■議事録一覧■

産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会
電気・電子機器リサイクルワーキンググループ
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
家電リサイクル制度評価検討小委員会 (第1回)合同会合議事録


1.日時

平成18年6月27日(火)14:00~16:00

2.場所

都道府県会館1階101大会議室

3.出席者

細田座長、石井(和)委員、石井(邦)委員、石川(雅)委員、石川(良)委員、大塚委員、岡嶋委員、児玉委員、酒井委員、崎田委員、辰巳委員、永浦委員、中島(賢)委員、中島(康)委員、本田委員、松尾委員、松村委員、御手洗委員、宮嶋委員、森口委員、田中代理、牧野代理

4.議題

(1)
家電リサイクル法の概要と施行状況について
(2)
家電リサイクル法の評価・検討の進め方について
(3)
その他

5.議事

開  会

○塩田環境リサイクル室長 定刻になりました。これより産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループ、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価検討小委員会の第1回合同会合を開催いたします。
  私は事務局を務めます経済産業省環境リサイクル室長の塩田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本合同会合の事務局は経済産業省と環境省が共同で務めます。二つの審議会の合同開催となりますので、事務局及び議事進行は持ち回りとさせていただきます。本日は経済産業省が事務局を務めさせていただきます。

挨  拶

○塩田環境リサイクル室長 それでは、最初に経済産業省商務情報政策局長、豊田より一言御挨拶を申し上げます。

○豊田商務情報政策局長 経済産業省商務情報政策局長の豊田でございます。
  本日は御多忙中のところを産構審と中環審の合同会合に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。家電リサイクル法審議のための合同会合を開催するに当たり、一言御挨拶をさせていただきたいと思います。
  家電リサイクル法は、御案内のように平成10年5月に成立し、13年4月に施行されたわけでございます。法律が国会で成立するに当たり、法施行後5年が経過したところで施行の状況について検討を加え、その結果に基づきまして必要な措置を講ずべきことが法律の附則で定められているわけでございますが、今年は法施行後6年目に当たりまして、家電リサイクル法の施行状況についての評価・検討を行っていただくべく、お集まりをいただいているわけでございます。
  これまで家電リサイクル法による習慣の定着、家電リサイクル法の各種品目のリサイクル率の向上などを通して、廃棄物の減量・資源の有効利用などに大きな成果があったものと考えております。平成17年度について見てみますと、廃家電4品目合計で1162万台がリサイクル・プラントに搬入されております。法律が施行する前にはこれらの大半がいわばそのまま埋められていたということでございます。家電4品目のリサイクル率も平成17年度には平均で7割を超えていると理解をしております。したがって、埋め立て処分量も大幅に減少しているということだと思います。
  また、金属の回収だけではなく、法施行以前では回収ができておりませんでしたプラスチック、ガラスといった非金属類の資源の回収量も確実に伸びている。関係業界の再商品化への取り組みの努力の結果、我が国の資源循環の推進に大きく貢献しているところだと認識をしております。
  他方、法施行から5年が経過する間に、社会情勢の変化、制度創設当初は想定していなかった事態も生じているようにも思います。現行の家電リサイクル制度については、これまで料金の徴収方法、対象品目の拡大、離島対策、物流システムの合理化など、さまざまな御要望もいただいているわけでございます。
  家電リサイクル制度は国民生活に直結する極めて重要かつ影響の大きいものでございまして、本合同会議もさまざまな方面から議論の動向が注目されているところでございます。委員の皆様におかれましては、循環型の社会を実現するという高い視点から今後の家電リサイクル制度のあり方についいて幅広く御議論をいただければ幸いに存じております。よろしくお願いいたします。
  ありがとうございました。

○塩田環境リサイクル室長 続きまして、環境省廃棄物・リサイクル対策部長、由田より御挨拶を申し上げます。

○由田廃棄物・リサイクル対策部長 皆様、本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。環境省の廃棄物・リサイクル対策部長の由田でございます。
  先ほど経済産業省の豊田局長の方から御挨拶がございました。私も全く同様の御挨拶をすべき立場であります。実は午前中の容器包装リサイクル法に関係された委員の方々も中環審、産構審にいらっしゃいますが、容器包装リサイクル法に関しましては、中央環境審議会と産業構造審議会の合同の会合も随分させていただきましたが、別々に議論をしてきて、時に御一緒にやるというようなこともございました。これは環境省と経済産業省で立場が少し違うところもあるのかなということで別々にやったりということもしてまいったわけでありますが、きょうの第1回目の合同会合、このとおりでございます。経済産業省とともに環境省一体となりまして5年ぶりの見直しをやらせていただきたいと、このように考えております。ひとつよろしくお願いしたいと思います。
  それから、先ほどの豊田局長の挨拶に少しつけ加えさせていただきますと、時代も大きく変わったこともございますし、論点等につきましていろいろな御要望をいただいていることも先ほどの豊田局長の御挨拶にあったとおりであります。
  実はこの廃棄物問題、容器包装リサイクル法も家電リサイクル法もそうですが、ここ十数年以前の廃棄物をめぐる状況は、ある意味で我が国は大変不幸な経験もいたしております。例えば香川県の豊島における大規模な不法投棄事件、あるいは福島県のいわきにおける大谷総業事件など、一時、我が国は新聞紙上でも産業廃棄物を中心とする廃棄物問題の紛争列島とも揶揄して書かれたような時期もございまして、大変深刻な状況がございました。その後、リサイクル側では容器包装リサイクル法をはじめとして、2番目に家電リサイクル法が制定され、さらにその後の自動車リサイクル法に至りますまで、食品リサイクル法、あるいは建設リサイクル法等各種のリサイクル法が定められておりますし、資源有効利用促進法も定められております。
  廃棄物処理法も何度かの改正を行ってまいりまして、ここ十数年間、それなりに大きな改革もできたのではないかと思っております。この間に循環型社会形成推進基本法も制定されております。こういう基本法のもとに循環型社会を目指してさまざまな改革がやられてきております。まだ道半ばとおっしゃる方もいらっしゃいまして、そのとおりかもしれませんが、一歩ずつ着実に前進させてきていただいているのではないかと思っております。
  このような十数年来の我が国の経験は恐らく急成長しておりますアジアの国々にも参考になるのではないかということで、今年は循環型白書の中で、世界へ向けて発信する我が国の経験ということで、「世界に発信する我が国の循環型社会づくりへの改革」と題しまして3Rの取り組みを特集させてもらいました。既に白書を出させてもらっておりますが、先般英語版もつくらせていただきまして、その英語版をこの土曜日・日曜日に埼玉でありましたエコアジアの国際会議にも300部ほど配らせていただいたところであります。日本語版本体は1650円で発売をしておりますので、決して強制はいたしませんが、手に入れて一読していただければ幸いだと思っております。
  今度は我が国の経験をアジアへ向かって発信するということでありますが、実は家電のリサイクル制度も、御案内のように我が国から中古品が諸外国へ輸出されることも相当多くなっておりまして、また、我が国だけではありませんが、ここ1~2年、中国をはじめとして東南アジアの国々にも中古品のある種の輸入禁止のような措置も出てきている状況にあります。このような国際的な状況も踏まえまして、先ほど豊田局長が申された論点に関してしっかりとした議論をしていただきまして、5年ぶりに、新しいあるべき姿はどういうことなのかということをもう一度考えていただけたらと思っております。
  3Rのことに関してもう少しつけ加えますと、去年の4月に3Rイニシアティブの閣僚会合がございましたが、この3月にフォローアップの会合もやらせていただきました。3Rイニシアティブということで国際的な関心も呼んでおりますが、実は家電の世界も、3Rイニシアティブの3月に行いましたフォローアップ会合、事務レベルの会合におきまして、あるいはその後のバーゼル条約関係のジュネーブの会合におきましても、我が国の電気メーカーの方に、我が国が家電リサイクル法によっていかにリサイクルしやすい組み立て方の技術が家電の世界に生まれているのかということも既に紹介をしておりまして、大きな反響もいただいております。
  そういう意味で、家電リサイクル法は、施行から5年間、相当大きな役割を果たしてきたというふうに言えると思いますが、先ほど申し上げましたようなさまざまな御意見あるいは情勢を踏まえまして、さらに前進させる制度にできればと思っております。
  経済産業省ともどもよろしくお願いいたします。

 

○塩田環境リサイクル室長 今回は第1回目でもあり、委員の方々を御紹介申し上げるべきところではございますが、時間の関係もございますので、恐縮ですが、お手元の委員名簿の配付をもって御紹介にかえさせていただきたいと存じます。
  引き続きまして、事務局から本合同会合の座長の選任をお願いいたします。
  本合同会合の座長につきましては、事務局案としては細田衛士委員にお願いいたしたいと存じますが、皆様、いかがでしょうか。

○塩田環境リサイクル室長 それでは、御異議がございませんようですので、細田委員に座長をお願いいたしたいと存じます。
  それでは、細田座長から一言御挨拶をいただくとともに、以降の議事進行をお願いいたします。

○細田座長 御紹介いただきました細田でございます。なかなか力がない者でございますが、皆さんの御協力をもってよい会議にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  3点、手短に述べさせていただきます。
  豊田局長のお話にありましたように、家電リサイクル法はなかなかの成果を上げております。私は、5年前、あの状況の中で、よい法律をつくって施行したと思っております。ただし、そうはいっても、由田部長のお話にあったとおり、状況も変わり、私たちの循環法も動いてきたわけでございます。基本法もできました。その中で、しっかり見直してバージョンアップしなければならないところもあると思っております。この会議を通して、そのバージョンアップ――どこかのわけのわからないソフトウエアのバージョンアップ、やたらROMばかり食って使い勝手が悪くなるような、ああいうバージョンアップではなくて、本当にこの法律が使いやすくて質の上がったものにしたいと思っております。
  もう一つは、そのためにも、ここの会議で忌憚なく、もちろんいろいろなお立場はありましょうけれども、自分の利益ではなくて、日本の国が本当によくなるためにはどうしなければいけないかということを、循環の立場、家電の立場から、フロム・スクラッチ、白紙からやっていきたいと思っております。どこかの新聞にもう料金徴収方式が決まったように書かれておりましたが、そんなことがあるわけはないので、ここの会議でどういう方式にするかを決めるわけでございますので、ぜひ偏見のない目で見て、いいバージョンアップをするということで、よろしくお願いしたいと思います。
  3点目は、既におわかりのとおり、経済産業省と環境省が非常に連携を密にして動いております。時々、何でこんなつまらないことで両省庁でごたごたもめているのかと思わないことがないわけではありません。今回の場合は非常によく協調がとれて、家電リサイクル法をどうやってよくするかということが既に熱心に議論されておりますようなので、ぜひこの会でそれを生かして、よいバージョンアップをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  以上でございます。

 

配付資料の確認等

○細田座長 それでは、これより私が座長をさせていただきますが、議題に入ります前に事務局より配付資料の確認と資料等の扱いについて御説明をお願いします。

○塩田環境リサイクル室長 それでは配付資料の確認をさせていただきます。配付資料は資料1から資料4まで、それから参考資料といたしまして参考資料1と冊子で参考資料2がございます。資料の過不足等がございましたら、お申し出ください。
  それから、本日の配付資料につきましてはすべて公開することといたしたいと思います。また、本日の記名の議事緑につきましては原則として会議終了後1カ月以内に作成し公開することとし、無記名の議事要旨につきましても会議終了後速やかに作成し公開することといたしたいと思います。また、今後、本会合における資料等の扱いはすべて同様にさせていただきたいと考えております。

○細田座長 ただいま事務局から御説明がありましたとおり、今後の配付資料に関してはすべて公開としても差し支えないと考えておりますが、皆さん、いかがでございましょうか。
〔「異議なし」の声あり〕

○細田座長 ありがとうございます。

家電リサイクル法の概要と施行状況について

○細田座長 それでは、審議に入らせていただきます。
  最初の議題は「家電リサイクル法の概要と施行状況について」でございますが、まず資料2と資料3に基づいて一括して事務局の方から説明させていただきます。よろしくお願いします。

○塩田環境リサイクル室長 それでは、資料2に基づきまして家電リサイクル法の概要を御説明させていただきます。
  まず1枚目、法律制定の趣旨でございます。
  今回は施行後5年の見直しということですが、この法律の議論をしたのは、それよりも少し前の約10年近く前から議論をして今の制度ができているわけでございまして、その法律の議論をしたときから法施行前にかけましては、一般家庭から排出される家電製品は、そこに図が出ていますように、重量ベースで約8割は小売業者によって、約2割が直接市町村によって回収をされていた。その後の処理といたしまして、販売店で回収したものが市町村へ行ったり処理業者へ行ったりしておりますが、おおよそ半分は直接埋め立てられ、残りは、破砕処理はされますが、一部金属分の回収が行われて、そのほとんどは廃棄されていた。こういうことで埋立地が逼迫しているという問題があったわけでございます。このため、廃棄物の減量と有用な部品・素材の再商品化を図り、循環型経済社会を実現していくために、製造業者や小売業者の皆様に新たに義務を課すような仕組みを構築すべきだということでございます。
  2ページにまいりまして、法律の概要です。
  1番の目的のところは今申し上げた制定の趣旨と同じですが、廃棄物の適正な処理と資源の有効な利用の確保を図り、生活環境の保全、国民経済の健全な発展に寄与することが目的でございました。
  2番は対象機器ですが、そこに4つの考え方が書いてございます。[1]市町村等による再商品化等が困難、[2]再商品化等をする必要性が特に高い、[3]設計、部品等の選択が再商品化等に重要な影響がある、[4]配送品であることから小売業者による収集が合理的であること、こういう要件で対象機器を政令で指定してございます。具体的には、皆様もよく御存じのとおり、エアコン、ブラウン管テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機という4つの品目が対象機器として指定されております。
  3番目は「再商品化等」の定義ですが、一つは対象機器の廃棄物から部品及び材料を分離し、これを製品の原材料又は部品として利用すること、いわゆるマテリアル・リサイクルでございます。もう一つは、これを燃料として利用するというサーマル・リサイクル、こういう二つの考え方を含んでいます。
  4番目は基本方針の策定ですが、経済産業大臣と環境大臣が基本方針を定めて、(参考)に書いているような事項について公表しております。
  3ページにまいりまして、関係者の役割ですが、製造業者及び輸入業者につきましては二つの義務が課されております。一つは引き取り義務、もう一つは再商品化等実施義務、いわゆるリサイクルの義務でございます。引き取り義務は、あらかじめ指定した引き取り場所――これを指定引取場所と呼びまして、(参考)のところに書いてございますように、大手の製造業者はA、Bの2つのグループに分かれて設置しておりますが、各グループ、全国で190カ所ずつ、合計380カ所の指定引取場所が設置されております。このあらかじめ指定された指定引取場所において、製造業者等は自らが製造等をした家電4品目の廃棄物の引き取りを求められたときは、これを引き取る義務があるということでございます。この指定引取場所については、円滑な引き渡しが確保されるように全国に適正に配置をすることということで、今申し上げたように現在380カ所があるということでございます。
  それから、再商品化等実施義務につきましては、現在は枠の中に書かれておりますような基準がありまして、エアコンは重量で60%以上、冷蔵庫・冷凍庫で50%以上、テレビで55%以上、洗濯機で50%以上という基準を満たす再商品化を行う。この部分についてはマテリアル・リサイクルのみでやって、今のところ、サーマル・リサイクルは含まれていないということでございます。
  また、製造業者等は、再商品化等の実施状況について公表するよう努めることとなっております。
  そのほか、エアコンと冷蔵庫・冷凍庫に含まれる冷媒用フロン・断熱材フロンを回収して、再利用又は破壊を行うということも定められております。
  それから、小売業者ですが、小売業者にも二つの義務がございまして、一つは引き取り義務、もう一つは引き渡し義務でございます。引き取り義務は、小売業者は廃家電を引き取る義務があるわけですが、引き取る義務の対象としてはア、イとございまして、アは自らが過去に小売販売をした対象機器の廃棄物の引き取りを求められた場合、イは対象機器の小売販売に際し同種の対象機器の廃棄物の引き取りを求められたとき、いわゆる買いかえのときでございます。
  4ページにまいりまして、次は引き渡し義務でございます。小売業者は、対象機器の廃棄物を引き取ったときは、中古品として再利用する場合を除き、その対象機器の製造業者等に引き渡す義務がある。どこのメーカーなのかわからない場合には、後で出てきますが、指定法人に引き渡すことになっております。
  (3)消費者ですが、消費者は、この再商品化が確実に実施されるように小売業者等に適切に引き渡し、収集・再商品化等に関する料金の支払いに応ずる等、本法に定める措置に協力をするということになっております。
  (4)市町村ですが、市町村は、その収集した対象機器の廃棄物を製造業者等に引き渡すことができる。自ら再商品化等を行うことも可能となっております。
  続きまして、大きな6番目の費用請求ですが、製造業者等は、対象廃棄物を引き取るときは、引き取りを求める方に対して再商品化等に関する料金を請求することができる。この料金は能率的に再商品化等を実施した場合の適正原価を上回るものであってはならない、また、廃棄物の適正な排出を妨げることのないよう配慮しなければならないということになっております。
  それから、小売業者は、中古品として再利用する場合を除きまして、排出者に対して収集及び運搬の料金、それから製造業者等による再商品化等に関する料金を請求することができるということになっております。
  また、事業者による料金の公表、国の情報提供、料金に関する是正勧告・命令・罰則等の措置も定められております。
  (参考)のところですが、法律制定時、いろいろ議論がございましたが、排出時徴収制度になった理由が4つ挙げられております。1点目は、当時、約3億台にのぼる既販品のリサイクル料金をあらかじめ徴収することが難しかったこと。それから、製品購入時において廃棄時点でのリサイクル費用を予測することが困難だったこと。また、前払い制度ということで販売時に取ってしまうと、廃棄までの間に製造業者等が倒産・撤退した場合に費用の手当てが困難になること。それから、排出時負担によって排出者(消費者)がコストを意識できる方が製品の長期使用、ごみ減量化に資すること。このような理由で当時は排出時徴収制度を選択したということでございます。
  5ページはその他の規定でございまして、対象機器が確実に運搬・処理されることを確保するためのマニフェスト制度ということで、現在、家電製品協会の家電リサイクル券センターが運用しております「家電リサイクル券」がこれに当たるものでございます。
  それから、中小企業の委託により再商品化を実施したり、あるいは倒産等により義務者が明らかでない場合やいろいろな困難がある場合などに、その業務を実施する主体として指定法人がございます。
  そのほか、監督(罰則)、廃掃法との関係等々が規定されております。
  最後に「施行時期及び再検討」ということで、5年が経過した段階で制度全般について再検討するということが規定されております。
  6ページ以降は参考資料でございまして、今申し上げことを図に示したもの、その他のリサイクル制度等を含めた全体の法体系、それから先ほど申し上げました190カ所の指定引取場所の設置状況、都道府県別に各グループで何カ所ずつあるかという表、それから再商品化施設は現在全国に47カ所ありますが、その配置状況がございます。そして最後にリサイクル券についての若干の紹介でございます。
  以上が資料2、法制度の概要でございます。
  続きまして、資料3、「家電リサイクル法の施行状況」について御説明いたします。
  1ページは「全国の指定引取場所における引取台数実績」でございます。(1)は4品目の合計ですが、施行1年目の13年度は855万台でございましたけれども、1015万台、1046万台、1122万台、そして平成17年度は1162万台ということで、年々、引き取り台数が増えてきているということでございます。右側の(2)は品目別でございまして、4品目ともそれぞれ、毎年、引き取り台数が増えてきているということでございます。
  2ページは「再商品化率の推移」でございます。棒グラフの横に線が引っ張ってありますが、これは法令上、各品目ごとの義務として定められているリサイクル率、再商品化率でございます。これも毎年ほぼ伸びてきているわけですが、法令上の義務を大きく上回っている状況になってございます。なお、テレビについては、やっている中身自体は変わっていないわけですが、再商品化率が若干低下しております。これは、注に書いてございますように、ブラウン管ガラスメーカーが海外移転したことに伴って、一部が再商品化量としてカウントできなくなったために、若干減少するという結果になってございます。
  3ページは「平成17年度における品目別、素材別の再商品化重量」でございます。これは各品目ごとの組成、どういう物質からできているかによって若干とれるものが違うということで、エアコンは鉄、銅、アルミ、その他混合物等がとれていますし、テレビの特色としてはブラウン管ガラスの占めるウエイトがかなり高いわけでございます。冷蔵庫や洗濯機につきましては鉄が非常に多くとれ、その他混合物がとれるということになってございます。
  4ページですが、先ほど御説明いたしましたフロン類の回収でございます。エアコンと冷蔵庫・冷凍庫ですが、エアコンの冷媒フロンの回収量も平成17年度で1122トンということで年々増えてきております。冷蔵庫・冷凍庫につきましては、平成16年4月から断熱材フロンについても回収・破壊等が義務づけられておりまして、そこに書いてあるような量の回収が行われているということでございます。
  5ページはその他の業界の取り組みでございまして、メーカーの皆さんが責任を持ってやるということで、環境配慮設計等にどういうふうに取り組んできたかということでございます。
  まず再商品化への取り組み例ですが、廃家電をリサイクルして家電製品に使っている例として、エアコンの場合は回収した銅、アルミを室内機や室外機の熱交換機に再利用している。また、回収した鋳物鉄を室外機のコンプレッサーの鋳物部品に再利用する。テレビはブラウン管テレビを再びブラウン管ガラスにする。冷蔵庫でも再生したプラスチックを新しい冷蔵庫の底板に再利用したり、回収した鋳物鉄をコンプレッサーの鋳物部品に再利用するような研究も進行中でございます。また、洗濯機に関しても、回収された洗濯機の水槽をまた水槽の原材料として再利用したり、プラスチックを洗濯機の台枠に再利用するといったことで再商品化に取り組んでいるということでございます。
  それから、3R、環境配慮設計の取り組みとしては、リサイクルしやすい製品づくりということで、いろいろなマーク等を定めた「家電製品 製品アセスメントマニュアル」をつくったりしている。また、製品の設計段階で、ライフサイクルの各段階の安全や資源、環境への影響を調査して予測・改善を行うなど、環境負荷低減に努めている。
  それから、特定化学物質への対応ということで、いわゆる6物質ですが、特定の化学物質の使用の制限、そしてノンフロン冷蔵庫の販売など、いろいろな努力をしているということでございます。
  6ページは「家電使用年数の長期化」です。これが排出時徴収にした一つの理由だと申し上げたわけですが、平成15年度時点と平成9年時点の比較の表が上でございます。そして、平成10~12年度の平均使用年数と平成15年度の平均使用年数の比較が下の表になります。調査によって数値は若干違っておりますが、上の表で見ますと、エアコン以外の3品目について年数が長期化していますし、下の表で見ますと電気冷蔵庫以外のもので使用期間が長期化している結果が出ています。
  7ページ以降の不法投棄とE‐Wasteにつきましては、環境省の藤井室長の方から御説明させていただきます。

○藤井リサイクル推進室長 7ページからは私ども環境省の調査でございますので、私から御説明させていただきます。申しおくれましたが、環境省でリサイクル推進室長をしております藤井でございます。よろしくお願いいたします。
  7ページは不法投棄台数の推移ですが、網かけが私どもの毎年の調査結果の実数でございまして、特に法施行前におきましては家電製品の不法投棄台数をカウントしていた市町村の数が少なかったこともございますので、この資料ではカウントしていた市町村の全国における人口カバー率で実数を割り返して推計した数字を並べさせていただいております。したがいまして、網かけの部分だけではなく、白い部分もあわせて見ていただきますと、全国の推計台数は、施行当初、増加傾向にございまして、ここ1~2年は横ばい状況といった傾向が見てとれるかと思います。
  8ページが1年間の不法投棄台数の推移でございます。傾向としましては、月別で見ますと12月とか3月あたりが結構多い時期になっております。いろいろな要因があるのだと思いますけれども、3月は引っ越し時期でそもそも廃棄家電自体がたくさん出てくる時期なのではないか。また、12月はボーナス商戦等の影響でテレビの買いかえが多い時期だと聞いておりますけれども、そんなさまざまな要因でこのような傾向になるのではないか、と考えております。
  最後に、9ページ、E‐Wasteの関係でございます。近年、部品取りや金属回収を目的といたしまして、廃パソコンや冷蔵庫等のE‐Wasteの越境移動が行われている状況にございます。有害物質の関係もございますし、また、輸出先の途上国におきましては規制や施設関係が未整備な部分がありますことから、特にアジア地域を中心に悪影響が懸念されているところでございます。
  その下に中古家電の輸出推計を書いてございます。もちろん中古家電が即E‐Wasteということではございませんので参考までにということですが、日本からも中古家電はこの程度輸出されているという状況にございます。
  その下にございますのは、先ほど由田部長の挨拶の中にもございましたけれども、アジアの主要国のほとんどが既にバーゼル条約を批准しているのですが、それ以外に一定の輸入関係の制限を設けているような場合もございます。中国、フィリピン、ベトナム、タイの例を掲げてございますが、このような状況となってございます。
  以上でございます。

○細田座長 どうもありがとうございました。

家電リサイクル法の評価・検討の進め方について(意見交換)

○細田座長 それでは、本日は初回でもございますし、時間も1時間程度残されておりますので、ただいま事務局からありました家電リサイクル法をめぐる状況の御説明について、またそれ以外でも結構ですから、御質問・御意見がありましたら、ぜひよろしくお願いします。
  いかがでございましょう。こういう会で初めにしゃべるというのはなかなか難しゅうございますが……。
  それでは、牧野委員、お願いします。

○佐藤委員(牧野代理) 佐藤さんの代理の牧野でございます。3点申し上げたいと思います。
  この中でも何人か、家電リサイクル法が始まったとき、あるいはそのプランの段階からおつき合いいただいた方がいらっしゃいますけれども、私もその一人でございます。この法律が動きましたのは2001年4月1日で、この日は日曜日でございました。日曜日に事務所へ行ったのは私だけかと思っていたら、実はお役所の方もオフィスに出てきておられて、現場が何をやっているのか、両方で連絡を取り合いながら走り回って、携帯電話で話をしながら、すごく心配したことを覚えております。
  ちなみに、世の中には公表しませんでしたけれども、4月1日の引き取り台数は1000台前後でございました。365日にしましても大した台数にならない。これはえらいことだと。きょう出てくる前に最初の6日間の台数を調べたんですけれども、たしか1万4000台でした。4月全体で27万5000台と私どもからすると大変低いレベルなので、これが2001年度でどうなるのかしらと本当に心配したところ、先ほどの御説明の中にありましたように800万台を超える台数に持っていけたということであります。去年は1162万台、こういうことになっております。ずっと携わった人間の一人として、ここまでうまくいったこと、私自身は非常に大きな感動を今改めて感じております。
  よく外の方とお話をするのですけれども、家電リサイクル制度は、日本のリサイクル制度あるいは世界のリサイクル制度の中でも最も成功した例の一つであると私は確信をいたしております。この成功の背後には、きょうもここに何人かいらっしゃいます消費者や小売の皆さん、メーカーの方々、あるいは行政庁の方々の絶大な御協力・御努力があったからだと思っております。厚く御礼を申し上げたいと思っております。
  そういう成功の体験を踏まえて今回見直しが始まるわけでありますが、見直しに当たっては、我々がつくってきたよいところを極力伸ばし、悪いところをつぶすという先ほどの細田先生の視点を大切にして、私どもも議論に参加をしてまいりたいと思っております。これが第1点でございます。
  2点目は、私どもの手前宣伝でございまして、法律には一切ないことでありますが、私どもで家電リサイクル券システムというものをつくりました。実はこれは大変な苦労でございまして、奇跡のようにうまく動いております。今後ともこのようなシステムを動かすためにはそういったインフラが大切でございますので、時折、こういった新たなことを何か議論する場合は、それを実現するためにどういうインフラが必要になるのか、何を考えなければいけないのか。これは隠れたことでありますが、極めて大切な視点でありますので、よく目配りをいただければありがたいと思っております。これが第2点でございます。
  最後です。家電リサイクル法の動く前の約1年間、私どもは茨城県那珂町で実験プラントを動かしておりました。このときに皆さん方の中の少なからぬ方は見学に来ていただきました。でも、私どもが一番動員をかけたのは、各メーカーの設計・製造のエンジニアに動員をかけて、那珂町に来ていただきました。ただいま現在は、私どもの方に関係の委員会をつくって、彼らがリサイクル・プラントを訪問して、リサイクルしやすい設計はどうあるのか、製造の仕方はどうあるのかということで、過去6年余強、ずっと努力を続けておりまして、今後とも続けるつもりでございます。そういう意味で言えば、家電リサイクル法がDfEの普及に非常に大きな役割を果たした、こういう点も伸ばしていただきたいと、かように思っています。
  以上でございます。

○細田座長 どうもありがとうございました。
  今のお話はコメントということで、事務局からお答えすることではないですね。あったら、後でまとめてお話をいただくことにして、そのほか、いかがでございましょうか。名札をお立ていただければと思います。
  では、辰巳委員、お願いします。

○辰巳委員 私も今までのお話への質問ということではなくて、これからこの法律をどういうふうに考えていったらいいかという視点でお話しさせていただきたいと思いますが、それでもよろしいですか。

○細田座長 どうぞ。

○辰巳委員 今、牧野さんがおっしゃったように、私も今回の家電リサイクル法がEPRやDfEを確実にうまく実施していく一つのシステムだったかなという意味で大変評価はしております。現実、そういうふうになさっていることも見せてもらいに行きまして、感じております。これはメーカーさんに製品が戻ってこないといけないというところがキーポイントかなと思っておりますので、回収システムをどうしていくかということの確実さといいますか、現実にあるんですけれども、もう一度ちゃんと見直してみないといけないのではないかと思っております。それが一つです。
  それから、先ほどの御説明の中にもありましたが、リサイクル率が目標値以上に上がっていることから、あの目標値はもう目標値ではなくなっているというふうに理解しておりますので、目標値はどこまでアップしていけるのかということも検討していくべきではないかと思っておりますし、そのために消費者もお金を負担しなければいけないと言われたら、やむを得ないのかなと。現状の目標値そのままということであるなら、もっと安くなってもいいのではないかという気もしております。
  ただ、根本的なところとして、今回は何を目的に考えるのか。先ほど細田先生も偏見のない目で日本の国のためにというお話がありましたけれども、私は日本の国のためよりか地球環境全体のためというふうに考える必要があるのではないかと思っております。だから、持続可能な地球環境という視点が非常に重要かなと思っております。そういう意味で、大型家電の回収、それはそれでもちろん大事ですけれども、やはり金に始まる希少金属の回収等も非常に大切だと思っております。日本ではお金さえあればそういうものか入手できるというふうに思い上がっていると言った方がいいのではないかと思いますけれども、まだまだそういう感じがあるんですけれども、資源採取のためにどれだけの人権無視とか地球環境破壊が行われているかということまで想像を働かせることがEPRの中に入ってくる必要があるのではないかと思いますので、レアメタル等の回収という視点からも検討していただきたいと思っております。
  前回のリサイクルのお話で大型の配達する製品の回収ということがありました。先ほど回収システムを再確認してくださいと言った話にもつながるかと思いますけれども、大きな家電だけではないのではないかと考えています。一番先にこれを言いたいと思って手を挙げたんですけれども、回収システムとしてデポジットみたいなものを考えることはいかがでしょうかという提案でございます。例えば携帯電話のようなものが放置されたり、なかなか回収率が進まないという話がありますので、そういうものがうまく回収されるシステムが確立し、うまく使えば若い人への環境教育、消費者環境教育的なこととつなぎやすいといいますか、どうしても回収しなければいけないときの最後の手段がデポジットではないかと私は思いますので、そんなことも御検討いただければという気がします。レアメタルだけではなくて、有害物質の再発を防ぎたいという気持ちもありますので。
  先ほど国際循環の話もありました。それは当然で、日本の国が果たすべき役割だと思っておりますけれども、私たちの視点からすれば、何よりも公平で公正で透明性のあるシステムになることがすごく大事だと思っていますので、今言ったようなことがうまくいくのであれば、お金の取り方は後でも先でもいいと考えております。

○細田座長 どうもありがとうございました。
  それでは、崎田委員、森口委員の順番でお願いいたします。

○崎田委員 ありがとうございます。今から5年前にスタートしたとき、私はちょうど東京都で家電リサイクル法に対して地方自治体がどういう役割を果たすべきかという委員会に参加させていただいておりました。家電4品目は粗大ごみの対象からはずし、メーカーの整備したリサイクルルートに回るようにしたわけです。その後、消費者に家電リサイクル法を普及啓発するために、いろいろな媒体で呼びかけてまいりました。そういう中で今回の家電リサイクル法の見直しについても大変関心を持っております。今回の見直しに当たっては、今いろいろ御報告いただいたのですが、そういう中でどこが課題になっているのかということを一度きちんと洗い出し、皆さんと意見交換した上で、将来どういうふうにしていくかということをきちんとお話ししていければうれしいなと思っています。
  現在、循環型社会形成推進基本法の理念のもとに、メーカーの方、販売店の方、そして消費者、それぞれの責任をきちんと持ちながら、これからの循環型社会をつくっていこうと、パソコン、自動車など法体系をいろいろとつくっているわけです。私は、方向性としては、そういう法体系の全体像を見据えた上で、日本がどういうふうに循環型社会に向けた社会システムを生活者にもわかり易く整理をしていくか、ということを重視しながらお話をしていきたいと思っています。
  少し細かい点で意見を申し上げたいと思うのですが、今回のシステムになって発生抑制にうまくつながったかどうか、リユースの部分はどうなったのか、リサイクルがどうなっているのか、あるいは不法投棄はどう評価するのかといったことをきちんと意見交換をしていきたいと思っています。
  1番目の発生抑制に関しては、販売店からメーカーに戻るシステムということで、メーカーの皆さんが環境配慮設計を進めるなど、積極的に考えてくださっているという現状は私も見学などをさせていただいてますので、素晴らしい流れだと思っています。ただし、それが全体像としてどういうふうに原材料に使用されているか、リサイクル設計がどこまで進んでいるかということが、もう少し定量的にわかるとうれしいなと思っております。
  リユースに関してですが、これができたときからリユースに関してはあまり法律の中に入っていないということも言われておりましたが、今でも、ふだん暮らしていると、「中古品をただで引き受けます」というチラシが毎週のようにマンションの郵便受けに入ってきます。そういう中古品の回収業者さんが受け取った後はどうなっているのだろうか、中古品がきちんと回っているのか、あるいはもし一部が使われた後はきちんと廃棄されているのか、あるいは外国に輸出されているのか。つまり、日本の中の家電4製品が、回収量も増えていますが、不法投棄の数も出ていますので、そのほかにどういうふうに動いているのかということがもう少し見えてくると、問題点もはっきりするのではないかという感じがいたします。
  もう一点、リユースに関しては、私たちは修理というものも一回きちんとやりたいと思っているんですけれども、大量販売の中で、私たち自身も修理をするよりは買いかえた方が便利ですという流れに乗ってしまっている。地域の電気屋さんの修理システムを増やそうということも随分提案がありましたけれども、これは今どうなっているのかということも伺いたいと思っております。
  リサイクルに関しては、リサイクル料金をきちんと払う、あるいは運搬料金を払うことはこれから大変重要なことだと思います。私たちも消費者にきちんと伝えてきましたけれども、技術も進み、情報が公開されて、リサイクル料金が徐々に安くなっていくのかなとか、もう少し変化していくのかなと考えていたんですが、あまりそういう変化がないので、その辺の状況は今どうなっているのかということも伺いたいと思います。
  それから、最近我が家で冷蔵庫を買いかえたんですが、大手のところで「運搬は100円でいいですよ」とおっしゃるので、そんなに安くして本当に仕組みが成り立っているのだろうか心配になります。安くしていただくのはうれしいけれども、今度はどこかにひずみがきて、おかしくなるのではないかという気もいたしますので、そういう全体像がどう回っているのかということも課題だと思っております。
  それから不法投棄のことに関しては、市民として不法投棄をするのか、事業者の方が途中で不法投棄するのかということももう少しわかるとうれしいと思っておりますが、市民としては、とにかくこのリサイクルのシステム、あるいはお金を払うシステムが、不法投棄を減らし、わかりやすくて、だれもが実践しやすいシステムになっていくことが大変重要なのではないかと思っています。
  それから、品目を拡大するのかということもあると思うのですが、私自身はリサイクルが進んでいくことが社会の方向性として大変重要だと思いますので、広がっていく方向が大事なのだろうと思います。そのときに、小さいものであればお店に持っていって店頭回収をするとか、消費者が一緒に参加していくようなシステムづくりがあってもいいのかなと思います。
  今考えている問題点を全部申し上げますと、あと2点ありますが、有害廃棄物といいますか、金属等を含有しているものに対してはこの法律の中では言っていないのですが、事業者の皆さんが自主的に取り組んでくださるということで、このままこの法律の中に入れないでいいのかということも一度議論していただきたいと思っております。
  また、東南アジアへの輸出とか、外国との輸出の中でどういう仕組みに持っていったら一番いいのかということもちゃんと考えながら、総合的に、リサイクル料金の支払い時期のこと等に関してもきちんと話し合っていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

○細田座長 どうもありがとうございました。たくさんの論点を出していただきました。
  とにかく意見をブレーンストーミング的に出していただきたいと思いますので、森口委員、その次に酒井委員、お願いいたします。

○森口委員 3点ほどに整理して申し上げたいと思います。
  辰巳委員、崎田委員から御発言のあったことと少しダブるところもございますけれども、まず1点目は、何のためのリサイクルか、何を目的にするかということについては再度確認が必要ではないかと思います。自治体によるこれまでの埋め立て処理、あるいは埋め立て処分量を減らしていくという意味では、資料2にありました全体のマテリアル・フローの中で家電リサイクル法のルートができることによる効果、こういったところは再商品化率ということでとらえていけるかと思いますので、まずそういうボリューム――処分される量を減らしていくということはあったのかと思いますが、既に御指摘があったように、こういう量だけではとらえにくいもの、一つは有害性の問題、量的な問題よりは物質の質、有害性の観点から問題になるものもある。一方で資源という観点で言えば、希少性の観点から資源化といいますか、回収をより積極的に進めるべきものもあるだろう。そういうことで、量的な処理・処分量の削減、有価物を積極的に回収していくこと、そして有害物の適正な管理、少なくともこの3点はあろうかと思いますので、そういったあたりをバランスよく見据えていくことが必要ではないかと思います。
  2点目は全体像の把握ということで、これも既に御指摘のあったとおりですが、家電法ルートに乗っかったものについては資料のとおりかと思います。ただ、資料2の冒頭に家電法施行前の全体像が出ておりますけれども、こういったものは現在どうなっているのか。これはなかなかとらえにくい。私どもも研究は進めておりますけれども、そもそも廃棄された、あるいは使用済みになった家電のトータルの量がどれだけあるのかということ自身が非常にとらえにくい。牧野代理から非常にうまくいっているというお話がありました。まさにおっしゃったとおりだと思うのですけれども、トータルとして廃棄のストリームに乗る可能性のあるもののうち、これだけたくさんが乗っているんだ、うまくいっているということの説得力をさらに持たせる上でも、全体像の把握はぜひお願いしたいと思っております。
  それとも若干絡むのですけれども、再商品化の重量の資料が資料3の3ページについています。容器包装もそうですけれども、いわゆる「再商品化」という言葉もなかなか難しい言葉でありまして、再商品化した後、再商品化したものが利用されてこそというところがあろうかと思います。ですから、こういう再商品化されたものがどこへ行っているのか、そういったところも情報として捕捉していくことによって、よりうまいループで回っているということの説得力が増してくるのではないかと思います。
  3点目は国際的な側面の問題であります。これも私どもで研究として取り組んでおりますけれども、今はどちらかと言うと日本からの中古家電が家電法ルート以外で流出していくといったところに関心が集まっているかと思います。これはかなり先の長い話かもしれませんが、近隣諸国でも当然家電保有の水準は上がってくると思いますし、そういうところから廃棄されるもの、それのリサイクル処理といった問題も将来的には出てくる問題ではないかと思います。
  DfEがうまく働いているというお話もありましたし、由田部長の冒頭の御挨拶の中でも日本のいい経験を世界あるいはアジアに発信していくというお話もあったかと思いますので、特に近隣諸国との間での整合性といった問題はなるべく早目から見据えておいた方がいいのではないかと思います。単に日本から流出するのがいい悪いという話ではなくて、日本のようなよいシステムで回っている率を近隣諸国も含めていかに増やしていくかということかと思いますし、そういう点では日本一国だけの制度ではとどまらない部分が出てくるのではないかと思いますので、今回の見直しの中でそこの議論がどこまで進められるのかはわかりませんけれども、理想的には遠い将来の、少なくとも近隣諸国との間での制度の整合性ということも少し見据えた上での制度の議論ができると、より望ましいのではないかと思っております。
  以上、3点でございます。

○細田座長 どうもありがとうございました。
  議論が前の委員の発言と重なっても全然構いませんので、この際、いろいろ出していただければ幸いです。
  それでは、酒井委員、その後、石川雅紀委員にお願いします。

○酒井委員 どうもありがとうございます。前の方と重なってもいいというお許しをいただきましたので、早速、一つだけ。
  森口さんが言われた全体像の把握というところで、基本的には物質収支的なマテリアル・バランス的な資料充実の方向を可能な範囲でお願いしたいというのが希望でございます。回収の台数といったことは冒頭で一千数百万台ということが出てくるわけですが、基本的には国内の生産台数あるいは流通台数等々で今は一体どの程度扱っているのかというあたりは少なくとも数字として見られるわけですので、その辺は共通認識としてまず持って取り組んでいくこと、そこは少なくともやっていいのではないかと思います。
  2点目は、品目拡大という言葉が冒頭の局長さんのお話にも出てまいりましたので、きょうの資料の中にはほとんどございませんでしたが、ヨーロッパの制度で対象としている98品目のうち現在日本の制度で扱われているもの、例えば資源有効利用促進法という体系もございますので、その中で結果としてどう扱われているのかというところの現況をぜひお知らせいただきたい。そして、我々からはどうしても類似の品目に見えるのですけれども、例えばパソコンのリサイクル、きょうの経産省のパンフレットでは回収台数、プラント搬入台数等々をお示しいただいておりますけれども、これらの現状が一体どうで、制度的な統合の可能性はないのかどうか。これはなかなか難しいということは聞いておりますけれども、一度ぜひ議論をして、共通認識を持って、無理なら無理で臨んでまいりたいと思っております。その関連としてプリンタはどうなっているのかというのもある意味で素直な疑問でございましょうから、そういったところもぜひ考えさせていただきたいと思います。
  3点目は、崎田さんがおっしゃられた有害物質の点で、これが家電リサイクル法の対象外でいいのかという点に関連する部分でございます。現状を御紹介いただいた資料の中では、業界では4物質程度への自主的取り組みがなされているということとE‐Waste問題の中で少し有害物質との関係の紹介がございましたが、国内ではいわゆるJISの関連でJ‐Mossという制度が両省が関与されて既に動いているというふうに認識しております。きょうはそういったところの紹介もございませんので、現状どこまで何ができているかというところも御紹介いただけませんでしょうか。ここは国際的な協調の問題で一番重要な問題だと認識しておりまして、最終的に制度の中で扱うか扱わないかはこれまた今後の議論に当然なろうかと思いますけれども、国際的側面を考えていく中での一つの材料、一つのポイントであっていいのではないかと思います。
  以上でございます。

○細田座長 ありがとうございました。
  それでは、石川委員のコメントをいただいて、もしこれまでに事務局の方で答えられることがあったらお答えいただきたいと思います。宿題もたくさんいただいて、今すぐには答えられない問題もございますが。
  それでは、石川雅紀委員。

○石川(雅)委員 特に新しい話を持ち出そうという意味ではございませんけれども、これまでたくさん出てきた論点の中で私はこれが大事だと思うということを述べさせていただきたいと思います。
  伺っていると、私自身、家電リサイクル法ができたときは、かなり懸念したところもあることを思い出しました。地域によっては膨大な不法投棄が問題になってしまうのではないかという心配をしたのですけれども、結果として見たところ、増えてはいるみたいですけれども、懸念されたほどではないのではないか。私自身はひょっとするともっと危ないかもしれないと思っていましたから、そういう点ではかなりうまくいっているのではないかと思いました。
  ただ一つ、やってみてわかった点で、別な懸念が出てきました。これは見えないフローです。それがかなり大きくて、その種類が幾つかあります。既に論点として皆さんが出されていますが、一つは国外に出ているものがどういうふうに使われているのか、よくわからない。これが結果的に環境汚染を起こしているのではないだろうかという懸念がまずありますし、これはいろいろな観点で問題です。環境そのものがまず大問題なんですが、産業として見ても日本の製品がどこか不適切に処理されていて、メーカーのマークがあるということ自体、ビジネスとしても多分に問題なのだろうという気もします。
  それから、国内で見ますと、先ほど森口さんからリサイクルされたものの先がどういうふうに使われているのか、必ずしも全部が見えているわけではないというお話がありました。見えないフローということでくくれるのではないかという気もします。皆さんはもっと調査することが重要だということをおっしゃっておられまして、私もそれに賛成です。これは難しいと思いますけれども、できる限りわかるように、調べることは必要だと思います。
  もう一つ、つけ加えさせていただくと、法律の見直し、システムの見直しをするわけですから、もし皆さんが見えないフローのところでいろいろな経験とか情報から懸念されているということであれば、私自身は懸念していますが、なぜ見えないフローに行ってしまっているのか。どういうふうに変えれば、見えるところ、明るみに廃家電が浮かび上がってくるのだろうかというふうに物を考えてもいいのではないだろうかという気がします。
  以上です。

○細田座長 どうもありがとうございました。
  永浦委員も札が立ちましたので、永浦委員、よろしくお願いいたします。その後で事務局から何かあればお答えいただきたいと思います。

○永浦委員 全国電商連を代表いたしまして現在この席に着いているわけでございます。簡単に組織を御説明申し上げますと、全国46都道府県の電機商業組合を会員として、さらに、9地区に分け意見集約や徹底を図る運営をしています。家電リサイクル法については、その地区毎の代表者による特別委員会を編成し、その委員長を現在仰せつかっているわけでございます。そういった関係上、各地区のいろいろな意見、問題点などの情報を収集し、全国電商連としての意見を統一してあります。そして、その内容に基づいて3項目にまとめ組合員の署名運動もいたしました。
  私は、このリサイクル法は基本的に非常にすばらしい法律ではないかと思っております。実は5年前にスタートした段階で、法律を遵守しなくてはならないということで無我夢中でこの法律に則ってやってまいりました。法律そのものは非常にすばらしいと私は思うのですけれども、環境に相当支配されやすいのではないか。ですから、この法律を見直しでは環境を整備していただきたいと思います。
  例えば、先ほど崎田委員からも出ていましたけれども、我々がリサイクル料金から収集・運搬料金まで排出者に請求を出しますと、片方でチラシが出てきまして、無料で引き取るというのが出てくるわけです。これが大きな問題です。現行法では、消費者がリサイクルに「出しません」と言われれば、我々には引き取る義務がありません。そうすると、その商品は一体どこに行ってしまうのか。もしかして不法投棄とか無料回収に回っているのではなかろうか。そういう問題があります。ですから、そういったことが防止できるような法律の見直しについて是非とも審議いただきたい。
  それから、御存じのとおり、我々家電小売業界は熾烈な闘いをしています。片や広域量販店、地域の量販、そして我々地域電気店、こういったチャネルの中で非常に競争に利用されやすいのがリサイクル法です。リサイクル料金は無料です、収集・運搬が無料です、そういった事を平気で表示できる。その辺のところをぜひ見直していただいて、これは法律なのだからきちっと表示し、リサイクル料金+収集・運搬料金が適正、円滑にいただけるような法律にしていただきたいと思います。
  もう一つ、消費者から言われるのはリサイクル料金が高いということです。例えばインターネットで大阪府などを見ますと、メーカーリサイクルよりも30%から50%安いんだということが堂々とホームページに載っているわけです。今は津々浦々、どこでもホームページを見られる状況にあるわけですから、何で大阪は安いのにあなたたちは高いのかと、こういうことが出てきます。それから、収集・運搬料金も何でこれだけ高いのかと。「収集・運搬料金がなぜ高いか」というのは、ヤードの配置に問題から出ていることであると思っています。このことから我々が、AとBのヤードを共用にしてくれないか、ということを要望している理由でございます。これからの審議の中でどのような形で見直しになるのかわかりませんが、この法律の運用で、消費者と直接接し、消費者に納得してもらうために、大変な苦労をしている、小売事業者が抱えている諸課題についても、ご審議していただき、環境に左右されないリサイクル法にしていただきたいと、このように思います。
  以上です。

○細田座長 ありがとうございました。
  まだ時間がございますので後で御意見を承りますが、ここでちょっと切らせてください。
  これまでの議論でも我々が十分議論しなければいけない筋というものが見えてまいりまして、石川雅紀委員の言葉をかりれば、どうも見えないところに行っているらしい。それが把握できていない。見える部分に関しては、牧野さんがおっしゃったように我々はかなりよいシステムで、DfEにもつながっている。メーカーさんにつながっていって、責任を果たせれば、かなりいいリサイクル率で、70%までリサイクルしているというと法定の率より高い。その辺にまず第1点、どうも大きな問題がありそうだなということがわかってきたわけです。もちろんそれ以外にもいろいろな問題を把握しなければいけない。それから、そういう環境に影響されてしまって、熾烈な闘いの中で、実はこのリサイクルシステムの料金が利用されてしまって、違うところに流れていってしまうと困るぞというような論点も幾つか出てまいりました。
  いろいろ調べなければならないことの宿題もいただいたようですけれども、今までのお話の中で事務局から何かお答えすることはありますか。調べなければいけないことは、素直に「調べなければいけない」と言わなければいけないでしょうけれども、どうでしょう。

○塩田環境リサイクル室長 大変多くの論点を承ったわけでございますが、座長からお話がありました見えない部分というのは、確かに私どもも見えないといいますか、なかなかデータがない部分がございます。はっきりしている部分は、1162万台についてメーカーで引き取ったものがきちんとした処理をされている、ここのところは一番はっきりした数字で、かたい数字なわけですが、残りがどうなっているか。
  まず全体の使用済み廃家電の数がどのぐらいかということで、これも若干幅がありますが、今まで皆さん方の意見をいろいろ聞いていますと、少ない方で1900万台とか2000万台。それから、私どもの方でやったビンテージ調査、指定引取場所で引き取った廃家電が何年前のものかということで調査をしまして、何年ぐらいたったら家電がどのぐらいの割合で排出されるか、そういう割合をもとに試算しますと、大体2300万台ぐらいになります。ですから、1900万台から2300~2400万台ぐらいの幅がありますが、それぐらいの量が使用済み廃家電となって出てきているのではないかということでございます。
  そうしますと、1900万台から2300~2400万台と1160万台の差の1200万台ぐらい、あるいは1900万台とすると800万台とか1100~1200万台ぐらいかと思うのですが、そこが見えない部分であろう。見えないといっても、そのうちのわずかといいますか、先ほどの資料でありますと17万台が不法投棄としてあるわけですけれども、不法投棄自体も見えないで谷間や湖の底に沈んでいるものもあるのではないかということもあります。この17万台がそんなに桁が違うとも思えないのですけれども、17万台+αぐらいのものが不法投棄である。残りの部分であるのは恐らく、先ほどからお話に出ている中古品として海外に輸出されている。これはどうもかなりの数があるようでございまして、ここも正確な輸出の数字のデータが中古品についてはございませんで、これまでいろいろな調査等で数字を試算しておりますが、少ないもので200万台強です。これは輸出統計から家電製品で金額が割と低いもの、例えば1台当たりの単価が5000円ぐらいと安いものは中古品ではないかということを前提に試算したもので、大体200万台強でございます。そのほかに高い値段で輸出されているものもあるでしょうから、それより多いかもしれない。
  もう一つの調査は、大手の中古品輸出業者の実績、その会社が中古品の中でどのぐらいのシェアを占めているかということもヒアリングしまして、それをベースに割り戻すと735万台というのが私どもの委託調査の数字でございます。ただ、いろいろお聞きしていると、輸出業者の方もそんなに多いという実感がないということもございます。そういう意味では、中古家電の海外輸出がどれぐらいかということも正確な数字はなかなかつかみにくいのですが、今申し上げた200万台強から700万台の間のどこかにあるのではないか。皆さん方の御意見を伺っていると400万台とか300万台とか500万台ぐらいではないかとか、そういう数字が言われている状況でございます。
  では、中古品として海外に出ている以外のものはどうなっているのかということで言いますと、先ほどの資料にもありましたけれども、産廃業者等、メーカーの委託を受けて処理をするもの、メーカーが処理する以外の既存の業者による処理等があるのではないか。それは輸出品を先ほどの差から引いたもので数百万台程度あるのではないか。そこの部分も、これまで調査をしようとしても、業者の数が多いこともありまして、正確な数字についてはデータが不足している部分ではないかと思っております。

○細田座長 今の点、まだ全体像としてつかめていないところもあるようですので、ぜひ事務局でわかる範囲で調べていただければと思います。もちろん、その数字はあくまで推定の域を出ないわけですけれども、出せる数字は出していただいて議論をしたいと思います。国立環境研究所の方でも、研究が進んで、いい成果が出たら、その辺の数字もぜひ教えていただきたいと思います。
  環境省の方から何かございますか。
  それでは、引き続いて、中島賢一委員、お願いいたします。

○中島(賢)委員 どうもお世話になります。私の話も皆さんとほぼ同じで、塩田室長から全体の発生の話を聞いたところですけれども、回収率が50%ぐらいということで、かなり悪いだろうと私は思うんです。特に中古品で流れているものはある程度やむを得ないと思っているのですが、産業廃棄物として流れている部分は、実態として産廃として入るとリサイクル率はカバーできていない。フロンの回収なども、冷媒をやるにしてもウレタンのフロンなんかは到底回収できませんから、産廃として流れたときの回収とか、あとは有価物で買い取って流して必要なものだけ取って輸出するとか、割と不法な流れが産廃の流れの中にあるので、その辺を何か規制できないかと思っているんです。その辺がもうちょっと改善できれば、リサイクルの向上の方に回る率が増えてくるだろうと思っていますので、そういう産廃としての流れをもう少し規制できないという話が一つあります。
  それから、有害物質の点です。J‐Mossという形で7月から動き出しますけれども、メーカーさんでリサイクルをしているわけですから、そのときに有害物質なども含めたリサイクルの透明性、その辺が出せればいいかなという感じがしています。
  それから、費用の問題については、先ほど永浦さんの方から大阪方式みたいな話がありましたけれども、今は資源の価値がものすごく上がっているものですから、その辺の評価をどうするかということも含めてリサイクルの費用の話をする必要があるのではないかと思っています。その辺の話ができればいいかなと考えております。

○細田座長 ありがとうございました。
  それでは、牧野委員、どうぞ。

○佐藤委員(牧野代理) 見えない話で、可能であれば、お願いをしたいことがあります。
  この法律ができましたときに、既存の廃棄物処理業者さんが廃掃法の規定に基づいて処理をされるのは許容される。これは我々もそういうふうに理解をしております。今の中島さんの話ですが、私どもがおつき合いをしております処理業者の皆さん方のお話を伺いますと、どういうルートかはわかりませんけれども、既存の廃棄物処理業者のところに家電品が相当量流れていると。私もその処理の原価は知りませんが、先ほどの中島委員のお言葉をかりれば、必ずしも適法に処理されていないケースも見られるというふうに仄聞をいたしております。これは私も確認いたしておりません。この話はこの場での議論の重要な境界条件を構成すると思います。何が実態、何が問題かということをきっちりと見据えて御議論いただかないと、正しい結論は得られないのではないかと思います。
  そういう観点から幾つかのことをお願いしたいと思っております。可能であるかどうかは御検討願いたいと思います。
  過去幾つかの小売業者さんが、お役所から立ち入り検査を受け、勧告等をお受けになるケースがございました。この中の少なからぬものが本来製造業者等に引き渡すべきものとして料金等をお取りになって引き取ったものを既存の業者さんに渡しておられるケースがございました。一つ目のお願いは、そういった既存の処理業者さんが手に入れておられる廃家電品のうち、本来製造業者等に引き渡されるべきものが違法にそういう方に渡っている比率が非常に大きいのではないかという懸念を私どもは持っておりますので、小さいのか大きいのかということはきっちりと見据えるべき問題の一つだと思っております。これが第1点でございます。
  第2点はリサイクル率です。これは私は疑いを持っていますが、先ほどの中島委員の言葉で半分確信に近くなりました。本当にリサイクル率は達成されているのか。環境大臣告示は抽象的な処理方法しか決めておられませんけれども、家電リサイクル法施行の当時、当時は厚生省が所管官庁でございましたけれども、厚生省の担当官が全国を歩いて、本制度の趣旨にかんがみて、率は書いていないけれども、既存の処理業界は同じ率を達成すべきものと考えるという説明をされました。当時、厚生省がお出しになられたリサイクル情報11というのがありますが、その中に同様の趣旨の文言が印刷されて、全国に配布されております。よって、既存の処理業界がリサイクル率を達成しておられるのかどうかということも重要な問題であると思っております。
  第3でございます。先ほど申し上げました環境大臣告示について、テレビについてはブラウン管ガラスの処理の話が書いてございます。あるいはテレビの特定のプリント回路基盤についてどういう処理をしろということも書いてございます。エアコンと冷蔵庫について冷媒フロンの先ほどの中島委員の御指摘のようなことがあると聞いておりますけれども、そういったフロンを回収・破壊等をしろと書いてあります。さらには、冷蔵庫の断熱材フロンについても回収や破壊等の規定がございます。こういった環境大臣告示がどのように達成されているのかということはぜひ承知をしたい。
  こういったことを皆さんとともにシェアすれば、重要な議論がよく見えてまいると思っておりますので、ぜひ関係の方の御高配をお願いしたいと思っております。

○細田座長 ありがとうございました。
  ほかにございませんでしょうか。
  今、中島委員、それに具体的に補足する意味で牧野委員から御意見がございました。全体像の把握ともつながっているのですが、過去の小売業者さんが立ち入り検査を受けた、その場合、本当は製造業者に渡すべきものを既存の業者に渡した。ざっくり言ってどのぐらいあるのか。難しいかもしれませんけれども、これも宿題ですね。
  それから、既存の業者さんの場合、リサイクル率が本当に法律の定めるところによってなされているのかどうか。そして処理方法ですね。私も断熱材フロンに関しては大変心配しております。その点に関しても指摘がありましたけれども、藤井室長の方からよろしくお願いします。

○藤井リサイクル推進室長 そのあたりの実態を把握していかなければいけないところであることはおっしゃるとおりでございまして、私どもとしてもできるだけの調査なり報告なりをさせていただきたいと思いますが、今のお話はいずれも制度論というよりも、かなり取り締まり的な意味合いの強い世界のお話だと思います。そういった意味では、個別具体例として、私どももこれまで勧告をしたり、あるいは廃掃法関係であれば各市町村、産廃関係であれば各県ということかもわかりませんが、取り締まりをそれぞれやっているところだと思います。ですから、個別案件として各委員さんもよく把握されているようなところがあれば、そこは私どもの方にも情報提供をいただければありがたいと思います。環境省、それから都道府県等、当然のことながら把握しておれば取り締まりに動いているはずでございますので、そこら辺は委員の皆様方の御協力もお願いできればありがたいと思います。

○細田座長 ありがとうございました。
  もちろん取り締まりの面もあるのかもしれませんけれども、環境大臣なりが指定したこと、あるいはこの法律の精神が守られるか守られないかで、さっき言った見えないフローが出てきてしまう。国外に行ったりする。国内の場合は、再商品化と言われているけれども、再商品化されたその先がどうなっているのか。これがブラックボックスに入ってしまっては、本当の意味での法律の意味が消えてしまうかもしれないということで、取り締まりの話もあるのですけれども、実際の法律の内容のところまでかかわってくるということですので、わかるところがあれば事務局の方でもなお一層努力してお調べいただきたいと思いますし、この委員会の中でも今の点はどうしても外せない議論だと私も思っております。
  辰巳委員、どうぞ。

○辰巳委員 後からちょっと気になったことがございますので、何度も済みません。
  今のお話にも関係するかと思うのですけれども、だれに渡すべきなのかというところは、排出する消費者にもかなり責任があるような気がするんです。ということは、巷に無料回収があるというお話もありましたように、別にそれが悪いことだと思っているわけではなくて、家電リサイクル法のそんなルートがあるということを知らないでいる消費者がたくさんいるわけです。別に自分が悪いことをしているというふうには決して思っていなくて、リサイクルをすることはとてもいいことだと思っている消費者もとても多いですから、そういう意味では消費者への認知が非常に低いのだと思っております。牧野さんのところのリサイクル券が大成功で、きちんと回っているというお話ではありましたけれども、あの家電リサイクル券の利用方法だって認知している消費者がどれだけいるかというと、本当に悲しいかなという感じだと思います。こういうことは法律の中になかったのではないかと思いますけれども、消費者への認知を高めるための方策のことはとても重要だと思っております。だから、今のような排出ルートのために変なところに行ってしまう可能性があるわけで、そういうことで追加をお願いしたいと思ったわけです。

○細田座長 ありがとうございます。とても大事なポイントだと思います。
  まだ時間がございます。後でスケジュールを説明していただきますけれども、この会は夏休みの期間中にも詰めてヒアリング等をだんだんとやるつもりですけれども、そんなに回数もありません。初回というのは非常に時間があるところで、御発言されていない方もいいチャンスですので、ぜひお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。
  本田委員、どうぞ。

○本田委員 ちょっと的外れな意見になるかもわかりませんけれども、御容赦いただきたいと思います。
  まず現実問題といたしまして、見えないものがあるというお話でございましたが、実際に私自身が町村を預かる者として一番懸念しておりますのは、不法投棄がいまだに続いているという問題です。だれがどこに捨てたか、わからないという現状がございます。とりわけ山の中、あるいは谷底、そういうところには整理してもまた新たにだれかが持ってきて捨てている。これはシステムに何か問題があるのではないかと思っております。
  人間というものは、必要なものに対してはお金を払うと思いますけれども、不必要なもの、必要なくなったものに対してはどうしてもお金を払いたくないというのが人間の心情としてどこかにあるのではないか、そういう気もいたします。そうしたことから、もう要らなくなった冷蔵庫やテレビは、処理する段階において、どこかへ持っていけばお金を取られる。したがって、5000幾らを払うのはもったいないので結局は違反してしまうというケースが中には幾らかあるのではないかと思います。したがって私は、システムそのものの見直しをもう一度やるべきではないかとう感じを持っています。
  先ほど家電関係の方がおっしゃいましたが、深刻な問題は、例えば回収するときにおいても、うちは幾ら安いですよとか、こういうことが起こったのでは困ると思うのです。だから、幾らかは納めなければならないということをきちんと法的に定めていく必要があるのではないか。そして、いただいたお金はどこかに積んでおくようなシステム、これが大事ではないか。安定的にそうしたものを処理できるような、そういう機関のようなものを設けていく必要があるのではないかなと、そういう気がいたします。
  私も初めてこの会に出させていただいたので、その辺はよくわかりませんけれども、現実問題として、お話をお伺いする中において、私はそういう気がいたします。

○細田座長 日々地方の行政を担っている方としての非常に率直な御意見と承りました。大事なポイントですので、これもしっかり議論させていただきたいと思います。
  ほかにいかがでございましょうか。中島康雄委員、お願いします。

○中島(康)委員 JEMAから来ていますから、メーカーの代表の一人ということでお話しします。
  先ほど牧野代理からお話がありましたように、少なくともストックヤード以降については極めてうまく動いているというのは偽らざることだと思います。これは世界的に見ても高く評価されているというふうに認識しています。
  ここで問題は、ストックヤード以前のものがどこに行ったか、わからない。あるいは不法投棄されているかもしれない。そういうことについてのいろいろな懸念がある。また、流通・小売業の相対では、ビジネスの競争の中に料金が埋没してしまっているような実態がある。そういうことで我々メーカーとしては、せっかく一生懸命頑張っていても、これが不完全だと言われることについては非常に残念だと思っています。見直しに当たって、世界に誇れるリサイクル・スキームを目指すということについては、私も全くそのとおりだと思っています。健全なるリサイクル・スキームをつくることについては、静脈産業の健全なる育成が不可欠だと思っています。ですから、議論の中に静脈産業がきちんと育成できるようなスキームになっているかという確認をぜひ入れていただきたい。
  それから、公平・公正であることと、極めて大事なことは各ステークホルダーが果たすべき役割がきちんと決まっていて、その約束が決まりどおりにきちっと動けるような仕組みがあるということです。現在、流通の現場で料金がおかしくなってしまうというのは、実は動脈産業の中に静脈産業の仕組みが紛れ込んでしまっているということですね。ですから、動脈と静脈を分けた上で、静脈の中で競争原理を働かせて全体のコストを下げていくというスキームが本来目指すべきところだと思っています。これが具体的にどういうことかということは今後の審議の中で議論させていただきたいと思います。
  以上です。

○細田座長 ありがとうございました。とても大事なポイントを幾つか示していただきました。
  各種リサイクル法、この法律だけではなくて、自動車もそうですし、いろいろなリサイクル法をつくるときに、明治以来、皆さんの努力で動脈産業をしっかりとしたものに築き上げたのと同じように、静脈産業をしっかり成熟化させていく。随分育ってきた面もありますけれども、まだまだという面があります。そこのところが中島委員が今おっしゃったような面とつながってきて、それが不当な競争や見えないルートということにもつながっていると思いますので、その点もぜひ議論させていただきたいと思います。
  それでは、児玉委員、石井委員、崎田委員の順番で行きたいと思います。

○児玉委員 家電リサイクル法ができて5年ということですが、この間に変わったことを考えてみますと、まず一番最初にあるのは、景気が回復してきて、昨日も経済財政諮問会議で成長率3%という設定をしていましたけれども、設備投資から個人消費に重点が移ってくる。地上波デジタルの推進でアナログの停波という要因もあるわけですから、これまでにない規模での廃家電が出てくる可能性がある。それの処理能力はどうするのかとか、不法投棄の問題とも関連するので、その辺はしっかり対応してもらわなくてはいけないと思います。
  それから、先ほども言われていましたけれども、資源価格が相当高騰しているということが5年前とは違っていることです。廃家電の中に入っている希少金属は有用な資源として回収するということをちゃんとやっていかなくてはいけない。
  もう一つ変わった点は、物の売り方の形態が変わったといいますか、最近はネット販売が飛躍的に拡大していまして、オークションなども非常に盛んになっているわけです。それが廃家電のリサイクルの中でどういう影響を与えているのかということを明確にしてもらって、その対策も考えていくべきだと思います。

○細田座長 ありがとうございました。
  御指摘のとおり、景気回復、しかも資源価格が高くなっているということで、我々のリサイクルシステムが相場に影響されやすく、ナイーブな形になっているので、この辺もぜひ議論させていただきたいと思いますし、販売形態の違い、ネット販売、この場合はどういうふうになってしまうのか、引き取ってくれるのかどうかという問題も実際に今生じているようでございます。この点も大事な問題だと思います。
  それでは、石井邦夫委員、どうぞ。

○石井(邦)委員 私どもも特定フロンの破壊から始まりまして、家電リサイクルの方にメーカー側とのコラボレーションによりリサイクル工場を運営しておりますけれども、全体的に見て、5年たって、この制度は日本の国民性からいってもよくできているなと思っています。要するに回収率が高まっている。最初は30%ぐらいの発想から進めたわけでありますけれども、現在はそれよりも上回っているということであります。
  そこで、先ほどの再資源化率を見ましても、現実にはその数字よりも10%以上再資源化率が高まっていると思いますけれども、次の問題になるのが例えばミックス・プラスチックです。PEとPP及びPVC、PSなどがなかなか分けられない。それから、破砕選別残差の中からの希少金属も含めたミックス非鉄金属の分離、ソーティング、そういうことが未解決になっております。それも動脈側の技術を転用すればもっともっと再資源化率が上がって、言うならば都市鉱山というようなことになろうかと思います。ですから、せっかくこの制度ができて、やっと最初のバーはクリアしたけれども、次にクリアすべきバーがありますので、細田先生が言われるようなバージョンアップの場をその辺に求めてもらえればと思っております。
  そして、静脈産業の育成ということでは、税制等々いろいろな面が動脈側から見ますと劣っておりますので、その辺をカバーする上でも、リサイクル料金がいい意味で基金等に回って、静脈産業の育成もしくは技術革新の促進につながるような制度づくりをしていただければ大変うれしいと思います。
  以上です。

○細田座長 ありがとうございました。
  見えないフローのほかにも、例えば有害物質、これも見えないフローの話に入るわけですけれども、資源という話が随分出てまいりました。多分、きょうは経済産業省の井内課長もお見えになっていると思いますけれども、経済産業省の資源戦略と言うと大げさかもしれませんけれども、今、各国が資源の問題に対して必死になって動いているのに、我が国はどうも遅いなという面が感じられないこともないので、いつかまた、その辺も何か進展がありましたら御紹介いただきたいと思います。
  それでは、崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。
  先ほどいろいろな委員の皆さんの御意見の中で、リサイクル料金が大変安い自治体もあるというお話がありました。そのときに思ったのですけれども、申しわけありませんが、消費者としては“安いのはうれしい”という普通の気持ちで安い料金設定の方に行くことは当然のような気もいたしますので、実際にはそういうところがどういうリサイクルをしているのか、あるいはフロン回収をどういうふうにしているのか、そしてどのぐらいお金がかかっているか、そしてメーカーの方も幾らぐらいの料金設定のところで再商品化してくださっていますとか、そういういろいろな情報がきちんと出回れば、消費者がどちらの金額のものを選ぼうかとか、そういうこともできるのではないかと思うのです。ですから、情報をきちんと公開していただて、みんながそれをきちんと考えられるような状況にしていただければいいのではないかという気がいたしました。
  もう一点、私がどうしてもわからなかったのは、先ほど牧野委員が料金を取ったのに違法にメーカーに渡していないものがあるとおっしゃいました。料金を取ったということはリサイクル券が発行されているということですから、それが渡っていないというのは全国的にデータが把握されているのではないかと思うのですが、その辺がちょっと気になりました。ですから、もしその言葉どおりに解釈すれば、リサイクル券システムが成り立っていないところがあるということになりますよね。それは制度がきちんと回るということが大事だと思いますので、全体的にこの制度がきちんとうまくいくかどうかを把握することが重要かなと思いました。

○細田座長 では、まず牧野委員、もう一度、質問の内容と、どういうことが起こっているか。

○佐藤委員(牧野代理) 御質問の内容に簡単にお答えしますと、初期においては極めてナイーブに、リサイクル券を発行した上で製造業者等に引き渡さないで既存の処理業者さんにお渡しをされる。そうすると、当然その券のナンバーは宙に浮きますので、立ち入り検査を行えば容易に摘発を受けることになります。それが数件続きますと、人間は学習能力がありますので、券を発行しないでお金を取ったり領収書を発行しないで品物を引き取ったりすれば、そういうことは顕在化しません。したがって、最近のケースは後者のグループが圧倒的に多いと思っております。

○細田座長 経済産業省あるいは環境省から御説明があるかどうかはわかりませんけれども、私の仄聞している範囲では、牧野さんがおっしゃったようなことや、もうちょっといろいろ細工をしたようなことも行われているように承っております。だから、もう少しきっちりしないと、ブラックボックスで流れていってしまって、結局我が国の汚染を拡散するだけではなく、外国でも悪いリサイクルということになってしまう。
  バーミンガム・サミットでも「環境犯罪」という言葉ができて、これは世界の用語になっているのに、いまだに我が国でそういうことが家電リサイクル法の範囲の中で行われているということは、やはり大変なことでございまして、悪いことばかりではございませんけれども、私もその辺は深刻に考えておりますので、ぜひしっかり対応したいと思っております。
  御手洗委員、どうぞ。

○御手洗委員 先ほど何人かの委員からこのリサイクル法の当初の目的に関して言えば5年間でかなり成果があがっているという御発言がありましたし、私自身もこのリサイクル法ができる時点から携わってきていますので、最初に予測したよりもはるかにうまくいっているというのが実感です。
  ただ、最近になっていろいろ見えない部分があるというお話がありました。先ほど塩田室長からもいろいろな推測数値がありましたが、本当はあの数値をもう少し的確に知りたいというのがまず1点です。
  それと、法律の順序づけといいますか、プライオリティといいますか、3Rとの関係です。リデュース、リユース、リサイクルと言っていますけれども、循環型社会の形成といった観点から言うと、何が最優先されるべきことなのか。海外へ輸出されているのは是か非かとか、そういった基本理念に関する点について少し明確にしていただいて、今回の見直しに対する「目的」という項目に「この目的に沿うならこうでなければいけない」という形で入れるとか、そういった面も議論の中に入れていただけたらと思います。
  先ほど統計の数字の中で、最近テレビのリサイクル率が下がったことについて報告がありました。やっていることは同じですけれども、ブラウン管ガラスを海外へ運ぶ運賃がかかるために、逆有償になるのでリサイクル率にカウントできない、ということになっています。このように「同じことをやっているにもかかわらずリサイクル率が変わる」という矛盾点もございますので、そういったことが起こらないような見直しもぜひお願いしたいと思います。

○細田座長 ありがとうございました。
  時間もなくなってまいりましたけれども、岡嶋委員、大塚委員の順番でお願いしましょうか。

○岡嶋委員 先ほど家電小売業から一部が不法に流れているのではないかという話がありましたので、小売業の立場で、いや、そんなことはありませんよというお話をしておかなければまずいと思いまして、発言をさせていただきます。
  確かに初期の段階で家電リサイクルというものが十分周知徹底されていない中、小売業の中で引き渡し義務に違反するケースが若干ありましたけれども、最近の状況でいきますと、経産省さん、環境省さんの定期的な立ち入り等がほとんどの大手量販に入っておりまして、私は大手に関してのものは小売業からそういうものに流れ出ていくものはまず皆無であろうというふうに把握をいたしております。ただ、家電チャネルは大変多岐に渡っておりまして、いろいろなルートで商品が流れておりますので、一部、我々の把握し切れない部分で、排出時負担ということの中で若干そういう不法なことが起こり得る土壌があるのではないかと思いますので、これは大きな枠組みの中で排出時の消費者負担が本当に是か非か、そのあたりについてぜひ御議論をいただきたいと思っております。
  また、今後、環境リサイクルをさらに拡大していくという中で品目拡大等が出てこようかと思います。家電リサイクルに関しましては配送が伴うものということが大きな前提になっておりまして、我々としてもできるだけリサイクルする商品を拡大していくことについては賛成でありますけれども、そうはいいましても、行って来いのできるだけ効率的な回収の枠組みという中で、対象品目についてぜひ慎重な御議論をお願いしたいと思います。
  それから、収集・運搬に関しては、当然我々は引き取り又は引き渡し義務があるわけですけれども、先ほども永浦さんからお話があったように、そこにかかっているコスト、リサイクル料に関しては、ほとんどの家電量販で値引きの対象にはされておりません。これは強力に行政の指導がありまして、リサイクルに関しての値引き等に関しては一切やってはいけないという通達が家電量販の方におりていますので。
  むしろ我々が一番問題だなと思うのは、本来、収集・運搬というのは一定のコストがかかっているわけであります。ただ、収集・運搬に関してはそういう値引き対象に関しては全く問題ないということでありますので、家電量販は大変激烈な競争の中で収集・運搬料金が50円から高くても500円といったような逆ざやになってしまっているというのが現状であります。リサイクルの一環と考えるのであれば、家電リサイクルの入り口である小売業の引き取り・引渡しの部分での収集・運搬料金に関しては慎重に御議論いただく必要があると思いますが、我々としてもこのあたりについてはきちんとした料金の回収をお願いしたいと思っております。
  また、5年間やってきまして、仕組みで幾つかの不合理な問題点が出ております。これに関しては、永浦さんからお話があったようにSYのA・Bに分かれているわけですけれども、競争原理が働くわけではないし、全く意味がない。結局は2カ所に分散して商品を運んでいるということで、家電リサイクルが環境に対してやさしい仕組みであるということのためには、できるだけ効率的な回収の方法が必要かと思いますので、そういう面でも仕組みの問題点、SYでA・Bに分かれている問題に関してはぜひともお考えいただきたいと思っております。
  また、家電リサイクルに関してはマニフェストという厳重な管理の仕組みが流れております。ただ、今のIT立国という国の大きな政策の中でいけば、もう少し電子照合、このあたりはぜひとも取り入れていただきたい。現状では二番札を合わせなければいけないという大変原始的な突合の仕組みになっております。そのほかにもいろいろとあろうかと思いますが、そういうITを活用した合理的な仕組みという点についてぜひお願いしたいと思います。
  最後に、我々小売業がいろいろな意味で回収業務に当たっているわけですが、家電リサイクル法、また廃掃法のいろいろな絡みの中で回収をいたしております。若干グレーの部分で回収せざるを得ないケースも見受けられますので、このあたりについては、効率上、また実態に即した形で、あまりグレーがないように、しっかりとした枠組みをつくっていただくということをぜひお願いしたいと思っております。
  以上です。

○細田座長 どうもありがとうございました。
  それでは、最後に大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 最初に細田先生が白地から考えるというお話をされて私も大変感銘を受けましたが、今の議論を聞いていて3点ほど問題になる点を申し上げておきたいと思います。
  一つは先ほど御手洗委員がおっしゃった点ですけれども、目的として何を考えるかというのは恐らく最後まで重要になる課題ではないかと思います。家電リサイクル法と言うぐらいなのでリサイクルのためにということで考えているところが非常に強くて、先ほどの資料3などを見ても再商品化の話が中心で、発生抑制という話はあまり出ていないわけです。これは3Rの一つですから、発生抑制がまず第一に考えられるべきだということになりますけれども、実際にどのぐらい考えていくのかということは国民のコンセンサスの問題もありますので、その辺を勘案しながらですけれども、発生抑制という目的は恐らく必要でしょうから、考えていかなければいけないだろうと思います。
  第2点として申し上げておきたいのは、あまり議論がないのですが、料金徴収方法についての問題があると思います。どの方法がいいかということについて、私は今、自信を持って何がいいと言えるような状況ではないんですけれども、問題となる点としては、先ほどから出ている大阪方式のようなものが広がる傾向があるのかどうか、これは調査していただきたい点でございます。現状でとまっているとか、あるいは減っていくような状況であればあまり気にしなくていいと思いますけれども、大阪方式みたいなものが広がっていくということは家電リサイクル法という法体系にとっては違うものがどんどん拡大していくということかもしれませんので、そこは要調査事項ではないかと思います。
  それから、先ほどお話があったようにネット販売みたいなもののときにどうするかという問題も、現在の徴収方法について疑問を抱かせる一つの点ではあるだろうと思います。ただ、どのぐらいの量かという問題があると思います。
  もう一つは、先ほどから出ているA方式とB方式で共通化していくという話ですが、現在の状況を前提にして考えれば、これは物流の合理化という観点から合理性があると思いますけれども、自動車リサイクル法のときも料金は車種ごとに変えたわけです。家電リサイクル法をつくるときに二つの方式にしたのも、独占を禁止するといいますか、競争をしていただくということを考えて分けていったけれども、どうして物流の合理化のために一つにした方がいいかという議論が割と自然に出てくるかというと、それはやはり搬出時負担をしているからなんです。事前徴収方式をしていれば別にそういう問題は直ちに出てこなくて、自動車リサイクル法のようなことも考えられるはずなので、今の前提で考えているからそうなるということはどこかで押さえておかなければいけない点ではないかと思います。
  今言った3つぐらいの点については事前徴収の方がいいと思いますけれども、しかし、私もその方が確実にいいと言える自信はなくて、今の時期、純粋にEPRがとれるかというのは、現在の政治・経済・社会状況からして私もそんなに強く言うつもりはありませんし、その後どう考えていくべきかということがあるので、まさにここで御議論いただければと思いますけれども、しかし、料金徴収方式については検討をしていただかないといけないと思います。
  3点目は、先ほどから出ている国際的な3R、アジアの3Rイニシアティブとの関係の問題です。これも先ほど御手洗委員がおっしゃったように中古品の輸出が是だと。つまり、世界全体での環境負荷ということを考えた場合に、輸出してでも中古品は使った方がいいということであれば、アジアに輸出していった後のことを考えながら制度を検討していく必要があると思います。もし中古品の輸出自体が必ずしも望ましくないということであれば、必ずしもアジアとの関係を重視して考える必要はないかもしれませんけれども、もし中古品の輸出あり得べしということであれば、その関係については検討していかなければいけないのではないかと思っております。
  以上です。

○細田座長 ありがとうございました。
  初回、時間をとったかいがあっていろいろな意見が出てきまして、初めから問題点がいろいろなところで鮮明になってきたと思います。
  ただ一点、指定引取場所の問題、先ほど岡嶋委員の御説明にあったのは、料金の徴収方式にかかわらず、大手量販店さんも自分のところでまず分別しなければいけない。しかも、それをAとBに持っていかなければいけない。近くにちゃんと1個の指定引取場所があるのだから、そこに持っていけばもっと安くなるだろうということですよね。

○岡嶋委員 そうです。A、Bを分割するということです。SYの部分でA・Bを分割するという場合に……。

○細田座長 そこだけの話ですよね。

○岡嶋委員 そういうことです。

○細田座長 わかりました。
  いろいろありがとうございました。
  時間がなくなってまいりましたが、事務局の方から何かございますか。宿題が相当出たので、次の回までに用意してこなければいけないものがたくさんございますが、それ以外に何かお答えすることはありますでしょうか。
  それでは、いただいたものは次回あるいは次々回あたりにこちらから用意させていただくことにしたいと思います。

今後のスケジュールについて

○細田座長 それから、次回のスケジュールについて説明していただかなければいけませんので、資料4について、塩田さん、お願いします。

○塩田環境リサイクル室長 資料4、スケジュールでございますけれども、本日が第1回会合ということでフリーディスカッションをしていただきました。今後の予定といたしましては、次回の第2回会合が7月27日の午前中でございます。場所はまだ決まっておりませんので、また御案内させていただきます。それから、8月3日に第3回会合ということで、きょうもいろいろと御意見を賜りましたが、製造業者、小売業者、自治体、消費者といった利害関係者等へヒアリングをさせていただきたいと思っております。
  その後、第4回会合を8月28日の午後に予定しておりますが、ここでいただいた意見をもとに論点整理をし、論点ごとに審議をしていただくということで、大体月1回程度開催させていただきまして、年内に最終取りまとめができればと考えております。
  以上でございます。

○細田座長 スケジュールはこのようになってまいりますが、もしどうしてもということがあれば、私は議論を途中で切り上げて即決で決めようなんて思っておりませんので、両省に交渉して1回余計にやるとか2回余計にやるということも十分あり得ます。ただ、それはいたずらに長くやろうということではございません。十分議論を尽くそうということでございます。
  そういうことですが、スケジュールについて何か御質問はございますでしょうか。
  それでは、時間も参りましたので本日の審議はこの辺で終了したいと思います。どうもありがとうございました。
  次回は、今も御説明がありましたように、7月27日の10時からでございます。場所は追ってお知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。
  本日はどうもありがとうございました。

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