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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
微量PCB混入廃重電機器の処理に関する専門委員会(第6回)議事録


○産業廃棄物課長 おはようございます。
 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会微量PCB混入廃重電機器の処理に関する専門委員会を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、ご多忙にもかかわらずご出席いただき大変ありがとうございます。
 本日のご出席の状況ですが、現時点で11名の委員の皆様方にご出席をいただいておりまして、定足数である過半数に達しております。
 それから、今回、2名の委員の交代がありましたので、ご紹介させていただきます。まず、内田委員にかわりまして、石油連盟潤滑油専門委員会副委員長の保谷様にご参画いただいております。それから永松委員にかわりまして、財団法人日本経済団体連合会常務理事の椋田様にご参画いただいております。それから前回同様、この専門委員会のオブザーバーといたしまして経済産業省から中村環境指導室長にご出席いただいております。それから、財団法人産業廃棄物処理事業振興財団からも飯島専務理事にご出席いただいております。
 続きまして、お手元の配付資料の確認でございます。議事次第に資料一覧を記しておりますので、資料の不足等ございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと思います。
 本委員会の資料につきましては、原則すべて公開とさせていただきたいと存じます。議事録につきましては、本専門委員会終了後に発言者名を記しました議事録を作成し、委員の皆様方にご確認をいただきました上で公開させていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 また、委員の皆様には前回、第5回委員会の議事録案を配布しております。事前にご確認をいただいておりますので、これでよろしければ案をとらせていただきたいというふうに考えております。
 それでは、以降の進行を永田委員長にお願いいたします。よろしくお願いします。

○永田委員長 どうもおはようございます。お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 それでは、早速、議事のほうに入らせていただきます。
 今日の主な議題といたしましては、中間的整理の修正案、それから測定方法に関する今後の方針及び焼却実証試験の結果が挙げられております。
 まず、議題1のほう、「中間的整理修正案」についてから入らせていただきます。
 それでは、どうぞ。

○産業廃棄物課長補佐 おはようございます。それでは、資料2に基づきまして、「中間的整理修正案」の修正の事務局案をご説明させていただきます。
 資料2でございますけれども、せんだってご議論いただきました資料に、赤字で修正を加えているものでございます。資料の中身につきましては、前回と同様、枠囲みに概要をまとめ、その下に本文をつけているというような内容になっておりますけれども、今回は枠囲みではなく、本文のほうに従って、その修正の箇所及びその理由についてご説明させていただきます。
 まず、タイトルですが、「微量PCB汚染廃電気機器等」となっていたところ、通常、これまで「微量PCB混入廃電気機器等」というふうに申しておりましたので、それに語句を修正するものでございます。
 それから2.(1)ですが、枠囲みを飛ばしまして、2ページをごらんいただけますでしょうか。最初の1段落目は単なる漢字の修正でございます。それから4段落目、「具体的には」と始まる文章の中の4行目でございますけれども、個別に認定を行う対象として、「処理業者と処理施設」とあったものを、「と処理施設」という部分を削除しています。これは前回の委員会の中で、無害化処理認定制度に基づく認定というのは、者に対して行うものとされておりまして、施設に対して行うものとはされていないというふうなご意見があったかと思います。それに合わせた修正ということです。
 それからその次の段落、「無害化処理認定制度の活用に当たっては」から始まる文章の中で、「微量PCB混入廃電気機器等の絶縁油中のPCB濃度の多様性などを踏まえつつ、燃焼温度その他の安全かつ確実な処理に必要な条件等について検討を行った後、」というふうに加えております。ここの部分につきましては、今回の対象が微量のPCBを含むものといったことになっておりますけれども、中には数千ppm程度のPCBを含む場合等もありまして、微量だから安全と一律に考えるのはどうかといったこと。また最悪のシナリオにも沿った考えをすべきということが、ご意見としてございました。
 また、その燃焼温度以外の条件も整わないと、その安全な処理というのは確保できないのではないかというようなご意見もございました。このようなご意見を踏まえた修正として、このように加えさせていただいております。
 その下の段落は追加しています。これはちょっとひとつ読み上げさせていただきます。
 「微量PCB混入廃電気機器等の中には、当該電気機器等の保管場所において、移動式洗浄施設を用いて洗浄を行うことにより、適正な処理を行うことが可能な場合がある。このような処理を推進するためには、移動式洗浄施設についても無害化処理認定制度を活用することが適当であると考えられるが、その際、行政による立入検査等の指導監督手段の確保や、環境影響評価の方法の確立などが求められる。このような観点から、微量PCB混入廃電気機器等の保管場所において、洗浄が安全かつ確実に行えることを担保するための制度上の対応について、学識経験者等の意見を踏まえつつ、検討を進めることが適当である。また、保管場所において電気機器などの絶縁油を入れ替え、一定期間課電することにより、電気機器等の容器からのPCBの除去を行う方法も提案されているところ、これについても、処理方法について技術的に検証した上で、安全かつ確実な処理が行えることを担保するための制度上の対応について検討を進めることが適当である。なお、検討に際しては、必要とされる絶縁油の供給可能性について十分留意することが適当である。」
 このように加えております。これの趣旨としましては、前回のご意見の中にも、移動式の施設での処理が行えるようにしてほしいといったご意見があったこと。それから、最後の一文に関しましては、これは前回の委員会と第3回ぐらいの委員会だったかと思いますが、絶縁油で処理をする、この課電処理、これまでご紹介いただいている方法でございますけれども、このような方法で使われる絶縁油については、一定の供給の限度があるという可能性があるので、そういった部分についても、十分留意すべきだということを追加しています。
 なお、その移動式の施設につきまして、ちょっと概要を資料2の一番最後のページにポンチ絵でつけております。かなりちょっと漫画的になってしまってちょっと恐縮なんですけれども、ここで言っている移動式洗浄施設を用いた洗浄のイメージと申しますのは、A保管場所、B保管場所、C保管場所、それぞれ独立した保管場所で離れた位置にあるというふうにお考えいただければと思います。また、その蒸留塔につきましては、これは保管場所とはまた別に、別な場所にあるというふうにお考えいただければと思います。例えば、その洗浄に必要な機材、これはトラックに洗浄に必要な機材を今載せているというイメージなんですけれども、こういった機械をそれぞれの保管場所に設置して、その中で洗浄処理を行い、そこの洗浄が終われば、また次の施設、A保管場所からB保管場所にその洗浄施設を移動させ、そこでまた設置して処理をする。さらにそれを次の場所に持って行って処理を行う。こういったことが考えられるかというふうに思っております。
 また、洗浄液で廃液となったものについては、別途設置された蒸留塔において、再生した後、また溶剤として使うということも考えられるかと思います。必ずしもこういったもののみが移動式洗浄施設を用いた洗浄というふうにはならないんですけれども、1つのイメージとしてとらえていただければというふうに思います。
 それでは、本文のほうに戻らせていただきます。
 3ページ目の、先ほどの移動式施設の段落の次の段落でございます。1文目は漢字の修正がございます。それから、「そこで」から始まる文章の中で、情報公開の方法の対象として、処分状況、「排ガスや維持管理の状況」に関する情報公開の方法というふうにしています。これは、排ガスのデータでありますとか、維持管理の状況に関する情報公開も必要ではないかというようなご意見があったことを踏まえまして、追加したものでございます。
 一番最後の文章でございますけれども、「この他、処分体制の整備を進めるためには、地方公共団体と連携を図るとともに、体制整備が効果的になされるための施策の展開を図ることが適当である。」という一文を追加してございます。これは、このような微量PCB混入廃電気機器等の処理を進めるに当たりましては、自治体の理解を得て進めることが大事だというようなご意見がありましたので、それを踏まえて、このような一文を追加いたしております。
 その下の段落でございますけれども、「処理施設に直接運搬することのできない大型の廃棄物の処理方法の確立」という文は削除してございますが、ここの部分につきましては先ほど申し上げました、移動式洗浄施設を用いた洗浄の段落でおおむね読めるというふうに考えてございまして、ここの部分は削除してございます。それにかえまして、「民間による実証試験の実施」などもあわせて進めることが適当であるというふうにさせていただいております。これは、民間企業において技術開発がなされた場合に、その試験の実施だとか、データの蓄積ができるようにすべきだというふうなご意見がございまして、それを踏まえまして修正を加えたものでございます。
 (1)は以上でございまして、次に(2)の収集運搬についてでございます。
 「このため」から始まる文章ですけれども、まず「柱状トランス」の「状」の漢字、これは漢字の間違えでございます。それから自社処理の例「や微量PCB混入廃電気機器等の絶縁油中のPCB濃度の多様性」なども踏まえつつ、というふうにあります。これは先ほども処分方法の中でも同じような修正を加えておりますが、微量といっても高濃度のPCBを含む場合があるので、最悪のシナリオを考え、それに沿った考え方をすべきというようなことで、このような一文を加えております。
 それから次のページをごらんください。(3)測定方法についてでございます。
 まず1段落目についてでございますけれども、これについては、「現時点では」実際に絶縁油中のPCB濃度を測定しなければPCBの含有の有無が判明しない、というふうに一句加えてございます。これは将来的には、適切に製造段階などでのその混入が防止されるということも考えられるかということで、あえて「現時点では」という語句を追加しているところでございます。
 それから2段落目の最後の文章でございますけれども、「また、一定の精度を有する測定方法のうち、基準値以下のものを判別することが可能な迅速・低価格の方法の活用についても、今後技術的な検討を行うことが適当である。」といった文章を追加しています。これは定量する方法ということではなく、一定の濃度の上か下かといったものが判断できるような方法というのもあるだろうと。こういったものの活用も、迅速かつ低廉な費用で測定できる方法として普及させるためには必要ではないかということで、一文追加してございます。
 なお、(3)の測定方法の部分につきましては、資料3で、「微量PCBの測定方法に関する今後の方針について」という資料をつけてございます。この中で、森田委員が委員長を努める検討会にて検討されてきました微量PCBの測定方法に関する検討の内容について、まとめてございます。これにつきましては後ほどご説明させていただきたいと思っておりますけれども、その内容で問題がないということでございましたら、この中の検討結果及び今後の方針の中身をまとめていまして、この部分にそのまま差し替えたいというふうに考えてございます。ということですので、この部分につきましてはまた後ほど、その資料3の説明をさせていただいた後で、ご議論いただきたいというふうに思っております。
 それから、(4)その他留意事項でございます。これも枠囲みを飛ばしまして、5ページ目をごらんください。
 1段落目でございますけれども、最後の文章がかわっておりまして、「これを踏まえ、PCB混入廃電気機器等の保管状況や、使用後に適正に廃棄され、処分が行われること等について更なる把握を行い、全容を踏まえた計画的な処理体制の整備に努めることが適当である」というふうにしてございます。これの趣旨としましては、使用から使用が停止されて廃棄されると。それから廃棄される際も、その保管の仕事がされてから処分に回って、適正に処分がなされる。こういった流れが一連の流れとしてリンクされて、把握されるようにすべきだというようなご意見があったかと思います。それを踏まえた修正ということでございます。
 それから、その次の段落でございます。「さらに」から始まる文章でございますけれども、「さらに、微量PCB混入廃電気機器等の処理に関し、処理施設の周辺住民等の安心感を得ることを目的として、微量PCB混入廃電気機器等の処理の必要性や安全性について必要な情報の提供を行うとともに、周辺住民等との対話などを進めることで、微量PCB混入廃電気機器等の円滑な処理を図っていくことが適当である」というふうにさせていただいております。これは周辺住民などに対しましても、その処理をすることの必要性についても十分ご理解をいただくこともやっぱり必要ではないかといったこと。また、そういったご理解を得られるためには、その対話を繰り返すことが必要であるというようなこと。また、安全と安心は違うと。科学的に知見に基づくその判断によって安全を確保し、その上で安心を得られる体制となっていることが必要であると。このようなご意見をいただいていまして、それを踏まえた修正ということになっております。
 資料2の修正箇所につきましては、以上、簡単にご説明させていただきました。

○永田委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明の中でも、測定方法につきましてコメントがございましたですが、議題の2のほうでそれを議論することになっております。あわせて、ここでご説明いただいた後に、資料の2、3、これをご議論願えればというふうに考えておりますので、続けて、どうぞ資料の3のほうを。

○産業廃棄物課長 微量のPCBの測定方法につきましては、ただいまの説明にもありましたように、森田委員に委員長をしていただいております検討会において詳細なご議論をいただきました。その結果としての資料3でございますので、大変恐縮ですが、森田先生のほうからご説明いただければと思います。

○森田委員 それでは資料3を使いまして、ご説明させていただきたいと思います。
 まず、「検討の趣旨と経緯」というところから始まっておりまして、検討の趣旨と経緯というのは、ここに書いてございますように、非常にたくさんの絶縁油を分析しなければいけないと。しかもある一定の年度内にやらなければいけないという、そういうこともあり、一方で、その分析のコストが社会全体から見て相当大きなものになってしまうということもあり、低廉で短時間に測る方法といったものを求める必要があるだろうということでございます。その線上におりまして、正確でかつ短時間、低廉と、この3つの要素をてい立するような、そういう分析法を求めて評価をやるという作業を行いました。
 2番目に「検討方法」と書いてありますが、どのようにして検討していったかということであります。検討対象の測定方法として、まず中核、中心というか、いわばご本尊に当たるような分析法をまず確定させなければいけないということがございまして、現在、絶縁油に含まれるPCBの測定に用いられている方法は、特にこれが定められた方法がございませんので、各分析機関にお任せになっていて、いろんな方法が使われているのが事実上であります。
 その中でも一番精度が高いと考えられております方法というのは、高分解能ガスクロマトグラフィ-高分解能質量分析を用いた方法で、これは平成4年厚生省告示第192号別表第2で定められた方法でございますが、これが最も精度が高いと考えられております。したがいまして、これを基軸といたしまして、ほかにも用いられている方法もありますけれども、ほかに用いられた方法と比べて、さらに安価で、かつ迅速で、かつ十分な正確さを持ったもの、それを選び出すという、そういう作業をやったのであります。
 学会で報告されたいろいろな分析方法、あるいは分析機関から提案あった方法を31種類選定いたしまして、それぞれの機関の協力のもと、評価と検討を行ってきました。提案された測定方法については、表1の後ろのほうに、5ページ目についておりますけれども、そこに測定結果の概要として並べられておりますが、かなり精度の高い方法から、しかし精度はあまりよくないけれども早い方法まで、非常にバラエティーに富んだものが、とりあえず提案されていったということであります。
 2番目に(2)に入りまして、測定方法の評価であります。それぞれ提案されたところ、あるいはこちらからこれも調べておいたほうがいいということで指定した方法、そういったものを含めまして、各協力機関に濃度の異なるPCBを含む絶縁油、濃度範囲はブランクのゼロから最大3ppmまで含むような、そういうサンプルを配布いたしまして、そしてご提案いただいた機関にその提案した方法に基づいて測定を行っていただき、その測定されてきた結果を評価するという作業を行いました。この中でも、特に基準値になりますのは0.5ppmですので、0.5ppmを中心とした評価といったものを行ってきております。なぜ、それをそういったことになったかといいますと、分析方法によっては1ppm以上は割合正確に分析できているけれども、1ppm以下になると急速に分析値がばらけると、そういった分析もありますので、とりあえず基準値の0.5にある程度の焦点を絞り込んだ評価ということを試み始めております。
 いずれのサンプルにつきましても、濃度をお伝えをしないで、このサンプルを分析してくださいということに配布されておりますので、分析機関は濃度がどのくらい、どういう数字であるかは知らないで分析をして報告していただいたという状況であります。そして同時に測定方法としても最も信頼性の高い、高分解マスを使った方法を3つの機関で分析をしていただきまして、その結果の平均値を真値として取り扱うことといたしました。
 めくっていただきまして2ページ目に入りますが、評価に当たっては真値からのずれの程度、この部分を正確さ、英語の表現ではトゥルーネスと言っておりますが、それの評価とし、それから同時に測定された数字が繰り返し測定したときにどの程度変動しているかという、その誤差の評価としては変動係数を使っていますが、こういった評価軸を中心に、また真値の分析とそれから報告された分析法がどのように、階級線を書いたときに、直線関係に乗るかどうかといったことについても、調べたということでございます。
 検討結果につきましては3番目に入りますが、表の1であります。ここには概要が出ております。いわゆる相関係数として、どの程度正しい分析と相関が取れるかというパラメータもありますし、それから計算上の検出下限を調べた数値もありますし、それから分析値がどの程度ばらついているかという変動係数、それから平均的に真値からの乖離がどの程度あるかというのを平均値として表現したもの、それからそのような乖離の程度がサンプルごとにどの程度ずれているかという、その標準偏差を表にしております。
 絶縁油中の微量PCBの測定法として活用するためには、技術水準の現状というものをある程度踏まえつつ、一方で測定値の信頼性の確保に十分な精度を持つことが求められるということになります。
 そして委員会の中で相当議論があったのは、1つは、まずこの種の分析法というのは、ある意味では規制行政の根幹をなすものであるから、極めて正確な分析であることが必要ではないだろうかと。企業の中で内部的に処理をする、そういう分析法とは別個に、公的な信頼性を持って流通するということを想定するときには、極めて客観的な信頼性がいるんだと、これがまず1つのロジックで、そこでは非常に正確な値が出るような分析法、しかもたった1個の分析法に絞り込んでしまったほうがいいと。これが1つの発想であります。
 その一方で、非常に多数のサンプルを、しかも効率よく、しかも低コストでやるということについては、分析法を多様化し、そしてある場合にはスクリーニング的な方法も援用しつつ、効率よく進めたほうがいいと。この2つの論理が、分析の正確さとそれから効率性と、2つの側面で交差することになりますが、それを踏まえまして、とりあえずこういうふうにしたらどうかということを提案させていただいたのが、この下の内容であります。
 そのときに、まず信頼性の基準としては、欧州委員会が測定法の指針として用いた例として、これは食品中のダイオキシン及びダイオキシン用のPCB、そういったものを評価する方法として出された指針、ディレクトリがありますが、これをある種の方向として出してはどうかということであります。そこで出されておりますのは、確定的な分析法としては、正確さとしては、真値との測定値の差が20%以内であること。それから繰り返し測定の変動係数が15%以下と。これをコンファーマティブ・メソッドというふうに位置づけております。そして、スクリーニング的な方法としては、繰り返し測定の変動係数は30%未満。あわせて偽陰性率。偽陰性率というのはどういうことかといいますと、例えば0.5ppmが基準値としますと、その0.5ppmを満たしているかどうかを、その0.5ppmを超えたようなサンプルが検出、不検出として処理されてしまう、そういう危険性のような、そういう率が1%以下であることということであります。
 このような指針にある程度意識しながら、今回報告された測定値につきましては、まず確定的な計量分析法としては、1、2の正確さと変動係数についてを満たしたもの。またあわせて基準値が0.5ppmですので、検出下限としては0.15ppm以下であるというような、そういう技術について簡易な定量法の資格要件とするのは適当ではないだろうかということです。
 なお、これにつきましては、それを満たしているものから順次、試料の安全かつ的確な採取や分析精度の担保を図るためのマニュアルを整備し、そして定期的な精度管理の推進などを含めつつ、測定法の活用を図っていくのがよいだろうということです。
 それから、なお、これは後にも出てきますが、今回の測定結果が協力分析機関1機関のみによる測定結果でございますので、したがってある場合にはチャンピオンデータで報告されている、そういうケースもあるかと思われますので、今後、中立的な機関において評価することが必要であるというふうにしております。
 もう一つにつきましては、一定の精度を有する測定法の中に、判定濃度を0.5ppmよりも引き下げて判定することによって、0.5ppm以下のものを判別することが可能な、迅速かつ低価格の迅速判定法がある。そのような測定法を活用することにより、全体の処理、サンプル数、それも拡大し、低廉にできるのではないかという、そういう発想に立ち、活用する道を開こうとしております。この点からはEUの基準に並んだ形で[3][4]に準拠をいたしまして、検出下限が3ppm以下であること、それから変動係数が30%未満、また偽陰性率(基準値を超えるものを検出できないとする確率)が1%未満といった条件を迅速判定法の資格要件として扱ってはどうかと。また、その当該測定法によって0.5ppm以下と判定される場合に、高分解能マスという現在の方法によって測定してもなお0.5ppm以下となることを確認した上で、可能なものから順次、試料の安全かつ確実な採取や分析精度の担保を図るためのマニュアルを整備し、定期的な精度管理の推進などを行って、評価手法を含めた測定法の活用を図ることが必要であるということにしております。なお、この際の確認方法につきましては、今後技術的な検討を行うことが必要であり、また、今回の測定結果がそれぞれの協力機関1機関のみの値のものでありますので、今後、中立的な機関において評価することも必要ということであります。
 全体といたしまして、さらに測定のさらなる効率化、あるいはどんどん新しい技術もまた提案されてきておりますが、さらなる効率を図るためにも、学識経験者などから委員会で引き続き測定法の評価を進めることにより、短時間にかつ低廉な費用で測定できる方法についての技術開発を促すことが適当であるということであります。
 後のほうにさらについておりますのは、分析方法、分析結果、それらについての誤差要因についての考察が述べておりまして、主なものだけお聞きいただきますと、誤差の大きな原因としては、前処理による試料中の妨害成分の除去の程度によって影響を受けている。つまり妨害成分の除去が不十分な場合には、高い値あるいは低い値を生み出す傾向があるということでございます。それから分析方法としては、検出器の選択性が非常に高い。高分解能マスのような、そういった方法を使った場合には、比較的よい分析値が得られている、そういう傾向があるということ。それから3番目、これはもう一つの要素で、かなり重要でありますけれども、分析者が十分な知識を持ったり、あるいは経験を十分持っているときにはいい値が出ますけれども、そうでないときには精度の悪い結果が得られると。そういう傾向が観察されたということであります。
 以上がこの検討結果の内容でありまして、今回の検討というのは、廃電気機器類の絶縁油に含まれる微量PCBの測定を目的として評価したものでありますので、その他の油、その他のサンプルについては、この方向そのまま適用できるかどうかというのはわかりませんので、別途の評価も必要だということを改めて書き込んでいるという状況であります。
 次の4ページを見ていただきますと、大体フローとしてはこんなふうになるのではないかということ、イメージ図をつくっておりまして、絶縁油試料というサンプルは、上か下かどちらの方向に流れてよろしいということです。上のほうに流れますと、定量分析法には精密分析法として、厚生省192号別表第2の方法というのは、現在使われています高分解能マスの方法でありますが、それがまず1つありますし、そして簡易な分析法として、今回評価の対象になった、先ほど言いましたように、真値とのずれが20%以下、それから繰り返しの変動係数が15%以下の精度を持った、そういう分析方法が簡易定量法にノミネートされ、そしてこの方法を使ってもよろしいということになります。
 なお、簡易定量法の中に若干の注記がありまして、簡易定量法はすべて現在ガスクロマトグラフィ質量分析法、あるいはガスクロマトグラフECD法といった、そういう機器分析法ですけれども、そこで妨害成分がクロマトグラフ上に観察される、あるいはPCBのパターンが崩れてくるといったことが幾つかあります。そのようになった場合には、共存物質の妨害があるわけですので、そのような妨害がある場合は、精密分析法の上のほうでちゃんとした値を出してくださいという形で、整理されております。
 そして、定量分析法で0.5ppmを超えたものにつきましては、PCB廃棄物となりまして、PCB廃棄物の処理施設、焼却処理等に進むということになります。0.5ppm以下の場合にはPCB廃棄物に該当しないということで、これはいろんな使い道があり得るという形です。
 それから下段のほうに最初に流れたサンプルは、迅速測定法で分析をすることになります。ここは検出下限を当面の数値として0.3ppmという数字が書き込んでありますが、この迅速判定法で不検出の場合は、PCB廃棄物に該当しないという、この位置に進みます。検出された場合には、これは0.5かどうかというのを精密に判断する必要がございますので、上のほうに上がりまして、それで定量分析法で判断をするということになります。なお、迅速判定法で上のほうに行かないで、一番右のほう、斜め右側ですね、これみなしPCB汚染物として進むということは、これは事業体のご判断であって、それは可能な道でありますが、通常はPCBの廃棄物処理をやりますと、とてもお金がかかりますので、上のほうに進むというのももう一つの選択かなということで、絵が描かれております。
 以上、分析法の概略であります。
 それから、それでは一体どのぐらいの数が定量分析法になり、それからどのくらいの数が迅速判定法になり、そしてそれにも漏れた方法があるかということですが、現在、まだ完全に整理しきれておりませんが、31分析法で提示されていたもののうちに、約5つぐらいが上のほうの定量分析法のほうにあるかなと。ただ、この5つというのも正確ではありませんで、組み合わせによってはもう少し違った数字になるかもしれません。それも分析法のマニュアルを整理する段階で、整理をするのかなという状況であります。先ほど申し上げましたように、基準的なものというのは何かといいますと、真値とのずれが20%以下、それから変動係数が15%以下、そういう分析法がここに選ばれるということになります。
 それから、それ以外の多くの分析法は、とりあえず迅速判定法に移ることになります。迅速判定法から漏れる方法というのは、31のうち若干件数ですね。その分析法はこの基準にも該当しなかったということで、それは別の用途で使っていただくことになります。先ほど申し上げましたように、第三者機関の評価を経ていませんので、これはこの評価を経た後に、最終的に告示なりあるいは通達なりに進んでいただく方法で考えたらどうかということになっています。
 それから最後に追加なんですが、分析法の中には、そういう0.5ppmという非常に低い濃度を測るのに非常に難しいけれども、しかし高濃度であれば非常に簡単に図る分析法もありそうでございまして、ちょうどリトマス試験紙のように、ぱっとその場でつけるだけで高濃度のところは判断できるような、そういうアッセイ方法もあります。これにつきましても、そういった方法の簡単化、あるいは使いやすいものにするという、そういう作業については、提案された分析機関にお願いをして、開発を進めていただいている状況にありまして、非常に簡単に申し上げますと、例えば1,000ppmを超えているかどうかというものを、その場で5分以内に、かつ目で判断できることが、そういう紙のような、尿の試験紙のようなものですね、そういったものが非常に安い値段、安いというのは数百円で使えるようにできないかということも視野の中に入れています。
 以上が私のほうからの、とりあえずご説明でございます。

○永田委員長 どうもありがとうございました。
 それではご議論を願いたいと思いますが、まずちょっと確認なんですが、今のは測定法に関係する部分は、資料の2のほうに反映させるということを言われましたですけれども、その反映させる部分は、どこの。先ほどですと3なのかな、この資料3の3というところでしょうか。ここの部分。

○産業廃棄物課長補佐 資料3の3の部分の2段落目から「なお」の手前までが、ほぼ対応するような形で書かれております。この部分を先ほどの資料2の測定方法の部分に差し替えるような形、若干まとめる必要はあるかと思いますが、そのようなイメージをしております。

○永田委員長 よろしいでしょうか。
 それではどうぞ、ご質問、ご意見のある方、お願いしたいと思います。資料2、資料3、どちらの関係でも結構でございます。どうぞ。

○宮崎委員 資料3のことで教えていただきたいんですが、精密で、数多い試験をやられて非常に大変だったと思います。非常にご苦労さまだったと思います。
 もう一つ教えていただきたいのは、ここのEUですかね、欧州委員会のあれで、偽陰性率が1%未満でなければいけないという、そういう基準があるわけですけれども、今回の場合、乖離率の標準偏差というところから大体わかるのかもしれないです。今回の場合は偽陰性率というのが検出されたと。いわゆる実際0.5を超えているのに入っていないというふうな測定結果になったという例は、今回の場合はなかったということでよろしいんでしょうか。

○永田委員長 どうぞ。

○森田委員 表1は、偽陰性率を含めたすべての評価数字には対応しておりません。とりあえず分析方法を取りまとめたような状況であります。偽陰性率につきましては、この現在やりましたのは、大体20ぐらいのサンプルの分析なんですが、それでは偽陰性率が評価できませんので、改めて偽陰性率がどのぐらいになるかということを、各技術ごとに再度、中立機関を交えて調べさせていただくということになると思います。

○永田委員長 よろしいでしょうか。
 いかがでしょうか。どうぞ。

○椋田委員 資料2のほうですが、今回の中間整理案は基本的には安全かつ合理的な処理方策を実現できる、大変評価できる内容となっていると私どもも思っております。今後はできるだけ速やかに実際の処理が可能となるように、まず無害化処理認定制度の円滑な認定にぜひご配慮いただければと思っております。また、この中間整理案の中で、今後の課題として書かれております中で、特に洗浄処理とか課電処理につきまして、制度上の対応に関する検討を行っていくと書かれているわけですが、ぜひこれを速やかに実施していただいて、結論を出していただければと思っております。
 あと、4ページのその他の留意事項の中で、使用中の機器の測定につきましてなんですが、これ最近買ったものまですべて測定する必要があるかどうかという問題も出てきますので、総合的なリスクを判断した上で、具体的な運用につきましてご検討いただければと、ぜひお願いいたしたいと思っております。
 私からは以上です。

○永田委員長 わかりました。今後の検討の中で留意させていただきます。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○酒井委員 今、無害化認定とこの洗浄過程の成果上の対応を速やかにというご意見、ご意見というか要望が出たところです。この資料2の3ページのところの書きぶりの中で、今回加筆されたところでございますけれども、大きくは移動式の施設に対してどう考えるかということと、それと保管場所での処理をどう考えるかという2つのポイントが書き込まれていると理解をしております。
 その中で、移動式のほうの話はよくわかっているんですが、この保管場所での話は、ここで一定期間課電することによりということで、相当方法限定が強く書き込まれている印象があるんですね。もちろん、前回電事連さんのほうからご説明を聞いて、この課電処理の方法というのが、今後、十分可能性があるということは理解しておりますし、その課電がなぜPCBの除去に効果があるのかというメカニズム等々を含めて、ぜひ確立していただきたいというふうに思っておりますが、保管場所でのこの処理をあまり方法限定を強くイメージさせるような方向でのまとめにはされないほうがいいのではないか、今説明を聞いて思い始めております。例えば、「また」以下の文章ですね。保管場所において電気機器等の絶縁油入れ替えに合わせて洗浄等を進めることにより、といったような文章。あるいは洗浄の効果も出せることにより、といったような、少し幅広に読める方向で、現段階では整理をしておけばいいのではないかというふうに思います。いろんなシステム提案がなされてくるのではないかということへの期待も含めてという、そういう意味でございます。

○永田委員長 この辺の関係を少し、考え方を含めて、事務局のほうからちょっと説明してください。

○産業廃棄物課長 今ご指摘いただいた点ですが、まずは移動式の洗浄施設、イメージとしては、さっきポンチ絵がございましたが、トレーラーに乗せて、それぞれの場所に行って処理をするということをイメージしているんですが、その場所として一般的に考えられるのは、保管場所ではないかというふうに思っています。そういうやり方が1つあるのではないかということで、まず整理をさせていただいているわけですが、もう一つのやり方は、移動式の洗浄装置を現場に持っていかなくても、トランスに本来備わっている機能をうまく活用すれば、油を入れ替えて電気を通じるなどして処理ができるのではないかということです。そういう方法が提案されていて、技術的にそれが可能であれば、そういうことも廃棄物処理法の枠内で認めていくことが適当ではないかということを書き分けたつもりです。
 だから前者は、これは移動式の処理施設だということです。後者はそういう処理施設を使わなくても、さらに現場でできる場合があるという意味で書き分けたというつもりなんです。その場合に、そういう施設を使わずにできる方法として、今、課電による方法というのが具体に提案されているので、それを書いたんですけれども、ほかに課電ではなくて、移動式の施設を使わないで現場で無害化できる方法があれば、もちろん、それも検討の対象にはなり得るというふうに思っております。

○永田委員長 何か。いいですか。

○酒井委員 そういう意味で、この「一定期間課電することにより」というところが、非常に強く印象を与えるように思いますので、それを少し幅広に読めるようにされたらいかがかと、そういう意見でございます。

○永田委員長 具体的には、例えばどんなイメージでしょうか。

○酒井委員 先ほど申し上げたような、絶縁油の入れ替えに合わせて、洗浄等を進める。

○永田委員長 入れ替えに合わせてというのは、使用過程的な印象をお持ちになる。

○酒井委員 はい、使用過程という話の中も……

○永田委員長 それはここではちょっと切り分けて……どうぞ。

○産業廃棄物課長 すみません、私さっきそこの説明を抜かしてしまったんですが、一応ここで書いているのは、使用を終わったものが廃棄物処理法の対象になりますので、環境省の所管から言っても、そこの部分を書いたつもりなんです。使用中のもので、油を入れ替えてというのはもちろんあると思いますが、それの具体的な活用については、役所の所管というと経済産業庁の所管にもなりますし、ここではそこまでは踏み込んで書いていないということでございます。

○永田委員長 よろしいでしょうか。そういうことになっております。
 どうぞ。

○納見委員 納見でございます。
 4ページの絶縁油中の微量PCBの判定法。

○永田委員長 測定のほうですね、資料3のほう。

○納見委員 そのことなんですけれども、これはこのとおりでいいと思うんですが、迅速かつまた多くの電気機器の測定を行うという観点からしますと、真ん中で切っていただいて、上と下をひっくり返したほうが流れとしていいんじゃないかと。それだけのことでございます。迅速測定法でやって、不検出になったものについては除外していくんだという意味からすれば、ひっくり返したほうが何かスムーズに流れるような気がすると。上を下をひっくり返すだけですけれども、という気がいたします。
 以上でございます。

○産業廃棄物課長 先ほど森田先生にご説明いただいた2つの方法のうち、定量分析法が5つぐらいあるというふうにおっしゃっていました。それで、迅速分析法が残りの大半ということなんですが、基本的にはこの定量分析法と迅速分析法において2つを比べたときに、分析のコストとか分析に要する時間が著しく違うというわけでもないということがどうもあるようですので、そういう意味では、定量分析法のメリットというのは、1回で決着をつけられる。本来0.5未満のものなのに、0.5以上と判定される可能性が非常に小さい。だからこれは1回で済む。それに対して迅速分析法のほうは、先にこれで測定しますが、シロはこれでより分けることができるわけですが、本来シロのものでクロのほうに入ってしまうものが一定割合あると思われますので、そこのデメリットがあるということだと思います。
 そういう意味で、このペーパーでは定量分析方法をまず書いて、その補助的な手法として迅速判定法を書き比べているということだと思うんですが、もし間違っていたら森田先生のほうから補足いただければ幸いです。

○森田委員 納見委員からのご質問は、表の図の4ですね。図の4の上と下を反転をしてはどうかということですか。迅速分析法と定量分析法どちらが。ここは先ほど木村課長さんのほうからおっしゃったところがありまして、実は分析のコストのほうは相当可変でありまして、ちょっと例がいいかどうかわかりませんが、例えばトヨタのセルシオなんかを考えていただきますと、あれが1つの工場で年産2万台でつくりますと、数百万の値段でつくれる。あれが年産100台しかその工場で生産しないと、数千万の世界になる。と同じことが、特にここの定量分析法のところで起こっておりまして、分析の件数が1つの分析機関に2万検体、確実に年間持ち込まれるとすごく安くなるんですが、しかし年間数百件しか来ないと、高くなるというか、1桁上がる。それが今、高い値段がついている1つの理由なんですが、そんなことがありまして、定量分析法が、サンプルを確保されますと、機器の償却、それから機器の遊びの時間が減る、それから投入する人の遊びがなくなるという意味では、すごく安なるという側面があります。
 そういう意味では、定量分析法が迅速分析判定法に比べて圧倒的に値段が高いという構造が崩れる可能性が高くありまして、もしそうであるならば、定量分析法に最初からいったほうがいいというのではないかというのが、かなり多くの分析機関からは出されてくる声があります。
 そういう意味では、上のほうにまず定量分析法。これでやっていけば確実ですよというのがとりあえず書かれていて、これが従前からのアプローチです。その一方で、迅速判定法でいったほうがいいと。これも値段がまた可変でありますので、またこれから安くなる可能性がありますが、まず迅速分析法から入りなさいという誘導の仕方はちょっと避けたいという状況であります。なぜそうかといいますと、先ほども述べましたが、EUのディレクトリの偽陰性率が1%以下というのは結構強いハードルでありまして、今いろんなバイガースの方法が提案されていますが、それが確実にこれを満たしてクリアできるというところは、今のところ大体大丈夫そうだというくらいの印象しかありませんので、ちょっとその迅速判定法を前面に出して、ここから通過しなさいというほど、分析のサイドは自信を持てないということも含めまして、この順番になっているということであります。

○永田委員長 その迅速性みたいな判断はどうなんですかね。それもちょっと言葉で書かれているんですけれども、先ほどのご説明だと、下に書かれた迅速判定法に相当するものが、本当に迅速なのかということもありますかね。

○森田委員 やり方によるんですが、そのサイトで、その日のうちに答えが出せるようには迅速判定法はなると思うんですね。だから数時間という時間で。
 じゃあ簡易定量法はどのくらいの速さでできるかというと、精密分析法の一番上の定量分析、これは時間がかかります。相当複雑なクリーンアップをしていると思っていますので、多分どんなに短くても2~3日かかってしまう可能性が高いんですが、簡易定量法の中には、現場にある程度持ち込んでやれる方法もありますので、これも早くしようとすれば現場に持ち込んでできます。その日のうちに結果が出ますしという、そのくらいのイメージで、しかし通常のラインをとるとやっぱり2~3日はあったほうがいいかなという、そういうことで、ちょっとこれも、これからの評価の残っている部分がありますので、それ次第になりますが、迅速なやつは確かに迅速だということかもしれませんですね。
 それから、ついでにちょっと追加させていただきたいんですが、今回この定量分析法の簡易定量法に選ばれない方法があるんですが、しかし潜在的には十分能力を持っている分析法があるんです。あるんですが、たまたまそこのラボの分析の習熟度が低いために、あまりいい成績が出なかったと、そういうのもありますので、そういったものも今後の課題として、再チャレンジをお願いをしたいなというふうに考えておりますので、それ、ちょっとご確認をいただければと思います。

○永田委員長 どうぞ。

○内山委員 ちょっと教えていただきたいんですが、微量PCBの混入といった場合に、検討の背景の目的のところを読めば、これは昭和47年に製造が禁止された以後に、意図的ではなくて混ざってしまったものというふうにとれるんですが、それは数十ppm程度のPCBとしか書いていなくて、後のほうでは濃度の多様性によりという、それにも多分幅がありますよということを言っていて、そのときに、どの程度までだったら今回検討している制度なり手法で処理をしていいのかというのは、この中間報告にはどこにも書いていないと思うんですね。それが1つと、そこら辺がどういうふうに解釈したらいいかということと、それから平成14年7月に判明した後は、恐らく再生油は使っていないというふうに伺っていたんですが、それでそのときの大体の台数が、電気機器が約120万台ということだろうと思うんですが、森田先生のほうの資料3のほうには、測定しなければいけない有無がわからなくて、測定しなければいけない機器が約650万台にも上ると、約6倍の差が書いてあるんですが、これは平成14年以降であってもすべて確認して処理をするというふうにお考えになって、この650万台という数字が出てきているんでしょうか。ここら辺をちょっと教えていただきたいんです。

○産業廃棄物課長 2番目の質問の台数のことなんですが、120万台というのは過去においてサンプル調査を行って、その結果、PCBが含まれているものの割合を求め、その割合を、現存している機器の台数に掛けた推定値でございます。残念ながら、今わかっている限りでは、測定をしないで絶対にシロだというのをえり出すことがどうもなかなか難しいようです。そうなると、もとの母数のほうを全部何らかの形ではからないと判別ができないのではないかということで、その母数が六百何十万台あるということで考えております。
 それから1点目のほうですけれども、対象そのものの濃度につきましては、私どもの考えとしては、現在扱っている微量PCB混入廃電気機器に含まれるPCBというのは、もともとPCBを入れてつくったトランスコンデンサなどと比べると、やはりレベルにおいて非常に大きな差があるということでございまして、実際、その濃度の分布がどうなっているかということについては、過去にサンプル調査した結果があるわけですけれども、それで見たときに汚染されているものの濃度というのは、数ppmから数十ppmぐらいまでのものがほとんどだということがわかっておりますので、その2つのことを考え合わせると、我々としては今回対象とするものが非意図的にPCBが混入してしまった廃電気機器というくくりで考えても、高濃度のものとは完全に切り分けられるのではないかなというふうに思いまして、あえて濃度の上限みたいなものは示さない形でこの中間整理はさせていただいているということです。

○内山委員 そうすると、例えば測定してある程度のものが出てきてしまったときにはどうしろという基準は特に考えていない。たまたまコンタミンであるかどうかはわかりませんが、数十ppm以上あるいは、数百ppm、数千ppmのものが出てきた、測定して出てきた場合にどうするかということは、それはこの制度上では何も規定していないあるいは、しないというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○産業廃棄物課長 恐らく、そういうものがないとは言えないし、実際、後でまたご説明をする資料の中でそういうことも見られた場合がありましたので、考慮しなければいけないことだとは思いますが、ただ極めて例外的ではないかなというふうには考えておりますので、その例外的なものをどうするかというのは、今回は中心となる部分について、この中間整理案をまとめましたので、そこまで今回は扱っておりません。必要があれば、それは今後最終的にまとめていく過程で、また扱いを検討していただければと思います。

○内山委員 わかりました。私が申し上げたのはそれがどうあるべきかということではなくて、恐らくリスクコミュニケーションをする場合に、自治体の方も、あるいはその施設の周りの方、施設の方も、例外はあるかもしれませんとはなかなか言えないと思うんですよね。だから、やはりこれ以上のものは、例えば実証試験をやっていないから、そういうものは扱いませんとかいうようなことが言えないと、なかなかやはりコミュニケーションとしては難しいのではないかというふうな気はいたします。そこらあたりのことを最終のところまでには、考えておいたほうがいいのかなという気はいたします。

○永田委員長 わかりました。処理システム、あるいは処理方法、技術、こういうものとの関係も出てくるのかなというふうに思いますので、今の中間取りまとめの中では、濃度の件については規定をしていないわけですが、それを議論していく対象にはなるんだと思います。
 どうもありがとうございました。
 ほかには、いかがでしょうか。どうぞ。

○酒井委員 資料3ですが、若干ちょっと本論とはずれる話で恐縮ですが、3ページの一番最後のところに、今回の検討があくまで絶縁油中のPCBであって、ほかの大気、水等の環境媒体とのPCB濃度測定に関しては、また別の評価がいるという、極めて慎重な書きぶりをしていただいています。基本的には手順として、こういう別途評価がいるということの必要性はもちろん認識はしなければならないんでしょうが、今回、検討いただいているのが、絶縁油中のPCB濃度測定というのは、ある意味では一番夾雑物に注意をしなければならない試料で、ある意味では一番難しい試料に対して、今回こういう方法を検討をいただいているという理解をしております。
 という意味では、ここでクリアできた方法というのは、ほぼほかの媒体にも展開可能なはずという理解をしていますが、こうした理解でいいかということをちょっと森田先生のほうに確認をしておきたいというふうに思っています。といいますのは、今回EUのクライテリアが適用されているんですが、これは全部、食品の分析方法のクライテリアを適用されているんですね。だから、そういった意味では、もちろん食品という意味での相当な厳しさを持ってクライテリアを設定されている、チャレンジされているわけですけれども、それを同等、あるいは同等以上に難しい油試料に対してやっているんだという認識でもって、先ほど申し上げたような、ここで認められていった方法というのは、ほかの媒体にもほぼ適用は可能であろう。ただし、もちろん確認はいるという、こういうような理解でいいかということだけの確認をしておきたいという、そういう意味でございます。

○森田委員 よろしいでしょうか。
 分析法には、定量分析法と迅速判定法と2つありまして、定量分析法につきましては、ほかの媒体でも適用可能だろうと思います。問題は、バイオアッセイ法を軸とする迅速分析法のところで、そのバイオアッセイ法がほかの媒体に適用できるかどうかは、ちょっとここは経験がないので何とも言えない。例えば土壌のサンプル、あるいはテイストのサンプルですね。これが直ちに適用できるかどうかは何とも言えないので、それについては改めてサンプルごとの検証がいるかなというふうに考えています。

○永田委員長 よろしいですか。
 あとは何かございますでしょうか。どうぞ。

○影山委員 前回申し上げましたけれども、こういった中間整理をしていただいて処理が前に進むということについては非常にありがたいことですので、改めて感謝を申し上げます。
 さらに今回、いろいろな方の委員の意見を取り込まれて、我々もお願いしました移動式の話ですとか課電の話、それから測定法についても迅速測定法ですか、そこら辺の話を判定法の話を入れていただいたというのは大変ありがたいと思いますので、非常に感謝をしております。
 そんな中で、さらにご要望を申し上げると、あまりわがまま言うなというふうに言われるかもしれませんが、移動式のところで真ん中ぐらいに、3ページの赤いのの真ん中ぐらいですね。学識経験者等の意見を踏まえつつというような話がございますけれども、多分無害化認定については、やはり学識経験者の委員会というような話もありますし、新たな技術の場合には第三者機関による確認というような話もありますので、こういったようないろんなチェックを多数受けるということになると、相当時間もかかるんじゃないかなという心配もございますので、できるだけ効率的にこういった審査をお願い、十分見ていただくというのはこれは当然でございますけれども、していただければというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それからもう1点、測定のほうでございますけれども、この測定については、我々確かに森田先生おっしゃるように、分析精度は担保されつつ、短時間にかつ低廉な費用ということで、このとおりだというふうに思いますし、それを踏まえて十分ご検討いただいたんだと思うんですが、ちょっといろいろな場面での測定というのを考えますと、本当に数日かかるような測定で、費用もかなりかかるような、そういうものが余裕のあるような、そういう企業とかであればできるとしても、いろんな方がこういう低濃度PCBの機器をお持ちだということを考えると、その測定が本当に使われるのかどうかというリスクも踏まえて、この測定の方法というのを考えていただければと思います。私にはちょっとこのEUの方法をそのまま適用するのがいいのかどうかというのはわかりませんけれども、多分森田先生もそういうのも踏まえて、このEUの方法を採用するということが、今言ったようなリスクも考えていいのではないかというふうにご提案されていると思いますので、行政側のほうもちょっとそこら辺のことも考えて、ぜひこの取り込みについてはもう一度ちょっとご検討をお願いできればというふうに思います。
 1つちょっと具体的なあれとしましては、迅速測定法のところで、4ページの表のところですかね。検出下限0.3という数字がございますけれども、これについては迅速判定法のいろんな実力といいますか、能力をいろいろ見ていただいて、その上でEUのところに当てはめるにしても、この繰り返しの変動係数30%未満、偽陰性率1%未満というようなことを踏まえながら、0.3でいいのか、もっとそれよりも上か下かというようなのもぜひ見ていただいて、そこら辺のところで考えていただければというふうに思いますので、ここら辺のところはぜひ、またさらにご検討を加えていただければというふうに思います。
 以上でございます。

○森田委員 もちろん、ご趣旨はよくわかります。0.3がいいのかどうかという議論が若干あるということはありますが、先ほども申し上げましたように、偽陰性率1%以下というのはかなりきつい縛りですね。したがって0.3ぐらいが多分到達できる一番高い値ではないかというふうに、今のところは想定している、推定しているということです。これよりも高いところに判定基準を持ってくると偽陰性率が高くなってしまって、それはうまく適用できない可能性が高いということを踏まえて、とりあえず0.3というふうに書かせていただきますが、今、影山委員のほうからご指摘があった点で、この数字を動かすかどうかについて改めて検討いたします。ただし、大きくは動かないというふうに今のところ考えて、今まで得られているデータからはですね。
 EUの基準から考えますと、EUの検出下限、スクリーニング法での検出下限は、その基準値の30%から40%以下よりも下のところ、そこが調べられることというのがもう一つ付帯的な条件になりまして、そしてそれを読みますと、0.3から0.35くらいの数値が検出下限を、その以下の数字が検出下限として達成されなければいけないということが、もう一つの縛りとしてありますし、それから多分、恐らく一番難しいのは、1%以下といったものが、しかもそれが第三者機関でも、これが達成できるかどうかというのはちょっとまだ予断を許さないところがあって、今提案されている、例えばバイオアッセイ法の中で、合格しそうなのと合格しないのも、非常に限られた数しか出ないということもあるもしれません。そういう意味では、この偽陰性率の再評価をこれからやらせていただきますが、その過程で動くということがあるかもしれませんが、高いほうに動く可能性はかなり低いというふうに、ちょっとこれは私の感想ですけれども、そういうふうに考えておりますので、検討させていただきます。

○影山委員 そういうような形で、十分検討いただければありがたいと思います。このEUの測定法指針がどういうものに適用される指針なのかというのはわかりませんけれども、それを採用するかどうか、それが本当にこのPCBの測定に、その迅速判定法というもので、かつ先ほどのリスクも踏まえて、本当にこの指針をそのまま適用するのがいいかどうかというのは、ぜひ、先ほどもう一度ご検討いただけるということでしたので、そこら辺のところも踏まえてご検討いただければ大変ありがたいと思います。

○森田委員 最後のつけ足しになりますが、ここの検出下限の問題と、それから影山先生がおっしゃっているのは、多分判定基準をどこにするかということが、若干連動していると思うんですね。運用上の判定基準をどうするかという議論はちょっと残っておりますが、とりあえず今分析法として整理した部分は、このあたりが多分落ちどころとしてよさそうだというふうに考えていると。しかし、これから分析の偽陰性率の再評価とかいう過程で、若干達成できない技術はどうしてしまうのかとか、その辺もあるというのを認識をしていただきたいということで、一応現時点ではこれを軸にということで、ご了解いただきたいということなんですが、分析法としては。

○永田委員長 どうぞ。

○産業廃棄物課長 ちょっと補足しますが、今森田先生がおっしゃったように、この4ページのところに検出下限というふうに書いてございまして、2ページの本文の真ん中あたり、「この」から始まるところに、「判定濃度を0.5mg/kgよりも引き下げて判定を行うことで」云々と書いてあるんですね。この判定濃度というのは、だから0.5で見ないで、もう少し下の数値で見て白黒をつけて、安全に判断しよう。それは、この迅速測定法の精度が若干劣るから、そういうことにしているわけです。この判定濃度というのとこの検出下限というのは、全くもちろん無関係ではないんですが、必ずしも同じことではないということはご理解いただきたいと思います。

○永田委員長 今の話とも絡むんですけれども、この判定濃度、迅速濃度判定法のほうの、判定濃度は一義的に決めるのか、それとも測定法がさっきの1%のあれですよね、偽陰性率を基準にして、測定法で決めていくという方法論もあるのかなと思って見ていたんですが、そこのところはあれでしょうかね。

○森田委員 ちょっとそこは少し悩ましいところがありまして、測定法ごとに検出下限値を決めるということは、偽陰性率の側から縛りをかけてできるんです。ただ、その迅速測定法の検出下限が、ある測定法は0.1であり、あるところは0.2であり、ある測定法は0.3とか、ばらばらになってしまったときに、果たしてそれでシステムとして、うまくいくんだろうかということもあり、とりあえず少なくとも検出下限0.3ppm以下がはかれることということを軸として、0.3以下のところに検出下限を設定をして無理にはかっていただくのは、あまりいいことにはならないのではないかというのがちょっとある。したがって0.3以下は……

○永田委員長 この辺はまだ、それをどう行うかという話からすると、あまり確定的な書き方にはなっていないんですよね。これから、もしかしたら何かそういう幅広に迅速測定法を取り入れていくという過程の中では、何かここら辺で少し整理する事項もあるかなというふうには見ていたんですが。

○森田委員 はい、そのとおりです。ただ、こう見ていただきますと、検出と不検出という区別しかこの迅速判定はやりませんので、したがって、ある測定方法は検出下限が0.1あり、そこで検出された場合は上にいってしまいますので、相当複雑なことが起こり得る。したがって、ここはあまり増やさないほうがいいという認識です。

○永田委員長 なるほど、わかりました。よろしいでしょうかね。
 この辺はあれでしょうかね。書き方が少しわかりにくいという印象もあるんですかね。今の判定濃度と言われるものと検出下限の関係。
 ここの今の3の、先ほどのお話ですと、今の部分がそのまま乗っかってきますよね、可能性として。こちら側の中間整理のほうにね。そのときにちょっとわかりづらいと。

○影山委員 先生がご指摘されている偽陰性率1%、かなり厳しいだろうというふうに言われているところですけれども、本当にこの数字でやらないといけない、ほかに数字がないからこれ使うしかないということなのか、あるいはこれでないと測定として信頼性が非常に欠けるというようなことになるのかどうか。そこのところが、ちょっと私には今、ここで判断つきかねるので、先生が多分そこで、もうそうだと、これしかないんだというふうなことで言っていただけるんだったら、それでもうしょうがないと思いますので、結構だと思いますけれども、もうちょっと検討する価値があるねということであれば、もう1回この数字について検討する場を設けていただければというふうに思います。

○森田委員 情報が少し足りないために、少し混乱した議論になるかもしれません。例えば、5ページの測定方法、結果の概要を見ていただきまして、それでここにバイオアッセイ法が並んでおります。その中で例えば、一番上の25番をとりますと、ここでの乖離率は分散が24%あります。これが1シグマですね。したがって、これが1%の偽陰性率にこの数字をそのまま適用しますと、多分計算上は0.2ぐらいになります。0.1%以下に落とす……

○永田委員長 それがさっきの判定の。

○森田委員 判定のときに0.2になる。だけど、もし0.2ありますと、今度は0.2のところまでが検出できる検出下限を持っていなければいけない。これはこの方法は0.18ありますので、確かに一応検出下限は満たしているという意味では、一応そうあるんですが、しかし0.2で検出されたやつを全部上のほうに持っていくとすると、相当大きな負荷になるだろうと予測されます。

○永田委員長 負荷になるというのは、基本的に、逆に言えば入っていないやつも……

○森田委員 0.5以下である可能性が高いんだけれども、しかし検出されたから0.5のところの分析にしなければいけないというサンプルは、相当な数が出てくる可能性が高くて、しかもちょっとそこは、だからここはずっと考えていたんですが、0.3に設定をしておくのが多分一番最適の答えかなというふうなこともあり、書き込んでいるということです。ちょっとそんな事情があります。ただし、ご指摘の点はもう一度考えてみますが、無理に、例えば非常に精度のいい迅速判定法があって、これが0.4にできる可能性がないわけではありません。ただ、それは非常に手間暇かけたクリーンアップを前にやって、コストが高くなってくると。そういう意味では、迅速さとコストを失うことに結果的になる。というふうなことを考えると、そんなに広い選択肢はないというふうに、ちょっと理解しておいていただきたいんですが。しかし、この議論を精密にやる時間があまりなかったので、お話しできていないかもしれませんが、そんな状態です。

○影山委員 ちょっと0.3でいいかどうかというのは、ちょっと私、今ここで了解するというわけにまいりませんで、もしかしたら0.3だとほとんど測定法として使えないようなことになってしまうかもしれませんので、ちょっとそこのところはもう一遍、我々のほうでもチェックさせていただいて、それでさらに精度とか、そういうのの考え方も含めて、できればもう1回、ここら辺のところはもむ場をいただければと思います。

○宮崎委員 森田委員が十分ご説明になっておられますが、私も森田委員の考え方に賛成でございます。といいますのは、検出下限という、これは用語上の定義はございますけれども、もう一つ定量下限、本当にこの値を精度よく測定できる定量下限という分析化学的な定義がありまして、それは、ここでは検出下限が標準偏差の3倍ということで出していますけれども、定量下限というのは、アイユーパックという国際的な機関がありますけれども、それが定義しているんですが、3倍ではなくて検出標準偏差の10倍なんですね。ですから検出下限の3.3倍までが一応正式な定量値として出てくるということなんです。
 ですから、ここは検出下限ですから0.3にやっておけば、そこまでは、それ以下であるということがわかれば、いわゆる判定基準である0.5は超えないだろうというふうに思うんですね。だから、それでもちょっと、もしかするとまだあやふやなところはあるんですけれども、まず0.3にしておけば私もいいかなと。例えば、もっとじゃあ0.1にすれば、定量下限が大体0.3ということになりますから、0.5は必ず超えていないということになるわけですけけれども、検出下限を0.1まで持っていったらなかなか厳しいことになってしまう。今までのここの表から、5ページの概要からいったら、0.1というとほとんど厳しい。あまり方法としては限られてしまうというふうなことも考えてくると、そのあたり森田委員は十分考えられたことだと思うんですけど、0.3というのは私は妥当な値じゃないかなというふうに思います。

○森田委員 ちょっと最後に追加です。多分ご心配の向きは、0.3から0.5の間にどのぐらい、例えば柱上トランスが存在するかという議論があって、それにつきましては少し電力の内部データを少し見させていただいたんですが、0.3とか0.4で足切りをして、0.4の足切りを0.3に持ってきても、上のほうにいかなければいけない数が増える量というのはそれより大きくないという状況であったように聞きます。それは非常に多くのものは、実はNDのサンプルが非常に多いということと対応して、したがって、印象とすると、0.3に持ってきても上にいかなければいけないものがそんなに増えないとすると、それはいいかなということも、若干判断の材料にはさせていただいております。

○永田委員長 よろしいでしょうか。
 今のお話のところは、3の3段落目ぐらいの、このほかの中の文章の0.3というあれでしょうか。測定法のところの4行目の0.3ppm以下、変動係数30%、偽陰性率1%未満を迅速測定法の資格要件としてという話になってくるわけですけれども、あまりここを今の段階で断定的な状態だと、判断はできないという言い方なんですか。

○影山委員 そうですね、この1%未満というのが、先ほども言ったことの繰り返しになりますけれども、絶対的なものだということであれば、それはそれに従わせていただきますけれども、ちょっとまだ、いろいろ検討してみる価値はあるねということであれば、非常に先生からも厳しい値だというふうにおっしゃられていましたので、そこのところをリスク等含めて考えて、別な値の設定というのもあるということであれば、もう1回そこのところを検討する場を設けていただければ大変ありがたいかなと。その判定が0.3でいいかどうかというのは、ちょっと今、ここで私がそれで結構ですというふうに言うだけのものがありませんので、できればちょっとお時間をいただければというふうに思います。

○森田委員 0.3のほうは実際の分析の結果を見て、ある程度動かすことは可能かもしれません。ただ、ルールのほうの1%、ここの部分を動かし始めますと、ちょっと少し収拾がつかないというか、設計できなくなってしまいまして、それでこの種のバイオアッセイを含めたスクリーニング法というのは、実は規制行政の中には、少なくとも日本では一度も入っていないんです。今回非常に大量のものを、しかも低コストでやらなければいけないという概念の中で、これを入れるとすると、世界の中で唯一入っているようなディレクトリがあるとするとEUなので、これを採用している。これを緩めたときに、今度はリスクがあり、それからリスク以上に今度はまた住民の方の説明とか、それを含めた社会的なシステムの中で、どういう数字なら受け入れられるかということをもう1回議論をし始めると、ちょっとある一定の期間にそれが収拾できるとも思えないので、とりあえずよるべきものは採用させていただくとするとこうなっていると。ここだけは、できれば今日決めておいていただきたい。

○永田委員長 よろしいでしょうか。
 ということで、ちょっとだいぶ時間も経過しましたので、このあたりで、もしよろしければ議論のほうは終わりにさせていただきたいと思いますが。資料の2、それから資料の3で、先ほどありました2ページ目の文章を少しこちらのトーンに合わせて、資料2のほうのトーンに合わせて、若干いじらせていただくかもしれません。それで測定法の中に差し替えさせていただくというか、記入させていただくということで考えておりますが、よろしいでしょうか。
 そこの件につきましては、私と事務局のほうにご一任願えればありがたいんですが、よろしいでしょうか。それではそのように扱わせていただきます。
 それでは、続きまして、3番目の議題で焼却実証試験の結果でございまして、どうぞ。

○産業廃棄物課長補佐 それでは資料4と参考資料1に基づきまして、先だって行いました焼却実証試験の実施結果についてご説明させていただきます。両方の資料を使いますので、ちょっと見にくい点があるかと思いますが、ご了承ください。
 まず参考資料の1のほうをごらんいただけますでしょうか。これは低濃度PCB汚染物焼却実証試験第4回の実施結果についてということで、本日発表する予定の資料でございます。中身についてでございますけれども、今年の3月に実証試験を行った内容でございます。この実証試験に当たりましては、愛媛県及び財団法人愛媛県廃棄物処理センター東予事業所の協力を得て行いました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
 その内容でございますけれども、低濃度PCB汚染物の処理体制の整備に向けまして、既存の産業廃棄物の処理施設において、低濃度PCB汚染物が安全かつ確実に処理できることを確認するための実証試験をこれまで行ってきていると。この内容については、これまでもご説明させていただいているところでございます。
 今回は、財団法人愛媛県廃棄物処理センター東予事業所、愛媛県新居浜市にある施設でございますけれども、こちらのほうで平成20年3月25日から27日にかけまして3日間試験を行っております。
 実施内容でございますけれども、現在、稼働中の産業廃棄物焼却施設に低濃度PCBを含む絶縁油入りのコンデンサを投入しまして、排ガス中のPCB濃度を分析するといったような内容でございます。その概要は、参考資料1の2ページ目についてございます。別紙という形でついておりまして、施設はロータリーキルン式の焼却溶融炉、これ1号炉、2号炉、2つございますが、今回は1号炉で試験を行っております。燃焼ガスの温度は1,100度以上、燃焼ガスの滞留時間は4.7から4.8秒ということでございます。廃棄物処理法上、このPCB廃棄物を処理するための焼却施設の燃焼ガスの温度、燃焼ガスの滞留時間につきましては、1,100度以上、2秒以上滞留できるものということとなっておりまして、これに合致するような施設というふうになってございます。
 それから施設の図解を、前に戻りまして資料4の2ページ目をごらんいただけますでしょうか。こちらのほうに今回試験を行った施設の概要を絵でまとめております。ロータリーキルン式の焼却溶融炉でございまして、それにその二次燃焼室、ガス冷却室を通じまして、廃熱ボイラ、空気予熱器、二次ガス冷却室、集じん器などなど通しまして、煙突を出て排ガスが出ていくということでございます。
 今回投入した固形物の投入口でございますけれども、通常投入している投入固形物や、汚泥・灰を投入している投入口とは別の、大型処理対象物を投入するためのリフトと、あとプッシャーがついてございまして、こちらのほうから固形物を投入したということになります。
 すみません、参考資料の1のほうに戻っていただけますでしょうか。今回の処理対象としているものにつきましては、これまでは絶縁油そのもの、また微量のPCBが含まれた紙や木などを対象にしたわけでございますが、今回は微量PCBを含む絶縁油を中に含んだコンデンサそのものを投入してございます。台数で約40台、重量で言うと約400キロ、大体1台当たりの大きさが、縦が大体40センチ程度のものということでございまして、簡単なちょっとしたポリバケツ1つに入るような大きさものとございます。絶縁油の量としましては、全体で約270リットルのものを2日間かけて処理する試験を行ったというものです。
 その結果、参考資料1の別紙についてですが、大気中のPCB及びダイオキシン類の濃度、それから表3、排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度、それぞれまとめてございます。
 まず大気中のPCB及びダイオキシン類の濃度についてでございますけれども、施設敷地境界、施設周辺、それぞれで測定し、おおむね通常の運転時と変わりない濃度で推移していたということでございます。また排ガス中のPCB及びダイオキシンの濃度ですけれども、排ガス中の濃度につきましても、通常試験運転時、本試験時、それぞれPCB、ダイオキシン類の濃度を測定しておりますが、おおむね同等の濃度ということになっておりまして、また基準値として定めている濃度よりも随分低い濃度であったということでございます。
 この表3中に先ほどの試料の量というのがまとめておりますが、あと試料のPCB濃度が今回500ppm平均値というふうになっています。この濃度につきましては、事前の分析結果では数ppmから数十ppmのものが主であったんですけれども、その試験に合わせまして、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計で測定したところ、1万ppm以上のものが1台含まれていたことなどが判明したために、平均値が高い濃度になったということでございます。この原因につきましてはまだ現在調査中でして、まだ詳細は明らかにはなっていないというところでございます。
 資料4に戻っていただけますでしょうか。先ほどの参考資料1は、今回の試験結果についてまとめたものでございますけれども、この資料4は、これまでの試験の実施状況ということで、すべてまとめたものでございます。前々回の専門委員会でもお示ししたかと思いますが、それに今回のものも追加したというものでございます。
 まず1ページ目ですけれども、平成17年度、18年度、19年度の3年度にかけまして、それぞれ実証試験を行ってきております。今回行いました愛媛県廃棄物処理センター東予事業所では、これまで2回、今回も入れまして3回実証試験をさせていただいておりまして、それぞれ対象物が絶縁油でありましたり、紙くず、木くずでありましたり、今回の絶縁油入りコンデンサということで違いはありますけれども、同じ施設でこれまで試験をさせていただいているということでございます。
 1枚めくりまして、2枚目でございます。焼却実証試験の結果をまとめたものでございます。これは今回の試験の結果を除きますほかの事業所の部分につきましては、これは絶縁油の焼却実証試験の結果でして、今回のような絶縁油入りのコンデンサを用いた結果ではありませんが、一応参考までに比較できるようにまとめたものでございます。
 表2でございますけれども、大気中のPCB及びダイオキシンの濃度、それぞれPCBの通常運転時の試験値、ダイオキシン類の通常試験値、本試験時ということで比較してまとめてございます。おおむねほかの、これまでの絶縁油の焼却実証試験の結果と比べましても、同等程度または基準値となるようなものと比べれば、十分低いような濃度であったということがごらんいただけると思います。
 その裏のページになりますが、こちらのほうは、排ガス中の濃度、排水中の濃度のPCB及びダイオキシン類の濃度をまとめた表でございます。こちらも絶縁油の焼却実証試験結果に、今回の絶縁油入りコンデンサの対象とした実験の結果を並べて比較できるようにした表でございます。PCBの通常運転時、本試験時、ダイオキシン類の通常運転時、本試験時、それぞれの結果をまとめたもので、これまでのものと比較しても十分、相当程度同じようなレベルでして、また基準値となるようなものと比較しても低い値ということでございます。
 なお、今回の試験施設では排水が発生しないということで、排水中の濃度は記載されてございません。
 以上、簡単にご説明させていただきました。

○永田委員長 どうもありがとうございました。
 それではいかがでしょうか、何かご質問等がございましたら。どうぞ。

○宮崎委員 非常にいい結果が出ているというふうに思いますが、今回の場合では1万ppm、PCBで1%ですよね。濃度を超えるものが1つ含まれていたということで、そういうものであっても十分基準値を満たすような結果が出たということだと思います。
 もう一つ教えていただきたいんですが、この資料4と書いてあるものの裏側の図ですけれども、その施設の概要のところで、サンプリング位置が書いてございます。例えば、ばいじんですとか燃えがらとか焼却残渣もサンプリングをされていると思います。まだ分析が終わっていないだろうと思いますけれども、今回の装置も前に出していただいたかどうか、ちょっと記憶にはっきりしないんですけれども、それ以外の装置も含めて、もちろん排ガスと排水というのが一番大事なんですけれども、焼却の残渣というか、処理残渣の中のPCBなりダイオキシンの含有率というのも、廃棄物をコントロールしていく上では非常に大事なことだと思いますので、次の委員会でもまた間に合わなければ、その次でも結構だと思いますが、いつかの機会に、そのあたりの処理残渣の中のPCBとかダイオキシンとの濃度も、わかっていれば教えていただければというふうに思います。

○永田委員長 皆さんからご意見いただいた後、まとめてあれしましょうか。
 どうぞ、何かほかには。どうぞ。

○椋田委員 こういう形で着々と実証実験をしていただいて、科学的知見が蓄積されていくということで、産業界としても大変感謝をしているところです。
 1点、ちょっと表現なんですけれども、先ほどの中間整理では、微量PCB混入廃電気機器に関する焼却実証実験を実施していると書いてあるんですけれども、今日のお知らせを見ますと、低濃度PCB汚染物の焼却実証実験という形になっていまして、低濃度と微量、それから汚染物と混入ということで、ちょっと表現が違いますので、読まれた方が誤解されないように、できれば中間整理のほうを採用していただく形で、これから表現のほうも直していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○永田委員長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 先ほど1万ppmを超えるものについては調査中だという話がありましたけれども、具体的にどんな形のことを今進められておられるのか。それから測定の中で、これは1台だけですよね。40台あったうちの1台だけが非常に高い。そういうのが一応どこの時点で投入されたというようなこともわかっているはずだろうというふうに思いますので、測定との間の関係みたいなやつも、もし検出するチャンスがあったらそこにも入れておいてもらうと。そういうやつを入れたときでも濃度がある時間帯の中での、そんなに長い時間じゃない部分で投入されているわけですけど、一応そういうものでも十分大丈夫ですよという話が書けるのかなと思いますので、ちょっとその辺も配慮していただきながら、何かコメントがあったら、まとめてで結構ですので。測定法に関して、宮崎先生とかが言われた話。

○産業廃棄物課長補佐 まず、ばいじん及び燃えがらなどの測定につきましては溶出試験などを行っておりまして、基準値よりも低いような値というような確認はさせていただいているところでございます。
 それから、先ほどの1万ppm以上のものは1台だけということでございますけれども、それにつきましては、何か分析上の問題、例えばその分析に影響を与えるような物質の混入とか、そういったものがあったかとか、いろんなことが考えられるかとは思いますけれども、そういう分析上の観点のまず検討を進めたいというふうに、今考えておりまして、そのようなことで今進めているところでございます。

○永田委員長 それから、これからの話になるかもしれませんけれども、参考資料のほうの表題ですね。これは、もうこれで出されたのであれなんですけれども。

○産業廃棄物課長補佐 これは今まで専門委員会では、微量PCB混入廃電気機器等というような言葉を、これまで統一的に使ってきておりますので、次回以降、こちらのようなこの言葉に合わせたような表現で、進めていければというふうに思っております。

○永田委員長 よろしいでしょうか。資料4の関係は以上でございます。
 今日ご検討いただく内容はこれで終わりなんですが、あとその他ということで、事務局のほうで何かありましたら、お伝えいただけますか。

○産業廃棄物課長 まず、前回の委員会の中で影山委員のほうからご説明いただきました簡易洗浄法についてですが、そのご説明に対して委員から幾つかご質問、ご指摘等ございまして、それに対する回答というか追加的な説明資料を、影山委員のほうから事務局のほうに事前にご提出いただいております。ただ本日、議題が立て込んでおりまして、今回はその資料については議題とさせていただきませんでした。これについては別途の機会に取り扱わせていただきたいというふうに考えておりますので、ご了解いただければと思います。
 それから、次回以降の専門委員会の開催でございます。第7回になります次回の委員会ですけれども、今後の関連するさまざまな検討状況も踏まえた上で開催をしていきたいというふうに思っておりますので、具体的な日程につきましては、また後日調整をさせていただきたいというふうに考えております。

○永田委員長 よろしいでしょうか。
 先ほどご了承いただきましたこの資料2のほうの中間的整理ですか、これまとまりましたら、これの取り扱いのほうはどういう形をとられるのか。ちょっとあわせて説明しておいていただけますか。

○産業廃棄物課長 中間的整理につきましては、先ほど議事の中で永田委員長にまとめていただきましたように、今回、本日のご議論も踏まえて、特に測定法のところを入れ込んだような形で、まとめをさせていただきたいというふうに思っております。
 それから、これはとりあえず現時点における中間的整理ということでございますので、今後、さらにこの委員会を開催させていただいて、最終的な取りまとめに向けてまたお願いしたいというふうに思っております。その過程においては、今現在、進めております幾つかのガイドラインなどについてもお諮りさせていただきたいというふうに思っております。いずれにしても、この中間的整理が今までご議論を積み重ねていただいたことの、1つの大きな到達点だというふうに思っておりますので、これを踏まえまして、環境省のほうでも必要な対応措置をできるだけ早く進めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○永田委員長 よろしいでしょうか。あとは、事務局のほうからは何もないですか。よろしいですか。
 それでは、今日はこれで終わりにさせていただきます。どうも貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。今後もよろしくお願い申し上げます。