1点、12ページの真ん中からちょっと下あたりからですけれども、設計を行う際に材料リサイクル事業者の意見を聞きながらできるのかという前ふりで、「リサイクルのための包材開発という発想はあり得ない」という一文が、どうもここまで聞いている説明と随分異質な感じがします。ここのところは多分、形容詞が足りないのかなということで、真意をお伺いしたいと。
 PETボトルなどは、これまでも成功事例ということで、メーカー側が色を統一したりとか、いろいろやっていて、何とかうまく、ある面ではリサイクルできているという中で、どうしてここは断言ができるのかというところが、真意を伺いたいのが一つ。
 あともう一つ、実際に意見交換を行うことは今後とも行っていきたいというふうに書いてあるんですけれども、こういった点について、その上との整合性もあるんですが、そういう発想というのは、そのほかの素材をつくっておられる中身、利用事業者の方に聞いてもリサイクルというものの位置づけが、いつも容器の機能ばかりがこうなるんですけれども、環境配慮設計という観点で意見も聞いていくというのは大きな柱としてあるのかどうか。これは勝浦さん以外の方にも聞ければと思います。

○森口主査 お答えいただく前に、私からも少し追加させていただいて、石井オブザーバーの札も上がっておりますので、それをまとめて関係の事業者さんにお答えいただきたいと思います。
 私も、上田室長から御指摘のあった点、これはちょっと気になったんですが、質問がかなり特異に、材料リサイクル事業者の意見を聞きつつというふうに限定されているんですが、そういうことではなくて、先ほど私、上山委員にもお尋ねしたんですけれども、リサイクルしやすい素材開発、いわゆる材料リサイクルといいますか、プラスチックに戻りやすい包材開発といったこと、そういうことに関して循環性の高い包材開発というようなことを生産者の責任としてお考えになる余地はないのかどうか。
 つまり、こういうふうに「リサイクルのための包材開発という発想はあり得ない」というふうに断言されてしまうと、消費者に対するイメージもひょっとすると損なわれてしまうのではないかとちょっと懸念するところがありますので、容リ法のもとでの材料リサイクル優先ということとは切り離して、そもそもそういったところがどうなのか。
 それから先ほど横越説明員のほうからもサーマルリサイクルという話がありましたが、これも再商品化手法としてのRPF化のようなことをおっしゃっているのか、あるいは自治体で焼却するのでいいということをおっしゃったのか、こういったところも消費者感覚からいいますと、いろいろまた誤解を受ける可能性があるかと思いますので、そのあたりも多少追加、補足説明をお願いできればと思います。
 それでは石井オブザーバー、追加してお願いいたします。

○石井オブザーバー 質問というよりも、ちょっとコメントさせていただきたいのが一つだけありまして、上山委員の資料の10ページ目のスライドに、ただ乗り事業者、あるいは義務履行者の公表ということで、これは私ども容リ協会に関することなので、ここに関してちょっとコメントをさせていただきます。
 2ポツ目に、「現在制度に同意する特定事業者が容リ協HPにて」云々と書いてありますが、現在、義務を履行している特定事業者の義務履行状況については、これは別に同意をもらっていません。もらわずに、これは強制的といいますか、数年前から我々のホームページに公表しております。これは、ある事業者は、例えばプラスチックと紙、これについては義務を履行していますよという形で、○という形で公表を既にしております。ですから、ここには同意を求めておりません。
 それから次の「今後委託料」云々というところですが、この委託料についても、実は公表しております。ただし、この委託料については、公表する際に、主務省庁のほうから、これはきちっと同意をもらいなさい、同意してくれた事業者についてのみ委託料を公開するということになっておりますので、我々、全事業者に同意していただけますかというお伺いをした上で、同意をしてくれた約1万社を超えていますが、その事業者については委託料を公開しております。それは素材別に全部公開しております。
 ただ、約その半分、五千数社は公開したくない、公開を拒否するという返答をいただいていることも事実です。我々は、その理由を特に聞いてはいませんけれども、そういう事業者もいらっしゃるということでございます。
 それから、義務を果たしていない事業者の方については、我々も非常に何とかしたいという思いはあります。ただ、法律上は、これは我々権限を持っていませんから、できる範囲は限られているわけですけれども、ただ我々としても、去年の暮れから、義務を果たしていない事業者も含めて、何とか制度を理解してもらおうということで、いろいろ全国の大きな都市を回って、こういう説明会をしているところでございます。
 先週、我々協会の評議員会というのが開催されましたけれども、その席上でも、容リ協会、もっと義務を果たしていない事業者に対して普及啓発を積極的にやってくれという要望を受けていますので、来年度、少しこういうところも力を入れて、普及啓発という形になりますが、やっていきたいと思っています。
 何かそういうことでも、いいやり方なり、アイデアがあれば一緒になってやっていきたいと思いますので、またそのとき御指導をお願いしたいというふうに思います。コメントだけさせていただきます。

○森口主査 ありがとうございます。
 それでは上田室長と私からのお尋ねは、主に勝浦委員に対するものでしたし、それ以外のところも含めまして、今の石井オブザーバーからの特定事業者にかかわる問題等につきまして、上山委員、また別の委員からもしコメントありましたら、その後いただきたいと思います。
 まず、勝浦委員からお願いします。

○勝浦説明員 これは私の書き方が若干どぎつく書き過ぎているということは否めないんですが、ただ、ここで言っているのは、あくまでも材料リサイクルを最優先にして包材を開発するということはあり得ませんということで、やはり先ほどからるる申し上げているように、中身を守るということ、それが包材の使命ですから、それをまず第一義に考えて開発をしていますということで、優先の一番に材料リサイクルが来ることはないということです。
 それから、材料リサイクルに限って言われると、我々、必ずしも材料リサイクルだけでなくて、ケミカルリサイクルなりサーマルリサイクルを含めて最適なリサイクルを行うべきだと考えています。 例えば、先ほどお見せしませんでしたが、色のついたトレイで、表皮が外せるというような包材、これはマテリアルリサイクルにもいいですし、ケミカルなら油汚れ等がこれで取れるという意味で、こういう包材の開発もやっております。何もやらないということではなくて、優先順位が材料リサイクルを一番にと考えるのは難しいだろうということを、若干、どぎつく書き過ぎていると。
 というのは、これは質問が、全部、材料リサイクルの高度化で始まっていまして、この席はいわゆるリサイクルの手法のどれがいいかを選ぶ会議だと思うんですが、なぜ材料リサイクル、材料リサイクルとなっているのかとちょっと気になったということもあって、ストレートな書き方になっております。
 もう一つは質問の質問は何でしたか。

○森口主査 サーマルリサイクルに関して、RPF化のようなことをおっしゃったのか、自治体の焼却炉で熱回収をする、つまり容器包装として分別せずに自治体で燃やすのでいいのではないか、そこまで踏み込んでおっしゃったのかということを確認させていただきたいということです。

○勝浦説明員 これは横越さんにも答えてもらっていいのかもしれませんが、これは私の考えなんですけれども、例えば市町村の分別収集のコストというのを、今いろいろ調べています。この間、私、CO2削減、トン当たり9万円という話をしましたけれども、その後、もう少し調べると、例えば杉並区のデータですと、プラスチックを収集する、中間処理だけでトン当たり20数万円かかっていると。それにさらに6万何千円の、いわゆる再商品化コストをかけると、やっぱりちょっとかけ過ぎなのかなと。
 そうすると、そのやり方と、例えば燃えるごみですと4万円ぐらいで収集できているとなると、その差を埋めるだけの積極的な意味合いがあるかというのは、ぜひ議論はする価値はあるなというふうに考えております。その上で、最適な手法を選べればいいんじゃないかと。

○森口主査 ありがとうございました。
 これは次回の自治体からのヒアリングで気にかかる点だと思いますので。
 それでは上山委員、お願いします。

○上山説明員 先ほどの石井オブザーバーのコメントは、大変重要な点だと思います。私も、石井さんの基本的考え方と全く同じです。要は、ただ乗り事業者とか、もう一つ忘れていけないのは過少申告の事業者、これを実質的になくすということについて、最大のポイントは市民のモニタリングの機能が作用するということに私はあると思っています。
 したがって、それがある程度見える状態にしていくというのが、段階的でも結構ですけれども、必須であるというふうに思って、こういう書き方をしています。これに関しては、容リ協とは当然連携を取っていきたいと思っています。
 以上です。

○森口主査 ありがとうございます。
 渡邉委員、何か追加はございますか。

○渡邉説明員 お手元に、まだ出来たてで刷り上ったばかりでございますけれども、先ほどの環境配慮設計についての話がありましたが、私どもも3Rの観点から、大変、環境配慮設計をして、各企業とも目標を置いてやっているところでございまして、ここに挙げさせていただいたのは、その一部でございます。
 会員のアンケートから出したものでございまして、恐らく食品産業全体からすると、まだ一部ということですし、こういうものをより積極的に公表・公開をしていくことがやはり必要なのかなというふうに思っております。

○森口主査 ありがとうございます。
 では辰巳委員、お願いいたします。

○辰巳委員 ただ乗り事業者のお話の件なんですけれども、確かに市民に見えるようにして、市民のモニタリングの力というのは役に立つと思います。
 私もそれはそうなんですが、もう一つお返ししてしまっていいかどうか、ちょっと悩みながら言っているんですけれども、やはり事業者のサプライチェーンというのは非常につながっているわけで、重要でして、そういう悪いことをしている事業者の製品が店頭に並ぶということ自身が、本当に基本的に問題じゃないかと私は思ったりしますもので、そのあたり、消費者が店頭に並んでいるものを選ぶ時点で、私たちの目線で選ぶというところでチェックをかけるよりも、もっと前の段階でかけていただくほうがいいような気がするんです。だから一緒にやりましょう。

○森口主査 これはコメントということでよろしゅうございますでしょうか。

○辰巳委員 そうです。

○森口主査 ありがとうございました。
 ちょっと時間が来ておりますが、大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 私もちょっとどうかなと思ったんですが、これは役所のほうにお伺いすることで恐縮ですが、公表だけでなくて、勧告、命令の規定もあるので、前回お出しになったことでもあるんですけれども、最近は勧告、命令の状況はどうなっているか、ちょっと教えていただけますか。

○森口主査 では、横山課長からお願いします。

○横山課長 常に、そういう案件があるか・ないかということについては、主に特定事業者を担当している農林水産省と連携をして、全体的なウォッチをして、個別事例なども含めて、問題があるものについては例えば報告徴収をかけるとか、次のステップに入るとか、いろんな取り組みを行っているところで、常にそれは取り組んでおりますということでございます。
 あと関連する話で、ウォッチということのお話がございましたけれども、行政上の制度的な面でいうと、ほかのリサイクル法と比べて、容器包装リサイクル法のただ乗り事業者問題は非常に難しいところでございます。
 自動車と家電については、個々のメーカーの製品がどれだけどこで処理されたかということが、個別に把握できるシステムができておりますが、容器包装の場合には、それを把握できないということで、具体的には全体の量の中で、みずからの利用量なり製造量の比率ということで出すしかないというところで、「みずからの」というところがかかってくる。
 そこが制度的に捕捉する手だてが構造的に難しい。やろうとすると、ものすごいコストがかかる。そのコストは、結局は製品価格なりに反映されるということにつながるということで、非常にほかのリサイクルと比べて難しい問題があるというところだけはあろうかというふうに思っています。

○森口主査 辰巳委員からのサプライチェーンの御指摘もございまして、上山委員の資料の中でも、川上から川下の部門までのバランスの取れた責任分担のあり方という御指摘もございましたので、現行制度がそういう面で一番効率的なのかどうかというところにも波及してまいるかと思います。
 まだまだ御質疑あろうかと思いますが、済みません、進行の不手際といいますか、私自身がやや前半質問し過ぎた部分もございまして、時間が超過してしまいました。大変申しわけございません。時間過ぎておりますので、このぐらいにさせていただきたいと思います。
 本日は長時間にわたり、熱心に御議論いただき、まことにありがとうございました。以上で本日の審議を終わりたいと思いますけれども、次回の開催予定について、事務局から御説明をお願いいたします。

○横山課長 次回の開催は、4月12日、月曜日の15時からを予定してございます。場所等につきましては、追って正式に御案内をさせていただきます。

○森口主査 それでは5分近く超過してしまいましたけれども、本日の合同会合作業チームをこれで終了したいと思います。どうも御協力ありがとうございました。

閉会