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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第32回)議事録



平成17年5月13日
環境省 廃棄物・リサイクル対策部

議事次第
(1) 分別収集のあり方について
(2) 再商品化手法について
(3) その他


午前10時00分開会

○リサイクル推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会を開催いたします。
 委員の皆様方には、お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の出席状況でございますが、23名の委員からご出席の連絡をいただいておりまして、定足数である過半数に達しておりますことをご報告させていただきます。
 なお、本部会の開催につきましては、やむを得ずご欠席される場合には、代理の方に説明員としてご出席いただけるような取り扱いをさせていただいております。本日は、全国知事会理事の柿本委員の代表として田中様に、経済同友会地球環境・エネルギー委員会委員長の佐々木委員の代理として山口様に、日本商工会議所環境小委員会委員の猿渡委員の代理として宮田様に、日本チェーンストア協会環境委員会委員長の岡田委員の代理として上山様に、それぞれご出席いただいております。
 このほか、この容器包装リサイクル法に関する審議につきましては、経済産業省の産業構造審議会におきましても同時並行で審議が進められておりますので、本日の審議につきましても、経済産業省リサイクル推進課の井内課長にオブザーバーとしてご参加をいただいております。
 それでは、お手元の配付資料をご確認願います。資料一覧をお配りしておりますので、資料の不足等ございましたらお申しつけいただければと存じます。
 なお、委員の皆様方に事前に送付させていただいておりますものから修正をされている部分あるいは追加資料もございますので、その点ご了承いただければと存じます。
 このほか、岩倉委員から、ポリスチレンペーパー成型加工工業組合と食品容器成型懇話会の容器包装リサイクル法の見直しに関する意見書と題した資料が、また森委員の方から、アルミ缶リサイクル協会の「容器包装リサイクル法」見直しに関する意見書と題した資料がそれぞれ配付をされております。
 なお、本部会の資料につきましては、例によりまして原則すべて公開とさせていただきたいと存じます。また、部会終了後に発言者名を示した議事録を作成いたしまして、委員の皆様方にご確認していただいた上で、ご了解を得て公開をさせていただきます。
 それでは、これ以降の議事進行を、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の田中部会長にお願いいたします。

○田中部会長 皆さん、おはようございます。廃棄物・リサイクル部会長の田中です。どうぞよろしくお願いします。
 きょうの議題に入ります前に、先月末に東京で開催されました3Rイニシアティブ閣僚会合がございました。私もオブザーバーで出席しましたけれども、皆さんの中には出席された方もいらっしゃいますし、されなかった方もいらっしゃいます。これは容器包装リサイクル法の審議にもかかわるものですので、ちょっと事務局から簡単にご報告をさせていただきたいと思います。

○企画課長 廃棄物企画課長の谷津でございます。
 お手元の資料6をごらんいただければと思います。
 この3Rイニシアティブ閣僚会合でございますけれども、4月28日から30日、3日間、東京で開催をされたわけであります。この3Rイニシアティブ閣僚会合は、昨年のG8サミット、アメリカで開かれましたが、ここで小泉総理から世界レベルで3Rを積極的に推進しようというご提案を受けまして、この提案をした日本がまずG8の代表としてこの閣僚会合を開けと、こういうような合意が得られたわけでございまして、それを踏まえて開催されたものでございます。私どもの小池環境大臣が議長を務めたわけでございますが、総理プロジェクトということで経産省、外務省を初め政府全体で準備に当たってきたというものでございます。
 この会合自体は、1枚あけていただきまして3ページに別紙1がございますけれども、G8諸国のみならず、ほかの先進国あるいは開発途上国の閣僚級の参加を得たわけでございまして、全体で20カ国。それと下に国際機関がございますが、主要な国際機関からもご参加をいただきました。
 5ページをあけていただきますと、この会合の成果が議長サマリーという形でまとめられたというものが出てまいります。ごらんいただきますと、課題1、3Rの推進。「もったいない」ということは非常に国際語に今なりつつございますけれども、この考え方で各国でしっかり3Rを推進していこうと。
 2番目に、国際流通に対する障壁の低減ということでございますが、今、世界各国で循環資源がいろいろな流通をするようになってきてございます。こういったものは、適切なメカニズムがあれば、資源の有効利用と環境汚染の防止の双方に貢献するという認識のもと、一番下の段落をごらんいただきますと、多くの国にとって、廃棄物は発生した国で最少化するんだと。それと越境移動は、受入国において適切に利用され、適正に処分される場合に限って実施できるというような見解が表明されたということでございます。
 6ページ目をごらんいただきますと、先進国と開発途上国の間の協力ということでございますが、これは非常に大事ということでございます。この成果は2つ目の段落でございますけれども、ことし7月にイギリスで開かれますG8サミットにしっかりつなぐべきだと。また、下から2行目でございますが、閣僚会合のイニシアティブをフォローアップするために、来年の春までに高級事務レベル会合を開催しようという方向になってございます。
 課題IVのところでございますが、政府、自治体、民間、NGO、NPO、研究機関、コミュニティー、こういったすべての関係者の参加が重要と。
 2つ目の段落では、中央政府の役割としてという中で主体間の調整、地域の実情に即した取り組み、民間部門の役割としてEPRを踏まえた3R活動の実施、技術開発、情報公開、こういったことが触れられております。
 課題Vでは科学技術ということでございますが、しっかり科学技術も推進していこうということであります。
 7ページには、2行目から3行目にかけまして、3Rのための地域研究ネットワークの構築などを進めていこうということでございます。
 もう1枚あけていただきまして9ページでございますけれども、この閣僚会合に先立ちまして、日本は具体的にこの3Rをどうやって推進していくのかということを、これも関係省庁相談の上、日本政府としてまとめたものでございますが、通称ゴミゼロ国際化行動計画というものを発表してございます。
 主な内容として、会合のフォローアップ、日本が中心になっております東アジアで循環型社会を推進していこうと。そのほか、研究・技術開発を進めていこうというようなことで、具体的な行動計画をまとめたということでございます。その詳細は11ページ以降に掲げさせていただいております。
 この3R会合というのは、別に国際交渉しようとか、何か取り決めを合意しようというものではございませんで、各国それぞれ3Rを推進していくための国際的な連携を推進していこうというための会合であったわけでございます。環境省としても、関係省庁と連携をとりながら、しっかりこのフォローアップを進めていきたいと、こんなふうに考えております。
 以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。この部会で議論されているようなことが、世界で最も重要なことを議論するG8の議題にもなっていると、こういうことで部会の責任も大きいなと、勝手な考えですけれども、ありがとうございました。
 本日の議題、分別収集のあり方についてと再商品化手法についてというのをご審議いただきますが、3Rイニシアティブの閣僚会合においてされた議論を念頭に、積極的にご議論いただきたいと思います。
 それではまず、分別収集のあり方について、事務局から資料のご説明をお願いします。

○リサイクル推進室長 それでは、資料2につきましてご説明をさせていただきます。基本的には、前回ご説明をした資料と同じでございますけれども、その後タイムリーなものでもございませんし、修正・追加した部分もございますので、改めてご説明をさせていただきます。
 課題立てとして、1ページに市町村及び事業者の責任範囲の見直しがございます。4ページが分別基準適合物の品質向上、5ページが店頭回収や集団回収の位置づけというふうになっております。
 まず1ページ目の1番、市町村及び事業者の責任範囲の見直しでございますが、具体的な課題立てといたしまして、そこにございますように、現行の容リ法における拡大生産者責任の範囲を拡大し、現在市町村が税を財源として実施している分別収集・選別保管についても事業者に責任を課すことが必要であるとの意見があるが、これについてどのように考えるかということでございます。
 その下の追記のところにつきましては、先日の当部会でいただいた意見も踏まえまして、若干修正・追加をしておりますけれども、市町村及び事業者の現行制度における費用負担の状況でございますが、市町村の方が平成15年度ベースですが、現在約3,000億円の費用がかかっていると推計をされております。このうち、容リ法施行後に分別収集を実施した容器包装の分別収集・選別保管費用と、当該容器包装廃棄物を現在も分別収集しないで、可燃ごみ・不燃ごみとして処理した場合の費用を比較した場合に、法施行後に約380億円の追加的な費用が市町村にかかっているものというふうに推計をしております。
 また一方で、平成15年度ベースですと、特定事業者の再商品化には約400億円の費用がかかっているということでございます。
 具体的な論点でございますが、まず拡大生産者責任(EPR)の観点から、どのような責任分担が適切かということでございます。我が国の他のリサイクル法制あるいは諸外国におけるリサイクル法制を参考にしつつ、容リ法におけるEPRのあり方についてどのように考えるかということでございます。資料4の1に、これは以前の資料と同じでございますが、EPRの考え方を再度つけてございますので、ご参照いただければと存じます。
 また一方で、市町村の責任あるいは役割のあり方についてどのように考えるかといったようなことも、これは当然のことながら論点としてあろうかと存じます。
 それから、排出抑制を進める観点から、どのような責任分担が適切かといったような点もあろうかと思います。現行の拡大生産者責任を徹底することが、事業者に対してさらに排出抑制の努力を促すインセンティブとなり得るのかどうかということでございます。また、市町村における家庭ごみの有料化との関係をどのように考えるかといった論点もあろうかと思います。
 それから、分別収集を促進する観点から、どのような責任分担が適切か。現行のEPRを徹底することによりまして、分別収集はより促進され得るのかどうかというような論点もあろうかと思います。
 2ページでございますが、さらに社会全体の容器包装廃棄物の処理に係るコストをできる限り低減するといった観点から、どのような責任分担が適切かといったような切り口でございます。すなわち、責任分担の見直しというのが、分別収集・選別保管あるいは再商品化等のコストに対してどのような影響を及ぼし得るかということでございます。
 次に、市町村コストの透明化・効率化をどのように促進するのかと、こういった切り口の意見もこれまで多数いただいておるところでございます。
 論点といたしまして、今後、市町村が容器包装廃棄物処理に費やしているコストにつきまして、どのようにして算出あるいは公表を行うべきかというところでございます。これにつきましては、前回でもご説明をいたしましたけれども、本年2月の当部会の意見具申に記述があるとおりでございまして、国におきまして、いわゆる標準的な市町村コストの分析手法を提案していくべきだというような、そういった意見具申をいただいております。
 それからまた、その下にございます第三者等による市町村コストの検証というのが、透明化あるいは効率化に有効との意見もいただいておりますが、これについてどう考えるかということでございます。
 それから2つ目に、どのような方法で市町村の分別収集・選別保管に係るコスト削減・効率化を図るべきか。例えば、事業者が費用を負担するというようなことによりまして、自治体の処理コストは効率化される方向で考えられるのかどうかということがあろうかと思います。
 それから、最も効率的に作業を行った場合、いわゆるベストプラクティスですとか、あるいはトップランナーのケースですね。こういった市町村の分別収集あるいは選別保管に係る費用を算定して、これをほかの市町村のモデルとすることができるのかどうかといったような、そういったご意見もこれまでいただいておるところでございます。これにつきましては、地域間の条件の差をどのように考えるかといったような論点がまたございます。
 これにつきましては、後ほど私どもなりに市町村コストを分析してみた結果につきまして、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。資料5の方でございますが、後ほどご説明させていただきたいと思います。
 次の論点といたしまして、特定事業者のコストに係る製品への転嫁についてでございます。具体的には、現行の税による負担を消費者の負担に転嫁をして負担の公平化を図るためには、事業者による追加的負担の製品価格への転嫁が必要であるとの意見がございますが、これについてどう考えるか。
 また、仮に事業者がコストを価格に転嫁いたしましても、容器包装につきましてはその絶対額が小さいものですから、消費者による容器包装の選好を左右するまでの経済的インセンティブにはならないといったような指摘もございますが、これについてはどのように考えるか。
 また、転嫁したコストについて、表示等により消費者に開示することが可能なのかどうか。
 また、価格転嫁を行う場合に、事業者と消費者の負担の公平化を図る観点から、価格転嫁が必要だということを政府が積極的に普及啓発していくべきだという意見もいただいておりますが、これについてどう考えるかといったようなことでございます。
 3ページでございますが、3ページは前回の部会で、余りオール・オア・ナッシングの議論ばかりしていても、なかなか先に進めないのではないかといったようなご指摘もあったものですから、ここは前回の資料からつけ加えてみておりますけれども、仮に分別収集・選別保管につきましても、事業者に責任を課すといたしましても、具体的にどのような責任の果たし方が考えられるのかといったようなことでございます。
 論点として、1つは、事業者みずからによる分別収集や選別保管が果たして本当に可能なのかどうか。また、事業者がすべての責任を負うんですが、実際には市町村等に実際の業務を委託するといったような案もいただいておりますけれども、これについてどう考えるか。ただ、これらの場合につきましては、それとは逆に市町村の責任ですとか、あるいは役割というのはどうなるのか。何ら責任を果たさないといったことでもいいのかどうかというような、そういう議論があろうかと思います。
 一方でその下ですが、引き続き市町村が責任を持って分別収集・選別保管を行いつつ、事業者がその費用の一部を負担するという方式が可能なのかどうか。この場合には当然のことながら、負担する額をどのようにして算定するのか、あるいは市町村業務の透明化なり、あるいは効率化をどのようにして担保するのかといったようなことが課題になってまいろうかと思います。
 続きまして4ページでございますが、分別基準適合物の品質向上でございます。
 [1]、まさにこの品質向上についてでございますが、現行のいわゆる分別基準適合物につきましては、異物の混入等によりまして品質が低いものも多ございます。実際そういったものまで容リ協会の方では引き取っておりますので、適切な再商品化に悪影響を与えているといったような指摘がございます。
 対応の方向といたしましては、その省令を改正して、分別基準適合物に係る要件として、異物の混入率なんかをきっちり定めるといったような措置が必要ではないか。あるいは、協会の方でも、分別基準適合物に該当しないような容器包装については引き取りを拒否するといったような運用の厳格化を図ることが適切ではないかといったような方向でございます。
 検討課題といたしまして、分別基準適合物の品質向上のインセンティブとしてどのような対策が考えられるか。あるいは、協会に引き取りを拒否された分別基準適合物に該当しない容器包装につきましては、どんなふうに処理することが適切かといったようなことを挙げております。
 それから、[2]のスプレー缶の取り扱いでございますが、何度かご説明をいたしましたように、スプレー缶等につきましては、市町村が充填物の除去を確認しつつ分別収集するということは、これはなかなか実際には難しいことでありますものですから、リサイクルが円滑に進んでいない状況がございます。また、回収時に充填物が残っておりますようなスプレー缶が一般ごみなどと混合収集されるような場合には、火災が発生するケースも生じておりまして、より安全な収集が確保されることが必要とされております。
 対応の方向といたしましては、市町村が収集したスプレー缶等は、内容物の有無にかかわらず、製造事業者みずからの責任によりリサイクルする体制を構築することが必要ではないか。あるいは検討課題として、スプレー缶を製造事業者みずからの責任でリサイクルする場合にはどのような仕組みが必要かといったような、そういったことを挙げております。もちろん必要ないというご意見もあるかもわかりませんけれども、これはそこにあるとおりです。
 続きまして5ページでございますが、3ですが、店頭回収や集団回収の位置づけでございます。店頭回収・集団回収につきましては、現在のところ、容リ法に位置づけられているというようなものではございませんけれども、住民の意識向上あるいは環境教育の観点から有益ではないかというふうに考えられます。
 具体的に現在進んでいる取り組みといたしましては、スーパーマーケット等の小売店におけるトレイの自主的回収ですとか、あるいは住民活動、学校等での古紙等の資源回収の一環としての牛乳パックの自主的な回収、そういったことが中心となっております。
 したがいまして、対応の方向といたしましては、こういった店頭回収・集団回収をさらに促進するための仕組みが必要ではないか。
 検討課題として、店頭回収あるいは集団回収をさらに進めるために、具体的にどのような支援措置が考えられるかといったようなことでございます。
 続きまして、資料5のご説明をさせていただきます。恐縮ですが、ご説明をさせていただきます前に、まことに申しわけありませんが、3ページの記述を訂正していただければありがたいと存じます。3ページの(3)結論とございまして、黒い丸が2つございます。下の黒丸でございますが、「ただし、いずれの回帰式においても、決定係数(R2)」とございます。このR2、技術的なことですが、これは補正R2の誤りでございまして、「決定係数(補正R2)の値が0.2以下であり」とございますが、ここも恐縮でございます。「値が低く」というのが正確な記述でございます。値が低く、それからさらに申しわけございませんが、「回帰式で説明できない部分が7割程度を占めていることになる」とございますが、これも「回帰式で説明できない部分がかなりの程度を占めている」というのが正確な記述でございます。
 申しわけございません。再度申し上げますと、「ただし、いずれの回帰式においても、決定係数(補正R2)の値が低く、回帰式で説明できない部分がかなりの程度を占めていることになる」というのが正確な記述でございます。まことに申しわけございません。訂正をしていただければ幸いでございます。
 それでは、資料5をできるだけ簡単にご説明をさせていただきたいと存じます。これは先般ご報告をいたしました私どもの効果検証事業、すなわち市区町村等における分別収集あるいは選別保管費用に関する調査につきまして、先般は実態としての単位当たりのコストですとか、あるいはそれに基づく全国的な費用の推計などを報告させていただきましたけれども、ここでは、そこで把握できた分別収集費用の実態をもとにいたしまして、ペットボトルとプラスチック製容器包装を例として取り上げまして、これに関する収集作業につきまして作業効率あるいは費用単価について、その決定要因に関する分析を行ってみました。すなわち収集の作業効率あるいは収集単価につきまして、それを決定するような普遍的な、市町村横断的な要因はどんなものなんだろうということを導き出そうと試みたものでございます。
 1枚おめくりいただいて1ページでございますが、1.直営収集における作業効率の分析とございます。ここでは、直営収集における作業効率を、1人の作業員が1時間に収集する資源量と置きます。これは当然のことながら、各市区町村の地理的な条件ですとか、あるいは作業形態によって大きく変動してくると思われます。実際に、先般ご報告した資料におきましてもかなりばらついていたということは受け取れようかと思いますが。
 そこで、そこに分析手法とございますが、直営収集における作業効率をいわゆる被説明変数といたしまして、以下の[1]から[13]の変数を説明変数として、いわゆる重回帰分析を行っております。すなわち、これら[1]から[13]の要因でもって、その作業効率のどの程度が説明され得るのか、あるいはこの中で特に起用度の大きい要素が何なのかというのを導き出そうと試みたものでございます。実は後ほど申し上げますが、結局結論的には、市町村を横断的に起用度が大きい要素というのはなかなか見出せないというのが結論になると。したがいまして、余り本日の審議に直接影響することはないのかもわかりませんけれども、ご参考までに説明をさせていただきます。
 分析の対象としましては、先ほど申しましたように、ここにございます[1]から[13]の要素、これ私どもと申しますか、この調査を行っていただきました10名の検討会の皆様にいろいろご議論いただきまして、検討会として考えられる限りの定量的な要素を挙げていただきました。例えば[8]の積載形態ですとか、あるいは[9]の1回当たりの積載量ですとか、[10]の積載効率ですとか、こういうように定量的なものから、この調査の外からとってきたような例えば[3]の可住地面積ですとか、あるいは人口密度、道路の混雑度とか年間の雪の日数等、こういったものまで含めまして13要素を取り出しております。
 手法そのものにつきましては、この1ページ、2ページのところで解説をしておりますが、統計学の世界では一般的な手法だと理解をしておりますけれども、いかんせん、かなり専門的な領域でございまして、詳しくご説明をし出しますと、これはもう統計学の講義のようになってしまうものですから省略をさせていただきます。
 結果をごくごく大ざっぱに申しますと、2ページにございますようなこの13要素の中でも、(1)に変数の独立性の確認とございますが、お互いに相関があるような変数を並べるというのはいけないようでございまして、相関のあるものを除いて変数の組み合わせをつくったのが、その(2)にある簡単な図でございますが、こういった変数の組み合わせをつくりまして、いろいろな組み合わせ、2ページの一番下にございますように14通りの組み合わせが考えられるわけですが、この中で決定係数といいますか、すなわち説明できる度合いの大きい組み合わせにつきまして、実際に重回帰分析をやった結果が6ページから7ページに掲げております。
 これも非常に簡略化した表になってございまして、専門的に申し上げますと、本来は自由度ですとか、あるいは指定値ですとか、定数項ですとか、標準誤差とか、そういったものを併記すべきだというふうに伺っておりますけれども、結論には直接そういった数値は影響しないというふうに考えておりますので、ここでは掲げてございません。もし、委員の皆様方の中でご関心がある方がいらっしゃれば、後ほどおっしゃっていただければ、そういった数字が入ったものもお渡しさせていただきます。
 さて、これで何がわかるのかということでございますが、このペットボトルのところをごらんいただきながら、3ページの結論をごらんいただきますと、まず上の黒丸ですが、考えられ得る変数を用いて重回帰分析を行った結果、作業効率の説明変数としては「1回当たりの積載量」あるいは「積載効率」が有意であるこということが1つ言えます。6ページで申しますと、真ん中から少し上のあたりに1回当たり積載量に網掛けがしてございます。このt値という1回当たり積載量がかなり大きくなっております。したがいまして、1回当たり積載量が有意であるということは、これで1つ言えるかと思います。これも少し大ざっぱに申し上げますと、収集車が1回ぐるっと回って積載してくる量でございますから、ある意味では、1回回っても大した量が収集できていないような市町村が結構ありまして、それが作業効率のばらつきの一つの要因であるということでございます。
 ただ、その結論の2番目の丸にございますように、いずれの回帰式におきましても、その決定係数、これは補正R2というところをごらんいただくのがよろしいんですけれども、補正R2とは、大変技術的なことですが、上のR2から統計上の誤差のようなものとか、あるいは偶然の要素を除こうとしたものだとご理解いただければありがたいんですが。この補正R2の値、これが1に近づけば近づくほど、当該説明変数全体でもって説明でき得る程度が高いということなんですが、これわずか0.16しかないというようなことでございまして、これはどういうことかと申しますと、決定係数が低いものですから、この回帰式で説明できない部分が相当あるというようなことになってまいります。
 したがいまして、結果としては、相対的には先ほど申しましたように、1回当たりの積載量が比較的その起用度は高いんですけれども、しかし、それも含めた全体要素でもって説明できる作業効率の変動というのはわずかだということになっております。最初に申し上げましたように、市区町村の作業効率を普遍的に、市町村横断的に説明できるような変数というのはなかなか見出せないというようなことになりますが、これが何でかというのを検討会でもご議論いただきますとともに、考えられる理由を2つほど並べております。
 やはりまず推測されますのは、市区町村固有の事情というのはやはりいろいろあるんだろうということでございます。各市区町村における収集計画というのは、さまざまな政策的な意図に基づいて策定をされております。例えば、作業上の安全性の重視ということで監視作業員を配置しているとか、あるいは高齢者対策として一部の世帯に対しては特別な収集サービスを提供しているとか、あるいは収集作業と同時にステーションの清掃をやっているとか、あるいは品目ごとの分別を行いながら積載しているとか、そういったさまざまな意図があるのではないかと。
 これは、2つ目のポツにございますように、個別市区町村ごとの環境対策ですとか雇用対策、あるいは福祉対策などによるわけですけれども、こういった定量的な測定できないような取り組みが作業効率に影響を与えている可能性が高いのではないかと。したがって、回帰式の方で説明できない部分につきましては、こういった固有のさまざまな事情が関係しているのではないかということでございます。
 あと、2つ目に統計データの制約もやはりございます。例えば、年間雪日数ですとか道路の混雑度につきましては、市町村レベルのデータはございませんで、県レベルのデータを使用しておりまして、そういったデータの制約も厳然として存在しています。
 結局、こういうふうに見てまいりますと、下の四角にございますように、市区町村固有の事情、市区町村の作業効率なら作業効率を決定するその要因というのは、市区町村ごとにかなり異なっているのではないかと。その固有の事情というのも非常に多岐にわたっている。これはどういうことかといいますと、結局、個々の市町村ごとにいろいろ収集体制ですとかコストを分析していって、その要因分析を行って非効率につながる部分を特定したい、あるいは改変したいということは当然可能なんですけれども、そこで得た要因をほかの市町村も同じようにやればいいかというと、必ずしもそうではない。あるいは全国の市区町村を統一の要因でもって説明しようとすると、なかなかできない。そういった状況なのではないかといったようなことでございます。
 余り明確な結論が出せませんで恐縮でございますけれども、参考までにご報告をさせていただきました。
 以上でございます。

○田中部会長 それでは、今の分別収集のあり方について、ご質問なりご意見があればお願いしたいと思います。まず全般について、高濱さんからお願いします。

○高濱委員 食品産業センターの高濱でございます。
 分別収集の役割分担・費用負担についてご意見を申し上げたいと思いますけれども、その前に、実は今朝の読売新聞の記事のことでございます、「環境省が容器包装ごみ回収費につきまして事業者も負担へ」と、環境省がもう方針を決定したとの記事が出ておりましたが、この記事につきましてその真偽といいますか、事実関係についてまず最初にご説明いただきたいと思います。

○リサイクル推進室長 私どもも驚いております。こういう大きな制度改正を審議・検討しているときには時折見られるものでございますけれども、記者の方が何を根拠に書いたのかというのは、私どもも全く見当つかないというのが正直なところでございまして、12日と書いてございますけれども、きのう特に何の会議をやったわけではございません。いろいろこの記事が皆様方の混乱みたいなことを引き起こしたとすれば、まことに私が申しわけないと言うのもちょっと妙な感じがいたしますけれども、いずれにいたしましても、特段私どもの方で今の時点で何かを決めたということはございません。あくまで、現在この審議会で審議をしていただいているということでご理解いただきたいと存じます。

○高濱委員 現行の容器包装リサイクル法は、環境政策の中でもいわゆる経済的手法という手法を用いているのではないかと思います。事業者の方に何らかの負担をさせると、事業者はその負担を減らそうとして何らかの努力をする。それによって全体としての環境負荷が下がるというシナリオを描いていると思います。
 事業者が現在負担しております再商品化費用につきましては限界はありますけれども、再商品化しやすい材質のものに転換するとか、容器包装の重量を削減するために減量化や薄肉化をするとか、さらにはリサイクルの手法を改善するとかそういう企業努力によりまして、一応事業者としても対応できる可能性があると考えます。
 これに対しまして、分別収集費用や選別保管費用は、これは先ほど室長のご説明にもございましたように、市町村固有のさまざまな事情で決まってくるわけでございまして、事業者が材質を変えるとか、薄肉化をしたからといって分別収集の費用が下がるのかとなると、必ずしもそういう関係は明確には見られないのではないかと思います。むしろ、それぞれの市町村の固有の事情によるところが大きいと思いますし、また、選別保管費用につきましては、容器の本数や個数によって決まってくるとなりますと、それは消費者サイドの要因によってもっぱら決まってくるのではないかと考えるわけです。
 いずれにしましても、分別収集費用や選別保管費用というのは、事業者の努力によって下げられる余地というのは、再商品化コストに比べまして少ないのではないか。したがいまして、そういうものについて事業者に負担をさせたからといって、果たして環境負荷が減るような方向に働くのか、私は大変疑問に思うわけでございまして、結局は単なる費用負担者の付けかえに終わってしまうのではないかと懸念するわけです。
 もし、分別収集費用や選別保管費用を事業者負担にするのであれば、確実に転嫁されるようなシステムが準備されなければいけない。しかし、そういうシステムが本当に準備できるかどうかということについては、私は大変疑問に思うわけです。いわゆる市場メカニズムの中で商品価格に内部化して転嫁するという手法では、到底実現できない。何らかの形で分別収集に係る事業者負担の費用を別途徴収できるような、そういうシステムを構築しなければいけないのではないかと思います。しかし、そういうことは非現実的ではないかと考えますので、やはり現在の役割分担を基本的には維持することが適切ではないかと思います。
 以上でございます。

○田中部会長 事業者は費用負担をしても、転嫁は難しいとおっしゃった……。

○高濱委員 仮に、分別収集費用を事業者に負担するとすれば、確実に転嫁できるシステムを準備しておかなければいけないということを申し上げたわけです。

○田中部会長 転嫁というのは、商品の価格に転嫁するということですか。

○高濱委員 いえ、商品の価格に転嫁するのではなくて、別途費用を徴収できるようなシステム、例えば消費税のような形が考えられるかと思いますが、いずれにしても商品価格に内部化するという手法では、確実に転嫁することはできないのではないかと思っております。

○田中部会長 商品の価格に内部化するということでは難しいと。

○高濱委員 ええ、難しいと思います。

○田中部会長 続いて、森委員。

○森委員 2点申し上げたいと思います。
 まず、アルミ缶リサイクル協会の意見書を添付していただきまして、ありがとうございます。そしてあと2点お願いしたいと思います。
 まず1点目が、資料3ページの役割分担といいますか、容リ法の見直しの中の根幹の議論ということで、ここに環境省の方から仮にという形で、仮に事業者に責任を果たせたらどうなるかというふうに書いてございますが、仮に事業者に責任を果たすと言っている、この目的が我々はよく見えていないということで。我々はあくまでも現行の容器包装リサイクル法の従来どおりの役割維持をベースに考えていきたいと。そして、今まで10年近く、容リ法によって環境負荷の低減と社会コストの最少化ということを三者が目指してきたという、この法律に対して、仮にという形で一気に役割分担を変えるということで、この目的というものをもう少しはっきりしていただきたいと。そして、役割分担の変更による、その目的と効果を明確に実証してからでないと、我々はなかなかこの話は理解できないということでございます。我々だけではございません。このごろ、株主への説明ということもございまして、この辺のはっきりとした目的、効果が見えない中で、費用のつけかえがもし来ても、株主に我々は説明できないということでございます。
 もう一つが、スプレー缶の話が前回に引き続いてまた出てきました。前回、スプレー缶のことは容器製造事業者という立場で少しお話しさせていただいたんですが、前回と同様、スプレー缶は中身の業界と、そして中身を詰める業界と容器の業界というように3つの業界に分かれておりまして、この場では私、容器の業界ということでお話しさせていただきます。
 スプレー缶は金属缶でございますので、きちっと集めれば有価でリサイクルはできるということでいいんですが、中身が残存している場合等、いろいろご迷惑かけているということもあるということでございますので、今後とも消費者の皆様、そして自治体の皆様、業界の我々が役割分担において適切な処理を行いつつ、リサイクルを進めていく必要があると思います。
 それで、エアゾール缶については当事者が多数ございまして、全部を語れるという人がこの場ではいないように私思いますので、一度、エアゾール協会だとか上位団体の関係者の方を、一度関係者の方からご説明をさせていただくとか、そういう場をつくっていただいたらいかがかと思います。
 以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。

○リサイクル推進室長 お二人のご意見につきまして若干のコメントです。
 1つは、ちょっと私の先ほどの資料5の説明が誤解を与えたかもしれませんので、修正というほどでもないですけれども。確かに実際の固有の事情というのはいろいろありますが、確かにそういう面もありますんですけれども、分別収集の費用ですとか、あるいは選別保管の費用は、事業者の努力によって下げられないかどうかという点に関しましては、やはり例えば利用層が頑張って実際に排出量そのものが減ってくれば、当然分別収集費用は非常に単純な話でありますけれども、実際の固有の事情云々かんぬんとは全く別の観点から減ってくるわけです。例えば、またこれもよく言われるペットボトルの圧縮が簡単になるような、真ん中が蛇腹になってくるようなやつが出てくれば、当然容積が減って、これももう単純にどこの市町村の事情と関係なく、分別収集費用が減ってくるわけでございます。
 ですから、そういった意味では固有の事情はたくさんございます中で、必ずしもその事業者の努力がまったく届かないというのは、ちょっと私の説明が誤解を招いたかなというところでございますので、少し訂正させていただきます。
 それと、森委員の方から仮にと書いてあると、目的が不明であるということでございましたけれども、そのあたりはまさにこの資料2の1ページから2ページにかけて、拡大生産者責任の観点から責任分担はどうかとか、あるいは排出抑制を進める観点から責任分担はどんなふうなものが適切かとか、分別収集を促進する観点からどのような責任分担が適切かとか、こういった具体的な課題を掲げてございますので、こういった観点から、まさにそのような責任分担が適切なのかというのを、この場で本日ご議論をいただければありがたいと思う次第でございます。

○田中部会長 それでは引き続き、筑紫委員、お願いします。

○筑紫委員 グッドバンカーの筑紫でございますが、私の方はお隣の高濱委員と反対に、今私ども企業の調査をしている中で、企業さんの方が既にもうこのごみ収集費用とか分別収集費用を事業者に負担させるというようなことも見込んで、もう既に実はなるべくそういうものを出さないとか、内部で資源化していくということはやっていらっしゃるというふうに実感としてございます。ですから、むしろ事業者に負担させるということも改めて言うことによって、さらにそれが加速されてよい方向に行くというふうに感じております。
 ですから、そういう意味で、例えば私どもが5年ほど前に、既に廃棄物処理業者さんのヒアリングをしたときに、どうせこういうものはそのうち企業が自分たちで努力して廃棄物自体がなくなるに決まっていると。だから、我々廃棄物処理業者というのは成長産業ではないと。それを見込んで、むしろどう処理していくかというようなことを企業にアドバイスしていくようなコンサルタンシーをやるんだということを、既に5年前に廃棄物処理業者さんもおっしゃっておられますし、企業の調査をしていてもう実感としては、ちゃんとした企業といいますか、既にそれを先取りしていらっしゃるということがありますので、これはもう事業者の負担ということを言っていいのではないかと。
 やはり、その循環社会ということは脱物質化ということで明らかに、例えば私どもの会社でも、もうコンピューターの設備やなんかはもうすべてリースにしておりますし、物の生産から物の機能を利用するという方向に行っているということは、調査を通しての日々の実感からは明らかに方向性があると。その方向性があることに対し、こういったことの負担ということを掲げることによって、加速されるというふうに感じておりますので、私は事業者に負担させることに賛成でございます。

○田中部会長 園田委員。

○園田委員 市町村に出てくる容器包装廃棄物を不燃・可燃で処理するよりも、リサイクルした場合の方がコストが多くかかる。そのリサイクルコストをどこが持つかみたいな議論になっているような気がするんですけれども、ちょっと原因と対策みたいものを取り違えている部分がありまして、原因というのは、むしろ可燃・不燃処理とか、それですら非常に処理困難というものの方に原因があって、それをどう減らしていくかということでかかわっていかなくてはいけないところで、リサイクルコストだけどうするかという議論が狭くなってしまうと、ちょっと違うのではないかなというふうに思います。
 それで、OECDのEPRにしましても、決してリサイクルコストだけを負担しなさいとか、しろとか、そういうことを言っているわけではなくて、製造者が自分が製造するものについて処理のことまで考えていくような仕組みという、そういうことが書いてあるわけで、より処理困難なものほど負担が大きい。そしてその対策は、リサイクルの方が少ない負担でできるというような仕組みにしていくことが必要ではないかというふうに私は思います。
 それで、10年前に容リ法ができた意義は非常に大きいと思っておりまして、EPRというものもいろいろないただく資料を見ていますと、思った以上に非常に効果が出ているというふうに感じておりますけれども、今回の見直しでは、ぜひ市民の責任というところをもうちょっと大きく取り上げていただきたいと思うんですね。今のところ、市民は分別の責任ということでなっていますけれども、その他プラスチック、特に異物の混入が多いという指摘がありますけれども、そのことというのは、市民が――国民というんですかね、その分別の責任を余り果たしていないというあらわれでもあるかと思うんです。
 なぜそうなってしまうのか。分別しないで集積所に適当に置いたりしても、結局問われないわけですよね。市民はどんな出し方をしても全然問われない。そういうことがやはりまだ不足している部分ではないかというふうに思います。そういうことが問われるような仕組みにしていただきたいということ。
 それから、責任がどこにあるかということをやっていくときに、従来の市町村の責任は、明治時代から廃棄物処理の責任を持つんだというふうに規定されてきていますけれども、そこがかなり変わっていくのではないかと思うんですね。ですから、そこのところも根本的な見直す必要、ほかの法制度との整合性とか、そういうことで市町村の責任とか役割の質が変わっていく、むしろチェックですとか管理監督とか、さらに重要になっていく部分もあると思うんです。事業者とか市民がその関係の中で解決していくときに、それをやはり後ろから見ているというか、そういうところの責任というのはむしろ逆に大きくなっていくというように思います。
 それと、市町村コストの比較のところなんですけれども、市民として知りたいのは分別の数ですね。最近、15分別とか20分別とか非常に細かく分別している市町村ありますけれども、そういうところが、細かく分別している場合と非常に大ざっぱにやっている場合とどう違うのかとか、それから行政が市民に対して、その分別に対してどの程度説明をしているか。説明会などを頻繁に開いて細かく説明していたり、それから集積所のところで、ちゃんと分別していないものは残していくと、そういうやり方をしているところもあるんですね。そういうやり方をしているのかどうか。住民が排出の段階でどの程度細かくきれいに分別されているかどうかによって、その費用というのは変わってくるのではないかという気がするんです。市町村がすごく手間をかけているのか、住民の方がやっているのかという、そこのところの因果関係がわかるとありがたいと思います。
 それと、トップランナーに関しては、やはり出していただくのがいいと思うんですね。それは受けとめる側が非常に浅いところで、ここはこんなによくやっているのに、何でここはやっていないのみたいな、そういうような非常にネガティブな発想でそれを見てしまうと、非常にまずいと思うんですけれども、なるべくトップランナーのよいところを自分たちのところで、事情で取り入れられるものは取り入れていくという、そういう発想でやっていくとすれば、トップランナーを分析して、こういうことでいい結果が出ているという、そういう開示といいますか、そういうことをぜひやっていただきたいと思います。
 それと、コストの内部化のことなんですけれども、市民の責任ということから考えますと、やはり内部化するという形で、市民、消費者が責任をとってその費用を出していくということがやはり理想ではないかと思うんですね。それに対して非常に難しいという要因はあると思うんですけれども、いろいろ工夫して、こういう方法ではできるのではないかということで、経済的手法ですから、経済学の専門の方とかでそういう検討をぜひしていただきたいと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。木野委員、お願いします。

○木野委員 あり方についていろいろ議論していくわけですけれども、いずれにしろ、持続可能な循環型社会と、こういうキーワードに即した考え方で一つの手法を見直すときに、その方法論が環境負荷の低減につながるのかどうか、あるいはその方法論が社会的総コストをミニマム化していくことにつながるのかどうかと、必ずこの2つの物差しですべてのいろいろな方法論を見直していけば見えてくると思うんですね。そう考えたときに、この分別収集の物理的役割はどうあるべきなのかと、次に財政的な役割はどうあるべきなのかと、こういう順番で考えていけばいいかと思っております。
 そういったときに、収集の物理的な負担ということは、いわゆる可燃・不燃あるいは生活系ごみ、こういったものを自治体の方で全国やるわけですから、そこにこういうリサイクル物についても乗っけることが、トータルの環境負荷を考えたときには当然一番望ましい姿と、こういうふうに考えています。
 次に、それでは財政的負担をどうすればいいのかと、こういうときに、いわゆる物理的に実行する主体と負担する主体、これが別々に負担することが物理的な作業効率を上げることにつながるのかどうかと。そう考えたときには、私は物理的負担と財政的負担は基本的には同一の主体に帰属されると、これがやはり一つの経済的な、いかに効率的にやるかということを志向する施行することにつながっていくと、こういうふうに考えております。
 そういった中で、いわゆるコストのアンバランスといいますか、公平というご意見ございますけれども、上に書いてありますように380億と400億、こういった追加的費用あるいは参考資料の方で出ていますいわゆる便益というものを入れると、こういう考え方は当然しないといけないと思う。ただ、そもそも論で言えば、この自治体のいわゆる税金、事業者も当然法人税とか、サラリーマンの給与所得の所得税とか、その税金の中身には事業者ももちろん入ってはいるんですけれども、そういう税金という社会的コストと、事業者が結局物を売るということで消費者が購入する、こういう社会的コスト。いずれにしろ、トータル同じ社会的コストは消費者が負担するわけですから、それをどういうやり方にすれば一番ミニマムになるのかと、そういう考え方で整理したときに、そもそも事業者側も再商品化という社会的コストをいかに下げるかと。そのためにいろいろな再商品化の手法あるいは設備、そういったものを今まで開発してきたわけですね。それによるコストダウンに長年取り組んできたと。自治体さんの方でも、そういう収集というコストあるいは先日初めて開示されたわけですけれども、それをいかに今後効率的にやっていくかということを主体で取り組んでいくことと、これがやはり必要ではないかと、こういうふうに考えております。
 もう1点、価格転嫁のところございましたけれども、現実的に我々事業者が商品を販売するときには、事業系に行くもの、あるいは自治体系に行くもの、どこに行くかもちろんわかりませんから、こういう自治体系でのものを価格に転嫁して、いわゆる事業系、業務用と言われているところに行くということはちょっと法律的には難しい。あるいは、じゃ価格転嫁することによって何が期待できるかというときに、消費税のような形で明らかに見える外出し方式ならわかりますけれども、いろいろな物の値段がさまざまなばらつきがある中で、中に入っていますよということでは、消費者のいわゆる認知ということはやはり現実的には難しい。あるいは1つ当たりになれば何銭という世界を、例えば自動販売機になると、これは10円単位なんですね。いわゆる便乗値上げ、こういうような問題も当然出てきます。かなり技術的に、やはりそういう価格転嫁というのは難しいということはご理解いただけたらと思っています。

○田中部会長 崎田委員。

○崎田委員 実は、今回の今の役割分担といったこの話をするときに大事なのは、今まで私たち、本当にたくさんの商品を使って、本当に便利でありがたいと思いながら暮らしてきたんですけれども、それが余りにも大量にふえてしまっている。大量にリサイクルしなければいけない。そういう中でもっともっと資源を大切に行くためにどういうふうにするかということで、これ使ってから税金で処理をするという今までのシステムを大きく構造改革をするために、2000年に循環基本計画というのができたんだと思うんですね。そういう新しい大きな構造改革の中で、その前後に容器包装リサイクル法とか、家電リサイクル法とか、その他のいろいろなリサイクルのシステムができてきた。
 そういう流れの中で、本当に私たち今この容器包装リサイクル法が消費者にとっては一番身近な法律というか、本当に日々の目に見える暮らしに関係しているんですね。ですから、ここの法律がどう変わるのかというのが、これからの容器包装だけではなくて、日本の暮らし方の全部にかかわってくることだというふうに思って、大きく関心を持っています。
 そういうことで考えると、やはりメーカーの皆さんと消費者がともに責任を担いながら、受益者としての責任を担いながら社会的な責任を果たしていくために、新しいこの法律をどういうふうに変えていったらいいのかということを真剣に考える。それを結果を出さなければ、全国の市民や事業者、ほかの業界の方から本当に笑われてしまうのではないかと思って、私は真剣な思いで参加させていただいております。
 そういう意味で、業界の方に何か申し上げるだけではなく、消費者自身ももっともっと真剣に物を選んで買う、きちんと大切に使う、使ったら分けて出すとか、そういうことがもっと問われなければいけないですし、そういう意味では、環境教育ということを本当にここ数年、政府の方もしっかりと制度づくりをしてきてくださっていますし、地域社会でも広がっています。それに家庭ごみ有料化という施策でもっともっと消費者が責任を持つという、そういう全体論も進んできているという、そういう流れの中で、今私たちはこの――今コストという話になっていますが、役割の変革というのを考えているところだというふうに考えています。
 それを踏まえて思うと、今考えなければいけないのは、単に役割ということから言えば、やはりもっともっとメーカー側の方と消費者がきちんと自覚していくというふうに変えた方がいいと私は思っております。じゃ、実際にコストをどういうふうな割合にしていくかとか、じゃ、実際にそれだけではなくて実施するのはどうするのかとか、そういうようなことを考えたときに、先ほど事務局からのご説明のときにちょうど3ページなんですが、仮に分別収集・選別保管についても事業者に責任を課すとしても、具体的にどのような責任の果たし方が考えられるかというふうに書いてあるところで、ご説明の中に「ゼロが100かの議論ではなく」というようなお言葉があったのがすごく印象に残っています。
 そういう意味で、ここで急に一遍に変えることは無理でも、一体これから10年、20年後の日本の将来に対して、どういうふうに産業界と消費者が責任を持っていくように持っていきたいかということを考えながら、例えば家電も今4品目で入っていますが――1つふえてきましたか、まだですか。家電は4品目ですが、その後、家電の4品目以外にどれだけふやしたらいいのかというものもこれから議論になるわけですし、ほかにもパソコンとか、資源有効利用促進法でどんどんいろいろな業界が考えてくださっているわけです。
 そういう流れの中で、やはりすぐに100まで行かないとか、行かなくても、今の社会の中でどういうことが可能なのかということをきちんと考えて示していくということが、今の日本の社会に対する責任の示し方なのではないかというふうに考えています。

○田中部会長 ありがとうございました。
 萩原委員、お願いします。

○萩原委員 今の崎田さんの非常に広い意見の後なんですけれども、もっと具体的に言いますと、店頭回収とか集団回収の位置づけというところが今回きちっと書かれておるんですけれども、私も幾つかの市区町村関係の委員とかやっている中で、やはりここの市民の意識あるいは消費者の意識ということを啓発していくためには、ここのところを充実していくというのが非常に重要かというふうに思っております。
 ただし、実は集団回収・店頭回収に関しては、まさにこの法律の中に示されていなくて、これは自発的な問題ですので、法律で明確に強制的に書くということ自体がなじまないというふうに思いますが、ここはやはり意識啓発というところから見ても重視していくべきだと思います。その際の市区町村の行政の支援体制というものが、さらに充実されたものにしていくべきである的なものは入ってもいいかなというふうには思っています。
 実はおととい、墨田区の方で推進委員会が答申を出したんですけれども、やはり集団回収にしても、拠点回収にしても、市民が、あるいは消費者が出しやすい場所あるいは回数とか、そういったものをもっと工夫していくべきであろうというのが出されました。拠点回収では、店頭回収がまさに自発的なんですが、途中でやめられるところも多いと。それはなぜかというと、やはり保管場所がないということ、それからコストが非常にかかる、余計な人件費がかかる。それからこれは消費者の問題になってきますが、きちんと洗って出されていないとか、そういったさまざまな問題が指摘されました。それに対して、やはり店頭で回収していただくということが非常に重要なので、それをどのように効率的にしていくかということも課題として出されました。
 それから、田中委員長が調査でお示しなされていますように、100メートルを超えるとなかなか分別が進まないと、そこまで消費者が持っていかないという調査がたしかあったかと思いますけれども、それを踏まえて、できるだけ自宅から100メートル以内にどれだけ拠点回収地をつくるかということで、現在のごみの集積所、これを利用していく必要もあるのではないかと。つまり廃棄物というものと、それから資源であるということを、それは時代によって変わってくるので、その集積場を用いながら分別回収していくということも必要ではないかと。
 それから、学校教育、まさに環境教育を考えたときには、子供会の回収のみならず、子供も大人も一緒になって考えるために、学校も一つの拠点回収地として考えていくべきではないかという案が出されました。ですから、今までの回収をしている場所プラス新しい回収地点というものもこれから考えていく必要があるだろうというふうな意見が出されましたことを、ちょっとここでご報告します。
 そのためには、行政の役割としてはPR、それからある意味での経済的な費用負担ということも含めて考えていくべきだろうというふうな意見が出されました。もちろんそこには事業者も責任というものを踏まえてくるべきだろうというふうに思います。要するに住民側の方も非常に多様性が増してきておりますので、多様な分別できるような方法というものを、仕組みをまさに考えていく必要があるのではないかというふうに思います。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 山本和夫委員、お願いします。

○山本(和)委員 私は、この容器包装のリサイクルの話のところで、原則としてどう考えるべきか、また、実際にはどうすべきかということを別けて考える必要があるかと思います。費用負担のことで言うと、分別収集・選別保管の「・」の意味が非常に大きいのではないかと、そういうふうに思っております。
 まず、その原則として、容器包装廃棄物というのはもう一般廃棄物や産業廃棄物、廃棄物であるという呪縛を外して、資源としていかに回収するかという部分を考えていく、皆様のご意見と一緒だと思いますけれども。そういうところで考えていくべきだろうと思いますが、その原則としてはやはり売り手と買い手の間での問題であって、商品は容器包装がなければ売れないということであれば、中身を売るためにそういうものがあるわけで、そういうものを資源として回収するわけですから、基本的には売り手と買い手の間での折り合いの問題だろうと思います。
 ですので、そういうことを考えると、原則としてやはり拠点回収であったり、店頭回収であったり、自主的な回収の方策、トレイの協会さんが出しているような店頭回収に対する支援とか、そういう自主的な回収の仕組みというものを国として支援していくというのは非常に重要だと思います。そういうところを考えますと、そういうものが原則だとしますと、では今すべてそうなるのかと言えば、そうではないと。かつ、自治体の収集のところでのコストが非常に大きく振れている理由が、実は容器包装廃棄物を収集する以外に高齢者の対策であったり、障害者の対策であったり、あるいは雇用もあったり、あるいは共働きの人の支援だったり、そういう意味である種の行政サービスとしてやっている部分があるというお話だったと思うんですけれども、そういう部分をどう考えるかということもあるのではないかと思います。
 そうしますと、原則として店頭回収や自主回収というものではあるけれども、先ほどのゼロか100かの議論ではなく、どこかで前進させた議論にしていくためには、行政のサービスとして引き受ける部分はどこか。事業者が引き受ける部分がどこかという仕分けをどこに持っていくのがいいんだろうかなと考えますと、やはり分別収集・選別保管の「・」のところではないかと。収集のところまでは、ある種いろいろな意味での行政サービス等々の一環としてあるかもしれない。ただし、どこで選別保管をやるかは別にして、あるいは委託をするかは別にして、その部分は店頭回収とか拠点回収のルールに乗っていくと、そこまでは消費者が持ってくることを行政が代替するわけですから、それ以降のことは業者が負担すると、そういうような考え方があってもいいのではないかなと思っております。
 以上です。

○田中部会長 具体的な提案ありがとうございました。
 引き続いて、庄子委員にお願いしたいと思います。

○庄子委員 私からは、先ほど高濱委員、それから園田委員、それから崎田委員がおっしゃったご意見と大変近い意見でございます。部会長の田中先生はよくご存じかと思いますけれども、数年前にワシントンで拡大生産者責任の会議がございました。その際にフランス代表、これは事務局長で、女性の方が、企業、事業者というのは拡大生産者責任というものを念頭に置いて環境に取り組まなければいけないということを話されました。その後で私は質問ということで、それについては前提条件がたくさんあるでしょうというようなことを言いましたら、アメリカ代表も同じことを質問しました。
 その発表の後で、フランス代表から、日本の産業界からの私と、それからアメリカの代表が呼ばれました。それでお話しし合いました。そのときに何とそのフランスの事務局長さんが言われたのに、私は感銘を受けました。それは、この拡大生産者責任というものを言うときには、まずは市民の責任というものを徹底しました。ですから、市民の責任の上に立った上で、事業者に対しての拡大生産者責任というものを問うているんですという言い方です。これには、アメリカ代表も私ももちろん同意しまして、私はそれ以来、拡大生産者責任というのは、やはりちゃんとしたシステムができ上がった上で、その上でやらせていただきたいということを申しております。
 その際にフランス代表から、環境教育というのは一体日本でどうなっていますかということを問われました。以来、私は6年間、この委員会を含めてほかの会議でもそうですけれども、環境教育というものを徹底してくださいということを申し上げております。やはりそれが原点にあるのではなかろうかと。
 分別収集というので、実は私ども大変困っておりますのは、有機物での通称メタクレス発電です。実際に6つのホテル・旅館から来るものを発電原料にしているわけでございますけれども、現実には有機物以外のごみが非常に多いんですね。我々としては、こういうものは混入させてはいけませんというようなことを言うんですけれども、現実にはそういうふうに指定された場所に置いてすら守られていないという状況で、これはもっともっと環境教育をやっていっていただかないといけないと思いますので、どうぞその辺を議論の中にも入れていただきたいというふうに思っております。
 以上です。

○田中部会長 服部委員、お願いします。

○服部委員 今話されているのは、市町村及び事業者の責任範囲の見直しということです。この責任範囲につきまして、これまで市町村が担ってきた分別収集・保管のそういった物理的な作業及び費用コストの面におきましても見直すべきだと思います。
 どのように見直すかといいますと、市町村のこれまで担ってきた責任を、事業者の方がきちんと責任を担うというふうに見直すべきだと思います。先ほど来、これまでの議論の中でも、事業者の方から社会コスト及び環境負荷を低減するように改正を進めていくという、共通認識だと思うんですけれども、そういうお話が出ながら、この責任範囲の見直しに関しましてはどうも後ろ向きといいますか、現行法のままでいいというふうに受け取らざるを得ないような発言が続いています。
 この話は初めてではなくて、これまでにも再三してきたわけですが、実際に環境負荷を低減する、あるいは社会コストを低減するために、事業者の方たちはどのような見直しを望んでいるのかということをきちんとお聞かせしていただきたいと思います。今の現行法では、たくさんの自治体の方から声が上がっておりますように、収集・選別保管に非常に費用がかかって、このままでは、今やっていらっしゃるところもありますけれども、財政の厳しいところでは収集に踏み込めないという、そういった自治体も多いわけですね。
 ですから、今の問題点としては、やはりこの費用問題は非常に大きくクローズアップされているわけです。この前3R推進閣僚会議があり、日本はその開催地でもあったわけですから、世界に先駆けて3Rを推進していくと、そういった意思表示もしたわけです。その3Rという面で言いましても、リターナブル容器がふえるのではなくて、逆に現行法によってワンウェイ容器の方がふえてしまっている。そういった現状は紛れもない事実としてあるわけです。費用負担がふえてしまって、発生抑制が寄与できていない。それからリユース瓶というか、リユースの方も停滞してしまっているというようなことは、今の現行法を評価をするときに共通認識じゃないかと思います。それをどうやって変えていくかということで、今回資料に出されておりますようないろいろな論点が出てきていると思います。
 事業者が費用負担をすることによりどのように変わっていくかといいますと、やはり消費者――先ほど、消費者がきちんとこれからの社会に向けて自覚していかなければならないというお話、確かにそのとおりだと思いますが、買う段階になりますと、やはり店頭に並んでいる、もう製品として並んでしまっているものを選んで買うしかないわけですね。先ほど言いましたように、ワンウェイ容器をリユース容器に変えていく、あるいは簡易包装に変えていく。それからさらに軽量化していくという、そのことの決定権を持っているのは、生産者あるいは売っている販売者だと思うんですね。その方たちにどのように責任を負わせていくかということによって、結果的にごみも減っていくということが言えると思います。これまでにもこれは何回も言ってきたことなんですけれども。
 ですから、先ほど高濱委員がおっしゃいましたように、事業者が費用負担をする。収集費用を負担するようになっても、変わらないのではなくて、簡易包装がふえたり、あるいはリユース容器に変わっていくような、そういった担保ができると思います。今のままでは決してそれが進むとは思いません。
 それから、製品への転嫁ということがずっと問題になっていると思いますけれども、絶対額が小さくて、これでは消費者にとっては余りそれを選ぶためのインセンティブにならないということが、こちらの論点の方にも書かれているんですけれども、消費者が選ぶ際に、5円高くなったとしても、買うは買う。暑くなれば、だんだんペットボトルの飲料を買う人もふえてくるかと思います。多分余り効果がないかな私も思いますけれども。むしろ生産側に、つくっている製造者側にどのようなインパクトを与えるかということが重要だと思います。やはり1円であっても、0.5円であっても、その事業者にとってはその金額をどのように軽減していくかということが大きなテーマとして与えられるわけです。これまで現行法の中でも、再商品化費用を転嫁することによって軽量化するというような努力が行われたわけですから、さらにそれを強めることによりまして、また一層簡易包装を進める、あるいは軽量化を進める。そしてもっともっと努力をするのであれば、ワンウェイ容器をリユース容器に変えていくというような、そういった期待が持てるわけです。
 努力する企業が報われていくような、そういった制度改革を私たちは望んでおりますし、たくさんかかっている社会コストもまた、拡大生産者責任を徹底させることによって軽減していくというような提案をさせていただいているので、ぜひ事業者サイドの方でも、どのようにすればそういった社会コストを軽減し、ごみも減っていくか。できない、できないということではなくて、こういうふうにすればそれが可能だということを、むしろ提案をしていただければなと考えております。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 では引き続いて、岩倉委員、石川委員と順番でお願いします。

○岩倉委員 私は事業者の立場で、先ほど高濱委員、木野委員からお話があったように、この分別収集のあり方及び責任分担のあり方の総論については現行の分担のあり方でいいと、こう考えております。総論については皆さんからお話がありましたので、私は少し具体的なことで申し上げたいというふうに思いますけれども。
 その前に、ちょっと誤解があってはいけませんので、先ほど一部の委員の方から、事業者は既に分別収集費用を負担することを前提にしながらいろいろな取り組みを行っているということを、事業者の意見から聞いているというお話がありましたけれども、私は私自身、事業の中に身を置いていますし、事業者の協会に身を置いておりますけれども、事業者の大方はそういうことではなくて、環境に対して事業者としても取り組まなければいかん、それから事業という点からも商品のコスト低減を図るというようなことで、減量化だとか軽量化というような、そういう視点で進めていると、こういう実態でありますので、そこは誤解をいただかないようにしていただきたいと、こんなふうに思います。
 そんな中で、この社会全体の容器包装物の処理に係るコストのあり方と。これまでも役所の方からも、市町村の分別収集費用の実態として15年度に3,000億円、それと並列して、企業の方の再商品化400億円と、こういう数字がありますけれども、市町村の3,000億円についてはこれまでも説明がありましたが、1つの実態調査の数字であると。しかし、その中には最大値、最小値非常にばらつきもあるし、その中身については市町村の算定方式もさまざまだと。そういう点でいけば、実態の違いはあるんでしょうけれども、いかにコスト低減を図るかということについては、まだまだ努力するべきことがあるのではないかと。
 それから、事業者の再商品化事業400億円と書いてあります、これは事実でありますけれども、既に報告をされて容リ協からもお話があるので皆様もご存じだと思いますが、これが16年度は500億円、17年度計画では600億円という数字に上がってしまってきているという実情があるわけです。となると、これは後段の再商品化手法との絡みにもなりますけれども、これはこれとしていかにコストを低減するかという努力をしなければいかん部分。双方を、分別収集もそれはそれとしてどうやって低減するか、再商品化もそれとしてどうやってするかということが現時点では非常に大きな課題だと思います。こういう時点で、この社会全体のコストを低減するために、費用分担をどちらかにつければトータルコストが減るのではないかというのは、まだ時期尚早だと、私はこういうふうに考えます。
 それからもう1点、先ほど園田委員から、特にその他のプラスチックに関して、市民の皆さんの分別の仕方がまだ努力不足ではないかというお話がございました。我々事業者にとっては大変心強い前向きなお話だというふうに受け取らせていただきますけれども。
 特に、その他のプラスチックについては、後段の分別基準にも関係すると思いますけれども、やはりすべてのプラスチックを同じように集めてリサイクルしているという現状、これが1つは分別収集費用も高めているのではないか。消費者が分別をするときにも、非常に分別しにくい部分があるのではないかと。そういうことで私は、その他のプラスチックというのは容器包装の中に占める割合が非常に大きいですし、コスト的にも非常に大きい部分ですので、この点につきましては、やはりきれいなもの、汚いものと、こういうような分別をして、それぞれ処理の仕方を変えるというようなことをしていかないと、トータルコストの低減にもならないなと、こんなふうに思いますので、その点ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、ポリスチレン協会の資料をつけていただきました。これはトレイのポリの物づくりにかかわっている業界の意向ですので、ごらんいただきたいと思います。
 以上でございます。

○田中部会長 引き続いて、石川委員、お願いします。

○石川委員 既に何度かお話をしていることですけれども、基本的には、私ども自治体としても3Rを進めていくと、今回この容リ法の改正の議論も、基本はその3Rをいかに進めていくのかということが前提だろうというふうに思っております。自治体間によって温度差はありますけれども、いわゆるごみの有料化についても、これはもうやむを得ない政策だろうというふうに思っております。
 ただ、あくまでもリデュースを進める上で有料化と同時に、やはり事業者さんはワンウェイにならない、しっかりとしたリユースができるような容器をさらに開発をする、そういう努力をやはり進めていく必要があるのではないかなと思います。
 今、問題になっております自治体の負担の問題でありますけれども、いわばごみの収集に当たっては、個々の市民、消費者が負担あるいはごみの分別収集等についての排出についても、個々人が最大限相対で見えるような体制をとっていくことが、一番ごみのリサイクルについても、あるいはコスト低減についても成果に結びつくという傾向にあるだろうと思います。ですから、例えば集団回収よりは各戸回収の方がより緻密な分別ができるということにもなりますし、またコストの関係でも、有料化というのは自分が出すごみがこれだけのコストがかかるんですよということが明示され、本人も自覚できるような経済的なインセンティブによって進んでいくと、こういうことがベースにあるんだろうと思います。
 ただ、残念ながら、この間の自治体の負担というのはもう限界に近いところに来ております。確かにリサイクルのための分別は進んできたわけですけれども、進めれば進めるほどコストがかかるというのは、これは事実なわけであります。まとまったものをさらに細かく分けて収集・運搬・管理をするわけですから余計にかかる。しかし、そのことによって得られる価値というのは大したものではないと。先ほどアルミ缶の話もありましたけれども、しかしアルミ缶でもコストを上回る売り上げがあるというふうに言っていますが、これは今あるリサイクルのラインに乗っているから、そういうことも試算としては出てくるのかなと思います。単体でアルミを仮に分別収集したとしても、これはそういうことにはならないというふうに思いますし、またアルミ缶自体は、アルミをつくる上での環境負荷もかかっているわけでありまして、こういったことを総体として考える必要があるのではないかなというふうに思います。
 いわば、今自治体が負担をしている負担を、このゆがみを正すと同時に、さらにリサイクルを進めていくためには、やはりリサイクルをしっかりとしている自治体については、それに見合った交付金なり何なりがもたらされる。本来ならば、事業者がすべて負担をするというのがベースかもしれませんが、現状なかなかそこまで戻すのはもう無理だろうというふうに私自身は判断をしておりまして、いわば製品に内部化された、製品の価格に上乗せされたものが、自治体のリサイクルの量に従って配分をされるというような仕組みを今回きちっと確立することによって、よりリサイクルも推進をされ、そしてリターナブルについてはまた別の方法でリターナブルの育成をしていく方法を、この際きちっと確立をしていく必要があるのではないかなというふうに思っております。
 それから、最後にスプレー缶ですけれども、自治体によっては、スプレー缶は穴をあけて出してくださいというようなことをやっているところもありますし、また危険物ということで出しているところも、かなりまちまちですけれども、少なくとも大きな火災ですとか事故の原因になっていることはもう事実でありまして、こういうものについては別途特別な扱い方をきちっとしていくということを、この際明確にしておく必要があるだろうというふうに思っております。
 以上です。

○田中部会長 石井和男委員、お願いします。

○石井(和)委員 原点に戻る議論で、もう次回以降はこういうことを申し上げないつもりでおります。そういったことを前提に申し上げたいと思います。
 拡大生産者責任の論点というのは、これまでのご審議の中で、特に事業者側のご意見を聞いておりますと、拡大生産者責任の問題を費用負担の問題に矮小化しているのではないか、ちょっと言葉がきついですが、そういうふうに受けとめられます。申し上げるまでもなく、拡大生産者責任というのは、具体的にはその製品の製造コストにリサイクルを含めた廃棄物の処理費用を内部化することだというふうに言われているわけでございまして、これは言葉を変えて言えば、従来の税金による処理から、製品の価格の中から負担する方式へと転換することだと思っております。
 私ども、事業者のご意見を聞いておりますと、事業者は拡大生産者責任論といいましょうか、こういったものを回避して、容リ法の見直しの問題を費用負担の問題に限定し、自治体の財政負担が重くなっているのは、いわゆる自治体の分別収集あるいは選別保管のやり方でございますとか、仕事の非効率性にあると主張されておられるわけですね。言葉を返して言えば、みずからいわゆる事業者が分別をすれば、そんな大きな負担がかからないということを言っているのかなというふうにもとれるわけで、そういった意味で、当初から私ども拡大生産者責任ということを前提とした上で、特定事業者に分別収集・選別保管までの費用負担を含めて責任を持ってやっていただきたいということを申し上げてきたわけでございます。先ほども事業者の方々のお話を聞いておりますと、現行システムを前提としたというお話が何回も出てきております。この審議会というのは、循環型社会の構築に向けて容器包装リサイクル法を、10年間やってきたものをどう前進させるかということで審議会が持たれているんだろうというふうに私は考えているわけです。
 実は、昨日も大都市、東京都を含めて政令指定市の清掃を担う局部長会議があったわけでございますが、その会議でも、今回の容リ法の見直しの審議会での議論を非常に注目しておりまして、現行システムを前提とした中での議論に対して非常に危機感を持っております。現行システムがこのまま続いていくのであれば、まじめに取り組んでいる自治体が容リ法の仕組みから離脱するということ、率直に言って、これは私が脅かしとかそういうことで言っているわけではありません。あるいは容リ法が破綻するという危惧すら心配をしているところでございます。
 そういった意味で、これ以上申し上げませんが、私どもは事業者が拡大生産者責任を持って、いわゆる基本認識を持っていただけるという前提であれば、その役割分担を含めてこれから議論をすることはやぶさかでないということをとりあえず申し上げて、大変厳しい申し上げ方になったかと思いますが、全都清として、自治体の立場からの一つの意見として申し上げておきたいと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。
 引き続いて、岡部委員、お願いします。

○岡部委員 1点だけ申し上げます。市町村コストの透明化と効率化をどのように促進するかということで、最も効果的に作業を行ったところの市町村の分別収集、この費用を算定してモデルとすることは可能かという論点が今示されているんですが、先ほど室長の方から資料5の説明がありまして、これは前に出された中間報告のパート2ということで、さらにいろいろ分析をされてご報告がありました。やはり難しいんだということが示されていると思うんですが、先ほどの説明でも資料5の3ページのところに、これらのデータを用いて、全国の市町村区における作業効率を統一の式で表現することは適当ではないと言えると、囲みの中にそういう表現があるように、やはり非常に難しい問題だというふうに思います。
 前出されたときも私申し上げたんですが、あのときは自治体直営でやる場合と、それから委託する場合という形の比較が出ておりまして、自治体の場合の比較は、各項目ごとに積み上げた数字を積算して費用が出されていると。委託に出している場合は、いわゆる委託費用込みの数字になっていまして、中の分析ができていないということで、客観的に正しく比較できるかどうかちょっと不安な点がということで、そこは注意してほしいと、そういうふうにご意見申し上げたと思うんですが。
 そういった意味でも、やはり先ほど積載量のことも出されていましたように、これは分別収集なり分別処理を丁寧にやればやるほどコストは高くなるという結論になってくるわけですよね。したがって、それを効率面というコスト論だけから見ると、何かむだ遣いをしているかのような見方をされかねないという、非常に危ういところがございまして。私自身、市町村のコスト検証は必要だと思っています。そのことを否定するものではないんですが、ここのところで、やはり最も効率的に作業を行ったと、いわゆる効率面だけでというのは非常に危険であると思います。
 ちょっと違いますけれども、公共事業の入札のときも、今まではいわゆる可能な限り安い価格で調達を行うことが税金のむだ遣いを省くという、そういう考え方で公共事業の入札なんかも考えられていたんですが、今は総合評価という形になっていまして、価格という単一要素だけで決定するべきではないというのは、これは国も自治体も公共事業の入札のときにもう既にそういう手法を取り入れてありますので、このことは、やはりこの循環型社会をつくる意味でも非常に大事ではないかと思います。
 結果として、効率化のみ追求のもとで逆に環境負荷を高めてしまって、またその改善のために新たな資金が必要になるという、果たして真の意味での効率化ができるのかということもあろうと思いますので、ぜひその点は注意していただきたいと思います。2月の段階で意見具申しているように、標準的な分析手法を提案していくべきであると意見具申されていますので、やはりこれは標準的なということを十分注意すべきだと思います。こういう手法が、ちょっとどういうふうになるかわかりませんけれども、手法が出されますと、絶対的なものとして取り扱われるおそれがありますし、これ以外の選択肢はないんだというような、そういうものとしてひとり歩きしていく可能性がありますので、そこのところはぜひ注意をしていただきたいというふうに意見を申し上げておきたいと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。
 大塚委員、お願いします。

○大塚委員 4点ほど非常に簡単に申し上げておきたいと思います。
 1つは、一番申し上げておきたいところですけれども、先ほどからいろいろご議論が出ておりますが、要するにEPRというのは、リサイクルを含めて処理に費用がかかるということをできるだけ減らすというために、生産者にそれに伴った責任を負っていただくというものですので、生産者は結局そういうものを生産されたことに伴って、物理的責任ないし財政的な責任を負われるということがもとのところにあります。それは改めて確認をしておく必要があるのではないかと思っております。
 先ほど、環境負荷の低減とか社会的コストの観点から見るというご議論がありまして、私もそのとおりだと思っていますが、そのときに、分別収集の物理的な役割というのは自治体が負うのが当然だということには、しかし、その観点からは必ずしもならないのではないかというのがまさに今議論しているところではないかと思います。ですから、確かに現在の自治体の分別収集の仕組みを変えてしまうと、イニシアルコストは非常にかかると思うんですけれども、環境負荷の低減とか社会的コストの観点から、本当に自治体がやった方がいいのかはまさに問題ではあるわけですね。ですから、一足飛びにそこの分別収集・選別保管はすべて製造者にということも十分考えられるんですけれども、ただ、この間出ていた、例えば3,000億という数字が出ていたように、今、製造事業者にそういうことをすべて支払いの責任を負っていただくというのはなかなか難しいだろうということから、暫定的な観点から、先ほど藤井室長がおっしゃったようにオール・オア・ナッシングではなくて、中間的な解決を目指したらどうかということなのではないかと思います。分別収集と選別保管を分けて、選別保管については事業者に支払いの責任を負っていただくというのは、1つの折衷的な考え方ではありますけれども、1つのラインだろうということではないかと思います。
 それから、2つ目の点ですけれども、ここで先ほど資料5のご説明がございまして、自治体によっていろいろな要素があって、何が最も効率的かということは一概に言えないというのはそのとおりなんだと思うんですけれども、ここで例えば3ページで書いてあるようないろいろなご事情というのはもちろんあって、今までどおり続けていただくのは全然構わないと思うんですけれども。しかし、この作業というのはもともと、例えば製造事業者が選別保管等について支払いをしていただくという額を考えるときの基礎資料であって、別にこれしかやってはいけないとか、自治体はここまでしかやってはいけないとか、そんなことを言っているわけではないので、支払額を決めるための基礎資料になるものが出ていれば、それでいいんだろうと。そういう観点から、ここからモデルを出していくということは恐らく可能ではないかというふうに考えております。
 第3点ですが、消費者の分別が進んでいないというのは確かにそのとおりで非常に大きな問題だと思いますけれども、これは別の問題と関係しますけれども、自治体が一般ごみの処理料金を有料化していって、容器包装については有料でないということにしていけば、そういう経済的インセンティブを消費者に働かせるということが、まさに重要ではないかというふうに思っております。環境教育はもちろん重要ですけれども、それだけではなくて、経済的インセンティブを消費者に対しても与えるということが、ここでも重要だと思います。
 それから第4点ですけれども、スプレー缶についてですが、これは2002年の中央環境審議会の答申にもありましたように、その処理の安全性について問題があるものについてEPRの考え方を導入するというのは、既にそこで議論して出ているところでありますので、しかしまだ制度化されておりませんが、私もそこのメンバーに加わらせていただいておりましたけれども、ぜひ検討を進めていっていただければと思っております。
 以上です。

○田中部会長 引き続いて、植田委員、お願いします。

○植田委員 議論の中で、こうあるべきであるという原則とか規範という面と、それを踏まえたときの具体的な制度設計というか、あるいは実際は既存の制度があるわけですので、制度の再設計ということになると思いますけれども、それをどういうふうに考えるかという問題だと思います。
 それで、原則・規範という点でいうと、私は循環型社会が1つの基本法になった新しいパラダイムなわけですので、このパラダイムの下では基本的に製品を生産するというときの費用というのは循環を前提にすると、こういう考え方にシフトしていっている、こういうことだと思うのです。ですから、当然製品の価格というものは、そういう費用を前提にするものに変化していくという方向であることは間違いないと思います。それは広い意味でいえば、循環ということだけではなくて、環境全般について言えることでございますが、一言で言うと、環境に配慮した公正な市場をつくるということについては、多分これは合意のあることではないかと思います。それは現状から一足飛びにそういうふうにできるかどうかということとは違った意味で、規範としてはそういうことではないかと、こういうふうに思うわけです。
 そういう意味でいうと、価格については、今言ったような意味のシグナルがきちっと出るようなものに変わるべきであるということですし、製品の価格という1つのシグナルだけでわかりにくいというのなら、もちろん情報を付加するということはあり得ることではないかと、こういうふうに思いますので、そういう原則・規範の方向性をはっきりさせた上で、さまざまな技術的困難とか、大きく激変するということに伴う問題点というのがあるのでしたら、それはそれで配慮した上で、そういう方向性を目指すというふうに明確にすべきではないかと、こういうふうに考えます。
 それからもう1点、その規範・原則とかかわる点で少し重要かと思いましたのは、自治体が処理するということと、製造者の一種の自己責任のシステムというものとの関係と、それから自治体が持っている、あるいはこれは国も含めてということになると思いますが、一種の公共的管理システムの役割といいますか、その関係を明確にするということも実は、先ほど山本委員がおっしゃったことと少し関係する論点かと思いますけれども、大事な点かと思いました。
 それから、制度設計上の問題では、やはり多くの方がおっしゃっておられるように、環境負荷が減る、つまり循環が進み環境負荷が減る、あるいは同時に社会的費用がトータルとしては低減するという意味での効率的であるべきである。それから、何らかの意味で公平性というようなもの、そういうこの制度が持っておくべき一つの基準みたいなものがあるかというふうに思いますけれども、その中で効率ということは一つの大変重要なことであるというふうに私も思うんですけれども。その点で、それぞれの経済主体、すなわち事業者でありますとか市町村とか、そういうこのシステムにかかわる主体にどういう動機が働くかという、単に現時点で少ない費用ということではなくて、それがもっと将来的にどういうふうになっていくかというときにどういう動機を促すかという、経済学的には動学的効率というふうに一応言っているものでありますけれども、そういう観点は制度をつくるときには大変大事ではないかと思います。
 その点と多少関係しますけれども、きょうご報告いただいた市町村のコストというのがございましたけれども、ちょっと私残念だなと思いましたのは、本日の結論は統一の式で表現することは適当でないというのが結論でありまして、せっかくすごい作業をやったのに、統一的なものはないんだと言って終わってしまう。しかし、先ほどちょっと大塚委員もおっしゃっておられましたけれども、この数字、ここからもう少し取り出せる情報もいろいろあるのではないかということだと思うのです。確かに市町村のコストに非常に幅があり、かつ多様性があるというか、そういうことは事実である。だから、その事実を踏まえた上で一体どういう情報が取り出すことができるのかということについて、もう少し検討を加える必要があるのではないかと思います。何でしたら、このデータは委員の皆さんにはいただけるものでございますか。

○リサイクル推進室長 個別のデータはちょっと、そこまでの前提でもって集めたものではございませんので。

○植田委員 見ることができれば、もうちょっと検討してみたいと思ったということでございます。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 時間が大分押し詰まってきましたが、松田委員、山本文男委員、続けてお願いしたいと思います。

○松田委員 だんだんと企業の方たちが本音で話し出してきたなという印象を持っておりますけれども、その本音の部分を聞いてみますと、10年間のこの流れを踏まえたものでない、組織としての発言が多くなっていて、果たして審議会に入っている委員の方々は、業界の自分の組織の中にこの委員会の本当の姿を伝えてくださっているのだろうかということを思いながら聞いておりました。
 私たちは、非常に大きな責任を持っておりまして、今後少なくとも10年間のこの廃棄物政策の中で、国民にとって一番重要な容器包装というものについての施策を決定する場であって、この委員会そのものが、10年やってきてうまくいかなかった部分を変えていこうというところで原点があるということをお忘れにならないようにしていただきたいと思います。
 企業の方たちのお話をずっと聞いておりまして、私はこういうふうに受けとめました。1つは、制度設計のことに入っていきたいと思うんですが、ゼロか100かでなく前進させていきたいというのは、これは皆さん統一だと思っております。そのときには、企業の方たちから出てきたお声を聞きますと、1つは環境教育をきちんとすればオーケー、市民の役割をきちんとすればオーケー、事業系ごみも対象にすればオーケー、そして自治体の回収の義務の強化をして品質を高めていけばオーケーというふうに産業界の方たちは条件を出してきているのではないかなと受けとめました。そういう条件がそろえば、企業はその拡大生産者責任を受けて立つと皆さんおっしゃっているんだろうと私は思いました。
 そういうことで、例えば、私はこれは不可能かもしれませんが提案をしたいんですけれども、こういうことを皆さんがお言いになっているのであるとすれば、生産量に応じて素材別にリサイクル費用を前もって納めて、品質のよいものを出してくる企業の方たちには、納めたお金の範囲の中において、お金を自治体の方に回していくというようなことも考えられるのではないでしょうか。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 山本文男委員。

○山本(文)委員 私は町村の立場から一言だけお願いをしておきたいんですが。その前に、さっきスプレー缶の話がございましたが、あれをつくられる方はやはり危険性を十分配慮してつくるべきだと思いますね。私のところはあれ2回爆発したんです。爆発力はかなり強くて、その修繕費だけでも膨大な額がかかるんです。もちろんそれは不燃物の処理施設がありますので、そのときクラッシャーがありまして、そのクラッシャーのところでかたいものを粉砕しますときに火花が出るんです。それにちょうどそれがかかってきますと爆発するんですね。ですから、ああいうものをつくられるときに、そういうような危険でない安全性を十分高めたものに製造してほしいなと、そのときには思いました。きょうそれを言うために出てきたのではありませんけれども、実際2回あったんです。非常に力強い爆発力です。どうぞひとつそういう点、業界の方でご配慮いただければと思います。
 そこで、私も行政ですから、先ほどからいろいろお話を承っておりますと、私どもがやっていることを特に強調される方が、それからまた業者の方は業者の立場から、自分たちのやり方を擁護するような意見もあったと私は思いますが。
 要するに、余り意見が出なかったのは、意見も1つは出ましたけれども、お互いに役割分担と、役割分担までは出るんですが、なぜ責任論が出ないんでしょうか。役割分担で責任論が出てくると、その責任に応じた分担をしていくようになっていくのではないでしょうか。すなわち、例えばさっき申し上げたようなものをつくったとしたら、安全のために自分たちは責任持ってそういう製品を変えていくと、改良していくということはやはり責任の分野に入るのではないでしょうか。あるいはまた、こういうものをつくることによって、消費者の皆さんが大量に使用して処理していく。それの処理は最終的には行政が行っていると。だから、それに対する費用負担は当然考えるべきである。全額ではないけれども、自分たちの分野についてはある程度考えていく必要があると。どういう方法でやるかということについては、これは検討する必要があると思うんですが。だから、役割分担と責任分担というのをちゃんと明確にする必要があるのではないでしょうか。
 そこで、なぜ私がそういうことを申し上げるかといいますと、私どものところで、私どものところは1カ町村でやっているのではなくて、地域全体でやっておるものですから、規模としては少し大きいんですが。要するに、そこで使っている費用が、我々が持っている一般財源のかなりの割合を占めているんです。ですから、今私どもの町村というのは一般財源が非常に圧縮されておりまして少なくなっています。そこにこれだけは圧縮することができないんです。むしろ逆にごみというのはふえていっているわけですね。特に容器の方がだんだん多くなってきていることが現実です。ですから、それの処理費用というのは年々増嵩していくわけなんでして、その費用そのものが、私どもが持っている一般財源のうちの10%を超えているんです。これはもう大変な額でして。しかし、これは基礎的な住民の生活のものですから、やめるわけにいかないんですよ、我々町村側は。したがって、これをどうしてもやるということになりますと、他のやらなければならない行政事務を削減せざるを得ないということになる。すなわち多くの犠牲の上に立っていると言っても、私はいいと思うんですね。
 ですから、そこで申し上げたいのは、さっき言った役割分担とこの費用分担というのを考えていただければ、みんながこういう処理をするために努力をしていくということになっていくのではないでしょうか。だから、国民は住民ですから、我々行政が住民の皆さんたちには、こういうふうに出しなさい、こういうふうにしなさいよという、そういうお願いはずっとやっておりますから、住民の皆さんは理解をしていただいています、自分のことですから。理解をして、私どものお願いしている、いわゆるこういうふうにやってほしいということにずっと協力をいただいておりますから、これはもう国民全体がそういうような消費者としての自分の義務というふうに考えていくのではないでしょうか。だから、これは我々行政が分担すればいいわけですね。
 ところが、費用の問題については、さっき申し上げたように、役割分担があるとするならば、費用負担も当然責任の中にあり得るというふうに思いますので、そこのあたりを皆さんが考えていただければいいのではないかなと、先ほどからのお話を聞いて、私はそう思いました。欲を言っているのではありません。みんな平等の責任と負担を持っていくことが一番大事なことではないだろうか、特にこういう事業についてはと、こういうふうに思いますので申し上げさせていただきました。よろしくお願いします。

○田中部会長 ありがとうございました。
 それでは引き続いて、上山説明員、それから宮田説明員、順番でお願いします。

○岡田委員代理(上山説明員) 地域産業としての性格を持っております小売業の立場から、ちょっとコメント申し上げたいと思うんですが。
 一番重要な根源的なテーマというのは、やはり社会のそれぞれのセクターが全員で3Rを推進するということであろうというふうに思います。そういう意味では、キーワードとしては地域のステークホルダーエンゲージメントをどのように推進する、そういう仕組みをつくるかということにあると思います。キーワードは、地域のステークホルダーエンゲージメントだというふうに思います。例えば、私ども小売業の場合、店頭回収を自主的にかなりの人でコストをかけてずっとやり続けてきておりますが、これもその地域によって、その品質あるいは増加の程度は異なっています。
 成功要因というのは、いかにその市民の方々との連携ができているかということによって相関しておると、これはもう明らかな事実であります。これは崎田委員もよくおっしゃることで、我々も現場で体験しておることであって。非常に洗ってきれいにお出しをいただく方々も大変多いんですけれども、しかし店舗によって差があると。こういうことを非常に高品質な、いわゆる回収が進むメカニズムを評価するという仕組みは必ずつくっていただきたいと思いますけれども、その観点から、例えば市町村の先ほど3,000億のコストの件などを見た場合、その地域を非常によく知っている市民が、そのコスト構造をよく情報開示を受けて評価し、そのことをフィードバックするという仕組みをつくることが必要でしょうし、その地域を非常によく知っている企業も、市町村のこのマネジメントに参画をするという仕組み、まさにその地域における、その地域を一番よく知っている人たちがその地域固有の要因を管理して、マネジメントのレベルを上げていくということに寄与するような形に仕組みが作用する、こういう方向に行くべきではないか。企業の場合は必ずベストプラクティスを水平展開する、このスピードをいかに高めるかということに日夜努力をしておるわけですけれども、やはりそういうふうな発想が、市民の視点も入れて、その地域固有のマネジメントシステムのレベルを上げるということによってコスト構造を変えるということには、絶対に挑戦するべきことではないかというふうに思っております。
 先ほど木野委員もちょっとおっしゃっておられたんですけれども、コストの構造の場合でも、やはりそれぞれのセクターに広くインセンティブが働くような、広く浅くコストを負担する構造にやはり変えていくべきだというふうに思います。物理的な実行主体とお金だけを負担するという主体が異なるということになりますと、これは努力がいわゆる作用しないという方向にいくと思いますし、一番危惧するのは、選別そのものが進まない方向にベクトルが作用する可能性が非常に高いというふうに思います。
 したがいまして、その地域のステークホルダーエンゲージメントの視点から、どのような1つの組織、機能を新しく生んでいくのかという観点で、仕組み構築をぜひしていただきたいというふうに思っております。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 宮田説明員、お願いします。

○猿渡委員代理(宮田説明員) 1つだけ、この資料5で分析結果が出て、先ほどもよくわからない結果になったということなんですが、ここまで分析されたら、相関から外れる自治体ですね。これ相関をいろいろ見られたのは、こうなるはずだということでとったんだと思うんですよね。それから外れる自治体をピックアップして、そこから問題点を抽出したらどうかなと思います。
 というのは、ここの議論でも、それぞれ事業者とか市町村とか消費者とかいう立場で、いろいろ理念を含めて議論しているんですけれども、やはり事実に基づいた議論をぜひしないと、前になかなか進まないのではないかなと思うんです。その事実のもととなる基礎データとしては、今回せっかくこれだけの調査をやられて分析されたというこういうデータがあるわけですから、その中で選ぶには、多分これこの相関から外れる、上下と外れるところを選んで、その中で何がネックになっているかということを分析していけば、その中でそれぞれの改善ネタが出てくると思うんですよ。その中で事業者がやることとか、市町村がやることとか、そういう議論をすべきだと思います。それぞれのお立場で、理念でどっちが負担だということでは議論が進まないと思うんですが。
 以上です。

○リサイクル推進室長 その点につきましては、ここで申し上げたかったことは、まさにおっしゃるような個別の分析ですね。一定のラインから外れている度合いといいますか、小さいところ、大きいところあるわけです。確かに大きく外れているところについて、いろいろヒアリングをしてそこの要因を聞き出すということは、これは当然できることでございます。実際、調査を進める過程で、ばらつきのかなり端っこの方にあるようなところ、いいところも悪いところもいろいろ事情を聞いたりももちろんしておりますけれども。
 要するに、そこがこういうような分析を踏まえて申し上げると区々ばらばらで、A市町村でもって該当するような事情が、そのまま別の市町村でもって該当するとは限らないといいますか、限らないという言い方も不適切で、もうかなり違っておるということですから。
 かといって、この時点で申し上げますと、普遍的あるいは市町村横断的な多くを説明できる要因が見出させないというような結論にはなりますんですけれども、何人かの委員の先生方におっしゃっていただきましたように、だからといって何か、例えば仮に何がしかの費用負担方式を考えるに当たって、じゃ何も基準となるものが出てこないかというと、それはまた別の議論ですから、いろいろな割り切ったやり方とか、そういったことはあろうかと思いますけれども。個々にミクロに見ていったときに、そこから何かを導き出してくるというのはなかなか難しいということはご理解をいただきたいと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。
 それでは引き続いて、石井節委員、新美委員の順番でお願いします。

○石井(節)委員 時間がありませんので、1分で終わります。2点だけ。
 1点目は、先ほどの岩倉委員と同じ意見ですが、今の枠組みの中でまだまだ私はそれぞれの主体がやるべきことは残っているというふうに思っております。それをきちっとやった上で新たな役割分担をやっても遅くはないと、今は時期尚早というふうに私は思います。
 2点目、製品への価格転嫁ですが、これ前も一度申し上げましたけれども、私どもメーカーが、例えばボトル1本に1円ということで転嫁することは可能なことは可能ですが、ただ、今の流通の過程で、私どもメーカーから卸へ行って、そこからまた小売店へ行くと、そういう流通の過程をとったときに、どこかで吸収されてしまう可能性が非常に大きい。最終的に小売店の価格が1円上がるかということになると、非常に甚だ私は疑問です。
 したがって、消費者の方にも負担していただくという趣旨であれば、私は先ほどどなたか申し上げられましたけれども、私も外枠で、例えばリサイクル税みたいな外枠で店頭で徴収するというのが一番現実的だというふうに思っております。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 新美委員、お願いします。

○新美委員 私も時間の関係で簡潔に申し上げますが、循環型社会に必要なコストを負担するのが拡大生産者責任だというのは植田委員と同じ意見ですが、一番大事なのは、これまで議論の中で示されていたコストという概念が、人によって全然意味合いが違って議論されているように思うわけです。本来、コストというのはベネフィットとの対応で議論されるべきであると思うんですが、ここで出てきている議論はベネフィットを抜きにしてコストという概念をしていると思うんです。例えば、市町村がかけている費用というのは、公共的な、あるいは公平なものを実現するためにかかっている費用も含まれているわけです。それが全部収集費用ということを言われて、これが生産者の方で全部持てということになっていったら、制度設計としては非常にある意味で非効率なものになっていくだろうと思います。その意味で、もう少しコスト概念というのをきちんと整理した上で、制度設計の議論をした方がいいだろうというふうに思います。
 それから、それとの関連でいきますと、コストの削減というのは、一括してだれかに全部負担させればいいというものではないと思います。これは上山説明員がおっしゃられたところですが、やはり情報をきちっととって最少化できると、あるいはきちんとスプレッドできるというところに費用負担をさせていくという議論が必要になってくると思います。その辺で、費用というものと、それからそれに関する最少化のための手法、手段をだれが持っているか。そういうことをもう少し細かく議論した方がいいのではないかと思います。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。大変活発なご意見いただきました。きょうはできるだけ皆さんの意見を聞くというような運営をしてまいりましたけれども、そろそろ部会としての取りまとめていく必要がありますので、事務局では本日いただいた皆さんのご意見を十分踏まえて、他の課題とあわせて、どのような方向でいくかという具体的なメモを次回に出していくようにご努力お願いしたいと思います。
 それで、まだ次に再商品化手法についてという議題がございますけれども、きょう説明だけされますか。できれば、12時半ぐらいまでいいでしょうか。
 では、資料の説明をお願いします。

○リサイクル推進室長 それでは、時間超過いたしましてまことに申しわけございませんけれども、資料のご説明だけでもさせていただければというふうに存じます。
 資料3、再商品化手法についてでございます。適宜、資料4の参考資料集をご参照いただきながらお聞きいただければと思います。資料3、以前3月30日に出しました資料とかなり重複をしておりますので、繰り返しの部分が多くなりますことをご容赦いただければと存じます。
 この再商品化手法について、これがやはり大きな課題としては3本立ててございます。1ページ目が1番、再商品化手法(特にプラスチック製容器包装)及び再商品化製品の販路拡大でございます。それから4ページに再商品化義務量のあり方、5ページに再商品化に適した容器包装の設計、素材選択とございます。
 1ページ、再商品化手法及び再商品化製品の販路拡大でございますが、まず現状・問題点でございます。
 まず、ガラスびんにつきまして、ガラスびんの生産量が年々減少する中で、カレット利用率が年々上昇しております。平成15年実績では約9割でございます。したがって、今後、ガラスびん生産におけるカレット利用量を大幅にふやすことは難しい状況にございます。
 カレットのその他用途といたしまして、路盤材、ガラス短繊維その他いろいろなものが発案をされておりますけれども、その多くは販路の確保が必ずしも容易でない等の課題を有するところでございます。
 一方で、その他プラスチック製容器包装でございますが、分別収集量は年々増加をしておりますが、平成15年度で約40万トンでございます。分別収集実施市町村数の割合も相対的にはまだ低い水準でございます。5割を少し超えた程度でございます。
 一方で、いわゆる循環型社会形成推進基本法におきましては、循環資源の循環的な利用あるいは処分の基本原則を定めております。具体的には、発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分という優先順位を定めております。ただし、この順序に従わないことが「環境への負荷の低減にとって有効であると認められるときは、これによらないことが考慮されなければならない」といったような規定もされてございます。
 現行の容リ法におきましては、その他プラスチック製容器包装の再商品化といたしまして、「製品の原材料」へのリサイクルに限定をしております。そのまま燃料として用いることは、再商品化としては認めてございません。
 それから、容リ協の入札におきましては、マテリアルリサイクル事業者の落札者をまず決定いたしまして、落札されなかった部分について、その他の手法で応札している事業者に第一落札者以外のマテリアルリサイクル事業者を加えて開封をして、その中から落札者を決定するといったような手順になってございます。
 それから、リサイクルの現状でございますが、白色トレイを除きますと、マテリアルリサイクルが約16%、コークスが70%、ガス化・油化が13%、これは平成15年度の実績でございますが、白色トレイはすべてマテリアルリサイクルでございます。
 また、その他プラスチック製容器包装は、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)の割合が大きいわけでございますが、そのほかにPETを初めさまざまなものがございますし、またこれらの複合素材もさまざま存在をしております。
 マテリアルリサイクルによって得られる製品につきましては、PP・PEの混合品が93.6%と多くを占めている。ほかにPS単体、PE単体、PET単体、PP単体が存在いたします。製品形態は、ペレット、フレーク・フラフ混合品、以下そこに記しておるところでございます。
 また、その他プラスチック製容器包装をマテリアルリサイクルした製品(ペレット)の販売価格がキロ当たり1~30円ということでございますが、産業系由来のペレットの販売価格と比べますと低価格となっております。これは日本プラスチック工業連盟さんの調べでございます。
 また、マテリアルリサイクル製品からは、棒杭ですとか植木鉢、パレット、ボード等が製造されております。
 協会が実施する再商品化事業者の入札におきましては、材質別に分離したり、あるいはPE・PPを主体とするプラスチック原料を得る方法の場合は、その収率は45%以上ということになってございます。実際の収率は約51%でございまして、残りが残渣として廃棄物処分をされております。
 さらに、再商品化委託単価でございますが、平成12年度から比べますと、16年度は下がってはおりますけれども、委託額は平成12年度65億円から、平成16年度予算額で414億円となってございます。これは収集量の増加等に伴うものでございます。
 そういった現状を踏まえまして、対応の方向でございますが、まずガラスびんにつきまして、カレットのその他用途向けの需要を確保するため、リサイクル技術の研究開発を促進すること等により、適切な利用用途の拡大を図る必要があるのではないかといったことでございます。
 それから、その他プラスチック製容器包装でございますが、その他プラスチック製容器包装の再商品化は、効率化を図りつつ、得られる原材料について一定レベル以上の品質を確保する方策を検討する必要があるのではないか。この点につきましての容リ協会の動きにつきまして、3月30日にも説明をさせていただきましたけれども、資料4の9に協会の動きを掲げてございます。
 それから、自治体が分別収集するその他プラスチック製容器包装の品質を向上し、あるいは再商品化単価の低減あるいは残渣の低減を図る観点から、例えば、PP・PEあるいはPS等をその他プラスチックと別に分別収集をする、あるいは廃プラスチックをボトル状のものとフィルム状のもので区分して、別々に分別収集するといったような、要は形状ですとか材質でもって、その他プラスチックの分別収集をよりきめ細かくするといったようなことが考えられないかといったことでございます。
 それから、その下はマテリアルリサイクルでやれる再商品化製品につきまして、一定レベル以上の品質を確保するために、その品質基準といったようなものを導入することが有効ではないか。
 また、その残渣を減らして収率を上げるために、マテリアルリサイクルの結果生じた残渣を、例えばRPF等に有効利用する。ちょうど紙製容器包装で当初からやってきましたようなジョイント利用といったようなことが有効ではないか。
 最後に、近い将来、分別収集量が再商品化能力を上回るといった可能性もあるわけですが、ほかのリサイクル手法として、現行認められている手法以外のほかのリサイクル手法としてどのようなものが考えられるか。こういった対応の方向があろうかと思います。
 そういった方向を踏まえまして、3ページに検討課題を幾つか掲げてございます。
 初めに、PP・PEあるいはPS等をその他のプラスチックと別に分別収集をしたり、あるいはボトル状のものとフィルム状のものを分別収集したり、要はさらにきめ細かく分別収集しようと仮にした場合に、分別区分の増加でもって消費者あるいは市町村の負担がふえてくるわけですが、これが過度の負担を強いるようなことにならないのかどうかといったようなことが課題として挙げられます。
 また、PP・PEあるいはPS等をその他のプラスチックと別に分別収集する、あるいはボトル状、フィルム状と分けるといったときに、消費者にわかりやすいような材質表示等、消費者による分別排出ですとか、あるいは市町村による分別収集を実施しやすくするようなことが必要ではないかといったようなことが課題として挙げられます。
 また、残渣のジョイント利用を推奨するということは、マテリアル事業者の負担の増大ですとか、ひいては特定事業者の負担の増大につながるようなことはないのかというようなこと。
 それからまた、最後の4つ目ですが、その他プラスチック製容器包装の新たな再商品化手法として、サーマルリカバリーを認めるべきではないかといった意見をいただいておりますけれども、こういったことについて、循環法の規定等も勘案してどのように考えるか。こういった検討課題があろうかと思います。
 続いて4ページでございますが、再商品化義務量のあり方でございます。余りこれまでご意見をいただいていない分野だとも思いますが、現在の再商品化義務量は、全国の分別収集見込量あるいは再商品化見込量のいずれか少ない量をベースに算出をされておりますが、事業者の拡大生産者責任を徹底するという観点から、特定事業者の生産量ですとか、あるいは販売量をベースとして再商品化義務量を算出すべきとの意見がございます。先ほどもいただいておったと思いますが。
 その対応の方針として、そういった特定事業者の生産量や販売量をベースとして再商品化義務量を算出するということが必要なのかどうかということでございます。
 検討課題として、もし仮に、若干これは法制度的な、技術的な話になってくるのかもわかりませんが、もし仮にそういった仕組みを考えるといたしますと、まずその特定事業者の負担の総額というのはどのようにして算出をすればいいのかということがあります。
 また、これは実体論ですが、特定事業者に対する大きな追加負担となろうかと思われますが、この点についてどのように考えるか。
 また、恐らくこのような仕組みをとるといたしますと、実際にリサイクルされた分だけではなくて、実際にはリサイクルされない分につきましても、事業者が負担するような整理になるのではないかと思われますが、そうなってきますと、市町村が分別回収せずに仮に焼却処分をしても、事業者が処理コストを負担するというような、そういった整理にならざるを得ないのではないか。したがいまして、安易な焼却処分に流れる市町村がふえることにならないか。そうすると、容リ法の趣旨の逆行するのではないかというような、そういった懸念もあろうかと思います。
 5ページでございます。再商品化に適した容器包装の設計、素材選択でございます。
 現状・問題点として、これも3月30日にご説明したのとさほど変わっておりません。内容物の品質保持等、容器包装に必要とされる機能確保の観点もあり、その素材を複合して使用した容器包装の製造、利用が見られる。これらは分別排出や再商品化しにくい廃棄物として排出をされております。
 また、その他プラスチック製容器包装の中でも、複数の種類の樹脂を使用して複合素材となっているものが存在をいたします。これらは一部を除きましてマテリアルリサイクルしにくい、マテリアルリサイクルにとってはちょっと都合の悪い廃棄物となっております。
 一方で、特定事業者の再商品化委託単価につきましては、特定分別基準適合物ごとに設定をされておりまして、複合素材の場合は、素材の重量比で最も大きい素材の単価が選択されることとなっておりますけれども、分別排出あるいは再商品化の容易性と委託単価には直接の関連性はないといったような現状になっております。
 こういった現状を踏まえまして、対応の方向といたしまして、容器包装の本来的な機能の確保に留意しつつ、リサイクル推進の観点から、再商品化に適した容器包装の設計、素材選択をさらに推進する必要があるのではないか。
 また、分別排出や再商品化の容易性と関連づけた再商品化委託単価の設定というのが果たして可能なのか。例えば、分別排出や再商品化が困難な複合素材に対して、その委託単価等を高く設定するということが可能なのかどうかといったようなことが方向としてあろうかと思います。
 そういった場合の検討課題として3つそこに並べてございますけれども、まずは、容器包装の本来的機能の確保に留意しつつ、リサイクル推進の観点から、より再商品化に適した容器包装の設計あるいは素材選択を推進するためにはどのような対策が考えられるか。
 あるいは一方で、単一素材で複合素材と同様の機能を持たせようとする場合には、肉厚になってしまう等の発生抑制に逆行するような場合があるのではないかというような指摘がございますけれども、この点についてどう考えるか。
 また最後のところ、リサイクルしにくいものか、リサイクルしやすいものかというところを一つ一つ個別に判断をするということになりますと、これはもう大変な事務作業になるわけでございますので、なかなかこれは難しいだろうと思われます。したがいまして、仮に委託単価等を高く設定する、リサイクルしにくいものに委託単価等を高く設定するといたしますと、その対象というのは、例えばすべての複合素材とか、そういう割り切りをせざるを得ないものと考えられるわけですけれども、この点についてどう考えるか。また、その機能的にどうしても複合素材を用いなければならないような製品もあろうかと思いますけれども、そういったものについて、どのように取り扱うことが妥当か、こういったような課題があろうかと思います。
 以上でございます。

○田中部会長 どうもありがとうございました。時間があれば、皆さんからご意見、ご質問いただきたいところですけれども、時間の都合上、今の課題と、それからきょうの議題のところにその他というのがございますけれども、こちらもあわせて議論は次回に回させていただきたいと思います。
 ということで、本日は活発なご議論をいただきましてありがとうございました。次回についてですけれども、本部会の開催については事前に日程調整をさせていただいた結果、5月23日月曜日の午後2時からとさせていただきます。場所は三田共用会議所でございます。正式な通知も既に事務局から発送されております。
 以上で本部会は終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

午後0時28分閉会