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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
第1回廃棄物処理基準等専門委員会 議事次第・議事録


○平成13年6月1日(金)10:00~13:00
○於:航空会館 8階 第801会議室

<議事次第>

  1. し尿及び浄化槽汚泥の海洋投入に係る規制の見直しについて
  2. 最終処分場のほう素、ふっ素、窒素等に係る放流水の基準の設定について
  3. 廃棄物焼却施設の排ガス中の一酸化炭素濃度に係る基準の適用について
  4. その他

午前10時05分開会

○ 室石補佐
 それでは、定刻になりましたので委員会を始めさせていただきます。
 本日は、ご多忙の中ご出席いただきまして大変ありがとうございます。
 定員14名ということでございまして、森田先生がいらっしゃってませんが8名いらっしゃいますので、規定数に達しましたので会議は成立しております。
 それでは、最初に環境省の廃棄物・リサイクル部の廃棄物対策課長からごあいさつ申し上げます。

○ 廃棄物対策課長
 おはようございます。廃棄物対策課長の飯島です。
 この専門委員会にお忙しい先生方にお集まりいただきまして本当にありがとうございます。
 廃棄物・リサイクル行政は、旧厚生省からこの1月に環境省に統合されまして、審議会の方も中央環境審議会で廃棄物のご審議をやっていただいて、先月16日にも廃棄物・リサイクル部会を開催させていただきました。後ほど、事務局から説明いたしますが、その場で2つの専門委員会の設置が決定いたしました。1つは、自動車リサイクル専門委員会、もう一つがこの廃棄物処理基準等専門委員会でございます。昨年までは、生活環境審議会と中央環境審議会、厚生省、環境庁それぞれの場で議論されていたんですが、ことしからは中央環境審議会の場でご議論をお願いするということでございます。
 廃棄物処理基準等と書いてございますけれども、基本的には廃棄物・リサイクルに関する処理基準のご検討をいただきたいと思ってまして、従来からご検討いただきましたダイオキシン類にかかわります基準がまだ幾つか残っております。それから、きょうもご報告させていただきますが、PCBにかかわる処理基準のご検討もお願いしたいと思っております。さらには、きょう議題にさせていただいております海洋投入処分について、まずお願いしたいと思います。さらには、環境庁時代に諮問しております最終処分場のホウ素、フッ素、窒素等に係る放流水基準もお願いしたいと思っております。さらには、これはダイオキシン対策に関係いたしますCO、一酸化炭素濃度の基準につきましてもご検討いただきたいというふうに思っております。
 いろいろな問題がこれから出てくると思いますけれども、とりあえずきょうはこの3つについてご審議いただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

○ 室石補佐
 それでは、お手元の資料の確認からまずさせていただきたいと思いますが、資料の1から12までかなりの量がございます。もし、過不足ございましたら事務局の方におっしゃっていただきたいと思います。
 それでは、第1回の検討会ということですので、事務局の方からまず委員の方々についてご紹介をいたしたいと思います。
 まず、今回の本委員会の委員長でございますが、中央環境審議会の議事運営規則の9条というのがございまして、その中で部会長の指名で委員長を指名できるとございますので、あらかじめ花嶋部会長の方からご指名をいただいております田中先生に委員長をお願いいたしたいと考えております。
 続きまして、出席委員を順番に紹介させていただきますが、冒頭田中先生から一言ごあいさつをよろしくお願いします。

○ 田中(勝)委員長
 ご指名ですので大役ですが専門委員長を務めさせていただきます。皆さんのご協力で廃棄物の問題を解決するよう努力したいと思います。微力ですけれども、どうぞよろしくお願いします。

○ 室石補佐
 ありがとうございました。
(委員紹介)
 続きまして、事務局側を紹介させていただきますが、冒頭あいさついたしました飯島廃棄物対策課長でございます。
 それから、産業廃棄物課長の由田でございます。
 よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らさせていただきたいと思いますが、田中先生、議事の進行をよろしくお願いいたします。

○田中(勝)委員長
 それでは、これより行いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 まず、私が出席できない場合に備えて、念のために委員長の代理を指名しておきたいと思います。委員長代理は、旧厚生省生活審のダイオキシン対策技術専門委員会の委員長を務めていらっしゃいました永田勝也先生にお願いしたいと思います。このことについては
、部会長であります花嶋先生のご了承を得ておりますが、皆さんよろしいでしょうか。
          (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○ 田中(勝)委員長
 それでは、最初の議題は専門委員会の設置、運営についてです。
 4月16日に開催された中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会において、本専門委員会が設置され、また運営方針が決定されております。運営方針について事務局から説明いただきたいと思います。

○ 室石補佐
 それでは、お手元の資料2をごらんいただきたいと思います。
 平成13年4月16日に行われました部会におきまして決定された事項でございますが、部会の下に2つの専門委員会を置くということで、当廃棄物処理基準等専門委員会と先般開催されましたが自動車リサイクル専門委員会の2つの委員会を置くということでございまして、本委員会では廃棄物の適正な処理を行うために必要な基準等の設定に関する専門の事項を調査するということになっております。
 それから、部会の方におきましては、専門委員会に属すべき委員、それから臨時委員、専門委員の方で部会に属する委員、臨時委員及び専門委員の中から部会長が指名するというふうになっております。
 検討内容でございますが、1枚めくっていただきまして、両面コピーになっておりまして裏側のページに書いてございますが、本委員会の設置の趣旨といたしましては、適正処理、それから生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るために処理技術の進展、廃棄物の性状等諸状況の変化に応じて、そういったことを検討する専門的な場を設けるということでございまして、当面はダイオキシン関係の基準でありますとか、PCBの処理に係る基準でありますとか、きょうご議論いただきます海洋投入による基準などについて、調査・検討いただくことを予定いたしております。
 それから、会の運営規則でございますが、これも部会の方で本委員会に限らず専門委員会の運営方針をお決めいただいておりますので、3ページ目をちょっとご紹介いたしますが、まず会議の公開についてでございますけれども、原則公開でございますが、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあるような場合については、委員長の判断で非公開にできるということになっております。
 それから、傍聴者については必要な制限を行えるというふうになっております。
 それから、ちょっと大事なところで代理出席は認めないということになっております。
 それから、会議録をつくりまして、これをまた公表いたすということにしたいと思っております。
 それから、議事要旨は公開いたします。
 その後、何か規定を決するべき事項がまた新しく起こりましたら、随時追加を委員長の方でしていただくというふうなことになっております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○ 田中(勝)委員長
 ということで、公開を原則とするけれども、今回の専門委員会では特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがあるという議題を含んでおりますので、委員会への傍聴は行わないということにしたいと思います。後日、議事要旨については、環境省のホームページで掲載及び環境省の閲覧窓口への備えつけを行う。また、配布資料も公開の扱いということで、以上のような形で委員会の公開を行いたいと思います。

○ 室石補佐
 由田課長が途中退席する予定がございますので、先にPCBとかダイオキシンの関係について発言することをお許し願います。

○ 産業廃棄物課長
 所用がございまして途中で退席いたします。きょうPCBその他をこの後説明させていただく予定でありますけれども、冒頭ではございますけれども、今後ご議論をいただきたいと思っている点についてお願いをしたいと思います。
 1点は、産業廃棄物を中心といたしまして焼却施設の取り扱いの問題であります。従来の廃棄物の焼却施設ということで、現在政令で指定し、構造基準、維持管理基準を定めてきているわけでありますが、この焼却施設はさまざまなタイプのものが近年出てきているということで、あるいは従来のさまざまな製造に近い施設で焼却を行うというような形態も見られることから、焼却施設のタイプの整理に関しましては、改めてご議論をいただきたいというふうに思っております。
 それから、2点目は最終処分場であります。現在安定型、管理型、遮断型の3種類のタイプがございますが、今後これをどう考えていくべきかということに関しましてもご議論をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○ 室石補佐
 ありがとうございました。
 これ以降につきましては、議事次第の順番どおりでひとつよろしくお願いいたします。

○ 田中(勝)委員長
 早速予定の議題に沿って進めたいと思います。
 まず、1番目はし尿及び浄化槽汚泥の海洋投入処分について、事務局より説明いただきたいと思います。

○ 三木補佐
 それでは、資料3についてご説明させていただきたいと思います。
 資料3は、し尿及び浄化槽汚泥に係る海洋投入処分の現状、問題点等をまとめたものでございます。
 現状といたしましては、国で「第8次廃棄物処理施設整備計画」を持っておりまして、この計画は平成8年に作られまして、14年が終期という内容でございます。この中で、し尿及び浄化槽汚泥につきましては陸上処理 100%を目指すということで、施設整備を進めているという内容になってございます。
 また、国際的な動きとしてロンドン条約というものがありますけれども、こちらの方につきましても締約国が少しずつふえてきているといったこともございまして、海洋投入処分についての規制の強化といったことが今後考えられるところでございます。また、一方海洋投入を行っている業者の方への対応でございますが、8次の施設整備計画等に基づきまして、市町村で陸上処理を今進めているといった関係で、実際には仕事が少なくなってきているという状況にございますので、そういった方々の円滑な業務転換というものも必要になってきてございます。
 1ページ目の下の方でございますが、海洋投入処分の現状としては、グラフにございますが、少し濃く色がついているのがし尿の現在の全体の処理量ということになります。そのうち海洋投入をしている量が白抜きの棒グラフになってございまして、平成9年では6%ちょっとの投入の割合になってきておりまして、年々少なくなってきている状況でございます。
 今後の見通しといたしましては、2ページ目でございますが、各市町村が8次施設整備計画の考え方に基づきまして施設整備等を進めております。平成14年が終期でございますが、これまでのところかなりの市町村が陸上処理に移行する。また、将来平成17年ぐらいで見ますと、大体70%ぐらいの市町村が海洋投入をやめるといったような状況になってきてございます。
 グラフの方は、平成12年から19年以降ということで、白抜きの方がその年度での海洋投入をしている量でございます。また、ちょっと色がついている方の棒グラフは、その年度における廃止予定の処分量ということで、折れ線グラフの方は、その年度における廃止する市町村数というグラフでございます。
 一方、先ほどもお話ししましたけれども、国際的な動きにつきましては、3ページ目にまとめてございますが、ロンドン条約の議定書というものがございますが、議定書につきましては1996年にできてございます。資料にこの議定書の内容がございますが、下の枠で囲ったものがございまして、これが96年議定書の中で海洋投入処分することができる廃棄物として考慮されているものでございます。私どもとしては、この下水汚泥の中でし尿・浄化槽汚が含まれているというふうに考えてございます。
 また、この議定書の中で附属書IIというのがございますが、この中でさまざまな海洋投入処分を行うことについての評価というような仕組みができてございまして、実際に廃棄物の処理の量を少しずつ削減する。また、実際どこに廃棄物を捨てるのか、それについての環境アセスメントですとかモニタリング、または許可といったような諸手続が必要な状況でございます。現状の締約国につきましては、枠の下に書いてございますが、5月現在で15カ国ということで、議定書の方は26カ国となった日の30日後に発効するということで、この先いつごろ発効するかわかりませんけれども、日本を含めました関係国で議定書に向けたいろいろな準備が今進められております。
 我が国につきましては、(2)で書いてございますけれども、関係省庁と連携を図りながら、必要な分野における海洋投入の処分量の削減とか廃止といったことに取り組んでいるところでございます。
 そういった背景の中で、この海洋投入処分をし尿について廃止するといった場合どういった課題が出てくるのかというのが4ページ目にまとめてございますが、まず1つ陸上で処理をするということになりますので、そういった処理施設の整備というのが必要になってまいります。これを、個々の市町村がどういった形で整備するか、いろいろな方法が考えられると思うんですが、し尿処理施設を新設する。または、整備されてきております公共下水道の施設を使いまして、し尿等の処理を行う。また、他市町村ですとか、民間会社の処理施設を活用し委託処理をするといったような形です。また、海洋投入を行っている市町村の大きさも大分違ってございますので、場合によっては地域の実情でいろいろな取り組みができるのではないかと思います。実際に行っている市町村がかなり小規模だということもございますので、そういった意味では近隣市町村との連携ですとか、または海上輸送を行いながら、広域的な処理といったものも選択肢ではないかというふうに考えてございます。
 それから、ロンドン条約が発効してこれに基づいてし尿を市町村が海洋投入をするといったことで考えますと、先ほども申しましたとおり、アセスメントですとかモニタリングですとか、そういったことの責任を市町村が果たさなければいけないといったことで、海洋投入処分についてのコスト面での優位性というのがかなり少なくなってくるのではないかなというふうに考えてございます。
 一方、海洋投入処分業者の方の課題でございますが、法律としては下の方に抜粋してございますが、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業者等の合理化に関する特別措置法という通称合特法と言っているものがございまして、これは下水道が普及することによって影響を受けるし尿の収集運搬業者の方の事業についての転換等を配慮するといったような趣旨でつくられたものなんですが、この法律の対象として、下の施行令の2条でございますが、し尿及びし尿浄化槽汚泥に係る汚泥の海洋投入処分に対する法令の規定による規制の強化、いわゆる規制の強化をした時点で、この合特法の適用を受けると、海洋投入処分については海洋投入処分を廃止等をするといったことにならないと法律の方が適用になってこないというような状況がございます。
 参考で何枚か付けてございますので、簡単にご説明させていただきたいと思うんですが、5ページ目の方には都道府県別の海洋投入を行っている市町村とその町の処分量の10年度、11年度の数字を載せてございますが、地域的には中部圏、それから関西圏、九州といった地区によってかなり偏りがございます。平成12年度については概略で見込みで立てておりますけれども、現在 180市町村で 167万キロリットルぐらいの投入量になっているというふうに推計をしております。
参考2の方は、過去の経過ということでつくりましたけれども、海洋投入処分については6ページでございますが、46年の中公審答申の中で、考え方としては附帯決議等もございまして、内湾、内海等への投入については原則として禁止するというようなことで、あくまでも暫定的な措置という考え方が盛り込まれてございます。その以降の条約ですとか、先ほど申しました合特法の経過等について年表的にまとめてございます。
 参考3の方は、こういったし尿の海洋投入処分に係る関係の条文ということで、法律と施行令を抜粋させていただいてございます。
 以上でございます。

○ 田中(勝)委員長
 ありがとうございました。
 ただいまの資料3の説明に対するご質問ございますか。
 全国にわたって幅広く 180市町村 3,300のうちの 180ということですから、約6%の自治体がいまだにし尿の海洋投入処分をしているということですが、基本的にはもう禁止しようという趣旨でご説明がありました。内容そのもののご質問ございますか。

○ 井上委員
 3ページのところの枠内に書いている(2)下水汚泥のところにし尿が含まれるというふうに書いてありますけれども、これにはし尿等ということで浄化槽汚泥も含まれるという意味ですか。

○ 三木補佐
 し尿及び浄化槽汚泥が含まれるというふうに考えてございます。

○ 井上委員
 資料3のタイトルにあるように、し尿だけではなくてこれは浄化槽汚泥も含まれるということですね。

○ 三木補佐
 そのように考えてございます。

○ 中杉委員
 霞ヶ浦の茨城県の審議会にいきますと、浄化槽汚泥というのは浄化槽の管理をどう徹底させるかというのが非常に大きな話題になっていて、実際問題としては余り管理されていない、管理されていない中でこんな量で、今後も管理されないままで動いていけばこういうふうになるんですけれども、そこら辺のところで量の見込みを少しちゃんととっておかないと、将来的に施設云々ということが当然どこへ来るかという話があるので、そういうことを少し頭の中に入れておいた方がいいのかなというふうに思います。
 質問としては、し尿等の量の予測というようなものをどういうふうにしておられるのかというのを教えていただきたい。8次の計画で何らかの想定をして将来こうなるだろうということで計画を立てておられるんだろうと思いますが、し尿等といいますか、この部分の発生量の将来予測みたいな話はどういうふうに踏まえておられるのか。その中で、多分今申し上げたようなことが将来的に盛り込んでいかなければいけないんだろうなというふうに思うんですが。

○ 田中(勝)委員長
 何か予測の計画なんかございますか。あるいは、予測の方法について。

○ 三木補佐
 8次施設整備計画のときに、施設整備ということで将来的にどうするかと、どれくらいの施設が必要かということを整理しているんですが、水洗化の普及に伴いまして、当然生し尿といいますか、いわゆるし尿の発生量は少なくなってくるだろうと。現状で見ますと、1ページ目の方の資料でございますけれども、グラフの中で約 3,000万キロリッターということで、現状的には大体そのぐらいの推移なんですが、水洗化率は少しずつ今伸びてございますので、将来的にはこの中のし尿の量はどんどん減っていって、浄化槽汚泥の発生量といいますか、処理しなければいけない量というのは少しずつ伸びてくるのではないかなというふうに考えてございます。細かな数字はちょっと今持ってきてございませんでしたので、必要があればまたご説明させていただきたいと思います。

○ 田中(勝)委員長
 引き続いて、事務局からし尿及び浄化槽汚泥の海洋投入処分に係る規制の強化について、説明していただきたいと思います。

○ 三木補佐
 それでは、資料4でございますけれども、資料3の方で現況とか問題点を説明させていただきましたので、その辺を少しまとめたものを1番目の方に書かせていただいてございます。
 概略をもう一度整理しますと、し尿等の海洋投入処分を陸上処理に移行するといったことで考えますと、海洋についてはモニタリング等を行っておりまして、影響が出ているということではないんですけれども、負荷を与えるといった意味では可能性があると思います。また、それを陸上処理するということで、そういった負荷の緩和になるのではないかなと思います。また、処理施設につきましては、海洋投入処分では処分船しかございませんので、陸上処理に移行するためにはここに書いてございます1から4ぐらいの何らかの対策が必要じゃないか。それから、業者の方の対応ですけれども、処分船が必要なくなりますので、これを広域的な処理というようなことで考えますと、運搬船というようなことで活用が可能じゃないかなと。そういった意味では、業者の仕事も少し残るといいますか、別の事業が展開できるのではないかなというふうに考えてございます。
一方、ロンドン条約関係でございますけれども、海洋投入処分を継続しますと、こういった1から4ぐらいの内容のものを市町村が果たさなければいけないといったことで、費用についてもコスト面での優位性が損なわれるのではないかなと。また、陸上処理をするといったことでいいますと、自ら施設整備をするということであれば、その分の費用がかかる。また、どこかへお願いするといったことでも多少コストはかかってくるのではないか、こういったような現状でございまして、海洋投入処分をやめていく必要性があるんじゃないかというふうに考えておりますし、また何らかの対策をとるということで、陸上処理に移行できるんじゃないかというふうに考えてございます。
 改正の内容につきましては、2番のところに書いてございますけれども、資料3の方で抜粋しておりました条文の3条4号イ(2)というところがございますが、そこがし尿及び浄化槽汚泥を船舶から海洋に投入処分をするという規定でございますが、海洋環境の保全を図るため、こういった規定を削除しまして海洋投入処分の禁止ということで、あわせて所要の改正を行いたいというふうに考えてございます。
 施行の時期につきましては、陸上処理施設の建設につきましては、何年かの期間も要するわけでございますので、そういった意味で3年以内というようなことで考えてございます。
 以上でございます。
○ 田中(勝)委員長
 し尿及び浄化槽汚泥について海洋投入処分を禁止したいという案のご説明ですけれども、ご意見ございますでしょうか。

○ 井上委員
 全体的には理解できるというふうには思うんですけれども、1つ気になっているのが、先ほど説明にありました3ページのリバースリストの中で下水汚泥というのが入ってございますね。先ほど質問したし尿等というところの話で浄化槽汚泥というのをリバースリストが入っているにもかかわらず、基本的には同じようなことで出てくる浄化槽汚泥をここから禁止するというのはどうかなという感じがしております。国際的にもそういう意味では認められているということです。
 第2点でいいますと、ちょっと話が大ざっぱになるかもしれませんが、日本においてはご存じのとおり食糧自給率から見て、日本への食糧の輸入というのは非常に多くなっている。その結果として、窒素が過多になり、基本的にはすべてがそうだというふうには言えないんですが、その結果として地下水の窒素汚染等の問題が出てきております。要するに、窒素の流れが今の方法も含めてですが、陸上処分をするやり方でいきますと、全部処理をすればいいというふうにはなるんですけれども、流れ的には陸を通して処理をするという形が全体の主流を占めてくると。その中で、海洋投入というのは陸上から海に、ある窒素の分の流れをつくってくれているものだと。環境影響の問題というのはいろいろあるかもしれませんけれども、そういった有機物や特に窒素の流れをつむものにならないかという感じが少ししているんです。ちょっと大ざっぱな言い方をしておりますけれども、こういう形で確かに陸上処分をするというのは方法としてはあるんですが、日本みたいな特殊な、食糧輸入の超過というようなところで窒素も含めた問題を考えたときに、本当にそういうふうな方向に持っていっていいかどうかというのを私はちょっと気になっているんです。
 そういう意味で、浄化槽汚泥というのがあえてこのリバースリストにある中で、禁止項目の中に含めなくてはいけないのかというのがありまして、し尿だけで十分ではないかという感じがします。

○ 廃棄物対策課長
 順不同になるかもしれませんが、なぜこの時期に規制をしようかという我々の提案の背景ですが、昭和46年の中公審答申以来、ロンドン条約とかいろいろある中で、しかも5カ年計画では政府の計画の中で、全体の計画を立てたにもかかわらず、減少していなかったんです。もちろん井上先生の議論というのは、このリバースリストに下水汚泥を入れて、あるいは下水汚泥の中にし尿や浄化槽汚泥も含まれるという解釈を我が国も井上先生が言うような論理で一生懸命主張したんです。
まず一番気になる下水汚泥というのは、世界的には現実に海洋投入をやめてしまった。海洋投入が与える影響等についてはいろいろな議論があると思いますから後でご議論いただければと思いますが、それ以外の廃棄物については下水汚泥がなくなると、残っているのは、旧厚生省が所管するし尿と浄化槽汚泥だけです。これは世界で下水汚泥とし尿の浄化槽汚泥を海洋投入しているのは日本と韓国の2カ国だけでありまして、日本は 200万キロリットルという非常に大きな量で、これが一つの背景です。
 もう一つは、先ほど合特法の話を説明いたしましたけれども、昭和50年にできた合特法で海洋投入処分の規制強化が予定されていたんです。しかし、それから25年以上やってないんです。なぜかというと、一番簡単な理由は陸上処理施設ができなければそれは無理ですから、陸上処理施設をつくるためには、当然立地の選定のところでトラブルが多いんです。どんなに小さな市町村が連携してやるとしてもどこに立地するかでそんなに簡単には決まらない。これが表の理由なんですが、本当の理由はコストです。零細な市町村財政にとって、し尿の処理費用が海洋投棄する場合と陸上処理する場合と大分違います。ですから、これが本音だと思います。一生懸命努力している市町村が先ほどのグラフにあるにもかかわらず、まだできないと、あるいはこれによると全然めどが立たないというようなデータもございましたけれども、そういう市町村が残るんです。
 合特法との関係では、これまでにもトラブルがあるんです。陸上処理施設を市町村がつくりまして海洋投入を廃止しますと必ずここで補償問題が起きます。船は使えますから、し尿や浄化槽に専門に使っていた船を急に市町村の都合で廃止しなければいけない。当然、補償問題が生じますが、そのときに合特法が対象になっていないことが既存の業者にとっては不利益になっている。これは最近毎年のようにトラブルがあって、しかも法律では25年間も予定していたものができていない、こういう問題があります。
 さらに、コスト面の話では、これも細かい計算をしたわけではございませんが、コスト面で有利だったはずのものがこれからロンドン条約の新しい規定によりますとアセスメントをしなければいけない、監視をしなければいけない、その費用はだれが払うんですかということになってきますと、とてもそのニーズがなくなってくるだろうと。ですから、海洋投入が海洋環境保全にとっていいか悪いかという議論が出発点にあるんですが、それ以外の条件のところで、いろいろな形で廃止をした方がみんなうまくいくんじゃないかという判断をする材料が出そろってきたというのが一つにはあります。
 もう一つは、これはなかなか難しいんですが、そうは言ったって陸上処理できないところがある。陸上処理ができないところが最後まで残ったらどうするんですかという話が必ずあります。そこは、なかなか難しいんですが、広域連携とかそういう話がありましたけれども、3つ4つの町や村が幾ら集まっても知恵が出ないんです。ここで言う広域というのはもっと広い範囲のことなんです。具体的に申し上げますと、液状の産廃を処理する大型の施設というのが最近でき上がりました。遠くから広域に処理したいので港湾に船で運んできたものをいわゆる産廃処理施設で処理をするというシステムがございまして、これが現実に稼動を始めて成績がよろしい。処理施設で汚泥が出ますけれども、その汚泥は例えばセメントの原料として使うという仕組みができていまして、これは今ある容量で足りるかどうかは別にいたしまして、非常に広域的な処理のシステムをつくるには好都合ではないか。
 もちろん一般廃棄物ですから、そういった立地場所の市町村の許可が必要であるとか、そういう手続的な問題が残っているんですが、ある意味でごみ焼却の問題もそうなんですが、広域化した方がコスト的にも合理的だし、それから処理のレベルにしても高いものが期待できるのではないかということで、最後はそういったPFIになるかもしれませんが、そういったものまで可能性があるので、これは何年かの猶予期間があれば、必ずこれはすべてできるだろうという背景条件がいろいろございまして、こういう提案をさせていただいておりますが、根本のところは海洋環境保全上どうかという議論が恐らくあると思うんですが、窒素のそういう問題もあると思うんですが、行政的に見れば今言った状況の中でこれは規制をしなければ物事が回らないというふうに考えてございます。

○ 田中(勝)委員長
 今まで海洋投入されていたのは、リバースリストに載っているという解釈で、全面的に禁止する必要もないんじゃないかということで日本も主張していたんですけれども、リバースリストに載っているからといって、それをやるべきだというのではなくて、積極的にできるだけ環境負荷を減らしていこうという方向ですので、皆さんも反対じゃなくて、そういうメリットも、こういう考慮もあるよという指摘じゃないかと思います。

○ 井上委員
 反対というわけではないですけれども、行政的な意味というのはわかった上で、ただし日本というのは特殊な事情があるんだと。もっと言いますと、ヨーロッパを中心としてでき上がってきているロンドン条約、こういう言い方するとあれですが、そういうところの事情、特にヨーロッパは農業国ですし、自分の中でいろいろなものを十分処理をできる、そういう条件のあるところと、そうでなくて積極的に海を利用したりいろいろなことをするところというのは、基本的に考え方が違っていいんじゃないかというような意味合いも含めまして、ただそういう条約の中でそれを決めていくという枠の中で話をしていくと、それぞれの国の事情、産業の事情も含めたところであるので、それを踏まえながらの考慮というのが必要でしょうということが言いたいんです。

○ 田中(勝)委員長
 し尿そのものを海に投入するのがダンピングで、下水道があって終末処理で処理しないのをそのまま放流するのはダンピングとは言わないのかという疑問がありますね。

○ 細見委員
 あれが多いですよね。非常に矛盾してますよね。

○ 田中(勝)委員長
 だから、船から投入するダンピングはおっしゃるように日本と韓国ぐらいですけれども、それが禁止されてヨーロッパの方は終末処理をしないでそのまま放流するというのが現実にはあります。とはいっても、日本はダンピングを禁止していくべきであろうという社会的な状況も世論もあるかと思います。
 いかがでしょうか。

○ 中杉委員
 もう一つの海洋汚染防止法絡みで、それこそ先ほど話のあったアセスメントをだれがどうやるかという議論を今始めて、委員会に入ってやっているんですけれども、この中でも議論していることで、このロンドン条約そのものはバルト海みたいな浅い海を持っている国がやっている話で、日本の現状とはかなり合わないと。確かに、それはそのとおりではあるんだけれども、なぜロンドン条約を我が国が批准しなければいけないかというと話をしていたんですけれども、一つとしては我が国で食べている魚介類というのは世界のあらゆるところから来ているわけで、そういう意味でいえば、こういう国際条約を批准してそれを抑えていくことによって、我が国の国民が食べる食糧の安全を担保するという重要な意味合いがあるだろうということがあるわけです。
 もう一つは、今の情勢でいえば下水汚泥という項目が今はリバースリストに載っているけれども、そのうち厳しくなってくれば削られるという話で出てくるのではないか。全くできなければ、また主張しなければいけないんですけれども、努力して何とかなるのであればその方が望ましいであろうというふうに思います。

○ 田中(勝)委員長
 今までリバースリストに載っていることをやったんですけれども、いろいろ説明いただいたような状況から見て、むしろ禁止した方がいいということで、委員の先生方も反対ではないけれども、今までもそれなりに利点があったよというご指摘だったと思いますので、委員会としてはし尿及び浄化槽汚泥については海洋投入処分を禁止ということは妥当だということで意見を集約できるのではないかと思います。そういうまとめ方でいいでしょうか。

○ 細川委員
 1点だけ確認なんですけれども、廃棄物処理法でいう海洋というのは水際線から海のところ全部含むんですか。別に外洋でなくても、内海、内湾というものを全部捨ててはいけないというふうに設定する海として扱っているんですね。
 何を言いたいかというと、水産関係でし尿を窒素源として使うなどという行為がもしあったとすると、これでいうと廃棄物処理法で認められている行為ではないというふうに今後なることについて……。

○ 廃棄物対策課長
 それは、廃棄物ではないという解釈だと思います。現行の法律では、餌としてよくやりますよね。かきとか話を聞きます。あれは廃棄物じゃなくてえさとして使っているということで、多分そういう解釈になると思います。

○ 細川委員
 そうすると、そこら辺に関していうとロンドン条約、あるいは海域の環境対策という面で言うと、そういうふうにして同じものが別の理由で海に捨てられるということが起こり得る可能性があるので、それはここでの議論じゃないかもしれないけれども、何か配慮しなければいけないかもしれないというのが一つ。
 それから、もう一つコスト面でロンドン条約発効後は非常にいろいろな手続でコストがかかるからということなんですが、発効されるまでの間は逆にまだまだコスト的に海洋処理が有利な状況が続くので、それを少し海洋処理をやめさせるようなコスト的な、経済的な工夫があると、法律に書いてない、法律から落とすということに加えてスムーズな転換というのが図れるんじゃないのかなということで、その2点、ここでの議論とちょっと外れるかもしれないけれども、ご配慮いただければということです。

○ 田中(勝)委員長
 課題であって、例えば支援ですね。

○ 廃棄物対策課長
 前段の話はこれは廃棄物処理に対して適用されますから、これらは廃棄物ではないということになると規制の対象としてかかわれないことになります。
 それから、細川委員のご指摘は、海投が安くなっているのは経過的不当なので、ここにチャージをかけるという話だと思うんですが、相対的にいえば処理施設の方に支援策を厚くするということも一つの選択肢かもしれません。先ほど申し上げた広域処理のシステムというのは、各市町村がし尿処理施設をつくるよりも、質的にもコスト的にも優位だという計算ができておりますので、それはある意味ではコスト格差が縮まるという効果が出てきます。

○ 細川委員
 ありがとうございます。例えば、広域処分を促進するために広域処理施設に対して国の補助を手厚くとか、よくわからないんですけれども、いろいろな方法があるかと思いますけれども、海洋に今までどおり処分することのコスト的な優位性を減らす方法での理論や工夫を考えていただきたいと思います。

○ 廃棄物対策課長
 トータルの経済的コストというか、先ほど申し上げたように、し尿海洋投入船を海洋運搬船に転用するとか、トータルな意味では経済合理性があると思います。広域処理施設について補助を厚くするというのは非常に難しい課題になります。ほかにもはねますので、今やっている焼却炉の広域処理に対する補助についても判断が必要ですし、逆にいうと我々は離島とか、どうしても処理しなければいけないところに補助を厚くするということも行っています。そういう要望も確かに出ていますが、波及するところが余りにも広過ぎますし、支援といっても補助ではなく地財措置とか、そういったことも考えられるかもしれません。

○ 細川委員
 処分船というのは特に認可として登録しないといけない船なんですか。

○ 廃棄物対策課長
 許可制です。ただ、処分船は廃棄物の収集運搬の業の許可を受けた船です。

○ 細川委員
 この許可をして処分船ですというシールを張るためのお金を少しとかということはありませんか。

○ 廃棄物対策課長
 考えられますね。

○ 細川委員
 なかなか難しそうだというのは聞いておりましたが……。

○ 田中(勝)委員長
 今の説明では、今後何をするにしても、アセスをやったり、いろいろ要るので、今のような有利性はもう出てこないという説明でしたね。

○ 細川委員
 ロンドン条約が発効してその手続が始まればということです。始まるまでの間でも、少しずつそういう方向でプッシュしていけないだろうかという話です。

○ 田中(勝)委員長
 その間暫定期間ということで。実際問題負担は上がることは間違いないでしょうね。それから、し尿を魚のえさだから資源だといって投入するということはあり得ない、許されないことでしょうね。

○ 廃棄物対策課長
 昔の話ですからね。

○ 細川委員
 私からは立場上言いづらいところがあるんですが、今でも行われていると思います。ノリの養殖だとか、そう簡単に廃棄物ではないと。

○ 田中(勝)委員長
 今までの話を総括すると、海洋投入処分を禁止していくということで、事務局においてはその方向で対応していただきたいと思います。

○ 酒井委員
 今回の法改正で、ロンドン条約の締結に向けてサインがスムーズに進むという話になるんでしょうか。それともサインできない障害というのがまだ多く残っているというふうに理解しなければならないのか、その辺の状況を教えてください。

○ 廃棄物対策課長
 ロンドン条約対応につきましては、一般廃棄物以外のものもございます。産業廃棄物については、恐らく対応策が見つからないという分野については、引き続き同じ主張をしていくんだと思います。ただ、し尿・浄化槽については、法令で禁止はしていなかったけれども、政府の施設整備計画により、廃止するんだという行政指導で助言もしてきた経緯がありますので、それならばそういう行政指導に従った人だけがコストが高くなって、そうじゃない人がコストが安いというのは不公平じゃないかということで、その方向を念頭に置いてと、全体を見てみれば 200万キロリットル捨てていると言われなくなることが一つだと思いますが、ほかの項目で引き続きリバースリストの調整をしていかなければいけないと思います。

○ 中杉委員
 結論はいいんですけれども、施行令の方で今のところ3条の4項の2が消えたと。1と3とあって、不燃性の一般廃棄物といったときに、これを本当に残しておく必要があるのかとか、そこら辺も今後の課題で少し検討していった方がいいと思うんです。余りにも、ここの部分だけ抜けて、ここはロンドン条約のリバースリストの中で読めるのかという議論も多々出てくるといけません。少し環境省の方で検討いただいて、残しておかなければ残しておかなければいけないですし、今回は検討していただいた方がよろしいのかなと思います。

○ 田中(勝)委員長
 4の2をいじれば3も少し変わってきますよね。

○ 三木補佐
 3の方は次に掲げるものは除くということですので、これを取ってしまいますと不燃性の一般廃棄物を指定するのは難しいというようなこともあるので……。

○ 中杉委員
 不燃性の一般廃棄物としてこれを除いたものがリバースリストとして捨てられるのかという話なんですか。

○ 三木補佐
 この不燃性の一般廃棄物につきましては、リバースリスト上でどうするかというのは、当然今後の検討課題になるかと思います。

○ 田中(勝)委員長
 問題を指摘していただいたということでご検討いただきたいと思います。
 それでは、続いて次の議題のホウ素、フッ素、窒素等に係る最終処分場の放流水の基準の設定について議論したいと思います。
 なお、この件については平成11年3月に前身の中央環境審議会に諮問されているところであります。事務局から資料の説明をお願いいたしたいと思います。

○ 横浜補佐
 それでは、資料5、6について説明させていただきます。
 ただいま話がございましたように、ホウ素、フッ素、窒素に係る最終処分場の基準の設定につきましては、平成12年3月10日、当時環境庁時代ですけれども中環審に諮問されているということで、きょうの審議でご承認いただければ、この改正の内容が中環審の答申案という形になりますので、ご審議いただければと思います。
 改正の趣旨から説明させていただきます。資料5でございます。
 ホウ素、フッ素、それから硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素につきましては、水質汚濁に係る環境基準が設定され、健康項目として追加されております。また、現在水質汚濁防止法に基づいて特定施設の排水基準の改正作業が行われております。これの見通しとしては、今月中に公布され、来月施行ということで現在作業が行われているということでございます。最終処分場の放流水につきましては、これまでも水濁法の排水基準と連動しておりまして、水濁法で排水基準項目が追加されると自動的に最終処分場の排水基準の項目が追加されるということできたわけです。このような状況を踏まえ、市町村の一般廃棄物の最終処分場、それから産業廃棄物のうちの管理型最終処分場の放流水、公共用水域に放流する放流水についてでございますけれども、3項目の追加を行っていきたいと考えてございます。
 改正の内容でございますが、3項目を追加するということでございます。基準値としては、表の中に記載してございますが、ホウ素、フッ素、窒素につきましては10、8、100という恒久基準、これは環境基準の10倍という考え方で設定しております。これは、水質汚濁防止法の改正案と同じ考え方でございます。それから、海域については実態に合わせてホウ素が 230、それから海域のフッ素につきましては、既に15という現行基準が適用されていますので、それと同じ基準ということでございます。しかしながら、この基準でいきますと、最終処分場の実態から見て排水基準をオーバーする処分場が現実的にあるということでございます。技術的に困難な処分場があるという中では当面の間、暫定基準を設定する必要があり、それは水質汚濁防止法の業種ごとに実態に合わせた暫定基準値を設けているのと同じ考え方でありまして、暫定基準値をある程度の期間は設定せざるを得ないのではないかということでございます。
 括弧内が暫定基準ということでございますが、この暫定基準値の設定の根拠でございますが、資料6に平成11年度全国自治体のアンケート結果を2枚にまとめたものがございます。一廃最終処分場と産業廃棄物の管理型処分場の実際のデータがどのような排水が出ているのかをまとめたものでございます。
 資料6の1ページが表にまとめたもので、その裏のページに頻度グラフという形でまとめたものでございます。表の方を見ていただきますと、一廃と産廃の管理型処分場の排水データをまとめてありますが、どちらにしても産廃の管理型処分場の最大値の方がデータとして大きくなってございます。そういう中で、最大値を見てみますと、ホウ素が52、それからフッ素が15、それから硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は71というのが、これが実態調査の中のアンケート結果の最大値ということでございます。
 暫定基準値をどうするかということですが、この最大値を基準におきまして、ホウ素については端数は切り捨ててございますけれども50、フッ素は15、そうすると、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の恒久基準は100ですので暫定基準は必要ないんじゃないかという考えもあるかと思いますが、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素等については、アンモニア性窒素の 0.4を掛けるというのが排水基準になっておりまして、その3項目を測定しているデータというのは非常に少ないと、この中でもデータが12しかないと。これに対して、全窒素の方は各処分場において結構データがございますし、また、特に窒素の場合は形態変化という形がございますので、全窒素の方から見たらどういう形になるのか。全窒素で 565という最大値を硝酸及び亜硝酸等に置きかえてみるとどのぐらいの割合になるのか、そういう推計をやってみたのが資料の3ページでございます。これも、一般廃棄物最終処分場と管理型産業廃棄物最終処分場に分けてございますが、濃度の高い下のグラフの産業廃棄物最終処分場においては、一番高い最大値 565が硝酸及び亜硝酸でどのぐらいになるのかというと200弱ぐらいの割合になっていると。一般廃棄物最終処分場の最大値 430から見ますと 150弱ぐらいの割合になっていると。
 そういう中で、窒素に関して暫定基準が必要かどうか検討してみますと、全窒素から見ると高い処分場が結構あるということで、全窒素に着目して、暫定基準が必要ではないかと。どちらにしても、暫定基準は今後見直していくということではありますが、今回は全窒素に着目して暫定基準を設けるということで暫定基準 200という考え方がそこから出てきているわけでございます。
 どちらにいたしましても暫定基準という考え方でございますので、一応3年を目途として処理技術進捗状況等考慮して見直しを行っていきたいと。3年後に恒久基準にできれば本当はよろしいんですが、実際その当時にそれだけの処理技術、またいろいろな問題、逆に水質汚濁防止法の規制が強化されますと、工場、事業所の濃縮されたフッ素、ホウ素の入った汚泥が結局廃棄物として出てきますし、それがまた処分場の方に来てしまい、さらに負荷が高まるというような現状も今後起こる可能性が十分にございますので、そこら辺で3年後にどのような形で暫定基準を見直すのかというのはその時点でまた検討せざるを得ないのではないかと考えております。
 資料として、先ほどのグラフの後ろに参考資料として添付してございますが、4ページ、5ページにつけさせていただいておりますのが、3項目についての環境基準値、それから環境基準に設定された根拠といいますか、それが記載されてございます。
 それから、5ページの方でございますけれども、水質汚濁防止法に基づく排水基準で現在作業を進めていると先ほど申しましたけれども、水質汚濁防止法の内容を記載させていただいております。
 資料については以上でございます。

○ 田中(勝)委員長
 水質汚濁防止法に基づく特定施設の排水基準が改正される方向であることを踏まえて最終処分場の排水基準についても3項目の追加をしたいということで説明いただきましたけれども、今の説明に対するご質問がございますか。

○ 細見委員
 陸域のところで、暫定基準値が50から15ということになっていますが、排水基準も同じように暫定基準というのはつくっているんですか。

○ 横浜補佐
 水質汚濁防止法の方も排水基準、一応恒久基準としては同じ10、8、100という数字を一応基準値として置きまして、それぞれの業種ごとに実態に合わせて最大値を基本に暫定基準値を設けてございます。

○ 細見委員
 業種ごとに最大値を勘案して決めているということだから、この最終処分場に関しても同じような業種で考えると50と15になるということですか。

○ 横浜補佐
 そういう考え方でございます。

○ 細見委員
 それから、3年を目途というのは、同じような形で議論されているわけですか。

○ 横浜補佐
 そうです。

○ 中杉委員
 硝酸窒素、亜硝酸窒素等の話で、最終処分場についても、閉鎖性水域に放流するものについては、全窒素の排水規制を踏まえたものをつくらなければいけない湖沼が全国に10ぐらいあると思うんですが、そういうところで埋め立て処分地について上乗せをかけるというようなことがあり得るのか、それは法制度上どうなっているのかというのを少し教えていただけませんか。

○ 横浜補佐
 窒素においては、現在の廃棄物処理法の中で窒素が植物プランクトンに増殖するおそれがあると環境大臣が定める湖沼、海域につきましては、既に全窒素としての規制がかかってございます。この基準値が日最大 120、日平均60ということで、ですから一般廃棄物の最終処分場、管理型処分場の一部については、環境大臣が定める湖沼に放流水を排出する。それからそこへ流入する公共用水域に放流水を排出する場合に現在全窒素の排水基準がかかっている。それは生活環境項目としての全窒素です。
 ですから、今回の健康項目としての硝酸及び亜硝酸のプラス 0.4のアンモニアというのが今回新たにかかると。これは全部の埋立地にかかるわけですが、一部の最終処分場につきましては、生活環境項目としての全窒素規制と健康項目としての硝酸及び亜硝酸の両方の規制がかかることになる。確かに、生活環境項目の方の全窒素が120、健康項目は今回の暫定で 200と、逆転している現象は確かに起こっておりますが、生活環境項目としての規制と、健康項目としての規制の両方の基準が一部の最終処分場にかかるんだという位置づけになってございます。

○ 田中(勝)委員長
 ほかにございますか。今おっしゃっている 100とか 200というのは窒素濃度のことですか。
○ 横浜補佐
 窒素濃度です。

○ 田中(勝)委員長
 今の 120というのはアンモニアは全窒素だから入るということですね。ですから、逆転している。

○ 横浜補佐
 生活環境項目としての規制ですけれど、既に規制がかかっている処分場は、今回の暫定基準がかかっても、既にクリアされており、120という基準が当然守られているということになります。

○ 細見委員
 海域の方で、一般最終処分場とか産廃の最終処分場のアンケート調査結果がありますが、このアンケート調査結果の中には海域放流のやつはないんですか、含まれているんですか。

○ 横浜補佐
 これにつきましては、すべてのデータを集めたものでございます。ただ、どのくらいの数かというのは今はわかりませんが、陸域の埋立地、それから海域にある埋立地、すべて含めて自治体からのアンケート調査、データを実際に集めてまとめたのがこの表とグラフになってございます。
○ 細見委員
 そうすると、例えば 230というのは、確かにこういう形で決められているかもしれませんが、実態としてホウ素の場合50を超えることは多分ないだろうというような現状で、その後今回 230という値にしますといったときに、片や陸域では実態に応じて決めているにもかかわらず、海域では全然違うスタンスで決めているというような気もするんですが、これは排水基準を準用するという今までの考え方からすればちょうどいいのかもしれませんが、実態と比べると、逆に悪い言い方をすると許容しているような言い方にもなるので、ここは少しどういうふうに考えていいのか。

○ 横浜補佐
  230につきましては、今までの最終処分場の排水基準の決め方が水濁法と確かに連動してきていると。ですから、水濁法の基準値と連動してきたということで最終処分場の健康項目と同じ基準値を採用していると。今回の10、8、それから 230、15、これも現在考えている水濁法の排水基準値、ですから基本的には同じ基準値を設けたと。ただ、実態的に先ほどのアンケート結果の中で、この基準値では超えてしまう、そういうものについて暫定基準を考えたいと。先生のは多分緩過ぎるという形の話が一部あるのかな
という気がしますけれども、一応基準の中ではある程度整合性をとっていくのがいいのか。
 ただ、まだホウ素については今まで規制がないということの中でデータ数が少ないのは確かなんです。陸域の埋立地、それから海域の埋立地についても今まで何も規制がない中での初めての規制ということでデータ数が非常に少ないと。そういう中で、データの集積の中で見直しというものが必要なのかという議論が今後出てくるかと思いますが、とりあえずは水濁法と同じ基準の中でやっていきたいと考えております。

○ 中杉委員
 ホウ素の基準については、海域には環境基準を適用しないということで、実際にはこの考え方でいけば排水規制は必要ないということが成り立つという意味ですね。ただ、今のレベルでは何の問題も起きてないけれども、それがはるかに高くなったり、例えばホウ素の基準と較べて、むやみやたらに多くていいというものではないという観点から、排水の方で 230というのを決めたんだろうというふうに思うんですけれども、そん
なことでいくと非常にこの辺の問題、例えば8を守るというのはかなりしんどい話で、処理技術自体がうまくいくのかどうかというのが少し心配あるところなんです。そういう意味で3年目途というのも3年後にすっきりいけるかどうかというのはわからないんですけれども、そういう意味でいくと実態がこうだからという話ですぱっとされるのでなくて、このぐらいの余裕を持っておいた方がいいように思います。ほかの項目が全く問題ない場合、陸上の埋め立て処分地でこういう廃棄物はどうにもならんということになれば、海面埋め立てに持っていくという選択肢もあり得るんだろうと思うんです。

○ 井上委員
 暫定については私もいいんですが、問題は10と8という数で、実際に資料のデータを見てみますと結構多いところで出てますよね。具体的に窒素やホウ素、実際に施設をつくるということになると、結構3年間というのは技術的に、あるいはコスト的に可能なのかどうかというと少し厳しい気がいたしますけれども、先ほどおっしゃいましたように、私もどちらかというと海面の最終処分場への移行でもいいのかなという考え方を持っておりますので、そういう意味ではいいとは思うんですが、コスト的にはちょっと苦しいのかなという印象を持ちます。

○ 田中(勝)委員長
 ほかにご意見ございますか。

○ 酒井委員
 今回の最終処分場の法改正の基準ということですが、当初産廃課長も言われた今後の検討課題ということで、処分場については触れられたんですが、それともう1点、次の廃棄物管理という視点から、例えば特別管理型廃棄物という処理制度の中で、こういう項目の中についての今後の考え方というのは、どのような考え方で望まれるんでございましょうか。

○ 横浜補佐
 確かに、今までの考え方でいきますと、排水基準が決まると、埋め立ての判定基準、判定基準を超えたものを特別管理産業廃棄物として指定ということで、今まで有害物質については、そういう流れできているのは確かでございます。ただ、フッ素、ホウ素につきましては、いろいろな意見があるということで、本当に今までの重金属と同じ有害としての扱いでいいのかどうかという議論もあります。そういう中で、先程由田課長から申し上げましたが、今後の最終処分場の見直しの検討、全般的な最終処分場の検討の中でホウ素、フッ素につきましても、その中で一緒に皆様方のご意見をいただきながら、どういう形が一番いいのかというのを合わせて検討していければというように考えてございます。

○ 酒井委員
 その部分も今後の検討課題としてお願いしておきます。

○ 田中(勝)委員長
 ほかにございますか。資料5、6で基本的には水質汚濁防止法で規定されてますので、10、8、あるいは暫定基準等をこの議論で最終処分場だけ特別に緩くするかということはなかなかできないので、この10、8はここでは余り議論しないで、こういう最終処分場にも同じように厳しく規制していこうということで、フッ素、ホウ素、窒素等の3項目を追加するということは妥当であると、このような結論だと思います。ということで、事務局におかれましては、専門委員会におけるこのような検討結果を廃棄物・リサイクル部会に報告していただきたいと思います。
 それでは、続いて廃棄物の焼却施設の排ガス中の一酸化炭素濃度に係る基準の適用について議論したいと思います。
 これは、産業廃棄物課の方で永田委員を座長とする検討会を設けて、約1年間検討してきたものだと聞いておりますが、事務局から資料の説明をしてもらいたいと思います。

○ 松澤補佐
 産業廃棄物課の松澤と申します。お手元の資料の7から9までございますが、この関連でご説明いたしたいと思います。
 資料7に廃棄物焼却施設の排ガス中一酸化炭素濃度に係る基準の適用についてとございますけれども、これは資料7の結論的なところが書いてございますので、最初に資料8からご説明申し上げたいと思います。
 今、委員長からご説明いただきましたが、資料8は私ども産業廃棄物課の方で廃棄物研究財団に委託して専門家の先生方に入っていただいて検討していただいたその結論をまとめた報告書でございます。
 この資料8の1ページ目に、今回の検討のアウトラインと申しますか、経緯が書いてございまして、まずそこから簡単にご紹介させていただきたいと思います。
 1ページのはじめのところにございますように、ダイオキシン類による汚染、これが大きな問題となっている中で、平成9年の8月に廃棄物処理法の技術基準が強化いたしまして、段階的に施行していき、14年の12月1日から完全施行されて、既設の焼却炉についても最終的な基準が所要の措置が講じられるようになっておるわけでございます。
 一方、2にございますように、産業廃棄物の焼却施設、これは都市ごみの焼却炉と比べますと、まさにさまざまなものがございます。また、焼却対象物につきましても、混合物、あるいは単一であってもいろいろな種類のものがあるわけでございますが、現状の廃棄物処理基準は一律の基準ということになってございます。
 こうした中で、政府の中には規制緩和推進を進めるということがございますが、プログラムの一つとして規制緩和推進計画というのがございまして、その中で具体的に日本化学工業会の方から液中燃焼炉と呼ばれる炉につきまして、これも特殊な炉でございますが、一酸化炭素濃度に関して、この廃棄物処理法の維持管理基準について検討するということでございます。これを適用除外してほしいという要望がございまして、これを受けて環境省の方で検討していくということになっております。
 具体的には、規制緩和推進プログラムの中で位置づけをいたしまして、それを受けて検討を行っていただいたということでございます。また、合わせまして、セメント協会、あるいは製紙連合会、それから日本鉱業会、それぞれの業種に応じた特殊なタイプの焼却炉についても同じような事情でございまして、これらについてもあわせて検討会の中で検討していただいたということでございます。
 検討事項(2)にございますように、この検討会ではダイオキシン類に係る排ガス規制を十分にクリアしていることが前提で、その一方で、施設の構造上の理由などそういった特殊性によりまして、一酸化炭素濃度が100ppm以下となるように燃焼すること、これが最終的にかかってくるCOの基準でございますが、この基準を適用することが困難であるというものについて、技術的観点からの見直しについて検討をお願いしたということでございます。
 2ページの表1に各業界からの要望事項というのがございますが、日本化学工業協会の焼却炉でございますが、要望事項にございますように 950度以上の燃焼雰囲気で廃液を燃やし、直ちに急冷するという形で動かしている炉でありますが、排ガス中のダイオキシン類濃度とCO濃度に相関関係がないため、CO濃度をコントロールすることでダイオキシン濃度をコントロールするということになっていないという主張でございます。
 それから、セメント協会でございますが、これはセメントキルンでございますけれども、このキルンにつきましてはCOが高いという特殊性がございまして、これは不完全燃焼によるもの以外に廃棄物などに含まれております有機炭素に起因してキルンなどで生成されるCOもあると。その一方でダイオキシン類濃度はコントロールできていてCO濃度との相関は見られないといった考え方でございます。
 それから、製紙連合会でございますが、これは燃やす対象物が製紙スラッジになりますが、これは組成が均一で安定していること、かつ運転が安定していること、こういった理由でダイオキシン類濃度が相当低くなっております。その一方でCOが高いということなんですが、これは焼却灰に未燃カーボンを残すという特性を生かして、製鋼保温剤という形で利用していく目的のために、一定の焼却の仕方をやっているわけでございますが、そのためCOが100ppmを超えてしまうものです。ただ、ダイオキシン類の方は規制値をクリアしているというこういう事情になってございます。
 それから、最後が日本鉱業協会でございますが、これはいわゆる製錬炉といわれておりますけれども、非常に高温で燃焼されるとともに滞留時間も非常に長く、ガスも十分に攪拌されるため、ダイオキシン類濃度は非常に低くなっているというものです。その一方で、CO濃度、製錬炉にもいろいろなタイプがございますが、例えば還元炉では還元性の炉内雰囲気によって、CO濃度は高く、100ppm以下で操業することは不可能なものでございます。また、酸化炉というタイプもございますが、これにつきましても現状以上にCO濃度を下げるために酸素を増加したりすると製品品質に影響があって、これもまたCOを下げるというのが困難です。その一方で、先ほど申し上げましたような高温での燃焼ということでダイオキシン類の濃度は低いということです。これらは、私どもの方で各業界から聞いた事情をまとめて表のとおり整理したということでございます。
 こういったことを受けて検討をお願いしたわけでございますが、3ページにございますように、検討に際しての基本的考え方がございます。まず、焼却施設における一酸化炭素濃度の基準の性格でございますが、この基準はそもそもダイオキシン類排出抑制のために必要な廃棄物を完全燃焼にできるだけ近い状態で燃焼を行うためのもので、しかも連続測定できて、かつ燃焼状態の管理の指標となるものという項目として一酸化炭素濃度を採用し、一酸化炭素濃度とダイオキシン類のある程度の相関関係を踏まえて、燃焼管理の基準としてもともと設定されているということ、これが一酸化炭素濃度基準の性格ということです。
 これを見直していくことについての考え方でございますが、燃焼方法、あるいは燃焼物の特性から、ダイオキシン類の排出が十分に低減されてかつ安定的であるという合理的な理由や事実が認められるといった場合に限って、一酸化炭素濃度に係る基準について見直すことの妥当性が考えられるのではないか。一方で、燃焼管理によってダイオキシンの抑制を運転管理の中で連続的に行おうと、これがCO濃度の基準でございますけれども、これを見直すに当たっては、ダイオキシン類の排出濃度をきちんと管理するために、一方でダイオキシン類の測定を相当頻度で測定することを検討する。基本的にこういった考え方で検討をいただいてございます。
 それぞれのタイプの炉につきまして、COとダイオキシン類の関係を紹介しているところがございますので、この報告書に参考資料というのが最後の2枚目についてございます。最初の参考資料の[1]ページのところにグラフがございますが、これは縦軸にダイオキシン類濃度、横軸にCO濃度、それぞれわかりやすく示したものでございますけれども、液中燃焼炉のデータについては●でプロットしてございます。それ以外のデータはその他の焼却炉についてデータを集積しているものでございます。この図にございますように、COとダイオキシン類の関係について見ていただきますと、今まで私どもが想定しておりましたような前提とは異なるような分布があるわけです。
 同様に、次のページにございますセメントキルンでございますが、これは同じもので△でプロットしてございますけれども、これもまた通常私どもが正常としているCO、ダイオキシン類の分布とは違った形になってございます。
 最後に、製紙関係のロータリーキルンでございますが、これは◎になっている部分でございまして、これもまたCO濃度とダイオキシン類濃度の関係、下の方にシフトしているというものでございます。
 以上が、液中燃焼炉とセメントキルンと、それから製紙のスラッジ炉のロータリーキルンでございますが、1つ日本鉱業協会からありました製錬炉につきましては6ページに一部データがございます。
 製錬炉は、製造プロセスでの炉でございまして、通常は製錬を行うということで廃棄物を投入しているわけではございませんけれども、こういった炉の既存の製造プロセスにおいて、廃棄物を熱的に処理しようということで、近年このタイプの炉で廃棄物を受け入れて処理していこうという考え方が出てきておりまして、具体的にそれがすべての炉について行われているわけではございませんので、先ほどのグラフのようなデータというのはございませんけれども、1カ所反射炉というタイプの酸化炉で、現に廃棄物を受け入れて燃焼させて処理させているという事例がございますので、そこのデータを載せてございます。これは一酸化炭素濃度の(1)をごらんいただきますと、データのところに集合煙突、これが 510から900ppmという高いレベルになってございます。また、この下に還元炉のデータもございますけれども、範囲が 800から 2,800という濃度レベルにあるということでございます。ダイオキシン類濃度でございますが、これは先ほどの反射炉のデータがございますように、濃度として低いレベルになっているということでございます。
 こういったデータなど、それからさらに詳細なご検討もいただいた上で、この検討の結論というのは次の7ページにございます。
 要点を読み上げます。ダイオキシン類の排出抑制のためには完全燃焼させることが重要である。そのための燃焼管理の指標として一酸化炭素濃度が基準として設定されている。しかしながら、その燃焼方法や燃焼物の特性から、一酸化炭素濃度が高い場合にあっても、環境中に排出されるダイオキシン類が十分に低減され、かつ安定的である施設が存在している。これは、たまたま今回十分データをもとに検証したのが先ほど申し上げた4業界のタイプの施設であったわけですが、これ以外の施設に限らず燃焼方法、または燃焼物の特性に応じて一酸化炭素濃度がダイオキシン類の排出に係る燃焼管理の指標として、必ずしも適当でない場合があるだろうということも考慮しています。こういった施設においては、排ガス中ダイオキシン類の濃度をある程度継続的に把握することができる相当な測定の頻度、今は年に1回以上となってございますけれども、それを上回る頻度で測定するということが必要だろうという結論でございます。
 当然、このような炉につきましても完全燃焼を行い、あるいは2次燃焼装置といったものを設置することで、できる限りCO濃度を低減させることが望ましいといった点についても指摘はいただいてございます。
 さらに焼却施設の燃焼管理は、引き続き必要ということでございますので、その指標として一酸化炭素濃度、燃焼温度の連続測定などについては現行どおり実施していくこと。一酸化炭素濃度について、燃焼管理の観点から個々の焼却施設ごとに100ppmというものではなくて、独自の管理目標を設定して運転することが適切であると、これが今回お願いした見直しについての結論でございます。
 また、さらにCOとダイオキシン類という観点以外にも廃棄物の熱的な焼却処理という観点でいきますと、いろいろ課題もございますので、ここに書いてございますような課題についてもご指摘をいただいてございます。
 まず、ダイオキシン類等の連続測定に係る技術の開発が進められているといった技術の動向を踏まえて、ダイオキシン類の排出を管理する指標に関して見直しを行っていくことが望ましいという指摘、また、さらに根本的には産業廃棄物を熱分解する処理施設にはいろいろなタイプの構造のものがあって、これらの施設の特徴に応じたきめ細かな構造基準、維持管理基準、こういうものがそもそも必要なのではないか、その検討を行っていくべきであるといった根本的な指摘もいただいてございます。
 それで、この結論を受けまして、また資料に戻らさせていただきますが、今回の一酸化炭素濃度に係る基準の適用につきましては、資料7にございますように見直しをいたしたいということでございます。
 改正の趣旨のところは、先ほどの検討会の報告書の中で触れさせていただきましたような事情が書いてございます。
 こういった構造上の理由、特性などにより、一酸化炭素濃度についての基準値を達成することができないときで、当然ダイオキシン類の濃度はクリアできているわけでございますが、そういう場合には一酸化炭素の濃度基準は適用しない。また、こうした場合において、ダイオキシン類の濃度を現行の毎年1回以上より高い頻度で測定することを義務づけるということです。
 具体的な改正の内容、これは廃棄物処理法の施行規則の改正になってまいりますが、内容といたしましては、焼却施設の構造上の理由があるため、または焼却灰を生活環境保全上の支障が生ずるおそれのないように使用するため、これは具体的には先ほどございましたような製紙スラッジ、こういうようなものを想定しているわけでございますが、こういった理由があるためダイオキシン類の発生抑制に係る燃焼管理の指標として一酸化炭素濃度を用いることが適当でない場合に限定してその濃度基準については適用しないと。ただ、この場合には、排ガス中のダイオキシン類を三月に1回以上測定する、これが改正の内容として私ども考えております。
 また、先ほどの報告書の今後の検討課題にございました根本的な検討の必要性という部分については、資料9というのがございますので、あわせてもこれも説明させていただきたいと思います。
 資料9の焼却施設に関する規制のあり方の見直しというものがございます。
 これは、処理施設はいろいろなタイプのものがあるということでございまして、そもそも焼却施設なのかどうかという判断のところについても、きちんとしたものが盛り込まれている必要があるということでございます。ここにございますように、いろいろなタイプの熱分解反応による処理施設がございます。普通の焼却炉、あるいはガス化燃焼炉、ガス化改質炉、このあたりまでは基本的には処理基準の中でも想定しているものでございますが、それ以外に乾燥脱臭炉ですとか溶融炉、炭化炉など、さまざまなものがあり得ると。それから、特に今後重要な位置づけがなされるかと思いますが、製造プロセスで使用されている施設、先ほどの製錬炉、あるいはセメントキルンというのが代表選手でございますが、こういったものが現状あるという中で、まず焼却施設の定義というものをメルクマールを十分きっちりとしていく必要があるだろうということかと思います。さらに整理をした上で、いろいろなタイプの炉がございますので分類を明確化していこうということです。明確化した各分類ごとに技術上の基準、構造上の基準ですとか維持管理の基準、こういうものについて検討していきたいと考えています。それで、結論をいただいて、政令ですとか規則改正、こういった法令上の措置につなげていきたい。
 こういう形で焼却施設、さまざまな熱分解反応による処理施設につきましては、今後この専門委員会にお願いして、規制のあり方について検討をしていきたいと考えてございます。
 以上でございます。

○ 田中(勝)委員長
 ありがとうございました。資料7、8、9の説明に対するご質問、あるいはご意見をお願いします。

○ 田辺委員
 一酸化炭素の上限はそれなりに定めようという考え方なんでしょうか。つまり、ダイオキシンの基準さえ守られていれば一酸化炭素の濃度は幾らでもいい、青天井でいいというようなことにならないかという懸念がちょっとあるんですけれども、その辺はどういうふうに考えているんでしょうか。

○ 松澤補佐
 一酸化炭素濃度の基準については、今はダイオキシン類をコントロールするという観点でCO 100ppmという基準が置かれてございます。それで、先生がご指摘になりますように、CO濃度そのものを周囲の環境影響という観点で規制していく必要があるのではないかということかと思いますが、それは今回の見直しの中ではそこを検討の対象にはしておりません。CO濃度につきましては、そもそも焼却炉だけに限らず大気汚染防止法の中で規制の必要性、どういうレベルで規制していくのかという、それはまた別のCOというものについての切り口で大気環境という観点から別途検討していくことがいいんだろうと私どもとしては考えてございます。
 今回の検討はあくまでもダイオキシ規制と、そのツールとしての一酸化炭素100ppmというものについて、残念ながらその実態上私どもが設定しておりました基準にそぐわないものがございましたので、それについて見直すことの技術的な妥当性をまず検討していただいたということでございます。

○ 益永委員
 今回の方向として、炉をいろいろなタイプに分けるとか、非常に個別化しようというような感じの内容になっているような気がするんですけれども、最終的にはダイオキシン濃度が下がっていれば、基準を満たしていればいいというのが最終目標なわけですから、そこが守られれば、そういう細かいこと自体を決めていくことは必要ないというような考え方もあるのではないかと思うんですけれども、そういうような方向ではいかないのかなという感じがしたということです。今回、これに対して特に反対ということではないです。
 改正の内容のことなんですが、焼却施設の構造上の理由があるため云々と書いてあるんですが、これはまた個別にこういう構造というものを指定するわけですか。そういうのは別に法律には書かないでいくわけですか。

○ 松澤補佐
 構造上の理由というところを法律上どう表現するかということでございますけれども、これは具体的には廃棄物処理法の施行規則の中で書いていくということになろうかと思いますが、今考えてございますのは、例えばセメントキルンというものを特定できるような規定ということではなくて、構造上の理由という形でセメントキルンだったらセメントキルンだけに特定されるというわけではなくて、ほかの場合ももしあれば、そういうものも当然含まれるような形で、具体的にデータに基づいて検討いたしますと4業界以外にもあろうかと思いますので、それもまた含まれる形で、表現が構造上の理由というふうになるかどうか、そこら辺はちょっと検討を要しますけれども、幅広い形で個々に特定するというのではなくて、包括的な規定の仕方にすることを今考えてございます。

○ 田中(勝)委員長
 性能ですよね。性能をきちんと確認するという意味ですけれども、大気汚染防止法では排出の規制があって、それを具体的に対応するのに廃棄物処理法の中でこれは構造基準、維持管理基準の中で規制しようとしているわけです。ですから、CO濃度をごみの焼却炉に的を絞って検討したところでは、COと相関があるからということで 100と決めたんですが、今のような例外がいろいろあるということで、そのかわりダイオキシンが安定的になっているという意味で、モニタリングの頻度を高めて間違いなく低いということを確認しようということですよね。

○ 中杉委員
 これはセメントキルン、ロータリーキルンが入っている焼却施設ですが、具体的にはこれはしなくていいよというものをつくっての一定水準の形になるんですか。構造上の理由がありというだけでは実際にはわからないので、施行令のところでこれについてはこれは要らないという話になるのか、施行令よりもっと下のレベルか。そのときに、キルンというのをどういう表現するかによってはキルン型、ロータリーキルン型、産廃の焼却施設がたくさんあって、セメントではないものありますよね。この辺のところどういう表現にされるのかなということをお願いします。

○ 松澤補佐
 施行規則の中では構造上の理由といった表現レベル、あるいは焼却灰を生活環境保全上に支障が生ずるおそれのないように使用するため、こういった抽象的な表現になろうかと思いますが、具体的にそこの意味するところ、代表的な炉なり、それがどういうものなのかというのは、別途これを解釈する中身がどういうものかという考え方については地方公共団体、廃掃法の規制行政になっていただいておりますので、そこにはそういう形で古い言葉で言いますと通知ということで、そういう中で補完していきたいと考えてございます。

○ 田中(勝)委員長
 今、おっしゃったのは焼却灰を使用するというのに限定してますよね。廃棄物を使用するということはないんですか。

○ 松澤補佐
 焼却灰を生活環境保全上に支障が生ずるおそれのないように使用するために具体的に書いてございますのは、今回の事例でいいますと、製紙スラッジをロータリーキルンで、こういう目的で製紙スラッジを回した焼却灰を利用するために、特別な運転の仕方をして使っていると、これは中杉先生からご指摘いただきましたように、その辺にあるロータリキルンと製紙スラッジのロータリーキルン、これかわるものではございませんので、構造上の理由ではなくて、灰の使用の方法、あるものを想定して特別な燃焼をしているという場合を指しているというものでございます。

○ 田中(勝)委員長
 セメントキルンで廃棄物を使うという意味じゃなくて、焼却した後の焼却灰を使うということですね。

○ 松澤補佐
 セメントキルンというのは、セメントをつくるための普通のストーカー炉とか、キルンとは違うタイプで、物をつくるための製造プロセスということで、既に既存のものがございますので、そちらの場合には焼却施設の構造上の理由という方に該当してくるものと考えてございます。

○ 田中(勝)委員長
 ほかにご意見、ご質問ございますか。
 ということで、後ろの方にもございますようにCOが100ppmを越えてもダイオキシンは低い濃度となるタイプの炉があるということで、ダイオキシン類の発生抑制に係る燃焼管理の指標として一酸化炭素濃度を用いることが適当でない場合に限り一酸化炭素の濃度基準については適用しないということにすることが妥当であると判断します。一方で、濃度が間違いなく低いということを確認する意味でモニタリングの頻度を高める。ここでは3カ月に1回以上ということで、そうする方向で皆さんの意見を取りまとめたいと思います。特にご意見がなければそういうことにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 では、事務局ではそういう方向で今後の対応をご検討いただきたいと思います。
 本日の討議事項は以上ですけれども、この場で報告したい事項が幾つかあります。
 まず、旧厚生省生活環境審議会、ダイオキシン対策技術専門部会で審議され最近制度改正を行った事項について、事務局より説明いただきたいと思います。

○ 室石補佐
 それでは、資料の10から説明したいと思いますが、時間も12時近くになりましたので、食事がもしまいりましたらお食べいただきながら進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、資料10でごみ固形燃料化施設に係る基準の設定についてでございますが、これについてはRDFをつくるための施設というのが平成になりましてから、割とぽつぽつとつくられ出しまして、かなり数が出てまいりました。当初はごみを圧縮して形づくるというだけですので、特段有害なものが出るというような認識が余りなかったと思うんですが、廃棄物研究財団の方で3年間余り研究いたしたんですけれども、固形燃料化過程でダイオキシンがわずかながら発生してくるという知見が得られまして、もちろん報告書も公表されています。そうなると、今まで焼却施設そのものに対する建設反対はあったんですが、そのときにこれは燃やさない施設だからということで、RDF化施設というのはある意味では住民の反対を得にくい施設ということで、一つのメリットというふうに考える市町村も多かったんです。
一方で調べてみたら固形燃料化過程でもダイオキシンが出るというような話になると、住民の方はまたそれをとらえて、結局焼却炉をつくるのと同じではないかという極端な反対意見を言ったりするわけです。逆にそれであればはっきりとその事実を明らかにした上で守るべき基準というのを決めようということでご議論いただきまして、どれくらい濃度が出ているかというデータを出しまして専門委員会の中でご議論いただいた結論といたしまして、2番目に書いてございますように、排ガスの基準値といたしましては、0.1ng/m3ということで、そういう固形燃料化施設から出てくる排ガスのダイオキシン濃度規制というのをする。当然測定基準もかかると。
 それから、構造的な基準として一にありますように、乾燥室があり、それを成形する形をとるということで、それぞれ施設基準を設けると。こちらに書いてございませんけれども、固形燃料ですのでそれができ上がったら保存するような保管施設も要ると。それについては、例えば火災を起こさないようにするとか、そういう構造基準をつくるべしということで、実際これについては平成13年2月1日ということで、廃棄物処理法の施行規則を
改正いたしまして、こういった基準というものを正式に基準化いたしました。
 それから、経過措置といたしまして、既存施設については改造時間が要るということですので、排出濃度規制については1ナノグラムという形で、これは通常の焼却炉の平成14年までの経過規定と同じような形で濃度に関する経過措置を設けました。ただ、測定義務についてはすぐにかかるという形にしております。
 続きまして、資料11をごらんいただきたいんですが、これも昨年末のダイオキシン専門委員会で同時にご議論いただいたものなんですが、小規模焼却炉についてどうしていくかということで、ダイオキシン特別措置法の中での小規模炉、ここでいう小規模炉というのはかなり小さいという意味での小規模炉ですが、そういうものについて早く検討を加えて必要な措置を講じてくださいということが附則に書かれておりましたので、それの検討を私どもの方で、約1年余やりまして、その結論としてこういう形を得たものです。
 改正内容に書いてございますように、小規模炉についてもということなんですが、まず 800度以上の状態で廃棄物を焼却できる構造であること。それから、外気と遮断された状態で定量ずつ燃焼室にごみを投入できるような構造であること。それから、温度計をつけましょうということ。それから、温度が下がったような場合に、温度を保つために助燃装置を設けるということで、構造的な廃棄物の処理基準として4つ新たにつけ加えるということで、これについては既に規定改正を行っておりますが、施行としてはダイオキシンの規制強化の時期と合わせまして、14年の12月1日ということでやらせていただいておりますが、繰り返しになりますけれども、これについては小規模炉でございますので、一応焼却炉としての下限はないという形で規制を加えております。ですから、現状を繰り返して申し上げますと、施設許可対象になっているものは時間 200kg以上の焼却炉の問題でありますし、測定義務、濃度規制がかかっているものは特別措置法によって時間当たり50キロ以上であると。そこにありますような4点を新たな構造上の規制というのは、一応下限値なしで焼却能力関係なしで小規模炉すべてにこういった規定を図るという形で改正を行いました。
 以上でございます。

○ 田中(勝)委員長
 資料10のナノグラムは全部略されて書かれております。それから、11は、小規模というのは50kg/h以下のことを言っているのか。

○ 室石補佐
 規模に関係なく全部です。

○ 田中(勝)委員長
 そうすると、小規模という定義は。

○ 室石補佐
 40キロでも30キロでも20キロでも、焼却炉であればこれがかかる、逆に大きくてもかかるんですが、より厳しい構造基準が大きいやつにはかかってきます。当然これは満たします。

○ 中杉委員
 下の下限がないと焼却炉の定義は極端な話を言うと、家庭で燃やしているものをあれは一般廃棄物を燃やしていると解釈することもできます。焼却炉という定義は特にあるんでしょうか。

○ 室石補佐
 そこを詳しく説明いたしますが、これは廃棄物処理基準の変更についてというふうに書かれておりますように、これはちょっと法律上の話になるんですが、構造基準、維持管理基準のほかに廃棄物処理基準というのがございまして、一般廃棄物処理基準に当たるものの改正でございます。ですから、一廃処理基準については、市民に対してかかっておりませんので、そういう意味ではかからないものです。ただ、焼却炉は何かという話になると、これは処理基準でございますので、物を燃やすことに対する規制ですから、これによって例えばこの4つの以前にあった廃棄物処理基準といたしましては、ちゃんとした構造で燃やしなさいとか、黒煙を出さないようにというような、それは維持管理上のことですが、そういった基準につながるものとしてこういうものを追加したということです。

○ 中杉委員
 もう一つは資料10の方で、これは固形化施設はどういうところに出てくるということを考えられたんでしょうか。

○ 室石補佐
 乾燥過程です。

○ 中杉委員
 ちょっと気になったのは、圧縮過程なんていう話になると、似たような問題があって、大きな問題になったので、圧縮過程で何か出るんじゃないかというようなことが言われるんじゃないかと思ったものですから。

○ 室石補佐
 これまでのところ圧縮の方の周辺でその数値が高いというデータはありません。

○ 田中(勝)委員長
 それでは、最後に現在国会で審議中であるPCB廃棄物適正処理推進特別措置法の案の関係を説明いただきたいと思います。

○ 松澤補佐
 お手元の資料12と、それから今回国会に提出してございます関係法案のうちのコアの部分であるポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案、この資料で簡単にご説明をしていきたいと思います。
 当委員会の先生方にもいろいろと技術的面、政策的面でバックアップしていただいているPCB廃棄物問題でございますが、資料12にございますように、現在この白抜きで書いてございますけれども、2つの法律案を国会に提出して、この法律の成立を待ってPCB廃棄物について根本的な対策をとっていきたいと、このように考えているわけでございます。
 法案につきましては、2月20日に国会に提出されてございます。実際に審議が始まりましたのは衆議院で3月27日に提案理由説明が行われて、3月30日、4月3日という形で衆議院の環境委員会で審議が行われて採決をされているというところです。現在は、参議院に回されてございまして、きのう提案理由説明が行われましたので、今後速やかに審議が始まるのではないかと期待をしているところでございます。しかし、きょうの時点では何日から具体的に審議が開始されるのかといったところはまだ決まっておらず未定ではございますけれども参議院でも審議されるという状況にございます。
 資料12の後側に早期処理の実現に向けてということでPCBを取り巻く問題、PCBにつきましては、先生方にもバックアップしていただいてますように、廃棄物分野で非常に特異的に処理が停滞して保管が続いているといった大きな課題を抱えているものでございますが、これについて最近の事情も踏まえて簡単に課題ですとか、法案の必要性というようなものを説明する資料でございます。
 私ども大きく3つあろうかと思ってまして、まず左上にございますような環境汚染の進行ということを考えなければいけない。その場合に、有害物質であるPCBの難分解性であるところの特性であるとか、コプラナーPCBを含有するものであるとか、魚介類を通じて人への健康影響も懸念される。
 それから、2つ目が最大30年間に及んで処理が停滞しているということで保管するしかないという状況がある中で、当然これは次の世代に引き継いで保管するというようなことは現実的に非常に困難だろうと思いますので、保管しているものがなくなっていくという状況が現に生じているということでございます。
 右端になりますけれども、その一方で国際的にも取り組みが必要ということで、直接PCBが使用されるような場所ではない北極ですとか、そういったエリアで現にPCBが生物の中、あるいはそこに住んでいる人の人体にも検出されるといった形で地球的に汚染が進んでいると、そういう背景があって、国際的にはPOPs 条約、5月22日に条約については採択されているところでございますが、そういう条約の中でPCB以外のものも含めて難分解の有機性の汚染物質について、国際的に取り組みをしていこうと、こういった状況があるということでございます。こういうことを踏まえて、今回早期処理体制を構築するための法制化というのを図ったわけでございます。
 具体的内容が●4つで書いてございますが、まずは紛失発生が続いているという状況がございますので、通常の廃棄物、これは日々出てくるということで、その発生しましたとか、それを保管しているというようなことについて、届け出は今廃棄物処理法等で義務づけておりませんけれども、PCBについてはストックしているという状態がございますし、またこれがなくなっているということで、そこを押さえようということで届け出をまず
義務づけるということでございます。
 それから、廃棄物の処理は適正に処理すれば、いつ処理するかどうかというのは、これは事業者に委ねられているわけでございますが、このPCBにつきましては、今申し上げましたような事情もございますので、一定期間内処分というものを義務づける。一定期間内処分といたしましては、今から15年後という形で私どもとしては取り組むべきではないかと考えているところでございます。
 これらを具体的に処分を可能とするように、広域的な処理体制を国が役割を担って確保していこうと考えています。そのためには、地方自治体と連携していくことが必要でございますので、
その連携をとりながら、広域的な拠点的な処理というものを実行していってはどうかということでございます。
 それから、今想定しておりますPCBの処理方法といたしましては、化学的な分解による方法でやっていこうと考えています。これは正直言ってコストがかかりますので、その場合に費用負担能力の小さい中小企業が持っておりますPCB、これを私どもは結構中小企業が多く持っているのではないかと推定してございますので、そこの処理を円滑に進めるというのが政策的な課題になりますので、その部分について助成などを行う基金というものをあわせて置いて、中小企業が持っているPCBについて円滑な処理を推進していこうということでございます。
 それぞれ規制的な部分、あるいは処理を15年で行っていこうとかいったシナリオ部分については、特別措置法の方で決めまして、それから広域的な処理体制の確保、あるいは基金といったところのツールを実現することを環境事業団法の中で決めていくという形で2つの法案を一体のものとして現在国会に提出しているわけでございます。
 以上、PCBの関係法案についてのご説明でございます。

○ 田中(勝)委員長
 法案の参考資料として案そのものがついてございます。何かご質問ございますか。
          (「なし」と呼ぶ者あり)

○ 田中(勝)委員長
 以上で、きょうの予定されておる審議、報告などすべて終わらせていただきます。おかげでスムーズに時間内で終わったことをお礼申し上げたいと思います。

午後0時15分閉会