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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第27回)議事録



平成17年3月16日(水)
環境省 廃棄物・リサイクル対策部

議題次第
(1) 分別収集について
(2) その他


午前10時00分開会

○リサイクル推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会を開催いたします。
 委員の皆様には、大変お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。
 本日の出席状況でございますが、23名の委員からご出席の連絡をいただいておりまして、定足数である過半数に達していることをご報告させていただきます。
 なお、本部会の開催につきましては、やむを得ずご欠席される場合には、代理の方に説明員としてご出席いただけるよう取り扱わせていただいておりますが、本日は、恵庭市長の黒氏委員の代理といたしまして北越様に、経済同友会地球環境・エネルギー委員会委員長の佐々木委員の代理として山口様に、日本商工会議所環境小委員会委員の猿渡委員の代理として宮田様に、日本チェーンストア協会環境委員会委員長の岡田委員の代理として上山様にそれぞれご出席いただいております。
 次に、お手元の配布資料をご確認願います。資料一覧をお配りしておりますので、資料の不足がございましたら、お申しつけいただければと存じます。
 なお、委員の皆様方に事前に送付させていただいたものから、若干修正されている部分、あるいは追加資料もございますので、その点ご了承願えればと存じます。
 本部会の資料につきましては、例によりまして原則すべて公開とさせていただきたいと存じます。また、部会終了後に発言者名を示した議事録を作成いたしまして、各委員ご確認をいただいた上、ご了解の上で公開させていただきたいと存じます。
 それでは、これ以降の議事進行を中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の田中部会長にお願いいたします。

○田中部会長 皆さん、おはようございます。
 廃棄物・リサイクル部会部会長の田中です。今日もどうぞよろしくお願いします。
 まず初めに、委員の皆様からご提供いただいた資料及び提供の要望のありました資料につきまして、事務局から報告をお願いします。

○リサイクル推進室長 それでは、資料6をごらんいただければと存じます。
 委員提供資料及び要求資料とございまして、3点、資料をおつけしてございます。
 まず初めに、1番でございます。1ページおめくりいただきますと、崎田委員からのご提供のありました資料でございます。販売事業者による家庭系一般廃棄物の容器包装等の発生抑制を自主的に推進する方策に係る調査、平成16年11月に八都県市の廃棄物問題検討委員会がまとめられたものでございます。その中で特に、レジ袋の有料化に関する部分を抜粋したものを、2ページ、3ページにつけてございます。
 2ページをおめくりいただきますと、2ページの一番上の方、(1)の取組別の買い物袋持参率とございますが、レジ袋有料化を実施している事業者のマイバック持参率は70%から80%と高いと。こういった持参率の高い事例もあるということでございます。
 また、3ページの上のところをごらんいただきますと、(3)で、条例ですとか共通エコポイント制度といいました、いわゆる行政の関与による持参率の違いといったようなデータも掲げられております。同じチェーンの中でも、行政関与のある地域の方が、若干ではありますけれども、やはり持参率が高いというふうな結果が出てございます。
 それから、5ページ以降、2つ目でございます。家庭ごみ中の容器包装廃棄物の詳細とございます。木野委員からの要求資料でございましたけれども、これはこれまで何回かお出ししてまいりました一般廃棄物中に占める容器包装廃棄物の割合のデータの詳細と年次推移についてお示しをしたものでございます。概要にございますように、私ども環境省におきまして毎年実施をしております容器包装廃棄物の使用・排出実態調査から一般廃棄物中の容器包装廃棄物の組成につきまして、重量、容積、それからその年次推移に関しまして、今回整理をしたものでございます。
 なお、その下に、この「容器包装廃棄物の使用・排出実態調査」の概要とございます。ここを簡単にご説明させていただければと存じますが、調査時期は各年ごとに年1回、基本的には9月から10月ごろ実施をしてございます。ただし、平成8年度と9年度につきましては7月ごろに実施をされております。
 それから、調査対象都市は6カ所選定しておりまして、調査対象地域といたしましては、各都市ごとに3地域を選んで調査をしております。
 一番下に、採取及び調査方法とございますが、1週間を基本単位といたしまして、1地域よりごみステーションに排出された一般可燃ごみ、不燃ごみ及び資源ごみの全量を採取して調査をするということにしてございます。
 その結果、詳細も含めまして、7ページに湿重量比、8ページに容積比がございます。例として、8ページの容積比の方をごらんいただきますと、下に注がございますが、2番目の注で「平成7年度~9年度調査は平成10年度以降と調査区分が異なる」とございます。これは、実は7年度から9年度は、そこに掲げてあります分類項目よりももっと詳細な分け方をしておりまして、百何十項目というような、そういう年もございました。そこは、10年以降とやはり平仄が合いませんので、むしろまとめて報告をさせていただいております。
 また、平成7年度は、まだ容リ法の対象、容器包装が少し揺れておった時期でもございますので、例えば紙のところですと、トイレットペーパーの芯といったような現時点では容リ法の対象になっていないようなものも若干含まれているということをご理解いただきたいと思います。
 結果をごらんいただきますと、1つは一番下に年次推移がございます。一番下から2番目に、容器包装合計とございますが、一般廃棄物に占める容器包装廃棄物の割合ということでございますけれども、平成9年度が55%とちょっと少なくなっておりますのですけれども、調査時期の違いもあるのかもわかりません。あとは、大体6割前後から6割強ぐらいで変わっていないというような、そんな傾向が見てとれようかと思います。
 それから、個別にこの組成をごらんいただきますと、それほど大きな変化のようなものも見えませんのですが、例えばペットボトルをごらんいただきますと、やはり全体的に増えているというような傾向が見てとれます。それから、プラスチック製容器包装の中で、平成10年度以降プラスチック製容器包装全体としては、横ばいないし、むしろ若干減っておるようなところもありますのですが、ただ、プラスチック製容器包装の中の上から2番目のパック・カップとございますが、ここが結構増えているような傾向が見てとれます。これは何かといいますと、コンビニ弁当の殻とか、あとプリンのカップとか、そういったものがここに含まれております。それから、あとはスチール缶が、これは生産量の減少もございまして減っておるというような傾向も見てとれます。傾向としては、以上でございます。
 あと、9ページ、10ページには、これらをグラフにしたものを掲げております。
 この調査につきまして、1点だけつけ加えて申し上げたいと思います。これは、木野委員のこの資料を要求された趣旨とは全く別のことでございますけれども、この調査は、いずれにしましても6都市ということで、限られた条件のもとで行っておるわけですが、私ども、この調査で導き出される一般廃棄物中に占める容器包装廃棄物の割合がなかなか変わっていないということ、それから一方で、一般廃棄物全体の量は横ばい状態だということを、今後ともなお排出抑制の努力が必要だということの根拠として、何回かこの場でもご提示をさせていただいたところでございますけれども、私どももこういったなかなか限界のある調査でございますので、これでもって容器包装廃棄物の量全体が明確に増えているとか減っているとか、あるいは幾ら増えているとか幾ら減っているとか、そういったことを結論づけるようなつもりはございませんのですけれども、しかしながら、やはり少なくとも全体の論点整理ペーパーでもお示しをしましたように、必ずしも十分な減量効果はあらわれていないといったことは、やはり十分言えるのではないかと思いますし、また一方で、十分な減量効果があったということが示せるようなデータもなかなかないものですから、やはり消費者あるいは自治体、事業者、そういった各関係者がさらに排出抑制、リデュースに取り組んでいただくことはぜひとも必要ではないかと思っておりますので、今般のこの見直しの議論の中で、そのための具体策について引き続きご意見、ご提言をいただければありがたいというふうに存じております。
 それから、11ページ、3番目の資料でございますが、時間の関係もございますので、ごくかいつまんでご説明させていただきます。
 容器包装のマテリアルフローの推計でございますが、酒井委員からの要求資料でございます。この推計は、経済産業省のリサイクル推進課で推計されたものでございまして、一番上の文章にございますように、容器包装リサイクル法の施行による最終処分量ですとか、あるいは社会的費用等の変化を推定するために、容器包装種類別にマテリアルフローを把握しようとされたものでございます。
 その結論としての費用の推定等の結果につきましては、まだそこまで行っていないということでございますので、結果は追って報告されるものと聞いております。ここでは、そのマテリアルフローの推計のみ掲げてございます。
 対象容器が、その下にございますようにガラスびん、ペットボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装でございます。基本的には、それぞれの容器包装につきまして、その真ん中にございます基本フレームに従いまして、それぞれの値を推計したということでございます。その下に、[1]から[8]までございますが、こういった値を推計されております。
 ただ、一番下にございますように、容器包装利用商品の輸出量につきましては、統計データや業界推計値が存在しないということで計上されておりません。
 以下、12ページ以降、例えばガラスびんですと12ページに、結果としてのフローが6年度、8年度、11年度、15年度と掲げられております。その後、13ページから、そのそれぞれの推計の方法が詳細に記載されております。それから、17ページからはペットボトル、21ページからは紙製容器包装、29ページからはプラスチック製容器包装となっております。
 以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の議題である「分別収集について」ということで、事務局から資料の説明をお願いします。

○リサイクル推進室長 それでは、資料2につきまして、適宜、資料3を参照していただきながらご説明したいと思います。
 資料2、大きな項目として3つございます。1つは、1ページ、市町村及び事業者の責任範囲。それから3ページ、分別基準適合物の品質向上。5ページ、店頭回収や集団回収の位置付けと3つございます。
 まず、1ページ、1の市町村及び事業者の責任範囲から資料をご説明させていただきます。
 容リ法に基づく分別収集量につきましては、9年度の施行以来、ほとんどの容器包装廃棄物について増加をしております。また、分別収集実施市町村数につきましても、一部を除きましてかなりの市町村が取り組むに至っております。
 このあたりは、資料3の1ページ、2ページ、3ページあたり、これも何度かこの場でお示しした資料でございますが、このあたりで見てとれようかと思います。
 一方、この中でも紙製容器包装あるいはプラスチック製容器包装につきましては、容リ法の分別収集の対象となりましてからまだ4年しか実績がないということもございまして、ほかと比較いたしまして、分別収集実施市町村数の割合が低くなっておるわけでございますけれども、ただ、資料3の3ページにございます現在の分別収集計画でいきますと、平成19年度には紙で59.1、プラで82.3というような計画にはなってございます。
 そういった分別収集が伸びていく一方で、現行の容リ法における市町村と事業者の責任範囲につきましては、容器包装廃棄物の分別収集が、廃棄物処理法に基づく一般廃棄物に係る市町村の処理責任を踏まえまして、市町村の責任となっております。一方、再商品化につきましては、拡大生産者責任の考え方を踏まえ―正確に申しますと、容リ法の制定当時はまだ拡大生産者責任というような考え方はさほど一般的ではなくて、広く議論されたというふうには承知をしておりませんけれども、少なくとも結果としては、拡大生産者責任の考え方を踏まえて、特定事業者の責任となっているところでございます。
 このあたりは、資料3の5ページをごらんいただければと思います。リサイクル関連法における事業者及び市町村の役割分担というふうな表をつけてございます。一番左側が容リ法でございまして、先ほど申し上げましたように、真ん中辺の事業者の役割としてリサイクルを義務化、その下の地方公共団体が市町村分別収集計画に基づく分別収集の実施、また消費者の方で分別排出、それから製品購入時に製品価格に転嫁された再商品化に要する費用の負担といったような役割分担でございます。
 一方、容リ法以降にできた幾つかの個別法等を、その右側に掲げてございます。1つは、家電リサイクル法でございますが、家電リサイクル法では、事業者の役割は引き取り及びリサイクルということになっております。あと、フロンの回収、破壊等もございます。それから地方公共団体の方は、小売業者の方に引取義務の生じない廃家電の適正処理の確保といったことでございます。それから、消費者の方は、小売業者等への引き渡しと、家電の排出時にリサイクル料金等の支払いをすると、こういったことでございます。
 それから、その右が自動車リサイクル法でございます。基本的には家電と似たような仕組みでございますが、一番大きく違いますのは一番下の消費者の役割のところで、こちらは自動車の購入時に再資源化預託金を支払うというような、そういう形になっております。
 それから、その右側、いわゆる資源有効利用促進法に基づきまして、パソコンと小型二次電池のリサイクルシステムが動いております。それぞれ事業者の方が回収、リサイクルを義務化されております。自治体の方は、その引取ルートが存在しないようなパソコン、二次電池の適正処理の確保ということでございます。消費者の方は、事業者への引き渡しですとか、あるいはリサイクル協力店等への持ち込みのほかに、やはりリサイクル費用につきましては、いわゆる内部化をされておりまして、価格に転嫁された分につきましては消費者が負担をするといったような、そんな整理になっております。
 あと、6ページ以降、それぞれの法律あるいはシステムのポンチ絵がついてございますので、適宜ご参照いただければと存じます。
 では、資料2の1ページにお戻りいただきまして、4つ目の丸でございますが、拡大生産者責任、いわゆるEPRの考え方につきましては、容リ法の施行以後、OECDの政府向けガイダンスマニュアル、あるいは中環審の意見具申や循環計画におきまして、それぞれいろいろなふうに解説又は言及されているところでございます。
 そこに、OECDのガイダンスマニュアルを若干抜粋しておりますけれども、「EPRを、製品に対する製造業者の物理的および(もしくは)財政的責任が、製品ライフサイクルの使用後の段階にまで拡大される環境政策アプローチと定義する。EPR政策には以下の2つの関連する特徴がある。:(1)地方自治体から上流の生産者に(物理的および(または)財政的に、全体的にまたは部分的に)責任を転嫁する、また(2)製品の設計において環境に対する配慮を組込む誘引を生産者に与えること」云々とされております。あと、中環審にも若干の解説、それから循環計画にも、これは言及されているところでございます。
 これらにつきましては、資料3の11ページから13ページにもう少し広く掲げてございますので、こちらも適宜ご参照いただければと思います。
 それからまた、容リ法の施行以後に制定されましたいわゆる循環基本法におきましては、特にEPRについて具体的に言及しているというわけではありませんのですけれども、そこにございますように、「循環型社会の形成は、このために必要な措置が国、地方公共団体、事業者及び国民の適切な役割分担の下に講じられ、かつ、当該措置に要する費用がこれらの者により適正かつ公平に負担されることにより、行われなければならない」というふうにされております。
 それからその下の丸の、なお、容リ法における役割分担におきましては、事業者は、基本的に分別基準適合物の再商品化につきまして、容リ協会の方に委託費を負担する形でその責任を果たしていただいておりますので、その費用につきましては、比較的といいますか、非常に明確に明らかになっております。
 資料3の4が15ページからございますが、特定事業者の数、それから特定事業者の負担していただいている委託額の総額、15年度に400億、16年度で、これは予算ベースですけれども555億といった数字でございます。また、16ページには、再商品化委託単価の推移も掲げております。
 資料2の2ページへお戻りいただきまして、その一方で、市町村は、容器包装廃棄物の分別収集・選別保管に係る作業自体を行うことによりまして責任を果たしておりますのですが、その作業に係る費用につきましては、必ずしも明らかになっていないといったような状況でございます。
 これは、まず資料3の17ページ、3の5、ごみ処理事業経費の推移をごらんいただければと存じますが、これはまさに市町村のごみ処理事業全体の経費の推移でございます。いわゆる減価償却といったような考え方をこれはとっておりませんので、企業会計とはかなり異なっておりますのですけれども、これをごらんいただきますと、歳出のところの一番上に、ごみ処理事業経費として太字になっている部分がございますけれども、14年度で、全体で2兆4,000億ほどかかっているという数字が出ております。これでは、当然のことながら容器包装廃棄物の分別収集ですとか、あるいは選別保管に要する費用は全く出てまいりません。その点につきましては、これは後ほど資料4の方で、私どもの方の調査の結果をご報告させていただきたいというふうに思います。
 資料2の2ページに戻っていただきまして、そういった現状を踏まえまして(2)の課題でございますが、現行の容器包装リサイクル法における市町村と事業者の役割分担について、どのように考えるか。それから、市町村が行う容器包装廃棄物の分別収集及び選別保管に要する費用について、その実態を明らかにすべきではないか。この2つ目につきましては、後ほどやはり資料4で現状をご説明したいと思います。
 この1番の課題につきましては、なかなかヒアリング等におきましてもさまざまな意見があったというふうに認識をしておりまして、事務局といたしましては、ほかの課題には(3)で対応の方向というのが書いてあるんですが、ここは率直に申しまして書いておりません。これまでのヒアリングにおきましてどんな切り口の議論があったかということにつきましては、資料5に、これは以前に前回も配布したものでございますけれども、ヒアリングにおきまして提示された意見を再度お配りしておりますので、こちらの方の3ページから4ページに、市町村及び事業者の責任範囲についてどんな意見があったかというのが掲げられておりますので、こちらも適宜ご参照いただければというふうに思います。
 それでは、資料を一息にといいますか、全体をまず説明させていただきます。
 資料2の3ページ、2番目の課題、分別基準適合物の品質向上でございますが、まず現状といたしまして、容リ法におきまして「分別基準適合物」と申しますのは、そこにありますように、「市町村が第8条に規定する市町村分別収集計画に基づき容器包装廃棄物について分別収集をして得られた物のうち、環境省令で定める設置の基準に適合するものであって、主務省令で定める設置の基準に適合する施設として主務大臣が市町村の意見を聴いて指定する施設において保管されているものをいう。」とされております。
 ただ、その2番目の丸にございますように、法令では異物の混入率等については定めておりませんで、容リ協会の方で毎年度引き取り品質ガイドラインを定めていただきまして、そこに異物混入の許容値等が示されております。ただし、これは目標値でございますので、拘束力を持っているものではないということでございます。これは、資料3の19ページ以降、平成17年度のガイドラインにつきまして掲げさせていただいております。
 例えば、これは19ページ、ガラスびんですと、異物の混入許容値、あるいは許容範囲の目安、次の20ページですとペットボトルで、(3)にベールの品質とございますが、その表にありますキャップ付きボトル10%以下とか、あるいは塩ビボトル0.5%以下とか、こういった基準をつくっていただいております。それが、24ページまで続いております。
 資料2の3ページにお戻りいただきますと、3つ目の丸ですが、協会の方では市町村からペットボトルあるいはプラ製容器包装の分別基準適合物を引き取る際には、その品質を目視検査及び計量検査で、A、BあるいはDのランク付けを行っていただいております。ただ、現在のところ、Dランクのものにつきましても引き取りは実施しているということでございます。その下に、ペットボトルの例でございますが、Aランク判定の場合、Bランク判定の場合、Dランク判定の場合、どんな対応をするかというのを書いてございます。[3]Dランク判定の場合をごらんいただきましても、「当面」引き取りを継続するということでございます。
 ただ、引き取りを実施する再商品化事業者は、当該市町村等にDランクになった項目についての品質向上を要請すると。調整が困難な場合には、協会も協議に参加・協力するということになってございます。
 また、その下になお書きで、協会から当該市町村等に、改善計画書の提出あるいは改善の実施を要請するといったようなことも行われることになっております。このあたり、資料3の25ページからペットボトルの検査方法、それから28ページからプラの評価方法がございまして、それから33ページ、34ページ、一部資料の差しかえをした部分でございますけれども、おわかりいただけますでしょうか。33ページ、34ページに、ペット、プラそれぞれの評価結果が示してございます。それぞれDランクも、まだ相互に存在するということでございます。
 それから、資料2の4ページにお戻りいただきますと、現状の最後の丸、これは個別課題でございますが、スプレー缶につきまして、これは容リ法で定める特定容器に該当しておるわけですが、分別基準適合物としては「充てん物、ふた、噴射のための押しボタンの除去」といった要件が定められております。
 ただ、現実には、市町村がこの要件を満足した状態で分別収集するというのはなかなか難しい面がございまして、リサイクルが進まない状況にございます。資料3の35ページからスプレー缶の関係の資料がございますが、36ページの真ん中に[2]困難性とございますが、要は市町村が収集した段階では、穴をあけて、充てん物が本当に外に出されているのかどうかというのがわからないものですから、結局、分別収集はするんですが、市町村ではスプレー缶を手選別して、やはり充てん物の除去作業をいずれにしてもやらなきゃいけないというような、そんなふうな状況に置かれております。そういった現状がございます。
 資料2の4ページへお戻りいただきますと、(2)の課題に2つほど掲げてございますが、1つは分別基準適合物の品質向上を図るためにはどのような対策が必要か。それからもう一つは、先ほどのスプレー缶のリサイクルを進めるためにはどのような対策が必要かといったことでございます。
 対応の方向といたしまして、分別基準適合物の基準を定めている環境省令について、異物の混入率を規定する等基準を強化し、分別基準適合物に該当しない物については、協会が引き取りを拒否する等、その運用を厳格化すべきではないか。それから、市町村が分別基準適合物の品質向上に取り組むためのインセンティブ又はペナルティ等を課す制度を検討すべきではないか。それから、スプレー缶等については、製品の安全製も視野に入れつつ、分別基準適合物の基準も含めて、検討すべきではないか。こういった方向が挙げられようかと思います。
 続きまして、5ページ、店頭回収や集団回収の位置付けでございます。
 まず、現状といたしまして、容器包装廃棄物の店頭回収や集団回収の取組につきましては、特段、容リ法に位置付けられているというものではございませんで、自主的な回収、住民活動などが中心となっております。
 資料3の37ページ以降、関連の資料をつけてございます。ごらんいただきますと、37ページがいわゆる発泡スチロールトレイの店頭回収の実績、(2)が紙パックの回収実績でございます。
 それから、38ページが集団回収全体の実績でございますが、これはこうやって種類別に見ますと、やはり紙類がほとんどでございますが、これは新聞、雑誌を含んだ数字でございますので、そういう意味では、いわゆる古紙回収が集団回収の中ではやはり大きなウエートを占めているということであろうかと思います。
 それから、39ページから、市民団体等の取組の事例でございますが、(1)が本審議会のヒアリングでもおいでいただいた全国牛乳パックの再利用を考える連絡会、いわゆるパック連の活動でございます。全国牛乳容器環境協議会、いわゆる容環協と協働して、全国に回収ボックスを無料配布されています。
 それから、40ページに配布先のアンケート結果がございまして、41ページが、これもヒアリングにおいでいただきましたけれども、全国生活学校連絡協議会の岐阜県可児市の例でございます。リサイクル品目を一括して回収するステーションを開設していただいております。
 それから、42ページからは、最近の1つの興味深い方法といたしまして、飲料容器自動回収機導入事例を掲げております。これは、TOMRA社の事例でございまして、この資料は―申しわけございません、クレジットがございませんが、同TOMRA社の資料からの抜粋でございますけれども、この機械は、その機械の写真の下にございますように、ペットボトル、スチール缶、アルミ缶を回収し、24時間365日回収できる。入れますと、ポイントカードとかクーポンとかといったものが機械から発行されるような、そんな格好になっておりまして、かつ、回収現場の方で減容といいますか、ペットボトルですと破砕したり、あるいは飲料缶ですと圧縮したりというようなこともこの機械の中でできるような、そういうシステムでございます。
 43ページは、これは自治体が導入した事例でございますが、44ページの方がいわゆる店頭回収の事例でございまして、東京杉並区の西友の浜田山店の例でございます。回収量も、こういうふうに上がってきているというような報告があります。
 では、資料2の5ページをお戻りいただきまして、この店頭回収、集団回収については、2つ目の丸でございますけれども、容リ法の基本方針におきましても、4行目からございますが、「市町村の実情に応じ、住民等が行う集団回収、拠点回収等を活用した分別収集を促進することが効果的であり、集団回収等の取組に対する支援についても検討する必要がある。」とされております。
 さらに、循環計画におきましても、これは国民の役割としてでございますが、下の方に「また、」とございまして、この「NPO・NGOなどの民間団体の活動への参画・協力、資源回収・清掃活動・フリーマーケットや各種の環境関係イベントへの参加」云々というふうに出てまいります。
 それから、一番下の丸の、一部の市町村においては、住民による容器包装廃棄物の集団回収への取組につきまして、助成金等を交付して促進を図っているところでございます。
 これは、資料3の45ページ、46ページで、45ページは店頭回収の支援事例でございまして、いわゆる認定制度ですとか、あるいはステッカーを交付したりというような事例を掲げております。それから46ページが、集団回収に対する奨励金とか助成金の例でございます。
 ただ、やはり実績としては、容器包装というよりも古紙類の方が大変大きなウエートを占めておるところでございます。
 そこで、5ページの下に戻っていただきます。(2)課題とございますが、そういった現状を踏まえまして、この店頭回収、集団回収の取組につきましては、住民の環境意識の向上あるいは環境教育等に有益であると考えられることから、更なる促進策について検討すべきではないか。
 それから、6ページでございます。対応の方向として、更なる促進策について、具体的にどのような取組が考えられるか。また、そういった店頭回収や集団回収の取組につきまして、容リ制度において、どのような位置付けとすることが適当と考えられるか。こんな対応の方向があるかなというふうに考えております。
 続きまして、説明が大変長くなりまして恐縮ですが、資料4につきましても引き続きご説明させていただければと存じます。
 資料4、市区町村等における分別収集・選別保管費用に関する調査でございます。中間報告ということで、ご報告をさせていただきたいと存じます。
 昨年7月の審議会でご説明をいたしました、私どもの方で行った13年度から15年度までの調査を、さらに今年度リファイニングしたものでございます。
 2ページをお開きいただきますと、今回、検討体制とございますが、委託先の方にこのような検討会を設けまして、調査表をつくる段階からいろいろな立場からのご意見をいただきながら進めてきたところでございます。
 3ページをごらんいただきますと、調査内容でございますが、本日ご報告をさせていただきます柱は3つございます。  1つは、(1)市区町村における分別収集・選別保管費用の実態把握でございます。これは、まさに実態としてどれぐらいかかっているかということでございまして、これは前回7月の報告と同様、キロ当たり幾らですとか、あるいは立米あたり幾らですとか、そんな数字を出そうとしたものでございます。
 それから(2)が、分別収集・選別保管費用の全国推計でございます。これは、(1)の実態を踏まえまして、全国ベースで分別収集・選別保管にどれぐらいの費用がかかっているかということを推計したものでございます。
 それから(3)は、少し見方が違うんですが、容リ法の施行によって市区町村費用がどれぐらい変化したか、市区町村費用が増えたのか減ったのか、そういったところを、結構荒っぽい推計にはなってしまいますが、推計したものでございます。
 以上3点について、ご報告させていただきます。
 なお、この3ページの一番上の丸の5行目に、なお書きがございます。「なお、本検討会においては、今回の調査から得られた実態費用を基に、費用の分布状況や費用向上などについて、引き続き議論を行っている」とございます。いわば、その実態を把握いたしまして、その実態の分析、特に分布状況、ばらつきの状況なども分析をしてきておりますけれども、実はそちらの方はまだ結論といったものはいただいておりませんで、これはなかなか難しいところがございまして、私自身も頭を抱えておるようなところがございますけれども、もう少し作業、検討なり続けてみたいと思っております。
 では、5ページをお開きいただきます。
 まず、分別収集・選別保管費用の実態把握でございます。2.1で、その費用の範囲の設定でございます。どこからどこまでを分別収集・選別保管費用と見るかということでございますが、その5ページに掲げてあるような費目につきまして調査をしております。
 6ページに、幾つか留意点がございます。
 まず、収集部門につきまして、人件費は実際の具体的な収集作業以外の労働時間分、例えば収集ステーション間の移動時間ですとか、あるいは始業時の準備体操、それから業務日誌の作成、そういった作業時間も含まれております。あと、その4行目に、[1]~[11]は直営収集を実施している場合の費目で、[13]は委託収集の場合とございます。直営につきましては、かなり細かく費目を分けて調査ができますのですが、委託につきましては、なかなかその委託先の方まで突っ込んでの調査は難しゅうございますので、委託しているところにつきましては、委託費1本でご報告をいただいておるところでございます。
 それから、選別保管部門につきまして、建築物の減価償却費は、施設の基礎と建築物の工事費用でございます。土地取得費とか造成費は含んでおりません。
 それから、管理部門でございますが、これは管理部門を今回初めてとってみたわけでございますけれども、後ほど結果が出てまいりますように、結構数字的には大きなものになっております。これは、何でこんなに大きくなったのかなというのをいろいろ検討会でもご議論いただいたんですが、恐らくというかほぼ間違いなく、収集作業とか選別保管作業に、いわゆる管理するための時間だけではなくて、市民に対する分別方法の説明ですとか、あるいは質疑への対応ですとか、あるいは普及啓発に関するイベントですとか、そういった時間に対応するものも含んで回答されているものというふうに思われます。
 いずれにしましても、そういった費目を立てまして、6ページの2.2に費目ごとの計算方法の設定とございます。
 費目ごとの計算方法につきましては、資料4の参考という別とじの資料を用意しておりますのですが、お手元にございますでしょうか。こういった資料でございます。この資料の2ページから5ページまでにかけまして、計算式を示しております。1つずつこれを説明していますと、もう何時間かかかってしまいそうですので省略させていただきますが、ただ1点だけ、市町村から回答をいただく際には、この費目ごとの数字、例えば人件費が幾らだとか、職員退職給付引当金が幾らだとか、そこは費目ごとの数字を回答していただいたわけではありません。むしろ、この計算式に出てくる細かい1つ1つの数字につきまして回答してもらいまして、こちらでそれを計算するというような、そういう作業を基本としております。そこだけちょっとご認識いただければと思うんですが、要は極力、計算間違いですとか、あるいは勘違いなんかを排する趣旨でございます。
 8ページをお開きいただきます。
 そういった計算式を立てまして、今度はアンケート調査を実際に実施するわけですが、そのアンケート調査の回収率が、表3、大体6割強ですね。1,586の回収数をいただいております。
 ここでご留意いただきたいのは、(2)にアンケート回答の集計とございます。少し詳細な話になりますのですけれども、集計するに当たりまして、先ほどお示ししました費目を算定するために、アンケート調査で必要となる実績値を把握したわけでございますけれども、市区町村ごとに見た場合、費目によっては計算に用いるデータが不明である。要するに、結構詳細なデータをとっておりますので、どうしても抜けがある市町村が多うございまして、これをどうするかというところで、まず別添資料の8ページに、幾つか項目を掲げてございます。自治体職員の時間当たり人件費ですとか、1人当たり労働時間ですとかを掲げてございますが、こういった数字が抜けておるところにつきましては、基本的にほかの回答があった市町村の平均値を代入するというような、そういう作業をしております。
 また、その一方で、そういった8ページに掲げておるような費目を入れてもなお計算ができないところ、例えば収集車の出動回数とか、そういったところですと、もう全国平均で置きかえるのもちょっとどうかというふうに思われるような項目、そういったものがないとか、そういったところにつきましてはやむを得ませんので、その費目そのもの、参考資料の方の10ページをごらんいただきますと、人件費とか職員退職給付引当金とか、それぞれ費目ごとの平均値を掲げてございます。もうやむを得ませんので、こういう費目ごとの平均値を代入して計算したと、そういったいわばデータの補正のようなことをしております。要は、こういうふうにデータを補正して、できるだけそれぞれの市区町村のフルコストを算定すべく努力したという、そういう格好でございます。
 ただ、この資料4、もとの資料の9ページの2番目の丸にございますように、そういうふうにしますと、費用全体に占める平均値を代入した部分の割合があまり高いと、今度は逆に当該市区町村の分別収集・選別保管費用の実態とかけ離れてくるというような、そういう問題が生じてございますので、そこで以下の集計分析では、代入したデータの割合が20%以下の市区町村、逆に言えばオリジナルのデータが80%以上の市区町村に限定をして集計してございます。ですから、全部のサンプルを集計するのではなくて、ちゃんとオリジナルデータが80%以上提供できてきた市町村だけを集計したということでございます。この点も、1つご留意をいただければと存じます。
 そういった幾つか配慮しながら集計をした結果が、10ページ、11ページでございます。11ページの表をごらんいただければ理解が早いかと存じますが、この表4、これは代表値を平均値、最大値、最小値、中央値、それぞれについて掲げております。前回の7月に前年度までの調査をご報告したときには、中央値の方をクローズアップしておりましたのですが、あの際の審議会でのご指摘もございましたので、今回は平均値を網かけしてクローズアップしております。一番右から2つ目のフルコスト単価、これは管理部門も合わせたものですが、このフルコスト単価をごらんいただきますと、やはり品目別に見ますと白トレイが結構ぼんと大きく出てまいりますが、これは重さ当たりですので、白トレイは軽いものですから、いずれ重さ当たりにしますとかなり大きな数字になりますのですが、これを容積比、立米単位に直しますと、一番右側、これは収集と選別保管だけでございますけれども、この容積比で見ますと、大体ほかとあまり差がないような、そういう数字が出てまいります。
 あと、ここからわかりますことは、全体的にやはり委託と直営を比べますと、委託の方がかなりコストが低いというようなことが1つございます。それから、最大・最小の差が結構大きく出てございます。ばらつきが大きいということでございます。そのばらつきの状況につきましては、別添の参考の13ページ、14ページに品目ごとのばらつきの状況を掲げてございます。これは、申しわけございません、タイトルが「分別収集・選別保管費用の分布の状況」となってございますが、これは誤っておりまして、管理部門も含めたこれはフルコストの分布の状況でございます。ご訂正をいただければ幸いでございます。したがいまして、その下の「品目別収集・選別保管費用の分布状況」も、「品目別フルコストの分布状況」というふうに、恐縮でございます、ご訂正をいただければありがたいと存じます。
 それから、資料4の本資料の方で13ページ、これはグラフにしたものでございます。
 それから14ページが、これは直営の場合の費目ごとの構成割合でございます。この14ページのグラフをごらんいただきますと、収集はやはり人件費が大体7割ぐらいを占めておるということで、大きいウエートです。それから選別保管の方が、これは作業委託費というのが、結構量があることもございまして、人件費がさほど大きくございませんで、一方で建築物あるいは装置の減価償却費が大きくなっております。ただ、これは費用ベースで見ておりますので、国から得ている補助金なんかも含まれておりますので、その点はご注意をいただきたいというふうに思います。
 以上が、いわゆる基礎的な実態把握でございますが、これを踏まえまして、15ページから全国推計がございます。
 全国推計の方法につきましては、その四角にございますように、回答市区町村の分別収集・選別保管費用計を回答市区町村の分別収集実績報告合計で割った、すなわち加重平均値を出しまして、この加重平均値を平成15年度の分別収集の実績量全体に掛けたということでございますので、大変推計の方法としては単純な方法をしております。
 ただ、1つだけ、これも若干複雑で恐縮なんですが、ご理解をいただきたいのは、先ほど集計の対象を、オリジナルデータが80%以上というふうに申し上げました。オリジナルデータが80%以上につきまして、直営と委託と両者の組み合わせを見ますと、16ページの図がございますが、この右側がオリジナルデータ80%以上の場合の3者の内訳でございます。それからその逆の向かって左側が、全回答の3者の内訳でございます。これはごらんいただきますと、明らかに80%以上の方が委託の方に偏っております。これは何でかと申しますと、委託の方が委託費1本で回答ができるものですから、データがそろう可能性が高いわけです。したがいまして、オリジナルデータ80%以上ということになりますと、委託がかなりのウエートを占めてくる。
 そこで、この3者のウエートにつきましては、やはり補正をして推計しないと結果を誤るのではないかということで、ここだけは補正して推計をさせていただいております。その補正の仕方は、16ページの図3の下に記してございます。
 その結果、17ページでございますが、全国推計結果でございます。表5、全国推計結果、[6]に収集プラス選別保管がございまして、その下に3,056億4,000万円というような3,000億余りとような数字が出てございます。これが大きいのか小さいのか、なかなか評価は難しいところでございますが、なかなか単純な比較はできないんですが、先ほどごみ処理事業の全体で2兆4,000億というような数字を申し上げましたけれども、2兆4,000億の中の3,000億が、分別収集あるいは選別保管の費用だというふうに考えますと、さほどめちゃくちゃな数字ではないのかなというふうに私も思っておりますけれども、いずれにしましてもそんな実態として、あくまで推計ではございますが、こういった結果でございます。
 あと、ちなみに管理部門費を含めますと、その下に参考とございます。4,200億余りの数字が出てきておりますけれども、これは先ほど申し上げましたように、いわゆる管理費だけではございませんで、PR費ですとか、あるいは普及啓発の費用がかなり大きく含まれているというふうなことでございますので、参考としてお示しするにとどめております。
 それから、最後に18ページから、今度は容リ法による市区町村費用の変化分の推計でございます。どういう推計をしたかといいますと、その四角にございます市区町村の費用変化イコール平成8年度当時のごみ区分が可燃・不燃ごみであった容器包装の分別収集・選別保管費用から、その後ろの括弧書きですが、平成8年度当時のごみ区分が可燃・不燃ごみであった容器包装重量掛ける現在の可燃・不燃ごみ収集・処理単価という、こういう変化の推計をしています。これはどういうことかといいますと、例えば、今、ある市町村でペットボトルを分別収集しているとします。その一方で、平成8年度、すなわち容リ法施行前に、その市町村がペットボトルをどういう区分で収集・処分していたかというのを報告させています。平成8年度におきましても、例えばペットボトルでありましても、既に分別収集しておった市町村はそれなりにあるわけでございまして、さらにスチール缶ですとかびんとかですと、かなり多くの市町村がもう既に分別収集しておりました。平成8年度当時におきましても、既に分別収集している市町村というのは、基本的にもう費用は変わらないだろうというふうに割り切ってしまいまして、今回のこの推計の対象から除いてしまっております。
 したがいまして、ここで推計の対象にしておりますのは、平成8年度当時は分別収集していなかった、すなわち可燃ごみか不燃ごみで処理をされておった、そういう市町村につきまして、この先ほどの式をもう一度ごらんいただきますと、平成8年度当時のごみ区分が可燃・不燃ごみであった容器包装の分別収集・選別保管費用と申しますのは、そういった容器包装廃棄物の現在の実際の分別収集・選別保管費用でございます。差し引くその後ろの括弧書きの方は、仮に今でも可燃ごみだったり不燃ごみだったりした場合に、幾らかかっていたであろうかということを推計したものでございます。その両者の差をとることでもって、容リ法施行によりまして市区町村の費用が増えたのか減ったのか、どれぐらい増えたのか減ったのかということを推計しようとした、そういったやり方でございます。
 集めたサンプルにつきまして、この差を推計いたしまして、その差を推計いたしましたのが19ページの表6になってまいります。品目ごとにプラス、マイナスがございますけれども、差し引きをしますと表6の右の隅、85億弱の数字が出てまいります。
 これを、さらに一定の割合を掛けて全国に伸ばしたものが、最後の22ページ、表7でございます。一番右端、[13]変化分とございまして、一番下、380億余りという数字が出てまいります。実態として、市区町村の費用の変化は380億増であったということでございます。
 ただ、ここでご留意をいただきたいのは、この同じ資料の19ページの上に何行か文章が書いてございまして、3行目の一番終わりのあたりから4行目の「[5]は、[2]の量に現在の各市区町村の埋立処分場における可燃ごみ・不燃ごみの処分単価を乗じて推計した費用である」というふうに記してございます。これはどういうことかと申しますと、先ほどの推計方法でいきますと、差し引きました現在もなお仮に可燃ごみであったり不燃ごみであったりした場合の費用と申しますのが、現在の市町村の埋め立て処分の単価といいますか、埋め立て処分の費用でもって算定されているということでございます。
 すなわち、現在の処分場でございますから、既にできておるものでございますし、かなり以前にできたものもございますから、最近新しくできたような処分場ですとか、あるいは将来、これから作っていこうという処分場ですとか、そういうものに比べますと、かなり単価あるいは処理費用は安くなっているはずでございます。逆に申しますと、ここの可燃ごみ・不燃ごみであった場合の処理費用というのを、新しい最近できた処分場の処理単価に置きかえたり、あるいは将来できるであろう新しい処分場の処理単価に置きかえたりしますと、先ほどの380億という数字はずっと減っていって、さらにマイナスになっていく、そういう可能性も十分にあるという、こういう数字だということはご理解をいただきたいというふうに思います。
 ただ、あくまでこの380億、実態としてこれまでの容リ法施行によりまして、これまで市区町村で追加的に負担されてきた費用であるということは、推計ではございますけれども、間違いないところだといったようなことでございます。
 長くなりましたが、以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。
 ただいまの説明に対して、ご意見あるいはご質問がございましたらお願いしたいと思いますが、資料2の「分別収集について」ということの1番目、市町村及び事業者の責任範囲、この辺から始めたいと思いますので、できれば市町村の側から。
 では、石井さんからお願いします。

○石井(和)委員 まず初めに、意見を申し述べる機会をいただきましてありがとうございます。
 分別収集に対する容器包装リサイクル法における市町村と事業者の役割分担でございますが、先ほども資料の説明で、幾つか現状等について書かれておりますので、部分的に意見としてなぞる部分があるかと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 特に、現行の容リ法が、循環型社会づくりの先駆けとして果たしてきた役割ということにつきましては、私も評価をしておるところでございます。ただ、先陣を切ったシステムのために、循環型社会づくりの根本にございます廃棄物の発生抑制等を目的とした拡大生産者責任の理念が十分に機能していないと言えるのではないかと、考えております。
 皆さん方ご案内のように、循環型社会形成推進基本法が制定・公布されまして、この考え方は拡大生産者責任の考え方を基本に置いて、循環型社会づくりが社会経済システムの基本に据えられたことだというふうに認識をしております。そういったことを前提といたしますと、改めて現行の容リ法の問題点が出ているのではないかと、思っております。
 その最大の問題点といいますのは、容器包装廃棄物の回収が、費用を含めまして市区町村の役割となっているために、市区町村のリサイクルにかかる費用負担が大変大きくなっておるかと思います。さらに、このリサイクルに要する費用をこれまでのごみ処理と同様に税金で負担しているという点にあるかと思います。
 そういった意味で、リサイクル工程のうち最も手間暇のかかる、すなわち費用のかかる回収部分を、現行容リ法では市町村の役割としているわけでございまして、今回の容リ法の見直しに対する基本的な考え方といたしまして、拡大生産者責任の徹底におきまして、分別収集から再商品化までのリサイクルの全工程を、物理的負担を含めまして特定事業者の負担で行うべきものというふうに考えているところでございます。
 市町村の役割といたしましては、特定事業者の回収をするということになるわけでございますので、広域回収等、効率的な収集体制をつくるということになりますと、自治体としても特定事業者の回収が円滑に行われるよう協力をしていかなければならないと思っております。それから特定事業者による回収体制が構築されるまでの間は、特定事業者の費用負担により、市町村が引き続き回収を行うこととしてまいりたいと考えております。
 この基本的な考え方につきましては、時間の関係もございますので、るる説明はいたしませんが、容リ法の回収を特定事業者の54社の責任において行うことにいたしましても、市区町村の廃掃法上の一般廃棄物の処理責任を放棄することにはならないというふうに考えております。
 とりあえず意見として、冒頭述べさせていただきました。

○田中部会長 ありがとうございました。
 引き続いて、庄子委員、お願いします。

○庄子委員 各種リサイクル法の中でも、容リ法というのは、地方自治体、事業者、消費者など各主体がこの10年積極的に取り組んできた結果、また、NPOの方々の積極的な関与などもございまして、私は非常に容器包装の資源化、減量化、そういうようなものに大きく寄与してきたのではなかろうかと。10年前に大変深刻であった最終処分場の問題なども、この法のおかげで大分緩和してきたのではなかろうかと、高く評価しているところでございます。
 したがって、産業界といたしましては、循環型社会の実現に向けまして、現行法の役割分担を基本的に維持しつつ、各主体がより一層取組を強化していくことが重要ではなかろうかと考えております。
 まず、事業者、産業界としましては、これまで現在の法律のもとで再商品化費用というものを負担してきたわけでございますけれども、容器包装の減量化あるいはリサイクル推進に懸命な努力を払っておりまして、今後とも環境配慮型製品の開発普及など研究開発、製造販売など各部門を通じまして、企業努力を傾注してまいりたいと思っております。
 これまでのテーマで、分別収集でございますけれども、これにつきましては、各家庭に最も身近な地方自治体、今、地方自治体からのご発言もございましたけれども、地方自治体みずからの事業として主体的かつ責任を持って分別収集に取り組んできたことが、このような最終処分量の減少に大きく寄与してきたと認識しております。
 したがいまして、引き続き地方自治体がこの容器包装廃棄物の分別収集の役割を果たしていくべきではなかろうかというふうに考えております。
 一方、排出抑制を図るためには、容器包装廃棄物の有料化など、排出者である消費者が分別収集費用の一部を排出時に直接負担するなど、消費者の行動あるいはライフスタイルを環境配慮型に変えていくことが、排出抑制のための有効な手段ではないかと考えております。
 今回の審議において、排出抑制の徹底と市町村の分別収集コストの増大が大きな論点とはなっておりますけれども、制度の見直しを行う場合には、単なる関係者間の費用負担、費用分担という問題としてとらえるのではなくて、今、申し上げましたようなすべての主体にリデュース、リユース、リサイクルというような仕組みをつくるように、また、そういうふうな考えのもとで今後進めていくことが重要ではなかろうかと思っております。
 その観点から、産業界、事業者としましては、拡大生産者責任のもとで非常に厳しい経営環境ではございますけれども、再商品化費用というものを負担するとともに、これまで容器包装の減量化に努め、大きな成果を上げてきましたけれども、今後も引き続き、より一層の排出抑制、減量化に取り組んでまいります。
 繰り返しになりますけれども、すべての主体に3Rを促す仕組みを構築することが重要ではなかろうかということで、この点、ご検討いただきたいということを提案させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○田中部会長 ありがとうございました。
 ほかに、自治体の方々はどうでしょうか。
 石川委員、お願いします。

○石川委員 容器包装リサイクル法の施行によって、リサイクルが大幅に進んだということについては、これは事実、データが示しているとおりなわけでありますけれども、しかし、そのタイミングというものが適当であったかどうかといいますと、むしろ後手後手に回ってきたという印象は免れないわけであります。
 ですから、今回の自治体のコスト比較などを見ましても、私どもの市などはそうなんですけれども、既にかなり先行してペットボトル、瓶、缶等の分別収集をしてきたところについては、今まで言われてきておりますリサイクル貧乏を先行してやらざるを得なかったと、実態としてやらざるを得ない状況に追い込まれていた。しかし、容リ法によって一定のリサイクルの推進は図られたわけでありますけれども、根本的な解決にはなっていないというのが実態ではないか。ですから、大量生産、大量消費、大量リサイクルという方向に進んでいって、全体のごみ量を抑制するというような結果というのはなかなか得られていないというのが実態ではないかなというふうに思います。
 今回、議論すべき点については、収集、運搬、保管についてのコストというものについては、やはりこれを自治体がすべてを負担するということではなくて、まさに拡大生産者責任の中で負担を求めていくということが当然必要になるんだろうというふうに思います。
 その中で、どういう負担のあり方について必要なのかということについては、先ほどちょっと出たとおり、説明がありましたけれども、少なくともこの分別収集ほかにかかっている費用全体をまずしっかりと把握をし、それに対する事業者側の負担がまず必要なんだということを認識する必要があると思います。
 そして、その中で、もちろん自治体が全く負担をする必要はないというふうには言いませんけれども、しかし、自治体の負担のあり方、あるいは事業者側のあり方がどのあたりであるべきなのかということについては、さらに議論をしていく必要があると思いますけれども、まずはその必要があるということを前提にしていく必要があるんだろうというふうに思います。
 あわせて、リターナブル等については、どんどんと追い詰められていっているというのが実態であります。これも容器包装リサイクルの施行によって、結果としてはかなり低減をしてきて、歯どめがきかないような状況でありますので、この点についても何らかの施策が必要だろうと、そういうふうに思っています。

○田中部会長 ありがとうございました。
 じゃあ、山本さん、お願いします。

○山本(文)委員 ちょっと私の経験をしたことでちょっと意見を申し上げたいんですが、私どもで、全体の費用のうち直接費と間接費がありますけれども、大体費用は全体の総費用の40%ぐらいが直接費でございます。そのうちの約半分ぐらいが収集費です。収集費が非常にかかるわけですが、今、私どものところは全部選別で、分別して収集させてもらっておりますから、それもかなり全部袋を皆さんに負担をしてもらっておりますから、その袋の中に入れて出していただいておりますから、家庭での分別はちゃんと今やっていただいていると思います。
 それを今度は持って帰って処理します費用が、直接費のうちの大体半分ぐらいが、そういう分別容器等でございます。可燃物というのは非常に少ないわけですね。だからほとんど、今、ごみ焼却場でなくてごみ処理場みたいになってしまいましたね。だから、私どもは大体45トンぐらいの焼却能力があるんですね。ところが、今ほとんど、2基据えておりますけれども1基で余るくらいです。というのは、分別するようになったものですから、可燃ごみが非常に少なくなりました。今までは何でも、分別をするまでは全部、鉄類とかそういったものは別ですけれども、ほとんど燃焼室に入れてしまった、そういう処理をしておったわけですね。
 ところが、分別をやるようになりましてからストックヤードもこしらえましたし、そこで処理をしておりますが、ところが、その費用がさっき申し上げましたように、また全体の費用の4割から4割5分ぐらいかかる、45%ぐらいかかるんです、それの処理をするため。そして、それを有価物として売却する場合があるんですが、200万にしかならないんです。ですから、もうそのために戻ってくるお金というのはございませんけれども、そういうような状況です。
 ですから、収集に大変な費用がかかっている、それから、処理に、そういうような容器等の方がたくさん費用がかかっている。だから、これはやっぱりそれぞれの費用分担というのを考えるべきだと思いますね。消費者、それから自治体、それから生産者、この三者が応分の負担をしていくことこそ大事じゃないでしょうか。
 ですから、今はもうどんどんそういうものはできておりますから、そういうものを利用して、あとは捨てればいいというような、そういう考え方でおられると、自治体はとても対応する費用に苦慮することになりますから、できれば生産者、作っている人ですね、生産者、消費者、そして自治体、三者がそれぞれの応分の負担をすることが必要だと。
 ですから、私どものところは、さっき申し上げた収集費はかかっておりますけれども、住民の皆さんたちの負担をお願いしておりますから、その負担は全体の半分もございませんけれども、10%か12、3%しかありません。しかし、それなりの負担をしていると思いますから、言うならば生産者の人がそういうことを考えていただいて、処理をする場合の処理料を応分の負担をしていくというやり方をすることが、私ども自治体としてはお願い申し上げたいというところでございます。

○田中部会長 今の話は、処理というのは、分別収集した後に選別をするという選別のところですか。

○山本(文)委員 分別収集してくるでしょう。トラックで来るものですから、ばあっと出す。そこを手によって分ける。そして、不燃物は不燃物の処理をします。それから、今のリサイクルできるものはストックヤードへ持っていきます。そして分けております。

○田中部会長 その処理に結構かかると。

○山本(文)委員 かかります。人力でないとできないんですよ。そういう機械がありませんから。

○田中部会長 わかりました。
 崎田さん。

○崎田委員 実は、こちらの資料などを拝見していると、本当に市町村と事業者の責任範囲というテーマになっているんですけれども、先ほど来お話があるように、やはり消費者がどういうふうにここにかかわっているかということがすごく大事なことだというふうに私は感じております。
 それで、実は結局は税金で払っているのも消費者であるし、例えばもっとメーカーの方が払ってくださるようになったら、結局はそれが最初に物のコストに入っていくわけで、それを消費者が、選んだ人がちゃんとリサイクルコストを払うというようなことになるわけです。
 ですから、消費者が自分の消費行動を責任を持って果たしていくときにどっちの方がいいのか、そしてどっちの方が社会全体の発生抑制や排出抑制につながるのかという、そういうことを考えていきたいなって私は思っているんです。
 それを考えると、やはり消費者にとっては税金で払うところが多いよりは、できるだけ消費者自身が自覚しながらコストを払っていく、わかるように商品の中に入っていくような形でコストを払っていく、そういうような仕組みにできるだけ動かしていただいて、消費者の消費行動を変えていく、そして発生抑制の社会につなげていくという、やはりそういうふうな考え方で、この話をぜひいろいろ積極的にやっていっていただきたいなというふうに私は考えているんですね。
 実は、そういうようなことを考えるときに、なぜ消費者がコストのことをすごくもっと大事に思った方がいいのかというふうに発言するかといいますと、循環基本計画の中でいろいろなリサイクル法ができたときに、家電リサイクル法が、今度、消費者とお店とメーカーが一緒にやるという方向になりました。そのときには、リサイクルコストは後取りだったわけですけれども、もっと消費者にとっても払いやすくということで、その次の自動車とか、二次電池などは前取りという形になってきました。やはりそういう流れを、きちんとこの容器包装リサイクル法にも入れながら現状に合わせていくということが、すごく大事なんじゃないかというふうに思っています。
 それと、コストだけではなくて収集の方法に関してなんですが、それは後半かもしれませんが、そういう収集の方に関しては、社会全体のリサイクルコストが下がっていくような、そして消費者が参加しやすいような方法を例えば実験的に取り入れていくとか、やはりそういうようなことも考えながら、将来的なことはちゃんと考えていった方がいいんじゃないかというふうに思っております。

○田中部会長 ありがとうございました。
 酒井委員。

○酒井委員 ありがとうございます。  議論の前提の部分の確認をちょっとさせていただきたいと思います。
 資料2の2ページなんですが、課題が書いてあるその前後なんですが、この分別収集、選別保管の費用でございますけれども、今日、非常に丁寧にこの資料4でご報告がありまして、それで全国推計で約3,000億円強という数字もご紹介いただいたわけですが、その見積もりというのが、ここの2ページのところでまいりますと、「当該作業に係る費用については、必ずしも明らかとなっていない」、あるいはその下でいくと、「分別収集及び選別保管に要する費用について、その実態を明らかとすべきではないか」という問題意識をお書きいただいているわけですけれども、今日の報告の数字は、これに応えるものというふうに解釈をさせていただいていいんじゃないかというふうに思うんですけれども、それはまだかなり不透明な部分があって、これから精査が続けられるという解釈をやはりしなければならないものなんでしょうか。

○リサイクル推進室長 現在、私どもが与えられた条件で調査なり推計なりをしますと、これが結果だということでご提示したものでございます。
 したがいまして、ここの現状なり課題なりで書いてあることに対しましては、私ども事務局としては最大限のお応えをしたというつもりでございます。

○酒井委員 3,000億円強ということを前提に今後の議論を進めるということであって、あとは少しご説明にもありましたけれども、費用の分布状況とか費用構造、そういう点で、今後明らかになった点は事務局からまたお知らせいただけると、そういう解釈でいてよろしいわけでございますね。

○リサイクル推進室長 はい、結構でございます。

○酒井委員 ありがとうございます。

○田中部会長 高濱委員。

○高濱委員 今回、環境省さんが市町村のごみ処理経費につきまして、こういう詳細なデータを出していただいて、本当に感謝を申し上げたいと思います。
 このごみ処理経費につきましては、全体として収集経費がどのくらいかかっているかということも大事かと思いますけれども、それ以上に、分別収集を始めることによって、市町村のコストがどう変化したかということがより大事ではないかなと、こう思っております。
 先ほど室長さんからお話がありましたように、増加分が380億円という推計がございまして、さらに市町村の最終処分場の整備コストを考えると、本当はもっとこれより少なくなるのではないかというお話がありました。
 一方で、事業者の方の再商品化の費用は、平成15年度で恐らく400億円ぐらいだと思います。そうなりますと、この制度が発足して以降、事業者の負担の増分と市町村の負担の増分というのは、ほぼ同じぐらいというふうに解釈していいんじゃいないかと。市町村の負担の増分の数字は、かなり幅を持って解釈すべきだとは思いますけれども、事業者の負担と市町村の負担というのは、かなりバランスのとれていることがこれで窺えるんじゃないかと、こういうふうな理解もできるんじゃないかと思います。
 それから、資料3の17ページ、ごみ処理事業経費の推移という表がございまして、この中で最終処分場の工事費が、平成8年度、9年度ベースでは1,500億円とか1,300億円くらいのベースですが、平成14年度ぐらいになりますと800億円ぐらいにかなり下がっていると思うんですね。この解釈ですけれども、そういうふうに最終処分場の工事費が下がっているにもかかわらず最終処分場の残余年数というのがかなり延びてきているというふうなお話もございました。これは必ずしも容リ法だけの効果ではないと思いますけれども、最終処分場の工事費が下がってきているということについても、恐らく、事業者の方が再商品化を負担して容器包装廃棄物の再商品化に寄与を進めているということが、寄与しているんじゃないかなと、こういうふうに私としては理解をするわけでございまして、今回、お出しいただいたデータを見れば、必ずしも市町村のコストというのはそれほど上昇していないのではないかと、考えます。
 それから、容器包装廃棄物、特に食品の場合ですが、食品の容器包装廃棄物は日々排出されるわけでございまして、そういう意味では、生ごみと非常に似た性格を持っているんじゃないかと。テレビや冷蔵庫等の家電とか、さらには自動車とか、そういった数年に1回しか排出されないようなものとはかなり性格が違っているんじゃないかと思います。特に食品の容器包装廃棄物の処理の問題については、生ごみと同じようなものとして考えるのも一つの方策ではないかと、こういうふうに考えます。
 以上でございます。

○リサイクル推進室長 幾つかお答えといいますか、確認をさせていただいた方がよろしいかと思うような点がございましたので、発言させていただきます。
 1つ、17ページの資料につきましての言及がございました。最終処分場の工事費が、これは少なくなっていっているというのは、やはり一番大きなのはなかなかできにくくなっておりますので、新しくできるような最終処分場が逆に減っていっているという、そういう事情があろうかと思います。残余年数、確かにこれは私ども容リ法の効果もあって、それだけではございません、おっしゃったとおりで。それだけではございませんが、容リ法の効果もあって残余年数も延びていっているとは思っておりますけれども、さほど大きく延びているというわけではございませんので、そこはご理解をいただきたいと思います。
 あと、先ほどの380億と400億の比較につきましては、これはなかなか数字をどう比較するかというのは難しいところでございますが、私ども事務局といたしましては、この議論は、基本的にはどういう役割分担で市町村なり事業者、あるいは消費者もですけれども、どういう役割分担で仕組みを組み立てることが、前回あるいは前々回にご議論いただきましたような基本的な方向といいますか排出抑制を進めるとか、あるいはリユースを進めるとか、あるいはリサイクルをさらに効率的にするとか、そういうような基本的な方向にどういう役割分担で臨めば沿うのかというところが課題の一番大きなところであろうというふうに思っておりますので、ぜひそういう観点からご議論をいただければありがたいと思いますし、そういう観点から見たときに、この380億なりあるいは3,000億なりという数字をどのように解釈するかというところも、またご議論をいただければありがたいと思っております。

○田中部会長 園田委員。

○園田委員 今までの市町村と事業者の方のお話は、今の制度をあまり大きく変えないことを前提とされているように思うんですけれども、考え方としては、私の考えですと再商品化義務料の算出の仕方ですとか費用負担の金額の出し方とか、その辺も検討していくべきだと思いますし、その際の考え方としては、1つは、事業者の方にとって今の容リ法というのが自主回収をした方が不利になってしまう。特にリターナブルの場合はそうなんですけれども、自主回収をするよりも今の容リ法の制度にのった方が安い経費でできるという、そのあたりをまず変えていく、自主回収した方が有利だというような制度に変えていったり、それから、やはり消費者が最終的には負担するという、個別に自分の消費量に応じた負担をしていくというような、そういう発想でこの制度を変えていくと、結果的にそういった責任配分というものも変わってくるんじゃないかなというふうに思います。
 それから、リサイクルコストだけを問題にするのではなくて、容器も市町村に出された場合は、市町村がリサイクル体制があればリサイクルに行きますけれども、それがなかったり、分別が非常に悪かったりすれば廃棄物として埋め立て処分の方に行ってしまうわけですので、1つのものがAに行く可能性とBに行く可能性があるわけなので、リサイクルコストだけを問題にするというのはどうかなと思います。
 それから、拡大生産者責任についても、リサイクルコストだけを拡大生産者責任の考え方に適用するのではなくて、廃棄物全体にやはりそういう発想を薄く広く考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。

○田中部会長 ありがとうございました。
 松田委員、これからは2分以内でお願いします。

○松田委員 園田さんの意見、それから崎田さんの意見、本当に私も同じ立場ですので、励まされて聞いておりました。
 それから、今日の環境省の資料2の取りまとめも大変よくできていて、これに沿って議論が進めばすごくいいふうになるだろうなと思って楽しみにしております。
 ただ、高濱さんの380億の件について、私も質問しようと思っていたんですけれども、誤解をされるといけないので、この数字があるから、だからいいんだという議論には絶対なりませんので、そこは産業界の方たちによくご理解していただきたいと思います。21世紀の社会を私たちは環境の負荷のない社会に残すためには、自治体のシステムの中でコストが安いから現状維持でいいんだという議論は、すごい社会的な企業としての責任感が欠如されているような印象を与えます。食品リサイクル法、食品の容器に対しての効果的なパッケージのシステムというのは、私たちはすごい評価しています。けれども、むだなパッケージが二重、三重にあるのではないかというところで私はパッケージという議論もしてきたので、食品の機能というところの評価はしますけれども、過剰包装をどう防ぐかというところの議論としてもとても大事な議論を忘れないでほしい、以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 次、山本和夫委員、お願いします。

○山本(和)委員 短く意見を申し上げます。
 先ほどの費用負担の問題という議論、いろいろあると思いますが、ここでは、費用負担がとんとんだとか、そういう議論に終始してはいけないと思います。やはり今後、容器包装リサイクルをよりよくすること、それから、この循環型社会をつくっていくためにどういう仕組みづくりをするかというところで考えるべきであって、事業者が悪いとかいうことではない。EPRでも、事業者が悪いからそれだということではなくて、今後、よりよい仕組みをつくっていくにはどうするべきかということで費用負担の問題だけで議論を終始させてはいけなくて、また、それで現行の枠組みの中でやればいいという議論にはならないと私も思います。
 その点で、崎田委員、園田委員、松田委員の意見に全面的に支持を表明します。

○田中部会長 木野委員、お願いします。

○木野委員 それでは、簡潔に2点。
 EPRは手段であって目的ではありません。まず、今回の中でも明らかに実態になったのは、代表値とか平均値、いろいろありますけれども、最大値と最小値、ここにこれだけの大きな開きがあると。当然、企業であればベンチマークといいますか、どんどんそういうところを見ながらいかにコストダウンを図っていくか。ついては、やはりここで議論すべきなのは、どういうふうな仕方をやっていけばより効率的に環境負荷あるいはコスト、社会的総コストの点でも効率的なやり方ができるかと、こういうことをやはり次に向けて議論すべきかな、これが1点です。
 それともう1点は、19年度に紙プラがさらに拡大していくと、58%が82%。これをそのまま試算すると、今現在、先ほど全国推計では4,000億というのが6,000億も超えてくるんですね。要はどこまで金をかけてやっていくのか。瓶、缶、ペットのときから、今度はその他紙、その他プラ、拡大して、かなり単一素材系から複合素材系のものをリサイクルしていく、そのためのコストがかかっていく。こういったときに、先ほどの19年度の分別収集計画量で試算すると、さらにまだ2,000億からかかってくると。いわゆる消費者の税金というものがすべてのインソースですから、それをいかに効率的にというときに、リサイクルするためのエネルギーというものもかかってくるわけですから、本当にそういったものもすべてリサイクルするために再商品化手法等も見直していかないと、このコストというのはずっと自然に上がっていかざるを得ないと、この点はやはりもう一度整理し直すべきじゃないかなと思っています。

○田中部会長 ありがとうございました。
 長谷川委員。

○長谷川委員 今、木野さんが言われたので、ほぼ言い尽くされたとは思うんですけれども、これはやっぱりそれなりにいい資料だと思います。とってもいい資料だとは思うんですが、さらに一歩進んで、やっぱりこれは全体が総社会コストですから、これをいかに下げるかという話で、やはりこれは1万倍ぐらいの格差があるものを、いい悪いということじゃないんでしょうし、地域差もあるでしょうし、住民サービスの質とかいろいろあるんでしょうけれども、それを超えて、やはり効率化を図るということの資料にむしろこれは使うべきで、それが先決じゃないかと。費用とかね、すぐこういうのが出ると、高い、安い、どっちにつけかえるという話になっちゃうんですけど、それ以前に、この10年間何もそれがされてこなかったと言えばちょっと言い過ぎなんですけれども、この10年を機会に、むしろそれを効率化を図ることをもっと議論して、これを最初の役割ですね、それぞれの役割の中に書き込んでいくことが重要じゃないかと。そういう意味で、この資料がとてもいい資料だと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。
 服部委員。

○服部委員 今日のテーマは、非常に重要なテーマだと思います。皆さんからいろいろご発言があるのですが、役割分担について、市町村の方からもご発言がありましたけれども、これまで市町村の方ではリサイクルに多大なコストをかけてきて、しかも結果的に、今日出していただいた容器包装の資料を見ても、全体にごみが減っていません。資料の比率から見ても、現状、容器包装も減っていません。コストがかかって、容器包装の量が発生抑制がされていないということで、これが一番大きな問題だと思います。先ほど出ておりますように、これからの時代、資源をどう削減して環境負荷を低減していくか、それに当たってどのような法律にしていくかということですが、コストがかかってごみが減っていないという問題にしていくべきだと思います。
 それには、石井さんからご発言がありましたように、拡大生産者責任について、資料3の方にありますように、今のままでは製品の中に内部化されていないということが問題です。製品の中に内部化されていないということは、消費者にとっても痛みを感じないということだと思います。
 これから制度改革をしていくに当たり、きちんと今リサイクルにかかっている費用を内部化するような、そういったふうに法律を改めて、社会的な全体のコストも低減させていくというふうに進めていきたいと思います。
 どのように変えていくかということなんですが、今は市町村が収集、分別、保管の費用を全部負っているわけなんですが、物理的な機能も含めまして、事業者の方にそれを移行することによって、社会的なコストを低減させていくということを提案したいと思います。
 これまでも全国ネットワークでも、94万名の方がこの費用負担に関して署名をしてきましたし、350自治体以上の方から意見書も上がっております。自治体数を合わせると5,000万名近くの方が、声を上げているわけなので、役割分担に関しては、事業者の方が、収集からすべてのリサイクルに関しまして物理的費用負担も担ってもらうというように変えていきたいと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。
 それでは、岩倉委員、お願いします。

○岩倉委員 これまでも皆さんから意見も出ていますし、私も申し述べてはきましたけれども、今日も議論になっていますので、1点だけ皆さんのご理解を得たいなと思います。容リ法がちゃんとある意味で機能を果たしているという評価をしております。その中で、やっぱりこれからも含めて考えたときには、先ほどもご意見がありますけれども、消費者、自治体、それから物を供給する特定事業者、それぞれがちゃんと役割を果たしていくということがまず基本でなくちゃいけないと思います。
 役割分担の中で、市町村の費用がかかるからそれを特定事業者にと、こう言われるご意見がありますけれども、容器包装を使い供給している物自体は、自動車や家電と違って非常に物の価値というものは小さいし、価格も非常に安いんですよ。そこにそういう費用を上乗せしてというのは、実際の市場経済の中ではほとんど不可能に近い実情にある、ここをぜひご理解をいただきたいと。従って、その費用を特定事業者が負担するのは、非常に無理があるなと思います。
 そういう意味では、これから先を考へ、消費者が税で負担するのか、そのほかの方法かというと、やっぱり容器包装についても、有料化等もぜひ検討していただいて、消費者、事業者、自治体がこれからもちゃんと責任を負っていくという体制をご検討いただきたいと、こういうふうに思います。

○田中部会長 植田先生、お願いします。

○植田委員 資料2の範囲でちょっと発言をしたいと思いますけれども、今お話にあるような役割分担というような議論をする場合でも、それはある制度的枠組みのもとで役割が分担されているのでありまして、勝手に役割が分担されているわけではないわけですね。ですので、どういう制度的枠組みかというのは、やはり極めて重要であると、こういうことだと思います。
 資料2の範囲をちょっと超える問題もあるというふうに私は理解をしておりますが、つまり単に分別収集の責任範囲をめぐる問題だけではなくて、先ほどもちょっとご意見が出ましたけど、例えば再利用とかいうようなことをもっと取り組みやすくするというような制度の問題もやはりあるかとは思います。
 しかし、今日はこの範囲に限定して考えるということになりますと、やはり制度においてこの責任範囲がいかにあるべきかということを判断する基準がやはり非常に重要になってくると、こういうことかと思いますので、それはやはり基本法の理念が一番基本になっているはずだと思うんですが、それは発生抑制の問題であるとかいうことが一番大きな点としてやはりあろうかと思いますし、それで同時に、全体の費用というものが社会全体では小さい方が望ましいと、こういうことがあるということなんですが、結局はその責任ルールをどういうふうに分担することが、そういう動機、インセンティブを与えるかというような問題が大変重要になってくるので、そうしますと、製品の価格というのはやはり重要な要素、一番基本になる要素ということになりますので、その価格シグナルが、やはり現状では不十分にしか働かないという、基本の枠組みのところでそういう問題がやはりあるのではないかということは思います。
 同時に、多くの委員の意見にもございましたように、すべての関わる主体が、今の基本法の理念に基づいたような動機がどういうふうに働くかというトータルの制度設計問題というのは当然あると、こういうふうに理解しています。
 以上です。

○田中部会長 引き続きまして、岡部委員、お願いします。

○岡部委員 1点だけ。
 資料4なんですが、先ほどこの資料4のかなり細かな分析をした資料が出されておりますが、そのことについては敬意を表したいと思います。
 この資料が、この間、さまざまな課題に応える、現状では、今、環境省さんの方は応えられる資料であるという、そういうご説明がありました。
 ちょっと1点だけ、少し私が懸念をしている点がございますので、それをちょっと申し上げたいと思います。
 11ページなんですが、費用計算をして、その比較として直営と委託という形で出ています。先ほどの紹介にもありましたように、直営の場合はかなり費用の単価の費目についても細かな調査をして、それに積算されて出てきているわけですが、委託の場合は、これは込みの数字というふうになっています。
 もちろんこれは市町村側の問題なんですけれど、市町村側の責任の果たし方として直営、委託があるわけですが、コスト論的に見ますと、直営と委託という形でこれが数字だけで比較をされますと、ちょっとそこが心配だなという点がございます。というのは、例えば委託のところであろうと直営であろうと、サービスの水準であるとか中身であるとか、透明性の問題であるとか、そういうものはやっぱり落としてはならないし、明らかにしなきゃいけないことだろうと思います。
 そういった意味で、委託の場合はトータルの数字となっていますので、単純にこれを直営と委託をコスト論的に数字だけで比較をするのは少し心配があるなと。と申しますのは、やはり最終的にはこの容器リサイクルの問題を含めて、やはり循環型社会、社会コストをいかに落としていくかという、そういうことに向かって、いわゆる生産者、消費者、自治体がそれぞれ協力していくということが大事だろうと思います。
 そういう意味では、やはりとりわけ消費者の方々がいかに参加ができるかということも非常に大事だろうと思います。そういった意味では、自治体における、いわゆる今担っています収集、分別、そういうものの過程なり実態がよくわかるということが大事ではないかと思いますので、そういった面で、今回、直営と委託という、こういう形しかちょっと分類できないかもしれませんけれど、比較対象が必ずしもそろっていないので、そこがちょっと誤解を受ける心配があるということだけ申し上げておきたいと思います。

○田中部会長 宮田説明員、お願いします。

○猿渡委員代理(宮田説明員) 先ほどから、大分意見の出ている資料4の中で、17ページの数値からすると、大体処理費に国民一人当たり月に200円かかっていて、今回(容リ法導入で)上がった費用は国民一人当たり月に26円となります。こういう数値で見ると実感ができると思いますが、11ページの資料によるとばらつきが非常に大きいと思います。事業者負担だ、消費者負担だという議論もありますが、やらないといけない社会の仕組みをつくるために、26円上がったんだけれども、それをどこが負担するかというよりも、11ページの中の非常に大きなばらつきがある中の大きなところをどうやって小さくしてくかという分析をされた方がいいのではないかと思います。現時点の数値をあまり細かく比較してあっちだこっちだというよりも、大きいところをつぶす努力をすべきだと思います。その中で、市町村のやられている回収のやり方を工夫するとか、産業界側の容器包装の仕様を変更するとかを個々考えていくべきだと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。
 次、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 先ほどの植田委員のお話と非常に近いのですけれども、基本的にはEPRは手段だとか、あるいは全体の社会的コストをいかに下げるかというのはまさにそのとおりで、全体の社会的コストを下げるために内部化した方がいいのではないかということだと思います。
 それから、循環型社会形成推進基本法との観点で言えば、あそこの要件で書いてあることとの関連で言えば、恐らく容リ法は、事業者に分別収集についても費用を支払っていただくという方向には少なくともあるんだろうと思います。
 恐らく消費者か生産者かとかいう議論をされているときに、負担という言葉を使われていますけれども、負担は市場で決まりますので、だれが最初に支払うかという問題だけがここでは問題になるはずなので、結局、生産者が仮に最初は支払われても転嫁をすればいいだけのことなので、現在、恐らく生産者、中身の生産者とか容器の生産者の方々の中の部門、いろいろな部門に分かれていると思いますけれども、その中で転嫁をできるように仕組みを変えることをお考えになっていただければ、あるいはそういうふうに転嫁ができるようなことを立法するときに何か検討すれば、かなりの問題が解決するのではないかというふうに私は考えております。
 この分担については、ですから基本的には事業者、生産者のところに最初に支払っていただくということが内部化の観点等から見て、あるいは社会的コストを全体的に下げるという観点から見て、よいのではないかというふうに考えております。

○田中部会長 それでは、山口説明員。

○佐々木委員代理(山口説明員) それでは、資料4について、私も資料4についてちょっとご意見を3つほどさせていただきたいと思います。
 まず最初に、実はちょっと話は廃棄物の話じゃないですけれども、地球温暖化対策で何が一番大事かということを今いろいろ議論されているわけでございますけれども、例えば家庭とか事務所でどのぐらいCO2は出ているんだろうと、そういう定性的なものから定量化をすることによって、皆様の自覚、それから削減努力、課題が見えるねと、そういうことで、今、温暖化で一生懸命環境省さん等もやっているんですけれども、今回の資料4は、そういう意味ではすごくいい資料だなと。今まで定性的にしかわからなかったコスト負担が定量化できたという意味では、非常にすごい分析だと思いますし、また、自治体さんが約63%の回収率と、自治体さんのこの分析に対する協力もすばらしいなというふうに思いました。
 2つ目に、そういう中で、このデータの扱い方でございますけれども、このデータの背景というのは、人口とか面積とか、世帯数とか、さまざまな条件によって構成されておるわけでございまして、間違っても多いとか少ないとか、あとどこの町と比べてうちは少ない、多いとか、あとランキングするとか、そういう扱い方をするのは、私は適切ではないのではないかなと。というのは、バックグラウンドが全く違うわけでございますので、そこら辺の扱い方の留意は必要かなと。
 それから、さらには、この負担の綱引きと申しますか、先ほど来おっしゃっておりますけれども、市町村と特定事業者で幾ら払うべきだとか、幾ら負担すべきだとか、そういう議論にもなってはまずいのかなと。これは多くの委員の方がおっしゃっております。
 じゃあ、今後、このすばらしい分析をどう活用するかということでございますけれども、私は、やはりコスト、それから最適な処理、それから消費者の満足を考えて、最適化のあるべき姿をまず検討する必要があるのかなと。ドイツでも、これは松田先生もご存じだと思いますけれども、フランフォーファー研究所は、オプティマイゼーション・オブ・ロジスティックスと、今ある処理施設、回収拠点を最適に結ぶとどういうルートが一番いいのかと、一番コストがミニマムになるのか、そういう最適化を検討されているわけでございますので、ぜひともこのデータを、コスト、それから最適な適正処理、それから住民の満足を考えながら、最適なシステムはどうあるべきかという分析をやった上で、次に、じゃあその中で費用はかかるねと。すると最適化の姿が見えてまいりますので、企業にしても消費者にしても、自治体さんにしても理解ができると。その次に、あと分担をどうすべきかという議論になるのであって、間違っても負担の綱引きにならないように、ぜひともいいデータでございますのでやっていただきたいと、これはお願いでございます。
 以上でございます。

○田中部会長 森委員、お願いします。

○森委員 ただいまの山口委員の意見とかなり似ている意見でございます。せっかくいい資料を、このように力作をまとめていただいてご説明いただきました。この金額をどっちに持っていくと、そういう議論に使うという、本来の目的ではないと思います。この中に本当にうまくやっておられる市町村があります。その市町村の名前を公表する、しないは別といたしまして、費用を安く、低く抑えておられる市町村の中には、ベストプラクティスのあるべき姿がそこには必ずあると思います。そういうよい、コストが低く抑えられるという、また効率的のよい、これがまた環境だとか社会効率だとか、すばらしいシステムがそこに内蔵されているはずですので、ぜひともこういうベストでやっておられるところのシステムを公表していただきまして、各市町村ですか、今、頑張ってやっておられる方が皆様それを参考にでき、そしてまた社会効率を上げるということに使っていただきたいと、このように思っております。

○田中部会長 横山委員。

○横山委員 市町村と事業者の役割分担というような課題に関して、資料4が環境省から提出されたということで、私も非常におもしろいと思うんです。
 先ほど、環境省の方から、ほとんどこれは決定版だというような、これに基づいて、市町村というのはどの程度の負担、コストがかかっているかというのがこれでわかったというような説明の仕方だったと思うんですが、まだまだやっぱり仮定を置いているとかという点では、これは完成版じゃないような気がするんですね。少なくともこの結果を関連の市町村にフィードバックして、環境省としては協力してくれた自治体のアンケート結果をもとにこういう結果を出したと。しかし、これについてはどうなのかというようなことをもう1回フィードバックしてやっていく必要があるのではないかと思います。
 これまでも伺っていると、やっぱり事業者の方は非常に不信感を持っているわけですね。自治体のごみ収集とか処理費用全体がかかり過ぎると、もう少し効率的にやらないとだめじゃないかと、そういうかなり非効率的なやり方でやっていて、費用がかかるから事業者にというのはおかしいじゃないかということを再三にわたって主張していたわけで、その点でも、資料4をもう少し本当の決定版、完成版にしていただきたいと。幸いまだ中間報告となっているのでそれは可能だと思うんですが、その辺をよくしていく必要はあるのではないかと思います。
 以上です。

○田中部会長 室長、お願いします。

○リサイクル推進室長 この資料4につきまして幾つかご意見をいただきましたので、まとめて幾つかコメントさせていただきます。
 私ども、これが決定版と言われますと、若干内心じくじたるものがございますけれども、ただその実態の把握としては、一応私ども現在できる範囲のことはやったつもりでございまして、そういう意味で、一応この今日報告したところの数字につきましては、環境省としてこれが現在できる範囲だということでお示しをしたわけでございます。もちろん推計の方法につきましてはいろいろな考え方があると思いますから、私も推計のやり方がこれが唯一無二なやり方だとはもちろん思いませんけれども、ほかにもいろいろなやり方があるのかもしれませんけれども、私どもとしては、この検討会でもいろいろご議論をいただいて、これが一番実態に近いものなのかなというふうに判断をしておるところでございますので、そういった意味では、なかなかこれ以上検討を続けても、現段階ではこれ以上の数字はなかなか私どもの方でよう出さへんなというようなところが正直ございます。
ただ、分析につきましては、私、説明の中で申し上げたように、もう少し作業はしてみたいというふうに思っております。何人かの委員からご指摘がございましたように、ばらつきも大変大きゅうございます。これをどう考えるかというのは、正直私もこの検討会の先生方と一緒にご議論をしていまして、正直頭を抱えているというような状況ではございますけれども、例えば人件費のばらつきなんかはまだ比較的扱いは単純な方ですが、作業効率のばらつきとかということになりますと、これは本当に地域の実情でいろいろなところがございます。それこそ道路の坂の状況とか、渋滞するとかしないとか、そういったことまでいろいろ考え合わせないとなかなか答えが出てこないと申しますか、割と個々の市町村ごとにいろいろ話を聞いたりしていますと、そこの市町村ごとにはこういうところに非効率があるのかなとか、それなりの答えが出てくるものではありますけれども、それをこういうマクロ分析に適用していって、それじゃあ全国ベースで見て、どういう要素がどれぐらいの寄与度があるのかとか、そういう分析をしようとしますと、完全に壁にぶつかってしまうような、そういう格好になっております。
 例えば、ごみの収集量なんか見ましても、結構やっぱり少ないところはどうしても、特に過疎地なんかに行きますと集落が点在していまして、ぐるっとパッカー車が回るわけですけれども、1周回るのにかなりの時間を要しますし、しかも集められる量がペットボトル数キロだとか、そういう世界も現実には今の日本のあちらこちらであるんだとも思いますし、いずれにいたしましても、もう少し作業は進めてみるつもりではございますけれども、なかなかこれをマクロ分析などをしつつ、先ほど何人かから出てまいりました適正な費用とか、あるいは言い方を変えれば標準的な費用とかモデルとか、あるいはベストプラクティスとか、そういったものが何かということになりますと、これは、ドイツでというようなお話もございましたけれども、なかなかそう容易には出てこない。やはり私自身は、かなり地域ごとのいろいろな事情の格差というのは大きいのではないかと思っておりますので、そこらあたりはご理解もいただければと思いますし、また、自治体の委員の先生方何人か、そこらあたりのご意見がありましたら、また補足をしていただければありがたいとも思います。

○田中部会長 時間がありますので、あと3人だけ。
 石井節委員、お願いします。

○石井(節)委員 皆様方のご意見と共通する部分があるんですけれども、時間がありませんので2点だけお話しさせていただきます。
 1つは、今回、環境省が出されたコストの件ですが、いろいろな問題があるにせよ、少なくとも今回の解析で自治体及び事業者合わせて4,000億、5,000億、少なくともそのぐらいの費用はとにかくリサイクルにかかっているんだということは言っていいんじゃないかと。これからやっぱり議論すべきことは、その4,000億、5,000億をやはりどう減らしていくか、効率を上げていくかという議論であって、決して費用のたらい回しの議論じゃないというふうに私は理解をしています。
 したがって、ある程度効果は上がっているわけで、これからはやはりどう効率を求めていくか、そのためには再商品化の手法、これによってやっぱり選別の費用、手間も随分変わってくるわけですから、そういうことも含めて議論していただきたいというふうにぜひお願いしたいと思います。
 それから、2点目ですが、先ほど岩倉委員からもちょっとお話がありましたけども、価格への転嫁という点ですが、私ども日用品を扱っているメーカーとしてひとつぜひご認識いただきたいのは、今の市場構造の中で高々数十あるいは数円という価格を、特に小売価格、消費者の方が店頭でお買い求めいただけるいわゆる小売価格まで転嫁していくというのは、非常に今の市場構造の中では現実不可能です。そのためには、やっぱり市場構造そのものをもっと変えていかなきゃいかぬということですので、そこまで突っ込んでそういうことを議論するのかどうかということも含めて、ぜひご検討いただきたいというふうに思っています。
 以上です。

○田中部会長 新美委員。

○新美委員 今の議論で出てきましたけども、やっぱり効率的な費用削減をどうするかという観点でもう少し詰めた方がいいと思います。製品に価格転嫁するというのも1つの方法ですけれども、これは逆にごみを有料化するということでも同じ目的は達せられると。もう少し視野に入れておくべきことは、効率化するためのシステムを運用するコストをどうするか。先ほど発言がありましたように、価格に転嫁したときの運用コストというのは、やはり非常に無視できないものがあると思います。それと、ごみの有料化とか税金で負担することとどれが最適な解が得られるのか、そういう議論をもう少し詰めた方がいいと思います。
 いずれにしても、最終的には消費者がコストを負担するわけ

ですので、最も安くなるようなシステムということを考えた方がいいと思います。
○田中部会長 上山説明員、お願いします。

○岡田委員代理(上山説明員) 時間が限られていますので、簡潔に申し上げたいと思います。
 1つは、先ほどのベストプラクティスの話でありますけれども、やはり私はこのデータを見ても、これは民間企業であれば明らかにベストプラクティスを追求していくという方向に行くわけであって、市町村の中でそういうベストプラクティスを、特にそのマネジメントという観点で追求して、それを水平展開していくというのが絶対必要だと、そのための促進の仕組みが必要だというふうに一つ思っています。
 それから、EPRに関しましては、EPRは必ずしも事業者に費用を負担せよと言っているわけではなくて、商品とか、あるいは廃棄物のフローに関する特徴をいかに考慮して柔軟に対応していくべきなんだと、これが本筋だと思います。そういう意味で、例えば先ほど出ておった食品であるとか、あるいは日用品等々の内部化の話でありますけれども、これは大変難しいと正直思います。したがって、別の方法での論議をするべきだというふうに思います。
 最後に、崎田委員がおっしゃった消費者と事業者と行政との連携ということについては、私も大変賛成です。そこで一つの具体的事実をつくって、それで世の中に問うていくという形をするべきだと、その小さな成功をどこで作っていくかと、そういう観点の仕組みが促進されるようなことをぜひ取り入れていただきたいというふうに思っています。
 以上です。

○田中部会長 最後に、石川委員、お願いします。

○石川委員 ベストプラクティスのことにつきまして、ちょっと自治体の実情として簡単にお話しさせていただきますけれども、東京の多摩地域は、今、リサイクル率も26%を超えております。全国平均が15%ぐらいでしょうから、かなり先行しているわけですけれども、これもやはり最終処分場を内陸型で求めざるを得ないと。海面型で持っているところとは全く条件が違うわけです。そのためには、ものすごいコストを既に負担をしてきております。例えば私どものところは、灰溶融の焼却炉も用意をしておりますし、また、今、エコセメントということで約270億の投資をして、灰の最終処分を避けるために既に当市もして、来年稼働をするわけですけれども、こういった条件などが全く立地条件等によって違ってきますので、単純な比較というのはなかなか難しいのではないかなと。
 逆に、例えば23区を見たときには、いわゆる各戸収集のようなことはほとんどやっていないと思います。やっている区も中にはありますけれども、大方23区の場合は各戸収集はやっておりませんから、拠点で収集するだけですから、コストは非常にいわば低く済んでおります。じゃあ、それがいいのかというと、結果としては資源物が集まらないということになるんだろうと思います。ですから、リサイクルを進めるためという意味では、非常に出遅れているわけですけれどもコストは確かにかかっていないと、こういう面もありますので、なかなか単純比較は難しいと思います。しかし、委託と直営との比較などという意味での大きな枠での比較検討というのはもちろんできるだろうと思いますし、それはそれなりの価値はあるんだろうというふうには思っています。

○田中部会長 ありがとうございました。
 今日の予定の時間は過ぎてしまったんですけれども、資料2の分別収集についてということで、特に1番目の市町村及び事業者の責任範囲、ここに集中してご意見をたくさんいただきました。
 ただ、3ページ目以降の分別基準適合物の品質向上、それから5ページ目の店頭回収や集団回収の位置付け、これらについての特にご意見が今あればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 岩倉委員。

○岩倉委員 1点だけ、3番に絡んでちょっと申し上げておきたいと思いますけれども、容リ法のもとで分別収集しているものと、それから独自ルートで収集しているもの、こういうのがありますよね。その中で、私は今、牛乳パックの回収の絡みの仕事をさせていただいておりますので、その点申し上げますが、今まで独自ルートで回収をする、それは市民団体であったり、あるいは集団回収であったり店頭だったりというルートを、ぜひこの先も生かしてほしいと。容リ法の中にぶち込んじゃいますと、そういう市民の皆さんの環境に対する意識だとかいろいろなものが壊れてしまいますので、そういう点を、ぜひこの見直しの中でも従来どおりの機能をちゃんと生かすような形にしていただきたいと、これを1点お願いしたいと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。  新宮委員。

○新宮委員 ちょっと別の観点から、1点だけ皆さんにお願いしておきます。
 指定法人として容器包装リサイクル協会で私どもは再商品化事業を行っておるわけでございますけれども、冒頭、藤井室長の方からご説明がございました、前回、崎田委員の要請で、資料6のレジ袋の有料化ということが8市町村のあれが出ておりましたけれども、実は、私ども協会で扱っているその他プラスチックのうち約10%前後がレジ袋でございます。したがいまして、これの排出抑制というのは非常に大きな問題だろうとは思うんですけれども、これを有料化したとたんに容器包装から、法の概念から外れてしまいます。したがいまして、我々のルートで有料化されたレジ袋を収集、再商品化することはできなくなります。一般ごみとして、一般廃棄物として別途市町村の方で区分して収集処理をしていただくということになりますので、そういう問題が起こってくるということをご承知おきいただきたいと思っています。何とか解決していただきたいと思うんですけれどもね。

○田中部会長 服部委員。

○服部委員 すみません、最後にお時間いただきましてありがとうございます。  今日の市町村及び事業者の役割分担は、大事なテーマだと思います。今、議論を聞いておりまして、事業者の方々と、あと市町村から出ていらっしゃる方と私たち市民の皆さんとかなり意見が食い違っていると思います。この回で終わるということになってしまうと、法改正に当たって、重要なテーマがこのまましり切れトンボの議論になってしまうと思い、非常に不安です。
 先ほどお話がありましたけれども、税金で収集をする、今まで市町村が収集から選別までやってきたということに関して、明らかな問題点が浮上しているにもかかわらず、これから三者でどうやって役割を分担していこうか、あるいは費用負担をしていこうかという点で、まさに制定時のような議論に舞い戻るようなご発言もありまして、ここはきちんと、拡大生産者責任をどういうふうに確認し合っていくかということは非常に大事だと思います。私たちも別に市町村でかかっている費用を事業者の方に移行するというような、そういった思いで発言をしているわけではありません。これから先、社会コストをどうやって低減していくかということに関してみんなで知恵を出し合っていく、リサイクルコストを製品価格に内部化をしていく、内部化をしていくに当たっては、消費者がその費用を請け負っていくということで社会的な全体のコストを下げていくことが今までの問題を解決するに貴重な提案だと思いますし、方向性だと思って発言をしている、市町村の皆さんもそうだと思います。これからも十分にこの後も継続して議論をしていただきたいと思います。

○田中部会長 崎田委員。

○崎田委員 すみません、今ちょっと一言。私、先ほど来の話し合いは食い違っているとあまり思って聞いていませんでしたので、ちょっと認識が違うなと思って一言。
 今、手を挙げましたのは、分別基準の適合物の話なんですが、今後、今のような先ほどのレジ袋の話もそうなんですが、何か新しいチャレンジということでいろいろなことを、レジ袋をじゃあ有料化して、みんな経済的にインセンティブをかけて減らしてみましょうか、あるいは分別基準適合物にちょっと合わないけれども、この地域では大変いいチャレンジなんだというようなそういう店頭回収とか、いろいろなことが起こりつつあると思うんですね。そういうことが、やはりチャレンジできるような状況にしていただきたいというふうに非常に思っております。それだけです。

○田中部会長 酒井委員。

○酒井委員 分別基準適合物の件で、スプレー缶の指摘があるわけですけれども、この点に関しては、「課題」あるいは「対応の方向」で書かれているとおり、この容リの枠組みで対処し切れるものではないという認識を持っております。入れ物としての容器の素材という意味では、この容器包装の枠組みに入るのかもしれませんが、やはり内容物あるいはガスの問題等々から考えますと、ここはすべてこの容リの制度の中で今後対処し切れるという認識は持たない方がいいのではないかというふうに思います。
 実際に、この資料3でもお示しいただいておりますとおり、塗料あるいは殺虫剤等の内容物等々を考えますと、これらに対する一定の別の対応は必要ではないかと思います。
 そういった意味で、先ほどこの容器包装の制度の効果は上がっていると、こういうご発言もございましたが、こういった面では、まだそういう意味では効果が上がっていない、そういう側面もあると。あるいは量的な面を、全体を見ましても、日本の場合、回収されている量が市町村ベースで250万トン、容リ協会ベースで約100万トンという量というのは、全容器包装消費量といいますか使用量に比べて、そう大きな数字ではないと認識をしております。ドイツのDSDが約500万トンを回収しており、そして、ドイツ全体での容器包装の消費量というのが約1,000万トン程度という量、そういうものと比較して全体で既に効果は十分だというふうな見方にはまだ到達はしていないのではないかという問題認識も個人的には持っております。
 その点を含めて、効果という意味では、量・質ともにまだ課題を持っているというふうに認識をしております。

○田中部会長 ありがとうございました。
 最後に、石井和男委員、お願いします。

○石井(和)委員 スプレー缶が課題となっておりますが、自治体の立場で考えますと、今、一般的に危険なものあるいは有害なものについては、基本的に事業者責任において回収すべき方向になっているわけです。
 こういったことで、自治体に回収責任を求めるということであるなら、やはり事業者が責任を持って安全で危険性のないリサイクルしやすい製品をつくるという前提がありませんと、自治体としても排出者に協力を得ながらリサイクルをしていくという方向にならないのではないかなと、思っております。現状では、安全に排出できる状況になっていないということだけを申し上げておきたいと思います。

○田中部会長 最後に、もう1人、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 ちょっと先ほどの話に戻ってしまって恐縮ですが、3点を簡単にちょっとだけ申し上げますが、1つ、転嫁の問題は、市場の中に話をしていく、あるいはメーカーの中に首を突っ込む話になりますが、現に転嫁されている清涼飲料水のメーカーとかもあるようですので、できない話ではないと思うんですね。現在の市場構造だとできないということは簡単には言えないと思うので、容リ法にも現に転嫁するという規定は実はあるので、転嫁することについてもう少し真剣に考えていく必要があるんじゃないかというのが1点でございます。
 それから、2点目は、社会的コストを全体的に下げていくことがEPRの目的でもありますし、極めて重要ですが、そのために支払いの手段をどうするか、支払いをどうするかということがまさに問題になっているので、社会的コストは支払いの問題と別ではなくて、まさにそのために支払いの方法をどうするかが現在問題になっているということを申し上げておきたい、内部化はその一つの方法だということです。
 それから、有料化の点でございますけれども、有料化をすればいいじゃないかという話は確かにあり得るんですけれども、有料化は気をつけないと、こんなのは当たり前のことですが不法投棄を招くことと、デザイン・フォー・エンバイロンメントの観点からは有料化はあまり望ましくないということがあって、有料化をすればもちろん容リ法の対象から除いて構わないし、内部化の方法と有料化の方法というのは両立はしないと思いますが、有料化というのはそういう欠点があるということも、一般的な問題ですけれども申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○田中部会長 どうもありがとうございました。

 予定の時間を大幅に超えてしまいました。不手際をおわびしたいと思います。
 活発なご議論をいただきまして本当にありがとうございました。
 次回の本部会の開催については、事前に日程調整をさせていただいた結果、3月30日、水曜日の午後2時からとさせていただきます。場所は、ホテルフロラシオン青山でございます。正式な通知については、事務局から連絡をお願いしたいと思います。
 事務局からお願いします。

○リサイクル推進室長 今後の進め方でございますが、現在、前々回に論点整理をしていただいた項目に沿って審議を進めていただいております。前回が個別課題の1番、排出抑制及び再使用、今回は基本的に分別収集のところをご議論いただいたわけですが、次回は再商品化のところをご議論いただきたいと思っておりまして、そういう形で、ひと当たり課題についてファーストラウンドの議論をしていただいた後、また、残る課題と申しますか、今日の課題もそうですが、前回もそうですけれども、決して何ら結論が出ているわけではございませんので、またセカンドラウンドの議論をお願いいたしたい、こんなふうに考えております。
 よろしくお願いいたします。

○田中部会長 以上で、本日の部会を終了したいと思います。
 どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。

午後12時17分閉会