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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会 (懇談会)議事録



平成16年10月20日 開催
 

環 境 省
廃棄物・リサイクル対策部


議 事 次 第

(1) 市町村による一般廃棄物処理のコスト分析の現状及び一般廃棄物処理システムの変更事例について
(2) 循環型社会の形成に向けた市町村の一般廃棄物処理の在り方についてのヒアリング
  [1] 全日本自治団体労働組合現業局次長 佐藤 稔 氏
  [2] 日本廃棄物団体連合会会長 小林康彦 氏
(3) 循環型社会の形成に向けた市町村による一般廃棄物の処理の在り方について 意見具申(素案)
(4) その他
 

午後 3時00分開会

○企画課長 定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会を始めさせていただきたいと思います。
 委員の皆様には、ご多忙にもかかわらず、また台風接近中の大変足回りの悪い本日ではございますが、お集まり賜りまして、大変ありがとうございます。
 本日は、9名の委員からご出席の連絡をいただいております。しかしながら、定足数の過半数に達していないということでございますので、懇談会としての開催ということになります。
 なお、黒氏委員の代理といたしまして、全国市長会社会文教部長の猪塚さま、岡部委員の代理といたしまして、自治労廃棄物政策委員会の小畑様、柿本委員の代理といたしまして、奈良県生活環境部次長の田中様、佐々木委員の代理といたしまして、経済同友会エグゼクティブエキスパートの山口様、永利委員の代理といたしまして、日本商工会議所産業政策課長の荒井様にご出席いただいております。また、小早川委員、大塚委員及び萩原委員におかれましては、私用により遅れていらっしゃるというご連絡をちょうだいしております。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料をご確認を賜ればと思います。
 資料一覧をお配りしてございますので、不足がございましたら、事務局までお申し出ください。
 それでは、これ以降の議事進行を花嶋部会長にお願いを申し上げます。
 よろしくお願いいたします。

○花嶋部会長 それでは、早速でございますが議事に入ります。
 本日は、前回の会議の際には時間が不足いたしておりまして、ほとんど議論ができなかった一般廃棄物処理のコスト分析の現状及び一般廃棄物処理システムの変更事例に関する議論から始めたいと思っております。
 前回の資料の内容を確認するために、事務局から簡単にご説明をお願いいたします。

○廃棄物対策課長 それでは、資料の方の参考資料1と参考資料2をお開きいただければと思います。
 前回のときに一当たりご説明させていただきましたが、今座長の方がお話がございましたように、余り議論をする時間がなかったということでありますから、ごく簡単におさらいだけをさせていただきたいと思います。
 まず、参考資料1でございます。市町村による一般廃棄物処理のコスト分析の現状ということであります。
 これは、コスト分析の必要性のところに関しましては、いろいろな一般廃棄物の処理というのはどのぐらいかかるかという非常に素朴な話から始まりまして、こういう必要性があるのではなかろうかということでありますが、1つはコスト分析をやられているところもございます。
 環境省で統一的に一般廃棄物処理実態調査というのをやっているんですが、ここでのコストはトータルの歳入・歳出というようなことであるのに加えまして、施設整備とか車両購入などの経費を、建設する年とか購入の年に経費として計上して、他の年度には経費で反映されていないようなこともございまして、なかなか具体的に比較ができないというようなこともございます。
 こういうふうな状況を踏まえまして、今回市町村の中からコスト分析をしていらっしゃるところで5か所選定させていただきまして、この状況を見させていただいたということであります。
 2ページをお開きください。
 A市、B市、C市、D市、E町とございますが、人口規模は220万人、57万人、41万人、7万人、3万人と大体人口別に大中小となるぐらいのところを選ばせてもらっております。これは、いずれもコスト分析をしていらっしゃるというところでございます。
 それから、コスト分析の概要に関しましては、ページ3のところの表2のコスト分析の概要というところであります。これは、何のためにコスト分析をしたのかということで、多くは処理手数料の算定根拠を求めるためでございますが、処分場の運営管理のためとか、あるいは費用分析における検討内容とかいうところもあるわけであります。
 あと、コスト分析の実施時期もばらばらでありますが、一応何らかの形でやっており、対象となるごみも必ずしも統一はされていないという状況ですが、一応、5つの段階についてやってみましたということであります。
 そこで、5ページでありますが、コスト分析の対象範囲としては、表の3のところを見ていただきますと、作業部門と管理部門に分かれております。それで作業部門の中には、人件費、物件費、減価償却費、公債利子等ということ、管理部門にも人件費、物件費、減価償却費、公債利子費等に分かれたわけであります。特に、作業部門に関しましては、それぞれ人件費でさらに細かく、特に物件費ではさらに細かく分かれるわけであります。減価償却もそれぞれ分かれているわけでありますが、これらを比較しますと、対象としている範囲もそれぞれ市町村によって異なるということがお分かりになっていただけると思います。
 表4のところは、特にその中の減価償却の考え方というのが相当大幅にそれぞれの市によって違っているというところを示してございます。
 それから、6ページでございます。特にコスト分析におけますときの共通経費のようなものをどう配分をしているかということに関しましても、それぞれの5つの市町村で考え方が異なっているというものが表5のところに示しているわけであります。
 それから、コスト分析結果ということもそのように違った形で分析している結果ということになるのかもしれませんが、7ページのところで結果が出ておりますが、さまざまな結果の出し方になっております。必ずしも統一はされていないというものであります。
 8ページを開いていただきますと、3のところにコスト分析における論点ということでまとめを、今後こういうことに留意すべきではないかというような論点を掲げております。
 まず、第1は、コスト分析とか、開示の必要性ということであります。これに関しましては、さまざまなこれからの市町村における一般廃棄物処理事業、特に3R政策を展開しているというような中で、選択肢も多様化してきております。こういういろいろな新しい費用負担を伴う場合もございます。こういうようなことからも、いわゆる市民にコスト情報について開示してくことがより必要となってきているのではないかということであります。
 2番目は、そうは言いましても、コスト分析が各市町村でばらばらでどういうふうに比較したらいいか分からないというようなことでございます。いわゆるコスト分析のある程度の標準的なものを我が国全体として循環型社会を築いていくためには、この基礎情報でありますから、コスト分析の標準化がされていることが望ましいのではないかということであります。
 それから、第3点目でありますが、このコスト分析の標準化をしようと思ったときのどんなところが課題になるのかということであります。3つぐらいに分かれますが、1つは対象範囲をどうするかという問題、それから共通経費をどう分配するかという問題、特に減価償却に関してどう考えるかという問題がございます。コスト対象範囲の問題に関しましては、特に特記すべきところは、埋立処分地でありますが、この最終処分場の土地というものをどのように考えるかということがはっきりしていないということであります。特に会計原則では土地は減価しないと、こういうことになっておりますが、実際上さまざまな視点があるわけであります。
 それから、いろいろな負担金・補助金・交付金・報償金などのことで用語は使われておりますが、これも必ずしも一致してないので、この辺は一致させる必要があるのではないかということであります。
 それから、第2点目のところは、共通経費の配賦方法の点であります。これは、いわゆるパンフレットとかいろいろいろなものをつくって啓発なんかをするわけでありますが、これについてもどこにどう当てはめるのか、あるいは管理部門というのが共通の廃棄物処理に関してもあるわけでありますが、これをどこにどのように割り振るのかというふうな問題などがあるわけであります。
 それから、3つ目としまして減価償却に関してどのように考えるのかということであります。例えば、焼却炉があるわけでありますが、これが廃止された場合に、あとは解体費用がかかるだけでありますから、本来はマイナスになるというようなことも、当然当たり前のことでありますが、あるわけでありますが、その辺の設定、どのようなことを考えるかということ。それから、補助金というのが入っておりますが、これをどのように考えるかということ。この辺が論点というふうになろうかと思います。
 こういうことの調査を出して報告を前回いたしたということであります。
 それから、次の参考資料2であります。
 これは、市町村における一般廃棄物処理システムの変更事例ということであります。これは、一般廃棄物処理システムの変更というのは、近年それなりにあるわけであります。どのような場合にシステムを変更していったかということが1点でありますけれども、これも具体的に市町村5つ選びまして、例をそれぞれどのようなことであったかというのをここに掲げております。
 動機としましては、いわゆる最終処分場が逼迫していることから処理システムを変更した、あるいは焼却施設での爆発事故などがあって処理システムを変更したと。こういう施設にかかわるものが、現実に目の前で起こったことに対する状況に対するものが1つ。
 それから、もう1つが中間処理施設などを更新した、それにあわせてやったというものの大きく2つに、この5つが分かれておるわけであります。これが2ページのところの表1のところにどういう動機であったかということが挙げてございます。
 それから、今度はこれをどういう視点から分析したかといいますと、3.のところの一番最初にありますように、住民意識、あるいはごみ排出量、最終処分量、再資源化率、それから廃棄物処理経費の5つの視点からこれを、割合、すべてが定量的にはなっておりませんが、定性的なところを含めて記載しております。
 3ページがA市であります。A市におけるシステムの変更の特徴というのを真ん中の段に上ところに書かれております。一応概要を書いてあります。
 それから、その下のところに分別区分の変更状況ということで、変更前と変更後を書いております。大体変更後の方が区分が増えているのが通例であります。
 それから、4ページでありますが、これは処理システムに対しまして、この変更後影響したものは、どういう影響をしたのかという、先ほどの5点につきまして、システムの変更に伴う影響というのが、A市ではどのようなことであったかというのを下の表のところに掲げてございます。
 それから、5ページがB市でございます。同じことを同じやり方でいつどのようなシステムの変更をしたのか、分別収集の区分がどうなったのかというのが5ページであります。
 6ページが、その評価であります。住民意識等々どのようになったかということであります。
 同じく7ページがC市ということであります。
 9ページがD市であります。
 それから、11ページがE市ということであります。
 13ページをお開きいただきたいと思います。13ページに関しましては、いわゆる一般廃棄物システムを今後構築していく場合の方向性に関する論点というものをまとめてございます。市町村におけるこの処理システムの変更事例ということに見られますように、市町村でいろいろな地域の実情に応じて、さまざまな手段を組み合わせて、システムの変更を行っております。例えば、分別収集する資源化物の品目の数を拡大するとか、あるいはガス・スプレー缶などの分別収集を開始するとか、あるいは容器をリサイクル法に基づく容器包装類のリサイクルの分別の促進でありますとか、あるいは廃棄物処理技術の高度化ということで、ガス化溶融炉の導入をしたとか、あるいはプラスチックを焼却をすることにしたとか、あるいは生ごみの分別収集したとか、堆肥化を行うとか、こういうさまざまなことであります。
 これは、循環型社会を目指していこうということに対する認識は、基本的にはすべての市町村で一致しているということだと思いますが、この各市町村それぞれ独自の判断でシステムを構築していこうということでありますから、方向性は必ずしも一致していないということであります。
 こういうふうなことから、我が国全体として、最適な一般廃棄物処理やリサイクルシステムを構築していくための基本的な考え方と必要な情報を検討・整理していく必要があるということであります。その検討項目の例として、(1)から(3)までということを提示をされておるわけであります。
 まず、第1は(1)でありますが、ごみの種類ごとの基本的な分別収集区分と再資源化・処理の考え方であります。これは市町村によって再資源化とか、分別収集区分や処理方法、リサイクルの方法が大きく異なる廃棄物に関しましては、やはり基本的な分別収集の考え方に関しては、国として方向性を示すべきではないかと、こういうことであります。例えばここにありますのは、「原則としてプラスチックごみは直接埋立しないこととする」などであろうかと思います。ということであります。
 (2)のところは、環境影響・経済性・利便性・地域特性等、総合評価の方向性であります。実はこの問題、いろいろな処理システムをつくる場合には、今申し上げましたような環境影響でありますとか、あるいは経済性でありますとか、利便性でありますとか、さまざまな地域特性というふうなものを評価軸を、当然どこでやる場合も総合的に評価する必要があるわけでありますが、この評価軸がトレードオフの関係になっておる場合が多うございます。したがいまして、そういうことからそれぞれの市町村がどのような評価を行うかによって、判断が異なってくる。このため結果が異なると、こういうことになるわけであります。循環型社会の形成に向けまして、こういうシステムをどう構築をしていくかということに関しまして、こういう評価軸をどのように考えていくべきなのかということを国としてやはり基本的な考え方を示して、総合的な評価の方法というものを国として検討していく必要があるのではないかというのが、2点目の論点であります。
 次の最後のページ、14ページでありますが、分別収集などに関しますこういうことによりどういう効果があるのかというのは、例えば情報の提供ということであります。これは、こういうシステムを変更する場合には、特に地域の住民の方々に明確にアカウンタビリティといいますか、説明をしていくということが必要になるわけでありますが、そのためにはさまざまな情報の提供をきちんと行っていって、継続的にその地域の住民の方々の理解と協力を求めていくことが必要ではないか。このために、国としてこういう循環利用とか処分という循環型社会を形成していくためのさまざまな天然資源の節約効果でありますとか、あるいは環境負荷の削減効果に関するような、こういう基礎情報の充実に努めて、積極的に提供を進めていくべきではないか。
 こういうシステムに関する論点が一応ここでまとめております。これは変更の例を使いましてこのような解析をしたということで、非常に役に立っていたということで、前回、ご説明をさせていただいたということであります。
 以上でございます。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 では、これにつきまして何かご質問、あるいはご意見ございましたら。どなたからでも結構でございます。

○横山委員 参考資料2で既にシステム変更をやったところはかなり効果があらわれていますよね。例えば再資源化率がアップするとかですね。それで、例えばE市の場合ですが、平成16年4月にシステムを変更したということでデータは出ていませんけれども、半年たってやはりかなり効果があらわれているのかどうか、そういうデータがあったらちょっと教えていただけますか。
 それはもう1つ、Dもそうですね。Dも平成14年4月にシステム変更をしていますので、そのデータもあったら教えてください。
 それから、参考資料1と2、全部A市・D市になっていますが、特に参考資料2なんかは名古屋とか水俣というのは読めばすぐわかるようになっていますが、なぜ具体名を挙げないのか。挙げた方が市町村の努力とかそういうことで一般の人も理解してくれるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○廃棄物対策課長 市町村を伏せてあるということでありますが、中には挙げていただいてもいいというところもあるのですが、中には伏せた状態で調査をするのですべてをお話しいただけるというところもありますので、このようにさせていただいたという整理であります。
 それから、その後の結果は、今のところまだ入手できておりません。また分かれば、この審議会で機会があればご報告させてもらいたいと思います。

○花嶋部会長 ほかに何かございませんでしょうか。
 どうぞ。

○荒井説明員(永利委員代理) 参考資料1のところの8ページのコスト分析の論点のところなんですが、例えば市町村で分別をより細かくというか、しっかりやって、結果的に廃棄物が減って、例えば最終処分場の延命というか、負荷が減ったというようなケースがあると思うんです。その減ったというような部分というのは、これはどこかにコスト計算上は反映できるものなのか、ちょっと教えていただきたい。

○廃棄物対策課長 現在、ここのところが一番難しい部分の1つだろうと思っております。この調査に関しましても、関連部分でこの8ページの一番下のところに、「また、埋立処分場の容量に着目した場合、新規の埋立処分場が確保できるかどうかによって、既存の容量の重要性が大きく異なる」というところのくだりで、いろいろな多くの意見が含まれているはずなんですが、今まさにご指摘の部分の評価の方法というのは今ございません、正直言いまして。したがって多くの市町村もここのところがやられていないということであります。
 これには、ここに書いてありますように、まずは最終処分場の土地というものが、土地は減価しないという原則があるので、そこはどう評価するかというところから始まりまして、今おっしゃるように、埋立空間を持っている最終処分場が中間処理で減ったから最終処分場がどのぐらい助かったのかというは、もし計算しようと思えば、つくったときの計算から割り戻してということは、1つの手法としてはあろうかと思いますので、私もしたのを見たことがありますが、どうもどのぐらい減ったら本当にどのぐらい減るのかって、なかなか難しい部分だろうと思います。この辺はまさにコスト分析の課題ということで、これからやっていこうと思っております。

○花嶋部会長 他にございませんでしょうか。
 もしございませんようでしたら、これはまた今後続く議論でございますので、今日はこれぐらいにしていただいて、ではその次の課題に進みたいと思います。ようございますか。
 課題2といたしまして、ヒアリングに入りたいと思います。
 全日本自治団体労働組合の現業局次長の佐藤様よりご意見をいただくことになっておりますので、佐藤様、よろしくお願いします。

○佐藤説明員 ありがとうございます。
 自治体現場で事業に従事している者からこういう発言の場をいただきまして、大変ありがとうございます。
 今日は、提出させていただきました資料につきましては、4ページにわたって、総論的に述べている部分もありますし、今ご議論ありました参考資料の1・2の関係、そして事前配付の素案の関係との絡みがあろうかと思いますが、報告をさせていただきたいと思います。
 まず、ごみ減量・適正処理の推進の関係でありますけれども、これは生活系のごみにかかわりましては、重量ベースで紙・厨芥・プラスチックで大体どこの都市でも70%から80%重量ベースになろうかと思います。そういう意味で、大きく言えば紙・厨芥・プラスチック、この部分についてどうしていくのかということが求められると思っています。プラスチックにかかわりましては、一方の容リ法改正のところでも議論されておられますので、ここでは紙と厨芥の部分について容リ法の改正のところにも触れられていましたけれども、述べさせていただいております。
 紙の関係について言いますと、一般廃棄物での紙類、容器包装リサイクル法対象物を含めて、これらは古紙回収とも非常に絡んでまいっております。そういう意味で、後の部分でもいわゆる1970年の専ら物にかかわっている再生資源、回収業者との絡みも出てくるわけでありますが、やはりこの際紙については国全体の法整備・制度の確立を図る。これは資源回収業などの方々の組織化、大手製紙メーカーも参加し、再生紙産業の連携のもと、各界の役割分担による企業の形として、やはりこれはもう日本国内で地域偏在を避けたプラント建設・運営などをしながら、紙については、ひとつ大きく法整備・制度確立が図られるべきだというふうに思っています。
 厨芥類につきましては、この間のリサイクルの問題でも出ておりますように、自治体の責任ということがあるわけでありますが、その本格的取り組みを開始するにしても、リサイクルの出口を多様な形で設定し、使用価値は幅広く、いわゆる捌けていくということがない限り、前に進んでいかないと考えております。
 2つ目の事業系の減量の問題についてでありますけれども、これはこの間もずっと言われてきました。いわゆるPPPの原則のもとにある産業廃棄物の世界に即行くことはないけれども、やはり処理にかかった費用を全額負担とする排出者責任の強化を求めるべきだと考えます。さらに現状では減量、分別リサイクルの停滞、もしくは悪化が起こっているというふうに考えていますが、そういうふうな事態が各自治体で出ておろうかと思っております。そういう意味でこれらの対策強化が求められると思っています。
 そして、それらに対して、いわゆる経済的インセンティブの問題でありますけれども、これは事業系の事業場の中から出てくる分別排出の資源化対象物については無料で行う。そのことを十分排出事業者にも周知徹底を図りながら、このことを通じて、許可業者と資源回収業者のすみ分けを進めることにつながっていくと考えられます。
 こういうふうにさせていただいておりますのは、やはり1970年の処理法ができ上がった段階での第7条で出てまいります専ら物、この物について、やはり91年の法改正なり、2000年の循環型社会形成推進基本法が出てくる中で、循環資源という概念まで出てきておるわけでありますから、そういう意味で一般廃棄物にかかわる許可業者の方々がやはり携わる領域、そして再生資源業者の方々が携わる領域、区分の明確化がやはり求められていって、そのことですみ分けが進んでいくというふうにも考えておりますし、そしてそのことは生活系の紙についていうところの中身にも連動していくというふうに、極めて具体的に効果があらわれていく内容と考えています。
 そして、廃棄物処理施設の基盤整備についてでありますけれども、これはこの間の国会の附帯決議でとりわけ言われてまいりました首都圏、近畿圏にかかわる域内で可能な限り処理が行われるよう、必要な処理施設の整備を促進することが数度にわたって決議されておられます。今後、これらについて早急に展開すべきと思っていますし、自治体の側からも自治体で働く我々の労働組合の側からも、これを積極的に進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っています。
 その次に、有料化にかかわってでありますが、これは非常に素案の考え方ともぶつかるところでありますが、実際に自治体で働いておる者として、こういう意見を持ってきております。有料化については、四角囲みの中に結論部分があるわけでありますが、(1)から書いていますように、一番正当な有料化という、排出者の住民の方々に理解をいただくということで言いますと、排出量に合った有料化になります。この場合、量の算定、料金の徴収ということで莫大な経費がかかるということから、これはもう不可能と考えています。
 2つ目は、排出者責任を強化する観点からの有料袋によるケースが多く自治体にありますけれども、実はこの有料袋にしても、生活ごみの特性がありまして、腐敗・腐臭という問題がありますが、必ず夏場、東京なんかでもそうですけれども、夏場週2回は最低出さなければ、腐敗腐臭問題が出てきます。そういう意味で、有料袋ということで袋出しということになった瞬間に、減量に努力すればするほど袋に入れる量が少ないにもかかわらず出さざるを得ないという生活ごみの特性という現象が起こってまいります。
 3つ目は、非常に分別の多品目化で効果があると言われながらも、結果的にその分別のための袋の種類が非常に多くなってくる「細分化」という問題、そして、保管、分別保管、特に都市部ではなかなか保管ができない家庭が多くあるわけでありますから、あるいは住居状態が多くあるわけでありますが、どうしても満杯にならなくとも排出せざるを得ないということになっています。ということになりますと、実は議会で条例化された段階で想定されていた料金から住民の負担の額が1.5倍から2倍になってしまうという例がやはり幾つかの都市からも報告を受けてきております。
 さらに4点目は、一定量までは税による対応として、それを超える場合は従量制を中心に有料性を実施してきておる自治体が多くあるわけでありますが、この場合一定量までも有料化した場合のその取り扱いという部分が課題として残ってくるだろうと思っています。
 5点目は、先ほども有料化にかかわって報告をされていました全国都市清掃会議の方でも調査結果を出されて、有力な方法であることがさまざまな角度から検証されたと報告されています。実は自治体によって、本当にそこまで努力をしておって、有料化ということになったら、結果的にはなかなか効果が出ていないという、そういう実は非常にリサイクルは進んでおるにもかかわらず、今までの自治体の努力について、自治体だけではありません、住民団体の努力されてきた内容など、それぞれの努力についてがなかなかまだ検証できておる状況ではないと考えています。
 そういう意味では、循環型社会の形成に向けてはそうした排出源、そういう上流での対策がどう具体的化されたのかの検証については、今のところ「有力な方法であるということが検証された」となっておりますけれども、そこの検証についてはされていないと考えています。そういう意味で、減量・リサイクルに努力を傾注してきた住民や自治体への評価がこれまた数量的に計算される方法がまだ確立されていないと考えています。更にまた数量的に確立されていないというのは、先ほど由田課長の方からありました最終処分場のそういう数量的な価値をどういうふうに見るかということについて報告があったわけでありますが、やはり日本でも大分研究が進んできておりますけれども、最低容リ法対象物ぐらいの製品が製造から廃棄に至るまでのライフサイクルアセスメントという視点から数量的に評価がされていく、そしてそのことが、リサイクルしやすいのかしにくいのか、そういう自分にとってわかりやすい結論に結びついていくのではないかなと思っています。
 そういう結果、非常にそういう課題があるということから、有料化の問題については、総合的な施策展開が求められるということは、これは共通認識だと考えているわけでありますけれども、今のところ、そういう総合施策というものがさまざまな地域、住民とのかかわりの中で形成されていくわけでありますから、少なくとも現時点で各自治体の条例で定める有料化という問題については、国が介入すべきではないと考えております。
 3点目は、廃プラの取り扱いでありますが、これは先ほどから言われておりますので、ごく簡単に報告したいと思いますけれども、少なくとも1点目に書かせていただいたのは、廃プラを焼却処理していく場合のやはり基準を明確化していくべきだと考えています。
 2つ目に、埋立処分については、やはり素案にもありますように、やめるべきと考えています。
 3点目は、循環型社会の推進ということから言うと、プラスチックをどのように減量・再利用・再生利用していくかのプロセスが欠けたままでの焼却処理では逆行するわけでありますから、容リ法との関係も含めて取り組んでいかなければと思っています。
 さらに、3ページ目の1行目に移るわけですが、また早急に取り組む課題として、これは容リ法改正のところ・容リ法の見直しのところでも言われていますけれども、早急に取り組む課題としては、やはり住民、利用者にわかりやすい素材別の番号表示というんですか、プラにかかわってのPEなりPS、あるいは番号でも結構ですから、せめてアメリカでもやっているぐらいの素材別の表示ぐらいは早急に取り組むべきだろうと思っていますし、やはり容リ法の見直しでもありましたように、ただ乗り業者をやはり許さないためにもリサイクルマークの表示なども同時に進められるべきと考えていますが、とりあえず住民、利用者にわかりやすい素材別の表示が制度化されるべきというふうに考えております。
 医療系廃棄物にかかわりまして、ここで出させていただきましたのは、現実に現在高齢化、あるいは高齢化の進捗、さらにまた地域医療、在宅医療が求められていくという、そういう状況の中で、家庭から出てくるような医療系廃棄物という問題が非常に多くあります。ちなみに私も収集作業中に町の病院でありましたけれども、黒いビニール袋をむずっとつかんだら、指先に2、3本注射針がついていた経験を持っています。そういう意味で、各家庭での医療系廃棄物も、これは当然地域医療なり薬局なんかを通じた形になっていくわけでありますから、そういう意味で医療系廃棄物については、やはり分別が非常にわかりにくく、特に収集する側からは、感染性か否かはわからないというのが、(いろいろマニュアルをつくっていただいてご努力をいただいておるわけでありますが、)なかなかそこはやはり徹底仕切れないだろうと思っています。
 そういう意味で、処理費用の関係についても感染性とそれ以外では格段の差がある、これは感染性の関係でいったら、1トン、15万円から20万円とも言われておるわけでありますけれども、やはりその辺では日本の処理技術の皆様方も非常に努力をいただきしまて、極めて低廉な、ヨーロッパレベル以下の低廉な料金で医療系廃棄物を一括処理できるぐらいの処理技術が十分日本の業界の皆さんが持っていただいておると思っていますので、そういう意味でこういう医療系廃棄物について、ひとつ適正処理とより低廉な処理料金設定を可能とする新しいシステムとして、医療系廃棄物の収集形態をつくり上げていくべきだろうと思っていますし、最近では、非感染性廃棄物とされますDNA関連廃棄物や抗悪性腫瘍剤なども出てまいっておりますので、それについても、現場で従事する我々にとっては非常に関心度が高いところであります。
 そして、最後の5点目の最終処分場未保有の515自治体などを含めた廃棄物処理施設整備の財源確保、長々と書いておりますけれども、これは財源確保と書かせていただきましたように、いわゆる現在進んでおる三位一体改革にかかわっての思いについて整理をさせていただいております。
 もちろん、三位一体改革の趣旨であります地方分権自治の確立のために三位一体改革を進めなければならん、こういう思いについては当然私たちも一緒でありますけれども、しかし、今日まで国が果たしてきた役割、後で1点目から4点目のことまで述べさせていただきますが、国が果たしてきたやはりきちんとした役割、この部分をどう担保していくのか、さらに廃棄物処理にかかわるナショナルミニマムをどのように担保していくのかということについて、欠けたままでのいわゆる一般財源化の問題等については、非常に問題があると考えております。
 そういう意味で、1点目から触れさせていただきたいと思いますけれども、これまで複数または多数の自治体をまたがる広域的な処理体制づくりでは国の補助金による指導も合わさって適正処理体制が求められてきました。今後その機能はどのような形で発揮されるか明らかになっていないと考えています。
 さらに、(1)の最後の方では年次計画など、適正規模での必要施設数を検討・協議して、年次計画で必要な資金確保の合意を見るという作業がなければ、地域偏在や長距離搬送などを解消することなども解決困難と考えます。素案のところなり、参考資料のところでも触れられましたけれども、総合的なシステムの最適化という表現で言われておられると思いますが、まさにそのことがどう担保されていくのかが、一般財源化だけでは出てこないと考えています。
 さらに(2)では、これらの財源化の問題については、随時の地方債や交付税の交付であったにしても、画一的な計算方法で画一的な対象物に対し、機械的に措置されるような一般財源化では、やはりこの間の各地域のさまざまな公害対策、ダイオキシン対策を含めたさまざまな工夫や技術的に先進的なな取り組みなどが後退していく可能性があると考えています。
 さらに、下から2行目でありますが、焼却処理や最終処分に当たっての処理施設の構造基準や性能基準にしましても、環境保全対策としての基準自体の自主的な高度化、それらに見合い、かつそれらにこたえられる財源措置がやはり求められていると思っていますので、そこの部分が担保されなければ、日本の廃棄物処理というのが高度化、あるいは前に進んでいっていることが逆行する流れになるのではないかと考えています。
 その次に(3)で、さらに先ほどありました最適化システムづくりと同じイメージと自分なりに思っておるわけでありますが、国・地域の将来のありようを国民的な合意形成へと進め、地域住民の意見反映と信頼醸成を図ることが可能となる、そういう制度・体制づくりが求められていると思います。そういうことが担保されない状況での進捗というのは極めて危惧しているところであります。
 (4)に書かせていただきましたのは、まさにそういう状況の中で一般財源化が進むようなことがありますれば、今まで申し上げてまいりました既述の課題の解決とともに将来の施設建設が担保されるような、例えば廃棄物適正処理基金などを各自治体において従来の補助負担金を組み込んだ何らかの積立金設計をしていかなければ、やはり迷惑施設として位置づけられている、なかなか建て替え建設ですら、非常に地域住民の了解を得るのは難しい、新規建設ならもっと、そしてさらに我々の経験からしますと、廃棄物処理施設は「いるよ」と議会の中では総論賛成と言われる議員さんが、いざ自分の地域・区に戻ったときにどんなことをおっしゃられるか、私たちはつぶさに経験してきております。廃棄物処理施設のやはり国としてのきちっとした体制づくり、国のナショナルミニマムづくりというのが最低限なければ、日本の廃棄物処理行政は間違った方向に進むと考えておりますので、総論にわたる部分、自分の経験なり、さらに現時点での思いを込めて報告をさせていただきました。
 長々とご静聴ありがとうございました。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 では、今のお話につきまして何かご質問、ご意見。
 どうぞ。

○筑紫委員 どうもありがとうございました。
 2ページの有料化についてのところで(1)の一番正当な有料化は排出量に見合った有料化であり、この場合、量の算定、料金の徴収に莫大な経費がかかるというお話なのですけれども、実施が不可能というふうにおっしゃっておられるんですけれども、ドイツにおりましたときに、ドイツのごみは各家庭がごみ箱を借りるんですね。そして、この大きさで大きいのもありますし小さいのもありますし、それを週に何回というふうに決めてお金を払って、取りにくるときにはロボットが、ごみ箱を自分の家の前に置いておくとロボットがごみ箱を抱えて、どんとトラックの中に入れてしまうんですけれども、そういう形で、ですから、もし自分のところが年間契約を州なり自治体とするわけでなんですが、そのときに例えば家族2人になってごみの量が少なくなったとなったら、小さなごみ箱で契約をするということで、有料化が、排出量に見合った有料化というのが、どうして日本でそんなに難しいのかということがわからないんです。
 それから、もう1つは、私どもも今ごみが有料化されましたときに、ごみ袋が5リットル、10リットル、1リットルとあって、3種類持っていて、頑張ると1リットルのものになるという形で、自分で努力をしたり、それからそこのところで生ごみとかそういったものは結局5リットルだったのを1リットルにしてしまうといいますか、そういう努力で、5リットルなのに、買ったのに、3リットルぐらいだと、そこは損してしまうねというようなお話はあるんですけれども、1リットルにするように努力することと、あとそれから傾向として、何かを買うときに絶対にごみになるようなのをもらわないという感じで非常に敏感になって、いらない、いらないといつも叫んでいると。どうせごみになるんだからいらないと言って持って帰るという傾向があるので、そんなにご心配なさらなくても、この辺のところ、私の実感ではよろしいのではないかなと。
 お聞きしたいのは、排出量に見合った有料化が非常に難しいとおっしゃっておられることが具体的によくわからなかったので説明してください。
 ありがとうございます。

○佐藤説明員 僕もドイツにも行かせてもらって、非常に大きな袋で大きなコンテナで排出されている。その辺の関係についても見させていただいていますけれども、日本の場合、都市部をイメージしていただきますと、どのようなごみの出し方があるのかをイメージしていただきたいです。入れ物容器に出して出すところも多いですけれども、ほとんど東京都内歩いていただきますと、持ち出しステーションみたいな感じで全部が持ち出してやっている場合があるんです。まず、持ち出しステーションの形になったら、だれが何ぼ出したかというのは1つもわかりませんよね。不法投棄もそこへきたらもう全然わからないわけですから。そういう意味でいうと、軒下収集、各戸収集という形になっていきますから、各戸収集の中で、例えば大きさのところでおっしゃられていますけれども、その1つ1つの重さについてどのようにはかっていくのかというやつを、例えば水道の検針員、ガスの検針員、電気なんかの検針員の方をイメージしてもらったら、その人らが週2回そういう検針をしていかなければごみの料金設定ができていかないということが結果的に起こります。今度は、ごみ料金がそれで決定すれば、そのごみの料金の回収に入るわけですから、このコストは膨大なもので、ちょっとイメージ的に僕の説明が理解されにくいのかもわかりませんけれども、いわゆる都市生活におけるごみ排出を考えていただいたときに、そのごみをだれが重さを確認をし、だれが料金を徴収するんですかということになったら、今申し上げましたように軒下収集、この物はだれのですかということをきちんと把握をできるようなシステムができなければいけないし、まずそうなれば場所がない、都市部でいえば。もしそういう形で出したにしても、それを1つ1つはかっていかなければいけない、そして料金も集めていかなければいけないというような、それこそしょうもない益にならないコストがかかってしまいます。

○筑紫委員 今、佐藤さんの方がお考えていらっしゃるのは、今の東京の現実といいますか、特に東京都に住んでいる人の現実ということで、私はたまたまドイツの方でもそんなに大きくない街で一戸建ての家がそういうふうにやっているのを見て、それからそのときにわざわざ重さがとか何かというよりも、そのごみ箱の大きさだけで料金を決めていたんですね。ですから、東京都でそれが難しいということであっても、いろいろな市町村の中で、そういう余り規模の大きくない街だったらばそれが使えるかもしれないとかというようなことも考えられるかなと思ったので、お聞きした次第です。

○佐藤説明員 それはそうだと思います。

○花嶋部会長 崎田さん。

○崎田委員 すみません。私も実は今お話を伺って、いろいろな部分でご意見をお話しされて、ちょっと有料化について私もご質問をさせていただきたいと実は思っていました。
 どういうことかといいますと、実は私地域の自治体の廃棄物関係の審議会の委員というのをかなりたくさんやらせていただいているんですね。そこに生活者として私は意見を言わせていただいているんですけれども、今雰囲気的には、企業の方の拡大生産者責任によるいろいろなリサイクルのシステムというのも随分出てきておりますので、例えば企業の方、消費者、自治体、それぞれの立場でどういうふうに責任をとっていけるかということを共に考えようという、そういう雰囲気が随分出てきているというふうに私は感じるんですね。
 そういう中で、私も生活者の立場で発言をしながら、行政の方も普及啓発を長年やっていらして、なかかな危機感が伝わらない消費者が多いという現実の中で、やはり困っていらっしゃるというような感じを大変強く受けるのですね。そういう意味で、消費者側から例えば有料化についてきちんと検討しましょうという提案をさせていただいたり、あるいはいろいろ都道府県とか国とかそういうところの話し合いの中で有料化について話し合いっているんだという情報が流れると、自治体の方は大変審議会で話を俎上に載せやすくて大変ありがたいというようなニュアンスで受けとめてくださっていると私は感じていたんですね。
 ですから、現実に自治体の中で、今有料化がかなり熱心に議論されるときに、やはりある程度市民とかほかの媒体というか、国とか、いろいろなことがある程度の意見、方向性をきちんと言うということはとても私はいいことなのではないかなというふうに実は感じているんですね、この有料化に関しては。
 ですから、割に否定的にとらえていらっしゃったんですけれども、少しそういう新しい可能性に関して広げてお考えいただければうれしいなというふうに感じまして、ちょっと質問というか意見を申し上げました。

○佐藤説明員 例えば僕らも有料化が何が何でも絶対あきまへんでというふうなことは思っていません。ただ、今おっしゃられるような形で、もしその一時期、例えば関心度が高まって、それをどういうふうに継続していくのか。もっとごみ減量・分別リサイクルをどのように進めていくのかという総合的な施策の中で考えられていくべきやと考えているんです。
 あと、当然一時期という部分と揺り戻しが必ず出てくるというのが大体データとして出てきています。これはやはり総合的な施策がやはり組み切れなかった、住民を巻き込んだ総合的な施策を組み込み切れなかったというところがあると思っていますので、そういう意味では単に有料化がありきというふうには全然考えていませんので、そういう意味で上の2行で、有料化については総合的な施策展開でとまとめをさせていただいているところであります。

○崎田委員 実は、私もいろいろな地域で出させていただいている中で、全部総合的な視野でかなりきちんと話し合いが始まっておりますし、揺り戻しとかそういうことに関しても市民がかなり質問をしますので、やはりこれからはそういうことに関してどういう状況なのかというデータとか全国的な調査をきちんと国が示していろいろな可能性を提示してくださるという、その辺に国の責務があるのではないかと思っておりますので、国が情報をきちんと収集して出してくださることは大変すばらしいと私は感じているんですが。
 それはごめんなさい、私の意見です。

○佐藤説明員 ちょっとだけ、すみません。せやからずっと言っているのは、2つの点について日本の中でやはりきちんと求められるような、これはアカデミックなところも努力いただきたいと思っておるのですが、やはり最低限容リ法対象物だけでもいいからLCA評価で、どの物が環境負荷に対してやさしいんだというようなこと。どの物がやはりいいんだと。その物についてはやはりよりその物が回るように積極策を講じるような形をどうしていくのかというやつを1つやっていかなければいけないという部分を考えています。
 もう1つは、いろいろな自治体だけではなしに、住民の方々も努力をいただいている。努力をしていただいた結果、別に有料化がなくても進んでいる地域もあるわけなんです。そういう意味で言うと、そういう総合的な施策を国の方でも情報収集していただきながら、あるべき方向性で進んでいくというようなことについては当然だと思っています。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 では、大塚さん。

○大塚委員 3点ございまして、2点は賛成ということで1点はちょっと疑問ということで。
 最初に2つを賛成の方のお話をさせていただきますが、5のところに書いておられることは基本的に私も賛成で、先ほどナショナルミニマムということを非常に強調されましたが、環境問題でナショナルミニマムというのは極めて重要だと思いますので、地方分権推進ということ自体はいいことだと思いますけれども、地方自治法の中で自治体の自律性を尊重するという言葉が一言書いてあっただけで、すべてが変わっていくということがいいかどうかはまさに考えなければいけないことで、国の財政逼迫のつじつま合わせのために、こういう問題がナショナルミニマムが確保されないことになるというのは、私も非常に懸念を抱いていますので、賛成させていただきたいと思います。
 それから、廃プラの扱いについて(3)に書いておられることも私も賛成でして、廃プラについては、焼却ということが今方向性として出てきているのですけれども、確かに埋め立てよりはましなのですが、減量、再利用、再生利用をしていくことについてのプロセスが欠けたままで焼却の方にばっと流れていくというのは非常に問題があると思いますので、これも賛成です。
 有料化については、ちょっと疑問がありますので、ちょっとこれは恐れ入りますが反対というか意見というか、ちょっとお伺いしておきたいところですけれども、2の(1)に書いておられることは、例えば出雲市とかで前からやっているように、袋を有料化してそのシールの張っている袋しか回収しないことにすればできるわけですね。別にいちいち非常にコストをかけて排出量を全部カウントするとか、そんな面倒くさいことをしなくてもほかの方法は多分幾らでもあると思いますので、これではできないというのはちょっとどうかなという感じがします。
 もともとの有料化の発想というのは、たくさん排出する人も少ししか排出しない人も同じだけの税で負担するというのはおかしいのではないかという、不公平だというところからきていると思いますので、そこの根本的なところを飛ばして議論をしてもちょっとどうなのかなという感じがしています。
 (4)に書いてあるところはまさにこのとおりで、一定量までは、税による負担でいいと私も思っています。つまりシビルミニマムまでの負担は税による負担でいいと思っていますけれども、それを超える場合には従量制というのが基本的にあるべき姿ではないかなというふうに思っておりますので、これは私の意見として申し上げますけれども、何かお話しいただければと思います。
 もちろんさっきから議論で前提としてある容リ法の対象物の分別収集をまさにうまくやることは、有料化をするということがそれをサポートしますので、そういう関係で国は若干の関係を持っていることですね。もともとも地方自治法の問題ですので、確かに自治体がおやりになることだとは思いますが、そういう関係で若干の関連を持っているということだと思います。

○松田委員 大塚先生とほぼ同じ意見なので言うこともないんですが、一生懸命に現場で努力なさっている皆さん現場の方たちのご苦労よくわかっておりますけれども、今現場の方たちがこのように有料化を明確な形で把握なさるということは、社会に対してのイメージがどういうふうになるんだろうと。ちょっとこの労働組合のイメージというのが社会に対してどういうふうに見えてくるのかというところの議論を内部でなさったらいいのではないかということと、有料化もいろいろなやり方の有料化があるわけで、現場で働いている方たちが、ではどういうものであればいいかというのは、現場が一番知恵を持っていますよね。いろいろなやり方が日本でありますよね。そういうこともぜひ提案なさったらいいのではないかなとか思いました。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 では、どうも佐藤さん、いろいろお忙しいところご説明ありがとうございました。今後ともこの市町村における一般廃棄物処理のあり方につきまして、いろいろご意見をいただきたいと思います。今後ともよろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
 次は、日本廃棄物団体連合会会長の小林様からご意見をいただきたいと思います。
 どうぞ小林様、よろしくお願いします。

○小林説明員 本日は私ども日本廃棄物団体連合会が行っております循環型社会の形成に向けた市区町村の一般廃棄物処理のあり方に関する調査の内容をお聞きとりいただく時間を与えていただきましてありがとうございます。
 廃団連の会長をしております財団法人日本環境衛生センター理事長の小林でございます。社団法人全国都市清掃会議の石井専務理事でございます。社団法人日本環境衛生施設工業会技術委員会副委員長アタカ工業の河窪でございます。3人で説明をさせていただきます。
 お手元に資料3の形でパワーポイントの画面を印刷させていただいております。
 廃団連は、環境省の指導を受けております公益法人等18団体で平成3年にスタートをしております。目的は、関係団体の有機的連携を図ることによりまして、会員相互間の融和と協調を図り、情報を集め整理をすることで会員をサポートし、我が国の廃棄物関連事業の健全かつ円滑な発展に寄与することによりまして、国民の生活環境の保全と公衆衛生の向上に貢献をするということを目的にしております。
 18団体、さまざまな団体がございまして、一言ずつ申し上げますと、最初の環維協でございますが、地方自治体の廃棄物処理施設の運転維持管理を受託しております企業を会員としている団体であります。
 2番目の振興財団は民間及び公共関与での産廃処理施設の整備支援・処理業の発展のため、法律に基づきます事業を中心にしております。
 浄化槽システム協会は浄化槽の設計・製造を行う企業の団体でございます。
 次に、環整連は、ごみ・し尿の収集運搬、浄化槽清掃にかかわる事業組合の連合会でございます。
 全産廃連は、産業廃棄物処理業者の都道府県単位の組織の連合体でございます。
 浄化施設保守点検連合会は、浄化槽法に基づきます保守点検を行う企業の団体でございます。
 全浄連は浄化槽の都道府県単位の組織の連合会でございます。
 都市清掃会議は、廃棄物にかかわります市町村の全国組織でございます。
 工業会は、廃棄物処理施設の設計・製造・施工を行うメーカーの団体でございます。
 環境衛生センター、私のところですが、廃棄物・環境関係の調査研究、自治体への支援業務、研修、国際協力を担当しております。
 教育センターは、浄化槽管理士の国家試験及び講習、浄化槽に関します調査・研究・研修を行っております。
 保全協会は、一般廃棄物の処理受託業及び許可業者の団体でございます。
 振興センターは、マニフェストの推進、産廃業者に対します教育研修・調査研究を行っております。
 廃コン協は、廃棄物関係コンサルタント企業の団体でございます。
 技術管理者協議会は、廃棄物技術管理者の組織でございます。
 研究財団は、一般廃棄物を中心に官・学・民を結集しての調査研究・技術開発を担っております。
 浄化槽設備士センターは、浄化槽設備士の国家試験・講習を担っております。
 合併浄化槽促進市町村協議会は、合併浄化槽の普及促進を図る市町村の組織でございます。 いわば、下流側で担っております廃棄物関係の皆さんの集まりでありまして、上流側から組織をしておりますリサイクル関係の協会等は現在のところまだ入っておりません。
 さて、私ども廃団連及び各会員は、当部会での審議に大きな関心を寄せております。打ち出される方針によりましては、私どもの仕事のやり方を変えなくてはいけないという意識があるからであります。
 そこで部会で取り上げられておりますテーマについて、調査を企画したところであります。
 実際に廃棄物の実務を担当しておられます市区町村の意見をお聞きしたいと考えたところであります。国や都道府県が行われます調査に市区町村の皆さんは大変構えて答えを出される。非常にきっちりした答えを出さないといけないという状況であろうと思いますが、廃団連の調査であれば、余り堅くならずに感じた状態の回答が得られるのではないか。そうすれば、私どもの調査が、環境省の施策検討にも役に立つのではないか。また私どもが活動を考える上でも大いに参考になるのではないかと考えた次第です。
 調査は市町村自治研究会編集の全国市町村要覧14年度版をもとにしまして、3,106か所に郵送によるアンケート調査を行いました。10月4日を期限としておりますが、その後も回答が届いておりますので、12日までに到着した分を含めて今回集計しております。
 なお、その後も回答が来ておりますので、最終報告についてはもうしばらく時間をいただいてまとめたいと思っています。
 最終報告書につきましては、事務局のあります日本環境衛生センターのホームページに掲載をする予定でございます。
 3,106か所に対しまして、全体で63%の回答率、市及び区、東京都23区が市と同じ機能を持っておりますので、ここで言っております区というのは、東京都の特別区でございます。それが69%、町が61%、村が60%でございます。中でも10万人から50万人のグループでは76%と非常に高い回答率を得たところでございます。
 当会で取り上げられておりますテーマを中心にいたしまして調査結果を報告いたします。
 まず、1番目は一般廃棄物の発生抑制に当たり、一般廃棄物処理サービスの有料化、有料ごみ袋等による手数料徴収は有効であると考えますか。
 一応、回答の選択肢としまして、1番が極めて有効、2番が有効、3番目がわからない、4番目が余り効果ない、5番目が効果ない。この5選択にしております。
 この1と2の極めて有効及び有効というところで全体で67%の回答が来ております。一番上の図が全体で、下の図は左から市区、それから町、村という順序で並べております。逆に5番目の効果がない、あるいは4番目の余り効果はない、合わせまして13%でございます。
 1と2の極めて有効、有効と言われる方は、市で73%、町で67%、村で61%というように、一応順序がついております。
 この問-1で有効と回答された方へ、ごみ処理事業にかかるすべての経費に対し、どの程度が望ましいと考えますか。これは何%という数字で書いていただいたものを20%刻みで集計をしたものでございます。
 60%以上といいますところは、全体の中の5%しかございません。20%未満が41%でございますけれども、市では29%であります。全体で20から40というところは38%でございますけれども、市は46%、この部分のウエイトが高いというような状況でございます。
 3番目、ごみ処理事業のコストを算定するために、全国共通の会計基準のようなものが必要と思いますかということで、1、細かい基準が必要、2、大筋の基準が必要、3、わからない、4、余り必要でない、5、必要でない。この区分で聞きましたところ、1と2の基準が必要と言われる方は全体で71%。先ほどの区分でいきますと、人口が多いほど必要とする割合が多いという傾向が出ております。逆に必要でない、4と5を選びましたところは全体の12%。必要の中でも、2番目の大筋の基準が必要と言われるところが61%を占めておりまして、これも下の絵を見ていただきますと、市が一番ウエイトが高く、町、村とこういう順序で並んでいるところであります。
 4番目、今後、市区町村の一般廃棄物事業に係るコストについて、情報公開が必要になっていくと考えますか。
 1、細かい数値まで必要、2、収集・焼却等段階ごとのコストが必要、3、わからない、4、現状で十分、5、必要とならない。これで聞きましたところ、必要と言われる方が1、2合わせて82%でございます。これも人口の多いほど必要とされる方が高くなっておりまして、市区でいきますと50万人以上が89%、10から50万人が86%、10万人以下が80%。規模によりかなりの差が出てきております。
 逆に現状で十分とされておりますところは、村が18%、町が15%、市が11%の順で、ほぼ人口との関係が出てきているところでございます。
 リサイクルを除きましたプラスチックごみは、燃やさないごみとして埋立処分しているところと可燃ごみとして焼却しているところがあります。今後は可燃ごみとして焼却することは望ましいと考えますか。
 1、全国的に焼却することが望ましい、2、焼却の方向を目指すのがよい、3、わからない、4、市区町村の判断に任せるのがよい、5、全国的に埋立処分する方向を目指すべきである。この5つにつきまして、1と2の焼却支持が全体では51%で、これは人口区分によってほとんど変わりはございません。
 5の埋立支持については、極めてわずかの方でございますが、村、町、市区の順で村が高い結果になっています。市区町村の判断に任せる4を選ばれた方が全体で30%、これには市で39%、町で28%、村で21%、これも人口によります傾向が出ているところでございます。
 6番、現在、市区町村ごとに定められているごみの分別区分や各種のごみの処理・リサイクル方法について、国において標準的な考え方を示すことが望ましいと考えますか。
 1、丁寧なガイドラインがほしい、2、大筋を示すことが適切、3、わからない、4、現在の状態でよい、5、全面的に市区町村の判断に任せるのがよい。この5つに対して、1の丁寧なガイドラインがほしいというのが全体で25%。村、町、市の順で村が高い割合を示しております。2の大筋を示すことが適切といいますのは全体で54%、これは逆に市・町・村の順に並んでおります。4、あるいは5の2つ、現状維持でくくれるものにつきましては、全体で18%の答えでございます。
 以上の結果を大まかに整理をいたしますと、現在回答率が63%、もう少し上がる予定でございますが、市町村の方から大変協力をいただきまして、市区町村の方の一般廃棄物処理のあり方に対する関心の高さを反映したものではないかと思っております。
 有料化につきましては、支持する市区町村が全体の3分の2を占めております。大部分がコストの一部を回収するのが適当としておりまして、コストの6割以上を望ましいという回答はほんのわずかでございます。
 会計基準につきましては、会計基準の共通化について必要とする回答は多いですが、必ずしも細かい基準まで求めていないというのが今回の結果でございます。
 情報公開につきましては、人口の多い市区町村ほど必要性の認識が高い傾向がございます。
 プラスチックごみについては焼却支持がほぼ半数、埋め立てのみ指向すべきという回答は少数にとどまっております。市区町村の判断に任せるべきとする回答が30%、相当数ございます。
 最後の分別区分等につきましては、分別区分や処理・リサイクル方法についてガイドラインの策定支持が80%でございますが、うち50%は大筋を示すことが適切との回答でございます。
 廃団連といたしまして、アンケート調査の現時点での結果は以上のようでございます。
 何か質問がございましたら、私どもの方からもお答えいたします。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 何かご質問ございますか。どうぞ。

○崎田委員 いろいろなデータを拝見していろいろ勉強になりました。ありがとうございます。
 有料化に関しての数字は、少し何か非常にほっとしたというと申し訳ないんですが、こういう状況かなという感じがいたしました。
 質問なんですが、この会計基準とプラごみについてちょっとお伺いしたいんですが、今後やはり市町村が、例えばリサイクルにかけている費用のこととか、いろいろなことがきちんと議論をしなければいけないという場がほかの委員会、容リ法に関する委員会などでも出てくると思うんですが、そういうときに必ずやはりデータの正確さというのがすごく求められてくると思うんですけれども、今回のこの市町村の方のお答えはその辺をかなり意識した上でお答えいただいているデータなのかなとか、ちょっとその辺の感触をぜひ伺いたいというふうに思いました。後々きっと、企業の方が今本当にコスト削減とかいろいろなことを徹底していらっしゃいますので、必ずそういうようなお話になるのではないかと思うので、ちょっとその辺の雰囲気をお伺いしたいなと思いました。
 もう1点、プラごみに関して、きっとリサイクルに回さない部分をどういうふうにしたらいいと思いますかというふうなご質問があったんですが、市町村ではきっと今どの辺をどのリサイクルに回すかという判断基準に迷っていらっしゃるのではないかという気がするんですけれども、その辺に関しては今回は特に質問では余り意識されなかったのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思いました。

○小林説明員 まず、第2問の方でございますが、リサイクルと狭い意味のごみ処理の境界線につきましては、問6で全般として聞いておりまして、プラスチックについては今回そこまで細かい意見は求めておりません。
 それから、リサイクル以外のプラスチックごみの処理方法についても厳密に検証した上で丸をつけたという、そういうアンケートでございませんで、担当しておりますところでおおむねこんな感じだなという回答を期待しての設問でございます。ですから、これをもとに何かするということになりますと、お話のように厳密なデータ、あるいは方策をした上でなければいけませんけれども、私どもとしては比較的ふわっとした受けとめ方を聞くというのも現時点では大変有効ではないかということで、設問をつくったところでございます。

○横山委員 調査の対象が実務を担当しておられる区市町村の意見を把握ということですけれども、何か指定したのでしょうか。例えば担当課長が答えてほしいとか、これ多分担当をしていても個人、個人によって意見がかなり違うと思うんですね。そういうものをそのまま集計してしまって、傾向としてこういうことだということで、信憑性がどの程度出てくるのか、その辺をちょっと教えていただけますか。

○小林説明員 アンケートの発送先は、各市区町村一般廃棄物担当課御中で出しております。お話のように、書く人により、あるいは着いた先によりまして回答に差が出るということは当然あるだろうと思います。その辺、どのあたりまで誤差なり、ばらつきとして考えねばならないかという点については、十分検証はできておりません。しかし、いただいた回答の中に番号以外にいろいろコメントを書かれたところもございましたし、非常に各市町村の担当課の皆さん、熱心に取り組んでいただいた印象を持っております。

○花嶋部会長 ありがとうございました。
 他にどなたかございますか。
 では、どうもありがとうございました。また、お三方の今後ともまたひとついろいろ事業に協力をいただきまして、またいろいろ情報を流していただければと思っております。
 どうもありがとうございました。

○小林説明員 どうもありがとうございます。

○花嶋部会長 本日のメインの議題である当部会の意見具申(素案)について審議に入りたいと思います。
 資料4につきまして、まず事務局からご説明お願いいたします。

○廃棄物対策課長 それでは、資料4につきましてご説明をさせていただきます。
 これは、この審議会で今回5月からご審議を得られまして、いろいろなヒアリングなどもご質疑していただきました。それから、当初から私どもがその趣旨、その他ご説明をさせていただいたことも踏まえまして、今回の審議会で意見具申としていただくべきものということで、座長とも相談の上、素案を取りまとめさせていただきました。この素案に関しましてご説明させていただきます。
 まず、資料4の方の裏表の少し大きな字のもの、それから素案そのもの、意見具申の素案そのものと2種類ございます。説明は資料4の概要の方を使ってやらせていただきます。素案のそのものにつきましては、後ほど朗読をさせていただきたいと思います。
 それでは、ご説明させていただきます。
 まず、1番目がこの意見具申に至る背景であります。
 丸が5つございます。
 1つ目の丸に関しましては、廃棄物・リサイクル行政の目的に関しまして、従来公衆衛生の向上やあるいは公害問題の解決というふうなことから、現在循環型社会への形成へと変遷をしているということがまずあります。
 それから2番目の丸は、この循環型社会の形成に関してでありますが、昨年3月に循環型社会形成推進基本計画が国として策定をしたということであります。それから、先般のG8サミットにおきまして、合意を踏まえまして、これは我が国ではこのサミットで小泉総理が提唱されまして、この合意を経て、来年春に我が国で開催されることになっています。閣僚会合が開催されることになっているわけでありますが、これを機にいわゆるリデュース・リユース・リサイクルイニシアティブが開始される予定であります。この循環型社会形成の取り組みそのものは、一部兆しが見えますが、全国的にも国際的にも始まったばかりということであります。
 3つ目の丸でありますが、一方、廃棄物の発生量はこの審議の冒頭のところでも当初のご説明もさせていただきましたが、発生量そのものは減少はしておりません。廃棄物処理施設の立地は、ますます困難になってきているということもございまして、循環型社会への道筋はなかなか前途多難な状況にあるということであります。
 それから、今後の我が国全体として、あるいはさらにアジアを中心としました国際的な連携も視野に入れながら、適切なリサイクル処理のシステムを構築していくことが必要不可欠な状況となっているということであります。
 最後の丸でありますが、いわゆる製造事業者、消費者、市町村等の適切な役割分担に基づきます体制を構築しつつ、この3Rに重点を置いた広域的な取り組みを国と地方が一体となって推進することが必要と。こういう背景認識であります。
 基本的な考え方であります。
 これは、廃棄物処理法に基づく施策の体系を抜本的に見直しと書いていますが、基本的には廃棄物処理法は生活環境の保全と公衆衛生の向上という目的を持っているわけでありますが、一方で循環型社会形成推進法ができ、この計画が策定されたということも背景に、国と地方が一体となって循環型社会の形成を目指していくと。
 このために廃棄物処理法に基づきます基本方針というのがございますが、13年にこの廃棄物処理法に基づいてつくられておりますが、この中で今後の方向性を明らかにした上で、市町村による一般廃棄物処理に関しまして、[1][2]と掲げておりますが、経済的インセンティブ等を利用した発生抑制とか、リユースというものの推進をしていくということでございます。それからもう1つは、全国的、国際的に適正かつ最適な循環的な利用と処分の体制を構築を進めていくということが基本的な考え方であります。
 裏のページを見ていただきますと、今後の市町村によります一般廃棄物処理の方向性というひことで、柱を6点立ててございます。
 まず、1番目でありますが、ライフスタイルの見直しのための施策の推進についてであります。これは、当然のことでありますが、地域住民の皆さん方がごみ問題に関心を持っていただき、発生抑制や再使用、あるいはリサイクルに関するいろいろな活動が促進され、ライフスタイルの変革が進むように、さまざまな啓発活動や各種の情報提供などの実施とか、こういう活動の支援をしていく必要があるということであります。国におきましても、ごみゼロ大会などもやっておりますが、さまざまなそういう実施、情報提供などの実施とか支援、こういうことになろうかと思います。
 2番目のところでありますが、先ほどのご議論の際に言いましたが、一般廃棄物処理コスト分析の推進であります。国が標準的な一般廃棄物処理コストの分析手法を策定することによりまして、この循環型社会の形成を進めていくための重要な基礎的な情報であります各市町村の一般廃棄物処理事業のコスト分析とか提供を推進をしていくと、こういうことであります。
 3番目は、それとも関係がございますが有料化の推進であります。一般廃棄物処理の有料化は、発生抑制、あるいは排出量に応じた負担の公平化というようなこと、それから住民意識の改革等にも有効というふうに考えられるわけであります。このために、ガイドラインの策定等を通じまして、市町村を支援をしていくということであります。国の方針として地域の実情を踏まえた有料化を推進をしていくべきではないかということであります。
 それから4番目でありますが、広域的な取り組みの推進であります。資源の循環とか、廃棄物処理のスケールでありますが、この廃棄物や地域の社会経済的な情勢等さまざまな要素を考慮いたしまして、最適な規模を決定する必要があるわけでありますが、このようなことも踏まえまして、国と地方が一体となって市町村の区域を越えた広域的な循環利用や適正処分の取り組みということを推進をしていくべきではないかということであります。
 それから5番目であります。一般廃棄物処理システムの最適化であります。我が国全体としまして、最適な一般廃棄物処理・リサイクルシステムを構築が必要なことは申すまでもないわけでありますが、この循環型社会形成推進基本法の基本原則に基づきまして、国がこの一般廃棄物の標準的な分別収集区分や再資源化、あるいは処理方法の考え方の提示をしていくべきではないかというとこであります。特に、再生利用の対象とならない、つまりマテリアルリサイクルの対象とならない廃プラスチックについては、現在直接埋立を行っているものに対しましては、直接埋立を行わずに熱回収を行う方向でシステムを見直していくべきではないかということであります。
 6番目に関しましては、地域における戦略的な目標設定と総合的な施策の推進であります。これにおきましては、この循環型基本計画などにおきまして、国の目標設定ということも循環型社会をつくるためにやっているわけでありますが、この国と地方公共団体が連携、あるいは協同いたしまして、地域における循環型社会の形成を進めるなどの計画を作成し、リデュース、リユース、リサイクルの推進に関する戦略的な目標を各地域で設定をするというふうなことでございます。そのこととともに必要な施設整備とか、資源回収、普及啓発、社会実験など複合的な取り組みをその中で位置づけまして、総合的に施策を推進する必要があるのではないか、こういうことであります。
 概要はこういうことでありますが、少し本文の方長くなっておりますので、朗読をいたしますので、事務局によろしくお願いしたいと思います。

○事務局 では、本文の朗読を行いたいと思います。
 大きく4章の構成になっておりますので、1の背景から述べます。
 1.背景。
 廃棄物・リサイクル行政の目的は、これまでの公衆衛生の向上や公害問題の解決から、循環型社会の形成へと変遷してきている。各市町村において、ダイオキシン類対策を含めた公害問題を克服し、公衆衛生を確保するという意味においては、廃棄物の処理体制は全国的には概成しつつあるが、循環型社会の形成に向けての動きは、ようやく国において昨年循環型社会形成推進基本計画が策定され、また、G8サミットにおける合意を踏まえ、来年春に我が国で開催される閣僚会合を機に、3Rイニシアティブが開始される予定であるなど、始動はしているものの、まだその途についたばかりである。今後は、市町村が、より確実に衛生問題や公害問題を克服し適正に廃棄物を処理する体制を確保するとともに、我が国全体として、循環型社会形成推進基本法に定める優先順位に従い、廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用、適正処分に関する施策を充実・展開させることが必要である。そのため、今後の国の施策の展開として、循環型社会を構築する基盤となる適正なリサイクル・処理体制を確保していくことが必要である。
 しかしながら、一般廃棄物に関する現状をみた場合、排出量がここ数年横ばい傾向にあるなど、循環型社会形成推進基本計画や廃棄物処理法に基づく基本方針に定められた目標の達成は必ずしも容易でない状況にある。また、焼却施設、し尿処理施設、最終処分場などの廃棄物処理施設は、国民生活に必要不可欠な施設である一方、施設が立地する地域の住民にとっては、いわゆる迷惑施設であり、近年、立地がますます困難になっている状況にもある。
 このため、製造事業者、消費者、市町村等の適切な役割分担に基づく体制を構築しつつ、我が国全体として、さらには、国際的な連携も視野に入れながら、3Rに重点を置いた循環型社会形成の取り組みを国と地方が一体となって検討すべきである。
 このような状況を踏まえ、循環型社会の形成を目指して、市町村が進めるべき一般廃棄物処理のあり方と、国の関与のあり方について、提言する。
 2.基本的視点。
 人類の歴史とともに廃棄物問題は発生し、貝塚に代表されるように身近な空間でごみを処理することが基本であった。
 明治以降、海外から持ち込まれたコレラ等の流行を経て、公衆衛生上の問題として廃棄物問題が取り上げられた。明治33年、汚物掃除法が制定され、ごみ処理は基礎的地方公共団体である市町村の責任とされた。さらに、戦後、都市化の進展に伴ってごみ処理が大きな問題になり、昭和29年、清掃法が制定され、清掃事業の実施主体を市町村におきつつ、処理体制の充実が図られた。
 高度成長下において、公害の問題の一つとして廃棄物問題が認識され、昭和45年、清掃法の全面改正により廃棄物処理法が制定された。それにより、原則として市町村の処理体系になじまない産業廃棄物の処理は、事業者責任に基づき、別途処理体系が構築された。
 その後、ごみ排出量の増大、不法投棄問題、廃棄物処理施設整備の困難化等を背景として、数次にわたる廃棄物処理法の改正が行われた。また、この間、ダイオキシン問題が社会的に大きな課題となり、国際的な動向を踏まえつつ、廃棄物処理施設の重点的な改修・整備が行われた。
 一方、容器包装リサイクル法等の各種リサイクル法、また、これらの政策を方向付ける循環型社会形成推進基本法が平成12年に制定され、循環型社会の形成に向けた取り組みが始まり、昨年、政府において循環型社会形成推進基本計画が策定された。
 このような経緯を踏まえ、今後は、循環型社会形成推進基本法に定める基本原則及び循環型社会形成推進基本計画に基づき、消費者、製造事業者、市町村及び国等が適切な役割分担の下で、廃棄物の発生抑制や循環的な利用、適正な処分を実施していくことが必要となっている。
 市町村の一般廃棄物処理サービスは、循環型社会における資源循環の下流部分の根幹を担うものであり、上流部分との適切な役割分担の下、その実施に当たっては、以下のような取り組みを推進することが必要であり、国も必要な事柄については廃棄物処理についての基本方針でその方向性について明らかにすべきである。
 1.循環型社会を目指すための基本施策の充実。
 ライフスタイル見直しのための普及啓発・情報提供等の推進。
 一般廃棄物処理に関するコスト分析の推進。
 各市町村の一般廃棄物処理計画とそれに基づく一般廃棄物処理事業における明確な目標設定とフォローアップ。
 2.発生抑制・再使用の推進。
 市町村や民間団体の発生抑制・再使用の取り組みの支援。
 経済的手法(有料化)の導入による減量化の推進、また同時に負担の公平化、意識改革を推進。
 3.循環的利用の推進。
 環境負荷削減効果、経済性等を総合的に評価した最適なリサイクルの推進。
 効率的なリサイクルを推進する観点から、各種の循環資源の特性を踏まえつつ、市町村の区域を越えた広域圏での施設整備も推進。
 4.適正な処分の推進。
 循環的利用が困難な廃棄物を適正に処分するための施設を適正かつ計画的に配置。
 また、高度な環境保全対策の実施や適正な立地を確保する観点から、必要な場合には、市町村の区域を越えた広域圏での施設整備を推進。
 3章に移ります。
 3.普及啓発や経済的インセンティブ等による発生抑制・再使用の推進。
 (1)ライフスタイル見直しのための普及啓発・情報提供等の推進。
 一般廃棄物の発生抑制、再使用の推進に当たっては、住民(消費者)一人一人がごみ問題に関心を持ち、環境への負荷の少ない製品やサービスを選択したり、ごみ減量化・リサイクルのための分別収集に一層協力する等、ライフスタイルを見直していくことが不可欠である。市町村は、循環型社会を形成していくために重要な役割を果たす立場にあり、地域住民がごみ問題に関心を持ち、発生抑制や再使用、リサイクルに関する活動が促進され、ライフスタイルの変革が進むよう、普及啓発活動や、各種の情報提供に努める必要がある。
 地域によっては、イベント等で使われる容器を再使用する取り組み、商店街で生ごみを回収・堆肥化し、有機野菜を栽培して販売する取り組み、またエコマネーを活用した地域循環システムの構築と商店街の活性化を目指した取り組み等さまざまな活動が行われている。
 今後は、このような事例などが、関係者の連携のもと、地域を越えた取り組みとなるか十分に見極めつつ、国も積極的に支援すべきである。
 具体的には、環境省では、ごみゼロ推進全国大会の実施、WEBマガジンによる3R関連情報の提供、先進的モデル的な取り組みを公募し、国の補助により支援するエコ・コミュニティ事業の実施等により、普及啓発や情報提供活動を実施・支援しているところであるが、これらについても、地域のさまざまな取り組みを、地域を越えてより発展したものとなるよう引き続き施策の充実に努めることが重要である。その他、例えば、事業者によるリユース容器使用の自主的取り組みの促進、国及び地方公共団体が主催するイベントにおけるリユース容器使用の導入促進、資源回収、フリーマーケット、ネットオークション等民間活動の活動支援などが考えられる。
 (2)一般廃棄物処理コスト分析の推進。
 循環型社会の形成を目指し、3R推進のために採るべき具体的な施策や、施設整備を含めた処理システムの最適化等を検討する場合には、検討の基礎情報として、一般廃棄物処理に係るコストの分析・評価が重要である。また、昨今、行政サービスの効率化が求められており、コスト面を含めて処理・リサイクルシステムの最適化を図っていく必要があり、その根拠となるコスト情報の提供が重要である。
 しかしながら、一般廃棄物処理事業に係るコストの分析方法については統一的なものがなく、コスト分析を行っている市町村においてもコスト計算の方法、範囲、区分は一致していない。
 循環型社会の形成を進めていくための基礎情報として、標準化された分析方法に従い、各市町村の一般廃棄物処理事業コストを開示していくことが望ましく、またコスト分析に係る諸課題を検討し、標準的な分析手法を提案していくべきである。
 具体的な検討事項として、コスト分析の対象となる費目の定義。
 共通経費の配賦方法。
 減価償却方法(最終処分場の価値の評価方法を含む)等があります。
 また、海外においては、独立採算制による公営企業会計によりごみ処理サービスを行っている事例もあり、それらのコスト情報を収集整理し、我が国の実情と比較検討してみることも、循環型社会の形成に向けた施策を推進していく上で、有意義と考えられる。
 (3)有料化の推進。
 一般廃棄物の発生抑制や再使用を進めていくためには、経済的インセンティブを活用することも重要である。一般廃棄物処理の有料化は、一定の減量効果が確認されているとともに、ごみの排出量に応じた負担の公平化が図られること、住民(消費者)の意識改革にもつながることなどから、一般廃棄物の発生抑制等に有効な手段と考えられる。このため、地域の実情を踏まえつつも、国もできるだけ明確に方向づけるべきと考えられる。
 有料化に当たっては、十分な減量効果が得られるような料金設定及び徴収方法とすることが必要である。これまでの実施事例においては、周辺自治体の料金を参考として決めたり、ごみ処理費用から一定割合を算定することにより決めたりしている場合が多いが、有料化の目的や効果を十分に検討した上で、料金レベルを決定する必要がある。
 最後の章です。
 4.適正かつ最適な循環的利用及び処分システムの構築。
 (1)広域的な取り組みの推進。
 廃棄物の発生抑制を進めた上で、なお発生する廃棄物については、循環基本法に定める優先順位に従い、適正に循環的利用及び処分を進める必要がある。各市町村においては、上記のコスト分析・評価の内容も考慮しつつ、廃棄物のリサイクルや適正処理に一体的に取り組む必要があるが、その際、各種の循環資源や地域の社会的経済的特性等を踏まえつつ、市町村の区域を越えた広域的な取り組みも推進していく必要がある。資源循環のスケールは、さまざまな要素を考慮して最適な規模を決定する必要があるが、需給バランスの均衡を図る必要がある場合や、高度な技術を用いたリサイクル設備を要する場合等には、市町村の単位を越えて集約的な施設を整備し、広域的に循環利用を図っていくことが適切な場合も多いと考えられる。廃棄物の種類によっては、国際的な資源循環も視野に入れて検討する必要があろう。
 また、近年、大規模災害が相次いでいるが、大規模な地震や水害等の災害時には、通常どおりの廃棄物処理が困難となるとともに、大量のがれき等の廃棄物が発生することが多い。そのため、災害時の廃棄物処理体制の充実が求められているが、平成6年の阪神大震災時に大阪湾広域臨海環境調整センター、いわゆるフェニックスセンターですが、これの活用により円滑な災害復旧が可能であったことを踏まえ、平素より廃棄物処理の広域的な連携体制を築いておくくとともに、その処理能力に一定程度の余裕をもたせておくことが重要である。
 マテリアルリサイクルについては、再生可能な廃棄物を広域的に収集、処理することにより、採算性のあるリサイクルに必要な量の廃棄物が確保される場合があり、このような場合には市町村の区域を越えた広域的な取り組みが有利である。また、現在、国内においては廃棄物として扱われる循環資源が、アジアを中心とする諸外国に輸出され、国際的にリサイクルされる実態もあり、適切な管理体制の下でこれらの有効利用を実施していく必要がある。
 サーマルリサイクルについては、熱回収を効率的に実施するために、一定規模以上かつ全連続式焼却施設で実施することが望ましく、地域の実情を踏まえつつ、施設の広域化・集約化を図るべきである。
 一方、最終処分場に代表されるように、立地の困難性から市町村単位での確保が難しくなっていることから、既に広域的な整備が始まっているものもあり、今後、現状以上に広域的な対応が重要になっていくものと考えられる。これらについては、単に適地不足から他地域に立地を求めていくという発想ではなく、最終処分場については、広域化することにより管理すべき施設の数を減らすことによって、一層確実かつ高度な環境保全対策の実施を可能ならしめるという側面もあり、3Rを徹底した上での最後の受け皿として、必要に応じて、市町村の区域を越えた広域的な施設の整備を推進していくべきである。
 また、適正な循環的利用及び処理を実施していくためには、循環資源の輸送を最適化するための中継基地等についても各種廃棄物処理・リサイクル施設と連携させつつ一体的に整備を進める必要がある。また、広域的な一般廃棄物処理やリサイクルを円滑に進めるための、リサイクル製品の拡販活動等のソフト面からの取り組みについても充実が求められる。
 国においては、循環型社会の形成に資するこれらの広域的な施設整備等の取り組みに積極的に関与し、地方と一体となって推進していくべきである。
 (2)一般廃棄物処理システムの最適化。
 各市町村は、廃棄物の分別収集区分や処理方法といった一般廃棄物処理システムをそれぞれ独自に構築しており、その内容は極めて多様である。このことにより、住民が廃棄物を排出する際の混乱の要因となって分別の不徹底や分別意識の低下を招く可能性が生じているばかりでなく、システムの内容自体が循環型社会形成推進基本法に定める基本原則に適合しない可能性がある事例も見受けられる。
 代表的な例は、廃プラスチック(再生利用されるもべきものを除く)の取り扱いであり、可燃物として焼却し、熱回収を行っている市町村がある一方で、不燃物として直接埋め立てている市町村も多い。発生抑制やマテリアルリサイクルの推進を図るべきことはもちろんであるが、なお残る廃プラスチックについては、最近の熱回収技術や排ガス処理技術の進展、最終処分場の逼迫状況等を踏まえれば、直接埋立は行わず、熱回収を行う方向でシステムを見直すことが適当である。
 また、廃棄プラスチック以外のごみの取り扱いについても、我が国全体として最適な一般廃棄物処理・リサイクルシステムを構築していくために、国において、循環型社会形成推進基本法の基本原則に基づき、一般廃棄物の標準的な分別収集区分や再資源化・処理方法の考え方を示していくべきである。
 さらに、市町村が一般廃棄物処理システムを選定する際には、環境影響、経済性(コスト)、地域特性等の評価軸を総合的に検討する必要があるが、個々の評価軸がトレードオフ関係となるため、その評価・判断は容易でない。このため、国として、一般廃棄物システムの構築に際して検討すべき評価軸や評価手法について、その基本的な考え方を取りまとめ、市町村に提供していくことを検討すべきである。
 なお、市町村が、国の示す基本的な分別収集区分や再資源化・処理方法の考え方を踏まえた上で、一般廃棄物処理システムの変更や新規導入を図る際には、変更や新規導入の必要性とそのメリット(環境負荷面、経済面等)を住民に対して明確に説明することが重要である。また、変更後のシステムを有効に機能させていくためには、これらのメリットに関する的確な情報提供を行い、継続的に住民の理解と協力を求めていくことが必要である。このため、国においては、廃棄物等の循環的な利用及び処分による天然資源の節約効果や環境負荷削減効果等に関する基礎情報の充実に努め、より積極的な情報提供を進めるべきである。
 (3)戦略的な目標設定と総合的施策の推進。
 循環型社会形成推進基本計画や廃棄物処理法に基づく基本方針においては、廃棄物の発生量やリサイクル率、最終処分量に関する明確な目標が設定されているところであるが、一般廃棄物処理の実務を担当する市町村において、これらの計画を意識した戦略的な目標設定を行い、その実現のための具体的施策の検討を行っているところは少ないのが現状である。
 今後、我が国全体が循環型社会への転換を果たしていくためには、国と地方公共団体が連携・協同して地域における循環型社会の形成推進を図るための計画を作成し、3Rを推進するための明確な目標を設定するとともに、施設整備や資源回収、普及啓発、社会実験等の複合的な取り組みを位置づけることにより、総合的な施策を推進することが重要である。
 市町村及び国は、循環型社会の形成に向けて一体となって総合的施策に取り組むこととなるが、その取り組みについては、市町村を主体としつつ、国が支援するという形態をとるのも有力な方法である。

○廃棄物対策課長 よろしくお願いします。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 ただいまのご説明につきましてご意見、あるいは。
 どうぞ。

○小畑説明員(岡部委員代理) 一点は、ちょっと先ほどの同じ自治体の自治労の人間として、ちょっと誤解されるような気がしますので、1点ちょっと補足したいと思います。
 1つは、有料化の問題なんです。有料化の問題について、何か自治労の方はちょっと反対のような受け取りをされると思うのですけれども、我々の場合、今有料化に対しましては、有料化問題についてはいろいろな立場からいろいろな考えの方がそれでいろいろな方向で出されておるということで、1つの有料化そのものに対するいろいろな考えにそれぞれ幅があるのではないかということで、ここに出させてもらいましたのも、これ1のところについても、これは法律的な観点からこういう言い方をする人もおりますし、それから1から5の点につきまして、いろいろな考えがあるということで、こういう問題をお互いにみんな、まだ足りない問題点があると思うんですけれども、そういう問題をお互いに共有して、その上でいっぺん有料化の問題について議論をして、1つの方向にまとめてもらえばそれでいいのではないかなと。そういう立場で今おりますので、そういう立場でいることを、ひとつご理解いただきたいと思います。
 それから、今この意見具申の素案が出されていますけれども、これにつきましては、我々もこういう方向については、非常にこういう方向でいいのではないかなというふうに考えているのですけれども、ただ、問題は1つ、この間、国に対して失礼かもわかりませんけれども、一つずっと考えていますのは、確かに方針なり、あるいは法理としては、今かなりすばらしいものがどんどんできていくんですけれども、どうもそれが地方で実務を実施していく段階でそこに乖離があるような気がします。
 と申しますのは、ここでも触れられております広域的な基盤整備につきましても、これは昨年、それから今年と国会で、特に首都圏、一番産業廃棄物等のごみが多く出る、首都圏とか近畿圏については、まず域内処理をしようやと。東京のごみを青森に持っていくとか、あるいは近畿のごみを岡山やよその地域に持っていくというのは、それはやはり避けるべき大事だということで、域内処理を中心にして、基盤処理施設のそこから出たごみはそこで処理をするように基盤設備をしようということで、これは去年も今年も附帯決議で決められております。我々はそれに基づいて今かなり、僕の場合、近畿ですが近畿で動いているのですけれども、なかなか実際市町村が統合して何かをやっていくことは非常に困難があります。
 特に、国の方針としては、処理センターという方向があって、1つは大きく決まっているんですけれども、実際それをやろうと思うと、やはり今自治体の財政の問題もありますし、それから人的な不足の面もあって、なかなかそれが前へ行かないという、そういう要素がありますので、その点について、そういう素案として立派なものをつくっていただくこと、これはもう当たり前のことなんですけれども、やはりそれが実際に地方で実務として実際に生かされていく、そういう仕組みについてもきちっと今回はフォローしていただかないと、また、今は結構だけれども、実際それはついて行けないわというような状況が起こってくるということで、1つは産廃のマニュアルにつきましても、これは全部産廃ということで非常にすばらしいことはできているんですけれども、ところが実態はそれは全部点検なんかの処理をする人員がおらないということで、むしろ前よりも後退したような形でとまっているとか、そういう問題がありますので、その辺のところを十分配慮して、今回の場合は素案を決めていただければなというふうに思います。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 どうぞ。

○松田委員 もう少し、書き方を誤解のないように書き込んだらどうかなというふうに思いました。
 プラスチックを燃やすというところは、これは、どうしてもしようのないプラスチックを燃やしてエネルギー回収するというのは、これはもう当たり前のことなので、今どきプラスチックを埋めている自治体があるということ自体が時代おくれだと思っておりますから、それはいいと思っています。
 けれども、一番私が心配なのは、ヨーロッパでは、先日もドイツに行って例年の調査をしてまいりましたけれども、日本ではまだ循環型社会という表現で理解をしていますが、ドイツでは持続可能な社会ということに表現ぶりを変えてきております。これは炭酸ガスの発生とか温暖化の話へと人々の意識が育ってきたので、政策としても持続可能な社会というふうになってきたんですね。そのときに、プラスチックの考え方がやはり焦点になっていくんですけれども、このプラスチックというのは、持続可能なエネルギーの中の大切な資源だというとらえ方をしております。
 ですから、単純に焼却炉で焼却するということは、熱利用率、エネルギーリカバリー率というふうにいいますが、エネルギーリカバリー率のところをきちっと提示しておかなければ単純焼却になってしまうということに危惧を持っています。ヨーロッパの場合は、ですから、プラスチックを焼却でエネルギー利用をしていく場合には、製造工程の代替燃料として使うということを前提にしております。日本の場合は、焼却炉の現在の焼却炉のエネルギーリカバリー率というのは、例外的な1基を除いて15%から20%です。海外から見ましても、日本がプラスチックを焼却するということが表舞台に出てきまして、その後に対策としてのエネルギーリカバリー率のない政策を進めていくということは時代にそぐわなくなっていくと思いますので、この辺の理論を審議会としてきちっと打ち出しておかないと、もう既に今日新幹線の中でプラスチックは焼却という見出しで広告がされております。全国の市町村の中で物を大事にしたいという国民的な意識の中で、容器包装が新たに改正していこうという中で、マスコミはプラスチックを焼却などというような、どういう操作で意図があってそういうことをしていくのかということを考えていくときに、審議会として、また政策担当者として、誤解のない言い方をやはりしていくということが大事だと思います。
 今実際の焼却炉の状況を見ますと、1980年代に建てられた焼却炉は、これでそろそろ建てかえの時期に来ているわけです。そのときに国がプラスチックを燃やすことになったから、それ行けどんどんで広域化によって焼却炉を単にプラスチックを燃やすことが自分たちの仕事だという形で考えられていく世論形成はとても危険だと思っています。恐らくそういうことをして喜ぶのは、メーカーさんが多分喜ぶでしょう。けれどもコストはかかっていくのは事実です。
 このコストがかかるものは税金で行うのであれば、私は自治体が焼却炉でプラスチックを燃すについては、コストは産業界が出してくださいというような、そういう論点がなければ、単に埋立地を長く使うために燃やすんですよとは、多分政策担当者は思っていないと思うので、そのあたりをお話を伺いたいなと。
 以上でございます。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 どうぞ。

○廃棄物対策課長 6ページのところの件だと思います。6ページの代表的な例としてということで、プラスチックのくだりだと思いますが、ここのところで誤解のない書き方というのはどういう、またご意見、具体的に教えていただければと思うのでありますが、ここはどう書いてあるかといいますと、廃プラスチック類、再生利用されるべきものを除くと、取り扱いであるということで、現実に可燃物として焼却し、熱回収を行っている市町村がある一方で、直接埋立をしている市町村も多いと。これは現実を述べております。これは現実であります。
 発生抑制やマテリアルリサイクルを推進するべきことはもちろんであると。ここももっともここが当然だと、こういうことであります。
 なお、残るプラスチックについてということで、現に埋めていることがあるということでありますが、最近の熱回収技術や排ガス処理率ということの進展も踏まえると、今埋めているものの直接埋め立ては行わず、熱回収を行う方向でということで、恐らくこれ松田先生が今おっしゃられたことと全く同じことを書いておるような気がしているのでありますが。

○松田委員 それで、これは担当者はそう思っていらっしゃると思うんです。ただ、熱回収に対する国民的な受けとめ方が人さまざまであるので、これをきちっと明確にしてほしいということと、再生利用というのを先ほどプレゼンの中でマテリアル以外のというふうにおっしゃったんですけれども、マテリアルというと、私の場合はトレイぐらいしか思いつかなくて、ほかは今は全部のコークスの代替燃料として、日本鋼管などに行かれたり、または紙の工場での製紙工場で使われたりして、燃料で使われていますよね。そういうイメージがここから出てこないので、もう少し丁寧に。
 それから、今ある清掃工場というのは今建っていくものは熱回収技術・排ガス技術、抜群にいいことはよく存じておりますけれども、現実に1,700ある清掃工場の1つ1つを点検していくと、熱回収率が十分にある部分というのは、私はそうはないだろうと思います。そうしますと、ここで考えないといけないことは、タイムラグがありまして、これから建てる清掃工場に対応すべき考え方と、それから、廃炉していく清掃工場で寿命が来た清掃工場に対応していくところと、現在ある清掃工場でまだ既に十分にその性能が使えている清掃工場に対してもやはり何らかの配慮をしておかないと、一律にこういうふうな形になってくると、恐らく心配するのは、国がこう言ったから全部焼いちゃえというふうに自治体そのものが、国民の、私たち分別が不十分だったところもあるんですけれども、安きに流れる方になっていくのが一番怖いんです。ですから、持続可能な社会というときにプラスチックというのは、重要な資源であると考えますと、その資源はできるだけやはり容器包装と同じような形ででも分別して、それをエネルギーのリカバリー率の範疇の中に戻すという方法をつくっておかないと、誤解されていくのではないのかなと。その辺の政策的な担保があればいいなと思っております。

○花嶋部会長 ありがとうございます。
 何かお答えございますか。

○廃棄物対策課長 今日はちょっと意見を伺わせていただいて、次のときにやりますので。

○花嶋部会長 ありがとうございます。
 荒井さん、どうぞ。

○荒井説明員(永利委員代理) 有料化のところなんですけれども、さっきも事前発表の中で有料化をして、二重課税で具合が悪いというようなご説明ちょっとありましたけれども、有料化をして住民の方に何らかの負担を新たに課すわけですから、当然処理の費用だとか、本来はそういうものを明らかにした上でやっていくべきであって、今までコストの分析手法も明確にできなかったということがあるわけで、今回、書かれておりますけれども、そういった意味で有料化の推進とコスト分析の推進で裏腹なのかなと思っていまして、有料化の推進のところで目的とか効果を十分検討して導入すべきだと書いてあるんですけれども、もっとコスト分析とのかかわりというものの重要性というのを強調していただけないかなというふうに思っています。

○花嶋部会長 他に。
 どうぞ。では、柿本先生から。

○田中説明員(柿本委員代理) 有料化の推進の関係なんですけれども、今2点ここで書かれております4ページのところ。それで、従来からこの審議会で議論になっていました、いわゆるリバウンド防止のための総合的な施策、そういった部分がちょっとそういった部分がちょっと抜けているのではないかと思いますが、その辺をまたご考慮いただきたいなと。
 もう1点、広域化という話がございます。現在各都道府県ごみ処理広域化計画もしておりますけれども、今後この方針に従って、再度また見直しが必要なのかどうか、その点についてまた教えていただきたいと思います。
 以上です。

○崎田委員 2点ほど、循環型社会、トータルに考えて廃棄物処理の仕組みをきちんと提案していこうという全体の構成は大変すばらしいと思いますし、このような形で全体的にはまとまるとありがたいなと思っております。
 それで、やはり私は有料化のことと廃プラスチックのことなど大変気になっておりましたけれども、廃プラスチックの件に関しては、先ほどの松田委員と非常に似たような意見を持っております。いろいろな新しいサーマル、熱回収、非常に重要な部分で、私もそういうことがきちんとしていくのは大切なことだと思っておりますけれども、プラスチックを燃やすことになったというような非常に短絡的な報道とか、やはりそういうことでの国民の非常に驚き、動揺、これまでのリサイクルの取り組みへの思いというのが非常に今揺らいでいるという感じもいたしますので、その辺のコミュニケーションに関して非常に気を使っていただければと思います。
 あと2点なんですが、1点目は、一番この前回の最初の基本的な取り組みの具体策の最初の方に発生抑制のこと、3ページあたりなんですが、発生抑制のことからきちんと導入していただいて、やはりこういう展開はありがたいと思っております。
 あと、ここにもう少し書き込んでいただければと思うのは、やはりメーカーの物づくりであったり、販売事業者の販売の仕方とか、そういう社会全体の動きが大事であり、消費者側のグリーン購入、あるいは選択という全体のパートナーシップでつくっていくんだということが非常に重要だと思います。一応書いてはあるんですけれども、その辺の販売事業者がかかわるようなこと、メーカーがかかわるようなことということをもう少し明確にしていただき、パートナーシップで共につくっていくという、その辺のことをもう少し書き込んでいただければありがたい。パートナーシップのときに、例えば省庁で言うと環境省だけではなくて文部科学省とか内閣府とか経済産業省とか、その辺の普及啓発施策と発生抑制というのは実は非常にかかわっているところがありますので、そういう政府で言えば省庁間、自治体でいえばやはりそういう部署の連携という、横の連携というような意味のパートナーシップ、これも非常に重要ではないかと思いますので、何か書き込める方法があれば、こういうところに書き込んでおいていただくと地域社会で非常に動きやすい。学校と地域の連携とか、やりやすいのですないかなと思っております。
 そういう点から、タイトルに普及啓発・情報提供だけではなくて、環境教育とか一言入れておいていただければありがたいと思っております。
 あと1点、アジアの資源循環ということが、時々ちゃんと文言として出てきておりますけれども、これが今非常に関係の方にとっては大変重要な問題になっていらっしゃると思うんです。やはりアジアの方に出した方が値段的に高いという判断があったりとか、逆に、でもそういうふうになったときにきちんとした事業者がやらなかったために非常に粗悪なものが輸出されて先方が非常に怒ってしまうという、信頼関係がなくなるという、非常にいろいろな多様な問題が出てきておりますので、アジアと日本を含めた資源循環に関してある程度きちんともう少し皆さんの意見を書き込むとか、何か方向を書き込むとか、そういう視点も必要なのではないかとちょっと思いました。よろしくお願いいたします。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 では、大塚さん。

○大塚委員 基本的には、何か格調が高くて随分力が入っているなというふうに思って、賛同するところが多いんですけれども、それでも2点ないし3点ほどちょっと申し上げておきます。
 1点は、廃プラスチックについては、松田委員がおっしゃったことに私もちょっと危惧を抱いているところでがあって、もし可能であれば、さっき松田委員がおっしゃったような、これはドイツの循環経済廃棄物法にも1994年の段階から既に入っていますが、熱利用率が一定以上の場合にはというようなことをどこかに入れていただけると本当は大変ありがたいなと思っていますが、ちょっと今から間に合うのかどうかちょっとわかりませんが、熱回収を行う方向でという6ページの真ん中ぐらいのところに、そういう何か条件みたいものをつけていただけると、本当は望ましいなというふうに思っております。
 それから、あと2点目ですけれども、4ページの有料化のところですが、ちょっと前回休みましたので、そこの議論がちゃんとフォローできていないんですけれども、これは私は賛成ではあるんですけれども、この書き方だとちょっと足元すくわれる可能性がないかなという気がしていて、1つは確かに一般廃棄物の発生抑制に有効な手段だと私は思っていますが、リバウンドとかの話とかもあったように、本当に減るのかという議論って必ず出てくるわけですよね。
 そういう議論との関係でいうと、負担の公平化の方をむしろ前面に出した方が私はいいかなと思っているところもあって、これ最終的には抑制のところに焦点を当てていってしまっている、そちらが前面に出ているのが、ちょっと足元をすくわれることがあるのではないかということを心配しています。
 さらに2パラグラフ目のところで十分な減量効果が得られるような料金設定や徴収方法をすることが必要だとまで書いておられるのですけれども、ここまで書いてしまっていいのかというのはちょっとやや心配があって、つまりこれだとどこまでも際限なく上がっていく可能性すらちょっと感じますけれども、もちろん有料化というのは基本的にはごみの、経済学的には外部不経済のところを費用を負担していただくということだと思いますので、当然限度があると思いますので、ここだけ書いてしまっていると、やや誤解を招くことを少し恐れます。ですから、基本的に私有料化は賛成なんですけれども、推進すべきだと思っているんですけれども、書き方の問題だけを申し上げているだけですが、シビルミニマム的なところもあると思いますので、全部有料化ということではないと思いますし、限度なしというふうに読めるような書き方だとちょっと誤解を招くかなということが心配です。
 それから、第3点ですけれども、アジアを含めた3Rというのは、経済産業省も強調しておられますし、基本的には悪くないと思いますが、経済産業省でもトレーサビリティという言葉を気にしておられるようですので、それこそ非常に広域の処理ということになるわけですが、それに伴って不法投棄的なものがなされる可能性というのは常にあるものですから、そのトレーサビリティの確保はしつつとか、そういう少しその点も気にしているのだということを入れていただいた方がよろしいのではないかというふうに考えております。
 以上です。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 どうぞ。

○山口説明員(佐々木委員代理) 佐々木の代理でございます。意見具申の概要と意見具申の素案の両面でちょっと意見を述べさせていただきます。
 まず、基本的な意見具申の概要でございますけれども、基本的に一般廃棄物処理の基本的な考え方・方向性を6点ほど掲げてあるわけでございますけれども、基本的に非常にこれを積極的に進めていただきたいなと思っております。
 特にその中で、コスト分析のところなんですけれども、確かにコスト分析をする目的というのを我々考えますと、3つの目的があるのかなと。
 1つは、住民の方に廃棄物処理というのはお金のがかかるのだよという意識を変える。先ほど先生の方から教育というお話もございましたけれども、意識を変える力。それから有料化を将来するに際しての理解をきっちりと得るということ。それから、最後に行政のコスト、行政費用を下げるという作用が働くと。そういう意味では、非常に大事だと思っているわけでございまして、そういう意味ではコスト分析だけで終わるのではなくて、コスト分析の推進と、コストの削減努力につなげると。そういう言葉が入ると非常にいいのかなと。それによって住民の理解も得やすいと。ただコストを分析するのではなくて、行政コストを下げることにも努力をするんだという姿が見えてよろしいと思います。
 それから、2つ目に有料化の話でございますけれども、コスト分析の結果と合わせるのでないと、なかかな住民の理解が得られないのかなと。したがいまして、この文章の中で地域の実情を踏まえコスト分析をもとに有料化を推進するとか、そういう一言が入ると非常に住民の理解も得やすいのかなと、このように思っています。
 それから、ちょっと細かいことで恐縮でございますけれども、意見具申(素案)の1ページ目でございますけれども、上から5行目のところのようやく国においてもスタートしたとか、それから8行目の始動してはいるものの、まだその途に着いたばかりであると。実は日本のいろいろな法体系、家電リサイクル法とか容器リサイクル法とか、かなり進んでいるわけですよね。だから、もっと自信を持って、ここはちょっと控え目過ぎるのではないかなと。もうちょっとやってきてはいるけれどもということで、表現をちょっと検討されたらいかがかなと思っております。
 それから、1ページ目の下から5行目あたりの国と地方が一体となって検討すべきと、ここはやはり市民も必要ではないかなと。一般論に関してはですね。そういうふうに思いましたので、ちょっとご検討賜ればと思っております。
 以上でございます。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 一言お願いします。

○横山委員 有料化というと、やはり身構える人が多いと思うんですけれども、私はこの問題ではやむを得ないと思うんですね。しかし、一方で自治労の方が言われた、少なくとも各自治体の条例で定めることについて、国が介入すべきではないということに対してもこたえてやる必要があると思います。具体的には、今も挙がりましたが、1ページで、国と地方が一体となって循環型社会の形成を目指すんだというところが大事なところで、これを有料化の推進のところにもやはり自治体と一体となってやるんだというようなことを書けば、少し変わってくるのではないかというふうに思います。
 以上です。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 まだ、いろいろご意見もございましょうけれども、また次回引き続き議論をいたしまして、とりまとめることにしたいと思っております。
 事務局において本日のご意見を踏まえ、素案に修正を加え、次回意見具申案という形でお示しできるようお願いいたします。また各委員におかれましては、さらにご意見等がございましたら、11月10日をめどにメールかファクスで事務局にご連絡いただきますよう、ひとつお願いいたします。
 以上でございます。
 最後に、議題4でございますが、事務局から何かご連絡することございましょうか。

○企画課長 今後のスケジュールでございます。
 既にご案内のとおり次回は12月2日木曜日午前10時から12時という予定でございます。
 次回でございますが、部会長のお話にもございましたように、市町村における一般廃棄物処理のあり方につきまして、再度ご議論を賜りたいと。パブリックコメントにかけるための意見具申案をとりまとめいただきたいと存じます。別途のテーマでございますが、容リ法の評価・検討につきましては、明日21日及び11月11日に関係者などからのヒアリングの予定ということでございます。
 なお、前回の議事録の案をお配りしてございますので、修正等ございましたら11月10日ごろまでに事務局にご連絡をちょうだいしたいと思います。
 以上でございます。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議事を終了したいと思います。本日は活発なご意見、どうもありがとうございました。

午後 5時16分閉会