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■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会第9回食品リサイクル専門委員会
食料・農業・農村政策審議会食品産業部会第4回食品リサイクル小委員会
第4回合同会合議事録


<日時>

平成19年9月10日(月)

<場所>

はあといん乃木坂

<議事次第>
  1. 開会
  2. 議題
    これまでの議論の主要な指摘への対応について
    再生利用対象製品の追加について
    最終取りまとめ(案)について
  3. その他
  4. 閉会

開会

○瀬戸食品環境対策室長 定刻を過ぎましたので、青山委員、石井委員、近江委員から遅れてお見えになるというご連絡をいただいておりますし、また、山田委員、藤田委員も確実にご出席いただけるというご連絡をいただいておりますので、開会したいと思います。よろしくお願いいたします。

○川合食品産業企画課長 それでは、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食品産業部会食品リサイクル小委員会並びに中央環境審議会廃棄物リサイクル部会食品リサイクル専門委員会の合同会合を開催いたしたいと存じます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中ご出席賜りまして、厚く御礼申し上げる次第でございます。
 本会合の事務局及び議事進行につきましては、環境省と農林水産省の持ち回りで行わせていただいております。本日は農林水産省で事務局を務めさせていただきます。
 また、委員の出欠状況でございますけれども、ただいまございましたように、青山委員、石井委員、近江委員が遅れてお見えになられるというご連絡をいただいております。
 本日ご出席予定の委員が揃われましたら、本日の会合は成立するという運びになっておりますことをお伝え申し上げます。
 なお、本会議の開催につきましては、やむを得ずご欠席される場合には、代理の方に説明員としてご出席いただけるよう取り扱わさせていただきます。本日は三重県知事野呂委員の代理として高橋様にご出席いただいております。ご紹介申し上げます。
 それでは、これ以降の議事につきましては、議事進行を牛久保座長にお願いいたしたいと存じます。
 牛久保座長、よろしくお願いします。

○牛久保座長 おはようございます。座長の牛久保でございます。よろしくお願い申し上げます。
 議事に入ります前に、事務局より配付資料の確認と資料の扱いについてご説明をよろしくお願いします。

○瀬戸食品環境対策室長 それでは、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと存じます。
 まず、資料につきましては、議事次第が最初についております。その次に名簿がついておりまして、その次に資料1、資料2、資料3と番号を振った3種類の資料をお配りさせていただいております。
 資料の落丁等ございましたら、お申し出いただければと存じます。よろしゅうございますでしょうか。
 また、本日の合同会合の資料につきましては、原則としてすべて公開ということで取り扱わせていただきたいと存じます。また、会議終了後にご発言なされた方のお名前をお示しした議事録を作成し、各委員に配付してご確認いただきまして、各委員のご了解をいただいた上で公開という取り扱いとさせていただきたいと存じます。
 以上でございます。

○牛久保座長 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。資料はお手元にお揃いでございますか。
 それでは、本日の審議に入りたいと思います。まず初めに、これまでの議論の主な指摘への対応について、事務局から説明をよろしくお願いしたいと思います。

これまでの議論の主要な指摘への対応について

○松澤自動車リサイクル対策室長 それでは、お手元の資料1「再生利用等実施率目標値(案)と食品リサイクル施設の受入能力の比較について」のご説明をいたしたいと思います。前回、審議会委員の皆様から基本方針の新たな業種別目標値につきまして、この目標値と再生利用施設のキャパシティの関係について、定量的に説明すべきではないかというご指摘がございましたので、事務局で資料を用意させていただいております。
 基本方針に定めます新たな業種別の目標値(案)から得られます再生利用への仕向量と、現時点で整備されております食品リサイクル施設の受入能力の比較を行っております。
 まず、目標値の案でございます。これは発生抑制、再生利用、減量等の合計値によって再生利用等実施率がカウントされるわけでございますが、これをすべて再生利用により各事業者の皆様方が達成したという仮定をした場合に、再生利用への仕向量がどうなるのかというのを算出したのが表1でございます。そのときにベースになる食品廃棄物等の発生量は、平成17年度の発生量の実績値をベースとしております。表1をご覧いただきますと、食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業、これらの合計値といたしまして、再生量への仕向量が713万トンでございます。これがマキシマムの量ということでお考えいただければといいだろうと思いますが、この713万トンは平成17年度の再生利用への仕向量530万トンの1.3倍という規模でございます。
 それから、これらの受入側の食品リサイクル施設のキャパシティでございますが、これは行政的に施設の処理能力を把握できておりますので、その処理能力を合計しております。そのときに、年間稼働日数、365日のうちオーバーホール期間とか停止期間などを考慮いたしまして、280日を前提に年間の受入能力を計算いたしました。その結果が表2でございます。施設の種類は、市町村の施設、民間事業者一般廃棄物、産業廃棄物それぞれの施設、それから、民間事業者の施設と重複しない形でカウントした登録再生利用事業者の施設ということで、これらの合計値が1,331万トンという数値でございます。これはいずれも現段階で再生利用の方法として位置づけられている4つの手法の合計値でございます。
 次のページをご覧いただきたいと思います。この施設で行政的に集計してあるもののほかに、フィッシュミールの製造施設、魚アラのリサイクル施設は社団法人日本フィッシュミール協会が処理実績をお調べになっていまして、それが年間94万トンでございます。また、廃食用油の油脂化施設についても、全国油脂事業協同組合連合会でお調べになっていまして、年間25万トンという処理実績がございます。これらの大部分が、先ほどの1,331万トンに上乗せして、我が国の食品リサイクル施設のキャパシティに加えることができるかと考えております。
 そういう形でまとめたものが図1でございます。上の棒グラフが、目標年度における再生利用仕向量713万トンでございまして、それぞれ業種ごとに内訳がわかるように書いてございます。食品卸売業、食品小売業、外食産業までを合計しますと、約290万トンになります。その右側が食品製造業でございますが、食品製造業の受入をできるのが民間の産業廃棄物処理施設で、この部分で相当の受入能力があろうかと思います。それ以外の3業種につきましては、一般廃棄物処理施設を中心に受け入れることになろうかと思いますが、下の棒グラフで市町村処理施設を加えまして、さらに登録再生利用事業者、フィッシュミール工場、廃食用油再生利用施設、これらのものをカウントしますと約340万トンということでございます。
 従いまして、結論の部分でございますが、一般廃棄物を中心にした3業種の仕向量、それから、食品製造業の再生利用仕向量、それぞれマクロ的に見ますと施設側の受入能力は仕向量より大きいということが言えると思います。ただ、これは日本全体で見ておりますので、受入能力は実際には、ページをめくっていただきますと、参考で日本地図をつけさせていただいておりますが、この地図を一見していただきますと、地域ごとにばらつきがございますので、地域によって受入能力は偏在しております。登録再生利用事業者が存在していない都道府県もございますので、そういった白地の地域を中心に登録再生利用事業者制度の普及啓発を進めていくことが必要になってくると考えております。また、今回新しく位置づけられました再生利用事業計画の認定制度についても、その普及を図っていくことが必要になってくると考えております。
 それから、手法別の受入能力につきましては、3ページに円グラフをつけております。現時点では、食品リサイクル施設全体で約3分の2が肥料化、3割弱が飼料化となっております。これにつきましても、肥料化に偏っておりますので、その部分を検討していく必要がございますが、登録再生利用事業者の皆さんに事業拡大についての意向を調べましたところ、飼料化業者の約7割が事業拡大の意向を有しているということでございます。従いまして、そういった意向も生かしながら、今回優先的に推進することにいたしております飼料化について、その施設の整備を促進していくこともまた重要なポイントであろうかと考えております。
 以上でございます。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。
 内容といたしましては、確認的な意味合いが強いかと思いますけれども、ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問等ございましたら、お願いしたいと思います。
 崎田委員、よろしくお願いいたします。

○崎田委員 これはほかの委員の皆さんのご質問から出た資料だと思いますけれども、拝見しまして、今お話があったように日本全国では受入能力があるということがわかったわけですが、先日、関西の方で取材などをさせていただいたときに、排出されるところと必要なところの情報をうまくつなぐというところが、まだまだうまくいっていないこともあるのではないかという感じがいたしました。
 それで、自治体も含めて情報のマッチングのシステムがつくられ始めていると伺っておりますけれども、そういうような場づくりというものがこれからきちんと進んで、情報だけではなく、それをきちんとつないでいくというきめ細やかな作業も必要なのではないかと思っております。この後の問題だと思いますけれども、やはりそういうことも必要かなと思います。よろしくお願いいたします。

○牛久保座長 貴重なご意見、どうもありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 よろしいですか。宿題とさせていただいた内容につきまして、お答えということで整理をさせていただきます。
 続きまして、議題2 再生利用製品の追加について、事務局より説明をお願いいたします。

再生利用対象製品の追加について

○瀬戸食品環境対策室長 資料2に基づきまして、再生利用対象製品の追加について説明をさせていただきたいと思います。
 この資料は、7月27日に開催いたしました第1回の会合の中の進め方では、第2回に提出を予定しておりました。第2回の会合の際にもご説明をさせていただきましたように、政令での指定でございますので、所用の法制的な面での検討や各省との連携が必要でございます。そのため、第4回でのご審議になってしまいました。申しわけございませんが、本日、再生利用対象製品の追加について説明させていただきたいと思います。なお、一部、最終的に確定をしていない部分もございますので、修正部分も若干残るかもしれませんが、現時点の動向でご説明をさせていただきたいと思っております。
 1番でございますが、現在の食品リサイクル法におきましては、食品循環資源の再生利用の手法につきましては、肥料、飼料、油脂及び油脂製品とメタンの4手法が指定されているわけでございますけれども、幅広い製品が指定され、食品関連事業者が食品循環資源の再生利用に積極的に取り組むことのできる環境を整備していく必要があると考えられます。
 このため、昨年12月に合同審議会において取りまとめていただきました「食品リサイクル制度の見直し」の中におきましても、「全国的に一定の需要が確実に見込まれる再生利用製品を製造するものであって、再生利用製品の品質を確保できる再生利用技術が確立されており、かつ、現行の4手法と同等程度に再生利用製品の製造や使用に伴う環境への負荷が小さく、人や家畜の健康に悪影響を及ぼさないことが見込まれる場合には、新たな手法として定めることを検討すべき」とされたところでございます。
 こうした中で、次の2製品については、当該製品に係る製造技術の進歩、当該製品の需要の変化等、食品リサイクル法施行後の情勢の変化等を踏まえ、技術的及び経済的に再生利用の実施が可能であり、その需要面及び環境面を勘案し、新たな再生利用対象製品として、食品リサイクル法の施行令に追加することを検討しております。
 まず(1)でございます。少し長い名前になっておりますが、食品循環資源を炭化して製造される燃料及び還元剤、一言で申し上げれば炭化製品でございます。炭素化合物である食品循環資源を炭化(酸素を遮断した状態での加熱による化合分解)して製造される物質でございますが、これは、石炭の2分の1から3分の1程度の発熱量を有しており、また、燃焼させて熱源としての利用が可能であることから「燃料」であり、また同時に、酸化鉄等の酸化された物質から酸素を取り除く、いわゆる還元する性質も有していることから、酸化物に還元を起こさせる物質たる「還元剤」でもあります。
 すなわち、食品循環資源を炭化することにより燃料及び還元剤が製造されるわけでございます。
 具体的な製造工程は、炭化しやすいように食品循環資源を破砕する「破砕工程」、2番目に「炭化工程」、破砕した循環資源を加熱された流動砂によって炭化します。3番目が「ガス分離工程」、遠心力により熱分解ガスと分離します。4番目の「冷却洗浄工程」では、水で冷却・洗浄し、塩分等を除去し、5番目の「水分除去工程」として、水分を除去して、6番目の「乾燥工程」で、熱分解ガスの燃焼時の余熱を利用し乾燥するというものでございます。
 こうした中、需要面につきましては、最近の状況の変化として、
 ⅰでございますが、地球温暖化対策の観点から石炭に代替する燃料として注目されていること
 ⅱとして、中国等における石炭需要の急増を背景に、世界的に石炭及び石炭から製造されるコークス等の需要が逼迫しており、それらの輸入価格が上昇傾向にあること
から、利用の増加が見込まれ、供給過剰により廃棄される事態は想定されなくなっています。
 環境面につきましては、製造過程において、発酵を伴わないため悪臭が発生せず、炭化に伴い発生するガスの処理技術も確立していること、さらに、利用過程においても、燃料や還元剤として密閉された高炉等の中に投入されることから、周囲の生活環境に支障を生じさせる恐れがないものであるということでございます。
 他方、食品循環資源を炭化して製造されるものについては、土壌改良材や消臭剤、吸湿剤なども考えられるわけですが、土壌改良資材については、地力増進法において表示基準や規格等が定められておらず、外観上、適正な使用と不法投棄との区別も困難であることから、土壌改良資材の使用と称する不法投棄を誘発し、周囲の生活環境に悪影響を及ぼす恐れがあること、
2番目といたしまして、消臭剤や吸湿剤については、良質で安価な木炭製品との競合や一定の品質を確保することが困難なこと等から利用者のニーズがほとんどなく、市場規模が極めて小さいことから、これらを政令で規定することは適当ではないと考えております。
 以上から、再生利用製品として「食品循環資源を炭化して製造される燃料及び還元剤」を追加することを検討しております。
 もう1つはエタノールでございます。エタノール(C2H5OH)は、飲料のほか、工業製品原料、医薬品の消毒剤、化粧品、溶剤、自動車燃料等、幅広く使用されている製品でございます。食品循環資源から得られるエタノールは、主として自動車燃料に利用することができます。
 エタノールの一般的な製造方法は、こうじ(酵素)と酵母を使ってでんぷんを糖化して得た糖類を発酵させるアルコール発酵法ですが、近年、食品循環資源に含まれるでんぷん成分を活用し、エタノールを製造する技術が確立されたところでございます。
 具体的な製造工程は、絵のとおりでございますので、それを順番にご説明いたしますと、発生した食品循環資源に混入している容器等の異物を除去する「前処理工程」、2番目は、食品循環資源に含まれているでんぷん成分を酵素によって分解し糖類に転換する「糖化工程」、3番目は、残渣(固形分)と糖類を含む液分を分離する「固液分離工程」、4番目が、液分を加熱して濃縮する「濃縮工程」、5番目として、酵母によってアルコール発酵しエタノールを生成する「発酵工程」、そして、生成されたエタノールから蒸留及び膜分離により水分を除去し、無水エタノールを得るというものであります。
 食品循環資源からのエタノール製造技術は、醸造技術に由来するアルコール発酵法と、異物の除去や残渣の分離といった廃棄物処理技術を組み合わせたものであり、近年、経済的なエタノール製造のための技術(効率よくアルコール発酵のできる特殊な酵母の利用、効率よくアルコールの精製・分離ができる膜分離技術の導入等)に関する実証が急速に進んでおり、商業的に実施できる水準の技術が確立するに至っております。
 また、需要面につきましては、揮発油の品質の確保等に関する法律に基づきまして、自動車用燃料については、エタノールのガソリンへの混入割合が3%まで認められたこと及びここ数年のガソリン価格の上昇等から、ガソリン自動車用のバイオマス燃料としての利用が期待できるようになってきております。そもそもバイオマス由来のエタノール(バイオエタノール)の利用は、資源の有効利用に加えまして、地球温暖化防止の面からも高い意義を有することから、ブラジル、米国等を中心に世界の各地域でガソリン自動車の燃料としての利用が急激に進んでおります。我が国においても、京都議定書目標達成計画や総理の所信表明等でバイオマス由来のエタノールの自動車燃料利用の導入・普及を進めることとされており、自動車メーカー(トヨタ、日産)においては、既にすべての新車のガソリンエンジンにおいて、先ほどの混入割合3%の次のE10の技術対応を完了していることを発表しております。
 次のページですが、環境面につきましては、悪臭対策、残渣の適正処理等の生活環境保全上の対応を講ずることは他の手法と比べ問題なく実施可能であり、また、燃焼させると水と二酸化炭素に分解されるだけであり、利用に伴い有毒ガス等が発生しないことから、周囲の生活環境に支障を生じさせる恐れがないと考えられます。
 このように食品循環資源から製造されたエタノールは、
 枯渇性の化石燃料に代替しその消費量を減らすことができること、
 付加価値の高い製品である自動車燃料(ガソリン代替燃料)として利用できること、
から、食品循環資源をエタノールに再生し利用することは、食品循環資源の有効な利用にほかならず、食品リサイクル法の目的に沿うものであると考えられます。
 以上から、再生利用製品として「エタノール」を追加することを検討しております。
 次のページの図は、田原リサイクルセンターの取組の事例でございます。先ほどの炭化製品の関係でございますが、田原市から排出される事業系食品廃棄物、家庭系生ごみ等を田原リサイクルセンターで処理し、炭化製品を製造し、中部鋼板に持っていきまして、コークスの代替品として使っていくというケースでございます。
 それから、次のページは、福岡県北九州市でのバイオエタノールの実証事業の取組みでございます。事業者・市内小学校・病院等から分別収集された食品廃棄物をエタノールに転換して、E3ガソリンとして北九州市の公用車等で利用する実証試験をしているという例でございます。
 下の方に経済産業省での取組み、環境省さんからの補助という注記がございますが、そういう事業で実施されている例でございます。
 以上でございます。

○牛久保座長 ありがとうございました。
 ただいまご説明がありましたように、技術的及び経済的に再生利用の実施が可能であり、その需要面及び環境面を勘案し、新たな再生利用対象製品として、食品リサイクル法施行令に追加するものとして、「食品循環資源を炭化して製造される燃料及び還元剤」、それから「エタノール」を追加ということでございます。
 ただいまのご説明につきまして、何かご質問、ご意見ございましたら、お願いしたいと思います。
 石井委員、よろしくお願いします。

○石井委員 再利用対象製品として、このほかの可能性のあるものでも構わないんですか。この2点だけですか。

○瀬戸食品環境対策室長 今回、追加として予定しているのはこの2品目を予定しております。今までの4品目に新たに2品目の追加を予定しております。

○石井委員 私は、今回は間に合わないかもしれませんけれども、対象品目としてバイオガスのC1化学原料化の追加をご検討願いたいと思います。説明をしてもよろしいでしょうか。
 メタンは燃料ガスとして都市ガスなどに使用されている一方、C1化学プロセスに使用する原料としても重要であります。マテリアルリサイクル、リサイクルループに大きく寄与する物質であります。しかしながら、食品循環資源をメタン化した場合、発生したバイオガスの中のメタン濃度は60%程度であります。このバイオガスを直接利用するためには、ガスエンジン、マイクロタービン、それから、燃料電池等の発電、排熱、ガスボイラーによる熱回収に限られております。C1化学原料となるメタンとするためにはバイオガスの高純度精製、また、省エネ型の低圧貯留、運搬プロセスが必要になってきます。
 食品循環資源に含まれます有機物をメタン発酵した後、60%程度の濃度のバイオガスを低圧力で精製、もしくは、中圧力で貯蔵・運搬する容器の開発は技術のめどがたっております。このように精製したメタンガスは都市ガスの原料としても利用することができまして、CO2削減に寄与するとともに、化石燃料の代替、また輸入に頼る資源の国内生産にも寄与できます。また、95%以上の精製したガスでしたら、自動車の燃料として、環境負荷が低いと評価されているCNGの自動車に直接使用が可能であります。
 先ほどエタノールの話が出ましたけれども、メタンはC1化学原料としてメタノールをはじめとした数々の有機化学原料にもなりますし、石油資源の有効活用に直接寄与する重要な有機合成化学原料として、エネルギー活用だけではなく、資源循環に直接寄与できるものと考えますので、今後のご検討をお願いしたいと思います。

○牛久保座長 どうぞ。

○瀬戸食品環境対策室長 環境省さんから補足していただくことになるかもしれませんが、1つは、メタンのバリエーションとして考えられるかどうかということが検討のテーマと考えております。もう1つは、今後の検討課題の一つということでさらなる検討をするテーマの一つと考えさせていただきたいと思います。
 何か追加的にございましたら。

○牛久保座長 ほかにご意見ございますでしょうか。
 川島委員、よろしくお願いいたします。

○川島委員 炭化とエタノール化につきましては、LCAをきちっとされて、どのくらいエネルギーを投入して、どのくらいエネルギーができるんだということを、ぜひ実施するというようなことをどこかに文言で入れていただきたいと思います。というのは、世界の大きな情勢ですが、アメリカの場合、トウモロコシからエタノールをつくるということが計画されていますが、学者の中でいろいろな意見がありまして、トウモロコシからできるエネルギーをつくろうとした場合、130のエネルギーを得るために100くらいのエネルギーが要ると。できるのは30くらいじゃないかというような意見がありますし、また、条件によってはそれがプラスマイナス0になっていってしまって、地球温暖化にはならないというような議論があります。
 そういう意味では、バイオマスを使って地球温暖化対策になる可能性があるのは、ブラジルでつくられているサトウキビだという意見があります。これの場合、サトウキビを絞ったジュースですね、砂糖になる部分で発酵させてアルコールをつくるんですが、絞ったカスのバガスというのを燃やして蒸留に使うというプロセスがあるので、その両方を勘案して、これは地球環境問題にプラスになるだろうというような意見があります。
 ですから、食品残渣から持ってくる場合は、特に雑多なものですね、水分を多く含んでいるものがありますので、そこから濃縮していくようなところでまた新たなエネルギーが必要になる。それから、トウモロコシは、一面のトウモロコシ畑から収集してくるので、収集のエネルギーが少なくて済むと思うんですが、これは広域な場所に少しずつ分散しているものを持ってきますから、収集にエネルギーが必要なわけで、この部分も含めて果たして地球環境にこれがいいのか悪いのかというのを十分実施された後に実施されるのがいいと思います。
 それから、もう1つ、コストの面ですが、現在、原油価格がバレル当たり70ドルから80ドルで高止まりしているところで、アメリカのトウモロコシは、原料の価格も高くて、価格的になかなか太刀打ちができないだろうと。結局のところアメリカは補助金を入れるというような政策を持っていかない限り大量生産には向かわないのではないかと。南米のサトウキビの場合は製造コストが安いので、これは商業ベースで向かっていくだろうと考えられています。
 ここの食品廃棄物の場合は、原料がただということがあるので、その部分は非常に有利に働くとは思うんですが、回収のコストというところは非常に微妙なニュアンスを持っておりまして、これを試験プラントとして行うことは、ぜひ行っていろいろなことを研究していただきたいと思うんですが、これから大きな実証というか、実施プラントに進んでいくということになりますと、そこの事業ベースをよく考えていただいて、最初、補助金があるときだけ動いて、何年かしていったらやはり箱物行政になっているのではないかと。要するに運転コストに対して公的補助がない限り動かないんだというようなことがないように、環境問題ですから、10年20年動くということをよく考えた上で実施されると。
 LCAをしっかりしてもらうということと、コスト面、特に石油の価格が今70~80バレルですから、いろいろなところでバイオマスは注目を集めるわけですが、いろいろなご意見があるんでしょうが、もう少し安くなるのではないかと、50、60ドル、場合によっては40ドルくらいに落ちてくるのではないかというような意見もかなりあるわけで、この辺も含めて事業化なされるということをぜひ要望いたします。どこかにこれも文言として残していただくと、一時的な環境の問題でやってみたけれども、3年もしたらだめだったという税金の無駄遣いにならないようにぜひしていただきたいと思います。
 以上です。

○牛久保座長 ありがとうございました。
 酒井委員。関連質問ですか。

○酒井委員 関連の質問というよりも、今の川島先生の意見に少し反論の部分も含めて発言させていただきます。
 こういったプロセスのLCAが必要であると、今、先生がおっしゃられたことは全くおっしゃるとおりかと思いますし、既に今回の議論の中でも盛んに研究開発の推進の中で全ステージの環境負荷の評価、ライフ・サイクル・アセスメントが必要であると。今後それを開発して推進しましょうということが書き込まれているわけで、私はそれで今の議論は十分ではないかと思っております。今ご説明のあった資源作物のLCAに関して世界的な議論があることは、ここに出席の方々の多くは既に耳にされておられましょうし、今、先生がおっしゃられたような指摘があるということは、ほぼ共通認識になってきているのではないかと思います。
 そういった中で、今回、食品循環資源に対する対象製品の追加という視点で見た場合、炭化はちょっと微妙かと思いますが、エタノールを追加することは、将来のベクトルから見てどうかという判断が非常に重要であろうと思いますし、そういった意味でこれを推進しながら今後柔軟に評価していくという姿勢があれば、現段階ではいいのかと思っております。主には、地球環境は炭酸ガスの視点とコストの視点からご指摘されましたが、もともとこれは廃棄物であったものでございますから、その廃棄物にこれまで要していた処分のコスト、あるいは、処分のスペース等々、そういった側面も当然LCAの視野の中に入ってこなければならないと思っております。
 そういったことを総合的に勘案した中で、推進する方向が是か非かという方向でいけば、私は推進する方向が是だと思っております。既にLCAの必要性は十分に書き込まれている中で、今の議論はこれまでの中でかなり尽くされているのではないかと認識しております。
 以上です。

○牛久保座長 ほかにご意見ございますでしょうか、今の関連につきましてのご意見、またはほかのご質問でも結構ですが、ございませんでしょうか。
 はい、どうぞ。

○石川委員 共同座長だとしゃべりにくいんですが、事がLCAの話になったので追加させていただきたいと思います。
 川島委員もおわかりになってご質問されていると思いますが、食品循環資源のバイオエタノール化とか炭化をLCA評価するときには、シュガーケーンなどを評価するのとは違う、レファレンスシステムが違うんですね。もしそれを炭化しなければどうするのかを考えれば、それは廃棄物処理しているわけです。具体的にいうと収集のプロセスの環境負荷、ごみとして収集しているときと資源として収集するときの差をとらなければいけない。
 確かに都市域から発生するものとか、廃棄物として集めるのは膨大な収集のコストもかかるし、それなりの炭酸ガスも出ます。しかし、資源として収集しなければ、ごみとして集めているわけですから、コストも環境負荷も両方大きいんですね、ですから資源収集の場合との差は小さいんです。都市域のごみとして集めているものを資源収集するから、収集が膨大で、サトウキビ畑で集めるよりは大変に大きな負荷が出るというのは比較の対象が間違っている。誤解を招きかねないと思いましたので、ちょっとつけ加えさせていただきたい。
 同じことはコストにも言える。これは酒井委員がおっしゃったことになりますが、ごみとして処理するというのが対象ですから、その場合には処理処分のコストが既にかかっているし、これはもともと高いんですね。さらに、最終処分場に最後は捨ててしまうわけですから、そこで貴重な容量を使ってしまう。そういうものと比較しているということを念頭に入れていただかないと困る。確かにシュガーケーンとコーンの場合、ご指摘になったような問題が明らかにされていて、ブラジルは成立すると、川島委員のおっしゃったことはそのとおりなんだろうと思います。ただ、ここで議論しているのはごみ処理を回避するための手段としてのリサイクルですから、そのままそれを持ってきて、結論だけ使うわけにはいかないということだけ記録に残させていただきたい。

○牛久保座長 ほかにございますでしょうか。
 では、ただいまご発言いただきました大勢といたしましては、酒井委員のお言葉を借りますと、将来のベクトルから考えてこの2つの対象製品を追加し、LCA的なものについては概念的に、これは当然導入されるべきであるし、そういう観念が含まれた議論が書き込まれた状況もあるということで、オーソライズさせていただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 では、追加するということでご賛同いただいたということにさせていただきます。
 それでは、議題3、最終取りまとめ(案)につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。

○松澤自動車リサイクル対策室長 お手元の資料3、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の改定等について 最終取りまとめ(案)」を説明させていただきます。
 本資料は、今ご議論いただきました再生利用対象製品の追加も含めまして、これまで3回の合同会合でそれぞれご審議いただきました内容を取りまとめたものでございます。
 1枚めくっていただきますと、目次がございます。そのあと、基本方針の改定について、それから、食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定について、この2つが中心でございました。それをそれぞれ第Ⅰ章、第Ⅱ章としております。第Ⅲ章がその他重要事項についてということで、熱回収、定期報告の取扱い、再生利用事業計画の認定、それから、今ご議論いただきました再生利用の対象品目の追加。こういった構成で資料を編集しております。それから、それぞれにつきまして、これまでの審議で参考資料もご用意させていただきましたので、参考資料を1から5まで付録としてつけさせていただいております。一番最後に、委員名簿と審議経過ということで、本日の第4回も含めて綴じさせていただいております。
 簡単に追加あるいは修正を行ったところを中心にご説明をいたしたいと思います。
 まず、2ページの「はじめに」でございますが、これはまさしくイントロダクションということでございまして、法の施行から5年経過して一定の成果が認められるけれども、課題があることが明らかになったと。この状況を踏まえまして、食品リサイクル法の改正が行われ、ご案内のとおり19年6月13日に公布されたところでございます。
 この改正を受けまして、基本方針、判断の基準となるべき事項について、必要な見直し、改定を行うため、両省でそれぞれ食料・農業・農村政策審議会、中央環境審議会に対して諮問をさせていただきまして、今回の4回の合同会合で検討いただいたわけでございます。合同会合におきましては、この2つの諮問事項に加えまして、改正食品リサイクル法施行のために必要な重要事項についても検討をしていただいたということでございます。
 本最終取りまとめ(案)は、この検討の結果として、基本方針の改定等のあり方について、整理、提示したということでございます。
 3ページ以降、第Ⅰ章の基本方針から順次構成しております。基本方針につきましては、これまでの審議でいただいた意見を反映させていただいておりますが、前回ご意見があったところを追加しております。その部分にはアンダーラインを付しておりますので、そこを中心にご紹介します。
 まず、基本方針の1の基本的方向という、基本理念とか関係者の取組といった大きなベクトルを書いている部分でございますが、国の取組の方向、それから、地方公共団体の取組の方向というのが4ページの下にございます。これは、地方公共団体間の連携についてここに盛り込むべきではないかというご意見がございましたので、それを反映しております。国の取組の方向のところに、「国と地方公共団体との連携、地方公共団体間の連携の確保を図る」という文言を追加しております。それから、地方公共団体の取組の方向につきましても、「地方公共団体間の連携を確保すること」というものを追加させていただいております。今後こういった方向で農水省と環境省で、国、地方公共団体、それぞれの連携を確保していくと、そういう前提で今回追加をいたしました。
 それから、5ページ、ロの再生利用でございます。これは、本日はご欠席ですが、志澤委員から「飼料の安全性の確保について、できるだけ上位の部分に盛り込めないか」というご指摘がございました。この再生利用のところの「飼料化を最優先する」というところで、飼料化が一番頭に出てまいりますので、この飼料化の部分に「飼料の安全性の確保に万全を期す」という文言を追加させていただいております。
 それから、6ページ、二の食品循環資源の再生利用等を実施すべき量に関する目標の部分でございますが、これは、ご意見を踏まえまして、最終的に業種ごとの目標値と、基本方針に定める目標値ということで、この制度の進捗状況を評価する性格のものでございますが、これまで空欄でございました数字の部分を埋めさせていただいております。食品製造業を85%、食品卸売業を70%、食品小売業を45%、外食産業を40%ということでございます。
 基本方針については以上のとおりでございますが、先ほど酒井委員、川島委員、石川委員からご指摘のございました点は、8ページにライフ・サイクル・アセスメントが研究開発の推進のところに盛り込んでおります。農林水産物の発生から食品廃棄物の廃棄に至るまでの全段階における環境への負荷の評価の手法の開発、こういう形で研究開発の推進の中に盛り込んでいるということでございます。
 10ページが第Ⅱ章の食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定についてでございます。ここにつきましては、これまでいただいたご意見の変更は特にございません。
 13ページ以降が、その他重要事項についてということで、まず熱回収からでございますが、熱回収の部分につきましても、前回ご意見をいただいて修正をした内容のとおりとさせていただいております。
 16ページが定期報告の取扱いでございます。これにつきましては、1の定期報告の方法と、2のフランチャイズチェーンの約款の定めとございますが、2のフランチャイズチェーンの約款の定めの部分について、1枚めくっていただいて17ページの[5]にアンダーラインを付しております。関係省及びフランチャイズチェーン協会で意見交換を行いまして、[1]から[4]といったものに加えまして、[5]を追加いたしております。基本的には[1]から[4]に包含される内容でございますけれども、基本契約、約款にはマニュアルを守りましょうということが書かれていて、そのマニュアルに今後食品リサイクル法の取組について定めていくと、こういった選択があり得るのではないかということで、入念的に[5]のようなものを追加させていただいております。
 それから、18ページが再生利用事業計画の認定でございます。再生利用事業計画の認定につきましても、これまでご審議いただいた内容のとおりでございます。
 22ページが、ただいまご議論いただきました再生利用の対象品目の追加についてということで、今の資料をそのまま盛り込んでおります。
 26ページが「終りに」というところでございます。「終りに」の第2段落の部分でございますが、「今後、国においては、最終報告を基に、基本方針及び食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定等、改正食品リサイクル法を施行するために必要な措置を講ずべきである。」と、こういう形で本報告書の位置づけを明確にさせていただいております。
 27ページ以降は参考資料でございます。(参考資料1)は「基本方針と判断基準における再生利用等実施率目標について」でございます。これは、これまでの審議会資料で用意させていただいた資料をそのまま付しております。
 34ページ、(参考資料2)は、熱回収の基準に関係する部分で、「再生利用施設の立地状況について」ということで、これも追加させていただいております。
 それから、35ページの(参考資料3)「熱回収にかかるエネルギー利用に関する効率の評価について」ということでございます。これまで熱回収については2回、こういった参考資料を用意させていただきましたが、その2回分の資料をまとめて1つの参考資料といたしております。全体的には、頭に「基本的考え方」を持ってきまして、38ページにメタン化施設と廃棄物発電の比較評価、それから、第3番目といたしまして、48ページに廃食用油に係るエネルギー利用に関する効率の基準、このような形で1つの参考資料にまとめさせていただいております。
 それから、堀尾委員から、この中に出てきます「エクセルギー」という用語がわかりにくいというご指摘がございましたので、51ページにエクセルギーについての解説を用意しております。
 それから、59ページが(参考資料4)で、再生利用事業計画の認定制度に関係する「特定の畜水産物の考え方」ということで、これまで用意いたしました参考資料をそのままつけております。
 60ページが(参考資料5)として、再生利用事業計画の認定制度、「リサイクルループの概念図」、そして、その裏側に1つの事例を付しております。
 以上のような構成で最終報告の取りまとめ(案)とさせていただいております。
 以上でございます。

○牛久保座長 本報告書は、ただいまご説明いただきましたように、今まで3回のご審議で皆様からいただきましたご意見を反映して、ファイリングをしていただいたということでございます。さらに、今、修正する必要のある部分についてご説明をいただいたということでございます。

最終取りまとめ(案)について

 ただいまご説明いただきました最終取りまとめ(案)につきまして、ご意見またはご質問がございましたら、お願いしたいと思います。
 百瀬委員、よろしくお願いいたします。

○百瀬委員 6ページに「食品循環資源の再生利用等を実施すべき量に関する目標」というのがございます。この目標を達成するための課題について、私が属しております日本チェーンストア協会の会員企業に調査をいたしました。小売業、それもチェーンストアで全国的に展開している企業がどのくらいのリサイクル実施率であるかということ、ほとんどの企業が20%以上のリサイクル率を達成していますが、これ以降、段階的にそれを向上させるためにどのような困難な点があるかということを、それぞれ調べました。そして業種別目標値の表現の仕方をご考慮いただきまして、書き方を工夫していただければと思います。
 1つは、チェーンストア協会の会員企業の調査対象企業はおおよぼ30%ぐらいのリサイクル実施率を示しておりました。ですが、そうではない企業もあります。以前にどのくらいの再生利用施設が全国に分布しているかという資料を示していただきましたけれども、再生利用事業者がたくさんある地域に展開しておりますチェーンストアの実施率は高いようです。ただし、そうではない地域になりますと、リサイクルが難しくなっていました。
 それ以外に、チェーンストア協会会員企業がこれから先リサイクル率を向上するために困難であろうということで出してある意見として、まず1つは、再生利用事業者はあるけれども、そこに運び込むための一般廃棄物収集運搬許可がなかなか下りないということ。2番目には、公共料金に比べて、再生利用の施設を使おうとするとコストが非常に上がってしまって、経営的に厳しいということ。それから、その施設が遠距離にあった場合、そこに運び込むコストも同様に非常に高くなってしまうということ。それから、地方自治体によっては再生利用施設に運び込みたいと思っても、それを焼却するようにという判断をしているところがあるということ。
 それから、この目標はショッピングセンター全体での目標値の設定なのか、チェーンストア直営の売り場の目標設定なのか、そういうところが今回は規定されていません。また、企業の定期報告についてですが、現段階ではショッピングセンター全体の廃棄物発生量は、収集運搬業者からの計測データなどで比較的容易に排出重量を把握できますが、それを個別の直営とテナントといったように企業が違う場合、それぞれ個別の重量を計測することは難しいところです。ショッピングセンターにはたくさんのチェーンの食品関連事業者や飲食店などが入っておりますので、飲食店そのものが年間100トン以上の廃棄物を出している企業がありますが、そこと別々に排出量を出していかなければいけないのかどうか。もしくは、チェーンストア直営の売り場の排出量だけでこの報告はよろしいのかどうか、という疑問も出てきておりました。そういったことで、これから進めていくときに解決しなければいけないことが幾つかあります。
 そしてまた、小売業の45%という目標に対しまして、ご説明では業界としての目標設定であるということでしたが、この書き方ですと、あたかも一つひとつの企業がリサイクル率45%を達成しなければいけないというような見られ方をされます。誰に見られるかと言いますと、小売業は消費者の皆さん方に「私たちはこれだけ環境に対していろいろと取り組んでいます」ということをお見せしないといけないわけですね。そのときに、例えば当社が30%のリサイクル率だったとします。毎年2%ずつ向上させていきました。5年後に40%達成できました。でも、小売業は45%という設定がされているものが消費者の目についてしまうと。そうすると、「あなたの企業は45%達成していなかった。努力が足りないのではないですか」という評価のされ方をするのではないかということを懸念しているので。
小売業であるチェーンストアが、2%ずつでも1%ずつでも向上するためには、これらの課題解決と、業種別目標の表現の45%であるというところを工夫していただければと思います。

○瀬戸食品環境対策室長 その部分は、今ご指摘があったように、「製造業にあっては」という書きぶりを少し工夫して、業界全体というイメージが出せるような文言に書き換えるということで検討させていただきたいと思います。

○牛久保座長 よろしいでしょうか。

○松澤自動車リサイクル対策室長 幾つか百瀬さんからご意見がございまして、すべてお答えできるわけではないんですけれども、ご説明を補足させていただきたいと思います。
 最初に一般廃棄物の収集運搬の許可がなかなか下りないというご意見がございました。これは百瀬さんだけではなくほかの委員の皆さんからも審議会の場でいろいろご意見をいただいております。市町村で許可業者がいる地域とそうでない地域があろうかと思いますし、そもそもその地域で物理的に収集運搬することができない可能性はあると思いますので、これからは食品リサイクル法も、第2段階と言いますか、施行後5年から10年という段階に入ってまいりますので、自治体にも浸透していくと思います。どうやって浸透させていくかというところを私どもの地方環境事務所あるいは農水省さんの地方農政局で、地域ベースでいろいろとPRなり普及啓発といった、自治体への働きかけをやっていく必要があろうかと考えております。
 2つ目は、リサイクルの料金が通常の市町村の処理料金より高いというご意見だったかと思います。公共料金が安いのでそちらに頼めば、経営上はコストが安くなるので、そういう面もあろうかと思いますけれども、環境省で市町村の一般廃棄物処理の費用について、原価とか、どういう部門にどれぐらい費用がかかっているのか、企業並みというわけにはいきませんけれども、納税者にきちんと説明できるような計算方法、会計基準をことしの6月に提示しまして、これを今後市町村に普及と言いますか、取り組んでいただこうと。
 それから、一般廃棄物処理についても有料化の手引きということで、公共料金を値上げするという方向ですので、それぞれの地方議会の了解が要りますから、地域、地域で企業の方からネガティブなご意見があるのかもしれませんが、実際にはそういうことで処理料金は上昇する傾向になってくるだろうと思います。ただ、食品リサイクル法自体は、市町村の一般廃棄物処理料金は処理料金として、実際には事業者の皆さんによりコストの高いリサイクルをお願いするという仕組みになっておりますので、その部分のコストの差、料金の差が今後はどんどん縮まってくるということかと思います。
 それから、ショッピングセンターでのお話がございました。ショッピングセンターの運営形態にもよるとは思いますが、多くの場合には個々のテナントがそれぞれ食品関連事業者、排出者に当たるというのが一般的だろうと思います。もちろん、テナントとショッピングセンターとの間で契約をされている、その契約の個々の内容を考える必要はあろうかと思いますが、基本的にはテナントはそれぞれのテナントが排出者ということで、先ほどご質問がありましたように、飲食店で100トン以上超えていれば、その飲食店が多量発生者ということになるかと思います。
 そのようなところが、今のご質問と言いますか、ご意見だったと思いますので、補足させていただきました。

○牛久保座長 どうぞ。

○瀬戸食品環境対策室長 舌足らずで申しわけなかったんですが、これは骨子の段階でございますので、内容につきましては、先ほど百瀬委員からもお話があったように、個別企業が達成していった場合の目標値ということでございます。その辺は基本方針に書き込むときに配慮させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○牛久保座長 ただいまのお答えでよろしいでしょうか。
 ほかにございますか。川島委員、よろしくお願いいたします。

○川島委員 ただいまの質問に関連いたしまして、若干、気になったことがあったので、ここで質問というより指摘というふうに受け取っていただいていいと思うんですが、6ページのところで、「食品関連事業者は、特定肥飼料等の需要の動向に対応しつつ」という文言がありますね。私もちょっと迂闊だったんですが、本日、資料1の3ページの図2で、堆肥化が64%という図を見せていただいて、私はほとんどが熱回収されているのかなと思っていたんですけれども、7割近くが肥料化されていると。肥料化というか肥料化の施設となっているということですか。
 これは何回か前に申し上げたことがあるんですが、日本の場合、堆肥にするのは、畜産廃棄物という極めて大きなソースがそこにあるので、そことのことを全然触れていないというのがちょっと気になりまして。需要の動向といっても、食品廃棄物から堆肥になるものと、畜産廃棄物から堆肥になるものの差というのは、何回か申し上げましたが、はるかに畜産からのものが多いと。例えばナイトルジェンのバランスにしても、六十何パーセントも堆肥化に流れているのに、現状のままで需給の動向が果たしてうまく流れるのかなという疑問を今日ちょっと持ちました。
 意見ということで結構です。

○牛久保座長 お答えございますでしょうか。どうぞお願いいたします。

○松澤自動車リサイクル対策室長 川島委員からかねて堆肥利用、肥料化利用についてはご注意がございましたので、両省で相談いたしまして、基本方針の第一、一番重要な部分かと思いますが、そこの再生利用のところで、今回で言いますと、5ページのロに肥料化について先生が指摘された点を踏まえて、「地域や市場における有機質肥料の需給状況や農業者の品質ニーズ等を踏まえつつ、利用先の確保を前提に実行していく必要がある。」と、こういう形で肥料化にどんどん流れるということはないように、十分留意しながら取り組んでいくということを盛り込ませていただいております。
 それから、今日お示しいたしました資料1の図2の円グラフは、現存している食品リサイクル施設のキャパシティということでございまして、これが今後固定化してそのままということではなく、登録再生利用事業者が食品リサイクルのマーケットの中で先駆的と言いますか、意欲を持って取り組んでいると思いますが、将来の見込みをお聞きしましたところ、飼料化に取り組んでいる事業者の皆さんは、この資料にありますように約7割が今後は拡大していきたいと。一方で、肥料化の事業者の皆さんは、拡大していきたいという方もいれば、むしろ現状維持というような形で、見解が分かれているということもございました。キャパシティとしてはこのような形になっておりますが、将来は、先生ご指摘になっていますような価値分業という世界もございますし、今回の新たな基本方針でこういったところも留意すべきということを明らかにしていくということにしたいと思います。
 そういうことで、今、先生ご指摘の部分については、基本方針の中でも十分反映させていただき、実際に制度を実施する上でも両省とも念頭に置いて取り組んでいくということにさせていただきたいと思います。

○牛久保座長 ご意見ということでしたけれども、お答えいただきました。よろしいでしょうか。
 ほかにございますでしょうか。崎田委員、よろしくお願いいたします。

○崎田委員 今、小売の事業者さんとかいろいろとご意見があって、これから実施される方は本当に大変だという厳しさに直面してくださっているからこそのご発言だと伺っております。そういう状況をできるだけ社会全体でうまくいくように応援していこうというのが、今回の見直しの重要なポイントだったと思っているんですけれども、そういうことがもう少し見える化していくことが大切なのかなという感じもいたしました。
 幾つかそれを見える化する、見える化というと変なんですが、5ページの発生抑制の項目の最後のところ、外食産業のところにだけ「自らの取組をPRすること等により、消費者の理解の促進に努めるものとする。」と書いてあるんですけれども、こういうことは小売業の方と外食産業、両方に共通していることだと思いますので、こういう項目を1つ、マルポチを1つ、別項目にして、小売業者さんや外食産業はというような形で書いていただいた方が、メッセージも伝わるのではないかと思います。
 それから、関連するんですけれども、9ページに普及啓発のところがあります。これまで議論に参加させていただいていて、これで納得していたんですけれども、今のいろいろなお話を考えて、消費者あるいは地域団体などが自ら取り組むだけではなくて、多くの市民に発信する、そういうようなことを考えていくことも大事だと思っています。これは国や公共団体が情報発信など努力することや食育の話なんですけれども、例えば、消費者とか地域団体、消費者団体の役割として、自らの食品リサイクルに関心を持つとともに、その重要性を広く発信するとか。そういう役割があってもいいのではないかなという感じもいたしました。
 あるいは、食品リサイクルに先進的に取り組む地域団体や消費者団体などと連携して、広く普及啓発を推進するとか、そういうことがあってもいいのかなと思いました。最近、普及啓発とか、ガーデニングのような形だけではなくて、地域の自治体や事業者さんと連携しながら、地域の中で食品リサイクルに参加するような市民団体、地域団体も増えておりますので、そういう地域の活力、市民の活力というものも活用していただければいいのではないかなと感じました。
 最後に一点、26ページの「終りに」のところを拝見して思ったのは、「必要な措置を講ずべきである」ということで提言で終わっているんですけれども、今日のお話を伺っておりますと、これからこの仕組みがきちんといくようにすること、あるいは、食料の自給やエネルギーの自給という非常に大きな問題に対して、社会の状況が変化してくること、いろいろな状況が考えられますので、この場でさようならをするのではなくて、1年に一回ぐらいフォローアップをしていくとか、そういう場づくりがあってもいいのかなという感じもいたしました。ご検討いただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

○牛久保座長 文言について、市民、消費者への啓蒙も含めて、それから、参画していただくインセンティブを与えていただくような書き込み、それから、フォローアップ的な行為の導入というのはご意見ということで承りましたけれども、何かお答えございますでしょうか。

○瀬戸食品環境対策室長 今ご指摘の点は、この次のステップの基本方針の書き込みの段階で少し幅広く書けるようなことも検討させていただければと考えております。今回は骨子にさせていただいていますが、次のステップとして検討させていただければと思っております。よろしくお願いしたいと思います。

○牛久保座長 よろしいですか。
 では、青山委員、よろしくお願いいたします。

○青山委員 今回は事前説明を受ける機会がなくて、まだ読みきれていないのですけれども、2点お伺いさせていただきます。
 今、百瀬さんがおっしゃったこととの関係で、再生利用目標については、業界としての目標が6ページに出ています。個別企業の目標というものが10ページに出ています。これを、百瀬さんのご意見があったからこそ、少しはっきりしなくてはいけないなということを感じました。というのは、業界目標というのは個別企業にとってみれば、客観的な目標値であって、主体観が全くない数値だと思います。何千とある業者さんが集めた結果がこれになるかどうかという数値ですから。それに対して個別目標というのは、自分のところはまだ25%だけれども、年々、努力して最大2%ずつこうなったんだという数値です。どこかに主体観がないといけない。45という目標が業界目標だということだけがここで強調されてしまうことには反対です。その辺のニュアンスだと思いますが、ご検討いただきたいと思います。
 2点目は、私も常々主張させていただいている情報、特に報告の公開の件です。1つは、12ページに「情報の提供」というのを大きい項目で扱っていただいています。「インターネット等を通じて情報提供に努めること旨を規定する。」ということで、これは今後何らかのことで反映していただけるということで6が入っていると思います。この6と16ページにある定期報告の取扱いとは少し性格が違うということはわかるのですが、ここと6の情報の提供ということが、もう少しつなぎ感が出てこないでしょうか。この報告で挙げたことでは義務的な数値しか出てこないので、各企業さんが自分たちで努力していることを、インターネットとかホームページでリンクできるようにということを、私自身も発言していたわけです。そういう趣旨がつながるような形にできないかということです。
 3点目は、百瀬さんの発言に対する環境省さんからのご答弁にありましたけれども、私自身、中小企業のごみの問題を扱っているときに、先ほどの市町村の処理料金が安いということが、中小企業にとっては非常に大きい一つの糧と言いますか、対応の受け皿になっていることは確かだと思います。一方で、そういう企業の中で何らかのリサイクル努力をしようとすると、私が関わっている豆腐業界などでは、生産コストに占めるリサイクル費用がかなりの負担となる。1丁何十円という世界で競っているので。こうした状況で、一方ではリサイクル、一方は市町村に持っていけるということをやると、死活問題にもなるぐらいの影響があります。リサイクルを進めるために、環境省では料金の適正化、あるいは、会計の公表、有料化についての指針づくりなど、いろいろご努力していただいていますけれども、そういうご努力がリサイクルの推進、特に食リ法の推進とリンクすることにつなげていただきたい。食品の残渣をリサイクルするのとそうでないところのコスト差が、生産コストにかなりこたえると思うのです。そういう意味で、その辺の配慮が文言の中に入ればと希望します。入らなくても、そういうことを今後の施策にぜひ反映していただきたいと思っております。

○牛久保座長 3つあったかと思いますが、まず最初に企業目標ですね、業種別の目標値と食品関連事業者が達成すべき目標値、ここら辺の理解が難しい。業界の数値だけが一人歩きをしないかというご質問です。これに関連して。

○瀬戸食品環境対策室長 先ほど百瀬委員からのご指摘もありましたように、少し工夫をさせていただきたいと考えております。特に基本方針を最終的に書くときの段階、骨子の段階でどこまで書くかというのも一度検討させていただきますが、基本方針の中では確実にそこの部分が明確になるよう検討していきたいと思っております。

○牛久保座長 よろしいでしょうか。文章中で両数字のページが大分飛んでいますので、例えば資料の30ページのように一つのページの中に織り込んであれば理解度が高いかなと思うんですが、ページの関係でこのような企業の目標値と関連事業者が達成する目標値が離れて表記され、ちょっと異質な感じがあったのかと思われますので、その辺のところは考慮する必要があろうかと思います。
 2番目の質問は情報の関係です。情報の提供を、例えば12ページにありますように、「食品関連事業者はインターネット等を通じて情報提供する」、そういう情報と、16ページの定期報告、これも情報提供ということで、この辺をどのように考えるかというご質問だったと思いますが、この点で何かございますか。

○瀬戸食品環境対策室長 定期報告につきましては、前に説明させていただきましたように、各社様からのご同意をいただけたものについては積極的に公表していきたいと考えておりまして、企業名、発生の原単位等について公表する手段を準備したいと考えております。また、電子申請の中でも一定の利便性とともに取組等の内容についても書けるような項目を設けさせていただいておりますので、そういう中で公表を進めていきたいと考えております。

○牛久保座長 それから、最後の質問は処理とリサイクル、特に地方におけるコストの相違ということですけれども、先ほどご説明いただいたことですので、ご意見として承っておくということでよろしいでしょうか。
 では、そのようにさせていただきます。
 鬼沢委員、よろしくお願いいたします。

○鬼沢委員 先ほど崎田委員がおっしゃった広報に関するところの追加になるんですけれども、食品リサイクルの認証制度に関して、財団法人食品産業センターが8月にいろいろな部門にアンケートをとったものがあります。そこで消費者にとったアンケートの中で「食品リサイクル法を知っていますか」という質問に対して、50%が「知らない」と、43.5%が「名前は知っているけれども、内容は知らない」という結果が出ています。ですから、消費者にとって食品リサイクル法というのはまだ全然認知されていなかったということだと思われます。
 そういう意味でも、これからよく知っていただいて、このループを完結していくためにも、広報、普及啓発はとても大切だと思います。国や地方自治体がこれまで以上に広報、普及を頑張っていかれると思いますが、直接その情報が消費者にいくというよりも、先ほど崎田委員がおっしゃったように、ワンクッション置いて、地域で頑張ってさまざまな地域活動をしている消費者団体やNPOと一緒に協働連携して普及啓発をしていけたらいいのではないかなと思います。地域で環境活動をしていらっしゃる方がたくさんいますので、そういう方たちと一緒に食品リサイクル法の普及啓発をしていくような、何か具体的な企画がつくれたら、より早くもっと認知されるのではないかと思いますので、その辺がこの普及啓発のところに盛り込まれたらいいのではないかなと思います。
 以上です。

○牛久保座長 ありがとうございました。ご意見ということで伺っておきます。
 佐々木委員、よろしくお願いいたします。

○佐々木委員 それでは、全体を通してということで。今回のまとめについては基本的には評価をしたいと思います。それぞれの課題を明らかにしながら、取組が遅れている業種の底上げを図るということで、事業者の方々にとっては非常に難しい問題があるのは十分承知しているんですが、そういったことがはっきりしていると。特に目標を業種ごとに明確にしたということで。先ほど業界の目標なのか個々の事業者の目標なのかということがありまして、結果として業種ごとにまとめるのではないかなと理解をしておりましたけれども、青山委員が言われるように、業界とか業種というとだれがどう全体を統合して責任をとるんだというような、責任というのはちょっとおかしいかもわかりませんが、そういったことになりますので、その辺はきちっとしておいていただければと思います。
 また、役割についても、定期報告やフランチャイズ制の部分がもやもやしていたところ、フランチャイズは特にもやもやしていたところがきちっと報告の中に盛り込まれたということ。さらに再生利用の手法について、それぞれまだ課題はあるとは思うんですが、優先順位等がきちっとしたということ。あるいは、発生抑制などについても取り上げられているということ。こういったものも今回の報告の中の一つの評価すべきところではないかと思います。定期報告の中で、希望する事業者に情報を提供すると。これはそういうことだろうと思うんですが、情報公開や積極的な情報提供が消費者や市民に対しての広報や啓発になるということを理解していただいて、前にも申し上げましたけれども、積極的にご協力をいただきたいなと思います。
 それから、市町村関係の収集運搬の許可とか、扱ってくれないと、処理計画の問題だろうと思うんですが、自治体は地域性に基づきそれぞれのコミュニティの中で決めているわけですけれども、収集運搬についてもそれぞれの事情で新たなものを許可しない、今の許可業者さんだけで足りるだろうという判断をされているような自治体もございます。しかし、全体としては食品リサイクルとか、家電リサイクルもそうですが、新たな法制度の中で現実的にそれにあわせた対応が望まれると思いますし、そういったことをやっていかなければ、実態に合わない廃棄物行政になるのではないかなと思いますし、そういうことのないように自治体としてもやっていかなければならないのだろうと思っております。
 ただ、方向性としては、今回の報告書にある優先順位をつけて食品を資源化していこう、あるいは、環境の負荷を考えながらやっていこうということを打ち出されたことはいいことだと思いますが、先ほど言いましたように課題はまだたくさんございます。例えば、施設の偏在の問題とか、いっぱい出るところに施設が少ないとか、それから、コストの議論、そういったものも大きな課題としてありますが、それぞれの役割をきちっと果たしてお互いの立場を尊重しながら、連携して進めていくことで個々の課題を解決していって、進めていけるのではないかなと思います。
 最後に要望ですが、先進的な取組をやっている事業者についてはぜひ区別化をして、情報や応援をするようなことをご検討いただきたいと思いますし、検証制度なども有効な手段ではないかと思います。
 以上です。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。概略的にこの報告書の内容でご支持いただいたということ、さらにご意見をいただいたと思います。
 次に酒井委員、お願いいたします。

○酒井委員 最後の最後になって非常に細かいことで恐縮ですけれども、22ページの炭化の部分で炭化の定義を書いておられるんですが、「酸素を遮断した状態での加熱による化合分解」、この「化合分解」という言葉は相当に考えられて使われている言葉なのか。純粋に考えると、「化合物分解」、あるいは、「熱分解」といった方が定義としてはしっくりくるような気もいたしますし、「化合」と「分解」を組み合わせた言葉にあえてされたのかどうか、その辺についてお答え願いたいと思います。先ほどの議論で言うべきだったかもしれません、非常に細かいことに気がついて、その点気にかかっておりますので、よろしくお願いします。
 それから、先ほど青山委員が言われた市町村の処理料金との関係であります。現状は委員指摘される状況が現実に極めて強いということは私もいろいろな場で感じております。ただ、市町村もこれまで焼却施設優先の施設整備から、バイオを大切にした施設づくりに一歩踏み出しつつある、そういう状況であろうと思います。そういう中で、将来的には規模の小さな発生事業者への一定の配慮があっていいのではないかと思っておりますので、これまでの事実のみでここを推し量るということはせずに、今後、事業者のリサイクル推進と受け皿たる施設のあり方ということの中で、地域、地域で判断していくということが重要のではないかと思っております。
 そういう意味で、崎田さんが言われたフォローアップですね。これはどういうプラットホームを用意されるかは政府のご決断だと思いますが、年に一度程度とおっしゃられたフォローアップは結構有効なのではないかと思っておりますので、崎田さんの意見に対して私は強く支持をしたいと思います。

○牛久保座長 ありがとうございました。

○瀬戸食品環境対策室長 一点だけ。「化合分解」という言葉ですが、少し勉強して直す部分は直していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○牛久保座長 よろしゅうございますか。今の「化合分解」というのは、資料2の1ページの中にある文言についてご質問がありましたということで、お答えのとおりということにさせていただきます。
 山田委員、よろしくお願いいたします。

○山田委員 最終取りまとめ(案)の全体については評価しております。この内容で結構かと思いますけれども、今いろいろな意見が出まして、将来に関係した論議として一言、意見を言わせていただきます。
 私は、川島先生のおっしゃった指摘は非常に深刻な問題になるのではないかと考えております。それから、先ほど百瀬委員がおっしゃった地方あるいは中小の零細の食品関連事業者が非常に大変だということも、一点、事実としてあると思います。その中で、私は前からお話しておりますし、今の酒井先生のご指摘と共通するんですけれども、将来、再利用の手法として、飼料化の次に肥料化がありまして、その次にメタン化等がありまして、これを市町村段階で高度化処理として交付金等も増やして、地域における循環を利用していこうという線が出ているわけですね。従って、その総体において物事を捉えていかないとおかしくなってしまうのではないかと。
 私どもは地域で一般廃棄物の収集運搬業をやっておりますけれども、現在、地域の広範な、広域的な市町村の連携もとられ始めております。そういう中で、処理が困難だ、イコール一般廃棄物の処理の仕組みが問題だというような論議が簡単にされますけれども、そもそも一般廃棄物というのは市町村処理責任があるんですが、なぜかということをよく考えていただきたい。廃棄物処理法もそうですけれども、環境保全ということが優先で廃棄物処理法がつくられているわけでございまして、環境保全を最優先すると。この中でどうやって食品リサイクルを進めていくかということを考えますと、現在の不法な不適正な実態の中で、本当に環境に配慮しながら物事の仕組みをつくっていくという意味では、その辺のことを安易に考えない方がいいのではないかと思います。
 意見としては、市町村レベルにおける、地域における食品リサイクルの受け皿をきちんとつくって、川島先生ご指摘のような肥料化の問題も深刻に受け止めながら、対処していくべきではないかということを意見として言わせていただきます。
 以上です。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。百瀬委員、よろしくお願いいたします。

○百瀬委員 以前にお聞きしたかもしれませんが、熱回収の施設というのは、市町村の処理場の中で高性能な、160メガジュール回収できるところを指しているのかと思いますが、いかがでしょうか。
 また、例えば隣の市に熱回収可能な施設があります。私のところはそこにぜひ持っていって熱回収としてリサイクルしたい。でも、一般廃棄物の運搬に関する法律ではそれは可能なのででしょうか、困難なのでしょうか。それをぜひお聞きしたいと思います。
 もう1つ、佐々木委員がおっしゃった中で、一般廃棄物運搬業の許可のことですが、これはこういう例だと思います。私どもの協会会員が困難な課題だとしていることは、店舗所在地の隣の市もしくはもう少し外にある再生利用施設に搬入して、再生利用事業計画をしようとしたときに、契約している一般廃棄物収集運搬業者が店舗所在地の収集運搬許可を持っているけれども、市外の施設に運び込むときにはそこの許可も要るわけですね、今の法律ですと。ですから、市を幾つかまたいで行くごとにそれぞれ許可をもらわなければ、再生利用事業計画は成り立たないのではないかということでした。ですから、同じ市内の店舗から再生利用施設への運搬許可ではなくて、市外の施設に持っていく場合の運搬許可のことだと思っていますが、いかがでしょうか。

○牛久保座長 では、熱回収についてご質問ございましたので。

○松澤自動車リサイクル対策室長 熱回収の施設は、以前、第2回だったかと思いますが、日本地図でお示ししたものがございます。これは一次スクリーニングで、今ご指摘ありましたような1トン当たり160メガジュールを達成できるだろうというスペックを持っている施設をピックアップしたもので、実際には個々の施設で本当にできるかどうかもう少し見極める必要があるんですが。全国で約38施設ピックアップしました。それは自治体の非常に高性能な廃棄物発電施設と、民間の産業廃棄物処理業の高性能な廃棄物発電施設が38ということでございます。従って、自治体の施設が当然有力ではありますけれども、それだけではなく、民間施設も現状としてございます。また、今後出てくる可能性もあろうかと思います。
 熱回収につきましては、最後の手段ということで、あくまでも再生利用ができる場合は再生利用を実施するということで、その部分についてはこれまで4回の会合の中でご指摘が何回もあったと思いますので、まずそれが前提ではございますけれども、今の状況では数はそれほど多くないということでございます。従いまして、例えば東海圏を見ましても、愛知から大阪にダイナミックに持っていくということが必要なぐらい、熱回収施設というのは現状では数がそれほど多くないということで、大消費地、東京とか大阪とか名古屋というところで、再生利用がいろいろな事情があってどうしても選択できない場合に、最後の手段ということで選択していただける可能性があるというのが現状かと思います。通常、隣の自治体の焼却施設に持ち込むということは、ご案内のとおり自治体間で合意があれば可能かと思いますけれども、現状ではそういうことには必ずしもならないのではないかと思います。
 それから、収集運搬の許可につきましては、積み込むところと下ろすところと、それぞれの自治体の許可が必要ということで、食品リサイクル法につきましては、制定時に登録再生利用事業者の施設に搬入する場合には国で登録ということで一定の確認もいたしますので、積み込み地だけの許可で、登録再生利用事業者の施設で下ろす場合の許可は要らないと。こういう形で登録再生利用事業者の側の荷物を集めやすくするという特例を設けさせていただいて、5年立って100を超える登録再生利用事業者が出てきて、なお白地地域がございますけれども、そういったところを次の5年間で我々も地域ベースでPRをしていく必要があるだろうということでございます。
 また、今回の改正法では、ご案内のとおり再生利用事業計画の認定制度では、一定の要件がございますが、積み込み地と積み下ろし先それぞれ許可が要らないと。その代わり国でもって認定という形にもいたしますし、食品関連事業者の皆さんにもループが完結するような取組を前提にやっていただくと、そういう形で新しい制度が今回の改正法でできております。そういう特例が2段階でそれぞれございますから、それを食品関連事業者の皆さん、あるいは、地域の廃棄物処理業の皆さん、それから、地方行政といったところが十分ご理解いただいて、ポイント、ポイントでそういう制度を活用していただいて、食品リサイクルの向上というところにつなげられるように、我々もそういったところを十分PRをしていきたいと考えております。

○牛久保座長 ほかにございますでしょうか。
 ないようですので、大変長時間にわたりご議論いただきまして、まことにありがとうございました。ただいま個々の関連質問事項、それから、新たに書き込むべき事項というご提言、その他もろもろお聞きさせていただきました。この最終取りまとめにつきましては、本日頂戴いたしましたご意見またご質問等が明らかになることを基本原則に、文言等につきましては、修正すべき点が多々あろうかと思いますので、中環審の石川座長と私にご一任いただければと思いますが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)

○牛久保座長 異議なしということで、私と石川座長で整理をさせていただきます。
 その他ということですが、委員の中で何かございますでしょうか。
 ないようでしたら、以上で本日の審議を終わりたいと思います。
 では、事務局にお返ししますので、よろしくお願いいたします。

その他

○川合食品産業企画課長 長時間にわたるご審議、どうもありがとうございました。この合同会合につきましては、前回ご連絡をさせていただきましたとおり、今回をもって終了とさせていただきたいと存じます。なお、農林水産省及び環境省で準備が整い次第、最終的な取りまとめをもとにパブリックコメントを実施いたしたいと考えております。
 また、合同会合の審議結果、パブリックコメント終了後の報告等につきましては、牛久保座長、石川座長、両座長と相談させていただきまして、こちらの上位機関となります食料・農業・農村政策審議会の部会、それから、中央環境審議会の部会へそれぞれ報告・審議の上、答申をさせていただくということにさせていただくとともに、施行に向けた所定の手続きに入らせていただきたいと考えております。よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、最後になりますが、事務局を代表いたしまして、農林水産省総合食料局の岡島局長より、皆様にごあいさつをさせていただきたいと存じます。

○岡島総合食料局長 岡島でございます。事務局であります環境省、農林水産省を代表いたしまして、ごあいさつ申し上げます。
 牛久保先生、石川先生をはじめ、両審議会の委員の皆様方には活発なご審議、貴重なアドバイス、大変ありがとうございました。皆様方からいただきましたご意見などをもとに、改正食品リサイクル法の施行に伴う基本方針、その他関係政省令の見直し方向や、その効率的な運用に向けた検討を進めてきたところですが、これらの方向性も定まったものと考えております。これもひとえに皆様方の熱心なご議論の賜物と感謝している次第でございます。また、今後とも引き続きご指導のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 最後になりますが、本日お集まりの皆様方のますますのご発展、ご活躍を祈念申し上げまして、御礼のあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。

○川合食品産業企画課長 それでは、これをもちまして、本日の合同会合を終了いたしたいと思います。どうもありがとうございます。

閉会