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瀬戸内海環境保全審議会計画部会(第2回)議事録



1.日  時  平成11年12月10日(金)11:00〜12:46

2.場  所  環境庁第1会議室(22階)

3.議  事

(1)瀬戸内海環境保全基本計画の変更の検討について
   ・海砂利採取への対応
   ・埋立ての抑制
   ・環境教育・環境学習
(2)その他

4.配布資料

資料1海砂利採取への対応
資料2埋立ての抑制
資料3環境教育・環境学習
資料4 第5次水質総量規制に係る意見交換会について
参考資料1瀬戸内海における新たな環境保全・創造施策のあり方について−瀬戸内海環境保全審議会答申−
参考資料2関係法令等



議 事


事務局:定刻となったので、瀬戸内海環境保全審議会の第2回計画部会を開催する。

事務局:配付資料の確認後議事に入った。

部会長:議事に移る。
 第1回の計画部会に引き続き、瀬戸内海環境基本計画の目標達成のための基本的な施策における主な検討事項について審議いただきたい。
 今回も前回と同様、自由な議論をお願いしたい。前回は審議時間がなく資料のみの説明となった海砂利採取の対応について、まず審議いただきたい。次に前回、追加資料の要望のあった埋立ての抑制について、さらに今回新たな検討事項として、環境教育・環境学習についての順に議論を進めたい。
 では、海砂利採取への対応について、事務局から説明をお願いしたい。

事務局:資料1に基づき、説明。

部会長:何か意見、質問はあるか。

委 員:香川県で海砂利採取が今後全面的禁止になるということだが、大変結構なことだと思うが、瀬戸内海全体での海砂の賦存量というのは、大ざっぱにどのぐらい採取   しているのか、例えば1%とか0.1%とか。
 それから、海砂は資源として大切だが、もしこれを全面的に禁止した場合、輸入することになる。その輸出国に環境問題を引き起こすということがあり得るのかどうかということを伺いたい。

事務局:賦存量の量的なものについては、現在のところ把握していない。ただ、先生方の研究内容に書かれているものがあると聞いているので、調べてご報告したい。
 輸入砂関係の環境問題については、資料15ページの問題点の中に砂利採取が輸出国の環境問題に発展する可能性があること。一部、韓国の方では海砂資源は存在しているが、やはり採取による環境影響等で、つい最近までは環境問題の方から輸出を禁止していたという状況があると聞いているが、現在の政権に代わって、一部解除されている状況と聞いている。各国の状況を詳細まで把握していないが、地域 によっては、当然瀬戸内海でも採取による環境影響があるということでもあり、ほかの国においても同様な問題は場所によっては考えられるのではないかということが一部先生方から言われている。

委 員:わかりました。

部会長:ほかに、何かないか。

委 員:砂というのは流れ、波等で動くわけで、だんだん減っているという話だったと思うが、供給源はどうか。その供給源とは河川だが、河川の方の土砂の排出量、これを遡ると、もともと山の土砂の生産といったところになるわけだが、最近の通性として土砂生産というのはかなり山腹工事等によって抑えられている。さらにダムが多いので、なかなか河川から外へ出ていかないということもあるので、そういった河川からの土砂の供給量について何らかの資料がないか。
 それからもう1点は、やはり流れの問題で、流れがあると砂も動くということで、それによって砂州・砂堆の形成があるわけだが、そうするとその流れの方の特性というのは瀬戸内海でどういうふうになっているかということも、砂の動きに関係して一つの情報を与えるのではないかと思う。つまり潮流とか、それから長期的に見ると恒流ということになるのか。その恒流の方向並びにその大きさ等について、ある程度の知見があると、瀬戸内海でのそういう砂の動態というものが浮かび上がってくるのではないかと思うが、その点の資料についてあるかどうかお聞きしたい。

部会長:事務局の方から説明願いたい。

事務局:まず供給量の話だが、本日は供給量等のデータについては確認できていないので宿題とさせていただきたい。
 また、陸域からの供給の話は、8ページ、9ページの図面で、現在の研究で明らかになっているのは、特に瀬戸内海の海峡部というか、中央部での砂については陸域からの供給ということではなく、過去、非常に長い時間をかけてその地域の岩石等が風化したものが波浪等により部分的に堆積しているのだというようなことで聞いている。またそれ以外の例えば、愛媛県の西側に肱川河口というところがあるが、愛媛県の西側の海岸前面の部分については河川から供給されているものと、聞いている。また、その流れの動態等については、環境庁でも調査を行っている。その中でも触れているような記憶があるが、本日は用意していないので、資料については今後検討させていただきたい。

部会長:情報が十分ではないが、現在採取されている砂利は、既に堆積していたものであろうというような推論だ。河川からの供給というのは余り評価されていないようだが、調べてみればまだ新しい知見が出るかもしれない。
 他に何か質問はないか。

委 員:14ページの方で代替品として砕砂は価格が高いとなっているが、平均的にどのぐらいの差があるか。海砂利の採取をどんどん厳しくしていくと、結局そのあたりの全体的なコストアップの点からいろいろな問題というか、反対論も出てくると思うが、現段階でどの程度のコストアップになっているのか、わかれば教えていただきたいと思う。

事務局:金額的なものは今すぐわからないので、事務局の方で調べ回答したい。

事務局:コストという面は難しいが、要するに運搬の費用がかかるので、その物のコストを比較するというのは、どこから持って来るかというようなことが一番大きなコストにかかわる問題だと思う。一概に海砂利が幾らで砕砂が幾らというふうにはなかなかならない。ある程度の目安はつくと思うので調べることはできると思う。

委 員:この問題をどんどん議論していくと、その建設業全体の方からコストアップでブレーキがかかるのではないかと思う。そのあたりを踏まえながら議論するのか、あるいはそれはそれとして、あくまで瀬戸内海の環境保全に絞って議論を進めていいのか、そのあたりのスタンスを少し教えていただきたい。例えばコストアップをかなり吸収できるというのであれば、まだ始まってないが、ダムの堆砂問題がある。ただ、それをそこから揚げても今度、利用地まで非常に距離があるのでトラックの運搬費用が高くついて、恐らく現在の何倍かのコストになってしまうと思うが、そういった波及影響というか、そのあたりをどこまでここで議論すべきなのか、大事な問題ではないかと思う。

部会長:非常に難しい問題だが、事務局の方で何かあるか。

事務局:この海砂関係については、当瀬戸内海環境保全審議会で議論しているもので、環境面に重点を置いているのはもちろんだが、審議会の性格上、いろいろな分野の方に多角的な観点から審議いただくというのが審議会の性格と思うので、そういう意味では単に環境だけではなくて、ある意味で社会的な背景等、いろいろ情報を得た上で、なおかつ瀬戸内海の環境保全上どのような基本計画としていくべきかということを議論いただきたい。

部会長:審議会としては環境サイドを非常に重視しているので、基本的にはそちらにウエイトがあると思うが、すべてそれで割り切れるものではないので、供給量とかも視野において考えていかなければならないではないかと思うが。何かそれについて意見はないか。

委 員
:海砂利問題については、社会的な問題であるとか、科学的データの話とかというのはもちろんあるが、現実に広島県がもう全面禁止しているという事実。また、香川県もそれに追随していこうという動きがある。非常に厳しい現場サイドでこういう動きが実際にはある。瀬戸内海というのは、一体的なものであり、一つの県だけが突出してやっていくのは、非常に厳しい環境にあるということが推測できるわけで、今後は規制強化等でバックアップしていただくことを地元県は望んでいると思う。今現場がそういうふうに動いているということを我々は意識する必要がある。

部会長:ほかに何か意見はないか。

委 員:例えコストが高くなっていくにしても、自然のいろいろなものは、海砂利にしても有限であることは確かなのだから、お金を最優先する意識を改革して、自然を守らなければいけないという立場に立った議論をしなければいけないのではないかと思う。コストが高くても守らなければいけないところへ来ているのではないかと思う。

部会長:この問題は、継続的にこれから議論していくので、今日結論が出るわけではないので、自由に発言いただきたい。  これに関連して、海砂利採取については関係機関からの意見聴取も予定している。そこで意見をお聞きした上でまた議論を深めていきたいと思う。
関係機関からぜひこのようなことを聞きたいということがあれば、事務局に準備してもらうので連絡願いたい。

事務局:質問の中でも例えば供給量の話とか流れの動態の話とか、いうならば専門的な質問があった。事務局の方でも整理するが、その一部は専門の機関の方でお答えいただいた方がよい点もあると思う。そういった面やただいまの質問も踏まえて関係機関からの意見聴取等も予定しているので、その中身についても相談したい。

部会長:事務局で本日の質問の論点を整理いただくとともに、各機関からの意見聴取の内容等について調整し、準備していただきたい。
 次に議事の2について事務局より説明願いたい。

事務局:資料2に基づき説明。

部会長:ただいまの説明に対して意見、質問等はあるか。

委 員:埋立ての手続きについていろいろ調べていただきましたが、これは1ヘクタール以下の非常に小規模なものまでこの手続きに則って行われていると考えてよいか。

事務局:公有水面埋立法では、例えほんの小さな埋立てでもすべてこの手続きによっている。

委 員:事業者による埋立てが出願されて、先ほどのいろいろな留意事項、やむを得ないという理由に合うかどうかということになるわけだが、却下された例はあるか。ず   っと同じぐらいずつ埋立てが行われているので、書類をつくればみんな許可されてしまうのではないかというふうに懸念されるのでお聞きしたい。
 それから環境庁が意見聴取して調整を図るというが、これは200ヘクタール以上の特定海域の、その200ヘクタール以上の埋立てだけと考えていいのか。あとはただ報告を受けるだけなのか。

事務局:最後の方の200ヘクタール以上云々の話は、資料2の2ページの一番下で、環境庁に意見照会があるのは50ヘクタールを超えるもの。

委 員:50ヘクタール以上は意見聴取でやむを得ないというふうな返事で特に強い意見を出す例というのがあるのかというのが2番目の質問。
 それから、三つのいろいろな留意事項の中で公害防止・環境保全に資するというはわかるが、その中に生態系の保全というのは入っているのか。

事務局:まず却下の事例があるかどうかは、承知してないので、関係部局に問い合わせしてお答えするが、日本の一般的な事務の場合は、いきなり申請が出ることはなく、通常は事前に関係の部局に相談に行って、おおむねこれでよいとなった段階で申請書等を出すのが一般的だと思う。その段階で許可の見込みがないものは出さないというのが通例と思うので、余り却下の例というのはないと思われるが、確認し、お答えする。
 また、環境庁に意見が上がってきた場合に強い意見を出すことがあるのかどうかというご質問だが、当然、そこで主務省庁や事業者と環境庁に上がってきたものについては調整を行い、これも事前の調整というのはもちろんあるが、通常の場合には環境庁から厳しい意見を申し上げて、変更すべきところは変更をしていただく。過去にそういった例もある。そういった形で環境保全上の観点から意見を申し上げ、調整を図っているというのが実例だ。
 それから生態系保全の観点が公害防止・環境保全に資するものと、その中に入っているかどうかということだが、これははっきりこれが公害防止・環境保全に資するかどうかという形でまとめたものはない。今回、事務局の方でこの3点にどのように該当しているのかということで検討させていただいたもの。もちろん総合的に埋立てが必要かどうか検討をする中で、環境への軽減措置、生態系に与える影響を軽減するような措置が検討されているかどうか、そういったものも総合的に検討する中で判断しているが、ここで具体的にそれがあるから環境保全に資するかどうかという形では現在のところ整理はしていない。環境軽減措置をとっていただくことを、その全体の中で環境や生態系に与える影響も軽減する上で評価している点はもちろんある。

部会長:この埋立ての基本方針ができた当時、昭和48年頃の瀬戸内海の汚濁というと、ほとんどは水質関係の関連で、埋立てを悪という概念は、これは埋立てが行われ、それはほとんどが工業埋立てだが、そこから出てくる汚濁物質で瀬戸内海が汚れているという概念が非常に強かった。生態系の詳しいところまで余り議論していなかったのが実情だ。

委 員:非常に単純な質問で恐縮だが、この特定海域という言葉が出てくるが、瀬戸内海に特定海域と特定海域ではない海域が二つあるということだが、どういうふうに違うのか。瀬戸内海で特定海域の埋立て方式とそうでないところとは違うのか同じなのか。  もう一つはこの1ページ目の前回の意見のまとめの内容をもう少し詳しく聞きたい。一番下のところに埋立ての質の問題まで踏み込んだ検討が望ましいとあるが。このこと自体そのとおりだと思うが、埋立ての質というのはどういうことで議論されたのか。つまり埋立てがどういう目的の埋立てなのかという観点からか、それとも埋立ての方法、つまり水質の保全に影響ないような埋立てという意味での質か、どちらかか、両方有しているのかどうか。

事務局:特定海域については、別添の参考資料2の埋立ての基本方針の10ページ、11ページの方に埋立ての基本方針を掲げている。この中で記ということで1から4まであるが、11ページの記の3の方に、特にこの6海域については、いうならば厳しい扱いをする、ほかの海域に比べて一段と厳しい扱いをする海域ということで定められたもの。ここに掲げているとおりに大阪湾奥部から広島湾にかけての6海域を特に定めたものである。その下に※で書いてあるが、これは汚濁度等から全体の平均的な特性と著しく異なる特性を持つ海域においては実情に応じた配慮をする。こういったことから当時決められたもので、特にその海域については右側の留意事項で、この3点のいずれかに適合しない埋立てはできるだけ避けるようにといったことが埋立て基本方針に定められている。
 それから前回、埋立ての質についての意見だが、これは埋立ては単に大きさとかそういうものだけではなくて、その埋め立てる場所、それからどのような形で埋立てが行われるかといったものによっても環境影響も違うのではないか。一律にその大きさだけで云々するのではなく、そういった埋立ての中身というか、質も踏まえた上で今後、方針が検討されれば良いといったような意見だったと思う。事務局としてはそのように理解しているが、発言いただいた先生の方から何か追加があればお願いしたい。

委 員:はっきりと意識して議論したわけではないが、頭に置いていたのは、埋立ての場所によって生態系に及ぼす影響がかなり違いがある。そういう点で質ということを発言したと思う。

部会長:埋立ての特定海域について、事務局から説明があったが、当時、水質汚濁ということが頭にあって、非常に汚れているところに埋立てすること自体が汚れを加速させるという概念だった。工場用地を造成する埋立てが主体で、埋立て地の上につくった上もの側から汚濁物が出るという概念があって、そういう非常に汚れたとろに埋立てをすればさらに汚れるということで、特定海域が滞留度とそれから水質の濃度と流入負荷量、この三つの観点から決められたと私も記憶している。

委 員:部会長の話を聞いて経緯はよく理解できたように思う。しかし、今考えると、逆に瀬戸内海のきれいな環境とか船の景観がいいというような地域に対して、やはり一般国民としてそれをそのまま残したいとか、小島がいっぱい並んでいるところ、そこを埋め立ててしまうというのはもったいないとか、そういう発想になって、むしろこういう特定海域も重要かもしれないが、特定海域でないところの埋立てというのがそれ以上に重要ではないかと思うが。

部会長:埋立ての概念の質とか評価の基準が変わってきていると思う。この20年その経過、特に今言われているのは浅海域のいわゆる生態系の破壊とか景観とかだが。恐らくこれから議論する中で、今現在言われている埋立てというものの評価といいうか、こういう概論が過去に出てきたところと現在は相当様変わりしているという事を踏まえて、議論しなければならない。先程の委員の発言を契機として、そういう観点でここでは議論していかねばならないと考えている。

事務局:特に先ほどの6海域については特別な記3ということで書いているが、記1、2の方に全般的なことが書いてある。その中で自然環境に与える影響が、これは自然景観等も含め、そういったものが軽微であることというのは当然チェックすることになっており、さらには記2の方に、次に示す区域での埋立ては極力避けることという中で、特に自然公園法における指定地域、こういったものについては避けるということで、その意味では自然景観がすぐれたところを指定している。国立公園等の区域については、基本的にこれは避ける。こういったものは当時の基本方針の中でも定められている。

部会長:ほかに何か意見はないか。

委 員:公有水面埋立法について、中身を変えていこうという動きがあるというのを新聞で読んだが、そういう動きがあるのかどうか。  それからそれについて、どのあたりまで進んでいるのかわかれば教えていただきたい。新聞で読んだ限りでは、かなり内容が変わってくる。いわゆる抜本改定という言い方までできるのではないかという気がするが、その辺どうか。つまりここが変われば、この埋立てに対する考え方、あるいは規制の仕方が変わってくるのではないかという気がするので、それを踏まえ議論する必要があると思う。

事務局:新聞報道でそういったことが検討されているというのは承知しているが、詳細までは承知していない。今後、関係機関からの意見聴取というようなものも予定しているので、その際には関係機関の方にそういった意向を伝え、回答いただきたいと思う。

部会長:ほかに何かないか。

委 員:2ページの手続きのことで、例えば埋め立ててから空き地が残っていたり工場が入らなかったりというのは今たくさんあると思うが、手続きした内容と現状は違うのではないか、違反ではないかというような、そういうことをチェックしたり免許が取消しになるということは埋め立ててしまったらもうあり得ないのか。そういうことに対して責任を追及して善処させるというようなことはできるのか。また、何か方法があるか。

事務局:その件についても、埋立て部局、また、直接埋立ての免許をとられている関係機関の方に回答いただきたいと思う。

部会長:この件についても、これから継続的に審議し、関係機関からの意見聴取も予定している。そこで意見をお聞きした上で、さらに議論を続けていきたいと考えているが、関係機関からぜひこのような意見を聞きたいというようなことがあれば、事務局に準備してもらうので、お受けしたい。

委 員:国土利用上適正かつ合理的であるこというのが、この9ページでうたわれているが、以前、国土利用法の中央審議会というのに参加したことがあるが、そこは何か使い方が変わったとかを追認するだけで、議論をきちんとするような形ではなかった。この国土利用に関する適正かどうかということの判断基準等をその関係のところに聞いていただきたいが、国土利用中央審議会というのは非常に重要な会議と思って参加したわけだが、基本的にそこで、地図を塗り替えるだけ、それを追認するようなことだった。そこで埋立てとかいろいろなものに対する判断はどうしいるのか、その辺を教えていただきたい。

部会長:検討お願いしたい。

委 員:埋立て行為と浚渫あるいは砂利採取の行為というのは共に技術を伴う問題だと思う。その技術面での議論が余りここでは今まで出てこなかったように思うが、これはかなり関係してくる部分ではないかと思う。そういう意味で、例えば浅いところを埋立て、採取してはいけないということになると、深いところはいいのかということになる。そうすると深いところの砂利採取というのは技術の問題では可能と思うので、埋立てにかかわる技術、もしくは採取の技術といった面の技術的な背景について調べた方がいいと思う。
 それからもう一つは海の交通もかなりかかわってくるのではないかという気がする。特に大阪湾、その他のところでは高速船、TSLとか、時速100キロ級の超大型船が走り回るというようなこともあるので、海の交通との対応と、関係というようなものを考えていただきたい。
 それからもう一つは、大阪湾の奥なんかは、もうびっしりと埋立てされているということだが、大阪湾の奥だけではなくて大阪湾沿岸というのは、ほとんど人工海岸になるわけで、そこでの埋立てというのは一体何かというと、既に埋め立ててあるその前面にさらに埋め立てるという行為だから、これは自然海浜を持ったその前の埋立て、あるいは自然海浜そのものの埋立てとはちょっとわけが違うというふうなところをどういうふうに整理するかということを考えていただきたいと思う。
 その沿岸、既にもう埋め立てられているところが先ほどの土地利用の関係で留意点があると思う。そういった場合のその人工海浜の保全だが、埋立てるとか埋め立てないということだけではなく、沿岸のあり方そのものを考えないと、埋立て行為そのものがいいか悪いかだけの判断にならないと思う。だから、その海との接触面の技術というか、これも技術のうちに入ると思うが、そういった面についても調べていただき、担当部局にヒアリングの際聞きたいと思う。

部会長:埋立てに関連した問題がたくさんあるが、事務局の方でぜひ集められる資料はお集め願いたい。
 埋立ての議論は、さらに継続するので、今日はこのあたりで一応埋立ての議論を終える。
 事務局で本日の論点を整理し、意見聴取先及び意見聴取内容について調整いただきたい。
 次に環境教育・環境学習について事務局から説明願いたい。

事務局:資料3に基づき説明。

部会長:ただいまの説明について、意見、質問等はあるか。

委 員:ここに記載していただいたことについては全く異議ないが、毎年、環境月間に環境庁が水環境フォーラムを開催して、全国の水環境に貢献した個人と団体を表彰したり、シンポジウムをやっている。10年ぐらい私もその手伝いをしているが、その中で海の表彰はほとんどなかったと記憶しているが、身近な水域というのは川に近いので、川の方が圧倒的に多い。海、特に瀬戸内海を中心とした、海の中からも掘り出してほしい。

委 員:全国的な環境教育の推進はもちろん大事だが、この資料の1ページにあるように、瀬戸内の環境保全基本計画の中で取り上げているのは、瀬戸内海地域の住民及び瀬戸内海を利用する人々の協力が必要であり、そのための教育が必要であると思う。瀬戸内海を利用する人達というのは砂利を採取する人や、漁業しながら漁港がなくて困っている人であり、お互いに両方がうまく協力できるような教育をすることが基本計画だと思う。その点がこの10項目に入っていないような気がするが、その辺はどうか。

事務局:1月の答申の三つの柱の中では、幅広い連携と参加の推進というような形で提言をいただいている。単に子どもたちだけではなく、いろいろな主体において連携と、それからいろいろな場面での参加が必要だということが提言されている。例えば砂利採取業者の方も含めて瀬戸内海にかかわるすべての方が、それぞれの立場において環境に関する関心を深めることが必要だと思っている。今後の計画の中でもそういった観点は入れ込んでいく必要があると思っている。
 また、今回用意した資料は、環境庁関係のみの事例報告で、具体的な報告については、今後また追加で出したいと思っている。特に漁業関係等においては、実際に瀬戸内海地域で住民に対する普及・啓発活動を行っている横のつながりのある団体として、社団法人の瀬戸内海環境保全協会というのがある。この中には会員として漁協関係者も積極的に加わっていただいている。漁協関係の方に対するいろいろなPRとか研修会の開催等も行われている。単に地方公共団体だけではなく、民間の方々も広く参加いただいている。

委 員:今、瀬戸内海の勉強会というような組織の話だが、私の団体もその一員だ。資料3の環境教育、環境学習の説明に関心を持って聞いていたが、今日、日本の国は健康日本ということを目指しているが、健康というのは、保健の健康、保健部局から見れば健康、体、精神ということだが、そこに住む環境、景観というようなすべてのものを含めて健康日本ということだと私は解釈している。

部会長:この件についても今後議論を続けるが、環境教育と環境学習については、この瀬戸審の9月の総会でも発言があった。さらに来年1月、瀬戸審の総会を開催する予定なので、その中でも議論していきたいと考えている。

委 員:現場でやっているものだが、学習活動というものが、たくさん立ち上がってきて市町村の方にも少しずつ回ってきているが、やはりまだ環境庁さんの宣伝不足みたいなところがある。国から府へ行って、府から市へ来て、という間に、もとのものが薄れて、何か決まりきった行事みたいになっている。貝塚市に対して府の方からおりてきた時点では、環境庁から来たからこうこうこうという、儀式みたいなものになってしまっている。具体性というか、地域に則したものとなっていない。できたら瀬戸内海のあちこちに拠点みたいなものがほしい。拠点をつくることは難しくても、既にある施設を生きたものにするよう働きかけてほしい。
 私は埋立地の中にある小さな博物館にいるが、子どもたちがエコクラブに入っても、書類を出したり印刷物を配布したりというような事務的なことに追われ、実際に子どもたちが海で遊んだり川で遊んだりして生き生きしているというよりは、大会に向けて何か発表する物を用意するとか、あるいは集まりがあるが引率者はどうしたらいいかとか、実際に海が好きになる、川が好きになるということに結びつくまで行かないのが現状だ。場所と人と計画が、具体的にうまくいくように何か知恵を出し合わないとだめだ。中には本当に頑張ってやっているところも聞くが、70,000人の実態が希薄だと思う。地方に何か拠点になるような、場所や人を見つける工夫をして、具体的なことを進めていただきたい。

部会長:これで今日の議論は終わるが、全般を通じて何かあるか。
 事務局から何かあるか。

事務局:事務局の方から資料4に基づき説明。

部会長:瀬戸内海関連で総量規制の現地説明会の意見交換の予定がある。参加できる方はよろしくお願いしたい。

事務局:次回以降の計画部会の予定だが、第3回目は海砂利採取、第4回目は埋立てに関して関係機関から意見聴取をしたい。具体的な意見の聴取先だとか、聴取内容等については、先ほど委員の方々から意見、質問をいただいたので、そういったことを踏まえて部会長と相談の上、調整させていただきたい。開催時期については、来年2月の初めころを中心に考えている。
 また、部会長から話があったが、1月末瀬戸審の総会を開催して、第5次水質総量規制の在り方の答申案の説明、計画部会での審議状況の報告、瀬戸内海環境保全基本計画の変更についての討議を予定している。開催の時期については、1月20日から28日の間でスケジュール表をお配りしているので調整したい。
 また、第3回の計画部会の日程等については、その後に調整したい。

部会長:これで第2回の計画部会を終了したい。