瀬戸内海環境保全審議会計画部会(第6回)会議録


1.日 時  平成12年7月14日(水)14:00〜16:46

2.場 所  環境庁第1会議室(22階)

3.出席者

(1)委 員
   安 部   彪       大 西   淳
   川 野 田實夫     合 田 良 實
   白 木 江都子     須 藤 隆 一
   谷 野   陽      中 西   弘
   西 村 美代子     藤 原 知 明
   松 井 大 悟     村 岡 浩 爾
   森   仁 美      梁 瀬 度 子
   渡 邊   直

(2)環境庁
   遠藤水質保全局長
   長尾企画課長
   浅野瀬戸内海環境保全室長
   齊藤総量規制室長

4.議 事

(1)瀬戸内海環境保全基本計画の変更についての審議
(2)その他

5.配付資料

  瀬戸内海環境保全審議会計画部会(第6回)議事次第
  瀬戸内海環境保全審議会計画部会委員名簿
資料1 瀬戸内海環境保全基本計画の変更案
資料2 海砂利採取への対応
参考資料1  瀬戸内海における新たな環境保全・創造施策のあり方について
  −瀬戸内海環境保全審議会答申−
参考資料2 関係法令等


議  事

事務局:それでは、定刻になりましたので、ただいまから第6回の計画部会を開催させていただきたいと思います。委員の皆様には大変お暑い中、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございました。
(部会成立の報告及び配付資料確認の後、議事に移る)
 議事に移らせていただきたいと思います。運営規則に従いまして、部会長に議事の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

部会長:それでは、議事に移らせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 これまでの審議を踏まえまして、私と事務局とで瀬戸内海環境保全基本計画の変更案を取りまとめさせていただきました。本日、この変更案について審議していただきたいと思います。なお、埋め立ての関係につきましては、現在取りまとめ中であり、次回に変更案を提示することとさせていただきます。
 では最初に、資料1に基づきまして、基本計画全体の変更案につきまして、説明、審議をいただきますが、海砂利採取につきましては、別に資料2がございますので、後ほど審議いただきたいと思います。
 それでは、資料につきまして、事務局から説明お願いいたします。

事務局:それでは説明を申し上げます。座ったまま失礼をさせていただきます。
 まず、今回お出ししましたのは、基本計画の変更案でございまして、資料1にございますとおり、左側に現行の基本計画を、右側に変更案を掲げてございまして、今回、変更案の部分でございますけれども、アンダーラインを引きまして、変更部分を示させていただいております。 左右対比しながらごらんになっていただきたいと思いますが、まず、変更案の大要でございますが、第一、序説、第二、計画の目標、第三、基本的な施策と、このような大きな形になっておりますが、まず第一の序説、第二の計画の目標、ここをどう変えるかにつきましては、第1回の部会の方で具体的に基本となる序説と目標の部分につきましては、おおむねの検討方向は審議いただいたところでございまして、その意見に基づきまして、変更案を提示させていただきました。
 具体的には、まず、第一の序説の1、計画策定の意義でございますけれども、従来の策定の意義に加えまして、アンダーラインの部分でございますが、これまでの開発等に伴い失われた良好な環境を回復すること、こういった環境の回復の観点を意義の方につけ加えさせていただきました。
 続く計画の性格、範囲は同様でございます。
 続きまして、計画の目標でございますが、前段は変更ございません。2ページに移っていただきまして、(1)の水質の環境基準、(2)の赤潮の関係、(3)の水銀、PCB等を含む底質の関係につきましては変更ございません。(4)でございますが、ここは藻場、干潟の重要なものの保全ということを目標に掲げておりますけれども、ここの一部を、特に近年、藻場、干潟等に対する役割が非常に重要な役割を持っているということが新たに認識されておりますので、具体的な記述をつけ加えております。アンダーラインの部分ですが、干潟等、瀬戸内海の水質浄化や生物多様性の確保、環境教育・環境学習の場等としても重要な役割を果たしている浅海域という形で、これまでの藻場、干潟に限らず、浅海域がこういった観点でも重要であると、こういったことをつけ加えております。
 また、その後の段でございますけれども、重要な藻場、干潟以外にもその他の藻場、干潟等についても、できるだけ減少することのないよう適正に保全されていること、そういう概念を加えさせていただいております。また、回復の観点ということで、これまでに失われた藻場、干潟等については、必要に応じ、その回復のための措置が講ぜられていること。この回復の観点をここにつけ加えさせていただいております。(5)でございますが、ここは海水浴場等の海洋性のレクリエーションの記述でございますが、近年はこういった海辺の地域につきましては、単なるレクリエーションという観点だけではなくて、もう少し広い、自然との親しみ、ふれあい、また自然学習と、こういった点での利用も多うございますので、概念を少し広げさせていただきまして、海洋性レクリエーションという箇所を自然とのふれあいの場という形で変更させていただきました。
 続きまして、自然景観の保全に関する目標でございますが、(1)自然景観の核心的な部分等の保全、変更ございません。また、(2)の草木の緑、また、森林の保全、ここも変更ございません。3ページにまいりまして、(3)に景観の構成上重要な自然海岸の記述がございますが、これにつきましても、これまでの保全されていることという記述に加えまして、失われた自然海岸については、必要に応じ、その回復のための措置が講ぜられているという形で、回復の施策という観点をつけ加えさせていただいております。(4)の海岸等の清浄の保持、(5)の天然記念物等の文化財の保全、これにつきましては変更ございません。
 続きまして、それに関連もございますので、基本的な施策の初めの方は少し一緒にご説明させていただきたいと思います。
 この第三といたしまして、これまでの目標等に続きまして、具体的な施策をこの基本計画の併設として掲げているところでございますが、今回の変更につきましては、まず前段に、昨年の1月にいただきました答申の基本的な考え方というものをまず初めに記入いたしまして、その上で具体的な施策を列挙していくと、このような形で変更させていただいております。具体的には、これは1月にいただいた答申のエッセンスでございますけれども、これらの計画の目標を実現するため、既に得られた知見と技術を最大限に活用し、現在残されている自然環境の保全、発生負荷の抑制等規制を中心とする保全型施策の充実に加え、これまでの開発等に伴い失われた良好な環境を回復させる施策の展開及び施策の実施に当たっての幅広い連携と参加の推進、これを基本的な考え方として、各般の施策の積極的な実施に努めるものとする。基本的な施策は次のとおりであるという形で、前段にこれを加えております。
 続きまして、具体的な中身でございますが、1の推進汚濁の防止についてでございます。(1)の水質総量規制制度等の実施ということで、これはこれまでの計画では化学的酸素要求量、CODにつきましては総量規制という形で規制を図ってまいりまして、(2)にございます窒素、燐につきましては、削減の指導という形で対策を立てておりましたが、これまでの部会等にもご報告しましたとおり、窒素、燐につきましても、CODと同じように今後総量規制対策を実施してまいりたいと、このような方針を決定しておりますので、それに合わせました記述に対応しております。具体的な中身につきましては、(1)と(2)を合わせたような形で(1)の方に書いているところでございます。
 4ページにまいりまして、その具体的な中身でございますが、多少現行の記述に比べて変更を行っております。(ア)でございますが、生活排水の部分については、今申し上げましたとおりに、今後はCOD、窒素、燐、3つとも総量規制の対象となるということでまとめた記述に伴いまして、窒素、燐というところを汚濁負荷量という形で一括して掲げてございます。(イ)のところも同じでございます。また、この後、コミュニティプラント、農業集落排水施設の後の合併浄化槽とこれまであったところを浄化槽という形で変えさせていただいております。これは浄化槽法という法律がございまして、これが今回改正されまして、その中での浄化槽の定義につきまして、これまでのいわゆる合併浄化槽を今後浄化槽にするという形で、単独浄化槽につきましては今後とも法律の概念では外れていますからもう使用しないと、そのような形になりましたので、浄化槽という意味で変更いたしまして、これまでの合併浄化槽という概念をそのまま引き継ぐという形にしております。また、高度処理につきましては、これまでは「必要に応じ」という表現でございましたけれども、これを「積極的に」と改めまして、総量規制等もより一層の推進を図ってまいりたいということで変更したいと思います。(イ)につきましては、汚濁負荷量の削減ということで変更しております。それから、(ウ)でございますが、これは農林水産省の関係になる部分でございますが、漁場関係、それから、農業排水関係につきましては、昨年でございますけれども、農業関係でここに掲げてございますような3つの環境保全を旨とする法律が成立しております。それの具体的な名称をここに今回入れさせていただきまして、よりこの施策が具体化するようにということで、その点で変更を図っております。具体的には法律の名前を導入したということでありまして、持続的養殖生産確保法、それから、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律に基づく化学肥料の使用の低減、それから、3番目としまして、家畜排せつ物の管理及び利用の促進に関する法律、3つの具体的な名前を入れたということでございます。続く(エ)の河川浄化の推進と、また、(オ)の洗剤中の燐の削減及び使用量の適正化ということにつきましては変更はございません。
 それから、続きまして(2)の有害化学物質問題への対応でございますが、これが近年ご承知のとおりダイオキシン等について問題となっているところで、答申についても提言いただいているところでございますが、具体的にはダイオキシン類については、これも成立いたしましてダイオキシン法がございますので、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく排出規制を推進すると。また、有害性のある化学物質については、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法津、通称PRTR法というものでございますけれども、これに基づきまして、そのような物質の排出量の把握、管理を推進するということで、法律に定められた事項をここにも掲げているところでございます。
 続きまして、(3)の油等による汚染の防止でございますが、これも昨年1月の答申を踏まえまして、その部分を変更しようとするものでございまして、特に大規模な油流出事故と、これが近年起こった場合には甚大な被害が予想されると、このようなことがナホトカ号の事故ですとか、そういったものがございましたので、そういった観点から記述を諸変更したところでございます。アンダーラインの部分のとおりに変更させていただいております。5ページの方にまいりまして、この段の最後の方でございますけれども、特にこの油流出事故につきましては、一たん発生しましたら大変な大きな問題になるということもございまして、記述をつけ加えておりますけれども、そのほか事故発生時における自然環境等の保全対象、保全方策等についての検討及び環境への影響の少ない新たな油防除技術の調査研究を推進するとともに、油流出による自然環境等に及ぼす影響及び事故後の回復状況を評価するため、平常時の自然環境等の観測データの蓄積に努めるものとするという形で答申いただいた部分を入れ込んでいるところでございます。
 それから、その他の措置でございますが、ここにつきましては、まずこの瀬戸内法の特徴でございます特定施設の設置の許可制度、これの適正な維持を図るというものを書いてございます。また、個別海域の特性に応じて必要な措置をとると、従来の記述のそのままでございますが、さらに個別海域の特性に応じという部分に関連いたしますけれども、特に大阪湾方面につきましては、富栄養化の程度が他の湾灘に比べまして相当に高いという問題が従来からございまして、私どもとしても、これを積極的にこの改善に努める必要があるということで、水質保全に十分留意するよう努めるものとするという表現で、大阪湾方面につきまして特に記述させていただいたところでございます。また、続く点につきましては、今回の審議会の審議の中で委員の先生からご発言があった事項でございますが、さらに、瀬戸内海の特性から他の海域から持ち込まれる魚介類や微生物が瀬戸内海の水質や生態系、漁業資源等に大きな影響を及ぼすおそれがあることから、それらに対して十分留意するよう努めるものとするというような形で、ご発言の趣旨をここに盛り込ませていただいたところでございます。
 続きまして、2、自然景観の保全でございます。これは(1)自然公園等の保全につきましては、変更はございません。また、(2)の緑地等の保全につきましても変更ございません。6ページにまいりまして、(3)の天然記念物等の保全ですが、これも変更ございません。(4)のごみ、油等でございますが、これが特に散乱ごみという形で、これは1月の答申にございますとおりに変更しております。具体的な記述につきまして、もう少し強化を図っておりまして、取り締まり等に加えまして清掃事業の実施、さらに住民一人一人の方々の取り組みも非常に重要だということもございまして、住民等への広報活動、清掃事業への住民参加の推進等を通じ、意識の向上に努めるものとする。また、海域だけではなくて、このごみにつきましては、川の上流から、河川流域からも流れてくるものが近年非常に問題になっているということもございまして、流入する河川流域における清掃等の実施にも努める。海域だけではなく て、河川流域においても注意をお願いしたいという趣旨でつけ加えております。また、近年問題となっております廃プラスチックについても汚染の実態把握に努めるという形で記述を追加しているところでございます。
 (5)その他の措置でございますが、これは自然海岸の減少等に関します景観の保全に関する記述でございますが、前段の開発等に当たり自然海岸等の景観の保全についての配慮という、これは同じでございますけれども、これも回復という観点から保全につけ加えまして、必要に応じその回復のための措置を講じるよう努めるということで、これも景観の回復というような観点での記述を追加しております。さらに、これは答申で提言いただいた点でございますけれども、人文的な景観も瀬戸内海の景観の構成上、重要な要素であるということで、これまでその記述がございませんでしたので、具体的には瀬戸内海各地に点在する漁港、段々畑、町並みなど自然景観と一体となって重層的にそれぞれの地域の個性を反映している人文的な景観についても、適切に保全されるよう配慮するものというような記述をつけ加えてございます。
 それから、続きまして3といたしまして、従来は藻場及び干潟の保全等という形で記述がございましたけれども、これを多少概念を広げまして、浅海域の保全等ということで、表題も改めまして取り上げているところでございます。(1)といたしまして、藻場及び干潟等の保全等ということで直しておりまして、7ページにまいりまして、これまでも重要な干潟、藻場につきましては保全を行っておりますが、7ページの上段でございますが、さらにその他の藻場及び干潟等についても水質浄化や生物多様性の確保、環境教育等の場として重要な役割を果たしているということから、できるだけ保全するよう努めるものとするという形で記述を追加しております。さらに、水産資源の増殖等の見地からの重要な幼稚仔育成場の整備に加えまして、失われた藻場等の回復についても記述を追加しているところでございます。それから、(2)でございますが、従来は自然海域の保全等ということになっておりましたが、浅海域の保全等の中に入れ込むという形にしておりまして、また、先ほどの目標のところにもございましたとおりに、自然海域につきましては、海洋性レクリエーションに加えまして、自然とのふれあいの場という観点を掲げております。また、具体的なその方策といたしまして、これまで記述が入っておりませんでしたが、自然公園や自然海浜保全地区等の指定を行う具体的な手法について今回は加えさせていただいております。これは自然海浜保全地区につきましては、前回の基本計画策定の際にはまだ具体的な指定事例がございませんでしたので、入っていなかったと思いますけれども、今回具体的な部分に既に指定が進んでおりますので、加えたということでございます。
 大変長くなりますので、ここまででいったんご説明を終わらせていただきたいと思います。
 長くなりましたが、部会長、よろしくお願いしたいと思います。

部会長:どうもありがとうございました。
 それでは、今までのところの説明に対しまして、ご意見、ご質問をお願いします。
 何かございませんですか。

委 員:どこでもよろしいんですか。

部会長:今、説明のあったところの範囲でございますが。

委 員:別に難しいことではなくて、単なる言葉でわからないことがあるので。3ページの中段、第三、目標達成のための基本的な施策の最初のパラグラフの最後の、各般の施策の積極的云々とあるんですけれども、各般というのは、これはどういう意味ですか。これは霞が関でよく使われる言葉ですか。ちょっと私にはわかりかねるので。

事務局:ここで記述しておりますのは、ここに以下に掲げるようないろいろな、多様な観点にわたる施策という意味で各般というふうな形で記載させていただきました。

委 員:それで一般にわかりますか、こういう言葉を使われて。この言葉は辞書にありますか。 特に今、どういうということではないので、後でご検討をいただければありがたいと思います。

部会長:わかりました。では、またご検討をいただければと思います。
委 員:全体的には私は結構だと思うんですが、ちょっと小さいことで2つほど。4ページ右側の上の(ア)の浄化槽のところなんですが、汚濁負荷というと、窒素、燐というのを私は汚濁と考えるんだけれども、これは栄養でもありますので。やはり一般的には汚濁じゃないんですよね。何か誤解を招くような気がするので、どこかで定義をしていただきたいなという気がします。汚濁というと、それは汚いものの負荷なんだけれども、窒素、燐は栄養でしょう、ですから、普通の人は汚濁となかなか言いにくいような気がするので、いつも心配をしている言葉です。
 それとその中に、あと浄化槽というところで、これは私も浄化槽法で浄化槽になったのは承知をしているんですが、こういう今の時期に何が一番心配かというと、7年間の、要するに下水道が来るまでは浄化槽でない浄化槽、いわゆる従来の単独浄化槽がかなり出回るだろうと予想されるし、それから今の状況ですと、結構、私も浄化槽に関与しているんですが、闇の浄化槽というか、浄化槽でない浄化槽が闇で何かどんどんつくられている感じがするんですね。闇だからもう取り締まり方法はないんだけれども、ということがあって、これは従来の単独浄化槽というのが全国で700万基あって、瀬戸内にはどのぐらいあるのでしょう、300万基ぐらいあるんでしょうか。要するに単独浄化槽を、合併と書けないんだったらこの浄化槽に変えなくてはいけないというようなところが、どこかちょっと入れておいていただきたいなという気がします。前段のところの浄化槽の7年間の、下水道が来るまでの何のかんのというのは、これは法律なんですからしようがないんだろうと思うんですけれども、とにかく単独浄化槽といわれるものを、いわゆるここでいう浄化槽に変えなくてはいけないというふうなところが、ちょっと一行ぐらいあってほしいなという気がします。それが1点。
 それから2点目は、5ページの油の点だったですかね。油濁の問題のところなんですが、ここでは回収のところとかいろいろ書いてあるんですが、お聞き及びかもしれませんが、この環境庁の中の企画調整局の環境研究技術課では、バイオレメディエーションによる、要するに回収して、あとずっと残っている油を分解除去する手法のガイドラインをつくりつつあるんですよね。同じ環境庁の中の仕事でもありますし、かなりこれが具体化しているような気が私はしておりますので、その辺のところの油の分解除去、要するに残っている油を、生態系への影響を少なくするために、バイオレメディエーションによる分解除去なんかのこともかなり具体的に進んでいるので、もう少し突っ込んでこの辺のところは、同じ環境庁の仕事なんで書いていただければと、こう思いました。
 以上、2点です。

部会長:ありがとうございます。今のご意見に……。

事務局:大変重要なご指摘をいただきましたので、どのような対応が可能かどうか、検討させていただきたいと思います。

部会長:よろしいですか。

委 員:結構です。意見ですから。

部会長:ほかにございませんでしょうか。

委 員:これは要望と言うべきだと思うんですけれども、浅海域ということで、きちんと言葉で出していただいて、昨年度も私こんなこと申し上げて、大変ありがたいと思っています。ただ今度、これが実際に動き出したときに、浅海域っていうのはどこまでを言うのか、何かそれを言うような研究部会といいますか、これは基本計画ですから、これ以上書かなくていいと思うんですけれども、何かもう少し、ここまでが浅海域なんだとか、そういうような、何かもう一つ作業がこのあたりに来るといいなというふうに私は思っております。
 以上です。

部会長:どうもありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。
 大体このところは基本的に、昨年答申いたしました環境保全・創造施策のあり方に沿ってつくっていただいておりますので、皆さんも大体ご了解いただけるところではないかと思いますが。ほかにございませんでしょうか。
 では、一応今のところはご説明、ご質疑が終わったということにさせていただきまして、途中、残りの部分のご説明お願いしたいと思います。

事務局:それでは続けてご説明申し上げます。
 7ページの続きでございますけれども、海砂利関係につきましては、後ほどご説明いたしますので。
 その後をご説明申し上げます。6でございますけれども、ここは廃棄物の処理施設の整備及び処分地の確保という重点でございますけれども、特に近年この廃棄物につきましては、単なるリサイクル等に限らず、もともとの発生自体を抑制することが必要であったと。循環型社会の形成の推進という形での中にも重要な点として挙げられている点でございますので、発生抑制、それから、再使用、この観点を新たにつけ加えさせていただいて、この後載せる計画の下のところにつけ加えたところでございます。
 それから、健全な水循環機能の維持・回復という形で、これは現在私どもの局での大きな施策の柱として、健全な水循環というのがキーワードで施策の展開を図っているところでございますが、これの観点を項を起こしまして、記述したということでございます。具体的には書いているとおりでございますけれども、瀬戸内海の水質等の環境保全を図るため、健全な水循環機能の維持・回復を図る必要がある。8ページにまいりまして、このため、海域においては藻場・干潟等の浅海域の保全及び自然浄化能力の回復に資するため、人工干潟等の適切な整備を図るとともに、陸域においては、森林や農地の適切な維持管理、河川や湖沼等における自然浄化能力の維持・回復、地下水の涵養、下水処理水の再利用等に努めるものとする。また、これらの施策の推進に当たっては、流域を単位とする関係者間の連携の強化に努めるものとするというような形での、水循環に当たっての重要な観点を記載しております。
 続きまして、8、失われた良好な環境の回復でございますが、これも1月の答申でかなり大きなスペースを割いてご提言いただいたところでございます。申しおくれましたけれども、参考資料1の方に昨年1月の答申につきましてお配りしているところでございますので、合わせまして、関連部分、いろいろ飛んだりしますけれども、ごらんになっていただければと思います。この失われた良好な環境の回復でございますが、これは答申を踏まえまして記述をまとめたところでございます。瀬戸内海にふさわしい多様な環境を確保するため、開発等に伴い失われた藻場、干潟、自然海浜等の良好な環境を回復させ、積極的に環境を整備して、将来の世代に継承する観点に立った施策の展開を図るものとする。これらの施策の推進に当たっては、開発等に伴いかつての良好な自然環境が消失した地域を対象とすることを基本とする。さらにその上で国及び地方公共団体が先導的役割を果たしつつ、それ以外にも事業者、住民及び民間団体、地域に関連するそれぞれの方々と連携した取り組みに努めるものとするという記述を加えてございます。なお、これらの施策の計画的な取り組みに努めるという記述となっております。
 それから、続きまして9、島しょ部の環境の保全でございます。これも答申でいただいたことでございまして、それに基づいた記述を行っております。答申の方では10ページにそういった記述がございますが、島しょ部では限られた環境資源を利用した生活が営まれており、その環境保全は住民生活や社会経済のあり方に直結する課題であることにかんがみ、環境容量の小さな島しょにおいては、特に環境保全の取り組みに努めるものとするということで、島しょ部について、特に脆弱な環境であるので、積極的に環境保全を図るというような観点での記述を行っております。
 それから、10番目でございますが、下水道の整備の促進でございます。これは下水道につきまして、非常に水質の改善の上で大きな役割を果たしているということで、項を起こして、これまでも書いておるところでございますけれども、これは先ほど出てまいりましたけれども、同じような変更でございますが、「合併処理浄化槽」のところを「浄化槽」と、さらに最後のところでございますが、「必要に応じ」というところを、「積極的な」という形で変更を行っております。
 11番の海底及び河床の汚泥の除去等につきましては、変更はございません。
 それから、12番、環境監視の推進についてでございますが、これは従来の水質等の監視測定という表題にしておりましたけれども、これは中身は変更はございませんけれども、呼び方が多少変わってきているということで、「推進」を加えたということで、環境監視の推進ということで、表題を変更させていただきました。
 それから、13番目でございますが、環境保全に関する調査研究及び技術の開発等でございます。これも従来、海象等に関する調査研究と瀬戸内海におきます環境問題に関する課題の、また、それらの対策に資するために調査の推進、それから、技術の開発を推進するというような形での記述がございますが、その後従来の計画の変更後等に発生した課題、緊急の課題等に対処するために、現在のそれにつけ加えておる課題に対応するような観点での記述を加えております。具体的には回復の観点等でございまして、これも提言を踏まえて記述をしたところでございますけれども、環境を回復させる観点から、生態系の構造や各種機能、景観等の評価手法と指標の開発、生態系等に関する効果的な環境モニタリング手法等の調査研究。さらには、回復のための重要なファクターでございますけれども、藻場及び干潟の造成、それから、廃棄物等の再生利用方策等の技術開発、これは先ほども出てきた趣旨でございますけれども、こういったものの新たに重要となってきた課題につきまして追加をさせていただいております。またさらに、この調査研究の推進のみならず、それらの成果のデータベースを整備、作成して、情報の共有化、それから、情報収集の効率化、こういったものも近年その必要性が高まってきているということでございますので、その記述を追加しております。これも提言をいただいたところでございます。具体的な記述につきましては、あり方の方の記載でございますけれども、
 15ページの方に具体的な提言をいただいているところでございます。非常にボリュームのあるところでございますので、多少提言そのものではございませんけれども、重要な項目に絞って追加をさせていただいております。
 続きまして14番、思想の普及及び住民参加の推進でございますが、従来の計画では思想の普及及び意識の高揚となっておりましたが、それに近年重要となってきております住民参加の推進というものをつけ加えて記述を行いました。まず最初の変更点は、これまでは生活排水等という形で重要なポイントを掲げてございましたけれども、ご承知のとおり、廃棄物の排出抑制等も瀬戸内地区では重要な課題であるということでございますので、具体的にそれを加えました。また、その後のアンダーラインでございますが、国、地方公共団体という記述が従来ございましたけれども、さらにつけ加えまして事業者の責任ということも重要なファクターでございますので、それを加えております。また、その後の民間団体というものも加えております。言うならば、各般の瀬戸内海に関係する、国のみならず民間団体の方々も含めた連携を図った、一体となった取り組みを推進する必要があるということで、必要な部分をつけ加えております。また、この答申に応ずるものでございますけれども、人々の教育のみならず正しい理解を十分いただいた上で教育が必要であるということでございますので、それも追加しております。また、最後のパラグラフでございますけれども、汚濁負荷量の削減、廃棄物の排出抑制、環境保全への理解、行政の施策策定への参加等の観点からの住民参加の推進に努めるものとするということで、この答申を踏まえまして、具体的な住民参加につきましてこのような観点からの住民参加が重要ではないかということで記述を追加いたしました。またその後に、これも答申を踏まえたものでございますけれども、特に公益法人の活用を図るとともに、10ページにまいりまして、環境ボランティアの養成等への取り組みの支援に努めるものとする。また、環境保全施策の策定に当たっての住民意見の反映方策についての検討に努めるものとするというような形でこの住民参加等についての重要な課題について提言いただいた観点をつけ加えたところでございます。
 続きまして、15以下でございますけれども、これはこれまでの基本計画になかった記述でございます。これが具体的に昨年1月の答申の中でつけ加わった大きな観点でございまして、単なるこれまでの計画では水質保全と具体的な保全施策の展開というのが施策の中心になってまいりましたが、1月の答申にもございましたように、それにつけ加えまして、住民の方々を含めた連携等の強化と、そういったいわゆるソフトプランと申しましょうか、こういったものを、今後瀬戸内海の環境保全を進める上では非常に重要だということでございますので、その記述を、提言を1月の答申に基づきまして、記述をまとめて15以下につけ加えたということでございます。
 具体的な記述でございますけれども、まず15番、環境教育・環境学習の推進でございますが、瀬戸内海の環境保全に対する理解や環境保全活動に対する態度、それから自然に対する感性、これも非常に重要ではないかといったようなご意見もございましたので、これはつけ加えたところでございますが、感性や環境を大切に思う心を育むためには、地域の自然及びそれと一体的な歴史的、文化的要素を積極的に活用しつつ、環境教育・環境学習を推進することが必要であり、そのためにはふれあいの場を確保、さらに利用を促進するための施設の整備、それから、プログラム等の整備に努めるというような重要なポイントを掲げてございます。また、国立公園との連携が重要だというような提言がございました。また連携を図りつつ、自然観察会等の地域の特性を生かした、特に瀬戸内海におきましては貴重な自然や景観地に恵まれているといったような特色がございますので、そういったものをこの環境教育等の推進のためには大いに生かすべきではないかと、こういったような提言もいただきましたので、その観点も取り入れまして、このような記述にいたしました。体験的な環境学習機会の提供、さらにはそれを推進するためのボランティア、また民間団体の育成、それに対する支援、これも近年非常に重要だというようなご意見もございましたので、そういった点を踏まえた記述でございます。
 それから、16番、情報提供、広報の充実でございます。これも提言を踏まえたところでございますが、住民参加、環境教育・環境学習、調査研究等を推進するためには、環境に関する情報をわかりやすい形で提供することが必要であると、また、だれでも自由に気軽に利用できることが必要である、こういったような提言をいただいておりますので、そのためには多様な情報に関するデータベースの整備によりまして、広く情報を提供するシステムの構築等を進める必要がある。また、さらに広報誌等を通じまして広報の取り組みが必要だということで、瀬戸内海の環境の現状でございますとか、負荷量の削減、廃棄物の排出の抑制、特にこういった点がこの環境保全上近年重要性が高まっているという点でございますので、その点を記述させていただいております。
 それから、17番、広域的な連携の強化等でございます。特にこの連携の強化というような形で、前回の答申の大きな柱の一つでございまして、具体的には答申の16ページ、17ページあたりに提言いただいた点がございまして、それをまとめて記述したものでございます。瀬戸内海は13府県という大変多くの府県が関係するところでございますので、細かく府県間の環境保全の推進のための連携の一層の強化というものをまず掲げてございます。また、先ほども出てまいりましたとおりに、水循環機能の維持・回復のための取り組みのためには行政機関等だけではなくて、住民参加等の観点も重要だと。また、環境教育等の推進のためには、流域を単位とした、つまり海だけではなくて、上流部の川と下流域の連携、こういった流域を単位とした関係者間の連携も非常に重要であるという観点を加えております。また、各地方公共団体の環境保全の取り組みにおける連携の強化というのも水環境機能の維持管理という形で重要だということで記述をつけ加えております。さらに、住民の方々の意見の反映という観点も重要だという提言も踏まえた記述でございますが、環境保全のための施策の策定に当たっては、住民や事業者等の幅広い意見を調整し、施策に反映するための適切な仕組みの検討に努めるものとするということで記述しております。
 続きまして11ページをお願いいたします。海外の閉鎖性海域との連携ということについてでございます。これは既にこれまでも国際エメックス会議というものがございまして、我が国における瀬戸内海における取り組みにつきましては、広く海外にもそういった情報を発信して、我が国の取り組みの情報を広めますとともに、海外でのそういった閉鎖性海域での取り組み等も情報交流を図って、一層我が国の環境保全を図っていくことが必要であるということもございまして、記述を追加しております。海外の閉鎖性海域における環境保全に関する取り組み等の連携を強化し、瀬戸内海の環境保全の一層の推進を図るとともに、海外における取り組みに積極的に貢献するため、閉鎖性海域に関する国際会議等の開催や支援、積極的な参加、人的交流、情報の発信及び交換等に努めるものとするというような形で、これも提言を踏まえたものでございますが、記述を追加いたしました。
 それから、最後でございますけれども、国の援助措置ということで、これは従来の記述と同様でございます。
 長くなりましたが、以上が変更案の後半の部分でございます。

部会長:どうもありがとうございました。
 では、今ご説明いただいたところを中心に、また、先ほどのところもあれば一緒に含めましてご質疑、ご意見を承りたいと思います。

委 員:ここのところも私、全体としては結構でございますし、よくできていると思うんですが、一つだけやはりちょっと細かいことで申しわけございません。
 8ページの下水道の整備の促進のところなんですが、やはりちょっとここが前から申し上げているので気になるんですが、高度処理というのを、二、三十年前の高度処理だったら窒素、燐の除去をちょっとするというのがこれは高度処理なんだけれども、窒素、燐をちょっと除去するぐらいはもう当たり前の処理だと私は思うんですね。高度処理と言ってしまうと何かすごく難しくて、お金がかかって、エネルギーがかかってというふうにとられるんですが、例えば、間欠曝気をやるとか、回分式をやるとか、いろいろやり方によっては窒素も燐もかなりよくとれる。ということは、負荷量はちょっと下げなくちゃいけないかもしれませんが、そんなにお金もかからないし、逆にエネルギーの節減にもなる。ということで、何か窒素・燐はとるのが当たり前なので、引き続きその整備の促進というところの後に、窒素、燐除去性能の向上に努めるとかいわないと、後で高度処理の導入を積極的にと言われちゃうと、何もしなかったら逆に下水道の整備でも集落排水でも浄化槽でも窒素、燐の負荷を上げることになりますよね、これはいつも申し上げるんだけども、放っておいたら、負荷を上げることになるので、やはりこの辺のところでは歯どめをかけるために性能の向上ぐらいは入れておいていただいて、さらに積極的に物すごく低濃度にするためには高度処理の導入を図るというぐらいのところの方がよろしいんじゃないでしょうかと、こう思います。

部会長:どうもありがとうございます。
 そのあたりまた検討させていただきます。

事務局:また検討させていただきたいと思います。

部会長:ほかにございませんですか。

委 員:言葉遣いのようなことで大変恐縮なんですが、9ページから10ページにかけてのと ころで民間関係機関とか、民間団体とか、公益法人とかいう言葉が何カ所か出てくるわけですね。これは一体相互にどういう関係になっているかというのがよくわからない。あるいは公益法人という言葉は、どうもあいまいな言葉でありまして、昔の民法法人に加えて、NPOという法律ができて、これはずばっと言えば、公益性があるというか、ノンプロフィットですから、含まれるようでもあるし、どうもこの辺がよくわからないので、そこは少し整理をした方がいいんじゃないかと。特にこの公益法人の活用というのは、どういうことを意味しているのかよくわかりませんけれども、もう少し整理をして、もう少し広目に書いておいた方がいいので、NPOも大いに頑張ってもらわなきゃいけないし、もちろん民法法人も大事であると。それから、民間関係機関というのも非常によくわからないですね。しかも、こういうふうに短い間にいっぱい出てくると、どれがどれでどう違っているのかがわからないというので、どういうふうに考えていらっしゃるのか聞いてもいいんですけれども、聞く前に整理してもらってから議論した方がいいんじゃないかと、こういうことが一つあります。
 それから、これはもともと、前回の答申のときにそういうふうな文章になっているので、今、言うのはいかがかということはあるんですけれども、8ページの失われた良好な環境の回復のところの文章を読んでいて、ちょっと文章的に気になったということなんですが、開発等に伴い既に失われた藻場、干潟、自然海浜等の良好な環境を回復させ、もっと積極的に環境を整備して将来の世代に継承するという、そこなんですね。これは文章はこれでいいんじゃないかというふうにも思うんですけれども、これはどういう意味なんだということは少し整理をしておいていただいた方がいいような気がもう一度、再びしてきたと、こういうことだと思います。
 それから、これもワーディングの話で、これこそワーディングの話でまことに恐縮なんですけれども、9ページの12の環境監視の推進というところですね。この環境監視に直すというのはなぜかと、環境監視というと、もちろん法律を読めば大気保全がやらないことはわかっているんですし、そのほかのことも環境というと広い意味ですから、読めば権限がないことはわかるんですけれども、わざわざ直すと、これは一体何か始めるんじゃないかという気がちょっとして、しかし、中を読んでみると何か看板だけ変えたんだということで、何かちょっとひっかかるんですね。
 そういう感想を持ちましたので、申し上げておきます。

部会長:どうもありがとうございます。

委 員:今の委員のご発言に関連なんですけれども、9ページの一番下で特に公益法人の活用を図るとともにというのが、本来は答申を見ているんですが、特にどこに出ているのか私はわからないので、どこでしょうか。この公益法人の活用を図るという文言が、この前の答申には見えないんですが。

事務局:まず、現在の変更前のところに公益法人の活用がございまして、ここを受けている文言でございますが。現在の計画の方にも、このために公益法人の活用等によりという記述がございます。

委 員:はい、わかりました。

委 員:10ページの15なんですけれど、2行目の自然に対する感性等を育んでいくという ようなのは非常に難しいけれども、こういうのは私はすごくいいなと思うんですが、その次の環境を大切に思う心って、環境を大切に思う心というのはそれでいいんでしょうか。「環境を大切にする」と言うのは、どういうことかなとちょっと思うんですが。

事務局:ちょっと申しわけございません。どこからか持ってきた言葉だと思いますけれども、ご趣旨はわかりまして、感性とともに環境を大事にしなきゃいかんと。地域のすぐれた環境を大事に思って、それが地域の環境保全につながるという趣旨で書いたつもりでございますけれども、再度原典等も調べまして、どのような表現がよろしいか検討させていただきたいと思います。

部会長:どうぞ。

委 員:私は内容ではないので、文章的なことで申しわけないんですが、日常的に学生の文章を直したりということをいつもやっていますと、どうも長過ぎるというのがちょっと気になりましてね。例えば、9ページの13とか14とかいうのは、10行以上にわたってずっと1つの文章が続いているわけですよね。この辺はもうちょっとどうにかならないのでしょうか。

部会長:そういうご意見ございました。

事務局:検討させていただきたいと思います。

委 員:全体的には前回の答申を忠実に書かれているような気がして結構だと思うんですが、考え方の中で開発志向からの転換ということを、もう少しきっちり出してもいいのではないかなという気はします。例えば、1ページ目の序説のところで、下線を引っ張られている、及びこれまでの開発等に伴い失われた良好な環境というくだりがあるんですが、例えばここは高度成長期からの開発志向を反省し、失われた良好な環境を回復すると、そういう言葉に変えた方がこの趣旨がはっきりするんじゃないか。あるいは、7ページ目の6、廃棄物の処理施設の整備、廃棄物の発生抑制、再使用というくだりがあるんですが、開発型の大量生産、大量消費、大量廃棄を見直すというのを前段に加えれば、この趣旨がさらに生きるような気がします。答申の中では、例えば高度成長期からの開発の要請の中、いろいろなことが起こって、次々自然が失われたというくだりは何回か出ておると思うんですが、この基本計画の中でもそういう言葉をきっちり出して、趣旨をはっきりした方がという気がします。  それから、全体の感想なんですが、藻場、干潟、浅海域についての保存というのはかなりしっかりうたわれたような気がしますが、例えば今の海砂利の問題であるとか、あるいは深いところでの開発というところが、最近はかなり注目されてきたという気がします。したがって、例えば2ページ目の(4)のところで、魚介類の産卵生育の場となっているというくだりの中に、例えば特にという言葉を入れたら、瀬戸内海全体はまあまあなんだと。全体はまあまあの趣旨の中で、特に浅海域をというニュアンスが出てくるような気がするわけです。ちょっとこの浅海域や藻場、干潟のところに偏り過ぎたような、全体を読んだイメージが余りにもするものですから、そこをもうちょっと逆に強調した方が、その趣旨が出るような気がします。

部会長:そういうご意見でございます。

事務局:検討させていただきたいと思いますが。

部会長:ほかにございませんでしょうか。

委 員:質問なんですけど、7ページの5の埋立に当たっての環境保全に対する配慮というのは検討中ということなので、まだ今日は案とか、考え方とかいうのは提示されていない、次回ということでございますか。

部会長:前回のときにたたき台を出すということで、そういう発言をさせていただきましたが、埋立につきまして、もう少し時間をいただきたいということでございます。先ほどちょっと申しましたように、次回に出させていただきたいと思います。

委 員:10ページの15、16のところの文章のことなんですが、ほかのところにもそういう表現がないことはないと思うんですが、例えば15の場合、瀬戸内海の環境保全に対する理解や環境保全の活動に参加する態度それぞれを育むためにはとなっております。それから、その次も調査研究を推進するためにはということなんですが、これは何か前のところにそういうことが書かれていたものを受けている文章なんでしょうか。それだとそれがどこにあるのかがわからないんですが。もし、それでなければ、ちょっと表現が、「ためには」という表現でない方がいいんじゃないかなと思ったんです。もう1つ前にも同じような表現が。ここのところだけがずっと続いてそれがあると思うんですが。

事務局:申しわけございません。盛りだくさんで、具体的にどこかといいますとすぐには出ないものですから。表現ぶりが、基本的には1月の答申を踏まえて書いているものでございますけれども、すべてそのまま引用しているわけではございませんで、例えば長い文章を簡略にしたり、ほかの文章を持ってきたり、そういったことをしている中でこういう書きぶりをしたのだと思いますが、再度その原典文はどこから持ってきた等も踏まえて、また見直しをしてみたいと思います。

部会長代理:ちょっと私が補足させていただきますと、今のためにはというのは、実は前の去年1月のときに二、三カ所ちょっと、今から読み返してみると余計かなというところがありまして、今、具体のお尋ねは16ページの一番上、(7)ですね。住民参加を積極的に進めるためには、正確な環境に関する情報を住民にわかりやすい形で公開することが必要である。その見出しが情報提供になっているんです。これが基本形になって、文章につながっているんだと思うんです。ですからこれは、今お話のように、若干うまい表現があれば変えた方がいいなと私は思っています。

部会長:ありがとうございます。
 どういうんですか、もちろんこの答申を受けてここに書いてあるんですが、どちらかというと、これ独立して答申がなければ、これでわかるというような形が望ましいわけですね。今、大体答申の内容をここに書いていただいておるので、そういう意味では非常に忠実な表現でございますが、これがなければこれがわからないということですけれども。

部会長代理:おかしいですよね。

事務局:ご意見を踏まえまして、また検討させていただきたいと思います。

部会長:ほかにございませんでしょうか。
 それでは、次回にも計画部会をさらに予定しておりますので、本日ご説明のあったところに関しましては、大体、これは先ほどから言っていますように、基本的に前回の答申を踏まえた記述でございます。そこで、大体それに沿って書いていただきますのでございますが、おおむねご了承をいただけるんじゃないかと思いますが、まださらにご意見がある場合もあるかと思いますので、一応1週間後の7月21日、金曜日になりますが、をめどに追加のご意見がございましたら事務局の方へご連絡をお願いしたいと思います。それで、本日のご意見と、また追加のご意見をいただきましたら、それを踏まえまして、今まで説明いただいたところにつきまして、次回の計画部会までに私どもと事務局で再度変更案の見直しを行いまして、部会報告案として取りまとめさせていただきたいと思います。それでよろしゅうございましょうか。
では、引き続きまして、海砂利採取についての審議に移りたいと思います。これは資料2につきまして、事務局からの説明をお願いいたします。

事務局:それでは、続きまして海砂利採取への対応ということで、資料2のご説明を申し上げたいと思います。
 もう一度先ほどの資料1の方をごらんになっていただきたいと思いますが、本案も重要な課題でございまして、また、別途資料によりさせていただきましたので、先ほどの資料1から独立して別途お示ししたわけでございますが、資料1の方の7ページをごらんになっていただきたいと思いますが、海砂利に関する現行の計画の記載でございますが、これは7ページの上の方に3、藻場及び干潟の保全等という中の最後の3行ほどに、また海底の砂利採取に当たっては動植物の生育環境等の環境の保全に十分留意するものとするという記述が現行計画で入っておるところでございます。これを今回、項を独立させまして、海砂利採取への対応という形で記述を行いたいという趣旨でございます。
 それでは、まず資料2の方を朗読させていただきまして、まず、1ページでございますが、前回の第5回計画部会での主な意見ということでまとめているところでございますが、主な点を事務局でまとめたものでございます。まず1点目は、委員の皆様の出た意見を集約した内容でございますけれども、海砂の採取が環境への影響が明らかであるのであれば、採取を何らかの形で抑制することが必要ではないかという意見がございました。また、その抑制にかかる具体的な考え方といたしましては、原則としては禁止がいいのではないかという意見と、また一方では、経済面や地域の諸条件の相違等から、そうは言ってもこの採取を続けざるを得ない府県等もあるのは事実だということから、全面禁止は困難ではないかという意見と両方の意見があったということでございます。また、さらに3点目でございますけれども、それをこの部会で判断していくためには、海砂の需給関係がどうなっているのか、さらに重要なポイントとしての代替材の見通しがどうなっているか。また、愛媛県の方の関係団体の方からの意見聴取等も当計画部会で行ったところでございますけれども、その際には、愛媛県の採取海域では砂が回復している。またイカナゴ等に対する影響もない、こういったような事情もございまして、それが、一体その調査結果がどういう評価が与えられるのかと、そういった点についても検討することが重要ではないかというような意見がございました。また、4点目でございますけれども、海域によりましては、海砂の成因や賦存状況が相違していることが考えられる。つまり、瀬戸内海の海砂利といいますのも、どこでも同じような状況で存在しているということではなくて、かなり地域によって成因や賦存状況が違っているのではないか。違っているということが既に明らかになっておりますので、それを踏まえた対応も必要ではないか、こういったような意見が前回の第5回の計画部会ではあったということでございます。
 引き続きまして、2ページにまいりまして、したがいまして、特にこの3点目の需給関係ですとか、代替材の見通し等、データ等に基づいて、現在の海砂利に関する需給関係、代替材の見通し等がどうなっているかという点につきまして、事務局で資料をまとめたものでございますので、まずご説明申し上げたいと思います。これまでの部会提出資料及び関係機関からの意見聴取内容等の整理ということで、実際には新たな資料というよりは、これまでの部会で関係機関からお示しいただいた資料、また、ほかの事務局で用意した資料等が主でございますけれども、それに一部事務局でまた再度見繕った資料も合わせて、今回、再度整理の上でお出ししたということでございます。
 まず、2ページでございますけれども、根本的な問題でございますが、海砂利採取に係る法規制等がどうなっているのかということで、再度確認をお願いしたいと思います。この海砂利採取につきましては、都道府県知事によります砂利採取法という法律がございまして、これに基づきます採取許可の計画、認可が必要である。つまり砂利採取法という法律がございまして、もちろん瀬戸内法とは別な法律でございますけれども、これに基づきまして海砂利を採取する際には都道府県知事の認可がいるということでございます。また、もう1つ規制がかかっておりまして、これは海域の管理のための条例というのが各都道府県で制定されておりますが、これは海といいますのは公物、公のものでございまして、それをだれもが自由に利用することはできないということでございますが、その海域の管理のために各都道府県が条例を定めて、その適正な管理を図っているというのがございまして、その中でも海底の砂をとるという観点では、公のものをとるという観点での許可が必要だという2本がございまして、これらは各都道府県の知事さんにその認可権限がゆだねられているといいますか、各都道府県知事さんがその是非を判断するというシステムになっておりまして、その各都道府県ごとに具体的な中身を定めました採取の禁止区域でございますとか、とっていい区域、さらには採取量、採取期間等を具体的に定めました条例の施行規則、または認可の際の認可要綱、条例の許可に対する許可方針、これは非常に瀬戸内海の場合にも各府県によりまして、かなりバリエーションがあるわけでございますけれども、各都道府県独自にこういった認可要綱等を定めまして、海砂利採取については対応しているということでございます。また、2ポツ目でございますが、この砂利採取法につきましては、砂利採取業を行う者の登録、また、この採取計画の認可、その他規制を行うこと等により、砂利採取に伴う災害の防止と砂利採取業の健全な発達に資することを目的としていると、こういうような法律でございまして、この中の認可、採取計画の認可という形で都道府県知事が海砂の採取に対する認可を事業者に与える、こういうようなシステムになっているということでございます。
 続きまして、3ページをお願いいたします。これはこの瀬戸内海の海砂利の成因ということで、一般に海砂利または海砂と言われておりまして、私も海砂利と言ったり、海砂と2つの呼び方をしてしまう場合がございますけれども、一応ここでは海砂利という形で統一させていただきたいと思っておりますが。瀬戸内海の海砂利というものにつきましては、全国でも海砂利というものはもちろん分布しているものでございますけれども、特に特徴的なものがあるということを前からご説明申し上げているところでございます。特にその成因につきまして、瀬戸内海独特といいましょうか、もちろん他でもないわけではございませんけれども、特に閉鎖的な海域の中で、海底で生産されるものであるというのが、現在採取されている瀬戸内海の海砂利のほとんどであるということをこれまでもご説明してまいりました。
 まず、1ポツ目でございますけれども、この瀬戸内海の海底の砂堆という、砂が堆積している部分がございますけれども、これは瀬戸内海が現在の瀬戸内海になったのは、約1万年前に海が侵攻して現在の瀬戸内海ができたと言われているようでございますけれども、その瀬戸内海が形成された以降に海峡部ですとか、島や半島など、いわゆる海域の中にあります海底から突き出した地形、海底の海の中にあります出っ張った地形、こういったものが潮汐流、この瀬戸内海の海峡部を中心といたしまして、朝晩の一日2回の潮の満ち引き、これによります強い流れが形成されているというのが瀬戸内海の特徴だということは、もちろん委員の皆様ご承知のとおりでございますけれども、それによります海底浸食で生産された、言うならば潮汐流によりまして、海底の岩盤等が浸食されて、それによりましてできた砂が潮流によって再移動して、その潮流の流れに応じて堆積したものということでございます。つまり非常に流れの強いところで岩盤等が削られると、それが潮流によって再移動いたしまして、次第に流れのゆるいところに向かって堆積していく。こういったものがこの瀬戸内海の一般的な海砂利であるということでございます。これは、その生産量につきましては、なかなか特定等が難しいということで、具体的に1年にどのぐらい生産されているのかということにつきましては、まだはっきりわかっていない点があるということでございますけれども、少なくとも非常に長い間、1万年かかって、1万年という前にこの瀬戸内海が形成された以降に、長い時間がかかって生産されてきたものであるということは少なくともわかっておりまして、そういう意味ではすぐに生産されるものではなくて、そういう資源であるということでございます。一方、これは全国にも分布する海砂利の大部分がこういう観点ではないかと思うんですけれども、海岸に分布する砂とか砂浜の砂と、また、河口域に堆積する砂というのもございます。これらにつきましては、風化・浸食等を受けて、山でできた砂が河川などの流れによって海に運び込まれているもの。これが波浪の作用で海岸線に沿って移動したもの。これがいわゆる山からの砂と言われているものでございますが、これが海岸域等には分布しているものでございます。しかし、この上で申し上げました海底からの砂と河川から流れてくる山からの砂と、これらにつきまして、瀬戸内海ではお互いがほとんど移動しないということが研究の成果で明らかになっております。3ページの下の方に細かいところで統計等も書いてございますので、お目通しいただきたいと思いますけれども、現在、ここで私どもが対象にしたいという瀬戸内海の海砂利の特徴的なところにつきましては、海底で生産される砂であるという点が特徴であるかと思います。特にこの2つの図を掲げております。上の方が瀬戸内海の潮流の強さを表しているところでございまして、一番潮汐流の強いときの流速がどのようになっているかということで、瀬戸内海の中でも潮汐流は一様ではございませんで、特に瀬戸と言われているような海峡部を中心としまして、非常に潮汐の際に強い流れがあるということを示しているものでございまして、これは線の濃い方が海峡部が非常に流れが強いということがおわかりいただけるかと思います。
 一方、下の図の方は、ちょっとこれ塗り方の使い方が逆になっておりまして恐縮でございますけれども、これは線の濃いところの方が含泥率を示したものでございまして、底質の含泥率ということで、どのぐらい泥が含まれているかということで、色のということを示しているものでございます。色が反転しておりますのでちょっとわかりにくい点はあるかと思いますけれども、よく流れの速さの強いところと砂が堆積しているところが対応しておりまして、言うならば、流れが強いところに砂が分布しているんだと。流れの弱いところにつきましては、具体的なのが黒く塗りつぶされたところでございますけれども、こういったところは泥が堆積しているところでございまして、こういったところは当然海砂利として採取されるような海域ではないということでございます。具体的には上の方の流れの強いところに分布する海砂利が採取の対象になっているということでございます。これが海砂利の成因ということで、再度ご説明させていただきました。
 続きまして、4ページをお願いしたいと思います。これは以下、利用面からの関係等のデータでございます。まず、骨材の需要と供給がどうなっているのか。海砂利等につきましては、コンクリートとか道路等に使われるということで、よく使われてきているわけでございますけれども、具体的にその需要と供給がどうなったのかということで、ご質問等もございましたので、ご説明いたします。
 まずこの骨材、海砂利も含めました骨材全体の需要でございますけれども、平成10年度で全国で7億3,500万トンでございます。これらは骨材というのは主にコンクリート用、それから、道路等用ということに使われるものでございますが、うち、コンクリート用が約7割を占めているということで、骨材というのは7割という非常に大きな割合でコンクリート用に使われているものであるということがまずおわかりいただけるかと思います。それから、一方供給の方でございますけれども、その7億トンの供給に対しまして、それに匹敵する量も供給されておるわけですが、具体的な供給はどのようなもので供給されているかといいますと、まず供給の欄を見ていただきますと、砂利と砕石とその他というところがございまして、具体的には、砂利といいますのは天然でございまして、それが2億8,900万トン。右側の砕石、これはご承知のとおり、山の石をとってきて、これを砕いたという、人が手をかけてつくるものでございますが、人工的なものでございますが、これが4億3,000万トン、59%、その他、これはスラグと軽量骨材等でございますが、2%ということでございまして、これは非常に小さい数字でございますが、砂利が2億8,900万トンということで、天然の砂利は約39%をそのうちで占めていると。その内訳でございますが、この天然の砂利の中でも山砂利、陸砂利、河川砂利、海砂利ということで、また細部に分かれております。このうち、山砂利、陸砂利につきましては、陸上で採取されるものでございます。特に東日本を中心として採取されたものが多うございます。それから、先ほども出てまいりました河川砂利、これは山から河川に流れてきて河口域に堆積したものでございます。それから、海砂利でございます。全国的には6,700万トンということで、全体の骨材の供給量から見れば、100%のうち9%が海砂利の供給をしている、こういうような状況でございます。この※印で説明がございますけれども、そもそもこのように、この骨材につきましてはコンクリート、さらに道路というような形で、社会資本整備に使われるものでございまして、非常に社会資本整備に不可欠な資源という非常に有益な資源であるというのがまずございます。また、そのうち骨材の7割程度はコンクリート材に使用されている。主に骨材はコンクリートに使用される。また、海砂といいますのは、そのほとんどがコンクリート用に使用されている。海砂というのは非常に粒子が細かいものでございますので、コンクリートに使用されてございまして、繰り返しになりますが、社会資本整備に不可欠な資源であるということでございます。また、砕石につきましては、この砕石を砕きまして、砕砂と呼んでおりますが、細かい石にしたものを含んでおりまして、これは平成10年度で3,500万トンの出荷がございますけれども、天然砂利は一般的に確保難という傾向がございますので、依存割合は増加傾向にあるということでございます。これは砕石の中に砕砂は1割以下でございますけれども、これを含んだ数字ということでございます。
 続きまして、天然の砂利の採取量が具体的にどうなっているかということでございますけれども、これは大変恐縮でございますが、上で掲げた供給量につきましては、単位がトンということでございますけれども、下の方は、資料の出所が違っておりまして、単位が100万‰でございまして、単位が違っておりますので、ちょっとわかりにくい点は大変恐縮でございますけれども、おおむね1.8、およそ2でございますけれども、‰の方に2を掛けますとトンになるということで、そういった意味で換算が可能でございますので、ごらんになっていただきたいと思いますが、統計で明らかになっております全国の海砂利採取量、上の方の供給量で掲げた採取量の再計したものと考えていただければわかりやすいかと思いますけれども、全国で海砂利につきましては、1億3,700万‰生産されております。うち、この割合でございますけれども、この右側に海砂がございまして、3,400万‰で全国で生産されております。これはこの砂利採取量のうちの25%を占めております。その下の数字でございますけれども、砂利といっているものは大きく分けまして、径が5ミリ以上の通常砂利といわれるものと、5ミリ以下の砂といわれるもの両方含んでおりまして、あとそれ以外にそれよりも大きい玉石というものもございますけれども、そういったものを含んで、全体で砂利と言っておりますけれども、海砂の場合にはほとんどが細かい5ミリ以下の砂でございますが、これが3,100万‰でございます。ほとんどが砂でございますけれども。全国では3,400万‰とられているということでございますが、その下に瀬戸内海11府県では実際にどのぐらいとられているのかということを見ますと、全体では2,300万‰ほど瀬戸内海では砂利がとられております。その中の内訳がここに書いてあるとおりでございますが、山砂利が0.5、陸砂利が0.4、河川砂利が1ということで、こちらの陸を起源とする砂利につきましては、非常に少ない割合でございまして、海砂利が2,000万‰ということで、全体の88%、9割方を占めているということでございまして、これは山の砂利資源が非常に乏しいということもございまして、瀬戸内海沿岸の11府県では、採取される天然砂利のほとんどが海砂利であるという形をデータで示されております。また、具体的に、その下のポツでございますけれども、これは11府県ということで、瀬戸内海海域以外を有する県もございますので、その中で実際に瀬戸内海の海域からはどの程度とられているということになりますと、2,000万‰のうちの1,400万‰、そのうちの約64%が瀬戸内海の海域からとられているということでございます。具体的にはここに掲げました6県で瀬戸内海海域での海砂利採取が行われておりまして、大きな順には、香川県、愛媛県、岡山県、山口、福岡、大分、この6県で海砂利の採取が行われているということでございます。山口県と福岡県につきましては、県全体での採取量はご報告ございますけれども、これは瀬戸内海海域以外の玄界灘地域というところで採取がされておりまして、瀬戸内海海域での採取はこのようになっているところでございます。このように、瀬戸内海におきましては、ほとんど海砂利に依存している状況だということでございます。
 それから、5ページにまいります。一方、消費量がどうなっているかというデータでございます。これは適切なデータを探しましたが、全体の消費量がどうなっているかと、各府県でどうなっているかというデータがなかなか適切なものがございませんで、唯一お出しできたのがこの資料でございますけれども、これは生コンの消費量のデータというのがございまして、これもすべての生コンということではございませんで、注の方に月産1万4,000‰以上の事業所を対象とした調査ということで、大規模な事業所での調査ということでの資料がまとまっておりますので、これをお出ししましたが、ということで、すべての消費量を表したものではないということは頭に入れて見ておいていただきたいと思いますが、まず、これは全国の生コンとしての原材料の消費でございますが、セメントが36、単位は100万トンでございますので、3,600万トン使用するのに対しまして、生コンの場合には骨材というのが86%を占めておりますが、全体で2億2,000万トン、骨材を有しますが、その中に砂利と砂がある中で、砂につきましては1億100万トン消費されている。その中で内訳がございますとおりに、海砂につきましては1,900万トン利用されているということでございます。また、その下に人工骨材と高炉スラグというのがございますけれども、これは実際には非常に少ない量しか使用されていないということでございます。そのうち、瀬戸内海の関係の府県で生コンの原材料として海砂がどの程度使用されているかというデータがございましたので挙げてございますが、これは掲げてございます関係県で海砂ということで使用されております。大阪府、兵庫県、それから和歌山県、特にアンダーラインを引いたところにつきましては、大阪、兵庫、和歌山については、自分の県では、それらの県では海砂は実際は現在は採取されておりませんので、実際に海砂を使用しているということは、どこかほかの海砂を持ってきているということでございますけれども、そういったところでもこれだけの量が実際に生コンに使用されているということでございます。また、それ以外にも岡山、広島等海砂が利用されているところでございますけれども、それを合計いたしますと、1,380万トンということでございまして、これを合計した数字を比べますと、全国で生コンに使用される海砂の73%は瀬戸内海関係の地域で使用されているということで、非常に全国的に見ましても、瀬戸内海関係府県は海砂に依存する率が高いということがおわかりいただけるのではないかと思います。また、下のポツでございますけれども、実際に今申し上げましたとおり、アンダーライン、波線を引いたところを比べていただきますと、実際に大阪府、兵庫、それから、徳島につきましては、海砂の採取は現在ないわけでございますけれども、そこで使用されている海砂につきましては、 これは具体的に県の間での海砂の移入のデータは公表されたものはございませんけれども、私どもで調査したところによりますと、主として香川、岡山等からの海砂利がこういった府県には移入されているということでございまして、採取されておらない県につきましても、やはり瀬戸内海の海砂利に依存しているんだというのが現状であるという状況が明らかになっております。
 それからまた、次の資料でございますけれども、広島県におきます砂の需給状況ということで、これは関係機関からの意見聴取という中で、広島県からの担当者の担当課の方でおいでをいただきまして、ご説明いただきまして、その際に提出していただいた資料から掲げてございますけれども、広島県はご承知のとおり、現在では海砂利の採取を禁止しております。これは平成9年度に当たりますけれども、平成10年度2月に海砂利の採取を一切禁止したところでございます。その後の、海砂利を採取した後、実際に広島県でどのように砂の使用状況がどう変わったのかというようなご質問がございましたので、これを出させていただいたところでございますが、まず(1)の方の生コンクリート用の砂の需要量の推移でございますが、これは使用量と考えていただいて結構かと思いますけれども、8年、9年、10年と変わっておりまして、中に海砂というものがございまして、83万‰から36万9,000‰に使用量は海砂利採取禁止後に落ちてはおりますけれども、実際にこれだけの、使用禁止後も海砂利が使われていると。37万‰の海砂利が広島県においては使われているということでございます。また、右の方の加工砂、これは風化花崗岩を採取しているものだということでございますが、それから砕石を砕いた砕砂、こういったものも生コン用の砂として使われますが、これは多少需要がふえておりまして、海砂の使用が減少した分についてのかわりの役目を果たしているというような説明がございました。それから、(2)の方の、これは港湾・海上工事での砂の使用量でございますが、これは平成10年度のデータしかご提示いただいておりませんでしたけれども、禁止後の平成10年度におきましても、海砂につきましては18万1,000‰ほど使われたということでございます。これは以前はほとんどが海砂を使用していたということでございますけれども、禁止後は特にスラグ、加工砂をということで代替を図ったということでございますが、それでもやはり18万‰ということで、禁止後も依然として継続的に使われているということがおわかりいただけるかと思います。以上が砂の消費の関係の資料でございます。
 続きまして、6ページをお願いしたいと思います。6ページが海砂の代替品の見通しの関係の資料でございます。この海砂の採取を検討するにあたりましては、実際に海砂の代替品の見通しがどうなっているのかを明らかにした上でないと、その検討が、方針が出せないのではないか、このようなお話がございまして、これもこれまでも事務局の方で説明した資料を再度整理した資料でございますが、お示ししたところでございます。
 まず、海砂の代替品につきましては、人工的なもの、さらには天然なもの、いろいろございまして、いろいろなものが考えられるわけでございますけれども、それを逐一整理いたしました。まず初めに、天然のものでございますが、海砂利以外の砂利についてはどうなのかということにつきましては、先ほども4ページの方で一部ご説明いたしましたとおり、現在でも西日本ではほとんど海砂利に依存しているという状況でございまして、山砂利、陸砂利につきましては、西日本では地形的な要因がありまして、賦存量そのものが少ないということでございます。また、河川砂利につきましても、近年河川の環境保全という点から採取の規制が厳しくなっておりまして、昔から比べますと採取割合が大幅に依存していると。現在でも4ページの資料では5%程度ということで、非常にこれも近年は採取割合が低いということでございます。 また、ダムの堆砂というものが、近年問題となっているところがございまして、これが代替材で使えるのではないかと、こういったようなご指摘もございましたが、これは実際に事務局の方で調べましたところ、ダムの堆砂はいろいろなものが山から流れてくるので、実際に骨材として使うためにはその分別が必要であると。また、分けて要らなくなったものの廃棄されるものの処理が必要である。また、ダムというのは山奥にございますので、特に骨材といいますのは、一般的には骨材の販売価格の半分程度が運賃であるということで、採取後コスト等もありますけれども、運搬費用が非常に価格に反映するものであるということで、特にこのダムの堆砂につきましては、運搬コストが非常にかかってしまうという、非常に問題があると。また、そもそも発生量自体も全国で200万‰ということで、現在、全国で3,400万‰の海砂が採取されておるわけでございますけれども、それに比べましたら、非常に少ない量の発生量しかないということで、ダムの堆砂につきましては、この海砂の堆砂については難しいと考えられるものでございます。
 次が人工の代替材でございます。まずコンクリートというのは既に使用されておりまして、これも廃材を再利用する再生骨材というのがございまして、これを代替に使えないかということでございますけれども、これは非常に粒が大きいというものでございまして、主に路盤材ということで、粗骨材に使用されるという点はございますけれども、海砂が使用されます細骨材、粗骨材としては使用されておりますけれども、品質の確保、低コスト化が困難ということで、非常に現在でも問題がございます。その上、海砂というものは、細骨材ともう少し細かい骨材ということで利用されておりますので、粗骨材でも現在需要が困難ということがある以上に、海砂の代替ということでは品質確保等に問題があるということでございます。次の金属精錬時に発生する鉄鋼スラグというものでございますが、これには鉄鋼スラグには転炉スラグと高炉スラグという2種類がございますけれども、まず転炉スラグにつきましては、その性質上、コンクリート用の骨材には適さないということでございまして、通常は道路用、土木用に使われるということでございます。高炉スラグにつきましては、これはコンクリート細骨材として利用も可能であるということで、現在も技術が開発されているということでございますけれども、その多くはセメント用の原料としても使用が可能ということでございまして、その7割がそちらの方に利用されているということで、現在コンクリートの細骨材として利用されている実績は100万トン余ということで、非常に少ないものでございます。また、全生産量につきましても、2,300万トン余ということで、骨材供給量の3%でございまして、仮にこれを全量コンクリート用細骨材に転用するといたしましても、3%程度しか賄えないということで、なかなか代替材にはなり得る可能性は少ないということでございます。また、それ以外の人工代替材といたしまして、石炭灰でございますとか、建設汚泥を焼き固めたりしまして、人工代替材に利用するという可能性がございまして、現在も開発、利用等が進められておりまして、一部実用化されている点はございますけれども、いずれも品質的な面、また、量的な問題があるということでございます。これは具体的な数字は挙げてございませんけれども、量的にも非常に少のうございまして、代替材にはなり得ないということでございます。かつ品質上も大きなものの粗骨材の代替にはなり得る可能性はあるということですけれども、コンクリート廃材の再生骨材と同様に細骨材、細かい砂の代替には現在でもなり得ていないというような技術開発上の状況だということでございます。
 続きまして、砕砂、石を人工的に砕きまして、細かい砂にする砕砂というものにつきましてのご説明でございます。これは既に現在でもコンクリート用の細骨材といたしまして、先ほども4ページの中段でご説明いたしましたけれども、現在でも既に3,500万トンの生産がございまして、全体の骨材の1割以下ではございますけれども、生産はされております。ただし、これにも問題がございまして、もともと砕砂というものは山で岩石を採取いたしまして、それを人工的に機械でもって砕いて、細かくして砂にするというものでございますけれども、もともと石をとってくる、砕石を行うというもの自体が、山を取り崩してとってくるというものでございますので、環境保全上の制約がございます。具体的にはその地域の自然破壊を促すとか、騒音、振動の発生、こういったことで全国的にも環境保全上の問題があるようでございます。また、その砕砂をつくるためには、石を砕きますときに細かくなります石の粉、これはもう使いようがございませんので、これをどう処理するかという問題や、また、生産設備に多額の経費が必要だということで、そんなにすぐに、仮に技術的には可能でありましても、現実的には経費の問題もございまして、難しい問題があるということでございます。
 それから、マサ土というのがございまして、西日本では山砂利、陸砂利につきましては、非常に資源が少ないのは一番上段でご説明しましたが、西日本につきましては、一方で風化花崗岩、ご承知のように、西日本では花崗岩が広く分布しているわけでございますけれども、それが風化されたマサ土というものが広く分布しているというのは皆様ご承知かと思いますけれども、これをまた山からやはり同じようにとってまいりまして、整粒すると、ふるいにかけまして洗うと、こういった作業を行いますと、技術的には細かい砂もとれるということがございます。一部試験的に施工されているということでございますが、技術的にはそういうことが既に開発されておるようでございますけれども、これも問題がございまして、洗浄時に発生するシルト、細かい石の粉、それが発生しますのでそれをどうしたらいいか。そのためにはさらに洗浄しないで使用できないかと。こういったシルトの発生が大きな問題になりますけれども、これも技術開発を行っておりますが、まだいい方法がなかなか見つからないということで、実際に難しいという点がございます。また、これは砕石と同様でございますけれども、山からこのマサ土を採取しなければならないということで、同じように採取が近年環境保全上の観点からの制約を受けているということで、大きな問題がございます。
 最後でございますけれども、砂の輸入という点がございます。これは日本の近隣諸国でございます中国、台湾等の、日本国内ではなかなか全体の需要が逼迫しておりますので、それでは海外から持ってこれないかという観点の代替材という観点ではあるかと思いますけれども、これも前にお出しした資料でございますけれども、現在の実績では、年間100万トンから200万トンの天然の砂が中国、台湾等から輸入されているという実績がございます。ただし、これも量から見ますと、我が国の砂の消費量の1%程度にしか過ぎないということでございます。 そういう意味では安定供給の確保という意味では非常に難しい問題があります。また、天然砂の採取等につきましても、やはり我が国の中でも問題がありますとともに、輸出国の方でも環境問題もあります。また、先ほどの基本計画の中でも出てきたのでございますけれども、有害な微生物がこの天然の砂に入ってきているというふうな、それが万が一海でもって、例えばプランクトンが海で乗積すれば、瀬戸内海の環境上問題となってくると、そういった点もございますので、環境保全上の問題もございます。こういった点もございまして、これも海砂の代替にはなかなかならないんじゃないかということでございます。
 以上、こういった点を踏まえますと、技術的な点、さらには量的な確保という観点からいたしますと、現時点では海砂の代替材といたしましては、砕砂以外につきましては代替になる可能性は非常に少ないと考えられるわけでございます。また、この砕砂につきましても、今、ご説明したような問題点が存在いたしまして、実際にこの海砂を全面的に代替することには非常に困難性があるのではないかというふうに考えられておるところでございます。
 続きまして、7ページにまいります。それでは、現在愛媛県で採取が行われておりますが、愛媛県の状況につきましてどうなっているかというご質疑がございましたので、愛媛県の具体的な状況を例にとりまして、資料を整えたところでございます。
 まず、現在、愛媛県につきましては、海砂の採取量は約400万‰でございます。
 これも単位が2つありまして恐縮でございますが、これは重量換算いたしますと、約、右の括弧の中でございますが、730万トン程度。これが平成10年度に実際にとられております。 愛媛県の場合には、この採取の認可に当たりまして、県外の搬出禁止というのを条件づけておりまして、香川県や岡山県と違いまして、そのすべてを県内で消費しているというようなことでございます。一方、砕石の出荷量がどうなっているかといいますと、これが760万トンほどございまして、量的には海砂と砕石がほぼ匹敵する程度の出荷量がございます。これは砕石につきましても、県内の出荷量が720万トン余と、全体出荷量の95%ということで、そのほとんどが県外に出ることがなく、県内で処理されているということでございます。これは言うならば、先ほども申し上げましたように、運搬に対して非常に大きなコストが、価格の中で占めているということもございまして、そもそも砕石自体、余り材料としては大きな移動性はない資源だということが反映しているかと思いますけれども、これもそのほとんどを県内に出荷されているということでございます。うち、コンクリートの砕砂につきましては、内数でございますが、150万トンほど実際に生産されておりまして、全体の20%ほどを占めておりまして、実際にそういう意味では海砂利にかわるものとして、同様なものとして利用されているわけでございますけれども、現在でも150万トンほどということでございます。仮に、これは事務局の方で整理したものでございますけれども、現在使われている海砂利、730万トンと砕砂で代替しようとするとどうなるかという計算をしたものでございますが、砕砂をつくる際にすべて砂にはなりませんので、7割程度でございますので、それでもって割ってやりますと実際に全量を代替しようとすると1,049万トンほどの、1,000万トンを越える新たな砕石が必要であるということになります。そうしますと、現在でも760万トンの砕石が陸域からとられているわけでございますけれども、さらにそれの1.4倍の新たな砕石が必要になってくるというのが、計算上明らかになります。それを仮に入れますと、ポツでございますけれども、特に愛媛県の場合には皆さんご承知のように中国山地等とも比べまして、非常に急峻な地形を有しておりますけれども、この量の砕石を実際に確保しようとする場合には、山から、当然山を崩して砕石するものをとってこなければならないわけでございますけれども、山間部で新たな自然改変等の環境問題を併発することになると。実際に山での、海でだめなら山からとってくればいいのではないかということには実際にはならないということだと思いますけれども、実際に山間部での自然改変等の環境問題を引き起こすことになりますので、海砂の全量を砕砂によって確保しようとすることには困難ではないかというふうに考えられたところでございます。
 それから、愛媛県の方でこれまでの意見聴取等につきまして、愛媛県の砂利採取組合の方が行いました賦存量の調査結果についてご説明がありました。その中では海砂利資源が回復しているのではないかといったようなご主張もございまして、それに対する実際の評価がどうなのかというのを当たってみる必要があるというお話がございましたので、事務局の方で具体的に、愛媛県さんの業者組合の方でお出しになられたデータにつきまして、実際に瀬戸内海現地で研究されている学識経験者の方がございます。また、それ以外の調査等の経過もございまして、そういったものを事務局で当たりましたり、また、実際に学者の先生方にも事務局でお聞きしたりして、事務局として見解をまとめてみたものでございますが、まず、その調査結果の概要でございますが、砂利採取組合でご発表いただいたものは、調査は愛媛県の認可要綱というのがございまして、それに基づきまして、県の職員が立ち会うということが要綱でも決められておりますが、その上で実施した結果についてでございます。これは採取海域において、深浅測量、それから、最新の機械に基づいた音波探査によりまして、海底の地形を調査するというものでございまして、それを従来の海域の設定時と再調査時を比較したものでございます。その結果といたしまして、海底面から40m以内には岩盤等は存在せずに、非常に厚く砂が連続して賦存しているのが確認されていると。また、イといたしまして、採取前と現在では海底の状況に余り変化がなく、すべての海域で砂が再生される海域である。砂が集まってくる海域であると、このようなご発言がありました。これに対しまして、私どもでそれに対してどうかということで検討いたしましたところ、まず、この砂の再生される、砂の集まってくる海域ということに対しましてはどうかということになりますと、先ほどご説明申し上げました海底の砂の成因と、瀬戸内海の海底の砂の成因からしますと、海峡から直ちに砂が生産、供給されるというよりは、やはり同じ地域の中にある砂が側方から移動してきて、採られた跡が関係してくるのではないかという可能性は十分考えられるのではないかということでございます。ただ、ご主張のように、砂が本当に再生するのかどうかということにつきましては、もう少し周辺海域等の広範な調査をしてみた上で判断されるものではないかというふうに考えられるということでございます。また、もう一つ、この採取海域において、イカナゴが生育、産卵場所ではないと、こういうものが見られないという質問がございました。これにつきまして、一方では広島県等ではこういった地域でもって、採取が行われているというような調査結果も出ておりまして、実際に愛媛県ではどうなのかという観点でございますけれども、これはイカナゴの生息条件は同じような砂の粒度等でありましても、それ以外にもいろいろな条件がありますことから、必ずしも産卵場所でないということにつきましては、否定ができないのではないかと考えるものでございます。産卵場所ではないことにつきまして、それも十分あり得るということでございます。
 大変長くなりまして恐縮でございますけれども、以上が海砂利の採取に対します、事務局でまとめました資料でございます。よろしくお願いいたします。

部会長:どうもありがとうございました。
 海砂利の実情について詳しくご説明いただきましたが、これを踏まえまして、ただいまの質問に対してご意見、ご質問をお願いいたします。

委 員:一つ一つのご説明についても一、二あるんですが、それは時間の関係もありますから、 後で必要に応じて申し上げるといたしまして、基本的な問題を一つ提起をしたいと思います。確かに現在の状況では代替材はコスト的に非常に問題がある、そういうものが多いということはあると思います。ただ、環境関係の対策というのは、環境庁ができてからの数十年間の歴史を見ても、大抵の規制は最初はそういう話をしていたんです。例えば、自動車の排気ガスについてもそうでありましたし、そのほかについてもみんなそうだったんです。規制をかけることによってどういうことが起きるかというのを経済学、学というと大変、私は経済学者ではありませんから、経済論的に申し上げますと、規制をかければ供給が減るわけですね。供給が減れば値段が上がるんですね。値段が上がれば代替材の開発を誘発するわけです。需要も減るんです。そういう形を通じて、技術の開発と環境の保全というのが相互に、後になり先になりながら進んできたというのが環境問題の規制に関する最近の経験だと思うんです。そういう観点がどうもあるのかないのかということを今のご説明を聞いていて、私は大変疑問に思いました。そこのところがやはり基本的な問題だろうと私は思っておりまして、やはり、今申し上げましたように、今まで環境庁がいろいろな点についておやりになった、そういうプロセスを踏んできた、今、おやりになろうとしている炭素税というんでしょうか、何というのでしょうか、名前がいろいろありますけれども、そういうものについても、つまり石油の消費を減らすために値段を、これはもう税金で上げるという、そういう方法があるわけですね。ですから、100%禁止をできないときにも、経済的にそういう外挿的にでもそういう手法をとろうというのが環境政策です。この問題はそういう外挿的に税金をかけるんじゃなくて、強い規制をかけることによって、新しい均衡点に物事を持っていくという伝統的な環境庁の行政そのものじゃないかと、そういう道筋を私はとっていただきたい。というのが基本的な問題点だと私は思います。

水質保全局長:ちょっと今、担当室長の方がコストの議論をかなり強調いたしまして、私どもの真意はそこにはございません。そこだけは明確に申し上げておきます。要するに物理的に見まして、需給関係上、仮に海砂の採取をやめた場合にどういった需給関係になるのか、代替材を求めていく際にどういう新たな環境負荷が生じるかという観点から整理したものでございまして、非常に説明上誤解を招く点が多々ございました点はおわび申し上げたいと思います。そこは全然私どもの真意ではございませんので、まさに委員のご指摘どおりでございまして、そこの点はちょっときちんと、私どものところで議論した真意はそこにあったとちょっと強調させていただきたいと思います。

部会長:ありがとうございます。
 ご意見ございませんか。海砂の問題は非常に重要な問題でございますので、ご意見いただければと思いますが。

委 員:今、ご説明いただきました資料につきましては、事実関係を大変よく調べていただいておりまして、経済的にどうであるかという観点ではなくて、むしろ資源として必要なものについて客観的にお調べをいただき、大変よくわかる、納得のいく内容であると考えております。経済界から審議会に出席させていただいた者としましては、大変わかりやすくて、非常に納得性があるものだと、考えております。

委 員:室長がせっかくおっしゃったのに、もう一度発言してまことに申しわけないんですが、今のご発言に関連して、やはり資源として計算をするのと経済とが別のものであるというふうに皆さんが思っていらっしゃるとしたら、それはそうではない。資源の問題というのは資源の問題である。その資源の利用の問題は、規制をかけて価格が上がれば、その資源を使わなくて代替資源の開発を促すということになるわけです。ですから、現状の状態で経済的な要件を前提とした資源論になっているんですから、これは。ですから、これはちょっとおかしいんじゃないかという意味でありまして、資源論と経済論を切り離して議論をされたとしたら、それはちょっと議論の道筋が違うと。この種の問題は両方を一つのフレームの中で整理をしていくたぐいのものではなかろうかというのが私の考え方です。そうでありませんと、石油の問題であるとか、ある意味では地球環境というのはそれ自体が資源でありますから、そういう問題について経済論の手法が入ってくる余地というのがなくなってくるわけです。ですから、そこは非常に難しいんですけれども、その難しいのをやるところが環境問題の、環境政策のポイントだろうと私は思っておりまして、資源論と経済論は別のものではないということを私はもう一度強調しておきたいと思います。

委 員:委員はそうおっしゃるんですけれども、砂というのは一番原始的な材料なんですね。これの代替品というのはないんですよ。ですから、瀬戸内海で2,000万‰の海砂利をもしやめなさいとしたときに、ではどこから持ってきますか、代替品というのは何が考えられますか。

委 員:私が申し上げているのは経済論を申し上げているわけでして、全部やめた方がいいかどうか、あるいはその半分にした方がいいのかどうか。3分の1なら許せるのかということは、これは新しい均衡点という言葉で申し上げたのは、そういうことなんですね。全部やめたらだめになるからやめられないんだという議論ではないだろうと、それは何割やめたら値段がどれだけ上がって、需要がどれだけ減るか。今のとおりの需要が本当に環境問題を含めていいのかどうかということが問われると思うんですね。例えば自動車の問題でも、自動車の売上は減るかもしれない。しかし、それはしようがない。なくするというわけじゃない。だけど、このくらいは減ってもしようがないということが含まれているわけでして、現在の需要をそのままにして、その数量がないから困るというのは私はちょっと筋が違うんじゃないかというふうに思います。

委 員:ほかの分野ですと、それは経済論からいきました新しい代替品が出てくる可能性がありますけれども、この場合に、では具体的に代替品というのがどういうことがあり得るのか。

委 員:代替品はその可能性としては、砂利の値段が上がれば代替品の出てくる可能性というのはプラスにあると思います。それでも全部代替するのは難しいかもしれません。値段が上がれば、公共事業の量を減らさざるを得ないということになるかもしれません。民間の設備投資にマイナスの影響が出るかもしれない。それをやるかどうかです。というのが環境政策なんですね。ですから、水質規制だって、大気汚染の規制だって、みんな経済には、ある断面でいえばネガティブなインパクトがあるんです。しかし、それをやるかどうかというのは政策判断です。その政策判断についてのご意見のあることは十分承知しております。私とほかの方と意見が違うかもしれません。しかし、それは政策判断なんであって、それ以上のものではないということを申し上げておきたいと思います。

委 員:私はその代替品というのが具体的にどういうイメージを考えたらいいのか、値段が高くなったらどこから来るのか、そこがもう一つ見えないので、ちょっと委員のご意見についていけなかったというわけです。

委 員:その点についてもう一言申し上げますと、いつもそういう規制を反対する方からはそういう議論が出たんです、過去の実態を見ますと。だけれども、規制をかけることによって、結果的に多くの場合に技術開発が進んだ、これは非常に厳しい道なんですけれども。

委 員:砂の場合には技術開発とかないですよ。

委 員:いや、それはそうは思いません。それは今のコストの問題だということを強調されたということは技術開発の可能性があるというふうに私は考えているわけで、その点は今のご意見には同意はできません。

委 員:この資料は現状の資料だと思うんです。つまりデータを環境庁が提示してくださったわけですから、このデータに基づいて意見を誘導しようという話ではなかったような気がします。ですから、これはあくまでもこれまでの取り組みと、その技術をいわゆるここでまとめたという次元であろうという気がします。だから、ここからこれに基づいて、今の谷野先生のお話のように、さてどうするかというのをこれから議論すべきであって、これはこれで必要な資料でしょうから、ここにのっとった上でその次の話に持っていくべきだという気がするわけです。環境庁が別にこれにのっとってどういうふうにその話を持っていこうとしておるのか、そういう気があったのかどうかもわかりませんが、これはこれでデータとしてきっちり受けとめるべきだという気がします。これは現状の話だと思います。

部会長:はい、わかりました。ほかにございませんか。
 ちょっと先ほどのご意見の、私がこういうことを申してはどうかと思いますが、供給量の問題でこの資料の4ページですか、上から2段ですが、全国の7億3,500万トンのうちで海砂利の供給が9%であるということで、59%が砕石ですよね。だから、供給はどうなるか、コストの問題は別として、そのあたり、今度は砕石の方がふえるかというようなことを全国視野で見れば、このあたりで供給をどう持っていくかによってカバーできるのではないか。もちろん砂の場合は場所の問題が非常に大きいですから、そのあたりを勘案すると簡単には言えないですが、量的な関係で言うと、ある程度それほど問題にならない数字になるんじゃないかと、このデータだけを見たらそんな感じがいたします。私がこんなことを言って申しわけないんですが。

水質保全局長:ちょっと私どもも議論をいたしました。ちょっとご留意いただきたいんですけれども、要するに海砂利を砕石で代替するという可能性があるじゃないかという、このデータが示唆しているんじゃないかというのが部会長のご指摘だと思いますけれども、その場合に2つご考慮をいただきたい。1つは砕石は自然自体を改変せざるを得ないのが1点。もう1つ、砕石について非常に依拠しているのが東日本中心だと。そうしますと、この4ページの下のところの海砂への依存が瀬戸内海で200万‰、これはトン数にいたしますと400万トン前後でございます。そうすると4トントラックで100万台、東日本から西日本に移動しなればいかん。そうすると、私どもといたしましては、大気の方からいろいろなクレームがくるだろうということを考えなければいかんというような議論を内部ではしておりました。したがいまして、私どもの観点は、確かに瀬戸内海の海砂に、今環境問題懸念、非常に集約されておりますけれども、我々が今、達成しなければいけないのは、総体として環境負荷を軽減する中で、最善のオプションというのは一体何なのかということをどういうふうに考えていくかという議論をするベースにこのデータを何とかご活用いただいたらと、こういうことでございます。

部会長:ありがとうございます。何かございませんでしょうか。
 環境問題、これはトータルで考えなければ、局長のおっしゃったように、山を削ればまた問題だというようなことで、無傷にならないわけですね。そういうことを踏まえてこれを議論するので、非常に複雑なわけなんですが、この複雑方程式を解かなきゃならないということになるかと思いますが。

委 員:複雑なことはだめだと思うんですよね。複雑なものは解が出ないと思います。
 それで、やはり私この前も申し上げましたけど、基本的にこれは閉鎖性水域である瀬戸内海の水質保全の保証のためにどうあるべきかという議論をする場だと思うんですね。そこで大気汚染の関係だとかその辺までここでしんしゃくしていたら、とてもじゃないけど方針は出てくるはずないと私は思います。問題は海砂利の採取が水質にどの程度影響を与えているのかということを、私は実際は海砂利採取の度合いについて一切したことがありませんが、いろいろな状況についてはものを読んだり、あるいは大分県の沿岸であれば、漁業被害の問題等を聞いているわけですね。そうしますとやはり僕は、ここではやはり海砂利というのは水質保全に関して少なくともネガティブな要素であるならば、これをどう少なくしていくかという、そこの観点で議論しなければ、全体的な議論でここでやっていたのでは、とてもじゃないけれども、解答は出てこないと私は思いますが。

部会長:ありがとうございます。

委 員:もちろん今、おっしゃっいましたように、瀬戸内海の環境保全が第一義的ではあるんですが、瀬戸内海がよければほかが、極端に言ったら山が崩れてもいい、どこか悪くなってもいいということではやはりないんですね。これからの環境問題というのは、やはりどうクロスメディアでものが見られるかということを考えなくちゃいけない時代にやはり入ってきているわけで、そういう意味で大気局とか水局というものが21世紀からなくなるわけなので、その辺のところは、瀬戸内海の環境保全をやったときに、幾つかの影響が多分ほかの分野から出て、それをどの程度かということでほかの影響も少なくして、しかも最大限環境保全につながる環境保全をやると。こうしていかないと、瀬戸内海がよくなったけど、ほかがみんな悪くなったというふうな極端なことはないと思うけれども、そういうことがあってはもちろんいけないんで、そういうことのないように、やはり総合的にやるという意味では、何とか局とか総合管理局というんですか、いろいろなことが今度は環境省のいろいろ局の名前、課の名前もそうなっているんで、ぜひ私はそうしていただきたいと思います。

部会長:ありがとうございます。

委 員:私が申し上げたいのは、全く無視していいというわけではなくて、例えばPHメーターの針を合わせるときに、中性付近で合わせて最初に合わせますね。中性付近ではきちんと合わせなきゃいけない、それを交互に合わせながら一番いいところに持っていくようにするわけで、そしてこっちで瀬戸内海のことを考える人は相手のところだけ斟酌していたんでは、とてもじゃないけど針は決まらないと思うんですよ。ですから、そういう面でネガティブな部分について、閉鎖性水域のネガティブな度合い、その辺のことをもうちょっと議論、度合いも含めて。そして、ここは実際そういう研究に、現場に携わっている方がいらっしゃるのであれば、被害をほとんど無視できるのであれば、海砂利そのものというのはそんなにわいわい言うほど大したことないんだと言うのであるならばですが、私はどうもそういうふうに思えないものですから、その辺はいかがでしょうか。専門的、渡邊先生あたりどのようにお考えなのかを。

委 員:私は確かに生態学が専門だということにはなっておりますが、海はやったことがありませんで、そういうふうにお答えする資格はありませんけれども、ただここで、海砂利採取への対応というところで、前回第5回計画部会での主な意見、これちょっとどなたかのご意見だったかはっきりしないんですが、環境への影響が明らかであれば採取を何らかの形で抑制することは必要だという、これ明らかであればというのが非常に難しいわけですね。近ごろ、大学なんかでも自己評価とかいうのをいっぱいやって、論文を書けと言われているんですけれども、我々、生物のフィールドでやっている人間は非常につらいわけですよね。だから、普通の実験室でちょこちょこっとやっている人に比べると何倍も時間がかかっても大したことはわからない。フィールドでやってわかったとしても、幾らでもそういうあいまいな部分というのはまだ残っている。だからさらにやらなければいけない。影響がはっきりするのを待っていたら、これはいつのことかわからないわけで、影響がはっきりしたときにはもう完全に手おくれになっているということになるんじゃないかと思うんですよね。だから、我々生物学の立場から見れば、砂利採取にしても埋立てにしても、まさに生物が住んでいる、生物のハビタットがあるんですから、そこをとる、そこを埋立てる、影響がないわけないという立場に立たざるを得ないわけですね。だから、影響がはっきりしないからないということではなくて、十分な安全度を見込んだ、十分な安全側に立つというのが基本だということを申し上げたいと思います。

部会長:ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。
 そうしたら、一応これに対して、供給な面から言うと現状が非常に難しいという事実もございますが、そういうことはこの資料からある程度読み取れるんじゃないかと思います。それで、一応変更案についてまとめをしておりますので、まずそれを紹介していただいて、それからまたご意見をいただきたいと思います。

水質保全局長:その前に一言だけ。私の発言がそういうことを言いましたがゆえに、あたかも瀬戸内海の水質保全に軸足を置いていないというふうに誤解をされたというならば、それは全然違いますので、その点だけは。あくまでもそこに軸足を置いているということでございます。例えば5ページをごらんいただきたいんですけれども、瀬戸内海の水質保全、海砂に関連して総合戦略を考える場合に、あるところで禁止しても、この5ページにございますように、A県からB県に流れていってしまうというような実態も今回確認できました。したがいまして、そういう点も加味しながら、瀬戸内海の水質保全に軸足を置いて、総合的に考えていかなきゃいかんという、何というか非常に苦悩を、私どもも検討すればするほど非常に苦悩が深まったという点だけご理解賜りたいと思います。

部会長:では、変更案についてご説明お願いいたします。

事務局:それでは、変更案ということで具体的なものを提示させていただいております。
 これは参考資料1の審議会の答申がございまして、これの9ページもごらんになっていただきたいと思いますけれども、昨年1月にいただいた答申で9ページの(5)海砂利採取への対応ということがございますが、ここでは調査については十分な規定がない状況な部分、それから、対策及び検討が必要だと、代替材の開発が必要だと、こういったところを1月の答申ではいただいたところでございます。その後関係機関からの意見聴取、また、当部会でのいろいろな皆様方の意見等も踏まえまして、部会長のご指導のもとに事務局でまとめたものでございます。
 具体的な中身でございますけれども、まず前段で採取に関するものの基本的な考え方を述べておりますけれども、瀬戸内海の海底の砂利採取については、周辺の海域を含む動植物の生息・生育環境や、漁業資源等に及ぼす影響にかんがみ、海砂利に依存しないことを目指す基本的な考え方を述べております。その上で海砂利の代替材の確保に限界がある現状に照らし、砕砂の増産等による代替材の確保等海砂利への依存の低減を図るものとする。ということで、環境保全上はやはり何らかの影響は明らかにされていないとはいえ考えられるものですから、そういった状況を踏まえれば、依存しないことをやはり目指すべきだろうと。ただし、現在の状況では代替材の確保が限界があるということから、依存の低減を図ると、このような形で基本的な考えは述べております。次に代替材の調達に伴い環境問題発生のおそれがあること等から、採取が当面避けられない府県にあっては、採取による当該及び周辺海域の環境等への影響が相対的に小さい海域での必要最小限の採取にとどめるものとするということでございまして、ただいまご説明いたしましたとおりに、やはりいろいろな手段を講じましても、当面避けられない府県がやはり残らざるを得ないということを踏まえまして、その場合でも環境への影響をいかに小さくするかという観点で、影響が相対的に小さい海域での最小限の採取と思っております。さらに、続きまして採取について検討する場合には、あらかじめ当該海域の海砂利の資源量等を調査するとともに、採取による当該及び周辺海域の環境等への影響を調査し、それらの結果等を十分踏まえ対応するとともに、採取を行う場合にあっても、必要最小限の採取量並びに影響を及ぶことの少ない位置、面積、期間及び方法等とするよう努めるものとする。さらに、多様な環境を考慮した対策等を検討するため、海砂利採取が海域環境に及ぼす影響の定量的な究明や環境への影響のより小さい採取方法の開発を推進するとともに、海砂利への依存の低減を図るため、砂利に代わる骨材等の研究開発を促進するものとする。最後に、なお、河口域の砂利採取にあっても、動物と植物の生息・生育環境等の保全及び海岸の浸食防止等に十分留意するものとするということでございます。
 以上が変更案でございます。

部会長:どうもありがとうございました。
 今、一応案のたたき台を出していただきましたので、これについていろいろご意見を賜りたいと思います。

委 員:河口域の場合はよくとっているんですが、あれは川砂利というふうになるのでしょうか。

事務局:先ほどの資料にございましたように、河川砂利というのがございまして、海に近い場合もございますけれども、河川区域でとっているのが河川砂利というふうな位置づけをしております。ですから、海砂利という概念には当たっていないという整理がされております。

委 員:最初の3行目のところに砕砂の増産等による代替材のと書いてあるんで、これについて先ほどもちょっと議論がありましたように、砕砂というのはかなりいろいろ問題がある。先ほどのときに言えばよかったんですが、かなりめちゃくちゃなことを言うというか、むしろ合田先生あたりに質問をさせていただきたいんですが、いろいろな代替材を考える場合に、これで見てこの採取計画、継続的に利用可能なものは再生骨材しかないように思うんですね。ほかのやつはどれも問題があるように思うんですが、もっと短期間では、今はいろいろ問題がある。もっと非常に長期的に考えて、基本的に再生骨材を使っていくと、足りない部分をここから補う、そういう形が非常に長期的に見て可能かどうか、そういう見通しが、もしよろしければお願いしたいと思うんですが。

委 員:先ほど事務局の方からご説明がありましたけれども、そもそもコンクリートをどうやってつくるかと言いますと、水と砂とセメントをまぜて、まずモルタルというのをつくるんです。そうすると、一体となったペースト状ができまして、そこへ砕石を入れて、コンクリートに仕上げるんです。ですから、水とセメントと砂と固まったモルタルと砕石が分離できますので、今、言っている再生骨材というのはそういう、我々の方では粗骨材と言うんですけれども、そういう大きなものは取れるんです。ただ、今度砂を取り出そうとすると、セメントとくっついている砂をとらなきゃいけないんで、これは非常に難しいでしょうね。今ではそのことはだれも考えてないと思います。ですから、私がこれを見ていて、先ほど谷野先生に大分言いましたけれども、砂の増産等の等の中に何が入るというと、東日本からの山砂、川砂、これの輸送ですね。大量の輸送ならば、それぐらいしか私は考えられません。等と書いたらいつも等は何を含んでいるかということが議論になるんですけど、私はそういうふうに解釈しながら読ませていただきました。

部会長:ありがとうございます。

委 員:議論の大前提としてコンクリートというのはこれからもやはり右肩上がりで需要が伸びていくんでしょうか。つまりそういう発想があってもいいような気がするんです。例えば広島県が海砂採取をやめた、現実的にやめれたと、それでやめて困らなかったというのは、つまりコンクリートの需要が減ったわけです。つまり経済が低迷したということの非常に大きな要因だったというふうに広島県は前回の意見聴取のときには発言なさっていましたけれども、我々は21世紀になってもやはりコクリートをどんどん使うべきかどうか、ここは大前提が変わる可能性もあるような気もするわけです。それから、砕砂の増産等により、この砕砂の増産等によるというのは、要は海の底は見えないからどういう影響があるかはわからないけれども、砕砂となればつまりコントロールしやすいという発想にもなるということだと思います。とすれば、大気汚染があれば反対も出るでしょうし、あるいはいろいろな公害が起これば、そこでいろいろな問題で砕砂をとめようとする動きも出てくる。そういう効果も出てくるような気がするわけです。つまり砂をどんどん使うことばかりの発想ではなくて、根底をなくしていくようなことも考えてもいいような気がするわけです。

委 員:2つご意見があって、2番目の方はちょっとさて置いて、最初のコンクリートの方はこれからどうなるかというご質問で、これは……。

委 員:質問ではないんです。

委 員:そういうご意見。ただ、これは国全体が公共事業をこれからどうやって、それはコンクリートを使うというのは公共事業と民間事業を見るのもありますけれども、いろいろありますけれども、その見通しはどうかというと、総論としては今までよりは伸びない、しかし、ちょっと数字が全然出てきませんけれども、今までが100万‰つくっていたとすると、それは若干減りつつあって、90か80に下がるかもしれませんけれども、これが減るということはまず考えられないですね。結局、インフラ整備とかいろいろな面で、施設が要るということはあると思います。それから、同じ建物をつくるときに、コンクリートでつくるか鉄でつくるか、コンクリートをつくらないとすると鉄が主体となる。ただ、そうしたときに耐久性はどちらがあるかというと、このところコンクリートの耐久性について大分疑問が出ているわけですけれども、あれは高度成長時代に急速施工とか、はっきり言えば手抜き、不良工事の影響なもので、本来きちんと施工してあれば100年たっても壊れないということで、やはりどちらかというとコンクリートでいけるところはいきたいというところは、土木の技術者としてはそういう判断はあります。ただ、ある意味では谷野先生がおっしゃったように、経済性での判断がだんだん入ってくると思いますね。砂がどれだけ高くなって、鉄とか比べてどうかというようなことまでいけばそうなりますけれども、ですから、ただ、コンクリートを減らす方向で物事を議論すべきではないかと言われても、ちょっと私にはそこまでついていけません。よろしいでしょうか。

委 員:質問じゃないので。

委 員:合田先生の方がご専門なんですけれども、私はしばらく土木工学科に、今でもそうですから土木工学科に席を置いておりますので、そういう仕事をしながら、それこそコンクリート工学の先生やら、材料力学の先生方とのおつき合いもやはりあるわけですが、社会基盤整備の中で、やはりコンクリートというのは現状から見たら不可欠な基盤材料だと私は思うんですが、ただ、量的には私はこれからそんなにふえないだろうと思うし、それからもう1つ問題なのは、ご承知のように、セメントをつくるときのCO2の発生の問題もあって、CO2の負荷量が非常に大きい分野ですね。その辺の両方を考えたら、なるべくこれを抑制していくということもこれからの一つの、21世紀の社会基盤整備の中で考えられる方向ではないかなと、こういうふうに思いますので、右肩上がりかと言われれば、少し下がる、下げなくてはいけないのではないかと、これはいけないのではないかというふうに私は思っています。

部会長:ありがとうございます。ほかにございませんか。

委 員:細かい話になって大変恐縮なんですが、文章もしくはそれに近いところで2点コメントをさせていただきたいと思いますが。1つは必要最小限というのが2カ所出てきますけれども、この言葉にちょっと私は引っかかっておるわけです。何でも必要最小限じゃないかと私などはひねくれておりますからすぐ読むわけで、もうちょっと抑制的なニュアンスが出るいい言葉はないのか。つまり先ほど申しましたように、私はゼロにすれば一番いいんですけれども、いろいろなレベルがいろいろな時間的な系列の中であるのは、場合によってはやむを得ないんじゃないかというふうに基本的には思っておるわけでありますから、そういうことからいけば、ここの言葉というのは大変重要なところでありまして、必要最小限というのはちょっと引っかかると、こういうことであります。
 2点目は第3パラグラフの資源量の調査とか、そういうことが書いてございまして、これは大変大事なことだと思うんですけれども、先ほどのご説明の中で非常に気になりましたのは、各県によって恐らく調査の方法が大分違うんではないかということであります。これはやはり環境庁が中心になっていただいて、調査のやり方についての統一的な仕組みをつくっていただいた上でやるということが大事でしょうし、また、モニターについて書いてあるのか書いてないのかよくわからない、一番最後のところはモニターについて書いたようにも見えるんですけれども、モニターをしないといけないんじゃないかと、こういうことであります。最初に調べただけではだめなので、モニターをするということをやらないと、このパラグラフの実行が合わないのではないかと。それをどういうふうに表現するかは、ひとつご検討をいただきたいということです。

部会長:ありがとうございます。

委 員:この変更案の最初のくだりで海砂利に依存しないことを目指すという文言が入ったということが一つポイントだというふうに思います。これがうたうということがきちんとうたえれば、この意味はかなり重要なことかなという気がします。ただ、一つ足らない項目があると思うんですが、それは、いわば海砂利というのは限られた資源であるということをどこかにきちんと入れた方がいいような気がします。愛媛県のようにわき出るという発想は多分ないんでしょうから、非常に限られた資源ということの位置づけをここでうたうと。つまり環境問題ではないと。海の砂そのものはもうないんだという発想のもとに環境への影響もきっちりとするということが必要となる気がします。ですから、瀬戸内海の海底の海砂利採取については、限られた資源であることを認識するとともにというような言葉をここに入れておく必要があるような気がします。

部会長:ありがとうございます。

委 員:これは事務局へのお願いに近いかもしれないんですけれども、備讃瀬戸というところがありますね。あそこは周りから高くなっていて、非常に大きなサンドウエーブが発生するんです。そこを水島港へタンカーを入れるために、あそこは開発保全航路になっていて、浚渫をして、数字はちょっと違っているかもしれませんけれども、海面下19メートルの水深を維持するために、二十二、三メートルまで一応ある程度砂をとるんですけど、とった後、しばらくするとまた海砂のサンドウエーブができまして、どこから来るかわからないけどやってくるんですね。そのために、あそこに航路維持のためには定期的に、何年かに一度やはり浚渫をやらなければいけないんですね。だからそうなると、ちょっと本当に資源量に限られているか、それは周りからやってくるのかもしれないんですけど、そのあたりのこともできれば事務局さんの方でちょっと問い合わせて、おそらく第三港湾建設局あたりがそのあたり知っていると思いますけれども、ひとつこれからの議論の材料として調べておいていただければ大変ありがたいと思います。

部会長:ありがとうございます。

委 員:谷野先生と同じで、私も必要最小限という言葉にちょっと2つあるのにこだわったんですが、必要じゃない、最小限なら、最低限なら必要がない方がかえっていいのかなと思いました。それと、もし影響が出たらやめるんだと、例えばもう代替品があろうがなかろうが、影響が出たらやめるんだぐらいのようなところがその後にあったらどうなんでしょうか。そうすると、目指しつつというところが生きてくると思うんですけれども。

部会長:ありがとうございます。

部会長代理:部会長の補佐としてこれから先もう一回、作文全体のところについて、事務局の意見なども聞きながらまとめていきますが、実はこれ変更案で1枚で見ますと、何か見えるんですけれど、実はこれ計画の中に取り込みますと、若干、例えば海砂利採取への対応という見出しになっていますが、計画ですから、ほかは全部具体になるんですね。例えば油何かとの除去とか、公用語で抑えていくものですから、非常に形式的ではありますけれど、若干表現を変えざるを得ない。その中で今、お話のようなことを取り込んで、もう少し体裁も合わせ、考えさせていただきたいと。その中稿を私が仰せつかった立場上やりますので、若干アローアンスを持たせていただきたいと思います。

部会長:どうもありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。

委 員:ちょっと細かいところですけれども、3行目ぐらいのところですね。2行目から3行目、ちょっと文章が海砂利に依存しないことを目指しつつ、海砂利の代替材の確保に限界がある現状に照らし、砕砂の増産等による代替材の確保と海砂利への依存の低減を図ると言っているが、これはちょっとまずいので、これは直す必要がある。海砂利の代替材の確保に限界がある現状に照らしというのを切っちゃえば、まあすっといくんですがね。それが1つ。それから、もう1つは、先ほど須藤先生が言われたことで、影響があったらやめるという話になると、先ほど私申し上げたように、ではどこを影響があるとするのか、影響がはっきり目に見えないと影響がないのか、この辺が非常に難しいと思うんですけれども。

部会長:ありがとうございました。ほかにございませんか。
 大体、皆さんに案内を差し上げたのが17時までとなっておりましたが、埋め立てのお話を次回に回させていただくので、大分時間も予定よりも取らせていただいております。
 このあたりで大体一通りご意見が出たように思いますので、ここに出された、いわゆる変更案を骨子として、これに今いただいたさまざまな貴重なご意見を踏まえまして、大筋ではこれで大体お認めいただいたんじゃないかという感触を得ておりますが、そういう前提に立ってまとめさせていただきたいと思います。それで、特にお気づきがさらにありましたら、1週間後の7月21日、金曜日になりますが、先ほど申した他のところと一緒でございますが、目途に事務局の方にご連絡をお願いしたいと思います。そういうことで、次回にもう一度変更案を見直しまして、基本的にはこの形をとらせていただくことになるかと思いますが、いろいろご指摘いただいたところを入れまして、案をまた事務局と、それから森副部会長あたりと相談しまして、つくらせていただきます。
 以上で、本日提出させていただいた基本計画の変更案についての審議を終わりますが、次回の計画部会には、先ほど申しましたように、埋め立てに関する変更案を提示するとともに、いただいた意見を踏まえまして、再度変更案全体の見直しを行い、次回の部会で審議いただき、最終の本部会報告案とさせていただきたいと思います。最終というのはこの委員会は最終でございますので、最終はまだ先でございます。そういうことでよろしゅうございましょうか。
 では、議題の最後にその他とありますが、事務局からございますか。

事務局:長時間にわたりご審議いただきましてありがとうございました。
 次回の計画部会の日程でございますけれども、委員会の皆様のご都合を事前にお伺いしたいというふうに思いまして、整理させていただきましたが、8月9日の水曜日、午後1時というのが皆様お揃いになられるようでございますので、それで決めさせていただきたいと思います。なお、正式には後日連絡をいたしますので、またよろしくお願いしたいと思います。

部会長:では、ほかにございませんでしたらこれで部会を終了したいと思います。
 本日は長時間にわたり、貴重なご意見をたくさんいただきまして、どうもありがとうございました。
 では、これで終わります。