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■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会
容器包装リサイクルワーキンググループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会
合同会合(第3回)
議事録


平成19年3月16日
午後1時58分開会

○リサイクル推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会及び産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会の合同会合の第3回を開催いたします。
 委員の皆様方にはお忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございます。
 合同会合につきましては、事務局は持ち回りとさせていただいておりまして、本日の事務局は環境省側が担当させていただきます。
 配付資料でございますが、お手元の資料一覧のとおりでございます。不足がございましたら、お申しつけいただきたいと思います。また、本合同会合の資料につきましては、原則としてすべて公開とさせていただいております。また、会合終了後に発言者名を示した議事録を作成し、各委員にご確認いただいてご了解いただいた上で、公開させていただくこととしております。
 続きまして、本日の合同会合の出席状況でございますけれども、全委員数23名のうち、22名の委員にご出席いただいております。崎田委員はもう間もなくみえるかと思います。
 中央環境審議会の方は11名の委員に、産業構造審議会の方は11名の委員にご出席をいただいておりまして、それぞれ定足数に達しておりますことをお伝え申し上げます。
 それでは、これ以降の議事進行を郡嶌座長にお願いいたします。

○郡嶌座長 それでは早速でございますけれども、会議の方を始めさせていただきたいと思います。
 第2回の合同会合におきまして、事務局の方からお知らせしましたとおり、本日は材料リサイクル事業者の委員の方々、4名から再商品化にかかわる現状等についてご説明をいただきたいと思っております。議事進行につきましては、それぞれ材料リサイクル事業者ごとに説明と質疑を行いたいと思います。各委員からのご説明は20分、それに対する質疑を10分として、最後に改めて時間がございましたら、全体の質疑を行いたいと思っております。終了は4時半ごろを予定しておりますので、よろしくご協力の方をお願いしたいと思います。
 それでは早速でございますけれども、初めに安達委員から資料2の福井環境事業株式会社資料に基づきまして、ご説明の方よろしくお願いしたいと思います。

○安達委員 福井環境事業の安達と申します。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、循環型社会構築に向けた容器包装プラスチックのマテリアルリサイクルについて、当社の取り組みについてご説明させていただきます。
 当社の概要でございます。簡単に申し上げますと、社名は福井環境事業株式会社でございます。創立は1950年3月、昭和25年でございます。従業員数がただいま230名、事業内容としては、そもそもはし尿汲み取りから始まりまして、1964年昭和39年、一般廃棄物(ごみ)の収集運搬事業を開始しました。これは事業系ゴミと福井市の一部の地域について可燃ごみの収集委託を受けております。その後、現在福井市のごみにつきましては、不燃物、すべて含めておよそ80%を当社が委託を受けております。その後、1999年12月ペットボトルのリサイクルを開始しまして、2000年12月、生ごみのリサイクルを始めております。2003年4月、平成15年ですけれども、二日市リサイクルセンターを操業開始いたしました。そこで容器包装プラスチックの再商品化に取り組んでおります。
 二日市リサイクルセンターの施設の概要でございます。センターの従業員は98名ございます。パートを含めてでございます。それと設備としまして、不燃物の選別施設、こちら側でございます。そこでは容器包装プラスチックの適合化のほとんどは福井市でございますけれども、ことしの春からあと1市、一応入ってくる予定でございます。それと、空き缶、ペットボトルの選別とプレスです。それと、この真ん中にある棟が、容器包装プラスチックの再商品化施設でございまして、各能力は1万5,000トン/年でございます。
 再商品化の流れとしまして、ここでは分別の基準適合物を選別しているわけでございますけれども、これは容リ協さんからの入札において落札した物を、先ほど申し上げました真ん中の再商品化施設でプラスチックの再商品化を行っております。それについては、製品をペレットにして、成形業者に出荷しております。
 残渣につきましては、ここに隣接しているRPF工場で残渣のほとんどをRPF化しております。RPFについては、製紙業社等で使用されているということでございます。
 再商品化のプロセス、これは実はちょっと我が社の選別ラインというのは複雑というんですか、ちょっとそこら辺が特殊でございまして、各適合化施設からのベールの組成とか品質によりまして、実はこの辺で残渣とする物とか、あるいは商品化されるもの、これらを人員の配置とか、例えばここにある光学選別機の選別対象を変えたり、はねる対象を変えたりしまして、それである意味では最適な選別をしようということで、こういうラインになりました。
 ざっと説明しますと、1番目が破袋機でございます。まずここから投入されまして、ここで2番目風力選別です。これは軽い物はこちら側へ飛びます。特に袋物とか、シート類です。それはこういうように風力で飛ばしまして、こちら側のライン、3番目の手選のラインへ入るわけですけれども、ここで重い物、例えば固まった物とかというのはこちらの下のライン、5番、6番へ落ちます。それでこちらの方ではまず最初に袋物というんですか、かさばる物でそれをすべて風力でこちらの方のコンパクターの方へ送っております。
 先ほど申しましたように、ここの手選ではここで再処理がされる物、残渣になる物、これは随時配置がえをいたしますけれども、そういうことで再処理ができる物はこのトロンメルを通りまして、もう一回、人手によって選別処理いたします。残渣についてはこちらの方へ落ちます。こちらの方で固まった物とか小袋に入った物、そういうものについてはまず最初にここで、実はこれは小さい破袋機でございます。その破袋機を通りまして、また元へ戻します。これでまた破袋された物が軽い物は上のラインへ行きます。重い物は下のラインにくぐっていくんです。
 こういうことで、この辺はずっと物の流れとしていくわけですが、ここでフィーダーを通しまして、ここで金属類とかペットボトルのふた、そういうものはこういうラインで落ちてきます。そこでまた選別されまして、ふた類については再生する、金属類についてはこういう残渣のラインの方へ乗せます。こちらの方からおりてきまして、こちらの方からまた重量物として通ってきた物をここのトロンメルを通しまして、残渣は下へ落ちますが、それ以外についてこちらを通りまして、ここで振り分けております。振り分けているというのはここにメタルXといいまして、アルミ箔とか金属類、例えば小さいホッチキスの針とかという物も飛ばします。そういうことで、ここのスピードに合わせるためにここで振り分けておるわけでございますけれども、それで残渣をまたこの残渣のラインに戻します。ここでまた再処理ができる物については、元のラインの終わりの方へ落とすようになっております。そこからここは光学選別機でございますけれども、通常はこちらは最初にPP・PEを取り出し、次にここでPSを取り出しております。それはなおかつまだここできちっと選別されない場合に、最後に人手によってまた有価物と有用物というんですか、と残渣にこれを分けております。これはすべて残渣の流れのラインでございます。
 ということで、ちょっと二重、三重に選別しているということで、できるだけ選別の精度を上げようと、そういうことでちょっとラインが複雑でございますけれども、これは絶えずある意味では改善なりしておりまして、これはこのまま続く形かどうかはちょっとわかりません。
 破砕~造粒ラインにつきましては、これもほとんどの再商品化手法では同じだと思います。破砕・洗浄して、ここで付着物を落とします。ここで比重分離、残渣を取り出しまして、これは脱水しましてこれはRPFの固形燃料化されております。脱水しまして、乾燥・造粒です。これは造粒ペレタイザーでございますけれども、このペレタイザーの特徴といいますか、ここで一たん攪拌して水分を飛ばしております。それと定量的にここへ滞留します。そういうことで、均一に押し出されていくと、そういう特徴がございます。それとここにはもし異物等が入ってきまして、押し出されない場合に、自動的にとまって逆洗浄するということで、異物が取り出されます。
 再商品化の量ですけれども、当社が平成15年から取り組んでまいりまして、平成15年は工場の受け入れの能力を認められたのは2,500トンでございます。それでこれは入荷実績量が1,835トンでございます。平成16年が6,000トンの能力を認めていただきましたけれども、5,661トンが実績でございます。平成17年、9,000トンの能力に上げました。けれども、実績量は8,631トンでございました。平成18年1万800トンに能力を上げていきましたけれども、これは見込みでございます。大体1万トンぐらいでおさまるんではないかなということでございます。平成19年、これにつきましては先般入札の結果を見まして、1万2,150トンを落札させていただきました。これも1万1,000トンぐらいが実績量となるのかなという見込みでございます。落札単価としましては、初年度キロ当たり114円でございました。平成16年、97円、平成17年も97円です。平成18年については101円、平成19年は92円になりました。平成18年に単価が上がりましたのは、遠隔地の施設が落札されまして、運送料がかさんだというところでございます。
 再商品化における生産性向上ということで、初年度から今まで1キロ当たりどれぐらいの人員と時間で処理されたかということで、平成15年を100としますと、平成18年で316%、平成19年の予想では347%へいくんではないかなと。といいますのは、この辺で全然人員をふやしておりません。ということで、ただ平成15年は8時間操業でございました。平成16年は16時間です。平成17年からは24時間操業をいたしております。というのはどうしてもコスト的に24時間操業しないと、どうしても採算がとれないということでございます。
 これは再商品化の収率、実際は51%を維持しているということをお示ししたいと思います。これは容器包装リサイクル協会へ毎月報告書を提出しております。その中の抜粋でございます。2005年4月から2006年の4月、これはなぜかといいますと、要するに搬入量と製品出荷量、残渣の処分時というんですか、これはすべてにずれが生じておりますので、最終的に4月から翌年の4月いっぱいに処理したものを合計しまして、初めて収率が出てくるということでございます。
 ご参考までにことしの1月末につきましては、残渣は48%になっておるんですけれども、ここでは製品の方が少なくなっております。ただここに今言いましたベール在庫、仕掛在庫、製品在庫、残渣在庫がございます。それを合計すれば大体51%の収率になるはずでございます。
 再商品化製品の状況ということで、当社ではほとんどPP・PEの混合ペレットとPSのペレットを製品として出荷しております。製品の販売単価でございますけれども、平成15年ずっとこれはキロ当たり3円でございましたけれども、平成18年の中ごろからメーカーさんというか、引き取り先の業者さんとは交渉させていただきまして、一応キロ当たり15円ぐらいで引き取っていただいています。平成19年はもう少し品質のいいペレットをつくって、上げていただけないかなということでございます。
 塩素率につきましては、0.5から0.4の間をずっと同じような品質を保っておりますし、水分については3%から最近はもう1%を切っております。当社の引き取り先のほとんど、当社で製造するペレットのほとんどを、実は当初からパレットの製造事業者さんに引き取っていただけておりますので、パレットについてもうまくリサイクルとして利用されているということをご理解いただきたいと思いまして、こういう表、これは引き取り先の事業者さんからいただいたデータでございます。ですから、プラスチックパレットは年間1割程度成長しているということでございます。この理由は下記にありますように、植物防疫条約第4回何とかということで、木製のプラスチックの需要が減ってきたということらしいです。
 その他の製品の出荷先で利用されている状況でございます。このウッドデッキ、その他ボード、建築資材でございます。園芸用品とか、コンパウンド化されてそれはハンガーとかパレットになっているようでございます。PSにつきましては、面木、これも建築資材でございますけれども、こういうところへ出荷しております。
 残渣の有効利用状況ということでございまして、先ほど申しました当社に隣接したRPF工場へ、残渣の中の選別残渣が70から80ではないかと。洗浄残渣が30から20%ぐらいある物を、このようなRPF工場へ送っております。RPF工場については、RPFの品質につきましては、カロリーが6,500から7,000キロカロリー、灰化率が2から3%ということでございます。RPFの工場としましては、残渣は乾式洗浄後、カロリー調整のため、繊維くず、木くず、紙くずと混合して燃料化されております。RPFにつきましては、このRPF工場からは製紙工場、あるいは鉄鋼メーカーさん、あるいは薬品工業メーカーさんへ出荷されているようでございます。
 再商品化における課題と将来性ということで、要は付加価値を上げてコストを下げようというところでございまして、現在のPP・PEの混合ペレットの混合比が安定していないので、最終利用製品化の市場が広がらない。これも今までいろいろな事業者さんと検討した結果でございますけれども、PPリッチ材、PEリッチ材を提供できるようにラインの改善をいたします。そういうペレットができるようになれば、家電製品とか自動車関連、日用品などの広い分野で使用される可能性があると思っております。
 再商品化検討会への要望でございます。資源の有効利用化、資源循環の観点から、材料リサイクル優先の継続をお願いしたいと考えております。ただ、これも皆さんが既に言われたことですので、本当にお願いでございます。それと、現実に再商品化について、ある意味ではすみ分けとか、落札価格についてもなんか適正な価格を設定していただくとか、そうしていただかないと、現にもう再商品化能力が相当に過剰になっておりますので、現実にはなかなか今後の事業の継続にちょっと不安を覚えております。
 2番目に、輸送費の削減のため、圧縮梱包の基準の徹底ということでございまして、これは適合化施設の話でございますが、カサ比重が0.25から0.35ということで、一応の標準は示されておりますけれども、現実にはそれより相当軽いというか、0.2とかというベールも実は存在するわけです。そうしますと、実際には輸送費の1割以上、現実には輸送費にかかるわけです。そういうことで、これも経費削減のためには、ぜひそういうところは徹底していただくと、我々としては助かるということでございます。
 3番目に、品質の安定のため、全国統一の収集方法の徹底ということでこれは書きましたが、実は相当難しいことだというのはわかっております。というのは、これはもう以前から多分導入されていることだろうと思いますけれども、収集方式におきましても、例えば廃プラが可燃とか不燃とかに入る、それは自治体によってまちまちでございます。また、収集の方法が個別に収集したり、拠点で収集したり、それに容リプラにつきましても、ベールの組成はある意味では実際によって違うわけでございます。容リプラ単体もあれば、容リプラプラスペットボトルもあり、容リプラプラス容リ以外のプラスチックが入っていたりということで、これについては、やはりよりよい選別をして再商品化、それと収率を上げようということであれば、より何とか統一したような収集方法を徹底というとちょっとおこがましいんですが、実施していただけるとありがたいなとそういうふうに考えております。
 これで、説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○郡嶌座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの安達委員からのご説明に対しまして、ご質問あるいはご意見等がございましたらよろしくお願いしたいと思います。例によりまして、これはこれを挙げてお願いしたいと思います。まず辰巳委員からよろしくお願いします。

○辰巳委員 このスライドの7ページのところで、生産性が非常に向上しているというお話があったかと思います。そのときのお言葉の説明では、人員は増加していないというお話しでしたので、多分その生産性向上のために、何か機械等が改善されたか何かだと思うんですけれども、そのあたりでエネルギー的に負荷はどういうふうに、その工場内のエネルギー負荷というのはどのようにふえているのかどうかというのが知りたいなというふうに思ったんです。すみません。

○安達委員 エネルギーの負担につきましては、今細かい数字は当然拾っているわけではございませんけれども、使用される全電力量ですか、それを時間当たりに直すと減っております。

○辰巳委員 もうちょっといいですか。ではエネルギーも減って、人手もふえていなくて、効率だけが上がっているということですね。

○安達委員 ですから、そういうふうに先ほど申し上げました。選別ラインを絶えず実は触っておるというとおかしいですが、改善というんですか、いい方法がないかということで、ある意味では日常考えながら動かしているわけでございます。ちょっと説明不足かもしれませんけれども。

○郡嶌座長 では、服部委員よろしくお願いします。

○服部委員 既に市町村の保管施設で一たんは選別をして、異物といいますか汚れた物とか、あるいは容リプラ以外の物をより分けていると思います。またさらにそちらの福井環境さんの方で本当にたくさん選別をされているわけです、具体的に半分は残渣ということなんですけれども、その残渣は例えば複合素材だとか、あるいは塩化ビニルだとか、具体的にどんな物が、全部ご紹介いただくのは大変だと思いますので、どんな物が異物として選別されているのかというのを教えていただきたいと思います。
 それからもう一点、やはりマテリアルリサイクル、かなり高コスト構造にあるということが課題になっています。これで見ますとトン当たり9万2,000円に、19年度ですから今年度下がってきていますけれども、設備投資をされて日々改善されているということで、この先、落札単価が下がっていくという見通しを持っていられるか、また努力もされていると思いますが、伺いたいと思います。

○安達委員 異物の内容につきましては、実はほとんどのことは説明されている物と同じだと思うんです。それでよろしいですか。余り異物の内容については把握しておりません。それは適合化施設の検査等におきましては調べておりますけれども。

○服部委員 すみません、マテリアルリサイクルなので、PPとPSとPEが使われていくわけですよね。それ以外にプラスチック製容器包装の中に異物として考えられるのが、私としては複合素材なのかなと思いますけれども、そういった物は非常にマテリアルリサイクルの収率を上げる上で阻害要因になっているのかなという、直接的にいうとそういうことが聞きたいです。

○安達委員 わかりました。ですから通常といっても同じですが、アルミ凝着とかアルミ箔、それに極端に有機物で汚れた物、それから固着した物、フィルム同士がもう完全に固着して離れない場合とかございますので、そういう物は異物というよりも残渣として、これは本当に全部RPFの方に回しております。
 それから、マテリアルは高コストということで、将来当然落札価格は下がるだろうと。将来ではなしに、もう現在既に下がっているわけでございまして、そういうことでそれに耐えられるようにということで、先ほどから申し上げますように、やはり再商品化製品の価値を上げていきたいと。そうすれば見通しとしてキロ20円で取り引きできるような状況になりましたので、そうすれば1万トン処理しても実は1万円の単価が下げられるわけでございます。おわかりいただけたでしょうか。

○郡嶌座長 そうしたら崎田委員お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。今、かなり質問が細かく出たので、私は最後の14ページのいろいろ要望について、ちょっと1番のところで、先ほど今材料リサイクルの業者さんも大変ふえてきて、そういう意味では業者さんの中できちんとやってくださっているところをどう評価するかとか、そういうことも今後必要になってくるんではないかというふうに思うんですが、そのときに例えば今再商品化の収率とか、幾つかの基準があると思うんですが、私は今いろいろ出なかったやはり二酸化炭素の排出量とか、そういうところまでやはりある程度データや何か出していかないといけないときが来るんではないかというふうに思うんですけれども、その辺の業界内でそういう自分たちの自己評価に対してどういう基準を持っていったらいいのかというような、そういうお話し合いというのはあるんでしょうか。ちょっと伺いたいと思いまして、よろしくお願いします。

○安達委員 実は、ある意味で全くございません。業界内といいましても、実はマテリアルの再商品化手法をとっている業者さんというのは、私は一般廃棄物を先ほどご説明しましたように、主にというよりはほとんど一般廃棄物を扱ってきて、その延長として実はその他プラのリサイクルに取り組んでおります。ですが、ほかの業者さんについてはいろいろな業界から参入されておりますし、今プラスチックマテリアル協議会で、22社今加入されているようでございますけれども、なかなかまだ将来的な展望を描くほど、会としてまだ進んでおりません。そういう状況でございますので、もう当社は当社のことについて、当社の将来について、やはり一人で考えないといけないかなと、そういう状況にいます。

○郡嶌座長 そうしたら石井委員お願いします。

○石井委員 ちょっと的確なご質問かどうかちょっと自分でも疑問に思いながらちょっと質問なんですが、今、自治体の立場で別の審議会でも拠出金制度の関係で、いろいろ言われている分別サイシキンを非常に高めれば、いわゆる再商品化経費の効率化が図れるというようなことが現実に言われているわけですね。今いろいろ説明を受けまして、会社としての効率性だとか能率性だとか、そういったことのお話は伺ってよくわかるんですが、現実に具体的に例えば分別基準の非常に高い物と、そうでない物が逆に工場に入った場合、どういうところに、例えば作業工程をある程度、人員配置を例えば3人のところ2人にするとか、何かの関係がなければその効率化が図れないわけなんですけれども、水準の高い物が入ってきた場合とそうでない場合、何か作業工程の中で違いが出てくるのかどうか、ちょっとその辺のところをお聞かせいただきたいと思うんですが。費用の問題です。

○安達委員 先ほどもちょっと説明させていただいたんですけれども、こういうところで取り出す物を変えております。先ほども言いましたように。ですから、良質なベールの場合には、ここで残渣よりも良質な物を取り出した方がより収率が上がりますよね。通常はここで残渣を落として、後段へ回していきますけれども、いいベールの場合ですと、当然再処理ができる物の方が多いわけですから、そのときには再処理ができる物を取り出すということです。
 それと、これも言いましたように、光学選別機を要するに、これは対象物質を変えられます。例えばPPだけを取り出すこともできますし、PP以外を取り出すこともできます。そういうのが直列に入っておりますので、これは適宜、対象物を変えていったり、それは要するにベールをあけたときの、ある意味、一種、勘でやっているんではないかなと思いますけれども。そういうことでございまして、それと、人員は実をいいますと、そういうことで良質なベールにつきましてはできるだけ夜間作業に移しております。それで人員を例えば3分の2に減らしているということでございます。ですからいい物ばかりをやれば、当然人が1人や2人はもう簡単に減らすことができるということでございます。

○石井委員 ルートに流す場合、では集められた物を工程に流す際には、いい物と悪い物と事前に選別した上で、それで流し込んでいらっしゃるのかどうか。

○安達委員 当社の責任者にちょっと変わりますので。

○福井環境事業株式会社 まず、今年度の場合なんですけれども、落札する適合化施設は事前に半年前から調査に行っています。その調査の中で、まず入荷した時点で、当社の場合はベールを1回、全員で1つのベールをばらしまして、それで入ってくる自治体ごとにその日の時間帯で流すのを決めます。それと、やっぱり先ほど言われた良質というんですか、結構きれいな適合化施設の選別のライン構成とか、そういうのでよいベールと言ったらあれなんですけれども、手間がかからない、うちのラインにとって手間がかからないベールは、全部夜間に回します。どうしても夜間というのは、皆さんもご存じ、25%の賃金増しということで上げ、そういうところも加味して良質の場合はほとんど人員的には2分の1、3分の1の人間で作業をするということをやっています。
 それと、ラインのこの6番なんですけれども、5番から6番へ行くときに、ベールというのは圧縮ベールの圧縮度によっては、結構塊というのが出ますので、それを6番から直接下へ、トップの2名が落とすと。落とした物が下の解体機でばらすと。組成をつぶさずにばらして、また1番の方へ戻して、また風力で分けていくという形をとりますので、極力材質をばらさないと。白色トレーなんかが入ってきますと、細かく1つのトレーが3つも4つも分けると、3つも4つも手がかかりますよということで、とにかく組成というか原形を崩さずにばらしていくという方法で、後段が作業がしやすいようにしていくと。
 その中で特にペレットというのはやっぱりアルミ箔とか、一番嫌うのはアルミ箔なので、アルミ箔、アルミ蒸着の厚みの多い物は、まず手選でとれるのは手選でとりますよと。それから最後の9番、10番、11番、ここで金属探知機、磁選通って金属探知機ではねた物の中から、そのダンパ方式なんで0.5秒ではねますと一気に1つの物に対して20、30と落ちますので、その中の11番でピンポイントで的確にアルミとかそういうメタル関係をはねます。そしてまたよい物を本ラインへ流すという形で作業をやっています。必ず、まず我が社としては落札する適合化施設を見学させていただいて、なおかつ我が社に入ってきた場合のベールの組成で1日の作業とか、その日のパートさんの出勤なんかが事前に入ってきますので、それで組み合わせしたり、毎日そのやり方を変えてベール解体ということで、少しでもとりたいということで、この手選ラインは作業をしています。

○郡嶌座長 ありがとうございます。ちょっと時間の関係で、岩倉委員、それから金子委員、ご質問を一緒にしていただいて、一括して答えていただくという形でよろしくお願いします。

○岩倉委員 端的に2点お伺いしたいと思いますが、1点は残渣はRPF加工して処理をされていると、こういうことですよね。隣接のRPF工場というお話しありましたけれども、この隣接の施設というのは、福井環境さんが所有している施設なのかどうかという点と、RPFに関していえば、さっきお話しありましたように、ざっと1トンのプラスチックの分別収集で処理するのに、約10万円がかかっていると、こういうことでありますけれども、福井環境さんの場合ということではなくて一般論でも結構ですが、10万円のコストのうち、この残渣RPF処理という部分ではどのくらい大体かかっているんだろうかと、これを1つお伺いしたい。
 2点目は、この13ページでしたか、再商品化の品質という点を考えたときには、やっぱりペレットの品質というのが非常に大きくかかわるなということを改めて教えていただきましたけれども、その品質確保については、分別収集物の品質がばらついていると。ばらついているというのは異物があったり、それから汚れがあったりというようなことで、随分苦労をされてやっているというのはよくわかりましたので、これはやっぱりどこの市町村のやつをとってもきれいな物で再商品化する際に、そのきれいさ、汚れの度合いで再商品化の皆さんが苦労をするというのはなくさなくてはいかんと私はつくづく思うんですが、それをこれからしていただくとして、次の段階にここにあるようにPE・PP等のこの組成のある程度割合といいますか、これがさらに安定すれば、より品質の高いペレットができるとこういうことだろうと思いますが、これは汚れや異物をとれば、そこにある光学の選別等で皆さんのところでその選別はできるのか、そうではなくて、分別の段階からある程度分けないと、そういう高品質のペレットが製造できないのか、これをちょっと教えていただきたいと思います。
 以上2点です。

○郡嶌座長 そうしたら金子委員お願いします。

○金子委員 今の再商品化製品、ペレットのところの品質について、岩倉委員のと重なるところがあるんですけれども、この9ページのところで非常に水分が減ると同時に、いわゆる品質販売単価が上がっておりますけれども、これはベールの品質というよりも、製造工程での管理のところでの非常に寄与なのか、そこのところをちょっと教えていただきたいのと、それからもう一点は、先ほどありましたようにPE・PPの触れ幅がかなりあるということなんですが、どれぐらいそのPP・PE組成が製品の中で動いているのかというのをお教えいただけたらと思うんですが。
 以上です。

○安達委員 それでは、最初のRPFの処理についてでございます。本当に隣接でございます。輸送費はゼロでございまして、そのRPF工場に当社も出資はしております。経営にはタッチしておりませんけれども。ということでございます。
 処理コストにつきましては、キロ当たり16円で処理していただいています。ですから、通常の焼却コストから見れば随分安くできる、経費を削減されていると思います。それでよろしいですか。
 それから、販売価格の向上につきましては、先ほどから説明させていただいているように、やはりペレットの品質の向上によって引き取り先の方から値上げしてもよろしいですよと、そういうことみたいな。

○金子委員 これはペレットをつくるところの努力で、この水分をというとらえ方でよろしいんですか。

○安達委員 そういうことでございます。
 PP・PEの混合比につきましては、実は組成をなかなか分析することがちょっと難しいんですね。どうも専門的にやっておられるところが少ないということす。それにつきましては実は、ただ安定性はないというのは引き取り先が実施した分析結果と、使用条件によってはどうもPP・PEの混合比は一定ではないというふうにとらえております。そういうことで、今後は今言いましたように、PPを例えば7割以上含んでいるとか、PEを7割以上含んでいるとか、それは7割が9割までいくのか、そこもやってみないとわかりませんけれども、そういうふうなペレットをつくっていきたいと、そういうふうに考えております。

○郡嶌座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、勝山委員の方から資料3に基づきまして飯山陸送株式会社資料に基づきまして、ご説明の方をよろしくお願いしたいと思います。ちょっと準備の都合で少しあれしますけれども。準備ができましたらお願いします。

○勝山委員 長野県長野市の飯山陸送株式会社と申します。本日は貴重な時間をいただきまして、まことにありがとうございます。これから弊社の容器包装プラスチック類の再商品化に対する取り組みについて、その現状と意見をご説明させていただきます。聞きづらいところ、わかりにくいところがありましたらご容赦くださいませ。
 説明としては、施設の概要及び再商品化の現状、2番目として現況を考える課題、3番目として弊社及び各社の取り組み、4番として感想・要望・意見という形の構成にさせていただいております。
 まず、施設の概要及び現状でございます。会社名は飯山陸送株式会社、弊社は長野県長野市に再商品化施設がございまして、その手法については材料リサイクルの中のタイプIと呼ばれているものでございます。処理能力は俗にいう5トン未満施設、年間で1,400トン以下の施設でございまして、平成14年から容器包装リサイクル協会の登録認可を受けて、入札行為を通した上で再商品化処理を現在行っております。
 次に、施設の稼働実績でございますけれども、平成14年度からの契約量、それから実績、搬入量を棒グラフで、それから収率を折れ線グラフであらわしております。
 次に、再商品化のフローを説明させていただきます。各市町村より受けたベール品については、弊社施設にて計量後、梱包解体ヤードでバンドベールを解き、順次選別ベルコンへ流し込んでいきます。選別ベルコンではベールの状態に応じて常時8人、また必要な場合は増員してその選別要員にて、大きく分けて3種類に手選別いたします。1つは、容器包装外プラ、プラ類以外の物である、いわゆる不適合物と呼ばれている物です。
 2番目として、当社として残渣扱いとしているPSほかのトレー系の発泡類、それから一部アルミ蒸着物、それから汚れの特にひどい容器、包装物、それから複合素材としてわかる塩ビ系の包装物、こういったものについては手選で一応分けるようにしております。
 最後に3番目としては一番素材として優良素材の物、例えば当社の場合にはPEのボトル系の固形物、もう一つはハイデン、ローデン、いわゆるPEのフィルムです。こういった物を分別しておるということです。
 選別ベルコンにて先ほどの分を手選別しますけれども、手選別できなかった物について、これはPPとPEの主体のオレフィン系の混合素材でございますけれども、そのまま選別ベルコンを流れ、連続的に粉砕機に投入し、洗浄、比重分離後の浮遊物が脱水・乾燥工程を経て、再商品化物として製造されます。それから先ほどご説明しました最初に人力にて手選別しました2次選別のうちの良質素材の分、PP・PEについては、フレコンで一時仮置き、仮積みして、再度ラベル付着物等の異物除去、いわゆる2次選別といっておりますけれども、もう一度この質を上げる作業を行いまして、その後先ほどの再商品化と同じライン、粉砕以降の工程をとり、再商品化するという流れでございます。当社の再商品化製品は最終的に乾燥工程が終了し、含水率が5%以下になった2次選別後のフラフ、フレーク及び混合のフラフ、フレークということになり、それらを再商品化製品利用事業者であるプラスチック成形会社の方にお売りしている形になっております。
 なお、先ほどもちょっとご説明したんですけれども、手選別にて除外しましたPS系の発泡類、アルミ蒸着物、汚れのひどい物、それから先ほどちょっとありました比重分離がありますけれども、この比重分離で沈降した物が当社の中での残渣ということになります。
 次はこれはそれを図式化した物でございます。これがその写真でございます。真ん中にちょうど比重分離が今緑色に見えております。その奥側が破砕機でございます。右手奥に行きまして、脱水機、それから乾燥機ということになります。
 次に、これが当社の1次選別のフロー状況を写真にてあらわしたものです。一番大きな写真の一番奥側から、解梱されたベールを手前側に向かってベルコンで流れてきます。そのベルコンの両側に選別要員を設置しまして、それぞれの人間がとる物を決めながら分別をしていくということでございます。最終的に一番手前まで流れてきたこの手前の一番先には、湿式の粉砕機がございまして、こちらの方に混合が流れていくという形になります。タイプIと申しましたけれども、こういった意味ではタイプIIIの部分が少しうちの場合にはあります。
 先ほどご説明しましたけれども、1次選別のうち、優良素材については再度ラベル、それから付着物、こういった物をとる作業をやらせていただいております。こうすることで、さらにその質を上げるということでございます。
 次に、我々の施設としての再商品化製品のページでございます。左側が搬入物の状態、右側が再商品化物の状態でございます。これはローデンというか、いわゆるローデンPEですね。次がこれがハイデンPEです。パリパリ感のある方のPEです。それからその次、今比較的少なくなってしまったんですが、こういったボトル系のPE、こういった物も分別させていただいておるというそういう状況でございます。
 それから最後になりますけれども、先ほどお話ししている選別残後の再商品化に向けての物については、一応こういった形のPE・PP系主流の混合物として、これが最終的に乾燥工程を通った後、フラフ、フレークとしての再商品化製品としてうちはやっております。
 ここまでは施設状況を説明してきましたけれども、これからは材料リサイクルにおいての課題という観点から、一応当社の考え方をご提示させていただきたいと思っております。大きく分けて3つあるんですけれども、1つは、先ほどもちょっとお話し出ておりましたけれども、容器包装物のベール状況ということでございます。今映っている2つの写真、こちらの写真は実際弊社の施設に搬入されてきたある自治体のベールでございます。この2つの写真のベール状況は、協会さんのランクづけもAであり、我々から判断させていただいても、その市町村さん、組合さん、またその市民の方々のご努力が本当によくできる、すばらしい状態でございます。非常に洗ってある、破袋してある。よくわかると思います。容器包装物が市民の方、また自治体の方の指導により、きれいに洗浄されており、かつ圧縮前段階で収集袋を破袋しているというこの2つの状況でございます。
 まことに恐縮ですけれども、こちらまたある行政さんのベールでございます。これはひと目見ておわかりになるように、まず破袋が残念ながらされていない状況というのがわかる。それから見た感じ、少し汚れているというこういう状況の物がきますと、当然市民の方々が出したそのままが当然圧縮されているというふうに我々再商品化事業者は判断しますので、当然分別についても力を入れなくてはいけない。先ほどもおっしゃっていましたけれども、そういったベール状況に対しては、それぞれ対応していかなくてはいけないという状況でございます。この契約については、単年度契約という実際容器包装リサイクル法でございますので、こういったベールの状況で、もう一つはたとえ入札で落としても、それがまた次の年、また違う自治体になるという、この辺は我々は当然再商品化事業者としては対応しなくてはいけないんですけれども、課題というか対応しなくてはいけないというレベルでの課題としては残るんではないかということで、一応挙げさせていただきました。
 次に2番目として、材料リサイクルの場合には他手法と比較して多いと言われている残渣についてでございます。これにつきましては弊社にかかわらず、各社様がこれまで含水率、塩素分の問題で苦労されている部分であり、特に比重分離後の沈降物がその最たる物であります。ただ、弊社を含めまして各社経験をしている中で、さまざまな対策を講じておるのが現況でございますということで、その対策はまた後でお話しさせていただきます。
 最後に、コストのさらなる低減についてという部分でございます。これにつきましても、材料リサイクルは他手法に比べてコストが高いと言われております。必ずしも手法が違いますから、一概には比較できない部分もあります。処理量によってはイニシャルコストを落とすいろいろな問題、大小があります関係で、非常に比較できない部分というのはあるんですけれども、我々としては何カ年かの経験の中で、再商品化するに当たり、コストを可能な限り低減できるように対策を講じてきたつもりなので、それを次にご説明いたします。
 まず、コストの削減についてですけれども、材料リサイクルの場合は、スケールメリットがない限りは、いわゆる5トン未満業者の場合、特に設備投資にかかわる減価償却がある程度の形でコストに反映される形となります。ランニングコストで検証した場合というものは、やはりこの材料リサイクルについては人件費のウエートが大きくなるというふうに我々は考えております。弊社は経年の経験の中から、単一の優良素材の中でも、選別コストの割りに再商品化製品価値のつながらない物については、逆にいい物でも選別をしないと。逆に選別をしないという物も出して、逆に再商品化製品利用事業者との検討の中で、それを混合素材に逆に混ぜることで、混合素材の品質を上げるということを利用事業者と検討の中でやってきたということでございます。この利用事業者のニーズに沿った原料の生産というものは、再処理化事業者の材料リサイクル業者としては非常に重要なことでございまして、こういったことに対して努力してきたということでございます。
 また、再商品化の製品の品質価値を上げることで、再商品化単価を下げる価格競争に対抗するということもございますので、そういった形の中でいった場合には、特に製品の品質に影響を及ぼすような容器包装物、例えば白色トレーだとか、雑色トレー、アルミ蒸着物、こういった物は、特に白色トレーも分別収集されている自治体さんもございますけれども、まざって容器包装としてくる場合もございます。そういった形の物はできるだけ先行で除去するということでございます。
それから、塩ビ等で一部わかる物、これについてもできる限り除去をするということ。それから洗浄、それから比重分離に必要な水の水質については、コストを考えた場合にはある程度循環で何回もというのもございますけれども、一応できるだけとにかく高品質の水質を維持して、比重分離のいい、洗浄のいいというものを使うということでやってございます。
 それから、先ほどもおっしゃっていましたけれども、我々も保管施設に対して現況調査、これはベールという物は材料リサイクルの場合、特に響いてくる場合がコスト的にございますので、できるだけ調査をして内容を把握するということでやってございます。
 それから、利用事業者の関係について、これについても近く運賃をなるべく削減するようにということで、なるべく近くの業者との連携ができるようにということで、現在、検討をしております。選別についても、人件費はとにかくキロ当たりでいった場合の費用はかかりますものですから、機械化として何とかできないかということも検討してございます。
 それから、先ほどちょっとまたこれも出ておったんですけれども、ベールがいい状態のときと、悪い状態のとき、どういう状況、何が違うかということを一応図式化して簡単に説明してございます。
 楕円形の状態のものが人をあらわしている形で、右から左に容器包装物が選別ベルコンを流れていく状況でございます。赤に塗られている要員、これが一応不適合物、それから残渣物を抜く、それから青に塗られている者が、ここで有価物と書いてありますけれども、これは優良素材でございます。優良素材を手選別し、最終的に一番最後の人間が確認をして、粉砕機の方に入っていくという流れでございます。
 その次、これが先ほどのDランクといった場合、どういうことが入るかといいますと、ここにまず解梱した後に、破袋をしなくてはいけない作業が出てきます。これが当然人件費として上がる。それから当然その中の物が当然もう、要するに分別収集されているという条件の中でいっても、我々からいくと、当然不適合物が入っているというおそれを想定しますものですから、赤の部分が先ほどよりもふえております。当然したがって青の部分で抜き取れる部分が少なくなり、最終的に流れていく混合の再商品化素材についても、品質が低下するおそれがあるということでございます。こういうものについては、一応人員をとにかくふやす、経験のある人員をふやすということで対応してきてございます。
 我々は一応、全産連というところの代表として私は来ておりますので、全産連さんの各会社の一応ご努力というものを一応出させていただきたかったものですから、ここで箇条書きにしてございます。特に、残渣の有効利用というところ、一番出てございますけれども、残渣処理についてでございます。
 弊社も含め、各社さんとも産業廃棄物扱いとされている残渣につきましては、苦心を重ね、ただ産業廃棄物として廃棄するのではなく、何かしらの有効利用ができるようにということで考えてきております。当社では福利厚生、地元還元施設としての入浴施設を設置して、必要に応じ、洗浄または減量したものを高カロリーの熱源として、ほぼ全量使用させていただいております。
 材料リサイクル各社さんもサーマル燃料のほか、RPF原料、セメント原燃料として有効利用しているところが多いということが判明しております。そういった試みは再処理化上の収率には該当しませんが、有効利用リサイクルという意味では重要なものと考え、今後より一層努力・検討を惜しまないつもりでございます。また、残渣がそういった形で有効利用ができれば、したがって処理コストが落ち、再処理コストも最終的に下げることができるということでございます。
 次に、環境負荷についてでございます。この提言についてちょっと我々もCO2の関係も一応やったんですが、時間がかかるということで、ちょっとなくてまことに恐縮なんですけれども、一応ご説明としては材料リサイクル自体が資源保全という意味では、その役割を一部果たしているのではないかということ、それから有効利用するという意味で、廃棄物の発生抑制に努めているのではないかということ、それから生活環境影響調査も、我々は独自で自主的に実施しておりますけれども、こういった状況のもと、役所にも厳しい監視をしていただいているという状況でございます。これは5トン未満の状況でこの状態であるということでございます。
 最後に、要望・感想という形でございますけれども、基本的にはまず材料リサイクルは目に見える形で国民にわかりやすい状態で容器包装物を再生させる。それから一度のみならず、再度のリサイクルが可能であるということでは、資源保全、資源循環という精神を忠実に遵守しているのではないでしょうかということでございます。
 また、容器包装リサイクルの一連の流れにおいて、重要な役割を担っている排出者、一般市民の方々から見ても、その分別収集の定着、普及に材料リサイクルは大きな貢献をしており、また一般市民のみならず、各自治体様の関係者の皆様の多大なるご努力にこたえている部分が大きいのではないかというふうに考えております。
 次でございます。材料リサイクルは確かに他手法と比較した場合に、単価、コスト面、収率の面で勝れない分が数字上ではありますが、まず原料に基づくことを最優先に考え、かつ残渣の有効利用についても、実施もしくはさらなる検討をする意味では、十二分に再商品化及び広義的な意味でのリサイクルに貢献しているのではないかと考えております。まして、材料リサイクル内においても、既に価格競争原理は働いてきておりまして、落札価格も徐々に低下しているという状況でございます。弊社も経営4年で単価は少しずつ下がってきております。
 いずれにしましても、この法律が施行されてまだ日も浅い中で、材料リサイクル業者各社は試行錯誤を繰り返しながら、経験を踏み、さらなる循環型社会形成のために重要な役割を持って、少しずつ確実にステップアップしていきたいと思っておりますので、何とぞご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
 また今後は、特に再商品化した製品をより付加価値のついた市場性のある製品にしてもらうべく、再商品化製品利用事業者とも、より一層の協力体制を築いていくつもりでございます。
 当社の再商品化物は、フラフ・フレークでございますので、これを売却した時点で成形会社でつくられる物、こういったストランド、それからホットカットのペレットがまずございます。これもそうでございます。先ほど、素材ごとに分けていた物、量的にはああいういわゆる流れているところから手でとりますので、量はそんなに多くはないんですけれども、こういったいわゆる60円、70円につくような素材にもつくっておるということでございます。こういった物は、今度はU字溝でございますけれども、これも利用事業者さんの方でつくっていただいている物でございます。これはパレットでございます。これはちょっとわかりにくいんですけれども、一般の由緒あるお宅と言ってはあれなんですけれども、塀に木のかわりにプラスチックを角材として使っていただいた例でございます。
 最後に、この容器包装分別収集に係るすべての方々、関係機関、一般市民の方々、自治体の方々、特定事業者と我々再処理化事業者がそれぞれの役割を十分に果たす中で、我々もその一たんを担えることに勇気を持ちながら、材料リサイクル業者としてさらに邁進していきたいと思っております。
 説明としては以上でございます。ありがとうございました。

○郡嶌座長 どうもありがとうございました。ただいまの勝山委員のご説明に対しまして、ご質問等がございましたらよろしくお願いしたいと思います。
 森口委員、よろしくお願いします。

○森口委員 実は、きょうご説明ある4社のうち、2社は見学をさせていただいたんですけれども、御社はちょっと見学させていただいたことがないものですから、お尋ねしたいんですけれども、先ほども環境負荷ですとか、エネルギー消費みたいなところでご質問ございましたが、それもさることながら、恐らく洗浄に要する水であるとか、廃水処理ですね。こういった部分がやはりそこそこそのコストの要因にもなっているのではないかなと思うんですけれども、そういったことに関しまして、コストなり、あるいはその自社である種のその廃水処理設備みたいなものに、何らかのコストなりがかかっているのかどうか、そのあたりをちょっと教えていただきたいということと、特にそういった点との関連において、きょうはAランクとDランクで随分そのベールの品質差があるという話がございましたけれども、どの程度定量的に可能かわかりませんが、そのランクの違いによって、大ざっぱにその処理の原価といいますか、コストがどのぐらい変わり得るものか、再商品化事業者さんとしての勘所としてもしお持ちであれば、単価がどの程度ベールの品質によって変わり得るものかということについて、お教えいただければ。
 以上2点でございます。

○勝山委員 まず、後の方のご質問でございますけれども、人一人があの選別ラインの中で何キロ分別できるかということもございます。それに対しての人件費から換算すれば、少なくてもキロ当たりでもう10円の単位、これは平気で変わってくるという予測をしてございます。とにかく一番高いのは、我々材料リサイクルから見た場合には、とにかく人のお金、人件費、これが一番かかるということでございます。
 それから水の方でございますけれども、水処理については設備投資も当然この施設が動いていっているときからやってございますというのと、もう一つはランニングとして当然水処理というのは出てくる汚泥が若干、これSSも含めてございますので、こういったものについては、いかんともしがたいですけれども、一部産廃処理する分があるということでございます。
 水の使用量は、ちなみに大体30トンから60トンぐらい、これは状況によってあれですけれども、非常に差があるということでございます。これもベールの品質なのかというところまでは、ちょっと検討はしていないんですけれども。よろしいでしょうか。

○郡嶌座長 そうしたら、辰巳委員よろしくお願いします。

○辰巳委員 ありがとうございます。1つは、見本の写真があって、例えば11、12、13、14といういろいろ選別品の10からですね。見たところ、非常に色がついていない物がたくさんあるような気がしたんですね。実際にプラスチックの製品というのは、製品そのものに印刷されていたり、色がついたりしている物もあるかと思うんですけれども、そういう物はさっきおっしゃっていた不適物に入るのかどうかというのがまず1つ知りたいこと。
 それから、それは結局、製造メーカーに今後もともと容器包装をつくる側に印刷されていない方がいいとか、色をつけていない方がいいということが言えるのかどうかとか、そんな話につながるかというふうに思いましたもので。
 それからもう一点は、御社ではそのフレーク、フラフの状態で再商品化ということだというふうに今聞いていて伺ったんですね。ある会社ではペレットの状態で再商品化というふうな形になっていると。それで、御社の場合はここからさらにペレットにするところにお出しになるわけですよね。だからちょっとコストの幅をとらえるのに私たちがどこでコストというのをとらえたらいいのかなというふうに考えたもので、そのあたりコストの幅をどのように考えておられるかということをちょっと伺いたかったんで。すみません。

○勝山委員 まず、色のついている、ついていないという方のお話ですけれども、これについては、色のついている物については、不適合物という扱いではなくて、選別ラインで流れているときの最終的な混合の方の素材となるということでございます。色のついていない、要するに付加価値が高く上がる物については、手選でとりますけれども、その状態ではベルコンがさっきの図でいくと、右から左に流れる状態でございますので、この状態でいきますと、いわゆるここに破砕機がございますので、その破砕機の方に当然流れていく分は混合素材ということで、PP・PEの分、うちとしては再商品化十分できる物でございます。
 それからもう一つの点については、非常に私が個人的に言っては非常に申し上げにくい部分ではございますけれども、いわゆる再商品化事業としてできる物とできない物についての材質表示についての話というふうに、私は認識したんですけれども、それについてはちょっと私、何とも答えにくい部分があると。非常に大きな話だというふうに思います。ただ、今当社としてみれば、特にトレーだって単質であればリサイクルできるわけです。我々なぜ不適合物にしているかというと、本来はリサイクルできるんですけれども、それが飯山陸送の段階でできないということがみそなんですね。なんで一応扱い上は不適合物、いわゆる収率に入らないということでございます。ただ実際はどうしているかというと、この白色のトレーも一応すべてインゴットにしているという状況でございます。ただ、収率、要するに容器包装上のリサイクル、いわゆる収率ですね。ここには該当できないというそういう状況でございますので。
 それからあともう一つ、アルミ蒸着物ですね。これについては非常にリサイクルするのは難しいというのが我々の材料リサイクルとしての見解というふうに思います。
 以上ですが、よろしいでしょうか。

○辰巳委員 そのペレットまでなのか、プレプレ終わるのかというとこら辺で、コストの幅をどのようにとらえておられるかというところです。すみません。

○勝山委員 一応、フラフの状態で出す方が当然お金は要するにその後の工程がないもので、かけてないですけれども、その分、再商品化の単価が、今度売りの単価の方が安くなるということです。この辺についてはちょっと私質問を理解していなくて恐縮なんですけれども、フラフの状態であれば当然売れる単価も安いし、したがって今度再商品化利用事業者にいったときには、当然その分のお金が反映されて、ペレットが売られるということになります。我々はやっておりませんけれども、再商品化としてペレットまでやればその分で付加価値が当然上がりますものですから、その分は再商品化単価に反映されているんではないかというふうに、私は思いますけれども。そのぐらいでよろしいでしょうか。

○辰巳委員 全然コストの具体的な価格とかがやっぱり出せないんですかね。出ていないもので、そういう意味でちょっと先ほど今の質問をしたものです。すみません。

○勝山委員 コストについては、再商品化としてのコストでよろしいわけですよね。

○辰巳委員 お出しになったときのコストです。

○勝山委員 売る……わかりました。大体、フラフであれば、今うちの実績が1円から2円です。フラフの場合ですね。

○郡嶌座長 そうしたら崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。今1円から2円という金額を聞いて、ちょっとまた違う質問なんですけれども、実は2ページ目のところに収率が60%から以前は70%近かったという表が書いてあって、かなり平均値よりは収率が高いなと思っていたんですが、その後のコスト削減のための対応というところでは、かなり利用事業者のニーズに沿った原料の選別というふうに考えていらっしゃって、結構消費者としてはトレーや何かはきちんとリサイクルされるだろうと思っているような物が結構はじかれていたりとか、かなりこの辺で選んでいらっしゃる感じがするんですが、その辺の残渣率と先ほどの収率と残渣率というのを、もう一度確認をさせていただきたいという感じがいたします。そこをお願いいたします。

○勝山委員 工場長の田村でございます。ご説明さしあげます。

○田村(飯山陸送株式会社) ちょっとご説明をいたしますけれども、当社の工場というのは、ちょっとこの説明の中には出てきませんけれども、同じ建物の中に別の会社の成形工場が並列してあるわけなんです。ですから、先ほどのフラフ、フレークというのも、実際、どのような形で行われているかといいますと、エアーホースを出て、隣の工場の方に流れていくというようなことでございますので、そこには運搬のコストとかそういうものが発生しておりません。
 また、白色のトレーにつきましてですけれども、この段階では収率に計上されていない形になっておりますけれども、それはどういうことかといいますと、選別をされたままの状態であるということですね。破砕をしたり、次の工程を加えていないというようなことで、収率に加味されていないんですけれども、隣の成形工場の方におろしまして、先ほどご説明申し上げましたように、インゴット化をしているというようなことになります。
 収率につきましては、非常に平均値に比べますと高いというような状況かと思いますけれども、平成14年度に操業いたしまして、この時点が一番収率も高いということになります。これは入荷量も大変少なかったというようなこともございまして、ラインを一回一回とめて、どのような物が実際にリサイクルできるかというようなことの実験材料もかねたような選別をした関係と、たまたま先ほど入ってきましたベールのAランクがございましたけれども、あのような物が入ってきているというようなことで、収率も高かったというようなことで、これは70%近くの収率になっております。これは17年度に向けて収率が下がってきておりますけれども、これは収率にかける人員の単価と、再商品化して総合的な単価を下げなければいけないというような入札にかかわる条件がございますので、再商品化製品を利用する事業者との品質のレベルの問題等もございまして、多少、収率が下がってきているというような状況でございます。これも59%が平成17年度の段階でございます。
 もう一つは、当社の最終処分場を別の事業として行っているというようなこともございまして、できるだけその埋め立て量を減らしていこうというような企業側の理念もあるというようなことの中で、収率をできるだけ高めようというような努力も、プラントとともに選別の方法というようなことの中で実施をしている結果だというような気がいたします。

○郡嶌座長 ありがとうございました。最後に早川委員お願いします。

○早川委員 先ほどのDランクの話なんですが、破袋をしていないベールというのはちょっと我々考えられないように思うんですが、そのDランク、自治体は委託料を出して民間委託をしている。そこでこういう結果ですよということを会社の方からフィードバックをされて、自治体からまたその改善がなされているのかどうか、その辺をちょっとお聞きしたいんですが。

○田村(飯山陸送株式会社) フィードバックはしておるんですけれども、民間委託の自治体にそのような傾向が多々あるのは現状でございまして、なかなか徐々に改善はされてきているとは思いますけれども、私どもやっている年度では、なかなかその年度内の改善というのはできなかったというような状況かと思います。

○早川委員 自治体の方では非常にそういう部分もナーバスに気をつけてやっているつもりなんですが、こういう自治体があるということは一つの大きな問題かなと思います。

○郡嶌座長 ありがとうございます。どうも、勝山委員ありがとうございました。
 そうしたら、続きまして濱委員の方から資料4の株式会社広島リサイクルセンター資料に基づき、ご説明の方よろしくお願いしたいと思います。
 準備ができましたらお願いいたします。

○濱委員 広島リサイクルセンターの濱と申します。よろしくお願いいたします。
 2年余り前にも、広島リサイクルセンターとしまして、容リ法の見直しの審議会で内容についてご説明させていただきましたが、その後、2年余り経過して、状況もこのような状況というか、非常に激変してまいりました。この間に至りますまでの経過も含めて、現在の状況、実態について知っていただきたく、ご説明させていただきたいと思います。
 それでは、我が社の概要につきましては、平成13年ペットボトル、ガラス瓶の再商品化を手がけまして、当時岐阜県で私どもの採用しておりますシステムを先駆けて岐阜県の同業者の方、またプラントメーカー、プラスチックの成形業者の方、3者が協力されまして、現在のシステムは完成したと。それを受けまして、平成14年から私どももプラスチックのリサイクルについて取り組みを開始いたしました。
 資本金は1億でございまして、出資者は一般廃棄物の収集運搬業者が8社が共同で出資した会社、リサイクルの専門会社で、ほかの業務はやっておりません。施設の概要につきましては、建物、現在第1工場、第2工場という形で、2カ所隣接しておるんですがございまして、約1万6,600平米、敷地が5万3,300平米。処理施設につきましては、第1工場3ライン、第2工場3ラインということで、計6ラインでプラスチックの再生を行っております。処理能力は1日16時間稼働で計算しまして125トン、従業員は現在約160名で運営しております。
 私ども全清連グループとして行っているわけなんですが、当初岐阜県でスタートし、さらに新潟、私ども広島リサイクルセンター、鳥取と、そしてこの19年度から広島市でコーヨー、宇部で宇部テクノリサイクルセンターというのを立ち上げ、合計6社がグループとしてほぼ同じシステムを採用して操業しております。
 広島リサイクルセンターのこれまでの年度別のプラスチックに関する部分だけなんですが、年度別の落札量と入荷量をグラフにしてみました。2002年度から開始しまして、2004年度増設という関係もあるんですが、2005年度から急激に落札量は増加しております。しかしながら、一方、それに対しまして入荷量の実態につきましては、2004年まではほぼ拮抗して順調に入荷されておったんですが、2005年度につきましては93%の入荷量と、そして今年度につきましてももう間もなく終了するわけなんですが、実に16%減という状況が予測されております。実際に入荷量、市町村さんの申し込みが年間2,000トンクラスであったのが、実際に入荷は半分もいっていないというような市町村も中にはございます。こういった状況で現在入荷量が推移しているということでございます。
 リサイクルに対しまして、私どもが取り組みます基本的な方針、そもそも容器包装リサイクル法は、大量生産・大量消費・大量廃棄社会から脱却し、ライフスタイルそのものを物を大切にする社会へ、容器包装廃棄物をできるだけ再資源化・再商品化することによりまして、廃棄物そのものの量が減ること、そういった形のライフスタイルに変換されるまさに循環型社会へ移行するというのを目指して、それを目的として施行されているというふうに私どもは考え、手段としてそのリサイクルの方法としましては、その手段が当然、市民、国民、各層関係者が自主的な積極的な行動を誘引されるような、またそういった動機づけが図れるような、リサイクルそのものにつきましても、そういった機能が必要であろうと。そういったものが求められているんだと。したがいまして、私どものような再商品化事業所、リサイクルをする事業所そのものにつきましても、環境教育の場として提供しなければならない。環境教育のそういった機能も持っていかなければならないというふうに考え、取り組んでおります。
 したがいまして、手法はだれにもわかりやすい、国民の一人一人が自分たちが分別して排出したその成果が実際に手元の戻ってくる、目に見えてくる、そういった形の手法が求められると、そういう方が望ましいというふうに私どもは考え、実際に容器包装として使命が終わったプラスチックにつきましては、また新たな用途へプラスチックへ再生されるという材料リサイクルが望ましいものというふうに考え、私どもは取り組んで、このような基本方針のもと、次のような製品を私どもはつくっております。
 当初、やはりスタート段階では擬木・パレット等が主流でしたが、現在では建築関係資材では代表的なものとして、このような製品、この中のスペーサーという板がございますが、本日皆様のお手元の資料の中に入れてございます。直接成形メーカーさん、成形業者の方に私どもが提供させていただいております。
 その中でご了解を得ましたところの業者のパンフレット等を一緒に中に入れてございます。このスペーサーというのは、このリサイクル樹脂、武蔵野機工株式会社というところでつくっていただいているという製品でございます。65%というのが当初規格提案いたしまして、採用された私どもが再生したプラスチックの混入率でございます。こういった形で建築資材関係、また、各種産業用としまして農業・園芸関係ですとか、また建築関係になりますが、セメントの練箱ですとかこういったもの、また農業用の畝の溝部分といいますか、そういう通路に取りつけるそういった製品、これにつきましても中にパンフレットを入れております。「溝っ子」という形で、これは製品自体は広島の大和技工という会社がつくられているんですが、そこでつくられた物がJAの全農徳山さんからこういった形のカタログとして販売されているということで、こういった方面にも利用さて、徐々に産業用としましてもまだまだ拡大してきているという状況にございます。
 さらに、一般用、各消費者が直接手に触れる製品としまして、クリーニング店向けのハンガー、特に私どもの会社は広島にございますが、広島のクリーニング店におきましても、最近ワイシャツにつきましては、折りたたみではなくて、ああいったハンガーにつるしてそのままお客様に渡すというのがかなり多くなってきているんだそうです。そういったところが、実際にクリーニング店でああいったハンガーを渡し、それをまた回収し、再使用するという形でどんどん進んできているという実態もございます。こういったクリーニング用のハンガーというのが、かなり最近ふえてきております。
 また植木鉢、またこちらの方にございます乾燥ラックというのがあるのですが、これも本日この中に入れております。これは最近この3月から生産開始です。これは容リ協会さんの方で承認を得まして、こういったところへ出荷し、3月から売り出しを開始されるというふうにお伺いしております。これにもありますように、上の部分で容リのリサイクル原料を混合していますという形で出ております。
 これはサンプルとして成形というか、つくった物なんですが、100%、しかも着色剤全くなしでつくられた製品を、サンプルとして我が社の方へ提供いただいた物でございます。こういった形での利用、またその隣の植木鉢でございますが、これも昨年末から採用されまして、製造元は近畿用品という会社が製造しているんですが、100円ショップのダイソーで採用いただきまして、やっと店頭に並ぶ、そういった段階にきております。これも中に製品のパンフレットということで入れております。
 また、次にごみ袋ということで、55%当社の材料を混入したごみ袋につきましても、これも商品にはできると。実際各市町村さんの方に利用していただくために、いろいろ運動はしているところなんですが、いまだ日の目を見ていない、もうちょっとの段階であるというふうに考えております。
 またその先に名刺入れ、これはある行政の滋賀県の方の市町村さんの方で採用していただいている名刺入れでございます。
 こういった一般向けというか特殊産業向け以外にも、こういった分野に利用されているという状況でございます。それらの最近の商品の最終用途につきましては、構成はこのような形、昨年の末までのデータを集計し、それぞれご協力いただきまして利用製品の割合について問い合わせをした結果の比率でございます。ここでは雑貨類40%、園芸関係26%、土木建築関係12%、ボード類7%、擬木・杭が4%、パレット11%という比率になっておるんですが、最近、この1月からまた2月、3月にかけまして、先ほどの雑貨類、また建築関係で先ほど紹介しました武蔵野機工さんのそういうボード類に入ると思うんですが、それらが急激にふえるという形に今現在のところなっております。こういった形で利用されているという状況にございます。
 これらの利用事業者の皆さんに、どのような品質の物を提供しているかということで、その分析結果についての平均値をそのまま出させていただいております。取り引きを開始する条件としまして、それぞれの品質が数値が幾らですとかいう形ではなくて、私どもは本日、中にも入れておりますが、サンプルとして成形した板を中に、グレーの物、グリーンの物、赤い物と3種類中に入れておると思います。このグレーの物が、当社のペレットを何も混合せずにそのまま直接成形した板でございます。赤とグリーンのは色を着色し成形した物と、この3種類を今日お持ちしているんですが、こういったサンプルと実際に当社のペレットをサンプルとして出荷しまして、お客様の方でつくれるかどうかというのをテストしていただき、OKということであれば容リ協会さんの方に取り引きの承認申請をし、承認を得てから出荷という運びになります。
 ちなみに、先ほどのダイソーさんの100円ショップに売りに出すためには、サンプルとして出荷し、最終的に容リ協会さんの承認を得るまで、ほぼ1年ぐらいかかっております。結構時間がかかるんですね。ということで、そういう経過をたどって、実際に出荷していると。塩素濃度につきましては、これはそのまま数字をラインは1号ライン、2号ラインということで、機械のラインの種類によって、それぞれの塩素の量の濃度をこういう形になっております。ごらんになって見ていただければわかりますように、それぞればらつきが結構出てまいります。ですけれども、こういったものを一応出荷し、利用していただいているという状況でございます。
 こういった製品をつくるために、入荷するベールの品質はどのような品質の物か。前々回にも申し上げましたように、材料リサイクルで残渣50%、50%といかにも50%すべてが有効に利用されていないようなダメージを与えるようなというか、マイナスの面だけ強調されるような、そういった面がありますので、あえてこういった形で分析し、ご報告させていただきます。
 サンプルとして採取しますのは、前工程で選別した後のほぼプラスチック成分で組成されております物を、包装破砕機というところで破砕した後の物を100としまして、それを乾燥し、乾燥後の重量、それとの差額が水分ということになるんですが、水分率、それからさらにそのサンプルを洗浄しまして乾燥して、洗浄乾燥後の重量をはかるということで、その差額としまして汚れ分の重量の比率が出てくるというようなことで、分析いたしました。
 Aランクは、容リ協会の品質検査でのAランクのベールの物です。Dはそういう見た目も余りよろしくない品質のベールでございます。水分率につきましては6%と10%、単純平均で8%、汚れ分につきましては、7.1と10.1ということで、単純平均で8.6%という比率になります。これら後、それぞれの工程ごとにおきます物質収支で計算上で使わせていただいているんですが、こういう比率になると。
 それと、破砕後の洗浄する前のベールの塩素濃度、それをはかりました。Aランクは1.2%、Dランクのベールは1.87%で、これの洗浄後の塩素濃度をはかりますと、Aランクでは0.77%、Dランクで1.32%で、汚れ分の塩素濃度はAランクであろうが、Dランクであろうが、汚れそのものに含まれますところの塩素分はほとんど変わりないという結果でございました。またベールに混入する容器包装以外のプラスチックの量を測定しまして、これらの物が混入することによりまして、最終的な残渣に与える影響はどの程度かという形で分析をいたしました結果、若干ではあるんですが、Aランクに今混入率が低いために、最終の残渣扱いになる重量物につきましての塩素濃度は、最後の1.25%、またDランクにつきましては3.09%と、それぞれ若干ではあるんですが、濃度が下がると。ですけれども、これを仮に手選で事前に除去した場合にはすべて除去した場合にはああいう形になるんですが、現在、私どもの工程ではこういった容器包装以外のプラスチックにつきましても、一々手で選別することなく、そのままラインに流している状況でございます。それによります最終的な残渣に与える影響度、それらについてこういった形で分析した結果、若干効果はあるものの、そう全体的に大きな効果はあらわれないんではないかなというふうに結論づけております。
 こういったベールの組成の物が、水分、汚れ分を含む物が工場の方へ流れてくると。実際の工程の中でそれではどういう工程で、そこでどういった内容の物が発生し、それがどういう残渣、量としてはどれぐらい比率を占めるかというのを、実際に先ほどの分析結果、また実際に工程ごとに発生する量につきまして、私どもでは一応重量は一々はからないんですが、フレコンという形で何個そこで発生したかということで毎日とらえておりますので、そういったやり方に基づいて物質収支をはじいております。
 まず、投入粗破砕ということで、ここで製造工程ということで、処理工程ではなくて、あえて製造というふうに出させていただいております。我々は一応こういった結果を経て、最終的な製品をつくる、こういった処理を製造そのものであるという考え方のもとに処理しておりますので、あえて製造工程という形で表現させていただいております。それの前処理部分であります。粗破砕を経まして、まず最初、ロールスクリーンということで、重量異物を除去いたします。ここで除去されるのが、ベールについております土砂ですとかこういったガラス片、金属、または木片ですとか、乾燥剤ですとか、ボールペン、こういった物がロールスクリーンで落とされて除去されます。
 また、その次の工程、磁選別コンベアで金属類を除去いたします。ここに入れておるんですが、中には本当にフライパンが入っておったりとかいうのもありますし、空き缶というのはざらにございます。大体1晩で1トンのバックが約1杯ぐらいにはなります。また、手選別の方でも当然流れてくるんですが、そういったところでガスライターですとか、そういうのも発生しております。
 それから4番目としまして、手選別コンベアで手袋ですとかマットでありますとか、容器包装以外のそういった繊維製品とかそういう物を除去いたします。投入100に対しまして、ロール選別で3ないし4%、手選で1.5ないし2.5%ということで、ざっと平均して次工程へ流れてまいりますのが、94.5%ぐらいというふうに見ておるんですが、このうち、先ほどの分析でありました水分率8%としますと、約7.5が水分が含まれていますよと。汚れ分につきましては約8が汚れ分ですよと。差し引きしまして、約79が実質のプラスチック素材で、これが再商品化の再生の対象になる重量であるというふうに、分析結果の方で私どもはとらえております。
 この79を細破砕機で破砕しまして、浮上選別で比重選別いたします。比重選別を経てさらに洗浄・脱水というのを繰り返しまして、汚れ分を落とします。浮上選別で落ちますのが、厚物のナイロンですとかPSとかペット素材、そういった物でございます。また業者先ほどの付着物ですとかアルミ箔とかの複合物もここで分離されます。
 ここで分離される物につきましては、当然水で洗うわけですからかなりの水分率になっているんですが、そういった物がここで除去されるということで、浮上選別、異物除去、洗浄、脱水で汚れ除去ということで、汚れ分については先ほどの8の部分がここでほぼ除去されると。実質のプラスチック成分の79のうち、実質上のプラスチック部分、ナイロン、PS、ペット、PVCとかそういった物が約14、ここで分離されるということで、次の工程へそれらが残った物が進みます。
 それで次のスラリータンクというところでプラスチックを脱水でぎゅっと固まっておりますので、解きほぐして、水にならさせて、次の遠心分離機にかけます。ここで除去されますのが、薄物のPVCとかペット成分とかそういった重量物がここで選別除去されます。その量が大体16ぐらいがここで除去されるということで、最終的に水分等を含んだプラスチック成分49という物が次の工程へ進みます。
 次に気流乾燥ということでここで水分を飛ばし、最終的なプラスチック素材を造粒工程で造粒し、最終製品のペレットという形で製品化いたします。ということで、プラスチック素材でありましては、79に対しまして49というペレット製品をつくるわけですが、私どもは実質的な再商品化率は62%あると。投入は確かに100に対して49%であるんですが、水分ですとかそういった本来入ってこないであろうと思われる非常にきちっと選別し、一回洗って出していただければ、そういった物はないという前提で考えれば、62%の収率の再商品化率が得られると。したがいまして、実質の残渣率は38%ということになりまして、この未利用資源として私どもはとらえ、これを何とかしたいというふうに、非常にもったいないというふうに考えております。
 かくして、このように製品化されたペレットは、最終的に今現在のところプラスチックの成形事業者の方、直接お取り引きをいただいている業者の方、9社、コンパウンド事業者としまして、このペレットとまた違うバージンペレットとか、お客様のオーダーに応じて混合し、出荷されるそういう事業者の方、約7社でございますが、それらの先に私どものペレットを利用していただいている成形業者の方が現在のところ32社ございます。ということで、最終的な利用事業者の方は、41社というふうに現在のところとらえております。
 現在のところの技術的な取り組みと課題ということで説明させていただきます。私どもはやはり国民の皆様が出されたそういった容器包装のプラスチックが再資源化ということは、本当にそのままプラスチックの商品となって、皆様に届けられるそういった製品の品質の物を何とかしてつくりたいということで、ずっと一貫して取り組んでまいりました。今現在の状況でございますが、県の工業技術センター様の方が私どものペレット、本日お配りしておりますこの袋は、55%のリサイクルのPP・PE混合ペレットを混入してつくった物ですが、これでも東京都のこの品質の規格はパスした品質の物でございます。これをさらに混合比率を上げて、70%の混合したゴミ袋を成形したいということで、コンパウンドの技術を工業技術センターの方で今現在取り組んでおられます。
 そこに向けまして、私どももこの袋成形に適した再生ペレットを、どのような工程でどのような工夫をして提供をすればいいかということで、工場の方で日夜取り組んでまいりました。今現在、実証段階にございまして、製品としてはサンプルとしてはほぼできるということで、あとは製造コストを今現在調整中と。ほぼ、これは私の思いではあるんですが、実際の卸価格というか、市町村さんへの卸価格というか、購入価格をお聞きしますと、ほぼいけるんではないかなと。そこまでの材料費というか、落とした段階でできるんではないかというふうに見通しは思っているんですが、今そういう状況にございます。という技術的にはそういった意味合いを含めまして、代表的な品質向上としましては、そういった取り組みをしていると。
 もう一方の先ほど38%と言いましたが、全体でいえば約30%部分の残渣でございます。この有効利用の最大の障害は何と言いましても、私どもは塩素濃度であるというふうに考えております。下に入れておりますように、サーマルリサイクルで受け入れ基準、あちこちのセメントの事業者の方、またRPFの事業者の方、いろいろご相談申し上げ、サンプルを送ってテストをしていただきましたが、いずれも全く不可でございます。はしにも棒にもかからないというくらい塩素濃度が高いということです。セメントの原燃料につきましては、0.1%から高くても0.2、0.3までですよと。セメントのほかの燃料を使用することでの薄めての上限値は0.035%がセメントの基準ですよと。RPFにつきましては、最終的なRPFの製品が0.3%であると。プラスチックで受け入れられるのは廃プラ、容リプラで浮いているのは0.6%ぐらい、そういった塩素濃度ではないと受け入れられませんと。それに下げようと思えばほかの物を混入し、さらに薄めるしかないという状況でございます。
 まず、冒頭の入荷ベールの品質分析を申し上げましたが、仮に事前に非常に塩素濃度の高い物が含まれております容器包装以外のそういったプラスチックをすべて除去し、残渣にというか、その38%部分に含まれないような措置をとったにしても、まだかなりの高濃度の塩素になるということで、脱塩処理が必要になってくるというふうに、どうしてもそういった措置をとらないといけないであろうということで、今現在、油化を検討したりとか、脱塩処理によりまして、固形燃料化の検討をしたりとか、また塩素ガス発生抑制剤入りペレットというのを研究しまして、きょうこの右側に座っておるんですが、彼が特許出願も現在しておるんですが、そういった製品もつくっております。ですけれども、そういった製品につきましては、用途がまだ確定というか、見つかっていないという状況で、製品化の研究を現在ずっと重ねているという状況でございます。
 こういったことをやることにつきまして、対策を打とうと思いましての課題としましては、技術研究開発、また設備投資にかかるそういった莫大な投資をしなければいけないということで、コストアップが避けられないという状況に。

○郡嶌座長 すみません。ちょっと時間を縮めてください。大分オーバーしておりますので。

○濱委員 わかりました。ということで、現状はガス化溶融炉によりまして熱回収を図るのが精一杯であると。ただし、こういう残渣につきましては、非常に水分を含んでおります。焼却コストは非常に大きいという状況でございます。
 そこで、要望事項でございますが、分別基準適合物の品質を向上していただきたいと。わかりやすいプラマークの表示と、容リプラ分別の徹底ということで、中身は冒頭写真の方で例示しましたようなそういった容器包装以外の物、またプラの混入防止と、また塩素系のラップを分離していただけたらよくなると、また材料リサイクルの適合等のマークをつけることによりまして、そういった物の混入が防止され、そういった物だけが収集されれば、私ども材料リサイクルにとっては理想的であろうというふうに考えています。
 また容リプラの指定袋を現在いろいろな物が再利用されているんですが、透明ないし半透明にしていただきたいと。危険物のほとんどは二重袋で入ってきております。未破袋の袋なんです。その中で非常に多いのがガスライターですとか、注射針とか、ガラス瓶だとかそういった物が入っております。そういったものは破砕機にそのままかけますと、刃物をすぐ損傷いたしますので、手選別でできるだけ除去しなければならないということで、ここでは混入が多いガスライターの処理の実態について記載しております。そのままガスライターにつきましては、どこの焼却施設も受け入れてくれません。ということで、事前にガス抜きをしてプラスチックについては焼却、金属部分については資源化ということで、産廃処理をしております。
 また、磁選機で落ちてきます金属部分に絡まっておりますプラスチックにつきましても、こういった作業をすると、こういったところを見学者の方に実際に見ていただき、本当にもったいないと。また自分らの行動を改めてもらうそういうきっかけになればというふうに考え、取り組んでおります。また分別・排出段階で付着物を除去して、洗ってきれいに出していただきますと、廃水処理コストの低減も図られる、コストの削減もまだ可能であるということでございます。
 次に、複数年契約できましたら、前回のときも申し上げましたがベール品質がずっと安定した、組成の安定した、そういった物が入ってくることによりまして、ペレットの組成も安定が図られるのではないか。また再生ペレットの安定供給を通じまして、利用事業者の技術開発の研究がさらに一層進むんではなかろうかというふうに考えております。
 また、グリーン購入法等の積極的活用をぜひお願いしたいと。特に分別収集の容リプラの収集につきましては、現在ほとんどのところがバージンプラのそういった物でつくられた袋を採用されております。こういった分別収集につきましては、ぜひともこのような再生ペレットを利用したそういう袋を採用していただきたいと。どうせ燃やされてしまう物をバージンを使うのはもったいないではないですか。ということでぜひこれを指定していただきたいということを強く訴えたいと思います。
 次に再商品化手法の検討、LCA評価につきましては、直接的なそれぞれの二酸化炭素の発生量とかそういうのを測定するだけではなくて、間接効果についても評価を積極的に行っていただきたい。私ども一般消費者が廃棄したプラスチックが、再び消費者のもとにプラスチック製品として届くという、こういったことを通じまして、環境への皆さんの意識が喚起され、ひいては石油製品のうち、約6%ぐらいと言われておりますプラスチック製品のうち、私どもが手がけております材料リサイクルによる再生するプラスチック部分には、ほんのわずかではございますが、それでもそういった物を消費者のもとへ届けることによって、環境、家計関連の
CO2の抑制へのそういった効果もあるんではなかろうか。これをあるようにするのが、容器包装リサイクル法の法としてのやっぱり目的として位置づけられるんではないかなというふうに考えております。
 また、プラスチックの容器包装のうち、約6割が新たなそういった製品で、長期使用されるということで、バージン原料の削減も図れると。何も世の中のプラスチックというのはバージン材料でつくらなければいけないと。そういった製品ばかりではないんです。どうしてもつくるといったら異物がまじります。色がつきます。透明な物はつくりにくいというのは現実でございます。しかしながらそういった物であっても、十分プラスチックとしての機能を発揮する、そういう製品は世の中にまだまだたくさんございます。ということで、そういう面を積極的に評価していただきたいというのをあえて申し上げたいと思います。特に排出するのは国民、素人でございます。素人が理解できるようなそういった形で公平な公正な評価をぜひともお願いしたいということを訴えます。
 終わりに法の趣旨を踏まえ、私どものような材料リサイクルの混合を継続して、こういった製品を世の中に届けることが継続してできますように、優先の維持をぜひともお願いしたいと。どうしてもここに書いておりますように高コストでございます。高コスト構造というのはどうすることもできないんです。今現在。産廃の処理費がかなりかかります。廃水の適正処理がどうしても必要となります。我々材料リサイクルの業者はほとんど中小企業でございます。資金調達は間接金融に頼らざるを得ず、金利負担も大きいし、またそれの返済期限という問題もありますので、そういったコストがかかると。またやっぱり高リスクでございます。冒頭申し上げましたように、落札量に対して、入荷量の乖離が実際どれだけになるかわからないと。また入ってくるベールの品質によりまして、非常に収率に大きく左右されます。実際にこの17年度もある市町村の特定のところだけの収率を計算しますと、三十数%の収率しか上がりませんでした。全体では50%近く、四十数%の収率でございましたが、ご承知のように50%製品化されたものとみなして、委託料が協会さんの方からいただけるということで、三十数%であれば仮にトン10万円で落札したとしましても、かなりの量というか、金額はカットされます。そういった意味で非常にリスクが大きい、そういう状況にあるということでございます。
 そういったことを踏まえ、解決方法を最近の状況としましては、このたびの容器包装リサイクル法の改正の中で取り上げられました市町村への拠出金制度というのが創設されました。これによって、若干でもベール品質がよくなればというのを期待しております。また、このような状況でございますので、責任ある市町村には責任ある見込み量の算定をお願いしたいと。また、できましたら複数年契約というのをぜひとも図っていただきたいと。私どもはそういったある程度長期の契約ができますと、そういった意味合いで長期的な事業計画は立てやすいということでございます。
 利用製品につきましても、先ほど申し上げましたように、各種いろいろな一般用に向けても。

○郡嶌座長 すみません。時間を守ってください。2人分の報告になっておりまして、40分を超えております。

○濱委員 わかりました。こういう状況なんです。
 ということで、ぜひこういった意味合いで実現するための検討をお願いしたいというふうに考えております。
 最近の再商品化製品の利用事業者の動向につきましても、本当に徐々に再生ペレットに関心を向けられてきております。ということで、やはり何といいましても利用事業者のメリットとしましては、原材料の低減でございます。という意味合いで、数多くのところがまだまだ今後取り組もうとしております。そういったところに材料を継続的に提供できるような、そういう仕組みをぜひ考えていただきたいと。循環型社会形成推進基本計画に目標とされております循環ビジネス市場・雇用規模の拡大も徐々にあらわれてきているというふうに考えておりますので、ぜひともこういった意味でご支援をいただきたいというふうに思います。
 非常に時間をオーバーしまして、申しわけございませんでした。以上でございます。

○郡嶌座長 大幅に時間が、タイムキープがちょっとできなくなってきているんですけれども、ご質問ございましたら。そうしたら岩倉委員から。
 手短にお願いしたいと思います。

○岩倉委員 いろいろ伺いたいんですが、時間がないようですので、2点だけ。
 できたペレットは、ご説明いただいたように、1つはプラスチックの製品の成形事業者、それからもう一方はコンパウンド事業者に供給すると、こうなってご説明ありました。福井環境さんではペレットが大体キロ20円ぐらいというお話がありましたし、飯山さんではフラフ、フレークがキロ1円から2円ということでありましたけれども、広島リサイクルさんの場合には、利用事業者にお幾らぐらいで大体お渡しということになっているのかということが1点と、それからもう一つは、分別基準適合物の品質向上のお話がありました。その中で材料リサイクルに適するマーク等があれば品質が向上するんではないかというご指摘があったと思いますが、具体的にはどういうようなことをすれば、品質向上につながって皆さんのところでより利用しやすくなるであろうかという、具体的なお考えがあったら教えていただきたい。以上2点であります。

○郡嶌座長 そうしたら、崎田委員お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。今この最後のページなんですけれども、右上の残渣問題の解決のところの最初の矢印に、再商品化が可能なケミカル事業者の複合的協力体制というふうに書いてあります。これについて1つ確認をさせていただきたいんですが、前回、ケミカルの事業者さんに私はこういう可能性はないかという質問をさせていただきました。今後、やはり若干コストはかかるかもしれないんですが、やはりきちんと資源化していただくという意味では、例えば材料さんとケミカルさんがきちんと連携して規格を出せるようなそういう形になればいいなと思っておりますが、一言コメントをいただければありがたいということ。
 もう一点、自治体から集まってくる物がもっときれいになればという最初にいろいろご意見がありました。私も消費者として、それをきちんと協力していくというのは大事だと思うんですが、そのときに今までの検討で1つだけ出ていない視点があるなと思うのは、今この容リ法は例えば地域でいろいろ市町村が集めたりしても、すぐ近くのところで再商品化をしているわけではなかったり、入札でいろいろな遠くに行ったりとかありますので、私はもしかしたら少し地域の視点で自治体の収集運搬と、再商品化施設が少し近い地域の中で、一緒になって連携協働で普及啓発するような、そういうこともあるんではないかということをちょっと考えております。そんなことの可能性はどういうふうにお考えか、ちょっと意見を伺いたいと、よろしくお願いいたします。

○郡嶌座長 そうしたら、辰巳委員お願いします。

○辰巳委員 質問というよりかは、私自身が時間が非常に限られた中で参加しておりまして、4時半には帰りたいのに、次の人の意見がちっとも聞けなくなってしまうのが非常に不愉快に感じました。だからぜひ事前に20分と決められたら、20分の練習をしてから来てください。お願いします。

○服部委員 高コストの構造の理由の中に、残渣の処理というのがありましたけれども、福井環境さんの方ではRPF処理を、残渣を処理をしているということで、そちらの広島リサイクルセンターさんの方では塩ビの含有率が障害になって、RPFの処理ができないということ、このあたりちょっと違うので、教えていただきたいと思います。
 それから先ほど早川委員からもありましたけれども、Aランク、あるいはDランクのベールの質の差ですよね。こういうことは、自治体の方に多分資源化業者さんの方から直接フィードバックして改善を促せというのは、ちょっと無理な話なのかなと思うんですが、こういったことについて、これから改善をするために事業者さんの方としてはどのようなふうにしたらいいのかと、もし要望があれば教えていただきたいと思います。

○郡嶌座長 そうしたらすみません。お三方というふうに考えていいと思います。お一人はご意見ですので、手短にお願いします。

○濱委員 売却費なんですが、言いにくいんですが20円から30円で売却しております。材料リサイクルマーク、適したマークといいますのは、私どもにとって適さない残渣となる物というのは、塩ビの入ったそういった容器包装、また複合素材、アルミ箔の張りつけてあるものとかそういった物は異物として処理されるという物に該当しますので、特に塩ビの入った物につきましては、後の残渣処理に非常に困るということで、これは何とか排除していただきたいということでございます。
 ケミカルの連携につきましては、私どもはぜひともそういうふうになっていただきたいと。前回、ケミカルのガス化、油化及びコークス炉、3者、塩ビが入っていても問題ないというふうに言われましたので、それを前提に何とかそういった手法をとれないものか、私どもで事前に処理というかできる部分については協力もするし、そういった意味合いで有効利用と、二酸化炭素排出抑制という観点から、ぜひともできることは私どもも進めていきたいというふうに考えております。ということで挙げさせていただいております。
 それと、近場につきましては、今年度の落札結果の状況を見てみないとあれなんですが、最近の状況を見ますと、割りと近いところに集約されて、そういった形で収束していきつつあるかなというふうな印象を持っておりますが、このような状況というか、実際寡頭競争の状況にもう入っております。もうどうにもならないという状況にあるということをご理解いただきたいと思います。
 RPFにつきましては、私どもの方ではそういった意味合いで残渣の塩素濃度が非常に高いということで、どうしようもできないという状況にあるということだけで、あとはいろいろな物を入れて、何倍か何十倍かに薄めて利用しようというのが、そういった方向しかないかなというふうに考えております。
 AとDランクの現状に対しましては、Dランクのところは特に医療系の注射針ですとか、そういったものの混入が多いところ、また先ほど申しましたが、再商品化率三十数%しかいかないようなそういった市町村さんに対しましては、再々に渡りましてお願いという形でしております。ですけれども、実際ルールとしましては、あくまでも委託は容リ協会と私どもの委託関係であって、市町村との直接の委託関係はないというようなことから、こういった物が入っておりますよというような情報提供という形になっております。そういう意味合いからいいますと、そこの住民の方を通じてやる方向が一番望ましいかなというふうには、私どもは考えております。
 以上でございます。

○郡嶌座長 ありがとうございました。私のタイムキープがまずくて、恐らく4時半までで、その後委員の方で何人か退席されるとは思いますけれども、できるだけご協力をお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。あと10分ほどですけれども、20分いただいて10分というあれですので、ちょっと延長させていただきますけれども、委員の皆さん方の中で、その後のご約束があるような方は退席されても構いませんので、よろしくお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
 続きまして、八木委員から資料5の明円工業株式会社資料に基づきまして、ご説明の方をよろしくお願いしたいと思います。できるだけご協力いただけたらと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○八木委員 ただいまご紹介いただきました明円工業株式会社の八木と申します。時間が大分押しているようなので手短に説明させていただきます。

○郡嶌座長 20分あれば大丈夫ですね。

○八木委員 極力質問を多くお受けしたいなということでいきます。
 明円工業株式会社の概要なんですけれども、本社は北海道の歌志内市というところにございまして、創立が大正8年の非常に古い会社で、石炭の採掘販売をずっとやっておる会社で、今も炭鉱の方はやっているんですけれども、苫小牧工場の方にその他プラのリサイクル工場はございます。こちらは平成14年に全くの新規事業ということで、事業を開始しております。年次の落札量の推移なんですけれども、この赤いラインが当社の、その年の落札単価にもよるんですけれども、おおよその損益分岐点になります。ですからトータルすると、必ずしも思うように利益が出ていないという状況の中で、何とか耐えながら頑張っていると、そのような状況になっております。
 当社は最大の特徴は、できる限り樹脂別のペレットをつくると、品質のいい物をつくりたいということでやっておりまして、全部で7種類ございます。最初の6種類は完全に単体樹脂で分かれたペレットで、あとどうしてもやっぱり分け切れない物が混合ペレットということで、この7種類の製品を製造しております。
 このペレットからお客さんの方に販売しまして、お客さんのプラスチック成形工場の方でこのようなリサイクル商品になっております。このパイプとか育苗箱、断熱材、パイプソケット、カーペットですが、こちらはその単一素材からつくった物で、厚みにして1ミリもないぐらいの精度の高い部品ができております。ですから容リプラといえど、材料そのものは十分使えます。こちらPE・PP混合の方は、どうしても肉厚製品になって、ブロック、コンクリートの代替品なんですけれども、このような物を販売しております。
 当社の処理工程なんですけれども、まずベールを投入しまして、やはり最大の特徴がこの手選別による選別です。ここで種類ごとに樹脂に分けます。その後、破砕から洗浄ペレットの方に入るんですけれども、こちらは特に工夫はない、ほかの他社さんと同じようなラインになります。選別し切れなかった残渣は、前回のプレゼンテーションにもありましたけれども、札幌プラスチックリサイクルさんの方に油化利用ということでやっておりました。
 それで、苫小牧工場の物質収支なんですけれども、操業当初平成14年はやはり一生懸命いい樹脂をつくろうと意気込んでやっておりまして、人員も相当大量に動員してベールを100としたときに、30%ぐらいの樹脂ごとに分かれたペレットをつくっております。やはりとり切れなくて、混合ペレット10%ぐらいはつくっておりました。プラ残渣に関しては、苫小牧にすぐ近くに発電の工場がありまして、当時はその発電の施設の方に流しておりました。
 現在は、だんだんその落札単価も下がってきた関係もありまして、なかなか人手がかけられないという状況の中で、樹脂別ペレットは10%ぐらいに収率としては落ちている。その結果、混合ペレットの方が40%ぐらいにふえております。残渣の方は油化利用しております。
 今後なんですけれども、今までずっと人手でやっていた樹脂別選別を自動化をしようということで、何度もテストを繰り返して、ある程度いけるだろうというところまできておりまして、今後はその自動化によって、樹脂別ペレットを大幅にふやしたいと、当初の理想どおりやっていきたいということで計画しております。
 こちらは、苫小牧工場の環境負荷分析で、平成17年の工場の電気使用量からどれぐらいのエネルギーを使っているかという数字をペレット1キロ当たりの熱量ということで換算して数字を出しました。苫小牧工場だけだと、ライフサイクルとは言えないんですね。家庭で水で洗って、その後パッカー車で収集して選別センターで圧縮梱包してと、すべてを一応そのペレット1キロ製造当たりのエネルギーということで、トータルして数字を出してみました。その結果が4,412.4キロカロリーということですね。これぐらいのエネルギーを省いております。平成17年は残渣については発電工場に出していましたので、こちらの電力は北海道電力さんに売電されているんですけれども、うちもその北電さんと契約しておりますので、ここの発電の部分が苫小牧工場で使われたと、そういう仮定で考えますと、差し引き2,706.9キロカロリーのエネルギーがかかりましたと、そういう数字になります。この数字がどのような意味かということなんですけれども、このAの部分がバージン樹脂を新規に採取して製造した場合にかかるエネルギーです。これが1万5,521.5キロカロリーということで、それと比較すると、大体当社の実績値で4分の1ぐらいの数字になります。発電した部分を含めると、6分の1ぐらいのエネルギーで済みます。やはりリサイクルすることによって、その使用エネルギーは相当減るということは、実際にわかりました。
 それから2番目の材料リサイクルの技術と展望ということで、こちらはこの再商品化手法検討会を進めるに当たって、必要な情報ではないかと勝手ながら私の方で考えた物を載せさせていただいております。
 まず、その他プラスチックの組成なんですけれども、単純にPEといってもやっぱり高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンとか、あるいは直鎖状低密度ポリエチレンとか、あと複合素材があって、やっぱりいろいろな物があるんですね。ある議論では市町村の収集の段階、分別収集の段階で分けるというお話もあると思うんですけれども、現場でやっぱり毎日選別している者ですら混乱するんで、家庭でやるのは非常にやっぱり難しいのかなと。あと、コストも収集回数がふえますので、収集エネルギーも当然増大しますし、分別そのものも難しいのかなと。それからあとPSトレーだけが材料リサイクルに適しているというような発言も幾つか記憶しておるんですけれども、決してそうではなくて、こういう単体HDPE単体とかあるいはPP単体もかなりの量がありますので、これをもう材料リサイクルには適さないといきなり結論づけてしまうのはちょっとどうかなと。ですから、複合素材が多いにしても、かなりの量が使える物ばかりであるという数字になります。
 マテリアルリサイクルの質を高めるためにはということで、やはり各段階でそれぞれの業者とか市町村が協力していただいて、いいリサイクルというのはできると思うんですけれども、市町村・消費者ベール品質改善ということで、これは協会さんを初め、既にいろいろ努力されているところだと思います。それから再商品化事業者、我々事業者においてもやっぱり選別技術をもうちょっと改良したり、コストを下げると。それから製品の汎用性を上昇するという、こういう努力はやっぱり必要だと思うんですね。その他やっぱり特定事業者の方にもある程度協力していただきたいなというのは、私の考えでありまして、やはり複合素材を極力控えていただきたい。こういう話をすると、ガスバリア性があってどうしてもやむを得ないんだという批判をいただくんですけれども、現場で毎日見ていると、本当にそうなんだろうかとやっぱり思うんですね。
 例えばお米の袋とかでも、ポリエチレン単体の物もあれば、ポリアミドが張った物もあれば、はたまたそのポリエチレンにペットが張ってある物とか、片や単体でやっている製品があるので、ほかの複合の物は一体どういうことなんだろうかという疑問をいつも感じております。それから仮に品質上、どうしても複合ではないとだめなんだということも、恐らくあると思うんですけれども、そういう場合でも成形するときにやっぱり融点が大きく違うと、メッシュに引っかかったり、かなり技術的な不具合が出てきますので、融点の近い物とか分子構造の近い物というのを複合であっても選んでいただければ、材料リサイクルの品質はかなり上昇すると思います。
 それから容器とふた、フィルムは同じ素材にすると。例えば豆腐の容器とかでも容器の部分はトレーの部分はPPで、フィルムがPSだったりするんですけれども、それを例えば容器はPPでフィルムもPPにしてもらえば、それだけでも純度のいいPPになりますので、そういう工夫というのはやっぱり必要になってくるのかなと。今までこれについて号令をかける人は多分だれもいなくて、リサイクル業者の方で何とかするということになっていたと思うんですけれども、やはり本当にその質を高めようとするんであれば、それなりに協力いただきたいという趣旨でございます。
 こちらは選別コストと製品価格の概念図ということで、現在、平成18年でこの緑のラインが製品価格ですね。総コストが赤い部分で、オレンジの部分は選別コストになります。製品価格は現在指摘されているとおり、余り高くない状況になっておりますけれども、今どんどんやっぱり製品価格というのは上がっている傾向にあります。その一方で選別コストというのは、選別の自動化とか、技術がかなり進んできていますので、急激に下がっている状況になっております。これをずっと進めると、選別コストよりも製品価格の方が上回る状況というのは、恐らく今後出てくるだろうと思います。こうなれば、分けて回収した方が製品価格が高いんで、利益になるということで、このポイントを超えれば収率とかリサイクルというのは一気に進むだろうというふうに予測しております。さらに進むと、総コストよりも製品価格の方が高くなる状況というのはあり得ると。こうなると、現在のペットボトルと同じように、有価で取り引きする領域というのは出てくるだろうと思います。
 今現在ではこんな状況なので、本当にこうなるのという話なんですけれども、実際その複合素材におけるリサイクルしやすい素材、協力いただいたり、あるいは選別技術の向上が進めれば、確実にこういう傾向はありますので、将来的にはこういう状況というのは十分可能性はあると私は考えております。
 それから、材料リサイクルということで、ナフサに分解してモノマー化してもう一回再合成したらどうかという話もありましたが、それについてちょっと一言申し上げたいと思います。これは材料リサイクル的な立場なんですけれども、材料リサイクルは融解ということで、これは分子と分子を離すだけですから、冷やせばまた元のプラスチックに戻ります。熱分解は炭素と炭素の鎖を一回切ってしまうわけですから、これを冷やしても油にしかならない。切るのにもやはり大きなエネルギーがかかるわけですね。こちらは分子と分子の距離を広げるだけですから、そんなにエネルギーはかからない。これをグラフにあらわした図なんですけれども、材料リサイクルは大体200度ぐらいで溶融しますので、100カロリーですね。グラム当たりこれぐらいのエネルギーです。一方、油化さんであれば350度から400度というお話がありましたので、大体この300カロリーぐらいで、1,200度になればもっととんでもないエネルギーがかかる。それで分解しておいて、さらにもう一回樹脂合成になりますと、さらにエネルギーがかかるわけですから、何もそこまでしないでも材料リサイクルでやっぱり少ないエネルギーでやるというのはやっぱり基本ではないかというふうに思います。
 それから3番目として、NPO法人プラスチックマテリアルリサイクル推進協議会からの要望ということで、こちらは当社も加盟しておりまして、材料リサイクル業者21社で構成する団体になります。
 主張としては3ポイントありまして、環境負荷分析において現場の取り組みを正確に反映したLCA評価を実施していただきたい。2番目に、再商品化が効率的に実施されるため、手法間における優先順位づけは必要であり、材料リサイクル優先を継続していただきたい。3番目は、安定した持続可能な事業としていくため、中長期的な事業方針を明確にしていただきたい。やはりこれは設備増資する上では、来年は材料リサイクル優先がどうかわからないという状況の中で、なかなか設備投資しにくいということがあるんですね。中長期的な方針を明確にしていただきたいということがあります。LCA評価について、もうちょっと詳しくお話しいたしますと、材料リサイクルの場合は、製品が市場に残るわけですから、これをもう一回別な用途に使うことができる。毎回材料リサイクルすることもできるし、熱量として回収することもできる。これをぜひ含めていただきたい。
 それから、残渣の有効利用ということです。やっぱり多くの事業者は、残渣もRPFもしくはサーマルリサイクルのところで、熱利用をされておりまして、これは当協議会でアンケートをとった結果は後でご説明したいと思います。それから再商品化にかかる費用対効果ということで、先ほど説明したように品質向上はかなり進んでおりますので、将来的にはかなり総コストが下がって、製品売価が上がるという状況は十分考えられますので、その辺の将来的な付加価値を加味して議論をしていただきたいという形になります。
 こちらは各手法のリサイクル効果ということで、材料リサイクル50%残渣ですねとよくやっぱり指摘されるんですけれども、実際にではどのように使われているかというのを各手法ごとに、これはマテリアル協議会独自の調査の数字なんですけれども、材料リサイクルは50%材料として使うと。残りの35%はRPFとかサーマルリサイクルで使っていると。ほかの手法も実は燃料として使っている部分がかなりあって、ケミカルであれば収率が高くて材料リサイクルは低いから優先を外しましょうというのは、実際の内訳で見ると必ずしもそういうことは言えないということをあらわしているグラフになってございます。
 それからその優先順位の必要性なんですけれども、これはやはり手法ごとによって標準コストが異なりますので、同じ土俵で闘ってしまったら、現段階では材料リサイクルはまずやっぱり勝てない状態にあると思います。そういった中で、必ずしもそのコストだけではなくて、資源の枯渇の面で、繰り返しやはり材料として使える物を、制度的に優先にしていただきたいというのが主張になります。
 それから、いたずらに材料リサイクル優先だというつもりはやっぱりなくて、それなりにちゃんと世の中に貢献しているリサイクルを認めてくださいということで、これは自分自身の戒めでもあるとは思うんですけれども、やはりそういう質の高い物、業者を選定していただいて、ちゃんと質のいいリサイクルにしていきたいということになります。
 これは、参考で先ほどの残渣の有効利用ということで、会員21社のうち、17社が回答しまして、単純焼却だけですよというのが5%です。ほかは燃料として有効利用をしていますという統計になります。
 それからこちらも参考なんですけれども、先ほどから盛んに言われています環境教育については、1事業者当たり年間平均で223人受け入れています。それから雇用で見ると、もっと大きな数字になりまして、1社当たり大体62人使って、全事業者が3,000人ぐらいの雇用を創出しているので、コスト的に見ればもちろん高いということになるんですけれども、材料リサイクルのこういう世の中の貢献もありますよと。これは参考までのお話しなんですけれども、申し上げておきます。
 以上になります。どうもありがとうございました。

○郡嶌座長 どうもありがとうございました。
 それではただいまの八木委員からのご説明に対しまして、ご質問等がございましたら、よろしくお願いしたいと思います。崎田委員お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。今、大変数値を出して分析していただきましてありがとうございます。1点だけ、22ページの最後のところに、再商品化事業者のランクづけを行い、質の高いリサイクルを実現している事業者を選定することが望ましいというふうに書いてくださいました。後々、やはり私はこの辺の質をどういうふうに評価していくのかというのが大変重要なポイントなんだというふうに思っています。それに関してもう少し説明していただくのと、もし可能であれば現在、そちらの分析などでやっていて、ちょっと質がまずいんではないかと懸念されるような事業者というのは、何割ぐらいいるのかというのを教えていただきたいです。

○八木委員 どういう事業者を優先的にするかということについては、やはりLCA的な評価を基準にしていくしかないのかなと。バージン樹脂の代替になれば、先ほど出たように、4分の1ぐらいで、残渣を利用すれば6分の1ぐらいになりますけれども、プラスチックの代替が必ずしもいいのかというと、そういうことでもなくて、コンクリートの代替品でもコンクリートだったら1回割れてもうすぐ捨ててしまうというのに対し、五、六回繰り返し使える用途とかあったりして、必ずしもプラスチックにこだわることもないのかなと。ただし、それもLCA的な評価をして、最終的に効果の低い物をということを選んでいく必要があるのかなと思います。
 それから、質の悪い業者が何割ぐらいあるのかということに関しては、非常にお答えしにくいところはあるんですけれども、全部の事業者を見ているわけではないんで、何とも申し上げられないところです。申しわけないです。

○郡嶌座長 ありがとうございます。そうしたら、LCA関係だろうと思いますけれども、森口委員お願いいたします。

○森口委員 LCA関係、ちょっと二、三、なるべく手短にお尋ねしたいと思うんですけれども、最後の中でマテリアルの場合にはそれほどエネルギーはかからない、グラム当たり100カロリー、つまりキロ当たりだと100キロカロリーというようなグラフをお示しになっていたんですが、一方では9ページのスライドですと、再商品化にキログラム当たり300キロカロリーぐらいかかっているということですね。大体、プラが持っている熱量の30%ぐらいかかっているような計算になっているんですが、その再商品化事業者さん、マテリアルの事業者さん、幾つか私見せていただいた感じでは、ややこれは高めの数字のように思えるので、何か特に御社の方でこういうところにやっぱりエネルギーがかかっていると、その高品質の物を生み出すためにこういうことがかかっているというもしご事情があれば、教えていただければなというのが1点です。
 それからもう一点は、LCAに関する要望的なところの中で、繰り返し使えるということに関しては、実はもし樹脂を代替しているのであれば、いずれにしても代替した樹脂もまた繰り返し使われるわけなので、それはLCA的には実は考慮済みだというんで、我々は考えているんですけれども、それ以外に何か現場の取り組みを正確に反映したというふうにお書きになっていますけれども、この現場の取り組みの中で、特にLCAでこういうところを反映してほしいという、何か繰り返し使えるということ以外に、何か具体的なことがございましたら、お聞かせいただければと思います。

○八木委員 まず、エネルギーについては、苫小牧工場はやはりちょっと無駄の多い工場というのは、自分で認識しておりまして、というのは樹脂ごとに7種類も分けておるわけですけれども、ラインが1ラインしかないんですね。ですから、きょうは発泡トレーをやって、あしたはレジ袋やって、あさってはボトルをやるとか、材料がえをしてやっておるんで、その都度掃除したり何なり、機械をとめたりして、やはりコストがかかっている、エネルギーかかっている工場になっていると思います。
 それから乾燥も全部電気でやっているんですね。洗浄した後の材料というのはぬれていますんで、それを乾燥させなければいけないんですけれども、これすべて電気でやっているんで、当然電気をつくるのにもエネルギーがあって、そこから40%ぐらいの割合で電気になって、それをさらに空気を暖めて乾燥させるわけですから、それを直だきにしてダイレクトに燃やしたらかなり下がるということも考えておりますけれども、やはりいろいろなところに初めてやった事業というのもあるんですけれども、無駄が多いと思います。これは今後どんどん改良していきたい点ではございます。
 それから、考慮していただきたい点は、やはり残渣の部分ですね。繰り返し使える部分もそうなんですけれども、残渣部分もちゃんと熱として利用されているということを考慮していただきたいと思います。
 以上です。

○郡嶌座長 そうしたら林委員お願いします。

○林委員 意見というよりもコメントなんですけれども、18ページのところで協議会さんの主張内容というところで、現場の取り組みを正確に反映したLCA評価を実施していただきたいということで、これは私どもも前回申し上げたことと同じでございますが、そういう点で21ページのところで各手法のリサイクル効果というのが図示されております。それから20ページにはその数字が出ておりますけれども、そこの中で、高炉還元というところで、還元剤45%、燃料30%、残渣25%、残渣等と書いてございますけれども、ここにつきましては私どもが理解しているということとは異なっていると。先ほど協議会さんの方でご検討された結果ということでございますけれども、別にLCAにつきましてはいろいろな手法がございます。またバウンダリーコンディションのとり方によって、いろいろな評価があるというのは私どももよく存じ上げておりますけれども、いずれにしてもこの委員会にはこのLCA分野で大変ご造詣の深い委員の方もいらっしゃるんで、ぜひ客観的に皆様が納得いくところの評価というのを私どももぜひ期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

○郡嶌座長 服部委員。

○服部委員 複合素材について、いろいろご説明がありました。特に特定事業者さんへの問題提起ということで、私も同意見なんですが、この点をどうやって改善していくかということです。その前のお話で、例えばPP・PEとかPS、こういった材料リサイクルに向いている素材を市町村レベルで分けていくというのは、かなり困難ではないかというご発言がありました。ただ一点、特定事業者さんが単一素材あるいは融点の近い素材、あるいは分子構造の近い素材に自発的に変えてくれればいいんですけれども、むしろ今の商品開発の流れからいくと、逆行しているような気がするんですね。私はこの点に関しては委託単価を上げるべきだという発言をしてきたんですけれども、これが法改正の中では入れられなかったので、今とり得るべき手段として、私はマテリアルに向いている素材は何かのマークをつけた方が、複合素材の問題というのは、ある程度改良されていくのかと思いますが、その点についてお答えください。

○八木委員 例えばポリエチレンに1番、ポリプロピレンに2番と数字にして、使えない物は例えばアザーにして、マークをつけて家庭の段階で分別したらどうかということなんですけれども、例えば同じ食品の同じ用途で使われている食品の袋でも、こっちは1番で、こっちは2番というのが現状なんですね。そういうことを消費者の方で混乱しないかどうかというのがまず大きく気にするところになります。ですから、ある程度この商品であればこの素材ということを、特定事業者の方でやっていただいた段階でないと難しいのかなと、私自身はそういうふうに考えております。

○郡嶌座長 どうも八木委員、ありがとうございました。
 時間が大幅に過ぎておりますけれども、金子委員あったんですね。ごめんなさい。

○金子委員 今の複合素材の。

○郡嶌座長 そうしたらちょっとごめんなさい。そうしたら金子委員、ご意見ですか、ご質問ですか。

○金子委員 意見の方でございます。複合素材につきまして、今お話しありましたんですけれども、私どもも以前からいろいろ言っておりますのは、やはり複合素材を使う理由ですね。いわゆる機能性のところに関しては、これを明確に説明しながら、やはりリデュースの効果と、それからリサイクルをどうするかという話を結びつけて考えていくのが筋だと思います。今やっておられる分別の仕方ですと、かなりPEでもいろいろな形で分けておられますし、そういう形の中において、やはり複合素材については今後はそういうリサイクルのやりやすい形での識別なり何なりの形は、今後考えていかなければならないと思いますけれども、そういう意味で機能性を意味して、複合材料というのをもう少しはっきりしたわかりやすい形で説明していく必要があるなと私どもも思っております。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 きょうは材料リサイクルの方々から4社から、実際には5社かもしれませんけれども、4社の方々からいろいろ教えていただきました。どうも改めまして感謝したいと思います。
 それで、材料リサイクルにつきまして、これから先の議論に資するご意見あるいはご感想がございましたら、二、三名ほどお受けをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 そうしたら服部委員、早速ですけれども、よろしくお願いします。

○服部委員 これは事務局の方にお願いしたいんですけれども、諸外国でも同じようにプラスチック製容器包装のリサイクルをしているところが何カ国もあると思います。そちらの方でも同じような問題点、あるいはそれをクリアできている事例などもあるかもしれないので、わかる限り細かいデータなどを入手していただいて、この場に提供していただきたいと思います。
 例えばドイツでもマテリアル優先できちんとリサイクルをされております。どういった製品に使われているのかとか、あるいは残渣の処理とか、ケミカルとの割合とか、そういった物も含めまして、情報が入る範囲でぜひお願いしたいとに思います。

○郡嶌座長 ありがとうございます。ほかにございますか。
 なければ、本日は超長時間というのか、長時間にわたり熱心にご議論いただきましてありがとうございます。私のちょっとタイムキープがまずくて、いつものとおり皆さん方にご迷惑をかけましたことをおわびしたいと思います。
 以上で審議を終わりたいと思いますけれども、次回の開催予定につきまして、事務局の方からご説明をよろしくお願いしたいと思います。

○リサイクル推進室長 次回でございますが、次回は4月13日金曜日の午後にリサイクル事業者以外の関係者の方、再商品化製品利用事業者などの方のヒアリングを予定しております。詳細につきましては、決まり次第ご連絡申し上げます。

○郡嶌座長 それでは、本日の合同会合をこれで終了させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

午後4時52分閉会