瀬戸内海環境保全審議会計画部会(第8回)会議録


1.日 時  平成12年10月4日(水)11:00〜12:10

2.場 所  環境庁第1会議室(22階)

3.出席者

(1)委 員
安部 彪川野田 實夫
合田 良實白木 江都子
須藤 隆一谷野 陽
中西 弘藤原 知明
藤原 正弘松井 大悟
森 仁美
 
(2)環境庁
遠藤水質保全局長
長尾企画課長
浅野瀬戸内海環境保全室長
齊藤総量規制室長

4.議 事

(1)瀬戸内海環境保全基本計画の変更についての審議
(2)その他

5.配付資料

瀬戸内海環境保全審議会計画部会(第8回)議事次第
瀬戸内海環境保全審議会計画部会委員名簿
資料1埋立て関係資料
資料2計画部会報告(案)
参考資料1瀬戸内海における新たな環境保全・創造施策のあり方について
−瀬戸内海環境保全審議会答申−
参考資料2関係法令等
参考資料3瀬戸内海環境保全基本計画の変更案(新旧対照)
 

議  事

浅野室長:それでは皆様おそろいでございまして、ほぼ定刻になりましたので、ただいまから、瀬戸内海環境保全審議会第8回の計画部会を開催させていただきたいと思います。
 委員の皆様には大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。日程調査の結果、なるべく多くの委員の方々にお集まりいただきたいということで、このような時間設定になりましたことを御理解いただきたいと存じます。
まず初めに、本日は、計画部会委員16名中11名の委員の御出席をいただいておりまして、議事の運営規則によりまして、当会議が成立していることをまず御報告をさせていただきたいと思います。
 また、本日の部会でございますが、これまで同様、公開で行われておりまして、一般の方々、また、マスコミの関係の方々にも傍聴をいただいているところでございます。
 それでは、議事に入ります前に本日の配付の資料の御確認をいただきたいと思いますが、資料といたしましては資料の1と2がございます。さらに参考資料といたしまして、1、2、3と3点お配りしてございます。また、今回新たに資料集が新しい年度版になりまして、緑の表紙となりましたけれども、資料集をお配りしてございます。これにつきましては、これまで同様お帰りの際にはお残しいただければありがたいと思います。以上でございますが、足りないものがあれば御連絡いただければと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、議事の方に移らせていただきたいと思います。議事の運営規則に従いまして、部会長に議事進行をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

中西部会長:それでは、議事次第に従いまして、議事を進行させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず議事に入ります前に、瀬戸内海環境保全審議会の運営方針にあります、議事録の公開に関する文の変更についてご報告させていただきます。参考資料の2でございますが、その最後に改正した運営方針がついております。そちらをごらんください。事前に送付させていただいておりますとおり、会議の公開につきましては、これまで発言者の御氏名を伏せて公開しておりましたが、環境庁の方針を踏まえて透明性を一層高める観点から、発言の御氏名を公開することといたしました。このため、審議会長決定である運営方針を改正させていただきましたので、御了承いただきたいと思います。なお、本改正により、本日の計画部会から発言者の氏名が公開されることとなりますので、よろしくお願いいたします。よろしゅうございましょうか。
 それでは、議事を進めたいと思います。まず、前回に谷野委員から要請のあった埋立てに関する資料について、事務局から説明をお願いいたします。

浅野室長:それでは座ったまま失礼させていただきますが、まず資料1を御説明させていただきます。この件は前回、谷野委員の方から御質問があった件でございますが、国が事業主体の埋立てにかかわりまして、この4月から地方分権の関係によりまして、従来、環境庁に協議があったものが、協議がなされないことになった件に関しまして、これまでの瀬戸内海に関する埋立てのうち、これに該当するものは実際に何件かというようなお尋ねでございまして、前回の部会では資料を見た範囲では1件ではないかというようにお答え申し上げましたけれども、今回さらに調査をいたしましたところ、資料1にございますとおりに3件ございましたということで御報告をさせていただきたいと思います。このうち、ごらんになっていただきましておわかりになるかと思いますけれども、3件のうち上の2件につきましては、運輸省の港湾局の事業でございまして、これは前回も御説明申し上げましたが、港湾計画の策定の際には、環境庁としても意見を述べることをできるものに該当しているものに当たっております。
 また、この件に関しまして、参議院の予算委員会で同じような質問がございまして、川口環境庁長官が答弁いたしておりますので、改めて御紹介申し上げたいと思います。長官の答弁の内容といたしましては、「具体的には沖縄本島におけます沖縄開発庁に係る埋立て事業に関しまして、今回、環境庁に意見を求める手続がなくなったが、国の事業である以上、国のレベルで意見を言うことが大事だと思うが、大臣の見解はいかに」という御質問に対しまして大臣が答弁しておりますけれども、この大臣の答弁といたしましては、「これは地方分権を進めるということと、環境保全をどういうふうにするかということの文脈の中で考えるべきことであり、地方分権は非常に重要で、これは推進すべきことであると思います。他方で、地方分権の推進の中で環境保全に問題が生じるということはあってはならないわけで、地方分権と環境保全は相反するものではなく、両立するものではないかというふうに考えております。その理由としては、港湾計画の策定や変更時において、環境庁の意見は申し上げられることになっており、また、沖縄県の例ではございましたけれども、県知事さんは埋立法の手続の中で意見を言われ、環境保全という観点から問題を把握されて対応されることと思います。環境庁としては、従来も県知事さんとは綿密に御相談をしており、今後とも求めがあれば、いつでもそういう方向で対処をさせていただきたいと思っております」と、このように予算委員会で大臣が答弁しております。御紹介させていただきました。以上でございます。

中西部会長:どうもありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、これまで基本計画の変更につきまして審議を行ってまいりましたが、本日の計画部会で部会報告案を取りまとめたいと思います。前回の部会で、部会報告案の取りまとめについては、私に一任いただきましたので、これまでの部会での討議を踏まえて、部会報告案を策定いたしました。
 それでは、事務局より説明をお願いいたします。

長尾企画課長:それでは、資料に基づきまして御説明申し上げます。使います資料は資料の2番と参考資料の3番でございます。資料2番が部会報告案でございます。最初の1ページ目は計画部会からいずれ審議会の方に御報告いただく文章でございますのではしょらせていただきまして、1ページめくっていただきます。この2ページ目以降が部会報告の内容になるものでございます。これは最初のタイトルで報告というふうに書いてございますけれども、これは部会報告でございますので報告と書いてございますが、最終的には審議会の答申というふうな位置づけになるものでございますので、その段階では答申と記すことになります。
 もう1ページめくっていただきますと、「瀬戸内海環境保全基本計画」というタイトルのものが別紙として出てまいります。したがいまして、答申の内容はこの別添とされた「瀬戸内海環境保全計画の変更について」という部分と、それから別紙と書いてございます基本計画の部分と、そういう2つで構成されているという文章になってございます。
 まず別添の部分でございますけれども、最初の方の上半分のところで、これまでの経過を書いてございます。瀬戸内海環境保全基本計画は、昭和53年5月に計画策定をして以降、若干の変更がございましたけれども、現在に至っているということで、今回は平成11年1月19日の答申「瀬戸内海における新たな環境保全・創造施策のあり方について」の答申を踏まえて、検討を進めてきたという経過を書いてございます。
 計画の中身は別紙の方の内容になるわけでございますが、なお書き以下のところで書いてございますように、特に海砂利の採取と埋立てに関しましては、この計画部会の中でいろんな御論議をいただきました。非常に重要な事項でございますので、その審議の経過を踏まえて計画の背景となっているような、様々な基本認識などにつきまして、特に意見を取りまとめて強調しておくということで、(1)、(2)、2つの部分を記述してございます。
 まず(1)が海砂利の部分でございます。海砂利につきましては、瀬戸内海の海砂利は骨材として重要な資源であるが、有限な天然資源であること、こういう海砂利の性格、特質、こういう点を踏まえて、また、その採取がいろんな影響を及ぼすこと、こういう状況にかんがみまして、海砂利に依存しないことを目指しつつ、代替材の確保に限界がある点も踏まえ、砕砂の増産などによる海砂利への依存の低減を図ることが必要であると、こういうような基本的な認識に立って、計画を取りまとめているという点を記述してございます。
 (2)が埋立てでございます、埋立ての部分が(2)の最後まで続くという文章構成になっております。埋立てに関しましては、埋立てられた海域は元に戻らないということで、瀬戸内海におきましては抑制をしてきたわけでございますけれども、過去からの埋立てによりまして、藻場・干潟の減少などが続いていると、こうした状況に歯止めをかけることが必要があるということをまず記述してございます。他方、埋立てはやはり物流基盤など、いろんな要請があって、埋立ての必要性が根強い状況にあると、こういう現状を記述してございます。こういった点を踏まえまして、「このため」以下のところで基本的な認識を記述してございます。「未利用地や既存施設の有効活用に加え、陸上残土や浚渫土砂等の搬出抑制・有効利用、廃棄物の発生抑制・再生利用等を通じた循環型社会の形成を推進し、もって厳に埋立ての抑制を図り環境への影響の回避・低減に努めることが必要である。」という認識を表明しているということであります。「また」以下のところ、これは前回の計画部会の御審議の中でも、いろいろ御議論のあったところでございまして、事業計画の早い段階から環境影響の回避、低減に努めること、また小規模な埋立てであっても累積すれば問題が生じるということを指摘してございます。さらに、瀬戸内海は一つの海域であるという認識から、府県間の連携を図る観点も重要ではないかと、こういうような認識を書いてございます。これが計画の背景となるような基本認識などでございますが、基本計画の方が別紙でございまして、そちらの方に移らせていただきます。
 基本計画は参考資料3の方で、現行計画と変更案の対比という形で表にして整理させていただきました。変更案の欄を見ていただきますと、実線を下線で引いた部分と、それから波線を下線で引いた部分と2種類線を引いてございます。実線で引いた部分、これは現行計画と比べまして変更している部分、これを実線で引かせていただきました。波線で引いた部分は、これまでのこの計画部会での御審議で提示した文章案がございましたけれども、それと比べまして変更した部分、これを波線で引いております。全体の構成でございますけれども、現行計画と変更案との構成、全体の構成は変わりはございません。すなわち、第一が序説でございまして、第二が計画の目標、それから3ページをごらんいただきますと、第3というのが出てまいりまして、目標達成のための基本的な施策、これが第3ということでございまして、この3つの部分で成り立っているという構成になってございます。序説と計画の目標のところは現行計画と大きな違いはございませんけれども、第一の序説の1のところ、計画策定の意義をごらんいただきますと、実線が引かれておりまして、「及びこれまでの開発等に伴い失われた良好な環境を回復すること」ということが付け加わっております。これは昨年1月の答申におきましても、保全型施策に加えまして、失われた良好な環境を回復する施策をやっていかなければならないという指摘がございましたので、これは序説のところに追加してございます。あと、その個別のところでもこういう認識に立った施策の展開を指摘する部分がございます。それから波線がここに小さく出ておりますが、これはポツが一つ、前回の資料と比べますと追加されているということを意味します。読みやすくするために追加されているということでございます。
 それから計画の目標のところは、2ページをごらんいただきますと、変化した部分は(4)の部分でございます。(4)の部分は、現行計画におきましても、この計画におきましても、藻場・干潟につきまして記述した部分でございます。藻場・干潟の重要性、非常に認識が深まっているという状況で、審議会でも非常に御議論いただいたところでございまして、内容を厚くしているということでございます。(4)の真ん中辺のところをごらんいただきますと、「かんがみ」の後でございますが、従来から記述がある部分でございますが、「水産資源保全上必要な藻場及び干潟並びに鳥類の渡来地、採餌場として重要な干潟が保全されている」と、これは従来から記述があった部分でございますが、それ以外の藻場・干潟などにつきましても「適正に保全されていること」というのを今回追加しようとしているということでございます。それから、「また」以下の部分で「失われた藻場・干潟などにつきまして、必要に応じ、その回復のための措置が講ぜられていること」ということを追加してございます。それから(4)の1行目を見ていただきますと、「特に」の部分に波線が入っておりますけれども、これは審議会での御議論の中で特に藻場・干潟を強調するために「特に」を入れた方がよいという御意見があったことを踏まえて追加したものでございます。
 それから(5)のところで、「海水浴場、潮干狩場等」のところでございますが、「自然とのふれあいの場」というような意味合いの言葉を追加してございます。
 それから、自然景観の保全に関する目標のところは、変わった点は(3)のところでございまして、自然海岸が失われてきているという実態があるわけですけれども、「必要に応じ、その回復のための措置が講じられていること」というのが追加されてございます。
 第三が、この計画の中心をなす部分で、基本的な施策を記述した部分でございます。第三の1の上のところに、柱書きで数行追加されてございます。これは、保全型施策の充実に加えて環境を回復させる施策、それから幅広い連携の参加の推進、こういった考え方に立って施策の実施に努めるということで、昨年の1月の答申の考え方をここで記述した上で、1以降の個別の施策につなげているということでございます。なお、この柱書きの中で従来「各般の」という用語を使っておりましたが、「各種の」という言葉に変えさせていただきました。
 1が水質汚濁の防止のところでございます。現行計画におきましては、水質汚濁の防止のところは、最初に水質総量規制制度実施が書いてございまして、それから(2)で富栄養化による被害の発生の防止ということで、両者が分かれておりました。今回の水質総量規制制度の中でCODに加えまして、窒素、燐も含めて総量規制を実施していくという方向で検討されている状況にございますので、両者を一本化して記述いたしております。それで、波線が一つ入ってございますけれども、窒素、燐、これを書き加えているわけでございますけれども、窒素、燐を書き加える意味合い、これを書いた方がよいというご議論があったことを踏まえまして、修飾を付けまして、「富栄養化の主要な原因物質である窒素、燐」と、こういうような表現にしたわけでございます。
 それから総量規制制度を推進するのに合わせて、いろんな対策ということで(ア)以降出てまいりますが、(ア)の中で若干波線が入っておりますけれども、高度処理の前に「窒素、燐の除去性能の向上を含めた」という文言を追加しております。これは、この審議会での御議論を踏まえた修文でございます。それから、合併処理浄化槽のところは、実は前回は「浄化槽」ということで表現いたしましたが、法律上の用語としては「浄化槽」でよいわけですけれども、「合併処理浄化槽」と書いた方がわかりやすいというふうに考えまして、現行計画と同じ表現に戻したということでございます。
 それから(ウ)のところは、最近の新しい法制度の整備の状況を踏まえた記述でございまして、「持続的養殖生産確保法」、それから「持続性の高い農業生産方式の導入促進に関する法律」、それから「家畜排せつ物の管理及び利用の促進に関する法律」といった農林水産業関係のいろんな最近の動向を踏まえた記述を追加して
おります。
 それから、(2)のところでございますが、「有害化学物質問題への対応」というタイトルの項目は、従来はなかったわけでございます。5ページをごらんいただきますと、(4)の「その他の措置」の中に若干の記述がございまして、「特定施設の設置等の許可制の適切な運用等により、水質環境基準の達成維持を図るものとする」という記述があったわけですが、具体的にタイトルを立てた項目というのはございませんでした。今回、これを新たに立てているということでございます。前回、実は御提示した案の中では、この文章の中でダイオキシン類のことしか記述がございませんでしたけれども、有害化学物質はダイオキシン類だけでなく、一般的にございますので、波線に入っている部分を現行計画のその他の部分から移した形で記述した上で、「特に、ダイオキシンは」ということで記述するように改めさせていただきました。
 それから、(3)が油汚染の問題でございます。特にこの部分は5ページをごらんいただきますと、油汚染対策として汚染の除去のような対策のほか、「この他」ということで、調査研究とかデータの蓄積とか、そういったことも経験を踏まえてやっていかなければならないということで記述が追加されております。波線が一つ入っておりまして、「微生物を利用した環境修復技術」、これはこの審議会での御意見を踏まえて、こういう研究もあるということで追加させていただきました。
 「その他の措置」のところは、一部の部分は有害化学物質問題への対応のところに移行しておりますので、その部分が削除されまして、「特に」以下のところが追加されております。瀬戸内海でも特に大阪湾奥部が水質汚濁が甚だしいということで、「その水質保全に十分に留意するよう努める」と。それから、「瀬戸内海の特性から他の海域から持ち込まれる魚介類や微生物、これが瀬戸内海を汚染する恐れがあるということに十分留意するよう努める」という表現が追加されております。
 「自然景観の保全」が2のところに出てまいりますが、これは特に次のページをごらんいただきますと、散乱ごみの問題の記述が充実されております。散乱ごみの除去、それを図るために清掃事業も必要でございますし、また、住民への広報活動、それから清掃活動への住民の参加、美化意識の向上など、そういったことをやっていく必要があるということを追加しております。また、廃プラにつきまして「汚染の実態把握に努める」という追加がございます。
 「その他の措置」のところでは、開発等によって景観の保全に配慮しなければならないということが書かれておるわけですが、回復の措置の必要性、これについても指摘を追加しております。それから、「さらに」以下のところで「漁港、段々畑など人文的な景観、これについても保全するよう配慮する」という記述が追加されております。
 3は「浅海域の保全等」ということになっておりますが、現行計画は3のところが藻場・干潟でございまして、7ページに4として「自然海浜の保全」という部分がございます。これを合わせて浅海域の保全等ということで、今回まとめて記述をしております。中で「藻場及び干潟等の保全」というのがまず一番目に出てきておりまして、2番目に「自然海浜の保全」というふうな整理にしております。
 (1)の「藻場・干潟」のところは、やはり藻場・干潟の重要性についての認識をより強化しているということであります。また、失われた藻場・干潟については必要に応じて回復のための措置を講ずるよう努めるということが書かれております。
「自然海浜の保全」のところは、ここに書いてあるような修正をしてございます。
 それから4が、「海砂利採取に当たっての環境保全に対する配慮」でございます。
現行計画におきましては、海砂利の採取については余り書かれておりませんで、左側の一番上のところを見ていただきますと、「また」以下で3行書いてございます。
「海底の砂利採取に当たっては、動植物の生育環境等の環境保全に十分留意するものとする」という表現がございました。今回、この部分は一項を起こしまして充実した表現としております。海砂利につきましては、前々回の計画部会で御議論いただいたところでありますが、最小限に採取にとどめるということがエッセンスでございました。前々回、御提示した文章では「必要最小限」と書いてございしまたけれども、「必要」という部分を削除しまして、「最小限」というふうにいたしました。それから、2段落目の最後のところに、前々回の御意見を踏まえて、採取後の状況について、「海砂利採取後の状況についてはモニタリングを行うよう努める」という表現を追加いたしました。また、海砂利のための調査、これはばらばらといろんな手法で行いますと比較もなかなか難しかろうという問題もあるということで、「統一的な調査手法の確立に努めつつ」という表現を追加してございます。
 それから5が、「埋立てに当たっての環境保全に対する配慮」でございます。この部分、前半部分は大きな変更ではございません。丁寧に書いたということでございますが、「また」以降のところをごらんいただきたいと思います。「環境影響評価法及び府県の環境影響評価条例に基づく環境影響評価に当たっては、環境への影響の回避・低減を検討するとともに、必要に応じ適切な代償措置を検討するものとする。その際、地域住民の意見が適切に反映されるよう努めるものとする。」という表現でございます。特に「これらの検討に際しては、浅海域の藻場・干潟等、一般に生物生産性が高く、底生生物や魚介類の生息、海水浄化等において重要な場であることを考慮するものとする。」ということで、浅海域の重要性を指摘しております。
 6が廃棄物でございます。廃棄物の部分は計画部会での御審議で、開発型の大量生産、大量消費、大量廃棄を見直す必要性があるとの御意見がございました。「大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会からの転換」ということを記述いたしました。また、前国会におきまして、循環型社会形成推進基本法をはじめ、循環型社会形成のための法律が多数同時に成立し、法制度の整備が図られたことを踏まえまして、その基本法となります循環型社会形成推進基本法、これを引用させていただきまして、その趣旨を踏まえてやっていくんだということを書かせていただきました。廃棄物につきましては、発生抑制、再使用、再生利用、どうしてもだめなものは処分するということになりますけれども、そういった考え方を踏まえまして「発生抑制、再使用」ということを追加しております。
 7は、「健全な水循環機能の維持・回復」という部分でございます。水循環の重要性の認識は最近、関係省庁間でも非常に高まっておるところでございまして、この霞が関におきましても関係6省庁、建設省、国土庁、農水省、厚生省、通産省、環境庁の6省庁で検討会を今やっておるところでございます。雨が降って、それが地下に浸透したり川を流れて海にいって蒸発すると、そういう過程をなしている中でいろんな良好な機能が発揮されていると、それが最近阻害されてきているのではないかという問題意識です。これから、そういう意味でのそういうことに対処する施策を講じていかなければならない、こういう問題意識に立っております。この部分におきましては、海域と陸域でそういう問題意識に立って施策を推進していくということが記述されております。
 8は、「失われた良好な環境の回復」につきまして、総括的に書いた部分でございます。若干、前々回で御議論いただいた文章と比べますと言葉を整理させていただいております。
 それから9が、「島しょ部の環境の保全」で、瀬戸内海の特質である島しょ部、これについての表現を記述を追加しているということでございます。
 10は、「下水道等の整備の促進」でございまして、このところに波線が2カ所入ってございますが、これは先ほどご説明したのと同様の趣旨でございます。
 11が、「海底及び河床の汚泥の除去等」、これは現行計画と同じでございます。
 12のところは、「水質等の監視測定」でございまして、これは前回中身が変わらないのにタイトルだけ変えておったわけでございますが、そういうことをする必要はないという御意見がありましたので、タイトルをもとに戻しまして、現行計画と同じタイトルといたしました。
 それから13が、「調査研究、技術開発」の部分でございます。13以降は、実は前々回御説明した文章は長い文章が結構含まれておりまして、読みにくいという御指摘がございましたので、文章を切りまして読みやすくいたしました。また、事業者、民間団体とか、公益法人とかそういった言葉が余り整理されずに使われておりましたので、言葉を整理しております。
 それから14のところは、「環境保全思想の普及及び住民参加の推進」ということでございますが、現行計画ではここは単に「思想の普及」と書かれておりましたけれども、何の思想かわからないという御意見がございましたので、「環境保全思想」ということにいたしたいということでございます。
 それから15が、「環境教育・環境学習の推進」でございます。この部分は新しく項として追加しております。環境教育・環境学習の推進は、環境保全を世の中に定着させていく上で非常に基礎的に重要なものでありまして、新しく項を起こしてその必要性を記述しております。
 16が、「情報提供、広報の充実」でございます。これにつきましても、環境保全の基礎となる非常に重要なものでございますので追加をしたということであります。
 17が、「広域的な連携の強化等」でございます。基本的な第三の最初のところで、柱書きのところで指摘した連携の重要性を踏まえた記述が、このところで書かれているということです。第1段落目で地域間の広域的な連携、それから2段落目で流域を単位とした関係者間の連携、といった指摘がなされているということであります。第3段落目に、「住民や事業者等の幅広い意見を調整して、施策に反映するための仕組みを検討するよう努める。」という記述がございます。
 18は、「海外の閉鎖性海域との連携」ということで、これも新しく追加したものでございます。
 19は、「国の援助措置」ということで、これは従来と同様の記述でございます。
 これが今回、御提示した基本計画の変更案でございます。以上でございます。

中西部会長:ありがとうございました。ただいま資料2の説明をいただきましたが、御質問があればお願いいたします。何かございませんでしょうか。最初の資料2で説明いただいたように、部会報告としてのいわゆる前書きですね、これが1ページにわたっております。それから具体的な基本計画の変更については、参考資料の3で説明いただきましたところですが、何かございませんでしょうか。

須藤委員:私、全体としてはよろしいようには思うのですが、二、三、ちょっとやっぱり気になるというか、別に修文という必要はないのかもしれないけど、質問になるのかもしれませんので、小さいことばっかりですけれども、まず4ページの合併処理浄化槽のところなんですが、先ほどの企画課長の説明で「わかりやすくするために前と同じ言葉」というふうにおっしゃられたんだけども、法律的にはこの前の国会で、浄化槽というのはもう合併のことを言うんだということになっていますよね。ですから、浄化槽で、要するに何でそんなことを言うかというと基本計画なんで、今すぐだったら合併処理浄化槽という言葉でいいのかもしれないけど、これずっとしばらく使うんですよね、基本計画としてね。それともう一つ問題なのは、要するに単独処理浄化槽がやみで結構今でもやられてるんですよね、ということは、要するに浄化槽というのは合併なんだけども、要するに何ていったですかね、単独がやみで普及するようなことを何か認めてるような感じがどうしてもしちゃうのと、単独の、要するにここでは合併か、合併浄化槽への切り替えみたいのを、瀬戸内海全体はわかんない、全国では700万超えてますよね、多分瀬戸内海だから何百万とあるんでしょうけども、そういうようなことも必要なのかなと思うし、もしどうしてもこれ合併処理浄化槽になったら、浄化槽で括弧合併型ぐらいの方がかえっていいのかなというふうに思ったということですが、これは私の個人的意見です。
 それからもう一つは、5ページの右側の4番でありますが、これも私が前にちょっと申し上げたことになるかもしれないけども、瀬戸内海が閉鎖性海域なので、ほかの生物が入ってきたらえらい目に遭うということはここに書いてあるんだけれども、何となく他の海域から持ち込まれたという表現のところにちょっとひっかかりを持ちました、というのは、持ち込むというのは意図的ですよね、それから非意図的に入る機会というのは物すごく多いんですね。もう御承知かもしれませんが、地中海ではイチイヅタ の一種が物すごく大量に繁茂して、その防除に各国国際的にやっていても追いつかないんですね。それどうしてきたかといったら、フランスの水族館から低温にアダプトした海草が流れ出て、天敵もいないし、ちょうどいいぐあいだというのでその藻が、それこそ大きな藻場つくっちゃったんですね。そのためにほかの生物が排除されちゃったというような例もあるので、ここだと例えば魚介類や微生物と書いてあるけれども藻は入ってないですよね。それと持ち込むという言葉というのは、人間が持ち込むような気がするので、要するに非意図的にも入る機会の方がかえって問題なのかなという気もしたので、ちょっとこの表現、まだ幾つかあるような気もするけど、とりあえず私だけ発言するのはよくないので2つだけ、質問というか、意見にさせてください。

中西部会長:どうもありがとうございます。表現についての御指摘をいただきましたが、ひとつ須藤先生の意見として、検討させていただきます。何か事務局からございますか。

長尾企画課長:検討させていただければと思います。特段、それから「持ち込まれた」との表現は非意図的なものを排除するつもりはなかったので、多分表現が悪いのかもしれません。

須藤委員:それと魚介類と微生物でしょう、藻は入ってないよね、これだとね。

長尾企画課長:水性生物の方がいいのかもしれませんが、特段それも他意はございません。

中西部会長:では、検討させていただきます。ほかにございませんでしょうか。
 特にいろいろ御議論、御意見をいただいたのは、まず創造施策として今年の1月に答申しました思想、これは基本計画に大体入れていただいていると。特に計画部会で御議論いただいたのは、海砂利の採取の問題と埋立てについてでございますが、このあたりも相当皆さんの御意見をいただいて、相当その辺も苦労というとどうかと思いますが、一応こういうふうに書かさせていただいております。何か御意見ございませんでしょうか。

藤原(正)委員:特段これ、コメントというんですか、質問というんですか、修文には全然関係ないんですが、全体的によく文章練られていて大変私は賛成なのですが、その中で、文章の中でいろんなところで何々するものとするという、するものとするという、努めるものとするというのが出てまいりました。ということは、だれかが何かをしなきゃいけないと、こういうことになっているんですが、この文章の中でその主語が明確な部分もあるし、主語が余り明確じゃなくて「するものとする」と書いてあるところも多いんですが、ということは、主語をあんまりはっきりしないということは、すべての人が全部「そうするものとする」と、国民、住民も含めてというふうに解釈をするのかなというふうに思っているんですが、そんなことでよろしいでしょうか。

長尾企画課長:この対比表で見ていただきますと、2のところで計画の性格というのがございます。この計画は2行目を見ていただきますと「国、地方公共団体及びその他の者がその目標を達成するために講ずべき施策等の基本的方向を明示する」と書いてございます。それで第三のところでは、先ほど申し上げましたように、「目標達成のための基本的な施策」という記述が大半を占めております。したがいまして、この計画が主として対象にしておるのは、国とか地方公共団体とか、施策を講じる主体、これをその念頭に置いて記述をしております。主語がないもの、例えば国が講ずる施策もあれば、地方公共団体が講ずる施策もあるというような分野につきましては、いろんな関係者にそういうことで呼びかけているという趣旨で主語が書いていないということで御理解いただければと思います。

中西部会長:よろしゅうございますか。ほかにございませんでしょうか。

谷野委員:ちょっと今の御質問と関連があるんですけれども、今、審議をしておるのは基本計画そのものでして、私は基本計画の内容については、これについて異論はございません。しかし、この基本計画ができた後、どういうふうに物事が展開をしていくかということについて、今の御質問との関連で一、二お尋ねをしたり、あるいはコメントをしておきたいと思うんですけども、これができると四条の府県計画というのがどういうふうになるのかという問題が一つございます。現在のものを細かく各県のものを私は承知をしておりませんけれども、今のお話のように、その国の施策だけでは不十分であると、あるいは都道府県のものだけでも不十分かもしれないということになりますと、まず都道府県、これは府県なんですけれども、府県の計画についてはどういう段取りになるのだろうかということが一つございます。それともう一つは、前からこちらで議論をされておりますが、埋立ての基本方針というものがありまして、「これは基本的な方針に関しては瀬戸内海環境保全審議会において、調査審議するものとする」と、こういうふうに書いてあります。諮問、答申というふうな一般的な手続なのかどうかというのが大変あいまいに思われるわけです。基本計画については、内閣総理大臣はあらかじめ審議会の意見を聞かなければならない、都道府県知事の意見も聞くんですが、そういうふうに書いてありますからこれは通常の諮問、答申であろうというふうに考えられるんですが、基本方針についてはちょっと変わった書き方になっておりますから、これがどういうふうになっていくのかということがひとつあると思います。その辺のことは、基本方針の方については特に今度の基本計画の中では、「基本方針に沿って引き続き云々」と、こう書いてありますので、前にも議論が出まして、前後関係をどうするかとか、そういう議論があったものですから、ここにいらっしゃる方は皆さん御理解いただいていると思うんですが、こういうものを外部に対して何らかの格好で整理をして、審議会としての考え方を出しておく必要があるかどうかという問題を議論をする必要があると私は思っております。府県がどういうふうにやっていただくようなことになるのか、これについては内閣総理大臣に報告をしなきゃいけないとか、必要に応じて指示することができるというような項目がありますから、環境庁としてどのようになさるかというお考えというのはある必要があるというふうに思っております。
 それとの関連で、ちょっとこれは私の不勉強を露呈するものなんですが、現在お配りいただいておる特別措置法のコピーは、平成8年の法律改正が一番新しくなっておりますが、例の地方分権法で機関委任事務と法定受託事務との関係の整理がなされたわけです。従来は都道府県知事と書いてあれば、大体機関委任事務だというふうに我々は読んでおったわけですけれども、ここには都道府県知事とか、あるいは都道府県がその業務について政令で定める主の長に委任することができるというような規定が入っておりまして、多くの法律では地方分権法の方のときに、この種の規定の整理が行われておりまして、振り分けであるとか、あるいは文言の修正というようなことがあったんですが、その辺は瀬戸内海の法律は全く改正がなかったのかどうかということ、改正がなかった場合に、これは一体法定受託事務にはなっていなくて、これは自治法の別表に載せないとだめですから、これが全部自治事務になったのかということについてお尋ねしたいと思います。

長尾企画課長:まず、府県計画につきましては、委員御指摘のとおりでございまして、基本計画を見直しますと、関係府県知事において府県計画を見直す必要性について検討していただくというのは当然そういう流れでございます。そのときに、内閣総理大臣に報告があって、その必要があればその指示をすることができると、内閣総理大臣は指示することができる。その指示をする際には、関係行政機関の長に協議した上でということになっております。それから、関係府県知事は府県計画を定めたときは市町村に送付して公表すると、こういうような手続が法律上定められているということでございます。やはりこれは、地域の問題に非常に密接にかかわる問題でございますので、基本計画につきましては、こういう審議会でご議論いただくと同時に、府県知事にもこの基本計画について御意見を聞くと、これも法律で定められておるところでございます。
 したがいまして、いずれ府県知事にきちんと御意見を聞く手続をとらなければいけないということになります。また、そういうことでございますので、事前に府県の御意見を聞くようなことも考えたいというふうに考えておりまして、後で今後の予定を御紹介するときにそのお話をする予定であったわけでございますが、これがきょう部会報告案として取りまとめられましたならば、パブリックコメントに付すわけでございますけれども、同時に各府県の御意見も聞くようなことを検討したいというふうに考えておるところでございます。
 府県計画につきましては、したがいましてそういった基本計画の策定に際しましての府県の御意見の聴取、またそれを踏まえて今度は府県において府県計画を練っていただくと、こういうような流れの中でこの基本計画の中身が、府県計画に反映されていくように環境庁としても努力していかなければいけない、こういうふうに
考えております。
 それから、埋立ての基本方針につきましては、ずっとこの計画部会を運営する過程で、基本方針の見直しにつきまして、事務局からも御説明申し上げてきたところであります。従いまして、この基本計画が変更された後、埋立ての基本方針の見直しについて審議会で御検討をいただくということになろうかと思います。そのときには、やはり諮問、答申という手続を経ることになるのではないかというふうに考えているということでございます。

浅野室長:それでは、地方分権法の成立等に伴う法律の変更について、私の方から御説明申し上げたいと思いますが、谷野委員の方からお出ししている参考資料2の特別措置法のこの瀬戸内法の法律について、平成8年の改正までしかというようなお話もございまして、これまことに申しわけございませんでしたけれども、その後、地方分権に伴いまして、この瀬戸内法の必要部分が改正されてございます。これは取り急ぎ事務局の方でまたその部分のコピーして、今お配りしたいと思いますけれども、特にこの第四条の、今お配りしている第四条をごらんになっていただきたいと思いますけれども、この府県に関する計画ということで、まさにこの辺が地方分権関係で変更があったわけでございますけれども、具体的にはこの府県計画を定めるということは自治事務ということではっきり位置づけられております。さらに、これまでの法律では第四条の2の方で、府県知事は府県計画を定めるとするときは、その内容を内閣総理大臣に報告しなければならないと、以前はこのようになっておりましたのですが、平成11年7月の分権法に伴う改正によりまして、府県知事は内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならないと、このようなふうに変わってございます。また、3項につきましても、これまでの法律では内閣総理大臣は前項の報告を受けたときは関係行政機関の長に協議し、当該府県計画の作成に関し必要な指示をすることができると、このようになっておりましたが、これも改正によりまして、内閣総理大臣は前項の同意をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならないという形で、自治事務という形で整理されたことによりまして、この都道府県の長に対する必要な指示をすることができるということは削除されております。ちょっと言葉だけではわかりにくいというのがございますので、ちょっとその部分をコピーいたしまして、後ほどお配りしたいと思いますが、大変事務局の不手際で申しわけございませんでしたが、昨年7月の改正によりまして、この府県計画の策定といいますのは自治事務であると、このように整理されておりまして、法律上もそのようにその関係部分が変わっているところでございます。以上でございます。

長尾企画課長:失礼しました。私の説明で報告、指示というふうに御説明申し上げましたが、それが同意というふうに変わっているということでございます。

中西部会長:よろしゅうございますか。ほかにございませんでしょうか。

須藤委員:すいません、あと2つほど質問といいましょうか、意見がありますのでお願いいたします。先ほど1ページ目の基本的な認識とそれから基本的なことを分けて説明いただいたんですが、この最初の1ページとそれからその後の基本計画との関係というのは、どういうふうになるのかちょっと私聞き漏らしたのですが、特に気になってたのは最後の方の、1ページ目の最後の方に、これは私も申し上げたことなんだけども、環境アセスなんかのときに、計画的あるいは戦略的アセスが必要で、それから小規模なものも累積するんだから、そういうことも重要だと、小規模なものも重要だということを申し上げて、これ書いていただいたことは大変私うれしく思うんですけれども、そのことが基本計画の中に当然法的でないから、きちっとは位置づけられないのかなというように思うんですが、要するに実際にいろいろここでやっていく上に、これは1ページ目はどういうふうに反映するのかということをお伺いしたい。
 それから2つ目の質問は、8ページ目に「健全な水環境循環機能の維持・回復」この健全な水環境機能の問題については、環境基本計画の中でも十分議論して、大体意見が固まってるのも承知はしているんですが、ここに書いてあること自身というのは、何か一般論なんですが、瀬戸内海としても何か水循環機能ということをもうちょっと表現、ほかのところは「瀬戸内海が」とか、いろいろ書いてあるんだけれども、何か一般論的過ぎるなというふうに思ったので、流域管理という言葉で述べてしまえばそれだけなのかもしれないんだけれども、ちょっとその辺が気になったというか、修文とかというよりも、その今の2つについては質問、見解というか、お伺いしたいと思います。

長尾企画課長:まず第1点についてお答え申し上げます。1ページ目、それから別紙の部分を含めまして全体として答申であるということで御理解いただきたいと思います。

須藤委員:はい。

長尾企画課長:それで1ページ目の中には、先ほど私、基本認識などというふうに申し上げました。審議会としての基本認識などということでございます。中身は、まさに基本認識のような部分もございますれば、今、須藤委員の御指摘の部分、戦略アセスのところです。これは、まだ率直に申し上げますといろんな御意見があるところでございまして、国の施策として定着させていくというところまでまだいってない、そういう部分でございます。したがって、計画の中では書かなかったということでございます。ただ、審議会の意見としては貴重な御意見として出されましたので、1ページ目に書かさせていただいて、またさらに一層調査検討とか、社会の中で定着する努力とかそういうものを続けていかなければならないという意味で、ここでメッセージとしてきちんと残したというような位置づけでございます。

須藤委員:議事録から得た重要な一部と考える程度のことになるわけね、1ページ目というのは。反映しているのももちろんあるんだけれども。

長尾企画課長:これは答申とすることを予定してございますので、これは議事録ではございません。審議会としての意見です。

須藤委員:議事録じゃないんだけれども。そうすると、それは事業ということにはまだ反映はできないわけですね。

長尾企画課長:そうですね。

須藤委員:そういうことですね、反映というか……。

長尾企画課長:制度として反映できるのに熟していない。しかし重要な課題であるとしてメッセージを残したと、こういう位置づけでございます。

須藤委員:わかりました。

長尾企画課長:それから水循環のところは、これもまだ十分熟したかどうかという点は問題があろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように政府の中でも重要課題として取り組んでおる部分でございます。ただ、瀬戸内海の中で瀬戸内海特有の水循環というものをいかほど書けるかどうかという点については、まだまだ検討が必要なような気がいたします。ただし、ここに書いてございますが、まず最初に海域と書いてございますが、藻場・干潟というのを最初に書いてございますのは瀬戸内海らしい表現だと思います。通常は水循環ということでありますと、森林の整備とか水源の涵養とか、都心部の地下浸透とかですね、そういった方がむしろ最初に出てくるような気がいたしますが、ここは瀬戸内海で海域を中心に先に書いているというところが瀬戸内海らしいと言えば瀬戸内海らしいと思います。

中西部会長:よろしゅうございますか。先ほどの谷野委員の御質問にあった件の改正点ですね、配られていますので、皆さんお手元に行っておりますか。ちょっとお目通しいただければと思います、第四条ですね。「瀬戸内海環境保全に関する府県計画」というところで、改正がなされております、よろしゅうございましょうか。御質問、はい、どうぞ。

安部委員:今の改正で基本計画に基づいて、府県計画を定めるときには同意を得るですか、環境庁の同意を得るという形になってますよね、そこで、その基本計画とか府県計画というのも具体的な関係がよくわからないんですけれども、仮にその基本計画の中にある精神を府県計画の中で具体的に定めなかった、ある程度県によって現地の事情があるということで、十分に取り込まなかったというような場合には、これは今度は指示というのがないので、その整合性が十分でないと環境庁が考えた場合には、どういうふうな対応になるんでしょうか。

長尾企画課長:法律に基づきますと、同意しないということになるということになるかと思いますが、その改正していない部分で第四条の第1項を見ていただきますと、これ省略になっております、これは改正してない部分でございますが、「関係県知事は基本計画に基づき、府県計画を定めるものとする」と書いてございますので、基本的には基本計画に基づいていただくというのが府県計画の趣旨でございます。ただ法律の趣旨は、関係府県知事に基本計画をコピーせよと言ってるものではございません。それぞれ独自に地域の実情を踏まえて考えていただいて、それで府県計画を定めると。その内容がどうしてもおかしいというときには、法律も杓子定規に見ますと、同意しないということになるわけですが、余りそういうことにならないように、事前にいろいろ基本計画も府県に御説明して御理解をいただくという作業が重要かということだと思います。

安部委員:一番大事なもので、海砂利の採取とか埋立てというのは、これは各地方自治体においてかなりのその状況が違いますので、幅が出てきた形で府県計画に取り込まれる場合、あるいは取り込まない場合があると思うんですけれども、そのときにこの基本計画の関連で環境庁が同意をしないというようなことがやはりできるわけですね。

長尾企画課長:非常に難しい御質問だと思います。そういう問題につきまして、それぞれ地域の置かれた実情はあろうと思いますから、そういう実情を勘案しても、なおその府県計画の内容が不十分だというときには、そういうことになろうかと思いますが、当然地域の実情も考えながら環境庁としても、内閣総理大臣としても対処していかなければならないと思います。

中西部会長:よろしゅうございましょうか。ほかにございませんですか。
 大体御意見が出尽くしたかと思いますが、いろんな御意見をいただきました。この内容の説明、あるいは文言についてもう少し検討したらどうかというところもございますが、基本的にはこのような線で提出した案を部会報告案とさせていただくことでよろしゅうございましょうか。ちょっと文言について……。

須藤委員:文言はお任せしますから、どうしても変えてほしいという意味じゃございませんので、ちょっと感じたというだけのことですから、お任せします。

中西部会長:では、一応本日提出された案を部会報告案にさせていただくことでよろしゅうございましょうか。

   (異議なし)

中西部会長:どうもありがとうございます。それでは、そのように取り計らわさせていただきます。取りまとめられた部会報告案については、これはパブリックコメントに付すことになりますが、これについてどのような進め方をするかについて、事務局から御説明お願いいたします。

浅野室長:それでは、今後の予定でございますけれども、本日取りまとめていただきましたこの基本計画の変更案に係る御検討につきまして、答申として最終的に取りまとめる前に、国民の皆様の意見を募集する手続、いわゆるパブリックコメントを実施することとしております。この意見の募集の期間につきましては、他の例とも同様でございますけれども、おおむね1カ月程度を予定しているところでございます。
 この最終的な、また、先ほどもちょっと御質問もございましたけれども、この基本計画の変更に当たりましては、審議会の御意見を聞くとともに、関係府県知事の意見も聞くということにもなっておるもんですから、あらかじめ府県の意見も合わせてこの間にお伺いする予定としております。その上で最終的な部会報告につきましては、パブリックコメントなどによりまして得られましたこの意見を踏まえまして、次回の計画部会で御審議していただいた上で取りまとめ、最終的には総会に御報告して、最終的な答申、このような形にやらせていただきたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。

中西部会長:これからの計画については、今、報告されたとおりでございますが、よろしゅうございましょうか。
 それでは、パブリックコメントの実施方法等につきましては、私と事務局にお任せいただくということでよろしゅうございますか。

   (異議なし)

中西部会長:どうもありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 以上で、部会報告についての審議を終わりますが、最後の予定でその他とありますので、事務局から何かございますか。

浅野室長:次回の部会の予定でございますけれども、パブリックコメントを実施いたしましてその後、いただいた意見も踏まえた内容の見直し等も検討させていただいた上でということになりますので、時期的には11月の中下旬ごろということで検討をさせていただきたいと思います。また、日程等については改めて先生方と調整させていただきたいと思います。以上でございます。

中西部会長:どうもありがとうございます。では、最後に局長さんの方から何かございますか。
遠藤水質保全局長:大変、この各般にわたる御議論ありがとうございました。振り返ってみますと平成9年9月に瀬戸内海における新たな環境保全、創造施策のあり方につきまして諮問させていただきまして、平成11年1月19日に答申をいただきました。そこで基本的な考え方のベースが形づけられたということでございますが、その流れを受けまして平成11年9月にこの基本計画の変更につきまして当審議会、そして部会に諮問をさせていただきましたが、以来、おおむね1月に1回、8回にわたり非常に精力的な御議論を賜りました。そして非常に多角的な、かつ有益な御議論をいただきまして厚く御礼を申し上げます。私どもの行政の展開に当たりまして、瀬戸内海という実態に応じたこれからの、要するに環境保全の追求ということに非常に実りあるものであったと考えております。具体的に申し上げますと、これで一つの何といいますか形ができた、それで、それからパブリックコメントをいただきまして、そして答申をいただき、そして閣議決定によりまして今後計画を定めていくということになると、それをどう実効あるもの、言いかえますと形のあるものに魂を入れていくかということが私どもに課せられた大きな課題になると思います。そういう意味で今までの御議論、特にこの計画案のまとめに当たりまして、中西部会長と森部会長代理には、各般にわたる御指導も内々賜りました点につきまして、付言させていただきまして、各委員の皆様方に対しては厚く御礼申し上げたいと思います。本日の御礼と同時に今までの努力に対して厚く御礼申し上げたいと思います。

中西部会長:どうもありがとうございました。では、ほかにございませんようでしたら、一応12時も過ぎましたので、これで部会を終了したいと思います。まだ答申まで先がございますが、一応本日で取りまとめということで、報告案をまとめることができました。委員の皆様のご協力に感謝しております。どうもありがとうございました。
 では、本日の午前中の審議の御協力に対して御礼申し上げます。

浅野室長:それでは、どうも皆様ありがとうございました。