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中央環境審議会国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会(第1回)議事録


平成17年11月18日 午前10時00分開会

○企画課補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回の中央環境審議会国際循環型社会形成と環境保全に関する委員会を開催させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  委員の先生方、本日は、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
  まず、事務局から委員の出席の状況をご説明させていただきます。
  本日、現時点で10名の先生方、一人説明員ということでございます。総勢11名の方にご出席をいただいておる状況でございます。そのほか、本日、経済産業省のリサイクル推進課井口課長様と環境指導室木村様からオブザーバーとしてご参加をいただいておるところでございます。
  本日の配付資料でございますけれども、議題の下に一覧をつけさせていただいております。ご確認いただければと思います。
  資料1といたしまして、アジア地域における循環型社会形成の検討についてというもの、資料2といたしまして、国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会の検討の方向性・スケジュール等についてという資料でございます。資料3といたしまして、我が国の廃棄物・リサイクル対策の取組ということでございます。これには、参考資料としてデータ集もつけております。さらに、本編の参考資料といたしまして、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会の委員の名簿、総勢14名の先生方でございます。参考資料2といたしまして3Rイニシアティブ、これの概要でございます。参考資料3といたしまして、3Rを通じた循環型社会の構築を国際的に推進するための日本の行動計画、ゴミゼロ国際化行動計画と申したものでございます。参考資料4といたしまして、3Rイニシアティブによる地球規模での循環型形成についてということで参考資料を用意させていただいています。なお、不備がございましたらお申しつけください。
  本日の座席表でございますけれども、一部座席のレイアウトに間違いがございました。寺園委員と中島委員の間に細田先生にご参加いただいております。失礼いたしました。申しわけございません。
  最初に、本日初回ということでございますので、私どもの由田部長の方からごあいさつをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○廃棄物・リサイクル対策部長 おはようございます。先生方におかれましては、国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会、中央環境審議会の廃棄物・リサイクル部会のとりだたせていただきましたが、ご出席いただきまして大変ありがとうございます。きょうがこの専門委員会キックオフということでございます。
  もうご案内のとおりでございますが、この4月に3Rイニシアティブの国際会議を東京で開催をさせていただきました。総理も出席され、小池大臣が議長になりまして、20カ国の環境大臣の皆さん、あるいは4つの国際機関の内容の方々来ていただきまして、かなり関心を集めた会議が開かれたわけであります。
  その後のサミットにおきましても、小泉総理から報告しましたところ、シラク大統領の方からもすばらしいという形でおほめをお預かりしまして、それなりに評価されておるわけでございます。さらに、このことに関しましては、3月に高級事務レベル会合というところでフォーラムをし、その後の、また日本で開催の当番になるであろうというサミットに至るまで、サミットのところでもやはりそれが必要というような認識もいたしておりますし、あるいはもう一つは、ユウエンの世界でも当然関心が高まっている向きもあるわけでございます。さらに3Rに関しましては、我が国だけではなくして、既に関係の諸外国も関心が高まっておるということも承知をいたしております。
  そういう中で、このことをどのように進めていこうかというようなことでありますが、実は、振り返ってみますと、では、なぜ我が国でそこまでのことが、こういう催しもでき、発信と言いますか、今後どういうふうに進めていこうかというような議論ができてきておるのかということを少し振り返ってみたいと思います。
  これは一番重要だと私などが思っておりますのは、現在の廃棄物の処理及び清掃に関する法律というものが制定されましてからちょうど35年であります。1970年、いわゆる公害国会のときに、従来の清掃法が改正されまして現在の廃棄物処理法の原型になっているわけであります。典型的には、産業廃棄物が排出業者の責任と定めらされたのはこのときであります。以後、35年たちましたが、前半の20年ぐらいの我が国の廃棄物分野に関しましては、大変ある意味では、目を覆うような現場もたくさん出たわけであります。大変ひどい状況もたくさんございました。ややもしますと、だんだんひどくなっていく状況が後に続いたわけであります。それで、このことは、ちょうどかつて、先ほど言いました35年前の公害国会におきまして、それまでの大気汚染だとか、水質汚濁を中心とするレキシン公害というものを克服しようではないかということで、何とかそこを乗り越えてきた、経済成長を続けながらこれを乗り越えてきた。こういうことであったわけでありますが、一方で、廃棄物分野はどうもひどくなる一方と、こういう現象が起こったわけでありますけれども、もうご案内のとおり、ひどい事件は不法投棄、例えば、瀬戸内海の豊島の不法投棄事件でありますとか、あるいは福島県の大谷総業事件でありますとか、大変もう何とも申し上げようのない事件が起こったわけであります。これらは、現在もう原状回復の位置についておりますが、いかにこういうことが起こると社会的なコストがかかるかということを目に見せた事件であったのではないかと思います。社会的コストだけではありません。地域の皆さん方に大変なご迷惑をかけると同時に、後世に大変なツケを残すと、こういうことであったわけであります。
  これだけではなく、その後も、かつてそういう関連する不法投棄事案などなど、適正処理の場面というのはたくさん出ているわけであります。ややもしますと、この間、廃棄物の問題は臭いものにふたをするとか、あるいは安かれ、悪かれと、こういうことがもうほぼ、こういうことを何とかしようという社会的な現象が一方で起こるわけですが、なかなかそれはとまらないということが繰り返されてきたわけであります。
  そのような状況を踏まえまして、10年少し前ぐらいから、この廃棄物政策の我が国のかじとりは随分大きく転換をし始めたというふうに認識をしております。
  幾つかの点があろうかと思います。
  一つは、産業廃棄物をめぐります排出事業者の責任の強化ということを軸にします、いわゆる悪貨から良貨を駆逐する世界を転換をしていくという流れを形成してきたものであります。これは制度的な改革による面が大変多ございます。
  それから、もう一つは、容器包装リサイクル法を皮切りにいたします各種のリサイクル制度というふうなものが、この1月に自動車リサイクル法が施行されましたが、ひとあたりリサイクル法が整ったと。あるいはその他のものも資源有効利用促進法と廃棄物処理法の組み合わせによりまして、それなりの体制が構築されつつあるわけであります。こういうもう一つの、いわゆるEPRというものも含めての一つの流れが、別の流れが形成されているということであります。
  第3点が、この十数年間、ダイオキシン、特に市町村のごみ焼却炉を中心としましてのダイオキシンとの戦いの現場でありました。随分これによりまして、ダイオキシン対策が進みまして、5年間少しで98%ダイオキシンを削減するという、ある意味では異様とも言えるようなことを創出をしたわけであります。
  こういう中で、それとあわせまして、ごみ焼却施設の熱利用の推進というものもあわせて進展をしつつあるわけであります。
  こういうふうな流れが、実はある意味で循環型社会を形成するプロセスだったのではないかというふうに思っておりまして、平成12年には、各種の他の7本の法律とともに、循環型社会形成推進基本法が制定をされまして、我が国が進むべきこういう分野の道が示されたわけであります。
  こういうことを軸にしながら、さらに、今申し上げたようなことが進展をしてまいってきて、大きく廃棄物の分野も変動を遂げようとしておるわけであります。
  こういうこととあわせまして、特に先ほど不法投棄の問題を申し上げましたが、この不法投棄によるような過去の負の遺産、何とか解消すべく関係者の努力を続けてこれを解消していくという中で、典型的なものとして、いわゆる我が国特有の、と言いますか、カネミ油症事件が起こりましたPCBの問題があったわけであります。このPCB廃棄物が30年にわたりまして処理ができずに不明紛失という汚名をやや呈してきたわけでありますが、これも全国5カ所の拠点的施設、あるいはその他の民間でやっていただいておる電力会社などのものもありますが、こういう体制がほぼ整いつつあるということであります。
  残された問題で、また新たにPCBのこのたびのものがあるとか、あるいは目の前でアスベスト対策でありますとか、新しい課題も出てきておりますが、こういう負の遺産のようなものをきちんと処理していこうという流れもおおむねできつつあるわけであります。
  こういうふうなことを我が国として、急ピッチで経験をしてまいりまして、まさに各、今現在、アジアの国々を中心に右上がりの経済成長を随分しておりますが、この中で、廃棄物問題はもう避けて通れない課題と、各国の方々もおっしゃっております。我が国でやってまいりました十数年前のひどい状況から、今に至るまでのある種の経験を、まずは、これらの国々に発信をさせていただいて、それぞれの他の国々で参考にしていただいて、できるだけ、悪く言いますと余りおかしなことが起こらないように、うまく国の経営なり、あるいは社会のあり方を、それぞれがやっていただけたらなと、このように思うことがまず第一番であります。
  その上で、こういう物質的ないろいろな物の流れも急ピッチで進展をしておるわけであります。まず我が国がきちんとした循環型社会をつくるということが大変重要なことでありますし、まさに世界に範を示していくという意味では、またこれからもやっていかなくてはいけないわけでありますし、このことに関しましては、中央環境審議会でも、他の分野での審議もいただいておるわけであります。
  こういうことを踏まえまして、今後、我が国の経験を他の国々にどう反映をしていただくか、参考にしていただくかという、まずは発信ということがあろうと思います。
  それから、他の国々がそれを参考に、少しやりたいと言った場合にご協力をしていくということがあろうかと思います。
  それから、物が移動する場合に、この問題点は、我が国の中でも大都市圏から発生したものが地方に拡散をしていくと、そのときに、安かれ、悪かれということを起こしながら拡散していく、こういうことが起こったわけであります。これを国際的に当てはめてみますと、このようなことが国際的に起こらないとは限らないわけであります。これをどのように防止をしていくか、この中で我が国の役割がどのように果たしていくか、このようなことが、次の課題として目の前にあるわけであります。
  我が国としまして、まさしく循環型社会、環境の整備と言われておりますが、脱温暖化社会の形成と循環型社会の構築は、我が国での環境政策の二つの柱というふうに大臣が言っておるわけでありますから、その循環型社会の構築に関しまして、国際的な目で見まして、どのように我が国として対応していくべきなのか、あるいは、どのように考えていくべきなのか、こういうことを少し探りながら、例えば3月の事務レベル会合の方に臨んでいただく、このように思っておりますし、その後に伝えてまいりたいと、こう思っております。
  この分野こそが、我が国が大変ひどい経験もしております。バトルもありました。いろいろなことがありましたが、そういうことをやって何とかこまでこぎつけてきております。この分野は少なくとも、まだまだの分野はありますが、世界に決してはずかしくない、これぐらいの期間にこれぐらいのことをやってのけたということが胸を張っていえるのではないかと思っておりまして、これをどのように我が国が、ようこれを踏まえて話していけばよいのか、ということに関しまして、ぜひとも忌憚のないご議論をいただきまして、3月の高級事務レベル会合の前には、中間的に物の考え方を少しおまとめをいただければと思っております。その後も引き続いてご議論をいただき、我が国の国際的に見て進むべき方向を探っていけたらと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
  どうも本日はありがとうございます。

○企画課補佐 続きまして、本専門委員会の設置趣旨でございます。これにつきまして、事務局から簡単にご説明させていただければと思います。
  資料1をご参照いただければと思います。
  資料1、アジア地域における循環型社会形成の検討についてでございます。
  先ほど、部長の方からも説明させていただきましたけれども、検討の趣旨につきましては、まずアジア諸国における急速な経済発展、これに伴う国内の廃棄物問題が顕在化しつつある。これを踏まえて、廃棄物を含めた循環資源が国際的に移動して、国境を越えたリユースやリサイクルが可能となる一方で、輸入国における環境汚染も懸念されている。こういうことを踏まえまして、我が国のさまざまな廃棄物・リサイクル対策の経験、こういったものを今後の著しい経済発展や膨大な廃棄物の発生、こういったものを招きかねないアジア諸国の廃棄物・リサイクル政策の参考にしていただく、こういうために発信をしていくということがまずあろうかということでございます。
  また、アジア地域において環境保全の観点から適正な資源循環に取組、こういった取組に対する協力のあり方、こういうことも含めて、我が国の政策の方向性、こういったものを検討いただければということでございます。
  また、これを踏まえまして、アジア地域において、環境保全上適正な資源循環を確保するための具体的な方策についても、突っ込んで議論をいただければということでございます。
  裏に回っていただいて、検討事項でございますが、検討事項としては、主にこういうことが挙げられるんではないかということでございます。
  まず、我が国の廃棄物管理・リサイクルにおける経験でございますとか、またそのために必要な各国、中国や韓国とアジア諸国を中心とした廃棄物管理やリサイクルの現状や課題の整理、さらには、国際的な枠組みや国際的な支援循環の実態、こういったものがなかなか把握できないでいるということもございますので、この実態を把握するための方策について。さらには、廃棄物等の性質に即した適正な国際的な支援循環の考え方、この枠組み、さらには、環境と経済の豊潤化といったようなものも検討事項になろうかということでございます。
  検討の進め方でございますけれども、これは廃棄物・リサイクル部会の下に資源循環の専門委員会ということで設置いただいておりまして、メンバーはここにございます総勢14名の委員の方々にご就任をいただきまして、了承をいただいておるところでございます。
  検討スケジュールにつきましては、追ってまた資料2でご説明いたしますけれども、来年2月までに中間報告を取りまとめていただいて、来年3月に開催される3Rイニシアティブのフォローアップの高級事務レベル会合といったもので活用させていただくということを考えております。
  また、本委員会につきましては、中央環境審議会の廃棄物・リサイクル対策部会、これに属します専門委員会ということでございます。その委員長は、議事運営規則によりまして、廃棄物・リサイクル対策部長のご指名ということになっております。本委員会につきましては、部会長でございます田中部会長にご参加いただいておりますことから、事務局の方からもお願いいたしまして、部会長に専門委員長を兼任いただけるということにご了承をいただいております。
  それでは、以後の進行につきましては、田中専門委員長よろしくお願いいたします。

○田中委員長 皆さん、おはようございます。趣旨については、由田廃棄物・リサイクル対策部長から詳しく説明ございましたように、循環型社会、日本だけでやっているのでは限界があり、地球規模の問題である資源、そして地球規模の環境問題の解決に資する循環型社会について、国際的な取組が必要だと常々思っております。そういうことで、2月までの取りまとめということで、時間的には非常に厳しいですけれども、どうぞよろしくお願いします。
  これから議事に入らせていただきますが、本日は初回の委員会でもあり、委員の中にはお互いに初対面の方もいらっしゃろうかと思いますので、各委員から、順番に1分程度、簡単に自己紹介、あるいはこの委員会との関連をご紹介いただければと思います。
  ということで、名簿順に、小早川先生、お願いします。

○小早川委員 東京大学の小早川でございます。
  専門は行政法ということでございまして、大学で環境法の授業を担当したこともなくはないという程度でございます。ですから、環境問題についてそれほど詳しいとは自覚しておりません。ただ、中央環境審議会には、かなり以前から加えていただいておりまして、水質とか、それから総合政策とか、環境基本法、環境基本計画なんかの関連でも手伝わさせていただいたこともございます。
  廃棄物につきましては、産廃の適正処理関連の専門委員会、そういうところで若干勉強をさせていただいただけでございますけれども、今回のこのテーマにつきましては、全くの素人、と言っては何ですけれども、これから勉強していくつもりでおります。よろしくお願いします。

○田中委員長 よろしくお願いします。
  それでは、酒井委員。
  座ったままでどうぞお願いします。

○酒井委員 京都大学の酒井でございます。
  専門は環境工学でございまして、力を入れて研究してまいりました課題は、残留性化学物質の環境対策、そしてまた廃棄物、あるいはこういうリサイクル資源との関連でございます。そういった目で、今回の検討課題に関しては兼務で関心を持っておりますので、何らかのお役に立てる場面があればというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○田中委員長 崎田委員。

○崎田委員 環境分野のジャーナリストとして仕事をしております。この分野は生活者の視点に立って日々の暮らしとか、ライフスタイルとか、事業者の方が事業活動を変える、そういうことが大変重要だと思いまして、そういう現場、普及啓発とか環境教育、そういうこともきちんとやっていきたいと思いまして、環境カウンセラーとして取り組んだり、あるいはNPOの活動などもしております。今、循環型地域づくりを目指す全国各地の方たちを支援する全国ネットワークのNPOの理事長などもしております。
  そういう流れの中で、今、循環型社会づくりに対して市民自身も大変関心が高くなっているんですけれども、アジアに出る機会などもここんところふえてきまして、非常にアジアのそれぞれの国の中での非常に発展の中で、この循環型社会づくりというのが大変重要な問題になってくるというのを感じる機会が大変強くなってまいりました。
  そういう面もありまして、今回、この会合に呼んでいただきまして大変うれしく思います。特に4月の終わりに3Rイニシアティブ閣僚会合が開かれたときに、やはりそういう会合に全国の市民の声も届けたいという多くの方の声が上がりまして、全国規模のネットワーク、九つの方たちと連携しまして、市民のメッセージということで発表させていただくなど、今回、そういう意味で取り組んでまいりました。
  そういう意味で、今回、私、中央環境審議会の廃棄物・リサイクル部会の委員として、個人として入らせていただいておりますけれども、そういう多くの生活者の意見などもきちんと伝えていきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○田中委員長 谷口委員お願いいたします。

○谷口委員 国連大学ゼロエミッションフォーラムの谷口と申します。
  国連大学は、11年前ですか、1994年にゼロエミッション構想というのを提唱して、当初から私それにかかわっている草分けでございますが、当時は、実は私セメント会社で環境ビジネス、資源ビジネスを担当してやっておりまして、一昨年セメント会社をリタイアしまして、これからは企業益から国益、あるいは地球益のために仕事をしようと、こういうことで、これまでの経験を生かしていろいろ仕事をしていきたいと思います。
  今まで、セメント会社時代は、インダストリアルエコロジーという観点から、セメント、非鉄、きょうは同和鉱業さんもおられますが非鉄金属、特に製錬ですね。それから鉄鋼、製紙、電力、こういったものは今日本ではほとんど完璧と言っていいほどネットワークができております。ゼロエミッションが達成されていると言ってもいいと思います。こういうモデルが、間違いなく発展途上国に横展開が可能だと思って、その辺を具体的なことをこの委員会でいろいろご提案したいなというふうに思っております。
  それから、国内では、エコセメントを私が担当のときに手がけ、今、千葉県の市原でもう動いております。それから、東京都の多摩地区では、第二段目のエコセメントを、ごみ焼却灰を原料としたセメント工場が今建設中であります。それから、埼玉県の日高市では生ごみをそのままごみ収集車を工場内に入れて、出てくるのはセメントだけだと、こういうようなあれも画期的なものができております。
  そういうことで、私はセメント会社の利益代表をやるつもりはございませんが、その経験をかなり本委員会でお役に立てる可能性があるんではないかというふうに思っております。
  以上です。

○田中委員長 武内委員。

○武内委員 東京大学の武内でございます。私の専門は緑地環境なんですけれども、どういうわけだか経緯がございまして、今、循環型社会の計画部会長をやっております。
  私は、循環型社会の議論の中で常々二つ申し上げていたんですが、一つはいわゆる廃棄物だけではなくて、製造物を含むような大きな仕組みを考え、さらには、自然の循環と、それから物質の循環の間を考えるというふうなことで、やはり循環型社会の視野を広げていかなければいけないという、これが一つの点です。
  それから、もう一つが、今まさに、これから議論されようとしている一国だけの循環を考えるのではなくて、関連地域との間の広域的な循環についての議論をする必要があると、いうことで、特に東アジアにおける循環型社会の議論というのはどうしても必要だということを言ってきたわけですけれども、こういう形になったということは大変ありがたいというふうに思っております。
  私、今、東京大学の国際交流の世話役のようなことをやって、しばしば中国だとか韓国あたりに行くんですけれども、特に中国では、日本の循環型社会に対する期待が非常に高いという、これは現体制になってからですね。これまでのような中国の経済成長を、今のような物質消費と廃棄を前提として続けていくと必ず破産するということを彼ら自身も十分よく知っていて、いろいろな施策を講じようとしているというタイミングでございますので、日中関係いろいろございますけれども、こういう分野で日本が貢献できれば、今後の関係改善にも寄与するんではないかなというふうに思っておりまして、ぜひこの議論は進めていただきたいというふうに考えております。

○田中委員長 寺園委員お願いします。

○寺園委員 国立環境研究所の寺園です。
  私は、かつての専門はアスベストだったのですけれども、最近はそれを口にすることもいつものとおり少なかったのですが、とても最近は古い書棚を取り出して、いろいろ調べ直すようなことが多くなってございます。
  この国際循環に関しましては、2002年度から環境省の取組に対しまして、うちの研究所でプロジェクトを立てていただきまして、アジアの廃棄物情報、基礎情報の収集、解析、それから循環の構造解析ということを研究してまいりました。これにつきましては、京都大学酒井先生、アジア経済研究所の小島先生とともにやらせていただきました。
  特に最近はEメイスト、プラスチックに着目しておりまして、私も国内、あと中国ほか海外にいろいろ視察に参ってまいりますけれども、やはり現場、現場では、単純に申しますと、循環工程の方から反対の方から、いろいろな方がいらっしゃって、それぞれに論理を持っていらっしゃって、その立場というのは非常に私も勉強になることが多いですし、ここにいらっしゃいます仲さんからも勉強させていただきました。
  なかなか、すぱっと切れる問題と切れない問題も含まれていると思いますけれども、私の知見がここでお役に立てば幸いと思います。よろしくお願いします。

○田中委員長 細田委員。

○細田委員 慶應義塾大学経済部の細田でございます。専門は環境経済学で、今はその中でも、情報経済の議論分析とヨシオカセキに興味を持っております。
  国際資源循環は余り私は専門ではないんですが、幾らかの貢献を得れると思いますので、よろしくお願いいたします。

○田中委員長 中島委員。

○中島委員 三菱電機の中島でございます。
  現在、私は、家電製作製品協議会、家製協の中で、家電リサイクル法の見直しの審議が行われていまして、その中の環境担当役員ということでずっと参加をしております。
  今回の3Rのテーマの中のリサイクルに関して、特に家電の切り口いろいろと課題認識がありますので、その辺、EPR等、メーカーに期待されているところご存じですけれども、その辺の実際に経済合理性がある仕組みをつくるということを極めて重要だと考えておりますので、その辺から経験させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○田中委員長 森口委員。

○森口委員 国立環境研究所の森口でございます。専門は環境システム工学でございます。
  この4月から国立環境研究所の循環型社会形成推進・廃棄物研究センターのセンター長を仰せつかっておりまして、武内先生がおっしゃいましたようなより広い意味での循環型社会というようなものへの取組を進める一方で、従前から、特に取り組んでおりました物質フロー分析を中心にこういった国際的な資源循環の問題にも取り組んでおるところでございます。
  この3Rの話につきましては、2004年のG8の会合等でかなり世界に発信するようになったわけでありますが、その前年、2003年には、物質フロー分析関係の取組、日本からの発信、これは循環型社会形成推進基本計画であの数値目標を設定したということに端を発しておるわけでありますけれども、それに基づきまして、物質フロー分析、あるいは資源生産性といった概念に関しまして現在OCD等での作業が進んでおります。また、OCDの方でも、こういった物質の管理と言いますか、越境移動も含めました、廃棄物の管理、あるいは資源の管理ということについての新しいアプティブティーも今後展開されていく予定というようなことでございますので、そういった国際的な活動とのつながりも意識しながら、取り組んでまいりたいと思います。
  大変申しわけございませんちょっと本日環境基本計画関係の別の会議と重なっておりまして、途中で中座させていただきます。お許しいただきたいと思います。

○仲説明員(山田委員代理) 同和鉱業の仲でございます。
  同和鉱業は非鉄製錬の会社でございますが、その後、非鉄製錬の技術、設備の延長線上で環境ビジネス、環境リサイクルビジネスにも相当力を入れてございます。現在、土壌処理、それから廃棄物処理、それから金属リサイクル、この3分野でここのところ年率2割程度ずつくらい年々売り上げ伸びておりますが、昨年度で約500億円弱の売り上げになってございます。非鉄製錬と言いますと、金、銀、銅、鉛、亜鉛といったようなバリューのある物を鉱石からだけではなくリサイクル原料からも生産すると。こういったバリューのあるものを生産すると同時に、まさに非鉄金属のうちの一部、例えば鉛ですとか、カドミといったようなものが環境に拡散するとよろしくない、それを安全にリサイクルするというようなことで我々の役割があるんではないかと思っております。
  国内が主ですけれども、北米等々からも自動車の灰触媒等々集めてございます。アメリカの東海岸には、自動車の灰触媒の収集拠点がございます。
  それから、中国の江蘇省蘇州市に貴金属の回収工場、従来の湿式処理に加えまして、先月乾式処理工程が完成いたしました。実はその乾式処理工程の竣工式がまさにきょうでございまして、山田がそちらの竣工式の方に出席する関係上、どうしてもきょうここに来られないということで失礼させていただきました。我々、ビジネスとしてやっておるわけですけれども、幾ばくか環境保全、あるいは資源の有効利用ということに貢献できればというふうに考えてございます。よろしくお願いいたします。

○田中委員長 ありがとうございました。
  私も簡単に自己紹介させていただきますと、私自身は、学生のときから廃棄物問題に取り組みまして、ずっと一貫して廃棄物の問題を解決するための研究教育、廃棄物分野の3Kというので、研究と教育と国際協力に取り組んでまいりました。特に国立公衆衛生院にいたときは、廃棄物分野の自治体の人たち、都道府県の人、政令市の人たちの担当の人たちの研修、教育にかかわっておりまして、その当時から、JICAの集団研修ということで、開発途上国から十二、三人、毎年呼んでいましたけれども、25年ぐらいコースリーダーをやっておりました。それから、社会開発事業ということで、モロッコとか、グァテマラとか、韓国とか、インドネシアとかいうところに行って、廃棄物の問題を具体的に見て、解決のためにいろいろ基本計画などにかかわってまいりました。そういうことで、そういう経験が今回の会議に役に立てばいいなと思います。
  それでは、次に本専門委員会の今後の大まかな予定につきまして、事務局からご説明いただければと思います。

○企画課補佐 資料2をごらんいただければと思います。
  本委員会の検討の方向性とスケジュールにつきまして、簡単にご説明させていただければと思います。
  まず検討の方向性でございますけれども、まずは我が国の廃棄物・リサイクル政策の経験でございます。これを整理いたしまして、その上で、アジア諸国において共有すべき循環型社会の形成に向けて重要な要素を検討・整理していくということでございます。
  また、その際に、アジア諸国を初めとした廃棄物・リサイクル制度の把握、実態は、必ずしも十分に把握されていないことから、こういった制度の実態、現状を体系的に把握・整備していくことも重要ではないかということでございます。
  それを踏まえた廃棄物等の適正処理の確保、こういうことについては、考え方をしっかりと整理した上で、ゴミゼロ国際化計画、こういうものの着実な実施の一環としてアジア諸国における循環型社会の形成や廃棄物等の違法な越境移動の防止と、こういったものを中心に具体的な方策も含めて検討いただくということを考えております。
  具体的なスケジュールでございます。
  これにつきましては、本委員会が毎月1回程度といたしまして、2月時点で中間取りまとめを行っていただいて、上部組織でございます廃棄物部会に報告するということでございます。
  また2月の時点でどうしても急でございますので結論が出ない分野が生じる場合、こういう場合についても、中間取りまとめの中で論点整理を行いまして、別途次年度にも審議を続けるということを書いてございます。
  具体的なスケジュール案でございます。
  本日でございますが、本日第1回といたしまして、我が国の廃棄物の現状、あとは廃棄物・リサイクル対策の取組、これは国の制度といたしまして、制度・予算面を中心に整理させていただいておるとこでございます。
  中では、特に廃棄物処理制度が充実していること。またリサイクル制度が拡充されていること、さらには、地域と一体となった循環型社会づくりというものも推進しております。こういうことを中心に説明させていただいたということでございます。
  裏面に参ってよろしいでしょうか。
  裏面ですが、実は、これ翌週でございます11月25日を予定させていただいております。
  次に、我が国の国の取組につきましては、我が国の廃棄物・リサイクル対策の取組のさまざまな事案への対応といたしまして、PCB対策等の個別な不法投棄やPCB対策等の個別事案への取組の現状であるとか、さらには海外への廃棄物等の輸出に対する問題、これだけではございませんで、地方やNPO等の連携の実態といったようなものについてもあわせて整理させていただければということでございます。
  さらには、バーゼル事務局の桑原事務局長がちょうど来日していただいているということでもございますので、国際機関との意見交換といたしまして、事務局長からのプレゼンをいただいて意見交換をさせていただくということも入れております。
  翌月、12月でございますが、国際に移りまして、第3回の委員会といたしまして、廃棄物等の国際的な移動の現状、まず現状を把握することが重要である。
  加えまして、アジアにおける適正な物質循環、資源循環を確保するための各国の制度や取組、こういったものの整理をしたい。
  これらを踏まえまして、循環資源の国際的な移動をめぐる課題、こういうものを整理していくということであろうかということでございます。
  4回目の翌年、年を越しまして1月の委員会でございますけれども、こういったものを踏まえまして、廃棄物等を含む循環資源の国際的な移動に対する考え方、こういったものを整理していくことが必要であります。
  さらには、考え方を踏まえて、具体的にどういう取組をするのか、アジア地域において循環型社会形成に向けて協力していく保持の面での具体的な取組についてどういうことがあるのか。例えば、キャパシティ・ビルディングでございますとか、廃棄物等の適正な処理研究のネットワークをつくっていくこと、こういうものを推進していくことも重要ではないかと、具体的にはどうすればいいのかということをご説明いたします。
  第2点といたしましては、ネガの防止、違法な廃棄物等の越境移動を防止するための取組、環境汚染等の取り返しのつかない問題が生じては困りますので、こういうことを防ぐために、トレーサビリティ制度といったようなもの、さらには不法輸出の防止のネットワークといったようなもの、こういったものを大きな課題ということで決めます。
  以上のご議論を踏まえまして、2月、第5回の委員会で報告書、中間報告書でございますけれども、これを取りまとめさせていただきまして、以上の議論を踏まえて、中間取りまとめ案につきましては、中環審の廃・リ部会にご報告するということを考えております。
  さらには、3月には、高級3Rイニシアティブのフォローアップのための高級事務レベル会合が我が国で予定されております。ここにもこういった中間取りまとめの考え方、これを政府としても反映させていきたいということが考えられるということでございます。
  簡単ではございますが、以上でございます。

○田中委員長 どうもありがとうございました。
  ただいまの事務局の説明につきまして、何かご質問、ご意見がございますでしょうか。
  今後、発言される場合には名札を立てて、発言したいという方はシグナルを送っていただきたいと思います。
  今のスケジュールについての説明ですけれども、何かご質問、ご意見ございますでしょうか。
  いいでしょうか。
  具体的な内容が次の資料に入っていますので、ゴミゼロ国際化計画とかなども詳しく載っていますので。
  では、次の本日の中心議題であります我が国の廃棄物・リサイクル対策の取組につきまして整理していただいたものを事務局からご説明いただき、これを踏まえて、我が国から発信すべき貴重な経験を取りまとめていきたいと思います。
  まず、本日は制度、予算の面を中心にご議論いただき、次回に個別の事案や技術発展の面を中心にご議論いただければと思っております。
  では、本日の資料につきまして、事務局より説明をお願いします。

○企画課補佐 資料3でございます。横長の我が国の廃棄物・リサイクル対策の取組という資料でございます。ファイルでございますので可能な限り要領よくご説明させていただければと思っております。これに加えまして、データ集といたしまして、我が国の廃棄物・リサイクル対策の取組、参考資料というものも別途用意しておりますので、そのときに参照いただきながら、ご説明させていただければというふうに考えております。
  今回の資料でございますが、1ページめくっていただいて、大きく四つに分かれております。具体的には、まず我が国の廃棄物をめぐるこれまでということでございます。これまで10年前はどういう問題があったのかということを中心に説明しております。
  次に、我が国の廃棄物・リサイクル対策の具体的な取組、この10年間で評価しております制度について説明させていただいております。
  さらに、これらの取り決めを踏まえました我が国の物質フロー、これは森口先生の方からも今ご発言がございましたが、物質フローはどうなっておるのかということをまとめさせていただいております。
  これらを踏まえまして、我が国の廃棄物・リサイクル対策の成果と課題ということを簡単に説明させていただいております。
  まず2ページ目でございますが、我が国の廃棄物をめぐるこれまででございます。
  以前の我が国の廃棄物対策につきましては、戦後の経済発展の中で、どうしても廃棄物対策に十分な費用を投資すべきであるというような国民的なコンセンサスができなかったということが問題ではないかということでございます。
  まず片づけられるごみだけ目の前から片づければいいというようなものでございまして、臭いものに蓋をする、あるいは安かろう悪かろうというような不十分な対応が行われているんではないかということでございます。その結果、豊島に代表されます産業廃棄物の不法投棄事案、こういったものが増幅してございますとか、目の前にある片づけられるものだけ片づけるということでございますので、PCBなどの負の遺産の蓄積といった深刻な環境上の問題を抱え込み、これが社会コストを増大させるような、こういう社会構造となっていったということでございます。
  これらの状況を打開するため、ここ十年来では大幅な廃棄物対策の方向性の大転換がございました。その中で、排出事業者責任の強化でございますとか、拡大生産責任という、あるいは循環型社会の形成を推進する枠組、あるいは負の遺産の解消というような抜本的な政策改革をこの十年来行っておりまして、これを現在、加速、強化しようとしているところでございます。
  その中には、この資料にございますように、各主体による取組の進展というものも重要な要素でございまして、国と地方公共団体の協働や連携、さらには民間企業の方々の取組の進展、NPO、NGOの参画といったようなものも進めているところでございます。
  次に、具体的に不法投棄等の問題でございますけれども、廃棄物の不法投棄等の不適正処理につきましては、環境汚染を通じまして、人々の健康や暮らしにさまざまな悪影響を及ぼしております。
  具体的に申しますと、不適正処理された廃棄物に重金属や有機塩素性化合物というような有害物質が含まれておるわけです。これがしみ出して、水質汚濁やいろいろな汚染を引き出すということになっております。
  具体例といたしましては、ここにございます福島県のいわき市の事例でございますとか、あとは香川県の豊島の事例、これは昭和60年前後の問題でございますけれども、例えばいわき市の問題でございますけれども、不適正な保管、これ不作為によって水質の汚濁といったようなものが残っていたわけでございます。
  その際には、約36億円の原状回復等に必要な費用がかかっております。ドラム缶の撤去や処理、土壌汚染の防止ということをやるために36億円もの社外費用が要るということでございます。
  また、作為的な要素といたしましては不適正な処分でございます。
  これは香川県豊島の事例が有名でございますけれども、昭和58年ごろから平成2年まで、不法な投棄が行われていたということでございました。約56万立米にも及ぶような大量の投棄量がございました。この結果、社会コストといたしましては、東京ドームの半分にも及ぶような不法投棄の量がありまして、処理予定費用は450億円にものぼるということでございます。このために生じたコストは、現在の時点で換算いたしますと普通の適正に処理した場合の4倍程度のコストがかかっておりますということでございます。
  ここに写真にもございますように非常に美しかったところが、広大な不法投棄によって汚されたというような事例でございます。
  また、こういった不法投棄事案につきましては、なかなか完全に解消するということは難しゅうございまして、その後も、青森、岩手の不法投棄事案でございますとか、三重県四日市市の事案、さらには、その岐阜県岐阜市の事案とかいったような数十万立米にも及ぶような大きな不法投棄の事案が次々と聞こえてくるわけであります。その際には、豊島にも匹敵するような、さらにはそれ以上の不法除去等の社会的なコスト、こういったものがかかっているということでございます。
  続きまして、ダイオキシン問題、4ページでございます。
  ダイオキシンにつきましては、ご存じのとおり物の焼却の過程等で、非意図的に生成してしまう有害物質でございます。
  昭和58年でございますけれども、都市ごみの焼却炉の灰からダイオキシン類を検出したと、新聞紙上の報道から、これを契機にダイオキシン対策が大きな課題となって社会問題化したというものでございます。
  このような状況を踏まえまして、旧厚生省では、平成2年に旧ガイドラインを策定、さらには、これを強化するものとして、平成9年新ガイドラインというものを策定して、地方と一体となって取組を進めておるところでございます。
  平成9年の全国一斉調査によれば、1,150施設中72施設において既存施設に対する経過的な排出基準、これを越える結果となっている。全国の多くの施設でこれを踏まえて、ダイオキシン特措法、この新基準が適用されるまでの間に、大きな施設の改善、さらには新設というようなものが進められたところでございまして、地方と国とが、お互いに全精力を使っていろいろな取組を進めておるわけでございますけれども、これによって、ダイオキシンの排出量につきましては、平成9年度に比べまして、平成15年ではマイナス98%という目標を達成しました。ということで大きな進展が出ているところでございます。さらには、平成22年度までにダイオキシン類総排出量の削減目標につきましては、平成15年に比べてさらに3割削減というような、さらに進んだ取組を進めていくというような状況でございます。
  次、5ページでございます。PCBの問題でございます。
  ポリ塩化ビフェニル、これがPCBでございますが、これは絶縁性や不燃性などの特性によって、幅広い用途がございますというような物質でございます。ただ、一方で、その毒性が社会問題化して、昭和49年には製造や使用が禁止されたものでございます。ただ、この処分についてはいろいろな施設の設置の動きがございましたけれども、なかなか種々の問題がございまして、ほぼ30年間の長期にわたってほぼ処理が行われず、結果としては保管されているという状況でございました。この保管が長期にわたったため、不適正な保管というようなものも生じかねないという状況にございまして、行方不明になったトランスとか保管状況が劣悪的なものなどが判明したところでございます。
  なかなか30年間対応がなかなかとられておらなかったわけではございますけれども、平成13年、最近でございますが、ここに特措法を制定して、さらには、日本環境安全事業株式会社といったような体制を整備いたしまして、全国5カ所の広域施設において、抜本的にその処理を進めていますというような体制を整備したということでございます。
  これは負の遺産と言われますように、なかなか対応が進まなかったわけではございますが、こういったところで着実に対応が進むと、その中では、環境事業団の一部を改正するような法律の中でもちゃんと法律的にも位置づけているということでございます。
  一方で、ただ現状でも低濃度のPCBが混入したトランスと、こういったようなコンカンPCBというようなものの処理がまだ一定の課題となっていないということもございます。
  以上のような大きな流れでございますけれども、いろいろな負の遺産、さらには適正処理といったようなものを解消するために、いろいろな取組を進めておるわけでございます。
  次の、6ページからは、このようなことを進めていくためのバックグランドとなる、我が国の廃棄物・リサイクル対策の取組について説明させていただければと思っています。
  我が国の廃棄物・リサイクル対策の取組でございますが、6ページでございます。
  従来の廃棄物行政の仕組みを大転換、これをまず行うためには、まず考え方を整理する必要があるだろうということでございまして、事業者や国民などの排出者が、廃棄物の適正処理の一義的な責任を有す、責任の所在を明確にするという排出者責任の考え方、さらには事業者においても、製品の製造者などが製品の使用後の段階等でも一定の責任を果たしていくという拡大生産者責任の考え方、こういった考え方に基づく制度を構築していくことが重要であるということでございます。
  こういった考え方に沿って、平成12年循環型社会形成推進基本法、さらには廃棄物処理制度にはこういう考え方を反映していく。また一方で、5種類ございます各種リサイクル法の着実な充実、容器包装から家電、食品、建設、自動車と、こういったリサイクル法を充実していくことによって廃棄物等の適正処理を確実にするための法体系といったようなものを形成しております。
  この、表にもございますように、循環基本法の中の11条で、排出事業者責任といったようなものを位置づけ、さらには拡大生産者責任の位置づけということでございます。さらには、その具体的な政策を定めております基本計画、循環型社会推進基本計画、これは木内部会長のもとで策定させていただいておるものでございますけれども、ここでも具体的な政策について位置づけているということでございます。
  次、1ページめくっていただいて、まず排出事業者責任の徹底という点でございます。
  ここは、昭和45年の公害国会、ここでそれまで清掃法と申しておりました法律を全面的に題名から改正いたしまして、事業者に産業廃棄物の処理責任があるということを明確に位置づけまして、産業廃棄物についての処理体形を確立いたします。これが廃棄物処理法の最初でございます。廃棄物処理法については、排出事業者責任の一層の徹底に向け、この10年近くの間に3年、9年、12年に、段階的に大改正をしております。その際には、大きな要素といたしまして、多量排出事業者の処理計画、多量に産業廃棄物を出す人間にはちゃんとその処理の計画もつくりなさいということの制度の創設や充実、さらには産廃の犯人に向けたマニフェスト制度、これを創設・充実させていった。さらには、許可の段階からもちゃんと見ていくということでございまして、廃棄物処理業の許可要件の強化といった大きな点について大きな進歩が見られておるところでございます。
  例えば、産廃の許可要件であれば、許可要件の強化、許可要件の更新制を3年で導入しておりますし、マニフェストについても、マニフェストの適用範囲、3年にまずは特管物について、発行を義務づけたことを皮切りに、マニフェストの適用範囲をすべての産廃物に、平成9年の改正で拡大していくこと。さらには、電子マニフェストといった我が国の技術を使った制度も導入していく、こういったことを入れております。
  あわせまして、その他の改正内容、7ページの下の方にございますけれども、廃棄物の発生抑制、再生利用等といったものを、廃棄物処理法の目的に位置づけていくこと、さらには、廃棄物の再生利用について、広域的に特例を設けて合理的に進めていくというような、広域認定の制度を導入したりすることもさせておるところでございます。
  さらには、8ページでございます。8ページは、主な要素でございます、多量排出事業者の処理計画の創設・充実でございます。
  多量に産業廃棄物を排出する事業者については、産業廃棄物の減量などに関する計画を策定することや作成した計画及び計画の実施状況、これを都道府県に提出することが義務づけられているところでございます。その中で、都道府県知事は、処理計画実施状況について、これは1年間公表して、皆様の目に触れることにして、公表を通じて事業者による廃棄物の自主的な減量化、国民への情報提供といったものを進めているところでございます。
  対象となる物は、産廃物でございますれば1,000トン以上、特管物でございますれば50トン以上ということを対象にしております。
  具体的な計画策定後に処理計画の提出状況でございますけれども、全国で計画表提出事業者数を見ますと大体7,000件ということでございまして、さらには、実施状況を報告しているのは、約9割以上ということでございます。
  次めくっていただいてよろしいでしょうか、9ページでございます。
  次に、マニフェスト制度でございます。
  廃棄物の適正処理をちゃんと確保するためには、平成5年から特管物、平成10年12月から、すべての産廃物、これについてマニフェストを義務化しているところでございます。これは非常に大きな頒布でございまして、紙マニフェストの頒布数は、平成13年度をピークに順調に伸びております。5,200万枚というような頒布数が挙げられているところでございます。さらに、電子化の中で、平成9年度の法改正で、電子マニフェスト制度、電子でパソコンのネットワーク等を使いましてマニフェストを管理していくというような制度もちゃんと位置づけられています。平成16年度の登録件数も114万件にのぼっている。全体から見ますとまだ不十分というご意見もございますので、こういった我が国の技術を使った制度の一層の普及、これはすごく重要なことではないかということでございます。
  次の10ページでございます。廃棄物処理法の最近の改正でございます。
  平成15年、平成16年、平成17年と、ほぼ毎年こういった大きな流れを踏まえて制度改正をさせていただいておるところでございます。
  特に不法投棄、これが大きな問題となってございますので、不法投棄の罰則、これを強化していくこと、さらには、先ほど来ご説明がございますように、我が国からの廃棄物等の輸出、これが急激に増加しております。こういった輸出の取り締まりの強化のための改正といったようなことを行っておるところでございます。特に、平成15年には、不法投棄や不法焼却の未遂行為を罰するような、未遂罪といったようなものを創設していくことでございますとか、都道府県の調査権限を拡充していくこと、さらには悪質な廃棄物処理業者の対応を厳格化して、許可の取り消しや欠格要件を追加していくことといったようなことを追加しているところでございます。
  さらに、こういった規制の強化だけでなくて、健全な業務の削減ということも視野に入れながら、産業廃棄物の処理業の許可に関する再生利用認定のような特例制度の整理といったようなものをやっておるところでございます。
  こういったものを踏まえまして、産廃物の許可、処理施設の許可取り消しといったようなものの事案も明確にしておりまして、徐々に増加しているということでございます。
  次の11ページでございます。
  これは重要なことでございますけれども、産業廃棄物の処理業等の健全な発展のためには、健全なマーケットがまず前提となって、その中で、良貨が悪貸を駆逐する構造、こういう健全な構造が重要でございます。その中で、良貨が悪貨を駆逐する構造への転換を促進して、産業廃棄物が適正に処理されるためには、さまざまな規制強化だけではなくて、有用な産業廃棄物処理業者の育成、さらにはこのような優良業者が選択される健全なマーケットづくりというものが重要であろうということでございます。
  このため、本年4月から、産業廃棄物の処理業優良化推進事業というものをさせていただいておりまして、その中に優良処理業者の不正、ほかに廃棄物処理ビジネスの達成化を推進するための制度をつくっておるところでございます。その中には、法律をちゃんと守っていること、遵法性でございますとか、あとはインターネットでちゃんと経営情報を公開していること、こういったようなことを省令で要件といたしまして、優良性の評価をちゃんと行っているところでございます。さらには、ISOやエコアクション21といった第三者による環境保全の取組といったようなものについてもちゃんと取組でいるということを要件として優良業者を認定していくと、インターネットで廃棄物ネットワーク等を通じまして、こういった業者を明確にしていくということでございます。
  こういったことを通じて、従来ございました悪貨が良貨を駆逐するといったような状況から、優良処理業者を中心とした健全なマーケット、良貨が悪貨を駆逐するような健全な競争ということを推進していくということでございます。その中で、優良処理業者が正常に評価されるだけではなく、産廃物に対する国民の信頼を回復していくと、こういう基本に立って制度を施行していくというところでございます。
  次に、拡大生産責任を中心とした取組でございます。
  まず、拡大生産責任の位置づけに向けてでございますけれども、まず国際的にも我が国は拡大生産責任の位置づけにつきましてリーダーシップをとって取組を進めているところでございます。平成13年にOECDにおきまして、拡大生産責任のガイダンスマニュアルを作成いたしまして、これが世界に広く普及しているところでございます。このガイダンスマニュアルにおきましては、従来の生産段階での汚染防止や廃棄物の発生防止という考え方だけでは人の健康や環境を保護するのに十分ではないということで、使用後段階の処理に加えて、原材料の選定や製品設計というような上流部門から取組の重要性を示しているところでございます。
  ここにございますように、定義といたしましては、生産者が製品のライフサイクルにおける影響を最小化するために設計を行うと、さらには、その生産者が設計によって排除できなかった環境影響に対して物理的、経済的責任を負うというようなことを位置づけておるところでございます。
  こういった考えに踏まえまして、我が国のみならずEUでも拡大生産責任に基づいた廃電気、廃電子機器等の回収・リサイクルを行う指令でございますとか、特定の有害物質の使用制限を義務づける指令、RoHS指令と言ったようなものを制定しているところでございます。
  次、1ページめくっていただいて13ページでございます。13ページから各種のリサイクル制度について、概況を簡単にご説明させていただければと思います。13ページから20ページまででございます。
  13ページでございますけれども、資源有効利用促進法、資源リサイクル法でございます。これは平成3年に制定されたものでございまして、10業種69品目を対象に、事業者による製品の回収・リサイクルの実施や、製品の省資源化・長寿命化等による廃棄物の発生抑制、リデュース対策でございます。あとは回収した製品からの部品等の再使用対策といったようなものを規定しておるものでございます。
  さらには、ペットボトルや紙製・プラスチック製容器包装への分別回収の表示、紙やびんなどにもマークがついておる、プラとか紙とか書いてあると思いますけれども、そういうことをやっておるとともに、あと小型二次電池やパソコンについて、これは有害物も含まれておるという危険もございますので、事業者による製品の分別回収・リサイクル等が行われておるところでございます。
  次の、14ページ目でございますけれども、再生資源の利用の促進を図る措置をすることが必要な製品、事業者がみずから回収し、再製品化することが可能な製品について、指定再資源化製品といたしまして、事業者の自主回収や再製品化の取組の促進を図っているところでございます。この具体的な取組といたしましては、小型二次電池やパソコンについて回収・リサイクルシステムを構築しているところでございます。さらには、将来的にも、自動車バッテリー、これについても回収・リサイクルシステムの構築が大きな課題になると思っておる次第です。
  次に、15ページでございます。容器リサイクル法でございます。
  容器リサイクル法は、事業者の義務を明確に規定いたしまして、拡大生産者責任の考え方を取り入れた最初のリサイクル法でございます。平成7年9月の制定でございます。
  従来でございますれば、市町村のみが全面的に一般廃棄物といった容器包装廃棄物の処理の責任を担うという従来の考え方を若干拡充いたしまして、事業者が再商品化の義務を負うようなこと、こういう一定の役割を果たすことが位置づけられたものでございます。消費者は分別排出に協力いたしまして、排出市町村が分別収集、さらには、今、制度を考えておるところでございますけれども、事業者の役割も位置づけられているところでございます。
  こういう特定事業者が指定法人――今ございます日本容器包装リサイクル協会という法人でございますけれども、に支払う再商品化委託費でございますでございます。これを年々増加しておりまして、平成17年度には657億円というふうに制度が着実に運用されていると。対象品目も平成12年に見直したり、拡充したり、適宜見直しもしておるところでございます。
  次に、運用実態をより細かく見ますとどうなるかでございます。
  容疑包装廃棄物の分別収集及び再商品化、これは着実に実施して進展しているところでございます。特に顕著でございますのがペットボトルでございまして、左下のグラフにございますように、平成7年のところではほぼ非常に低い水準でございましたが、現在ではもう60%を超える水準で回収率が上昇しているというところでございます。特に、現在ではほぼ91.6%と、ほぼすべての市町村で分別収集が実施されているところでございます。ペットボトルの回収率62.3%は国際的に見ても、ドイツやフランスに比べましても高い水準というところで、非常にリサイクルが進んでいる面があります。
  次の17ページでございます。これは家電リサイクル法でございます。
  家電リサイクル法は製造事業者が製品の回収・再商品化を行うことになっている法律でございます。
  回収台数でございます。回収台数対象品目はエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった4品目でございますが、平成13年の施行以来、現在平成16年でございますが130万台から180万台、エアコンでいえば非常に大きく伸びていると、4品目全体を見ましても順調に伸びているというところでございます。
  再商品化の目標、これを基準といたしまして、再商品化基準値といったものを政令で定めておりまして、エアコンについては60%、テレビについては55%、冷蔵庫、洗濯機については50%という再商品化の基準値、これを目標として定めておるわけでございますが、この基準を、現時点で大きく上回る水準となっておるところでございます。再商品化の処理の重量で見ましても、この4年間で1.5倍程度に伸びておるわけでして、この辺でも一定の進展が見られるというところでございます。
  次に、食品リサイクル法、続きまして建設リサイクル法でございます。この二つは、拡大生産責任というよりも排出事業者責任の色彩の強い法律でございます。
  これについては、食品リサイクル法では、食品関連事業による食品循環資源の再生利用、これを促進すると、規制と言うよりも促進するという枠組みになっておりまして、平成18年度で20%の再生利用を行うことを目標としてございます。実際に、この食品廃棄物の再生利用率は、平成8年の時点ではわずかに9%でございましたけれども、6年間で22%まで上昇しているという状況でございます。これは、食品リサイクル法は基本方針を政府等が定めまして、関係者の責務といったものを位置づけるという枠組みになっております。
  次の19ページの建設リサイクル法でございます。
  建設廃棄物は、産業廃棄物全体の排出量の約2割、さらには、不法投棄量の約7割というような大きな割合を占めておりまして、この対応が非常に重要であるということでございます。最少処分量に換算いたしますと2割を占めておるということでございます。
  建設リサイクル法におきまして、一定の条件の建設工事の受注者に対しまして、排出者でございますが、受注者に対しまして、建設廃棄物の分別解体や再資源化を行うことを義務づけておる法律でございます。
  平成12年に制定されて、平成14年5月に本格施行されておりますけれども、特に対象となっておりますアスファルト・コンクリート塊、あとはコンクリート塊、さらには建設発生木材といった対象品目については、ほぼすべてについて今は再資源化等がなされているという状況でございます。
  続きまして、自動車リサイクル法でございます。
  自動車リサイクル法は、ことし1月に本格施行された法律でございます。これはすべての自動車を対象にリサイクル料金を新車販売時、または車検時に所有者にあらかじめ預託すると,前払いを行うという最初のリサイクル法でございます。それで、後払いをやっております家電とちょっと違うところがございます。使用済自動車は、従来は解体業者や破砕業者における売買を通じて融通しておったところでございますけれども、特に、環境影響上影響が大きいフロン類、エアバック、あとはシュレッダーダスト、シュレッダーダストは車を解体して破砕したときに出るウレタン等のものでございますけれども、この3品目について、引き取り及びリサイクルを義務づけている法律でございます。
  この制度実施状況でございますが、まだ1月から3月までのデータしかございませんけれども、軒並み順調に始めていっているところでございます。
  こういった取組を通じまして、参考資料の方にもございますけれども、特に大きく出ておりますのは、参考資料の4ページでございます。廃棄物の最終処分量の推移というところでございますけれども、これは平成元年がピークでございましたけれども、平成元年を100といたしまして、各リサイクル法の制定や廃棄物処理制度の拡充を通じまして、現在、平成15年の数値では、産廃では3分の1、一般では約半分に軽減しているところでございます。その廃棄物処理の基本方針、こういった廃棄物処理の大まかな方針を定める基本方針の目標、これは平成22年でございますけれども、一般では640万トン、産廃では3,000万トンという目標を定めておりますけれども、その達成にも力を入れているということでございます。
  資料戻っていただいて、リサイクルのための技術でございます。
  こういったリサイクル制度を推進していくためには、当然技術が前提となって、すべての根本になる面がございます。
  例えば、我が国のリデュース・リユース技術についてみますと、新たな素材の開発によってペットボトルの軽量化が進みまして、新たな強い素材の開発等を通じまして、この容器の軽量化にございますように、1割から4割もの容器の軽量化が実施されている。リユースについても、移動式の洗浄器を開発したりだとか、熊本県におけるリユースびんのシステムというようなものを通じまして、リユースの面でも一定の進展が見られているところでございます。
  さらに、22ページ下でございます。リサイクル技術でございます。
  リサイクル技術というのは、廃棄物の適正処理を進めるより環境負荷の少ない資源活用を推進していくという面でございます。我が国に乏しい資源の確保を図って健全な経済発展を促進する、これ両面がございます。こういった技術を活用している具体的な例といたしましては、東京大田区の混合廃棄物の高度な機械選別や洗浄を行う施設でございます。これはエコタウンにも指定して、整備しているところでございます。これによって、従来リサイクル率が10%という建設混合廃棄物のリサイクル率94%を達成したというところでございます。
  本日参加いただいております同和鉱業さんの例でございますけれども、高度な製錬技術を使いまして、金などの貴金属のほか特定の希少金属、例えば液晶テレビ等に使いますインジウム等の面で、世界でもトップクラスの技術を保持している。国家の資源戦略上も重要な位置づけがおされます。
  さらには、適正処分、最終処分のところの技術も重要でございます。このために、廃棄物処理の研究事業といったようなもので、政策とも連携してさまざまな技術の育成を図っておりまして、スラグの有効利用、技術を確立いたしまして、スラグのJIS規格化にも寄与したいということ、ガス化溶融炉の開発、といったものを進めていきたいということでございます。
  さらに、浄化槽でございます。ここも水の循環という面では非常に重要でございまして、浄化槽は短期間でかつ費用も少なく設置できるし、効率的な汚水処理のシステムであろうと、特に途上国等では十分な施設が大きなものはつくれないということもございますので、こういった浄化槽の技術も重要であろうと思ってございます。
  さらには、IT、情報産業、情報技術を使った不法投棄システム、ICタグやGPSを活用して、実際に不法投棄が行われないような隙間をなくすというような取組も始められているというところでございます。
  次の24ページでございますけれども、地域と一体となった廃棄物処理の推進ということでございまして、循環社会基本計画においても、国だけではなくて、地方公共団体と一体となって、循環型社会の形成推進のための計画を策定することを促進するということでございます。
  地方公共団体における循環計画の策定状況を見ますと、いろいろなご指導もございまして、この1年で大幅に改善しておりまして、去年の段階ではこういった地域における循環の計画というものをつくる予定というのがないという市町村が14政令市、都道府県レベルでございましたけれども、ことし調べましたところ、3にまで減っているというところでございます。およその地方の取組も進んでいるというところがございます。
  地方の取組について具体的なところに移ります。25ページでございます。循環型社会の形成推進交付金でございます。
  ここは、平成17年度から、廃棄物の3Rを推進するための目標を地域、国と地方が連携してつくりまして、その目標達成のために必要な広域的かつ総合的な基盤、これの整備を促進するような循環型社会形成推進交付金制度ということでございます。
  この制度に基づく取組の進捗状況を見ますと、既に200を超える市町村において施設整備が進められておりまして、具体的なメニューは右下にございますけれども、例えばリサイクルセンターや生ごみリサイクル施設、廃棄物減量化施設といったようなもの、さらには浄化槽、最終処分場、これに加えまして、施設整備に関する計画支援、ソフト的なものも含めてやることになっております。
  具体的な地方における計画のイメージは参考資料の9ページに京都の例をつけておりますので、ごらんいただければと思っております。
  こういった取組を踏まえまして、26ページでございますが、我が国の物質フローを見ますと、取組自体は進んでおるわけでございまして、資源生産性、循環利用率といったような入り口や循環の部分の量を見ますと、2003年度では31万トン、2003年度で循環利用率11%と、2010年における目標に近づいているというところでございます。特に、最終処分量については、目標にほぼ近づいているわけであります。
  物質フローを踏まえた我が国の資源生産性、循環利用率は一定の伸びを見せていると、ただ、平成22年度の目標の達成にはまだ一層の努力が必要な状況というところでございます。
  最後、以上を踏まえました成果でございますけれども、27ページ、最後のページでございます。
  簡単に申しますと、片づけられるごみだけ目の前から片づけるといった点、こういう、社会構造の変革に向けて拡大生産責任の位置づけや排出事業者責任の強化といったようなことを取り組んでいきたい。特に排出事業者責任については、廃棄物処理制度の大改正ということで対策を進めてきています。拡大生産責任については、リサイクル関連法の制定等で行うことによって、目標の達成に向けて成果を挙げていきたい。さらには、循環型社会づくりについては、循環型社会の大枠を定めます基本法の制定や基本計画の策定、さらには交付金の制度といったようなものによって、一定の方向が示されているところでございます。
  ただ、こういった制度の一層の普及啓発によって加速強化が図られております。
  さらに、課題といたしましては、廃棄物の排出量でございます。これも参考資料のございますけれども、排出量自体は、なかなか横ばいといったような状況でございます。十分な作業が進んでいないというところがございます。実際には、最終処分量をちゃんと減少しておりますけれども、最終処分場の残余年数でいったような点では、これを確保することが課題になっているというところでございます。
  長くなりましたが、申しわけございません。以上でございます。

○田中部会長 丁寧な説明いただきました。ありがとうございました。
  今の説明を踏まえまして、我が国の廃棄物・リサイクル対策の経験について、特にアジアに発信すべき経験に関して、ご意見、ご質問などがありましたらお願いしたいと思います。
  お願いします。
  では細田委員。

○細田委員 このプレゼンテーション資料大変よくまとまっていて私も頭が即整理されたので大変感謝しております。
  それで、いろいろ白書類とか出ているんですが、こういうアジアへの発信ということで、英文で我が国の経験を少し概念も整理し、ファクトも整理して、さらにできれば理論的に整理づけて、英文で何か海外に発信していくということをあるんでしょうか。

○企画課補佐 3Rイニシアティブの閣僚会合のときには、概要のようなものをつくっています。ただ今回、この3Rイニシアティブのフォローアップの事務レベル会合を3月にしますわけです。それに向けて今作業をちょっとずつ進めている状態です。

○細田委員 続けてお聞きします。
  でしたら、このこういう会もアドボックな会議にしないために、できればアジアの発信ということが大きなテーマだとすると、少しボリュームのあるしっかりした説明を書き込んだ我が国の経験というものを、いつでもドイツが進んでいるとか、ヨーロッパに対しておくれているとか、EUがロウズなんてめちゃくちゃなものであっても、ひたすらそれについていくと、何のリスクアセスメントもやらない法律に我々ひたすらついていくということ、こんなばかげたことないわけですよね。我々の概念というものはかなりしっかりしてきているということをきっちり説明責任を果たす必要があると思うんです。この会も、できる限り、事務局の負担もありましょうが、この議論の積み上げの結果等を今までの実績を踏まえて、ぜひ何だか英文で事務レベル会合のときに役に立つような形で、できればつくっていただく。ご協力いたしますのでよろしくお願いします。

○田中委員長 そういうことで、最終的には、高級閣僚会合ですか、事務局レベルの会合のために英文の資料をまとめるということで、崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。
  本当に私もしっかりと今伺いまして、大変ありがとうございます。きちんとまとめていただきまして、それで、あと、私、考えたんですが、例えば、これの別冊になるのかなと思ったんですけれども、私は、こういう政策としてきちんと廃棄物対策をしたときに、それに対応して市民への例えば普及啓発に対してどういう政策をとってきたかということが、やはりすごく大事なんではないかなというふうに感じています。そういう両面が相まって、そういう両方の発信が出ていったときに、アジアの中でもっといろいろなものを感じとっていただけることができるんではないかというふうに感じています。
  どうしてかと言いますと、ことしは、JVCの事業で、タイで市民活動調査などをちょっとしているんですけれども、今、例えばああいうところで政府というか、公共が資源回収の仕組みをつくっているんですが、それに補完するような形で地域の市民が、日本で言えば集団回収のような、そういうようないろいろな仕組みを起こし始めているところなんです。そういうのが少しずつ定着している中、ことし初めてタイの環境省がマイバックキャンペーンというのを今モデル事業でやっている真っ最中とか、やはりそういうことを考えると、日本でそういう清掃協力会であったり、集団回収に対してどういう補助をしてきたかとか、あと、さまざまな施設整備に関して地域との信頼関係をつくるためにどういうふうなコミュニケーションをしてきたかとか、何かその辺のところも少しきちんと整理してはいかがかなという感じがいたしました。いかがでしょうか。

○田中委員長 おっしゃるとおりで、今回は、法制度とか、予算の面で整理していただいていますけれども、具体的には、自治体の取組とか、集団回収なんかも誇るべき内容ですので、そういうのも次回など準備をしておきたいと思いますけれども。
  ほかにございますか。
  中島委員。

○中島委員 大変わかりやすい資料で結構でございますけれども、1点お聞きしたいんですが、11ページの優良業者評価制度、悪貨が良貨を駆逐するのを良貨が悪貨を駆逐するとふうに変えたいと、もともと資源循環型社会の構築の中で、健全な静脈産業の発展と育成が必須であるというような文言になっておりますけれども、実は、現在家電リサイクル法というのは極めて大きな成果を挙げています。ところが、実際排出される量とスキームに戻ってくる量を見るとかなりの量がスキームに戻ってきていない状態です。これ主に経産省からの指摘なんですけれども、これは経済合理性に基づいて外に行っているということを言われているんです。もともと、悪貨が良貨を駆逐するということは、経済合理性に基づいて、こういう動き、例えば不法投棄をするとか、それも、その一時的な経済合理性に基づいてやっている。
  最近、NHKがアスベストの話も中間処理業者が大気に放出してはいけないという話があっても、やっぱり経済環境からどうしてもそんなことをやっておれないよというような話がありましたよね。結局、経済合理性に基づいてうまく循環型社会をつくるというのが、あらゆる施策の根源なんですよね。これ、こう書いてありますけれども、これ具体的にどんな成果が上がりつつあるのかね。何を考えて、どういうことを、どういうインセンティブを優良業者に与えようとしているのか、その辺が考えているのがあればぜひお聞きしたいと思っています。

○田中委員長 また、機会があったらお願いしたいと思います。
  谷口委員。

○谷口委員 3Rの件についてですが、これはあれですか、リデュースのことが、いつも私気になるんですが、排出抑制ということで訳されていますよね。どうして投入抑制ということに行かないんだろうかと。確かに排出を抑制すれば投入は抑制されるんですが、本当の意味で資源生産性を上げるためには投入抑制をして初めてやれるんで、出てきたものを処理するだけではとにかくごみ処理だけになってしまう。
  例えば、具体的に、18ページの食品廃棄物の発生及び再生利用状況という表がありますね。発生量のうち家庭系が1,189万トンあるんです。この量というのは膨大な量なんです。世界の食料援助の量が1,000万トンです。それに対して日本だけでの食品廃棄物が1,189トン、いかにむだなものをコンビニだとか家庭からとか、これは結局これの処理よりも投入抑制、3Rの根本精神はもったいない精神だったはずですね。もったいないということは、最終製品をむだにしないということもさることながら、川上、その製品ができるまでに投入されたエネルギーであり、マテリアルであり、人の誠意だとか、努力だとか、行為とか、そういう川上をもう少し意識したものでないと本当の意味の3Rではなくて、結局はごみ処理に過ぎないなと。ごみ処理をいかにやって循環させるか、しかし、発生はもう手放しだよと。ですから、これはもう消費スタイルにも関係してくるわけですけれども。
  それから、もう一つは、この資料は大変よくできていることは間違いないんですが、現在、日本でシステム的にどういうことが起こっているかと、これがいかに世界で先進的なものになりつつあるかということを、先ほど細田先生が、環境先進国ヨーロッパ、あるいは北欧と言って何でもまねしようとする。そうではなくて、日本のものづくりのシステム変わってきていますでしょう。大量生産、大量消費のベルトコンベアー方式からセル生産方式だとか、注文生産だとか、かなり脱皮してきているんです。それと、先ほど冒頭に私申しました、インダスストリアルエコロジーが日本全国に電力、鉄鋼、非鉄、セメント、製紙、石油精製と、いわゆる産業生態系的なものができ上がっているんです。これは世界に冠たるものなんだけれど、どういうわけかデンマークの一番西にあるカルンボーというところのインダストリアルシンバヨウシスという小さな町のをすばらしいすばらしいと言っているけれども、日本のははるかに進んで広域的になっているにもかかわらず、どうしてこれを世界にアピールしないのだろうかなというふうに思うんです。ですから日本の先進的なところを、特にもう少しアピールできるものを拾い出して見る必要があるんではないかなというふうに思っております。

○田中委員長 おっしゃるとおりで、我々、この3Rは、出たものを適正に処理するということから川上にさかのぼって設計、素材の選定か、あるいは生活様式を変えて発生を防ぐ、こういう概念で使っていると思います。ここら辺も議論が必要だろうと思いますけれども、武内委員、お願いします。

○武内委員 今の話そのものが非常に大事な点だと思いますので、これは、やっぱり基本的には廃棄物の問題に焦点を当ててまとめているので、その製造物過程で廃棄物を減少させたり,あるいはリサイクル推進をするために、どのように日本が取組を進めてきたかということについてもうちょっときちんとその部分を整理した方がいいと思います。
  この参考資料3の、3Rを通じた循環型社会の構築を国際的に推進するためのという、このフローチャートを見ていましても、最初にゴミゼロ社会を国内で実現しというふうなところの例として、環境対策設計製造の推進とあるんですけれども、あるのはここだけで、それで国際協調のところになるとその部分がすっと抜けてしまっているんです。本体の中でも、最初の方にそういうことは書かれているけれども、やはり途中からこの部分が抜けているというのは、これやっぱりもうちょっとはっきり言いますけれども、やっぱり廃リ部でやっているということの限界も一方にはあると思うんです。どうしてもそっちの方に目が行ってしまうという。だけれども循環型社会というものが持っている本質的な性格は、それはもちろんだけれども、やっぱり全体としての物をつくっていく仕組み、物を処理していく仕組み全体を視野に入れないといけないということを考えると、ですから、今の組織そのものがこれでいいのかという問題にもなると思うんですけれども、しかし少なくとも、そんなことを言ってられないので、今の仕組みの中でどれだけその製造物の部分、私はもうちょっと自然のシステムと人工のシステムというところまで行ってもらいたいと思いますが、とりあえずは、その部分まで、どこまで展開できるかということについては、やはりこういう議論でも常に意識しながらやっていただけるとありがたいと思います。
  特に、例えば、途上国という話をしたときに、問題なのは製造物の方、物すごく大きな問題ですよね。非常にずさんな製造物過程の結果として、大量の資源のむだ遣いが起こっていると。リデュースだとかリサイクルという以前の問題で、非常に大きな社会問題が発生していますので、その辺はぜひお願いしたいと思います。

○田中委員長 おっしゃるとおりですが、ここでは、こういう範囲で検討しましょうということで、2月までの範囲では、それを視野に入れながら議論していただいて。
  寺園委員。

○寺園委員 かなり前の先生方に言われたところもありますけれども、私も、細田先生が言われた、海外への発信材料とすることには賛成です。そのときに、よりアジアの国々の方に理解していただけるように、私たちが今振り返ってこういうふうになっているということだけでなくて、もう少し裏側の情報も含めた、そのときにこれで困っているからこういうふうになったとか、逆に、今、コストがかかっているというような話も必要だと思いますし、ちょっと今ぱらぱらと見た限りでは、処理費が上がっていっているという話はちょっと見えなかったんですけれども、恐らく途上国の場合には、そんなことをやろうと思ってもお金がなくてできないとか、自分たちの範囲でできることというのはどうなんだろうという情報も求められていると思いますし、日本で、まだ経済レベルが低かったころにこういうことをやってきたんだというような話もあった方がいいかなというふうに思いました。
  また、中島委員が説明されていましたように、家電も含めて、後払いのコウザイというものがあると思います。なかなか日本が後払いで消費者が払うということ自体ほかの国では理解されにくい部分もあると思うんです。それについては、日本の美徳という、誇れる部分もあると思いますし、ただその結果、やっぱり回収率が一定程度でとまっているという部分もあると思います。その辺を正直に説明できるような資料があれば私は非常に参考になるのではないかなというふうに思います。
  以上です。

○田中委員長 情報の発信の仕方で、なぜこういうふうな取組をしているのかというと、国によっては、日本はすばらしいけれども実行は無理だよというようなものがありますので、それが価値観の共有をしていくのも大事だと思います。
  小早川委員お願いします。

○小早川委員 もういろいろな方が言われたこととダブると思いますけれども、大変よく整理されていて、私、勉強になりましたが、先ほど行政組織の中の所管の問題にもご指摘ありましたけれども、この資料自体を行政がつくっているということもあると思うんです。やはり国の施策をどうやってきたかということがまず柱になっていて、それがどういう成果を結果として上げたかと、そのデータがきちんと出ているんですが、ただやっぱり国だけではないわけでして、そこには自治体の努力もあれば、民間、NPO、その他のご努力もあれば、もちろん事業者の国に言われてやるんではなくて自主的な経済効率性を追及しながらの創意工夫というのもあって、そういう全体の、日本の現在の社会システム全体がこういうふうになっているので、こういう政策もこれだけの成果が上がるんですよと、そういうことだろうと思うんです。ですから、その辺は、もちろんきちんと数量的に解析するのは難しいと思いますけれども、できるところはやっていただきたいし、それから数量的にはなくても、個別事例でもいいから、国以外のシステムが動いているのでこういう成果が出ているんですというような具体例があれば、これは国際的にも発信できるんではないかという気がいたします。もちろん、日本の社会システム全体が理想的だとは思いませんので、その辺のなお改善すべき、足りない実行例についての評価というのも含めてそういうことだと思いますが。

○田中委員長 ありがとうございました。
  酒井委員お願いします。

○酒井委員 この資料は、先ほど日本のアジアへの発信という、そういう視点で作成されているというご説明で見させていただきましたが、もう一つ、ここで考えるべきポイントに、廃棄物移動の南北問題の回避というような視点、その辺もあるというのが、由田部長の説明でもあったかと思います。
  そういった意味で、主には3回目、4回目あたりの議論の一つのポイントになるんでしょうが、ひとつぜひ振り返っていただきたいのが、バーゼル法の約10年、あるいは十数年を運用されてきたわけですが、その運用の実績、あるいはそれを総括、それを踏まえた今後の展開といったようなところでの整理をぜひ1回つけておく必要があるんではないかというように思います。それは、恐らくは廃棄物処理法の中での特別管理廃棄物制度、そことの運用ということとも密接に関係してくる話かと思います。基本的には廃棄物・リサイクル法が同じになって得られる仕事でございますので、根本は、そこが廃棄物問題からの政策であって、これは当然いいと思っておりますし、また製造過程は、きょう陪席されている経産省井口課長のところを含めて幅広に考えていっていただくと、そういう広がりの持った課題でございますから、その中で廃棄物、あるいはリサイクル中心に資料ができていること、これは結構だと思いますので、その中でも、やはり今のバーゼル法、あるいは投下物制度といったところは、ぜひ今のアジアとの協調を考えていく上でも極めて重要な問題だと思いますので、もう一歩ぜひソフトの切り口の部分はお願いをしたいというふうに思います。
  そのときに、少し先走りますが、経産省の産構審の方で、国際資源循環の視点で、いわゆる有害性、汚染性に加えまして、希少性という概念を出された、これはこれで非常に見識のあるご提案だというふうに思いますが、その希少性をターゲットとした場合に、一体何をどこまで意識すべきかということの基礎資料が、どうも私自身が理解できてないだけかもしれませんけれども、少なくとも十分に理解できておりません。国際的、あるいは国産的にどこまでどう意識をして、希少選定のものを意識してリサイクルをすべきなのかというところは、そういう意味ではまだ実は見えておりません。汚染性という意味では、比較でき、先ほど細田先生から、動物資源というのは、リスクアセスのないバロメーター、提案だというご指摘ございましたが、私は決してそうは思っておりませんで、リスクアセス自体が非常に難しいということもありますし、また、政策決定過程自体が一種の社会アセスになっておりますので、そういった中で、出てきている見通しとしては、ロツキの中の個々の物質の展望ということには、何らかの見通しを立てることはできます。ただいまポリシュウカイのジュウミレーテル、これは確かに対象として示されているものその中で、県と対応した話は完全性のアウトだと、ジュウシュソカイのインテコロジーエイテックに対しては当面方針を使おうという、こういう方向での一つの政策決定になってきておりますけれども、こういったこと自体が一種のリスクアセス、社会アセスになっているというふうに思っています。
  それに比較して希少性の部分がある意味で余りに見えないということでありますので、それは、環境省からご提出いただくということ以上に、経産省とご相談の上、ぜひそこの展望を見せていただきたいということでございます。これはお願いで、ご説明いただきます。

○田中委員長 ありがとうございました。
  仲さんいかがですか。

○仲説明員(山田委員代理) 酒井委員の希少性ということに関しまして、我々、非鉄金属の立場から幾つか例を挙げさせていただきます。
  まず一つ、我々、白金属、白金属系、プラチナ、パラジウム、ロジウムといったようなものについて注目してございます。現在、弊社、先ほども冒頭申し上げましたとおり、自動車等々の灰触媒、これを海外を含めまして、回収いたしまして、そこからそういった白金属を回収しております。白金属系の原料、もともとの鉱石というのは非常に世界的に偏在してございます。ナンガト、ロシアです。したがいまして非常に暴騰したり、値段の乱高下いたします。非常に希少なものでございます。大体自動車1台で約1トン強あろうかと思いますが、そこにある触媒が1キロございません。その1キロ弱の触媒の中に、白金属が3元素含めまして約1グラム、たった1グラムですけれども、非常に高価なものですから、我々触媒ごと有価で買ってございます。太平洋を越えまして、フレートも負担した上で買えるものでございます。白金は、そういった触媒ということ以外に、今後燃料電池というようなものにも大変な需要が出てくるんではないかなというふうに考えてございます。これ、自動車、例えば中国なんかでもモータリゼーションとともに触媒で将来発展するんではないだろうかと。
  あともう1点、インジウム、こちらが全世界で年間で数百トンしか生産量ございません。亜鉛の副産物です。亜鉛の副産物で弊社でも生産する以外に液晶パネルの製造工程から発生する、スクラップからインジウムの回収をやっておりますが、それ以外に、亜鉛の回収、これちょっとリサイクルからはちょっと離れてしまいますが、亜鉛の鉱石の中に含まれているインジウムというのは非常に微量でございます。なおかつそこからインジウムを100%回収できるわけではございません。必ず実収率というものがございます。亜鉛の鉱石の中には、亜鉛のほかにカドミウム、インジウム、ガリウム、それから金、銀、銅と含まれてございますが、インジウムの実収率と我々は言っておりますが、それほど高くございません。それを少しでも上げていく、あるいは中国なんかでもインジウムを大きい生産国となっておりますが、技術がまだまだ実収率そんなに高くございません。日本で処理した方がインジウムの回収率が高くなるといったようなこともございます。
  そういった意味で、これはリサイクルではございませんが、日本の高い実収率を誇る製錬所でやった方がインジウムということに関して言えば回収率は高まると、生産量は高まるということは言えようかと思います。

○田中委員長 ありがとうございました。
  武内委員お願いします。

○武内委員 初回ですので、申しわけありませんが、きょうの説明と関係ないことを申し上げたいんですが、ここではアジアを視野に入れた循環型社会の構築に向けての取組ということを議論するわけですが、そのときに、アジアという言い方をしたときにどこを意識しているかということを、やはりきちんと議論しておいた方がいいんではないかと思っています。東アジアと言ったときには、大体こういう議論の中では、多分、日、中、韓ということを意識しながら東アジアと言っていると思いますし、しかしまた場合によっては、東アジアの中に東南アジアを概念的に含めている場合もややあるという、その辺をきちんとしなければいけないということを念頭に置きながら、北東アジア、特にロシアとの関係をどうするかということも考えておかなければいけないということ。それから、太平洋諸島、国連何かではやっぱりアジア太平洋というのを一つの地域だというとらえ方をしますけれども、太平洋諸島も循環型社会に関して問題がないかと言えば、特にいわば廃棄物の末端にいってそこから元に戻らないという、特に海洋諸島だと、車なんかは新車を買わないで全部中古車を買って、それで島の中に山積みしていくというような、そういうやり方がされていて、ある意味で非循環の典型みたいなものが島にあらわれてくるわけですけれども、そういう問題に対する配慮はどうなるのかという話がありますし、それから南アジアとか、西アジアとか、中央アジアは、アジアと言ったときに無視していいのかという、いろいろな問題があって、例えばで言えば、この議論の中では、アジア太平洋、大きくは対象にするけれども、とりわけ東アジア、東南アジア、北東アジアに焦点を当て、かつ東アジアは近隣諸国として非常に密接な関係があるので、ここについては、よりそれぞれの国の特性も把握しながら検討を深めるというような、そういう階層的な理解の仕方をしていかないと、なかなかアジアでずっとやっていくとちょっと破産しそうな気がしましたので、一言申し上げました。

○田中委員長 ありがとうございました。
  谷口委員お願いします。

○谷口委員 ちょっとお尋ねしたいんですが、5ページの低濃度のPCBが混入したトランス等の処理が課題であると書いてあるんですが、これはまだ手つかずだということを意味しているんでしょうか。

○廃棄物・リサイクル対策部長 すみません。産業廃棄物課長がちょっと党の方に呼ばれまして、今、席を外しております。かわって申し上げさせていただきます。
  3年少し前になりますか、PCB特措法をつくりましたときには、実はつくった当事者は承知していなかったものなんです。その後、実はコンタミされているということが明らかになってまいりました。相当量のものがございました。これに関しては、今、処理体制が整いつつあるとここでご説明しました全国5カ所の拠点的施設と言いますのは、これはPCBそのもの、あるいはかなり部分をPCBそのものを使ったトランスレーザーの収容施設としてございます。
  あと、電力会社が、コンタミが起こって、これはかつてかなり以前からわかっていたもので、これは球状トランスというのがそうなんでして、これは、それぞれの四国電力の皆さんがほぼ処理施設をつくって処理をするということが動きつつあると、こういう状況でございます。
  そのほかPCBは、私どもアザーズと呼んでおりますが、蛍光灯の安定器があります。あるいは、当時使ったウエスでありますとか、水処理の汚泥でありますとか、さまざまな、これらの処理も今検討を進めようとしておりますが。
  今ここにコンタミモンと言いますのは、その後、ちょうど私自身が承知しましたのは、3年少し前、突然処理させていただきました。それが大変な……
  さてこれをどうすればよいのかというものが課題として皆様に伺っているという、こういうことです。

○谷口委員 参考までに、その点について申し上げますと、これは、スカンジナビア諸国では、政府がセメント会社に委託して処理しているんです。いとも簡単にできるんですよ。今、フロンも代替フロンもできるし、今やっていると思いますが、秩父の工場で。簡単にできて、何ら有毒ガスの排出はありません。ダイオキシンの発生もありません。だけれどもなぜやらないかと、最初は私やろうかと思ったんですが、なぜやらないかというと、PCBを動かすこと自体が住民運動でブロックされて、そんなやけどをするようなことはする必要ないと、大してもうかるわけでもないのにという意味で私はやめたんですが、ヨーロッパでは、そういうふうに簡単に、フランスでもやっていると思うんですけれども、もうこれはあっという間に電力会社に積み上がっているPCB、トランスのホイルだって簡単に処理ができるんですよ。ただノット、インマイバックヤードの意識が日本は非常に強いですから、それでやれないんですが。環境推進国というスカンジナビア諸国だって、もう実績がちゃんと問題ないということがわかっているんだけれども、住民運動が恐いから手を出さないと、こういうところがあるんですね。ほかにもいろいろな例があると思います。

○田中委員長 また詳しい資料があればちょうだいいただければと思います
  崎田委員お願いします。

○崎田委員 今、私、手を挙げたのは別のことなんですが、先ほどのお話の低濃度PCBに関して、環境省と経済産業省で検討会を、こういうものの存在が明らかになってからきちんと開いていただいておりまして、私も市民として入らせていただいています。最初は、原因究明の委員会というのが事前にちょっとありまして、現在は、その処理に方法についてどう入り口基準をどうするかという話し合いをしているところです。詳しくは、きっと酒井先生の方から出てくるのかなと思いますので。
  それで、私が、今、手を挙げましたのは、先ほど私こういう動きの中には、市民がきちんとどういうことかという両方の連携が非常に大事なんではないかということで、市民側への政策問表をきちんとまとめていただいてからというふうにお話をしました。そのときに、市民側への政策だけでなくて、例えば環境教育とか、いわゆる消費者教育とか、その辺の観点も入れることが大事かなと思っております。
  ちょっと幅が広がってしまうかもしれませんが、実は、例えばJICAの研修などで、日本に来ていらっしゃるいろいろな国の方たちの研修にいろいろ加わらせていただいた経験などもあるんですが、日本でいろいろな政策やハード整備を1カ月ぐらい勉強した方が、最後の数日間、市民がどう動いているかということを知ることで、非常に日本でのいろいろな学びが、急に自分の国に帰ってどう生かしたらいいのかというのがわかるという、そういうような話し合いをさせていただいた経験が非常にあるものですから、ちょっとそういうものがあるということが非常に重要なんではないかなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

○田中委員長 大体ご意見いただいたと思いますが、酒井委員お願いします。

○酒井委員 今、崎田さんの方からちょっと名前出ましたので、先ほどの低濃度のPCBにつきまして、私の個人的な見解を少し話させていただきます。
  先ほど谷口委員から、北欧諸国でもセメントを切るんで、文化を教える日本がなぜできないか、ご自身のご経験でできないことの理由の解説が書いていただいたというように理解をしています。まさに、そういう状況が日本のこれまで続いた経験ということで簡単にはいっていないというところに至っているのかと思います。まさに、これセメント議論での展開が今後提案いただけるものであれば、それも選択肢の一つに入ってくるということになりましょうから、ぜひ後輩の方々にそういうご提案をされるんであればぜひお願いをしたいというように思いますし、また、それ以外の道ということも方法としては模索しないとならないと思いますので、さらに今まさに国の方々、あるいは地方の方々を含めて、知恵を絞っている段階だというように理解をしております。

○田中委員長 ありがとうございました。
  以上で大体ご意見いただいたと思いますので、私なりにまとめたいとは思いますが、当面は3月に高級事務レベル会合のために準備しておるわけですけれども、息の長い国際循環型社会形成の活動ということでは、いろいろの展開、いろいろの面を通して活動しなくてはならないので、今回の高級事務レベル会合というのは、国のこの分野の政策決定者を中心にして集まる会合だと、こういうふうに理解しております。そういう意味では、効果的な情報発信、それから議論のテーマを選ぶということが大事かなと思います。
  それから、私たちが循環型社会をつくろうということに対して、現状、あるいは将来当面する問題を認識して、したがって、循環型社会をつくらなくてはならない、あるいは3Rイニシアティブの重要性ということを共通認識を持つと、そんなことがまず第一で、それから循環型社会はどういうものか、それをつくるためにはどういう方法があるか、そのときに、日本のやっていることが高く評価されて、それを参考にして、問題の解決に一緒に取組と、こういう形になればいいなと思います。
  そういうことで、日本がやっていることがいいことだというのを一緒に共通の価値観の共有化というんですか、我々がいいと思ってやっているんだけれども、彼らもいいと思ってくれるかどうか、その辺の議論をまず第一に必要かなという気がします。
  そんなことで、きょうの議論でいろいろな先生方からご議論いただきました内容をもとに、次回の準備をしていただければと思います。
  まだ議論が、ご意見があれば事務局にご連絡いただきたいと思います。
  それから、最初のときに事務局のメンバーを紹介するのをちょっと失礼して終わりましたので、部長から事務局のメンバーをご紹介いただけますか。

○廃棄物・リサイクル対策部長 すみません、冒頭にご紹介させていただくべきことでありましたが、ちょっと紹介を割愛しましたので、私どものメンバーの方を紹介させていただきます。
  企画課長が、今、少し国会の関係の用で来られておりません。森本と申します。担当の課長でございます。
  それから、廃棄物対策課長粕屋でございます。
  それから、産業廃棄物課長、先ほどまでいたんでありますが、少しこれも席を外させていただきます。関という者でございます。
  それから、その隣がリサイクル推進室長の藤井でございます。
  その隣が、適正処理・不法投棄対策室長の坂川でございます。
  その隣が、自動車リサイクル対策室長の東でございます。
  そのほか、うちのメンバー、あと浄化槽対策室がございまして松原という者が室長をやらしてもらっております。
  以上、きょうから少し長丁場になると思いますが、よろしくお願いいたします。
  それから、先ほど確か武内委員の方から、廃リ部でという組織的なことがございましたが、私どもが担当をさせていただく範囲、その辺を少し周辺の部分を含めてということで、きょうも参加していただいております経済産業省の方のお力添えも得ながら進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  それから、スコーピングの話に関しまして、私どもがお願いしているイメージを少し担当の方からお答えだけさせていただきます。

○企画課補佐 武内委員の方からございましたアジアの範囲でございますけれども、基本的には、日、中、韓を加えました東南アジアも含めまして東アジアと申しております。この東アジア、マレーシア、シンガポール、インドネシアも含めまして、東アジアと言って、ここをまず中心に、2012年の東アジアビジョンに含めて、東アジアを中心にまず検討をするということがスコーピングの第一でございます。ただ、委員がおっしゃるように、その以外の国の取組についても排除するものではなくて、それが、例えば委員からもご案内のございましたような問題については、的確に、多岐に把握していくことの検討を廃止するものではないということで考えております。

○田中委員長 ありがとうございました。
  それでは、次回ですけれども、11月25日金曜日、16時30分、午後4時半からを予定しております。場所は、全国町村議員会館ということで、環境省の場所ではございませんので、ご注意願いたいと思います。
  この際ですので、次々回の予定を調整していただきたいと思います。
  日程などの調整について事務局よりお願いしたいと思います。

○企画課補佐 日程についてでございますが、机の上に予定表を置かせていただいておろうかと思います。12月の後半で予定はさせていただいておりまして、机の上の紙に○等をつけていただければと思っています。12日の週、19日の週でございますけれども、個人の都合等、ご都合もございますと思いますので、幅広くご案内させていただければと思います。場所も可能な限り環境省の方でとろうと思っております。よろしくお願いいたします。

○田中委員長 25日はバーゼル条約の事務局長の山本さんがご出席ですので、そういう機関とも連携してできるかどうかというようなことも検討ができればと思っております。
  それでは、これにて閉会いたします。
  本日はどうもお忙しいところ本当にありがとうございました。

午後0時06分閉会