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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
廃棄物の区分等に関する専門委員会(第2回)議事録


平成18年9月15日 午前10時07分開会

○産業廃棄物課長 ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会廃棄物の区分等に関する専門委員会を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、ご多忙にもかかわらずご出席いただきまして、大変ありがとうございます。
 本日の出席状況でございますが、現時点で委員長を含め12名の委員にご出席いただいておりまして、定足数である過半数に達しておりますことをご報告させていただきます。
 さて、当専門委員会は、前回、その第1回目として木くずに関してご審議をいただいたところでございます。本日の委員会では、再生利用認定制度におけるバーゼル条約上の有害廃棄物の取扱についてご審議をいただきたいと考えております。そのため今回は、再生利用認定制度に関する臨時メンバーの委員に加わっていただいております。
 ここで再生利用認定制度に関する臨時メンバーの委員をご紹介させていただきます。
 まず、新日鉱ホールディングス株式会社技術・開発グループ技術顧問の門前様でございます。
 もうお一方、新日本製鐵株式会社技術総括資源化推進グループリーダーの近藤様に委員になっていただいております。間もなくお見えになると思います。
 それから、お手元の配付資料でございますけれども、資料一覧をお配りしておりますので、資料の不足がございましたらお申しつけいただくようお願いいたします。
 本専門委員会の資料につきましては、原則すべて公開とさせていただきたいと存じます。専門委員会終了後に、発言者名を示した議事録を作成し、委員の皆様方にご確認いただきましてご了解をいただいた上で、公開させていただきたいと存じます。
 先ほど申し忘れましたけれども、ご紹介した2名の臨時委員のほかに、基盤類の製造業界からも臨時委員としてご参画いただく方向で調整しております。本日は間に合いませんでしたが、恐らく次回以降ご出席いただけると考えております。
 それでは、これ以降の進行につきましては、細田委員長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○細田委員長 それでは、本日の議題であります再生利用認定制度における有害廃棄物の取扱について、審議に入りたいと存じます。
 本日は、再生利用認定制度の概要とバーゼル条約に基づく有害廃棄物の再生利用の現状等について報告を聞き、今後の検討の進め方についてご審議いただきたいと存じます。
 それでは、まず事務局から関係資料の説明をお願いいたします。

○産業廃棄物課長 産業廃棄物課長の木村でございます。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料2と資料3を続けて説明させていただきたいと思います。
 まず、資料2「バーゼル条約に基づく有害廃棄物の再生利用認定制度における取扱の検討について」でございます。
 今回、本件をご審議いただく背景を、まず1ページで説明させていただいております。
 規制改革・民間開放推進3カ年計画の再改訂版を平成18年3月31日に閣議決定いたしておりますけれども、その中の4.再資源化の促進に向けた廃棄物に係る諸制度の見直しの【具体的施策】の(3)として挙げられているものが、今回、ご審議いただくものに該当しております。再生利用認定制度の対象廃棄物に係る判断方法の見直しということでございます。
 現行の再生利用認定制度は、いわゆるバーゼル規制対象物を再生利用認定制度の対象とする廃棄物に一律に該当しない、すなわちバーゼル規制対象物をすべて対象から外しているということでございますけれども、個別にその対象とするかどうかについて判断することとする、これが閣議決定された内容でございます。
 なぜこういうことが決定されたか、その下に<参考>としてさらにその背景を述べておりますけれども、2003年度の総合規制改革会議におきまして、再生利用認定制度に対して、非鉄金属製造業界では、銅・鉛・亜鉛・カドミ・水銀といった一部では有害元素とされる非鉄金属を、ばいじん・焼却灰・電池などから回収するリサイクルに取り組んでいる。この再生利用認定制度を受けるに当たりまして厳格な審査を受けるのであるから、非鉄金属を回収できる技術的能力・経理的能力などを有すると認められた場合にこの制度の適用を認めるべきであり、一律に適用対象外とすべきではない。
 バーゼル条約規制物質も、既にリサイクルが行われているにもかかわらず、この再生利用認定制度の特典が受けられないということであって、一律に適用対象外とすべきではないという要望がなされておりました。こういうことも踏まえての平成18年の閣議決定であったと考えております。
 1ページおめくりいただきまして、それでは、再生利用認定制度というのはどういう制度であるか、もう一度かいつまんでご説明させていただきたいと思います。
 再生利用認定制度というのは、この四角の中に書いてありますが、環境大臣が定める廃棄物について、生活環境の保全上、支障がないものとして環境省令で定める基準に適合している場合に、環境大臣の認定を受けて再生利用を行うことができるという制度でございます。
 この認定を受けるとどういうメリットがあるかということですが、廃棄物処理業の許可を受けずに廃棄物の処理が行える、なおかつ施設設置の許可も受ける必要がないということでございます。
 こういう制度が創設された経緯ですけれども、平成7年に容器包装リサイクル法が成立しまして、本格的な再生利用の制度創設の幕開けを迎えたわけですけれども、再生利用を大規模・安定的に推進するための施策が求められる一方で、処理施設の設置をめぐる住民紛争が激化いたしまして、施設設置が非常に困難となっている状況がございました。
 こうした中で、生活環境の保全を確保しつつ再生利用を大規模・安定的に推進するために、まず1番目として、再生品が市場において確実に利用される製品となることによって、再生品の利用を含めて再生利用において生活環境の保全上の支障を生ずるおそれがないこと、2番目として、再生製品を生み出すためには既存の生産設備を活用することが有効でありまして、日常的な監視を要せずとも生活環境の保全が確実に担保されるよう安定的に稼働しているものであるということ、3番目に、大臣認定でございますので、広域的かつ大規模に再生利用が促進されること、こういったことが確保される場合において、国の認定によって規制緩和措置が必要と考えられたということでございます。
 この考えを受けて、平成9年の廃棄物処理法改正によりまして、生活環境の保全の確実な担保が可能である生産設備等について、大規模に再生利用を推進する特例措置であるところの再生利用認定制度が設けられたわけでございます。
 さらに国際的な動向としては、廃棄物の処理の優先順位として発生抑制、再利用、それからマテリアル再生利用、それから熱回収、それから適正処理、この順で優先順位をつけて進めていくべきであるといった考えが固まりつつあったこともありまして、この再生利用については、熱回収までそれに含めてしまうとこの優先順位、特にマテリアル再生利用の優先順位を高くするといったところが確保できなくなるおそれがあるということ、さらに、熱回収に伴うダイオキシン対策については日常的・地域的監視が重要であるということもございまして、マテリアル再生利用までが適当とされたわけでございます。
 現行の制度で認定の対象となる廃棄物でございますけれども、考え方としては、生活環境の保全上、支障を生じさせないということがありますので、まず廃棄物自体が生活環境の保全上、支障を生じさせない蓋然性の高いものに限定して、環境大臣が個別に指定しております。その際、ばいじん、焼却灰、燃え殻であって廃棄物の焼却に伴って生じたものであるとか、今、議論させていただいておりますバーゼル法上の有害特性を有する廃棄物、さらに容易に腐敗したり揮発するような廃棄物、こういったものは、この制度の対象とはしておりません。
 次のページですが、認定の基準でございます。
 基準には幾つかございますが、まず、再生利用の内容の基準でございます。
 四角の中に6項目書いております。これですべてではございませんが、主なものを挙げさせていただきました。
 1つには、再生利用が相当程度促進されることが必要だということ、次に、再生品の性状を適合させるべき標準的な規格があることなど利用者の需要に適合していることを判断するに足りる条件が整備されて、再生品の利用が確実に見込まれること、3番目として、廃棄物を再生品の原材料として使用すること、4番目として、先ほどサーマルを外したということでございましたが、燃料として使用されることを目的とするものではないこと、5番目として、廃棄物の全部又は大部分を再生利用の用に供する施設に投入すること、6番目に、再生に供い廃棄物のほとんど生じないものであることということでございます。
 それから、再生利用を行う人の基準ですが、これは経理的・技術的能力、それから管理の実施能力がある、欠格要件に該当していない、こういったことが要件になっております。
 施設の基準ですが、廃棄物の処理施設として通常有すべき内容を有すること、それから許可施設につきましては、その許可の基準に適合していること、周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がなされていること、こういったものを共通の基準として、廃棄物ごとに環境大臣が基準を定めております。
 現在の認定状況でございますが、その下の表にまとめてございます。
 例えば廃ゴムタイヤ、自動車用のものに限りますが、これはセメント原料として使用する。あるいは建設汚泥でございますと、高規格堤防に使う。廃プラスチック類ですと、鉄鉱石の還元剤あるいはコークス炉において使う。それから廃肉骨粉、これは有害部位を除いたものですが、これはセメント原料。それからシリコン含有汚泥は、転炉または電気炉に用いる。次のページですが、ゴム製品─ゴムタイヤ等で鉄を含むものですが、これは鉄鋼製品の原材料として用いる。それから現在、特区制度がございますが、特別区域においてのみ試験的に認定されているものがございまして、これは廃木材で容易に腐敗しないように適切な措置を講じたものですが、これは鉄鋼製品の原材料として使用することが認められております。
 次のページですが、先ほど来、申し上げております有害物質という枠組みを考えるときのバーゼル条約でございます。
 どういう仕組みでどういうものが対象になっているか、ごく簡単に説明いたしますと、バーゼル条約自体は、ご案内のように特定有害物質等の輸出入等の規制を行うということで、まずは有害廃棄物等については国内処理が原則である、あるいは輸出する際の輸入国、通過国への事前通告あるいは同意取得の義務づけが必要。それから、非締約国とは輸出入を禁止する。それから、不法取引が行われた場合の再輸入の義務等々を規定しております。
 具体的な仕組みはそこにございますとおりでございまして、環境大臣の役割としては、輸出の承認、輸入の承認の際に、若干書きぶりが変わっていますが、輸出については、環境保全に支障がない旨の確認を行って経済産業大臣に通知する。輸入の場合は、必要がある場合に経済産業大臣に意見を述べることができる、こういうふうになっております。
 今回ご議論いただきたいバーゼル条約の規制対象物質と再生利用の関係で申し上げると、まず、バーゼル条約の規制対象廃棄物とはどんなものかをご説明する必要があるんですが、それが次のページでございまして、バーゼル条約には条約附属書IとIIIがございまして、Iは、廃棄の経路、含有成分、つまり規制する廃棄物の分類に関する附属書でございます。附属書のIIIは有害特性に着目した分類でございまして、爆発性とか腐食性、急性・慢性毒性といったものが対象になっております。したがいまして、附属書I、IIIの共通部分、附属書IにもIIIにも該当する部分が規制の対象になっております。
 附属書Iにつきましては、経路と含有成分両方の視点で決められております。経路については、医療行為から生ずるもの、有機溶剤の製造に伴うもの、含有成分としては、砒素、鉛等27種類。それが次からの2ページにまとめられております。
 その次のページですが、先ほど冒頭で背景を申し上げましたが、その背景となっているところの非鉄金属製錬業におけるリサイクル原料・廃棄物処理の状況、これはデータとしては若干古いんですが、平成14年度の資料としてまとめております。
 非鉄製錬業の設備構成と廃棄物利用特性でございますが、非鉄製錬業では、多種多用な金属を含む鉱石から銅とか鉛とか亜鉛などの金属を個別に選別、製錬・抽出しているわけでございます。鉱石だけではなくて種々の廃棄物などからも、再資源化事業が行われているということでございます。金属含有率が比較的高い金属スクラップのほか、製鋼ダストとか廃電池、自動車用廃バッテリー、廃酸、廃アルカリ等、対象となっている廃棄物は多岐にわたります。
 これらについて最小限の前処理設備を設置して、それを経た上で既存の製錬工程等を使用した非鉄金属の回収を行っているということでございます。
 例えば銅製錬でございますと、高品位スクラップは転炉に冷剤として投入処理し、粉状スクラップやスラッジ類は、溶錬炉において原料銅精鉱とともに処理される、こういうようなことでございまして、鉛製錬、亜鉛製錬についてもそこに書いてあるような対応をしているところでございます。
 これ以外にも、廃酸、廃アルカリ等のリサイクル事業も実施しておりまして、年間で総額900億円の事業となっていると承知しております。
 この中身をもう少し細かく見てみますと、1つには、2のリサイクル原料としての処理実績、それからその次のページ、廃棄物としての処理実績がございます。リサイクル原料処理実績の方は、いわゆるスクラップで原料として購入したもの等でございまして、処理量は42万9,000トンに及んでおりまして、その内訳は表に書いてあるとおりでございます。
 一方、次のページの廃棄物の処理実績、これは廃棄物として処理費用を受領して処理を行っているものでございまして、114万7,000トンに及んでおります。こちらの方が量としては多くなっております。その中身ですが、汚泥とか廃油、廃アルカリ、廃プラスチック、それからばいじん、こういったものが量的には多くなっております。
 次の4番ですが、再資源化実績でございます。2のリサイクル原料、3の廃棄物の処理、この両方によりまして再資源化された非鉄金属や二次原料、これは34万3,000トンでございまして、その内訳は表のとおりでございます。量的には銅が一番多うございます。13万トン余りでございます。国内生産に対する比率としては、銅は9.2%。次に多いのが鉛ですが、10万トン強でございまして、国内生産に占める割合は50%近くにも及んでおります。それから亜鉛が続きまして、金と銀は量的には少ないんですが、国内生産に対する比率は25%ぐらいから40%ぐらいで、かなり高い割合になっております。
 5番目は金属等回収状況でございまして、これはそれぞれ処理量として投入したものからどれだけ再資源化ができているか、つまり、それぞれ該当する金属を回収できているかという表でございまして、銅の場合は63万トン強を投入して13万トンの銅を回収している。20%ぐらいの再資源化率。亜鉛、鉛は50%ぐらい。貴金属は、再資源化率は2.4%と低い。まあこれは貴金属でございますので、そもそも入っている濃度が低いんだろうと思いますが、先ほど4のところで説明しましたように、国内生産に対する比率としては相当の量になってございます。
 次の表が、非鉄金属業における金属等回収状況でございます。それぞれの金属ごとにまとめたものでございます。
 11ページにありますグラフは、非鉄金属製錬業におけるリサイクル原料・廃棄物処理の推移でございます。
 2つ線がありますが、上が廃棄物原料の使用量、下がリサイクル原料の使用量でございます。廃棄物原料の使用量の方が、特に近年、伸びているのがごらんいただけると思います。
 次のページですが、非鉄製錬業における金属の回収事例を示したものでございます。これは金属回収の例をイメージしていただくために載せたものでございます。
 投入する対象物は、ここではASR、家電シュレッダーダスト、廃基盤、銅含有スラッジでございまして、銅を取り出そうとしているものでございます。これは先ほど言いました、廃棄物を焼却・溶融処理によって可燃物や塩素等を除去することによりまして、その後のスラグを銅製錬施設に入れてリサイクル処理をするという施設でございます。
 次のページにこの処理の流れを書いてございますが、最終的に銅を回収するところは、この銅溶錬施設でございまして、廃棄物として投入するわけですので、その前に前処理的な設備があって、先ほど申しました可燃物や塩素などを除去して、最終的にこの銅溶錬施設に投入できる形にしていくという施設でございます。
 その過程でキルン溶融炉、二次燃焼室等を通りまして、ダイオキシン対策としてボイラーとか急冷塔もございます。それから溶融飛灰の再資源化施設もつけております。こういったような例があるということでございます。
 それから、溶融飛灰における金属含有量について、14ページに表を載せております。これも例でございますので、これが平均ではございません。そういうふうにごらんいただきたいと思いますが、例えば銅のところ、亜鉛のところ、鉛のところ、相当の濃度がございます。こういうものを回収していくということで、妨害物質としては、先ほどの例でもありましたが、塩素等の濃度が高くなっております。
 次に、プリント基板の金属含有量のところですが、プリント基板から回収することも広く行われているようでございまして、この場合ですとニッケルあるいはハンダの鉛、銅箔の銅、こういったものがかなり高い濃度になっているようでございます。
 次のページですが、先ほど説明しましたバーゼル条約に関する輸入事例でございます。これは、こういうものが海外から日本に輸入されて金属等の回収が行われているということで、それがどのぐらいの量なのかをお示しするためにつくった資料でございまして、最初のは輸入事例、これは事例で全部ではないんですが、幾つか特徴的なもの、フライアッシュとして電子部品スクラップとか、基盤くずとか、こういったものを参考として挙げてみました。
 左下にある棒グラフは、バーゼル条約規制対象物の輸入量でございます。平成12年ごろから非常に多くなって、年により若干の増減がございますが、大きな基調としては増えているのかなと思います。
 その右ですが、輸入された特定有害廃棄物等の回収目的物でございます。これは銅が過半を占めておりまして、第2位が銀の20%、亜鉛16%、こういうふうになってございます。
 以上、資料2についてご説明しました。今回ご議論いただく基礎的な資料として、ご考慮いただければ幸いでございます。
 資料3でございますが、それでは、今後どういうふうに検討を進めていただきたいかを事務局側の考えとしてまとめさせていただいております。
 検討をいただくに当たって、まず、業界の実情をヒアリングさせていただいてはいかがかと考えております。対象としては、先ほど来、説明させていただいております非鉄業界、それから鉄鋼業界、電子基盤の製造業界としてはいかがか。そして現状認識について共通の土台に立った上で、主に以下の3つのことを検討していただいたらいかがかと考えております。
 1つは、今回対象に加えていく物質でございます。再生利用認定制度という特例制度を設けた趣旨については、先ほど資料2のところで説明させていただきましたところですが、そういった趣旨、とりわけ3Rの推進といった観点を踏まえまして、有害な性状を有するものであっても生産設備などにおいて相当程度に安定的な再生利用が確保されること、それから生活環境の保全が十分に確保できることなどを勘案して、再生利用認定制度の対象として加えるべき物質について検討を行っていただいてはいかがかと考えております。
 2番目ですが、対象に加える廃棄物でございます。これについては(1)の観点も踏まえまして、それらを含有する廃棄物について、鉱石などのバージン原料と同等程度、あるいはそれ以上に目的とする物質─金属ですが、それを含有する、あるいは少なくとも同程度以上に回収できる、そういう場合など一定の要件が必要となると想定しておりますが、どのような性状の廃棄物であれば対象となり得るかというご検討をいただいてはいかがかと考えております。
 (3)対象に加える再生方法でございますけれども、(2)の廃棄物について、高度な生産技術により効率的な回収が可能であること、生活環境の保全が十分に確保できる再生利用が可能であること、こういったことなど、その対象とすべき再生方法についてご検討いただいてはいかがかと考えております。
 いずれにしても、この再生利用認定制度というのは廃棄物処理法の特例制度でございまして、その前提としては、あくまでも生活環境の保全が十分に確保できる、そういう再生利用が確実に行えるんだということが前提になるのではないかと考えております。

○細田委員長 ただいまのご説明の内容について、ご質問、ご意見があれば承りたいと存じます。
 今日は比較的時間もございます。70分程度質問、ご意見を承る時間がございますので、ぜひいろいろな角度から委員の皆様の意見を賜りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○酒井委員 まず、質問の内容を確認させてください。
 再生利用認定制度のご説明があったんですが、認定の基準は、主な内容として5点あることを理解させていただいたんですが、規制改革会議の方から厳格な審査を受けている、そういう文言があるんですけれども、その厳格な審査の内容をぜひご紹介いただけないかと思います。
 具体的にはどのような手続で、だれがどのように審査をしているのか、その審査情報はどのように公開されて、どのように国民に伝わっているのか、そのあたりをご紹介ください。

○細田委員長 幾つかのご質問、ご意見を承ってからお答えをいただきたいと思います。
 ほかに、いかがでございましょうか。
 それでは、私の方から。
 技術的なことなんですが、まず、資料2の3ページの認定状況のところで、肉骨粉がありますよね。これは当然、ここにあるからバーゼル対象物ではないということですよね。だけれども、実質的にこれを今の段階で輸出することはできないですよね。法律的な問題ではなくて。この肉骨粉をどう理解したらいいか、私、常々自分の頭の中で整理できないことがあって、1つには、セメントの原料となっているという事実がある。幾つかの基準を満たしているからいいだろうということがあると思うんですけれども、積極的にこれを再生利用認定する理由として何があったのか、私がちょっと無知なために、ちょっと教えていただきたい。
 もう一点、これは当たり前のことだと思うんですが、バーゼル対象品目は再生利用の認定にならない。だけれども、バーゼル対象というのはまだ有価、無価に関係ないわけですよね。日本の廃掃法─これは総合判断説だから、それだけではないんですけれども、一応有価か逆有償かで廃棄物が決まっている。逆有償になったものに関しては業の許可、施設の許可が要るということですよね。廃棄物と見なされる。そのものに関してはバーゼル対象物が適用される。ということは、有価物に関しては、廃棄物でない場合は業の許可、施設の許可は要らない。だけれども、それはバーゼル対象品目になるかもしれない。
 そこの切り分けというのは、あくまでも当然、まず国内の法律で廃掃法に従って切り分けておいて、それに関して再生利用を認定する場合にはバーゼルを有害物として適用する、こういう理解でいいのかどうか。
 質問の意味、おわかりになったでしょうか。

○産業廃棄物課長 すみません、最後のところをもう一回。

○細田委員長 要するに、バーゼルというのは有価、無価に関係ないわけですよね。だけれども日本の廃棄物、業の許可を適用するかしないか─再生利用認定というのは、業の許可と施設の許可を外すということです。そうすると、そこを適用するかどうは日本の廃掃法ですよね。それは有価、無価が大いに関係してくる。それにずれがありますよね。
 まず、当然のことながら廃掃法に従って、有価、無価に従って逆有償物を定め、廃棄物として、それに対して改めるときは、再生利用認定やるときにはバーゼルでやる。そういう適用の層がある、私はそういうふうに頭の中で整理しているんですけれども、それでいいかどうか。

○産業廃棄物課長 余り質問がたまると質問自体わからなくなってしまいますので、ここでお答えさせていただきます。
 最後のご質問については、おっしゃるとおりだと思います。廃掃法として考えるときには、これは廃棄物かどうかというところを、単に有価、無価ということだけではございませんで、、総合的に判断をしております。特に自ら利用するものではないような場合には、有価で取引されているかどうかは重要なポイントでございまして、その考え方の背景としては、やはり有価で買ってきたものは買った人にとって非常に価値のあるものですから、それは丁寧に扱われるだろう。廃棄物であれば、場合によってはぞんざいに扱われて、生活環境保全上の支障を生ずるおそれもあるだろうといったことで切り分けております。
 したがって、まず有害かどうかということ以前に、有価であるか無価であるかというところが廃棄物かどうかとしての入り口の判断になります。
 それから肉骨粉につきましては、ここで扱っているものは有害部位を取り除いたものでございまして、そういう意味では、今回ご議論いただいているバーゼル物のように、明確に有害であると規定されているものではない。ですから我々としては、今までの再生利用認定制度の認定は、廃棄物自体として、それ自体が生活環境保全上の支障を生じないものに限ってやってきたと考えております。

○産業廃棄物課長補佐 酒井委員からご質問いただいた点でございます。厳格な審査というのはどういうふうにやっているのかというところでございますけれども、資料2の3ページに書いてございますように、認定の基準が3つございます。1つが再生利用の内容の基準でございますが、その下に[2][3]とございまして、やる人の基準、それに加えまして施設の基準、この3つの要件を満たさないと認定はできないことになっております。
 [2][3]につきましては、基本的に自治体が行っております業なり施設の許可と、ほぼ同等の中身でございます。それに加えまして、[1]の内容の基準がかぶさってくるといったことになってございます。
 その内容の基準の中で、この●に示したような基準を適用してございますが、いずれにしましても、その処理のフローとか、これまでの稼働の実績等、かなり詳細な添付書類を申請書にあわせて提出していただいておりまして、それを一点一点確認しながら審査を進めていくということでございまして、自治体の許可制度プラスこの内容の基準といった感じでの審査がなされるとご理解いただければと思います。

○酒井委員 そのときの審査情報は国民にどの程度見えるのかという点と、もう一つは、一たん許可を出された後、施設の性能等々が発揮されているかどうかの検証、フォローアップ等はどのような形でおやりになっているのか、その辺を教えてください。

○産業廃棄物課長補佐 審査につきましては、審査の状況そのものを特段公開しているわけではございませんけれども、審査後のフォローアップにつきましては、こちら制度上は自治体の方で立入検査、報告聴取等を行うことになっておりまして、そういったところで担保がなされていく仕組みとなってございます。

○細田委員長 まだ首をひねっていらっしゃいますけれども、まだ何かあったら、また後で。

○新美委員 先ほどの廃棄物の定義とも絡むんですけれども、有価、無価が大きなファクターになることはわかったんですが、価格というのは変動するわけで、どの時点でとらえるのか1つ疑問があります。
 それからもう一つ、同じ観点から、幾つかサプライチェーンと言ったらいいのか、どう言ったらいいのかわかりませんが、幾つかのプロセスを経ていくわけで、それぞれの場面で値段があったりなかったり変動があると思うんですが、それはどうやって切り分けて有価、無価の判断をしていくのかを伺いたいと思います。

○産業廃棄物課長 確かに、おっしゃるようなことは現実にあると思いますが、私どもとしては、そのものが廃棄物として排出された時点で判断してございます。

○近藤委員 後ほど鉄鋼業界のヒアリングをしていただけるということで、どういうことを整理してきたらいいのかお伺いしたいと思うんですが、今の有価か無価かというところで、再生利用認定というのが非常にすぐれていると思っていますのは、私ども、広畑で廃ゴムタイヤの再生利用認定をとった動機というのは、そういう変動要素だったんですね。
 安価原料として有価で使っていたんですけれども、市況が下がって逆有償になってしまった。払う方とすればそのままの状態の方がいいんでしょうけれども、余りにも差が大きくなってきてしまったので、再生利用認定を認めていただきたいということで取得して、そうしますと有価、無価関係なく、要するに、技術ベースで評価しておいていただければ市況の変動に合わせて利用が続けられるといういい側面を持っていると私ども理解して、活用しています。
 質問としては、最後のところになるんですけれども、先ほど生活環境保全が十分に確保できる再生利用というところで、私ども、今、実際にやっていて1つだけ悩んでいるところは、例えば、広畑の新日鐵で廃タイヤを利用しています。新日鐵には室蘭から大分まで作業所があるんですけれども、そういうことはやっていない。普通の鉄の生産をやっていて、鉄の生産も環境保全の確保に十分に対応しながらやっているんですが、何せ老朽化が進んでいる関係で、ときどき事故が起こってしまいます。排水事故とか大気汚染事故といった形で、「鉄鋼業界は最近、何しているんだ」ということで大分お叱りを受けて、各会社とも今、一生懸命立ち直りをやっているんですけれども、何せ一時、相当ひどいリストラ状態で、設備のメンテナンスも、これは相当長期のタームでやっていかなくてはいけなくて、今、頑張ってはいるんですけれども、その最中にもそういうことが幾つか起こります。
 そうすると、この再生利用とは関係ない所で問題を起こすと、問題を起こすこと自体が悪いんですけれども─止めざるを得ないという仕組みになっているところが、今、別な委員会で議論されていると思いますが、ぜひこの場でも、このものが利用される場合の生活環境保全が十分に確保できていればいいのではないかというところを議論していただけるかどうか、ちょっと質問とお願いが重なっているんですけれども、よろしくお願いします。

○細田委員長 最後のところ、私まだ理解できていないかもしれないんですけれども、動脈のことでもそういういろいろな老朽化に伴う問題があった、そして今回、再生利用に関連して、生活環境保全上の問題を……、今おっしゃった問題とどうつながっているんですか。

○近藤委員 例えばタイヤの話でありますと、生活安全上、広畑の再生利用については問題がないということで、ある一定の認可がおりて、今、運営しているんですけれども、室蘭で排水事故を起こしてしまうと広畑の再生利用もとまってしまうという仕組みになっていまして、それについては検討のお願いをしてはいるんですけれども、こういう場でも、やはり再生利用を拡大していくということでは、非鉄さんの場合も、それから我々も、実はヤマモト還元しているものがいろいろ、後ほど紹介したいと思っていますが、そういうものを積極的に再生利用をとっていきますと、そういう停止条件が5年等といった格好で起こりますと、相当大きな静脈ラインが止まってしまうことになるので、ぜひこの場でも、やはり当該対象物設備での生活環境の保全という観点と、安定的に処理していくということから、ほかの生産設備での事故対象についてはどういう見解であるということも、お時間があれば考えていただきたいということであります。

○産業廃棄物課長 今、ご指摘の件、いわゆる欠格要件に関するご指摘だと思うんですけれども、この問題は、再生利用にかかわらず廃棄物処理法全体の話でございまして、そのこと自体、我々十分必要性があってやってきたと考えているんですが、今、ご指摘のようなご意見があることも承知しておりまして、別途、私どもで検討会をつくって議論させていただいていますので、この再生利用のことだけに限ってそのことを議論することはできないと思いますので、それはそれで議論を整理させていただけないかと思います。

○近藤委員 あえて関係ないように思われると思うんですけれども、実は我々、非鉄さんも多分同じだと思うんですけれども、この再生利用に踏み込んでいきますと、かなりの量を受けていく格好にどんどん発展していくと思うので、そのときの安定的に受けるという条件の中に、やはりそういう方向性が、どちらなのかということが非常に気になっていると言ったらおかしいんですけれども、それがために社の意思を整理し切れないという状況もあることをご理解いただきたいということです。

○細田委員長 多少悩ましい問題がございます。ちょっと今の問題は受けとめさせていただいて、どういうシチュエーションでどういうふうに議論させていただくかも含めて、また後でご提示させていただければ。

○廃棄物・リサイクル対策部長 今、木村課長から申し上げたとおりでございますが、今の点は、実はこの廃棄物の改革を行うベースの議論から来ている話でありまして、かつて産業廃棄物が大変、先ほどもなぜ廃棄物を扱うかといったこと、混ざっている、ぞんざいに扱われやすいとか、例えば金属の量がまばらであって若干不安定であって、必ずしも生産そのものと一致しないのではないか、だけれども非常に近い状態にあるのではないかといったご説明をしましたが、もともと廃棄物というのはぞんざいに扱われやすいということで、十数年前から大変不幸な状況が起こったわけであります。
 これをどう改革していこうかというところで、出している排出事業者にも厳格に対応していかなくてはいけないということ、あるいは逆に、処理をしている業者にはもっとさらに厳格に対応すべきではないかというご議論が随分長い間、何度も何度も続いてきたものであります。
 現在の廃棄物処理法は、そういう意味で、処理業を営む、廃棄物を扱う場合におきましては、より厳格に環境あるいは関連すること、犯罪に関しまして、当然厳格に扱うべきであって、そのようなことに対応できないのであればやめていただくしかない、そういう立場がとられているわけであります。
 したがいまして、一般的に廃棄物処理法の今の改革の、そのような厳しい改革を今、進めているという問題と、それから今回の、こういう生産プラントにおいて再生利用認定をどう適用しようかということと分けて考えていただかないといけないのではないかと思っておりまして、ここの場では、そこの再生利用認定をどのようにやるのかということであります。
 ただ、さっきからありますように、別途の廃棄物処理法全体にかかわります改革の手は、このあたりで少し緩めてもよいのではないかというご意見も各般から承っておりまして、これは別途、大変理論的な問題がございまして、これはこれで大変慎重に検討すべき問題であると受けとめております。
 現在も慎重に進めているということだけご報告させていただきまして、またこれらさまざま学説、あるいは先生方の識見が集積できた段階では、また中央環境審議会の場で議論していただく可能性も当然ありますので、またそのときにお願いできたらと思っております。

○細田委員長 この問題、近藤委員のように日常的に活動を行われている方にとっては、いろいろな政策や法の制度の接点で動かれていて、実はいろいろつながっている側面が見えているから今のような発言があると思うんですが、一方で、行政の立場から言うと、やはり議論するときに切り分けていくことも必要でございますので、今後それをどういう具合に進めていくかを含めて、別途検討させていただきたいと思います。

○島田委員 やや技術的な質問になりますけれども、資料2の13ページに非鉄製錬業における金属回収例のプロセスがあります。左の上の方から入ってくるインプットとして、シュレッダーダスト類が書かれているところですが、ここの自動車、家電のリサイクルが進む中で、こういったシュレッダーダスト系のインプットというのは、ますとしてどのような見通しなのか。もっと上流部での再利用・リサイクルと、こういったものの全体的なバランスはどうなっていくのか教えてください。

○産業廃棄物課長補佐 シュレッダーダストをこういうところに入れる前の再利用ができないかというご趣旨でしょうか。

○島田委員 はい。

○産業廃棄物課長補佐 基本的にシュレッダーダストというのは、もうとり尽くした後の、プラスチックとかガラスがメインのものでございますので、それを直接的にマテリアルでリサイクルをするというのは、現状ではなかなか難しいといったことがあるかと思います。
 そういった関係から、主に自動車リサイクル法などでそうなんですけれども、非鉄のところに持っていって、処理して回収するといったものが非常に多く見られるところでございます。

○島田委員 そうすると、現状でここに入ってきているシュレッダーダストというのは、自動車リサイクル等での製品のリサイクルではどうしてもリサイクルできないもので、不可避的にここに入ってきていると見たらよろしいんでしょうか。

○産業廃棄物課長補佐 基本的に、鉄とか銅とかかなりとった後のものがシュレッダーダストとして排出されますので、それからさらにわずかに残った金属類を取り出そうというのが、この非鉄製錬のプロセスでございます。あと、プラスチックから熱を回収するといったようなものですね。
 そういったことですので、シュレッダーダストそのものからマテリアルで何を回収するというのは、現状ではなかなか簡単ではないところでございます。

○酒井委員 今の島田委員のお話と少し関連するんですが、プロセス、内容に少し入りかけていますので質問させていただきます。
 3ページ、再生利用の内容の基準の最後に「再生に伴い廃棄物をほとんど生じないものであること」とあるんですが、今回、検討の対象ということで見てまいりますと、既に実績としてご報告いただいている非鉄金属製錬ということでいくと、例えば11ページ、全体処理量約100万トン強に対応して、金属等の回収は三十数万トン。30%前後なんですね。基本的、廃棄物発生というのはやはり前提として考えなければならない、ましてや今、島田委員が言われたとおり、ASR等を受け入れてやっている限りは、これは当然一定の廃棄物処理をやっているわけですから、残渣の発生はある。ですから、ここの再生利用の内容の基準の一番最後の点を合わせてちゃんと議論していかないと、この部分は多分クリアできない評価になっていかざるを得ないと思うんですね。
 だからその辺は、やはり基本的には、廃棄物をほとんど生じないものであることというのがこれまでどのように審査されて、どう評価されてきたのかをまず教えていただけませんか。

○産業廃棄物課長 ご指摘のとおりでございまして、今回、議論していただきたいと考えているものについては「再生に伴う廃棄物をほとんど生じないもの」という基準には該当しない可能性が出てくると思っております。
 今まで対象としているものは、基本的にこれに合致しておりまして、そういうこともあって、ここには書いていませんが、例えばマニフェストなどについても不要にしているということもございます。我々の基本的な考え方としては、冒頭説明させていただきました再生利用認定制度の創設の経緯のところにるる書いてございますが、再生利用認定制度の創設のときに考えた基本的な考え方を踏まえた対応をご議論いただくのがいいのではないか。その枠組みの中であれば、例えば今回でも、有害なものはそもそも対象としないというところを見直す可能性についてご議論いただきたいと思っておりますのと同じように、基準の一部については見直す必要も出てくるのかなと。
 ただ、あくまでも全体の枠組み、創設のときの、この再生利用認定制度をつくった基本的なスタンスのところは変えないで、特に生活環境の保全に支障を及ぼさないという大原則がございます。そういうところを変えないで、どういうふうに今回の問題に対応していくべきかといった方向でご議論いただけると大変ありがたいと思うんですが。

○酒井委員 そういう姿勢でぜひ議論には参加したいとは思いますが、これまでの認定がすべて「廃棄物をほとんど生じない」という判断をとってこられた、その判断基準といいますか、どういったレベルで「廃棄物を生じない」という判断をされてきたのかがちょっと伝わってこないというか、わからないんですね。それで一番最初に、どんな審査をしておられるんですか、その情報はどうなんですかとお聞きしたわけですけれども、それは肉骨粉のことを言われたのと少し関係してくる部分かと思うんですが、これまでの判断の経緯等々に関して、これはいかがなんでしょう、どこかで整理されて、この場、あるいは「こういうふうに伝わる」といったことは今後あり得るんでしょうか。

○細田委員長 例えば、この認定状況のものに関して主な内容の基準を照らしてみると、例えば残渣率が0.2%だったとか、クリア、クリア、チェック、チェック、チェックと。それを示せるかどうかということですね。それがわからないと今後もわからないではないかと。

○酒井委員 そういうことです。

○産業廃棄物課長 基本的に、まず、この仕組みは何も決めずに個別のものが出てきて審査をするということではなくて、こういう基準がまずございまして、その基準を踏まえて、例えばさっき肉骨粉の話が出ましたけれども、肉骨粉だったらこれに該当してきちっとできるか、あるいは廃プラスチックをコークス炉に入れる場合はこれに該当してきちっとできるかということを分類ごとにあらかじめ検討して、それで告示で具体的なそれぞれの対象の廃棄物、あるいはそれを再生利用する施設の種類、そういうものごとにあらかじめ定めておりますので、そもそもそういうものを定める段階において、個々の基準に適合しているかどうかは基本的に確認してやっております。

○酒井委員 その確認された結果を示していただけたら……

○細田委員長 酒井委員は、それをここで見られるかどうか。例えば、肉骨粉の場合、残渣率が0.2%だからOKとか、例えば「再生利用が相当程度促進されている」これは促進されている、98%ぐらい売れるとか、そういうことがチェック、チェックということで、一体どういう基準でこういうチェックをされたんだと、ここの委員が具体的にわかるかどうか。

○産業廃棄物課長補佐 例えばセメント原料として使用する場合は、セメントを器具に入れる場合ございますけれども、基本的に、投入したものの全量がセメント製品になっているということでございますね。

○細田委員長 だからそれを体系的に、このチェック、どういうふうに基準がされた─一般に公開しろとは言わないけれども、ここの席上で、どういうふうにそれがチェックされて、こういう結果だったということを体系的に見られるかどうか。

○産業廃棄物課長補佐 先ほども申し上げたとおり、そもそも対象となる廃棄物あるいは再生利用の内容の基準を決めた際に、こういったものをこういった生産設備に入れればこういった再生利用が基本的に全量可能であると確認した上で、それぞれ対象となる廃棄物なり再生利用の内容を決めておりますので、まずはそういった形で類型的に整理した上で、個々の施設について、それに合致するかどうか判断しているということです。

○酒井委員 この席できれいに説明してくれと申し上げているわけではございませんので、また後日、そういう判断材料が、「こういうふうにしてきた」という経緯がわかればお教えいただければ、それは結構でございます。
 やはり大事なのは、恐らくこういう「廃棄物がほとんど生じない」という一つの縛りを持っていれば、今後の検討は極めて制約される可能性がありますので、それにかかわるある種の基準という意味では、収支はかちっと把握することができていて、かつその対象成分への使用率が適正な使用率であるといった、ある種の定量的な情報に基づく判断をちゃんとしていくことが多分、重要だろうと思いますので、そういうものに沿った記録もちゃんと残されていって、それがちゃんと国民の目に見えることを考えていくことが大事なのではないか、そういう趣旨でございます。

○細田委員長 私も今のやりとりを聞いていて思ったんですけれども、今の環境省側のお答えからすると、ここに出て、認めたんだからすべてチェックは○だったんだと。でも酒井委員からすると、「ほとんど生じない」というのは何%ぐらいだったんだ、どういうプロセスでそれは検討されたんだ、わからないうちに、パッとブラックボックスから出てきたら○、○、○、「だからこれなんだ」と言われた中で検討しろと言われても、では、ほかのものは我々が環境省に言って、それが○、○、○と来て出てきたものだけ見せられても、では、例えば基盤類はどうなんだとか言われても検討の使用がありませんね、こういうことになりますよね。そこはやはりもう少し何か、何といいますか、透明性というか、どういう基準なのか、どういうプロセスなのかが少しあってもいいのかなと思います。
 多少難しいところもあろうかと思いますけれども、これも宿題とさせていただいて、ある程度明確になって議論を─これは我々、制度をよくしようと思ってやっているわけで、議論のための議論ではございませんので、その制度をよくするために、どのぐらいまでその基準なりをより明確にできるか、ちょっと引き取らせていただいて、酒井委員の納得のいくようなことを少しでも提出できるようにしたいと思います。
 ほかに、いかがでしょうか。
 私、しつこいようですが、またちょっと戻って頭の整理でお伺いしたいんですけれども、有価だから丁寧に扱われて、逆有償だとぞんざいに扱われる。そうでない場合もあるんですが、原則としてそれをそういうこととざっくり認めるとして、例えば、典型的には基盤類で、品位の若干低い基盤類を考えますと、先ほど新美先生からご質問があったと思うんですけれども、資源相場の高いときには価格がプラスになって、今みたいに非常によく売れるわけですが、ちょっと相場が下がると逆有償になる。逆有償になったから生活安全上の問題が出てくる、有償だからというのは、とにかくぞんざいに扱われるということと少し関係してくるんですけれども、基盤類が有償だから、それが全然生活安全上に問題がなくて、逆有償になったからすぐさま問題になるというほどではないわけですよね、実際は。そうすると、何といいますか、バーゼル条約で言うと、有価物であろうが逆有償であろうが引っかかるものは引っかかる。ところが、ここでは廃棄物となることがまず第1段階でスクリーニングされて、その後、生活安全上の、しかもバーゼル条約となると、やはりそこに捩れがあるような気がして仕方がないんですが、その辺の整理はどうつけたらいいんでしょうか。
 プリント基板だって、下手すると生活安全上の問題が出てきてしまうわけですよね。鉛は入っているし、下手すればニッカド電池は入っているかもしれないし。そういうところの切り分けをどう考えればいいんですかね。

○産業廃棄物課長 先生おっしゃっているのは、例えば同じものであっても、そのときの市況とか状況によって有価になったり有価ではなくなったりする、同じものなのに廃棄物になったりならなかったりという話なのかなと思いますが、有価でないもの、廃棄物がぞんざいに扱われるというのは、これはこれで非常に重要な問題でして、今まで、例えば豊島とかいろいろな廃棄物の不法投棄、これは再生利用、リサイクルだといってどんどん積み上げていって、ああいう状況になっていることを考えますと、処理をする前の保管等も含めて、やはりきちっとされるかどうか、そこのところを総合的に考えていったときに、我々としては、やはり有価でないもの、廃棄物として扱うべきものについて、廃棄物処理法で厳格な対応をしなければいけないと考えておりまして、たとえ同じものが10年前は有価だったけれども今は廃棄物だというようなことであっても、それがゆえに、そのものの扱いは大きく変わってくる可能性があると思っております。

○細田委員長 そこはよくわかっているつもりなんですけれども、私が言いたかったのは、ちょっと言葉が尽くせなかったかもしれませんけれども、例えば基盤類でぎりぎりで有価になっているものに関しては、もう再生利用認定も何もないわけですよね。ところが、それがほんのちょっと逆有償になった瞬間に廃棄物として扱われ、なおかつ再生利用認定さえも今は受けられない。非常に非連続的に変わってしまうわけですよね、扱いが。それを正当化するものは何なんだろうか。
 すごく学者的な言い方で申しわけないですけれども、長い年月にわたって逆有償にあったものに関してはぞんざいに扱われる可能性ありますから、私もそこはよく理解しているんですけれども、そうすると、私の真の目的は、やはりバーゼルということで再生利用認定云々を語ってはまずいところがあるのではないかということが質問の底にあるわけです。

○産業廃棄物課長補佐 バーゼル条約の定義をたまたま再生利用認定制度で借りてきているだけでありまして、「バーゼル条約でこうだから再生利用認定制度をこうしているんだ」といった整理をしているわけではございません。たまたまバーゼル条約で有害性のあるものについて、うまく整理合併なされているのでそれを持ってきているに過ぎませんので、バーゼル条約と最低利用認定制度には直接的な関係はございません。

○細田委員長 むしろ機能的にこれを利用していると考えればいいわけですね。わかりました。
 ほかに、いかがでしょう。

○宮田説明員(猿渡委員代理) この特例制度なんですが、チェックする側と事業者として運用する側で随分視点が違うと思うんですけれども、事業者の立場で言うと、今の時代に循環型に向かっていいリサイクルをしようとすると、むしろ特例制度をいろいろな形で活用して、リサイクルの取り組みを見えるようにする。環境省に登録して。それでいろいろな取り組みをやっていくことが、むしろ前向きな活動だと思うんです。
 新日鐵さんの取り組みも、そういう意味で、本体の中で有効活用してということを取り組んでいるというのはいい取り組みなので、それがうまく動くようにしていくことが非常に大切だと思うんです。
 うっかりすると、有償だから何も網にかからないというものを、この特例制度を使って見えるようにして、それでうまくやっていく、そう考えてぜひ運用していただきたいと思います。
 ついでに、先ほど近藤委員が言われた欠格事項ですね、ほかの事業所であると非常に難しいというのがあって、逆に事業者の立場で考えると、こういう循環型の取り組みをやろうとしたときに、かえってやることが会社善全体のリスク管理の上ではマイナスになるという考えが出てきてしまうんですね。そうすると、うっかりするとそういう取り組みをやる事業所を分社化して、もうこぢんまりとしてしまおうかとか、本筋と違う話になりかねないので、厳格にしないといけないという視点もあるんですけれども、それは取り組みの本筋に対して届けと違うことをやった場合は、もちろん厳罰にしないといけないんでしょうけれども、企業全体の中で不適合があった、それも突発的に出たようなものに対しては、それはすべて欠格の対象かなという疑問点があるんですね。その辺、ぜひご検討していただきたいと思います。

○近藤委員 先ほどのバーゼルの対象品の話なんですけれども、実はこれ、実務的には非常に大きい壁でして、私どもASRのときに、やはり転炉系のもので再生利用をとれないかということでお話ししたことがあるんですけれども、鉛が入っているからバーゼル対象品になるのでだめだ、ASRは明確にバーゼル対象品である、そこで終わってしまったところがあって、ですから運用上、ばいじんとか特管物だとか、バーゼル条約基準で照らし合わせるというのは理解できるんですが、こう明確に書いてあると実務サイドの検討される、先ほどの酒井委員との関係もやや出てくるんですが、「もうこれはバーゼルだからだめ」「ばいじんだからだめ」というところで申請者と審査窓口との関係で、そういうことが起こりやすいこともありましたということですので、そこを多分、こういう席上でどうやって柔軟にやっていくんですかと。酒井委員がおっしゃっているように、基準を明確にしながらやっていくということだと思います。
 それからもう一つ、すみません、さっき欠格要件の中で、部長に怒られてしまうかもしれませんけれども、再生利用認定の中に明確に「年間停止する」とは書いていなくて、そういうことが起こった場合には止めることもあるという書き方に法律上もなっているようなので、再生利用認定の不適格の取扱については、廃掃法上の思想は当然反映されて、なおかつ厳格にやられるようになっているんですが、実は1年なのか5年なのかわからない、そういう不安がちょっとあったものですから、そこら辺をこういうときにも少し話題にしていただきたいというつもりでお話ししたので、もとに戻られてしまうと、もうにっちもさっちもいかないので……。そういうことなんです。

○産業廃棄物課長補佐 先ほど来、欠格要件関係の話がたくさん出てきておりますけれども、自治体の許可制度と若干異なっております。というのは、欠格要件等に該当した際に、自治体の許可制度では「取り消さなければならない」という規定になっておりますが、再生利用認定制度では「取り消すことができる」という書きぶりとなってございます。

○森委員 自治体の方で許可の関係やっていますので、ちょっとそれに関係するような意見を述べたいと思いますけれども、貴重金属を再生利用するこの特例措置については、非常に有効ですし、ぜひ拡大してもらいたいということがあるんですが、ただ、特例措置の中で、やはり設置の許可あるいは業の許可が要らないということになるわけですから、特に今、有害な物質が、このバーゼル条約で定められているものについては、このテキストの中に「生産設備等について相当程度安定的」と書いてございますけれども、要は、特例措置を設けるときにはどうしても、安定的あるいは安全に稼働できるかが重要な尺度になってくると思うんですね。それが生産設備、資料3では「等」と書いてございますので、いずれにしても、そこの判断が非常に、いずれ何かの形で制約しない限り、「だれでもいいですよ」というわけにいかないという気がしてならないので、意見を述べさせてもらいます。

○産業廃棄物課長 我々も、森委員がおっしゃるように、この制度は有効に、適切に活用すべきだと思っていますが、むやみやたらに広げることによって、生活環境保全を含めいろいろな問題が起きてはならないと考えておりますので、ご意見の趣旨も踏まえて我々も考えさせていただきたいし、そういう方向でご議論いただけると大変ありがたいと思います。

○細田委員長 この場合の「安定的」というのは、どういう理解ですか。

○産業廃棄物課長 もともと廃棄物というのは相手側の都合が出てくるものですから、その量とか性状とか、そういうものが非常に変動しやすいということが基本的にございます。そういうこともあって、一般の廃棄物処理施設は施設の許可の際に、焼却等については維持管理基準なども決めて厳格にやらせていただいているわけでございまして、そういう中でも、生産設備において原料とかなり近い形で一定程度安定的に扱われるものであれば、もとは有害なものを含んでいるものではございますが、これは特例措置の対象とし得るのではないか、そういうことでございます。
 これがまた安定的でなければ、一方で逆にたくさんたまったりとかいうことにもなりかねませんし、施設の側で量が少ない、多い等あって変動に十分対応できないこともあり得るかなと思っています。

○細田委員長 わかりました。ありがとうございます。
 ほかに、いかがでございましょう。ぜひ今日はいろいろな論点を出しておいていただきたいので、ためらわずにどうぞお願いします。

○小畑説明員(松村委員代理) 取り越し苦労になるかもわかりませんが、先ほど酒井先生も言われておりました、再生に伴い廃棄物をほとんど生じないものという条項については、今までかなりリサイクルという名で最終的に不法投棄まがいのことが行われた、こういう事例が非常に多くあったように思いますので、やはりここのところの文言はきっちり残しておく必要があります。そうしないとまたぞろ、人間はいい人ばかりでないので、もしそれを悪用されたときにはそこで、リサイクルされないで廃棄物で残って、それがどこかへ行ってしまう、外す限りはそういうことは絶対避けるべきであって、したがって、もしこの条項を変えるのであれば、そのときには「それはこういう形できっちり処理します」というような、何かそれにかわるような形をきっちり残しておかないと、再び不法投棄に悩まされるおそれがあり、そこのところは安易に外すのは絶対避けてほしいなという気がします。

○産業廃棄物課長補佐 先ほど来、酒井委員にもいろいろご指摘ちょうだいしているところでございますけれども、まさにこの部分は、今までの認定とはかなり異なってくる可能性のある部分でございますので、それぞれのものごとに詳細な検討が必要だろうと思っております。

○近藤委員 今の視点のところで1つ、我々の立場で考えているところは、先ほど宮田さんでしたか、お話があったように、再生利用というのは生産設備を使って、それで廃棄物を、例えばそれに対して1%とか数%のレベルで受け入れるという構造ですので、もし変なことをやると本体への影響、つまり上場して大きく事業をやっている立場の設備、生産設備の場合は比較的そういうケースが多いと思うんですが、そういうものが不法な処理をするということと、やはり非常に動きの早い、資本力の弱いところが不法に走ってしまうという─収益構造の問題なので、不法に走れば走るほど儲かるという構造の事業者と、そういうことを極めて高いリスクを持って、覚悟を持ってやるというところでは違いますので、そういう視点も審査の考えの中に入れていただいた方がいいかなと。純技術的な問題とか構造的な問題だけでは、審査会が担保している部分があると思うので、そういう部分も勘案していただければと思います。

○産業廃棄物課長 今、お2人の委員からお話があったこと、両方のお答えになるんですけれども、やはりこういう制度をつくる、あるいは改善していくときに、もちろん我々が念頭に置いている方々の使いやすいようにということは当然あると思うんですけれども、他方で、そこに乗じて悪いことを考える、あるいはそこまでしなくても結果として生活環境保全等に支障が出てくるような事態をいかに防ぐかということも考える必要があって、行政の立場から見ますと、申請に来た人を「あなたは善良そうな顔をしている」「あなたは悪そうな顔をしている」ということで区別はできないわけでして、あくまでも本来の目的に合った制度であるとともに、やはりそういう、特に問題が起きるような事例をいかに排除するかということもあわせて考えていく必要があると思っていまして、特に廃棄物にかかわる今までの歴史にかんがみると、その点も我々としては疎かにできないと考えております。

○細田委員長 難しい点です。ありがとうございました。

○酒井委員 すみません、今日はたくさん発言していますので、もう控えなければならないんですが、この認定基準のところで、若干後ろ向きの発言のような印象をお持ちになったかもしれませんが、私自身は、今回の検討はアジアの資源循環という意味でも、あるいはレアメタルの保全戦略という意味でも極めて重要な検討であると認識しております。それがゆえに、やはり先ほど宮田さんがおっしゃいましたように、特例活用で積極的に見えるようにしていくんだという、それをどう後押しできるかという検討にぜひしていただきたい。その中の重要な基準の1つであるというふうに申し上げているわけでございます。
 それは現状が、今、それとこの認定制度がどうかというと、正直なところ、私が受ける印象は、認定されればそれで終わりというふうになっていないという点なんです。その後、積極的に再生利用されていて、自ら事業者の方もその情報をホームページ等で積極的に公開されているのか否か、そういったことの確認もできていないではないか、そこを申し上げているわけで、それを見えるようにしていくためには、やはり「まだ見えるようになっていない」という認識もぜひ持ちながら検討を進めていただければありがたいということでございます。

○細田委員長 酒井委員の発言は、一番初めの質問から一貫しているわけですね。基準の問題から始まって、システムとして全体にうまく有効利用されるようなものとすべきであって、余りピンポイント─それは重要なんですが、そこだけではなくて全体を見て、うまく活用されるようなシステムにしなければならない。ようやく初めの質問の意味が私もわかってまいりました。(笑)
 その点は、やはり重要な視点だと思います。事務局としては、そういう包括的に物を見ていくということはなかなか、行政の方としてはちょっとやりにくい面もあるかもしれませんが、重要な点だと思いますので、その辺も十分念頭に置いて議論を進めていったらいいのではないかと私も思います。これも宿題とさせていただいて、酒井委員がおっしゃったようなことをどのように反映させていくか、次回からヒアリングもありますし、少しずつやっていきたいと思います。

○廃棄物・リサイクル対策部長 先ほどから何人かの委員の方からご意見賜っておりますが、実はこの話、先ほど酒井先生あるいは委員長、あるいはどなたでしたか、おっしゃったように、きちっと理論的にどうなるんだということを、少しご意見をいただきながら進めていくことが大変重要なポイント、コアの部分ではありますが、やや理論的ではない話をさせていただきますと、この制度ができました当時と今とどのぐらい状況が変わっているんだろうかということも、実は、これは社会の状況に対する見方であります。今日は自治体の方としては、東京都の森さんあるいは全都清の石井さんが参加されていますが、廃棄物処理施設の立地などに関して、各自治体は現在の廃棄物処理法のさまざまなルールが書いてあるわけですが、相当厳しいルールになっていると私も思っているんですが、さらにそれ以上に厳しい運用を現場でしているということが、実態としてまさに─地域によってかなりの差はあるのかもしれませんが。
 企業の方々は実際に活動されていますから、廃棄物処理法の制度がこう書いてあるというよりは、むしろ自治体の現場の取り扱いに実質的に拘束されているというところから、高過ぎるというので、いや、ここにいい制度があった、ここを活用してしまえばそこから逃れられる、こういう思いを持たれる場合が実はございます。
 気持ちとしてわからぬではないわけでありますけれども、一方で、そういう状況だとすればするほど、私どもはかつてからさまざまな場面で住民同意とか流入抑制の問題を何とか、こういう制度も、廃棄物処理法も相当改まって、少しずつ徐々に変えていくべきではないかということを随分ご議論もしましたし、発信もしてきましたが、なかなか現場というのは、やはり地域住民の方々が必ずしも廃棄物問題に十分「なるほど」ということにまでなっているかどうか。
 一方ではエコタウンだとか、自分の所に誘致するんだという話もたまに出てきますが、出てくるのでありますが、出てきたとしても、それで成功する場合もあれば、やはり何かだめだった、こういう例もたくさんまだございます。そういう中での自治体の一方での運用がある中で、ここの部分をさらに拡大していくということは、拡大することについて理論的に整理できれば全くやぶさかでありませんので、ぜひともご議論をお願いしたいと思いますが、一方に大変厳しい運用をされているところがありますので、ここのところを今回、拡大してはどうかということでご議論をお願いしているんですが、ぜひともその双方に、そういう拡大をしてほしいという産業界の方々の思いはどこから来ているのかというところ、それから逆に、自治体の現場の方々はこういうことをすることによって─これ2面があります。1つは、ごくたまでありますけれども、廃棄物処理法の制度で、例えば施設の許可制度がある。制度の運用をしているのに、廃棄物処理法で相当厳しい制度の規制があるんですが、それ以上の運用を実質的に紙に書いたものでやっている自治体がある。これは制度違反かというと、厳密に言うと制度違反になるのでありますが、地域住民の立場からすると、それはやむを得ないのだと。それをつくっているからそういう運用をしなくてはいけない。自らが苦しくなる。そもそも廃棄物処理法の許可の制度がなければ自分の苦しみはなくなるんだ、したがって再生利用認定を適用してほしい、こういうやや意味不明の話すら、実はこの話は出てくるという現実が存在しているということであります。
 すべてがすべてこうという問題ではありませんが、廃棄物処理の現場というのは随分改革が進んできておりまして、随分私も実感として、日本全体を見て処理の水準、随分よくなったという感じがしておりまして、まさしくそういうものを3Rイニシアチブということでアジアへ発信とか、世界へ発信とか、こんなふうなことを堂々とやってもいいではないか、こんなふうなことを言っておるわけでありますが、一方でまだ国内、完璧に、3Rの問題だったらもうどこへ立地してもいいではないか、もう住民の意見などは制度どおりでやったらいいではないか、このように、私どもがそれでいいではないかと呼びかけましても、自治体の現場では必ずしもそうなっていないという、またこっちはこっちでやっていかなくてはいけないということも抱えながらやっておるというように、若干理論的な問題と、やや現場の方針的な問題があることをぜひともご理解いただいた上で、ここのところの拡大に向けてのご意見を賜れればと思っております。

○細田委員長 ありがとうございました。恐らく部長の真意は皆さんおわかりになっていると思いますので。
 1つは、ちゃんと理論も押さえながら、また原理的なことをきっちり押さえながら、なおかつ現場と余り乖離を起こさないように、やはり相当の混乱が起きてしまったら困りますので、そういうことも含めながら、議論は当然続けていきたいと思います。

○新美委員 酒井委員の意見に関連して、こういった特例措置を認めるときに、原則から離れていくときにどういう特例を認めるかは、理論的に説明できることは非常に好ましいんですけれども、特例であるがゆえに総合判断して、原則から外れることが許されるかどうか個別判断していかざるを得ないという側面があります。これは特に法律あるいは制度の運用の場合に求められるところだと思います。
 したがって、これまでの再生利用認定制度でどんなものがあるのか再検討することは必要であるし、それはぜひすべきだと思いますが、むしろこの、例えば非鉄金属の場合の、レアメタルを再生利用するときにどういう特性があって、どういうファクターを考慮すべきかを、ケース・バイ・ケースと言うと語弊がありますが、この類型で廃掃法の特例である再生利用認定制度が使えるかどうかという議論をしていくのも必要な方向だと思います。
 特に、この非鉄金属の場合でいくならば、有害性があるというファクターをどう見るのかということと、レアメタルをどういうふうに再生利用していくか、その重要性をどう見るのか、そういうことを考えて議論していくのも重要な視点だと思います。それが積み重なっていった段階で初めて、この認定制度についての全体の理論化が図れればいいのではないかと考えております。
 やや法律家的な考え方過ぎるかもしれませんが、問題を解決するのが第1であろうということだと思います。

○三本委員 処理業界の立場から一言お話ししたいと思いますけれども、当時、先ほどご説明ありました平成9年の再生利用認定制度については、業界挙げて反対してきた経緯がございます。それは、リサイクルの名のもとに不法行為、先ほどもお話が出ましたけれども、豊島のような問題が起きることは絶対あってはならないという観点から、反対を申し上げてきましたが、今現在はそうではありません。今現在は、先ほどからも議論されておりますように、再生利用認定については拡大していく方向性は絶対間違っていないと思っていますし、また、していくべきであろうと私も認識しております。
 ただし、そういう中でも、やはり今の社会の構造はそうなっておりませんので、ぜひとも3Rを進めるに当たっては、第1優先に適正処理ありきだと。適正処理があって初めて3Rが実現できるんだということをぜひとも議論の中に入れていただきたいと思っております。

○宮田説明員(猿渡委員代理) 先ほど酒井先生からホームページの話が出たんですけれども、廃棄物処理業者さんの優良性評価の関係で、事業のデータをオープンにしなさいということがある関係で、産廃業者さんのホームページは物すごく増えていると思うんです。きちっと押さえていないのでわかりませんが、最近、業者さんを調べようとすると大概出てくるので、お願いする立場では非常に調べやすくなっているという現実があると思います。
 この特例制度等も、先ほどから酒井先生も、審査の内容、基準等を明確にしてほしいということを言われていますけれども、審査する立場でも、また実例数の絶対数からしてみても、基準をどこにしたらいいというのは多分難しさがあるんだろうなと想像がつくんですが、そういう中で進めるときに「登録した業者はこういった情報はホームページに載せてね」とか、そういう取り組みをしていくと、だんだんといい方向にいくのではないか。
 現時点では、基準を明確にしろと言ってもなかなか、対象たる物質もいろいろあるし、その物質が含まれているいろいろな履歴によっても後の影響も違うでしょうし、不確定要素がいろいろあると思います。その中で情報を全部出すというのは、またいろいろ困る面もあると思いますので、何かホームページ等を使った情報のオープン化をあわせてやっていったらいい方向にいくのではないかと思います。

○細田委員長 ありがとうございました。
 今のお話はご意見として承っておいて、もし他にご意見がないようでしたら、若干時間は残っておりますけれども、そろそろ事務局の方に、今、承ったご意見をもとに今後どうするか、少し宿題もありますので整理して、事務局の方で出せるものは出して、議論の糧としていきたいと思います。
 それでは、事務的なことについて少し。

○企画課長 それでは、今後のスケジュール等についてご説明申し上げます。
 一言だけ言わせていただきますと、今日の議論の中で産業界の方々からああいうお話ありましたし、何をおっしゃっているのかよくわかる部分もあるんですけれども、たまたま前職で水環境課長をやっていたという観点から言うと、先ほど部長ほか事務局サイドでお答えしたので行政の話はほぼ尽きるわけですけれども、何を申し上げたいかというと、廃棄物の世界だけに限らず、もともとああいう話については、何でああいう事態が起こるのかということについて、さらに実態をよく調べてしっかりした対応を図っていかなければいけないという流れがございます。
 ご高承のとおり、水濁法の世界とか大防法の世界とか、すぐ直罰にいってしまうわけですけれども、何でああいう事態が起こったのか、水関係については1年以上徹底して調べて、地方公共団体との関係、立入検査のやり方などはどうあるべきかということを積み上げていきましたし、それから大気サイドもちょっと遅れていろいろなことを行ってきている、こういう状況になっているわけでございまして、現在、経済産業省と環境省が一体となって、いわゆる管理者法の世界でどういった対応が実は行われているのか、企業のコーポレートガバナンス全体を考えるに当たって、企業サイドの自主的な対応だけでいいのか、あるいは管理者法等がさらに有効に機能するためにどうすればいいのかという話について、丸々1年以上かけながら中身を積み上げていこうという流れで動いているわけでございます。
 もちろん、欠格事由の関係の研究会の部分も走っているわけでございますけれども、申し上げておきたいのは、やはりいろいろな場があって、それぞれ大分検討スケジュールも違っているということがあるので、すべて整合的にこの中で全部対応していこうとしても、やはりある程度の限界があることはご認識いただければありがたいと考えております。
 それで、本委員会におきましては、当然のことながら、前回いただいた木くずの話についてもあるわけでございますけれども、木くずについて論点の明確化を行う作業にちょっと時間を要しております。他方、今回これだけ大議論があったということもございまして、できる限り、どこまで宿題をお返しできるのかは早急に検討いたしますが、次回、基本的には有害廃棄物の、あるいは再生利用認定のこのコンテキストにおいてご議論いただきたいと考えております。
 進め方といたしましては、先ほども出ておりましたけれども、関係者からのヒアリングを中心に進めていければと考えている次第でございます。  日程につきましては、10月中旬ごろの開催を考えております。また後ほど委員の皆様方のご都合をお伺いして、調整した上で決めさせていただき、事務局より連絡させていただくことといたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○細田委員長 どうもありがとうございました。
 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、多少時間が早うございますけれども、本日の専門委員会を終了いたします

 ご熱心なご議論、どうもありがとうございました。

午後11時分閉会